JP5651280B2 - 耐食性および連続高速プレス成形後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐食性および連続高速プレス成形後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車や家電の外装板および建材等の用途に供して好適な耐食性および連続高速プレス成形後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法に関し、特に表面処理皮膜中に環境および人体に有害な物質(特に6価クロム)を全く含まない環境調和型の表面処理鋼板に関するものである。
自動車用鋼板や家電製品用鋼板、建材用鋼板には、従来から、亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で6価クロムを主要成分とした処理液によるクロメート処理を施した表面処理鋼板が幅広く用いられてきた。
中でも、表面処理亜鉛系めっき鋼板は、自動車や家電、OA機器の部品として使用する場合が多く、特にモーターケースなどの部品として使用する場合には、絞り加工等のプレス成形が施される。
表面処理亜鉛系めっき鋼板のプレス成形性を向上させるには、潤滑油を塗油したり、表面処理皮膜に潤滑性を付与して成形することが有効であり、順送プレス機などで1分間に100個以上連続して高速プレス成形を行う場合もある。このような連続高速プレスでは、プレス金型や潤滑油の温度が上昇することによって潤滑性が低下し、金型と表面処理鋼板との間にかじりが発生して、プレス後外観を著しく損ねやすい。また、連続高速プレス時の鋼板しごき工程では、表面処理鋼板と金型の摺動によって表面処理皮膜やめっき皮膜の一部が剥離カスとなって脱離することが避けられず、過酷なプレス環境下にある。
上記した連続高速プレスという過酷な環境下では、剥離カスが潤滑油に蓄積されて、以後のプレス成形材に再付着するため、最終工程で洗浄が必要になり、生産性が阻害されることの他、洗浄しても解消されにくいプレス表面の黒ずみ(表面黒化)となり、プレス後外観を損ねやすい。とはいえ、かような剥離カスの発生を低減するために皮膜厚を薄くすると、プレス成形前の平板耐食性が低下するだけでなく、プレス時に皮膜剥離が生じてプレス成形後の耐食性はさらに低下してしまう。
従来のクロメート処理を施した表面処理亜鉛系めっき鋼板をプレス成形する場合、クロメート皮膜自身は潤滑性を有さないので潤滑油を塗油して行っていたが、クロメート皮膜は極薄でも防錆性能に優れるため、連続高速プレスといった過酷な環境下でもプレス成形後の外観を大きく損ねることなく、プレス成形後も優れた耐食性を有していた。
一方で、クロメート処理後に第二層として有機系潤滑皮膜を形成して潤滑性を付与し、潤滑油塗布および脱脂工程を必要としない表面処理亜鉛系めっき鋼板のプレス成形も行われてきた。しかしながら、有機系潤滑皮膜を有する表面処理鋼板は、連続性や成形速度、しごきなどの条件が穏やかな場合にはプレス成形後の外観や耐食性に優れた性能を発揮するものの、上記したような過酷なプレス環境下ではたとえ塗油成形を行っても、成形後の外観や耐食性を大きく損ねていた。これは、プレス時の剥離物がプレス成形材や金型に粘着しやすいことに起因すると推測され、プレス表面の黒ずみになりやすいと同時に、金型に付着した剥離物が、以後のプレス成形材の表面を傷つけることによって、耐食性も低下させていた。
ところで、近年、地球環境問題の対策として、従来から使用されてきたクロメート処理に代わって、公害規制物質である6価クロムを全く用いない無害な処理皮膜を被覆した表面処理鋼板が用いられるようになってきた。
そのため、6価クロムフリー表面処理亜鉛系めっき鋼板において問題となる亜鉛の白錆を抑制するためのクロメートフリー処理技術が、数多く提案されている。
例えば、
a)クロム酸と同じIVA族に属するモリブデン酸やタングステン酸の不動態化作用を利用する方法、
b)Ti,Zr,V,Mn,Ni,Coなどの遷移金属やLa,Ceなどの希土類元素の金属塩を用いる方法、
c)タンニン酸などの多価フェノールカルボン酸やS,Nを含む化合物などのキレート剤をベースとする方法、
d)シランカップリング剤を用いてポリシロキサン皮膜を形成する方法、あるいは
e)これらを組み合わせた方法
などが挙げられる。
具体的には、
(1)ポリビニルフェノール誘導体などの有機樹脂と酸成分、シランカップリング剤やバナジウム化合物等を配合した処理液から皮膜を形成する方法(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)、
(2)水性樹脂とチオカルボニル基とバナジン酸化合物とリン酸を含む皮膜を形成する方法(例えば特許文献4)、
(3)Tiなどの金属化合物とフッ化物、リン酸化合物等の無機酸および有機酸を含む処理液から皮膜を形成する方法(例えば特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11)、
(4)Ce,La,Y等の希土類元素とTi,Zr元素の複合皮膜を形成し、その皮膜中でめっき界面側に酸化物層、表面側に水酸化物層を濃化させる方法(特許文献12)や、CeとSi酸化物の複合皮膜を形成する方法(特許文献13)
(5)PおよびN成分ならびにMg,Alなどの金属成分を含む処理液からプレス成形性に優れる皮膜を形成する方法(特許文献14,15)
などが挙げられる。
