JP6294813B2 - 油圧トランスミッション、風力発電装置及び油圧トランスミッションの運転方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1には、高圧ラインの圧力を速やかに低下させるための対策については何ら記載されていない。
作動油を加圧するように構成された油圧ポンプと、
前記油圧ポンプで加圧された前記作動油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
前記油圧ポンプの吐出側と前記油圧モータの吸込側とを接続する高圧ラインと、
前記油圧モータの吐出側と前記油圧ポンプの吸込側とを接続する低圧ラインと、
前記高圧ラインと前記低圧ラインとを接続するバイパスラインと、
前記バイパスライン上の分岐点から分岐して、前記高圧ラインよりも前記作動油の圧力が低い低圧源に接続される分岐ラインと、
パイロットポートを有するとともに、前記バイパスラインにおいて前記分岐点よりも前記低圧ライン側に設けられ、前記パイロットポートを介して取得されるパイロット圧の切り替えにより開閉可能に構成されたロジック弁と、
前記分岐ラインに設けられ、前記高圧ラインにおける前記作動油の圧力が閾値以上のときに開くように構成されたリリーフ弁と、
前記分岐ラインにおいて前記リリーフ弁よりも前記高圧ライン側に設けられる絞り部と、
前記分岐ラインにおける前記リリーフ弁と前記絞り部との間の第1パイロット圧取得位置における前記作動油の圧力を、パイロット圧として、前記パイロットポートを介して前記ロジック弁に与えるように構成されたパイロットラインと、を備え、
前記ロジック弁は、
前記リリーフ弁が閉じた状態の前記第1パイロット圧取得位置における前記作動油の圧力を前記パイロット圧として取得したときに閉じたままであり、
前記リリーフ弁が開いた状態の前記第1パイロット圧取得位置における前記作動油の圧力を前記パイロット圧として取得したときに開くように構成される。
このため、高圧ラインにおける作動油の圧力が閾値以上のときには、リリーフ弁が開くとともにロジック弁が開くことによって、バイパスラインを介して高圧ラインから低圧ラインに作動油を大きな流量で流すことができる。
よって、上記(1)の構成により、例えば高圧ラインの異常高圧時に、高圧ラインの圧力を速やかに低下させることができる。
前記リリーフ弁は、励磁されることにより開弁方向又は閉弁方向の電磁力を弁体に与えるように構成されたソレノイドを含み、
前記ソレノイドの非励磁状態において、前記分岐ラインにおける前記絞り部と前記リリーフ弁との間の前記第1パイロット圧取得位置における圧力をパイロット圧として取得し、該パイロット圧が第1閾値以上である場合に開き、且つ、前記ソレノイドの励磁状態において、前記パイロット圧が前記第1閾値とは異なる第2閾値以上である場合に開くとともに、
前記ソレノイドに与える励磁力に応じて前記第2閾値を調節するように構成される。
このため、高圧ラインにおける作動油の圧力が第2閾値以上のときに、リリーフ弁が開くとともにロジック弁が開くことによって、バイパスラインを介して高圧ラインから低圧ラインに作動油を大きな流量で流すことができる。
よって、上記(2)の構成により、例えば高圧ラインの異常高圧時に、高圧ラインの圧力を速やかに低下させることができる。
また、上記(2)の構成により、例えば、油圧ポンプを稼働させて高圧ラインの圧力を第2閾値以上に昇圧させることでリリーフ弁及びロジック弁を開けば、油圧ポンプ、高圧ライン、バイパスライン及び低圧ラインを含む循環路内において作動油を循環させることができる。この場合、高圧ライン内の作動油がバイパスラインを介して低圧ラインに流れる際、ロジック弁の通過時に起きる作動油の圧力変化(高圧ラインにおける圧力から低圧ラインにおける圧力への変化)に起因して発熱し、作動油の温度が上昇する。よって、高圧ラインの圧力を第2閾値以上に昇圧させることによってリリーフ弁及びロジック弁を開くことで、作動油を昇温させることができる。
前記パイロットラインに設けられた第1切替え弁をさらに備え、
前記第1切替え弁は、
前記第1パイロット圧取得位置における前記分岐ラインに連通する高圧側ポートと、
