JP2004182826A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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克彦 鈴木
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Koichi Handa
浩一 半田
Kenji Uesugi
憲治 上杉
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Abstract

【課題】車両用の内外装部品や外板の用途としての目的に適した熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明により、熱可塑性樹脂、繊維状充填材、及びナノ無機充填材からなる熱可塑性樹脂組成物が与えられた。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、剛性、強度、耐衝撃性に優れているという特徴を有するために、その樹脂組成物から作製された成形体は、車両用の内外装部品や外板の用途として有用である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性・強度、耐衝撃性などの機械的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、車両用の内外装部品や外板の用途として有用である。更に詳しくは、本発明は、熱可塑性樹脂、繊維状充填材及びナノ無機充填材からなることを特徴とした、剛性、強度、耐衝撃性が向上したナノ複合熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の内外装部品には様々な熱可塑性樹脂が使用されている。近年は車両の軽量化の観点から熱可塑性樹脂の使用割合が増加している。熱可塑性樹脂は部品の用途に合った性能が必要とされるために、高剛性、高強度の熱可塑性樹脂が求められている。熱可塑性樹脂組成物の剛性を向上させる手法としては、樹脂中に無機充填剤を分散させる方法が知られている。例えば、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンの剛性を向上させる手法として、樹脂中にタルクを添加する方法が知られている。
【0003】
しかしながら、タルクを増加させていくと剛性は向上するものの、耐衝撃性は低下してしまうという問題があった。この問題を解決する手法として、「ポリプロピレン樹脂組成物」(特公平1−24815)では、平均粒子径が0.1〜2μm、アスペクト比が20〜60である繊維状充填材及び、平均粒子径が0.3〜3μmであるタルクを含んでなるポリプロピレン樹脂が提案された。また、「射出成形用樹脂組成物」(特開平6−271722)では、ポリプロピレン樹脂と平均繊維長が10〜300μmであり、アスペクト比が15〜80であるウィスカと平均粒径が3〜15μmのタルクとからなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
【0004】
これらの手法は樹脂中にタルクを分散して剛性を向上させ、耐衝撃性の低下分を繊維状充填材またはウィスカで補うというものである。しかしながら、樹脂中にサブミクロン〜数十ミクロンのタルクとアスペクト比をもつ繊維状充填材を同時に添加すると、樹脂の溶融粘度が高くなるため成形しにくくなるという問題があり、射出成形や押出し成形が困難であった。剛性と耐衝撃性を向上させるためには、タルクと繊維状充填材の充填量を高くしなければならないが、この方法では限界があった。
【0005】
また、添加するタルクは多量に添加すると凝集して分散性が悪くなる問題から、添加量を高くすることはできなかった。
【0006】
【特許文献1】
特公平1−24815号公報
【特許文献2】
特開平6−271722号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、剛性、耐衝撃性などの機械的物性が優れており、かつ成形性に優れた樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、熱可塑性樹脂、繊維状充填材、及びナノ無機充填材からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供する。より詳細には、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、繊維状充填材5〜30重量部、及びナノ無機充填材5〜30重量部からなることを特徴としている。本発明の熱可塑性樹脂組成物における前記繊維状充填材は、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭素繊維等の無機繊維であり、その平均粒子径は0.1〜30μm、アスペクト比は20〜80である。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物における前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンやそれらの共重合体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を詳述する。
上記のように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、繊維状充填材、及びナノ無機充填材からなることを特徴とする。なお、本願明細書においてナノ無機充填材とは、平均粒子径がナノメートルオーダーである、平均粒子径が300nm以下の無機充填材を意味する。
【0010】
繊維状充填材とナノ無機充填材を、熱可塑性樹脂中に分散させることにより、剛性と耐衝撃性を向上させた熱可塑性樹脂組成物を得ることが可能である。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、繊維状充填材とナノ無機充填材の含有量が増加しても成形することが可能である。熱可塑性樹脂組成物を加温していくと、ナノ無機充填材は一般的な充填材に比べて体積が小さく、せん断力が高くならないため、溶融粘度が高くなりにくい。また、ナノ無機充填材と繊維状充填材を同時に添加すると、せん断力は繊維状充填材にのみ支配されるため、ナノ無機充填材の添加量には影響されない。そのため充填材の充填量を高くしても成形することが可能である。
【0011】
