JP2000105669A - タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置及びその製造方法 - Google Patents

タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置及びその製造方法

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JP2000105669A
JP2000105669A JP345199A JP345199A JP2000105669A JP 2000105669 A JP2000105669 A JP 2000105669A JP 345199 A JP345199 A JP 345199A JP 345199 A JP345199 A JP 345199A JP 2000105669 A JP2000105669 A JP 2000105669A
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crystal display
film
display device
retardation film
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JP345199A
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English (en)
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Kazuhiko Takahata
和彦 高畑
Takao Hashimoto
孝夫 橋本
Kazuhiro Nishikawa
和宏 西川
Shinya Yamada
真也 山田
Koji Kusuda
康次 楠田
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低反射でコントラストが高く、視認性の高い
タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 透明タッチパネルの下側に液晶ディスプ
レイを備えたタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置に
おいて、液晶ディスプレイの下面に下側偏光板が配置さ
れ、上側光学位相差フィルムの光軸と上側偏光板の偏光
軸とのなす角度が約45゜であり、下側光学位相差フィ
ルムの光軸と液晶ディスプレイから発せられた直線偏光
のうち装置表面から出射させたい直線偏光とのなす角度
が約45゜であり、上側光学位相差フィルムの光軸と下
側光学位相差フィルムの光軸の角度が約90゜であり、
液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置表
面から出射させたい直線偏光と上側偏光板の偏光軸との
なす角度が90°である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、屋内での蛍光灯
などの反射光や屋外での外光に起因する反射光を抑え、
コントラストが高く、視認性の高いタッチ入力方式の液
晶ディスプレイ装置及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、タッチ入力方式の液晶ディス
プレイ装置の構成としては、透明タッチパネル1の下側
に液晶ディスプレイ2を備え、透明タッチパネル1は可
動側シート20と固定側シート21とが空間層7を介し
て配置されており、液晶ディスプレイ2の上下面には上
側偏光板8並びに下側偏光板9が配置されているものが
ある(図17参照)。
【0003】また、コントラストを高めるために、液晶
ディスプレイ2の上面に上側偏光板8を配置するかわり
に、透明タッチパネル1の可動側シート20の上面に上
側偏光板8を配置したものもある(図18参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のようなタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置で
は、図19に示すような蛍光灯504などのある部屋や
図20に示すような屋外においては、タッチ入力方式の
液晶ディスプレイ装置を有する携帯用パーソナルコンピ
ュータ502又は携帯用端末機500にペン503又は
501により入力作業を行うとき、液晶ディスプレイ装
置の透明タッチパネル1の空間層と固定側シートの上面
に施された固定電極部との界面および透明タッチパネル
1の最上面の2ケ所での光の反射があるため、表示画面
が非常に見にくいものであった。これは、屈折率の低い
媒体から高い媒体へ光が通過する際、その屈折率の差が
大きいほど界面での光の反射が起こるためである。
【0005】透明タッチパネル1の可動側シート20の
上面に上側偏光板8を配置する構成の場合、上側偏光板
8上面を梨地状に形成して反射光を防ぐ方法もあるが、
十分に反射光を抑えることができない。
【0006】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
決することにより、蛍光灯などのある部屋や屋外におい
ても、低反射でコントラストが高く、視認性の高いタッ
チ入力方式の液晶ディスプレイ装置及びその製造方法を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、本発明は、透明タッチパネル(1)の下側
に液晶ディスプレイ(2)を備えたタッチ入力方式の液
晶ディスプレイ装置において、可視領域の中心波長の入
射光に対し1/4波長の位相遅れを与えるとともに下面
に可動電極部(3)を備える上側光学位相差フィルム
(4)と、上記可視領域の上記中心波長の入射光に対し
1/4波長の位相遅れを与えるとともに上面に固定電極
部(5)を備える下側光学位相差フィルム(6)とが空
間層(7)を介して配置された上記透明タッチパネル
(1)の上面に上側偏光板(8)が配置され、上記液晶
ディスプレイ(2)の下面に下側偏光板(9)が配置さ
れ、上記上側光学位相差フィルム(4)の光軸と上記上
側偏光板(8)の偏光軸とのなす角度が約45゜であ
り、上記下側光学位相差フィルム(6)の光軸と上記液
晶ディスプレイ(2)から発せられた直線偏光のうち装
置表面から出射させたい直線偏光とのなす角度が約45
゜であり、上記上側光学位相差フィルム(4)の光軸と
上記下側光学位相差フィルム(6)の光軸の角度が約9
0゜であり、上記液晶ディスプレイ(2)から発せられ
た直線偏光のうち装置表面から出射させたい直線偏光と
上記上側偏光板(8)の偏光軸とのなす角度が90°で
あるように構成した。そして、本発明の第1態様によれ
ば、上記下側光学位相差フィルム(6)に上記固定電極
部(5)が直接形成されているように構成した。
【0008】また、本発明の第2態様によれば、上記固
定電極部(5)と上記下側光学位相差フィルム(6)と
の間に光学等方性を有するガラス基板(11)を備え、
光学等方性を有するガラス基板(11)に上記固定電極
部(5)が直接形成されているように構成した。
【0009】また、本発明の第3態様によれば、上記固
定電極部(5)と上記下側光学位相差フィルム(6)と
の間に光学等方性フィルム(12)を備え、光学等方性
フィルム(12)に上記固定電極部(5)が直接形成さ
れているように構成した。
【0010】上記本発明の第1態様において、上記上側
光学位相差フィルム(4)および上記下側光学位相差フ
ィルム(6)の熱変形温度が150℃以上であるように
構成した。
【0011】また、本発明の第1態様において、上記上
側光学位相差フィルム(4)および上記下側光学位相差
フィルム(6)の熱変形温度が170℃以上であるよう
に構成した。
【0012】上記本発明の第2態様において、上記上側
光学位相差フィルム(4)の熱変形温度が150℃以上
であるように構成した。
【0013】また、本発明の第2態様において、上記上
側光学位相差フィルム(4)の熱変形温度が170℃以
上であるように構成した。
【0014】上記本発明の第3態様において、上記上側
光学位相差フィルム(4)および上記光学等方性フィル
ム(12)の熱変形温度が150℃以上であるように構
成した。
【0015】また、本発明の第3態様において、上記上
側光学位相差フィルム(4)および上記光学等方性フィ
ルム(12)の熱変形温度が170℃以上であるように
構成した。
【0016】また、本発明の各態様において、上記透明
タッチパネル(1)と上記液晶ディスプレイ(2)との
間に光学等方性を有する透明樹脂板(16)が配置され
ているように構成した。
【0017】また、本発明の第3態様において、上記光
学等方性フィルム(12)と上記下側光学位相差フィル
ム(6)との間に光学等方性を有する透明樹脂板(1
6)が配置されているように構成した。
【0018】また、本発明の各態様において、上記上側
光学位相差フィルム(4)の厚みが50μm以上150
μm以下であるように構成した。
【0019】また、本発明の各態様において、上記固定
電極部(5)が直接形成されている部材および上記液晶
ディスプレイ(2)またはこれらとこれらの間の全ての
部材が、透明粘着剤層または透明再剥離シートによって
全面的に貼着されているように構成した。
【0020】また、本発明のタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置は、上記上側偏光板(8)の上面に、透湿
性が少なく寸法安定性に優れた透明フィルム(22)が
貼り合わされているように構成した(第4態様:固定電
極部を下側光学位相差フィルムに直接形成、第5態様:
固定電極部をガラス基板に直接形成、第6態様:固定電
極部を光学等方性フィルムに直接形成)。
【0021】また、本発明の第4〜6態様において、上
記上側偏光板(8)の上面に貼り合わせた上記透明フィ
ルム(22)の上面に低反射処理層(23)を有するよ
うに構成した。
【0022】また、本発明の第4〜6態様において、上
記上側偏光板(8)の上面に貼り合わせた上記透明フィ
ルムの上面に防汚処理層(24)を有するように構成し
た。
【0023】また、本発明の第4〜6態様において、上
記上側偏光板(8)の上面に貼り合わせた上記透明フィ
ルムの上面にハードコート処理層(25)を有するよう
に構成した。
【0024】そして、本発明は、以上のようなタッチ入
力方式の液晶ディスプレイ装置を製造するタッチ入力方
式の液晶ディスプレイ装置の製造方法において、上記上
側光学位相差フィルム(4)のフィルム素材中の残留溶
剤除去のための熱処理を施したのちに上記フィルム素材
上に上記可動電極部(3)の透明導電膜を直接形成する
工程、リード線形成の際の寸法誤差を小さくするための
熱処理を施したのちに上記可動電極部(3)のリード線
を形成する工程、リード線を形成したインキのバインダ
ーの硬化および溶剤除去の熱処理を施す工程を経て可動
側シートを得、上記下側光学位相差フィルム(6)のフ
ィルム素材中の残留溶剤除去のための熱処理を施したの
ちに上記フィルム素材上に上記固定電極部(5)の透明
導電膜を直接形成する工程、リード線形成の際の寸法誤
差を小さくするための熱処理を施したのちに上記固定電
極部(5)のリード線を形成する工程、リード線を形成
したインキのバインダーの硬化および溶剤除去の熱処理
を施す工程を経て固定側シートを得、上記可動側シート
と上記固定側シートを貼り合わせ、次いで上記可動側シ
ートの上記上側光学位相差フィルム(4)の上面に上記
上側偏光板(8)を貼り合わせたのちに加圧脱泡処理を
施し、上記固定側シートを液晶ディスプレイと貼り合せ
てタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置を製造するよ
うに構成した。
【0025】また、本発明は、上記タッチ入力方式の液
晶ディスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶デ
