JP3918432B2 - 電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機 - Google Patents

電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機に係り、特に工場の動力空気源等に用いられる中、小容量の空気圧縮機に好適な電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機に関する。
背景技術
吐出圧力がゲージ圧で約80MPa、圧縮機容量が100kW弱から数百kWクラスの工場動力空気源として、スクリュー圧縮機やターボ圧縮機が使用されている。この中でターボ圧縮機はメンテナンスが容易等の理由で使用が増えている。このターボ圧縮機の例が、特開平8−159094号公報や特開平9−287596号公報に記載されている。これらの公報に記載のターボ圧縮機では、低速の誘導電動機の回転を歯車増速機を用いて高速に増速し、歯車増速機の高速回転軸である出力軸の両端部に羽根車を取付けて2段の空気圧縮機を形成している。
ターボ圧縮機の場合、空気をできるだけ小さい流体動力で効率良く圧縮するためには、羽根車を高速で回転させればよい。従来、高速回転可能で大容量の電動機の入手が容易でかったので、歯車増速機を用いて電動機の回転を増速していた。増速機の使用により、少なくともモータ軸、ブルギア軸及び羽根車を取付けるピニオン軸の3本の軸が必要になる。そして、各軸にはその軸を回転可能に支持する接触形の転がり軸受や滑り軸受が必要となる。圧縮機の高速小形化が進む中、滑り軸受の軸周速も従来に比して格段に上昇しており、滑り軸受の使用条件が厳しくなって軸受寿命を確保することが困難になっている。
一方、歯車増速機については、小形コンパクト化という要請があり、増速比が次第に大きくなっている。増速比を大きくするため、歯車のモジュール値を小さくし面圧や滑り速度を大きくしている。その結果、やはり従来に比較すると使用条件が厳しくなってきている。
ところで、ターボ型の遠心圧縮機に用いられる各構成要素の負荷は、小型コンパクト化により増加したにもかかわらず、容積形圧縮機に比較すればまだ小さい。そのためメンテナンス間隔を比較的長期間にすることができるが、軸受等の回転部と静止部との間の接触部分がある限り、完全なメンテナンスフリーを実現することは困難である。
また、歯車増速装置を内蔵する遠心圧縮機の場合には、回転軸に羽根車が負荷されるので慣性力が大きい。慣性力が大きいと、過渡トルクも大きくなり、起動停止に要する時間が長くなる。さらに、歯車増速機が付け加わる分、構造が複雑にならざるをえず、振動固有値の回避が容易ではない。したがって、歯車増速機を備えたターボ圧縮機では、頻繁な起動停止や回転数制御による容量調節が困難である。
なお、ターボ圧縮機を小型コンパクト化すると、作動ガスを圧縮して発生する熱及び摩擦により圧縮機内部で発生する熱を外部に放熱する放熱路の確保が重要になる。そのため、中間冷却器や吐出冷却器をターボ圧縮機本体の近傍に設けるのが一般的である。圧縮機全体を小型化するためには、冷却器も小型化する必要がある。特開平8−105386号公報に記載された歯車増速機を備えた遠心圧縮機では、中間冷却器及び吐出冷却器の被冷却流体入口及び出口を水平方向にして、歯車増速装置が必然的に水平方向に大きな幅を要することと合致させている。しかしながら、この特開平8−105386号公報に記載のものは、冷却器ネスト内で冷却によって発生したドレンを作動流体の流れとともに排出しているので、ネスト内の圧力損失が大きくなること、及び作動ガス中にドレンが含まれるという不具合がある。
一方、上記増速機付き遠心圧縮機の不具合を解消するために、電動機の軸端部に羽根車を設け、増速機を介さずに直接羽根車を駆動する電動機直接駆動式遠心圧縮機の例が、特公平5−36640号公報に開示されている。この公報に記載の圧縮機においては、圧縮機ケーシングと電動機ケーシングとを別体で形成している。そのため、増速機は不要となり、ある程度の小型化は達成したものの、まだ圧縮機全体の小型コンパクト化については不十分である。
本発明は、上記従来技術の有する課題及び不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、歯車増速装置を不要とした小型コンパクトな電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機を実現することにある。本発明の他の目的は、組立が容易でメンテナンス性に優れた2段遠心圧縮機を実現することにある。本発明のさらに他の目的は、消費動力を低減するとともに、二酸化炭素の発生を極力低減できる地球環境にやさしい電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機を提供することにある。
発明の開示
