JP2005091058A - トロイダル型無段変速機用試験装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機用試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 変速比制御の為の制御弁12、差圧シリンダ54、補正用制御弁、圧力センサ等の特性を、容易且つ正確に求められる構造を実現する。
【解決手段】 変速比調節用のアクチュエータに見合う第一の油圧シリンダユニット60と、トロイダル型無段変速機の運転時にこのアクチュエータに加わるスラスト荷重を発生させる為の第二の油圧シリンダユニット61とを設ける。特性を求めるべき上記各構成要素12、54等により、上記第一の油圧シリンダユニット60に導入する油圧を制御する為の制御回路を構成する。上記第二の油圧シリンダユニット61により上記第一の油圧シリンダユニット60にスラスト荷重を付与しつつ、上記制御回路によりこの第一の油圧シリンダユニット60に導入する油圧を制御する事で、上記各構成要素12、54等の特性を求められる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、遊星歯車式変速機等の歯車式の差動機構と組み合わされて無段変速装置を構成する、トロイダル型無段変速機の変速比制御の為の変速比制御ユニットの性能を試験する為に利用する試験装置に関する。
自動車用自動変速装置として、図5〜7に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力軸1の両端部周囲に入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に出力側ディスク5、5を、それぞれスプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれ支持部材であるトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図5、7の上下方向、図6の表裏方向)両端部に、これら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた枢軸9、9を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、油圧式のアクチュエータ10、10により、これら各トラニオン7、7を上記枢軸9、9の軸方向に変位させる事で行なうが、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
即ち、前記入力軸1と出力歯車4との間の変速比を変えるべく、上記各トラニオン7、7の傾斜角度を変える場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図7の右側のパワーローラ6を同図の下側に、同図の左側のパワーローラ6を同図の上側に、それぞれ同じ距離だけ変位させる。この結果、これら各パワーローラ6、6の周面と上記各入力側ディスク2、2及び各出力側ディスク5、5の内側面との当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化(当接部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板11、11に枢支された枢軸9、9を中心として、互いに逆方向に揺動(傾斜)する。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との当接位置が変化し、上記入力軸1と出力歯車4との間の回転変速比が変化する。
上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排状態は、これら各アクチュエータ10、10の数に関係なく1個の制御弁12により行ない、何れか1個のトラニオン7の動きをこの制御弁12にフィードバックする様にしている。この制御弁12は、ステッピングモータ13により軸方向(図7の左右方向、図5の表裏方向)に変位させられるスリーブ14と、このスリーブ14の内径側に軸方向の変位自在に嵌装されたスプール15とを有する。又、上記各トラニオン7、7と上記各アクチュエータ10、10のピストン16、16とを連結するロッド17、17のうち、何れか1個のトラニオン7に付属のロッド17の端部にプリセスカム18を固定しており、このプリセスカム18とリンク腕19とを介して、上記ロッド17の動き、即ち、軸方向の変位量と回転方向の変位量との合成値を上記スプール15に伝達する、フィードバック機構を構成している。又、上記各トラニオン7、7同士の間には同期ケーブル20を掛け渡して、油圧系の故障時にも、これら各トラニオン7、7の傾斜角度を、機械的に同期させられる様にしている。
変速状態を切り換える際には、上記ステッピングモータ13により上記スリーブ14を、得ようとする変速比に見合う所定位置にまで変位させて、上記制御弁12の所定方向の流路を開く。この結果、上記各アクチュエータ10、10に圧油が、所定方向に送り込まれて、これら各アクチュエータ10、10が上記各トラニオン7、7を所定方向に変位させる。即ち、上記圧油の送り込みに伴ってこれら各トラニオン7、7が、前記各枢軸9、9の軸方向に変位しつつ、これら各枢軸9、9を中心に揺動する。そして、上記何れか1個のトラニオン7の動き(軸方向及び揺動変位)が、上記ロッド17の端部に固定したプリセスカム18とリンク腕19とを介して上記スプール15に伝達され、このスプール15を軸方向に変位させる。この結果、上記トラニオン7が所定量変位した状態で、上記制御弁12の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排が停止される。
この際の上記トラニオン7及び上記プリセスカム18のカム面21の変位に基づく上記制御弁12の動きは、次の通りである。先ず、上記制御弁12の流路が開かれる事に伴って上記トラニオン7が軸方向に変位すると、前述した様に、パワーローラ6の周面と入力側ディスク2及び出力側ディスク5の内側面との当接部に発生するサイドスリップにより、上記トラニオン7が上記各枢軸9、9を中心とする揺動変位を開始する。又、上記トラニオン7の軸方向変位に伴って上記カム面21の変位が、上記リンク腕19を介して上記スプール15に伝わり、このスプール15が軸方向に変位して、上記制御弁12の切り換え状態を変更する。具体的には、上記アクチュエータ10により上記トラニオン7を中立位置に戻す方向に、上記制御弁12が切り換わる。
従って上記トラニオン7は、軸方向に変位した直後から、中立位置に向け、逆方向に変位し始める。但し、上記トラニオン7は、中立位置からの変位が存在する限り、上記各枢軸9、9を中心とする揺動を継続する。この結果、上記プリセスカム18のカム面21の円周方向に関する変位が、上記リンク腕19を介して上記スプール15に伝わり、このスプール15が軸方向に変位する。そして、上記トラニオン7の傾斜角度が、得ようとする変速比に見合う所定角度に達した状態で、このトラニオン7が中立位置に復帰すると同時に、上記制御弁12が閉じられて、上記アクチュエータ10への圧油の給排が停止される。この結果上記トラニオン7の傾斜角度が、前記ステッピングモータ13により前記スリーブ14を軸方向に変位させた量に見合う角度になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸22により一方(図5、7の左方)の入力側ディスク2を、図示の様なローディングカム式の押圧装置23を介して回転駆動する。この結果、前記入力軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