前記リリーフ弁よりも下流側の第2パイロット圧取得位置における前記分岐ラインに連通する低圧側ポートと、
前記ロジック弁の前記パイロットポートに連通するロジック弁側ポートと、
を含み、
前記第1切替え弁は、前記ロジック弁側ポートの接続先を前記高圧側ポートと前記低圧側ポートとで切替え可能に構成される。
例えば、メンテナンス等による油圧トランスミッションの停止時に、第1切替え弁を操作することによりロジック弁を開くことで、バイパスラインを介して高圧ラインと低圧ラインとを連通させることができる。この場合、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差により、高圧ライン内の作動油を、バイパスラインを介して高圧ラインから低圧ラインへ流すことができる。よって、第1切替え弁の操作によってロジック弁を強制的に開くことで、油圧トランスミッション内の圧力を低下させることができる。
また、油圧ポンプを稼働させた状態で第1切替え弁の操作によってロジック弁を開けば、油圧ポンプ、高圧ライン、バイパスライン及び低圧ラインを含む循環路内において作動油を循環させることができる。この場合、高圧ライン内の作動油がバイパスラインを介して低圧ラインに流れる際、ロジック弁の通過時に起きる作動油の圧力変化(高圧ラインにおける圧力から低圧ラインにおける圧力への変化)に起因して発熱し、作動油の温度が上昇する。よって、第1切替え弁の操作によってロジック弁を強制的に開くことで、作動油を昇温させることができる。
例えば、メンテナンス等による油圧トランスミッションの停止時に、第2切替え弁を開くことで、バイパスラインを介して高圧ラインと低圧ラインとを連通させることができる。この場合、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差により、高圧ライン内の作動油を、バイパスラインを介して高圧ラインから低圧ラインへ流すことができる。よって、第2切替え弁を開くことで、油圧トランスミッション内の圧力を低下させることができる。
また、油圧ポンプを稼働させた状態で第2切替え弁を開けば、油圧ポンプ、高圧ライン、バイパスライン及び低圧ラインを含む循環路内において作動油を循環させることができる。この場合、高圧ライン内の作動油がバイパスラインを介して低圧ラインに流れる際、第2切替え弁の通過時に起きる作動油の圧力変化(高圧ラインにおける圧力から低圧ラインにおける圧力への変化)に起因して発熱し、作動油の温度が上昇する。よって、第2切替え弁を開くことで、作動油を昇温させることができる。
上記(5)の構成によれば、バイパスラインに設けられた可変絞りの絞りを調整することにより、バイパスラインを通って上述の循環路を循環する作動油の流量を調節することができる。これにより、該作動油の昇温速度を調節することができる。
風車ロータと、
前記風車ロータに接続される油圧トランスミッションと、を備える風力発電装置であって、
前記油圧トランスミッションは、前記(1)〜(5)のいずれかの構成を有する油圧トランスミッションであって、
前記油圧ポンプは、前記風車ロータによって駆動されて作動油を加圧するように構成される。
このため、高圧ラインにおける作動油の圧力が閾値以上のときには、リリーフ弁が開くとともにロジック弁が開くことによって、バイパスラインを介して高圧ラインから低圧ラインに作動油を大きな流量で流すことができる。
よって、上記(6)の構成により、例えば高圧ラインの異常高圧時に、高圧ラインの圧力を速やかに低下させることができる。
上記(1)〜(5)のいずれかの構成を有する油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記高圧ラインにおける前記作動油の圧力が閾値未満のとき、前記リリーフ弁および前記ロジック弁を閉じたまま維持して、前記高圧ラインの前記作動油を前記油圧モータに供給するステップと、
前記高圧ラインにおける前記作動油の圧力が閾値以上のとき、前記リリーフ弁および前記ロジック弁を開いて、前記バイパスラインを介して前記高圧ラインから前記低圧ラインに前記作動油を流すステップと、を備える。
