JP5791601B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
近年、炭素骨格を有し且つ形状異方性の高い物質として、黒鉛をその層面(グラフェンシート)間で剥離した薄片化黒鉛が注目されている。薄片化黒鉛はそれ自体が高い硬度を有することから、合成樹脂への複合により補強材としての効果が期待できる。薄片化黒鉛のグラフェンシート間における剥離を繰り返すことによって更に大きな比表面積を得られ、薄片化黒鉛の添加量を減少させることが可能となり、薄片化黒鉛を含む合成樹脂の比重の増大や脆性の喪失などのリスクを最小限にとどめることが可能になるのではないかと考えられている。その他に、各種機能の発現についても同様の効果が期待されていることから、各方面で様々な研究が進められている。
一方、ポリオレフィン系樹脂は、成形性、流通価格、環境負荷などの面で取り扱いやすく、広く用いられている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂では機械的物性が不足する用途も多く、従来から、剛性、強度又は耐衝撃性などの機械的物性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を得ることを目的として種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、剛性、耐衝撃性などの機械的物性が優れており、かつ成形性に優れた樹脂組成物を提供することを目的として、平均粒子径が0.1〜30μmでかつアスペクト比が20〜80である繊維状充填材と、平均粒子径が300nm以下のナノ無機充填材と、ポリプロピレン樹脂とを含む樹脂組成物が開示されている。
そして、実施例においては、ポリプロピレンと、ナノサイズのシリカ微粒子と、ガラス繊維とを含有する組成物が検討されており、このような組成物は成形性に優れ、表面外観も良好であり、曲げ弾性率、衝撃試験結果の何れもが向上することが記載されている。更に、上記樹脂組成物を、自動車外板に用いることができることが記載されている。一方、樹脂組成物について、引張弾性率や線膨張率などについて明確な物性値は示されていない。
又、上記樹脂組成物は、繊維状充填材を含有しており、この繊維状充填材は取扱性が悪いという問題点を有していると共に、樹脂組成物を用いて成形された成形品の表面外観性が低いという問題点を有している。
特開2004−182826号公報
本発明は、高い引張弾性率及び低線膨張率を有する成形品を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、酸変性されたポリオレフィン系樹脂又は水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の何れか一方或いは双方を含むポリオレフィン系樹脂と、薄片化黒鉛とを含有していることを特徴とする。
酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂が不飽和カルボン酸で変性されてなる不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂である。なお、酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、ケイヒ酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマール酸の他に、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物が挙げられ、マレイン酸が好ましく、無水マレイン酸が好ましい。
不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマーなどのマレイン酸変性エチレンオリゴマー;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレンなどのマレイン酸変性ポリエチレンなどの不飽和カルボン酸変性ポリエチレン系樹脂;無水マレイン酸変性プロピレンオリゴマーなどのマレイン酸変性プロピレンオリゴマー;プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−アクリル酸エステル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどのマレイン酸変性ポリプロピレンなどの不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂やマレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂などのマレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂や無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂などの無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。なお、マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂にマレイン酸がグラフト重合されてなり、マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂にマレイン酸がグラフト重合されてなる。