一般的に、繊維状充填材と無機充填材は、母材となる熱可塑性樹脂より弾性率が高く、それらの充填量を増加していくほど剛性が高くなっていく。よって、ナノ無機充填材と繊維状充填材を同時に樹脂中に添加することにより、剛性・強度、耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られる。また、この樹脂組成物は充填材の含有量も高いために、優れた耐熱性を有している。
【0012】
本発明において使用されるナノ無機充填材は、平均粒子径が300nm以下の無機充填材である。これは粒子1個であってもよいし、個々の粒子(1次粒子)が相互作用力により集まって凝集体(2次粒子)を形成した場合には、凝集体の平均粒径が300nm以下であればよい。一般的に、1次粒子または2次粒子の平均粒径が300nmを超える場合には、ナノ粒子とは言われない。
【0013】
ナノ無機充填材の平均粒径が300nmを超えると、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、成形時に粘度が低下せず成形することができないために、本発明の目的には適さない。また、更に温度を上昇させると、樹脂成分が分解してガス化してしまう。平均粒径が300nmを超える無機充填材でも、ナノ無機充填材の配合量が少量であれば成形可能であるが、剛性・強度の優れた樹脂組成物を得ることはできない。よって、本発明において、平均粒径が10〜50nmのナノ無機充填材を用いることは特に好ましく、それによって良好な成形性の樹脂組成物を得ることができる。
【0014】
ナノ無機充填材の形状は特に限定されず、一般的な略球状だけでなく、直方体や板状、繊維のような直線形状、枝分かれした分岐形状などを有する無機充填材も用いることができる。ナノ無機充填材としては使用される化合物は主として粘土鉱物であり、最も一般的に使用されるのは含水ケイ酸塩である。本発明において好適に使用されるナノ無機充填材の例として、カオリナイト、ディッカイト、ハロサイト、クリソタイル、リザーダイト、アメサイト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、セピオライト、パリゴルスカイト、アロフェン、イモゴライトなどの粘土鉱物を挙げることができる。また、シリカ、ゼオライト、チタン酸化物、鉄酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物なども使用できる。しかし、ナノ無機充填材として使用される化合物は上記に限定されるものではなく、必要に応じて他の化合物を使用することも可能である。ナノ無機充填材として、上記の化合物のうち1種類を用いることも可能であり、また2種類以上を用いることも可能である。本発明においては上記の化合物の何れを用いてもよいが、入手のし易さ、コスト、表面処理のし易さなどからシリカ化合物が特に好ましい。ここで、シリカ化合物としてコロイダルシリカを使用することは、本発明において特に好ましい。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材5〜30重量部、及び繊維状充填材5〜30重量部を配合することが好ましい。ナノ無機充填材が5重量部未満では、樹脂組成物の剛性の向上がほとんど認められない。また、ナノ無機充填材の量が30重量部を超えても成形することは可能であるが、ナノ無機充填材が凝集してしまい、均一に分散しなくなる。そのために、次第にナノ無機充填材を充填することによる効果が小さくなっていき、機械的特性の向上が見られなくなり、更にコスト面でも不利となる。
【0016】
また、繊維状充填材が5重量部未満では、樹脂組成物の耐衝撃性の向上がほとんど認められない。また、繊維状充填材が30重量部を超えると溶融粘度が高くなり成形することができない。しかし、熱可塑性樹脂に対するナノ無機充填材と繊維状充填材の配合比は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜改変を行って、上記の配合比率の範囲外で熱可塑性樹脂組成物を調製することもできる。
【0017】
本発明における繊維状充填材は、好ましくは平均粒子径が0.1〜30μm、より好ましくは0.2〜20μmであり、アスペクト比は好ましくは20〜80である。しかし、必要に応じて他の平均粒子径とアスペクト比を有する繊維状充填材を使用することも可能である。アスペクト比が大きい方が繊維状充填材の充填率に対する剛性向上効果は高くなるが、アスペクト比が80を超えると繊維が絡み合い、分散させることが難しくなる。繊維状充填材が凝集すると溶融粘度が高くなり成形性が低下する。アスペクト比が20未満の場合には耐衝撃性が低下するため好ましくない。また、繊維状充填材の平均粒子径が30μmを超えると、繊維状充填材の体積比が増加するため成形性が低下する。
【0018】
本発明における繊維状充填材の例として、ガラス繊維、チタン繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭素繊維などの無機繊維を挙げることができるが、それらに限定されるものではなく、必要に応じて他の繊維を使用することも可能である。ガラス繊維は安価であり、表面処理をすることにより樹脂と濡れ易くなり、樹脂中に均一に分散することができるために、特に好ましい。
【0019】
本発明における熱可塑性樹脂の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はそれらの共重合体を挙げることができる。しかし、それらに限定されるものではなく、必要に応じて他の樹脂を使用することも可能である。特に車両用には、機械的性能と価格の観点からポリプロピレンを主鎖にもつポリプロピレン系樹脂を使用することが特に好ましい。一般に成形材料に使用されるものであれば、任意のポリプロピレン系樹脂を使用することが可能であり、特に限定されるものではない。
【0020】
本発明のナノ無機充填材と繊維状充填材を、未処理のまま使用することもできるが、分散性を向上させる観点からは、熱可塑性樹脂と相互作用を持つための表面処理を行うことが好ましい。表面処理剤の例としては、シラン系カップリング剤、飽和又は不飽和脂肪酸、ビニル系不飽和結合を有するカルボン酸、脂肪酸エステル等を挙げることができる。しかし、それらに限定されるものではなく、必要に応じて他の表面処理剤を使用することも可能である。また、表面処理を予め成形前に行うことも可能であり、表面処理剤を成形時に同時に添加することも可能である。
【0021】
尚、本発明の樹脂組成物に、必要に応じて様々な添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、エネルギー消剤、難燃剤、顔料、着色剤などを添加することも可能である。
【0022】