このため、高圧ラインにおける作動油の圧力が閾値以上のときには、リリーフ弁が開くとともにロジック弁が開くことによって、バイパスラインを介して高圧ラインから低圧ラインに作動油を大きな流量で流すことができる。
よって、上記(7)の構成により、例えば高圧ラインの異常高圧時に、高圧ラインの圧力を速やかに低下させることができる。
上記(1)〜(5)のいずれかの構成を有する油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記油圧ポンプの運転中、且つ、前記油圧モータの停止中に前記リリーフ弁および前記ロジック弁を開いて、前記油圧ポンプ、前記高圧ライン、前記バイパスライン、および、前記低圧ラインを含む循環路内において前記作動油を循環させ、前記作動油を昇温するステップを備える。
上記(3)の構成を有する油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記油圧ポンプの運転中、且つ、前記油圧モータの停止中に、前記ロジック弁側ポートが前記低圧側ポートに接続されるように前記第1切替え弁を動作させて、前記リリーフ弁の開閉状態によらず前記ロジック弁を開き、前記油圧ポンプ、前記高圧ライン、前記バイパスライン、および、前記低圧ラインを含む循環路内において前記作動油を循環させ、前記作動油を昇温するステップを備える。
前記(4)又は(5)の構成を有する油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記油圧ポンプの運転中、且つ、前記油圧モータの停止中に、前記第2切替え弁を開いて、前記油圧ポンプ、前記高圧ライン、前記バイパスライン、および、前記低圧ラインを含む循環路内において前記作動油を循環させ、前記作動油を昇温するステップを備える。
上記(11)の構成によれば、循環路に設けられた可変絞りの絞りを調整することにより、循環路を循環する作動油の流量を調節することができる。これにより、該作動油の昇温速度を調節することができる。
前記作動油を前記循環路内で循環させるステップの後、
前記作動油の温度が閾値以上になったとき前記油圧モータを始動させるステップをさらに備える。
作動油の温度が低下すると、作動油の粘度が高くなる。この場合、例えば、配管での圧力損失が増加して油圧モータのバルブの動作が不安定になる等、油圧モータの動作が不安定になることがある。
この点、上記(12)の構成によれば、油圧ポンプの運転中かつ油圧モータの停止中に、作動油を循環路内で循環させることにより昇温させて、該作動油の温度が閾値以上になった時に油圧モータを始動させる。このように、作動油の温度を適度に昇温させてから油圧モータを始動させるので、油圧モータの動作を安定化させることができる。
前記ロジック弁側ポートが前記低圧側ポートに接続されるように前記第1切替え弁を動作させて、前記リリーフ弁の開閉状態によらず前記ロジック弁を開き、前記バイパスラインを介して前記高圧ラインから前記低圧ラインに前記作動油を流すステップを備える。
図1は、一実施形態に係る風力発電装置の構成を示す図である。同図に示すように、風力発電装置1は、風を受けて回転するように構成された風車ロータ3と、風車ロータ3の回転を増速するための油圧トランスミッション20と、電力を生成するための発電機16と、を備える。なお、ハブ4はハブカバー(スピナー)5によって覆われていてもよい。また、回転シャフト6の少なくとも一部は、タワー17上に設置されたナセル18によって覆われていてもよい。一実施形態では、油圧トランスミッション20及び発電機16は、ナセル18の内部に設置される。
風車ロータ3は、少なくとも一本のブレード2と、ブレード2が取り付けられるハブ4と、ハブ4に連結された回転シャフト6とで構成される。これにより、ブレード2が受けた風の力によって風車ロータ3全体が回転し、回転シャフト6から油圧トランスミッション20に回転が入力される。回転シャフト6から入力された回転は油圧トランスミッション20によって増速され、回転シャフト9を介して発電機16に伝達される。
油圧ポンプ8は、風車ロータ3によって駆動されて作動油を加圧し、高圧の作動油(圧油)を生成する。油圧ポンプ8で生成された圧油は高圧ライン12を介して油圧モータ10に供給され、この圧油によって油圧モータ10が駆動される。油圧モータ10で仕事をした後の低圧の作動油は、低圧ライン14を経由して油圧ポンプ8に再び流入するようになっている。
