JP2002310081A - 燃料電池用スクリュー式流体機械 - Google Patents
燃料電池用スクリュー式流体機械Info
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- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01C—ROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
- F01C11/00—Combinations of two or more machines or engines, each being of rotary-piston or oscillating-piston type
- F01C11/002—Combinations of two or more machines or engines, each being of rotary-piston or oscillating-piston type of similar working principle
- F01C11/004—Combinations of two or more machines or engines, each being of rotary-piston or oscillating-piston type of similar working principle and of complementary function, e.g. internal combustion engine with supercharger
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C2240/00—Components
- F04C2240/50—Bearings
- F04C2240/51—Bearings for cantilever assemblies
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】燃料電池に用いる圧縮機と膨張機を一体化する
とともに、小型高効率化する。 【解決手段】スクリュー式流体機械は、雄ロータ1と雌
ロータ2とを有している。雄ロータ1は2個の雄ロータ
1a、1bを一体化してものであり、雌ロータ2も2個
の雌ロータ2a、2bを一体化している。2個の雄ロー
タ1a、1bの捩り方向およびピッチは同一である。第
1のスクリュー要素100は圧縮機として作動し、第2
のスクリュー要素110は膨張機として作動する。第2
のスクリュー要素には燃料電池の排気が導かれる。
とともに、小型高効率化する。 【解決手段】スクリュー式流体機械は、雄ロータ1と雌
ロータ2とを有している。雄ロータ1は2個の雄ロータ
1a、1bを一体化してものであり、雌ロータ2も2個
の雌ロータ2a、2bを一体化している。2個の雄ロー
タ1a、1bの捩り方向およびピッチは同一である。第
1のスクリュー要素100は圧縮機として作動し、第2
のスクリュー要素110は膨張機として作動する。第2
のスクリュー要素には燃料電池の排気が導かれる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の空気を利
用する燃料電池用スクリュー式流体機械に係り、特に空
気を圧縮する圧縮機と燃料電池の排気を膨張させる膨張
機とを備えた燃料電池用スクリュー式流体機械に関す
る。
用する燃料電池用スクリュー式流体機械に係り、特に空
気を圧縮する圧縮機と燃料電池の排気を膨張させる膨張
機とを備えた燃料電池用スクリュー式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水素と酸素を化学反応させて電機エネル
ギーを発生させるので、クリーンで地球環境負荷が少な
い燃料電池がクローズアップされている。このような燃
料電池の例が、特開平7-14599号公報及び特開2
000−149972号公報に記載されている。この中
で、特開平7-14599号公報には、空気圧縮のため
に必要なエネルギ消費を最小にしながら、すべての運転
範囲で燃料電池装置の発生出力を最適にするために、空
気供給導管に回転数可変の圧縮機を、空気排出導管に吸
収能力可変の膨張機を設けることが記載されている。
ギーを発生させるので、クリーンで地球環境負荷が少な
い燃料電池がクローズアップされている。このような燃
料電池の例が、特開平7-14599号公報及び特開2
000−149972号公報に記載されている。この中
で、特開平7-14599号公報には、空気圧縮のため
に必要なエネルギ消費を最小にしながら、すべての運転
範囲で燃料電池装置の発生出力を最適にするために、空
気供給導管に回転数可変の圧縮機を、空気排出導管に吸
収能力可変の膨張機を設けることが記載されている。
【0003】また、特開2000-149972号公報
には、燃料電池の排出ガスより残留エネルギを回収し、
膨張機の無駄な動力消費を伴うこと無く、圧縮機の動力
助勢として利用するために、燃料電池の空気供給管に接
続したスクロール型圧縮機と、空気排出管に接続したス
クロール型回生機とをモータ出力軸の両端に、対称的に
結合することが記載されている。
には、燃料電池の排出ガスより残留エネルギを回収し、
膨張機の無駄な動力消費を伴うこと無く、圧縮機の動力
助勢として利用するために、燃料電池の空気供給管に接
続したスクロール型圧縮機と、空気排出管に接続したス
クロール型回生機とをモータ出力軸の両端に、対称的に
結合することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
7-14599号公報に記載のものは、膨張機を用いて
燃料電池から無駄に捨てられていたエネルギーを回収す
るようにしているので、省エネルギーの観点からは好ま
しい。特に自動車用等の燃料電池では小型高効率化が望
まれるが、エネルギー回収をするので高効率を達成しや
すい。しかしながら、この公報に記載のものは、エネル
ギー回収については十分考慮しているものの、例えば自
動車用の燃料電池において車載するための構成について
は考慮が不十分である。つまり、燃料電池の小型化に関
しては考慮されていない。
7-14599号公報に記載のものは、膨張機を用いて
燃料電池から無駄に捨てられていたエネルギーを回収す
るようにしているので、省エネルギーの観点からは好ま
しい。特に自動車用等の燃料電池では小型高効率化が望
まれるが、エネルギー回収をするので高効率を達成しや
すい。しかしながら、この公報に記載のものは、エネル
ギー回収については十分考慮しているものの、例えば自
動車用の燃料電池において車載するための構成について
は考慮が不十分である。つまり、燃料電池の小型化に関
しては考慮されていない。
【0005】一方、特開2000-149972号公報
に記載の燃料電池においては、モータの両端にスクロー
ル圧縮機及び回生機を接続しているので、エネルギー回
収と小型化の双方を解決できる。しかしながらこの公報
に記載のものは小容量機には好適であるが、旋回スクロ
ール部材を旋回運動させる必要があり、大容量を必要と
する場合には回転釣り合わせや振動低減が困難となる。
したがって、大容量化または高速化の面で不十分であ
る。
に記載の燃料電池においては、モータの両端にスクロー
ル圧縮機及び回生機を接続しているので、エネルギー回
収と小型化の双方を解決できる。しかしながらこの公報
に記載のものは小容量機には好適であるが、旋回スクロ
ール部材を旋回運動させる必要があり、大容量を必要と
する場合には回転釣り合わせや振動低減が困難となる。
したがって、大容量化または高速化の面で不十分であ
る。
【0006】本発明は上記従来技術の有する不具合に鑑
みなされたものであり、その目的はスクリュー式の圧縮
機と膨張機を一体化するとともに、高効率で信頼性の高
い燃料電池を実現することにある。本発明の他の目的
は、大容量化が望まれる燃料電池システムにおいて、エ
ネルギ損失を小さくし、構造を簡素化することにある。
みなされたものであり、その目的はスクリュー式の圧縮
機と膨張機を一体化するとともに、高効率で信頼性の高
い燃料電池を実現することにある。本発明の他の目的
は、大容量化が望まれる燃料電池システムにおいて、エ
