JP5655380B2 - 硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
下記要件(1)〜(6)を満たす硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルムである。
(1)170℃、20分間加熱したときのフィルムヘイズ変化量△Hz(△Hz=加熱後ヘイズ−加熱前ヘイズ)が1.0未満
(2)ヒドロキシル(OH)末端量が70eq/ton以下
(3)環状三量体含有量が0.45質量%以下
(4)厚みが30〜500μmであること
(5)面配向度ΔPが、0.150〜0.180であること
(6)下記方法により求めた表面軸配向度YmaxもしくはYminの少なくともいずれかの表裏の比が、0.80〜0.98であること
(表面軸配向度の表裏の比)
フィルム試料について、偏光ATR法により波長1340cm−1付近の吸光度A1340と波長1410cm−1付近の吸光度A1410を求め、下記式で表される比Yを求める。最初に測定した点を起点としてフィルム試料を10°毎に面内回転させ、0°〜170°の範囲でそれぞれ同様に測定する。得られた18点の中での最大値および最小値を表面軸配向度Ymax、Yminとする。係る表面軸配向度Ymax、Yminをフィルム試料の表裏で測定し、表裏いずれか大きい方の値を分母として表面軸配向度YmaxおよびYminの表裏の比を求める。
Y=A1340/A1410
(7)ジカルボン酸成分とグリコール成分との重縮合反応によって得られた固有粘度が0.50〜0.70dl/gの粗製ポリエステルを、含水量が3.5〜30.0g/Nm3である調湿不活性ガスを、粗製ポリエステル1kg当たり毎時1リットル以上、10,000リットル以下の流量で流通させる。
(8)190℃〜260℃で加熱処理を行う。
(9)ポリエステルの極限粘度の変化が下記式を満足するように加熱処理を行う。
−0.05dl/g≦(加熱処理前の極限粘度−加熱処理後の極限粘度
≦0.05dl/g
よって、ハードコートフィルムや液晶表示装置の用いられる反射板や拡散シート、レンズシートなどといった高い面精度が求められる用途に好適である。好ましい実施態様として、収縮性の異なる、もしくは収縮性を有する素材を、積層、もしくは張り合わせても、積層体全体としての平面性が良好である。
また、加熱加工後の透明性に優れ、環状三量体の析出が少ない機能を有する。そのため、高温での後加工処理が可能で、且つ、製膜工程内の汚染も少ないことからフィルム自体の欠点も少ないため、高品位が必要とされる光学用途をはじめとした工業用途において好適である。
熱処理においては不活性ガス中の含水量は好ましくは3.5〜30.0g/Nm3であり、より好ましくは4.0〜20.0g/Nm3である。調湿不活性ガス中の含水量が3.5g/Nm3未満の場合には、得られるポリエステルの固有粘度の上昇が著しい。調湿不活性ガス中の含水量が過剰である場合には、加水分解反応が起こり、得られるポリエステルの固有粘度が低下するおそれがある。
−0.05dl/g≦加熱処理前の極限粘度−加熱処理後の極限粘度≦0.05dl/g
Y=A1340/A1410
ΔP=(nx+ny)/2 − nz
ここで、nx、ny、nzは夫々、長手方向の屈折率、幅方向の屈折率、厚み方向の屈折率を表す。なお、長手方向、幅方向は前述のとおりYmin、Ymaxが得られる方向と同一もしくは略同一であるので、かかる方向をもって係る方向をもって長手方向、幅方向を特定することも可能である。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
本発明のフィルムの製造において、まず溶融した樹脂を口金より押出し、冷却したキャスティングドラムに巻き取ることで急冷固化し、未延伸シートを得る。未延伸シートの冷却はシート表面から行われるため、キャスティングドラムに接した面と、その反対面とで冷却効率が異なり、未延伸シートの表裏で温度差が生じる。
本発明のフィルムを得るためには、縦延伸工程においてフィルム表裏に温度差を設け、フィルム表裏において分子の配向の程度を変えることが望ましい。縦延伸工程においてフィルム表裏の温度差を設けると、表面温度の高い側より表面温度が低い側の方が、配向歪みが残存し、延伸による配向差が生じやすくなる。本発明のフィルムの製造での縦延伸時において、表裏の温度差を設けるために、表裏におけるロールの温度設定や、非接触の赤外線照射、高速加熱エアによる加熱、その他、延伸工程の前処理として加熱または冷却手段を用いることが可能である。
本発明おいて、二軸延伸後のフィルムを熱固定する熱固定工程において、フィルムの表裏の温度を0.1℃以上、0.5℃以下の温度差を設けることが好ましい。これは表裏の熱処理の程度に差異を設けることで、実質的に表裏の収縮率を変更することにある。熱固定工程において表裏の温度差を設けるには、例えば、熱固定装置のフィルムを介した上下で温度を変更する、または/そして風速差を設けることで可能となる。フィルムの表裏に上記温度差を設けるためには、熱固定装置の上下の温度差は3℃以上30℃以下が好ましい。3℃未満ではフィルムの温度差を付けるのに固定装置内の上下の風速差が大きくなり、フィルムに歪み力が働くため、平面性の不均一が生じる場合があり好ましくない。また、30℃超の温度ではフィルム上下の空気の密度差によりエアバランスの崩れが生じやすく好ましくない。
(硬化収縮率)=[{(硬化物比重)−(硬化前比重)}/(硬化前比重)]×100