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、中間部に電動機の回転子が形成された回転軸と、この回転軸の両端部に取付けられた遠心圧縮機羽根車と、前記回転子とともに電動機を構成する電動機のステータと、前記回転軸を回転可能に支承するラジアル磁気軸受手段とスラスト磁気軸受手段とを備えた電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機において、前記電動機のステータの外周部にこのステータを水冷する水冷ジャケットを設け、前記ステータの中間部にこの2段遠心圧縮機に吸込まれた作動ガスを導くガス流路を形成する。そして、回転軸の両端に取付けられた羽根車が1段目の圧縮機段と2段目の圧縮機段を構成し、これら両圧縮機段で圧縮された作動ガスを冷却する中間冷却器と吐出冷却器とを設け、羽根車、ラジアル磁気軸受、スラスト磁気軸受及び電動機を軸方向から収納可能にした一体型のケーシングを設ける。さらにこのケーシングは、中間冷却器及び吐出冷却器をも収納する一体ケーシングとしたものである。
そして好ましくは、中間冷却器には1段目の圧縮機段で圧縮された作動ガスが上方から流入し、この中間冷却器で冷却された後下方から流出するように冷却路を形成する、または、吐出冷却器には2段目の圧縮機段で圧縮された作動ガスが上方から流入し、この吐出冷却器で冷却された後下方から流出するように冷却路を形成するものである。
上記目的を達成するための本発明の第2の特徴は、中間部に電動機の回転子が形成された回転軸と、この回転軸の両端部に取付けられた羽根車と、前記回転子とともに電動機を構成する電動機のステータと、前記回転軸を回転可能に支承する一対のラジアル磁気軸受手段とスラスト磁気軸受手段とを備えた電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機において、前記一方の羽根車で圧縮された作動ガスを冷却する中間冷却器と、前記他方の羽根車で圧縮された作動ガスを冷却する吐出冷却器とを前記回転軸の下方であってこの回転軸にほぼ平行に配置し、これら回転軸、中間冷却器、及び吐出冷却器を軸方向から収納可能にした一体型のケーシングを設け、吐出冷却器または中間冷却器のいずれかで冷却された作動ガスを電動機のステータの中間部に導く冷却路を形成したものである。
そして、前記ケーシングの中間冷却器及び吐出冷却器を収容する軸方向端部に窓を形成し、この窓に着脱可能にカバーを取付け、前記中間冷却器及び吐出冷却器を軸方向から挿入可能にすることが好ましい。
また、前記電動機は永久磁石式同期電動機であり、前記回転子は、リング状の永久磁石と、該永久磁石を保持するリング状の炭素繊維強化プラスチック保持部材と、このリング状保持部材とともに前記永久磁石を挟持する金属製スリーブとを有することが好ましい。
さらに、ラジアル磁気軸受手段及びスラスト磁気軸受手段を、負荷運転時には前記中間冷却器で冷却した作動流体で、無負荷運転時には前記吐出冷却器で冷却した作動流体で選択的に冷却する冷却切換手段を備えることが望ましい。
また、回転子は極数が2極であり、この回転子が回転するときに電動機のステータの巻線に発生した誘起電圧に基づいて磁極位置を検出する手段と、この検出した磁極位置に基づいて前記電動機を制御するインバータ制御手段とを設けてもよい。
さらに、前記電動機を駆動するインバータと、前記2段目の羽根車の下流側の圧力を検出する圧力検出手段と、この検出された圧力が所定圧力以上であれば外部に作動ガスを放風する放風弁と、前記圧力検出手段が検出した圧力に基づき前記インバータを制御する制御手段とを設け、設定下限回転数に到達しても予め定められた前記放風弁開設定圧力以上に前記検出圧力が上昇する場合には放風弁を開き、この放風弁を流通した作動流体を1段目の羽根車の上流側に戻す流路を形成してもよい。また、電動機を負荷運転時には前記中間冷却器で冷却した作動流体で、無負荷運転時には前記吐出冷却器で冷却した作動流体で選択的に冷却する冷却切換手段を備えてもよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施例を図面を用いて説明する。第1図ないし第3図は、本発明に係る2段遠心圧縮機の一実施例の外観図であり、第1図はその正面図、第2図は左側面図、第3図は右側面図である。さらに、第4図は、本発明に係る2段遠心圧縮機の回転軸周りの縦断面図である。第4図に示すように、本実施例の2段遠心圧縮機では、中央部に電動機回転子20aが形成された回転軸20を、軸方向2箇所でラジアル磁気軸受23a、23bがラジアル方向に支承している。また、一方のラジアル磁気軸受23bの隣に設けたスラスト磁気軸受24a、24bが軸方向に非接触で回転軸20を支承している。回転軸20の両端部には、それぞれ1段目羽根車21aおよび2段目羽根車21bが取付けられている。
電動機回転子20aに対向して電動機のステータ22が配置されている。ステータ22の外周にはステータで発生する銅損や鉄損、あるいはステータ22と回転子20aとの間に発生する風損により発生した熱を冷却する冷却水ジャケット14が設けられている。このステータ22と冷却水ジャケット14とを、圧縮機を組立てる前に予め組み付けて一体化しておく。
