JP4560627B2 - 散乱光検出方法及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

散乱光検出方法及び走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、散乱光検出方法、並びに、走査型プローブ顕微鏡、その中でも特には、近接場光によるプローブ先端と試料との間の散乱光を検出する散乱光検出方法び走査型プローブ顕微鏡に関するものである。
半導体、有機物、生体などの多くの材料でナノレベルの研究が行われていて、これに伴って高い空間分解能で微小材料を評価する方法が必要とされている。従来、これら微小材料を評価する手段として光学顕微鏡が用いられている。しかしながら、光学顕微鏡では、レンズの集光できる径が光の回折限界により半波長に制限されるため、ナノレベルの材料の観察ができないといった問題があった。そこで先端が鋭く尖ったプローブを試料表面の極めて近いところで、かつその表面に沿って走査させる走査型プローブ顕微鏡が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
走査型プローブ顕微鏡は、プローブ、プローブの変位検出器、フィードバック制御装置、これらを制御するコンピュータなどから構成され、大気中、ガス中、真空中など様々な環境下において、試料表面から離れると著しく減衰する物理量を測定するなどして試料表面の特性を測定することができる装置である。これら物理量として、走査トンネル顕微鏡の場合においては探針と試料表面を流れるトンネル電流であり、原子間力顕微鏡の場合においては探針を設けたカンチレバーのたわみや機械的共振周波数の変化から探針に作用する力や勾配であり、近接場光学顕微鏡の場合においては近接場光である。以下、説明の便宜上、それら測定した物理量の検出信号を、STM信号、AFM信号、SNOM信号と呼ぶ。
近接場光学顕微鏡には、大きく分けて二つの検出方式がある。試料に光を当てて試料の周りに近接場光を発生させ、それをファイバープローブ先端で検出して試料の光物性を知る方式と、これとは逆に、プローブの周りに発生させた近接場光で試料を照らし、プローブ先端と試料表面との相互作用による散乱光にて試料の光物性を知る方式である。これら何れの方式でも、先端に微細構造を持つプローブを試料に対して走査するという点では走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡などと共通しており、走査型プローブ顕微鏡の一員として考えられている。
そして、後者の散乱型の近接場光学顕微鏡においては、通常、タッピングモードなどと呼ばれる、プローブ先端を縦方向に振動する方法でプローブ先端の散乱光を変調し、それをロックイン検出等しているため、プローブは振動状態にして測定する必要があった。しかしながら、この方法では、金属プローブを用いる後者方式の近接場光学顕微鏡でも、液中観察等の同振動が減衰し易くて散乱光が変調されにくい環境下での計測や、プローブが試料と接触しているが故に計測できる、電気や摩擦などの物性を得ることは困難であった。光物性と電気物性等、その他の物性を検出できることは、試料を総合的に把握する上で非常に重要である。逆に、コンタクトモードなどと呼ばれる、試料に常に接触しながら測定する方法では、近接場光を利用した信号としての散乱光を変調できないため、光物性を観察できない。
特開2002−22640号公報
そこで、本発明は、レーザーをプローブ先端などへ直線偏光のP偏光成分を変調して照射できるようにし、更には、プローブが試料と常に接触しながら測定する場合においても、SNOM信号としての散乱光を変調し得て、試料の光物性を観察することのできる走査型プローブ顕微鏡、所謂近接場光学顕微鏡を得ようとするものである。
上記目的を達成するため、本発明の散乱光検出方法においては、請求項1記載の発明では、外部から照射されたレーザーを走査型プローブ顕微鏡のプローブ先端と試料との間へ直線偏光面を回転させることによりP偏光成分を変調して照射し、前記プローブ先端と前記試料との間の相互作用に基づく散乱光を前記P偏光成分に同期して検出することを特徴とする。
請求項2記載の発明では、外部から照射された円偏光としたレーザーを回転する偏光子に通して走査型プローブ顕微鏡のプローブ先端と試料との間へ直線偏光面を回転させることによりP偏光成分を変調して照射し、前記プローブ先端と前記試料との間にP偏光が照射されたタイミングで前記プローブ先端と前記試料との間の相互作用に基づく散乱光を検出することを特徴とする。