ィスプレイ装置の製造方法において、上記上側光学位相
差フィルム(4)のフィルム素材中の残留溶剤除去のた
めの熱処理を施したのちに上記フィルム素材上に上記可
動電極部(3)の透明導電膜を直接形成する工程、リー
ド線形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理を施
したのちに上記可動電極部(3)のリード線を形成する
工程、リード線を形成したインキのバインダーの硬化お
よび溶剤除去の熱処理を施す工程を経て可動側シートを
得、光学等方性を有するガラス基板(11)上に上記固
定電極部(5)の透明導電膜を直接形成する工程、上記
固定電極部(5)のリード線を形成する工程、リード線
を形成したインキのバインダーの硬化および溶剤除去の
熱処理を施す工程を経て固定側シートを得、上記可動側
シートと上記固定側シートを貼り合わせ、次いで上記可
動側シートの上記上側光学位相差フィルム(4)の上面
に上記上側偏光板(8)を貼り合わせたのちに加圧脱泡
処理を施し、上記固定側シートを間に上記下側光学位相
差フィルム(6)を介して液晶ディスプレイと貼り合せ
てタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置を製造するよ
うに構成した。
【0026】また、本発明は、上記タッチ入力方式の液
晶ディスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶デ
ィスプレイ装置の製造方法において、上記上側光学位相
差フィルム(4)のフィルム素材中の残留溶剤除去のた
めの熱処理を施したのちに上記フィルム素材上に上記可
動電極部(3)の透明導電膜を直接形成する工程、リー
ド線形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理を施
したのちに上記可動電極部(3)のリード線を形成する
工程、リード線を形成したインキのバインダーの硬化お
よび溶剤除去の熱処理を施す工程を経て可動側シートを
得、光学等方性フィルム(12)のフィルム素材中の残
留溶剤除去のための熱処理を施したのちに上記フィルム
素材上に上記固定電極部(5)の透明導電膜を直接形成
する工程、リード線形成の際の寸法誤差を小さくするた
めの熱処理を施したのちに上記固定電極部(5)のリー
ド線を形成する工程、リード線を形成したインキのバイ
ンダーの硬化および溶剤除去の熱処理を施す工程を経て
固定側シートを得、上記可動側シートと上記固定側シー
トを貼り合わせ、次いで上記可動側シートの上記上側光
学位相差フィルム(4)の上面に上記上側偏光板(8)
を貼り合わせたのちに加圧脱泡処理を施し、上記固定側
シートを間に上記下側光学位相差フィルム(6)を介し
て液晶ディスプレイと貼り合せてタッチ入力方式の液晶
ディスプレイ装置を製造するように構成した。
【0027】また、本発明のタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置の製造方法において、上記各フィルム素材
中の残留溶剤除去のための熱処理を150℃以上でおこ
なうように構成した。
【0028】また、本発明のタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置の製造方法において、リード線形成の際の
寸法誤差を小さくするための熱処理を100℃以上13
0℃未満でおこなうように構成した。
【0029】また、本発明のタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置の製造方法において、リード線を形成した
インキのバインダーの硬化および溶剤除去の熱処理を1
00℃以上150℃未満でおこなうように構成した。
【0030】また、本発明のタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置の製造方法において、加圧脱泡処理を40
〜80℃、4〜9kg/cm、10〜120分行おこ
なうように構成した。
【0031】また、本発明のタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置の製造方法において、可動電極部(3)お
よび固定電極部(5)の少なくとも一方に予め電極引き
出し部分を設けておき、上記可動側シートと上記固定側
シートを貼り合わせたのちに異方導電接着剤を介してコ
ネクター(40)と120℃以上170℃未満で圧着す
るように構成した。
【0032】本発明に係るタッチ入力方式の液晶ディス
プレイ装置は、以上のような構成及び作用からなるの
で、以下のような効果を奏する。
【0033】すなわち、上側偏光板の偏光軸と上側光学
位相差フィルムの光軸とのなす角度を約45゜に配置す
ることにより、円偏光あるいは略円偏光となって透明タ
ッチパネルの空間層に入り、反射された円偏光あるいは
略円偏光が再び上側光学位相差フィルムを通過して上側
偏光板の透過軸と垂直の直線偏光になるため、反射光が
抑えられる。ここで、上側偏光板8の偏光軸(又は吸収
軸)とは、フィルム素材の延伸方向に平行な軸のことで
ある。上側偏光板8を通る光は偏光され、吸収軸と直交
する方向のみの直線偏光として上側偏光板8より出射す
る。なお、吸収軸と直交する軸を透過軸と呼ぶ。この上
側偏光板8について直線偏光を透過させるには、透過軸
と方向が一致するようにしなければならない。方向が一
致しない直線偏光は上側偏光板8を透過することができ
ない。
【0034】また、下側光学位相差フィルムの光軸を上
側光学位相差フィルムの光軸に対して約90゜の角度に
なるように、さらに液晶ディスプレイから発せられた直
線偏光のうち装置表面から出射させたい直線偏光に対し
て約45゜の角度になるように透明タッチパネルと液晶
ディスプレイとの間に配置することで、観察者側から見
たときの表示画面の色付きを抑え、コントラストの高
い、色付きのない表示画面が得られる。なお、上記液晶
ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置表面か
ら出射させたい直線偏光は、上記上側偏光板の偏光軸と
90°の角度をなす関係にある。
【0035】さらに、タッチ入力方式の液晶ディスプレ
イ装置は、その最上面に低反射処理を施すことにより最
上面での光の反射が抑えられる。
【0036】以上の改善により、本発明にかかる透明タ
ッチパネルを備えた液晶ディスプレイは、蛍光灯などの
ある部屋や屋外においても反射が少なく、高コントラス
トで非常に視認性の良い表示画面を得ることができる。
【0037】本発明は、以上のような構成及び作用から
なるので、上側偏光板およびその背後の各層により屋内
での蛍光灯などの反射光や屋外での外光に起因する反射
光を抑え、コントラストが高く、視認性の高いタッチ入
力方式の液晶ディスプレイ装置が得られる。
【0038】さらに、上側偏光板の上面に透明フィルム
を貼付けた場合には、透明フィルムによって以下のよう
な効果を奏する。すなわち、上側偏光板の上面に透明フ
ィルムを貼り合わせることにより、表面の耐久性が良く
なり、ペンや指入力等でも上側偏光板の表面が傷つくの
を防ぐことができる。また、上側偏光板の上面に透明フ
ィルムを貼り合わせることにより、上側偏光板の表面よ
り吸湿することを防ぎ、それによる上側偏光板の収縮や
膨張、ひずみを抑えることができるため、上側偏光板に
貼り合わせた上側光学位相差フィルムのリタデーション
値の変化を抑え、色ムラも発生せず、さらに反射防止機
能を損なうこともない。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明にお
ける種々の実施形態にかかるタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置及びその製造方法を詳細に説明する。
【0040】図1は本発明における第1実施形態に係る
抵抗膜方式のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置
(透過型TN)を示す断面図である。図2は図1の上記
液晶ディスプレイ装置の分解斜視図であり、図3は図1
の上記液晶ディスプレイ装置の概略断面図であり、図4
は図1の上記液晶ディスプレイ装置において外光の反射
が抑制される状態を説明するための説明図であり、図5
はバックライト導光板の説明図である。
【0041】また、図6は本発明の第2実施形態に係る
タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置(透過型ST
N)を示す断面図である。
【0042】また、図7は、本発明の第3実施形態に係
るタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置(反射型ST
N)を示す断面図である。
【0043】図8は、本発明の上記実施形態に係るタッ
チ入力方式液晶ディスプレイ装置(TN)における透過
軸方向および光軸方向の説明図である。
【0044】図9は、第1実施形態の変形例に係るタッ
チ入力方式の液晶ディスプレイ装置(透過型TN)を示
す断面図である。
【0045】図10は、第3実施形態の変形例に係るタ
ッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置(反射型STN)
を示す断面図である。
【0046】図中、1は上記透明タッチパネル、2は液
晶ディスプレイ、3は可動電極部、4は上側光学位相差
フィルム、5は固定電極部、6は下側光学位相差フィル
ム、7は空間層、8は上側偏光板、9は下側偏光板、1
0はスペーサ、11はガラス基板、12は光学等方性フ
ィルム、13はバックライト導光板、14は光学補償位
相差板、15は反射板、16は透明樹脂板をそれぞれ示
す。
【0047】上記バックライト導光板13の一般的な構
造であるエッジライト面発光装置を図5に示す。図5
中、13aは線光源、13cは導光板、13dは光反射
板、13eは光散乱層、13bは拡散シートを表す。線
光源13aより導光板13c内に導かれた光は導光板1
3cの下面に形成された光散乱層13eおよび光反射板
13dによって導光板13cの前面(図5では上面)よ
り光が出射される。さらに、導光板13cの上面に設置
された拡散シート13bにより導光板13cより出射し
た光を全体的に均一に面発光させる。
【0048】可動電極部3は、可撓性を有する透明導電
膜3aやリード線3b等により構成される。可動電極部
3を形成する材料としては、酸化錫、酸化インジウム、
酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、若しく
は、インジウムチンオキサイト(ITO)等の金属酸化
物、これらの金属酸化物を主体とする複合膜、金、銀、
銅、錫、ニッケル、アルミニウム、又は、パラジウムな
どがある。
【0049】上側光学位相差フィルム4は、直線偏光を
分解した互いに直交する2成分の偏光に時間的な位相の
ズレを与えることにより、直線偏光を円偏光あるいは略
円偏光に変える機能を持ち、一方の偏光を可視領域の中
心波長の入射光に対し1/4波長だけ位相を遅らせる機
能を持たせた透明のフィルムのことである。すなわち、
この上側光学位相差フィルム4を用いることにより、直
線偏光を分解した互いに直交する2成分の偏光の一方
が、可視領域の中心波長約550nmの1/4波長つま
り約138nmの位相遅れを生ずる。この場合、直交す
る2成分の偏光の振幅が等しければ円偏光となり、そう
でなければ楕円偏光となる。なお、ここで、「可視領域
の中心波長約550nm」としたのは、一例として、可
視領域の中心波長を約550nmとしたのであり、この
ように約550nmとしたのは、以下の理由による。す
なわち、可視領域の中心波長を人間の視感度曲線との関
係で考えると、人間の可視光領域は約400nm〜70
0nmであるが、その中で視感度のピークは約550n
mにあるため、この約550nmの波長での光反射を抑
えることにより、人間の目で反射を感じないようにする
ことができるためである。
【0050】上記上側光学位相差フィルム4は、タッチ
