JP2003268246A - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物およびその製造方法

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JP2003268246A
JP2003268246A JP2002074859A JP2002074859A JP2003268246A JP 2003268246 A JP2003268246 A JP 2003268246A JP 2002074859 A JP2002074859 A JP 2002074859A JP 2002074859 A JP2002074859 A JP 2002074859A JP 2003268246 A JP2003268246 A JP 2003268246A
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resin
vehicle
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Tomohiro Ito
智啓 伊藤
Koichi Handa
浩一 半田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性に優れ
た樹脂組成物を提供する。さらに、当該本発明の樹脂組
成物を用いてなる車両用部品、および、複数部品を一体
化してなる車両用部品を提供する。 【解決手段】 略筒状かつ中空部を有する微粒子と樹脂
とを含み、該樹脂は該微粒子の中空部に充填されている
ことを特徴とする、樹脂組成物である。本発明の樹脂組
成物における樹脂の高分子鎖は、微粒子の中空部内に拘
束され保持されることにより、樹脂組成物全体にわたる
微視レベルの強固な物理的相互作用が生じ、水素結合や
イオン結合を利用した従来の複合材に比べて、より優れ
た剛性、耐熱性、耐熱膨張性、熱時または成形時の寸法
安定性等の物性を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性、耐熱性、耐
熱膨張性等の物性に優れた樹脂組成物およびその製造方
法に関するものであり、車両用の内外装部品や外板の用
途、樹脂ウィンドウ用途として有用な樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属やガラスで製造されていた車
両用部品を、強化プラスチックで代用する試みがなされ
ている。しかしながら、車両用部品として最も重要なこ
とは、十分な剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性を有す
るかどうかである。強化プラスチックは、軽量であり加
工性が優れているなど様々な利点があるが、剛性、耐熱
性、耐熱膨張性等の物性の面で課題が残っている。
【0003】強化プラスチックの上記物性を改良するた
めに、ガラス繊維やタルク等の充填剤を添加した樹脂組
成物が多種開発されている。なかでも、ナノオーダーレ
ベルの充填材を用いた複合材料が注目されてきている。
【0004】このようなナノオーダーレベルの充填材を
用いたポリマー系複合材料では、(1)充填材の分散性
向上、および(2)充填材とマトリクスとからなるポリ
マーの相互作用の向上、の2点が物性向上のポイントと
なる。上記(1)を達成することによって均質な樹脂組
成物を得ることができる。また上記(2)を達成するこ
とによって、充填材とポリマーとの接着が強固になるた
め、剛性や各種耐性に優れた樹脂組成物が得られる。
【0005】上記(1)充填材の分散性を向上させるた
め、ポリマーの重合前、つまりモノマーの段階で充填材
を添加し、十分分散させた後重合する方法が検討されて
いる。一方、重合前に充填材を添加するのが困難な場合
やコスト的な問題を考慮し、重合後のポリマーに充填材
を混練する方法についても種々検討されている。具体例
として、特許第2519045号公報に記載の、「複合
材料及びその製造方法」(株式会社豊田中央研究所)が
挙げられる。これは樹脂の充填材にモンモリロナイトに
代表される層状クレーを使用し、層状クレーの層間にポ
リアミドモノマーを含浸させた後重合し、ポリアミドと
充填材の複合材を得る方法である。ナノオーダーの充填
材が高い含有率で均一分散することにより、重量の増加
を伴わず剛性や耐熱性等の物性が向上する。
【0006】上記(2)充填材とマトリクスとからなる
ポリマーの相互作用を向上させるため、例えば層状クレ
ーのアルキルアンモニウム塩による有機化処理やポリオ
レフィンのマレイン酸によるコポリマー化等が報告され
ている。さらに、このような改質により、一般的に分散
性も相乗的に向上させることができる。これは溶解度パ
ラメータ(SP値)の概念からも明らかであり、相互作
用と分散性の両者の向上を狙った試みといえる。具体例
として、特公平7−47644号公報に記載の、「ポリ
アミド複合材料及びその製造方法」(宇部興産他)が挙
げられる。これは充填材として用いられた珪酸塩とマト
リクスとして用いられたポリアミドとの反応率を調節し
たものである。また、特開平10−30039号公報に
記載の「ポリオレフィン系複合材料およびその製造方
法」(昭和電工)が挙げられる。これはマトリクスとし
て用いられたポリオレフィンと、充填材として用いられ
た膨潤性層状珪酸塩にテトラアルキルアンモニウムカチ
オンを導入してなる親油性層間化合物と、を使用したポ
リオレフィン系複合材について記載されている。
【0007】しかしながら、上述した充填材とマトリク
スとからなるポリマーの相互作用は、主に水素結合やイ
オン結合による化学的なものであり、より優れた剛性、
耐熱性、耐熱膨張性等の物性を有するには不十分であ
る。
【0008】また一方で、ワイパーシステムなど運転者
の視界に入る部品の透明化が望まれている。例えば従来
のワイパーシステムは、黒色塗装仕上げの鋼鉄と黒色の
ゴムとで構成され、低速作動時に視界が妨げられるとい
う課題があった。また、従来のドアミラステーは、外板
と同色もしくは黒色塗装仕上げの樹脂製であり、右左折
時の視界が妨げられるという課題があった。また、従来
のピラーは鋼鉄製であり、フロントピラー、センターピ
ラーは通常走行時や右左折時、リヤピラーは後方移動時
や後方確認時に視界が妨げられるという課題があった。
このような視界上の課題を解決するために、アクリル樹
脂など透明樹脂を各部品に用いる試みは以前にもあった
が、従来の樹脂は車両用部品として用いるには剛性が低
く、熱時または成形時での寸法安定性が低かったため、
実用化することはできなかった。
【0009】また一方で、車両の製造には多数の部品が
必要であり、それぞれ適用部位や目的に応じてそれぞれ
異なる材質で製造されている。近年、車両製造工程の省
コスト化の一環として、このような隣接する複数の部品
を一体化することにより、部品点数および工程数の削
減、製造コストおよび製造時間の短縮、部品の軽量化な
どを図ることが望まれている。
【0010】しかしながら、隣接する複数の車両用部品
は、透明性、剛性、耐熱性、低線膨張率、低成形収縮
率、耐薬品性等、それぞれに必要とされる物性に応じて
異なる材料で構成されることが一般的である。例えば各
種ランプ類のカバーやウィンドウのような透明な部品
と、例えば外板や各種内装部品のような不透明な部品が
混在している。このような部品同士を一体化すると、透
明な樹脂は剛性、耐熱性、線膨張率、成形収縮率等の物
性が劣るために、熱時または成形時に寸法安定性が得ら
れず、車両用部品として十分な強度、安全性が得られな
い。
【0011】また一方で、自動車の外板および内外装部
品は、鋼板と樹脂パネルより構成されかつ部品内部に補
機等を装着する中空構造を有している部品が多い。例え
ば側面ドアおよびバックドアは、外側および内側を鋼板
で構成し、中空構造を形成しているものが一般的であ
る。このようなドアに塗装を施した後、内側の鋼板に樹
脂パネルを、中空構造内に各種補機等を取り付け、ドア
を完成する。またルーフ、フード、トランクリッド、バ
ックドアの場合、外板や補強材等を鋼板で構成し、塗装
を施した後、内側に樹脂部品を取り付け、ルーフ、フー
ド、トランクリッド、バックドアを完成する。
【0012】もちろん、このような中空部を有する部品
にも軽量化などのために樹脂を用いることが望まれる。
これらの中空部を有する部品は大型であり、剛性や寸法
安定性も要求されることから、従来の樹脂材料では適用
が難しかった。
【0013】また一方で、自動車の吸排気系部品やエア
コンユニット内には、可動部と非可動部を有する部品が
多数用いられている。これらの部品は主に空気などの気
体の流れを制御するためのものであり、気体の流路とな
る筒状の部品と気体の流れを制御する開閉可能な蓋から
構成され、例えばスロットルチャンバーやエアコンユニ
ット内の各ドアが挙げられ、これらの部品では気密性が
重要となる。
【0014】しかしながら従来の樹脂材料を用いてこれ
らの部品の筒状部分と蓋部分を成形しようとすると、成
形収縮率や熱膨張率が大きいため、寸法精度が上げられ
ず、開閉部分の気密性が課題であった。また、特にエン
ジンルーム内の部品に適用する場合、耐熱性も要求され
るため、この点も課題となった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明の目的
は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであ
り、剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性に優れた樹脂組
成物を提供することである。
【0016】本発明の他の目的は、上記樹脂組成物を用
いてなる、優れた剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性を
有する車両用部品を提供することである。さらに本発明
の他の目的は、従来異なる材質により製造されていたた
め統合が困難であった複数の近接する部材を、上記樹脂
組成物を用いて一体化してなる車両用部品を提供するこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、略筒状かつ中空部を有
する微粒子の中空部に樹脂を充填させることにより、微
粒子と樹脂との間に強固な物理的結合による相互作用を
生じさせ、剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性を向上で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、請求項ごとに次のよう
な効果を奏することができる。
【0019】請求項1に記載の発明にあっては、略筒状
かつ中空部を有する微粒子と樹脂とを含み、該樹脂は該