更に、本発明の走査型プローブ顕微鏡においては、請求項3の発明では、外部から照射された円偏光としたレーザーを回転する偏光子に通してプローブ先端と試料との間へ直線偏光面を回転させることによりP偏光成分を変調して照射する偏光変調装置と、前記プローブ先端と前記試料との間の相互作用に基づく散乱光を前記P偏光成分に同期して検出する光検出部とを少なくとも有することを特徴とする。
請求項乃至記載の発明では、前記円偏光変換手段は1/4波長板であること、前記偏光変調装置はレーザー発信器とその光路中の円偏光変換手段と回転する偏光子とから成ること、前記偏光子は偏光板であることを各特徴とする。
本発明によれば、外部から照射されたレーザーを走査型プローブ顕微鏡のプローブ先端などへ直線偏光のP偏光成分を変調して照射することができ、もって、プローブが試料と常に接触しながら測定する場合においても、SNOM信号としての散乱光を変調し得て、試料の光物性を観察することのできる走査型プローブ顕微鏡、所謂近接場光学顕微鏡として提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、本発明に係る偏光変調装置について、図1を参照して説明する。なお、本発明に係る散乱光検出方法については、この偏光変調装置や、図2や図3に示す走査型プローブ顕微鏡の説明の中で合わせて説明することとする。
11はレーザーダイオードであり、12は1/4波長板、13は回転偏光板であり、1/4波長板12及び回転偏光板13をレーダーダイオード11から発射されるレーザーの光路上に順次配置して、偏光変調装置10を構成する。図示では、その照射先を金属製のプローブ20の先端としており、プローブ先端21に近接場光Nを発生させ、プローブ先端21と試料との間の散乱光、すなわちプローブ先端21と試料表面との相互作用による散乱光Rを検知できるようしている。
ここで、レーダーダイオード11は、レーザー発信器としての一例であり、本発明では、半導体レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、自由電子レーザー、更には各それぞれ異なる媒質や励起源を使用する種々のレーザー発信器を採用することができる。その中でも、ブリュースタ窓と呼ばれる光学ガラスを組み込んだものは、レーザーは直線偏光として出力される。ブリュースタ窓などを持たないレーザー発信器ではランダム偏光で出力されるのが一般である。このため、レーザー発信器からのレーザーがランダム偏光で発せられる場合には、偏光子と呼ばれる結晶や偏光板を通して、円偏光を得る前に、先ず直線偏光として得ておく必要がある。図示のレーザーダイオード11から発せられるレーザーは直線偏光として以下話しを進める。言い換えれば、円偏光変換手段には直線偏光を入射させる必要がある。
1/4波長板12は、円偏光変換手段としての一例であり、異方性の結晶からできた光学板であって、直線偏光が入射すると、結晶の光軸と入射光の偏光面が作る角度によって結晶の屈折率が異なることから、光波に位相差を生じさせるものである。そして、この板厚を調整し、偏光面による位相差がちょうど入射波長の1/4としたときは、時間軸で90度の位相差が付けられるので、直線偏光を円偏光に変換することができる。つまり、1/4波長板12は、レーザー発信器11の発するレーザーの波長に適したものを使用する。その簡易型として、光学ガラス板の表面の一部に屈折率と厚さの積が1/4波長となる透明な等方性材料をコーティングしたガラス板があり、勿論、これを円偏光変換手段として使用できるが、その他の素子でも直線偏光を円偏光に変換することができれば使用することができるものである。
回転偏光板13は、回転する偏光子としての一例であり、図示しない高速回転可能なモーターの軸に直結され、その板面が光路を横切る様に高速で回転する偏光板である。偏光板それ自体は、偏光フィルタとも言われ、ガラス板やプラスチック板に波長程度の大きさの金属や高分子の針状結晶を塗布したものであり、偏光面がその方向を一致すると通過させ、他はカットするものある。回転偏光板13は、この所謂偏光フィルタを円板状にカットしたもので、偏光精度に多少劣るものの、小型軽量かつ低コストに構成することができる。小型軽量であることは高速回転させる上でも非常に有利であり、回転偏光板13を高速回転できることは、偏光の変調周波数を高周波化できることにつながる。勿論、円形にカットせず、矩形等の形状でも構わないが、バランス良く高速回転させる上では真円でカットするのが望ましく、またモーターの軸に直結せず、回転偏光板の外周に歯車やプーリー溝などを設け、これをモーター側の歯車やプーリーで増速回転させることなども適宜可能である。
