JP2011117600A - 軸に影響するスラストを制御するシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】スラスト荷重を低減しかつ/又はターボ機械が受けるスラストの変化を最小限に抑える改良されたシステムにおいて、現在知られているシステムより効率がよく、優れた費用効果で、ターボ機械に使用されるスラスト軸受を小型化できるようにして、回転子に加えられる総スラストを制御するシステムを提供する。
【解決手段】システムは回転子202の一部分を封入するチャンバ200を含み、シール系はチャンバ200及び回転子202を密封してもよく、流体系はチャンバ200に加圧流体を供給してもよく、流体は回転子202により加えられるスラストに対抗してもよく、システムは、回転子202の位置を監視し、総スラスト荷重を減少するために加圧流体を利用するように構成された制御系をさらに含んでもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、一般にターボ機械の動作に関し、特に、ターボ機械の回転子に作用する軸方向スラスト荷重を減少するシステムに関する。
蒸気タービン、ガスタービンなどのターボ機械は、発電及び推進を含むが、それらに限定されない多様な用途で動作する。ターボ機械の動作中、ターボ機械の回転子は高レベルの軸方向スラスト(以下、「スラスト」、「スラスト荷重」などと呼ぶ)を受ける。スラスト荷重を回転構成要素から静止構成要素へ伝達する周知の方法の1つは、スラスト軸受を採用する。スラスト軸受は、回転子及び関連する構成要素の回転を妨害することなくスラスト荷重を吸収する。一般に、スラスト軸受が受けるスラストのレベルは変化する。回転子の製造誤差及び流路圧力の変化はスラスト荷重を大きく変動させる可能性がある。ターボ機械の中には、そのような大きな変動を減少するために大型のスラスト軸受を使用するものがある。
スラスト荷重が相対的に一定のままであるか又はゆっくりと変化する場合に、ターボ機械の最良の動作が得られやすい。大型のスラスト軸受は相当な量の流体を必要とし大きな摩擦損失を受けるので、過剰な動力損失を発生し、ターボ機械の総効率を低下することもある。
この問題に対処する周知の方法の中には、スラストに対抗する力を発生するために動作流体(ターボ機械から取り出される)の一部を転送するものがある。しかし、この方法はターボ機械の総効率を低下する。
米国特許第4578018号明細書
従って、スラスト荷重を低減しかつ/又はターボ機械が受けるスラストの変化を最小限に抑える改良されたシステムが必要とされる。このシステムは、現在知られているシステムより効率がよく、優れた費用効果を示すべきである。このシステムは、ターボ機械で使用されるスラスト軸受を小型化できるようにすべきである。
本発明の一実施形態では、回転子(102)が受けるスラスト荷重を制御するシステムは、回転子(102)の一部分を封入し、回転子(102)の封入部分をほぼ取り囲む流体の流入及び流出を可能にする第1のポート及び第2のポートを具備し、回転子(102)に対するスラスト荷重を制御するように構成されたチャンバ(200)と、上流側に第1のポートが配置され、下流側に第2のポートが配置され、チャンバ(200)及び回転子(102)を動作可能に接続するように構成されたシール系(104)と、チャンバ(200)へ流体を送り出すように構成された流体供給系(318)と、スラスト荷重を変化させるために流体を利用するように構成されたコントローラ(340)とを備える。
本発明の別の実施形態では、回転子(102)に作用するスラスト荷重を制御するシステムは、ターボ機械の回転子(102)の一部分を封入し、回転子(102)の封入部分をほぼ取り囲む作動油の流入及び流出を可能にする第1のポート及び第2のポートを具備し、回転子(102)に対するスラスト荷重を制御するように構成されたチャンバ(200)と、第1のポートの上流側に配置され、作動油を第1の圧力でチャンバ(200)に流入させる第1の弁及び第2のポートの下流側に配置され、作動油を第2の圧力でチャンバ(200)から流出させる第2の弁と、上流側に第1のポートが配置され、下流側に第2のポートが配置され、チャンバ(200)及び回転子(102)を動作可能に接続するように構成されたシール系(204)と、チャンバ(200)へ作動油を送り出すように構成された油圧供給系(318)と、チャンバ(200)内における作動油の圧力を調整するように構成された蓄圧器(312)と、回転子(102)の現在の位置を判定し、スラスト荷重を変化させるために作動油を利用するように構成されたコントローラ(340)とを備える。