パネルのペンや指の入力部としての機能も兼ねているた
め、入力を容易にするために可撓性を備えていなければ
ならない。
【0051】また、上側光学位相差フィルム4は、可動
電極部3の形成および回路形成の際に高温処理されるの
で、使用するフィルム素材に150℃以上の耐熱性が要
求される。熱変形温度が低い(言い換えれば後述するよ
うに150℃未満の)フィルム素材では、2成分の偏光
の位相遅れの値であるリタデーション値が高温処理によ
って変化し、本発明の上記実施形態に係るタッチ入力方
式の液晶ディスプレイ装置の構成では、表示画面の視認
性が劣る。ところが、熱変形温度が高い(言い換えれば
後述するように150℃以上の)フィルム素材ほど高温
処理時のリタデーション値の変化が実用上無視できる程
度まで小さくなることがわかった。このような材料とし
ては、150℃以上の熱変形温度を有する一軸延伸され
た高分子フィルム、たとえば、ポリアリレート、ポリエ
ーテルスルホン、ノルボルネン系樹脂、又は、ポリスル
ホンなどである。特に、フィルム素材としては、170
℃以上の熱変形温度を有する一軸延伸されたポリアリレ
ート、ポリエーテルスルホン、又は、ポリスルホンフィ
ルムなどが好ましい。
【0052】このように、上側光学位相差フィルム4の
フィルム素材として150℃以上の熱変形温度を有する
フィルム素材を用いる理由、さらに170℃以上の熱変
形温度を有することが好ましい理由について以下に詳細
に説明する。
【0053】まず、上側光学位相差フィルム4のフィル
ム素材として、150℃以上の熱変形温度を有するフィ
ルム素材を用いる理由を以下に説明する。
【0054】一般に、上側光学位相差フィルム4のフィ
ルム素材の熱変形温度以上の熱を上側光学位相差フィル
ム4のフィルム素材に加えると、その熱により上側光学
位相差フィルム4のフィルム素材は変形、歪みなどの劣
化を起こす。その場合、上側光学位相差フィルム4は1
/4波長の位相差(リタデーション)を保つことができ
なくなり、その結果、反射を抑えたり、正確な画像を得
たりすることができなくなる。したがって、本実施形態
で上側光学位相差フィルム4に対して行われる後述する
各熱処理の温度によって、使用できるフィルム素材が限
定されることになる。
【0055】なお、上側光学位相差フィルム4のフィル
ム素材の熱変形温度が低く(例えば150℃未満)て
も、その低い熱変形温度未満の温度で上記熱処理すれば
その熱による上側光学位相差フィルム4のフィルム素材
の変形、劣化は起きないが、その場合、当然、上記熱処
理する意味がなくなる、すなわち、後述するような上記
熱処理で得られる数々の効果が得られなくなる。 上側
光学位相差フィルム4を製造するときの熱処理につい
て、工程順、すなわち熱処理(1)から熱処理(3)の
順に以下に説明する。
【0056】熱処理(1) 通常は、液晶ディスプレイ装置の上側光学位相差フィル
ム4を多数枚連続して製造するため、1枚又は任意の枚
数の上側光学位相差フィルム4に対応する1枚のフィル
ム素材を連続的に連結したロール状のフィルム素材が用
意されている。このようなロール状のフィルム素材に、
可動電極部3の一部を構成する透明導電膜を形成する前
に、上記フィルム素材中の残留溶剤を除去するため、で
きるだけ高温で熱処理を所定時間行う必要がある。これ
は、フィルム素材中に残留溶剤が存在すると、透明導電
膜をフィルム素材に安定して形成することが不可能とな
る為である。よって、フィルム素材中の残留溶剤を除去
したのち、優れた安定性を持ち且つ高強度を持つ透明導
電膜をフィルム素材に形成するためには、150℃以上
の高温の下で所定時間だけ残留溶剤を除去する熱処理を
行ったのち、透明導電膜をフィルム素材上に成膜する必
要が有る。この理由は、150℃未満の温度下では残留
溶剤を十分に除去することができず、優れた安定性及び
高強度を持つ透明導電膜をフィルム素材上で形成するこ
とは到底できない。したがって、上記フィルム素材中の
残留溶剤除去のため、上記フィルム素材すなわち上側光
学位相差フィルム4の熱変形温度は150℃以上である
必要がある。
【0057】熱処理(2) 上記したように透明導電膜を上記フィルム素材に形成し
た後、上記ロール状のフィルム素材に対して、すでに形
成された上記透明導電膜に接続される所望の回路を形成
するために、まず、上記ロール状のフィルム素材を枚葉
に裁断して、上側光学位相差フィルム4用のフィルム素
材シートとする。そして、このフィルム素材シートに対
して、必要に応じて、回路形成の際の寸法誤差をできる
だけ小さくするための加熱処理を行う。この加熱処理
は、100℃以上130℃未満で約1時間行うことが望
ましい。したがって、フィルム素材の熱変形温度が13
0℃以上である必要があり、好ましくは150℃以上あ
れば十分である。
【0058】熱処理(3) フィルム素材シートに対する回路形成時には、上記透明
導電膜に接続される上記所望の回路を形成したインキの
バインダーの硬化および溶剤の除去のために、高温乾燥
を行う。この高温乾燥は100℃以上150℃未満で3
0〜60分行う。したがって、フィルム素材の熱変形温
度は150℃以上である必要がある。
【0059】このように上記した熱処理(1)から
(3)の各種の熱処理を行なうため、上側光学位相差フ
ィルム4のフィルム素材としては、150℃以上の熱変
形温度を有する一軸延伸された高分子フィルム、例えば
ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、又は、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。上記
フィルム素材としては、特に、170℃以上の熱変形温
度を有する一軸延伸されたポリアリレート、ポリエーテ
ルスルホン、又は、ポリスルホンフィルムなどが好まし
い。上記したようにフィルム素材の熱変形温度が150
℃以上あれば、各種熱処理に対応できるが、透明導電膜
形成前に170℃以上に熱処理を行うことにより、透明
導電膜の結晶化(すなわち高強度)が十分に行われるた
め、さらに安定な透明電極を得ることができる。170
℃以上に熱処理を行うためには、フィルム素材の熱変形
温度も熱処理温度以上の170℃以上である必要があ
る。
【0060】また、上側光学位相差フィルム4のフィル
ムの厚みは50μm以上150μm以下が好ましい。上
側光学位相差フィルム4の厚みが150μmを超える
と、上側偏光板8と合わせた総厚が厚くなり指やペンで
の入力が重くなって文字が綺麗に入力できなくなる。ま
た、上側光学位相差フィルム4の厚みが50μm未満だ
とフィルム自体に腰が無くなり、また回路形成時にフィ
ルム皺や波打ちが発生し上側偏光板8との貼り合わせも
困難となる。よって、上側光学位相差フィルム4の厚さ
は、50μm以上150μm以下が好ましい。より好ま
しくは75μm以上125μm以下である。上側光学位
相差フィルム4の厚みとして75μm以上125μm以
下であることが、より好ましい理由は、上記厚みが50
μm以上75μm未満の範囲ではフィルムに腰ができ、
フィルム皺は発生しなくなるが、なだらかな山や谷が形
成されている波打ちを完全には消すことはできない。上
側光学位相差フィルム4の厚みを75μm以上とするこ
とにより波打ちを完全に消すことができる。また、厚み
が125μm以上150μm未満でもペンや指による入
力は軽くなり綺麗に文字を入力することはできるが、1
25μmより薄くすれば格別に綺麗に文字を入力するこ
とができるためである。
【0061】また、図1,6,7,9,10中に描かれ
た部材19は、可動電極3と固定電極5に挟まれた空間
層7の周囲の部分は両電極3,5を支持する上側光学位
相差フィルム4と、固定電極部5を直接形成する基材と
を接着する両面テープ19である。上記両面テープ19
の代わりに粘着材でもよい。粘着材又は両面テープ19
で使用する粘着剤としては、アクリル系、エポキシ系、
ウレタン系、又は、それらの共重合体等が有り、両面テ
ープとしては例えば日東電工製532等を用いるのが良
い。
【0062】固定電極部5は、可動電極部3と同様に、
透明導電膜5aやリード線5b等により構成される。固
定電極部5を形成する材料としては、酸化錫、酸化イン
ジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、
若しくは、インジウムチンオキサイト(ITO)等の酸
化物、これらの金属酸化物を主体とする複合膜、金、
銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、アルミニウム、
又は、パラジウムなどがある。
【0063】固定電極部5を直接形成する基材として
は、上記第1実施形態では下側光学位相差フィルム6
(図1参照)を用いる。
【0064】これに対して、上記第2実施形態は、固定
電極部5を直接形成する基材として光学等方性を有する
透明ガラス基板11(図6参照)を用いている。
【0065】また、上記第3実施形態は、固定電極部5
を直接形成する基材として透明光学等方性フィルム12
(図7参照)を用いている。
【0066】上記第2実施形態及び第3実施形態の基材
も、上側光学位相差フィルム4と同様に、固定電極部5
の形成及び回路形成の際に、高温処理される。
【0067】下側光学位相差フィルム6の材料として要
求される特性は、上記第1実施形態のように固定電極部
5の一部を構成する透明導電膜をその上に設ける場合
と、上記第2,3実施形態のように固定電極部5の一部
を構成する透明導電膜をその上に設けない場合とで異な
るため、以下に区別して説明する。
【0068】まず、上記第1実施形態のように固定電極
部5の一部を構成する透明導電膜をその上に設ける場
合、すなわち、下側光学位相差フィルム6に、透明導電
膜を含む固定電極部5を直接形成する場合は以下のよう
な特性が要求される。
【0069】下側光学位相差フィルム6の材料として
は、150℃以上の熱変形温度を有する一軸延伸された
透明な高分子フィルム、例えばポリアリレート、ポリエ
ーテルスルホン、ポリスルホン、又は、ノルボルネン系
樹脂などが挙げられる。これは、熱変形温度が150℃
未満になると、タッチパネル作成時の熱処理によりタッ
チパネルの液晶表示視認部分でリタデーション変化が起
こり、十分に低反射効果を得ることができなくなるため
である。また、リタデーション変化により画素を構成す
るために必要な光を出射させられなかったり、逆に画素
を構成するために不要な光を射出させてしまい、正確な
画像を形成することができなくなるためでもある。固定
電極部5を直接形成する下側光学位相差フィルム6に行
なう熱処理とは、上記上側光学位相差フィルム4につい
て述べたときのような各熱処理(1)〜(3)である。
また、下側光学位相差フィルム6の材料は、上側光学位
相差フィルム4同様、170℃以上の熱変形温度を有す
ることが透明導電膜の結晶化を十分行なうえでより好ま
しい。
【0070】次に、上記第2,3実施形態のように透明
導電膜をその上に設けない場合、すなわち、上記第2実
施形態のように透明導電膜を含む固定電極部5が光学等
方性を有するガラス基板11に形成されている場合や、
上記第3実施形態のように透明導電膜を含む固定電極部
5が光学等方性フィルム12に形成されている場合は、
以下のような特性が要求される。
【0071】透明導電膜の設けられてない下側光学位相
差フィルム6の材料としては、130℃以上の熱変形温
度を有する一軸延伸された透明な高分子フィルム、例え
ば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテル
スルホン、ノルボルネン系樹脂、又は、ポリスルホンな
どが挙げられる。この場合は、上記上側光学位相差フィ
ルム4の製造について述べたときのような各熱処理
(1)〜(3)は関係ないので、150℃以上の熱変形
温度を持つ必要はない。しかし、それでも130℃以上
の熱変形温度は必要である。それは、熱変形温度が13
0℃未満だと、リタデーション値が経時的に変化するお
それがあるためである。
【0072】一方、固定電極部5を形成する光学等方性