この様に上記各入力側ディスク2、2から上記各出力側ディスク5、5に動力を伝達する際に、上記各トラニオン7、7には、それぞれの内側面に支持した上記各パワーローラ6、6の周面と上記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)での摩擦に伴って、それぞれの両端部に設けた枢軸9、9の軸方向の力が加わる。この力は、所謂2Ftと呼ばれるもので、その大きさは、上記各入力側ディスク2、2から上記各出力側ディスク5、5(或は出力側ディスク5、5から入力側ディスク2、2)に伝達するトルクに比例する。そして、この様な力2Ftは、前記各アクチュエータ10、10により支承する。従って、トロイダル型無段変速機の運転時に、これら各アクチュエータ10、10を構成するピストン16、16の両側に存在する1対の油圧室24a、24b同士の間の圧力差は、上記力2Ftの大きさに比例する。
上記入力軸1と出力歯車4との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を上記各枢軸9、9の軸方向に移動させ、これら各トラニオン7、7を図6に示す位置に揺動させる。そして、上記各パワーローラ6、6の周面をこの図6に示す様に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図6と反対方向に揺動させ、上各パワーローラ6、6の周面を、この図6に示した状態とは逆に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、入力軸1と出力歯車4との間で、中間の変速比(速度比)を得られる。
更に、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場合、遊星歯車機構等の歯車式の差動ユニットと組み合わせて無段変速装置を構成する事が、従来から提案されている。例えば特許文献1には、所謂ギヤード・ニュートラルと呼ばれ、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる無段変速装置が記載されている。図8は、この様な特許文献1に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機25と遊星歯車式変速機26とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速機25は、入力軸1と、1対の入力側ディスク2、2と、出力側ディスク5aと、複数のパワーローラ6、6とを備える。図示の例では、この出力側ディスク5aは、1対の出力側ディスクの外側面同士を突き合わせて一体とした如き構造を有する。
又、上記遊星歯車式変速機26は、上記入力軸1及び一方(図8の右方)の入力側ディスク2に結合固定されたキャリア27を備える。このキャリア27の径方向中間部に、その両端部にそれぞれ遊星歯車素子28a、28bを固設した第一の伝達軸29を、回転自在に支持している。又、上記キャリア27を挟んで上記入力軸1と反対側に、その両端部に太陽歯車30a、30bを固設した第二の伝達軸31を、上記入力軸1と同心に、回転自在に支持している。そして、上記各遊星歯車素子28a、28bと、上記出力側ディスク5aにその基端部(図8の左端部)を結合した中空回転軸32の先端部(図8の右端部)に固設した太陽歯車33又は上記第二の伝達軸31の一端部(図8の左端部)に固設した太陽歯車30aとを、それぞれ噛合させている。又、一方(図8の左方)の遊星歯車素子28aを、別の遊星歯車素子34を介して、上記キャリア27の周囲に回転自在に設けたリング歯車35に噛合させている。
一方、上記第二の伝達軸31の他端部(図8の右端部)に固設した太陽歯車30bの周囲に設けた第二のキャリア36に遊星歯車素子37a、37bを、回転自在に支持している。尚、この第二のキャリア36は、上記入力軸1及び第二の伝達軸31と同心に配置された、出力軸38の基端部(図8の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車素子37a、37bは、互いに噛合すると共に、一方の遊星歯車素子37aが上記太陽歯車30bに、他方の遊星歯車素子37bが、上記第二のキャリア36の周囲に回転自在に設けた第二のリング歯車39に、それぞれ噛合している。又、上記リング歯車35と上記第二のキャリア36とを低速用クラッチ40により係脱自在とすると共に、上記第二のリング歯車39とハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ41により係脱自在としている。
上述の様な、図8に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ40を接続すると共に上記高速用クラッチ41の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記リング歯車35を介して上記出力軸38に伝えられる。そして、前記トロイダル型無段変速機25の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸1と上記出力軸38との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を調節する事により、上記入力軸1を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸38の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
尚、この様な低速モード状態での加速若しくは定速走行時に、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)は、上記入力軸1から、キャリヤ27及び第一の伝達軸29と太陽歯車33と中空回転軸32とを介して出力側ディスク5aに加わり、更にこの出力側ディスク5aから各パワーローラ6、6を介して各入力側ディスク2、2に加わる。即ち、加速若しくは定速走行時に上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクは、上記各入力側ディスク2、2が上記各パワーローラ6、6からトルクを受ける方向に循環する。
これに対して、上記低速用クラッチ40の接続を断ち、上記高速用クラッチ41を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記第一、第二の伝達軸29、31を介して上記出力軸38に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
尚、この様な高速モード状態での加速若しくは定速走行時に、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクは、各入力側ディスク2、2が各パワーローラ6、6にトルクを付加する方向に加わる。