本発明のさらに別の実施形態では、回転子(102)の位置に影響するスラスト荷重を制御するシステムは、ターボ機械の回転子(102)の一部分を封入し、回転子(102)の封入部分をほぼ取り囲む空気圧流体の流入及び流出を可能にする第1のポート及び第2のポートを具備し、回転子(102)に対するスラスト荷重を制御するように構成されたチャンバ(200)と、第1のポートの上流側に配置され、空気圧流体を第1の圧力でチャンバ(200)に流入させる第1の弁及び第2のポートの下流側に配置され、空気圧流体を第2の圧力でチャンバ(200)から流出させる第2の弁と、上流側に第1のポートが配置され、下流側に第2のポートが配置され、チャンバ(200)及び回転子(102)を動作可能に接続するように構成されたシール系(204)と、チャンバ(200)へ空気圧流体を送り出すように構成された空気圧供給系(318)と、チャンバ(200)内の空気圧流体の圧力を調整する少なくとも1つの減圧弁と、回転子(102)の現在の位置を判定し、スラスト荷重を変化させるために空気圧流体を利用するように構成されたコントローラ(340)とを備える。
図1は、本発明の一実施形態に係るターボ機械のチャンバの一実施形態を示した概略図である。 図2は、本発明の別の実施形態に係るターボ機械のチャンバの一実施形態を示した概略図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る回転子に作用するスラストを調整するシステムを示したブロック図である。 図4は、本発明の別の実施形態に係る回転子に作用するスラストを調整するシステムを示したブロック図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る回転子に対するスラストを制御するために空気圧流体を使用するシステムを示したブロック図である。 図6は、本発明の別の実施形態に係る回転子に対するスラストを制御するために空気圧流体を使用するシステムを示した概略ブロック図である。
本発明の一実施形態は、ターボ機械の回転子が受けるスラストを制御するシステムを提供する。このターボ機械は、蒸気タービン、重荷重ガスタービン、航空転用型ガスタービンなどの形態をとってもよいが、それらに限定されない。システムは回転子部分を封入するチャンバを採用してもよい。チャンバは作動油などの加圧流体で充填されてもよいが、使用される加圧流体はそれに限定されない。流体はターボ機械の外側に配置された供給源から取り出されてもよい。シール系は、回転子部分と係合し、チャンバを複数の個別の部分に分割してもよい。各部分は、(チャンバを通して)チャンバに流体を流入させ、チャンバから流体を流出させるための少なくとも1つのポート及び構造を含んでもよい。これにより、回転子は両方向の力を受けることになってもよい。回転子を所望の方向に偏向するために、制御システムはチャンバ内の流体の圧力を変化させてもよい。この圧力変化は総スラストを制御し、総スラストの大きな変動を阻止してもよい。その結果、ターボ機械におけるエネルギー損失が減少されてもよい。
本明細書において使用されるある特定の用語は単に便宜上使用されるにすぎず、本発明を限定すると解釈されてはならない。例えば、「上部」、「下部」、「左」、「前面」、「右」「水平」、「垂直」、「上流側」、「下流側」、「前部」及び「後部」などの用語は、単に図面に示される構成を説明するにすぎない。実際、構成要素は任意の方向に向いていてもよく、従って、特に指示のない限り、それらの用語はそのような向きの変更も含むものと理解されるべきである。用語「下流側」及び「上流側」は、ターボ機械を通って流れる動作流体の流れに対する方向を示し、「下流側」は流れの方向であり、「上流側」は逆方向である。それらの用語に関連して、「後部」及び/又は「後縁部」は下流方向又は下流側端部を表し、「前部」又は「前縁部」は上流方向又は上流側端部を表す。さらに、「軸」方向又は「軸方向」位置は軸と平行である。
