JP5621970B2 - 影響係数取得方法と装置 - Google Patents
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(A)回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、基本影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量および除去加工位置とに基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得方法が提供される。
(H)前記(G)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工するとともに、前記(G)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工する。
前記(A)および(C)において、回転体を回転させた状態で、第1の振動センサにより前記第1の振動を検出し、第2の振動センサにより前記第2の振動を検出する。
回転体を回転可能に支持する支持体と、
回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出する振動センサと、
回転体における第1および第2の除去対象部におけるバランス変化に対する回転体の振動変化を示す基本影響係数に基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出する演算器と、
第1および第2のアンバランスデータに基づいて第1および第2の除去対象部を除去加工する除去加工装置と、を備え、
前記演算器は、
(A)回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)前記(B)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第1の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第2の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量と除去加工位置に基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得装置が提供される。
また、前記新たな影響係数は、対象としている回転体自体について算出したものであるので、当該回転体を高精度に反映した影響係数となっている。
よって、同じ機種である複数の回転機械の回転体に対してアンバランス修正を行う場合に、各回転体について、高精度な新たな影響係数を効率的に取得できる。その結果、前記(F)の後、当該新たな影響係数を用いて、当該回転体のアンバランス修正を高精度に行うことが可能となる。
本実施形態では、第1および第2の振動センサ5a,5bが、支持体3において互いに異なる位置に取り付けられている。これにより、後述の振動データを効率よく取得できる。
振動データを、複素数で表す。図2(B)は、複素数で表した振動データを示す。図2(B)のように、1次振動の振幅の大きさ(絶対値)をRとし、上述の位相θを偏角として、振動データは複素数で表わされる(以下、同様)。データ処理部9aは、振動センサ5aまたは5bからの振動信号と角度センサ7からの回転角信号から、複素数の振動データを生成する(以下、同様)。
なお、第1および第2の除去対象部13aおよび13bは、回転体13の中心軸C方向に関する位置が互いに異なっている。
[数2]の式(2)におけるΔMTbは、次式(3)で表わされる。
ΔMTb=ATb(cosθTb+jsinθTb) ・・・(3)
ここで、jは虚数単位であり、ATbは、第1の除去対象部13aに取り付けた試し錘の質量と、第1の除去対象部13aにおいて当該試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTbは、回転体13において当該試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。なお、周方向とは、回転体13の中心軸C回りの方向である(以下同様)。
同様に、[数2]の式(2)におけるΔMTdは、次式(4)で表わされる。
ΔMTd=ATd(cosθTd+jsinθTd) ・・・(4)
ここで、jは虚数単位であり、ATdは、第2の除去対象部13bに取り付けた試し錘の質量と、第2の除去対象部13bにおいて当該試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTdは、回転体13において当該試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。
または、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量と、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータ用のしきい値以下であり、かつ、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータ用のしきい値以下であるかを判断する。この場合、好ましくは、第1のアンバランスデータ用のしきい値は、第2のアンバランスデータ用のしきい値と異なるのがよい。
一方、ステップS3の判断がNOである場合には、ステップS4へ進む。
Aを絶対値とし、偏角をθとし、jを虚数単位として、アンバランスデータUbを次式(5)で表す。
Ub=A(cosθ+jsinθ) ・・・(5)
ここで、Aは、アンバランス量を示し、Aはxとyの積であるとした場合に、xは、回転体13の中心軸CからステップS4での除去加工位置までの半径方向距離であり、yは、ステップS4で切削する質量である。一方、θは、前記除去加工位置の周方向位置を示す。従って、ステップS4において、切削工具11aは、xとθが示す半径方向位置と周方向位置に位置決めされた状態で、除去加工質量(切削質量)がyになるまで中心軸Cの方向に移動する。この時、位置制御部11cは、除去対象部13aの密度や切削工具11aの寸法などに基づいて、切削工具11aを中心軸Cの方向に移動させる距離を算出し、該距離に基づいて駆動機構11bを制御する。
なお、ステップS4の除去加工(切削)は、除去加工対象の回転体13が支持体3に支持された状態で行ってもよいし、別の場所で行ってもよい。前者の場合、位置制御部11cは、角度センサ7の回転角に基づいて、周方向に関して切削工具11aを前記除去加工位置に位置決めしてよい。また、第1の除去対象部13aの切削では、例えば、回転体13における除去対象部13aと反対側の軸方向端部を、適宜の手段で把持して回転体13が回転しないようにしておくのがよい。
一方、ステップS7の判断がNOである場合には、ステップS8へ進む。
同様に、ΔMdは、絶対値をAdとし、偏角をθdとした複素数で表わされる。この場合、Adは、回転体13の中心軸CからステップS8での除去加工位置までの半径方向距離と、当該除去加工により第2の除去対象部13bから除去された質量との積であり、θdは、当該除去加工位置の周方向位置を示す位相である。
一方、ステップS12の判断がNOである場合には、ステップS13へ進む。
ステップS13の判断がYESの場合には、当該回転機械の回転体13のアンバランス修正が不可能であるとして、この回転体13についての処理を終了し、mの値を1つ増やしてステップS1に戻るとともに、次の回転機械について、図3の処理を開始する。
一方、ステップS13の判断がNOの場合には、ステップS14へ進む。
また、ステップS14において、ステップS11で算出した第2のアンバランスデータUdが示す除去加工位置と除去加工量に基づいて、回転体13の第2の除去対象部13bを除去加工(切削)する。この切削は、ステップS4の切削と同様に行われる。
例えば、上述の実施形態では、2つの振動センサ5a,5bを支持体3に取り付けていたが、代わりに、1つの振動センサを支持体3に取り付けてもよい。この場合、次のように行う。
