JP2009191638A - ターボ機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造及び組み付け作業を容易に行うことができるターボ機械を提供する。
【解決手段】風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられるとともにハウジング2の外部において回転する羽根車7とを備えている。さらに、風力原動機1は、羽根車7とハウジング2とにより形成された空間Xの圧力を検出する圧力センサ9と、圧力センサ9の検出結果に基づいて空間Xの圧力を調整するための圧力調整装置10とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられるとともにハウジング2の外部において回転する羽根車7とを備えている。さらに、風力原動機1は、羽根車7とハウジング2とにより形成された空間Xの圧力を検出する圧力センサ9と、圧力センサ9の検出結果に基づいて空間Xの圧力を調整するための圧力調整装置10とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、羽根車を用いて、流体に運動エネルギーを与える、または流体から運動エネルギーを得る流体機械であるターボ機械に関する。
自動車において、流体に運動エネルギーを与える、または流体から運動エネルギーを得る流体機械である小型のターボ機械を備えることが知られており、このようなターボ機械としては、例えば、羽根車を回転させることにより流体である気体をエンジンへ圧送する圧縮機が知られている。また、自動車が備えるターボ機械として、発電を行うために、エンジンから排出された気体(即ち、排気)により羽根車を回転させる風力原動機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ターボ機械において、羽根車が設けられたシャフトを支持するための軸受として、シャフトと軸受との接触を抑制してシャフトを高速回転可能に支持するとの観点から、非接触型の気体軸受を使用することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
非接触型の気体軸受を使用した小型のターボ機械は、例えば、図3に示すような風力原動機101であって、発電を行うために、エンジン(不図示)から排出された気体により羽根車107を回転させるものである。より具体的には、風力原動機101は、ハウジング102の内部において回転可能に支持されたシャフト105と、シャフト105に設けられるとともにハウジング102の外部において回転する羽根車107とを備えている。ハウジング102の内部には、ステータ103とロータ106とから構成される発電用のジェネレータHと、シャフト105の回転軸(図中の一点鎖線で示す軸)に垂直な方向(即ち、ラジアル方向R)においてシャフト105を支持するために非接触型の気体軸受であるラジアルフォイル軸受104とが設けられている。
非接触型の気体軸受であるラジアルフォイル軸受104のみによってシャフト105が支持される場合は、シャフト105の回転軸に平行な方向(即ち、アキシアル方向A)において変位する。このため、羽根車107の回転により発生するスラスト力(推進力)によってシャフト105がアキシアル方向において変位しないように、風力原動機101は、非接触型の気体軸受であるスラスト気体軸受113をさらに備えている。このスラスト気体軸受113は、シャフト105に設けられたスラストカラー113aと、ハウジング102に設けられたスラストパッド113bとから構成されている。
特開平11−187618号公報
特開平6−17603号公報
しかしながら、上記の風力原動機101においては、スラストカラー113aまたはスラストパッド113bには、動圧を発生させるための動圧発生溝(不図示)を形成する必要があり、このような動圧発生溝を形成するためには、数マイクロメートル単位の高精度な加工が必要となる。また、スラストカラー113aとスラストパッド113bにより数マイクロメートルの微小な隙間が形成されるように組み立てる必要があった。従って、上記のようなスラスト気体軸受113を備えるターボ機械においては、その製造及び組み付け作業が面倒であるという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造及び組み付け作業を容易に行うことができるターボ機械を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ハウジングの内部において回転可能に支持されたシャフトと、シャフトに設けられるとともにハウジングの外部において回転する羽根車とを備えるターボ機械において、羽根車とハウジングとにより形成された空間の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサの検出結果に基づいて上記空間の圧力を調整するための圧力調整装置とをさらに備えることを特徴とする。
同構成によれば、羽根車とハウジングとにより形成された空間の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサの検出結果に基づいて上記空間の圧力を調整するための圧力調整装置とを備えている。このため、例えば、圧力センサの検出結果が、上記空間の圧力が大きいことを示している場合は、圧力調整装置によって上記空間の圧力が小さくなるように調整して、シャフトの回転軸に平行な方向(即ち、アキシアル方向)において、羽根車が設けられたシャフトが変位することを抑制することができる。また、例えば、圧力センサの検出結果が、上記空間の圧力が小さいことを示している場合は、圧力調整装置によって上記空間の圧力が大きくなるように調整して、シャフトの回転軸に平行な方向において、羽根車が設けられたシャフトが変位することを抑制することができる。従って、アキシアル方向においてシャフトを支持するためのスラスト気体軸受が不要となるため、製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、ハウジングの内部において回転可能に支持されたシャフトと、シャフトに設けられるとともにハウジングの外部において回転する羽根車とを備えるターボ機械において、シャフトの回転軸に平行な方向における羽根車の変位を検出する変位センサと、変位センサの検出結果に基づいて羽根車とハウジングとにより形成された空間の圧力を調整するための圧力調整装置とをさらに備えることを特徴とする。