フィルム12としては、150℃以上の熱変形温度を有
する未延伸の高分子フィルム、例えば、ポリアリレー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、又は、ノル
ボルネン系樹脂等が好ましい。これは、光学等方性フィ
ルム12は位相差値を有していないので、その点の問題
はないが、それでも上記上側光学位相差フィルム4の製
造について述べたときのような各熱処理(1)〜(3)
を行なうので、それに耐えうる150℃以上の熱変形温
度が必要であるためである。
【0073】このように、上記第1,3実施形態では、
下側光学位相差フィルム6や光学等方性フィルム12を
用いることにより、第2実施形態で光学等方性を有する
ガラス基板11を用いる場合と比較して、透明タッチパ
ネル1の全体の厚みが薄くなり、タッチ入力方式の液晶
ディスプレイ装置の薄型化や軽量化が可能となる。例え
ば、固定電極部5を光学等方性を有するガラス基板11
に形成した上記第2実施形態の場合と、下側光学位相差
フィルム6を用いた上記第1実施形態の場合又は光学等
方性フィルム12を用いた上記第3実施形態の場合とで
は、光学等方性を有するガラス基板11では厚さ0.7
mmに対し、下側光学位相差フィルム6又は光学等方性
フィルム12では厚さを0.075mmにすることがで
き、固定電極用の基材としては上記第1実施形態又は上
記第3実施形態の場合は、第2実施形態の場合の約10
分の1の厚みになる。一方、第2実施形態の場合のよう
に光学等方性を有するガラス基板11を用いた場合に
は、第1実施形態又は上記第3実施形態の場合と比較し
て、指やペンなどの押圧の安定性、耐久性がより安定す
る。
【0074】また、第1実施形態の変形例として、第1
実施形態において薄型化よりも光学等方性を有するガラ
ス基板11と同様の押圧の安定性、耐久性を優先させる
場合には、透明タッチパネル1と液晶ディスプレイ2と
の間に光学等方性を有する透明樹脂板16を配置すると
よい(図9参照)。
【0075】また、第3実施形態の変形例として、第3
実施形態においても薄型化よりも光学等方性を有するガ
ラス基板11と同様の押圧の安定性、耐久性を優先させ
る場合には、光学等方性フィルム12と下側光学位相差
フィルム6との間に光学等方性を有する透明樹脂板16
を配置するとよい(図10参照)。
【0076】上記各変形例での光学等方性を有する透明
樹脂板16の材料としては、たとえば、ポリカーボネー
ト系、アクリル系、ポリスチレン系などの透明性に優れ
る樹脂が用いられる。光学等方性を有する透明樹脂板1
6の厚みは例えば0.3〜5.0mmである。0.3m
m未満になると、押圧の安定性、耐久性が悪くなるた
め、繰り返し入力により窪みなどの変形を生じやすい。
また、5.0mmを超えると、ガラスよりも重くなり、
携帯機器としては有効でない。
【0077】一方、対向配置された可動電極部3と固定
電極部5との間に多数のスペーサー10が形成されてお
り、指やペンなどで上側光学位相差フィルム4の上から
押圧することにより、スペーサー10の無い領域で可動
電極部3が固定電極部5に接触して入力が行われる。
【0078】なお、図中のスペーサー10は、わかりや
すいように誇張して描かれており、実際には目で認識す
ることが困難になっている。実際の一例として、各スペ
ーサー10の高さは1〜15μm、各スペーサー10で
ある円柱の外径は30〜100μm、そして、スペーサ
ー10は0.1mm〜10mmの間の一定値の間隔で配
列されている。
【0079】上側光学位相差フィルム4の上面には、上
側偏光板8を配置するが、その偏光軸は上側光学位相差
フィルム4の光軸に対し約45゜傾けて配置する。ここ
に約45゜とは、直線偏光を円偏光あるいは略円偏光に
変えさせるためであり、±3゜まで許容される。このよ
うに配置することにより、直交する2成分の偏光の振幅
が等しくなり、上側光学位相差フィルム4を通過した直
線偏光が円偏光あるいは略円偏光になる。
【0080】ここで、上側偏光板8の偏光軸が上側光学
位相差フィルム4の光軸に対して45゜に対して±3゜
まで許容される理由について説明する。
【0081】上側偏光板8の偏光軸が上側光学位相差フ
ィルム4の光軸に対して正確に45°の角度をなすよう
に配置されていない場合には、上側光学位相差フィルム
4に入射した直線偏光は円偏光に変わらず、楕円偏光と
なる。
【0082】その後、反射によって戻ってきた円偏光は
再び上側光学位相差フィルム4を通ることにより上側光
学位相差フィルム4の上面より直線偏光として出射する
が、反射によって戻ってきた楕円偏光は上側光学位相差
フィルム4の上面より直線偏光に近い楕円偏光として出
射する。完全な直線偏光の場合、この後、上側偏光板8
の透過軸(スリットのようなもの)に直交するので、上
側偏光板8の上面より出射せず、その結果、反射光を抑
えることができる。一方、上記のように完全な直線偏光
にならなかった場合、上側偏光板8の透過軸に直交する
成分については出射を止められるが、上側偏光板8の透
過軸に一致する成分は上側偏光板8の上面より出射す
る。つまり、余分な反射が残る。
【0083】ただ、上側偏光板8の偏光軸が上側光学位
相差フィルム4の光軸に対して正確に45°の角度にな
らなくとも±3゜以内であれば、ほとんど円偏光(すな
わち略円偏光)と同じであり、最終的に上側偏光板8の
上面(液晶ディスプレイ装置上面)から出射する反射光
は無視できる。
【0084】次に、上側偏光板8の材料としては、一般
的には、ポリビニルアルコールに、ヨウ素又は染料など
の二色性色素を含浸せて延伸させ、表裏両面にトリアセ
チルセルロースのようなセルロース系の保護膜を被覆し
た可撓性のある厚み200μmの偏光板を用いる。その
ような上側偏光板8としては、例えば、「日東電工製H
EG1425DU」が挙げられる。
【0085】また、上側偏光板8の上面に低反射処理を
施して低反射処理層を形成してもよい。低反射処理方法
としては、フッ素樹脂やシリコン樹脂などの低屈折率樹
脂を用いた低反射材料を塗布したり、金属の多層膜を形
成したり、低反射フィルムを貼り付けたりする方法があ
る。ここで、一般に、タッチ入力方式の液晶ディスプレ
イ装置の全反射のうち、約4%がタッチパネル表面の反
射であり、この反射を1%未満に抑える処理のことを、
上記低反射処理と呼んでいる。
【0086】指やペンなどによる押圧による摩耗から上
側偏光板8や上側光学位相差フィルム4を保護するた
め、上側偏光板8の上にアクリル樹脂、シリコン樹脂、
又は、UV硬化樹脂などによるハードコート処理層を形
成してもよい。
【0087】透明タッチパネル1および上側偏光板8を
このような構成に配置することにより、以下のようにし
て外部から入射した光に起因する反射光を抑えることが
できる。
【0088】観察者側からの入射光は上側偏光板8を通
り直線偏光となる。この直線偏光が上側偏光板8の偏光
軸に対し光軸を約45゜傾けた中心波長の入射光に対し
1/4波長の位相遅れを与える上側光学位相差フィルム
4を通過すると、直線偏光は互いが直交し振幅の等しい
2つの偏光成分に分かれ、その一方の偏光成分が1/4
波長の位相遅れを生じる。その結果、直線偏光から円偏
光又は略円偏光に変わる。そして、最も界面での屈折率
の差が大きい空間層7と固定電極部5の界面で反射され
た円偏光又は略円偏光は、再び上側光学位相差フィルム
4を通過する。上側光学位相差フィルム4を通過した光
は、円偏又は略円偏光光から直線偏光に変わるが、その
際、直線偏光が最初に上側偏光板8を通った直線偏光に
対して90゜変化し、上側偏光板8の透過軸に対してほ
ぼ垂直の直線偏光となるため光が通過しなくなる。した
がって、反射光が抑えられるのである。
【0089】ここでいう略円偏光は極めて円偏光に近い
状態である。上側偏光板8の偏光軸に対して上側光学位
相差フィルム4の光軸が45゜角度をなすときに円偏光
となり、それ以外で楕円偏光となる。本発明の上記実施
形態では、上記角度について±3゜の許容差をもって上
側偏光板8と上側光学位相差フィルム4とを配置するの
で、ここで「円偏光又は略円偏光」に変わるという場合
の「略円偏光」は、この±3゜の許容範囲にある楕円偏
光である。なお、上記上側光学位相差フィルム4の光軸
とは、原材料となる上側光学位相差フィルム4のフィル
ム素材の延伸方向に平行な軸のことである。
【0090】また、上側偏光板8の偏光軸(又は吸収
軸)は、フィルム素材の延伸方向に平行な軸のことであ
る。上側偏光板8を通る光は偏光され、吸収軸と直交す
る方向のみの直線偏光として上側偏光板8より出射す
る。
【0091】なお、吸収軸と直交する軸を透過軸と呼
ぶ。この上側偏光板8について直線偏光を透過させるに
は、透過軸と方向が一致するようにしなければならな
い。方向が一致しない直線偏光は上側偏光板8を透過す
ることができない。
【0092】液晶ディスプレイ2から発せられた直線偏
光は、もともとバックライトからの光が上記で説明した
ように偏光板(この場合は下側偏光板)で直線偏光に変
わり、その後、液晶ディスプレイ2を通ることによっ
て、たとえばノーマリーホワイト表示モードの場合、し
きい値電圧以下では上側偏光板8の透過軸と一致するよ
うに出射し、しきい値電圧を超えると上側偏光板8の透
過軸と一致しないように出射したものである。なお、ノ
ーマリーブラック表示モードの場合、逆にしきい値電圧
を超えると上側偏光板8の透過軸と一致するように出射
し、しきい値電圧以下では上側偏光板8の透過軸と一致
しないように出射する。
【0093】また、上側偏光板8の偏光軸と同様に、下
側偏光板9の偏光軸(又は吸収軸)は、フィルム素材の
延伸方向に平行な軸のことである。下側偏光板9を通る
光は偏光され、吸収軸と直交する方向のみの直線偏光と
して下側偏光板9より出射する。
【0094】また、観察者側から液晶ディスプレイ装置
の表示画面を見たときの色付きを抑えるために、透明タ
ッチパネル1の上側光学位相差フィルム4と液晶ディス
プレイ2との間に中心波長の入射光に対し1/4波長の
位相遅れを与える下側光学位相差フィルム6を配置す
る。より好ましくは、液晶ディスプレイ2の上面全面に
下側光学位相差フィルム6を透明粘着剤等を介して貼り
合わせると、表示画面の色付きを抑えるだけでなくさら
に効果的に反射光を抑えることができる。
【0095】このとき、上側光学位相差フィルム4の光
軸と下側光学位相差フィルム6の光軸は約90゜になる
ように配置しておく。ここに約90゜とは、下側光学位
相差フィルム6を通過後の円偏光あるいは略円偏光を上
側光学位相差フィルム4にて直線偏光に変えさせるため
であり、±3゜まで許容される。
【0096】さらに、液晶ディスプレイ2から発せられ
た直線偏光のうち装置表面から出射させたい直線偏光に
対して、下側光学位相差フィルム6の光軸が約45゜に
なるように配置する。ここに約45゜とは、直線偏光を
円偏光あるいは略円偏光に変えさせるためであり、±3
゜まで許容される。なお、上面に固定電極部5を備えた
下側光学位相差フィルム6を用いた構成の場合は、表示
画面の色付きを抑えるとともに透明タッチパネル1の一
部ともなっているので、新たに光学位相差フィルムを付
加する必要はない。また、上記液晶ディスプレイ2から
発せられた直線偏光のうち装置表面から出射させたい直
線偏光は、上記上側偏光板8の偏光軸と90°の角度を
なす関係にある。
【0097】液晶ディスプレイ2に用いられる液晶表示
方式としては、透過型および反射型TN液晶表示方式や
透過型および反射型STN表示方式などがあるが、いず
れの液晶表示方式においても、液晶ディスプレイ2から
発せられた直線偏光のうち装置表面から出射させたい直
線偏光に対して、下側光学位相差フィルム6の光軸との
なす角度が約45゜になるように下側光学位相差フィル
ム6を配置すればよい。
【0098】透過型及び反射型STN液晶表示方式の場
合、液晶ディスプレイ2の構成として液晶セル2aの他
に、図10に示すように、一般的に表示画面の色付きを
なくし、コントラストを高めるための光学補償用位相差
板14が液晶セル2aの上面に配置されている。