勿論、偏光子として偏光プリズムも使用することができ、この場合には、回転機構として大型化し、それがコストアップにもつながり、高速回転させる上で不利となるが、偏光精度を上げる点では好ましい結果をもたらす。
そこで、この偏光変調装置10の動作について説明すると、レーダーダイオード11から発せられた直線偏光L1のレーザーは、先ず円偏光変換手段たる1/4波長板12で円偏光L2に変換される。引き続いて、この円偏光L2は、回転する偏光子たる回転偏光板13を通ることとなるが、回転偏光板13は、例えれば、細かな縦縞模様を回転させているような状態となっているので、プローブ軸と回転している縦縞模様の方向とが一致した瞬間には、プローブ軸と同一位相面の直線偏光、すなわちP偏光は100%透過できるが、回転している縦縞模様の方向がこれと90度異なる横縞状態にある瞬間には、P偏光成分は透過できず、その間で増減していることとなる。つまり、回転偏光板13を通ることにより直線偏光のP偏光成分が変調されて出力されることとなる。そこで、この回転を高速で行えば、例えば500回/秒で回転させれば、その倍の1000Hzで偏光を変調できることとなる。
したがって、その照射対象をプローブ先端21とすれば、順次、P偏光(プローブ軸に対して平行な電場ベクトル)〜S偏光〜P偏光と回転するように、P偏光成分が変調されたレーザーがプローブ先端21へ到達することとなる。P偏光成分により金属プローブ先端には電場増強効果が起こるので、近接場光N、並びにその散乱光も周期的に増減、すなわち変調させられることとなり、プローブ先端と試料表面との相互作用による散乱光Rをバックグランド光と区別して検出できるようなる。つまり、光学像は、プローブ先端の散乱光を回転する偏光子の回転による偏光変調周波数でロックイン検出するなどして取得することが可能となる。
引き続き、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の一実施形態について、図2を参照して説明する。
このものは、原子間力顕微鏡に外部光学系として上記偏光変調装置10並びにSNOM信号の光検出部を付設したような走査型プローブ顕微鏡70となっている。一般に、走査型プローブ顕微鏡が、プローブ、プローブの変位検出器、フィードバック制御装置、これらを制御するコンピュータなどから構成される様に、図2のものも、カンチレバー31、AFM信号の元となるレーザーを照射するAFM用レーザーダイオード32、4分割光検知器33、電流電圧変換器34、AFMコントローラ35、圧電素子41を脚としたステージ42、それにコンピュータ50とから概略を構成する。これら構成には従来公知のものから適宜選択して適用でき、また、その動作モードも幾つかあったりするが、大凡の動きとしては、次の様なものとなる。
ステージ42に試料をセットするなど諸準備を整えると、コンピュータ50に統括管理されて圧電素子41が変形し、ステージ42が前後左右動してプローブ先端21が試料表面を走査可能となる。他方、カンチレバー31は、そのプローブ先端21と試料との距離によりその間の原子間力変化で微妙にたわむ。すると、カンチレバー31の背面に照射されていたAFM用レーザーダイオード32からのレーザーは、カンチレバー31のたわみに伴って、その反射光に角度変位を起こし、4分割光検知器33の検出値を変化させる。すると、AFMコントローラ35を介して圧電素子41に上下動の指令が下り、プローブ先端21と試料との間が制御される。同時に、同信号はAFM信号としてコンピュータ50に入力され、そこで演算処理が行われて形状像が得られる。
このようなものに対して、先の偏光変調装置10たるレーザーダイオード11、1/4波長板12、回転偏光板13が、その照射先をカンチレバーの先のプローブ先端21とするよう設置している。そして、プローブ先端21と試料表面との相互作用による散乱光、つまりプローブ先端と試料との間の散乱光たるSNOM信号の光検出部としては、対物レンズ61、結像レンズ62、光ファイバー63、光検出器64、電流電圧変換器65、ロックインアンプ66から成る。なお、光検出器としては、光電子像倍管やアバランシェフォトダイオードなどから適宜選ぶことができる。
