JP5660292B2 - バランス修正装置と方法 - Google Patents

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本発明は、回転体のバランス修正装置と方法に関する。より詳しくは、本発明は、回転機械に設けられた回転体の翼形成部を部分的に除去することで、回転体に存在するアンバランスを修正するバランス修正装置と方法に関する。
図1は、回転機械の構成例である。図1では、回転機械は、過給機である。図1において、回転体41は、コンプレッサ翼43、タービン翼45、および、両者を結合する回転軸47を有する。また、図1において、ナット49が、回転体41の軸方向端部に螺合しており、ナット49を締めつけることで、コンプレッサ羽根車51を回転軸47に締結している。
従来において、回転体41のアンバランスを計測し、当該アンバランスが存在する周方向位置(回転体の中心軸周りの方向に関する位置)において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、回転体41における除去対象部を部分的に切削していた。このように回転体の一部を除去加工して、回転体41のアンバランスを修正していた。
なお、本願の先行技術文献として、下記の特許文献1、2がある。
特許文献1においては、回転軸の他端に、ロータディスクを固定し、このロータディスクを削ることで、回転体のアンバランスを修正している。
特許文献2には、アンバランスの計測方法が記載されている。
特開2006−022771号公報 特開2010−048588号公報
従来において、上述の除去対象部は、回転体41の軸方向端部に螺合したナット49であった。
以下のように、回転体41においてナット49以外の部分を除去加工して、回転体41のバランスを修正できるようにすることが望まれる。
例えば、図1のように、除去対象部である前記ナット49(第1面)の切削だけでは、回転体41が静止している時に現れる回転体41の不釣合い(静不釣合い)を取り除くことはできるが、回転体41が回転している時に現れる回転体41の不釣合い(動不釣合い)を取り除くことができない。そのため、回転体41における他の部分(第2面)も部分的に切削することで動不釣合いを取り除き、広範囲の回転数で振動振幅を小さくすることが望ましい。
また、除去対象部である前記ナット49は、半径方向の寸法が小さい。そのため、半径方向の寸法がより大きい部分を部分的に除去し、これにより、アンバランスを十分に取り除けるようにすること、または、一度に大きなアンバランスを取り除けるようにすることが望ましい場合がある。
そこで、本発明の目的は、回転体における軸方向端部のナット以外の部分(第2面)を除去加工して、回転体の2面バランス修正を可能にすることにある。
上記目的を達成するため、本発明によると、回転機械に設けられた回転体の翼形成部を部分的に除去加工することで、回転体のアンバランスを修正するバランス修正方法であって、
前記翼形成部は、周方向に間隔を置いて配置された複数の回転翼と、複数の回転翼を周方向に結合するように周方向に延びている翼結合部と、を有し、
(A)回転体に存在するアンバランスの周方向位置に、前記回転翼が位置している場合に、当該アンバランスを、前記回転翼が位置していない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解し、
(B)前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、前記翼結合部を除去加工する、ことを特徴とするバランス修正方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によると、前前記翼形成部を収容するハウジングが前記回転機械に取り付けられており、
該ハウジングには、周方向に関する取付位置に近接センサが設けられ、該近接センサは、回転している各回転翼が該取付位置を通過する時に該回転翼が前記取付位置に近接したことを検出するようになっており、
初期状態から回転体が回転した量を示す回転角を検出する回転角センサが設けられており、
前記(A)の前に、回転体を回転させながら、回転体の回転角を回転角センサにより検出しつつ、回転翼が前記取付位置に近接したことを近接センサにより検出し、これらの検出データに基づいて、回転体において、回転翼が存在する周方向位置の範囲をデータ処理部により求め、
その後、前記(A)では、アンバランスの周方向位置が前記範囲内に含まれる場合には、当該アンバランスの周方向位置に、前記回転翼が存在すると判断し、当該アンバランスを、前記複数の周方向位置における前記アンバランス成分に分解する。
参考例では、代わりに、前記(A)の前に、撮像装置により、前記翼形成部を軸方向から撮像して翼形成部の画像データを取得し、画像処理部により、当該画像データに基づいて、回転体において、回転翼が存在する周方向位置の範囲を求め、