【0099】一般的なTN液晶表示の場合、図8に示す
ように、バックライト導光板13から出射された光は偏
光板9を通過して直線偏光となる。この直線偏光がしき
い値電圧以下で液晶ディスプレイ2を通過すると90゜
ねじれた直線偏光となる。さらに、下側光学位相差フィ
ルム6を通過した直線偏光は円偏光となり上側光学位相
差フィルム4により再び直線偏光に戻る。このとき、2
枚の光学位相差フィルムの光軸の角度が約90゜となる
ため、この直線偏光の方向はノーマリーホワイト表示モ
ードの場合は上側偏光板8の偏光軸と直交する。つま
り、透過軸と一致する。したがって、この直線偏光は偏
光板8を通過して、観察者に光が届くことができるので
ある。
【0100】また、以上のような構成のタッチ入力方式
の液晶ディスプレイ装置においては、固定電極部(5)
が直接形成されている部材および液晶ディスプレイ2ま
たはこれらとこれらの間の全ての部材を表示面の領域外
において両面接着テープによって貼着してもよいが、よ
り好ましくは、透明粘着剤層または透明再剥離シートに
よって全面的に貼着する。なお、透明粘着剤層および透
明再剥離シートのいずれか一方のみによって全ての部材
間が貼着されてもよいし、透明粘着剤層によって貼着さ
れる部材間と透明再剥離シートによって貼着される部材
間とが混在していてもよい。
【0101】透明粘着剤層は、一般の透明な粘着剤を塗
布したものである。粘着剤としては、アクリル酸エステ
ル共重合体などのアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シ
リコン系樹脂、又は、ゴム系樹脂などがある。透明再剥
離シートは、透明な高分子粘着剤をゲルシートに形成し
たものである。高分子粘着剤としては、ウレタン系、ア
クリル系、又は、天然高分子材料系などがある。透明粘
着剤層または透明再剥離シートによって、固定電極部
(5)が直接形成されている部材と液晶ディスプレイ2
との間の空気層を排除でき、しかもこれらの透明粘着剤
層や透明再剥離シートの屈折率は空気より大きく、下側
光学位相差フィルム6、光学等方性を有するガラス基板
11、光学等方性フィルム12、光学等方性を有する透
明樹脂板16、液晶ディスプレイ2を構成するガラス板
などの部材の屈折率に近いので、透明粘着剤層や透明再
剥離シートとこれらの部材との界面での光の反射を押さ
え、最終的に両面接着テープを用いた場合などの空気層
を有する構造より透過率が高くなる。さらに、透明粘着
剤層や透明再剥離シートの屈折率が上記した各部材の屈
折率に近いので、透明粘着剤層や透明再剥離シートと各
部材との界面での光の屈折を押さえ、画面表示に影が出
来ない。
【0102】また、透明再剥離シートによって貼着され
ている部材同士は、垂直方向に働く引き離しの力や水平
方向へのズレの力には強く、端部からめくるように双方
を引き離すと容易に分離するという特徴を有する。した
がって、実装後における通常の使用状態では剥離の心配
はなく、メンテナンス時などには簡単に剥がすことがで
きる。なお、透明再剥離シートの粘着力は、度重なる脱
着によっても低下しないことは言うまでもない。また、
高分子粘着剤としてウレタン系のものを使用する場合に
は、透明再剥離シートが吸水性および吸気性を兼ね備え
た材料となるため、実装したときに、部材間に混入した
気泡を透明再剥離シートが室温にて吸収し、最終的には
特別な処置なしで気泡のない製品を得ることができる。
なお、特別な処置とは、たとえば透明タッチパネル1表
面の端部から圧力を加えながらロールを移動し気泡を追
い出す処置などである。このような特別な処置は光学等
方性を有するガラス基板11を用いた透明タッチパネル
1の場合には適用できず、上記室温での気泡吸収作用が
極めて有用となる。
【0103】次に、タッチ入力方式の液晶ディスプレイ
装置の製造方法について詳しく説明する。
【0104】(タッチパネル1の上側光学位相差フィル
ム4)上側光学位相差フィルム4は、未延伸の状態のフ
ィルム素材を一軸延伸させることにより所定の位相差を
持たせることができる。本実施形態では、フィルム素材
の光軸方向であるx方向の屈折率と、x方向に直交する
y方向の屈折率と、フィルム素材の厚さ方向すなわちx
方向とy方向に直交するz方向の屈折率とを制御して、
視感度の最も大きい波長である一例としての約550n
mの可視光において1/4波長の位相差を持たせたロー
ル状のフィルム素材を得、これを上側光学位相差フィル
ム4に用いる。なお、下側光学位相差フィルム6に位相
差を持たせる場合も、上側光学位相差フィルム4と同様
である。
【0105】(タッチパネル1の可動電極部3)上側光
学位相差フィルム4用のロール状フィルム素材上に、可
動電極部3の一部の透明導電膜を形成させるが、その方
法としてはスパッタ、蒸着、又は、CVD法がある。透
明導電膜を形成する前には、フィルム素材中の残留溶剤
を除去するためできるだけ高温処理を行う必要がある。
残留溶剤が存在すると、安定な透明導電膜を形成するこ
とが不可能な為である。残留溶剤の除去後に透明導電膜
の成膜を行うが、透明導電膜をさらに安定的に且つ高強
度を持たせるためには、150℃以上の高温下で成膜す
る必要が有る。したがって、熱変形温度が150℃未満
であるフィルム素材では、150℃以上の熱により変
形、歪みなどの劣化を起こし、1/4波長の位相差を保
つことができない。また、150℃未満の熱処理では残
留溶剤の除去が不充分となり安定な高強度の透明導電膜
を得ることができない。従って、透明導電膜を形成する
フィルム素材は、フィルム素材中の残留溶剤を除去のた
め150℃以上の高温処理を行うため、熱変形温度が1
50℃以上のフィルム素材で無ければならない。
【0106】この様にして作られた上側光学位相差フィ
ルム4用の透明導電膜付きフィルム素材は、上記したよ
うに通常ロール状であるため、回路形成のための所定の
大きさに裁断して枚葉のフィルム素材シートにする。た
だし、1枚のフィルム素材シートは、一個分のタッチパ
ネル1の場合もあるが、これに限らず、任意の個数分の
タッチパネル1となっている場合もある。
【0107】裁断されたフィルム素材シートは、必要に
応じて、回路形成の際の寸法誤差をできるだけ小さくす
るための加熱処理を行う。加熱処理は、100℃以上1
30℃未満で約1時間行うことが望ましい。その後、可
動電極部3の残りの一部であるリード線等の回路形成を
行う。回路形成方法はスクリーン印刷、オフセット印
刷、ロールコーター、又は、ディスペンサー等がある。
回路形成に用いるインキとしては、熱硬化性樹脂からな
るバインダー中に導電性を持つ金属微粒子を分散させた
インキを用い、印刷適性をよくするために溶剤を加えて
粘度調整される。導電性インキに用いられる金属微粒子
としては、銀、ニッケル、銅、又は、金などが用いられ
る。バインダーの硬化および溶剤の除去のため高温乾燥
を行う。乾燥温度は100℃以上150℃未満で30〜
60分行う。使用するインキにあわせて適宜乾燥条件を
調整する。回路形成時の熱処理で1/4波長の位相差が
変化しないフィルム素材を選定しておくのはいうまでも
ない。
【0108】1枚のフィルム素材シートに対して多丁パ
ターン(つまりタッチパネル数個分を設けるというこ
と)で回路形成を行うと、短時間で大量の回路形成フィ
ルムが作製でき、効率的である。
【0109】なお、上記ロール状フィルムの裁断および
回路形成においては、上側光学位相差フィルム4の有す
る光軸の方向ことを考える必要がある。なぜなら、液晶
表示方式にはTN、STN方式等さまざまがあり、この
方式によって液晶ディスプレイから捩れて出射する直線
偏光と表示画面の辺とがなす角度が異なる。当然、この
直線偏光と一定の角度をなすように配置される上側光学
位相差フィルム4の光軸は、その上側光学位相差フィル
ム4の辺に対して液晶表示毎に違った角度をなす。しか
し、必ずしも液晶ディスプレイ2から捩れて出射する直
線偏光と表示画面の辺とは45゜にならず、その場合、
上側光学位相差フィルム4の光軸もその上側光学位相差
フィルム4の辺に対し平行にならないにもかかわらず、
ロール状の上側光学位相差フィルム4の光軸方向と延伸
方向は平行である。したがって、タッチパネル1の部材
として配置する状態の上側光学位相差フィルム4の光軸
にその上側光学位相差フィルム4の辺に対して所定の角
度を持たせるために以下のようにする。一つは、回路形
成のための裁断に角度をもたせる方法である。例えば、
透明タッチパネル1の上側光学位相差フィルム4の光軸
が上側光学位相差フィルム4の辺に対して30°の角度
でなければならないのであれば、回路形成のための裁断
をする時も裁断後の枚葉フィルム素材シートの辺をロー
ル状のフィルム素材の辺に対して30゜の角度をつけて
所定の大きさの長方形状に裁断し、その後、回路をパタ
ーンを普通に印刷形成する。あるいは、パターンのレイ
アウトに角度を持たせる方法である。例えば、回路を印
刷形成する場合、回路印刷形成用の版のパターンレイア
ウトを全体に30゜角度をつければロール状のフィルム
素材は延伸方向に対して垂直に裁断することができる
(もちろん、後者の場合には枚葉フィルム素材シートと
パターンのレイアウトとが角度を持っているので、後述
のタッチパネル1に配置する状態の1個分のフィルム素
材シートを得るときに回路形成後に角度をもたせて裁断
する必要がある。)
【0110】また、回路形成においては透明導電膜とリ
ード線等とが不要な接触(すなわち不要な重複)をしな
いようにする必要があり、通常、回路形成前に透明導電
膜を所定の形状にパターニング処理をしておく。パター
ニング方法としては、印刷レジスト法、フォトリソ法、
あるいは、直接、透明導電膜をパターン印刷する方法等
がある。
【0111】(タッチパネル1の固定電極部5)一方、
固定電極部5の形成は可動電極部3とほぼ同様の工程で
回路形成を行う。光学等方性フィルム12あるいは光学
等方性を有するガラス基板11を下側光学位相差フィル
ム6と固定電極部5の間に配置する場合は、固定電極部
5を直接形成する対象である光学等方性フィルム12あ
るいは光学等方性を有するガラス基板11は光軸を持た
ないので、これらについて裁断や回路形成の際に角度を
つける必要はない。また、下側光学位相差フィルム6に
固定電極部5を直接する場合は、上側光学位相差フィル
ム4に可動電極部3を設けるのと全く同様である。イン
キ材料は可動電極部3で用いるインキと同様のものを使
用することができる。バインダーの硬化および溶剤の除
去のため高温乾燥を行う。乾燥温度は100℃以上15
0℃未満で30〜60分行う(下側光学位相差フィルム
6に固定電極部5を直接設ける場合、回路形成時の熱処
理で1/4波長の位相差が変化しない上側光学位相差フ
ィルムを選定しておくのはいうまでもない)。
【0112】(タッチパネル1の絶縁確保)回路形成の
後、上記可動電極部3を直接形成された可動側シート
(上側光学位相差フィルム4)と固定電極部5を直接形
成された固定側シート(光学等方性フィルム12、ある
いは光学等方性を有するガラス基板11、下側光学位相
差フィルム6)を組み合わせてタッチパネル1にする前
に、上下の部材間でリード線および電極が接触して絶縁
不良にならないようにするため、さらには回路の金属酸
化防止のため、可動電極部側と固定電極部側の少なくと
も一方に絶縁層を形成する。絶縁層を形成する方法は、
回路形成と同じく、印刷レジスト法、スクリーン印刷、
オフセット印刷、ロールコーター、又は、ディスペンサ
ー等がある。材料は、絶縁性を有する熱硬化樹脂等を用
いる。
【0113】また、タッチパネル1の上記可動電極部3
の上記透明導電膜と上記固定電極部5の上記透明導電膜
間の絶縁を確保するために、また、ペンや指等でタッチ
パネル1の上面を押したり離したりしたときの導通のO
N,OFFをスムーズに行うために、上記可動電極部3
の上記透明導電膜と上記固定電極部5の上記透明導電膜
間に多数のスペーサー10の形成を行なう。スペーサー
10の形成面は、固定電極部側及び可動電極部側のうち
少なくとも一方の透明導電膜の電極面に形成される。ス
ペーサー10の形成法としては、直接、任意のスペーサ
