JP2011128111A - アンバランス測定装置と方法 - Google Patents

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真 山口
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強 寺内
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Hisayuki Motoi
久之 本井
Yoshihisa Yamauchi
淑久 山内
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Abstract

【課題】振動センサの検出可能範囲を広くしつつ、振動を高精度に検出できるようにする。
【解決手段】回転体11のアンバランス測定装置10であって、所定の基準角度からの回転体の回転角を検出する角度センサ7と、回転体11を回転可能に支持する支持体3の振動を検出する2つ以上の振動センサ5と、角度センサ7からの検出回転角と、振動センサ5からの検出振動とに基づいて、回転体11のアンバランスデータを生成するデータ生成部9と、を備える。2つ以上の振動センサ5は、少なくとも、高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lを含む。高感度振動センサ5Hは、低感度振動センサ5Lと比較して、検出可能な振動の大きさの範囲が狭く、かつ、分解能が高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転体のアンバランスを測定するアンバランス測定装置と方法に関する。
回転体は、回転機械に設けられ、その軸を中心として回転する。本発明の対象となる回転機械は、流体と力を及ぼし合う回転翼が回転体に設けられた流体機械である。この回転機械には、原動機と被動機がある。原動機は、流体が回転翼に作用させる圧力により回転体が回転駆動されることで、流体の持つエネルギーを回転運動エネルギーに変換する。原動機としては、例えば、ガスタービン(軸流タービン、ラジアルタービン)がある。被動機は、回転駆動されている回転翼が流体に圧力を作用させることで、回転運動エネルギーを流体に与える。被動機としては、例えば、圧縮機(遠心圧縮機、航空エンジンなどに設けられる軸流圧縮機、斜流圧縮機、横流圧縮機、ポンプ)がある。また、本発明の対象となる回転機械には、原動機と被動機の両方の機能を持つ過給機もある。
図1は、回転体のアンバランスデータの測定装置を示す。図1に示すように、アンバランス測定装置は、振動センサ31、角度センサ33、およびデータ生成部35を備える。振動センサ31は、回転体37を回転可能に支持する支持体39の振動(即ち、加速度または速度または変位または荷重)を検出し、角度センサ33は、所定の基準角度からの回転体37の回転角を検出する。データ生成部35は、検出回転角と検出振動からアンバランスデータを生成する。即ち、回転体37が回転している状態で、角度センサ33が回転角を検出しつつ、振動センサ31が振動を検出し、データ生成部35が、これら検出回転角と検出振動とに基づいてアンバランスデータを生成する。
上述のようなアンバランス測定装置は、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2008−267907号公報
しかし、従来においては、検出振動の大きさが、振動センサの検出可能範囲を超える場合があった。そのため、検出可能範囲の広い振動センサを用いることが考えられるが、検出可能範囲が広いと、振動検出の精度(即ち、振動センサの分解能)が低下してしまう。振動検出の精度が低下すると、検出振動がノイズに埋もれることがある。
そこで、本発明の目的は、振動センサの検出可能範囲を広くしつつ、振動を高精度に検出できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明によると、回転体のアンバランス測定装置であって、
所定の基準角度からの回転体の回転角を検出する角度センサと、
回転体を回転可能に支持する支持体の振動を検出する2つ以上の振動センサと、
角度センサからの検出回転角と、振動センサからの検出振動とに基づいて、回転体のアンバランスデータを生成するデータ生成部と、を備え、
前記2つ以上の振動センサは、少なくとも、高感度振動センサと低感度振動センサを含み、
高感度振動センサは、低感度振動センサと比較して、検出可能な振動の大きさの範囲が狭く、かつ、分解能が高い、ことを特徴とするアンバランス測定装置が提供される。