微粒子の中空部に充填されていることを特徴とする樹脂
組成物である。本発明の樹脂組成物における樹脂の高分
子鎖は、微粒子の中空部内に拘束され保持されることに
より、樹脂組成物全体にわたる微視レベルの強固な物理
的相互作用が生じ、水素結合やイオン結合を利用した従
来の複合材に比べて、より優れた剛性、耐熱性、耐熱膨
張性、熱時または成形時の寸法安定性等の物性を実現す
ることができる。また、上記微粒子は、従来の充填材に
比べて、より少ない添加量でその効果を発揮するため、
部品の軽量化を実現することができる。また充填材とし
て微粒子を用いているため、せん断応力を加えても壊れ
にくく、物性の低下代が小さくてすむため、リサイクル
性に優れる。
【0020】請求項2に記載の発明にあっては、該微粒
子は無機物質からなるものであり、かつ該樹脂は熱可塑
性樹脂である樹脂組成物である。このような組み合わせ
にすることによって、本発明の樹脂組成物は、優れた剛
性、耐熱性、耐膨張性等の物性を実現しやすく、車両用
の各種部品に好適に用いられる。
【0021】請求項3に記載の発明にあっては、該中空
部の内径を0.5〜30nmにすることにより、より効
率よく樹脂を微粒子の中空部に充填することができる。
【0022】請求項4に記載の発明にあっては、該微粒
子の長径を200μm以下にすることにより、より効率
よく樹脂を微粒子の中空部に充填することができる。
【0023】請求項5に記載の発明にあっては、該微粒
子は、イモゴライト、カーボン系ナノチューブまたは窒
化ホウ素系ナノチューブである。このような物質で微粒
子を構成することにより、上述の内径を実現しやすく、
より効率よく樹脂を微粒子の中空部に充填することがで
きる。
【0024】請求項6〜8に記載の発明にあっては、該
微粒子の表面を、充填される樹脂種にあわせて、極性を
有する官能基、疎水性を有する官能基、または、反応性
不飽和結合を有する官能基によって修飾することによ
り、より効率よく樹脂を微粒子の中空部に拘束、保持す
ることができる。
【0025】請求項9に記載の発明にあっては、本発明
の樹脂組成物を用いた車両用内外装部品または車両用外
板である。本発明の樹脂組成物を用いることにより、優
れた剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性を有する車両用
内外装部品または車両用外板を製造することができる。
【0026】請求項10に記載の発明にあっては、微粒
子の長径を可視光波長である380nm以下に調節し、
かつ、透明な樹脂を用いることによって、本発明の樹脂
組成物を透明材として用いることができる。このような
透明な樹脂組成物は、上述したように優れた剛性、耐熱
性、耐熱膨張性等の物性に加えて、高い透明性を有する
ため、ウィンドウなどにはもちろん、ワイパーシステ
ム、フロントピラーなど運転者の視界を遮る恐れのある
ものにも適用可能であり、視界の改善が実現できる。
【0027】請求項11に記載の発明にあっては、本発
明の透明な樹脂組成物を用いたウィンドウである。本発
明の樹脂組成物は優れた透明性かつ剛性を兼ね備えるた
め、車両用ウィンドウにも十分適用することができる。
それにより、軽量化、隣接する部材との一体形成を可能
にする。さらに、本発明の樹脂組成物からなるウィンド
ウは、従来の透明樹脂に比べて、耐候性にも優れること
から、太陽光や厳しい外気温による品質劣化が起こりに
くい利点を有する。
【0028】請求項12に記載の発明にあっては、本発
明の透明樹脂組成物からなるウィンドウにさらに熱線を
設けることにより、例えばリアウインドウなどの曇りを
防止することができる。本発明の樹脂組成物は熱時また
は成形時の寸法安定性に優れるため、熱線を設けること
ができる。
【0029】請求項13および14に記載の発明にあっ
ては、本発明の透明な樹脂組成物を少なくとも一部に用
いたワイパーシステム、および、ドアミラーステイを提
供するものである。これら部品の少なくとも一部を透明
にすることにより、運転者の視界を改善することがで
き、さらに意匠性向上も期待できる。
【0030】請求項15〜23に記載の発明にあって
は、本発明の樹脂組成物を含んでなるピラー、ミラー、
ランプリフレクター、エンジンルーム内部品、冷却装置
部品、または、車両用燃料系部品を提供するものであ
る。本発明の樹脂組成物を用いることによって、優れた
剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の物性を有する上記車両用
部品を製造することができる。
【0031】請求項24に記載の発明にあっては、透明
部と不透明部とを有し、少なくとも該透明部は本発明の
樹脂組成物を含んでなることを特徴とする車両用部品で
ある。本発明の透明な樹脂組成物は、優れた剛性、耐熱
性、耐熱膨張性等の物性を有するため、他の部品(不透
明部)と組み合わせて使用可能である。本発明の樹脂組
成物を用いた透明部と不透明部とを有する部品は、熱時
または成形時の高い寸法安定性、かつ、車両用部品とし
て十分な強度を実現したものである。
【0032】請求項25に記載の発明にあっては、該透
明部と該不透明部とを一体化した、請求項24記載の車
両用部品である。本発明の樹脂組成物を用いた透明部と
不透明部との一体化部品は、熱時または成形時の高い寸
法安定性、かつ、車両用部品として十分な強度を実現す
るだけでなく、それまで部品と部品との境界線に存在し
ていた外形線を有さない、滑らかで美しい車体外観を得
ることができる。
【0033】請求項26〜28に記載の発明にあって
は、本発明の樹脂組成物からなる車両用部品における不
透明部を、顔料を樹脂中に分散する方法、成形前あるい
は成形後に塗装または印刷する方法、または、着色シー
トを用いる方法により着色することにより、不透明部を
所望の色に着色することができる。着色することによっ
て、一体化された部品における透明部と不透明部との境
界を設定することができる。
【0034】請求項29に記載の発明にあっては、本発
明の樹脂組成物を少なくとも一部に用いた中空部を有す
る車両用部品である。本発明の樹脂組成物は、高剛性、
高耐熱性、熱時または成形時の寸法安定性に優れるため
に、中空部を有する部品を形成することができる。この
ような中空構造を有することによって、車両用部品に様
々な特徴を付与することができる。例えば、中空構造で
あることによって、衝撃吸収、防遮音、遮熱作用を高め
ることができる。
【0035】請求項30に記載の発明にあっては、中空
部を有する車両用部品の中空部に、気体、液体もしくは
固体またはこれらの混合物を充填することによって、車
両用部品に衝撃吸収、防遮音、遮熱作用などの様々な機
能を付与することができる。
【0036】請求項31に記載の発明にあっては、中空
部を有する車両用部品の最表層に加飾材からなる層を設
けることで、意匠性、触感、質感を高め商品性を向上す
ることができる。
【0037】請求項32および33に記載の発明にあっ
ては、中空部を有する車両用部品を少なくとも一部に用
いた、車両用内外装部品または車両用外板である。本発
明の樹脂組成物は優れた剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の
物性を有するため、これらへの適用が可能であり、部品
点数削減かつ軽量化が図れるだけでなく、組み立て工程
を簡略化することができる。
【0038】請求項34に記載の発明にあっては、本発
明の樹脂組成物を少なくとも一部に用いた可動部と非可
動部とを有する車両用部品である。本発明の樹脂組成物
は、過酷な環境下でも低熱膨張率、低熱収縮率、高耐熱
性、気密性を実現できることから、このような可動部と
非可動部とを有する部品のような微妙な制御を必要とす
る部品を構成することができる。
【0039】請求項35に記載の発明にあっては、該可
動部と該非可動部とを一体形成することにより、部品点
数削減かつ軽量化が図れるだけでなく、組み立て工程を
簡略化することができる。
【0040】請求項36に記載の発明にあっては、該可
動部は気体流動を制御する開閉蓋であり、該非可動部は
流動気体を導入する筒状成形品に、本発明の樹脂組成物
を用いることにより、部品点数削減かつ軽量化が図れる
だけでなく、組み立て工程を簡略化することができる。
【0041】請求項37に記載の発明にあっては、本発
明の樹脂組成物から選択される樹脂組成物で構成される
二以上の部品を一体形成してなる一体化部品に、該二以
上の部品が有するそれぞれ異なる機能を付与することが
できる。
【0042】請求項38〜40に記載の発明にあって
は、中空部を有する車両用部品の製造方法を提供するも
のであり、当該方法のいずれかを用いることによって車
両用部品に中空部を形成することができる。
【0043】請求項41に記載の発明にあっては、本発
明の樹脂組成物の製造方法であり、減圧下で、略筒状か
つ中空部を有する微粒子に単量体化合物を添加した後、
該単量体化合物を重合させることによって、効率よく樹
脂を中空部に充填することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。
【0045】本発明の樹脂組成物は、略筒状かつ中空部
を有する微粒子と樹脂とを含み、該樹脂は該微粒子の中
空部に充填されていることを特徴とする。本発明の樹脂
組成物の、略筒状かつ中空部を有する微粒子の中空部に
樹脂が充填された状態の概念図を図1(a)および
(b)に示す。なお本発明に係る微粒子において「略筒
状かつ中空部を有する」構造とは、図1に示すように、
筒のような形状で中に樹脂を充填できるようなスペース
(中空部)を有する構造であればよい。
【0046】本発明の樹脂組成物における樹脂の高分子
鎖は、図1に示すように、微粒子の中空部内に拘束され
保持される。樹脂の中空部における充填状態は、図1
(a)に示すように、微粒子1の中空部に樹脂の高分子
鎖2が貫通した状態であることが好ましい。しかしなが
ら、高分子鎖が完全に貫通していなくても、(b)に示
すように、複数の高分子鎖が充填されていてもよい。こ
の(b)の場合は、高分子鎖同士が中空部内で複雑に絡
まった構造を取るため、やはり高分子鎖は中空部内に拘
束され、微粒子と間に強固な物理的相互作用が生じる。
さらに、(a)または(b)何れの場合も、微粒子から
延長して伸びる高分子鎖が微粒子周辺の高分子鎖とも相
互に絡まった構造をとるため、本発明の微粒子は周辺の
高分子鎖をも拘束する。従って本発明の樹脂組成物は、
このような樹脂組成物全体にわたる微視レベルの強固な
物理的相互作用によって、水素結合やイオン結合を利用
した従来の複合材に比べて、より優れた剛性、耐熱性、
耐熱膨張性、熱時または成形時の寸法安定性等の物性を
実現することができる。
【0047】本発明に係る微粒子は、上述したように樹
脂を充填できるような中空部を有するものであればどの