各段の羽根車21a、21bは、シュラウドを有しないオープンシュラウド型である。1段目の羽根車21aはインナーケーシング17bとの間に、2段目の羽根車21bはインナーケーシング18bとの間に、それぞれ微小ギャップを保って回転している。
さらに、1段目の圧縮機1aおよび2段目の圧縮機1bの双方は、軸方向端部をヘッドカバー17、18で軸方向から覆われている。ヘッドカバーは吸込み静止流路壁面および吐出静止流路壁面を形成している。1段目のヘッドカバー17は、耐圧閉止部17a、17dと静止流路を形成するインナーケーシング部17bと、リブ17cとから構成される。ここで、耐圧閉止部17dを耐圧閉止部17aと一体にしてもよい。また、リブ17cは耐圧閉止部17aとインナーケーシング部17bとの間に流路を確保する。2段目の圧縮機1bのヘッドカバー18は1段目と同様に、耐圧閉止部18a、18dとインナーケーシング部18bとリブ18cとを備えている。
電動機冷却水ジャケットの外径は、磁気軸受を組み付けた磁気軸受ハウジング28a、28bの少なくとも一方の外径より大きい。この第4図に示した実施例では、磁気軸受ハウジング28a、28bの双方の外径より大きい。さらにヘッドカバー17、18の外径も、磁気軸受ハウジングの外径より大きい。電動機、軸受および圧縮機部の大きさの関係をこのように定めることにより、ケーシング内に収容される回転軸や羽根車等のインターナル部品を、軸方向から容易にケーシング内に組み立てることが可能になる。そして、電動機ケーシング2および圧縮機ケーシング1a、1b内に各部品を軸方向から組み込むことができるので、電動機ケーシング2および圧縮機ケーシング1a、1bを分割のない円筒状でかつ軸方向に一体の構造にすることができる。
このように構成した電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機を、従来用いられている歯車増速形圧縮機と同程度の速度で回転させるためには、軸長さを可能な限り短くし、できる限り径を大きくしなければならない。
これは、回転軸のほぼ中央部に歯車の歯幅に比べてはるかに長い電動機回転子を有するためであり、この電動機回転子があるので危険速度が低下する。本発明に係る圧縮機の運転速度は4万RPM以上あり、通常の油軸受ではこのような高速の回転軸を制振することができない。特に、3次危険速度を超えた領域での運転となる本実施例では軸受として磁気軸受を用い、それにより圧縮機の運転範囲を回転軸の3次と4次の危険速度の間に納めている。
なお本実施例では、電動機としてインバータにより駆動される2極の永久磁石式同期電動機を用いている。そして、磁極位置の検出に電動機ステータの巻線に発生する誘起電圧を利用している。これにより、専用の磁極位置検出センサを不要とし、回転軸長を短くしている。従来は、磁極位置の検出にリゾルバや光エンコーダ等を用いているが、これらの検出器により軸長が長くなって、危険速度が低下するのを防止できる。
誘起電圧を利用して磁極位置を検出することは、容量数kW程度以下の小形の電動機では多用されているが、容量百kW弱〜数百kWで40000rpm〜80000rpm回転する圧縮機への適用は困難であった。本実施例では以下に記載の方法により、誘起電圧を利用した磁極位置検出を可能にしている。本実施例の2段遠心圧縮機に用いる永久磁石式ブラシレス同期電動機は、一種の直流ブラシレスモータである。この直流ブラシレスモータの駆動回路の一例を第5図に示す。
モータ軸の回転位置あるいは負荷の大きさに応じて、例えば120°通電方式でパワースイッチをON/OFFし、電動機の巻線のa相、b相およびc相の各相に電流を流す。直流ブラシレスモータの駆動部は、インバータ部47と、このインバータ部47へ通電切換を指示する通電切換部46と、位置検出回路45とを有している。位置検出回路45は、通電切換信号を発生するためのもので、モータに誘起される電圧から永久磁石回転子の周方向位置を検出する。インバータ部47は、通電切換部46から指示されたモータの各相の巻線44a、44b、44cへの通電切換タイミングに応じて、スイッチングトランジスタとダイオードから成るスイッチング素子48a、48b、48cおよびスイッチング素子49a、49b、49cを動作させる。
120°通電方式においては、a相の巻線44aに回転軸20の回転角でほぼ120°の区間だけ正電圧を印加した後、回転角でほぼ60°の区間、このa相への通電を停止する。その後、ほぼ120°の区間だけ負電圧を印加し、さらにその後60°の区間だけ通電を停止する。b相およびc相へも同様に通電する。ただし、a相、b相およびc相の各相への通電タイミングは、夫々120°ずつ互いに変化させている。これにより、回転磁界が発生し、ブラシレスモータが駆動される。