例えば図8に示す様な構造を有し、入力軸1を回転させた状態のまま出力軸38を停止させる、所謂無限大の変速比を実現できる無段変速装置の場合、この出力軸38を停止させた状態を含み、変速比を極端に大きくした状態で、上記トロイダル型無段変速機25に加わるトルクを適正値に維持する事が、このトロイダル型無段変速機25の耐久性確保と、運転操作の容易性確保との面から重要である。何となれば、「回転駆動力=回転速度×トルク」の関係から明らかな通り、変速比が極端に大きく、上記入力軸1が回転したまま上記出力軸38が停止又は極低速で回転する状態では、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)が、上記入力軸1に加わるトルクに比べて大きくなる。この為、上記トロイダル型無段変速機25の耐久性を、このトロイダル型無段変速機25を大型化する事なく確保する為には、上述の様にトルクを適正値に納める為に厳密な制御を行なう必要が生じる。具体的には、上記入力軸1に入力するトルクをできるだけ小さくしつつ、上記出力軸38を停止させる為、駆動源を含めた制御が必要になる。
又、上記変速比が極端に大きな状態では、上記トロイダル型無段変速機25の変速比が僅かに変化した場合にも、上記出力軸38に加わるトルクが大きく変化する。この為、上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節が厳密に行なわれないと、運転者に違和感を与えたり、運転操作を行ないにくくする可能性がある。例えば、自動車用の自動変速装置の場合、停止時には運転者がブレーキを踏んだままで、停止状態を維持する事が行なわれる。この様な場合に、上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節が厳密に行なわれず、上記出力軸38に大きなトルクが加わると、停車時に上記ブレーキペダルを踏み込む為に要する力が大きくなり、運転者の疲労を増大させる。逆に、発進時に上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節が厳密に行なわれず、上記出力軸38に加わるトルクが小さ過ぎると、滑らかな発進が行なわれなくなったり、上り坂での発進時に車両が後退する可能性がある。従って、停止時若しくは極低速走行時には、駆動源から上記入力軸1に伝達するトルクを制御する他、上記トロイダル型無段変速機25の変速比調節を厳密に行なう必要がある。
この様な点を考慮して、特許文献2には、トラニオンを変位させる為の油圧式のアクチュエータ部分の圧力差を直接制御する事により、トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)を規制する構造が記載されている。
但し、上記特許文献2に記載されている様な構造の場合には、上記圧力差のみで制御を行なう為、上記通過トルクが目標値に一致した瞬間にトラニオンの姿勢を停止させる事が難しい。具体的には、トルク制御の為に上記トラニオンを変位させる量が大きくなる為、上記通過トルクが目標値に一致した瞬間にトラニオンが停止せずにそのまま変位を継続する、所謂オーバシュート(更にはこれに伴うハンチング)が生じ易く、上記通過トルクの制御が安定しない。
特に、図5〜7に示した一般的なハーフトロイダル型無段変速機の様に、トラニオン7、7の両端部に設けた各枢軸9、9の方向と、入力側、出力側各ディスク2、5の中心軸の方向とが互いに直角方向である、所謂キャストアングルを持たないトロイダル型無段変速機25の場合に、上記オーバシュートが生じ易い。これに対して、一般的なフルトロイダル型無段変速機の様に、キャストアングルを持った構造の場合には、オーバシュートを収束させる方向の力が作用する為、上記特許文献2に記載されている様な構造でも、十分なトルク制御を行なえるものと考えられる。
この様な事情に鑑みて、特願2003−56681号には、一般的なハーフトロイダル型無段変速機の様に、キャストアングルを持たないトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置でも、このトロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)の制御を厳密に行なえる方法及び装置が開示されている。
図9は、この様な先発明の制御方法及び装置の対象となる、無段変速装置の構造の1例を示している。この図9に示した無段変速装置は、前述の図8に示した従来から知られている無段変速装置と同様の機能を有するものであるが、遊星歯車式変速機26a部分の構造を工夫する事により、この遊星歯車式変速機26a部分の組立性を向上させている。
入力軸1及び1対の入力側ディスク2、2と共に回転するキャリア27aの両側面に、それぞれがダブルピニオン型である、第一、第二の遊星歯車42、43を支持している。即ち、これら第一、第二の遊星歯車42、43は、それぞれ1対ずつの遊星歯車素子44a、44b、45a、45bにより構成している。そして、これら各遊星歯車素子44a、44b、45a、45bを、互いに噛合させると共に、内径側の遊星歯車素子44a、45aを、出力側ディスク5aにその基端部(図9の左端部)を結合した中空回転軸32aの先端部(図9の右端部)及び伝達軸46の一端部(図9の左端部)にそれぞれ固設した第一、第二の太陽歯車47、48に、外径側の遊星歯車素子44b、45bをリング歯車49に、それぞれ噛合させている。
一方、上記伝達軸46の他端部(図9の右端部)に固設した第三の太陽歯車50の周囲に設けた第二のキャリア36aに遊星歯車素子51a、51bを、回転自在に支持している。尚、この第二のキャリア36aは、上記入力軸1と同心に配置された出力軸38aの基端部(図9の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車素子51a、51bは、互いに噛合すると共に、内径側の遊星歯車素子51aを上記第三の太陽歯車50に、外径側の遊星歯車素子51bを、上記第二のキャリア36aの周囲に回転自在に設けた第二のリング歯車39aに、それぞれ噛合させている。又、上記リング歯車49と上記第二のキャリア36aとを低速用クラッチ40aにより係脱自在とすると共に、上記第二のリング歯車39aとハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ41aにより係脱自在としている。
この様に構成する改良された無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ40aを接続し、上記高速用クラッチ41aの接続を断った状態では、上記入力軸1の動力が上記リング歯車49を介して上記出力軸38aに伝えられる。そして、トロイダル型無段変速機25の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての速度比eCVT 、即ち、上記入力軸1と上記出力軸38aとの間の速度比が変化する。この際のトロイダル型無段変速機25の速度比eCVU と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係は、上記リング歯車49の歯数m49と前記第一の太陽歯車47の歯数m47との比をi1 (=m49/m47)とした場合に、次の(1)式で表される。
CVT =(eCVU +i1 −1)/i1 --- (1)
そして、例えば上記歯数同士の比i1 が2である場合に、上記両速度比eCVU 、eCVT 同士の関係が、図10に線分αで示す様に変化する。