ネルギ損失を小さくし、構造を簡素化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の特徴は、第1および第2の雄歯形が直
列状に形成されたスクリュー雄ロータと、第1および第
2の雌歯形が直列状に形成されたスクリュー雌ロータと
をケーシング内に保持し、第1および第2の雄歯形の捩
れ方向を同一方向としたものである。
の本発明の第1の特徴は、第1および第2の雄歯形が直
列状に形成されたスクリュー雄ロータと、第1および第
2の雌歯形が直列状に形成されたスクリュー雌ロータと
をケーシング内に保持し、第1および第2の雄歯形の捩
れ方向を同一方向としたものである。
【0008】そしてこの特徴において、第1の雄歯形と
第2の雄歯形のピッチを実質的に同一にする;第2の雄
歯形が収容される前記ケーシング部に燃料電池本体から
排出される排気を導く吸気口を設け、第1の雄歯形が収
容されるケーシング部に大気を吸気可能な吸気口を設け
る;雄ロータまたは雌ロータのいずれかの軸端部を、外
部動力を入力可能に形成する;雄ロータおよび雌ロータ
に形成した歯形は非対称歯形であり、それぞれの第1の
歯形と第2の歯形は軸方向から見て裏返しの関係にある
ことが望ましい。
第2の雄歯形のピッチを実質的に同一にする;第2の雄
歯形が収容される前記ケーシング部に燃料電池本体から
排出される排気を導く吸気口を設け、第1の雄歯形が収
容されるケーシング部に大気を吸気可能な吸気口を設け
る;雄ロータまたは雌ロータのいずれかの軸端部を、外
部動力を入力可能に形成する;雄ロータおよび雌ロータ
に形成した歯形は非対称歯形であり、それぞれの第1の
歯形と第2の歯形は軸方向から見て裏返しの関係にある
ことが望ましい。
【0009】上記目的を達成するための本発明の第2の
特徴は、雄歯形が形成された雄ロータと、雌歯形が形成
された雌ロータと、これら雄ロータと雌ロータとを収容
するケーシングとを備え、雄ロータと雌ロータの少なく
とも何れかのロータ軸端部にバランスピストンを設け、
このバランスピストンにより仕切られる2つの空間に燃
料電池本体から排出される排気を圧力差を設けて導いた
ものである。
特徴は、雄歯形が形成された雄ロータと、雌歯形が形成
された雌ロータと、これら雄ロータと雌ロータとを収容
するケーシングとを備え、雄ロータと雌ロータの少なく
とも何れかのロータ軸端部にバランスピストンを設け、
このバランスピストンにより仕切られる2つの空間に燃
料電池本体から排出される排気を圧力差を設けて導いた
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明のいくつかの実施例
を、図面を用いて説明する。図5は、圧縮機と膨張機が
一体化した燃料電池システム51のシステム構成図を説
明する図である。燃料電池の本体部分である燃料電池ス
タック52には、水素あるいは水素を多く含む気体を通
す水素室53に接して水素極54が設けられている。ま
た、大気を圧縮して送り込む空気室55に接して酸素極
56が設けられている。これら水素極54と酸素極56
の間には、水素イオン透過膜57が挟まれている。
を、図面を用いて説明する。図5は、圧縮機と膨張機が
一体化した燃料電池システム51のシステム構成図を説
明する図である。燃料電池の本体部分である燃料電池ス
タック52には、水素あるいは水素を多く含む気体を通
す水素室53に接して水素極54が設けられている。ま
た、大気を圧縮して送り込む空気室55に接して酸素極
56が設けられている。これら水素極54と酸素極56
の間には、水素イオン透過膜57が挟まれている。
【0011】エアクリーナ58で粉塵を取り除かれて清
浄化された大気は、圧縮機59で昇圧した後空気室55
に送られる。空気室55に送られた圧縮空気中の酸素の
一部は、水素室53に供給された水素と反応して、水ま
たは水蒸気となる。その結果、空気室55から流れ出る
空気中の酸素量は減少しており、水あるいは水蒸気が多
く含まれる。この空気室55からの排気は、加圧された
空気が元であり燃料電池スタック52における通過損失
もそれほど大きくないので、圧力はまだ大気より高い。
そこで排気を膨張機60に導いて、動力を回収する。燃
料電池スタック52の圧力損失は、大気圧0.1MPaの空気
を吸込み圧縮機59で0.3MPaまで昇圧するとしても0.02
MPa程度であり、排気にはまだ0.28MPa程度の圧力が残
る。
浄化された大気は、圧縮機59で昇圧した後空気室55
に送られる。空気室55に送られた圧縮空気中の酸素の
一部は、水素室53に供給された水素と反応して、水ま
たは水蒸気となる。その結果、空気室55から流れ出る
空気中の酸素量は減少しており、水あるいは水蒸気が多
く含まれる。この空気室55からの排気は、加圧された
空気が元であり燃料電池スタック52における通過損失
もそれほど大きくないので、圧力はまだ大気より高い。
そこで排気を膨張機60に導いて、動力を回収する。燃
料電池スタック52の圧力損失は、大気圧0.1MPaの空気
を吸込み圧縮機59で0.3MPaまで昇圧するとしても0.02
MPa程度であり、排気にはまだ0.28MPa程度の圧力が残
る。
【0012】回収した動力は、圧縮機59と膨張機60
を連結する連結軸61を介して圧縮機59に送られる。
なお、圧縮機59で大気を加圧するには、膨張機60で
回収したエネルギーだけでは不十分であるから、連結軸
61をさらに延ばしてこの軸端を電動機62軸と接続す
る。したがって、圧縮空気を供給するときにはエネルギ
が消費されるので、燃料電池のエネルギ効率を向上させ
るためには、圧縮機の効率向上はもちろんのこと、膨張
機を用いて動力を回収するのがよい。
を連結する連結軸61を介して圧縮機59に送られる。
なお、圧縮機59で大気を加圧するには、膨張機60で
回収したエネルギーだけでは不十分であるから、連結軸
61をさらに延ばしてこの軸端を電動機62軸と接続す
る。したがって、圧縮空気を供給するときにはエネルギ
が消費されるので、燃料電池のエネルギ効率を向上させ
るためには、圧縮機の効率向上はもちろんのこと、膨張
機を用いて動力を回収するのがよい。
【0013】そこで、本発明では圧縮機と膨張機とを一
体化して、燃料電池の効率の向上と小型化を図ってい
る。その例を、図1及び図2を用いて説明する。図1
は、本発明の燃料電池の一実施例の水平断面図である。
本図では、圧縮機及び膨張機にスクリュー式流体機械を
用いている。
体化して、燃料電池の効率の向上と小型化を図ってい
る。その例を、図1及び図2を用いて説明する。図1
は、本発明の燃料電池の一実施例の水平断面図である。
本図では、圧縮機及び膨張機にスクリュー式流体機械を
用いている。
【0014】スクリュー式流体機械では、雄ロータと雌
ロータの一対のロータを同期回転させることにより、圧
縮作動室や膨張空間を形成する。対をなす雄ロータ1a
および雌ロータ2aは、ケーシング3に内蔵され、第1
のスクリュー要素100を構成する。他の一対のロータ
1b、2bが、ケーシング4に内蔵され、第2のスクリ
ュー要素110を構成する。2つのスクリュー要素10
0、110の雄ロータ1a、1bどうしあるいは雌ロー
タ2a、2bどうしは、各々一体化された雄ロータ1、
雌ロータ2を形成する。この一体化された雄ロータ1ま
たは雌ロータ2は、1本の丸棒素材から2つのスクリュ
ー歯をホブ等により一体加工して得られる。ただし一体
加工にすると、軸長が長くなりすぎる場合には、別個に
加工し、その後軸端を嵌合等により接続するようにして
もよい。
ロータの一対のロータを同期回転させることにより、圧
縮作動室や膨張空間を形成する。対をなす雄ロータ1a
および雌ロータ2aは、ケーシング3に内蔵され、第1
のスクリュー要素100を構成する。他の一対のロータ
1b、2bが、ケーシング4に内蔵され、第2のスクリ
ュー要素110を構成する。2つのスクリュー要素10
0、110の雄ロータ1a、1bどうしあるいは雌ロー
タ2a、2bどうしは、各々一体化された雄ロータ1、
雌ロータ2を形成する。この一体化された雄ロータ1ま
たは雌ロータ2は、1本の丸棒素材から2つのスクリュ
ー歯をホブ等により一体加工して得られる。ただし一体
加工にすると、軸長が長くなりすぎる場合には、別個に
加工し、その後軸端を嵌合等により接続するようにして
もよい。