次に、第5図に示した位置検出回路45の詳細を第6図に示す。この第6図では、モータの端子電圧に基づいた回転位置検出機能をブロックで示している。モータの端子電圧Va、Vb、Vcは各相毎に設けられた積分器42に入力されて積分される。積分器42で積分することにより、端子電圧Va、Vb、Vcの位相は90°シフトする。これとともに、パルス幅変調(PWM)制御等で生じた高調波のリップル成分が除去され、正弦波に近似された信号となる。ここで、積分器42がすべての信号成分を積分する純粋な積分処理を実行すると、微少なDC電圧を無意味に増幅することになる。この不具合を避けるため、積分器42はDC電圧をカットするハイパスフィルタを有している。積分器42を通過した信号は、コンパレータ43で相端子電圧Va、Vb、Vcの中性電位Vnと比較され、ゼロクロス点でON/OFFするデューティ比1:1のパルス信号が得られる。ここで、デューティ比は、ONとOFFの時間の比である。このパルス信号は各相毎に得られ、各々120°ずつずれている。
パルス信号の元は、モータの相電流によって位相が変化する相端子電圧であるから、回転位置パルス信号はこのままでは相端子電圧と共に変化し、モータの回転位置を特定できない。モータの回転位置を得るために、モータの相電流で回転位置パルス信号を補正する。第7図を用いて、相電流による補正の方法を説明する。
相端子電圧Vは、誘起電圧Eと、相抵抗rおよび相インダクタンスLに相電流Imが流れて生じるインピーダンスドロップとのベクトル和で表される。つまり、誘起電圧Eは、相端子電圧Vとインピーダンスドロップのベクトル差である。相端子電圧Vと誘起電圧Eとの位相差δを求め、この値を相端子電圧Vの位相から差し引くことにより、誘起電圧Eの位相、すなわち回転軸の回転角情報を得ることができる。
第6図における位相補正器41は、この位相差δを求めるものであり、得られた位相差δに基づいて回転位置パルス信号の位相を補正する。その結果、モータ電流の大きさの如何に関わらず、誘起電圧と位相が一致したパルス信号が得られる。モータ電流を制御するインバータ部では、位相補正器41により位相補正された回転位置信号に基づいてスイッチング素子の通電切換を実施する。
ところで、回転軸20の危険速度を高めるためには、回転軸径をできるだけ大きくするか、回転軸長を短くするのが一般的である。第8図に、回転軸径を大径化して危険速度を高めた例を示す。第8図は、永久磁石式同期電動機の回転子部分の概略構造を示したものである。また、第9図は、第8図のC視図である。リング状の永久磁石61が保持材62で保持されている。この保持材には、非磁性体であること、比強度が高いこと、電気伝導率が低いことすなわち固有抵抗値が高いこと、等の性能が要求される。これらの性能を満足するものとして、CFRP(炭素繊維強化プラスチック材)がある。
ところで、本実施例の回転軸は3次の危険速度を超えて回転するので、遠心力により永久磁石が回転軸から遊離するのを防止する必要がある。そこで、永久磁石の遊離を防止するだけの締め代をCFRPと回転軸との間に形成する。永久磁石の強度は非常に小さいので、永久磁石自体が遠心力を負担することはできない。上述の締め代が不足すると運転中に永久磁石がシャフトから離れ、アンバランスを生じる。アンバランスが生じると、アンバランス振動が大きくなり、圧縮機を安定して運転できなくなる。このため本実施例の運転条件では、締め代として1000分の3mm程度が必要となる。CFRPの周方向の熱膨張係数はほとんど0であり、一般的に使用される焼き嵌めは不可能である。また、油圧嵌めはCFRP材の軸方向引張り強さが低いので困難である。さらに回転軸を冷却する冷し嵌めでは、上記締め代分の温度変形を生じない。また、CFRPの加工で用いられる圧入法は、本実施例の場合にはCFRPの軸方向長さが長いので、CFRPの圧縮強度が不足し不適である。
そこで、本実施例においては、磁石51と回転軸20aの間に鋼製スリーブ64を介在させている。回転軸20を組立てる前に、多層リング磁石の外周に接着樹脂を含浸させながら炭素繊維を巻き付け、高温炉に入れて樹脂を高温硬化させる。これにより、一体スリーブを形成する。一方、一体スリーブの内径とほぼ同じ外径を有する鋼製スリーブ64を用意し、この鋼製スリーブの外周に先に述べた一体スリーブを装着する。鋼製スリーブの内径を、必要締め代分に相当する量だけ回転軸外径よりも小さくする。次にこの鋼製スリーブの内径側に油圧を負荷して強制的に鋼製スリーブの内径を拡張し、拡張した鋼製スリーブを回転軸に嵌め込む。
単に運転中に隙間を生じないようにするのであれば、縦弾性係数の大きな炭素繊維を使用すればよい。しかし高弾性係数の炭素繊維は、引張り強さが低く、逆に引張り強さが高いと弾性係数が低い。そこで第8図及び第9図に示す構造にして必要締め代を確保し、引張り強さの高い炭素繊維の使用を可能にして大径の回転軸を実現している。なお、第9図で示したステータコア2aでは、スロット数を6個にしているが、スロット数はこれに限るものではなく、必要に応じて増減できるものである。