本発明の樹脂組成物は、剛性と耐衝撃性の機械的性質を兼ね備え、かつ成形性に優れた特性を示すため、車両用の外装部品や車両用外板の用途に好適である。本発明の樹脂組成物の用途として、例えば、図1で示すような、ドアモール、ドアミラーのフレーム枠、ホイールキャップ、スポイラー、バンパー、ピラーガーニッシュ、リアフィニッシャー、ヘッドランプカバーなどの車両用外装部品成形体、図2a、図2bで示すような、フロントフェンダー、ドアパネル、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、バックドアパネルなどの車両用外板を挙げることができる。前述したように、本発明では、顔料などの着色剤を樹脂組成物に混練したり、塗装するなどして所望の色調の部品を得ることが可能である。また、車両用途以外でも剛性、耐衝撃性などを求められる用途、例えば建築物や鉄道車両の内外装材、電気・電子製品の筐体などにも使用することが可能である。
【0023】
このような車両用部品や建築用内外装材などを含む各種部材の製造方法としては、射出成形、真空圧空成形、加熱圧縮成形、ブロー成形などを部品に合わせて適宜選択すればよい。
【0024】
本発明の樹脂組成物は成形性に優れ、剛性、耐衝撃性のある組成物であることから車両用内外装部品成形体、車両用外板に使用できる。また、高温時の剛性にも優れるため耐熱性を要求される部位にも適用できる。
【0025】
図3に自動車ランプの横断面図を示す。車体側基体に固定されたアウター部材の内部にリフレクターが配置され、該リフレクターにはバルブと光軸調整器が連結し、該アウター部材にはさらにアウターレンズが嵌合されている。従来の樹脂材料を用いてリフレクターを構成すると、耐熱性・線膨張率・線膨張異方性に劣る場合があったが、本発明の樹脂組成物を用いるとこれらの問題が解決できる。特に、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するため軽量で高耐熱性を確保することが可能であり、かつ寸法安定性と表面平滑性に優れるランプリフレクターとすることが可能であり、ヘッドランプ、フォグランプ、リアコンビランプなどのリフレクター、またはヘッドランプのサブリフレクターなどに好適に使用できる。尚、反射部の形成方法としては、例えば該部材を製造する際に反射膜部をインサート成形する方法や、該部材を射出成形・プレス成形により成形後に、反射部に蒸着膜を形成させる方法などがある。
【0026】
また、本発明の樹脂組成物を使用して、エンジンルームの内面を覆う樹脂製カバーやエンジンルーム内で使用される樹脂製ケースに応用することができる。エンジンルーム内を図4および図5に示す。本発明の樹脂組成物は透明性、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れるため、温度条件の厳しいエンジンルーム内において使用可能であり、かつ軽量な部品とすることができる。透明性が要求される部品としては、例えば、冷却液リザーブタンク、ウォシャータンクインレット、ブレーキオイルタンクなどのエンジンルーム内で使用される樹脂製ケースがある。耐熱性が要求される部品としては、例えば、電気部品ハウジング、タイミングベルトカバー、シリンダーヘッドカバー、フロントチェーンケースなどのエンジンルームの内面を覆う樹脂製カバーやエンジンルーム内で使用される樹脂製ケースがある。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、耐熱性、剛性強度に優れたより軽量な部品とすることができることから、自動車エンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適に使用される。このような樹脂製冷却装置部品を図6、7に示す。例えば、ラジエータータンクのトップおよびベースなどのラジエータータンク部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォーターインレット、ウォーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、バルブなどのウォーターポンプ部品が挙げられる。該樹脂組成物を使用すると軽量化、耐薬品性向上、燃費向上が図られるため、その実用価値が高い。
【0028】
本発明の樹脂組成物は、剛性、耐熱性、耐熱膨張性に優れ、例えばドアやルーフ、フードなどのような中空構造を有する部品の用途に好適である。すなわち、自動車の外板および内外装部品は、鋼板と樹脂パネルより構成され、かつ部品内部に補機などを装着する中空構造を有している部品が多い。例えば、側面ドアおよびバックドアは、外側および内側を鋼板で中空構造を構成し、塗装を経て組み立て工程で内側鋼板に樹脂パネルを取り付け、中空構造内に各種補機などを取り付けている。また、ルーフ、フード、トランクリッド、バックドアなどは、外板および補強レインホースなどを鋼板で構成し、塗装後に内側に樹脂部品を取り付けている。これらの中空構造を有する部品は大型であり、剛性や寸法安定性も要求されるため、従来の樹脂材料では一体成形が難しかった。しかしながら、剛性、耐熱性、耐熱膨張性に優れた本発明の樹脂組成物を使用すると一体成形が可能となり、これらの部品の部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0029】
本発明の樹脂一体成形体は、最表面層に表皮材、意匠印刷層などの加飾層を設けることで意匠性、触感、質感を高め商品性を向上することができる。たとえば起毛シート、エンボス紋様シート、レーザー紋様シート、木目調シートなどの表皮材を最表面層に設けた成形体は、ルーフ室内側、ビラーガーニッシュ類、インストルメントパネルなどに用いることができる。
【0030】
また、本発明の中空構造を有する樹脂一体成形体は、中空部に気体、液体、固体あるいはこれらの混合物を封入することで断熱性能、遮音性能を向上させることができる。封入材としては、透明性が要求される場合は窒素、アルゴン、二酸化炭素、空気などの気体が好ましく、透明性が要求されない場合は前述の気体の他、封入時の加熱で液体状を示し封入後の常温では固体状になるパラフィン、ワックスなどが好ましい。上記封入材により、夏期には車室内から冷熱の逃げ、外気の高熱の侵入を、冬期には温熱の逃げ、外気の冷熱の侵入を抑制し快適な車室内環境を維持できる。また二重壁で内に中空部を有する構造により、外部からの騒音エネルギーを緩和あるいは吸収し、静粛な車室内環境を確保できる。またフードに本構成体を適用すると、エンジンルームからの放射音、放射熱を低減できる。
【0031】
本発明の中空構造を有する一体成形体の製造方法は特に限定されず、一般的な真空圧空成形法、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法などを用いることができるが、例えば次の方法を好適に用いることができる。
【0032】