これに対して、上記低速用クラッチ40aの接続を断ち、上記高速用クラッチ41aを接続した状態では、上記入力軸1の動力が、前記第一の遊星歯車42、上記リング歯車49、前記第二の遊星歯車43、前記伝達軸46、前記各遊星歯車素子51a、51b、上記第二のキャリア36aを介して、上記出力軸38aに伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を変える事により、無段変速装置全体としての速度比eCVT が変化する。この際のトロイダル型無段変速機25の速度比eCVU と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係は、次の(2)式の様になる。尚、この(2)式中、i1 は上記リング歯車49の歯数m49と前記第一太陽歯車47の歯数m47との比(m49/m47)を、i2 は上記リング歯車49の歯数m49と前記第二の太陽歯車48の歯数m48との比(m49/m48)を、i3 は前記第二のリング歯車39aの歯数m39と前記第三の太陽歯車50の歯数m50との比(m39/m50)を、それぞれ表している。
CVT ={1/(1−i3 )}・{1+(i2 /i1 )(eCVU −1)} --- (2)
そして、上記各比のうち、i1 が2、i2 が2.2、i3 が2.8である場合に、上記両速度比eCVU 、eCVT 同士の関係が、図10に線分βで示す様に変化する。
上述の様に構成し作用する無段変速装置の場合、図10の線分αから明らかな通り、前記入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸38aを停止させる、所謂変速比無限大の状態を造り出せる。但し、この様に入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸38aを停止させたり、或は極く低速で回転させる状態では、前述した通り、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)が、駆動源であるエンジンから上記入力軸1に加えられるトルクよりも大きくなる。この為、車両の停止時又は微速運行時には、上記通過トルクが過大(或は過小に)にならない様にする為、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクを適正に規制する必要がある。
又、上記微速運行時、出力軸38aを停止させる状態に近い状態、即ち、上記無段変速装置の変速比が非常に大きく、上記入力軸1の回転速度に比べて上記出力軸38aの回転速度が大幅に遅い状態では、この出力軸38aに加わるトルクが、上記無段変速装置の変速比の僅かな変動により、大幅に変動する。この為、円滑な運転操作を確保する為に、やはり駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクを適正に規制する必要がある。
尚、この様な低速モード状態での加速若しくは定速走行時に、上記通過トルクは、前述の図8に示した従来構造と同様に、入力軸1からキャリヤ27a及び第一の遊星歯車42と第一の太陽歯車47と中空回転軸32aとを介して出力側ディスク5aに加わり、更にこの出力側ディスク5aから各パワーローラ6、6(図8参照)を介して各入力側ディスク2、2に加わる。即ち、加速若しくは定速走行時に上記通過トルクは、上記各入力側ディスク2、2が上記各パワーローラ6、6からトルクを受ける方向に循環する。
この為に、先発明による変速比の制御方法及び装置の場合には、図11に示す様にして、上記駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクを適正に規制する様にしている。先ず、上記駆動源であるエンジンの回転速度を大まかに制御する。即ち、このエンジンの回転速度を、図11のw範囲内の点aに規制する。これと共に、この制御されたエンジンの回転速度に上記無段変速装置の入力軸1の回転速度を一致させる為に必要とされる、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を設定する。この設定作業は、前述の(1)式に基づいて行なう。即ち、先発明の方法によりエンジンから上記入力軸1に伝達するトルクを厳密に規制する必要があるのは、前記低速用クラッチ40aを接続し、前記高速用クラッチ41aの接続を断った、所謂低速モード時である。従って、上記入力軸1の回転速度を、必要とする出力軸38aの回転速度に対応した値とすべく、上記(1)式により、上記トロイダル型無段変速機25の変速比を設定する。
又、上記トロイダル型無段変速機25に組み込んだトラニオン7、7を枢軸9、9の軸方向に変位させる為の油圧式のアクチュエータ10、10を構成する1対の油圧室24a、24b(図7及び後述する図13参照)同士の間の圧力差を、油圧センサ(図示省略)により測定する。この油圧測定作業は、上記エンジンの回転速度を大まか(但し回転速度を一定に保つ状態)に制御し、これに対応して、上述の様に、(1)式により上記トロイダル型無段変速機25の変速比を設定した状態で行なう。そして、測定作業に基づいて求めた上記圧力差により、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルク(通過トルク)TCVU を算出する。
即ち、上記圧力差は、上記トロイダル型無段変速機25の変速比が一定である限り、このトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU に比例する為、上記圧力差により、このトルクTCVU を求める事ができる。この理由は、前述した様に、上記各アクチュエータ10、10が、入力側ディスク2、2から上記出力側ディスク5a(或は出力側ディスク5aから入力側ディスク2、2)に伝達されるトルク(=トロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU )に比例する大きさを有する、2Ftなる力を支承する為である。
一方、上記トルクTCVU は、次の(3)式によっても求められる。
CVU =eCVU ・TIN/{eCVU +(i1 −1)ηCVU } --- (3)
この(3)式中、eCVU は上記トロイダル型無段変速機25の速度比を、TINは上記エンジンから前記入力軸1に入力されるトルクを、i1 は第一の遊星歯車42に関する遊星歯車変速機の歯数比(リング歯車49の歯数m49と第一の太陽歯車47の歯数m47との比)を、ηCVU は上記トロイダル型無段変速機25の効率を、それぞれ表している。
そこで、上記圧力差から求めた、実際にトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU1と、上記(3)式から求めた、目標とする通過トルクTCVU2とに基づいて、この実際に通過するトルクTCVU1と目標値TCVU2との偏差△T(=TCVU1−TCVU2)を求める。そして、この偏差△Tを解消する(△T=0とする)方向に、上記トロイダル型無段変速機25の速度比を調節する。尚、上記トルクの偏差△Tと、上記圧力差の偏差とは比例関係にあるので、上記変速比の調節作業は、トルクの偏差によっても、圧力差の偏差によっても行なえる。即ち、トルクの偏差による変速比制御と、圧力差の偏差による変速比制御とは、技術的に見て同じ事である。