本明細書において例示的な実施形態が詳細に開示される。しかし、本明細書において開示される特定の構造及び機能の詳細は、単に例示的な実施形態を説明する目的で代表的な構造及び機能を説明するにすぎない。しかし、例示的な実施形態は多くの代替形態で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
従って、例示的な実施形態は種々の変形及び代替形態が可能であるが、実施形態は例として図示されており、本明細書において詳細に説明される。しかし、例示的な実施形態を開示される特定の形態に限定する意図はまったく存在しないことは理解されるべきである。例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入るすべての変形、同等物及び代替形態を含むべきである。
本明細書において種々の要素を説明するために第1、第2などの用語が使用されてもよいが、それらの要素がそれらの用語により限定されてはならないことは理解されるだろう。それらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するために使用されるだけである。例えば、第1の要素は例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく第2の要素と呼ばれてもよく、同様に、第2の要素は例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく第1の要素と呼ばれてもよいだろう。本明細書において使用される場合の用語「及び/又は」は、そこに挙げられている関連項目のうち1つ以上の項目のあらゆる組み合わせを含む。
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的として使用され、例示的な実施形態を限定することを意図しない。本明細書において使用される単数形は、明示して指示のない限り複数形をも含むことを意図する。さらに、本明細書において使用される場合の用語「備える」及び/又は「含む」は、そこに挙げられている特徴、数字、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの集合の存在又は追加を除外しないことが理解されるだろう。
なお、別の実施形態では、挙げられている機能/動作は図面に示される順序以外の順序で実施されてもよい。例えば、関連する機能/動作に応じて、連続する2つの図はほぼ同時に実行されてもよいが、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。
本発明の実施形態は、ターボ機械の回転子の一部分を部分的に取り囲む流体で充填されたチャンバを備えるシステムを提供する。チャンバは、回転子のその部分の周囲に圧力分布を発生する加圧流体で充填されてもよい。圧力分布は、回転子の位置に影響を与え、回転子を移動し、回転子が受けるスラスト荷重を減少することによって回転子に対するスラストに対抗できる力であると考えられてもよい。そこで図面を参照して説明する。図面中、いくつかの図において種々の図中符号は同じ部分を示す。図1は、本発明の一実施形態に係るターボ機械の中のチャンバ100の一実施形態を示した概略図である。図1は、回転子の総スラストを能動的に制御してもよいチャンバ100を有するターボ機械の一部を示す。チャンバ100の一実施形態は回転子部分102の一端部を封入してもよく、回転子のその他の部分(図示せず)は、パワートレイン、負荷又はターボ機械と関連する他の構成要素などを含むが、それらに限定されない動作構成要素に接続されてもよい。
チャンバ100は、ターボ機械から独立した供給源から取り出される加圧流体で充填されてもよい。例えば、蒸気タービンの場合、チャンバ100内の流体は蒸気流路とは別であってもよいが、それに限定されない。その場合、動作流体(蒸気)はスラスト荷重を調整するために抽出されず、それにより、本発明によって起こりうる蒸気タービン効率の劣化が回避されるだろう。チャンバ100の一実施形態は油圧チャンバと呼ばれてもよく、その場合、チャンバは回転子部分102をほぼ取り囲む流体によって充填されてもよい。その場合、流体は作動油であってもよい。チャンバ100の他の実施形態では、流体は、圧縮空気であってもよく、あるいは同様の用途で使用可能な他の任意の液圧流体又は空気圧流体であってもよい。