ポリオレフィン系樹脂は、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系単量体を重合又は共重合させてなる合成樹脂である。オレフィン系単量体としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンや、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどが挙げられる。オレフィン系単量体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレンの単独重合体、エチレン成分を50重量%を超えて含有し且つエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体などのポリエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレン成分を50重量%を超えて含有し且つプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ブテンの単独重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体又は共重合体などが挙げられ、プロピレンの単独重合体、プロピレン成分を50重量%を超えて含有し且つプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、上記酸変性により導入される酸性基以外の極性基を含有する成分と、非極性の成分とを有していることが好ましく、極性基を含有する成分と、非極性の成分とが共重合して主鎖を構成していても、或いは、非極性の成分からなる主鎖に極性基を有する成分がグラフトされていてもよい。酸変性されたポリオレフィン系樹脂中において、極性基を含有する成分と、非極性の成分とが規則的に導入されていてもよいし不規則に導入されていてもよい。上記極性基としては、特に限定するものではないが、例えば、アルコシキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、無水マレイン酸基、イソシアネート基、アルデヒド基などが挙げられる。
酸変性されたポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、小さいと、酸変性されたポリオレフィン系樹脂の溶融時の粘度が低くなり、ポリオレフィン系樹脂組成物の取扱性が低下することがあり、大きいと、酸変性されたポリオレフィン系樹脂の分散性が損なわれるので、酸変性されたポリオレフィン系樹脂が薄片化黒鉛の近傍に効果的に存在し難くなり、薄片化黒鉛の分散性安定効果が低下することがあるので、1000〜500000が好ましく、1000〜200000がより好ましく、1000〜50000が特に好ましい。なお、酸変性されたポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、高温GPC装置によって測定されたポリスチレン換算分子量をいう。
酸変性されたポリオレフィン系樹脂の酸価は、小さいと、酸変性されたポリオレフィン系樹脂と薄片化黒鉛との相互作用が小さくなり、薄片化黒鉛の分散性安定効果が低下することがあり、大きいと、酸変性されたポリオレフィン系樹脂の結晶性が低下することによってポリオレフィン系樹脂組成物の機械的強度が低下し、或いは、酸変性されたポリオレフィン系樹脂とこれ以外のポリオレフィン系樹脂との相溶性が低下して、薄片化黒鉛の分散性安定効果が低下することがあるので、0.5〜200であり、3〜100が好ましい。なお、酸変性されたポリオレフィン系樹脂の酸価は、JIS K0070に準拠して測定された値をいう。
酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、変性により導入された酸基部分が薄片化黒鉛のグラフェンシート間の電子雲と相互作用して薄片化黒鉛を薄片状のまま安定させる効果があり、ポリオレフィン系樹脂中に薄片化黒鉛を凝集させることなく均一に分散させることができる。更に、酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、他のポリオレフィン系樹脂との相溶性に優れていることから、ポリオレフィン系樹脂中に他のポリオレフィン系樹脂が含有している場合にあっても、酸変性されたポリオレフィン系樹脂がポリオレフィン系樹脂中において均一に分散し、このポリオレフィン系樹脂中に均一に分散した酸変性されたポリオレフィン系樹脂によって薄片化黒鉛が凝集されることなく均一に分散される。
なお、酸変性されたポリオレフィン系樹脂は市販品を用いることもでき、マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂として三洋化成社製「ユーメックス」シリーズを、カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂としてクラレ社製「CBポリマー」シリーズを、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂として三井化学社製の「アドマー」シリーズなどを用いることができる。
酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が3atm%以上である薄片化黒鉛と併用することが好ましい。酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が3〜20atm%である薄片化黒鉛と併用することがより好ましい。酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が10atm%以上である薄片化黒鉛と併用することが特に好ましい。酸変性されたポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が10〜20atm%である薄片化黒鉛と併用することが最も好ましい。これは、酸素元素量が3atm%以上である薄片化黒鉛は、その表面にカルボキシル基やエポキシ基などの極性基を有していることが多い。従って、薄片化黒鉛の極性基と酸変性されたポリオレフィン系樹脂の酸基部分との相互作用によって薄片化黒鉛を薄片状のまま更に安定化させることができ、薄片化黒鉛を凝集させることなくポリオレフィン系樹脂組成物中に均一に分散させることができる。なお、薄片化黒鉛の酸素元素量は、ESCAで測定することができる。
