JP5651362B2 - ダイシング装置およびダイシング方法 - Google Patents
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そして、このウェハに対して膜形成工程などからなる追加加工工程を行った後、研削や切削により凸部を除去している。
また、保持手段を底面保持手段と外側保持手段とで構成すれば、凹部の底面と凸部とを確実に相対移動できるので、凸部分離の際に凹部が破損することを防ぐことができる。
また、分離された凸部を除去する除去手段を有することで、ダイシング工程に先駆けて当該ダイシング時に邪魔となる凸部を除去することができる。
さらに、接着シートがエネルギー線硬化型のシートの場合に、エネルギー線照射手段によって凸部表面に貼付された接着シートにエネルギー線を照射することで、凸部表面の接着シートを硬化させて凸部が剥離しやすくでき、容易かつ確実に凸部を除去することができる。
図1において、ダイシング装置1は、ウェハW外縁部に形成された凸部WAを除去し、その後、ウェハWに格子状の切り込みを形成し、個片化して所定形状のチップWE(図2(B)参照)を製造する装置である。なお、対象となるウェハWは、例えば、前記特許文献1に記載されたように、外縁部に対して内周部が薄く研削されることで、厚さ方向(裏面側)に突出した環状の凸部WAが外縁部に形成され、凸部WAで囲まれた内側が底面WBとされるとともに、その表面(研削面の反対側であり、図1の上側の面)WDに回路が形成されている。凸部WAは、底面WBに直交する内周面WA1と、内周面WA1に直交した凸部頂面WA2と、ウェハWの外周面WA3と、表面WDの外周側領域であって、凸部頂面WA2に背向する凸部背向面WA4とからなる。そして、このウェハWは、裏面全域、つまり、凸部頂面WA2と内周面WA1および底面WB全域にマウント用テープ等の接着シートSが貼付され、この接着シートSを介してリングフレームRFと一体化されている。接着シートSには、紫外線等のエネルギー線によって硬化し、その接着力が低下するエネルギー線硬化型の接着剤が採用されている。
底面保持手段40は、底面WBの全域と略同一平面形状に形成されている。この底面保持手段40の上面には、接着シートSの底面WBに貼付されている部分である底面貼付部分S1を介して底面WBを吸着保持する複数の吸引口41が形成され、これら複数の吸引口41は、底面保持手段40内部に形成されたチャンバー42を介して図示しない吸引ポンプ等の吸引装置に接続されている。
押え手段60は、ウェハWの底面WBの平面形状に合わせて円盤状に形成された支持体61と、この支持体61の図1中下面外周縁に沿って環状に形成されてウェハWの表面WDに当接可能な当接部材62と、図示しないフレームに支持されて支持体61を図1中上下方向に昇降させる駆動機器としての直動モータ63とを備え、直動モータ63が直動モータ51と同期して作動することで、ウェハWから凸部WAを分離可能となっている。支持体61における当接部材62の外周側には、複数の孔若しくは円環状の孔からなり、図示しない吸引源に連結されて塵や埃、ウェハWの破片等の塵埃を吸引して除去する塵埃除去手段としての吸引孔61Aが設けられている。なお、塵埃除去手段は、塵埃を除去する限りにおいて何ら限定されることはなく、例えば、接着テープによって塵埃を接着して除去してもよいし、大気や窒素等の気体をウェハW側に吹き付けることによって塵埃を除去するように構成してもよい。また、当接部材62の外周側だけに限らず、当接部材62の内側に設けてもよい。当接部材62は、特に限定されることはないが、ゴムや樹脂等の弾性部材によって構成され、ウェハWの表面WDにおける凸部背向面WA4との境界領域の内側に位置し、底面保持手段40との間に底面WB領域を挟み込み可能に設けられている。なお、当接部材62は、環状以外に底面WBの平面形状に合わせて円盤状(中実状)に形成してもよい。また、当接部材62は、金属等の非弾性部材によって構成してもよい。
なお、前後切り込みおよび左右切り込みの形成手順は、上述の手順に限定されず、適宜他の手順で形成してもよい。
また、切断手段は、回転ブレード以外にレーザを使用し、ウェハWに切り込みを形成してもよいし、レーザによってストリートを脆弱に改質させてもよい。
さらに、前記実施形態におけるエネルギー線照射手段(紫外線ランプ27)は、本発明の必須要件ではなく、省略することができる。
また、前記実施形態では、保持手段2において、ウェハWを吸着保持するように構成したが、本発明においてウェハWを保持する手段としては、吸着保持に限らず、例えばチャック手段を用いた保持など、他の適宜な保持手段が利用可能である。これと同様に、除去手段8でも吸着保持以外の支持手段として、他の接着シート等を凸部に貼付して引っ張ったり、係合手段で凸部を係合して引っ張ったりなど、適宜な凸部支持手段が利用可能である。
また、ウェハWは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハであってもよい。
さらに、底面保持手段40の上面をエネルギー線を透過可能に構成し、チャンバー42内に前記実施形態と同様のエネルギー線照射手段を配置してもよい。これにより、各チップWEを簡単に接着シートSからピックアップすることができる。
また、エネルギー線照射手段は、紫外線を照射するものに限らず、電子線など適宜なエネルギー線を照射して接着シートを硬化させるものであればよい。
さらに、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
2…保持手段
4…分離手段
7…切断手段
8…除去手段
27…紫外線ランプ(エネルギー線照射手段)
S…接着シート
W…半導体ウェハ
WA…凸部
WB…底面
Claims (3)
- 厚さ方向の一方に突出した環状の凸部を外縁部に有するとともに、当該凸部で囲まれた内側に底面を有する半導体ウェハを対象として、所定のサイズに切断を行うダイシング装置であって、
前記半導体ウェハは、一方側に接着シートが貼付され、
前記接着シートを介して前記半導体ウェハの前記凸部を保持する保持手段と、
前記半導体ウェハから当該凸部を分離する分離手段と、
前記半導体ウェハから分離された前記凸部を前記接着シートから剥離して除去する除去手段と、
前記凸部が除去された半導体ウェハに切り込みを形成する切断手段とを備え、
前記分離手段は、前記接着シートを介して前記半導体ウェハの前記底面を保持する底面保持手段と、前記保持手段と前記底面保持手段とを前記底面に直交する方向に相対移動させ、前記凸部と前記底面との境界を割ることで、前記半導体ウェハから前記凸部を分離する移動手段とを備えることを特徴とするダイシング装置。 - 前記分離手段は、前記半導体ウェハに対し前記底面保持手段の反対側から当該半導体ウェハを押さえる押え手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のダイシング装置。
- 厚さ方向の一方に突出した環状の凸部を外縁部に有するとともに、当該凸部で囲まれた内側に底面を有する半導体ウェハを対象として、所定のサイズに切断を行うダイシング方法であって、
前記半導体ウェハの一方側に接着シートが貼付された状態で、前記凸部と前記底面とを当該底面に直交する方向に相対移動させ、前記凸部と前記底面との境界を割ることで、前記半導体ウェハから当該凸部を分離する工程と、
前記半導体ウェハから分離された前記凸部を前記接着シートから剥離して除去する工程と、
前記凸部が除去された半導体ウェハに切り込みを形成することを特徴するダイシング方法。
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