なお、油圧ポンプ8及び油圧モータ10は、押しのけ容積が調節可能な可変容量型であってもよい。
貯留タンク60には、油圧トランスミッション20に補充するための作動油が貯留されている。この作動油は、補充ライン62に設けられたブーストポンプ64によって汲み上げられて、低圧ライン14に供給されるようになっている。このとき、低圧ライン14に供給される作動油は、補充ライン62に設けたオイルフィルタ(図示しない)によって不純物が除去されてもよい。このようにして低圧ライン14への作動油の補充を行うことで、油圧トランスミッション20において作動油の漏れが生じても、油圧トランスミッション20を循環する作動油の量を維持できる。
また、低圧ライン14と貯留タンク60との間には返送ライン66が設けられ、返送ライン66にはリリーフ弁68が配置されていてもよい。これにより、油圧トランスミッション20の作動時に、低圧ライン14内の圧力をリリーフ弁68の設定圧力近傍に保持するようになっている。
バイパスライン24には、分岐点28よりも低圧ライン14側に、ロジック弁30が設けられる。分岐ライン26には、リリーフ弁34が設けられるとともに、リリーフ弁34よりも高圧ライン12側に絞り部36が設けられる。また、分岐ライン26とロジック弁30との間には、分岐ライン26の圧力をパイロット圧としてロジック弁30に与えるためのパイロットライン38が設けられる。
即ち、リリーフ弁34は、分岐ライン26における絞り部36とリリーフ弁34との間の位置(分岐ライン26において絞り部36よりも下流の位置)における圧力をパイロット圧として取得するようになっており、取得したパイロット圧が予め設定された設定値以上のときに開くようになっている。ここで、分岐ライン26における絞り部36とリリーフ弁34との間の部分は、絞り部36及びバイパスライン24の一部を介して高圧ライン12と連通している。定常状態においては、分岐ライン26において絞り部36の前後で圧力差はないとみなせるので、分岐ライン26における絞り部36とリリーフ弁34との間の部分の圧力と、高圧ライン12の圧力とは等しいとみなせる。よって、リリーフ弁34が取得するパイロット圧は、高圧ライン12の圧力であるとみなすことができる。
なお、リリーフ弁34が開くための設定値(閾値)は、例えば、リリーフ弁34の弁体に作用するばね力を調節することで、機械的に設定することができるようになっている。
ロジック弁30には、パイロット圧として、分岐ライン26におけるリリーフ弁34と絞り部36との間の第1パイロット圧取得位置40における作動油の圧力がパイロットライン38を介して与えられるようになっている。
ロジック弁30は、ロジック弁30を流れる作動油の入口である入口ポート31と、出口である出口ポート33を有する。入口ポート31はバイパスライン24を介して高圧ライン12と連通し、出口ポート33はバイパスライン24を介して低圧ライン14と連通するようになっている。
そして、ロジック弁30は、入口ポート31側及び出口ポート33側の作動油の圧力に応じて弁体が受ける開弁方向の力と、パイロットポート32側において取得されるパイロット圧に応じて弁体に作用する閉弁方向の力との大小関係により開閉するようになっている。すなわち、開弁方向の力が閉弁方向の力よりも小さければ、ロジック弁30は閉じたままであり、開弁方向の力が閉弁方向の力よりも大きくなれば、ロジック弁30は開く。
例えば、ロジック弁30に与えられるパイロット圧が高圧ライン12の圧力(又はそれ以上)であれば、ロジック弁30の弁体にはたらく閉弁方向の力の方が開弁方向の力よりも大きいため、ロジック弁30は閉じたままである。
また、ロジック弁30の弁体にはたらく開弁方向の力は、入口ポート31側での高圧作動油からの受圧面積と、出口ポート33側での低圧作動油からの受圧面積との受圧面積比に応じて変化する。このため、ロジック弁30に与えられるパイロット圧が高圧ライン12の圧力未満の時には、ロジック弁30の開閉状態は、上述の受圧面積比に応じて決まる。なお、パイロット圧が低圧ライン14の圧力未満となれば(例えば大気圧であれば)、弁体にはたらく閉弁方向の力よりも開弁方向の力の方が大きいので、ロジック弁30は開く。
