JP5667401B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
近年、炭素骨格を有し且つ形状異方性の高い物質として、黒鉛をその層面(グラフェン)間で剥離した薄片化黒鉛が注目されている。薄片化黒鉛はそれ自体が高い硬度を有することから、合成樹脂への複合により補強材としての効果が期待できる。薄片化黒鉛の層面間における剥離を繰り返すことによって更に大きな比表面積を得られ、薄片化黒鉛の添加量を減少させることが可能となり、薄片化黒鉛を含む合成樹脂の比重の増大や脆性の喪失などのリスクを最小限にとどめることが可能になるのではないかと考えられている。その他に、各種機能の発現についても同様の効果が期待されていることから、各方面で様々な研究が進められている。
一方、ポリオレフィン樹脂は、成形性、流通価格、環境負荷などの面で取り扱いやすく、広く用いられている。近年では、ポリオレフィン樹脂に導電性フィラーを添加することにより、剛性、強度、及び耐衝撃性などの機械的物性の向上と共に導電性、帯電防止性、制電性などの電気的性質を付与し、これによりポリオレフィン樹脂を多方面へ応用展開する試みがなされている。
例えば、特許文献1では、炭素数2〜6のα−オレフィンを単独重合又は共重合して得られるポリオレフィン系樹脂と、炭素数8以上のα−オレフィン単位を50モル%以上含む結晶性高級α−オレフィン重合体と、導電性フィラーとしてカーボンナノチューブを添加したポリオレフィン系樹脂組成物が開示されている。
特開2007−039592号公報
しかしながら、カーボンナノチューブは、物理的及び化学的に凝集し易い性質を有する。特許文献1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物においても、カーボンナノチューブが相互に硬く絡まりあった凝集塊として存在し、超音波照射などの物理的な力を加えても凝集しているカーボンナノチューブを均一に分散させるのが困難である。したがって、特許文献1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物では、機械的物性の向上や導電性などの電気的性質の付与が十分に図れない問題がある。
そこで、カーボンナノチューブに代えて薄片化黒鉛を用いる手段も考えられるが、薄片化黒鉛であってもポリオレフィン系樹脂組成物中に均一に分散させるのは依然として困難である。
したがって、本発明の目的は、薄片化黒鉛が均一に分散されたポリオレフィン系樹脂組成物を提供することである。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、薄片化黒鉛、共役二重結合を含む環状骨格を有する界面活性剤を含有していることを特徴とする。
ポリオレフィン系樹脂は、ラジカル重合性二重結合を有するオレフィン系単量体を重合又は共重合させてなる合成樹脂である。オレフィン系単量体としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンや、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどが挙げられる。オレフィン系単量体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、ブテンの単独重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体又は共重合体などが挙げられ、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂中には共重合成分としてオレフィン系単量体以外の単量体成分が含有されていてもよい。このような単量体成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどが挙げられる。
共重合成分としてオレフィン系単量体以外の単量体成分が含有されているポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
なかでもポリオレフィン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体が好ましく挙げられる。プロピレンの単独重合体は、後記する界面活性剤との相溶性に優れ、薄片化黒鉛を均一に高分散させることができる。
そして、薄片化黒鉛は、黒鉛化合物をその層面間において剥離し薄片化して得られる。黒鉛化合物としては、膨張黒鉛などの酸化処理を施した黒鉛、黒鉛の何れであってもよいが、層面間から剥離し易いので、膨張黒鉛などの酸化処理を施した黒鉛が好ましく、膨張黒鉛がより好ましい。なお、黒鉛に官能基が化学的に結合してしても、或いは、黒鉛に官能基が弱い相互作用により疑似的に結合していてもよい。
黒鉛としては、粒子全体で単一の多層構造を有する黒鉛が好ましく、例えば、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、高配向性熱分解黒鉛などが挙げられる。天然黒鉛とキッシュ黒鉛は、各層面(基本層)が略単一の方位を有する単独の結晶又はその集合体であり、高配向性熱分解黒鉛の各層面(基本層)は異なる方位を有する多数の小さな結晶の集合体である。
膨張黒鉛としては従来公知のものが用いられる。膨張黒鉛の製造方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、硫酸と硝酸との混合水溶液中に天然黒鉛を浸漬した後、天然黒鉛を混合水溶液から取り出して水洗して残余化合物とする。この残余化合物を急速加熱して、天然黒鉛の層面間に進入した化合物の分解によって天然黒鉛の層面間の間隔を拡げて天然黒鉛を膨張させる膨張黒鉛の製造方法などが挙げられる。