一つ目の方法では、まず加圧流体導入経路を備えたホルダーに、本発明の樹脂組成物を含んでなる2枚の樹脂シートを固定し、公知の方法でホルダーをシールして2枚のシート間に密閉空間を形成する。各シートを荷重たわみ温度以上に加熱し、開放状態の金型に挿入し、次いで軟化したシートの外周部を金型で押圧して溶着する。該外周部を溶着ながら又は溶着した後に、2枚のシートの間の密閉空間に加圧流体を注入し、シートを拡張しながら又は拡張した後に金型を閉状態にして成形体が冷却するまで加圧流体圧を保持し中空構造を形成する。好ましくは真空引き孔を設けた金型を用い、シート拡張時に真空吸引を併用し金型面とシートの密着を高める。真空引きを用いると成形体の転写性を向上できる。
【0033】
二つ目の方法は、閉状態の金型内に溶融した本発明の樹脂組成物を充填しながら又は充填した後に金型を後退し、キャビティ容積を拡大しながら溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。
【0034】
三つ目の方法は、開状態の金型キャビティ面に本発明の樹脂組成物を含んでなる樹脂シートを1枚もしくは2枚インサートし、金型を閉状態で2枚のシート間に又は1枚のシートの背面に溶融した樹脂を充填しながら又は充填した後、キャビティ容積を拡大しながら加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成する、樹脂一体成形体の製造方法である。開状態の金型片面のキャビティ面に、たとえば本発明の樹脂組成物より成る樹脂シートを1枚インサートし、背面に溶融樹脂を充填しながら又は充填した後に金型を後退し、キャビティ容積を拡大しながら溶融樹脂内部に加圧流体を注入して中空構造を形成する方法、または2枚の樹脂シートを用い金型両面のキャビティ面にシートをインサートし、シート間に溶融樹脂を充填してキャビティ容積を拡大し、加圧流体を注入して中空構造を形成する方法である。使用する充填樹脂としては、本発明の樹脂組成物を含んでなるシートと密着する樹脂であればよく、好ましくは本発明の樹脂組成物と溶解度パラメータ(SP値)が近いものが良い。
【0035】
本発明の中空構造を有する樹脂一体成形体の適用部品としては、図8、9に示すように、例えばフード、ドア、バックドア、ルーフ、フェンダー、ウィンドウ、トランクリッド、センターコンソールボックス、ピラーガーニッシュ、インストルメントパネル、ヘッドライニングなどを挙げることができる。これらの部品はインナー/アウターおよび付帯する部品やレインホースなどを同時にかつ一体で成形でき、部品数の低減および工程数を短縮することができる。更に中空部に気体、液体、固体あるいはこれらの混合物を封入することで付加的な機能を付与することができる。例えばフードではレインホースとの一体化や遮音・遮熱機能の付与が可能であり、ルーフではヘッドライニングとの一体化や断熱・遮音機能の付与が可能であり、ドアやフェンダーではインナー/アウターの一体化が可能である。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、剛性、耐熱性、耐熱膨張性、耐薬品性に優れるため、異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、一つの部品に少なくともこれら二種類以上の機能を付与したことを特徴とする一体成形部品に好適である。ここにおける異なる機能とは、例えば、インストルメントパネルのような表示機能、エアコンダクトなどのような通風機能、ルーフレールなどの固定機能などをいう。本発明の樹脂組成物は上述のように多彩な機能を有するため、種々の機能の確保が期待される部材に応用することができ、これらを一体成形することで異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、ひとつの部品に二種類以上の機能が付与された一体成形部品とすることができる。これによって大型部品の一体化、いわゆるモジュール化やインテグレーション(統合化)に好適であり、高品質を維持しながら部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0037】
例えば、大型内装部品である図10に示すインストルメントパネルは、現在、パネル部とエアコンのエアダクトやケース、クロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)を別々に作り、これらを車の製造ラインで組み立てている。従来の樹脂材料でパネル部とエアコンのエアダクトやケースを一体成形しようとすると、大型かつ複雑な形状の部品のため成形収縮によるヒケや歪み、熱時の膨張などが課題となるが、本発明の樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。
【0038】
また、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するので、このような一体成形により部品全体を構造体とすることが可能で、従来スチールが使用されているクロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)を廃することが可能である。また本発明の樹脂組成物を用いることでスチールでは後付けする必要があったブラケットなども一体成形可能となる。また一体成形時に金型内に表皮材などの加飾材を投入しインサート成形することにより、加飾材との一体成形も可能になる。同様の効果は例えばドアに適用した場合でも得られる。現在のドアインナーパネルはスチール製が主で、ここにサイドウィンドウ用のガイドレールやレギュレーター、ドアロック、スピーカなどの各種部品が製造ラインで組み付けられる。本発明の樹脂組成物を用いることでドアインナーパネル、ガイドレール、スピーカハウジングなどを一体成形することができる。
【0039】
図11に本発明の一体成形部品の他の例を示す。図11に示すように、大型外装部品であるルーフレールを例にすると、前述した本発明の樹脂組成物製のルーフパネルとの一体成形が可能となる。ルーフレールは重量がかかり温度的にも厳しい環境で使用されるため、従来の樹脂材料では特に剛性と耐熱性が課題となっていた。しかしながら、本発明の樹脂組成物を用いるとこのような課題が解決可能となる。同様の効果は例えばスポイラーに適用した場合でも得られ、前述した本発明の樹脂組成物製のトランクリッドとの一体成形が可能である。
【0040】