永久磁石の両端部には、CFRPリング63a、63bを装着している。このリングを、ステータ巻線が作る回転磁界の漏れを少なくするとともに、回転磁界の高調波成分による渦電流損を減らすために設けている。CFRPや磁石は温度が高くなると機械的特性が低下する。したがって、回転子部に生じる損失による発熱を低減して機械的特性を確保すれば、回転軸を高速化できる。
上述した圧縮機の内蔵部分を、第1図に示した一体構造のケーシングに収納する。1段目の圧縮機部1aは、吸込みフィルタサイレンサ19を備えた1段吸込みノズル4と、吐出ノズルと、中間冷却器3aへの連絡流路を形成している1段吐出流路5とを有している。吸込みノズル4と吐出ノズル流路5とは、回転軸の半径方向から作動流体が吸込まれ、また吐出されるように形成されている。
同様に、2段目の圧縮機部1bは、中間冷却器3bからの吸込み流路6と、吐出ノズルと、吐出冷却器3bへの連絡流路を形成している2段目の吐出流路7とを有している。吸込みノズル6と吐出ノズル流路7は、回転軸の半径方向から作動流体が吸込まれ、また吐出されるように形成されている。
中間冷却器3aは中間冷却器ケース1cに、また、吐出冷却器3bは吐出冷却器ケース1dにそれぞれ収納される。中間冷却器ケース1cと吐出冷却器ケース1とは、入口から出口方向への流れが互いに逆である対向流となるように平行に配置している。そしてこの流れ方向を回転軸の軸方向に一致させている。中間冷却器ケース1cおよび吐出冷却器ケース1は相対する合せ面で結合される。
中間冷却器3aのネスト内流れが上面から下面に向かうように、中間冷却器3aを配置する。吐出冷却器3bもケース1d内に同様に配置する。
1段目の吐出流路5を、中間冷却器ケース1cの一方端の上面に接続する。中間冷却器ケース1cに流入した流れは、中間冷却器の下面から流出する。この流れは、例えば、第1図に示した実施例のように中間冷却器ケース1cの入口の他端の下部から吐出冷却器の下部を通り、吐出冷却器ケース1dの外側端面に導かれる。この出口から2段目の吸込みノズル6間を、配管接続する。また、2段目の圧縮機から流出した流れは、2段目の吐出流路を経て吐出冷却器ケース1dの中間冷却器出口側端の上面に導かれる。吐出冷却器ケース1dに流入した流れは、吐出冷却器の下面から流出する。そして、この流れは、吐出冷却器ケース1dの入口の他端側面から排出される。
このように圧縮機段と中間冷却器及び吐出冷却器を構成した本実施例では、回転軸方向に対して直角方向の冷却器ケースの幅を小さくすることができ、ケーシングの一体構造化を可能にしている。つまり、本実施例によれば、電動機ケース2、圧縮機ケーシング1a、1bおよび冷却器ケース1c、1dを鋳物構造を採用して一体化している。
ケーシングを鋳物で製作する場合には、鋳型の上型と下型の分離面である見切り面を設定する必要がある。本実施例では、回転軸と中間冷却器および吐出冷却器の接合部中心を通る面が望ましい。一体鋳物を前提にして見切り面をこの場所に設定するためには、見切り面からの深さ寸法を小さくする必要がある。そのためには、冷却器内では上方から下方に作動流体を流せばよい。
中間冷却器ケース1cと吐出冷却器ケース1dの各々の軸方向端面に窓を設けて、一方の窓から中間冷却器3aおよび吐出冷却器3bを挿入し、その後冷却器ヘッドカバー15a、15b、15c、15dを取付ける。冷却器ヘッドカバー15a、15bは、一体であってもよいし、分割されていてもよい。他端側の窓は、カバー16a、16bで閉止される。カバー16a、16bも一体型であってもよいし、分割されていてもよい。
中間冷却器3aおよび吐出冷却器3bの冷却水は、ヘッドカバー15c、15d側から流入し、これら冷却器先端のエンドカバー16c、16dで折り返され再びヘッドカバー15c、15dへ流入する。このように構成することにより、中間冷却器3aおよび吐出冷却器3bのネストを圧縮機一体ケーシングに取付けたまま、ヘッドカバー15c、15d、閉止カバー16a、16bおよびエンドカバー16c、16dを取り外すだけで最も汚れ易い水側の冷却器部を清掃することができる。したがって、メンテナンスが容易になる。
回転軸の軸受部や電動機部には、風損、銅損および鉄損が生じ、これらにより発熱する。この発熱を放熱するために、圧縮機で圧縮した後に冷却器で冷却された作動流体、すなわち圧縮空気を利用する。しかしながら、この冷却空気量を最小にしないと圧縮機の原単位,つまり消費動力が増加するという不具合を生じる。そこで、元来損失として見込まれていた羽根車の背面から漏れる作動流体を、軸受の冷却空気に使用する。
第4図において、1段目の羽根車21aの背面にはラビリンス29を、2段目の羽根車21bの背面にはラビリンス30を形成する。1段目のラビリンス29には、このラビリンスに形成された複数のラビリンス室に冷却空気を吹込む通路孔29aが形成されている。