例えば、図11に示す様に、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1(測定値)を目標値TCVU2に規制する領域で、前記エンジンが前記入力軸1を駆動するトルクTINが、この入力軸1の回転速度が高くなる程急激に低くなる方向に変化する場合に就いて考える。この様なエンジンの特性は、電子制御されたエンジンであれば、低速回転域でも容易に得られる。この様なエンジン特性を有する場合で、上記トルクの測定値TCVU1が同じく目標値TCVU2に比べて、各入力側ディスク2、2が各パワーローラ6、6(図6〜8参照)からトルクを受ける方向の偏差を有する場合には、上記入力軸1を駆動するトルクTINを小さくする為にエンジンの回転速度を増大すべく、無段変速装置全体としての変速比を減速側に変位させる。この為に、上記トロイダル型無段変速機25の速度比を、増速側に変速する。
但し、ブレーキペダルを踏んで停止した状態(出力軸の回転速度=0)では、上記トロイダル型無段変速機25の内部で生じる滑り、即ち、入力側、出力側各ディスク2、5aの内側面と各パワーローラ6、6の周面(図6〜8参照)との当接部(トラクション部)で生じる滑り(クリープ)により吸収できる範囲内で、上記トロイダル型無段変速機25の速度比の制御を行なう。従って、この速度比を調節できる許容範囲は、上記当接部に無理な力が加わらない範囲に止まり、低速走行時の場合に比べて限られたものとなる。
例えば、図11で、上記目標値TCVU2がa点に存在し、上記測定値TCVU1が同図のb点に存在する場合には、上記各入力側ディスク2、2が上記パワーローラ6、6からトルクを受ける方向の偏差を有する状態となる。そこで、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を増速側に変更して、無段変速装置(T/M)全体としての速度比eCVT を減速側に変更する。これに合わせてエンジンの回転速度を増速し、トルクを下げる。反対に、上記測定値TCVU1が同図のc点に存在する場合には、上記各入力側ディスク2、2が上記パワーローラ6、6にトルクを付加する方向の偏差を有する状態となる。この場合には、上述した場合とは逆に、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を減速側に変更して、無段変速装置(T/M)全体としての速度比eCVT を増速側に変更する。これに合わせて、エンジンの回転速度を減速してトルクを上昇させる。
以下、上記圧力差から求めた、実際にトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU1が目標値に一致するまで、上述した動作を繰り返し行なう。即ち、1回のトロイダル型無段変速機25の変速制御だけでは、このトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU1を目標値TCVU2に一致させられない場合には、上述した動作を繰り返し行なう。この結果、前記エンジンが前記入力軸1を回転駆動するトルクTINを、このトロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU を目標値TCVU2にする値に近付ける事ができる。尚、この様な動作は、無段変速装置の制御器に組み込んだマイクロコンピュータからの指令により、自動的に、且つ、短時間の間に行なわれる。
尚、図12は、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU と上記エンジンが上記入力軸1を回転駆動するトルクTINとの比(左側縦軸)と、無段変速装置全体としての速度比eCVT (横軸)と、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU (右側縦軸)との関係を示している。実線aが上記通過トルクTCVU と駆動トルクTINとの比と、無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係を、破線bが上記両速度比eCVT 、eCVU 同士の関係を、それぞれ示している。先発明は、上記無段変速装置全体としての速度比eCVT を所定値に規制した状態で、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を上記実線a上の点で表される目標値(TCVU2)に規制すべく、上記トロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を規制するものである。
先発明の場合、この様に上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を前記目標値TCVU2である上記実線a上の点に規制する為の制御を2段階に分けて、即ち、エンジンの回転速度を大まかに、即ち、上記目標値TCVU2を得られるであろうと考えられる回転速度に制御した後、この回転速度に合わせてトロイダル型無段変速機25の変速比制御を行なう。この為、従来方法の様なオーバシュート(及びそれに伴うハンチング)を生じさせる事なく、或は仮に生じたとしても実用上問題ない程度に低く抑えて、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を上記目標値TCVU2に規制できる。
尚、前述の様に、ブレーキペダルを踏んで停止した状態で前記出力軸38a(図9)には、上記トロイダル型無段変速機25の内部で生じる滑りに基づいて、駆動力(トルク)が加わる。このトルクの大きさは、従来から普及している、トルクコンバータを備えた一般的な自動変速装置で生じるクリープ力に見合う値に設定する事が考えられる。この理由は、一般的な自動変速装置の操作に慣れた運転者に違和感を与えない為である。又、上記トルクの方向は、運転席に設けた操作レバーの操作位置により決定する。この操作レバーが前進方向位置(Dレンジ)を選択された場合には、上記出力軸38aに前進方向にトルクを付与し、後退方向位置(Rレンジ)を選択された場合には、後退方向にトルクを付与する。
次に、上述の様にトロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を目標値TCVU2に一致させるべく、このトロイダル型無段変速機25の速度比を制御する部分の回路に就いて、図13により説明する。トラニオン7を枢軸9、9(図7参照)の軸方向(図13の上下方向)に変位させる為の油圧式のアクチュエータ10を構成する1対の油圧室24a、24bに、制御弁12を通じて、圧油を給排自在としている。この制御弁12を構成するスリーブ14は、ステッピングモータ13により、リンク腕52とロッド53とを介して軸方向に変位自在としている。又、上記制御弁12を構成するスプール15は、リンク腕19とプリセスカム18とロッド17とを介して上記トラニオン7と係合させ、このトラニオン7の軸方向変位及び揺動変位に伴って、軸方向に変位自在としている。以上の構成は、従来から知られている、トロイダル型無段変速機の変速比制御機構と、基本的に同じである。
特に先発明の場合には、上記スリーブ14を、上記ステッピングモータ13により駆動するのに加えて、油圧式の差圧シリンダ54によっても駆動する様にしている。即ち、上記スリーブ14に基端部を結合した上記ロッド53の先端部を上記リンク腕52の中間部に枢支すると共に、このリンク腕52の両端部に設けた長孔に、上記ステッピングモータ13或は上記差圧シリンダ54の出力部に設けたピンを係合させている。上記リンク腕52の一端部に設けた長孔内のピンが押し引きされる場合、他端部の長孔内のピンは支点となる。この様な構成により、上記スリーブ14を、上記ステッピングモータ13による他、上記差圧シリンダ54によっても軸方向に変位させられる様にしている。先発明の場合、この差圧シリンダ54による上記スリーブ14の変位により、上記トロイダル型無段変速機25を通過するトルクTCVU に応じてこのトロイダル型無段変速機25の速度比eCVU を調節する様にしている。