ポリオレフィン系樹脂中における酸変性されたポリオレフィン系樹脂の含有量は、少ないと、ポリオレフィン系樹脂組成物中における薄片化黒鉛の分散性が低下して薄片化黒鉛が凝集することがあるので、1重量%以上が好ましく、1〜100重量%がより好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。
又、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、分子末端に水酸基を有するポリオレフィン系樹脂が挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は上述と同様であるのでその説明を省略する。分子末端に水酸基を有するポリオレフィン系樹脂は、例えば、共役ジエンモノマーをアニオン重合などの公知の方法により重合させ、得られた重合体を加水分解した上で水素添加することにより得られる。なお、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂は、例えば、三菱化学社から商品名「ポリテールH」にて市販されている。
水酸基を有するポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が3atm%以上である薄片化黒鉛と併用することが好ましい。水酸基を有するポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が3〜20atm%である薄片化黒鉛と併用することがより好ましい。水酸基を有するポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が10atm%以上である薄片化黒鉛と併用することが特に好ましい。水酸基を有するポリオレフィン系樹脂は、酸素元素量が10〜20atm%である薄片化黒鉛と併用することが最も好ましい。これは、酸素元素量が3atm%以上である薄片化黒鉛は、その表面にカルボキシル基やエポキシ基などの極性基を有していることが多い。従って、薄片化黒鉛の極性基と水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の水酸基部分との相互作用によって薄片化黒鉛を薄片状のまま更に安定化させることができ、薄片化黒鉛を凝集させることなくポリオレフィン系樹脂組成物中に均一に分散させることができる。なお、薄片化黒鉛の酸素元素量は、ESCAで測定することができる。
水酸基を有するポリオレフィン系樹脂におけるJIS K1557に準拠して測定された水酸基価は、小さいと、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂と薄片化黒鉛との相互作用が小さくなり、薄片化黒鉛の分散性安定効果が低下することがあり、大きいと、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の結晶性が低下することによってポリオレフィン系樹脂組成物の機械的強度が低下することがあるので、0.5〜200が好ましく、3〜100がより好ましい。
水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、小さいと、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の溶融時の粘度が低くなり、ポリオレフィン系樹脂組成物の取扱性が低下することがあり、大きいと、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の分散性が損なわれるので、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂が薄片化黒鉛の近傍に効果的に存在し難くなり、薄片化黒鉛の分散性安定効果が低下することがあるので、1000〜50000が好ましい。なお、水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、高温GPC装置によって測定されたポリスチレン換算分子量をいう。
ポリオレフィン系樹脂中における水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の含有量は、少ないと、ポリオレフィン系樹脂組成物中における薄片化黒鉛の分散性が低下して薄片化黒鉛が凝集することがあるので、1重量%以上が好ましく、1〜100重量%がより好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。