回転子部分102はチャンバ100の中で回転する。回転子部分102から外側へ円形回転子部分103が延出し、チャンバ100をほぼ充填してもよい。本発明の一実施形態では、回転子部分102はターボ機械回転子の機械加工構造であってもよい。回転子部分103は、溶接などによりターボ機械回転子に新たに追加された構造であってもよい。密封系104は、回転子部分102とチャンバ壁との間の内側間隙を密封し、チャンバ100の内部を2つの部分106及び108に分割してもよい。密封系104とチャンバ100との動作可能接続構造は、当該技術において周知である従来の構造であってもよい。
図1に示されるように、チャンバ100の一方の側にポート110及び112が配置されてもよく、反対側にポート114及び116が配置されてもよい。ポート110、112、114及び116は、2つの部分106及び108の内部を流体供給系に接続するために使用されてもよい。部分106及び108に対する流体の流入及び流出は、外部供給源を介して流体を受け入れる流体供給系を介して容易に実現されてもよい。本発明の一実施形態では、ポート110及び112は密封系104の上流側に配置されてもよく、ポート114及び116は密封系104の下流側に配置されてもよい。本発明の一実施形態では、密封系104は固定壁と回転部材との間にシールを形成してもよく、加圧流体の動作パラメータは約3000psiまでの範囲の圧力である。
動作中、加圧流体はポート110、112、114及び116のうち少なくとも1つのポートを介してチャンバ100に流入してもよい。その後、加圧流体は、正味スラストを所望の量だけ偏倚させかつ/又は回転子を所望の方向に移動するのに十分な力で回転子部分102に衝突してもよい。正規動作分散と結合されたポート110、112、114及び116に接続された外部圧力源は、チャンバ100の一方の部分106又は108に他方の部分より高い圧力を加えることにより、チャンバ100に「高圧」部分と「低圧」部分を形成してもよい。本発明の一実施形態では、いずれか一方の部分106、108は「高圧」部分として機能してもよい。
図2は、本発明の別の実施形態に係るターボ機械の中のチャンバ200の一実施形態を示した概略図である。本実施形態では、チャンバ200は回転子の中間に配置されてもよい。チャンバ200は回転子202の中心に近い場所などの回転子の場所に配置されるのが好都合であるが、配置場所はそれに限定されない。本実施形態では、チャンバ200は回転子の両端部を他の構成要素と接続させてもよい。回転子202と一体に取り付けられた回転子部分203は、チャンバ200により部分的に封入されてもよい。密封系204は、回転子部分203と内面との間にシールを形成することにより、チャンバ200の内部ボリュームを2つの部分206及び208に分割してもよい。本実施形態では、各部分は、チャンバ200の内部に対する流体の流入又は流出を可能にするポートを含んでもよい。本発明の一実施形態はポート210、212、214及び216を含んでもよい。回転子におけるチャンバ200の配置場所を除き、動作は、図1に関連して説明した本発明の実施形態と同一であってもよい。
本発明の実施形態では、スラスト荷重を減少するために、回転子部分102/202の上流側端部に高圧流体が注入されてもよい。その場合、図3〜図6に関連して以下に説明されるように、チャンバ100の各部分106、108/206、208に作用するスラストは個別に制御されてもよい。図3〜図6において説明されるシステムは、図1及び図2で説明された本発明の実施形態と統合されてもよい。
図3は、本発明の実施形態に係る回転子に作用するスラストを調整するシステムを示したブロック図である。図1に関連して説明したように、チャンバ100は回転子部分102を封入することにより、回転子部分102の両側でチャンバ100を2つの部分106、108に分割してもよい。