この為に先発明の場合には、上記差圧シリンダ54に設けた1対の油圧室55a、55b内に、補正用制御弁56を通じて、互いに異なる油圧を導入自在としている。これら各油圧室55a、55bに導入される油圧は、前記アクチュエータ10を構成する1対の油圧室24a、24b内に作用する油圧PDOWN、PUPの差圧△Pと、上記補正用制御弁56の開度調節用の1対の電磁弁57a、57bの出力圧の差圧△P0 とに基づいて決定される。即ち、これら両電磁弁57a、57bの開閉は、これら両電磁弁57a、57bの出力圧の差圧△P0 が前記トロイダル型無段変速機25の目標トルクTCVU2に対応する目標差圧となる様に、図示しない制御器(コントローラ)により演算され、この制御器から出力される出力信号に基づいて制御される。従って、上記補正用制御弁56を構成するスプール58には、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧の差圧△Pに応じた力と、これに対抗する力となる、上記目標トルクTCVU2に対応する目標差圧である上記電磁弁57a、57bの出力圧の差圧△P0 とが作用する。
上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1と上記目標トルクTCVU2とが一致する場合、即ち、これら通過トルクTCVU1と目標トルクTCVU2との差△Tが0の場合には、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧の差圧△Pに応じた力と、上記電磁弁57a、57bの出力圧の差圧△P0 に応じた力とが釣り合う。この為、上記補正用制御弁56を構成するスプール58は中立位置となり、上記差圧シリンダ54の油圧室55a、55bに作用する圧力も等しくなる。この状態では、この差圧シリンダ54のスプール59は中立位置となり、上記トロイダル型無段変速機25の速度比は変わらない(補正されない)。
一方、上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1と上記目標トルクTCVU2とに差が生じると、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧の差圧△Pに応じた力と、上記電磁弁57a、57bの出力圧の差圧△P0 に応じた力との釣り合いが崩れる。そして、上記通過トルクTCVU1と目標トルクTCVU2との差△Tの大きさ及び方向に応じて上記補正用制御弁56を構成するスプール58が軸方向に変位し、上記差圧シリンダ54の油圧室55a、55b内に、上記△Tの大きさ及び方向に応じた適切な油圧が導入される。そして、上記差圧シリンダ54のスプール59が軸方向に変位し、これに伴って、前記制御弁12を構成するスリーブ14が軸方向に変位する。この結果、前記トラニオン7が枢軸9、9の軸方向に変位して、上記トロイダル型無段変速機25の速度比が変わる(補正される)。尚、この様にして変速比が変化する方向、及び変化する量は、前述の図11〜12により説明した通りである。又、この様にトロイダル型無段変速機25の速度比が変位する量、即ち補正される量(速度比の補正量)は、このトロイダル型無段変速機25の速度比幅に対して十分小さいものである。
上述の様な先発明の構造を実現する為には、先ず、上記アクチュエータ10の油圧室24a、24b内に作用する油圧に基づいて上記トロイダル型無段変速機25を実際に通過するトルクTCVU1を正確に求める必要がある。更に、上記補正用制御弁56を通じて上記差圧シリンダ54の油圧室55a、55b内に、上記通過トルクTCVU1と目標トルクTCVU2との差△Tの大きさ及び方向に応じた油圧を、厳密に規制した状態で導入する必要がある。但し、上記各油圧室24a、24b内の油圧を測定する為の油圧センサには、それぞれ個体差があり、それぞれの個体差を把握しない限り、上記油圧の絶対値を高精度で検出する事は困難である。又、上記補正用制御弁56及び上記差圧シリンダ54にしても、内蔵したスプール58、59の受圧面積やこれら各スプール58、59を中立位置に復帰させる為のばねの弾力のばらつき等により、作動状態に微妙な個体差が生じる可能性がある。
これらの事を考慮すれば、上記油圧センサ、上記補正用制御弁56、上記差圧シリンダ54を含む各構成要素のそれぞれに就いて、個々の特性を正確に知る事が、上記先発明の構造を実現する為に重要になる。これら各構成要素の個々の特性を知る事は、これら各構成要素を実際に図8或は図9に示す様な無段変速装置に組み込み、この無段変速装置とダイナモとを組み合わせて運転する事により可能ではある。但し、この様にして上記各構成要素の特性を求める事は、試験を行なう度に、上記無段変速装置を構成する多くの部品を組立たり分解したりする必要があり、面倒である。そして、上記各構成要素の特性を調整する作業が面倒になる。更には、不適切な特性を有する構成要素を組み込んだ状態での運転に伴い、トロイダル型無段変速機を過大なトルクが通過すると、このトロイダル型無段変速機が破損する可能性もある。
特開2000−220719号公報 特開平10−103461号公報
本発明は上述の様な事情に鑑みて、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させる、変速比無限大の状態を実現できる無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機の変速比制御の為の変速比制御ユニットの構成要素の特性を容易に求める事ができる、トロイダル型無段変速機用試験装置を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機用試験装置は、変速比制御ユニットにより油圧の導入状態を制御される油圧式のアクチュエータで、パワーローラを支持した支持部材を変位させる事により、変速比の調節を行なわせるトロイダル型無段変速機の、上記変速比制御ユニットの性能を試験する為のものである。
この様な本発明のトロイダル型無段変速機用試験装置は、第一の油圧シリンダユニットと、第二の油圧シリンダユニットと、油圧制御装置とを備える。
このうちの第一の油圧シリンダユニットは、油圧の給排に基づいて上記アクチュエータと同じに機能し、ロッドに対し軸方向の力を付与する。
又、上記第二の油圧シリンダユニットは、上記第一の油圧シリンダユニットと独立した油圧の給排に基づいて、上記ロッドに軸方向の力を付与する。
更に、上記油圧制御装置は、上記第二の油圧シリンダユニットへの油圧の給排を制御するもので、上記トロイダル型無段変速機の運転時に上記パワーローラから上記支持部材に加えられる力に応じた力を上記ロッドに付与すべく、上記第二の油圧シリンダユニットに導入する油圧を制御するものである。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機用試験装置の使用時には、油圧制御装置により第二の油圧シリンダユニットに所望値の油圧を導入し、この第二の油圧シリンダユニットによりロッドに、軸方向に関して所定方向に向いた所定の大きさの力を付与する。この状態でこのロッドを介して第一の油圧シリンダユニットに、入力側ディスクと出力側ディスクとの間でトルクを伝達した場合に加わる、2Ftと呼ばれる力に応じたものと同様のスラスト荷重が加わる。そして、上記第一の油圧シリンダユニットを構成する1対の油圧室内の油圧同士の間に、上記2Ftに見合う圧力差が生じる。