図12に大型車体部品であるラジエーターコアを示す。現在フロントエンドモジュールとして樹脂製のラジエーターコアが世にでつつあるが、本発明の樹脂組成物を用いると、更に耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れたより軽量な部品とすることができ、ファンシュラウドやブラケットなども一体成形することができる。特に、本発明の樹脂組成物を用いると、ラジエーターのリザーバータンク、ヘッドランプカバーなどの透明部を一体成形することができ、加えて、従来は別体であったバンパー補強材の一体化も可能となる。また、エンジンルーム内部品であるエアクリーナーやスロットルチャンバーなどを例にすると、耐熱性と耐薬品性に優れ低線膨張の本発明の樹脂組成物を用いることで、これらを一体化することができる。従来からこのような一体化は試みられているが、エンジンルーム内は高温かつオイルなどの薬品による厳しい環境であり、従来の樹脂材料においてこの対策が課題となっているが、本発明の樹脂組成物を用いるとこのような課題を解決することが可能となる。同様の効果はインテークマニホールドやシリンダーヘッドカバーに適用した場合でも得られ、前述の部品とともに一体成形することも可能である。
【0041】
本発明の樹脂組成物は、剛性、耐熱性、耐熱膨張性に優れるため、一体成形部品とした場合には、例えばスロットルチャンバーのような可動部と非可動部を有する部品の用途に好適である。すなわち、自動車の吸排気系部品やエアコンユニット内には、可動部と非可動部を有する部品が多数用いられている。これらの部品は主に空気などの気体の流れを制御するものであり、気体を流路となる筒状の部品と気体の流れを制御する開閉可能な蓋から構成され、例えばスロットルチャンバーやエアコンユニット内の各ドアが例示できるが、これらの部品では気密性が重要である。従来の樹脂材料を用いてこれらの部品の筒状部分と蓋部分を成形すると、成形収縮率や熱膨張率が大きいため、寸法精度を上げることができず、開閉部分の気密性が課題となる。また、特にエンジンルーム内の部品に適用する場合には耐熱性も要求されるため、この点も課題となった。しかし、低熱膨張率、低熱収縮率、高耐熱性を有する本発明の樹脂組成物を用いることで、これらの課題が解決可能となり、気密性に優れた部品とすることができる。更に本発明の樹脂組成物は高剛性なためこれらの部品の軽量化とそれによるレスポンスの向上が可能となる。
【0042】
本発明の可動部と非可動部を有する成形体は、例えば射出成形法を用いて可動部と非可動部を別々に成形した後、これらを組み立ててもよいが、例えば二色成形法などの方法で可動部と非可動部を一体成形することが好ましい。気密性がより向上し、また工程数や部品数の低減が可能になるためである。図13に示すスロットルチャンバーを例に取ると、例えば次の方法で製造することができる。
【0043】
スロットルチャンバーは非可動部である筒状のチャンバー部と可動部である開閉バルブおよび開閉バルブとを有する。まず、二色成形用金型内に、開閉バルブ用金属製シャフトをセットし、次に円筒状のチャンバーを射出成形し、続いて円盤状の開閉バルブを成形するためにスライドコアを後退して円盤状の開閉バルブを射出成形する。このとき金属製シャフトと円盤状の開閉バルブが一体化される。本発明によれば、可動部が気体流動を制御する開閉蓋であり非可動部は流動気体を導入する筒状成形品にも、好ましく応用することができる。
【0044】
樹脂を加熱溶融し、円筒形状で溶融樹脂を押出すことができる口金を用い、重力方向に溶融樹脂を押出す。金型を閉じ、押出された円筒形樹脂の下端を金型により閉口し、かつ上端開口部より空気を吹き込むことにより、円筒内部に空気が注入圧空され樹脂が金型に押し当てられ成形される吹き込み成形(ブロー成形)がある。吹き込み成形される樹脂組成物は、炭化水素系燃料の遮断性、ガスバリア性、耐薬品性に優れるため、炭化水素系燃料を収納する部品または容器、例えば、車両用の燃料タンクなどの一連の燃料系部品、灯油容器など家庭用品の用途に好適である。図14に、このような部品や容器である、自動車などの車両用の樹脂製燃料タンクを示す。フィラーチューブを介して炭化水素系燃料であるガソリンが燃料タンクに注入・貯蔵され、ついで当該ガソリンが燃料ポンプによりエンジンに圧送される形式の燃料系システムとなっている。燃料系部品において本発明の樹脂組成物を適用することができる部品の例としては、燃料タンク、フィラーキャップ、ベントチューブ、フューエルホース、フューエルカットオフバルブ、デリバリーパイプ、エバポチューブ、リターンチューブ、フューエルセンダーモデュールなどを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0045】
【実施例】
次に、本発明に係る樹脂組成物およびその製造方法の実施例について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用いた。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル 90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型プレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部、に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0047】
(実施例2)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製 PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX50)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0048】
(実施例3)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル 90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材5重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形より200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0049】
(実施例4)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材30重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0050】
(実施例5)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル 90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材5重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形より200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0051】