その後、前記(A)では、アンバランスの周方向位置が前記範囲内に含まれる場合には、当該アンバランスの周方向位置に、前記回転翼が存在すると判断し、当該アンバランスを、前記複数の周方向位置における前記アンバランス成分に分解してもよい。
本発明の好ましい実施形態によると、回転体は、前記翼形成部より半径方向寸法が小さい除去対象部を有しており、
前記(A)の前に、回転体に存在するアンバランスの周方向位置において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、前記除去対象部を除去し、
その後に、回転体にアンバランスが残存する場合に、当該アンバランスについて前記(A)を行う。
本発明の別の実施形態によると、回転体は、前記翼形成部より半径方向寸法が小さい除去対象部を有しており、
前記(B)の後に、回転体にアンバランスが残存している場合には、当該アンバランスの周方向位置において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、前記除去対象部を除去する。
また、本発明によると、回転機械に設けられた回転体の翼形成部を部分的に除去加工することで、回転体に存在するアンバランスを修正するバランス修正装置であって、
前記翼形成部は、周方向に間隔を置いて配置された複数の回転翼と、複数の回転翼を周方向に結合するように周方向に延びている翼結合部と、を有しており、
回転体においてアンバランスが存在する周方向位置に、前記回転翼が位置している場合に、当該アンバランスを、前記回転翼が位置していない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解する演算部と、
前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、前記翼結合部を除去加工する加工装置と、を備える、ことを特徴とするバランス修正装置が提供される。
上述した本発明によると、回転体に設けられた翼形成部を部分的に除去加工することでバランス修正を行う。
翼形成部を除去加工する場合、アンバランスの周方向位置に、回転翼が存在すると、回転翼を除去加工することになる。回転翼を除去加工することは、好ましくない。
ところが、本発明では、次のように翼形成部を除去加工してバランス修正を行う。
アンバランスの周方向位置に、前記回転翼が存在する場合に、当該アンバランスを、前記回転翼が存在しない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解する。その後、前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、前記翼結合部を除去する。
これにより、2面バランス修正が可能となる。すなわち、回転体における例えば軸方向端部のナット以外の翼形成部を除去加工して、回転体の軸方向における2つの面を修正することが可能となる。
回転機械の一例としての過給機を示す概略図である。 本発明の実施形態によるバランス修正装置を示す。 本発明の実施形態によるバランス修正方法を示すフローチャートである。 本発明の別の実施形態によるバランス修正方法を示すフローチャートである。 本発明の別の実施形態によるバランス修正装置を示す。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図2(A)は、本発明の実施形態によるバランス修正装置10の概略図である。図2(B)は、図2(A)の2B−2B矢視図であるが、後述の翼形成部5aと近接センサ27のみを図示している。
バランス修正装置10は、回転機械3に設けられた回転体5の翼形成部5aを部分的に除去(この例では切削)することで、回転体5に存在するアンバランスを修正する装置である。
なお、以下において、回転体5の中心軸C周りの方向を単に周方向といい、当該中心軸Cに対する半径方向を単に半径方向といい、当該中心軸Cと平行な方向を単に軸方向という。
翼形成部5aは、周方向に間隔を置いて配置された複数の回転翼7と、複数の回転翼7を周方向に結合するように周方向に延びている翼結合部9と、を有する。翼形成部5aは、軸方向に厚みを有する板形状を有し、軸方向から見た場合に円形である。また、翼形成部5aを収容するハウジング(図ではコンプレッサハウジング12)が回転機械3に取り付けられている。
回転体5は、翼形成部5aより半径方向寸法が小さい除去対象部11を有している。
図1では、回転機械3は、過給機であり、翼形成部5aは、コンプレッサ羽根車であり、回転翼7は、コンプレッサ翼であり、除去対象部11は、回転体5におけるコンプレッサ翼7側の軸方向端部に螺合したナットである。
[過給機に関する構成]
