JP6303423B2 - 透明導電性積層体及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のタッチパネルの表示画面を偏光サングラス越しに観察した場合、表示画面に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が生じ、表示品質が損なわれてしまうという問題点があった。
しかしながら、特許文献1に開示の透明導電性積層体では、充分にニジムラの発生を抑制できないことがあり、また、充分にニジムラの発生を抑制できるようにすると、膜厚が厚くなってしまい、近年の薄型化にはそぐわないものであった。このため、より高度に、より薄膜にて、ニジムラの発生を抑制できる透明導電性積層体が求められていた。
本発明の透明導電性積層体において、少なくとも2枚の透明基材フィルムは、それぞれの配向軸が重なるように積層されていることが好ましい。
また、本発明の画像表示装置は、バックライト光源として、白色発光ダイオード、又は、有機エレクトロルミネッセンスを用いることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明では、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体も“樹脂”と記載する。
本発明の透明導電性積層体において、上記透明基材フィルムは、少なくとも1枚の配向度が3以上である。上記配向度が3未満であると、本発明の透明導電性積層体を用いてなる画像表示装置の表示画面でのニジムラの発生を充分に抑制することができない。
上記配向度の好ましい下限は5、好ましい上限は15であり、より好ましい下限は7、より好ましい上限は12である。
すなわち、例えば、本発明の透明導電性積層体が、2枚の透明基材フィルムが積層された構成である場合、上記画像表示装置の表示画面側と反対側に積層された透明基材フィルムの配向度が3以上、上記表示画面側に積層された透明基材フィルムの配向度が3未満の透明導電性積層体は、配向度の関係が逆となるように透明基材フィルムが積層された透明導電性積層体と比較して、より好適に表示画面にニジムラが発生することを防止することができる。
なお、本発明の透明導電性積層体において、上記透明基材フィルムが少なくとも2枚積層された構造とは特に限定されず、例えば、2枚の透明基材フィルムが粘着層を介して積層された構造や、2枚の透明基材フィルムがスペーサを介して配置(空気層を介して配置)された構造等が挙げられる。
上記未延伸フィルムの横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られる透明基材フィルムの透明性が低下しやすくなり、上記横延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られる透明基材フィルムの配向度が小さくなり、ニジムラ抑制効果が小さくなる。
また、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸フィルムの横延伸を上記条件で行う前に、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸ともいう)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、配向度の値を上述した好ましい範囲にできないことがある。
本発明の透明導電性積層体において、上記少なくとも2枚の透明基材フィルムは、それぞれ同一の材料からなるフィルムであってもよく、異なる材料からなるフィルムであってもよい。
上記少なくとも2枚の透明基材フィルムのリタデーションの合計値は、薄膜化の観点から、5000〜25000nmであることがより好ましく、7000〜2万nmであることが更に好ましい。
なお、本発明の透明導電性積層体において、上記少なくとも2枚の透明基材フィルムのリタデーション値の合計が4000nm以上であれば、個々の透明基材フィルムのリタデーション値は特に限定されない。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
また、上記リタデーションは、例えば、王子計測機器社製KOBRA−WR、KOBRA−IMS等によって測定(測定角0°、測定波長589.3nm)することができる。
また、二枚の偏光板を用いて、透明基材フィルムの配向軸方向(主軸の方向)を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求める。ここで、より大きい屈折率を示す軸を遅相軸と定義する。透明基材フィルムの厚みd(nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて測定し、単位をnmに換算する。屈折率差(nx−ny)と、透明基材フィルムの厚みd(nm)との積より、リタデーションを計算することもできる。
屈折率は、アッベ屈折率計のほかに、エリプソメーターを用いて、測定することもできるし、分光光度計(V7100型、自動絶対反射率測定ユニットVAR−7010 日本分光社製)を用いて、偏光(S偏光)測定にて、透明基材フィルムの測定面とは反対面に、黒ビニールテープ(例えば、ヤマトビニールテープNo200−38−21 38mm幅)を貼ったサンプルの5度反射率(R)を測定し、下記式より求めることもできる。
R(%)=(1−n)2/(1+n)2