例えば、図2〜図4に示す油圧トランスミッション20では、リリーフ弁34が閉じた状態では、第1パイロット圧取得位置40における作動油の圧力は、高圧ライン12の圧力と等しいとみなせる。よって、この圧力をパイロット圧として取得した時には、ロジック弁30は閉じたままである。
また、リリーフ弁34が開いた状態では、第1パイロット圧取得位置40における作動油の圧力は、絞り部36によって減圧されるので、高圧ライン12の圧力よりも低い圧力となる。この第1パイロット圧取得位置40における作動油の圧力を、高圧ライン12の圧力よりも十分に低い圧力(例えば低圧ライン14の圧力よりも低い圧力)になるようにすれば、この圧力をパイロット圧として取得した時には、ロジック弁30は開く。
また、一般にロジック弁は、同容量のリリーフ弁に比べて小型であるので、高圧ライン12の異常高圧時にバイパスライン24に設けたリリーフ弁のみを通して高圧油を低圧ライン14に逃がす場合に比べて、油圧トランスミッション20をコンパクトな構成とすることができる。
このようなリリーフ弁34では、ソレノイド42に与える励磁力に対応した開弁設定圧(閾値)を設定することができる。また、励磁力を調整することで、開弁設定圧(閾値)を可変に設定することが可能である。
このように、ソレノイド42に与える励磁力に応じて電気的に設定可能な閾値は、上述した機械的に設定される閾値(例えば、リリーフ弁34の弁体に作用するばね力を調整することで設定する閾値)とは別に設定することが可能である。
他の実施形態では、ソレノイド42に与える励磁力に応じて設定される第2閾値は、機械的に設定される第1閾値よりも大きい範囲内で調節される。そして、リリーフ弁34は、ソレノイド42の非励磁状態では、分岐ライン26における絞り部36とリリーフ弁34との間の位置にて取得するパイロット圧が第1閾値(機械的に設定された閾値)以上である場合に開き、かつ、ソレノイド42の励磁状態では、該パイロット圧が第1閾値よりも大きい第2閾値(電気的に設定された閾値)以上である場合に開くように構成される。すなわち、設定しようとする第2閾値(第1閾値よりも大きい値)に対応する大きさの閉弁方向の電磁力がリリーフ弁34の弁体に与えられるようにソレノイド42に励磁力が与えられることで、パイロット圧が第2閾値以上である場合にリリーフ弁34が開くようにする。
このため、高圧ライン12における作動油の圧力が第2閾値以上のときに、リリーフ弁34が開くとともにロジック弁30が開くことによって、バイパスライン24を介して高圧ライン12から低圧ライン14に作動油を大きな流量で流すことができる。
そこで、上述のように、循環路25内において作動油を循環させることで、作動油の温度を適度に上昇させてから油圧モータ10を作動させることで、発電装置の発電効率を向上させることが期待できる。
第1切替え弁44は、分岐ライン26に連通する高圧側ポート46及び低圧側ポート48と、ロジック弁30のパイロットポート32に連通するロジック弁側ポート52とを有する。高圧側ポート46は、第1パイロット圧取得位置40における分岐ライン26に連通する。一方、低圧側ポート48は、リリーフ弁34よりも下流側の第2パイロット圧取得位置50における分岐ライン26に連通する。
そして、第1切替え弁44は、ロジック弁側ポート52の接続先を高圧側ポート46と低圧側ポート48とで切替え可能に構成される。
例えば、リリーフ弁34のパイロット圧(高圧ライン12の圧力)が閾値未満であり、リリーフ弁34が閉じている状態である場合を考える。このとき、第1切替え弁44のロジック弁側ポート52が高圧側ポート46に接続されていれば、ロジック弁30に与えられるパイロット圧は第1パイロット圧取得位置40における分岐ライン26の圧力(即ち高圧ライン12の圧力)であるので、ロジック弁30は閉じたままである。一方、第1切替え弁44のロジック弁側ポート52の接続先を低圧側ポートに切り替えると、ロジック弁30に与えられるパイロット圧は、第2パイロット圧取得位置50における分岐ライン26の圧力(即ち低圧源19の圧力)であるので、ロジック弁30は開く。