【0015】第1のスクリュー要素100と第2のスク
リュー要素110の軸直角断面における歯形は、軸方向
から見て裏返しでほぼ同一形状である。2つの雄ロータ
1a、1bのリードは同一であり、ねじり方向も同一の
左巻きである。これらの雄ロータ1a、1bと噛み合う
雌ロータ2a、2bのねじり方向は、右巻きである。
リュー要素110の軸直角断面における歯形は、軸方向
から見て裏返しでほぼ同一形状である。2つの雄ロータ
1a、1bのリードは同一であり、ねじり方向も同一の
左巻きである。これらの雄ロータ1a、1bと噛み合う
雌ロータ2a、2bのねじり方向は、右巻きである。
【0016】スクリュー式流体機械に用いるロータの歯
形形状としては、性能が優れているので前進面と後進面
で形状の異なる非対称歯形を用いる。非対称歯形を用い
ると、作動室の容積が拡大する行程あるいは縮小する行
程のいずれかで、内部漏れを少なくすることができる。
そこで、圧縮機として作動する第1のスクリュー要素1
00では作動室容積が縮小する行程で、膨張機として作
動する第2のスクリュー要素110では拡大行程時に内
部漏れを少なくする。内部漏れの低減方法を、図6と図
7を用いて説明する。
形形状としては、性能が優れているので前進面と後進面
で形状の異なる非対称歯形を用いる。非対称歯形を用い
ると、作動室の容積が拡大する行程あるいは縮小する行
程のいずれかで、内部漏れを少なくすることができる。
そこで、圧縮機として作動する第1のスクリュー要素1
00では作動室容積が縮小する行程で、膨張機として作
動する第2のスクリュー要素110では拡大行程時に内
部漏れを少なくする。内部漏れの低減方法を、図6と図
7を用いて説明する。
【0017】図6は圧縮機として動作する時を示し、両
ロータは矢印61、62の方向に回転する。隣接する作
動室への漏洩流路であるブローホールはボアの尖点であ
るカスプ部63、64に隣りあってこれらのブローホー
ルの中で、圧縮過程にあり内圧が高い作動室65に面す
るカスプ部63に隣りあうブローホールが、性能に大き
な影響を及ぼす。そこで、このブローホール面積が小さ
くなる非対称歯形を用いる。曲率半径の小さい雌ロータ
1b歯先の尖り方向が前向き、曲率半径の小さい歯先の
丸みのある方向が後ろ向きになる。
ロータは矢印61、62の方向に回転する。隣接する作
動室への漏洩流路であるブローホールはボアの尖点であ
るカスプ部63、64に隣りあってこれらのブローホー
ルの中で、圧縮過程にあり内圧が高い作動室65に面す
るカスプ部63に隣りあうブローホールが、性能に大き
な影響を及ぼす。そこで、このブローホール面積が小さ
くなる非対称歯形を用いる。曲率半径の小さい雌ロータ
1b歯先の尖り方向が前向き、曲率半径の小さい歯先の
丸みのある方向が後ろ向きになる。
【0018】図7に示す膨張機においてロータの回転方
向を図6の圧縮機と同一の方向61、62としたときに
は、膨張過程にある作動室66に面するカスプ部67の
側に形成されるブローホールが性能に大きな影響を与え
る。そこで、ブローホールを小さくするために、非対称
歯形を図6の場合と裏返し形状で形成する。
向を図6の圧縮機と同一の方向61、62としたときに
は、膨張過程にある作動室66に面するカスプ部67の
側に形成されるブローホールが性能に大きな影響を与え
る。そこで、ブローホールを小さくするために、非対称
歯形を図6の場合と裏返し形状で形成する。
【0019】2つの雄ロータ1a、1bのスクリュー歯
は、互いにねじりの向きを反対に加工する。これに伴
い、これら雄ロータと噛み合う雌ロータ2a、2bのね
じり方向も逆となる。ここでは雄ロータ1aと雌ロータ
2bを左ねじ、雄ロータ1bと雌ロータ2aを右ねじと
する。雌雄ロータを噛み合わせ、各ロータの外周面と端
面をケーシングに形成したボアの壁面で囲む。これによ
り、雌雄両スクリューロータの歯間に形成される溝が、
ロータの回転によって容積が拡大縮小する圧縮室または
膨張空間を形成する。
は、互いにねじりの向きを反対に加工する。これに伴
い、これら雄ロータと噛み合う雌ロータ2a、2bのね
じり方向も逆となる。ここでは雄ロータ1aと雌ロータ
2bを左ねじ、雄ロータ1bと雌ロータ2aを右ねじと
する。雌雄ロータを噛み合わせ、各ロータの外周面と端
面をケーシングに形成したボアの壁面で囲む。これによ
り、雌雄両スクリューロータの歯間に形成される溝が、
ロータの回転によって容積が拡大縮小する圧縮室または
膨張空間を形成する。
【0020】ケーシング3に、第1のスクリュー要素の
吸入口11aと吐出口12aが形成されている。雌雄両
ロータ1a、2aの噛み合いにより形成された圧縮室の
容積がほぼ最大のときに圧縮室と吸入口11aとの連通
が絶たれるように、スクリュー歯形の輪郭に沿って吸入
口11aを形成する。圧縮室の容積が最大容積から所定
の圧縮比で縮小するときのスクリュー歯の輪郭に沿っ
て、吐出口12bの輪郭を定める。同様に、ケーシング
4にも、第2のスクリュー要素の吸入口11bと吐出口
12bを設ける。ただし、第1の要素とは逆に、膨張空
間容積が最も小さくなるときのロータ歯形の輪郭に沿っ
て、吸入口11bを形成する。所定の膨張比において、
膨張空間容積が最大となるロータ歯形の輪郭に合わせ
て、吐出口12bを形成する。2つのケーシング3、4
は連結ケーシング5を介して一体化している。連結ケー
シング5及びケーシング3、4の結合にはボルト結合や
溶接等を用いれば良い。
吸入口11aと吐出口12aが形成されている。雌雄両
ロータ1a、2aの噛み合いにより形成された圧縮室の
容積がほぼ最大のときに圧縮室と吸入口11aとの連通
が絶たれるように、スクリュー歯形の輪郭に沿って吸入
口11aを形成する。圧縮室の容積が最大容積から所定
の圧縮比で縮小するときのスクリュー歯の輪郭に沿っ
て、吐出口12bの輪郭を定める。同様に、ケーシング
4にも、第2のスクリュー要素の吸入口11bと吐出口
12bを設ける。ただし、第1の要素とは逆に、膨張空
間容積が最も小さくなるときのロータ歯形の輪郭に沿っ
て、吸入口11bを形成する。所定の膨張比において、
膨張空間容積が最大となるロータ歯形の輪郭に合わせ
て、吐出口12bを形成する。2つのケーシング3、4
は連結ケーシング5を介して一体化している。連結ケー
シング5及びケーシング3、4の結合にはボルト結合や
溶接等を用いれば良い。
【0021】吸入口や吐出口の3次元的な位置関係を、
図10により詳細に説明する。第1のスクリュー要素1
00の吸入口11aは、左側端部に示したハッチング部
分である。スクリュー歯面の軸端面部であるアキシャル
ポートと、スクリューロータの外周部の一部であるラジ
アルポートとを有している。第1のスクリュー要素10
0の吐出口12aは、吸入口11aと対称位置であるロ
ータ1a、1bの下面であって第1のスクリュー要素1
00の右端部に形成される。
図10により詳細に説明する。第1のスクリュー要素1
00の吸入口11aは、左側端部に示したハッチング部
分である。スクリュー歯面の軸端面部であるアキシャル
ポートと、スクリューロータの外周部の一部であるラジ
アルポートとを有している。第1のスクリュー要素10
0の吐出口12aは、吸入口11aと対称位置であるロ
ータ1a、1bの下面であって第1のスクリュー要素1
00の右端部に形成される。
【0022】第2のスクリュー要素110の吸入口11
bは、第1のスクリュー要素と一体になった第2のスク
リュー要素110のロータ2a,2bの左端部であって
上面側に形成される。また、第2のスクリュー要素11
0の吐出口12bは、図10の右側にハッチングで示し
た部分であり、スクリュー歯が形成されたロータの右端
部のスクリュー歯面の外周部である。
bは、第1のスクリュー要素と一体になった第2のスク
リュー要素110のロータ2a,2bの左端部であって
上面側に形成される。また、第2のスクリュー要素11
0の吐出口12bは、図10の右側にハッチングで示し
た部分であり、スクリュー歯が形成されたロータの右端
部のスクリュー歯面の外周部である。
【0023】各スクリュー要素100、110はスクリ
ュー歯が形成された部分の両側を、軸受6a、6b、6
cで回転自在に支持される。軸受6a、6bは円筒ころ
軸受でラジアル荷重を支え、軸受6cは組合せアンギュ
ラ玉軸受けでスラスト荷重を支える。アンギュラ玉軸受