次に、冷却空気の吹き込み方法を第10図を用いて説明する。第10図は、2段遠心圧縮機の配管系統図の一実施例を模式的に示した図である。一体ケーシング1a、1b、1c、1d、2内に、羽根車21a、21bを装着した回転軸20が回転自在に収容されている。吸込みノズル4から吸込まれた流体は、1段目の圧縮機で圧縮された後中間冷却器3aで冷却され、2段目の吸込みノズルに導かれる。2段目の吸込みノズルから吸込まれた流体は、さらに2段目の羽根車21bで圧縮された後吐出冷却器3bで冷却され、逆止弁71を経て需要元のプラントへ圧送される。
一方、冷却流体を中間冷却器3aの出口と2段目の吸込みノズル6との中間から取り出し、フィルタ72および逆止弁73を経て、1段目のラビリンスの冷却孔29aに導かれる。また、冷却流体は、電動機冷却孔32および2段目側の軸受冷却孔31にも導かれている。ここで、ON/OFF弁74は、電動機を冷却する流体の流量を調節するものであり、電磁弁82により操作される。なお、圧縮機の無負荷運転時等の放風弁77が開いている時には、第1段目圧縮機と第2段目圧縮機との中間から取り出した冷却流体の圧力が低下する。このような状態においても冷却は必要なので、吐出冷却器3bから流出した作動流体の一部を取り出して冷却流体に用いる。この冷却流体は、フィルタ75およびON/OFF弁76を通過した後、第1段目圧縮機と第2段目圧縮機との中間から取り出した冷却ラインに合流する。
冷却ラインの切換えの一例を以下に示す。圧縮機の吐出逆止弁71の下流の圧力を第1図に示した圧力検出器92が検出する。この検出した圧力が、サージングを回避するための最小回転数Nminにおける設定圧力PdHTを超えると、演算処理装置93が放風弁77による放風の指令を出す。放風のために放風弁77の開指令が出ると、電磁弁80が動作して、放風弁77が開く。この時、演算処理装置93は同時に電磁弁81の動作指令を出す。電磁弁81が開くと、ON/OFF弁76も開く。なお、電磁弁80の上流側には、流量調整弁78およびフィルタ79が配設されている。
冷却空気の供給ラインは、吐出冷却器の下流から分岐し常時開状態になっているラインに加えて、新たに中間冷却器の下流から分岐し放風弁77の開とともに開状態となったラインの2つの冷却ラインが動作状態になる。この状態では、吐出冷却器の下流から分岐した冷却ラインの圧力が、中間冷却器の下流から分岐した冷却ラインの圧力より高いので、中間冷却器の下流から分岐したラインに設けられた逆止弁73に逆圧が負荷され、このラインは自動的に閉じられる。
本実施例では、2段目の羽根車の背面に形成したラビリンス室には冷却空気を吹き込まない。これは、吐出冷却器3bより下流からラビリンス室に流体を吹き込むと、2段目の羽根車の背面における静圧が高くなり、2段目の羽根車の背面側から吸込み側へ向かう流体によるスラスト力が大きくなるからである。スラスト力が大きいと、スラスト磁気軸受のスラストカラーを大きくしなければならず、これによりスラストカラーの強度の低下および損失の増加が引き起こされるからであるすることになり、全体としては効果がなくなるからである。
負荷運転時には2段目の吸込み部より上流側から抽出した作動流体を、無負荷運転時には吐出冷却器出口より下流側から抽出した作動流体を冷却に用いる。この冷却流体を、電動機部、1段目の羽根車の背面側ラビリンス室の入口側近く、および2段目の羽根車の背面側ラビリンスの下流側にそれぞれ吹き込んで、圧縮機全体の冷却に使用する動力を低減する。
さらに、本発明の2段遠心圧縮機では運転に必要な総動力を、以下に記載の方法により低減している。第11図は、電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機において、電動機の回転数制御の一実施例を示したものである。1段目の吸込み温度91を図示しない温度センサで検出し、検出した信号を演算処理回路93に入力する。この演算処理回路では、検出した信号から求めた温度と内部に予め記憶した設計吸込み温度(Tsdes)との比を求める。そして、この温度の比の約1/3乗値を設計回転数に乗じて、その温度(Ts)における定格回転数(Nmax)を演算する。また、定格回転数に対応して負荷運転における設計最小回転数(Nmin)を演算する。
一方、逆止弁71の下流にはプラント圧力92を検出するセンサが設けられ、このセンサが検出した信号も演算処理装置93に入力される。そして、定格回転数Nmaxと設計最小回転数Nminの間で、プラント圧力92が定められた値になるように、インバータ94の出力を調整する。すなわち、演算処理装置93が求めたインバータの出力調整信号に応じて、インバータ94が電動機2へ供給する電流を制御する。これにより、電動機の回転数が変化し、圧縮機の容量が調節される。
圧縮機の回転数を制御して、圧縮機の容量を制御する方法を第12図にを用いて説明する。圧縮機の設定風量は、夏場の吸込み温度条件の下で決定される。したがって、回転数が変わらないとすると、吸込み温度が下がると設定吐出圧力(Pdp)が得られる流量が設計点より大流量側にずれる。この場合、圧縮機の動力が増加する。また、必要以上の作動流体を圧縮機に供給すると、圧縮機の無負荷運転時間が長くなり、この場合も消費動力が増加する。