ポリエステルフィルム、または樹脂を細かく粉砕し、15mgを秤量した。0.1mlのヘキサフルオロイソプロパノールール(HFIP)−d2に完全に溶解させた後、重クロロホルム0.6mlで希釈した。さらに、HFIPのOH基ピークをシフトさせるために、ピリジン−d5を30μl添加し、H−NMR(BBO−5mmプローブ)で測定した。
ポリエステルフィルム、またはポリエステル樹脂を細かく粉砕し、0.1gをヘキサフルオロイソプロパノールール(HFIP)/クロロホルム(2/3(容量比))の混合溶媒3mlに溶解した。得られた溶液にクロロホルム20mlを加えて均一に混合した。得られた混合液にメタノール10mlを加え、線状ポリエステルを再沈殿させた。次いで、この混合液を濾過し、沈殿物をクロロホルム/メタノール(2/1(容量比))の混合溶媒30mlで洗浄し、さらに濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。濃縮乾固物にジメチルホルムアミド10mlを加え、環状三量体測定溶液とした。この測定溶液を横河電機(株)社製LC100型の高速液体クロマトグラフィーを使用して定量した。
ポリエステル0.2gをフェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(60/40(重量比))の混合溶媒50ml中に溶解し、30℃でオストワルド粘度計を用いて測定した。単位はdl/g。
セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定した。試料10mgを使用し、昇温速度20℃/分で昇温し、290℃で3分間保持した。昇温時に観察される融解ピ−クの頂点温度を融点(Tm)とした。
フィルムの厚みは、電子マイクロメーターMILLITRON(精工精密機械販売)を用いて長手方向300mm、それに直角な方向に210mmに切り出したフィルム試料の長手方向に直角な方向に約20mmずつの位置で10回計測し、その平均値を求める。
フィルム試料のヘイズ(曇価)および全光線透過率は、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用い、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。測定の結果、ヘイズが3%以下のものを○、3%をこえるものを×とした。また、全光線透過率については、90%以上のものを○、90%未満のものを×とした。
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向係数(ΔP)を算出した。
ΔP=(nx+ny)/2−nz
偏光ATR法の1回反射における赤外線吸収スペクトル解析による。試料フィルムの測定面を1回反射ATR付属装置にセットし、1回反射のスペクトルを測定した後に、ベースラインを適正化した後に波長1340cm−1付近における吸光度A1340と波長1410cm−1における吸光度A1410を数値化する。得られた測定値をもとに下記式に表される比Yを求める。フィルム試料を最初の測定位置を基点に、10°毎に面内回転させ、0°〜170°の範囲でそれぞれ同様に測定する。
Y=A1340/A1410
その18点の配向パラメータの中での最大値をYmax, 最小値をYminとしてYmax/Yminを表面軸配向度とする。係る表面軸配向度Ymax、Yminをフィルム試料の表裏で測定し、表裏いずれか大きい方の値を分母として表面軸配向度YmaxおよびYminの表裏の比を求めた。表中に示した表面軸配向度の表裏の比は、YmaxおよびYminのいずれかで求めた比のうち小さい方を示す。
分光器:FTS−60A/896(BioRad DIGILAB社製FTIR)
付属装置:高感度1回反射ダイヤモンド水平ATR装置(SPECAC)
光源:高輝度ニューセラミック
検出器:MCT(HgCdTe)
分解能:4cm−1
積算回数:64回
IRE:Ge
入射角:45°
偏光子:ワイヤーグリッド,偏光
理論検出深度:約0.7μm(1000cm−1において)
ベースラインについては、吸光度A1340については1380〜1300cm−1の間にある2つのボトムピークを結んだ線をベースラインとし、吸光度A1410については1350〜1450cm−1の間にある2つのボトムピークを結んだ線をベースラインとしてトップピーク高さを求めて測定する。なお、共存する含有物質や塗布物質の赤外線吸収バンドと、1340cm−1における吸収バンド、もしくは1410cm−1における吸収バンドが重なってしまう場合は、差分スペクトル法を用いることで、強度比を算出する方法を採用する。
フィルムから長手方向300mm×幅方向210mmの試料を50枚採取する。この試料を、温度23±2℃、湿度65±5%に管理された室内で、水平なガラス板(厚さ5mm)の上に載せてフィルム試料の四隅の反りの高さ(水平面から垂直方向の高さ)をマイクロスコープ(商品名:VH−6300、キーエンス社製)を用いて測定する。四隅の高さが「0」もしくは、断面がM字状に見える時は反対面を上にして反りを測定する。全試料において測定した四隅の反りあがりの高さの最大値を表示する。