過給機3の回転体5は、図2Aに示すように、エンジンの排ガスにより回転駆動されるタービン翼13と、タービン翼13と一体的に回転することで圧縮空気をエンジンに供給するコンプレッサ翼7と、一端部にタービン翼13が結合され他端部にコンプレッサ翼7が結合される回転軸15とを有する。
過給機3は、上述のコンプレッサハウジング12、タービンハウジング14、および軸受ハウジング19を備える。
コンプレッサハウジング12には、軸方向に吸気穴9aが形成されている。吸気穴9aは、コンプレッサハウジング12の外部へ軸方向に開口してコンプレッサ翼7へ前記外部からのガスを案内する。
タービンハウジング14は、タービン翼13を内部に収容する。タービンハウジング14には、タービン翼13を回転駆動する流体を流す流路(スクロール)が形成されている。タービンハウジング14は、図2(A)の例では、支持体21の内部に取り付けられる。タービン翼13を駆動する流体をタービンハウジング14の前記流路へ供給でき、タービン翼13を駆動した当該流体を、支持体21に形成した排気穴21aを介して支持体21の外部へ排出できるように支持体21が構成されている。
軸受ハウジング19の内部には、回転体5を回転可能に支持するラジアル軸受部17が内部に組み込まれている。図2(A)において、軸受ハウジング19は、支持体21に取り付けられている。これにより、支持体21は、軸受ハウジング19を介して回転体5を回転可能に支持する。
[バランス修正装置の構成]
バランス修正装置10は、演算部23および加工装置25を備える。
演算部23は、翼形成部5aの外周部を除去してバランスを修正しようとするときに、翼形成部5aの外周部において、回転体5に存在するアンバランスの周方向位置に回転翼7が位置している場合には、当該アンバランスを、回転翼7が位置していない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解する。なお、図2(B)において、各斜線部分が、翼形成部5aの外周部において、回転翼7が位置していない部分である。
加工装置25は、前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ翼結合部9を除去(この例では切削)する。
加工装置25は、翼形成部5aまたは除去対象部11を切削する加工具25a(例えば、エンドミル)と、該加工具25aが取り付けられる可動部25bと、該可動部25bを移動させる切削制御部25cと、を有する。この切削制御部25cは、サーボモータ(図示せず)を用いて、例えば可動部25bを1軸方向(軸方向)、2軸方向(軸方向および軸方向に直交する水平方向)または3軸方向(軸方向、軸方向に直交する水平方向、および鉛直方向)に移動させる制御装置である。
また、加工装置25は、回転体位置決め装置25dを備える。回転体位置決め装置25dは、回転体5の端部を把持し、この状態で、回転体5を回転させ、後述の回転角センサ29による検出回転角が設定値(例えばゼロ度)になるように回転体5を位置決めする。図の例では、回転体位置決め装置25dは、除去対象部11と反対側の端部を、支持体21に形成された排気穴21aを通して把持する。
バランス修正装置10は、後述のステップS1のように、回転体5において回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求めるために、近接センサ27、回転角センサ29およびデータ処理部32を有する。
近接センサ27は、回転体5において周方向に関する取付位置にて、ハウジング12の内部に取り付けられている。近接センサ27は、回転している各回転翼7が該取付位置を通過する時に該回転翼7を検出するようになっている。近接センサ27は、例えば、光学式、誘導式、または静電容量式のものであってよい。
光学式の近接センサ27は、前記取付位置から周方向と直交する方向へ翼形成部5aに向けて発光し、前記取付位置でその反射光を受け、当該反射光に基づいて回転翼7が前記取付位置に来たことを検出する。
誘導式の近接センサ27は、前記取付位置に設けられ交流磁界を発生させる検出コイルを有する。この場合、回転翼7が前記取付位置に来ると、検出コイルと当該回転翼7とが近接するので、金属で形成された当該回転翼7に誘導電流が流れる。この誘導電流によって検出コイルのインピーダンスが変化する。誘導式の近接センサ27は、この変化を検出することで、当該回転翼7が前記取付位置に来たことを検出する。
静電容量式の近接センサ27は、前記取付位置に設けられた検出電極を有する。回転翼7が前記取付位置に来ると、検出電極と当該回転翼7とが近接するので、検出電極の静電容量が変化する。静電容量式の近接センサ27は、この変化を検出することで、当該回転翼7が前記取付位置に来たことを検出する。