黒鉛化合物を層面間において剥離する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)特開2002−053313号公報に準拠したHummers-Offeman法(W.S.Hummers等、J.Am.Chem.Soc.、1958年、第80巻、第1339頁)、(2)米国特許第2798878号公報に記載の方法によって酸化黒鉛を作製した後、精製により酸化黒鉛をその層面間において剥離する方法、(3)特表2009−511415号公報に記載のように酸化黒鉛層間化合物を急速加熱によりその層面間において剥離する方法、(4)黒鉛化合物を超臨界流体や亜臨界流体などの高圧流体に曝すことによって黒鉛化合物をその層面間において剥離する方法などが挙げられる。
なお、超臨界流体とは、臨界点における温度(臨界温度Tc)以上の温度とし且つ臨界点における圧力(臨界圧力Pc)以上の圧力とした状態の流体をいう。亜臨界流体とは、臨界点近傍の、やや温度及び圧力の低い状態の流体をいう。
薄片化黒鉛の層面の面方向に沿った大きさの平均値は、小さいと、アスペクト比が小さくなることから添加量に比した表面積において優位性を失うことがあり、大きいと、樹脂中で凝集しやすくなり、或いは、ポリオレフィン系樹脂と薄片化黒鉛との間において空隙が発生した場合に、空隙が大きくなることがあるので、0.05〜20μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましく、0.05〜6μmが特に好ましい。
なお、薄片化黒鉛の層面の面方向に沿った大きさとは、薄片化黒鉛の面積が最も大きくなる方向から見た時の薄片化黒鉛の最大寸法をいう。薄片化黒鉛の層面の面方向に沿った大きさはSEMによって測定された値をいう。薄片化黒鉛の層面の面方向に沿った大きさの平均値は、各薄片化黒鉛の層面の面方向に沿った大きさの相加平均値をいう。
薄片化黒鉛の層面の積層数は300層以下が好ましく、200層以下がより好ましく、90層以下が特に好ましい。なお、薄片化黒鉛における層面の積層数は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができ、薄片化黒鉛における層面の積層数の相加平均値をいう。
薄片化黒鉛は、その炭素元素量又は酸素元素量を調整するために薄片化黒鉛を還元してもよい。薄片化黒鉛を還元する方法としては、例えば、薄片化黒鉛を還元剤に曝す方法、薄片化黒鉛を加熱する方法などが挙げられる。なお、還元剤としては、例えば、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ジエチルヒドロキシルアミンなどが挙げられる。還元剤は、単独で用いられても二種以上が併用されもよい。
ポリオレフィン系樹脂組成物中における薄片化黒鉛の含有量は、少なくと、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られた成形品の機械的強度が低下することがあり、多いと、ポリオレフィン系樹脂組成物の靱性や成形性が低下することがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。
更に、ポリオレフィン系樹脂組成物は、薄片化黒鉛をポリオレフィン系樹脂中に均一に分散させるために、界面活性剤を含有している。界面活性剤は薄片化黒鉛と強固に吸着又は結合する構造を有するものが望ましく、共役二重結合を含む環状骨格を有する界面活性剤が用いられる。共役二重結合を含む環状骨格を有する界面活性剤において、共役二重結合を含む環状骨格部分が薄片化黒鉛に強固に吸着又は結合すると共に、残余の構造部分がポリオレフィン系樹脂と相溶し、その結果、ポリオレフィン系樹脂中に薄片化黒鉛を均一に分散させることができる。
界面活性剤における共役二重結合を含む環状骨格としては、特に限定されず、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及びフェナントレン環等の六員環、並びにピロール環、フラン環、チオフェン環等の五員環などのπ電子群を有する環状骨格が挙げられ、ベンゼン環が好ましい。
界面活性剤として、具体的には、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、及びナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩などの陰イオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレンドデシルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレンジブチルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンジブチルフェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルなど)、及びポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどの芳香族系非イオン性界面活性剤が挙げられる。
ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルは、好ましくは下記一般式(1)で示される。
一般式(1)中、nは1〜20の整数であるが、2〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。nが20を超えると、分散させた薄片化黒鉛が再度、凝集する恐れがある。また、薄片化黒鉛をプロトン性極性溶媒中により均一に分散させることが可能なことからnは2以上であるのが好ましい。なお、上記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルは、花王社から商品名「エマルゲンA」シリーズにて市販されている。