又、ポリオレフィン系樹脂中に酸変性されたポリオレフィン系樹脂及び水酸基を有するポリオレフィン系樹脂が含有している場合、ポリオレフィン系樹脂中における酸変性されたポリオレフィン系樹脂及び水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の総含有量は、少ないと、ポリオレフィン系樹脂組成物中における薄片化黒鉛の分散性が低下して薄片化黒鉛が凝集することがあるので、1重量%以上が好ましく、1〜100重量%がより好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂中に、酸変性されたポリオレフィン系樹脂及び水酸基を有するポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂が含有されていてもよい。ポリオレフィン系樹脂は、ラジカル重合性二重結合を有するオレフィン系単量体を重合又は共重合させてなる合成樹脂である。オレフィン系単量体としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンや、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどが挙げられる。オレフィン系単量体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレンの単独重合体、エチレン成分を50重量%を超えて含有し且つエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体などのポリエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレン成分を50重量%を超えて含有し且つプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ブテンの単独重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体又は共重合体などが挙げられ、プロピレンの単独重合体、プロピレン成分を50重量%を超えて含有し且つプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、薄片化黒鉛は、黒鉛化合物をそのグラフェンシート間において剥離し薄片化して得られる。詳細には、薄片化黒鉛は、複数のグラフェンシートの積層体である。薄片化黒鉛は、黒鉛化合物を剥離処理して得られるものであり、原料となる黒鉛化合物よりも厚みの薄いグラフェンシートの積層体、即ち、原料となる黒鉛化合物のグラフェンシートの積層数よりも少ない積層数を有するグラフェンシートの積層体である。本発明において、グラフェンシートとは炭素六角網平面からなる1枚のシート状物をいう。黒鉛化合物としては、黒鉛、膨張黒鉛などの酸化処理を施した黒鉛の何れであってもよいが、グラフェンシート間において剥離し易いので、膨張黒鉛などの酸化処理を施した黒鉛が好ましく、膨張黒鉛がより好ましい。なお、黒鉛に官能基が化学的に結合してしても、或いは、黒鉛に官能基が弱い相互作用により疑似的に結合していてもよい。
黒鉛としては、粒子全体で単一の多層構造を有する黒鉛が好ましく、例えば、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、高配向性熱分解黒鉛などが挙げられる。天然黒鉛とキッシュ黒鉛は、各グラフェンシート(基本層)が略単一の方位を有する単独の結晶又はその集合体であり、高配向性熱分解黒鉛は、その各グラフェンシート(基本層)が異なる方位を有する多数の小さな結晶の集合体である。
黒鉛化合物をグラフェンシート間において剥離する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)特開2002−053313号公報に準拠したHummers−Offeman法(W.S.Hummers et al.,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958))、(2)米国特許第2798878号公報に記載の方法によって酸化黒鉛を作製した後、精製により酸化黒鉛をそのグラフェンシート間において剥離する方法、(3)特表2009−511415号公報に記載のように酸化黒鉛層間化合物を急速加熱によりそのグラフェンシート間において剥離する方法、(4)黒鉛化合物を超臨界流体や亜臨界流体などの高圧流体に曝すことによって黒鉛化合物をそのグラフェンシート間において剥離する方法などが挙げられる。
なお、超臨界流体とは、臨界点における温度(臨界温度Tc)以上の温度とし且つ臨界点における圧力(臨界圧力Pc)以上の圧力とした状態の流体をいう。亜臨界流体とは、臨界点近傍の、やや温度及び圧力の低い状態の流体をいう。
薄片化黒鉛のグラフェンシートの面方向に沿った大きさの平均値は、小さいと、アスペクト比が小さくなることから、ポリオレフィン系樹脂組成物中に添加された薄片化黒鉛の総表面積が小さくなり、薄片化黒鉛を含有させているメリットが低下することがあり、大きいと、樹脂中で薄片化黒鉛が凝集しやすくなり、或いは、ポリオレフィン系樹脂と薄片化黒鉛との間において空隙が発生した場合に、空隙が大きくなることがあるので、0.05〜20μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましく、0.05〜6μmが特に好ましい。
なお、薄片化黒鉛のグラフェンシートの面方向に沿った大きさとは、薄片化黒鉛の面積が最も大きくなる方向から見た時の薄片化黒鉛の最大寸法をいう。薄片化黒鉛のグラフェンシートの面方向に沿った大きさはSEMによって測定された値をいう。薄片化黒鉛のグラフェンシートの面方向に沿った大きさの平均値は、各薄片化黒鉛のグラフェンシートの面方向に沿った大きさの相加平均値をいう。
薄片化黒鉛のグラフェンシートの積層数は300層以下が好ましく、200層以下がより好ましく、90層以下が特に好ましい。なお、薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができ、各薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数の相加平均値をいう。