同構成によれば、シャフトの回転軸に平行な方向(即ち、アキシアル方向)における羽根車の変位を検出する変位センサと、変位センサの検出結果に基づいて羽根車とハウジングとにより形成された空間の圧力を調整するための圧力調整装置とを備えている。このため、例えば、変位センサの検出結果が、羽根車がハウジングから遠ざかる方向へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置によって上記空間の圧力が小さくなるように調整して、シャフトの回転軸に平行な方向において、羽根車が設けられたシャフトが変位することを抑制することができる。また、例えば、変位センサの検出結果が、羽根車がハウジングに近づく方向へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置によって上記空間の圧力が大きくなるように調整して、シャフトの回転軸に平行な方向において、羽根車が設けられたシャフトが変位することを抑制することができる。従って、スラスト気体軸受が不要となり、ターボ機械の製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のターボ機械であって、ハウジングには、上記空間と、この空間の圧力と異なる圧力を有する他の空間とが連通するための連通路が形成され、圧力調整装置は、連通路を開閉する圧力調整弁と、圧力センサの検出結果に基づき圧力調整弁を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
同構成によれば、圧力調整装置は、上記空間と他の空間とが連通するための貫通孔を開閉する圧力調整弁と、圧力センサの検出結果に基づき圧力調整弁を制御する制御部とを備えている。このため、上記空間の圧力を調整する場合に、制御部によって圧力調整弁を開くように制御することで、上記空間の圧力と他の空間との圧力の差によって、流体を上記空間から排出させる、または流体を上記空間に流入させることができる。従って、圧力調整弁の開閉を制御するだけの簡単な構成で上記空間の圧力を調整することができる。
本発明によれば、シャフトの回転軸に平行な方向においてシャフトを支持するためのスラスト気体軸受が不要となるため、製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
(第1の実施形態)
以下に本発明に係る第1の実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、図中の矢印Aは、シャフトの回転の中心となる回転軸(図中の一点鎖線で示す軸)に平行なアキシアル方向を示すとともに、図中の矢印Rは、アキシアル方向に垂直なラジアル方向を示している。
以下に本発明に係る第1の実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、図中の矢印Aは、シャフトの回転の中心となる回転軸(図中の一点鎖線で示す軸)に平行なアキシアル方向を示すとともに、図中の矢印Rは、アキシアル方向に垂直なラジアル方向を示している。
本実施形態に係るターボ機械は、自動車(不図示)に搭載される小型の風力原動機1であって、エンジン(不図示)によって排出された流体である気体から運動エネルギーを得て、発電を行うためにシャフト5を回転させる発電用風力原動機(即ち、風力発電機)である。
円筒状のハウジング2の内周2aには、ステータコア3aと、ステータコア3aに巻かれた導線からなるコイル3bとから構成された略円筒状のステータ(固定子)3が設けられている。
また、ハウジング2の開口端部2b,2cには、非接触型の気体軸受であるラジアルフォイル軸受4が設けられている。円筒状のラジアルフォイル軸受4は、環状のバンプフォイル4aと、バンプフォイル4aの内周に設けられたトップフォイル4bとから構成されており、シャフト5の回転によって発生する動圧を利用してシャフト5をラジアル方向Rに支持する非接触型の気体軸受である。
ラジアルフォイル軸受4によって支持されるシャフト5の外周5aには、ステータ3と対向しているロータ(回転子)6が設けられている。ロータ6は円筒状の永久磁石であって、ロータ6の外周面6aには、シャフト5の回転方向に沿って磁極が交互に着磁されている。
上記のステータ3とロータ6により発電用のジェネレータGが構成されており、ロータ6が回転することにより、コイル3bを貫く磁束が変化するとともに、コイル3bに誘導電流が流れる(即ち、電気が発生する)。
また、ハウジング2から突出しているシャフト5の端部5bには、気体から運動エネルギーを得るための羽根車(インペラ)7が固定されている。羽根車7は、図中の矢印Cで示す方向から流入する気体によって回転するとともに、図中の矢印Dで示す方向へ気体を排出する。
そして、上記のように羽根車7へ流入して排出される気体の流路を形成するために、ハウジング2には、羽根車7を覆うようにケーシング8が固定されている。従って、羽根車7は、ケーシング8の内部であってハウジング2の外部である空間Yにおいて回転する。
以上のように構成された、風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられるとともにハウジング2の外部において回転する羽根車7とを備え、羽根車7を用いて流体から運動エネルギーを得る流体機械である。
