JP6176627B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ウエーハ加工用のフォトマスクの製造方法に関する。
IC,LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて表面に形成された半導体ウエーハは、裏面が研削されて所定の厚みに加工された後、ダイシング装置、レーザー加工装置によって個々のデバイスに分割され、分割されたデバイスは携帯電話、パソコン等の各種電子機器に広く利用されている。
しかし、ダイシング装置によるダイシング時には、高速回転する切削ブレードがウエーハの分割予定ラインに切り込むため、切削ブレードの破砕力に起因してデバイスに欠けが生じ、デバイスの抗折強度を低下させるという問題がある。
また、切削ブレードによるダイシングは、切削ブレードを各分割予定ラインに精密に位置合わせした上で、各分割予定ラインを一本一本切削していく必要があり、非効率的である。特に、デバイスのサイズが小さく切削する分割予定ラインの数が多い場合は、全ての分割予定ラインを切削するのに相当の時間を有し、生産性が低下するという問題がある。
そこで、デバイスの抗折強度を向上させるため、或いは生産性を向上させるために、ウエーハの分割予定ラインをプラズマエッチングして個々のデバイスに分割する技術が特開2006−114825号公報で提案されている。
特開2006−114825号公報 特開昭62−229151号公報
しかし、特許文献1で開示されているように、分割予定ラインをプラズマエッチングしてウエーハを個々のデバイスに分割するには、フォトマスクが必要であり、従来のフォトマスクは高額でコスト高になり生産性が悪いという問題がある。
従来のフォトマスクの製造方法は、特許文献2に開示されているように、ガラス板の表面にクロム等の遮光膜を被覆する工程、遮光膜の上面にフォトレジスト膜を被覆する工程、フォトレジスト膜に対して遮光したい領域と透光したい領域に選択的に光又は電子ビームを照射してパターンを描画する工程、フォトレジスト膜を現像してフォトレジスト膜を部分的に除去する工程、エッチングによって遮光膜を部分的に除去する工程を含んでおり、製造工程が複雑でフォトマスクが高額になるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フォトマスクを安価で容易に製造できるウエーハ加工用フォトマスクの製造方法を提供することである。
本発明によると、ウエーハ加工用フォトマスクの製造方法であって、加工すべきウエーハと同等以上の大きさを有し光を透過する透光板と、遮光すべき領域の大きさに対応した複数の遮光チップと、を準備する準備工程と、ダイボンダーによって該遮光チップを該透光板の表面にボンド剤を介して配設する遮光チップ配設工程と、を備えたことを特徴とするウエーハ加工用フォトマスクの製造方法が提供される。
好ましくは、ウエーハの表面には格子状に形成された複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されており、該準備工程において、デバイスの形状に対応する形状の複数の遮光チップを準備する。
好ましくは、準備工程は、切削ブレードによって加工すべきウエーハに形成された分割予定ラインに対応して遮光板を個々の遮光チップに分割する分割工程を含んでいる。
本発明のウエーハ加工用フォトマスクの製造方法によると、従来の複雑で高価な工程を不要とし、ウエーハ加工用フォトマスクを簡単な工程で容易に製造することができ、生産性が向上する。
半導体ウエーハの表面側斜視図である。 遮光板の斜視図である。 遮光板を外周部が環状フレームに装着されたDAF一体型ダイシングテープに貼着した状態の斜視図である。 図4(A)は遮光板の分割工程を示す斜視図、図4(B)は分割された遮光チップの斜視図である。 遮光チップの間隔拡張工程を説明する断面図である。 図6(A)はチャックテーブルで透光板を吸引保持する様子を示す斜視図、図6(B)は透光板上に複数の遮光チップを配設する配設工程を説明する側面図である。 本発明の製造方法により製造されたウエーハ加工用フォトマスクの斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、半導体ウエーハ(以下、単にウエーハと略称することがある)11の表面側斜視図が示されている。