そこで、吸込み温度と設計吸込み温度との比の3乗値を求め、設計回転数に乗じて得た回転数を、その吸込み温度条件における定格回転数に設定する。以後この定格回転数を圧縮機の運転の上限回転数として圧縮機を制御する。一方、圧縮機の最小回転数を以下のように求める。回転数制御の圧縮機においては、回転数を低下させると流量も低下する。流量がある値より少ないとサージングを起こし不安定運転になる。そのためサージングを回避しなければならない。このサージングを回避できる運転回転数を最小回転数とする。具体的には、先に求めた定格回転数にある比率を乗じた値を最小回転数(Nmin)とする。この最小回転数は、既に吸込み温度の補正がなされているので、吸込み温度が変化してもこの値を最小回転数として用いることができる。したがって、定格回転数と上記最小回転数間で圧縮機の回転数を変化させることにより、圧縮機の容量制御を容易に行える。圧縮機の回転数を変化させて容量調節をすることができると、圧縮機の無負荷運転時間を短縮でき、圧縮機の総消費動力を低減できる。
回転数制御をしていて下限回転数に到達しても、放風弁開設定圧力(PdHT)以上に逆止弁下流の圧力(Pdp)が上昇する場合には放風弁77を開く。そして、放風した作動流体を回転軸方向に対し直角方向から1段目の吸込み流路に戻す。つまり、第1図のノズル33へ放風弁77から流出した作動ガスを導く。このようにすることにより、1段目の羽根車の入口流れに旋回成分を付与し、吸込み流量を減らすことができ、圧縮機の動力を低減できる。なお、運転中において逆止弁下流の圧力(Pdp)が放風弁閉設定圧力(PdL)より低下したら、放風弁77を閉じる。
従来の圧縮機では、1段目の圧縮機の吸込み側に絞り弁を設け、放風運転時にはこの絞り弁を絞って圧縮機動力を低減していた。本実施例の圧縮機では吸込み側の絞り弁を不要にしたので、この従来方法に比べて部品点数を少なくすることができる。また、圧縮機をコンパクトにパッケージ化でき、経済的に有利である。なお、以上の実施例において吸込み弁を設けても良いことは言うまでもない。
本発明の他の実施例を第13図及び第14図を用いて説明する。本実施例では、2段目側の背面ラビリンスの機内側に冷却空気を吹き込んでいる。スラスト軸受の2段目側24bを保持するハウジングの内周部に、2段目羽根車の背面に形成されたラビリンス30の内径より内径が大きいラビリンス35を設ける。このラビリンス35と上記2段目側羽根車のラビリンス30との間に、冷却流体の吹込み孔を形成する。さらに、磁気軸受センサ36と2段目羽根車のラビリンス30との間にも冷却流体の吹込み孔31bを形成する。なお、この冷却孔31bを、磁気軸受23bとセンサ36の間に形成してもよい。このように構成すれば、第14図に示したように、冷却空気が吐出冷却器23bの下流からフィルタ75を経て取り込まれ、ケーシング1の吹込み孔31aに導かれる。
2段目羽根車の背面ラビリンス30の内径とスラスト軸受のラビリンス内径とから決定されるスラスト力の受力部に、2段目側から1段目側に向かうスラスト力が作用する。これにより、1段目羽根車と2段目羽根車で発生するスラスト力のアンバランスを低減でき、スラスト軸受を小型化した高速回転軸系を実現できる。本実施例においては、2段目羽根車の背面ラビリンスからの漏れ量を少なくすることができるので、圧縮機の消費動力を低減できるという効果もある。
以上述べたように、本発明においては、回転部と静止部間の接触が無く、圧縮機のどの部分にも油を使用する必要が無いので、長期にわたってメンテナンス不要な2段遠心圧縮機を得ることができる。また油を使用しないので、地球環境にやさしい2段遠心圧縮機を得ることができる。さらに、運転動力を低減できるので、省エネ効果も大であり、地球環境に対する二酸化炭素の発生も抑制できる。また、遠心圧縮機の高速小型化が可能なので、設置面積を低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機の一実施例の正面図であり、第2図及び第3図は第1図に示した遠心圧縮機の側面図であり、第2図は左側面図、第3図は右側面図である。第4図は、第1図の実施例の回転軸回りの縦断面図であり、第5図は電動機駆動回路の一実施例の回路図であり、第6図は、インバータにより電動機を駆動するときの位置検出回路の一実施例を示した回路図であり、第7図は位置検出を説明する説明図である。また第8図は、第4図に示した回転軸の電動機部分の詳細図であり、第9図は第8図のC視図である。第10図は、第1図に示した圧縮機の配管フロー図であり、第11図及び第12図は遠心圧縮機の制御を説明するための図であり、第11図は配管系統図、第12図は圧力−流量特性を示す図である。また、第13図は本発明の一実施例における軸受部の冷却構造の詳細図、第14図は第13図に示した冷却構造に冷却ガスを送る系統図である。

Claims (10)