薄片化黒鉛は、その炭素元素量又は酸素元素量を調整するために薄片化黒鉛を還元してもよい。薄片化黒鉛を還元する方法としては、例えば、薄片化黒鉛を還元剤に曝す方法、薄片化黒鉛を加熱する方法などが挙げられる。なお、還元剤としては、例えば、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ジエチルヒドロキシルアミンなどが挙げられる。還元剤は、単独で用いられても二種以上が併用されもよい。
ポリオレフィン系樹脂組成物中における薄片化黒鉛の含有量は、少なくと、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られた成形品の機械的強度が低下することがあり、多いと、ポリオレフィン系樹脂組成物の靱性や成形性が低下することがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
更に、薄片化黒鉛をポリオレフィン系樹脂中に均一に分散させるために、ポリオレフィン系樹脂組成物に、六員環を有する化合物又は五員環を有する化合物の何れか一方或いは双方が必要に応じて含有されていてもよい。六員環を有する化合物又は五員環を有する化合物において、六員環又は五員環部分が薄片化黒鉛に強固に吸着又は結合すると共に、残余の構造部分がポリオレフィン系樹脂と相溶し、その結果、ポリオレフィン系樹脂中に薄片化黒鉛をより均一に分散させることができる。
六員環を有する化合物としては、六員環を有しておればよく、ベンゼン環を有していることが好ましく、ベンゼン環を有する重合体がより好ましく、スチレン成分を含有する重合体が特に好ましく、スチレン−オレフィン共重合体、スチレン−ジエン共重合体が最も好ましい。スチレン−ジエン共重合体よりもスチレン−オレフィン共重合体の方が好ましい。この理由は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性に優れ、薄片化黒鉛をポリオレフィン系樹脂中に更に均一に分散させることができると共に、脆性を改善してポリオレフィン系樹脂組成物の機械的強度を改善することができるからである。スチレン−オレフィン共重合体としては、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−(エチレン−エチレン/プロピレン)−スチレンブロック共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。スチレン−ジエン共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。六員環を有する化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、六員環を有する化合物としては、例えば、クラレ社から商品名「セプトン」、旭化成社から商品名「タフテック」、三菱化学社から商品名「ラバロン」、Ktaton Polymer社から商品名「Kraton」にて市販されている。
スチレン成分を含有する重合体において、スチレン成分の含有量は、多いと、ポリオレフィン系樹脂中において、スチレン成分を含有する重合体のスチレン成分同士が相互作用することによって、スチレン成分を含有する重合体が凝集体を形成し、その結果、ポリオレフィン系樹脂組成物の引張弾性率や線膨張係数などの機械物性が低下することがあるので、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。スチレン成分を含有する重合体において、スチレン成分の含有量は、少ないと、スチレン成分を含有する重合体の六員環部分が薄片化黒鉛に充分に吸着又は結合することができず、ポリオレフィン系樹脂中における薄片化黒鉛の分散が不均一となることがあるので、3重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。
六員環を有する化合物は、特に、炭素元素量の多い薄片化黒鉛、好ましくは、炭素元素量が80atm%以上である薄片化黒鉛、より好ましくは炭素元素量が90atm%以上である薄片化黒鉛と組み合わせて用いることが好ましい。炭素元素量の多い薄片化黒鉛は平面状のSP2骨格が豊富であるため、薄片化黒鉛がそのグラフェンシートにおいて六員環を有する化合物と相互作用し易くなり、薄片化黒鉛をポリオレフィン系樹脂組成物において凝集させることなく安定的に均一に分散させることができる。なお、薄片化黒鉛の炭素元素量は、ESCAで測定することができる。
又、五員環を有する化合物としては、五員環を有しておれば、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、3−ヘキシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、ヘキシルピロール、ドデシルピロール、ヘキシルチオール、ドデカンチオール、式1で表される構造式を有する化合物、ポリ(3−ヘキシルチオフェン) 、ポリ(3−ペンタデシルピロール)、ポリヘキシルアニリン、ポリビニルピロリドン、式2で表される構造式を有する重合体などが挙げられる。
Figure 0005791601
Figure 0005791601
なお、式(1)中において、Xは、S、NH又はOであり、式(2)中において、X は互いに独立してS、NH又はOであり、pは2〜60の整数である。