6cは、軸方向の移動を規制する。
ュー歯が形成された部分の両側を、軸受6a、6b、6
cで回転自在に支持される。軸受6a、6bは円筒ころ
軸受でラジアル荷重を支え、軸受6cは組合せアンギュ
ラ玉軸受けでスラスト荷重を支える。アンギュラ玉軸受
6cは、軸方向の移動を規制する。
【0024】第1のスクリュー要素100の一方の軸端
部はケーシング3外に延在しており、動力入力軸7とな
っている。この入力軸7端部には、図示しないベルトが
装架されるプーリ10が取付けられている。スクリュー
要素100、110のケーシング4側端面には同期歯車
8a、8bが取付けられている。雌雄ロータ相互のバッ
クラッシよりも小さなバックラッシのこれら同期歯車8
a、8bを噛み合わせることにより、雌雄ロータは互い
に接触せずに回転する。
部はケーシング3外に延在しており、動力入力軸7とな
っている。この入力軸7端部には、図示しないベルトが
装架されるプーリ10が取付けられている。スクリュー
要素100、110のケーシング4側端面には同期歯車
8a、8bが取付けられている。雌雄ロータ相互のバッ
クラッシよりも小さなバックラッシのこれら同期歯車8
a、8bを噛み合わせることにより、雌雄ロータは互い
に接触せずに回転する。
【0025】歯車や軸受には、潤滑と冷却のために潤滑
油が供給される。この潤滑油が圧縮室や膨張空間に混入
すると、圧縮空気を後処理する必要が生じ好ましくな
い。そこで、軸受の周囲と圧縮室及び膨張空間を仕切る
軸シール9b、9dを、各スクリュー要素100、11
0に形成されたスクリュー歯よりも外側に設ける。ま
た、スクリュー式流体機械の外部へ油が散逸するのを防
止するために、軸シール9aをプーリ10と軸受6a間
に設ける。さらに、圧縮室と膨張空間とを仕切るため
に、連結ケーシング5部に軸シール9cを設ける。
油が供給される。この潤滑油が圧縮室や膨張空間に混入
すると、圧縮空気を後処理する必要が生じ好ましくな
い。そこで、軸受の周囲と圧縮室及び膨張空間を仕切る
軸シール9b、9dを、各スクリュー要素100、11
0に形成されたスクリュー歯よりも外側に設ける。ま
た、スクリュー式流体機械の外部へ油が散逸するのを防
止するために、軸シール9aをプーリ10と軸受6a間
に設ける。さらに、圧縮室と膨張空間とを仕切るため
に、連結ケーシング5部に軸シール9cを設ける。
【0026】このように構成した本実施例の動作と作用
を説明する。図示しない電動機からベルトとプーリ10
を介して入力された動力は、動力入力軸7から雄ロータ
1a、1bに伝えられ、第1のスクリュー要素100が
矢印方向に回転する。このとき第1のスクリュー要素1
00の一方の軸端に取付けられた同期歯車8aが、第2
のスクリュー要素110の軸端に取りつけた同期歯車8
bと噛み合い、第2のスクリュー要素110の雌ロータ
2a、2bを回転させる。その結果、雄ロータ1aと雌
ロータ2a間に圧縮作動室が、雄ロータ1bと雌ロータ
2b間に膨張空間が形成される。
を説明する。図示しない電動機からベルトとプーリ10
を介して入力された動力は、動力入力軸7から雄ロータ
1a、1bに伝えられ、第1のスクリュー要素100が
矢印方向に回転する。このとき第1のスクリュー要素1
00の一方の軸端に取付けられた同期歯車8aが、第2
のスクリュー要素110の軸端に取りつけた同期歯車8
bと噛み合い、第2のスクリュー要素110の雌ロータ
2a、2bを回転させる。その結果、雄ロータ1aと雌
ロータ2a間に圧縮作動室が、雄ロータ1bと雌ロータ
2b間に膨張空間が形成される。
【0027】すなわち、大気からエアクリーナを通して
吸い込まれた空気は、吸入口11aから第1のスクリュ
ー要素100に導かれる。そして、第1のスクリュー要
素100の両ロータ1a、2a間に形成された圧縮作動
室に閉じ込められる。ロータ1a、2aが回転するにつ
れて圧縮作動室はその容積が減少し、空気は圧縮され
る。圧縮空気は、所定の圧力に達した後に吐出口12a
から吐き出される。その後、燃料電池本体(FC)へ送
り出される。雄ロータ1a、雌ロータ2aは非対称歯形
であるから、圧縮過程におけるブローホール面積を少な
く維持でき、内部漏洩を低減できる。
吸い込まれた空気は、吸入口11aから第1のスクリュ
ー要素100に導かれる。そして、第1のスクリュー要
素100の両ロータ1a、2a間に形成された圧縮作動
室に閉じ込められる。ロータ1a、2aが回転するにつ
れて圧縮作動室はその容積が減少し、空気は圧縮され
る。圧縮空気は、所定の圧力に達した後に吐出口12a
から吐き出される。その後、燃料電池本体(FC)へ送
り出される。雄ロータ1a、雌ロータ2aは非対称歯形
であるから、圧縮過程におけるブローホール面積を少な
く維持でき、内部漏洩を低減できる。
【0028】燃料電池本体から排気される排気中の酸素
含有量は減少し、代わりに水蒸気が増加する。水蒸気の
一部は流路途中で取り除かれることもある。排気には、
水蒸気や反応に使われなかった残存酸素、反応に関係し
ない窒素や二酸化炭素などが含まれる。この排気は大気
圧よりも高い圧力のまま、第2のスクリュー要素110
の吸入口11bに導かれる。そして吸入口11bから第
2のスクリュー要素110の内部に入り、膨張作動室に
閉じ込められる。膨張作動室内の排気は、自身の圧力で
ロータ2a、2bを回転させるとともに、膨張作動室の
容積を増大させる。第2のスクリュー要素110ロータ
1b、2bは非対称歯形であるから、膨張過程において
ブローホール面積を少なく維持でき、内部漏洩を低減で
きる。膨張作動室内の圧力が大気圧近くになったら吐出
口12aを大気側に開き、膨張作動室内の排気を大気に
排出する。
含有量は減少し、代わりに水蒸気が増加する。水蒸気の
一部は流路途中で取り除かれることもある。排気には、
水蒸気や反応に使われなかった残存酸素、反応に関係し
ない窒素や二酸化炭素などが含まれる。この排気は大気
圧よりも高い圧力のまま、第2のスクリュー要素110
の吸入口11bに導かれる。そして吸入口11bから第
2のスクリュー要素110の内部に入り、膨張作動室に
閉じ込められる。膨張作動室内の排気は、自身の圧力で
ロータ2a、2bを回転させるとともに、膨張作動室の
容積を増大させる。第2のスクリュー要素110ロータ
1b、2bは非対称歯形であるから、膨張過程において
ブローホール面積を少なく維持でき、内部漏洩を低減で
きる。膨張作動室内の圧力が大気圧近くになったら吐出
口12aを大気側に開き、膨張作動室内の排気を大気に
排出する。
【0029】なお、第2のスクリュー要素110で回収
される軸動力は、第1のスクリュー要素100が有する
ロータ1a、2aを駆動するには不十分である。そこ
で、圧縮に必要な動力の内の一部を第2のスクリュー要
素110で回収し、残りを動力入力軸7に接続された電
動機が負担する。
される軸動力は、第1のスクリュー要素100が有する
ロータ1a、2aを駆動するには不十分である。そこ
で、圧縮に必要な動力の内の一部を第2のスクリュー要
素110で回収し、残りを動力入力軸7に接続された電
動機が負担する。
【0030】本実施例では、圧縮機と膨張機とを一体化
して軸受や同期歯車等の機械要素を共有しているので、
機械要素で発生するエネルギ損失が、圧縮機と膨張機と
を別体に設けたときの約半分で済む。したがって、エネ
ルギ効率が向上する。
して軸受や同期歯車等の機械要素を共有しているので、
機械要素で発生するエネルギ損失が、圧縮機と膨張機と
を別体に設けたときの約半分で済む。したがって、エネ
ルギ効率が向上する。
【0031】スクリュー要素100、110を支持する
軸受では、圧縮あるいは膨張過程にある気体の圧力が作
用するので、相応のガス圧荷重が作用する。この大きさ
は、例えば機械学会論文集(C編)58巻546号(1992年2
月、論文No.91-1039A)に記載された方法により求められ
る。大気圧を0.1MPa、燃料電池本体への供給圧力を0.3M
Pa、燃料電池からの排出圧力を0.28MPaとして試算す
る。なお、荷重の大きさはロータの大きさに依存するの
で、相対比較する。
軸受では、圧縮あるいは膨張過程にある気体の圧力が作
用するので、相応のガス圧荷重が作用する。この大きさ
は、例えば機械学会論文集(C編)58巻546号(1992年2
月、論文No.91-1039A)に記載された方法により求められ