スラストに対抗するために、システム300は、チャンバ100の両側に接続された圧力タンク302、306などの圧力源を含んでもよいが、圧力源は圧力タンクに限定されない。チャンバ100の上流側ポート112は圧力タンク302に接続されてもよく、下流側ポート116は圧力タンク304に接続されてもよい。圧力タンク302及び304は、チャンバ100の各部分に作用する圧力を制御することにより回転子スラストを減少するために使用される流体を格納してもよい。図示されるように、圧力タンク302は、蓄圧器306、上限スイッチ308及び下限スイッチ310に接続されてもよい。同様に、圧力タンク304は、蓄圧器312、上限スイッチ314及び下限スイッチ316に接続されてもよい。蓄圧器306及び312は、チャンバ100内の流体圧力を調整するように構成されてもよい。システム300は、圧力タンク302及び304に流体を供給するか又は圧力タンク302及び304から流体を受け取る流体供給系318をさらに含んでもよい。流体の流入又は流出を可能にするために、流体供給系318は、制御弁320、322、324及び326並びにポンプ328に接続されてもよい。
図3に示されるように、チャンバ100の上流側部分は、下流側部分より大きい回転子部分102のスラストを受けてもよい。通常、この圧力差により、加圧流体は高圧側から低圧側に(図3の左側から右側に向かって)漏れる。
本発明の一実施形態では、ポンプ330は圧力タンク302からチャンバ100の上流側ポート112に加圧流体を注入してもよい。先に説明したように、この高圧流体はスラスト荷重に対抗するように作用してもよい。下流側への流体漏れは、圧力タンク302における流体レベルを一定の速度で低下させてもよい。その場合、ポンプ328は流体レベルを所望の範囲まで回復させてもよい。下流側への流体漏れは、ポンプ332を介して圧力タンク304の圧力を連続的に上昇させてもよい。その場合、制御弁326は、余分な流体を圧力タンク304から流出させ、流体供給系318に流入させてもよい。
この漏れの問題を克服するために、システム300は、チャンバ100の両側に独立した圧力制御手段を含んでもよい。下限スイッチ310及び上限スイッチ314は、流体レベルを選択されたレベルの間に維持するように動作してもよい。当該技術において周知であるように、この制御を実現するために種々の制御メカニズム及び制御方法が採用されてもよい。
システム300は、回転子部分102の位置を監視するためのコントローラ340などの制御システムをさらに含んでもよいが、制御システムはコントローラ340に限定されない。スラスト荷重の値に基づいて、コントローラ340は、スラスト荷重を所望の値に減少すること及び/又は回転子を所望の位置に位置決めすることを目標として、圧力源(圧力タンク302又は304)からチャンバ100への流体圧力を制御してもよい。コントローラ340は、チャンバ100の両側の流体を所望の範囲に維持することを目標として、制御弁(320、322、324及び326)及びリミットスイッチ(308、310、314及び316)の起動又は停止を制御してもよい。
本発明の一実施形態の独立圧力源は、チャンバ100の両側に接続されてもよく、回転子スラストを所望の範囲に操作するため及び/又はスラストを所望の方向に偏向された状態に保持するために変形されてもよい。
本発明の別の実施形態では、システム300は冷却器334をさらに含んでもよい。冷却器334はポート110及び114を介してチャンバ100に接続されてもよい。冷却器334は、回転子スラスト及びそのスラストに対抗するために高圧流体を注入する処理と関連して発生する熱を吸収してもよい。熱を吸収することにより、ターボ機械内部の動力損失が減少し、効率を向上できる。
図4は、本発明の別の実施形態に係る回転子部分102に作用するスラストを調整するシステム400を示したブロック図である。本実施形態では、システム400は回転子スラスト制御を実行する簡略化されたシステムを示してもよい。システム400はチャンバ100を含む。上流側ポート110及び112は制御弁402及び404などの制御弁に接続されてもよく、チャンバ100の下流側ポート114及び116は制御弁406及び408に接続されてもよい。制御弁402及び406は連係して動作してもよく、同様に、制御弁404及び408は連係して動作してもよい。
システム400は、例えば、チャンバ100に油を供給する従来の潤滑油系410などの流体供給系を含んでもよいが、それに限定されない。ポンプ412は、潤滑油系410の下流側ポートに接続されてもよく、チャンバ100に一定の圧力出力を供給してもよい。さらに、チャンバ100に流入する油により加えられる圧力を変化させるために、バイパス弁414が潤滑油系410に装着されてもよい。本発明の一実施形態は、全開位置から全閉位置まで動作するバイパス弁414を含んでもよい。全閉位置にある場合、潤滑油系410から流出した油は回転子部分102の上流側端部に最大圧力を加えてもよい。バイパス弁414が全開位置で動作する場合、油は回転子部分102の上流側端部に最小圧力を加えてもよい。さらに、バイパス弁414の位置は、回転子部分102に作用するスラストを変化させてもよい。