ここで、本実施形態においては、風力原動機1が、羽根車7とハウジング2とにより形成された空間Xの圧力を検出する圧力センサ9と、圧力センサ9の検出結果に基づいて空間Xの圧力を調整するための圧力調整装置10とをさらに備えている点に特徴がある。
より具体的には、ハウジング2には貫通孔2sが形成されて、この貫通孔2sを介して空間Xの圧力を検出する圧力センサ9が、ハウジング2の外周2dに設けられている。そして、圧力センサ9は、空間Xの圧力を随時検出して、この検出結果を示す信号を圧力調整装置10へ出力する。
このようにして圧力センサ9により随時検出される空間Xの圧力は、スラスト力が発生する際に変動する。即ち、羽根車7が低速で回転している場合は、矢印Cで示すように流入する気体の一部が空間Xへ流れ込み、空間Xの圧力が大きくなる。このような空間Xの圧力変動により、図中の矢印Dの方向へ羽根車7及びシャフト5が変位するようにスラスト力が発生する。また、羽根車7が高速で回転している場合は、多くの流体が矢印Dで示す方向へ気体が排出されることにより、空間Xの圧力が小さくなる。このような空間Xの圧力変動により、図中の矢印Eの方向へ羽根車7及びシャフト5が変位するようにスラスト力が発生する。従って、空間Xの圧力の大きさを検出することで、スラスト力の発生を検出することができる。
また、ハウジング2には、貫通孔2tが形成されることにより、空間Xと、風力原動機1の外部Zとが連通するための連通路2uが形成されている。風力原動機1の外部Zは、空間Xの圧力と異なる圧力を有する他の空間であって、羽根車7が回転していない状態においては空間Xの圧力と風力原動機1の外部Zの圧力は等しいが、羽根車7が回転することによって空間Xの圧力と風力原動機1の外部Zの圧力には差が生じる。なお、羽根車7が回転することによって外部Zの圧力が変動することはない。
圧力調整装置10は、上述の連通路2uを開閉する圧力調整弁11と、圧力センサ9の検出結果に基づき圧力調整弁11を制御する制御部12とから構成されおり、圧力センサ9から出力された信号は、制御部12へ入力される。
制御部12は、圧力調整弁11の開度を算出するためのプログラムに基づき演算処理を行う演算処理装置(不図示)や、上述のプログラムや風力原動機1の外部Zの圧力が記憶されたメモリ(不図示)等から構成されている。この制御部12は、圧力センサ9によって随時検出された空間Xの圧力に基づき、圧力調整弁11の開度を算出する。なお、空間Xの圧力と風力原動機1の外部Zの圧力との差が大きいほど、制御部12によって算出される圧力調整弁11の開度は大きい。
そして、制御部12は、圧力調整弁11が所定の開度となるように制御する。その結果、図中の矢印Dの方向へ羽根車7が変位するようにスラスト力が発生している場合は、上述のごとく、空間Xの圧力が大きくなっているため、空間Xにおける気体が、空間Xの圧力よりも小さい圧力を有する風力原動機1の外部Zへ排出されて、空間Xの圧力が小さくなるように調整される。また、図中の矢印Eの方向へ羽根車7が変位するようにスラスト力が発生している場合は、上述のごとく、空間Xの圧力が小さくなっているため、空間Xの圧力よりも大きい圧力を有する風力原動機1の外部Zから、空間Xへ気体が流入して、空間Xの圧力が大きくなるように調整される。
従って、圧力センサ9の検出結果が、空間Xの圧力が大きいことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が小さくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5の変位が抑制される。また、圧力センサ9の検出結果が、空間Xの圧力が小さいことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が大きくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5の変位が抑制される。
本実施形態の風力原動機1によれば、下記(1)、(2)の効果を得ることができる。
(1)風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられた羽根車7とを備え、羽根車7とハウジング2とにより形成された空間Xの圧力を検出する圧力センサ9と、空間Xの圧力を調整するための圧力調整装置10とをさらに備えている。このため、圧力センサ9の検出結果が、空間Xの圧力が大きいことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が小さくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。また、例えば、圧力センサ9の検出結果が、空間Xの圧力が小さいことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が大きくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。従って、アキシアル方向Aにおいてシャフト5を支持するためのスラスト気体軸受が不要となるため、風力原動機1の製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
(1)風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられた羽根車7とを備え、羽根車7とハウジング2とにより形成された空間Xの圧力を検出する圧力センサ9と、空間Xの圧力を調整するための圧力調整装置10とをさらに備えている。このため、圧力センサ9の検出結果が、空間Xの圧力が大きいことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が小さくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。また、例えば、圧力センサ9の検出結果が、空間Xの圧力が小さいことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が大きくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。従って、アキシアル方向Aにおいてシャフト5を支持するためのスラスト気体軸受が不要となるため、風力原動機1の製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
