JP5459595B2 - アンバランス測定方法 - Google Patents
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Description
例えば、圧縮ガス源が、工場内の各タービンに供給される工場エアが流れる工場ガス管である場合には、工場ガス管からの供給ガス圧は変動するので、この変動による外乱が振動検出に影響を及ぼす可能性がある。
また、回転体の回転速度を所望の回転速度に制御する場合、制御により、回転駆動力(例えば、タービン翼へ供給する圧縮ガスの流量)が変動するので、この変動による外乱が振動検出に影響を及ぼす可能性がある。
従って、検出振動にバラツキが生じ、その結果、再現性の良いアンバランスデータが得られない可能性があった。
回転可能に支持体に支持された回転体を回転駆動する駆動ステップと、
回転体の回転駆動を停止する停止ステップと、
回転体の回転駆動が停止され、かつ、回転体が惰性で回転している状態で、回転体の回転角を検出しつつ、支持体の振動を検出する検出ステップと、
検出ステップで得た検出回転角と検出振動に基づいて、回転体のアンバランスデータを生成するデータ生成ステップと、を有する、ことを特徴とするアンバランス測定方法が提供される。
検出ステップでは、停止ステップにより、回転体の回転速度が測定対象回転速度に低下した時に、回転体の回転角と支持体の振動を検出する。
停止ステップでは、タービン翼に対する前記流体の供給を停止する。
停止ステップでは、前記弁を閉じることで、タービン翼の上流側を下流側よりも低圧にする。
図2は、回転機械としての過給機と、過給機のアンバランスを測定するためのアンバランス測定装置10の構成例を示す。
データ生成部9は、アンバランスデータまたは影響係数を生成するために、振動センサ5が検出した振動(加速度)と角度センサ7が検出した回転角に基づいて振動データを生成する。振動データは、振動の振幅と位相θからなる。図3は、振動の振幅と位相θを示す。図3において、横軸は、角度センサ7により検出した回転角を示し、縦軸は、振動センサ5により検出された振動のうち1次振動を示す。1次振動は、回転角の検出時における回転体11の回転速度と同じ周波数成分の振動である。即ち、1次振動は、振動センサ5による振動検出時における回転体11の回転速度(1秒間での回転数)と同じ周波数[Hz]の成分を、振動センサ5が検出した振動(即ち、振動センサ5の出力電圧)から抽出した振動(即ち、図3の縦軸に相当する振動電圧)である。図3において、位相θは、基準位相(図3の例では、ゼロ度)に対する1次振動のずれを示す。即ち、位相θは、基準位相に対する、1次振動の周期の始点となる位相のずれを示す。
振動データ(即ち、後述の振動データX1、X2、X)を、複素数で表す。図4は、複素数で表した振動データを示す。図4のように、1次振動の振幅を大きさ(絶対値)Rとし、上述の位相θを偏角として、振動データを複素数で表す(以下、同様)。データ生成部9は、このような振動データを生成する。
影響係数Fは、次式(1)で表される。
F=(X2−X1)/M(cosθg+jsinθg) ・・・(1)
ここで、X1は、回転体11にバランス変化を与える前に検出した上述の振動と回転角から生成したものであり、X2は、回転体11にバランス変化を与えた状態で(例えば、回転体11に試し錘を取り付けた状態で)検出した上述の振動と回転角から生成したものである。M(cosθg+jsinθg)は、回転体11に与えた前記回転バランス変化を表す。具体的には、試し錘を使用した場合には、Mは、試し錘の質量と、回転体11の回転中心から回転体11に取り付けた試し錘の重心までの距離との積であり、θgは、回転体11に取り付けた試し錘の回転方向位置(即ち、前記回転中心周りの位置)を示す。この回転方向位置は、所定の基準回転方向位置に対する位相であってよい。また、上式(1)において、jは虚数単位である。なお、影響係数は、後述のアンバランス測定方法の対象となる回転体11について取得してもよいし、後述のアンバランス測定方法の対象となる回転体11を持つ回転機械とは別であるが、該回転機械と同機種の回転機械の回転体について上述と同様の方法で取得しでもよい。
第1実施形態では、駆動ステップS1において、回転体11に設けられたタービン翼15を流体により回転駆動させる。図2の例では、弁29aを全閉状態から開くことで、圧縮ガス源27から圧縮ガスが配管29へ流れ込み、さらに、この圧縮ガスが、流路25aを通ってタービン翼15を通過する。これにより、タービン翼15が回転駆動されて、回転体11も回転駆動される。