下記いずれかの樹脂組成物を、下記記載の層厚みになるようにアプリケーターを用いて、表面軸配向度の小さい方の面に塗布した。ランプ発光長50cm、160W/cmの高圧水銀灯を光源とし、照射量1J/cm2(測定機器:(株)オーク製作所製、UV−350)の紫外線を塗布面よりに照射し、前記樹脂組成物を硬化させた。こうして得た硬化性樹脂積層体から長手方向300mm×幅方向210mmの大きさにカットした試料を5枚採取した。樹脂組成物面を上にして水平なガラス板(厚さ5mm)の上に置き、温度23±2℃、湿度65±5%に管理された室内で、積層体試料の四隅の反りの高さ(水平面から垂直方向の高さ)をマイクロスコープ(商品名:VH−6300、キーエンス社製)を用いて測定する。全試料において測定した四隅のソリの高さを平均して表示する。
実施例及び比較例で得られたハードコート層の硬化前と硬化後の比重を測定した。比重は、JIS−K−6833に従い測定する。そして硬化収縮率は、下記式により測定した。
(硬化収縮率)=[{(硬化物比重)−(硬化前比重)}/(硬化前比重)]×100
(硬化樹脂組成物A)
M−315(東亜合成社製) 100質量部
ノナブチレングリコールジメタクリレート(PBOM) 100質量部
ウレタンアクリレート(U−2PHA)(新中村化学社製) 40質量部
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 3質量部
下記測定方法による硬化性樹脂組成物Bの硬化収縮率は8.0%であった。係る硬化性樹脂組成物Bを硬化後の積層厚みが30μmになるように塗布、積層した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 100質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 4質量部
下記測定方法による硬化性樹脂組成物Bの硬化収縮率は11.5%であった。係る硬化性樹脂組成物Bを硬化後の積層厚みが10μmになるように塗布、積層した。
フィルムを50mm四方に切り出し、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」ヘイズ(曇価)に準拠して加熱前ヘイズを測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。測定後、フィルムを170℃に加熱したオーブン内にセットし、20分間経過後フィルムを取り出す。その加熱後フィルムを上記と同様の方法でヘイズを測定し、加熱後ヘイズを得る。この加熱前後ヘイズ差を△Hzとする。
△Hz=(加熱後ヘイズ)−(加熱前ヘイズ)
(塗布液の調製)
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、塗布液を得た。
ジメチルテレフタレート1,000部、エチレングリコール700部、および酢酸亜鉛・2水塩0.3部をエステル交換反応缶に仕込み、120〜210℃でエステル交換反応を行い、生成するメタノールを留去した。エステル交換反応が終了した時点で、リン酸0.13および三酸化アンチモン0.3部を加え、系内を徐々に減圧にし、75分間で1mmHg以下とした。同時に徐々に昇温し、280℃とした。同条件で70分間重縮合反応を実施し、溶融ポリマーを吐出ノズルより水中に押し出し、カッターによって、直径約3mm、長さ約5mmの円柱状チップとした。得られた粗製ポリエステルの固有粘度は0.610dl/gであり、ヒドロキシル(OH)末端量は70eq/tonであり、環状三量体の含有量は1.05質量%、融点は252℃であった。なお、実施例中にある「部」とは全て重量部を表す。得られた粗製ポリエステルをポリエステル樹脂(A)とする。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、縦延伸を一段目に2.53倍、二段目に1.17倍、三段目に1.08倍と各延伸倍率を変更した以外は実施例1と同様に実施し、厚さ125μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、縦延伸を一段目に2.6倍、二段目に1.27倍の二段の延伸に変更し、1.7%の横緩和処理を行ない、表1の様に表裏の温度差を設けた以外は実施例1と同様に実施し、厚さ188μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、表1の様に表裏の温度差を設けた以外は実施例3と同様に実施し、厚さ250μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
実施例4で得たフィルムを用いて積層体を作成する際に、硬化性樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例4と同様にフィルムおよび積層体を得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂(C)の作成)
平均粒径2.3μm、細孔容積1.6ml/gの不定形塊状シリカ粒子をエチレングリコールに分散させ、不定形塊状シリカ粒子を濃度15質量%含有するエチレングリコールスラリーを作製した。
ポリエステル樹脂(C)を減圧下160℃にて乾燥し、次いで、含水量が6.4g/Nm3に調湿された窒素ガスを粗製ポリエステル1kg当たり、毎時70リットルの割合で流通し、207℃で48時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘度は0.639dl/gであり、ヒドロキシル(OH)末端量は58eq/tonであり、環状オリゴマーの含有量は0.28質量%であった。得られた粗製ポリエステルをポリエステル樹脂(D)とする。