ポリオレフィン系樹脂組成物中に六員環を有する化合物を含有する場合、ポリオレフィン系樹脂中における六員環を有する化合物の含有量は、少ないと、薄片化黒鉛の分散性が低下することがあり、多いと、ポリオレフィン系樹脂の物性を損なう虞れがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物中に五員環を有する化合物を含有する場合、ポリオレフィン系樹脂中における五員環を有する化合物の含有量は、少ないと、薄片化黒鉛の分散性が低下することがあり、多いと、ポリオレフィン系樹脂の物性を損なう虞れがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂中に六員環を有する化合物及び五員環を有する化合物を含有する場合、ポリオレフィン系樹脂中における六員環を有する化合物及び五員環を有する化合物の総含有量は、少ないと、薄片化黒鉛の分散性が低下することがあり、多いと、ポリオレフィン系樹脂の物性を損なう虞れがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲内において、顔料、染料などの着色剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤などが含有されていてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物を製造する方法としては、特に限定されず、例えば、酸変性されたポリオレフィン系樹脂又は水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の何れか一方或いは双方を含有するポリオレフィン系樹脂と、薄片化黒鉛と、必要に応じて、六員環を有する化合物又は五員環を有する化合物のうちの何れか一方或いは双方を押出機に供給して溶融混練する方法が挙げられる。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、押出機からシート状に押出し、必要に応じて他のシートと積層一体化した上で、プレス成形などの汎用の成形方法によって所望形状に成形して所望形状を有する成形品を容易に得ることができる。
得られた成形品は、引張弾性率などの機械的強度に優れ且つ低い線膨張率を有しており寸法安定性に優れていることから、自動車外装板材料の他、鋼板代替材料として用いることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上述の如き構成を有しているので、薄片化黒鉛がポリオレフィン系樹脂中に均一に分散しており、よって、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られた成形品は、引張弾性率などの機械的強度に優れ且つ低い線膨張率を有しており寸法安定性に優れていることから、自動車外装板材料や鋼板代替材料などの様々な用途に用いることができる。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂(三井化学社製 商品名「アドマーQE800」、メルトフローレイト:9.2g/10分、融点:140℃、酸価:4.3、重量平均分子量:100000)100重量部及び薄片化黒鉛(XG SCIENCE社製 商品名「XGnP−5」、グラフェンシートの面方向に沿った大きさの平均値:5μm、積層数:180層、酸素元素量:3.9atm%、炭素元素量:96.1atm%)5重量部を押出機に供給して溶融混練しポリオレフィン系樹脂組成物とし、このポリオレフィン系樹脂組成物を押出機の先端に取り付けたTダイから押出して厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。
(実施例2)
黒鉛単結晶粉末0.25gを濃硫酸11.5ミリリットルに供給して10℃の水浴にて冷却しながら撹拌した。次に、濃硫酸に過マンガン酸カリウム1.5gを徐々に加えながら濃硫酸を攪拌し、35℃で30分に亘って反応させた。
次に、濃硫酸に水23gを徐々に加えて98℃で15分に亘って反応させた。しかる後、濃硫酸に水70gと30重量%の過酸化水素水4.5gを加えて反応を停止させた。得られた酸化黒鉛を14000rpmの回転速度にて30分間に亘って遠心分離した後、酸化黒鉛を5重量%の希塩酸及び水を用いて充分に洗浄した後に乾燥させた。得られた酸化黒鉛を0.2mg/ミリリットルの量にて水に分散させた後、酸化黒鉛に超音波洗浄機を用いて45kHz、100Wの条件下にて超音波を60分間に亘って照射して、酸化黒鉛をそのグラフェンシート間において剥離して薄片化して、グラフェンシートが酸化されてなる薄片化黒鉛を得た。得られたグラフェンシートが酸化されてなる薄片化黒鉛にヒドラジンを添加して10分間に亘って還元処理を行って薄片化黒鉛を還元した。得られた薄片化黒鉛において、グラフェンシートの面方向に沿った大きさの平均値が5μm、積層数:60層、酸素元素量が10atm%、炭素元素量が90atm%であった。
ポリプロピレン(プライムポリマー社製 商品名「J−721GR」、引張弾性率:1.2GPa、線膨張係数:11×10-5/K)100重量部、マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂(三洋化成社製 商品名「ユーメックス1010」、酸価:52、重量平均分子量:30000)5重量部、及び、上記薄片化黒鉛5重量部を押出機に供給して溶融混練しポリオレフィン系樹脂組成物とし、このポリオレフィン系樹脂組成物を押出機の先端に取り付けたTダイから押出して厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。
(実施例3)
マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂として、三洋化成社から商品名「ユーメックス1001」で市販されているマレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂(酸価:26、重量平均分子量:40000)5重量部を用いたこと以外は実施例2と同様にして厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。