回転角センサ29は、初期状態から回転体5が回転した量を示す回転角(0度〜360度の回転角)を検出する。回転角センサ29は、例えば、着磁されたコンプレッサ翼7側の軸方向端部による磁場を検出する磁気センサであってよい。この場合、当該磁場は、回転体5の回転に応じて変化するので、磁気センサ29は、この変化に基づいて回転体5の回転角を検出できる。
データ処理部32は、近接センサ27および回転角センサ29による検出データに基づいて、後述のステップS1のように、回転体5において回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求める。
[バランス修正方法]
図3は、上述したバランス修正装置10を用いた本発明の実施形態によるバランス修正方法を示すフローチャートである。
ステップS1において、回転体5を回転させながら、回転体5の回転角を回転角センサ29により検出しつつ、回転翼7が前記取付位置に近接したことを近接センサ27により検出する。
また、ステップS1では、データ処理部32が、これらの検出データに基づいて、回転体5における基準周方向位置に対する、回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求める。なお、当該検出データは、近接センサ27が回転翼7を検出している時において、回転角センサ29が検出した回転角の範囲である。
ステップS1は、具体的には、次のように行われる。回転角センサ29が0度の回転角を検出する時に、回転体5が初期状態(基準姿勢)にあるとし、この時に、近接センサ27の前記取付位置と前記基準周方向位置(例えば、ナット11のいずれかの頂点)との相対的な位置関係を適宜の手段で求める。その上で、当該位置関係と前記検出データとに基づいて、回転体5における基準周方向位置に対する、回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求める。なお、この範囲は、加工具25aの寸法を考慮して(例えば、当該寸法だけ大きく)求められるのがよい。
ステップS1は、コンプレッサハウジング12を図2(A)のように回転機械3(すなわち、軸受ハウジング19)に取り付けた状態で行われる。近接センサ27は、コンプレッサハウジング12に設けられているからである。
ステップS1において、回転体5は、例えば、上述の回転体位置決め装置25dにより回転させられる。
その一方で、ステップS2において、回転体5のアンバランスデータを取得する。アンバランスデータは、回転体5に存在するアンバランスの周方向位置と大きさからなる。当該周方向位置は、回転体5における前記基準周方向位置に対する周方向位置を意味する。アンバランスの大きさは、質量と距離との乗算により表される。
ステップS2において、アンバランスデータを、次のように取得する。回転体5を回転させた状態で、回転角センサ29が回転体5の回転角を検出しつつ、支持体21に取り付けられた振動センサにより支持体21の振動(加速度)を検出する。これにより、回転角センサ29が検出した前記回転角と振動センサ(図示せず)が検出した振動(加速度)との関係を表す振動データを生成し、さらに、この振動データから、影響係数を用いて回転体5のアンバランスデータを算出する。なお、影響係数は、予め取得しておく。影響係数は、例えば、回転体5においてある周方向位置に試し錘を取り付けること等により回転体5にバランス変化を与え、このバランス変化による振動データ(前記と同様の振動データ)の変化に基づいて算出される。このようなアンバランスデータの取得方法は、例えば特許文献2に記載されている。
ステップS2において、回転体5は、タービンハウジング14の前記流路を介してタービン翼13に流体を供給することで回転させられてよい。
ステップS3において、ステップS2で取得したアンバランスの周方向位置において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、除去対象部11を除去加工する。例えば、回転体位置決め装置25dにより、回転角センサ29による検出回転角が前記設定値になるように回転体5を位置決めし、この状態で、切削制御部25cが、ステップS2で取得したアンバランスの周方向位置に加工具25aを位置決めする。その上で、切削制御部25cが、加工具25aを、軸方向初期位置から軸方向に移動させ、これにより、ステップS2で取得したアンバランスの大きさに相当する量(深さ)だけ除去対象部11を切削する。当該量(深さ)は、アンバランスの大きさと加工具25aの寸法などに基づいて求められる。また、軸方向初期位置から軸方向に加工具25aを移動させる距離は、軸方向初期位置から除去対象部11の軸方向端面までの距離と、切削する前記深さとの和として求められる。
ステップS3は、コンプレッサハウジング12を、回転機械3(軸受ハウジング19)から取り外した状態で行われる。