システム400の一実施形態は複数のモードで動作してもよい。1つのモードは制御弁402及び406の動作と関連し、別のモードは制御弁404及び408の動作と関連する。第1の動作モードにおいて、制御弁402及び406は開放されてもよく、制御弁404及び408は閉鎖されてもよい。その場合、スラストを制御するために、ポンプ412は制御弁402を介して回転子部分102の上流側端部に高圧流体を供給してもよい。チャンバ100の下流側ポート114からの漏れ流体は、制御弁406を介して潤滑油系410に戻されてもよい。
別の動作モードにおいて、制御弁404及び408は開放されてもよく、制御弁402及び406は閉鎖されてもよい。その場合、ポンプ412は潤滑油系410から高圧側へ流体を供給してもよく、漏れ流体は制御弁408を介して潤滑油系410に戻されてもよい。
動作中、制御システム440は、チャンバ100内で所望のスラストを維持するためにチャンバ100に作用するスラストを監視し、バイパス弁414の動作を制御してもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る回転子102に対するスラストを制御するために空気圧流体を使用するシステムを示したブロック図である。本実施形態は、圧縮空気などの空気圧流体によるスラスト制御を可能にしてもよいが、使用される空気圧流体は圧縮空気に限定されない。先に説明した実施形態とは異なり、本実施形態のシステムは、種々の工業用途で一般的に使用されている容易に入手可能な圧縮空気系と容易に統合されてもよい。
システム500の一実施形態は、空気圧流体で充填され、回転子部分102を部分的に取り囲むチャンバ100(図1に示される)を含んでもよい。チャンバ100は、チャンバ100に対する空気圧流体の流入又は流出を可能にする一連の制御弁502、504、506及び508に接続されてもよい。制御弁502及び504は連係して動作してもよく、同様に、制御弁506及び508は連係して動作してもよい。
本発明の一実施形態では、チャンバ100の両側の圧力は、減圧弁510及び512などの減圧弁を使用して調整されてもよい。減圧弁510及び512は、チャンバ100内の空気圧流体の圧力を調整するように構成されてもよい。総スラストを制御するために、システム500は高圧側の上流に配置された減圧弁を作動してもよい。
図5は、チャンバ100の一方の側が空気圧流体により高圧を受けることをさらに示す。この高圧は減圧弁510並びに対応する制御弁506及び508を動作させてもよい。必要に応じて、減圧弁510は制御弁508を介して高圧空気圧流体をチャンバ100の上流側ポート110に供給してもよい。これにより、回転子部分102に作用するスラストに対抗するための対抗力が回転子部分102に加えられてもよい。その結果、漏れ流体が高圧側から低圧側へ流れてもよい。
システム500の一実施形態は、減圧弁510及び512とは逆の態様で動作する減圧弁514をさらに含んでもよい。制御弁502及び506の上流側に配置された減圧弁514は、低圧側に作用する圧力を制御する背圧調整器として機能してもよい。減圧弁514は空気圧流体の供給圧力を調整するように構成されてもよい。システム500は、回転子部分102の上流側端部及び下流側端部に対するスラストを制御可能であるように機能する。動作中、先に説明したように、制御システム540は回転子部分に作用するスラストを制御するためにシステム500を動作させてもよい。
図6は、本発明の別の実施形態に係る回転子に対するスラストを制御するために空気圧流体を使用するシステム600を示したブロック図である。図6は遮断弁602を使用するシステム600の一実施形態を示す。遮断弁602は、潤滑油系604の下流側に配置されてもよく、チャンバ100のポート112及び116の上流側に接続されてもよい。図4に関連して説明したように、潤滑油系604はポンプ606及びバイパス弁608に装着されてもよい。ポンプ606はチャンバ100に加圧流体を供給してもよく、バイパス弁608は加圧流体の圧力を調整するために使用されてもよい。