そこで、上記第一の油圧シリンダユニットを、トロイダル型無段変速機を構成するアクチュエータに見立てて、油圧センサ、補正用制御弁、差圧シリンダ等、このトロイダル型無段変速機を構成する変速比制御ユニットの各構成要素を組み付ければ、これら各構成要素の特性を測定できる。この様にして、上記第二の油圧シリンダユニットを設ける事により、入力側、出力側各ディスクや各パワーローラ等を組み付ける事なく、トロイダル型無段変速機を運転した場合と同様の状況を作り出せる。従って、上記各構成要素の特性を求める作業が容易になるだけでなく、特性を求める作業に伴ってトロイダル型無段変速機の構成各部材を損傷する事もない。
本発明を実施する場合に好ましくは、油圧制御装置により、第二の油圧シリンダユニットがロッドに加える力の方向と大きさとを任意に調節自在とする。この様に構成する事で、入力軸を回転させた状態のまま出力軸を停止させる、変速比無限大の状態を実現する無段変速装置に組み込まれるトロイダル型無段変速機の変速比制御ユニットの各構成要素の特性を、この無段変速装置の使用状態に即して求められる。
又、好ましくは、上記変速比制御ユニットとして、1枚の仕切板を挟んで隣接配置された1対の油圧機器を備えたものを使用する。そして、この仕切板に形成した通油路をこれら各油圧機器のポートに通じさせて、これら各ポート部分の油圧を測定自在とする。この様に構成する事により、上記各油圧機器の特性を求める作業を能率良く行なえる様にできる。
図1は、本発明の実施例1を示している。本実施例のトロイダル型無段変速機用試験装置は、第一の油圧シリンダユニット60と、第二の油圧シリンダユニット61と、油圧制御装置62とを備える。
このうちの第一の油圧シリンダユニット60は、トロイダル型無段変速機の変速比調節用のアクチュエータ10(図7、13参照)に見合うもので、油圧の給排に基づいてこのアクチュエータ10と同じに機能し、ロッド63に対し軸方向の力を付与する。
この様な第一の油圧シリンダユニット60に、ピストン16aを挟む状態で設けた1対の油圧室24a、24bへの油圧の導入状態は、制御弁12を通じて切り換え自在としている。この制御弁12は、前述した従来のトロイダル型無段変速機、及び先発明に係る無段変速装置に組み込まれている制御弁12と同様のもので、スリーブ14の内径側にスプール15を、軸方向の変位自在に嵌装して成る。油溜64から吸引されて図示しない加圧ポンプにより吐出された圧油は、上記制御弁12を介して上記油圧室24a、24bの何れかの油圧室24a(24b)に送り込まれる。この際、他方の油圧室24b(24a)内の油圧は、上記制御弁12を通じて排出される。
そして、上記スリーブ14の端部にその基端部を結合したロッド53の先端部に、リンク腕52の中間部を、揺動変位自在に枢支している。又、このリンク腕52の一端部(図1の上端部)にステッピングモータ13の出力ロッド65の先端部を、同じく他端部(図1の下端部)に差圧シリンダ54の出力ロッド66の先端部を、それぞれ揺動及び上記リンク腕52の長さ方向に関する若干の変位自在に結合している。この様な構成により上記スリーブ14を、上記ステッピングモータ13と上記差圧シリンダ54との一方又は双方により、軸方向に変位駆動自在としている。又、上記ロッド63の軸方向の動きを上記スプール15に、リンク腕19aを介して伝達自在としている。
又、上記差圧シリンダ54に設けた1対の油圧室55a、55bには、1対の電磁弁57a、57bにより切り換えられる補正用制御弁56(図13参照。図1には省略。)を通じて、所望の油圧を導入自在としている。又、上記両電磁弁57a、57bの開閉状態は、上記第一の油圧シリンダユニット60に設けた1対の油圧室24a、24b部分の油圧を検出する為の油圧センサ(図示せず)の検出値に基づいて制御する。この様な構成、及び、上記両油圧室24a、24b部分の油圧に基づいて上記スリーブ14を動かし、上記ロッド63の軸方向の変位量を微調節する作用は、前述の図13に示した、先発明に係る無段変速装置の変速比制御機構で、アクチュエータ10に設けた1対の油圧室24a、24bへの油圧の導入状態を制御する機構と、基本的に同じである。即ち、この様な機構を設ける事で、上記無段変速装置の変速比制御機構を構成する、前記制御弁12、上記ステッピングモータ13、上記差圧シリンダ54、上記補正用制御弁56、上記両電磁弁57a、57bの特性を、トロイダル型無段変速機の運転状態に則して求められる様にしている。
この様に、上記各構成要素12、13、54、56、57a、57bの特性を、実際にトロイダル型無段変速機に組み込んだ状態に則して求められる様にすべく、上記ロッド63に、前記第二の油圧シリンダユニット61により、トロイダル型無段変速機の運転時に加わるのと同様のスラスト荷重を付与自在としている。上記第二の油圧シリンダユニット61は、シリンダ67内にピストン68を、油密に、且つ、軸方向(図1の左右方向)の変位自在に嵌装して成るもので、このピストン68により隔てられた1対の油圧室69a、69bを有する。又、このピストン68をその中間部に固定したロッド70と、上記第一の油圧シリンダユニット60のロッド63とを結合している。従ってこの第一の油圧シリンダユニット60のロッド63には、上記第二の油圧シリンダユニット61に設けた上記1対の油圧室69a、69bへの油圧の導入状態を制御する事により、所定方向に向いた所定の大きさのスラスト荷重が加わる。
そして、上記1対の油圧室69a、69bへの油圧の導入状態を、前記油圧制御装置62により制御する様にしている。この油圧制御装置62は、1対の電動式の油圧制御弁71a、71bと、これら両油圧制御弁71a、71bを制御する為の、マイクロコンピュータを内蔵した制御器72と、上記第二の油圧シリンダユニット61のロッド70の軸方向の変位量を測定し、その測定値を上記制御器72に送る変位センサ73とを備える。この様な油圧制御装置62は、上記制御器72からの指令により上記両油圧制御弁71a、71bの開放方向及び開度を調節し、油圧源74と上記1対の油圧室69a、69bとの連通状態を切り換える。そして、これら両油圧室69a、69b同士の間の油圧の差を適正に規制する事で、上記ロッド70を介して上記ロッド63に、所望の大きさのスラスト荷重を加える。
この様にしてこのロッド63に加えるスラスト荷重は、前述した様に、トロイダル型無段変速機の運転時に入力側ディスク2と出力側ディスク5、5a(図5〜9参照)との間で伝達されるトルクに応じて加わる、2Ftと呼ばれる力に応じた(比例した)ものと同じ値とする。即ち、上記制御器72は、上記トロイダル型無段変速機の運転に伴って、パワーローラ6及び支持部材であるトラニオン7を介してアクチュエータ10(図7参照)に加わる2Ftに見合う(同じ方向及び大きさの)力を、上記ロッド70を介して上記ロッド63に付与する。この力の方向は、上記両油圧室69a、69bのうちの何れの油圧を高くするかで決定し、同じく大きさは、これら両油圧室69a、69b同士の間の圧力差と前記ピストン68の受圧面積の積とで決定する。例えば、図2に示す様に、上記両油圧室69a、69bのうちの油圧室69aの圧力を実線αに示す様に、同じく油圧室69bの圧力を実線βに示す様に、それぞれ変化させると、上記ロッド70を介して上記ロッド63に付与されるスラスト荷重は実線γに示す様に変化する。又、上記力を付与する際、上記変位センサ73の測定値から、上記ロッド63の変位量を測定しつつ、このロッド63の軸方向変位量を規制する。このロッド63の軸方向変位量は、トロイダル型無段変速機の変速動作の為の、上記トラニオン7の枢軸9、9(図7参照)の軸方向変位量に見合うものである。
