JP4219735B2 - 低反射タッチパネルの実装構造と低反射タッチパネル実装用シート - Google Patents

低反射タッチパネルの実装構造と低反射タッチパネル実装用シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、屋外などの外光による映りこみを低減した低反射タッチパネルを再剥離可能に液晶ディスプレイなどに実装する低反射タッチパネルの実装構造と低反射タッチパネル実装用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
透明タッチパネルは、フィルム状の上部絶縁基板の下面に透明導電膜からなる上部電極が形成された上部電極板と、板状またはフィルム状の下部絶縁基板の上面に透明導電膜からなる下部電極が形成された下部電極板とを備え、上部電極板と下部電極板とが電極間に空気層を介して対向配置されている構造で、コードレス電話機、携帯電話機、電卓、サブノートパソコン、ペンパソコン、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、業務用通信機器などのディスプレイを備えた携帯型電子機器やパーソナルコンピュータのモニタなどに実装される入力装置として広く利用されている。その入力方法とは、CRT(Cathod Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、有機ELD(Electro Luminescence Display)などのディスプレイの表面に透明タッチパネルを実装した後、ディスプレイの表示面を透視しながら透明タッチパネルの表面をペンや指などで押圧することによって、各種の操作を行なうものである。従来からよく知られている透明タッチパネルの実装構造は、特開昭61−131314号公報に開示されているように、裏面全面にアクリル系粘着剤層などの透明粘着剤層が設けられた透明タッチパネルをディスプレイの表面に実装するものがある(図5参照)。
【0003】
しかし、上記構造のものでは、ディスプレイ上に透明タッチパネルを実装した際のゴミの混入や位置ずれなどの理由により、透明タッチパネルを引き剥がし、実装をやり直す(以下リペアという)際に問題が生じていた。すなわち、透明タッチパネルを引き剥がそうとすると、透明粘着剤層が透明タッチパネル側とディスプレイ側の両方に同等に強固に接着されているため、透明粘着剤層が層内で分離して透明タッチパネル側とディスプレイ側のそれぞれに残ってしまったり、透明粘着剤層の一部が伸ばされて膜厚が不均一になったりすることが起きる場合があり、リペアすることは困難または不可能であった。
【0004】
そこで、これらの問題の解決策として、裏面全面に透明な高分子粘着剤がゲルシート状に成形されて設けられた透明タッチパネルをディスプレイの表面に実装する手段がある(図6参照)。ゲルシートは通常、厚さが均一であるため、被着体との濡れ性がよく、透明タッチパネルとディスプレイと貼り合わせる際に気泡を生じにくい。また、ゲルシートは、ゲルシートのシート面に対して垂直方向に働く引き離しの力やシート面沿いの横方向へのズレの力には強く、端部からめくるように引き離す力を働かせると容易に被着体と分離するという特徴を有するため、実装後における通常の使用状態では透明タッチパネルが剥がれる心配はなく、リペアの際には簡単に透明タッチパネルを剥がすことができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−222305号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ゲルシートを用いた透明タッチパネルの実装構造には、次のような問題点がある。
【0007】
すなわち、ゲルシートは透明タッチパネル側の面とディスプレイ側の面の両方が同等に剥離しやすいため、リペアの際に透明タッチパネル側とディスプレイ側のいずれにゲルシートが残るか制御できないという問題点があった。たとえば、実装前に透明タッチパネルの裏面に設けられていたゲルシートが透明タッチパネルを引き剥がしたときにディスプレイ側に転移すると、リペアを達成するためには、さらにゲルシートのみをディスプレイから剥離しなければならない。これでは、手間がかかる上、ゲルシートのみを引き剥がす際ゲルシート自体が変形してしまい、ゲルシートの再利用も困難となる。
【0008】
また、長時間の高温環境下に放置すると、透明タッチパネルを引き剥がす際に、ゲルシートが層内で分離して透明タッチパネル側とディスプレイ側のそれぞれに残ってしまうという問題点があった。
【0009】
また、ゲルシートには基材シートがないため、透明タッチパネルを多数個取りした大判のパネル裏面にゲルシートを設けた後に各透明タッチパネルとともに打抜く場合、その腰の弱さから所定の形状に精度よく打ち抜くことが困難であり、加えてゲルシートが透明タッチパネルとも接着されていないために打抜きによって得られた各透明タッチパネルの周囲からゲルシートがはみ出して歩留りが悪くなるという問題点があった。
【0010】
また、タッチパネルが、低反射化のために、タッチパネルの内部反射をカットする目的で、可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長の位相遅れを与える光学位相差フィルムと偏光板とが少なくとも貼り合わされた円偏光板が積層された低反射タッチパネルである場合、ディスプレイが変色して見えたり、色むらが生じて見えたりするという問題点があった。
【0011】
したがって、この発明は、上記の問題点を解消し、リペアの際にゲルシートが転移されたり、分離したりせず、低反射タッチパネルを多数個取りした大判のパネル裏面にゲルシートを設けた後に各低反射タッチパネルとともに打抜く場合でも歩留まりがよく、ディスプレイに変色や色むらが生じて見えることがない低反射タッチパネルの実装構造と低反射タッチパネル実装用シートを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成している。