なかでも、界面活性剤としては、芳香族系非イオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテルがより好ましい。これらの界面活性剤によれば、ポリオレフィン系樹脂中に薄片化黒鉛を均一に高分散させることができる。なお、界面活性剤は一種のみが用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましく、0.01〜0.1重量部が特に好ましい。界面活性剤の配合量が少なすぎると、薄片化黒鉛を十分に分散できない恐れがある。また、界面活性剤の配合量が多すぎると樹脂組成物から界面活性剤がブリードアウトし、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造が困難となる恐れがある。
界面活性剤は、特に、炭素元素量の多い薄片化黒鉛、好ましくは、炭素元素量が80atm%以上である薄片化黒鉛、より好ましくは炭素元素量が90atm%以上である薄片化黒鉛と組み合わせて用いることが好ましい。炭素元素量の多い薄片化黒鉛は平面状のSP2骨格が豊富であるため、薄片化黒鉛がその層面において界面活性剤と相互作用し易くなり、薄片化黒鉛をポリオレフィン系樹脂組成物において凝集させることなく安定的に均一に分散させることができる。なお、薄片化黒鉛の炭素元素量は、ESCAで測定することができる。
なお、ポリオレフィン系樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲内において、顔料、染料などの着色剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤などが含有されていてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、プロトン性極性溶媒、界面活性剤及び薄片化黒鉛を混合して分散液を得る工程と、前記分散液とポリオレフィン系樹脂とを混合する工程とを有する方法が好ましく用いられる。
プロトン性極性溶媒、界面活性剤及び薄片化黒鉛を混合することにより、プロトン性極性溶媒中に薄片化黒鉛が分散された分散液を得ることができる。各成分を添加する順序は、特に制限されないが、プロトン性極性溶媒に界面活性剤及び薄片化黒鉛をこの順で添加するのが好ましい。
プロトン性極性溶媒としては、1−ブタノ−ル、1−プロパノ−ル、メタノ−ル、エタノ−ルなどのアルコ−ル、蟻酸などのカルボン酸、水などが挙げられる。なかでも、誘電率が適正(極性が適正)という理由から、1−ブタノ−ル、1−プロパノ−ル、メタノ−ル、エタノ−ル及び蟻酸が好ましい。なお、プロトン性極性溶媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
分散液中でのプロトン性極性溶媒の含有量は、分散液に含まれる全成分に対して70〜99重量%が好ましく、85〜99重量%がより好ましい。このような量でプロトン性極性溶媒を用いることにより、薄片化黒鉛が高分散された分散液を調製することができる。
混合は、汎用の撹拌装置を用いて行えばよい。撹拌装置としては、例えば、ナノマイザー、超音波照射装置、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル、ホモジナイザーなどが挙げられる。薄片化黒鉛に物理的な負荷が加わらないことから、超音波照射装置が好ましい。
超音波を照射する際の照射条件は、周波数が好ましくは20〜30kHz、より好ましくは周波数25〜30kHzであり、出力が好ましくは500〜650W、より好ましくは550〜600Wである。超音波を照射する時間は、30〜300分が好ましく、30〜90分間がより好ましい。このように超音波の照射時間が短くても薄片化黒鉛を高分散させることができる。
分散液とポリオレフィン系樹脂との混合は、ポリオレフィン系樹脂に分散液を添加することにより行われるのが好ましく、ポリオレフィン系樹脂に分散液を滴下又は噴霧することにより行うのがより好ましく、ポリオレフィン系樹脂に分散液を滴下するのが特に好ましい。
また、分散液を添加する際のポリオレフィン系樹脂は溶融状態であるのが好ましい。これにより、ポリオレフィン系樹脂と薄片化黒鉛とを均一に混合することができると共に、分散液に含まれるプロトン性極性溶媒を蒸発させて除去することが可能となる。
分散液を添加する際のポリオレフィン系樹脂の温度は、150〜190℃が好ましく、170〜190℃がより好ましい。このような温度で溶融混練しているポリオレフィン系樹脂中に分散液を添加するのが好ましい。
混合物をポリオレフィン系樹脂中に添加した後は、これらを十分に混合することによりポリオレフィン系樹脂組成物が得られる。混合は、汎用の混合装置を用いて行えばよく、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーディスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機などが用いられる。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、押出機からシート状に押出し、必要に応じて他のシートと積層一体化した上で、プレス成形などの汎用の成形方法によって所望形状に成形して所望形状を有する成形品を容易に得ることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上述の如き構成を有しているので、薄片化黒鉛がポリオレフィン系樹脂中で凝集することなく均一に高分散している。よって、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られた成形品は、剛性、強度及び耐衝撃性などの機械的物性、並びに導電性、帯電防止性、制電性及び電磁波吸収性などの電気的性質に優れていることから、オフィス機器用部品、情報・通信機器用部品、自動車外装板材料や鋼板代替材料などの様々な用途に用いることができる。