実施例1と同様にして得た未延伸フィルムを第一ニップロールの直前に設けた赤外線ヒータにより、表面のみ加熱し、表1に記載のようなフィルム表裏の温度差を設けた。しかる後、縦延伸した以外は実施例1と同様にして被覆層付き硬化性樹脂積層用フィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
実施例4と同様にして得た未延伸フィルムを第一ニップロールの直前に設けた高速加熱エアにより、表面のみ加熱し、表1に記載のようなフィルム表裏の温度差を設けた。しかる後、縦延伸した以外は実施例4と同様にして被覆層付き硬化性樹脂積層用フィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、縦延伸を一段目に3.00倍、二段目に1.17倍、三段目に1.08倍と各延伸倍率を変更した以外は実施例1と同様に実施し、厚さ125μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、表1の様に表裏の温度差を設けた以外は実施例1と同様に実施し、厚さ75μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す
未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、縦延伸を一段目で3.5倍の延伸に変更し、表1の様に表裏の温度差を設けた以外は実施例4と同様に実施し、厚さ250μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
ポリエステル樹脂(A)を減圧下160℃にて乾燥し、次いで、含水量が15.3g/Nm3に調湿された窒素ガスを粗製ポリエステル1kg当たり、毎時300リットルで流通し、230℃で12時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘度は0.617dl/gであり、ヒドロキシル(OH)末端量は63eq/tonであり、環状三量体の含有量は0.28質量%であった。新たに得られたポリエステル樹脂を用いること以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
実施例1と同様にして、固有粘度が0.648dl/gであり、ヒドロキシル(OH)末端量は64eq/tonであり、環状三量体の含有量が1.2質量%、融点が245℃であるポリエステル樹脂(E)を得た。得られたポリエステルを、減圧下160℃にて乾燥し、次いで、含水量が15.3g/Nm3に調湿された窒素ガスをポリエステル樹脂1kg当たり、毎時300リットルで流通し、220℃で24時間加熱処理を行った。得られたポリエステルをポリエステル樹脂(F)とする。固有粘度は0.623dl/gであり、ヒドロキシル(OH)末端量は57eq/tonであり、環状三量体の含有量は0.27質量%であった。ポリエステル樹脂(B)の代わりにポリエステル樹脂(F)を用いること以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表1に示す。
ポリエステル樹脂(B)の代わりにポリエステル樹脂(A)を用いること以外は実施例1と同様に未延伸シートを得た後、縦延伸の一段目および二段目以降の赤外線ヒータの出力を調整して表裏の出力差が無い様に縦延伸を実施した以外は実施例1と同様にして被覆層付き硬化性樹脂積層用フィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(B)の代わりにポリエステル樹脂(A)を用い、未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、表1の様に表裏の温度差を設けた以外は実施例3と同様に実施し、厚さ25μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(B)の代わりにポリエステル樹脂(A)を用い、未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、縦延伸を一段目に2.37倍、二段目に1.17倍、三段目に1.08倍と各延伸倍率を変更し、縦延伸時のフィルムの平均延伸温度をいずれも115℃に変更し、横延伸を140℃で4倍延伸した以外は実施例1と同様に実施し、厚さ125μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表2に示す。
A層用原料として、不活性粒子を含有していない、固有粘度が0.571dl/g、ヒドロキシル(OH)末端量は84eq/tonのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(G)を、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した。次いで、乾燥後のPET樹脂をA層用押出機(1)に供給した。B層用原料として、ポリエステル樹脂(A)を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した。次いで、乾燥後のポリエステル樹脂(A)をB層用押出機(2)に供給した。押出機に供給したポリマーを、285℃に溶融した後、それぞれ濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmの濾過材でろ過し、A層/B層となるように積層し、積層比率が30/70となるように押出機の吐出量を調整した後、285℃でTダイスから層状に共押出し、未延伸シートの引取速度を調整して未延伸シートの厚みを変更し、表面温度22℃に保った金属ロール上で急冷固化し、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを用いた以外は比較例1と同様にして、厚さ125μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表2に示す。