【0013】
この発明の第1態様によれば、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シートと、基材シートの一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成し、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO 粒子及びAl 粒子の少なくとも1つをフィラーとして含むアクリル系粘着剤層と、基材シートの他方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層とを備える透明な実装用シートが構成され、光学等方性を有するフィルムの上面に固定電極を備える下部電極フィルムの上に、光学等方性を有するフィルムの下面に可動電極を備える上部電極フィルムが、下部電極フィルムの光学軸と直交するようにスペーサを介して積層され、さらにその上に可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長の位相遅れを与える光学位相差フィルムと偏光板とが少なくとも貼り合わされた円偏光板が積層された低反射タッチパネルの裏面に、実装用シートの低反射タッチパネル側接着面を接着させ、実装用シートのディスプレイ側接着面をディスプレイの表面に接着させ、低反射タッチパネルをディスプレイの表面に再剥離可能に実装した低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0014】
この発明の第2態様によれば、基材シートが環状ポリオレフィンフィルムである第1の態様に記載の低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0015】
この発明の第3態様によれば、基材シートのガラス転移温度(Tg)が130℃以上、基材シートの光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下である第1〜2の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0016】
この発明の第4態様によれば、基材シートの厚さが40〜100μmである第1〜3の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0017】
この発明の第5態様によれば、基材シートのシリコーンゴム層が積層される面にプライマー処理がされたものである第1〜4の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0018】
この発明の第6態様によれば、アクリル系粘着剤層の厚さが10〜50μmである第1〜5の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0019】
この発明の第7態様によれば、シリコーンゴム層の厚さが20〜100μmである第1〜6の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造を提供する。
【0020】
この発明の第8態様によれば、低反射タッチパネル側接着面が低反射タッチパネルの裏面に接着され、かつ、ディスプレイ側接着面がディスプレイの表面に接着されて、低反射タッチパネルをディスプレイの表面に再剥離可能に実装する低反射タッチパネル実装用シートであって、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シートと、基材シートの一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成し、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO 粒子及びAl 粒子の少なくとも1つをフィラーとして含むアクリル系粘着剤層と、基材シートの他方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層とを備える低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0021】
この発明の第9態様によれば、基材シートが環状ポリオレフィンフィルムである第8の態様に記載の低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0022】
この発明の第10態様によれば、基材シートのガラス転移温度(Tg)が130℃以上、基材シートの光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下である第8〜9の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0023】
この発明の第11態様によれば、基材シートの厚さが40〜100μmである第8〜10の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0024】
この発明の第12態様によれば、基材シートのプライマー処理がEB照射によるものである第8〜11の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0025】
この発明の第13態様によれば、アクリル系粘着剤層の厚さが10〜50μmである第8〜12の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0026】
この発明の第14態様によれば、シリコーンゴム層の厚さが20〜100μmである第8〜13の態様のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シートを提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0028】