(実施例4)
薄片化黒鉛を製造するにあたって、グラフェンシートが酸化されてなる薄片化黒鉛にヒドラジンを添加して3分間に亘って還元処理を行ったこと以外は実施例2と同様の要領で厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シート得た。得られた薄片化黒鉛において、グラフェンシートの面方向に沿った大きさの平均値が5μm、積層数:60層、酸素元素量が36atm%、炭素元素量が64atm%であった。
(実施例5)
酸変性されたポリオレフィン系樹脂の代わりに水酸基を有するポリオレフィン系樹脂(三菱化学社製 商品名「ポリテールH」、水添ポリブタジエンジオール、水酸基価:45、重量平均分子量:2350)5重量部を用いたこと以外は実施例2と同様にして厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。
(実施例6)
押出機に更にポリプロピレン100重量部に対して六員環を有する化合物としてスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(クラレ社製 商品名「セプトン SEPS 2063」、スチレン成分の含有量:13重量%)5重量部を供給したこと以外は実施例2と同様にして厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。
(比較例1)
酸変性されたポリオレフィン樹脂を用いなかったこと以外は実施例2と同様にして厚みが0.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。薄片化黒鉛は、ポリオレフィン系樹脂シート中での凝集が目立った。
得られたポリオレフィン系樹脂シートの引張弾性率及び線膨張率を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(引張弾性率)
得られたポリオレフィン系樹脂シートから縦70mm×横6.0mmの平面長方形状の試験片を切り出し、この試験片の引張弾性率をJIS K7161に準拠して測定した。
(線膨張率)
得られたポリオレフィン系樹脂シートから縦5mm×横5mm×高さ10mmの直方体形状の試験片を切り出し、この試験片の線膨張率をJIS K7197に準拠して測定した。
Figure 0005791601
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、汎用の成形方法を用いて所望形状に成形することができ、所望形状を有する成形品を容易に得ることができる。得られた成形品は、引張弾性率などの機械的強度に優れ且つ低い線膨張率を有しており寸法安定性に優れていることから、自動車外装板材料の他、鋼板代替材料などの様々な用途に用いることができる。

Claims (10)

  1. 酸変性されたポリオレフィン系樹脂又は水酸基を有するポリオレフィン系樹脂の何れか一方を1重量%以上含むポリオレフィン系樹脂と、酸素元素量が3atm%以上である薄片化黒鉛とを含有しており、上記酸変性されたポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂であり且つJIS K0070に準拠して測定された酸価が0.5〜200であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 酸変性されたポリオレフィン系樹脂及び水酸基を有するポリオレフィン系樹脂を総含有量として1重量%以上含むポリオレフィン系樹脂と、酸素元素量が3atm%以上である薄片化黒鉛とを含有しており、上記酸変性されたポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂であり且つJIS K0070に準拠して測定された酸価が0.5〜200であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 薄片化黒鉛における酸素元素量が10atm%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 不飽和カルボン酸変性ポリレオフィン系樹脂がマレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂が無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 水酸基を有するポリオレフィン系樹脂におけるJIS K1557に準拠して測定された水酸基価が0.5〜200であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. ポリオレフィン系樹脂100重量部と、薄片化黒鉛0.5〜50重量部とを含有することを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  8. 薄片化黒鉛のグラフェンシートの積層数が300層以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物
  9. 薄片化黒鉛のグラフェンシートの面方向に沿った大きさの平均値が0.05〜20μmであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  10. 繊維状充填剤を含有していないことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
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