る。大気圧を0.1MPa、燃料電池本体への供給圧力を0.3M
Pa、燃料電池からの排出圧力を0.28MPaとして試算す
る。なお、荷重の大きさはロータの大きさに依存するの
で、相対比較する。
【0032】ロータに作用する軸方向の力であるスラス
ト荷重は、圧縮機であるスクリュー要素100と膨張機
であるスクリュー要素110とで向きが反対でほぼ同じ
大きさとなる。これは、圧縮機の吸入圧と膨張機の吐出
圧はいずれもほぼ大気圧であり、圧縮機の吐出圧と膨張
機の吸入圧はいずれもほぼ空気室内圧となるので、歯形
が同一であれば、ほぼ同等の圧力が作用するからであ
る。2つのロータを一体化したので、圧縮機側から作用
する力と膨張機側から作用する力は相殺される。ガス圧
に起因する力以外のスラスト力は小さいので、組合せア
ンギュラ玉軸受6cには軽荷重用の使用できる。これに
より、スクリュー流体機械の小型化と、軸受の機械損失
の低減が図られる。
ト荷重は、圧縮機であるスクリュー要素100と膨張機
であるスクリュー要素110とで向きが反対でほぼ同じ
大きさとなる。これは、圧縮機の吸入圧と膨張機の吐出
圧はいずれもほぼ大気圧であり、圧縮機の吐出圧と膨張
機の吸入圧はいずれもほぼ空気室内圧となるので、歯形
が同一であれば、ほぼ同等の圧力が作用するからであ
る。2つのロータを一体化したので、圧縮機側から作用
する力と膨張機側から作用する力は相殺される。ガス圧
に起因する力以外のスラスト力は小さいので、組合せア
ンギュラ玉軸受6cには軽荷重用の使用できる。これに
より、スクリュー流体機械の小型化と、軸受の機械損失
の低減が図られる。
【0033】次に、スクリュー要素100、110が有
するロータの径方向の荷重であるラジアル荷重につい
て、図6、7を用いて説明する。この図6、7は、図1
0の矢視71図である。第1のスクリュー要素100を
第2のスクリュー要素1210と切り離して考える。第
1のスクリュー要素100を両端支持したと仮定したと
きの、軸受に作用するガス圧荷重を図6に示す。すなわ
ち、雄ロータ1aの吸入側軸受荷重はFcmL、吐出側軸受
荷重はFcmH、雌ロータ1bに作用する吸入側軸受荷重は
FcfL、吐出側軸受荷重はFcfHのようになる。
するロータの径方向の荷重であるラジアル荷重につい
て、図6、7を用いて説明する。この図6、7は、図1
0の矢視71図である。第1のスクリュー要素100を
第2のスクリュー要素1210と切り離して考える。第
1のスクリュー要素100を両端支持したと仮定したと
きの、軸受に作用するガス圧荷重を図6に示す。すなわ
ち、雄ロータ1aの吸入側軸受荷重はFcmL、吐出側軸受
荷重はFcmH、雌ロータ1bに作用する吸入側軸受荷重は
FcfL、吐出側軸受荷重はFcfHのようになる。
【0034】同様に第2のスクリュー要素110を第1
のスクリュー要素100と切り離して考え、両端支持す
ると仮定する。軸受に作用するガス圧荷重を、図7に示
す。雄ロータ2aの吸入側軸受荷重はFemH、吐出側軸受
荷重はFemL、雌ロータ2bに作用する吸入側軸受荷重は
FefH、吐出側軸受荷重はFefLとなる。
のスクリュー要素100と切り離して考え、両端支持す
ると仮定する。軸受に作用するガス圧荷重を、図7に示
す。雄ロータ2aの吸入側軸受荷重はFemH、吐出側軸受
荷重はFemL、雌ロータ2bに作用する吸入側軸受荷重は
FefH、吐出側軸受荷重はFefLとなる。
【0035】これに対し、2つのスクリュー要素10
0、110を一体化したときの軸受荷重を、雄ロータ側
について図8に示す。雄ロータ1aの吐出側軸受荷重Fc
mHと雄ロータ2aの吸入側軸受荷重FemHは、ほぼ同一の
断面位置に作用する。この2つの荷重をベクトル合成し
て荷重FsmHが得られる。2つの雄ロータ1a、1b間に
軸受が無いので、2つの雄ロータの長さをほぼ等しいと
して、合成荷重FsmHを2等分する。2等分した荷重を、
両端支持の軸受6a、6bが分担する。この合成荷重の
2等分量を雄ロータ1aの吸入側軸受荷重FcmLと雄ロー
タ2aの吐出側軸受荷重FemLにそれぞれ加えることによ
り、軸受荷重Fcb、Febが求められる。
0、110を一体化したときの軸受荷重を、雄ロータ側
について図8に示す。雄ロータ1aの吐出側軸受荷重Fc
mHと雄ロータ2aの吸入側軸受荷重FemHは、ほぼ同一の
断面位置に作用する。この2つの荷重をベクトル合成し
て荷重FsmHが得られる。2つの雄ロータ1a、1b間に
軸受が無いので、2つの雄ロータの長さをほぼ等しいと
して、合成荷重FsmHを2等分する。2等分した荷重を、
両端支持の軸受6a、6bが分担する。この合成荷重の
2等分量を雄ロータ1aの吸入側軸受荷重FcmLと雄ロー
タ2aの吐出側軸受荷重FemLにそれぞれ加えることによ
り、軸受荷重Fcb、Febが求められる。
【0036】図8中のベクトルの長さからわかるよう
に、軸受荷重Fcb、FebはFcmHやFemHに比較して小さい。
これは、FcmHとFemHの図の縦方向成分が互いに相殺され
たことによる。なお、雌ロータ側についても、同様であ
る。
に、軸受荷重Fcb、FebはFcmHやFemHに比較して小さい。
これは、FcmHとFemHの図の縦方向成分が互いに相殺され
たことによる。なお、雌ロータ側についても、同様であ
る。
【0037】軸シール9cの両側の圧力差は、燃料電池
本体(FC)の空気室の通過圧損程度であるから、シー
ル部に生じる内部漏れは比較的少ない。また、若干の漏
洩が発生しても、酸素と水蒸気の濃度が僅かに入れ替わ
るだけであるから実用上影響が無く、軸封部を簡素化で
きる。
本体(FC)の空気室の通過圧損程度であるから、シー
ル部に生じる内部漏れは比較的少ない。また、若干の漏
洩が発生しても、酸素と水蒸気の濃度が僅かに入れ替わ
るだけであるから実用上影響が無く、軸封部を簡素化で
きる。
【0038】本実施例においては、2つのスクリュー要
素のロータ長さをほぼ同一にしたが、燃料電池に供給さ
れる圧縮空気量と燃料電池から排出される圧縮空気量と
では、体積流量では異なっているから、2つのスクリュ
ー要素の長さを異ならせてもよい。この場合、軸受の分
担重量が少し変化するが、それでも2つのスクリュー要
素間の軸受を省いたので、機械損失が低減する。また、
2つのスクリュー要素間を大気圧側とし、2つのスクリ
ュー要素の両端部を高圧側としているが、逆の圧力関係
であってもよい。
素のロータ長さをほぼ同一にしたが、燃料電池に供給さ
れる圧縮空気量と燃料電池から排出される圧縮空気量と
では、体積流量では異なっているから、2つのスクリュ
ー要素の長さを異ならせてもよい。この場合、軸受の分
担重量が少し変化するが、それでも2つのスクリュー要
素間の軸受を省いたので、機械損失が低減する。また、
2つのスクリュー要素間を大気圧側とし、2つのスクリ
ュー要素の両端部を高圧側としているが、逆の圧力関係
であってもよい。
【0039】また、2つのスクリュー要素のロータを同
じ形状で裏返しとなる歯形としたので、第1のスクリュ
ー要素と第2のスクリュー要素の双方において、作動室
に連通するブローホール面積を縮小できるとともに内部
漏洩を低減できる。
じ形状で裏返しとなる歯形としたので、第1のスクリュ
ー要素と第2のスクリュー要素の双方において、作動室
に連通するブローホール面積を縮小できるとともに内部
漏洩を低減できる。
【0040】さらに、スクリュー歯はホブやフライスを
用いて加工されることが多い。いずれの加工方法におい
ても、裏返し形状の歯形を加工するには、同一工具を工
作機械に反対向きにセットするだけで可能である。した
がって、圧縮用と膨張用の個別の工具を必要とせず、工
具の共通化が可能である。また、ねじり方向ならびにリ
ードも同一としたので、2つの雄ロータまたは雌ロータ
を加工する際には、工具を反転するだけでよく、工作機
械の段取りに要する時間を低減できる。
用いて加工されることが多い。いずれの加工方法におい
ても、裏返し形状の歯形を加工するには、同一工具を工
作機械に反対向きにセットするだけで可能である。した
がって、圧縮用と膨張用の個別の工具を必要とせず、工
具の共通化が可能である。また、ねじり方向ならびにリ
ードも同一としたので、2つの雄ロータまたは雌ロータ
を加工する際には、工具を反転するだけでよく、工作機
械の段取りに要する時間を低減できる。