半導体ウエーハ11は、例えば厚さが700μmのシリコンウエーハからなっており、表面11aに複数の分割予定ライン13が格子状に形成されているとともに、複数の分割予定ライン13によって区画された各領域にIC,LSI等のデバイス15が形成されている。
本発明のフォトマスクの製造方法では、まず、図6(A)に示す加工すべきウエーハ11と同等以上の大きさを有し光を透過する透光板52と、遮光すべき領域の大きさに対応した複数の遮光チップと、を準備する準備工程を実施する。遮光板52は、ガラス、石英、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されている。
遮光チップは、図2に示す光を遮断する遮光板10を加工して形成する。遮光板10は、例えばパターンを有しないシリコンウエーハから形成されており、半導体ウエーハ11と同様な直径及び表面10a、裏面10bを有している。
複数の遮光チップの形成は、遮光板10をダイシングすることにより実施する。以下、遮光チップの製造方法について図3及び図4を参照して説明する。まず、図3に示すように、遮光板10の裏面10bを外周部が環状フレームFに装着されたダイアタッチフィルム(DAF)付きダイシングテープTに貼着する貼着工程を実施する。
貼着工程実施後、図4(A)に示すように、切削ブレード18により遮光板10及びDAF12に分割溝26を形成して、遮光板10を図4(B)に示す裏面にDAF12が貼着された複数の遮光チップ10Aに分割する分割工程を実施する。
図4において、切削ユニット14はスピンドルハウジング16中に回転可能に収容された図示しないモーターにより回転駆動されるスピンドルと、スピンドルの先端に着脱可能に装着された切削ブレード18とを含んでいる。
切削ブレード18は、ホイールカバー20で覆われており、ホイールカバー20のパイプ22が切削水供給源に接続されている。パイプ22を介して供給された切削水は、切削ブレード18を挟むように配置された切削水ノズル24から噴出されて、遮光板10の切削が遂行される。
遮光板10の切削時には、切削水ノズル24から切削水を噴射しながら、切削ブレード18を遮光板10を介して少なくともDAF12の途中まで切り込ませ、切削ブレード18を高速(例えば30000rpm)で回転させながら、図示しないチャックテーブルを加工送りすることにより、遮光板10及びDAF12に分割溝26を形成する。
分割溝26は図1に示す半導体ウエーハ11の分割予定ライン13に対応する領域に形成するのが好ましい。分割予定ライン13に対応する全ての領域に分割溝26を形成すると、遮光板10は、図4(B)に示すように、裏面にDAF12が貼着された複数の遮光チップ10Aに分割される。
分割工程実施後、図5に示すエキスパンド装置30を使用して、隣接する遮光チップ10Aの間隔を拡張する拡張工程を実施する。図5に示すエキスパンド装置30は、環状フレームFを保持するフレーム保持手段32と、フレーム保持手段32に保持された環状フレームFに装着されたダイシングテープTを拡張する拡張ドラム38を具備している。
フレーム保持手段32は、環状のフレーム保持部材34と、フレーム保持部材34の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ36とから構成される。フレーム保持部材34の上面は環状フレームFを載置する載置面34aを形成しており、この載置面34a上に環状フレームFが載置される。
そして、載置面34a上に載置された環状フレームFは、クランプ36によってフレーム保持部材34に固定される。このように構成されたフレーム保持手段32は拡張ドラム38に対して上下方向に移動可能に支持されている。
拡張ドラム38の上端は蓋40で閉鎖されている。この拡張ドラム38は、環状フレームFの内径より小さく、環状フレームFに装着されたダイシングテープTに貼着された遮光板10の外径より大きい内径を有している。
エキスパンド装置30は更に、環状のフレーム保持部材34を上下方向に移動する駆動手段42を具備している。駆動手段42は複数のエアシリンダ44から構成されており、そのピストンロッド46がフレーム保持部材34の下面に連結されている。