ー10の形状に形成するスクリーン印刷、オフセット印
刷、又は、ディスペンサー法等などがある。また、全面
的に形成した被膜をスペーサー形状にパターン化するフ
ォトリソ法、又は、印刷レジスト法等がある。スペーサ
ー形状は特に限定はされないが、入力不可部をなくすた
め、均一な入力を行うため同一形状で一定の間隔で配列
するのが望ましい。点状に形成する場合はスペーサー径
は小さくかつ高さは低くするのが望ましい。一例として
は、スペーサー径は30〜100μm、高さは1〜15
μm、スペーサーピッチは0.1〜10mmで縦横に直
交する複数の線の交点にのるような配列パターンを、タ
ッチパネル1の辺に対して全体に0〜90゜回転させて
形成することができる。
【0114】(電極シート1個分のカット)回路形成さ
れた、可動電極部3を直接形成された可動側シート(上
側光学位相差フィルム4)および固定電極部5が直接形
成された固定側シート(光学等方性フィルム12、ある
いは光学等方性を有するガラス基板11、下側光学位相
差フィルム6)は多丁パターンの場合は、更に、所定の
大きさにカットされる。固定側シートが、フィルムの場
合は、トムソン型、金型、又は、カッティングプロッタ
ー等で裁断され、光学等方性を有するガラス基板11の
場合は、スクライバー、又は、ブレイキングマシーン等
で裁断する。特に、光学等方性を有するガラス基板11
を裁断する場合は、導電膜面は硬質で刃が入りにくい
為、導電膜と反対面から刃をいれることが望ましい。そ
うすることによりガラス断面を綺麗に裁断し、強度低下
を防ぐ。
【0115】(上下の可動側シート及び固定側シートの
貼り合せ)可動電極部3を直接形成された可動側シート
(上側光学位相差フィルム6)と固定電極部5を直接形
成された固定側シート(光学等方性フィルム12、ある
いは光学等方性を有するガラス基板11、下側光学位相
差フィルム6)とは、粘着材又は両面テープ19により
貼り合わせられ、電極間に空間層7が形成される。多丁
パターンで回路形成する場合は、上下の可動側及び固定
側シートを裁断する前に予め粘着材又は両面テープ19
を形成すればより工程時間を短縮でき、効率的である。
粘着材又は両面テープ19を可動電極部3あるいは固定
電極部5の周囲に形成して、両電極部3,5間が対向す
るように貼り、外圧を加えて圧着する。両面テープ19
の代わりの粘着材はスクリーン印刷等で形成、両面テー
プは予め枠状に打ち抜いたものを用いる。これらはタッ
チパネル1の透視領域よりも外側で形成する。粘着材又
は両面テープが透視領域内に入ると、タッチパネル端部
の画像がにじんで見づらくなる。粘着剤としては、アク
リル系、エポキシ系、ウレタン系、又は、それらの共重
合体等が有り、両面テープとしては例えば日東電工製5
32等を用いるのが良い。
【0116】(コネクタ−)タッチパネル1の上下の電
極部3,5の接触位置(つまり入力位置)を検出するた
めの外部取り出し部(コネクター)40を設ける。方法
としては、両電極部3,5からそれぞれ電極を引き出す
方法、又は、両電極部3,5のどちらか一方から電極を
引き出す方法等が有る。予め、電極引き出し部分をタッ
チパネル1に設けておき、異方導電接着剤を介してコネ
クター(40)と120℃以上170℃未満で圧着する
とよい。
【0117】以上がタッチパネル1の製造方法である。
続いて、タッチパネル1と液晶ディスプレイ2とを組み
合わせて、タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置を製
造する方法を説明する。
【0118】(上側偏光板8の貼り合せ)上記したよう
にして製造されたタッチパネル1の上側光学位相差フィ
ルム4の上面に上側偏光板8を貼り合わせる。上側偏光
板8の上に更に透明フィルムが配置されている場合は、
上側偏光板8と透明フィルムをタッチパネル1上の上側
光学位相差フィルム4に別々に貼り合わせてもよいし、
予め上側偏光板8と透明フィルムを貼り合わせたものを
所定のサイズにカットしてタッチパネル1上に貼り合わ
せても良い。これらのフィルムは全面に透明粘着材を介
して接着される。上側偏光板8および透明フィルムのサ
イズは特に限定はされないが、通常はタッチパネル外形
と同一もしくはタッチパネル外形の各辺から0.1〜1
mm程度内側になるように貼り合わせる。これはタッチ
パネル外形よりも外側にあると、上側偏光板8や透明フ
ィルムが外力が加わることで剥がれやすくなるからであ
る。ただし、サイズはこれに限定はされない。
【0119】上側偏光板8を貼り合わせた後、40〜8
0℃、4〜9kg/cm、10〜120分加圧脱泡処
理を行う。タッチパネル1上に上側偏光板8を貼ると、
上側光学位相差フィルム4と上側偏光板8の間又は透明
フィルムとの間に気泡が混入するためそれを除去するた
めであり、この操作を行うことにより気泡を分散させる
と共に、各フィルム間での密着性も向上させることがで
きる。
【0120】(固定電極部5を直接形成しない下側光学
位相差フィルム6の貼り合せ)固定電極部5を直接形成
する固定側シートとして光学等方性フィルム12、ある
いは光学等方性を有するガラス基板11を用いる場合、
これらの固定側シートと液晶ディスプレイ2の間に下側
光学位相差フィルム6を配置する。下側光学位相差フィ
ルム6は液晶ディスプレイ2側の部材(液晶表示部のガ
ラス面、又は液晶表示部上に配置された偏光板や他の光
学位相差フィルム)上に粘着材を介して全面に貼り合わ
せるのが望ましい。下側光学位相差フィルム6は、液晶
表示部上に配置される偏光板や他の光学位相差フィルム
に予め貼り合わせてから液晶表示部に貼り合わせてもよ
いし、別々に液晶表示部に貼り合わせても良い。
【0121】貼り合わせ後、加圧脱泡処理を行うのが望
ましい。40〜80℃、4〜9kg/cm、10〜1
20分加圧脱泡処理を行う。この操作を行うことにより
気泡を分散させると共に、各フィルム間での密着性も向
上させることができる。
【0122】(固定側シートの液晶ディスプレイ側への
貼り合せ)固定電極部5を直接形成する固定側シート
は、固定電極部5を直接形成する固定側シート上に配置
された各部材とともに液晶ディスプレイ側の部材に両面
テープ等で接着される。液晶ディスプレイ側の部材(上
記したように下側光学位相差フィルム6が最上層となる
場合もある)に直接貼り付けてもよいし、液晶ディスプ
レイ側の部材との間に筺体を設けてこの筺体に貼り付け
てもよい。又は、透明粘着剤層、透明再剥離シートによ
って全面に貼り付けてもよい。
【0123】次に、本発明の第4〜6実施形態にかかる
タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置及びその製造方
法について説明する。
【0124】この第4実施形態では、以下のような目的
でなされたものである。すなわち、上記第1〜3実施形
態にかかる液晶ディスプレイ装置では、以下のような不
具合が生じることがあった。
【0125】まず、上側偏光板8の表面の耐久性が良く
ない場合には、ペン入力等により上側偏光板8の表面が
傷つき、実用性に乏しくなることがある。 また、上側
偏光板8の表面より吸湿した場合には、上側偏光板8が
収縮や膨張あるいはひずみを起こしやすくなり、上側偏
光板8に貼り合わせた上側光学位相差フィルム4も追随
してリタデーション値が部分的に変化し、観察者側から
見ると色ムラが目立ち、さらに反射防止機能を損なう恐
れがある。
【0126】従って、本発明の第4〜6実施形態の目的
は、上記不具合を解決することにより、表面の耐久性に
優れ、上側偏光板8への吸湿を防止した透明タッチパネ
ル1とこれを用いたタッチ入力方式の液晶ディスプレイ
装置を提供することである。
【0127】以下、図面を参照しながら本発明の第4〜
6実施形態について詳細に説明する。
【0128】図11は第4実施形態に係るタッチ入力方
式の液晶ディスプレイ装置(透過型TN)を示す断面図
である。
【0129】図12は第5実施形態に係るタッチ入力方
式の液晶ディスプレイ装置(透過型STN)を示す断面
図である。
【0130】図13は第6実施形態に係るタッチ入力方
式の液晶ディスプレイ装置(反射型STN)を示す断面
図である。
【0131】図14は本発明の上記実施形態に係るタッ
チ入力方式液晶ディスプレイ装置(TN)における透過
軸方向および光軸方向の説明図である。
【0132】図15は上記第4実施形態の変形例に係る
タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置(透過型TN)
を示す断面図である。
【0133】図16は第6実施形態の変形例に係るタッ
チ入力方式の液晶ディスプレイ装置(反射型STN)を
示す断面図である。
【0134】図中、22は透明フィルム、23は低反射
処理層、24は防汚処理層、25はハードコート処理層
をそれぞれ示す。
【0135】固定電極部5を直接形成する基材として
は、下側光学位相差フィルム6(第4実施形態;図11
参照)あるいは光学等方性を有するガラス基板11(第
5実施形態;図12参照)あるいは光学等方性フィルム
12(第6実施形態;図13参照)を用いる。これらの
基材も、上側光学位相差フィルム4と同様に固定電極部
5の形成及び回路形成の際に、高温処理される。
【0136】また、第4実施形態において薄型化よりも
光学等方性を有するガラス基板11同様の押圧の安定
性、耐久性を優先させる場合には、透明タッチパネル1
と液晶ディスプレイ2との間に光学等方性を有する透明
樹脂板16を配置するとよい(図15参照)。第6実施
形態において薄型化よりも光学等方性を有するガラス基
板11同様の押圧の安定性、耐久性を優先させる場合に
は、光学等方性フィルム12と下側光学位相差フィルム
6との間に光学等方性を有する透明樹脂板16を配置す
るとよい(図16参照)。光学等方性を有する透明樹脂
板16の材料としては、たとえばポリカーボネート系、
アクリル系、ポリスチレン系などの透明性に優れる樹脂
が用いられる。その厚みは0.3〜5.0mmである。
0.3mm未満になると、押圧の安定性、耐久性が悪く
なるため、繰り返し入力により窪みなどの変形を生じや
すい。また、5.0mmを超えると、ガラスよりも重く
なり、携帯機器としては有効でない。
【0137】透明フィルム22の機能としては、透明性
に優れ、透湿性が少なく寸法安定性に優れたものであ
る。透明フィルム22の材料としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチ
レン、ポリエーテルケトン、又は、ポリオレフィン等を
用いる。その厚みは100μm以下、好ましくは80μ
mである。
【0138】また、上側偏光板8の上面に貼り合わせた
透明フィルム22の上面に低反射処理を施した低反射処
理層23を施してもよい。低反射処理層23を形成する
低反射処理方法としては、フッ素樹脂やシリコン樹脂な
どの低屈折率樹脂を用いた低反射材料を塗布したり、金
属の多層膜を蒸着等により形成したり、低反射フィルム
を貼り付けたり、サンドブラスト加工やエンボス加工、
マットコーティング加工、又は、エッチング加工等によ
り表面を梨地状に処理したりする等がある。また、これ
らの低反射処理方法を組み合わせて行なってもよい。
【0139】また、上側偏光板8の上面に貼り合わせた
透明フィルム22の上面に防汚処理を施した防汚処理層
24を施してもよい。
【0140】また、指やペンなどによる押圧による摩耗
から上側偏光板8の上面に貼り合わせた透明フィルム2
2を保護するため、ハードコート処理を施したハードコ
ート処理層25を施してもよい。たとえば、アクリル樹
脂、シリコン樹脂、UV硬化樹脂などによるハードコー
ト処理層25を形成する。
【0141】また、上記の低反射処理層23、防汚処理
層24、ハードコート処理層25は、これらのうちいく
つかを組み合わせて形成してもよい。
【0142】透明タッチパネル1および上側偏光板8を
このような構成に配置することにより、以下のようにし
て外部から入射した光に起因する反射光を抑えることが
できる。
【0143】観察者側から透明フィルム22を透過して