好ましくは、低感度振動センサが検出可能な振動の最大値は、高感度振動センサが検出可能な振動の最大値よりも大きい。
本発明の好ましい実施形態によると、前記データ生成部は、低感度振動センサ用の影響係数と、高感度振動センサ用の影響係数を記憶し、
低感度振動センサ用の影響係数は、バランス変化を与える前後において角度センサおよび低感度振動センサが検出した回転角および振動と、該バランス変化とに基づいて、予め求められ、
高感度振動センサ用の影響係数は、バランス変化を与える前後において角度センサおよび高感度振動センサが検出した回転角および振動と、該バランス変化とに基づいて、予め求められ、
前記データ生成部は、低感度振動センサを用いて、アンバランスデータを生成する場合には、角度センサからの検出回転角と、低感度振動センサからの検出振動と、低感度振動センサ用の影響係数とに基づいて、アンバランスデータを生成し、
前記データ生成部は、高感度振動センサを用いて、アンバランスデータを生成する場合には、角度センサからの検出回転角と、高感度振動センサからの検出振動と、高感度振動センサ用の影響係数とに基づいて、アンバランスデータを生成する。
また、上記目的を達成するため、本発明によると、上述のアンバランス測定装置を用いたアンバランス測定方法であって、
検出振動の大きさが、高感度振動センサの前記範囲内の最大値以上である場合には、低感度振動センサの検出振動に基づいて、アンバランスデータを生成し、
検出振動の大きさが、高感度振動センサの前記範囲内の最大値より小さい場合には、高感度振動センサの検出振動に基づいて、アンバランスデータを生成する、ことを特徴とするアンバランス測定方法が提供される。
上述した本発明によると、前記振動センサとして、高感度振動センサと低感度振動センサを設けるので、検出振動が大きい場合には、低感度振動センサを用いることで、アンバランスデータを生成できる。一方、高精度に振動を検出する必要が生じるのは、検出振動の大きさが小さい場合である。従って、この場合には、高感度振動センサを用いることで、小さい振動を高精度に検出できる。
なお、本発明の実施形態による他の効果は、以下の実施形態の説明で明らかにする。
従来のアンバランス測定装置を示す。 (A)は、本発明の実施形態によるアンバランス測定装置を示し、(B)は、(A)のB−B矢視図である。 高感度振動センサと低感度振動センサが有する特性の一例である。 振動データを示すグラフである。 振動データを複素平面上で表した場合を示す。 影響係数の生成方法を示すフローチャートである。 バランス修正方法のフローチャートである。 本発明を過給機に適用した場合を示す。 3つの振動センサを用いる場合の各振動センサの特性例を示す。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図2は、本発明の実施形態によるアンバランス測定装置10の構成図である。図2に示すように、アンバランス測定装置10は、支持体3、振動センサ5、角度センサ7、およびデータ生成部9を備える。
支持体3は、回転機械の回転体11を支持する。回転体11は、支持体3に支持された状態で、回転体11の軸Cを中心に回転可能である。なお、支持体3の一部は、回転機械の静止側部材により構成されてもよい。なお、回転体11は、例えば、図示しない電動機により回転駆動される。
振動センサ5は、支持体3に取り付けられる。振動センサ5は、回転体11が回転している状態で、支持体3の振動(加速度または速度または変位または荷重)を検出し、検出した振動をデータ生成部9に出力する。
角度センサ7は、所定の基準位置(基準姿勢)からの回転体11の回転角を検出し、検出した回転角をデータ生成部9に出力する。この回転角は、回転体11が1回転することでゼロ度〜360度まで変化する。角度センサ7は、例えば磁気センサであってよい。
データ生成部9は、振動センサ5が検出した前記振動と角度センサ7が検出した前記回転角との関係を表す振動データを生成し、さらに、この振動データから、影響係数を用いて、アンバランスデータ(後で詳しく述べる)を生成する。なお、影響係数は、予め取得しておく。影響係数は、後で詳しく述べるが、例えば、回転体11に試し錘を取り付けること等により回転体11にバランス変化を与え、このバランス変化による振動データ(前記と同様の振動データ)の変化に基づいて算出される。
本実施形態によると、振動センサ5として、高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lが設けられる。高感度振動センサ5Hは、低感度振動センサ5Lと比較して、検出可能な振動の大きさの範囲(以下、検出可能範囲という)が狭く、かつ、分解能が高い。また、低感度振動センサ5Lが検出可能な振動の最大値は、高感度振動5Hセンサが検出可能な振動の最大値よりも大きい。