ようなものでも使用可能であるが、より効率よく樹脂を
中空部に充填するためには、中空部の内径が0.5〜3
0nmであることが好ましい。中空部の内径が0.5n
m未満の場合、中空部が細くなりすぎ樹脂の充填が困難
になり、拘束される高分子鎖数が減少し十分な物性向上
が得られない恐れがある。一方30nmを超過する場
合、微粒子そのもののサイズが大きくなるので、ナノオ
ーダーレベルで得られる効果が低減される恐れがある。
言い換えれば、樹脂への分散性が落ちるために樹脂内で
の微粒子間の距離が大きくなり、それにより微粒子間に
存在する樹脂の拘束力が減少する恐れがある。
【0048】また微粒子の長径は、中空部に樹脂が充填
される範囲であれば特には限定されないが、200μm
以下であることが好ましい。微粒子の長径が200μm
を超えると、樹脂の充填が困難になる恐れがあり、拘束
される高分子鎖数が減少し十分な物性向上が得られない
恐れがある。
【0049】本発明に係る微粒子の材質は、樹脂を充填
し得る中空部を有するものであればどのようなものでも
使用可能である。このような微粒子として好ましくは無
機物質であり、天然物質でも合成物質でもよい。このよ
うな無機物質として具体的には、無機物質で構成される
各種ナノチューブである。例えば、カーボンナノチュー
ブ、イモゴライト、窒化ホウ素系ナノチューブ、シリ
カ、チタニアなどからなるセラミック系ナノチューブ、
金属系ナノチューブ、エルビウム、ツリウム、イッテル
ビウム、ルテチウムなど希土類酸化物からなるナノチュ
ーブが挙げられる。なかでも、上述の内径を実現しやす
く、入手容易性、コスト等の点で優れるイモゴライト、
カーボン系ナノチューブ、または窒化ホウ素系ナノチュ
ーブが好ましい。なお、イモゴライトとは、天然の非晶
質粘土鉱物の一種であり、正確には含水ケイ酸アルミニ
ウム鉱物である。イモゴライトは、構造単位中の規則的
な原子配列を有するため、ナノチューブ状の形状を有す
る。
【0050】本発明に係る微粒子の表面は、極性を有す
る官能基、疎水性を有する官能基、または、反応性不飽
和結合を有する官能基によって修飾されていることが好
ましい。このような修飾を表面に施すことによって、微
粒子と樹脂との化学的相互作用が増加するとともに中空
部への樹脂の充填も容易になるため、上述した物理的拘
束による微粒子と樹脂との相互作用をさらに強固なもの
にすることができる。
【0051】上述した各種官能基は、使用される樹脂と
の相溶性が向上されるような最適なものを適宜選択すれ
ばよい。極性を有する樹脂に混合するのであれば極性を
有する官能基を選択することが好ましい。極性を有する
官能基としては、水酸基、フェノール性水酸基、ニトロ
基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボ
ニル基、エーテル基などが挙げられ、これらは樹脂の充
填率を高める効果があるため好ましい。また疎水性を有
する樹脂に混合するのであれば疎水性を有する官能基を
選択することが好ましい。疎水性を有する官能基として
は、例えば、脂肪族基、脂環式脂肪族基などが挙げら
れ、これらは樹脂の充填率を高める効果があるため好ま
しい。また反応性不飽和結合を有する樹脂に混合するの
であれば反応性不飽和結合を有する官能基を選択するこ
とが好ましい。反応性不飽和結合を有する官能基として
はCH2=CH−CH2−のような分子間のどこかに多重
結合を有する炭化水素基などが挙げられ、これらは樹脂
の充填率を高める効果があるため好ましい。しかしなが
ら樹脂と官能基の組み合わせは上述したものに限定され
ることではなく、適切な親和性、結合性を実現できるよ
うに選択されることが好ましい。これら官能基の修飾方
法については特に限定されず、具体的な例としては、特
許第2595903号や特許第2874593号に開示
されている液相における官能基の導入方法や、特許第2
639371号に開示されている気相における官能基の
導入方法等が挙げられる。
【0052】本発明において、上記微粒子は、従来の充
填材に比べて、より少ない添加量でその効果を発揮す
る。例えば本発明に係る微粒子と従来の充填材とを同量
で用いた場合、上述したように本発明に係る微粒子はそ
の中空部を有する構造ゆえに樹脂の高分子鎖と強固に相
互作用することができるため、本発明の樹脂組成物の物
性は、従来のものに比べて格段に改良される。言い換え
れば、より少ない添加量で従来と同等またはそれ以上の
物性を得ることができる。添加量が少なくてすむために
本発明の樹脂組成物は従来のものより比重が低く、従来
の強化プラスチックの替わりに用いることによって軽量
化が可能である。当該微粒子の具体的な含有量は、各種
物性を向上する程度に含まれていればよいが、好ましく
は、樹脂組成物全質量中、0.1〜60質量%、より好
ましくは1.0〜30質量%である。ここで0.1質量%
未満の場合、添加効果が低く所望の物性が得られない恐
れがあり、一方、60質量%を超過する場合、添加量に
見合った効果が得られない恐れがある。
【0053】本発明で用いられ得る樹脂としては、車両
用の各種部品を構成し得る樹脂であればどのような樹脂
でも使用可能であり、用途に応じて適切な樹脂を選択す
ることが好ましい。なお、当該樹脂は、熱硬化性または
熱可塑性の何れの樹脂もでもよい。熱硬化性樹脂として
例えばエポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フ
ェノール系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、ウレタン樹脂
などが挙げられる。また熱可塑性樹脂としてはポリオレ
フィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ABS系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、
等が挙げられる。これらの樹脂は単独重合体でもよいし
共重合体でもよく、また複数種の樹脂を混合して用いて
もよい。
【0054】また本発明の樹脂組成物は、上述した樹脂
のほかにも、所望の特性を付与するために他の成分を加
えてもよい。例えば、弾力性を付与したい場合には、適
量のアクリルゴム成分を加えてもよい。
【0055】以上説明した微粒子および樹脂の組み合わ
せとして、微粒子として無機物質からなる微粒子を、か
つ樹脂として熱可塑性樹脂を用いたものが、優れた剛
性、耐熱性、耐膨張性等の物性を実現しやすく、車両用
の各種部品に好適に用いることができるため好ましい。
【0056】また、微粒子の長径を可視光波長である3
80nm以下に調節し、かつ、透明な樹脂を用いること
によって、本発明の樹脂組成物を透明にすることが可能
である。用いる樹脂は、透明なものであればいずれも使
用可能であり、例えばアクリル系樹脂やポリカーボネー
ト系樹脂が好ましい。このような透明な樹脂組成物は、
透明なだけでなく、上述したように優れた剛性、耐熱
性、耐熱膨張性等の物性を有するために、これまでガラ
ス製であった車両の各種ウィンドウに用いることができ
る。ウィンドウといしては、図5に示すように、例えば
ドアウィンドウ15、リヤウィンドウ16が挙げられ、
この他にも、フロントウィンドウ、リヤウィンドウなど
に用いることができる。もちろん、車両以外にも、住宅
用窓材等にも適用可能である。
【0057】また本発明の樹脂組成物は、リサイクル性
にも優れている。ガラス繊維などによる一般的な強化プ
ラスチックは、せん断応力を繰り返し受けることによっ
てガラス繊維が壊れ、その物性は徐々に低下していくた
め、リサイクル性が低い。しかしながら、本発明の樹脂
組成物は充填材として微粒子を用いているため、せん断
応力を加えても壊れにくく、物性の低下代が小さくてす
むため、リサイクル性に優れる。
【0058】次に本発明の樹脂組成物の製造方法を図2
を参照しながら説明する。図2は、本発明に係る微粒子
1の中空部に単量体化合物3が充填された後、重合さ
せ、高分子鎖3が中空部内に形成される状態を示す概念
図である。
【0059】本発明における樹脂組成物の製造方法によ
れば、予め微粒子を減圧状態にすることによって、微粒
子の中空部に効率よく単量体化合物を充填することがで
きる。減圧方法はどのような方法でも構わないが、具体
的には、まず耐圧性の容器に略筒状かつ中空部を有する
微粒子を投入し、これを真空減圧することが好ましい。
この時減圧効率を高めるため、攪拌、超音波処理、加熱
といった手法を併せて用いることがより好ましい。また
必要に応じて水、溶媒などの液体を一緒に添加しても良
い。次に減圧状態とした容器に、樹脂の原料となる単量
体化合物を投入する。この時も、好ましくは攪拌、超音
波処理といった手法を併せて用いることによって、十分
に微粒子と単量体化合物を減圧下で混合することができ
る。次に容器内を減圧状態から常圧に戻し、用いた単量
体化合物の重合反応に適当な温度、圧力に調節し、所望
する樹脂に合わせて、アゾビスイソブチロニトリル、過
酸化ベンゾイルなどの重合開始剤や、所定の触媒、必要
であれば水、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの適当な溶媒を投入
し、重合を行なう。所定時間重合反応させた後、得られ
た反応物を粉砕し、水で十分に洗浄し、乾燥し、本発明
の樹脂組成物を得る。このようにして得られた樹脂組成
物は、減圧下で単量体化合物を微粒子に加えてから重合
するため、中空部内に高分子鎖が形成され、中空部内に
十分量の高分子鎖が充填された構造を実現できる。
【0060】次に本発明における樹脂組成物の、略筒状
かつ中空部を有する微粒子の中空部に樹脂が充填された
ことを確認する方法について説明する。
【0061】最も簡便な方法は組成物の比重差を用いる
方法である。具体的に説明すると、上記製造方法どおり
に単量体化合物に微粒子を適当量(30wt%程度)配
合し重合して得られた樹脂組成物A、および、微粒子
と、樹脂組成物Aにおける単量体化合物と同量のすでに
重合された樹脂(ただし同じ成分)とを混合し得られた
樹脂組成物B、の比重を比較する。この場合、樹脂組成
物Bの微粒子の中空部には樹脂はわずかしか充填されな
い。従って、樹脂組成物Aの微粒子の中空部に十分に樹
脂が充填されていれば、樹脂組成物Aの比重が樹脂組成
物Bの比重より高くなる。すなわちこの方法で比重を比
べることによって、樹脂が微粒子の中空部に充填されて
いる度合いを測ることができる。なお、下記実施例にお
いては、この方法を用いて微粒子の中空部に樹脂が充填
されていることを確認している。
【0062】また樹脂にアクリル系樹脂やポリカーボネ
ート系樹脂といった透明樹脂を用いた場合は、組成物の
屈折率差を用いる方法が簡便である。比重差を利用する
場合と同様に調製された樹脂組成物Aと樹脂組成物Bと
の屈折率を比較する。樹脂が微粒子の中空部に充填され