この点、図3に示す実施形態によれば、所望のタイミングで、第1切替え弁44を操作することによって低圧源19の圧力をパイロット圧としてロジック弁30に与えて、ロジック弁30を開くことができる。このため、高圧ライン12及びバイパスライン24を含めた油圧トランスミッション20内の圧力を、リリーフ弁34の最低作動圧よりも低い圧力(例えば低圧源19付近の圧力)まで低下させることができる。したがって、例えば、油圧トランスミッション20のメンテナンス時等の安全性をより向上させることができる。
第2切替え弁54の接続先の切り替えは、バイパスライン制御部72からの指令信号に基づいて行われてもよい。
図4に示す例示的な実施形態では、可変絞り56は、バイパスライン24において、第2切替え弁54の下流に設けられる。
よって、上記(7)の構成により、例えば高圧ライン12の異常高圧時に、高圧ライン12の圧力を迅速に低下させることができる。
図6〜図8に示す運転方法では、まず、油圧ポンプ8及び油圧モータ10の運転状況をチェックする(S10及びS12)。油圧ポンプ8が運転中でなければ油圧ポンプを運転させ(S12)、油圧モータ10が運転中であれば油圧モータ10を停止する(S22)。
図6に示す運転方法のS30Aでは、リリーフ弁34およびロジック弁30を開くことで、循環路25内において作動油を循環させ、作動油を昇温させる。
図7に示す運転方法のS30Bでは、ロジック弁側ポート52が低圧側ポート48に接続されるように第1切替え弁44を動作させて、リリーフ弁34の開閉状態によらずロジック弁30を開くことで、循環路25内において作動油を循環させ、作動油を昇温させる。
図8に示す運転方法のS30Cでは、第2切替え弁54を開くことで、循環路25内において作動油を循環させ、作動油を昇温させる。
そして、S42で作動油の昇温速度が適切な範囲内でないと判断された場合には、可変絞り56の操作により、循環路25を循環する作動油の流量を変化させる(S44)。
この運転方法では、ロジック弁側ポート52が低圧側ポート48に接続されるように第1切替え弁44を動作させて、リリーフ弁34の開閉状態によらずロジック弁30を開き、バイパスライン24を介して高圧ライン12から低圧ライン14に作動油を流す(S102)。
また、S102を含む運転方法によれば、第1切替え弁44を操作することによって低圧源19の圧力をパイロット圧としてロジック弁30に与えて、ロジック弁30を開くことができる。このため、高圧ライン12及びバイパスライン24を含めた油圧トランスミッション20内の圧力を、リリーフ弁34の最低作動圧よりも低い圧力(例えば低圧源19付近の圧力)まで低下させることができる。したがって、例えば、油圧トランスミッション20のメンテナンス時等の安全性をより向上させることができる。
この運転方法では、第2切替え弁54を開いて、バイパスライン24を介して高圧ライン12から低圧ライン14に作動油を流す(S104)。
また、S104を含む運転方法によれば、第2切替え弁54を開くことによって、高圧ライン12内の高圧の作動油を低圧ライン14へ流すことができる。この際、例えば返送ライン66に設けたリリーフ弁68を開けておくことで、高圧ライン12及びバイパスライン24を含めた油圧トランスミッション20内の圧力を、リリーフ弁34の最低作動圧よりも低い圧力(例えば低圧源19の圧力)まで低下させることができる。したがって、例えば、油圧トランスミッション20のメンテナンス時等の安全性をより高めることができる。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 ブレード
3 風車ロータ
4 ハブ
6 回転シャフト
8 油圧ポンプ
9 回転シャフト
10 油圧モータ
12 高圧ライン
14 低圧ライン
16 発電機
17 タワー
18 ナセル
19 低圧源
20 油圧トランスミッション
24 バイパスライン
25 循環路
26 分岐ライン
28 分岐点
30 ロジック弁
31 入口ポート
32 パイロットポート
33 出口ポート
34 リリーフ弁
36 絞り部
38 パイロットライン