きた入射光は偏光板8を通り直線偏光となる。その他の
作用効果は先の実施形態と同様である。
【0144】なお、本発明は、添付図面を参照しながら
好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、
この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は
明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の
範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、そ
の中に含まれると理解されるべきである。
【0145】
【発明の効果】本発明のに係るタッチ入力方式の液晶デ
ィスプレイ装置は、以上のような構成及び作用からなる
ので、以下のような効果を奏する。
【0146】すなわち、上側偏光板の偏光軸と上側光学
位相差フィルムの光軸とのなす角度を約45゜に配置す
ることにより、円偏光あるいは略円偏光となって透明タ
ッチパネルの空間層に入り、反射された円偏光あるいは
略円偏光が再び上側光学位相差フィルムを通過して上側
偏光板の透過軸と垂直の直線偏光になるため、屋内での
蛍光灯などの反射光や屋外での外光に起因する反射光を
抑えられる。
【0147】また、下側光学位相差フィルムの光軸を上
側光学位相差フィルムの光軸に対して約90゜の角度に
なるように、さらに液晶ディスプレイから発せられた直
線偏光のうち装置表面から出射させたい直線偏光に対し
て約45゜の角度になるように透明タッチパネルと液晶
ディスプレイとの間に配置することで、観察者側から見
たときの表示画面の色付きを抑え、コントラストの高
い、色付きのない表示画面が得られる。
【0148】さらに、タッチ入力方式の液晶ディスプレ
イ装置は、その最上面に低反射処理を施すことにより最
上面での光の反射が抑えられる。
【0149】また、上側偏光板の上面に透明フィルムを
貼り合わせることにより、表面の耐久性が良くなり、ペ
ンや指入力等でも上側偏光板の表面が傷つくのを防ぐこ
とができる。
【0150】また、上側偏光板の上面に透明フィルムを
貼り合わせることにより、上側偏光板の表面より吸湿す
ることを防ぎ、それによる上側偏光板の収縮や膨張、ひ
ずみを抑えることができるため、上側偏光板に貼り合わ
せた上側光学位相差フィルムのリタデーション値の変化
を抑え、色ムラも発生せず、さらに反射防止機能を損な
うこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るタッチ入
力方式の液晶ディスプレイ装置(透過型TN(Twisted
Nematic))を示す断面図である。
【図2】図1の上記液晶ディスプレイ装置の分解斜視図
である。
【図3】図1の上記液晶ディスプレイ装置の概略断面図
である。
【図4】図1の上記液晶ディスプレイ装置において外光
の反射が抑制される状態を説明するためのの説明図であ
る。
【図5】バックライト導光板の説明図である。
【図6】第2実施形態に係るタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置(透過型STN(Super Twisted Nemati
c))を示す断面図である。
【図7】第3実施形態に係るタッチ入力方式の液晶ディ
スプレイ装置(反射型STN)を示す断面図である。
【図8】本発明の上記実施形態に係るタッチ入力方式液
晶ディスプレイ装置(TN)における透過軸方向および
光軸方向の説明図である。
【図9】上記第1実施形態の変形例に係るタッチ入力方
式の液晶ディスプレイ装置(透過型TN)を示す断面図
である。
【図10】上記第3実施形態の変形例に係るタッチ入力
方式の液晶ディスプレイ装置(反射型STN)を示す断
面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るタッチ入力方式
の液晶ディスプレイ装置(透過型TN)を示す断面図で
ある。
【図12】本発明の第5実施形態に係るタッチ入力方式
の液晶ディスプレイ装置(透過型STN)を示す断面図
である。
【図13】本発明の第6実施形態に係るタッチ入力方式
の液晶ディスプレイ装置(反射型STN)を示す断面図
である。
【図14】上記実施形態に係るタッチ入力方式液晶ディ
スプレイ装置(TN)における透過軸方向および光軸方
向の説明図である。
【図15】上記第4実施形態の変形例に係るタッチ入力
方式の液晶ディスプレイ装置(透過型TN)を示す断面
図である。
【図16】上記第6実施形態の変形例に係るタッチ入力
方式の液晶ディスプレイ装置(反射型STN)を示す断
面図である。
【図17】従来の一般的な透明タッチパネルを備えた液
晶ディスプレイ装置の一例を示す断面図である。
【図18】従来の一般的な透明タッチパネルを備えた液
晶ディスプレイの別の例を示す断面図である。
【図19】図17の従来の液晶ディスプレイ装置を有す
る携帯用パーソナルコンピュータを蛍光灯などのある部
屋で使用するときの状態を説明するための説明図であ
る。
【図20】図18の従来の液晶ディスプレイ装置を有す
る携帯用端末機を屋外で使用するときの状態を説明する
ための説明図である。
【符号の説明】
1 上記透明タッチパネル 2 液晶ディスプレイ 3 可動電極部 4 上側光学位相差フィルム 5 固定電極部 6 下側光学位相差フィルム 7 空間層 8 上側偏光板 9 下側偏光板 10 スペーサ 11 ガラス基板 12 光学等方性フィルム 13 バックライト導光板 13a 線光源 13b 拡散シート 13c 導光板 13d 光反射板 13e 光散乱層 14 光学補償位相差板 15 反射板 16 透明樹脂板 19 両面テープ 20 可動側シート 21 固定側シート 22 透明フィルム 23 低反射処理層 24 防汚処理層 25 ハードコート処理層 40 コネクター 500 携帯用端末機 501 ペン 502 携帯用パーソナルコンピュータ 503 ペン 504 蛍光灯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 真也 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内 (72)発明者 楠田 康次 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA18 KA15 QA16 5B087 AA09 AC09 AE09 CC02 CC13 CC14 CC16

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明タッチパネルの下側に液晶ディスプ
    レイを備えたタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置に
    おいて、 可視領域の中心波長の入射光に対し1/4波長の位相遅
    れを与えるとともに下面に可動電極部を備える上側光学
    位相差フィルムと、上記可視領域の上記中心波長の入射
    光に対し1/4波長の位相遅れを与えるとともに上面に
    固定電極部を備える下側光学位相差フィルムとが空間層
    を介して配置された上記透明タッチパネルの上面に上側
    偏光板が配置され、 上記液晶ディスプレイの下面に下側偏光板が配置され、
    上記上側光学位相差フィルムの光軸と上記上側偏光板の
    偏光軸とのなす角度が約45゜であり、上記下側光学位
    相差フィルムの光軸と上記液晶ディスプレイから発せら
    れた直線偏光のうち装置表面から出射させたい直線偏光
    とのなす角度が約45゜であり、上記上側光学位相差フ
    ィルムの光軸と上記下側光学位相差フィルムの光軸の角
    度が約90゜であり、上記液晶ディスプレイから発せら
    れた直線偏光のうち装置表面から出射させたい直線偏光
    と上記上側偏光板の偏光軸とのなす角度が90°である
    タッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置。
  2. 【請求項2】 上記下側光学位相差フィルムに上記固定
    電極部が直接形成されている請求項1に記載のタッチ入
    力方式の液晶ディスプレイ装置。
  3. 【請求項3】 上記固定電極部と上記下側光学位相差フ
    ィルムとの間に光学等方性を有するガラス基板を備え、
    光学等方性を有するガラス基板に上記固定電極部が直接
    形成されている請求項1に記載のタッチ入力方式の液晶
    ディスプレイ装置。
  4. 【請求項4】 上記固定電極部と上記下側光学位相差フ
    ィルムとの間に光学等方性フィルムを備え、光学等方性
    フィルムに上記固定電極部が直接形成されている請求項
    1に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】 上記上側光学位相差フィルムおよび上記
    下側光学位相差フィルムの熱変形温度が150℃以上で
    ある請求項2に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレ
    イ装置。
  6. 【請求項6】 上記上側光学位相差フィルムおよび上記
    下側光学位相差フィルムの熱変形温度が170℃以上で
    ある請求項2に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレ
    イ装置。
  7. 【請求項7】 上記上側光学位相差フィルムの熱変形温
    度が150℃以上である請求項3に記載のタッチ入力方
    式の液晶ディスプレイ装置。
  8. 【請求項8】 上記上側光学位相差フィルムの熱変形温
    度が170℃以上である請求項3に記載のタッチ入力方
    式の液晶ディスプレイ装置。
  9. 【請求項9】 上記上側光学位相差フィルムおよび上記
    光学等方性フィルムの熱変形温度が150℃以上である
    請求項4に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装
    置。
  10. 【請求項10】 上記上側光学位相差フィルムおよび上
    記光学等方性フィルムの熱変形温度が170℃以上であ
    る請求項4に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ
    装置。
  11. 【請求項11】 上記透明タッチパネルと上記液晶ディ
    スプレイとの間に光学等方性を有する透明樹脂板が配置
    されている請求項1〜10のいずれかに記載のタッチ入
    力方式の液晶ディスプレイ装置。
  12. 【請求項12】 上記光学等方性フィルムと上記下側光
    学位相差フィルムとの間に光学等方性を有する透明樹脂
    板が配置されている請求項4,9,10のいずれかに記
    載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置。
  13. 【請求項13】 上記上側光学位相差フィルムの厚みが
    50μm以上150μm以下である請求項1〜12のい
    ずれかに記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装
    置。
  14. 【請求項14】 上記固定電極部が直接形成されている
    部材および上記液晶ディスプレイまたはこれらとこれら
    の間の全ての部材が、透明粘着剤層または透明再剥離シ
    ートによって全面的に貼着されている請求項1〜13の
    いずれかに記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装
    置。
  15. 【請求項15】 上記上側偏光板の上面に、透湿性が少
    なく寸法安定性に優れた透明フィルムが貼り合わされて
    いる請求項1〜14のいずれかに記載のタッチ入力方式
    の液晶ディスプレイ装置。