図1〜4は、この発明に係る低反射タッチパネルの実装構造を示す模式的な断面図である。図5は、この発明に係る低反射タッチパネル実装用シートを示す模式的な断面図である。図中、10は低反射タッチパネル、11は可動電極、12は固定電極、13は上部電極フィルム、14は下部電極フィルム、15はスペーサ、16は円偏光板、17は4分の1波長位相差フィルム、18は2分の1波長位相差フィルム、19は偏光板、20は実装用シート、21は基材シート、22はアクリル系粘着剤層、23はシリコーンゴム層、24はプライマー処理面、30はディスプレイである。
【0029】
この発明の低反射タッチパネル10の実装構造は、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シート21と、基材シート21の一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成するアクリル系粘着剤層22と、基材シート21の他方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層23とを備える透明な実装用シート20が構成され、光学等方性を有するフィルムの上面に固定電極12を備える下部電極フィルム14の上に、光学等方性を有するフィルムの下面に可動電極11を備える上部電極フィルム13が、下部電極フィルム14の光学軸と直交するようにスペーサ15を介して積層され、さらにその上に可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長の位相遅れを与える光学位相差フィルム17と偏光板19とが少なくとも貼り合わされた円偏光板16が積層された低反射タッチパネル10の裏面に、実装用シート20の低反射タッチパネル側接着面を接着させ、実装用シート20のディスプレイ側接着面をディスプレイ30の表面に接着させ、低反射タッチパネル10をディスプレイ30の表面に再剥離可能に実装したものである(図1〜4参照)。
【0030】
実装用シート20は、基材シート21の一方の面にアクリル系粘着剤層22が形成され、他方の面にプライマー処理面24とシリコーンゴム層23とが形成されたものである(図5参照)。
【0031】
基材シート21は、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなるものである。
【0032】
基材シート21は、ディスプレイ30から発せられた光およびタッチパネル表面から入ってきた光をそのまま通す必要性があるため、複屈折(リタデーション)の小さい光学等方性フィルムを用いることが必要となる。
【0033】
リタデーションとは、結晶その他の非等方性物質に入射した光が互いに垂直な振動方向を持つ2つの光波に分かれる現象である。複屈折を持つ材料に非偏光の光を入射すると、入射光は2つに分かれる。両者は振動方向が互いに直角で、一方を垂直偏光、他方を水平偏光という。垂直の方が異常光線、水平の方が常光線となり、常光線は伝搬速度が伝搬方向によらない光線で、異常光線は伝搬方向によって速度が異なる光線である。複屈折材料ではこの2つの光線の速度が一致する方向がありこれを光学軸という。リタデーション値Δndは、Δnd=(n−n)dで表される。ここで、dは試料の厚さ、n、nは試料の屈折率である。
【0034】
この発明において、リタデーション値は、10nm以下であることが必要である。リタデーション値が10nmを越えるような大きい値であると、ディスプレイ30から出射された光および低反射タッチパネル10の円偏光板16を通過した光が互いに垂直な振動方向をもつ2つの光波に分けられ、光波の位相ずれが発生して円偏光が楕円偏光になり、ディスプレイ30から出射された色と異なる色になったり、色むらが生じる。
【0035】
このような性質を有する光学等方性フィルムとしては、たとえば、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ポリエーテルスルフォン系樹脂(PES)、ポリアリレート系樹脂(PAR)、アモルファスポリオレフィン系樹脂(APO)などからなるものがある。
【0036】
また、シリコーンゴム層23の形成時およびタッチパネル製造工程を考慮すると、Tg130℃以上で光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下のものを用いるのが好ましい。Tgが130℃に満たないと、シリコーン樹脂を加熱硬化させる際の熱ストレスにより、基材シート21に変形やしわが発生するおそれがある。また、光弾性係数が10×10−10・Pa−1を越えると、貼り合わせなどの引っ張りストレスにより、容易にリタデーション値が変化してしまい、部分的に光学等方性でなくなるおそれがある。なお、これらの条件を満たす樹脂として、JSR株式会社製アートン(登録商標)、日本ゼオン株式会社製ゼオノア(登録商標)などの環状ポリオレフィン系フィルムを用いることができる。
【0037】
また、基材シート21の厚さは、40〜100μmであるのが好ましい。この範囲であると、EB照射時やシリコーンゴム形成時において、変形や変色が生じにくいからである。
【0038】
実装用シート20の基材シート21となるプラスチックフィルムは、アクリル系粘着剤層22およびシリコーンゴム層23を支持するものであり、また、低反射タッチパネル10を多数個取りした大判パネル(たとえば、500mm×500mmのパネルであって100mm×100mmの低反射タッチパネル10を25個打ち抜くことができるパネル)の裏面に実装用シート20を設けた後に各低反射タッチパネル10とともに打抜く場合、実装用シート20の腰を基材シート21により強化して、各低反射タッチパネル10とともに実装用シート20を所定の形状に精度よく打ち抜くことができるようにするものである。
【0039】
また、基材シート21の他方の面にプライマー処理面24を有することによりシリコーンゴム層23と強固に接着しており、このことにより、打抜きによって得られた各低反射タッチパネル10の周囲から実装用シート20のシリコーンゴム層23が基材シート21から剥離しないように抑制することができる。