ている度合いが低い、つまり組成物中に空気層が多い
と、見掛けの屈折率が減少するために、樹脂が微粒子の
中空部に充填されている度合いを測ることができる。
【0063】以上2つの方法は間接的な確認方法である
が、走査プローブ顕微鏡(SPM)の原子間力顕微鏡
(AFM)モードを用い、微粒子の断面を観察すること
で直接的な確認も可能と思われる。但し、微粒子断面の
試料調製が難しく、また測定には多くの時間を要するこ
とから、上記の方法が好ましい。
【0064】このような本発明の樹脂組成物は、高剛
性、高耐熱性であり、熱時または成形時の寸法安定性、
透明性にも優れるため、厳しい物性条件を要求される車
両用部品に用いることができる。特に金属で形成される
車体外板や、ガラスで形成されるウィンドウなどの代替
材料として有用であり、それによって車体そのものを軽
量化することができ、走行時の省エネルギー効果を高め
ることができる。もちろん、すでに樹脂で製造されてい
る各種部品に代替使用することでさらなる軽量化、剛性
の付与が可能になる。なお本発明の樹脂組成物を適用で
きる車両用部品とは、車両を構成する全ての部品であ
り、樹脂組成物で形成可能なもの全てを指す。
【0065】また本発明の樹脂組成物を用いて車を構成
する車両用部品の多くを製造できるために、隣接する複
数の部品の少なくとも一部、好ましくは全てを本発明の
樹脂組成物で構成し、まとめて一体化することができ
る。一体化することによって、部品数を減らし、組み立
て工程を簡便にし、工程時間および工程コストの低減に
貢献することができる。なお本発明において一体化また
は一体形成とは、複数の部品を統合し、ひとつの連続し
た部品、または、締結された部品に成形することであ
る。また、例えば金属製シャフトなどの金属部品も同時
に一体化することができる。
【0066】また本発明は、透明部と不透明部とを有
し、少なくとも該透明部は本発明の樹脂組成物を含んで
なることを特徴とする車両用部品である。本発明の透明
な樹脂組成物は、優れた剛性、耐熱性、耐熱膨張性等の
物性を有するため、他の部品(不透明部)と組み合わせ
て使用可能である。本発明の樹脂組成物を用いた透明部
と不透明部とを有する部品は、熱時または成形時の高い
寸法安定性、かつ、車両用部品として十分な強度を実現
したものである。
【0067】より好ましくは、該透明部と該不透明部と
が一体化されることである。本発明の樹脂組成物を用い
た透明部と不透明部との一体化部品は、熱時または成形
時の高い寸法安定性、かつ、車両用部品として十分な強
度を実現するだけでなく、それまで部品と部品との境界
線に存在していた外形線を有さない、滑らかで美しい車
体外観を得ることができる。このような一体化部品は、
それまで部品と部品との境界線に存在していた外形線を
有さない、滑らかで美しい車体外観を得ることができ
る。
【0068】一体成形する方法は、統合する部品の形
状、用いる本発明の樹脂組成物の種類などに応じて様々
であり、一概には言えないが、例えば、複数の部品を同
じ樹脂組成物で製造することができる場合は、単一の樹
脂組成物を所定の金型で成形して一体化部品を製造す
る。また、例えば複数の部品をそれぞれ異なる樹脂組成
物(すなわち樹脂や微粒子の種類が異なる、など)で製
造したい場合は、複数の樹脂組成物を一つの金型に時間
差で射出成形して一体化部品を製造する。一体成形方法
はこれらに限られず、当業界周知の方法が用いることが
できる。
【0069】本発明の樹脂組成物を用いた車両用部品
は、所望の色に着色することができる。着色方法は、当
業界周知の方法によってなされ、特には限定されない
が、例えば樹脂組成物そのものを着色する方法、塗装、
着色シート、印刷などによる着色方法、が挙げられる。
以下、具体例を説明する。
【0070】樹脂そのものを着色する方法は、例えば、
顔料、染料、着色剤等の着色成分を樹脂と混練すること
によってなされ、原着方法ともいう。原着方法は、複雑
な形状を有する部品などの着色に適している。着色成分
の樹脂組成物は、組成物調製時に予め分散しておき、そ
れを成形してもよいし、樹脂組成物と顔料ペレットを同
時に溶融、混練させ、例えば射出成形機によって射出成
形してもよく、所望の成形方法に合わせて適宜選択する
ことが好ましい。ここで用いられる顔料は、樹脂に混練
し着色することのできるものであればいずれも使用可能
であるが、例えば有機顔料、無機顔料が挙げられ、これ
らの一種または二種以上を所望の色調に応じて適宜選択
して用いることが好ましい。このような顔料のほかに
も、メタリック調を出すために、アルミフレーク、マイ
カ粒子、酸化チタンなど酸化金属粒子なども使用可能で
ある。
【0071】塗装または印刷による着色方法は、予め樹
脂を溶融し製品の形を形成しておき、その後、表面また
は裏面から塗装または印刷することによりなされる。ま
た、例えば樹脂組成物をシート状にし、これに塗装また
は印刷を施してその後に所望の形状に最終的に成形する
こともできる。塗装または印刷に用いられる塗料は、従
来周知のものがいずれも使用可能であり、例えばポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合
体、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をベースとし、
顔料やメタリック粒子等を混合した熱可塑性樹脂シート
などである。
【0072】着色シートによる方法は、予め着色された
シートを予備賦形しておき、金型内に配置し、続いて溶
融樹脂を金型内に注入することによってなされる。この
方法は、均一に着色できるため、比較的着色面積が広い
場合に適している。樹脂が冷却固化後、金型より取り出
し、着色された成形体を得ることができる。
【0073】以下、本発明の樹脂組成物を用いてなる各
車両用部品について詳述する。
【0074】本発明の樹脂組成物は、車両用内外装部品
または車両用外板に用いることができる。
【0075】車両用内装部品としては、これらに限定さ
れないが、例えば図8に示すようなインストルメントパ
ネル、計器カバー、図16に示すようなセンターコンソ
ールボックス33、ピラーガーニッシュ35、その他に
もクラスターリッド等、が挙げられる。
【0076】またこれら内装部品は、車室内側の最表層
にさらに表皮材、意匠印刷層等の加飾層を設けることで
意匠性、触感、質感を高め商品性を向上できる。加飾材
としては、車両用内装部品に適用されるものであればい
ずれも使用でき、例えば、天然繊維、合成繊維など各種
繊維からなる網織物または不織布、ポリウレタンなどの
発泡性プラスチック、起毛シート、エンボス紋様シー
ト、レーザー紋様シート、木目調シート等などからなる
ものが挙げられる。さらに必要に応じて、発泡性プラス
チックなど緩衝作用のある材質で構成される緩衝層や、
発泡性プラスチックや合成繊維不織布など吸音作用のあ
る材質で構成された遮音層および防音層など、車両用内
装材に付与し得る全ての機能層を形成することもでき
る。具体的には、ルーフの室内側、ピラーガーニッシュ
類、インストルメントパネルの場合には、起毛シート、
エンボス紋様シート、レーザー紋様シート、木目調シー
ト等の表皮材を最表面層に設けることが好ましい。
【0077】一方、車両用外装部品としては、これらに
限定されないが、例えば図3に示すように、ドアミラー
4、センターピラー、リヤピラーなど各種ピラー5、ス
ポイラー6、バンパー7、ホイールキャップ8、ドアモ
ール9が挙げられ、これ以外にも、ウィンカーレンズ、
フロントピラー、ピラーガーニッシュ、リヤフィニッシ
ャー、ヘッドランプカバー、アウターレンズ、フロント
グリル、ルーフレール等が挙げられる。また上述した部
品のなかでもウィンカーレンズなど透明性が要求される
場合は、アクリル樹脂等の透明な樹脂を用いればよい。
【0078】これら外装部品は所望の色に着色すること
ができる。着色方法は、内装部品の説明で述べたとおり
である。
【0079】車両用外板としては、これらに限定されな
いが、例えば図4に示すように、フェンダー10、ドア
11、トランクリッド12、ルーフ13、フード14な
どが挙げられ、これ以外にもバックドアパネル等が挙げ
られる。
【0080】これら車両用外板は所望の色に着色するこ
とができる。着色方法は、内装部品の説明で述べたとお
りである。なかでも車両用外板の着色は、広い面積を均
一に着色できるシートによる方法が好ましい。
【0081】次に本発明の透明な樹脂組成物(以下、単
に透明樹脂組成物ともいう)を用いてなる車両用部品に
ついて説明する。透明樹脂組成物は、従来ガラスなどの
透明材料で製造されていたほとんどの部品や、視界の改
善が求められている部品に適用することができ、例え
ば、ウィンドウ、ワイパーシステム、ピラー等である。
以下、各種用途について詳述する。
【0082】本発明の透明な樹脂組成物は、高い剛性と
優れた可視光透過率を有するために、ウィンドウに用い
ることができる。ここでウィンドウとは、フロントウィ
ンドウ、ドアウィンドウ、リヤウィンドウ、バックドア
ウィンドウ、リヤフェンダーとルーフに接着されるリヤ
クウォーターウィンドウ、ルーフウィンドウなどを含
む。これらウィンドウのいくつかを図9に示す。本発明
の樹脂組成物は高い剛性を有するので、フロントウィン
ドウ、ドアウィンドウ、リヤウィンドウ等の大型部品に
も適用可能で、軽量化が可能となる。
【0083】またウィンドウのなかでも特にリヤウィン
ドウは、防曇機能を付与するため、成形体の内部あるい
は表面に加熱可能な熱線ヒータを設ける必要がある。従
来の透明樹脂材料を用いた場合、この熱線ヒータによる
樹脂材料の耐熱性や熱膨張が課題となるが、熱時または
成形時の寸法安定性に優れる本発明の透明樹脂組成物を
用いることによって解決することができる。尚、熱線ヒ
ータの形成方法としては、従来周知の方法を用いること
ができるが、例えばフィルム化された熱線部をインサー
ト成形する方法や、室内側表面に熱線部を蒸着、塗布、
または印刷等の方法により設置することができる。
【0084】また本発明の樹脂組成物を用いて、ウィン
ドウに隣接する各種部品を統合し一体化部品にすること
ができる。例えば、これらに限定されないが、ドアウィ
ンドウとドアパネル、リヤクウォーターウィンドウとド
アパネルまたはリヤクウォーターパネル、などである。
このような一体化部品の製造方法の一例を説明すると、
このような一体化部品は、例えばリヤクウォーターウィ
ンドウと、リヤクウォーターパネルなど一体化される部
品とを、透明な樹脂組成物で一体成形して、その後、塗
装、印刷または着色シートなどによってパネル部分など
着色が要求される部分を着色することによって製造でき
る。
【0085】さらに本発明の透明な樹脂組成物は、ワイ
パーシステム、ドアミラーステイ、またはピラーなど、
視界の向上が要求される部品の用途に好適である。これ