プローブ先端で発生した近接場光は試料表面から離れると著しく減衰するが、プローブ先端と試料との間の散乱光は周囲に遠く飛散するので、対物レンズ61と結像レンズ62とで、正に、プローブ先端と試料との間のスポット的な散乱光を集光し、光ファイバー63で光検出器64に導きここで、光電気の変換を行い、変換されたSNOM信号を電流電圧変換器65で電流から電圧に変換して、ロックインアンプ66へ入れ、回転偏光板13の回転による偏光変調周波数でロックイン検出することにより、最終的に光学像として取得することが可能となる。
なお、光検出部としての対物レンズ61、結像レンズ62、光ファイバー63などは、要は、プローブ先端21と試料表面との相互作用による散乱光のみを光検出器64に入力できるものであれば、他の手段であっても良く、また、ロックインアンプ66以外の手段でも、結果としてSNOM信号から光学像を得ることのできる手段であれば適宜変更可能である。
ところで、このような原子間力顕微鏡に付設したような場合には、AFM信号用のレーザーとSNOM信号用のレーザーの照射位置とが実は非常に近接することとなるので、SNOM信号の信頼度が低下する可能性がある。そこで、この問題を改善したものとしての走査型プローブ顕微鏡を、図3を参照して説明する。
この例では、プローブを振動させるために音叉型の水晶振動子81を用いており、Pt−Rhワイヤーを電解研磨したプローブ80を水晶振動子81の端に固設して用いている。そして、プローブ80を取り付けた水晶振動子81を励振用圧電素子82によって共振させることで、プローブ80を振動させ、これによって、プローブの振幅を検出するためのカンチレバーを始めとする光学系を必要とせず、水晶振動子81から出力される電荷の情報を読み取るだけで、簡単にプローブの振幅を検出することができるようにしている。その結果、プローブの振幅検出用の光学系、先の説明で言えば、AFM信号用のレーザーが不要であるため、SNOM信号を検出する際の迷光の影響を極力減らすことができる。図3において、偏光変調装置並びにSNOM信号の光検出部としては、図示していないがレーザー発信器としてHe−Neレーザーを使用したこと以外は、図2と同一の符号は同一な部材であり、その動作についても図2の場合と同様となる。
以上によれば、プローブを振動させないで測定する所謂コンタクトモードでも形状像と光学像を取得することができる。それ故、所謂タッピングモードでも勿論可能だが、コンタクトモードを利用する他の多くの走査型プローブ顕微鏡技術との複合化が可能となる。このことは、プローブの振幅が減衰する液中などの環境下でも近接場光学像を取得することにつながる。その結果、バイオや金属、半導体の洗浄表面、そして電気化学反応前後の表面変化など広い分野での応用が可能となり、光学像と合わせ、電流検出をはじめ摩擦像・弾性像等の取得もできる。
また、上記の実施の形態では、偏光変調装置を所謂原子間力顕微鏡に付設するものとして説明したが、本発明の偏光変調装置は、各種の走査型プローブ顕微鏡に付設する用途に限らず、膜の厚さや光物性を測定する膜厚計や固体・液体材料物性を測定する分光分析(偏光変調分光法)などの計測において広く施用可能であること勿論である。
そこで、図2に示す走査型プローブ顕微鏡で、AFM用レーザーダイオード32から発するレーザーは780nm、SNOM信号用のレーザーダイオード11からは633nmのレーザーを照射し、回転偏光板13は500回/秒で回転させ、プローブ20にはコンタクトモード用の市販カンチレバーを用い、プローブを振動させない所謂コンタクトモードにて、標準試料としての石英ガラス上に1μmピッチでパターニングしたクロムラインパターンを大気中で観察した。その観察結果を図5に示す。図5の(a)はAFM信号から得た形状像であり、(b)はSNOM信号から得た光学像であり、AFM信号から得た形状像とコンタクトモードで得たSNOM信号から得た光学像が対応していることが分かる。
次に、図3に示す走査型プローブ顕微鏡で、プローブ80はPt−Rhワイヤーの先端を曲率半径50nm程度に電解研磨したものを使用し、レーザー発信器にはHe−Neレーザーを使用して、所謂タッピングモードにて、実施例1と同様のクロムラインパターンを大気中で観察した。その観察結果を図6に示す。図6の(a)は、音叉型の水晶振動子の信号にから得た形状像であり、(b)はSNOM信号から得た光学像であり、実施例1の場合より、より鮮明に形状像と対応している光学像が得られていることが分かる。