【0040】
アクリル系粘着剤層22は、基材シート21の一方の面に積層され、低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成する。
【0041】
アクリル粘着剤層は、粘着テープなどに一般的に用いられるアクリル酸エステルを主成分とした粘着剤を塗布して形成することができる。塗布方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、コンマコート法、またはダイコート法などの一般的なコート法を用いることができる。
【0042】
アクリル粘着剤層は、垂直方向に働く引き離しの力や水平方向へのズレの力に強いだけでなく、端部からめくるような力を働かせても容易に被着体と分離しない接着力を有するものである。また、アクリル粘着剤中には、表示画像の視認性を向上させる目的で、光拡散材となるフィラーを分散させてもよい。フィラーとしては、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO粒子やAl粒子などを使用することができる。
【0043】
なお、アクリル系粘着剤層22の厚さは、10〜50μmの範囲とするのが好ましい。10μmに満たないと接着力が弱くなり、リペアの際に低反射タッチパネル10側とディスプレイ30側のいずれに実装用シート20が残るか制御しにくくなる。また、50μmを超えると接着力が強くなりすぎ、被着体との間に生ずる気泡について、実装用シート20にR曲げを与えながらローラなどで端から徐々に気泡を追い出すように圧力をかけたり、減圧雰囲気中に置いたりする脱泡処理を行っても、気泡が抜けにくくなる。
【0044】
基材シート21の他方の面には、シリコーンゴム層23が形成される。シリコーンゴム層23は、低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成する。
【0045】
シリコーンゴム層23は被着体との間で垂直方向に働く引き離しの力や水平方向へのズレの力には強いが、端部から実装用シート20をめくるように被着体と引き離す力を働かせると容易に被着体と分離しやすいものである。また、度重なる脱着によってもその固定力は低下しない。したがって、前記したように実装用シート20のアクリル系粘着剤層22側の接着は強固であるから、リペアの際に実装用シート20はシリコーンゴム層23側の面で剥離させやすい。また、長時間の高温環境下に放置しても、リペアの際に実装用シート20が層内で分離して低反射タッチパネル10側とディスプレイ30側のそれぞれに残ってしまうことがない。シリコーンゴム層23としては、たとえばシリコーンゴムとシリコーンレジンの混合物を溶剤でインキ化し塗布し、乾燥時の熱で架橋させて形成することができる。塗布方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、コンマコート法、またはダイコート法などの一般的なコート法を用いることができる。
【0046】
また、シリコーンゴム層23の厚さは、20〜100μmの範囲とするのが好ましい。100μmを超えると接着力が強くなりすぎ、低反射タッチパネル10を引き剥がすと、実装用シート20のシリコーンゴム層23側の面で剥離しにくくなる。また、20μmに満たないとディスプレイ30などの被着体に対して接着しても接着せずに浮き上がってしまう個所が生じ、過度に剥離しやすくなってしまう。よって、20〜100μmの範囲とすれば、接着時に浮き上がる個所が生じにくくなり、過度に剥離しないとともに、シリコーンゴム層23が弾力性に富んでショック吸収材ともなるため、様々な衝撃や変形からディスプレイ30を保護することができる。
【0047】
また、必要に応じて基材シート21のシリコーンゴム層23が形成される面に、プライマー処理を行ってもよい。
【0048】
この発明でいうプライマー処理とは、基材とコーティング剤との接着性を上げるために、両者に相性のよい中間剤を塗布することなどの一般的な処理に加え、基材の表面に凹凸を付けて表面積を大きくして接着性を高めたり、コロナ処理などで表面改質を行ない接着性を高めたりする広義の易接着処理も含む。プライマー処理により、シリコーンゴム層23を基材シート21に強固に接着させ、低反射タッチパネル10の引き剥がし時に基材シート21とシリコーンゴム層23との間で剥離したり、前記打抜き時に基材シート21とシリコーンゴム層23との間でずれが生じてシリコーンゴム層23がはみ出したりしないようにすることができる。
【0049】
また、プライマー処理として、EB照射にて表面改質するようにしてもよい。EB照射とは、高速電子を活用したもので、高速の電子ビームが物質内を通過するとき、物質の相互作用により、電子ビームはそのエネルギーを物質に与え自らのエネルギーを減衰させ、エネルギーを与えられた物質は分子の励起やイオン化などを生じ、化学反応を起こし、その結果、物質の表面改質がなされ、異種材料との密着性をよくするものである。
【0050】
低反射タッチパネル10は、上面に固定電極12を備える下部電極フィルム14の上に、下面に可動電極11を備える上部電極フィルム13がスペーサ15を介して積層され、さらにその上に光学位相差フィルムと偏光板19とが貼り合わされた円偏光板16が積層されたものである(図1参照)。
【0051】
下部電極フィルム14は、光学等方性を有するフィルムの上面に固定電極12を備えるものである。下部電極フィルム14としては、ディスプレイ30から発せられた光およびタッチパネル表面から入ってきた光をそのまま通す必要性があるため、リタデーションの小さい光学等方性フィルムを用いるのが適当である。このような性質を有する樹脂としては、たとえば、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ポリエーテルスルフォン系樹脂(PES)、ポリアリレート系樹脂(PAR)、環状ポリオレフィン系樹脂などがある。固定電極12を構成する透明導電膜としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ITOなどの金属酸化物や、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、パラジウムなどの金属の薄膜がある。透明導電膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法などが用いられる。