図3は、高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lの特性の一例を示す。図3において、Hは、高感度振動センサ5Hの特性を示し、Lは、低感度振動センサ5Lの特性を示す。また、図3において、横軸は、振動センサ5H、5Lによる検出振動の大きさを示し、横軸の単位は、加速度Gである。図3において、縦軸は、振動センサ5H、5Lが出力する電圧を示し、縦軸の単位はボルトVである。
図3のHが示すように、高感度振動センサ5Hは、検出可能範囲が、0Gから1Gまでの範囲である。また、図3のHが示すように、高感度振動センサ5Hは、検出振動の大きさに比例する電圧を出力し、当該出力電圧の範囲は、0Vから1Vまでである。即ち、高感度振動センサ5Hは、検出振動の大きさが0の時は、0Vの電圧を出力し、検出振動の大きさが1Gの時は、1Vの電圧を出力する。また、高感度振動センサ5Hは、検出振動の大きさが1Gを超えると、例えば、出力電圧が1Vに飽和してしまう。
図3の例では、高感度振動センサ5Hの分解能(即ち、識別可能な振動の大きさの最小の位)は、0.001[G]である。
一方、図3のLが示すように、低感度振動センサ5Lは、検出可能範囲が、0Gから10Gまでの範囲である、また、図3のLが示すように、低感度振動センサ5Lは、検出振動の大きさに比例する電圧を出力し、当該出力電圧の範囲は、高感度振動センサ5Hの場合と同様に、0Vから1Vまでである。即ち、低感度振動センサ5Lは、検出振動の大きさが0の時は、0Vの電圧を出力し、検出振動の大きさが10Gの時は、1Vの電圧を出力する。図3の例では、低感度振動センサ5Lの分解能は、0.01[G]であり、高感度振動センサ5Hの分解能の1/10である。
[振動データ]
データ生成部9は、アンバランスデータまたは影響係数を生成するために、振動センサ5(即ち、高感度振動センサ5Hまたは低感度振動センサ5L。以下、同様)が検出した振動(加速度)と角度センサ7が検出した回転角に基づいて振動データを生成する。振動データは、振動の振幅と位相θからなる。図4は、振動の振幅と位相θを示す。図4において、横軸は、角度センサ7により検出した回転角を示し、縦軸は、振動センサ5により検出された振動のうち1次振動の強度を示す。1次振動は、回転角の検出時における回転体11の回転速度と同じ周波数成分の振動である。即ち、1次振動は、振動センサ5による振動検出時における回転体11の回転速度(1秒間での回転数)と同じ周波数[Hz]の成分を、振動センサ5が出力した検出した前記振動(即ち、振動センサ5の出力電圧)から抽出した振動(即ち、振動する電圧)である。図4において、位相θは、基準位相(図4の例では、ゼロ度)に対する1次振動のずれを示す。即ち、位相θは、基準位相に対する、1次振動の周期の始点となる位相のずれを示す。
振動データ(即ち、後述の振動データX、X、X、X)を、複素数で表す。図5は、複素数で表した振動データを示す。図5のように、1次振動の振幅を大きさ(絶対値)Rとし、上述の位相θを偏角として、振動データを複素数で表す(以下、同様)。データ生成部9は、このような振動データを生成する。
[2種類の影響係数について]
データ生成部9は、低感度振動センサ5L用の影響係数と、高感度振動センサ5H用の影響係数を記憶する。データ生成部9は、バランス変化を与える前後において、角度センサ7および低感度振動センサ5Lが検出した回転角および振動から上述の振動データを生成し、この振動データと当該バランス変化に基づいて、低感度振動センサ5L用の影響係数を予め算出する。同様に、データ生成部9は、バランス変化を与える前後において、角度センサ7および高感度振動センサ5Hが検出した回転角および振動から上述の振動データを生成し、この振動データと当該バランス変化に基づいて、高感度振動センサ5H用の影響係数を予め算出する。
このように、各振動センサ5H、5Lに固有の影響係数を予め求めることで、いずれの振動センサ5H、5Lの検出振動を用いても、高精度にアンバランスデータを生成できる。
図6は、影響係数の生成方法を示すフローチャートである。以下において、低感度振動センサ5L用の影響係数を生成する場合を説明するが、高感度振動センサ5H用の影響係数を生成する場合も同様である。
影響係数の生成方法は、ステップS1〜S4からなる。
ステップS1では、回転体11が回転している状態で、低感度振動センサ5Lが、回転体11を支持する支持体3の振動(即ち、加速度)を検出しながら、角度センサ7が回転角を検出することで、第1の振動データXを取得する。第1の振動データXを次式(1)で表す。