らの部品の透明化は、視界向上だけでなく、意匠性の向
上にも寄与できると期待される。
【0086】まずワイパーシステムについて説明する。
図6にワイパーシステムの模式図を示す。ワイパーシス
テムは、一般的にはワイパーアーム17、ワイパーブレ
ード19、およびワイパーアーム固定用ナット穴18、
から構成され、ワイパーブレードは更に弾性を有する支
持部分と軟らかいゴム部分とから構成される。このよう
なシステムの少なくとも一部、好ましくはすべてを本発
明の透明樹脂組成物で構成することによって、低速作動
時の視界の改善だけでなく、優れた意匠性をも付与する
ことができる。
【0087】当該用途において、ワイパーアームとワイ
パーブレードの支持部分の少なくとも一方、好ましくは
両方を本発明の透明樹脂組成物で構成する。ここで用い
られる樹脂は、アクリル樹脂などが、適度な剛性、透明
性、加工性を有するため好ましい。またワイパーブレー
ドの支持部分に適度な弾性を与えるために本発明の樹脂
組成物に適量のアクリルゴム成分を加えてもよい。なお
ゴム部分は、耐久性が高く比較的透明性の高いシリコン
ゴム等を用いれば、全体がほぼ透明なワイパーシステム
を構成できる。もちろん、当該ワイパーシステムは意匠
性付与のために、例えば原着方法によって着色されてい
てもよい。
【0088】次にドアミラーステー、ピラーについて説
明する。ここでピラーとは、フロントピラー、センター
ピラー、リヤピラーを含む。ドアミラーステーおよびピ
ラーはいずれも(特にセンターピラー)、視界を遮る恐
れのあるものである。従ってこれらを本発明の透明樹脂
組成物で製造することによって、視界を改善するだけで
なく、優れた意匠性をも付与することができる。ここで
用いられる樹脂は、アクリル樹脂などが、適度な剛性、
透明性、加工性を有するため好ましい。
【0089】当該ドアミラーステーまたはピラーはそれ
ぞれ単一の部品として製造し、車両に用いてもよいが、
隣接する複数の部品と一体化してもよい。例えばドアミ
ラーステーおよびフロントピラー、または、各ピラーお
よび樹脂ルーフパネル、など隣接する部品を組み合わせ
て一体化してもよい。製造方法の一例を説明すると、こ
のような一体化部品は、ドアミラーステーまたはピラー
と、パネルなど一体化される部品とを、透明な樹脂組成
物で一体成形して、その後、塗装、印刷または着色シー
トなどによってパネル部分など着色が要求される部分を
着色することによって製造できる。またこのような一体
化部品は、ドアミラーステーまたはピラーは透明な樹脂
組成物を用い、一体化される部品は不透明な樹脂組成物
を用いて、射出成形によってそれぞれを時間差で成形し
一体成形して製造できる。
【0090】また本発明の樹脂組成物は、サイドミラ
ー、車室内のルームミラー等の各種ミラーにも好適に用
いられる。ミラーに本発明の樹脂組成物を用いることに
よって、軽量化が可能である。ここで用いられる樹脂
は、アクリル樹脂などが、剛性、加工性を有するため好
ましい。
【0091】さらに上記ウィンドウ同様に、熱線ヒータ
を設け防曇機能を付与することも可能である。ミラー面
の形成方法は、従来周知の方法が使用でき、例えば金属
箔を積層する方法、金属膜を蒸着する方法、などが挙げ
られる。
【0092】さらに本発明の樹脂組成物は、ヘッドラン
プ、フォグランプ、リヤコンビランプ等のリフレクター
またはヘッドランプのサブリフレクター等のランプリフ
レクターにも好適に用いられる。ランプリフレクターと
は、図10に示すとおり、高熱になるバルブに隣接する
部品であり、従来の樹脂を用いた場合は熱溶融、熱膨張
などの課題があった。その点本発明の樹脂組成物は、高
剛性、高耐熱性であり、熱時または成形時の寸法安定性
に優れているため、このような部位にも好適に用いるこ
とができる。また、本発明の樹脂組成物は、優れた加工
性ゆえに表面を平滑性にすることができ、この点におい
ても高い反射性を要求されるリフレクター基材としても
優れている。ここで用いられる樹脂は、アクリル樹脂な
どが、剛性、熱時または成形時の寸法安定性を有するた
め好ましい。リフレクター反射面の形成方法は、例えば
基材部を本発明樹脂組成物で成形する際に、金属箔等か
らなる反射膜をインサートする方法や、本発明の樹脂組
成物を射出成形またはプレス成形することにより基材部
を成形し、反射面に金属膜などの蒸着膜を形成する方法
等が挙げられる。
【0093】また本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐
熱性であり、熱時または成形時の寸法安定性、耐薬品
性、透明性にも優れるため、例えば、エンジンルーム内
部品、例えばエンジンルーム内カバーおよびケース等の
部品の用途に好適である。これら部品を透明にすること
で、視認性の向上が図られる。ここで用いられる樹脂
は、アクリル樹脂などが、適度な剛性、透明性、加工性
を有するため好ましい。
【0094】まずエンジンルーム内カバーおよびケース
について説明する。エンジンルーム内カバーとは、図1
1において示されるシリンダーヘッドカバー、タイミン
グベルトカバー(図示せず)が挙げられる。またケース
とは、図12において示されるフロントチェーンケース
が挙げられる。これらの部品はエンジン部の稼動により
かなり高温になるため、従来の樹脂では耐熱性、熱時の
寸法安定性に課題があった。その点本発明の樹脂組成物
を用いることによって、高い耐熱性、熱時の寸法安定性
を有するカバーおよびケースを形成することができ、軽
量化が可能である。ここで用いられる樹脂は、アクリル
樹脂などが、適度な剛性、熱時または成形時の寸法安定
性を有するため好ましい。また、これらを透明な樹脂で
形成することも好ましく、カバーまたはケース内部の視
認性を向上させる効果がある。
【0095】また本発明の樹脂組成物を、冷却装置部品
に使用することによって、軽量、耐薬品性向上、燃費向
上を実現する実用価値の高い部品とすることができる。
冷却装置部品とは、エンジンルーム内で冷却水との接触
下で使用される部品のことであり、例えば、ラジエター
タンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部
品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォー
ターインレット、ウォーターポンプハウジング、ウォー
ターポンプインペラ、バルブなどのウォーターポンプ部
品が挙げられる。これら冷却装置部品のいくつかを図1
3および14に示す。ここで用いられる樹脂は、アクリ
ル樹脂などが、適度な剛性、熱時または成形時の寸法安
定性を有するため好ましい。
【0096】本発明の樹脂組成物は、例えばガソリンな
どの炭化水素系燃料を収納する容器などの車両用燃料系
部品に好適である。例えばガソリンを充填した燃料タン
クは、エンジン稼動による振動および熱でガソリンが揮
発し、従来のガスバリア性に劣る樹脂タンクでは揮発し
たガソリン成分が漏れるなどして、不快なガソリン臭を
感じさせる恐れがあった。その点本発明の樹脂組成物
は、微粒子の中空部に樹脂の高分子鎖を保持するため
に、緻密な構造を有する。この緻密な構造により、炭化
水素系燃料の遮断性、ガスバリヤ性、耐薬品性および高
圧にも耐える高い剛性に優れるため、燃料系部品に好適
である。車両用燃料系部品としては、図21に示すよう
に、燃料タンク、フィラーキャップ、フィラーチュー
ブ、ベントチューブなどを含み、さらに図示していない
が、フューエルカットオフバルブ、フューエルホース、
デリバリーパイプ、エバポチューブ、リターンチュー
ブ、フューエルセンターモジュール等も含む。またこの
ような自動車の燃料部品としてだけでなく、家庭用の灯
油容器などにも好適である。ここで用いられる樹脂は、
アクリル樹脂などが、適度な剛性、熱時または成形時の
寸法安定性を有するため好ましい。
【0097】また、これら燃料系部品を透明樹脂組成物
で製造しても良い。本発明の樹脂組成物は、透明でも従
来の複合材同様もしくはそれ以上の物性を実現するもの
であるから、このような過酷な用途にも十分使用するこ
とができる。このように燃料系部品を透明にすることに
よって、内部の状況の視認性を向上させる効果がある。
【0098】また、燃料系部品において述べたのと同様
の理由で、各種車両用容器にも好適に用いられる。車両
用容器とは、例えば、ウオッシャータンクインレット、
ブレーキオイルタンクの各種液体を収容するタンク等を
含む。これら車両用容器のいくつかを図11に示す。好
ましく用いられる樹脂は、上記燃料系部品において列挙
したものと同様である。
【0099】上述した燃料系部品、特に燃料タンク、お
よび各種容器は、従来周知の方法で製造されるが、好ま
しくは中空構造の成形に適したブロー成形で製造され
る。具体的には、大別するとコールドパリソン法、エク
ストルージョンブロー法(押出ブロー法)、インジェクシ
ョンブロー法(射出ブロー法)、延伸ブロー法などがあ
り、所望の形状や樹脂の特徴に合わせて適宜選択するこ
とが好ましい。
【0100】また上述した主に液体を充填するタンク以
外にも、図11に示すような電気部品ハウジングなど、
外部との接触から保護するための容器等にも好ましく用
いることができる。
【0101】なお、以上述べた本発明の透明樹脂組成物
を用いてなる各種用途において、例えば本発明の樹脂組
成物と他の樹脂材料とを積層した多層積層体で構成する
ことも可能である。多層積層体にする場合は、少なくと
も本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいれ
ばよく、好ましくは積層体の最表面層および最下層、よ
り好ましくはさらに中間層に該樹脂組成物層が設けられ
た構造である。多層積層体とすることで本発明の樹脂組
成物のみでは発現できないような付加機能、例えばウィ
ンドウに紫外線遮断機能や遮熱機能などを付与すること
が可能となる。
【0102】さらに、透明部と不透明部とを有する車両
用部品について例を挙げて説明する。
【0103】本発明の透明樹脂組成物は、各種ランプカ
バーに好適である。従来のヘッドランプはポリカーボネ
ート樹脂でできており、耐光性が低く、太陽光に暴露さ
れると黄変してしまうため、表層にコーティングしなけ
ればならなかったが、本発明の樹脂組成物は、高い透明
度に加えて、高い耐熱性を有するため、ランプの熱源が
近くて樹脂が溶けたり、保護層を設けなくても変色した
りする問題も発生しない。
【0104】本発明の樹脂組成物からなるランプカバー
と、周辺部品との一体化が可能である。例えば、ヘッド
ランプカバーまたはアウターレンズは、その周囲に存在
するバンパ、フロントグリル、フェンダ、フードパネル
といった別々の部品と接しているが、透明部・不透明部
を一体成形することにより部品点数の削減が可能であ
る。一体化の例を挙げれば、図7に示すように、ピラー
ガーニッシュ・ドアウィンドウの一体化20、ルーフ・