40 第1パイロット圧取得位置
42 ソレノイド
44 第1切替え弁
46 高圧側ポート
48 低圧側ポート
50 第2パイロット圧取得位置
52 ロジック弁側ポート
54 第2切替え弁
56 可変絞り
60 貯留タンク
62 補充ライン
64 ブーストポンプ
66 返送ライン
68 リリーフ弁
70 油圧トランスミッションコントローラ
72 バイパスライン制御部
Claims (14)
- 作動油を加圧するように構成された油圧ポンプと、
前記油圧ポンプで加圧された前記作動油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
前記油圧ポンプの吐出側と前記油圧モータの吸込側とを接続する高圧ラインと、
前記油圧モータの吐出側と前記油圧ポンプの吸込側とを接続する低圧ラインと、
前記高圧ラインと前記低圧ラインとを接続するバイパスラインと、
前記バイパスライン上の分岐点から分岐して、前記高圧ラインよりも前記作動油の圧力が低い低圧源に接続される分岐ラインと、
パイロットポートを有するとともに、前記バイパスラインにおいて前記分岐点よりも前記低圧ライン側に設けられ、前記パイロットポートを介して取得されるパイロット圧の切り替えにより開閉可能に構成されたロジック弁と、
前記分岐ラインに設けられ、前記高圧ラインにおける前記作動油の圧力が閾値以上のときに開くように構成されたリリーフ弁と、
前記分岐ラインにおいて前記リリーフ弁よりも前記高圧ライン側に設けられる絞り部と、
前記分岐ラインにおける前記リリーフ弁と前記絞り部との間の第1パイロット圧取得位置における前記作動油の圧力を、パイロット圧として、前記パイロットポートを介して前記ロジック弁に与えるように構成されたパイロットラインと、を備え、
前記ロジック弁は、
前記リリーフ弁が閉じた状態の前記第1パイロット圧取得位置における前記作動油の圧力を前記パイロット圧として取得したときに閉じたままであり、
前記リリーフ弁が開いた状態の前記第1パイロット圧取得位置における前記作動油の圧力を前記パイロット圧として取得したときに開く
ように構成されたことを特徴とする油圧トランスミッション。 - 前記リリーフ弁は、励磁されることにより開弁方向又は閉弁方向の電磁力を弁体に与えるように構成されたソレノイドを含み、
前記リリーフ弁は、
前記ソレノイドの非励磁状態において、前記分岐ラインにおける前記絞り部と前記リリーフ弁との間の前記第1パイロット圧取得位置における圧力をパイロット圧として取得し、該パイロット圧が第1閾値以上である場合に開き、且つ、前記ソレノイドの励磁状態において、前記パイロット圧が前記第1閾値とは異なる第2閾値以上である場合に開くとともに、
前記ソレノイドに与える励磁力に応じて前記第2閾値を調節する
ように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の油圧トランスミッション。 - 前記パイロットラインに設けられた第1切替え弁をさらに備え、
前記第1切替え弁は、
前記第1パイロット圧取得位置における前記分岐ラインに連通する高圧側ポートと、
前記リリーフ弁よりも下流側の第2パイロット圧取得位置における前記分岐ラインに連通する低圧側ポートと、
前記ロジック弁の前記パイロットポートに連通するロジック弁側ポートと、
を含み、
前記第1切替え弁は、前記ロジック弁側ポートの接続先を前記高圧側ポートと前記低圧側ポートとで切替え可能に構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧トランスミッション。 - 前記バイパスラインにおいて前記ロジック弁とは並列に設けられ、電磁力によって開閉の切替えが可能に構成された第2切替え弁をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧トランスミッション。
- 前記バイパスラインに設けられた可変絞りをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の油圧トランスミッション。
- 風車ロータと、
前記風車ロータに接続される油圧トランスミッションと、を備える風力発電装置であって、