特開2003−13252号公報 特開2001−181860号公報 特開2004−263252号公報 特開2000−290782号公報 特開2002−30459号公報 特開2002−105658号公報 特開2004−183015号公報 特開2003−171778号公報 特開2001−271175号公報 特開2006−213958号公報 特開2005−48199号公報 特開2001−234358号公報 特開2001−158973号公報 特開2004−52021号公報 特開2005−290395号公報
これらの皮膜は、有機成分や無機成分の複合添加によって亜鉛の白錆発生を抑制することを狙ったものであるが、上記(1)〜(2)の場合は、主に有機樹脂を添加することで耐食性を得る手法であり、特に有機樹脂リッチの皮膜組成の場合、上記した「プレス時の剥離物がプレス成形材や金型に粘着しやすい」ため、平板の耐食性は優れていても、連続高速プレスを行う場合はプレス成形後の外観や耐食性が著しく劣化する。
また、上記(3)〜(4)の場合は、有機成分を全く含有しない無機単独皮膜であるが、これらの金属酸化物・金属水酸化物による複合皮膜は、十分な耐食性を得るのに皮膜を厚くする必要があるため、連続高速プレス成形には不利であり、しかも皮膜厚増加によって皮膜のムラや着色も発生しやすくなる。また、これらの技術は、特に連続高速プレスを行う場合のプレス成形後の外観や耐食性に関して全く考慮が払われていないため、薄膜での耐食性が不十分なものばかりであり、耐食性とプレス成形後の外観を両立できるものはない。
さらに(5)の場合は、主にプレス成形時の摺動抵抗を下げて鋼板の破断を防止することが目的であり、かつプレス成形後のアルカリ脱脂処理によって皮膜を除去することが前提であるため、プレス成形後の耐食性や外観は極めて悪い。
このように、いずれの技術も、耐食性はある程度発現するものの、これまで数多く提案されている有機樹脂系皮膜や厚膜の場合、連続高速プレス成形を行う場合には不適であり、平板耐食性と連続高速プレス成形後の外観および耐食性を両立することはできなかった。
本発明は、上記の課題を解決するために開発されたもので、皮膜中に6価クロムを全く含まずに、平板耐食性についてはいうまでもなく、連続高速プレス成形後の外観および耐食性に優れる表面処理鋼板を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
さて、発明者らは、平板耐食性に優れ、かつ連続高速プレス成形後外観および耐食性に優れる表面処理鋼板を開発すべく、鋭意研究を重ねた。
その結果、特定の無機化合物を組み合わせた無機系の皮膜を極薄膜で形成した場合に、格段に優れた連続高速プレス成形後外観が得られ、しかも平板耐食性および連続高速プレス成形後耐食性も改善されることの知見を得た。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.亜鉛系めっき鋼板の表面に、リン化合物と、微粒子シリカおよび/またはシランカップリング剤からなるけい素化合物と、アミン系窒素化合物を含有する表面処理皮膜を有し、該表面処理皮膜中のリン化合物の付着量がP換算で20〜100mg/m2、けい素化合物の付着量がSi換算で20〜100mg/m2、けい素化合物中のSi量に対するアミン系窒素化合物のN量の質量比N/Siが0.05〜3で、かつ表面処理皮膜の皮膜厚が0.005〜0.4μmであり、しかも該リン化合物およびけい素化合物が非晶質であることを特徴とする耐食性および連続高速プレス成型後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板。
2.前記表面処理皮膜中のけい素化合物中のSi量に対するリン化合物中のP量の質量比P/Siが、0.2〜3であることを特徴とする上記1に記載の耐食性および連続高速プレス成型後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板。
3.リン化合物、微粒子シリカおよび/またはシランカップリング剤からなるけい素化合物およびアミン系窒素化合物を、けい素化合物中のSi量に対するリン化合物中のP量の質量比P/Siが0.01〜100、またけい素化合物中のSi量に対するアミン系窒素化合物のN量の質量比N/Siが0.05〜3を満たす範囲で溶解または懸濁させた処理液を、亜鉛系めっき鋼板の表面に、乾燥・固化後の皮膜中のリン化合物の付着量がP換算で20〜100 mg/m2、けい素化合物の付着量がSi換算で20〜100mg/m2となる範囲で塗布し、乾燥・固化させ、皮膜厚が0.005〜0.4μmでかつ非晶質の表面処理皮膜を形成することを特徴とする耐食性および連続高速プレス成型後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、平板耐食性ならびに連続高速プレス後の外観および耐食性に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板を安定して得ることができる。