【0041】次に、本発明の他の実施例を、図9、11
を用いて説明する。本実施例が上記実施例と相違するの
は、スクリュー歯のねじり方向をすべて逆とし、ポート
の位置と形状は図11に示した位置に設けたことにあ
る。すなわち、第1のスクリュー要素100の吸込み側
を第2のスクリュー要素110側に、第1のスクリュー
要素の吐出側を第1のスクリュー要素100の端部側
(図11で左端側)に設け、第2のスクリュー要素11
0の吸込み側を図の右端側に、第2のスクリュー要素1
10の吐出側を第1のスクリュー要素100側に設けて
いる。
を用いて説明する。本実施例が上記実施例と相違するの
は、スクリュー歯のねじり方向をすべて逆とし、ポート
の位置と形状は図11に示した位置に設けたことにあ
る。すなわち、第1のスクリュー要素100の吸込み側
を第2のスクリュー要素110側に、第1のスクリュー
要素の吐出側を第1のスクリュー要素100の端部側
(図11で左端側)に設け、第2のスクリュー要素11
0の吸込み側を図の右端側に、第2のスクリュー要素1
10の吐出側を第1のスクリュー要素100側に設けて
いる。
【0042】ラジアル軸受に作用する荷重は、図6、7
に示した説明したものと同一であり、吸入と吐出の位置
が反転している。大気圧側の軸受荷重FcmL、FemLをベク
トル合成して得た荷重FsmLを2等分し、両端の軸受に分
担させる。その結果、両端の軸受荷重はFcb、Febとな
る。これらの軸受荷重の大きさは、第1のスクリュー要
素100あるいは第2のスクリュー要素110単独とし
たときの軸受荷重FcmH、FemHに比較して大きいものの、
その増量は各ロータにFcmL、FemLをそのまま加えた場合
に比べて小さい。したがって、軸受はそれほどサイズア
ップしなくて済む。
に示した説明したものと同一であり、吸入と吐出の位置
が反転している。大気圧側の軸受荷重FcmL、FemLをベク
トル合成して得た荷重FsmLを2等分し、両端の軸受に分
担させる。その結果、両端の軸受荷重はFcb、Febとな
る。これらの軸受荷重の大きさは、第1のスクリュー要
素100あるいは第2のスクリュー要素110単独とし
たときの軸受荷重FcmH、FemHに比較して大きいものの、
その増量は各ロータにFcmL、FemLをそのまま加えた場合
に比べて小さい。したがって、軸受はそれほどサイズア
ップしなくて済む。
【0043】本実施例によれば、大気圧側となる圧縮機
の吸入端面と膨張機の吐出端面が隣接しているので、2
つのロータにはさまれた軸シール9cの両側圧力差を極
めて小さくできる。したがって、圧縮機の吸入圧力いか
んによっては、専用の軸封要素を必要とせず、軸と穴の
隙間を小さくするだけでよい。
の吸入端面と膨張機の吐出端面が隣接しているので、2
つのロータにはさまれた軸シール9cの両側圧力差を極
めて小さくできる。したがって、圧縮機の吸入圧力いか
んによっては、専用の軸封要素を必要とせず、軸と穴の
隙間を小さくするだけでよい。
【0044】また、本実施例によれば、2つのロータ1
a、2aまたは1b、2bを有する回転体に作用するガ
ス荷重の径方向成分は、ほぼ大気圧である中央部で低く
両端で高い。回転体を梁と近似すると、上記図10に示
した実施例に比べて、曲げの弾性変形量を小さくでき
る。したがって、回転体形状が細長い場合や材質の弾性
係数が小さい場合などに好適である。
a、2aまたは1b、2bを有する回転体に作用するガ
ス荷重の径方向成分は、ほぼ大気圧である中央部で低く
両端で高い。回転体を梁と近似すると、上記図10に示
した実施例に比べて、曲げの弾性変形量を小さくでき
る。したがって、回転体形状が細長い場合や材質の弾性
係数が小さい場合などに好適である。
【0045】次に本発明のさらに他の実施例を図3およ
び図4により説明する。図3は、比較的小型の燃料電池
システムに用いるスクリュー式流体機械の例である。本
実施例が上記各実施例と異なる点は、膨張機の雄ロータ
21bを圧縮機の雄ロータ21aと同一リードではある
が長さを短くしたことにある。雌ロータは噛み合う雄ロ
ータと同じ長さであるから、圧縮機側の雌ロータ22a
は膨張機側の雌ロータ22bより短い。本実施例では、
ロータ長を短くしたので、膨張作動室の最大容積は圧縮
作動室に比べて小さくなる。図示しない膨張機の吐出ポ
ートは、もはや圧縮機の吸入ポートと同一形状ではな
い。膨張作動室の圧力が大気圧近くまで低下したときに
吐出ポートが開口するように、吐出ポート形状と位置を
定める。
び図4により説明する。図3は、比較的小型の燃料電池
システムに用いるスクリュー式流体機械の例である。本
実施例が上記各実施例と異なる点は、膨張機の雄ロータ
21bを圧縮機の雄ロータ21aと同一リードではある
が長さを短くしたことにある。雌ロータは噛み合う雄ロ
ータと同じ長さであるから、圧縮機側の雌ロータ22a
は膨張機側の雌ロータ22bより短い。本実施例では、
ロータ長を短くしたので、膨張作動室の最大容積は圧縮
作動室に比べて小さくなる。図示しない膨張機の吐出ポ
ートは、もはや圧縮機の吸入ポートと同一形状ではな
い。膨張作動室の圧力が大気圧近くまで低下したときに
吐出ポートが開口するように、吐出ポート形状と位置を
定める。
【0046】ロータを2個備えた回転体1組に作用する
ラジアル荷重とスラスト荷重とを、水潤滑すべり軸受2
6a、26bで支持する。圧縮作動室と膨張作動室は、
ロータを収納するケーシングであるボアの端面と軸シー
ル29bとで隔てられている。雄ロータ21aの軸を延
在させて、軸シール29aを介して電動機23の回転軸
と一体化する。電動機23のステータを、ケーシング3
aに保持する。ロータ表面を水潤滑に好適なように表面
処理するか、またはロータ自身を防水性や耐侵水性に優
れたものとする。雄ロータと雌ロータとは直接接触する
ので、同期歯車は不要である。
ラジアル荷重とスラスト荷重とを、水潤滑すべり軸受2
6a、26bで支持する。圧縮作動室と膨張作動室は、
ロータを収納するケーシングであるボアの端面と軸シー
ル29bとで隔てられている。雄ロータ21aの軸を延
在させて、軸シール29aを介して電動機23の回転軸
と一体化する。電動機23のステータを、ケーシング3
aに保持する。ロータ表面を水潤滑に好適なように表面
処理するか、またはロータ自身を防水性や耐侵水性に優
れたものとする。雄ロータと雌ロータとは直接接触する
ので、同期歯車は不要である。
【0047】このように構成した本実施例では、圧縮機
部分から送り出した圧縮空気が燃料電池本体を通過した
後に、水分抽出手段において排気中に含まれる水蒸気が
除去される。その際、排気の温度が低下し、体積流量が
縮減する。これにより、動力回収に供される圧縮気体が
減少する。この減少分だけ膨張機の膨張作動室の容積を
縮小する。この結果、圧縮行程と膨張行程における容積
をマッチングさせ、適正な燃料電池反応圧力を確保でき
る。また、排気が膨張するときの動力を最大限に回収で
きる。
部分から送り出した圧縮空気が燃料電池本体を通過した
後に、水分抽出手段において排気中に含まれる水蒸気が
除去される。その際、排気の温度が低下し、体積流量が
縮減する。これにより、動力回収に供される圧縮気体が
減少する。この減少分だけ膨張機の膨張作動室の容積を
縮小する。この結果、圧縮行程と膨張行程における容積
をマッチングさせ、適正な燃料電池反応圧力を確保でき
る。また、排気が膨張するときの動力を最大限に回収で
きる。
【0048】また、雄ロータと雌ロータ間とを直接接触
させてトルクを伝達するので、同期歯車や潤滑油が圧縮
作動室及び膨張作動室に侵入するのを防止する軸封手段
が不要となり、装置の小型化や簡素化が可能である。さ
らに、圧縮作動室に注入された水は、潤滑の他に隙間の
シール効果や圧縮熱を奪う冷却効果を奏するので、圧縮
に要する動力を低減し、エネルギ効率が向上する。さら
にまた、電動機を一体化したので、全体をコンパクト化
できる。なお、ロータの長さは圧縮側と膨張側で異なる
が、歯形とリードが共通であるので、上記各実施例と同
様に、加工が容易になる。
させてトルクを伝達するので、同期歯車や潤滑油が圧縮
作動室及び膨張作動室に侵入するのを防止する軸封手段
が不要となり、装置の小型化や簡素化が可能である。さ
らに、圧縮作動室に注入された水は、潤滑の他に隙間の