遮断弁602の一実施形態は、油圧系で従来使用されている単一の弁を含んでもよく、3つの位置で動作してもよい。図6に示されるように、実線及び破線は弁が動作可能である2つの位置を示す。位置610は遮断弁602の平行位置を示してもよく、位置620は遮断弁602の交差位置を示してもよい。位置610において、高圧流体はポンプ606を介して上流側ポート112に供給されてもよい。その後、漏れによって、流体は遮断弁602を介して潤滑油系604に供給されてもよい。
位置612において、遮断弁602が下方の位置へ移動することにより、高圧流体は下流側ポート116を介してチャンバ100に注入されてもよい。この流体は、遮断弁602を通り、ポート112を介して潤滑油系604に戻されてもよい。第3の位置において、遮断弁602はチャンバ100と潤滑油系604との間の流体の流路を遮断してもよい。
回転子部分102を介してターボ機械の総スラストを操作するために、コントローラ640は、回転子に加えられるスラストを監視し、遮断弁602の位置を制御してもよい。
本発明の実施形態は、スラスト軸受を小型化できるという利点を提供してもよい。従来、ターボ機械の構成及び複雑さの関係上、スラストを吸収するために少なくとも2つのスラスト軸受が通常使用される。ターボ機械は、スラストを一方向に偏向させるように設計されなければならないので、チャンバ100の一実施形態は、スラストが所望の方向に偏向された状態を保持するために採用されてもよい。スラストを所望の方向に制御し、総正味スラストを減少することにより、スラスト軸受は1つで済む。その結果、本発明の一実施形態は、第2のスラスト軸受を不要にしかつ/又は必要とされる軸受を小型化してもよい。
本発明の他の可能な実施形態を形成するために、いくつかの例示的な実施形態に関連して先に説明した多くの種々の特徴及び構成がさらに選択的に適用されてもよいことは当業者には理解されるだろう。さらに、添付のいくつかの特許請求の範囲に含まれるあらゆる組み合わせ及び可能な実施形態は本出願の一部であることが意図されてはいるが、本発明の可能なすべての形態が繰り返して提供又は詳細に説明されないことは当業者には理解されるだろう。また、本発明のいくつかの例示的な実施形態の以上の説明から、当業者は改善、変更及び変形を認識するだろう。当該技術の範囲内のそのような改善、変更及び変形も添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、以上の説明は本出願の説明された実施形態のみに関するが、特許請求の範囲及びそれと同等のものにより定義される本出願の趣旨及び範囲から逸脱せずに多くの変更及び変形が実施されてもよいことは明らかなはずである。
100 油圧チャンバ
102 回転子部分
103 回転子部分
104 密封系
106、108 チャンバ部分
110、112、114、116 ポート
200 油圧チャンバ
202 回転子部分
203 回転子部分
204 密封系
206、208 チャンバ部分
210、212、214、216 ポート
300 例示的なシステム
302 圧力タンク
304 圧力タンク
306 蓄圧器
308 上限スイッチ
310 下限スイッチ
312 蓄圧器
314 上限スイッチ
316 下限スイッチ
318 流体系
320、322、324、326 制御弁
328、330 ポンプ
340 制御システム
334 冷却器
400 制御システム
402、404、406、408 制御弁
410 潤滑油系
412 ポンプ
414 バイパス弁
440 制御システム
500 システム
502、504、506、508 制御弁
510、512 減圧弁
514 減圧弁
540 制御システム
600 システム
602 遮断弁
604 潤滑油系
606 ポンプ
608 バイパス弁
610 平行位置
612 交差位置
640 制御システム

Claims (10)

  1. 回転子(102)が受けるスラスト荷重を制御するシステムであって、
    前記回転子(102)の一部分を封入し、前記回転子(102)の前記一部分をほぼ取り囲む流体の流入及び流出を可能にする第1のポート及び第2のポートを具備し、前記回転子(102)に加えられるスラスト荷重を制御するように構成されたチャンバ(200)と、