(2)ハウジング2には、空間Xと風力原動機1の外部Zとが連通するための連通路2uが形成され、圧力調整装置10は、連通路2uを開閉する圧力調整弁11と、圧力センサ9の検出結果に基づき圧力調整弁11を制御する制御部12とを備えている。このため、空間Xの圧力を調整する場合に、制御部12によって圧力調整弁11を開くように制御することで、空間Xの圧力と風力原動機1の外部Zとの圧力の差によって、気体を空間Xから排出させる、または気体を空間Xに流入させることができる。従って、圧力調整弁11の開閉を制御するだけの簡単な構成で空間Xの圧力を調整することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図2を参照しながら説明する。なお、ターボ機械の全体構成については、上述の第1の実施形態と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図2を参照しながら説明する。なお、ターボ機械の全体構成については、上述の第1の実施形態と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、風力原動機1が、アキシアル方向Aにおける羽根車7の変位を検出する変位センサ14と、変位センサ14の検出結果に基づいて羽根車7とハウジング2とにより形成された空間Xの圧力を調整するための圧力調整装置10とを備える点に特徴がある。
より具体的には、ハウジング2には、羽根車7の背面7aに対向する位置に変位センサ14が設けられている。変位センサ14は、変位センサ14から羽根車7までの距離(即ち、アキシアル方向Aにおける空間Xの長さ)を随時検出することでアキシアル方向Aにおける羽根車7の変位を検出して、この検出結果を示す信号を圧力調整装置10へ出力する。
このようにして変位センサ14により検出される羽根車7の変位は、スラスト力が発生していることを示している。即ち、上述したように、羽根車7が低速で回転している場合は、空間Xの圧力が大きくなるため、図中の矢印Dの方向へ羽根車7及びシャフト5が変位するようにスラスト力が発生して、羽根車7が矢印Dの方向へ変位する。また、上述したように、羽根車7が高速で回転している場合は、空間Xの圧力が小さくなるため、図中の矢印Eの方向へ羽根車7及びシャフト5が変位するようにスラスト力が発生して、羽根車7が矢印Eの方向へ変位する。従って、羽根車7の変位を検出することで、スラスト力の発生を検出することができる。
圧力調整装置10の制御部12は、変位センサ14の検出結果に基づき圧力調整弁11を制御するものであって、圧力調整弁11の開度を算出するためのプログラムに基づき演算処理を行う演算処理装置や、上述のプログラムが記憶されたメモリ等から構成されている。なお、この制御部12は、変位センサ14によって検出された羽根車7の変位に基づき、圧力調整弁11の開度を算出する。なお、羽根車7の変位が大きいほど、制御部12によって算出される圧力調整弁11の開度は大きい。
そして、制御部12は、圧力調整弁11が所定の開度となるように制御する。その結果、上述の第1の実施形態の場合と同様に、図中の矢印Dの方向へ羽根車7が変位している場合は、空間Xの圧力が大きくなっているため、空間Xにおける気体が、空間Xの圧力よりも小さい圧力を有する風力原動機1の外部Zへ排出されて、空間Xの圧力が小さくなるように調整される。また、図中の矢印Eの方向へ羽根車7が変位している場合は、空間Xの圧力が小さくなっているため、空間Xの圧力よりも大きい圧力を有する風力原動機1の外部Zから、空間Xへ気体が流入して、空間Xの圧力が大きくなるように調整される。
従って、変位センサ14の検出結果が、羽根車7がハウジング2から遠ざかる方向(即ち、図中の矢印Dの方向)へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が小さくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5の変位が抑制される。また、変位センサ14の検出結果が、羽根車7がハウジング2に近づく方向(即ち、図中の矢印Eの方向)へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が大きくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5の変位が抑制される。
本実施形態の風力原動機1によれば、下記(3)の効果と上記(2)の効果を得ることができる。
(3)風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられた羽根車7とを備え、アキシアル方向Aにおける羽根車7の変位を検出する変位センサ14と、変位センサ14の検出結果に基づいて空間Xの圧力を検出するための圧力調整装置10とをさらに備えている。このため、変位センサ14の検出結果が、羽根車7がハウジング2から遠ざかる方向へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が小さくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。また、変位センサ14の検出結果が、羽根車7がハウジング2に近づく方向へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が大きくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。従って、アキシアル方向Aにおいてシャフト5を支持するためのスラスト気体軸受が不要となり、風力原動機1の製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