シール効果や圧縮熱を奪う冷却効果を奏するので、圧縮
に要する動力を低減し、エネルギ効率が向上する。さら
にまた、電動機を一体化したので、全体をコンパクト化
できる。なお、ロータの長さは圧縮側と膨張側で異なる
が、歯形とリードが共通であるので、上記各実施例と同
様に、加工が容易になる。
【0049】本発明のさらに他の実施例を、図4に示
す。本実施例が上記各実施例と相違するのは、バランス
ピストンを備えたことである。噛み合う一対のロータ
は、圧縮用であり、両ロータの軸をモータと反対側に延
在させ、各々に円盤形状のバランスピストン41を設け
る。バランスピストン41が設けられた部分のケーシン
グ44は、シリンダ状に形成されており、2個のシリン
ダを備えている。両シリンダは、ピストン41によって
上流圧室42と下流圧室43に分割される。なお、ピス
トン41はシリンダ内壁とせずに微小な隙間を保って回
転する。雄ロータ側の上流圧室42と雌ロータ側の上流
圧室42fとは連通しており、下流圧室43と43fも
壁面に形成した穴により連通している。
す。本実施例が上記各実施例と相違するのは、バランス
ピストンを備えたことである。噛み合う一対のロータ
は、圧縮用であり、両ロータの軸をモータと反対側に延
在させ、各々に円盤形状のバランスピストン41を設け
る。バランスピストン41が設けられた部分のケーシン
グ44は、シリンダ状に形成されており、2個のシリン
ダを備えている。両シリンダは、ピストン41によって
上流圧室42と下流圧室43に分割される。なお、ピス
トン41はシリンダ内壁とせずに微小な隙間を保って回
転する。雄ロータ側の上流圧室42と雌ロータ側の上流
圧室42fとは連通しており、下流圧室43と43fも
壁面に形成した穴により連通している。
【0050】燃料電池本体の空気室の内圧を大気圧より
高い所定圧力に保つため、排気流路の途中に圧力調整弁
45を設ける。この調整弁45は上流側の圧力が所定値
より高いときは開度を増し、低いときは減少させる。こ
れにより、上流側圧力が一定に保たれる。燃料電池シス
テムを運転すると、圧力調整弁45を境に差圧が生じ
る。
高い所定圧力に保つため、排気流路の途中に圧力調整弁
45を設ける。この調整弁45は上流側の圧力が所定値
より高いときは開度を増し、低いときは減少させる。こ
れにより、上流側圧力が一定に保たれる。燃料電池シス
テムを運転すると、圧力調整弁45を境に差圧が生じ
る。
【0051】圧力調整弁45の上流側流路に分岐部46
を設け、燃料電池本体からの排気の一部を上流圧室42
に導く。また、下流側流路にも分岐部47を設け、下流
圧室43と下流側流路を連通させる。雄ロータと雌ロー
タのそれぞれの上流圧室42、42fは流路で連通し、
下流圧室43と43fも連通している。
を設け、燃料電池本体からの排気の一部を上流圧室42
に導く。また、下流側流路にも分岐部47を設け、下流
圧室43と下流側流路を連通させる。雄ロータと雌ロー
タのそれぞれの上流圧室42、42fは流路で連通し、
下流圧室43と43fも連通している。
【0052】本実施例においては、ロータに作用する軸
方向のガス荷重方向は圧力の高い吐出側49から吸入側
48に向かう。これに対し、バランスピストン41、4
1fには圧力の高い上流圧室42から下流圧室43の方
向にガス荷重が作用する。これら2つの軸方向の力は相
殺されるから、スラスト荷重が軽減される。なお、荷重
変動による振動を防止するために、スラスト荷重を必ず
しも完全にバランスさせる必要はない。悪影響が出ない
程度までスラスト荷重を軽減して、残りのスラスト荷重
はスラスト軸受で支持するようにしてもよい。
方向のガス荷重方向は圧力の高い吐出側49から吸入側
48に向かう。これに対し、バランスピストン41、4
1fには圧力の高い上流圧室42から下流圧室43の方
向にガス荷重が作用する。これら2つの軸方向の力は相
殺されるから、スラスト荷重が軽減される。なお、荷重
変動による振動を防止するために、スラスト荷重を必ず
しも完全にバランスさせる必要はない。悪影響が出ない
程度までスラスト荷重を軽減して、残りのスラスト荷重
はスラスト軸受で支持するようにしてもよい。
【0053】スクリュー圧縮機の圧力の吸入条件や吐出
条件が変化しても、圧力差はほぼ同じになるから軸方向
の力もほぼ一定であり、ロータ軸に作用するスラスト荷
重に大きな変化は生じない。また、圧力条件が崩れて
も、負のスラスト力が発生するだけであり、軸方向振動
は誘起されない。スラスト力が小さいと、スラスト力を
支持する軸受を小さくでき、スクリュー圧縮機の小型化
と機械損失の低減が可能になる。本実施例によれば、比
較的小型の燃料電池用空気供給装置において、排気圧力
による回転動力の回収が難しいときであっても、ロータ
に作用するスラスト力を低減できる。
条件が変化しても、圧力差はほぼ同じになるから軸方向
の力もほぼ一定であり、ロータ軸に作用するスラスト荷
重に大きな変化は生じない。また、圧力条件が崩れて
も、負のスラスト力が発生するだけであり、軸方向振動
は誘起されない。スラスト力が小さいと、スラスト力を
支持する軸受を小さくでき、スクリュー圧縮機の小型化
と機械損失の低減が可能になる。本実施例によれば、比
較的小型の燃料電池用空気供給装置において、排気圧力
による回転動力の回収が難しいときであっても、ロータ
に作用するスラスト力を低減できる。
【0054】また、上記各実施例では、特に圧縮機の圧
力レベルについては言及していないが、本発明では、J
ISB0132「送風機・圧縮機用語」で「圧力比が2
以上または吐出し圧力が約0.1MPa以上の機械」と
定義された圧縮機はもちろんのこと、この圧力よりも低
い圧力で運転されるブロワをも含む。
力レベルについては言及していないが、本発明では、J
ISB0132「送風機・圧縮機用語」で「圧力比が2
以上または吐出し圧力が約0.1MPa以上の機械」と
定義された圧縮機はもちろんのこと、この圧力よりも低
い圧力で運転されるブロワをも含む。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、燃料
電池に圧縮空気を供給する圧縮機と膨張機とを一体化し
たので、燃料電池の小型化が可能になるとともにエネル
ギ効率を向上できる。また、スラスト荷重を自動的に調
節できるようにしたので、信頼性の高い圧縮機と膨張機
を一体化した燃料電池を実現できる。
電池に圧縮空気を供給する圧縮機と膨張機とを一体化し
たので、燃料電池の小型化が可能になるとともにエネル
ギ効率を向上できる。また、スラスト荷重を自動的に調
節できるようにしたので、信頼性の高い圧縮機と膨張機
を一体化した燃料電池を実現できる。
【図1】本発明に係る燃料電池用流体機械の一実施例の
水平断面図である。
水平断面図である。
【図2】図1に示した燃料電池用流体機械の垂直断面図
である。
である。
【図3】本発明に係る燃料電池用流体機械の他の実施例
の水平断面図である。
の水平断面図である。
【図4】本発明に係る燃料電池用流体機械さらに他の実
施例の水平断面図である。
施例の水平断面図である。
【図5】燃料電池システムの系統図である。
【図6】圧縮機側の歯形と径方向軸受荷重を説明する図
である。
である。
【図7】膨張機側の歯形と径方向軸受荷重を説明する図
である。
である。
【図8】雄ロータの径方向軸受荷重を説明する図であ
る。
る。
【図9】雄ロータの径方向軸受荷重を説明する図であ
る。
る。
【図10】ポートと流路の位置関係を説明する図であ
る。
る。
【図11】ポートと流路の位置関係を説明する図であ
る。
る。
1、1a、1b…雄ロータ、2、2a、2b…雌ロー
タ、3…圧縮側ケーシング、4…膨張側ケーシング、5
…連結ケーシング、6a、6b、6c…軸受、7…動力
入力軸、8…同期歯車、9a、9b、9c、9d…軸シ
ール、11a…圧縮機吸入口、11b…膨張機吸入口、
12a…圧縮機吐出口、12b…膨張機吐出口、21
a、21b…雄ロータ、22a、22b…雌ロータ、2
3…電動機、26a、26b…すべり軸受、29a、2
9b…軸シール、41…バランスピストン、42…シリ
ンダケース、43…高圧室、44…低圧室、45…圧力
調整弁、51…燃料電池システム、52…燃料電池スタ
ック、53…水素室、54…水素極、55…空気室、5
6…酸素極、57…透過膜、58…エアクリーナ、59