【0052】
上部電極フィルム13は、光学等方性を有するフィルムの下面に可動電極11を備えるものである。上部電極フィルム13は、下部電極フィルム14と同様にして構成するとよい。
【0053】
下部電極フィルム14と上部電極フィルム13は、各電極フィルムの光学軸が直交するようにスペーサ15を介して積層する。
【0054】
スペーサ15は、下部電極フィルム14の固定電極12と上部電極フィルム13の可動電極11とを隔てるためのものであり、固定電極12または可動電極11上に形成する。スペーサ15としては、透明なアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用い、スクリーン印刷法やフォトプロセス法にて多数の微細な点状に形成するとよい。タッチパネルの入力特性上、入力不可部をなくし、均一な入力行うためには、スペーサ15を同一形状で一定の間隔で配列するのが好ましく、また、点状に形成する場合は、できるだけ小さく、低くするのが望ましい。一例としては、スペーサ15を、径40μm、高さ5μm、ピッチ1mmで点状に形成する。
【0055】
下部電極フィルム14と上部電極フィルム13の周囲は、粘着剤にて各電極フィルムの光学軸が直交するようにして配置する。
【0056】
円偏光板16は、可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長の位相遅れを与える光学位相差フィルムと偏光板19とが少なくとも貼り合わされたものである。
【0057】
4分の1波長位相差フィルム17は、直線偏光を分解した互いに直交する2成分の偏光に時間的な位相のズレを与えることにより、直線偏光を円偏光あるいは略円偏光に変える機能をもち、一方の偏光を可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長だけ位相を遅らせる機能を持たせた透明フィルムのことである。4分の1波長位相差フィルム17を用いることにより、直線偏光を分解した互いに直交する2成分の偏光の一方が、可視領域の中心波長約550nmの4分の1波長、つまり138nmの位相遅れを生ずるものであり、4分の1波長位相差フィルム17の光学軸と上方に配置した偏光板19の吸収軸と45度ないしは135度ずらして貼り合せることで、円偏光板16を形成することができる。4分の1波長位相差フィルム17の素材としては、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ポリエーテルスルフォン系樹脂(PES)、ポリアリレート系樹脂(PAR)、環状ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。また、4分の1波長位相差フィルム17の下面に、直接可動電極11を設け、上部電極フィルム13として構成してもよい。
【0058】
また、4分の1波長位相差フィルム17と偏光板19との間に2分の1波長位相差フィルム18を挿入して、液晶ディスプレイ30の光学設計に合わせて偏光板19の吸収軸、各位相差フィルムの光学軸角度を最適化して貼り合わせた広帯域円偏光板16を使用してもよい(図2参照)。この場合、タッチパネル自体の厚さは厚くなるが、さらに広波長帯域での低反射構成が可能になる。
【0059】
偏光板19の材料としては、一般的には、ポリビニルアルコールに、ヨウ素または染料のなどの二色性色素を含浸させたものが用いられ、これを延伸させ、表裏全面にトリアセチルセルロースのようなセルロース系の保護膜を被覆した可撓性のある厚さ200μmとされる。このような偏光板19としては、たとえば日東電工株式会社製HEG1425DUがある。
【0060】
また、指やペンなどによる押圧による摩耗から偏光板19表面を保護するため、偏光板19表面に、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、紫外線硬化樹脂などによるハードコート層を形成してもよい。
【0061】
また、偏光板19の上面に低反射処理を施してもよい。低反射処理としては、フッ素樹脂やシリコン系樹脂などの低屈折率樹脂を用いた低反射材料を塗布したり、高屈折材料と低屈折材料とを蒸着またはスパッタリングなどで交互に積層したり、別の低反射フィルムを貼り付けたりする方法がある。また、偏光板19の上面に、ペン入力時の耐久性を向上させるためにハードコート処理を行ってもよい。ハードコート処理としては、ハードコート性を有する樹脂などを直接コーティングしたり、ハードコートフィルムを貼着したりするとよい。
【0062】
このような構成の低反射タッチパネル10の裏面に、実装用シート20の低反射タッチパネル側接着面を接着させ、実装用シート20のディスプレイ側接着面をディスプレイ30の表面に接着させ、低反射タッチパネル10をディスプレイ30の表面に再剥離可能に実装することができる。
【0063】
ディスプレイ30は、コードレス電話機、携帯電話機、電卓、サブノートパソコン、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、業務用通信機器などの携帯型電子機器のディスプレイやパーソナルコンピュータのモニタなど、電子機器の入力装置のディスプレイ(より具体的には、CRTやLCD、有機ELDなどのディスプレイ)が相当する。ディスプレイ30の表面に低反射タッチパネル10を実装した後、ディスプレイ30の表示面を透視しながら低反射タッチパネル10の表面をペンや指などで押圧することによって、可動電極11と固定電極12とを接触させて、入力装置としての各種の入力操作を行なうことができる。
【0064】