(実施例6)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材30重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0052】
(実施例7)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材30重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0053】
(実施例8)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、SiO系繊維状無機物である栃木県産パリゴルスカイト(平均繊維長5μm、平均繊維径0.2μm)と、パリゴルスカイト重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、パリゴルスカイトをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型プレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0054】
(実施例9)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
ガラスファイバー(日本電気硝子(株)製、チョップドストランドACS9PH−901X、平均繊維長9mm、平均繊維径20μm)を粉砕して平均繊維長が1mmとなるようにした。pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバーと、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0055】
(実施例10)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
ガラスファイバー(日本板硝子(株)製ガラスファイバーRES010 平均繊維長1mm、平均繊維径13μm)を粉砕して平均繊維長が300μmとなるようにした。pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバーと、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0056】
(実施例11)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(日本板硝子(株)製ガラスファイバーRES010 平均繊維長1mm、平均繊維径13μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0057】
(実施例12)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が20nmのシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G)をエタノール水溶液(エタノール95重量部、水5重量部)中で攪拌しながら、シリカ微粒子100重量部に対してγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部を添加し、室温で3時間攪拌して反応させた。その後、シリカ微粒子をろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、チタン酸カリウム(大塚化学(株)製ティスモーD 平均繊維長15μm、平均繊維径0.45μm)と、チタン酸カリウム100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、チタン酸カリウムをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、ナノ無機充填材10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0058】
(実施例13)
熱可塑性樹脂とナノ無機充填材と繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
ナノ無機充填材:
平均1次粒径が40nmのコロイダルシリカ微粒子(日産化学工業(株)製、スノーテックス ST−UP)100重量部に対して、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部のエタノール水溶液(エタノール:水=95:5)を混合し攪拌しながら、室温で3時間攪拌して反応させた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、繊維状充填材20重量部をよく混合した。次に、二軸混練機で溶融混合し、上記熱可塑性樹脂100重量部に対してナノ無機充填剤の固形分が10重量部となるよう、二軸混練機の途中から溶融樹脂中に混合させてペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0059】
(比較例1)
熱可塑性樹脂とタルクと繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
タルク:
平均粒径が3μmのタルク(日本ミストロン(株)製 PS−IC)を用いた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、タルク10重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0060】
(比較例2)
熱可塑性樹脂とタルクと繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
タルク:
平均粒径が3μmのタルク(日本ミストロン(株)製PS−IC)を用いた。繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、タルク1重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0061】
(比較例3)
熱可塑性樹脂とマイカと繊維状充填材は下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用いた。
マイカ:
平均粒径が50μmのマイカ((株)山口雲母工業所製A−41)を用いた。
繊維状充填材:
pH3〜5に調整した酢酸水溶液中で、ガラスファイバー(旭ファイバーガラス(株)製:MF20JH1、平均繊維長300μm、平均繊維径10μm)と、ガラスファイバー100重量部に対して1重量部のビニルトリメトキシシランを添加し、室温で1時間攪拌して反応させた。その後、ガラスファイバーをろ過し、150℃で1時間乾燥させた。
V型ブレンダーを用いて上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、マイカ100重量部、繊維状充填材20重量部をよく混合した後、二軸混練機で溶融混合してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機により200℃で射出成形し、曲げ試験用試料とIzod衝撃試験用試料を作製した。
【0062】
(評価)
続いて、上記の各樹脂組成物を試験片に成形し、各試験片について以下の物性評価を行なった。評価結果をまとめたものを表1に示す。なお表1において評価を行った結果を下記の記号で示す。また、表1において※は、成形できないために測定不能であることを意味する。
【0063】
(1)成形性:射出成形時に樹脂が良く流れ、完全な形の成形体を作製できた場合は◎、樹脂の流れが悪かった場合は△、全く成形できなかった場合は×とした。
(2)表面外観:表面外観が良好な場合◎、良好ではないが許容できる場合は○、不良の場合は×とした。
(3)曲げ弾性率:試験方法はASTM D790に準拠し、未充填の樹脂に対して性能が著しく向上したものを◎、若干向上したものを○、ほとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
(4)Izod衝撃試験:試験方法はASTM D256に準拠し、未充填の樹脂に対して性能が著しく向上したものを◎、若干向上したものを○、はとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
【0064】
【表1】
Figure 2004182826
【0065】
実施例1〜13において、剛性と耐衝撃性の向上が認められた。成形性や製品の外観も良好であった。特に、実施例1,2,4,10,11、13において剛性と耐衝撃性がともに著しく向上した。一方、比較例1において、ナノ無機充填材の代わりにタルクを用いた。しかし、射出成形時に樹脂組成物を加温しても樹脂組成物が成形できうる粘度に低下せず、成形不能であった。比較例2において、樹脂組成物の溶融粘度が低下するようにタルクの添加量を減少させた。しかし、得られた成形体において耐衝撃性が低下した。比較例3において、ナノ無機充填材の代わりに粒径の大きいマイカを用いた。しかし、射出成形時に樹脂組成物を加温しても樹脂組成物を成形することができる粘度に低下せず、成形不能であった。
【0066】
【発明の効果】
本発明により、熱可塑性樹脂、繊維状充填材、及びナノ無機充填材からなる熱可塑性樹脂組成物が与えられた。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、剛性、強度、耐衝撃性に優れているために、車両用の内外装部品や外板の用途として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例を示す図である。
【図2】図2a、図2bは、本発明に係る樹脂組成物の車両用外板用途の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の樹脂製ランプリフレクターを用いたヘッドランプ部を示す横断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明に係る樹脂組成物を用いた樹脂製冷却装置部品の一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明に係る樹脂組成物を用いた樹脂製冷却装置部品の一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明に係る樹脂組成物を用いた中空構造を有する樹脂一体成形体の一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明に係る樹脂組成物を用いた中空構造を有する樹脂一体成形体の一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の一例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の一例を示す図である。
【図12】図12は、本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の一例を示す図である。
【図13】図13は、本発明に係る樹脂組成物を用いた可動部と非可動郡を有する成形体の一例を示す図であり、図13Aは該成形体の横断面図、図13Bは該成形体の上面図である。
【図14】図14は、本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ドアモール
2 ドアミラーのフレーム枠
3 ホイールキャップ
4 スポイラー
5 バンパー
6 ウィンカーレンズ
7 ピラーガーニッシュ
8 リアフィニッシャー
21 フロントフェンダー
22 ドアパネル
23 ルーフパネル
81 車体側基体
82 アウター部材
83 リフレクター
84 バルブ
85 光軸調整器
86 アウターレンズ
91 ラジエーター
92 冷却液リザーブタンク
93 ウォシャータンクインレット
94 電気部品ハウジング
95 ブレーキオイルタンク
96 シリンダーヘッドカバー
101 エンジンボディー
102 タイミングチェーン
103 ガスケット
104 フロントチェーンケース
111 ウォーターパイプ
112 O−リング
113 ウォーターポンプハウジング
114 ウォーターポンプインペラ
115 ウォーターポンプ
116 ウォーターポンププーリ
121 ウォーターパイプ
122 サーモスタットハウジング
123 サーモスタット
124 ウォーターインレット
131 フード
132 ドア
133 バックドア
134 ルーフ
135 フェンダー
137 トランクリッド
141 センターコンソールボックス
142 ピラーガーニッシュ
143 インストルメントパネル
151 パネル部
152 エアコンのエアダクトおよびケース
161 ルーフレール
162 ルーフパネル
181 チャンバー部
182 開閉バルブ
183 開閉バルブ
191 フィラーチューブ
192 燃料タンク
193 燃料ポンプ
194 エンジン
195 フィラーキャップ
196 ベントチューブ
197フューエルホース
198 空気室

Claims (30)