また、本発明の表面処理鋼板は、製品中に環境、人体に有害な物質(特に6価クロム)を全く含まないので、環境調和型表面処理鋼板として極めて有用である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Niめっき鋼板、Zn−Al−Mgめっき鋼板(例えばZn−6%Al−3%Mg合金めっき鋼板やZn−11%Al−3%Mg合金めっき鋼板)およびZn−Alめっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板)等が好適である。また、これらのめっき層に、異種金属元素あるいは不純物として少量のニッケル、コバルト、マンガン、鉄、モリブデン、タングステン、チタン、クロム、アルミニウム、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅等のうちから選んだ1種または2種以上を含有しためっき鋼板を用いることもできる。さらに、めっき層として、同種または異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を用いることもできる。
さて、本発明では、上記した亜鉛系めっき鋼板の表面に、リン(P)化合物とけい素(Si)化合物と、アミン系窒素(N)化合物を含有する表面処理皮膜を形成する。
まず、本発明において用いるリン(P)化合物としては、例えばリン酸や第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、ピロリン酸、ピロリン酸塩、トリポリリン酸、トリポリリン酸塩などの縮合リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩等が挙げられる。これらのリン(P)化合物は、一種を単独で用いることも、2種以上を複合して用いることもできる。
このリン(P)化合物は、水に対して難溶性もしくは不溶性の化合物よりも、水溶性の化合物であることが好ましい。
また、皮膜中のリン(P)化合物の付着量は、P換算で1〜100mg/m2とする。というのは、1mg/m2未満では平板耐食性および連続プレス後の耐食性が低下し、一方 100mg/m2超えでは連続プレス後の表面外観が低下するからである。好ましくは3〜70mg/m2の範囲、より好ましくは7〜50mg/m2の範囲である。
次に、本発明において用いるけい素(Si)化合物としては、微粒子シリカ(コロイイダルシリカや乾式シリカ等)およびシランカップリング剤が挙げられる。
コロイダルシリカとしては、例えば日産化学(株)製のスノーテックスO、C、N、S、20、OS、OXSなどを用いることができる。また、乾式シリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL50、130、200、300、380などを用いることができる。さらに、カルシウムをその表面に結合させたカルシウムイオン交換シリカとして、W.R.Grace & Co.製のSHIELDEX C303、SHIELDEX AC3、富士シリシア化学(株)製のSHIELDEX SY710などを挙げることができる。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのけい素(Si)化合物は、1種を単独でも、また2種以上を混合して使用することもできる。
これらのけい素(Si)化合物のうち、水溶液中でシラノール基(Si−OH)を有する化合物は特に好適である。
また、皮膜中のけい素(Si)化合物の付着量は、Si換算で1〜100mg/m2とする。というのは、1mg/m2未満では平板耐食性および連続プレス後の耐食性の低下を招き、一方100mg/m2を超えると飽和したけい素(Si)化合物が逆に耐食性を悪化させてしまうからである。好ましくは5〜80mg/m2の範囲、より好ましくは15〜60mg/m2の範囲である。
さらに、本発明において用いるアミン系窒素(N)化合物としては、例えばジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどの1個以上の1級アミノ基を含有するアミン化合物や、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級アミン化合物などが挙げられる
なお、アミノ基としてのNは、上記したγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の中にも含まれているので、けい素(Si)化合物として、アミノ基としてのNを含むγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を用いる場合には、特に別途、アミン系窒素(N)化合物を添加する必要はない。
ここに、アミン系窒素(N)化合物(以下、単に窒素(N)化合物という)は、処理液中にN/Siで0.05〜3の範囲で含有させる必要がある。というのは、N/Siが0.05に満たないと添加効果が不十分で耐食性および連続プレス後の耐食性が劣り、一方N/Siが3を超えると皮膜の親水性が高くなり、耐食性および連続プレス後の耐食性が低下するからである。より好ましくは0.15〜2.5であり、さらに好ましくは0.3〜2である。
上記したように、リン(P)化合物とけい素(Si)化合物と窒素(N)化合物を含有した皮膜をめっき鋼板の表面に形成することにより、耐食性および連続高速プレス成形後の表面外観が改善される理由は、まだ明確に解明されたわけではないが、以下の機構によるものと推定される。