実施例1で作製したポリオレフィン系樹脂シートの撮影画像である。 比較例1で作製したポリオレフィン系樹脂シートの撮影画像である。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
エタノール5重量部に、上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(花王株式会社製 商品名「エマルゲンA60」)0.05重量部を供給した後、更に薄片化黒鉛(XGScience社製 商品名「XGnP−5」、層面の面方向に沿った大きさの平均値5μm、積層数180層、炭素元素量96.1atm%)0.05重量部を供給し、これにより得られた混合物に超音波照射(カイジョー社製 商品名「PHENIXII 26kHz」)を用いて周波数26kHz、出力600Wにて超音波を60分間に亘って照射し、薄片化黒鉛がエタノール中に分散してなる分散液を製造した。
次に、ラボプラストミル(東洋精機製 商品名「R−100」)にて180℃に溶融混練しているポリプロピレン樹脂(プロピレンの単独重合体、日本ポリプロ製 商品名「ノバテック EA9」)100重量部に、上記分散液をスポイトにて徐々に滴下することによりポリオレフィン系樹脂組成物を作製した。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して200℃で溶融混練した後、押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより、厚み0.1mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。
(実施例2)
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルを0.05重量部に代えて0.1重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
(実施例3)
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルに代えて、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル(花王株式会社製 商品名「エマルゲンB−66」)0.05重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
(実施例4)
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルに代えて、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(青木油脂工業株式会社製 商品名「BLAUNON NK−808」)0.05重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
(実施例5)
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルに代えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(青木油脂工業株式会社製 商品名「BLAUNON N−509」)0.05重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
(実施例6)
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルに代えて、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル(青木油脂工業社製 商品名「BLAUNON DP−9」)0.05重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
(比較例1)
ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
(評価)
実施例1〜6及び比較例1において作製したポリオレフィン系樹脂シートにおける薄片化黒鉛の分散状態をマイクロスコープ(キーエンス社製 商品名「VHX−200」)にて観察し、その結果を表1に示す。表1において、薄片化黒鉛の凝集体が全く観察されなかった場合を「◎」、視野内に観察された薄片化黒鉛及び径が20μm以上の薄片化黒鉛凝集体の総数のうち、薄片化黒鉛凝集体数が1/4未満である場合を「○」、1/4以上1/2未満である場合を「△」、1/2以上である場合を「×」とした。また、上記マイクロスコープにより撮影した実施例1のポリオレフィン系樹脂シートの撮影画像を図1に示し、上記マイクロスコープにより撮影した比較例1のポリオレフィン系樹脂シートの撮影画像を図2に示す。
図1及び図2から、実施例1のポリオレフィン系樹脂シートにおいては薄片化黒鉛が凝集せずに均一に樹脂中に分散しているのに対して、比較例1では薄片化黒鉛が凝集しており、分散性が良好とはいえないのがわかる。

Claims (3)

  1. ポリオレフィン系樹脂、薄片化黒鉛、及び共役二重結合を含む環状骨格を有する界面活性剤を含有していることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. ポリオレフィン系樹脂が、プロピレンの単独重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 界面活性剤が、下記一般式(1)

    (式中、nは1〜20の整数である)で示されるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、及び/又はポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
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