…圧縮機、60…膨張機、61…連結軸、62…電動
機。
タ、3…圧縮側ケーシング、4…膨張側ケーシング、5
…連結ケーシング、6a、6b、6c…軸受、7…動力
入力軸、8…同期歯車、9a、9b、9c、9d…軸シ
ール、11a…圧縮機吸入口、11b…膨張機吸入口、
12a…圧縮機吐出口、12b…膨張機吐出口、21
a、21b…雄ロータ、22a、22b…雌ロータ、2
3…電動機、26a、26b…すべり軸受、29a、2
9b…軸シール、41…バランスピストン、42…シリ
ンダケース、43…高圧室、44…低圧室、45…圧力
調整弁、51…燃料電池システム、52…燃料電池スタ
ック、53…水素室、54…水素極、55…空気室、5
6…酸素極、57…透過膜、58…エアクリーナ、59
…圧縮機、60…膨張機、61…連結軸、62…電動
機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/04 H01M 8/04 N 8/06 8/06 K (72)発明者 笠原 雅之 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所産業機器グループ内 (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA03 AA09 AA18 AB02 BB32 BB43 CC03 CC05 CC08 CC16 CC24 CC25 CC30 5H027 AA02 BC19
Claims (6)
- 【請求項1】第1および第2の雄歯形が直列状に形成さ
れたスクリュー雄ロータと、第1および第2の雌歯形が
直列状に形成されたスクリュー雌ロータとをケーシング
内に保持し、前記第1および第2の雄歯形の捩れ方向を
同一方向としたことを特徴とする燃料電池用スクリュー
式流体機械。 - 【請求項2】前記第1の雄歯形と第2の雄歯形のピッチ
を実質的に同一にしたことを特徴とする請求項1に記載
の燃料電池用スクリュー式流体機械。 - 【請求項3】前記第2の雄歯形が収容される前記ケーシ
ング部に燃料電池本体から排出される排気を導く吸気口
を設け、前記第1の雄歯形が収容される前記ケーシング
部に大気を吸気可能な吸気口を設けたことを特徴とする
請求項1または2に記載の燃料電池用スクリュー式流体
機械。 - 【請求項4】前記雄ロータまたは雌ロータのいずれかの
軸端部を、外部動力を入力可能に形成したことを特徴と
する請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池用ス
クリュー式流体機械。 - 【請求項5】前記雄ロータおよび雌ロータに形成した歯
形は非対称歯形であり、それぞれの第1の歯形と第2の
歯形は軸方向から見て裏返しの関係にあることを特徴と
する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の燃料電池
用スクリュー式流体機械。 - 【請求項6】雄歯形が形成された雄ロータと、雌歯形が
形成された雌ロータと、これら雄ロータと雌ロータとを
収容するケーシングとを備え、雄ロータと雌ロータの少
なくとも何れかのロータ軸端部にバランスピストンを設
け、このバランスピストンにより仕切られる2つの空間
に燃料電池本体から排出される排気を圧力差を設けて導
いたことを特徴とする燃料電池用スクリュー式流体機
械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001113396A JP2002310081A (ja) | 2001-04-12 | 2001-04-12 | 燃料電池用スクリュー式流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001113396A JP2002310081A (ja) | 2001-04-12 | 2001-04-12 | 燃料電池用スクリュー式流体機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002310081A true JP2002310081A (ja) | 2002-10-23 |
Family
ID=18964621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001113396A Pending JP2002310081A (ja) | 2001-04-12 | 2001-04-12 | 燃料電池用スクリュー式流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002310081A (ja) |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003093649A1 (en) * | 2002-05-01 | 2003-11-13 | City University | Screw compressor-expander machine |
JP2007278176A (ja) * | 2006-04-06 | 2007-10-25 | Ntn Corp | 燃料電池の燃料ガス圧縮機用滑り軸受 |
JP2008224206A (ja) * | 2008-04-02 | 2008-09-25 | Mayekawa Mfg Co Ltd | 2元冷凍サイクル装置 |
KR101004536B1 (ko) | 2009-01-09 | 2010-12-31 | 엘에스전선 주식회사 | 연료 전지용 공기 흡입 장치 |
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FR2963808A1 (fr) * | 2010-08-10 | 2012-02-17 | Michel Cassegrain | Moteur rotatif a combustion interne amelioree |
WO2012062007A1 (zh) * | 2010-11-08 | 2012-05-18 | 上海维尔泰克螺杆机械有限公司 | 螺杆膨胀机液体泵 |
JP2013507577A (ja) * | 2009-10-21 | 2013-03-04 | コディヴァック リミテッド | モータ及びロータ回転軸一体型スクリューロータ真空ポンプ |
WO2013017740A3 (fr) * | 2011-08-04 | 2013-11-14 | Cassegrain Michel | Moteur rotatif a combustion interne améliorée |
CN104005957A (zh) * | 2013-02-26 | 2014-08-27 | 复盛股份有限公司 | 具有多段压缩的流体机械 |
CN109915368A (zh) * | 2019-04-19 | 2019-06-21 | 烟台菱辰能源有限公司 | 一种燃料电池用无齿轮螺杆无油空气压缩机 |
JP2021510404A (ja) * | 2018-01-12 | 2021-04-22 | レイボルド ゲーエムベーハー | 圧縮機 |
CN112746958A (zh) * | 2021-01-04 | 2021-05-04 | 西安交通大学 | 一种燃料电池用双螺杆压缩膨胀一体机 |
CN112797001A (zh) * | 2021-02-26 | 2021-05-14 | 珠海格力电器股份有限公司 | 转子组件、压缩机及空调 |
CN114725436A (zh) * | 2022-05-23 | 2022-07-08 | 北京亿华通科技股份有限公司 | 一种燃料电池空气系统的控制方法 |
-
2001
- 2001-04-12 JP JP2001113396A patent/JP2002310081A/ja active Pending
Cited By (17)
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CN114725436B (zh) * | 2022-05-23 | 2023-10-10 | 北京亿华通科技股份有限公司 | 一种燃料电池空气系统的控制方法 |
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