ステップS4において、ステップS2と同様の方法でアンバランスデータを取得し、取得したアンバランスデータに基づいて、回転体5にアンバランスが残存するかどうかを判断する。この判断がYESである場合には(例えば、アンバランスの大きさが設定しきい値を越える場合には)、ステップS5へ進み、この判断がNOである場合には、このバランス修正方法を終了する。
ステップS5において、ステップS4で取得したアンバランスの周方向位置に、回転翼7が位置しているかどうかを判断する。すなわち、ステップS4で取得したアンバランスの周方向位置が、ステップS1で取得したアンバランスの周方向位置の範囲に含まれるかどうかを判断する。この判断がYESである場合には、ステップS6へ進み、この判断がNOである場合には、ステップS8へ進む。
ステップS6において、回転体5に存在するアンバランス(すなわち、ステップS4で取得したアンバランスデータ)を、回転翼7が位置していない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解する。ステップS4で取得したアンバランスデータは、中心軸Cから半径方向に見た方位に相当する周方向位置と大きさとからなるベクトルと見なせるので、アンバランスデータを、中心軸Cから半径方向に見た方位に相当する周方向位置と大きさとからなる複数のベクトル成分に分解することができる。これらの複数のベクトル成分が、上述した複数の周方向位置におけるアンバランス成分である。
ステップS7において、ステップS6で得た前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、翼結合部9の外周部を除去加工する。ステップS7では、ステップS6で分解されたアンバラン成分毎に、次のように翼結合部9を切削して翼結合部9を部分的に除去する。回転体位置決め装置25dにより、回転角センサ29による検出回転角が前記設定値になるように回転体5を位置決めし、この状態で、切削制御部25cが、ステップS6で分解されたアンバラン成分が示す周方向位置に加工具25aを位置決めする。その上で、切削制御部25cが、加工具25aを、軸方向初期位置から軸方向に移動させ、これにより、当該アンバラン成分の大きさに相当する量(深さ)だけ翼結合部9の外周部を切削する。当該量(深さ)は、当該アンバラン成分の大きさと加工具25aの寸法などに基づいて求められる。また、軸方向初期位置から軸方向に加工具25aを移動させる距離は、軸方向初期位置から翼結合部9の軸方向端面までの距離と、切削する前記深さとの和として求められる。
ステップS8では、ステップS4で取得したアンバランデータに基づいて、ステップS7と同様に翼結合部9を切削する。すなわち、ステップS8において、ステップS4で取得したアンバランスが存在する周方向位置において、翼形成部5a(すなわち、回転翼7が位置していない翼結合部9)の外周部を除去加工する。
ステップS7、S8は、コンプレッサハウジング12を、回転機械3(軸受ハウジング19)から取り外した状態で行われる。
好ましくは、ステップS2では、回転速度N1で回転させることで、前記振動データを生成して前記アンバランスデータを取得し、ステップS4では、回転速度N1と異なる回転速度N2で回転させることで、前記振動データを生成して前記アンバランスデータを取得する。これにより、複数の回転速度について、回転機械3の振動を抑制することができる。
上述のバランス修正方法において、回転センサ29と加工具25aの一方を使用する時には、他方を、当該一方に干渉しない位置に退避させるのがよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変形例1、3〜6を、任意に組み合わせて、または単独で採用してもよい。この場合、以下で説明しない点は、上述と同じであってもよいし、適宜変更してもよい。
(変形例1)
図4は、上述したバランス修正装置10を用いた本発明の別の実施形態によるバランス修正方法を示すフローチャートである。
ステップS11において、上述のステップS1と同様に、回転体5における基準周方向位置に対する、回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求める。
その一方で、ステップS12において、上述のステップS2と同様に、回転体5のアンバランスデータ(すなわち、アンバランスの周方向位置と大きさ)を取得する。
ステップS13において、ステップS12で取得したアンバランスの周方向位置に、回転翼7が位置しているかどうかを判断する。すなわち、ステップS12で取得したアンバランスの周方向位置が、ステップS1で取得したアンバランスの周方向位置の範囲に含まれるかどうかを判断する。この判断がYESである場合には、ステップS14へ進み、この判断がNOである場合には、ステップS16へ進む。