基材シート21の一方の面にアクリル系粘着剤層22が積層され、他方の面にシリコーンゴム層23が積層された透明な実装用シート20を、アクリル系粘着剤層22によって低反射タッチパネル10の裏面に全面的に接着させ、シリコーンゴム層23がディスプレイ30に再剥離可能に接着するように、実装用シート20が設けられた低反射タッチパネル10をディスプレイ30の表面全面に実装することができる。
【0065】
シリコーンゴム層23面が再剥離可能な粘着力を持ったもので、水平方向のずれの力には強いが、垂直方向の引き剥がしには弱い特徴を持っているものである。また、アクリル系粘着剤面は永久接続させる粘着剤であり、一度貼ると容易には引き剥がせない粘着力を持っている。よって、再剥離する際に端部からめくるように引き剥がすと、容易に、シリコーンゴム層23面から剥離することが可能である。このため、リペアの際に実装用シート20は、大抵、シリコーンゴム層23側で綺麗に剥離され、実装用シート20が転移されたり分離したりしにくい。
【0066】
また、低反射タッチパネル10を多数個取りした大判のパネル裏面に実装用シート20を設けた後に各低反射タッチパネル10とともに打抜いたものを実装する場合でも、実装用シート20が基材シート21を有してシリコーンゴム層23と強固に接着しているので、所定の形状に精度よく打ち抜くことができ、打抜きによって得られた各低反射タッチパネル10の周囲から実装用シート20のシリコーンゴム層23がはみ出さないように抑制することができ、高い歩留まり率を実現することができる。
【0067】
また、基材シート21としてリタデーション値の小さい光学等方性フィルムを使用しているため、ディスプレイ30から出射された光が基材シート21を通過しても位相のずれがほとんどなく、変色や色むらが発生しない。
【0068】
また、実装用シート20を、シリコーンゴム層23を低反射タッチパネル側接着面とするとともに、アクリル系粘着剤層22をディスプレイ側接着面として実装を行ってもよい(図3〜4参照)。実装用シート20をそのアクリル系粘着剤層22によってディスプレイ30の表面に全面的に接着させ、該ディスプレイ30上の実装用シート20の表面に低反射タッチパネル10を実装する。
【0069】
プラスチックフィルムの基材シート21の一方の面にアクリル系粘着剤層22が積層され、他方の面にシリコーンゴム層23が積層された透明な実装用シート20を、アクリル系粘着剤層22によってディスプレイ30の裏面に全面的に接着させ、シリコーンゴム層23が低反射タッチパネル10の裏面に再剥離可能に接着するように、低反射タッチパネル10を、実装用シート20が設けられたディスプレイ30の表面全面に実装することができる。このため、リペアの際に実装用シート20は、大抵、シリコーンゴム層23側で綺麗に剥離され、実装用シート20が転移されたり分離したりしにくい。
【0070】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。この発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、請求の範囲によるこの発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【0071】
【実施例】
(実施例1)厚さ100μmの環状ポリオレフィンフィルム(JSR株式会社製アートン(登録商標))の上面に厚さ20nmのITO膜からなる透明電極をスパッタリングにて形成して下部電極フィルムとした。
【0072】
次いで、下部電極フィルムの透明電極を所定のパターンにエッチングし、ポリエステル樹脂インキを径40μm、高さ5μm、ピッチ1.0mmになるように全面にスクリーン印刷してスペーサを形成した後、バスバーおよび引き回し回路、周縁部に粘着剤をスクリーン印刷にて形成した。
【0073】
また、厚さ100μmの環状ポリオレフィンフィルム(JSR株式会社製アートン(登録商標))の下面に厚さ20nmのITO膜からなる透明電極をスパッタリングにて形成し、さらに上面にアクリル系樹脂をロールコータで厚さ5μmになるようにコーティングして上部電極フィルムを得た。
【0074】
次いで、上部電極フィルムの透明電極を所定のパターンにエッチングし、バスバーおよび引き回し回路を形成した。
【0075】
こうして得られた上部電極板と下部電極板とを電極間に空気層を介して対向配置させ、両者を周縁部において、周縁の粘着剤にて接着した。
【0076】
次に、偏光板と4分の1波長位相差フィルムとが所定の軸角度になるように貼り合わせられた円偏光板を、貼り合わせ装置および加圧脱泡機を用いて、低反射タッチパネルの上面に全面アクリル粘着剤にて貼り合わせ、低反射タッチパネルを得た。
【0077】
また、厚さ100μmの環状ポリオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社製ゼオノア(登録商標))を基材シートとして、一方の面にシリコーン樹脂をロールコータにてコーティングし、加熱乾燥して、厚さ40μmのシリコーンゴム層を形成した。
【0078】
次いで、他方の面に、アクリル酸エステルを主剤にした粘着剤をロールコータにてコーティングし、加熱乾燥して、厚さ25μmのアクリル粘着剤層を形成し、低反射タッチパネル実装用シートを得た。
【0079】
次いで、低反射タッチパネル実装用シートの両面に離型処理を施したポリエステルフィルムをラミネートし、タッチパネル実装用シートを両面にセパレータが設けられたロールシート状とした。その後、低反射タッチパネル実装用シートをタッチパネルの外形サイズに合わせて打ち抜いた。
【0080】
次いで、低反射タッチパネル実装用シートのアクリル粘着剤層側のセパレータを剥がし、貼り合わせ装置を用いて、低反射タッチパネルの裏面に全面的に貼り合わせた。
【0081】
次いで、低反射タッチパネル実装用シートのシリコーンゴム層側のセパレータを剥がし、液晶ディスプレイの表面に全面的に貼り付けた。
【0082】