=A+jB ・・・(1)

ここで、Aは実部であり、Bは虚部であり、jは虚数単位(以下、同様)である。
第1の振動データXの取得は、データ生成部9が行う。即ち、データ生成部9は、ステップS1において、低感度振動センサ5Lからの検出振動と角度センサ7からの検出回転角とに基づいて、第1の振動データXを生成する。
ステップS2では、所定の回転角において除去対象部11aに試し錘を取り付ける。例えば、回転体11の回転を停止させて、除去対象部11aに試し錘を取り付ける。
ステップS3では、試し錘が取り付けられた回転体11が回転している状態で、低感度振動センサ5Lが、回転体11を支持する支持体3の振動(即ち、加速度)を検出しながら、角度センサ7が回転角を検出することで、第2の振動データXを取得する。第2の振動データXを次式(2)で表す。

=A+jB ・・・(2)

ここで、Aは実部であり、Bは虚部である。
第2の振動データXの取得は、データ生成部9が行う。即ち、データ生成部9は、ステップS13において、低感度振動センサ5Lからの検出振動と角度センサ7からの検出回転角とに基づいて、第2の振動データXを算出する。
ステップS4では、第1の振動データXと、ステップS12で与えた回転バランス変化と、第2の振動データXとに基づいて、低感度振動センサ5L用の影響係数Fを算出する。影響係数Fは、次式(3)で算出される。

=(X−X)/M(cosθ+jsinθ) ・・・(3)

ここで、M(cosθ+jsinθ)は、ステップS2で回転体11に与えた前記回転バランス変化を表す。具体的には、Mは、ステップS2で加えた換算質量である。この換算質量Mは、試し錘の質量と、回転体11の回転中心から試し錘の重心までの距離との積である。θは、ステップS2で取り付けた試し錘の回転方向位置(即ち、前記回転中心周りの位置)を示す。この回転方向位置は、所定の基準回転方向位置に対する位相であってよい。なお、影響係数は、後述のアンバランス測定方法の対象となる回転体11について上述のように取得してもよいし、後述のアンバランス測定方法の対象となる回転体11を持つ回転機械とは別であるが、該回転機械と同機種の回転機械の回転体について上述と同様の方法で取得しでもよい。
高感度振動センサ5H用の影響係数は、低感度振動センサ5Lを高感度振動センサ5Hに置き換えて、上述の生成方法を行うことで生成される。以下において、低感度振動センサ5L用の影響係数を、上述のようにFで表し、高感度振動センサ5H用の影響係数を、Fで表す。
[アンバランス測定方法]
上述のアンバランス測定装置10を用いたアンバランス測定方法について説明する。
このアンバランス測定方法では、検出振動の大きさが、高感度振動センサ5Hの前記検出可能範囲内の最大値(図3の場合には、1[G])以上である場合には、低感度振動センサ5Lの検出振動に基づいて、アンバランスデータを生成し、検出振動の大きさが、高感度振動センサ5Hの前記検出可能範囲内の最大値(図3の場合には、1[G])より小さい場合には、高感度振動センサ5Hの検出振動に基づいて、アンバランスデータを生成する。また、データ生成部9が、低感度振動センサ5Lを用いて、アンバランスデータを生成する場合には、角度センサ7からの検出回転角と、低感度振動センサ5Lからの検出振動と、低感度用の影響係数Fとに基づいて、アンバランスデータを生成し、データ生成部9が、高感度振動センサ5Hを用いて、アンバランスデータを生成する場合には、角度センサ7からの検出回転角と、高感度振動センサ5Hからの検出振動と、高感度用の影響係数Fとに基づいて、アンバランスデータを生成する。具体的には、以下の通りである。
図7は、バランス修正方法のフローチャートである。図7において、バランス修正方法は、ステップS11〜S16からなり、本実施形態のアンバランス測定方法は、ステップS11〜S14からなる。
ステップS11では、回転体11が回転している状態で、支持体3に取り付けられている高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lの両方が、回転体11を支持する支持体3の振動(即ち、加速度)を検出しながら、角度センサ7が回転角を検出する。
ステップS12では、ステップS11で検出した振動の大きさが、高感度振動センサ5Hの検出可能な振動の最大値以上であるかを判断し、そうである場合(即ち、最大値以上である場合)には、低感度振動センサ5Lを選択してステップS13へ進み、そうでない場合には、高感度振動センサ5Hを選択してステップS14へ進む。
例えば、高感度振動センサ5Hが検出した振動の大きさ(即ち、上述の1次振動の振幅)が、高感度振動センサ5Hの検出可能な振動の最大値以上であるかどうかを、データ生成部9が判断し、そうである場合には、低感度振動センサ5Lを選択してステップS13へ進み、そうでない場合には、高感度振動センサ5Hを選択してステップS14へ進む。
この場合、例えば、高感度振動センサ5Hが、図3のHが示す特性を有しているならば、高感度振動センサ5Hの出力電圧のうち、データ生成部9が上述の1次振動として抽出した電圧の振幅(即ち、1次振動の振幅)が、1V以上であるかどうかを判断し、そうである場合には、低感度振動センサ5Lを選択してステップS13へ進み、そうでない場合には、高感度振動センサ5Hを選択してステップS14へ進む。
別の例として、低感度振動センサ5Lが、図3のLが示す特性を有しているならば、低感度振動センサ5Lの出力電圧のうち、データ生成部9が上述の1次振動として抽出した電圧の振幅(即ち、1次振動の振幅)が、0.1V以上であるかどうかを判断し、そうである場合には、低感度振動センサ5Lを選択してステップS13へ進み、そうでない場合には、高感度振動センサ5Hを選択してステップS14へ進むようにしてもよい。
ステップS13では、ステップS12で選択した低感度振動センサ5Lの検出振動に基づいて、以下のようにアンバランスデータを生成する。
ステップS13では、データ生成部9は、ステップ11で低感度振動センサ5Lが検出した振動と、ステップ11で角度センサ7が検出した回転角とに基づいて、振動データを生成する。この振動データXを次式(4)で表す。