  1. 中間部に電動機の回転子が形成された回転軸と、この回転軸の両端部に取付けられた遠心圧縮機羽根車と、前記回転子とともに電動機を構成する電動機のステータと、前記回転軸を回転可能に支承するラジアル磁気軸受手段とスラスト磁気軸受手段とを備えた電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機において、前記電動機のステータの外周部にこのステータを水冷する水冷ジャケットを設け、前記ステータの中間部にこの2段遠心圧縮機に吸込まれた作動ガスを導くガス流路を形成し、前記回転軸の両端に取付けられた羽根車が1段目の圧縮機段と2段目の圧縮機段を構成し、これら圧縮機段で圧縮された作動ガスを冷却する中間冷却器と吐出冷却器とを設け、前記羽根車、前記ラジアル磁気軸受手段、前記スラスト磁気軸受及び前記電動機を軸方向から収納可能な一体型のケーシングを設け、このケーシングは前記中間冷却器及び吐出冷却器をも収納することを特徴とする電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  2. 前記中間冷却器には1段目の圧縮機段で圧縮された作動ガスが上方から流入し、この中間冷却器で冷却された後下方から流出するように冷却路を形成したことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  3. 前記吐出冷却器には2段目の圧縮機段で圧縮された作動ガスが上方から流入し、この吐出冷却器で冷却された後下方から流出するように冷却路を形成したことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  4. 中間部に電動機の回転子が形成された回転軸と、この回転軸の両端部に取付けられた羽根車と、前記回転子とともに電動機を構成する電動機のステータと、前記回転軸を回転可能に支承する一対のラジアル磁気軸受手段とスラスト磁気軸受手段とを備えた電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機において、前記一方の羽根車で圧縮された作動ガスを冷却する中間冷却器と、前記他方の羽根車で圧縮された作動ガスを冷却する吐出冷却器とを前記回転軸の下方であってこの回転軸にほぼ並行に配置し、これら回転軸、中間冷却器及び吐出冷却器を軸方向から収納可能にした一体型のケーシングを設け、前記吐出冷却器または中間冷却器のいずれかで冷却された作動ガスを前記電動機のステータの中間部に導く冷却路を形成したことを特徴とする電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  5. 前記ケーシングの中間冷却器及び吐出冷却器を収容する軸方向端部に窓を形成し、この窓に着脱可能にカバーを取付け、前記中間冷却器及び吐出冷却器を軸方向から挿入可能にしたことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  6. 前記電動機は永久磁石式同期電動機であり、前記回転子は、リング状の永久磁石と、該永久磁石を保持するリング状の炭素繊維強化プラスチック保持部材と、このリング状保持部材とともに前記永久磁石を挟持する金属製スリーブとを有することを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  7. 前記ラジアル磁気軸受手段及びスラスト磁気軸受手段を、負荷運転時には前記中間冷却器で冷却した作動流体で、無負荷運転時には前記吐出冷却器で冷却した作動流体で選択的に冷却する冷却切換手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  8. 前記回転子は極数が2極であり、この回転子が回転するときに電動機のステータの巻線に発生した誘起電圧に基づいて磁極位置を検出する手段と、この検出した磁極位置に基づいて前記電動機を制御するインバータ制御手段とを設けたことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  9. 前記電動機を駆動するインバータと、前記2段目の羽根車の下流側の圧力を検出する圧力検出手段と、この検出された圧力が所定圧力以上であれば外部に作動ガスを放風する放風弁と、前記圧力検出手段が検出した圧力に基づき前記インバータを制御する制御手段とを設け、設定下限回転数に到達しても予め定められた前記放風弁開設定圧力以上に前記検出圧力が上昇する場合には放風弁を開き、この放風弁を流通したた作動流体を1段目の羽根車の上流側に戻す流路を形成したことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
  10. 前記電動機を、負荷運転時には前記中間冷却器で冷却した作動流体で、無負荷運転時には前記吐出冷却器で冷却した作動流体で選択的に冷却する冷却切換手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電動機で直接駆動する2段遠心圧縮機。
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