前記油圧トランスミッションは、請求項1乃至5の何れか一項に記載の油圧トランスミッションであって、
前記油圧ポンプは、前記風車ロータによって駆動されて作動油を加圧する
ように構成されたことを特徴とする風力発電装置。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載の油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記高圧ラインにおける前記作動油の圧力が閾値未満のとき、前記リリーフ弁および前記ロジック弁を閉じたまま維持して、前記高圧ラインの前記作動油を前記油圧モータに供給するステップと、
前記高圧ラインにおける前記作動油の圧力が閾値以上のとき、前記リリーフ弁および前記ロジック弁を開いて、前記バイパスラインを介して前記高圧ラインから前記低圧ラインに前記作動油を流すステップと、
を備えることを特徴とする油圧トランスミッションの運転方法。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載の油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記油圧ポンプの運転中、且つ、前記油圧モータの停止中に前記リリーフ弁および前記ロジック弁を開いて、前記油圧ポンプ、前記高圧ライン、前記バイパスライン、および、前記低圧ラインを含む循環路内において前記作動油を循環させ、前記作動油を昇温するステップを備えることを特徴とする油圧トランスミッションの運転方法。 - 請求項3に記載の油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記油圧ポンプの運転中、且つ、前記油圧モータの停止中に、前記ロジック弁側ポートが前記低圧側ポートに接続されるように前記第1切替え弁を動作させて、前記リリーフ弁の開閉状態によらず前記ロジック弁を開き、前記油圧ポンプ、前記高圧ライン、前記バイパスライン、および、前記低圧ラインを含む循環路内において前記作動油を循環させ、前記作動油を昇温するステップを備えることを特徴とする油圧トランスミッションの運転方法。 - 請求項4に記載の油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記油圧ポンプの運転中、且つ、前記油圧モータの停止中に、前記第2切替え弁を開いて、前記油圧ポンプ、前記高圧ライン、前記バイパスライン、および、前記低圧ラインを含む循環路内において前記作動油を循環させ、前記作動油を昇温するステップを備えることを特徴とする油圧トランスミッションの運転方法。 - 前記循環路に設けられた可変絞りの操作により、前記循環路を循環する前記作動油の流量を変化させて、前記作動油の昇温速度を調節するステップをさらに備えることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載の油圧トランスミッションの運転方法。
- 前記作動油を前記循環路内で循環させるステップの後、
前記作動油の温度が閾値以上になったとき前記油圧モータを始動させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項8乃至11の何れか一項に記載の油圧トランスミッションの運転方法。 - 請求項3に記載の油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記ロジック弁側ポートが前記低圧側ポートに接続されるように前記第1切替え弁を動作させて、前記リリーフ弁の開閉状態によらず前記ロジック弁を開き、前記バイパスラインを介して前記高圧ラインから前記低圧ラインに前記作動油を流すステップを備えることを特徴とする油圧トランスミッションの運転方法。 - 請求項4に記載の油圧トランスミッションの運転方法であって、
前記第2切替え弁を開いて、前記バイパスラインを介して前記高圧ラインから前記低圧ラインに前記作動油を流すステップを備えることを特徴とする油圧トランスミッションの運転方法。
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