=A+jB ・・・(4)

ここで、Aは実部であり、Bは虚部である。
さらに、ステップS13では、データ生成部9は、この振動データXと上述の低感度振動センサ5L用の影響係数FからアンバランスデータUを算出する。アンバランスデータUは、データ生成部9により次式(5)で算出される。

=X/F ・・・(5)

を、mを絶対値とし、偏角をθとして、次式(6)で表す。

=m(cosθ+jsinθ) ・・・(6)

を算出したらステップS15へ進む。
ステップS14では、ステップS12で選択した高感度振動センサ5Hの検出振動に基づいて、以下のようにアンバランスデータを生成する。
ステップS14では、データ生成部9は、ステップ11で高感度振動センサ5Hが検出した振動と、ステップ11で角度センサ7が検出した回転角とに基づいて、振動データを生成する。この振動データXを次式(7)で表す。

=A+jB ・・・(7)

ここで、Aは実部であり、Bは虚部である。
さらに、ステップS14では、データ生成部9は、この振動データXと上述の高感度振動センサ5H用の影響係数FからアンバランスデータUを算出する。アンバランスデータUは、データ生成部9により次式(8)で算出される。

=X/F ・・・(8)

を、mを絶対値とし、偏角をθとして、次式(9)で表す。

=m(cosθ+jsinθ) ・・・(9)