(3)風力原動機1は、ハウジング2の内部において回転可能に支持されたシャフト5と、シャフト5に設けられた羽根車7とを備え、アキシアル方向Aにおける羽根車7の変位を検出する変位センサ14と、変位センサ14の検出結果に基づいて空間Xの圧力を検出するための圧力調整装置10とをさらに備えている。このため、変位センサ14の検出結果が、羽根車7がハウジング2から遠ざかる方向へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が小さくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。また、変位センサ14の検出結果が、羽根車7がハウジング2に近づく方向へ変位したことを示している場合は、圧力調整装置10によって空間Xの圧力が大きくなるように調整して、アキシアル方向Aにおいて、羽根車7が設けられたシャフト5が変位することを抑制することができる。従って、アキシアル方向Aにおいてシャフト5を支持するためのスラスト気体軸受が不要となり、風力原動機1の製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、圧力調整装置10は、圧力調整弁11と制御部12とを備えていたが、他の構成であってもよい。例えば、圧力調整弁11の代わりに、圧力調整ポンプ(不図示)を用いて、制御部12が、圧力センサ9または変位センサ14の検出結果に基づき圧力調整ポンプを制御するようにしてもよい。そして、圧力調整装置10は、空間Xの圧力を小さくするため、または大きくするために、ハウジング2に形成された貫通孔2tを介して、圧力調整ポンプを作動させることによって、空間Xから気体を排出させる、または空間Xに気体を流入させるようにしてもよい。このように構成しても上記(1)や(3)の効果を得ることができる。
・上記実施形態においては、ターボ機械は風力原動機1であったが、圧縮機であってもよい。この場合、ステータ3とロータ6により電動モータが構成され、コイル3bに電流が流れてステータ3が回転磁界を発生させることにより、ロータ6、シャフト5、及び羽根車7が回転する。そして、羽根車7は、流体である気体に運動エネルギーを与えるためのものであって、矢印Dの方向から気体を吸い込むとともに、矢印Cの反対の方向へ気体を圧送する。
A…アキシアル方向(シャフトの回転軸に平行な方向)、R…ラジアル方向、X…羽根車とハウジングとにより形成された空間、Y…空間(ハウジングの外部)、Z…風力原動機の外部(他の空間)、1…風力原動機(ターボ機械)、2…ハウジング、2u…連通路、3…ステータ、4…ラジアルフォイル軸受(気体軸受)、5…シャフト、6…ロータ、7…羽根車、8…ケーシング、9…圧力センサ、10…圧力調整装置、11…圧力調整弁、12…制御部、14…変位センサ。
Claims (3)
- ハウジングの内部において回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに設けられるとともに前記ハウジングの外部において回転する羽根車とを備えるターボ機械において、
前記羽根車と前記ハウジングとにより形成された空間の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサの検出結果に基づいて前記空間の圧力を調整するための圧力調整装置とをさらに備えることを特徴とするターボ機械。 - ハウジングの内部において回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに設けられるとともに前記ハウジングの外部において回転する羽根車とを備えるターボ機械において、
前記シャフトの回転軸に平行な方向における前記羽根車の変位を検出する変位センサと、前記変位センサの検出結果に基づいて前記羽根車と前記ハウジングとにより形成された空間の圧力を調整するための圧力調整装置とをさらに備えることを特徴とするターボ機械。 - 前記ハウジングには、前記空間と、前記空間の圧力と異なる圧力を有する他の空間とが連通するための連通路が形成され、
前記圧力調整装置は、前記連通路を開閉する圧力調整弁と、前記圧力センサの検出結果に基づき前記圧力調整弁を制御する制御部とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のターボ機械。
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---|---|---|---|---|
JP2011117600A (ja) * | 2009-12-02 | 2011-06-16 | General Electric Co <Ge> | 軸に影響するスラストを制御するシステム |
JP2011214405A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Honda Motor Co Ltd | スラストキャンセラ機構を備える遠心式圧縮機 |
JP2016223433A (ja) * | 2015-06-01 | 2016-12-28 | 株式会社Ihi | 遠心圧縮機、及び回転機械 |
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2008
- 2008-02-12 JP JP2008030534A patent/JP2009191638A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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