以上の観点から、上記Δnのより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は0.20である。なお、上記Δnが0.20を超えると、耐湿熱性試験での透明基材フィルムの耐久性が劣ることがある。耐湿熱性試験での耐久性が優れることから、上記Δnの更に好ましい上限は0.15である。
また、上記ポリエステルフィルムに用いられる材料としては、上述したポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%未満)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。上記ポリエステルとしては、なかでもポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。特に、上記ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。本発明においては、PETのような、汎用性が極めて高いフィルムであっても、表示品質の高い画像表示装置を製造することが可能な、透明導電性積層体を得ることができる。更に、PETは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られる。
上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステルフィルムの透明性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られるポリエステルフィルムの複屈折が小さくなり、上述したリタデーションの合計値を4000nm以上とできないことがある。
また、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行う前に、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸ともいう)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。
また、上記熱処理時の処理温度はしては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
なお、上記配向軸が重なるように積層されているとは、積層されるそれぞれの透明基材フィルムの配向軸のなす角度が±15°以内であることを意味する。
また、上記配向軸とは、上記透明基材フィルムの厚み方向に直交する面内において、屈折率が最大の方向に沿った軸を意味する。
上記導電性膜としては特に限定されず、例えば、金属酸化物からなる透明導電性膜が挙げられる。
上記金属酸化物からなる透明導電性膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸化タングステン(WO3)等からなる膜を挙げることができる。
また、上記透明導電性膜は、公知のタッチパネル電極と同様のパターンが形成されていてもよい。
また、上記導電性膜の膜厚は、例えば、100〜400Åであることが好ましい。
また、上述したパターンが形成された導電性膜は、上記方法で製膜した導電性膜に公知のエッチング処理を施すことで形成することができる。
上記タッチパネル部材に用いられる本発明の透明導電性積層体の構成としては、例えば、図1に示した透明導電性積層体1のように、透明基材フィルム2と透明基材フィルム2’とが、それぞれの一方の面側に設けられた導電性膜3と導電性膜3’とが対向するように、スペーサ5を介して配置された構成や、図2に示した透明導電性積層体10のように、導電性膜13、透明基材フィルム12、導電性膜13’及び透明基材フィルム12’がこの順に積層された構成等が挙げられる。
なお、図1及び図2は、本発明の透明導電性積層体を用いたタッチパネル部材の一例を模式的に示した断面図である。
また、図2に示したタッチパネル部材は、静電容量タイプのタッチパネル部材であり、図1に示したような抵抗膜方式のように導電性膜同士が直接接触することは無く、導電性膜13の透明基材フィルム12側と反対側面にはカバーガラス14が積層されており、該カバーガラス14の導電性膜13側と反対側表面を指先15などで押圧したときの静電容量の変化を捉えて位置を検出する。なお、図2に示したタッチパネル部材は、透明基材フィルム12’の導電性膜13’側と反対側表面に従来公知のアンチニュートンリング層が設けられていてもよい。
上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
一方、上記画像表示装置のバックライト光源として冷陰極蛍光管(CCFL)も知られているが、CCFLは特殊波長にピーク有するため、ニジムラの発生を抑制できないことがある。
上記白色LEDとは、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光又は紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。なかでも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有していることから反射防止性能及び明所コントラストの改善に有効であるとともに、発光効率にも優れるため、上記バックライト光源として好適である。また、消費電力の小さい白色LEDを広汎に利用可能になるので、省エネルギー化の効果も奏することが可能となる。
透明基材フィルムのリタデーションは、王子計測機器社製のKOBRA−IMSによって測定(測定角0°、測定波長589.3nm)した。