このようにして得た低反射タッチパネルは、通常の使用状態では低反射タッチパネルとディスプレイとが剥がれることはなく、リペアする際に端部からめくるように引き剥がすと、容易に低反射タッチパネルとディスプレイとを剥離することができた。また、液晶ディスプレイの発色の再現性がよく、変色や色むらが生じないものであった。
【0083】
(実施例2)厚さ40μmの環状ポリオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社製ゼオノア(登録商標))にあらかじめ、EB照射機にて、電圧175kV、200kgrayの条件にて電子ビームを照射し、表面改質を行ったものを低反射タッチパネル実装用シートの基材シートとしてを用いた以外は、実施例1と同様にして低反射タッチパネルを実装した。
【0084】
このようにして得た低反射タッチパネルは、通常の使用状態では低反射タッチパネルとディスプレイとが剥がれることはなく、リペアする際に端部からめくるように引き剥がすと、容易に低反射タッチパネルとディスプレイとを剥離することができた。また、液晶ディスプレイの発色の再現性がよく、変色や色むらが生じないものであった。
【0085】
【発明の効果】
この発明の低反射タッチパネルの実装構造と低反射タッチパネル実装用シートは、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏する。
【0086】
すなわち、この発明の低反射タッチパネルの実装構造は、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シートと、基材シートの一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成するアクリル系粘着剤層と、基材シートの他方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層とを備える透明な実装用シートが構成され、光学等方性を有するフィルムの上面に固定電極を備える下部電極フィルムの上に、光学等方性を有するフィルムの下面に可動電極を備える上部電極フィルムが、下部電極フィルムの光学軸と直交するようにスペーサを介して積層され、さらにその上に可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長の位相遅れを与える光学位相差フィルムと偏光板とが少なくとも貼り合わされた円偏光板が積層された低反射タッチパネルの裏面に、実装用シートの低反射タッチパネル側接着面を接着させ、実装用シートのディスプレイ側接着面をディスプレイの表面に接着させ、低反射タッチパネルをディスプレイの表面に再剥離可能に実装したため、リペアの際に実装用シートはシリコーンゴム層側で綺麗に剥離される。又、リペア性の向上に加えて、アクリル系粘着剤層は、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO 粒子及びAl 粒子の少なくとも1つを光拡散剤となるフィラーとして含むため、ディスプレイの表示画像の視認性も向上させることができる。
【0087】
また、長時間の高温環境下に放置されたとしても、リペアの際に実装用シートはシリコーンゴム層側で剥離され、実装用シートの内部で層間剥離することはない。
【0088】
また、低反射タッチパネルを多数個取りした大判のパネル裏面に実装用シートを設けた後に各低反射タッチパネルとともに打抜いたものを実装する場合でも、実装用シートが基材シートを有してシリコーンゴム層と強固に接着しているので、所定の形状に精度よく打ち抜くことができ、打抜きによって得られた各低反射タッチパネルの周囲から実装用シートのシリコーンゴム層が剥離しないように抑制することができ、高い歩留まり率となる。
【0089】
また、基材シートとしてリタデーション値の小さい光学等方性フィルムを使用しているため、ディスプレイから出射された光が基材シートを通過しても位相のずれがほとんどなく、変色や色むらが発生しないものである。
【0090】
また、この発明の低反射タッチパネル実装用シートは、低反射タッチパネル側接着面が低反射タッチパネルの裏面に接着され、かつ、ディスプレイ側接着面がディスプレイの表面に接着されて、低反射タッチパネルをディスプレイの表面に再剥離可能に実装する低反射タッチパネル実装用シートであって、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シートと、基材シートの一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成するアクリル系粘着剤層と、基材シートの他方の面にプライマー処理が施されて形成されたプライマー処理面と、プライマー処理面上に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層とを備えるため、リペアの際にシリコーンゴム層側で綺麗に剥離するものである。又、リペア性の向上に加えて、アクリル系粘着剤層は、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO 粒子及びAl 粒子の少なくとも1つを光拡散剤となるフィラーとして含むため、ディスプレイの表示画像の視認性も向上させることができる。
【0091】
また、長時間の高温環境下に放置されたとしても、リペアの際に実装用シートはシリコーンゴム層側で剥離され、実装用シートの内部で層間剥離することがないものである。
【0092】
また、低反射タッチパネル裏面に実装用シートを設けた後に各低反射タッチパネルとともに打抜く場合でも、実装用シートを強固に接着させることができるので、所定の形状に精度よく打ち抜くことができ、打抜きによって得られた各低反射タッチパネルの周囲から実装用シートのシリコーンゴム層が剥離しないように抑制することができ、高い歩留まり率となる。
【0093】
また、基材シートとしてリタデーション値の小さい光学等方性フィルムを使用しているため、ディスプレイから出射された光が基材シートを通過しても位相のずれがほとんどなく、変色や色むらが発生しないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る低反射タッチパネルの実装構造を示す模式的な断面図である。