フェンダーの一体化21、ランプ・フェンダーの一体化
22、ドア・ドアウィンドウの一体化23、バックドア
・バックウィンドウの一体化24、リヤクウォーターウ
ィンドウ・フェンダーの一体化25、これ以外にも図に
は示されないが、ヘッドランプカバー・フェンダーの一
体化、などであり、基本的には隣接していれば全ての組
み合わせの部品が一体化可能である。また、このような
一体化部品の少なくとも一部に、本発明の樹脂組成物が
使用されていれば良く、より好ましくは全てが本発明の
樹脂組成物で構成されたものである。
【0105】上述した一体化の例の中でも、ウィンドウ
が隣接する外板に嵌め殺しになっているタイプの一体化
部品の製造方法について、リヤクウォーターウィンドウ
・フェンダー一体化部品を例にとって説明する。まず本
発明の透明樹脂組成物からなるシートを一枚用意する。
このシートを所定の金型に設置し、所望の形状に加圧成
形する。なお、この際、ウィンドウ部分とドア部分とを
区別するために、金型に予め着色シートを設置しておい
てもよいし、成形後に塗装または印刷によって着色して
も良い。このように一体化することによって、複数部品
を同時に成形することができ、部品点数および工程時間
を削減することができる。
【0106】同様に嵌め殺しウィンドウの例として、ル
ーフ・ルーフウィンドウ一体化部品が挙げられる。本発
明の樹脂組成物は、透明かつ高強度、高剛性であるの
で、このような一体化部品の製造に適している。ルーフ
・ルーフウィンドウの一体化は、構造用部品、すなわち
ルーフを透明樹脂組成物で構成し、ルーフウィンドウ部
分以外の部分を塗装、印刷または着色シールによって着
色し、一体化部品を得る。このようにすれば、後工程で
サンルーフを設けなくても良い。
【0107】以上、リヤクウォーターウィンドウ・フェ
ンダー一体化部品、ピラーガーニッシュ・リヤクウォー
ターウィンドウ一体化部品、ルーフ・ルーフウィンドウ
一体化部品を例にとって説明したが、これだけには限ら
ず、その他の部品の組み合わせにも適用できる。他の一
体化部品もこれと類似した方法が用いられるが、この方
法に限定することではない。
【0108】また例えば、内装部品において上述したイ
ンストルメントパネルにおいても、隣接する部品を一体
化することがこのましい。具体的に説明すれば、インス
トルメントパネルにはめ込まれる計器類、その透明なカ
バー、クラスターリッドは通常別部品で作られ、後から
はめ込まれるが、本発明の樹脂組成物により、透明部分
と不透明部分を一体成形できる。その方法の一例を説明
する。まず、インストルメントパネルおよび計器類のカ
バーを同時に一体成形する。可能であれば、ここでさら
に他の部品も同時に埋め込んで成形しても構わない。続
いて得られたインストルメントパネルに計器など残りの
部品をはめ込んで一体化インストルメントパネルを完成
する。このような一体化インストルメントパネルは、部
品点数削減かつ軽量化が図れるだけでなく、組み立て工
程を簡略化することができる。
【0109】次に本発明の樹脂組成物を用いた中空部を
有する部品について説明する。本発明の樹脂組成物は、
高剛性、高耐熱性、熱時または成形時の寸法安定性に優
れるために、中空部を有する部品を形成することができ
る。このような中空構造を有することによって、車両用
部品に様々な特徴を付与することができる。例えば、中
空構造であることによって、衝撃吸収、防遮音、遮熱作
用を高めることができる。なお当該中空部を有する部品
は、少なくとも一部が本発明の樹脂組成物で構成されて
いればよく、好ましくは全てが本発明の樹脂組成物で構
成されたものである。また当該中空部を有する部品は、
用途に応じて、一部が開口していてもよいし、完全に密
封されていてもよい。さらに該中空中に、必要に応じて
モーターなどの部品を仕込むこともできる。
【0110】さらにこのような中空部を有する部品は、
隣接する他の部品と共に一体化することができる。中空
部を有する一体化部品は、少なくとも一部に本発明の樹
脂組成物を用いていればよく、好ましくは全て本発明の
樹脂組成物で構成されることである。中空部を有する一
体化部品としては、図15および16に示すように、例
えばフード26、ドア27、バックドア28、ルーフ2
9、フェンダー30、ウィンドウ31、トランクリッド
32、センターコンソールボックス33、インストルメ
ントパネル34、ピラーガーニッシュ35等を挙げるこ
とができる。これらの部品はインナーおよびアウター、
付属部品、補強材等を同時にかつ一体に成形でき、部品
数の低減、工程数の短縮、および軽量化が可能である。
【0111】一体化の例としては、上記透明部および不
透明部の一体化部品において説明したように、ウィンド
ウなど透明な部品と一体化することも好ましい。例え
ば、金型に、二枚の樹脂組成物シート(ドアアウターと
ドアインナー)の間に透明な樹脂組成物シート(ウィン
ドウ)を配置し、内部に空気を吹き込みながら同時に加
圧成形し、一体化する。このような方法によって、ドア
部分は中空構造を有し、かつウィンドウを一体化した一
体化部品が得られる。なお、ドアロック、ワイパーモー
ター等は後工程で部品の中空部に設置する。
【0112】一体化の他の例としては、例えばルーフの
場合、ルーフと補強材との一体化、ルーフとヘッドライ
ニングとの一体化、ルーフと防遮音層や遮熱層との一体
化が挙げられ、このような一体化によって、強度の増
進、防遮音、遮熱機能の付与が可能である。また例えば
ドアやフェンダーの場合、ドアインナーまたはドアアウ
ターとウィンドウとの一体化、フェンダーとウィンドウ
との一体化等、が可能である。もちろん、基本的に隣接
する部品であればいずれも一体化可能であるため、これ
らに限定されない。
【0113】またこのような中空部を有する部品は、上
記同様に、最表面層に表皮材、意匠印刷層等の加飾層を
設けることで意匠性、触感、質感を高め商品性を向上で
きる。これらの材質等は上記で列挙したものと同様のも
のが使用可能である。
【0114】このような中空部を有する部品に前述の多
層積層体を用いる場合、意匠印刷層は、その中間層に設
けることもでき、表層を透明材とすることで光沢感、深
み感を高めることができる。
【0115】さらに本発明の中空部を有する一体化部品
は、中空部に気体、液体、固体あるいはこれらの混合物
を封入することで、衝撃吸収性、防遮音性、遮熱、断熱
性等の物性を向上させることができる。以下、封入材に
ついて詳述する。
【0116】封入材としては、透明性が要求される場合
は窒素、アルゴン、二酸化炭素、空気等の気体が好まし
く、透明性が要求されない場合は前述の気体の他、封入
時の加熱で液体状を示し封入後の常温では固体状になる
パラフイン、ワックス等が好ましい。上記封入材によ
り、夏期には車室内から冷熱の逃げ、外気の高熱の侵入
を、冬期には温熱の逃げ、外気の冷熱の侵入を抑制し快
適な車室内環境を維持できる。また二重壁で内に中空部
を有する構造により、外部からの騒音エネルギーを緩
和、あるいは吸収し静粛な車室内環境を達成できる。ま
たフードに本構成体を適用することでエンジンルームか
らの放射音、放射熱を低減できる。
【0117】次に本発明の中空部を有する部品の製造方
法について説明する。
【0118】本発明の中空構造を有する一体成形体の製
造方法は特に限定されず、一般的な真空圧空成形法、射
出成形法、ブロー成形法、プレス成形法等を用いること
ができるが、例えば次の方法を好適に用いることができ
る。
【0119】第一の方法について説明する。第一の中空
部を有する車両用部品の製造方法は、本発明の樹脂組成
物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、該樹脂シート
を開状態の金型に挿入し、該樹脂シートの外周部を押圧
し、外周部を溶着しつつまたは溶着した後に、該樹脂シ
ート間に加圧流体を注入し、続いて金型のキャビティ容
積を拡張することにより該樹脂シートを拡張しつつまた
は拡張した後に、該金型を閉状態にし、該加圧流体の圧
力を保持しながら中空構造を形成する工程を含むことを
特徴とする方法である。
【0120】以下、各ステップごとにより詳細に説明す
る。まず、樹脂シートの加熱は、任意の方法によってな
される。好ましくは、加圧流体導入経路を備えたホルダ
ーに、2枚の樹脂シートを固定し、公知の方法でホルダ
ーをシールし、2枚のシート間に密閉空間を形成し、こ
の状態で樹脂シート加熱する。加熱は、樹脂シートの荷
重たわみ温度以上に加熱することが好ましい。次に加熱
により軟化した樹脂シートを開状態の金型にセットす
る。続いて樹脂シートの外周部を金型で押圧して溶着す
る。ここで二枚の樹脂シートが袋状になる。中空部を形
成するために加圧流体を樹脂シート間に注入するが、こ
のステップは外周部を溶着しながらまたは溶着後になさ
れ、樹脂シートの成分等を考慮して適切なタイミングで
なされることが好ましい。ここで加圧流体とは、特には
限定されず、樹脂シートの成分等を考慮して選択される
ことが好ましいが、例えば空気、窒素ガス等の気体、水
やシリコンオイル等の液体などが好ましく使用できる。
加圧流体を注入後、例えば金型のキャビティ容積を拡張
することにより樹脂シートを拡張する。このように樹脂
シートを拡張することによって、中空構造の体積を所望
の程度に調節することができる。続いて、樹脂シートを
拡張しつつまたは拡張した後、金型を閉状態にする。所
望の程度まで中空構造を拡張させた樹脂シートは、加圧
流体圧を保持しながら冷却し、硬化させる。なお、当該
方法において用いられる金型は、上述のようなステップ
を行うことが可能なタイプのものであれば特には限定さ
れないが、例えば、真空引き孔が設けられた金型が好ま
しい。このような金型は、シート拡張時に真空吸引を併
用し金型面とシートの密着を高めることができ、真空吸
引を用いることで成形体の転写性を向上する効果も得ら
れる。
【0121】第二の方法について説明する。第二の方法
は、閉状態の金型内に、溶融した本発明の樹脂組成物を
充填しつつまたは充填した後、該金型のキャビティ容積
を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入することによ
って中空構造を形成する工程を含むことを特徴とする方
法である。
【0122】以下、各ステップごとにより詳細に説明す
る。まず、本発明の樹脂組成物を加熱溶融して成形可能
な状態にする。続いて、溶融した樹脂組成物を、射出機
などを用いて閉状態の金型内に充填する。次に、樹脂組
成物を充填しつつまたは充填した後に、金型を後退させ
ることによりキャビティ容積を拡大しつつ、溶融樹脂内
部に加圧流体を注入し中空構造を形成する。ここで加圧
流体とは、上記第一の方法と同様のものが好ましく用い
られる。
【0123】第三の方法について説明する。第三の方法
は、開状態の金型内のキャビティ面に、本発明の樹脂組