透明基材フィルム(ポリエステルフィルム)の配向度は、UVIR FTS600(Bio−Rad社製、FT−IR)を用いて、下記の方法で測定した。
透明基材フィルムの配向度は、配向パラメータYより定義されるものであり、上記配向パラメータYの測定は、FTIR−S偏光ATR法の1回反射における赤外線吸収スペクトル解析による。
すなわち、透明基材フィルム(ポリエステルフィルム)の測定面を1回反射ATR付属装置にセットし、1回反射のスペクトルを測定し、ベースラインを適正化した後に1340cm−1における吸収強度(I1340)と1410cm−1における吸収強度(I1410)とを数値化する。ここで、1340cm−1の吸収バンドは、ωCH2縦揺れ振動で、トランス体の存在を示し、その強度はトランス体の濃度、すなわちポリエステル分子が伸張された、配向の強い状態を定量的に示すものである。1410cm−1の吸収バンドは、C=C伸縮振動で、面内回転での吸収強度が一定となるために、基準バンドとして吸収強度の規格化を実施するためのものである。また、配向パラメータYは下記式で表され、配向分布は、透明基材フィルムの進相軸方向又は遅相軸方向を起点として、10°毎に面内回転させ、0°〜170°の範囲でそれぞれ同様に測定する。
Y=I1340/I1410
このようにして測定した18点の配向パラメータYの中での最大値をYmax、最小値をYminとして、Ymax/Yminを透明基材フィルムの配向度とする。
なお、上記透明基材フィルムの配向分布の測定における起点は、進相軸方向又は遅相軸方向のいずれであってもよく、いずれの方向を起点とした場合であっても、求められる配向度は同じとなる。
(透明基材フィルム1の作製)
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率1.5倍にて延伸(縦延伸)した後、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率4.5倍に延伸(横延伸)を行い、配向度10.1、膜厚50μm、リタデーション(Re)=5000nmの透明基材フィルム1を得た。
透明基材フィルム1の片側に、アルゴンガス80%と酸素ガス20%とからなる0.5Paの雰囲気中で、インジウム−スズ合金を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ30nmの酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物からなる透明な導電性膜1(以下、ITO膜ともいう)を形成し、導電性膜付き透明基材フィルム1を得た。
透明基材フィルム1の膜厚と延伸倍率を調整した以外は、同様の方法にて、配向度10.1、膜厚100μm、リタデーション(Re)=1万nmの透明基材フィルム2を得た。
透明基材フィルム2を用いた以外は導電性膜1の形成と同様にして透明基材フィルム2の片側に導電性膜2を形成し、導電性膜付き透明基材フィルム2を得た。
導電性膜付き透明基材フィルム2の導電性膜2が形成されていない面に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を、MIBK溶媒に30質量%溶解させ、光重合開始剤(Irg184、BASF社製)を固形分に対して5質量%添加したハードコート層用組成物を、バーコーターにより、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工し塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜を70℃で1分間加熱して、溶剤を除去し、塗工面に紫外線を照射することにより、固定化し、ハードコート層及び導電性膜付き透明基材フィルム2を得た。
導電性膜付き透明基材フィルム1と、ハードコート層及び導電性膜付き透明基材フィルム2とを、透明基材フィルム1の遅相軸と透明基材フィルム2の遅相軸とが平行となるように、また、透明基材フィルム1と導電性膜2とが対向するように、粘着層を介して積層し、透明導電性積層体を作製した。
透明基材フィルム1が観測者側となるように、バックライト光源に白色LEDを用いた液晶モニター(FLATORON IPS226V(LG Electronics Japan社製))の観察者側の偏光板上に、透明導電性積層体を配置し、液晶表示装置を作製した。なお、透明導電性積層体の透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2の遅相軸と、液晶モニターの観察者側の偏光板の吸収軸とのなす角度が45°となるように配置した。
そして、暗所及び明所(液晶モニター周辺照度400ルクス)にて、正面及び斜め方向(約50度)から偏光サングラス越しに表示画像の観察を行い、ニジムラの有無を以下の基準に従い評価した。観察は10人で行い、最多数の評価を観察結果としている。結果を表1に示した。また、図3に白色LEDの発光スペクトルを示した。
◎:ニジムラが観測されない
○:ニジムラが観測されるが、実使用上問題ないレベル
×:ニジムラが観測され、使用上問題がある
××:ニジムラが強く観測される