  16. 【請求項16】 上記上側偏光板の上面に貼り合わせた
    上記透明フィルムの上面に低反射処理層を有する請求項
    15に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置。
  17. 【請求項17】 上記上側偏光板の上面に貼り合わせた
    上記透明フィルムの上面に防汚処理層を有する請求項1
    5に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置。
  18. 【請求項18】 上記上側偏光板の上面に貼り合わせた
    上記透明フィルムの上面にハードコート処理層を有する
    請求項15に記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ
    装置。
  19. 【請求項19】 透明タッチパネルの下側に液晶ディス
    プレイを備えたタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置
    であって、可視領域の中心波長の入射光に対し1/4波
    長の位相遅れを与えるとともに下面に可動電極部を備え
    る上側光学位相差フィルムと、上記可視領域の上記中心
    波長の入射光に対し1/4波長の位相遅れを与えるとと
    もに上面に固定電極部を備える下側光学位相差フィルム
    とが空間層を介して配置された上記透明タッチパネルの
    上面に上側偏光板が配置され、上記液晶ディスプレイの
    下面に下側偏光板が配置され、上記上側光学位相差フィ
    ルムの光軸と上記上側偏光板の偏光軸とのなす角度が約
    45゜であり、上記下側光学位相差フィルムの光軸と上
    記液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置
    表面から出射させたい直線偏光とのなす角度が約45゜
    であり、上記上側光学位相差フィルムの光軸と上記下側
    光学位相差フィルムの光軸の角度が約90゜であり、上
    記液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置
    表面から出射させたい直線偏光と上記上側偏光板の偏光
    軸とのなす角度が90°であるタッチ入力方式の液晶デ
    ィスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶ディス
    プレイ装置の製造方法において、 上記上側光学位相差フィルムのフィルム素材中の残留溶
    剤除去のための熱処理を施したのちに上記フィルム素材
    上に上記可動電極部の透明導電膜を直接形成する工程、
    リード線形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理
    を施したのちに上記可動電極部のリード線を形成する工
    程、リード線を形成したインキのバインダーの硬化およ
    び溶剤除去の熱処理を施す工程を経て可動側シートを
    得、 上記下側光学位相差フィルムのフィルム素材中の残留溶
    剤除去のための熱処理を施したのちに上記フィルム素材
    上に上記固定電極部の透明導電膜を直接形成する工程、
    リード線形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理
    を施したのちに上記固定電極部のリード線を形成する工
    程、リード線を形成したインキのバインダーの硬化およ
    び溶剤除去の熱処理を施す工程を経て固定側シートを
    得、 上記可動側シートと上記固定側シートを貼り合わせ、 次いで上記可動側シートの上記上側光学位相差フィルム
    の上面に上記上側偏光板を貼り合わせたのちに加圧脱泡
    処理を施し、 上記固定側シートを液晶ディスプレイと貼り合せてタッ
    チ入力方式の液晶ディスプレイ装置を製造するタッチ入
    力方式の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 透明タッチパネルの下側に液晶ディス
    プレイを備えたタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置
    であって、可視領域の中心波長の入射光に対し1/4波
    長の位相遅れを与えるとともに下面に可動電極部を備え
    る上側光学位相差フィルムと、上記可視領域の上記中心
    波長の入射光に対し1/4波長の位相遅れを与えるとと
    もに上面に固定電極部を備える下側光学位相差フィルム
    とが空間層を介して配置された上記透明タッチパネルの
    上面に上側偏光板が配置され、上記液晶ディスプレイの
    下面に下側偏光板が配置され、上記上側光学位相差フィ
    ルムの光軸と上記上側偏光板の偏光軸とのなす角度が約
    45゜であり、上記下側光学位相差フィルムの光軸と上
    記液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置
    表面から出射させたい直線偏光とのなす角度が約45゜
    であり、上記上側光学位相差フィルムの光軸と上記下側
    光学位相差フィルムの光軸の角度が約90゜であり、上
    記液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置
    表面から出射させたい直線偏光と上記上側偏光板の偏光
    軸とのなす角度が90°であるタッチ入力方式の液晶デ
    ィスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶ディス
    プレイ装置の製造方法において、 上記上側光学位相差フィルムのフィルム素材中の残留溶
    剤除去のための熱処理を施したのちに上記フィルム素材
    上に上記可動電極部の透明導電膜を直接形成する工程、
    リード線形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理
    を施したのちに上記可動電極部のリード線を形成する工
    程、リード線を形成したインキのバインダーの硬化およ
    び溶剤除去の熱処理を施す工程を経て可動側シートを
    得、 光学等方性を有するガラス基板上に上記固定電極部の透
    明導電膜を直接形成する工程、上記固定電極部のリード
    線を形成する工程、リード線を形成したインキのバイン
    ダーの硬化および溶剤除去の熱処理を施す工程を経て固
    定側シートを得、 上記可動側シートと上記固定側シートを貼り合わせ、 次いで上記可動側シートの上記上側光学位相差フィルム
    の上面に上記上側偏光板を貼り合わせたのちに加圧脱泡
    処理を施し、 上記固定側シートを間に上記下側光学位相差フィルムを
    介して液晶ディスプレイと貼り合せてタッチ入力方式の
    液晶ディスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶
    ディスプレイ装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 透明タッチパネルの下側に液晶ディス
    プレイを備えたタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置
    であって、可視領域の中心波長の入射光に対し1/4波
    長の位相遅れを与えるとともに下面に可動電極部を備え
    る上側光学位相差フィルムと、上記可視領域の上記中心
    波長の入射光に対し1/4波長の位相遅れを与えるとと
    もに上面に固定電極部を備える下側光学位相差フィルム
    とが空間層を介して配置された上記透明タッチパネルの
    上面に上側偏光板が配置され、上記液晶ディスプレイの
    下面に下側偏光板が配置され、上記上側光学位相差フィ
    ルムの光軸と上記上側偏光板の偏光軸とのなす角度が約
    45゜であり、上記下側光学位相差フィルムの光軸と上
    記液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置
    表面から出射させたい直線偏光とのなす角度が約45゜
    であり、上記上側光学位相差フィルムの光軸と上記下側
    光学位相差フィルムの光軸の角度が約90゜であり、上
    記液晶ディスプレイから発せられた直線偏光のうち装置
    表面から出射させたい直線偏光と上記上側偏光板の偏光
    軸とのなす角度が90°であるタッチ入力方式の液晶デ
    ィスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶ディス
    プレイ装置の製造方法において、 上記上側光学位相差フィルムのフィルム素材中の残留溶
    剤除去のための熱処理を施したのちに上記フィルム素材
    上に上記可動電極部の透明導電膜を直接形成する工程、
    リード線形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理
    を施したのちに上記可動電極部のリード線を形成する工
    程、リード線を形成したインキのバインダーの硬化およ
    び溶剤除去の熱処理を施す工程を経て可動側シートを
    得、 光学等方性フィルムのフィルム素材中の残留溶剤除去の
    ための熱処理を施したのちに上記フィルム素材上に上記
    固定電極部の透明導電膜を直接形成する工程、リード線
    形成の際の寸法誤差を小さくするための熱処理を施した
    のちに上記固定電極部のリード線を形成する工程、リー
    ド線を形成したインキのバインダーの硬化および溶剤除
    去の熱処理を施す工程を経て固定側シートを得、 上記可動側シートと上記固定側シートを貼り合わせ、 次いで上記可動側シートの上記上側光学位相差フィルム
    の上面に上記上側偏光板を貼り合わせたのちに加圧脱泡
    処理を施し、 上記固定側シートを間に上記下側光学位相差フィルムを
    介して液晶ディスプレイと貼り合せてタッチ入力方式の
    液晶ディスプレイ装置を製造するタッチ入力方式の液晶
    ディスプレイ装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記各フィルム素材中の残留溶剤除去
    のための熱処理を150℃以上でおこなう請求項19〜
    21記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 リード線形成の際の寸法誤差を小さく
    するための熱処理を100℃以上130℃未満でおこな
    う請求項19〜22記載のタッチ入力方式の液晶ディス
    プレイ装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 リード線を形成したインキのバインダ
    ーの硬化および溶剤除去の熱処理を100℃以上150
    ℃未満でおこなう請求項19〜23記載のタッチ入力方
    式の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 加圧脱泡処理を40〜80℃、4〜9
    kg/cm、10〜120分行おこなう請求項19〜
    24記載のタッチ入力方式の液晶ディスプレイ装置の製
    造方法。
  26. 【請求項26】 可動電極部および固定電極部の少なく
    とも一方に予め電極引き出し部分を設けておき、上記可
    動側シートと上記固定側シートを貼り合わせたのちに異
    方導電接着剤を介してコネクターと120℃以上170
    ℃未満で圧着する請求項19〜25記載のタッチ入力方
    式の液晶ディスプレイ装置の製造方法。
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