成物を含んでなる樹脂シートを1枚または2枚インサー
トし、該金型を閉状態にし、1枚のシート背面または2
枚のシート間に溶融樹脂を充填しつつまたは充填した
後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内
に注入し中空構造を形成する工程を含むことを特徴とす
る方法である。
【0124】以下、各ステップごとにより詳細に説明す
る。はじめに、樹脂シートを一枚用いる方法について説
明する。まず金型片面のキャビティ面に樹脂シートを1
枚インサートする。樹脂シートを加熱し軟化させた後、
樹脂シートの背面、すなわち樹脂シートのキャビティに
接する面と反対側の面に、射出機などを用いて任意の溶
融樹脂を充填する。続いて、任意の溶融樹脂を充填しつ
つまたは充填後に、金型を後退させキャビティ容積を拡
大しつつ、溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を
形成する。
【0125】続いて樹脂シートを二枚用いる方法につい
て説明する。まず、用い金型両面のキャビティ面に二枚
の樹脂シートをインサートする。樹脂シートを加熱し軟
化させた後、樹脂シート間に任意の溶融樹脂を充填す
る。続いて、任意の溶融樹脂を充填しつつまたは充填後
に、金型を後退させキャビティ容積を拡大しつつ、溶融
樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する。
【0126】上記方法において、樹脂シートを一枚用い
る場合は、片面だけが本発明の樹脂組成物で構成される
一体化部品が得られ、樹脂シートを二枚用いる場合は、
両面が本発明の樹脂組成物で構成される一体化部品が得
られる。なお充填される任意の樹脂種とは、樹脂シート
と密着性のよい樹脂であればよく、特には限定されない
が、好ましくは、樹脂シートの樹脂種と同種樹脂または
SP値が近いものであり、樹脂シートが多層シートであ
る場合は充填される樹脂が接する層の樹脂種と同種のも
のである。
【0127】次に本発明の樹脂組成物を用いた可動部と
非可動部とを有する、車両用部品について説明する。本
発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、熱時ま
たは成形時の寸法安定性にも優れるため、例えばスロッ
トルチャンバーのような可動部と非可動部とを有する部
品の用途に好適である。ここで、可動部と非可動部とを
有する部品の少なくとも一部に本発明の樹脂組成物が用
いられていればよく、より好ましくは全て本発明の樹脂
組成物で構成されるものである。以下、可動部と非可動
部とを有する部品について詳述する。
【0128】可動部と非可動部とを有する部品として、
まず自動車の吸排気系部品やエアコンユニット内の部品
が挙げられる。これらの部品は主に空気などの気体の流
れを制御するためのものであり、気体を流路となる筒状
の部品と気体の流れを制御する開閉可能な蓋から構成さ
れ、例えばスロットルチャンバーやエアコンユニット内
の各ドアが挙げられる。本発明の樹脂組成物は、過酷な
環境下でも低熱膨張率、低熱収縮率、高耐熱性、気密性
を実現できることから、このような可動部と非可動部と
を有する部品のような微妙な制御を必要とする部品を構
成することができる。更に本発明の樹脂組成物は高剛性
なためこれらの部品の軽量化とそれによるレスポンスの
向上が可能となる。
【0129】本発明の可動部と非可動部を有する成形体
は、例えば射出成形法を用いて可動部と非可動部を別々
に成形した後、これらを組み立ててもよいが、例えば多
色成形法で可動部と非可動部を一体成形することが好ま
しい。多色成形とは、一般的には、複数色または複数種
類の樹脂からなる一体の製品を作る成形法であり、例え
ば二種類の樹脂を用いて一体成形する場合は二色成形と
いう。
【0130】可動部と非可動部とを有する部品の製造方
法の一例として、スロットルチャンバーの製造方法を説
明する。
【0131】スロットルチャンバーは、図20に示すよ
うに、スロットルチャンバー本体38に、可動部である
気体流動を制御する開閉蓋(開閉バルブ39)と、非可
動部である流動気体を導入する筒状成形品(チャンバー
部)と、から構成される。最初に、二色成形用金型内
に、金属製の開閉バルブシャフト40をセットして、次
に円筒状のチャンバーを射出成形し、続いて円盤状の開
閉バルブを成形するため、スライドコアを後退して、円
盤状の開閉バルブを射出成形する。この時に、金属製シ
ャフトと円盤状の開閉バルブは一体化される。
【0132】本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性
であり、熱時または成形時の寸法安定性、耐薬品性にも
優れるため、これらが要求される大型部品の一体化、い
わゆるモジュール化やインテグレーション(統合化)に
好適であり、高品質を維持しながら部品点数、工程数、
重量の低減が可能になる。
【0133】例えば、大型内装部品であるインストルメ
ントパネル(図17)は、現在、パネル部(表層部分)
とエアコンのエアダクトやケース、クロスカービーム
(ステアリングクロスメンバー)と、を別々に作り、こ
れらを車の製造ラインで組み立てている。従来の樹脂材
料でパネル部とエアコンのエアダクトやケースを一体成
形しようとすると、大型かつ複雑な形状の部品のため成
形収縮によるヒケや歪み、熱時の膨張などが課題となる
が、本発明の樹脂組成物を用いることでこのような課題
が解決可能となる。また、本発明の樹脂組成物は高い剛
性を有するので、このような一体成形により部品全体を
構造体とすることが可能で、従来スチールが使用されて
いるクロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)
を廃することが可能である。また樹脂を用いることで、
スチールを用いた場合には後付けしていたブラケット等
も一体成形可能である。また一体成形時に、金型内に予
め表皮材等の加飾材を設置し、インサート成形すること
により、加飾材との一体成形も可能になる。これと同様
の効果が、例えばドアに適用した場合でも得られる。現
在のドアインナーパネルはスチール製が主で、ここにド
アウィンドウ用のガイドレールやレギュレータ、ドアロ
ック、スピーカ等の各種部品が製造ラインで組み付けら
れる。そこで本発明の樹脂組成物を用いることで、ドア
インナーパネル、ガイドレール、スピーカハウジング等
が一体成形できる。
【0134】また大型外装部品であるルーフレールと、
前述した本発明の樹脂組成物製のルーフとの一体成形も
可能である。図18に示すように、ルーフパネル36上
に形成されるルーフレール37は、その上にキャリアー
などを搭載するために負荷がかかり、また外気に晒され
るため温度的にも厳しい環境で使用される。従来の樹脂
をルーフレールに用いる場合は特に剛性と耐熱性が課題
となるが、本発明の樹脂組成物を用いることでこのよう
な課題が解決可能となる。同様の効果が、例えばスポイ
ラーに適用した場合でも得られ、スポイラーと、前述し
た本発明の樹脂組成物製のトランクリッドとの一体成形
が可能である。
【0135】また大型車体部品であるラジエタコア(図
19)を例にすると、現在フロントエンドモジュールと
して樹脂製のラジエタコアが世に出つつあるが、本発明
の樹脂組成物を用いることで更に耐熱性、耐薬品性、剛
性強度に優れた、より軽量な部品とすることができ、ま
たファンシュラウドやブラケット等も一体成形可能とな
る。また、本発明の樹脂組成物を透明材として用いるこ
とで、例えばラジエタのリザーバタンク、ヘッドランプ
カバー等の透明部材の一体成形も可能である。また従来
は別体であったバンパ補強材の一体化も可能となる。
【0136】またエンジンルーム内部品であるエアクリ
ーナーやスロットルチャンバー等を例にすると、耐熱性
と耐薬品性に優れ低線膨張の本発明の樹脂組成物を用い
ることで、これらの一体成形が可能となる。従来よりこ
のような一体化は試みられているが、エンジンルーム内
は高温かつオイル等の薬品による厳しい環境であり、従
来の樹脂材料ではこの対策が課題になるが、本発明の樹
脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能とな
る。同様の効果はインテークマニホールドやシリンダヘ
ッドカバーに適用した場合でも得られ、前述の部品とと
もに一体成形することも可能である。
【0137】またこのような大型の一体化部品は、上記
同様に、最表面層に表皮材、意匠印刷層等の加飾層を設
けることで意匠性、触感、質感を高め商品性を向上でき
る。これらの材質等は上記で列挙したものと同様のもの
が使用可能である。
【0138】このような大型の一体化部品に前述の多層
積層体を用いる場合、意匠印刷層は、その中間層に設け
ることもでき、表層を透明材とすることで光沢感、深み
感を高めることができる。
【0139】
【実施例】次に、本発明における樹脂組成物およびその
製造方法の実施例について詳述するが、本発明はこれに
よって限定されるものではない。
【0140】(実施例1)平均内径約5nm、平均長径
約15μmの市販のカーボンナノチューブを耐圧性容器
に22g投入し、これを約100℃に加熱するとともに
超音波処理をしながら真空ポンプを用いて減圧した。容
器内を十分減圧し、かつ室温まで冷却した後、精製した
200gのメチルメタクリレートを容器内に投入した。
これを十分攪拌した後、ほぼ一昼夜超音波処理をしなが
ら放置した。その後、窒素置換しながら容器内を常圧に
戻し、ここに0.1gのAIBN(アゾビスイソブチロ
ニトリル)を投入し強攪拌した。十分混合した後、容器
を約40℃に保ち約25時間放置した。反応後、生成物
を粉砕し、十分に水で洗浄した後、減圧乾燥し、粒状の
所望の樹脂組成物を得た。これを加熱プレス成形し試験
片を得た。当該試験片を実施例1とした。
【0141】(実施例2)実施例1と同じカーボンナノ
チューブを、硫酸、硫酸−硝酸混合液、過マンガン酸カ
リウム希硫酸溶液などの試薬と反応させて酸化処理する
ことにより、カーボンナノチューブ表面にカルボキシル
基を導入した。詳細には特許第2874593号および
特許第2595903号に開示されている方法を参照す
る。このようにして得られたカルボキシル基で修飾した
カーボンナノチューブを、耐圧性容器に22g投入し、
これを約100℃に加熱するとともに超音波処理をしな
がら真空ポンプを用いて減圧した。容器内を十分減圧し
かつ室温まで冷却した後、精製した190gのメチルメ
タクリレートおよび10gの2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートを容器内に投入した。これを十分攪拌した
後、ほぼ一昼夜超音波処理をしながら放置した。その
後、窒素置換しながら容器内を常圧に戻し、ここに0.