液中観察を行うために、図4に示すごとく、プローブ先端へ偏光変調したレーザーを照射し、プローブ先端で発生した散乱光を検出できるようにカバーガラス91を用いた液中セル90を作製した。この液中セル90を用いて、図3に示す走査型プローブ顕微鏡で、実施例1と2と同様のクロムラインパターンを、溶液として純水を用いた液中で観察した。その観察結果を図7に示す。図7の(a)は、音叉型の水晶振動子の信号から得た形状像であり、(b)はSNOM信号から得た光学像であり、プローブの振動振幅が減衰しがちな液中観察でも、有効に散乱光を検出でき、鮮明に形状像と対応しているSNOM信号からの光学像を得ることができた。なお、この液中セル90は電極を付け加えることで、電気化学反応中を観察することも可能となる。
本発明の一実施形態の偏光変調装置の概要を示す斜視図。 本発明の一実施形態の走査型プローブ顕微鏡の概要を示すシステム斜視図。 本発明の他の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の概要を示すシステム斜視図。 液中観察している状態を示す液中セルの断面図。 図2に示す走査型プローブ顕微鏡で標準試料のクロムラインパターンを観察して得られた観察像。 図3に示す走査型プローブ顕微鏡で標準試料のクロムラインパターンを観察して得られた観察像。 図3に示す走査型プローブ顕微鏡で図4の液中セルを用いて標準試料のクロムラインパターンを観察して得られた観察像。
符号の説明
10 偏光変調装置
11 レーザーダイオード(レーザー発信器)
12 1/4波長板(円偏光変換手段)
13 回転偏光板(回転する偏光子)
20 プローブ
21 プローブ先端
31 カンチレバー
32 AFM用レーザーダイオード
33 4分割光検知器
34 電流電圧変換器
35 AFMコントローラ
41 圧電素子(脚)
42 ステージ
50 コンピュータ
61 対物レンズ
62 結像レンズ
63 光ファイバー
64 光検出器
65 電流電圧変換器
66 ロックインアンプ
70 偏光変調装置を付設した原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)
71 音叉型の水晶振動子を利用すると共に偏光変調装置を付設した走査型プローブ顕微鏡
80 プローブ
81 音叉型の水晶振動子
82 励振用圧電素子
90 液中セル
91 カバーガラス
L1 直線偏光
L2 円偏光
L3 変調されている直線偏光
N 近接場光
M1 回転中心
R 散乱光

Claims (6)

  1. 外部から照射されたレーザーを走査型プローブ顕微鏡のプローブ先端と試料との間へ直線偏光面を回転させることによりP偏光成分を変調して照射し、前記プローブ先端と前記試料との間の相互作用に基づく散乱光を前記P偏光成分に同期して検出することを特徴とする散乱光検出方法。
  2. 外部から照射された円偏光としたレーザーを回転する偏光子に通して走査型プローブ顕微鏡のプローブ先端と試料との間へ直線偏光面を回転させることによりP偏光成分を変調して照射し、前記プローブ先端と前記試料との間にP偏光が照射されたタイミングで前記プローブ先端と前記試料との間の相互作用に基づく散乱光を検出することを特徴とする散乱光検出方法。
  3. 外部から照射された円偏光としたレーザーを回転する偏光子に通してプローブ先端と試料との間へ直線偏光面を回転させることによりP偏光成分を変調して照射する偏光変調装置と、前記プローブ先端と前記試料との間の相互作用に基づく散乱光を前記P偏光成分に同期して検出する光検出部とを少なくとも有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記円偏光変換手段は、1/4波長板であることを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記偏光変調装置は、レーザー発信器とその光路中の円偏光変換手段と回転する偏光子とから成ることを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記偏光子は、偏光板であることを特徴とする請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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