ステップS14において、ステップS6と同様に、回転体5に存在するアンバランス(すなわち、ステップS12で取得したアンバランスデータ)を、回転翼7が位置していない複数の周方向位置における複数のアンバランス成分に分解する。
ステップS15において、ステップS7と同様の方法で、ステップS14で得た前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、翼結合部9を除去する。その後、ステップS17へ進む。
ステップS16において、ステップS8と同様の方法で、ステップS12で取得したアンバランスの周方向位置において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、翼結合部9を除去加工する。その後、ステップS17へ進む。
ステップS17において、ステップS2と同様の方法でアンバランスデータを取得し、取得したアンバランスデータに基づいて、回転体5にアンバランスが残存するかどうかを判断する。この判断がYESである場合には(例えば、アンバランスの大きさが設定しきい値を越える場合には)、ステップS18へ進み、この判断がNOである場合には、このバランス修正方法を終了する。
ステップS18において、ステップS17で取得したアンバランスの周方向位置において、ステップS3と同様の方法で、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、除去対象部11を除去する。
好ましくは、ステップS12では、回転速度N1で回転させることで、前記振動データを生成して前記アンバランスデータを取得し、ステップS17では、回転速度N1と異なる回転速度N2で回転させることで、前記振動データを生成して前記アンバランスデータを取得する。これにより、複数の回転速度について、回転機械3の振動を抑制することができる。
また、図4のバランス修正方法では、半径方向の寸法がより大きい翼形成部5a(翼結合部9)の外周部を部分的に除去し、これにより、一度に大きなアンバランスを取り除き、その後、回転体5にアンバランスが残存する場合には、半径方向の寸法がより小さい除去対象部11を部分的に除去し、これにより、精度よくアンバランスを取り除く。その結果、効率的に、かつ、高精度に、アンバランスを回転体5から取り除くことができる。
(変形例2)
ステップS1またはS11において、撮像装置を用いて、回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求めてもよい。この場合、バランス修正装置10は、図5のように、近接センサ27とデータ処理部32の代わりに、撮像装置33と画像処理部35を備え、ステップS1またはS11は次のように行われる。
ステップS1またはS11において、撮像装置33により、翼形成部5aを軸方向から撮像して翼形成部5aの画像データを取得し、画像処理部35により、当該画像データに基づいて、回転体5において、回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求める。具体的には、次のように行われる。回転角センサ29が0度の回転角を検出する時に、回転体5が初期状態(基準姿勢)にあるとし、この時に、撮像装置33により、翼形成部5aを撮像して画像データを取得するとともに、画像処理部35により、当該画像データと、当該画像データにおける前記基準周方向位置とに基づいて、回転体5における基準周方向位置に対する、回転翼7が存在する周方向位置の範囲を求める。
なお、画像処理部35は、画像データに含まれる回転翼7のエッジや濃淡のパターンなどに基づいて、回転翼7が存在する周方向範囲を求めることができる。
この場合、撮像装置33、回転センサ29、加工具25aのいずれかを使用する時には、他のものを、当該使用するものに干渉しない位置に退避させるのがよい。
(変形例3)
回転翼7は、流体により回転駆動されるタービン翼であってもよい。この場合、近接センサ27は、タービン翼を収容するタービンハウジングに設けられてよい。
(変形例4)
回転機械3は、過給機3でなくてもよく、回転翼7を有する回転体を備えるものであればよい。この場合、回転翼7は、コンプレッサ翼またはタービン翼である。
(変形例5)
本発明では、回転体5のアンバランスを除去するために、除去加工により回転体5の一部を除去するが、除去加工は、切削以外の他の加工(例えばレーザ加工)であってもよい。レーザ加工では、回転体5の一部を溶融して除去する。
(変形例6)
上述では、除去加工は、軸方向に行われたが、半径方向に除去加工してもよい。