を算出したらステップS15へ進む。
ステップS15では、アンバランスデータUに含まれるアンバランス量mが、所定値以下であるかを判断し、そうである場合には、アンバランス量が許容範囲内であるとしてこの方法を終了し、そうでない場合には、ステップS16へ進む。なお、前記所定値は、高感度振動センサ5Hの検出可能範囲内の最大値より小さい値に対応する。
ステップS16では、上述のように求めたアンバランスデータUに基づいて、図2(A)に示す切削装置13により、回転体11のバランスを修正する。切削装置13は、アンバランス測定装置10に備えられてよく、回転体11の除去対象部11aを切削する切削工具13a(例えば、エンドミル)と、該切削工具13aを3次元的(例えば、図2(A)の互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に移動させる駆動機構13bと、該駆動機構13bの動作を制御することで切削工具13aの位置を制御する位置制御部13cとを有する。例えば、位置制御部13cは、切削工具13aが、アンバランスデータが示す位置(即ち、θに相当する回転方向位置)おいて、アンバランスデータが示すアンバランス量mに相当する体積だけ除去対象部11aを切削して除去するように、駆動機構13bを制御する。このように、除去対象部11aを切削したら、ステップS11へ戻り、上述の手順を再び行う。
ステップS16において、切削装置13の代わりに、除去対象部11aをレーザ照射するレーザ加工装置を用いてもよい。この場合、アンバランスデータUが示す位置おいて、アンバランスデータが示すアンバランス量mに相当する体積だけ除去対象部11aを前記レーザ照射により溶融して除去するように、前記レーザ照射の位置や、前記レーザ照射の時間などを制御する。このように、除去対象部11aを部分的に除去したら、ステップS11へ戻り、上述の手順を再び行う。
なお、上述のアンバランス測定装置10と切削装置13(または上述のレーザ加工装置)とによりバランス修正装置が構成される。
[実施形態による効果]
高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lを設けるので、検出振動が大きい場合には、低感度振動センサ5Lを用いることで、アンバランスデータを生成できる。一方、高精度に振動を検出する必要が生じるのは、検出振動の大きさが小さい場合である。従って、この場合には、高感度振動センサ5Hを用いることで、小さい振動を高精度に検出できる。
回転体のバランス修正において、アンバランスデータに含まれるアンバランス量が所定値以下になるまで、アンバランスデータを生成し、このアンバランスデータに基づいて、切削装置13が切削してバランス修正をするという修正サイクルを繰り返すが、一般的に、始めのほうの修正サイクルでは、アンバランス量が大きく、検出振動と切削はそれほど高精度が要求されないので、低感度振動センサ5Lが有効である。一方、後のほうの修正サイクルになるにつれ、アンバランス量が小さくなり、切削量の小さくなるので、高精度な振動検出と細かい切削が必要となる。従って、後のほうの修正サイクルでは、高感度振動センサ5Hが有効である。
[実施例]
図8は、上述の実施形態によるアンバランス測定装置10を、回転機械としての過給機20に適用した場合を示す。
過給機20の回転体11は、図8に示すように、エンジンの排ガスにより回転駆動されるタービン翼15と、タービン翼15と一体的に回転することで圧縮空気をエンジンに供給するコンプレッサ翼17と、一端部にタービン翼15が結合され他端部にコンプレッサ翼17が結合される回転軸19と、を有する。また、過給機20は、回転体11を回転可能に支持する静止側部材21を有する。図8の例では、静止側部材21は、回転体11(回転軸19)を回転可能に支持する軸受23a,23bが内部に組み込まれる軸受ハウジングである。また、過給機20は、タービン翼15を内部に収容するタービンハウジング25と、コンプレッサ翼17を内部に収容するコンプレッサハウジング(図8では取り外されている)と、を備える。タービンハウジング25には、タービン翼15を回転駆動する流体を流す流路(スクロール)が形成されている。タービンハウジング25は、支持体3の内部に取り付けられる。タービン翼15を駆動する流体をタービンハウジング25の前記流路へ供給でき、タービン翼15を駆動した当該流体を支持体3の外部へ排出できるように支持体3が構成されている。
なお、切削装置13を使用するときは、適宜の手段により、角度センサ7が切削装置13に干渉しない位置へ退避し、角度センサ7を使用するときは、適宜の手段により、切削装置13が角度センサ7に干渉しない位置へ退避してよい。
また、支持体3は、タービンハウジング25を介して、または直接、軸受ハウジング21を支持する。図8では、回転体11の除去対象部11aは、コンプレッサ翼17側の端部にあり、この例ではナットである。図8において、アンバランス測定装置10の他の構成や動作や、アンバランス測定装置10を用いたアンバランス測定方法は、上述の実施形態と同じであってよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記の内容を、単独でまたは組み合わせて採用してよい。
回転体11を回転駆動する手段は、過給機の例のように、回転体11のタービン翼を流体により回転駆動する手段であってもよいし、電動機により回転体11を回転駆動する手段であってもよいし、他の適切な手段であってもよい。
影響係数は、試し錘を使用する代わりに、除去対象部11aの一部を除去することでバランス変化を与えて取得してもよい。
上述の実施形態では、振動センサ5として、高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lの2つの振動センサを用いたが、本発明によると、3つ以上の振動センサ5を用いてもよい。すなわち、分解能が互いに異なる3つ以上の振動センサ5を用いてもよい。
例えば、3つの振動センサ5を用いる場合、振動センサ5として、上述の高感度振動センサ5Hと低感度振動センサ5Lに加えて、別の低感度振動センサ5LLを用いてよい。これら3つの振動センサ5H、5L、5LLは、それぞれ、図3に示した分解能の代わりに、例えば、図9の符号H、L、LLで示す分解能を有していてよい。このように、3つ以上の振動センサ5を用いる場合、他の点は、上述の実施形態と同じであってもよいし、適宜変更してもよい。例えば、上述のステップS12において、検出振動の大きさが、高感度振動センサ5Hによる検出可能な振動の大きさの範囲内の最大値以上であると判断された場合には、当該検出振動の大きさが、低感度振動センサ5Lによる検出可能な振動の大きさの範囲内の最大値以上であるかを判断し、そうでない場合には、低感度振動センサ5Lの検出振動でアンバランスデータを生成してステップS15へ進み、そうである場合には、低感度振動センサ5LLの検出振動でアンバランスデータを生成してステップS15へ進み、その後は、ステップS15でYESとなるまで、図7のフローに従って、上記のように処理を繰り返す。
なお、2つ以上の振動センサのうち最も分解能が低い振動センサによる検出可能な振動の最大値が、予想される支持体3の振動の最大値よりも大きくなるように、2つ以上の振動センサを選択するのがよい。
また、各振動センサの分解能は、図3や図9に示す例に限定されない。
3 支持体、5 振動センサ、5H 高感度振動センサ、
5L 低感度振動センサ、7 角度センサ、9 データ生成部、
10 アンバランス測定装置、11 回転体、13 切削装置、
13a 切削工具、13b 駆動機構、13c 位置制御部