まず、データ生成部9は、検出ステップS3で振動センサ5が検出した振動と、検出ステップS3で角度センサ7が検出した回転角とに基づいて、振動データを生成する。この振動データXを次式(2)で表す。
X=A+jB ・・・(2)
ここで、Aは実部であり、Bは虚部であり、jは虚数単位である。
さらに、データ生成ステップS4では、データ生成部9は、この振動データXと影響係数FからアンバランスデータUを算出する。アンバランスデータUは、データ生成部9により次式(3)で算出される。
U=X/F ・・・(3)
Uを次式(4)の複素数で表す。
U=m(cosθ+jsinθ) ・・・(4)
ここで、mは絶対値であり、θは偏角であり、jは虚数単位である。
図6は、本発明の第2実施形態によるアンバランス方法で使用するアンバランス測定装置10を示す。第2実施形態において第1実施形態と異なる点を以下で説明するが、他の点は上述の第1実施形態と同じであってよい。
駆動ステップS1では、電源38から電動機35(この例では、複数のコイル37)に電力を供給することで、電動機35が回転体11を回転駆動する。
停止ステップS2では、電源38から電動機35(この例では、複数のコイル37)への電力供給を停止することで、回転体11の回転駆動を停止する。この電力供給の停止は、スイッチなど適宜の手段を用いて行ってよい。
第2実施形態によるアンバランス測定方法の他の点は、第1実施形態の場合と同じであってよい。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、回転体11の回転駆動を停止した状態で、回転体11の回転角を検出しつつ、支持体3の振動を検出するので、回転駆動力の変動による外乱が振動検出に影響を及ぼすことが防止される。その結果、再現性の良いアンバランスデータを生成できる。
7 角度センサ、9 データ生成部、10 アンバランス測定装置、
11 回転体、13 切削装置、13a 切削工具、
13b 駆動機構、13c 位置制御部、15 タービン翼、
17 コンプレッサ翼、19 回転軸、20 過給機、
21 静止側部材、25 タービンハウジング、25a 流路(スクロール)、
25b 排気口、27 圧縮ガス源、29 配管、
29a 弁、31 ボルト,33 結合部材、35 電動機
Claims (3)
- 回転体のアンバランス測定方法であって、
前記回転体を回転可能に支持体で支持した状態で、前記回転体に設けられたタービン翼を圧縮ガスで回転駆動することにより、前記回転体を回転駆動する駆動ステップと、
前記駆動ステップの後、前記タービン翼に対する圧縮ガスの供給を停止することにより、前記回転体の回転駆動を停止する停止ステップと、
前記停止ステップにより、前記回転体の回転駆動が停止され、かつ、前記回転体が惰性で回転している状態で、前記回転体の回転角を検出しつつ、支持体の振動を検出する検出ステップと、
検出ステップで得た検出回転角と検出振動に基づいて、前記回転体のアンバランスデータを生成するデータ生成ステップと、を有し、
前記タービン翼に対して圧縮ガスを供給する配管が設けられ、該配管には、弁が設けられ、
前記駆動ステップでは、前記弁を開くことで、ガス圧が変動する圧縮ガスが圧縮ガス源から前記配管へ流れ込み、該圧縮ガスが前記タービン翼を通過することにより、前記回転体を回転駆動し、
前記停止ステップでは、前記弁を閉じることで、前記回転体の回転駆動を停止し、
前記圧縮ガス源は、工場内の各タービンに供給される圧縮ガスが流れる配管である、ことを特徴とするアンバランス測定方法。 - 駆動ステップでは、前記回転体の回転速度が測定対象回転速度を超えるまで、前記回転体を回転駆動し、
検出ステップでは、停止ステップにより、前記回転体の回転速度が測定対象回転速度に低下した時に、前記回転体の回転角と支持体の振動を検出する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンバランス測定方法。 - 前記停止ステップでは、前記弁を閉じることで、タービン翼の上流側を下流側よりも低圧にする、ことを特徴とする請求項1または2に記載のアンバランス測定方法。
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