    上流側に前記第1のポートが配置され、下流側に前記第2のポートが配置され、前記チャンバ(200)及び前記回転子(102)を動作可能に接続するように構成されたシール系(104)と、
    前記チャンバ(200)へ前記流体を送り出すように構成された流体供給系(318)と、
    スラスト荷重を変化させるために前記流体を利用するように構成されたコントローラ(340)と
    を備えるシステム。
  2. 前記第1のポートの上流側に配置され、前記流体を第1の圧力で前記チャンバ(200)に流入させる第1の弁と、前記第2のポートの下流側に配置され、前記流体を第2の圧力で前記チャンバ(200)から流出させる第2の弁とをさらに備える、請求項1記載のシステム。
  3. 前記チャンバ(200)は前記回転子(102)の一端に隣接して配置される、請求項2記載のシステム。
  4. 前記チャンバ(200)は前記回転子(102)の中間場所に隣接して配置される、請求項2記載のシステム。
  5. 前記流体は作動油である、請求項2記載のシステム。
  6. 前記流体供給系(318)は、前記チャンバ(200)内における前記作動油の圧力を調整するように構成された蓄圧器(312)を備える、請求項5記載のシステム。
  7. 前記流体供給系(318)の下流側でしかも前記第1のポート及び前記第2のポートの上流側に配置された遮断弁(602)をさらに備える、請求項1記載のシステム。
  8. 前記流体は空気圧流体であり、前記流体供給系(318)は、前記チャンバ(200)内における前記空気圧流体の圧力を調整する少なくとも1つの減圧弁を備える、請求項2記載のシステム。
  9. 回転子(102)に作用するスラスト荷重を制御するシステムであって、
    ターボ機械の回転子(102)の一部分を封入し、前記回転子(102)の前記一部分をほぼ取り囲む作動油の流入及び流出を可能にする第1のポート及び第2のポートを具備し、前記回転子(102)に作用するスラスト荷重を制御するように構成されたチャンバ(200)と、
    前記第1のポートの上流側に配置され、前記作動油を第1の圧力で前記チャンバ(200)に流入させる第1の弁及び前記第2のポートの下流側に配置され、前記作動油を第2の圧力で前記チャンバ(200)から流出させる第2の弁と、
    上流側に前記第1のポートが配置され、下流側に前記第2のポートが配置され、前記チャンバ(200)及び前記回転子(102)を動作可能に接続するように構成されたシール系(204)と、
    前記チャンバ(200)へ前記作動油を送り出すように構成された油圧供給系(318)と、
    前記チャンバ(200)内における前記作動油の圧力を調整するように構成された蓄圧器(312)と、
    前記回転子(102)の現在の位置を判定し、スラスト荷重を変化させるために前記作動油を利用するように構成されたコントローラ(340)と
    を備えるシステム。
  10. 回転子(102)の位置に影響するスラスト荷重を制御するシステムであって、
    前記回転子(102)の一部分を封入し、前記回転子(102)の前記一部分をほぼ取り囲む空気圧流体の流入及び流出を可能にする第1のポート及び第2のポートを具備し、前記回転子(102)に対するスラスト荷重を制御するように構成されたチャンバ(200)と、
    前記第1のポートの上流側に配置され、前記空気圧流体を第1の圧力で前記チャンバ(200)に流入させる第1の弁及び前記第2のポートの下流側に配置され、前記空気圧流体を第2の圧力で前記チャンバ(200)から流出させる第2の弁と、
    上流側に前記第1のポートが配置され、下流側に前記第2のポートが配置され、前記チャンバ(200)及び前記回転子(102)を動作可能に接続するシール系(204)と、
    前記チャンバ(200)へ前記空気圧流体を送り出すように構成された空気圧供給系(318)と、
    前記チャンバ(200)内における前記空気圧流体の圧力を調整する少なくとも1つの減圧弁と、
    前記回転子(102)の現在の位置を判定し、スラスト荷重を変化させるために前記空気圧流体を利用するように構成されたコントローラ(340)と
    を備えるシステム。
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