3 回転機械、5 回転体、5a 翼形成部,7 回転翼,9 翼結合部、9a 吸気穴、10 バランス修正装置、11 除去対象部(ナット)、12 コンプレッサハウジング、13 タービン翼、14 タービンハウジング、15 回転軸、17 ラジアル軸受部、19 軸受ハウジング、21 支持体、21a 排気穴、23 演算部、25 加工装置、25a 加工具、25b 可動部、25c 切削制御部、25d 回転体位置決め装置、27 近接センサ、29 回転角センサ、32 データ処理部、33 撮像装置、35 画像処理部

Claims (4)

  1. 回転機械に設けられた回転体の翼形成部を部分的に除去加工することで、回転体のアンバランスを修正するバランス修正方法であって、
    前記翼形成部は、周方向に間隔を置いて配置された複数の回転翼と、複数の回転翼を周方向に結合するように周方向に延びている翼結合部と、を有し、
    初期状態から回転体が回転した量を示す回転角を検出する回転角センサが設けられており、
    前記翼形成部を収容するハウジングが前記回転機械に取り付けられており、該ハウジングには、周方向に関する取付位置に近接センサが設けられ、
    (1)回転体を回転させながら、回転体の回転角を前記回転角センサにより検出しつつ、回転翼が前記取付位置に近接したことを前記近接センサにより検出し、これらの検出データに基づいて、回転体において、回転翼が存在する周方向位置の範囲をデータ処理部により求め、
    (2)回転体を回転させた状態で、前記回転角センサにより、回転体の回転角を検出しつつ、振動センサにより、回転体を回転可能に支持する支持体の振動を検出し、前記回転角センサが検出した該回転角と前記振動センサが検出した該振動との関係を表す振動データを生成し、この振動データから、回転体に存在するアンバランスの周方向位置と大きさを算出し
    前記(2)で算出した前記アンバランスの周方向位置が回転翼の存在する周方向位置の前記範囲内に含まれる場合には、演算部により、当該アンバランスを、前記回転翼が位置していない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解し、
    )前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、前記翼結合部を除去加工する、ことを特徴とするバランス修正方法。
  2. 回転体は、前記翼形成部より半径方向寸法が小さい除去対象部を有しており、
    前記()の前に、回転体に存在するアンバランスの周方向位置において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、前記除去対象部を除去し、
    その後に、回転体にアンバランスが残存する場合に、当該アンバランスについて前記(2)〜(4)を行う、ことを特徴とする請求項に記載のバランス修正方法。
  3. 回転体は、前記翼形成部より半径方向寸法が小さい除去対象部を有しており、
    前記()の後に、回転体にアンバランスが残存している場合には、当該アンバランスの周方向位置において、当該アンバランスの大きさに相当する量だけ、前記除去対象部を除去する、ことを特徴とする請求項に記載のバランス修正方法。
  4. 回転機械に設けられた回転体の翼形成部を部分的に除去加工することで、回転体に存在するアンバランスを修正するバランス修正装置であって、
    前記翼形成部は、周方向に間隔を置いて配置された複数の回転翼と、複数の回転翼を周方向に結合するように周方向に延びている翼結合部と、を有しているものであり
    初期状態から回転体が回転した量を示す回転角を検出する回転角センサと、
    回転体において周方向に関する取付位置にて、前記翼形成部を収容するハウジングに取り付けられ、回転翼が前記取付位置に近接したこと検出する近接センサと、
    回転体を回転させながら、回転体の回転角を前記回転角センサにより検出しつつ、回転翼が前記取付位置に近接したことを前記近接センサにより検出した場合に、これらの検出データに基づいて、回転体において、回転翼が存在する周方向位置の範囲を求めるデータ処理部と、を備え、
    回転体を回転させた状態で、前記回転角センサにより、回転体の回転角を検出しつつ、振動センサにより、回転体を回転可能に支持する支持体の振動を検出し、前記回転角センサが検出した該回転角と前記振動センサが検出した該振動との関係を表す振動データが生成され、この振動データから、回転体に存在するアンバランスの周方向位置と大きさが算出され、
    算出された該アンバランスの周方向位置に、前記回転翼が位置している場合に、当該アンバランスを、前記回転翼が位置していない複数の周方向位置におけるアンバランス成分に分解する演算部と、
    前記複数の周方向位置の各々において、対応する前記アンバランス成分に相当する量だけ、前記翼結合部を除去加工する加工装置と、を備える、ことを特徴とするバランス修正装置。
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