Claims (4)

  1. 回転体のアンバランス測定装置であって、
    所定の基準角度からの回転体の回転角を検出する角度センサと、
    回転体を回転可能に支持する支持体の振動を検出する2つ以上の振動センサと、
    角度センサからの検出回転角と、振動センサからの検出振動とに基づいて、回転体のアンバランスデータを生成するデータ生成部と、を備え、
    前記2つ以上の振動センサは、少なくとも、高感度振動センサと低感度振動センサを含み、
    高感度振動センサは、低感度振動センサと比較して、検出可能な振動の大きさの範囲が狭く、かつ、分解能が高い、ことを特徴とするアンバランス測定装置。
  2. 低感度振動センサが検出可能な振動の最大値は、高感度振動センサが検出可能な振動の最大値よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のアンバランス測定装置。
  3. 前記データ生成部は、低感度振動センサ用の影響係数と、高感度振動センサ用の影響係数を記憶し、
    低感度振動センサ用の影響係数は、バランス変化を与える前後において角度センサおよび低感度振動センサが検出した回転角および振動と、該バランス変化とに基づいて、予め求められ、
    高感度振動センサ用の影響係数は、バランス変化を与える前後において角度センサおよび高感度振動センサが検出した回転角および振動と、該バランス変化とに基づいて、予め求められ、
    前記データ生成部は、低感度振動センサを用いて、アンバランスデータを生成する場合には、角度センサからの検出回転角と、低感度振動センサからの検出振動と、低感度振動センサ用の影響係数とに基づいて、アンバランスデータを生成し、
    前記データ生成部は、高感度振動センサを用いて、アンバランスデータを生成する場合には、角度センサからの検出回転角と、高感度振動センサからの検出振動と、高感度振動センサ用の影響係数とに基づいて、アンバランスデータを生成する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のアンバランス測定装置。
  4. 請求項2に記載のアンバランス測定装置を用いたアンバランス測定方法であって、
    検出振動の大きさが、高感度振動センサの前記範囲内の最大値以上である場合には、低感度振動センサの検出振動に基づいて、アンバランスデータを生成し、
    検出振動の大きさが、高感度振動センサの前記範囲内の最大値より小さい場合には、高感度振動センサの検出振動に基づいて、アンバランスデータを生成する、ことを特徴とするアンバランス測定方法。

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