複数のエアシリンダ44から構成される駆動手段42は、環状のフレーム保持部材34を、その載置面34aが拡張ドラム38の上端である蓋40の表面と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム38の上端より所定量下方の拡張位置との間で上下方向に移動する。
隣接する遮光チップ10Aの間隔を拡張する拡張工程では、まず図5(A)に示すように、裏面にDAF12が貼着された遮光板10をダイシングテープTを介して支持した環状フレームFを、フレーム保持部材34の載置面34a上に載置し、クランプ36によってフレーム保持部材34に固定する。この時、フレーム保持部材34はその載置面34aが拡張ドラム38の上端と略同一高さとなる基準位置に位置付けられる。
次いで、エアシリンダ44を駆動してフレーム保持部材34を図5(B)に示す拡張位置に下降する。これにより、フレーム保持部材34の載置面34a上に固定されている環状フレームFも下降するため、環状フレームFに装着されたダイシングテープTは拡張ドラム38の上端縁に当接して主に半径方向に拡張される。
その結果、ダイシングテープTに貼着されている遮光板10及びDAF12には放射状に引っ張り力が作用する。このように遮光板10及びDAF12に放射状に引っ張り力が作用すると、隣接する遮光板チップ10Aの間隔が拡張される。
このように隣接する遮光チップ10Aの間隔を拡張してから、ダイボンダーのピックアップコレット48によりDAF付き遮光チップ10Aをピックアップし、図6に示す透光板52上に遮光チップ10Aを貼着する。
図6を参照して、遮光チップ10Aの透光板52上へのダイボンディングについて説明する。まず、図5(A)に示すように、透光板52をチャックテーブル50で吸引保持する。
次いで、図6(B)に示すように、ダイボンダーのピックアップコレット48により隣接する遮光チップ10Aと所定の間隔17をもって遮光チップ10Aをダイボンディングする遮光チップ配設工程を実施する。
図7はこのようにして製造されたウエーハ加工用フォトマスク54の斜視図を示している。所定の間隔17は図1に示した半導体ウエーハ11の分割予定ライン13の幅に相当する。尚、図6(B)及び図7においては、遮光チップ10Aの裏面に貼着されたDAF12は省略されている。
ウエーハ加工用フォトマスク54では、複数の遮光チップ10Aが透光板52上に所定の間隔17をもって配設されているため、所定の間隔17の領域でのみ光が透過し、他の領域では遮光チップ10Aにより光が遮光される。
上述した実施形態では、図3に示すように、遮光板10をDAF12付きダイシングテープTに貼着する例について説明したが、遮光板10を直接ダイシングテープTに貼着するようにしてもよい。
この場合には、図6(B)に示すダイボンディング工程において、透光板52上に接着剤を塗付してから遮光チップ10Aを透光板52上にダイボンディングするようにすればよい。
10 遮光板
10A 遮光チップ
11 半導体ウエーハ
12 DAF
18 切削ブレード
26 分割溝
30 エキスパンド装置
48 ピックアップコレット
52 透光板
T ダイシングテープ
F 環状フレーム

Claims (3)

  1. ウエーハ加工用フォトマスクの製造方法であって、
    加工すべきウエーハと同等以上の大きさを有し光を透過する透光板と、遮光すべき領域の大きさに対応した複数の遮光チップと、を準備する準備工程と、
    ダイボンダーによって該遮光チップを該透光板の表面にボンド剤を介して配設する遮光チップ配設工程と、
    を備えたことを特徴とするウエーハ加工用フォトマスクの製造方法。
  2. ウエーハの表面には格子状に形成された複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されており、
    該準備工程において、該デバイスの形状に対応する形状の複数の遮光チップを準備する請求項1記載のウエーハ加工用フォトマスクの製造方法。
  3. 該準備工程は、切削ブレードによって加工すべきウエーハに形成された分割予定ラインに対応して該遮光板を個々の遮光チップに分割する分割工程を含んでいる請求項2記載のウエーハ加工用フォトマスクの製造方法。
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