ステップS1において、回転機械の回転体13を第1の回転速度で回転させ、この状態で、振動センサが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように計測した振動と回転角に基づいて、データ処理部9aが、第1の振動データap,1を生成する。
また、ステップS1において、回転機械の回転体13を第1の回転速度と異なる第2の回転速度で回転させ、この状態で、振動センサが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように計測した振動と回転角に基づいて、データ処理部9aが、第2の振動データaq,1を生成する。
上述の[数2]において、ap0は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、前記第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aq0は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、前記第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、apbは、第1の除去対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、前記第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aqbは、第1の除去対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、前記第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、apdは、第2の除去対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、前記第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、振動データaqdは、第2の除去対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、前記第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データである。
上述では、除去対象部の切削は、軸方向に行われたが、半径方向に行われてもよい。
上述では、基本影響係数を、試し錘を用いて回転体13にバランス変化を与えることで取得したが、基本影響係数を、回転体13を切削することで回転体13にバランス変化を与えることで取得してもよい。
回転体13が支持体3に設置されているかどうかを検出する検出装置を設けてもよい。この場合、検出装置は、回転体13が支持体3に設置されていない時に支持体3を撮像して予め得た参照画像と、支持体3を撮像して得た計測画像との差分を計算し、この差分値が許容値未満である場合に、回転体13が支持体3に設置されていないことを示す信号を出力する。
振動データを取得するために回転体13を支持体3に設置する直前に、支持体3の軸受(潤滑油が供給される軸受、または、空気軸受)に対し、エアノズルにより空気を吹き付ける。これにより、軸受内の異物を除去でき、その結果、より高精度な振動データを取得することができる。
上述の実施形態では、除去加工装置11は、除去対象部13a、13bを切削することにより除去対象部13a、13bを除去加工したが、代わりに、除去加工装置11は、放電加工で、除去対象部13a、13bを溶融し当該溶融部分を吹き飛ばすことにより除去対象部13a、13bを除去加工する放電加工機であってもよい。この場合、ステップS4、S8、S14の除去加工では、支持体3から回転体13を取り外して、支持体3と別の場所に設けた放電加工機に回転体13を設置し、放電加工機の電極を、アンバランスデータに基づいて、上述したxとθが示す半径方向位置と周方向位置(除去加工位置)に位置決めした状態で、除去加工質量が上述したyになるまで放電加工を行う。なお、除去加工質量と放電加工条件(例えば、放電時間、放電電圧)との関係を予め実験で求めておき、この関係に基づいて放電加工を行うのがよい。
Claims (5)
- 回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得方法であって、
(A)回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、基本影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量および除去加工位置とに基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得方法。 - (G)前記(F)の後、前記(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(F)で算出した前記新たな影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(H)前記(G)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工するとともに、前記(G)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工する、ことを特徴とする請求項1に記載の影響係数取得方法。 - 回転体を回転自在に支持する支持体には、互いに異なる位置にそれぞれ第1および第2の振動センサが取り付けられており、
前記(A)および(C)において、回転体を回転させた状態で、第1の振動センサにより前記第1の振動を検出し、第2の振動センサにより前記第2の振動を検出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の影響係数取得方法。 - 前記(A)および(C)において、第1の回転速度で回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を前記第1の振動として検出し、第1の回転速度と異なる第2の回転速度で回転させた状態で、当該回転により生じる振動を前記第2の振動として検出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の影響係数取得方法。
- 回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得装置であって、
回転体を回転可能に支持する支持体と、
回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出する振動センサと、
回転体における第1および第2の除去対象部におけるバランス変化に対する回転体の振動変化を示す基本影響係数に基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出する演算器と、
第1および第2のアンバランスデータに基づいて第1および第2の除去対象部を除去加工する除去加工装置と、を備え、
前記演算器は、
(A)回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)前記(B)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第1の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第2の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量と除去加工位置に基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得装置。
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