【図2】この発明に係る低反射タッチパネルの実装構造を示す模式的な断面図である。
【図3】この発明に係る低反射タッチパネルの実装構造を示す模式的な断面図である。
【図4】この発明に係る低反射タッチパネルの実装構造を示す模式的な断面図である。
【図5】この発明に係る低反射タッチパネル実装用シートを示す模式的な断面図である。
【図6】従来の低反射タッチパネルの実装構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
10 低反射タッチパネル
11 可動電極
12 固定電極
13 上部電極フィルム
14 下部電極フィルム
15 スペーサ
16 円偏光板
17 4分の1波長位相差フィルム
18 2分の1波長位相差フィルム
19 偏光板
20 実装用シート
21 基材シート
22 アクリル系粘着剤層
23 シリコーンゴム層
24 プライマー処理面
30 ディスプレイ
40 ゲルシート

Claims (14)

  1. リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シートと、基材シートの一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成し、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO 粒子及びAl 粒子の少なくとも1つをフィラーとして含むアクリル系粘着剤層と、基材シートの他方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層とを備える透明な実装用シートが構成され、
    光学等方性を有するフィルムの上面に固定電極を備える下部電極フィルムの上に、光学等方性を有するフィルムの下面に可動電極を備える上部電極フィルムが、下部電極フィルムの光学軸と直交するようにスペーサを介して積層され、さらにその上に可視領域の中心波長の入射光に対し4分の1波長の位相遅れを与える光学位相差フィルムと偏光板とが少なくとも貼り合わされた円偏光板が積層された低反射タッチパネルの裏面に、
    実装用シートの低反射タッチパネル側接着面を接着させ、実装用シートのディスプレイ側接着面をディスプレイの表面に接着させ、低反射タッチパネルをディスプレイの表面に再剥離可能に実装した、低反射タッチパネルの実装構造。
  2. 基材シートが環状ポリオレフィンフィルムである請求項1記載の低反射タッチパネルの実装構造。
  3. 基材シートのガラス転移温度(Tg)が130℃以上、基材シートの光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下である請求項1〜2のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造。
  4. 基材シートの厚さが40〜100μmである請求項1〜3のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造。
  5. 基材シートのシリコーンゴム層が積層される面にプライマー処理がされたものである請求項1〜4のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造。
  6. アクリル系粘着剤層の厚さが10〜50μmである請求項1〜5のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造。
  7. シリコーンゴム層の厚さが20〜100μmである請求項1〜6のいずれかに記載の低反射タッチパネルの実装構造。
  8. 低反射タッチパネル側接着面が低反射タッチパネルの裏面に接着され、かつ、ディスプレイ側接着面がディスプレイの表面に接着されて、低反射タッチパネルをディスプレイの表面に再剥離可能に実装する低反射タッチパネル実装用シートであって、リタデーション値が10nm以下の光学等方性フィルムからなる基材シートと、基材シートの一方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか一方を構成し、粒径サイズが2〜3μm程度のSiO 粒子及びAl 粒子の少なくとも1つをフィラーとして含むアクリル系粘着剤層と、基材シートの他方の面に積層されて低反射タッチパネル側接着面とディスプレイ側接着面のいずれか他方を再剥離可能な面として構成するシリコーンゴム層とを備えた、低反射タッチパネル実装用シート。
  9. 基材シートが環状ポリオレフィンフィルムである請求項8記載の低反射タッチパネル実装用シート。
  10. 基材シートのガラス転移温度(Tg)が130℃以上、基材シートの光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下である請求項8〜9のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シート。
  11. 基材シートの厚さが40〜100μmである請求項8〜10のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シート。
  12. 基材シートのプライマー処理がEB照射によるものである請求項8〜11のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シート。
  13. アクリル系粘着剤層の厚さが10〜50μmである請求項8〜12のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シート。
  14. シリコーンゴム層の厚さが20〜100μmである請求項8〜13のいずれかに記載の低反射タッチパネル実装用シート。
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