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度10.1、膜厚20μm、リタデーション(Re)=2000nmの透明基材フィルム1、及び、配向度10.1、膜厚25μm、リタデーション(Re)=2500nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度7.3、膜厚50μm、リタデーション(Re)=4000nmの透明基材フィルム1、及び、配向度7.3、膜厚100μm、リタデーション(Re)=8000nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度3.5、膜厚50μm、リタデーション(Re)=2500nmの透明基材フィルム1、及び、配向度10.1、膜厚100μm、リタデーション(Re)=1万nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度2.0、膜厚50μm、リタデーション(Re)=2000nmの透明基材フィルム1、及び、配向度10.1、膜厚100μm、リタデーション(Re)=1万nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度2.0、膜厚50μm、リタデーション(Re)=2000nmの透明基材フィルム1、及び、配向度2.0、膜厚100μm、リタデーション(Re)=4000nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度2.0、膜厚50μm、リタデーション(Re)=2000nmの透明基材フィルム1、及び、配向度2.0、膜厚250μm、リタデーション(Re)=1万nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
膜厚と延伸倍率を調整し、配向度10.1、膜厚15μm、リタデーション(Re)=1500nmの透明基材フィルム1、及び、配向度10.1、膜厚20μm、リタデーション(Re)=2000nmの透明基材フィルム2を作製し、これら透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用いた以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、ニジムラ評価を実施した。結果を表1に示した。
実施例3と同様にして作製した透明導電性積層体を用い、更に、バックライト光源としてCCFLを用いた液晶モニター(LCD2090 UXi(NEC社製))を用いた以外は実施例1同様の方法にて、ニジムラ評価を実施した。なお、図4にCCFLの発光スペクトルを示した。
実施例1で作製した透明基材フィルム1及び透明基材フィルム2を用い、透明基材フィルム1の遅相軸と透明基材フィルム2の遅相軸とが直交となるようにすることで、リタデーション(Re)の合計が5000nmとなるようにした以外は、実施例1と同様に透明導電性積層体を作製し、実施例1と同様にしてニジムラ評価を実施した。
一方、透明基材フィルムの配向度がいずれも3未満であった比較例1、2に係る透明導電性積層体を用いた液晶モニターは、透明基材フィルムのリタデーションの合計値が4000nm以上であっても、ニジムラの評価に劣り、透明基材フィルムのリタデーションの合計値が4000nm未満であった比較例3に係る透明導電性積層体を用いた液晶モニターは、透明基材フィルムの配向度がいずれも3以上であっても、ニジムラの評価に劣っていた。
また、実施例3と参考例1の比較より、画像表示装置のバックライト光源は、連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源が、ニジムラ防止の観点から好ましいことが確認できた。
また、実施例2と参考例2の結果を比較すると、ニジムラ評価は同等であったが、透明基材フィルム1と透明基材フィルム2との合計膜厚は、実施例2が45μm、参考例2が150μmであり、透明基材フィルム1、2の遅相軸が平行となるように配置した場合の方が、より薄膜で透明導電性積層体を作製できることが確認できた。
2、2’、12、12’ 透明基材フィルム
3、3’、13、13’ 導電性膜
4 ハードコート層
5 スペーサ
6 入力ペン
14 カバ−ガラス
15 指先
Claims (4)
- 少なくとも2枚の透明基材フィルムが積層され、少なくとも1枚の前記透明基材フィルムの片方面側に導電性膜が形成されている透明導電性積層体であって、
前記少なくとも2枚の透明基材フィルムのリタデーションの合計値が4000nm以上であり、
前記透明基材フィルムの少なくとも1枚は、配向度が3以上であり、
前記配向度は、前記透明基材フィルムの表面配向パラメータYの最大値をY max 、最小値をY min としたとき、Y max /Y min で表される値であり、前記表面配向パラメータYは、配向パラメータとして、前記透明基材フィルム表面を10°ごとに面内回転させて測定したFTIR−S偏光ATR法の1回反射スペクトル上で、1340cm −1 における吸収強度(I 1340 )と1410cm −1 における吸収強度(I 1410 )との比として、Y=I 1340 /I 1410 により求められる
ことを特徴とする透明導電性積層体。 - 少なくとも2枚の透明基材フィルムは、それぞれの配向軸が重なるように積層されている請求項1記載の透明導電性積層体。
- 請求項1又は2記載の透明導電性積層体を備えることを特徴とする画像表示装置。
- バックライト光源として、白色発光ダイオード、又は、有機エレクトロルミネッセンスを用いる請求項3記載の画像表示装置。
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