実施例1と同様にして得られた粗製ポリエステルを減圧下160℃にて乾燥し、窒素雰囲気下0.1kg/cm2の微加圧に調整し、215℃で24時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘度は0.622dl/gであり、ヒドロキシル(OH)末端量は73eq/tonであり、環状三量体の含有量は0.30質量%であった。
加熱処理後のポリエステルを実施例1と同様にして、厚さ125μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表2に示す。
実施例1と同様にして得られた粗製ポリエステルを、減圧下160℃にて乾燥し、次いで、含水量が18.1g/Nm3に調湿された窒素ガスを粗製ポリエステル1kg当たり、毎時40リットルで流通し、170℃で24時間加熱処理を行った。得られたポリエステル中の環状三量体の含有量は1.00質量%と全く減少しなかった。
加熱処理後のポリエステルを実施例1と同様にして、厚さ125μmの被覆層付き硬化樹脂積層用ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムおよび積層体の特性を表2に示す。
Claims (5)
- ポリエチレンテレフタレート系樹脂よりなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、
下記要件(1)〜(6)を満たす硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルム。
(1)170℃、20分間加熱したときのフィルムヘイズ変化量△Hz(△Hz=加熱後ヘイズ−加熱前ヘイズ)が1.0未満
(2)ヒドロキシル(OH)末端量が70eq/ton以下
(3)環状三量体含有量が0.45質量%以下
(4)厚みが30〜500μmであること
(5)面配向度ΔPが、0.150〜0.180であること
(6)下記方法により求めた表面軸配向度YmaxもしくはYminの少なくともいずれかの表裏の比が、0.80〜0.98であること
(表面軸配向度の表裏の比)
フィルム試料について、偏光ATR法により波長1340cm−1付近の吸光度A1340と波長1410cm−1付近の吸光度A1410を求め、下記式で表される比Yを求める。最初に測定した点を起点としてフィルム試料を10°毎に面内回転させ、0°〜170°の範囲でそれぞれ同様に測定する。得られた18点の中での最大値および最小値を表面軸配向度Ymax、Yminとする。係る表面軸配向度Ymax、Yminをフィルム試料の表裏で測定し、表裏いずれか大きい方の値を分母として表面軸配向度YmaxおよびYminの表裏の比を求める。
Y=A1340/A1410 - 請求項1記載の硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有する被覆層付き硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルムであって、
前記被覆層は、共重合ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びポリウレタン系樹脂の内、少なくとも1種を主成分とする、被覆層付き硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルム。 - 請求項1記載の硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルムを基材フィルムとして硬化性樹脂層を有する硬化性樹脂積層体。
- 請求項2記載の被覆層付き硬化性樹脂硬化性樹脂積層用二軸延伸ポリエステルフィルムを基材フィルムとして硬化性樹脂層を有する硬化性樹脂積層体。
- 請求項1〜4に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法であって、下記要件(7)〜(9)を満たす熱処理をしたポリエチレンテレフタレート樹脂を用いたポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法。
(7)ジカルボン酸成分とグリコール成分との重縮合反応によって得られた固有粘度が0.50〜0.70dl/gの粗製ポリエステルを、含水量が3.5〜30.0g/Nm3である調湿不活性ガスを、粗製ポリエステル1kg当たり毎時1リットル以上、10,000リットル以下の流量で流通させる。
(8)190℃〜260℃で加熱処理を行う。
(9)ポリエステルの極限粘度の変化が下記式を満足するように加熱処理を行う。
−0.05dl/g≦(加熱処理前の極限粘度−加熱処理後の極限粘度)≦0.05dl/g
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