上述の様に構成する本実施例のトロイダル型無段変速機用試験装置によれば、前記制御弁12、前記ステッピングモータ13、前記差圧シリンダ54、前記補正用制御弁56、前記1対の電磁弁57a、57bの特性を、トロイダル型無段変速機の運転状態に則して求められる。即ち、これら各構成要素12、13、54、56、57a、57bを、前記第一の油圧シリンダユニット60のロッド63の軸方向変位量を制御する状態に組み付ける事で、上記各構成要素12、13、54、56、57a、57bの組み付け状態を、実際のトロイダル型無段変速機への組み付け状態に即した状態にできる。そして、この状態で、前記油圧制御装置62により前記第二の油圧シリンダユニット61に設けた1対の油圧室68a、69bに所望値の油圧を導入し、上記ロッド63に所定方向に向いた所定の大きさの力を付与すれば、上記第二の油圧シリンダ60の置かれた状態が、トロイダル型無段変速機の運転時に前記アクチュエータ10が置かれた状態と同じになる。
そこで、この状態で上記各構成要素12、13、54、56、57a、57bの特性を測定すれば、それぞれの特性を正確に把握できる。この様にしてこれら各構成要素12、13、54、56、57a、57bの特性を求める際に、トロイダル型無段変速機を構成する入力側、出力側各ディスク2、5、5a、パワーローラ6、6、トラニオン7、7等を組み立てる必要はない。従って、上記特性を求める為の作業が容易になるだけでなく、特性を求める作業に伴ってトロイダル型無段変速機の構成各部材を損傷する事もない。
図3〜4は、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、変速比制御ユニットを構成する、それぞれが油圧機器である差圧シリンダ54と補正用制御弁56とを、仕切板75を介して隣接配置している。そして、この仕切板75の片面(図3〜4の上面)に形成した通油路76a〜76cを上記差圧シリンダ54のポート77a〜77cに通じさせて、これら各ポート77a〜77c部分の油圧を測定自在としている。又、上記仕切板75の他面に形成した図示しない通油路を上記補正用制御弁56の図示しないポートに通じさせて、これら図示しないポート部分の油圧を測定自在としている。本実施例の場合、この様に構成する事により、上記差圧シリンダ54及び補正用制御弁56の特性を求める作業を能率良く行なえる様にしている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例1と同様である。
本発明の実施例1を示す油圧回路図。 試験時に第二の油圧シリンダユニット内の油圧を変化させる状態の1例を示す線図。 本発明の実施例2を示すブロック図。 図3のA部断面図。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。 図5のB−B断面図。 同C−C断面図。 従来から知られている無段変速装置の1例を示す略断面図。 先発明に係る制御装置により変速比を制御する無段変速装置の1例を示す略断面図。 この無段変速装置に組み込んだトロイダル型無段変速機(CVU)の速度比と、この無段変速装置(T/M)全体としての速度比との関係を示す線図。 先発明に係る制御装置で変速比を制御する状態を説明する為、エンジンの回転速度とトルクとの関係を示す線図。 トロイダル型無段変速機を通過するトルク及び変速比と、無段変速装置全体としての変速比との関係を示す線図。 先発明の無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機の変速比を調節する為の機構を示す油圧回路図。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5、5a 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 支持軸
9 枢軸
10 アクチュエータ
11 支持板
12 制御弁
13 ステッピングモータ
14 スリーブ
15 スプール
16、16a ピストン
17 ロッド
18 プリセスカム
19、19a リンク腕
20 同期ケーブル
21 カム面
22 駆動軸
23 押圧装置
24a、24b 油圧室
25 トロイダル型無段変速機
26、26a 遊星歯車式変速機
27、27a キャリア
28a、28b 遊星歯車素子
29 第一の伝達軸
30a、30b 太陽歯車
31 第二の伝達軸
32、32a 中空回転軸
33 太陽歯車
34 遊星歯車素子
35 リング歯車
36、36a 第二のキャリア
37a、37b 遊星歯車素子
38、38a 出力軸
39、39a 第二のリング歯車
40、40a 低速用クラッチ
41、41a 高速用クラッチ
42 第一の遊星歯車
43 第二の遊星歯車
44a、44b 遊星歯車素子
45a、45b 遊星歯車素子
46 伝達軸
47 第一の太陽歯車
48 第二の太陽歯車
49 リング歯車
50 第三の太陽歯車
51a、51b 遊星歯車素子
52 リンク腕
53 ロッド
54 差圧シリンダ
55a、55b 油圧室
56 補正用制御弁
57a、57b 電磁弁
58 スプール
59 スプール
60 第一の油圧シリンダユニット
61 第二の油圧シリンダユニット
62 油圧制御装置
63 ロッド
64 油溜
65 出力ロッド
66 出力ロッド
67 シリンダ
68 ピストン
69a、69b 油圧室
70 ロッド
71a、71b 油圧制御弁
72 制御器
73 変位センサ
74 油圧源
75 仕切板
76a、76b、76c 通油路
77a、77b、77c ポート

Claims (3)

  1. 変速比制御ユニットにより油圧の導入状態を制御される油圧式のアクチュエータで、パワーローラを支持した支持部材を変位させる事により、変速比の調節を行なわせるトロイダル型無段変速機の、上記変速比制御ユニットの性能を試験する為、油圧の給排に基づいて上記アクチュエータと同じに機能し、ロッドに対し軸方向の力を付与する第一の油圧シリンダユニットと、この第一の油圧シリンダユニットと独立した油圧の給排に基づいて上記ロッドに軸方向の力を付与する第二の油圧シリンダユニットと、この第二の油圧シリンダユニットへの油圧の給排を制御する油圧制御装置とを備え、この油圧制御装置は、上記トロイダル型無段変速機の運転時に上記パワーローラから上記支持部材に加えられる力に応じた力を上記ロッドに付与すべく、上記第二の油圧シリンダユニットに導入する油圧を制御するものである、トロイダル型無段変速機用試験装置。
  2. 油圧制御装置により、第二の油圧シリンダユニットがロッドに加える力の方向と大きさとを任意に調節自在である、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機用試験装置。
  3. 変速比制御ユニットが1枚の仕切板を挟んで隣接配置された1対の油圧機器を備えたものであり、この仕切板に形成した通油路をこれら各油圧機器のポートに通じさせて、これら各ポート部分の油圧を測定自在とした、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機用試験装置。
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