  1. 熱可塑性樹脂、繊維状充填材、及び平均粒子径が300nm以下のナノ無機充填材からなることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、前記繊維状充填材5〜30重量部、及び前記ナノ無機充填材5〜30重量部を配合することを特徴とする、請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記繊維状充填材の平均粒子径が0.1〜30μmであり、アスペクト比が20〜80であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記繊維状充填材が、ガラス繊維、チタン繊維、アルミナ繊維、ポロン繊維及び炭素繊維から成る群より選択されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はそれらの共重合体であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記ナノ無機充填材が、カオリナイト、ディッカイト、ハロサイト、クリソタイル、リザーダイト、アメサイト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、セピオライト、パリゴルスカイト、アロフェン、イモゴライト、シリカ、ゼオライト、チタン酸化物、鉄酸化物、アルミニウム酸化物及びジルコニウム酸化物からなる群より選択されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記シリカがコロイダルシリカであることを特徴とする、請求項6記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、樹脂製ランプリフレクター。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、エンジンルームの内面を覆う樹脂製カバー。
  10. 透明であることを特徴とする、請求項9記載の樹脂製カバー。
  11. 請求項1ないし請求項6のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、エンジンルーム内で使用される樹脂製ケース。
  12. 透明であることを特徴とする、請求項11記載の樹脂製ケース。
  13. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、樹脂製冷却装置部品。
  14. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなる、大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有することを特徴とする、樹脂一体成形体。
  15. 前記中空構造において、気体、液体又は固体若しくはこれらの混合物が充填され封入されていることを特徴とする、請求項14記載の樹脂一体成形体。
  16. 前記樹脂一体成形体において、その最表層に加飾層が設けられていることを特徴とする、請求項14又は請求項15記載の樹脂一体成形体。
  17. 前記樹脂一体成形体が、自動車の外板又は内外装部品として使用されていることを特徴とする、請求項14ないし請求項16のいずれか一つの請求項記載の樹脂一体成形体。
  18. 前記樹脂一体成形体が、真空圧空成形法、射出成形法、ブロー成形法又はプレス成形法を用いて製造されている特徴とする、請求項14ないし請求項17のいずれか一つの請求項記載の樹脂一体成形体の製造方法。
  19. 請求項14ないし請求項17のいずれか一つの請求項記載の樹脂一体成形体を製造するための方法であって、前記熱可塑性樹脂組成物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、当該樹脂シートを開放状態の金型に挿入し、当該樹脂シートの外周部を押圧し、当該外周部を溶着しながら又は溶着した後、当該樹脂シートの間に加圧流体を注入し、当該樹脂シートを拡張しながら又は拡張した後に当該金型を閉状態にし、加圧流体圧を保持して中空構造を形成することを特徴とする、樹脂一体成形体の製造方法。
  20. 請求項14ないし請求項17のいずれか一つの請求項記載の樹脂一体成形体を製造するための方法であって、閉状態の金型内に溶融した前記熱可塑性樹脂組成物を充填しながら又は充填した後に当該金型を後退し、キャビティ容積を拡大しながら溶融した当該熱可塑性樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成することを特徴とする、樹脂一体成形体の製造方法。
  21. 請求項14ないし請求項17のいずれか一つの請求項記載の樹脂一体成形体を製造するための方法であって、開状態の金型キャビティ面に、前記熱可塑性樹脂組成物を含んでなる樹脂シートを1枚又は2枚インサートし、金型を閉状態で2枚の当該樹脂シート間に又は1枚の当該樹脂シートの背面に溶融した当該熱可塑性樹脂組成物を充填しながら又は充填した後、キャビティ容積を拡大しながら加圧流体を溶融した前記熱可塑性樹脂組成物内に注入し中空構造を形成することを特徴とする、樹脂一体成形体の製造方法。
  22. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなる一体成形部品であって、異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、よってひとつの部品に少なくともこれら二種類以上の機能を付与したことを特徴とする、一体成形部品。
  23. 可動部と非可動部を有することを特徴とする、請求項22記載の一体成形部品。
  24. 二色成形法により可動部と非可動部が一体で成形されていることを特徴とする、請求項23記載の一体成形部品。
  25. 前記可動部が気体流動を制御する開閉蓋であり、前記非可動部が流動気体を導入する筒状成形品であることを特徴とする、請求項23又は請求項24記載の一体成形部品。
  26. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、炭化水素系燃料の収納部品。
  27. 車両用の燃料系部品であることを特徴とする、請求項26記載の炭化水素系燃料の収納部品。
  28. 前記燃料系部品が車両用の燃料タンクであることを特徴とする、請求項27記載の炭化水素系燃料の収納部品。
  29. 吹き込み成形法で成形された車両用の燃料タンクであることを特徴とする、請求項28記載の炭化水素系燃料の収納部品。
  30. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、炭化水素系燃料の収納容器。
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