1gのAIBNを投入し強攪拌した。十分混合した後、
容器を約40℃に保ち約25時間放置した。反応後、生
成物を粉砕し、十分に水で洗浄した後、減圧乾燥し、粒
状の所望の樹脂組成物を得た。これを加熱プレス成形し
試験片を得た。当該試験片を実施例2とした。
【0142】(実施例3)イモゴライトを超音波処理し
ながら弱酸性溶液中に分散させ、これを凍結乾燥した。
当該イモゴライトの平均内径は約2nm、平均長径は約
1μmだった。これを耐圧性容器に22g投入し、約1
00℃に加熱するとともに超音波処理をしながら真空ポ
ンプを用いて減圧した。容器内を十分減圧しかつ室温ま
で冷却した後、精製した200gのメチルメタクリレー
トを容器内に投入した。これを十分攪拌した後、ほぼ一
昼夜超音波処理をしながら放置した。その後、窒素置換
しながら容器内を常圧に戻し、ここに0.1gのAIB
Nを投入し強攪拌した。十分攪拌した後、容器を約40
℃に保ち約25時間放置した。反応後、生成物を粉砕
し、十分に水で洗浄した後、減圧乾燥し、粒状の所望の
樹脂組成物を得た。これを加熱プレス成形し試験片を得
た。当該試験片を実施例3とした。
【0143】(比較例1)精製した200gのメチルメ
タクリレートと0.1gのAIBNとを容器に投入し、
窒素置換しながら強攪拌した。十分攪拌した後、容器を
約40℃に保ち約25時間放置した。反応後、生成物を
粉砕し、十分に水で洗浄した後、減圧乾燥し、粒状の所
望の樹脂組成物を得た。これを加熱プレス成形し試験片
を得た。当該試験片を比較例1とした。
【0144】(比較例2)比較例1の樹脂組成物200
gと、実施例1で用いたのと同じカーボンナノチューブ
22gとを混合し、これを押出機を用いて混練した。十
分混練したものを粉砕し、粒状の所望の樹脂組成物を得
た。これを加熱プレス成形し試験片を得た。当該試験片
を比較例2とした。
【0145】(評価)続いて、上記の各試験片について
以下の物性評価を行なった。評価結果を表1にまとめ
る。なお、曲げ弾性率の試験はASTM D790(1
991年度)に準拠して行った。また荷重たわみ温度
(18.6kgf/cm2)の試験は、ASTM D6
48(1998年度)に準拠して行った。また線膨張係
数の試験は、ASTM D696(1991年度)に準
拠して行った。
【0146】
【表1】
【0147】表1から分かるように、微粒子を加えなか
った比較例1の樹脂と、微粒子を加えただけの比較例2
とを比較すると、比較例2のほうが当然ながら各物性は
向上していた。しかし、本発明の実施例1および2は、
同量の微粒子の配合により、更に物性を向上させること
ができた。実施例1に対して実施例2の向上代が大きい
のは、微粒子表面を官能基で修飾したこと、樹脂として
コポリマーを用いたこと、により、微粒子と樹脂との相
互作用が高まったためと考えられる。実施例3は、実施
例1および2が微粒子としてカーボンナノチューブを用
いているのに対し、実施例3ではイモゴライトを用いて
いるが、やはり比較例に比べて物性が向上していた。実
施例3と実施例1の向上代の差は、微粒子自体の物性や
形状、表面状態の違いによるものと思われる。
【0148】以上のように本発明の樹脂組成物よりなる
試験片は、何れの比較例より優れた、明らかな効果が認
められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る微粒子の中空部に樹脂の高分子
を拘束、保持している状態を示す概念図である。
【図2】 本発明に係る微粒子の中空部に単量体化合物
が充填された後、重合させ、高分子鎖が中空部内に形成
される状態を示す概念図である。
【図3】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、車体外装
部品であるドアモール、ドアミラー、ホイールキャッ
プ、スポイラー、バンパー、ウィンカーレンズ、ピラー
を示す模式図である。
【図4】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、車体外板
であるフェンダー、ドア、トランクリッド、ルーフ、フ
ードを示す模式図である。
【図5】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、ドアウィ
ンドウ、バックウィンドウを示す模式図である。
【図6】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、ワイパー
システムを示す模式図である。
【図7】 本発明の樹脂組成物からなる車両用部品にお
いて、一体化可能な隣接する部品を示す模式図である。
【図8】 本発明の樹脂組成物からなる車両用部品にお
いて、一体化可能な隣接する部品を示す模式図である。
【図9】 本発明の透明な樹脂組成物を適用し得る各種
ウィンドウを示す模式図である。
【図10】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、ランプ
リフレクターを含む構造を示す模式図である。
【図11】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、エンジ
ンルーム内カバーおよびケース等の部品を示す模式図で
ある。
【図12】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、エンジ
ンルーム内カバーおよびケース等の部品を示す模式図で
ある。
【図13】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、製冷却
装置部品を示す模式図である。
【図14】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、製冷却
装置部品を示す模式図である。
【図15】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、フー
ド、ルーフ、ドア、フェンダー、バックドア、トランク
リッド、ウィンドウなど中空部を有する部品を示す模式
図である。
【図16】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、インス
トルメントパネル、センターコンソールボックス、ピラ
ーガーニッシュなど中空部を有する部品を示す模式図で
ある。
【図17】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、大型内
装部品であるインストルメントパネルを示す模式図であ
る。
【図18】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、大型外
装部品であるルーフレールおよびルーフパネルを示す模
式図である。
【図19】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、大型外
装部品であるラジエタコアを示す模式図である。
【図20】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、可動部
と非可動部とを有する部品であるスロットルチャンバー
を示す模式図である。
【図21】 本発明の樹脂組成物を適用し得る、車両用
燃料系部品である燃料タンクを示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・微粒子、 2・・・樹脂の高分子鎖、 3・・・単量体化合物、 4・・・ドアミラー、 5・・・ピラー、 6・・・スポイラー、 7・・・バンパー、 8・・・ホイールキャップ、 9・・・ドアモール、 10、30・・・フェンダー、 11、27・・・ドア、 12、32・・・トランクリッド、 13、29、36・・・ルーフ、 14、26・・・フード、 15・・・リアウィンドウ、 16・・・バックドアウィンドウ、 17・・・ワイパーアーム、 18・・・ワイパーアーム固定用ナット穴、 19・・・ワイパーブレード、 20・・・ピラーガーニッシュ・ドアウィンドウの一体
化、 21・・・ルーフ・フェンダーの一体化、 22・・・ランプ・フェンダーの一体化、 23・・・ドア・ドアウィンドウの一体化、 24・・・バックドア・バックウィンドウの一体化、 25・・・リヤクウォーターウィンドウ・フェンダーの
一体化、 28・・・バックドア、 31・・・ウィンドウ、 33・・・センターコンソールボックス、 34・・・インストルメントパネル、 35・・・ピラーガーニッシュ、 37・・・ルーフレール、 38・・・スロットルチャンバー本体、 39・・・開閉バルブ、 40・・・開閉バルブシャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 CER C08J 5/00 CER 4J002 CEZ CEZ C08K 7/24 C08K 7/24 // B60K 15/03 B60K 15/02 A Fターム(参考) 3D020 AA01 AB01 AC01 AD26 3D025 AA01 AC01 AD01 AD08 AE09 3D038 CB01 CC20 3D053 GG06 HH10 4F071 AA01 AA02 AA03 AA14 AA22 AA24 AA33 AA40 AA41 AA42 AA43 AA50 AA51 AA53 AA54 AA60 AA77 AB01 AB03 AD02 AD03 AD04 AF14 AF43 AF45 AF54 AH03 AH07 AH09 AH10 AH11 BB03 BB05 BC01 BC04 BC07 4J002 AA001 AA011 AA021 BB001 BC021 BD031 BG041 BN151 CB001 CC031 CD001 CF001 CG001 CH071 CK021 CL001 CM041 DA016 DK006 FA096 FA106 GL00 GN00

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略筒状かつ中空部を有する微粒子と樹脂
    とを含み、該樹脂は該微粒子の中空部に充填されている
    ことを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該微粒子は無機物質からなるものであ
    り、かつ該樹脂は熱可塑性樹脂である、請求項1に記載
    の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該中空部の内径が0.5〜30nmであ
    る、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該微粒子の長径が200μm以下であ
    る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該微粒子は、イモゴライト、カーボン系
    ナノチューブまたは窒化ホウ素系ナノチューブである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該微粒子の表面が極性を有する官能基に
    よって修飾されている、請求項1〜5のいずれか一項に
    記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 該微粒子の表面が疎水性を有する官能基
    によって修飾されている、請求項1〜5のいずれか一項
    に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 該微粒子の表面が反応性不飽和結合を有
    する官能基によって修飾されている、請求項1〜5のい
    ずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹
    脂組成物を用いた車両用内外装部品または車両用外板。
  10. 【請求項10】 透明であることを特徴とする、請求項
    1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の樹脂組成物を用い
    たウィンドウ。
  12. 【請求項12】 さらに熱線を含んでなる、請求項11
    に記載のウィンドウ。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の樹脂組成物を少な
    くとも一部に用いたワイパーシステム。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の樹脂組成物を含ん
    でなるドアミラーステイ。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなるピラー。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなるミラー。
  17. 【請求項17】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなるランプリフレクター。
  18. 【請求項18】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなるエンジンルーム内部品。
  19. 【請求項19】 透明であることを特徴とする請求項1
    8に記載のエンジンルーム内部品。
  20. 【請求項20】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなる冷却装置部品。
  21. 【請求項21】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなる車両用燃料系部品。
  22. 【請求項22】 車両用燃料タンクである、請求項21
    に記載の車両用燃料系部品。
  23. 【請求項23】 ブロー成形法で成形される、請求項2
    1または22に記載の車両用燃料系部品。
  24. 【請求項24】 透明部と不透明部とを有し、少なくと
    も該透明部は請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂
    組成物を含んでなることを特徴とする車両用部品。
  25. 【請求項25】 該透明部と該不透明部とを一体化し
    た、請求項24に記載の車両用部品。
  26. 【請求項26】 該不透明部は、顔料を樹脂中に分散す
    ることにより着色されてなる、請求項24または25に
    記載の車両用部品。
  27. 【請求項27】 該不透明部は、成形前あるいは成形後
    に塗装または印刷により着色されてなる、請求項24ま
    たは25に記載の車両用部品。
  28. 【請求項28】 該不透明部は、着色シートを用いて着
    色されてなる、請求項24または25に記載の車両用部
    品。
  29. 【請求項29】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を少なくとも一部に用いた、中空部を有する
    車両用部品。
  30. 【請求項30】 該中空部に、気体、液体もしくは固体
    またはこれらの混合物が充填されている、請求項29に
    記載の車両用部品。
  31. 【請求項31】 最表層に加飾材からなる層を有する、
    請求項29または30に記載の車両用部品。
  32. 【請求項32】 請求項29〜31のいずれか一項に記
    載の車両用部品を少なくとも一部に用いた、車両用内外
    装部品。
  33. 【請求項33】 請求項29〜31のいずれか一項に記
    載の車両用部品を少なくとも一部に用いた、車両用外
    板。
  34. 【請求項34】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を少なくとも一部に用いた可動部と非可動部
    とを有する、車両用部品。
  35. 【請求項35】 該可動部と該非可動部とが一体形成し
    てなる、請求項34に記載の成形体。
  36. 【請求項36】 該可動部は気体流動を制御する開閉蓋
    であり、該非可動部は流動気体を導入する筒状成形品で
    ある、請求項34または35に記載の成形体。
  37. 【請求項37】 請求項1〜8に記載の樹脂組成物から
    選択される樹脂組成物で構成される二以上の部品を一体
    形成してなり、該二以上の部品はそれぞれ異なる機能を
    有するものであり、該異なる機能を併せ持つことを特徴
    とする車両用部品。
  38. 【請求項38】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、該樹
    脂シートを開状態の金型に挿入し、該樹脂シートの外周
    部を押圧し、外周部を溶着しつつまたは溶着した後に、
    該樹脂シート間に加圧流体を注入し、該樹脂シートを拡
    張しつつまたは拡張した後に、該金型を閉状態にし、該
    加圧流体の圧力を保持しながら中空構造を形成する工程
    を含む、請求項29〜31のいずれか一項に記載の中空
    部を有する車両用部品の製造方法。
  39. 【請求項39】 閉状態の金型内に、溶融した請求項1
    〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を充填しつつま
    たは充填した後、該金型のキャビティ容積を拡大しつつ
    加圧流体を溶融樹脂内に注入することによって中空構造
    を形成する工程を含む、請求項29〜31のいずれか一
    項に記載の中空部を有する車両用部品の製造方法。
  40. 【請求項40】 開状態の金型内のキャビティ面に、請
    求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含んで
    なる樹脂シートを1枚または2枚インサートし、該金型
    を閉状態にし、1枚のシート背面または2枚のシート間
    に溶融樹脂を充填しつつまたは充填した後、キャビティ
    容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構
    造を形成する工程を含む、請求項29〜31のいずれか
    一項に記載の中空部を有する車両用部品の製造方法。
  41. 【請求項41】 減圧下で、略筒状かつ中空部を有する
    微粒子に単量体化合物を添加した後、該単量体化合物を
    重合させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか
    一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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