まず、亜鉛系めっき鋼板のめっき金属表面を表面処理液で処理する際に、けい素(Si)化合物由来のシラノール基(Si−OH)とめっき皮膜表面との水素結合的な吸着によって、めっき金属表面(皮膜下部)にけい素(Si)化合物が濃化する。その後、乾燥することにより脱水縮合反応が起きて強固な化学結合となり、めっき金属表面との密着性に優れる皮膜が形成される。しかも、表面処理液がリン(P)化合物を含有する場合には、めっき表面のエッチング反応が増加しているものと推定され、このエッチング反応によって活性化されためっき金属表面との結合がより強固なものとなる。その結果、連続高速プレス後も皮膜が剥がれにくくなり、プレス時の剥離カスの発生が抑制されるため、プレス後外観が向上する。また、けい素(Si)化合物とリン(P)化合物によってめっき金属と強固に密着した皮膜を形成することに加え、さらに窒素(N)化合物を含有することで、耐食性がさらに向上するため、0.4μm以下の皮膜厚でも優れた耐食性が得られる。これは、窒素(N)化合物がめっき金属に吸着する作用があるためで、めっき金属の腐食(溶解)を抑制する効果や、腐食によって溶出しためっき金属イオンを皮膜中のフリーの窒素(N)化合物がトラップし、安定した不溶性キレート化合物層を形成する効果によるものであると考えられる。加えて、この皮膜は、上記の理由からプレス後も残存するため、プレス後の耐食性の低下も防ぐことができる。
なお、本発明に従い得られた表面処理皮膜中のリン(P)化合物およびけい素(Si)化合物は、いずれも非晶質であり、塗装下地として従来から施されている表面調整処理、いわゆるリン酸塩処理による結晶質のリン酸塩皮膜とは、明確に区別される。ここで、非晶質とは、集束イオンビーム(Focused lon Beam:FIB)加工装置を用いて作製した断面試料において、表面処理皮膜部の透過電子顕微鏡像に粒界が観察されないこと、かつ電子回折像に回折斑点がなくハローリングになることをいう。
また、めっき金属表面とより強固に結合した皮膜を形成するという観点からは、処理液中、表面処理皮膜中のけい素(Si)化合物中のSi量に対するリン(P)化合物中のP量の質量比P/Siは、0.01〜100とする必要がある。というのは、P/Si比が100超ではシラノール基不足かつリン(P)化合物によるめっき金属表面のエッチング過多となり、一方0.01未満ではエッチング作用が不十分であるため、どちらの場合もめっき金属との結合が弱い皮膜となり、耐食性や連続プレス後の外観が低下する。好ましいP/Si比は0.1〜10、より好ましいP/Si比は0.2〜3である。
さらに、本発明では、連続高速プレス時の潤滑性能を向上させるために、潤滑剤を添加することが可能である。かような潤滑剤としては、例えばポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびカルナウバワックスなどを挙げることができるが、潤滑剤の種類は特に限定されない。また、これらの潤滑剤は1種または2種以上を混合して使用することも可能である。
潤滑剤の配合量は、表面処理皮膜中の全固形分中、0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜5質量部である。配合量が0.1質量部未満では 十分な潤滑機能を発揮できず、一方配合量が15質量部を超えると塗料密着性が低下するので好ましくない。
亜鉛系めっき鋼板の表面に表面処理皮膜を形成する方法としては、通常行われている方法を用いることができる。例えば、塗布法、浸漬法、スプレー法等により所定組成の表面処理組成物を塗布した後、加熱乾燥を行う。塗布処理方法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)、スクイズコーターなどいずれの方法でもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理、あるいは浸漬処理やスプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
加熱乾燥手段としては、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱処理は、到達板温で250℃以下、好ましくは200℃以下とすることが望ましい。というのは、加熱温度が250℃を超えると非経済的なだけでなく、皮膜に欠陥が生じ耐食性が低下する場合があるからである。
また、表面処理皮膜の厚みは0.005μm以上 0.4μm以下とする必要がある。というのは、皮膜厚が 0.005μmに満たないと十分な平板耐食性を付与することができず、一方0.4μmを超えると連続高速プレスによる皮膜剥離カスの蓄積量が多くなり、連続高速プレス成形後外観が低下するからである。好ましい皮膜厚は0.01〜0.3μm、より好ましくは0.03〜0.2μmである。
処理原板としては、表1に示す各種めっき鋼板を用いた。また、処理液としては、表2に示すリン(P)化合物、表3に示すけい素(Si)化合物および表4に示す窒素(N)化合物を配合した表面処理液を用いた。
表1に示す各種めっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理後、水洗、乾燥したのち、表5に示す表面処理液を塗布した。その後、直ちに、鋼板表面温度が数秒〜十数秒で所定温度になるように加熱乾燥し、皮膜を形成させた。皮膜の膜厚は、皮膜組成物の固形分(加熱残分)や処理時間等により調整した。処理条件、皮膜厚および皮膜形態を表6に示す。
かくして得られた表面処理鋼板の品質性能(平板耐食性、連続高速プレス後外観、連続高速プレス後耐食性)について調べた結果を、表6に併記する。
なお、品質性能評価方法は、以下のとおりである。
(1)耐食性
各サンプルについて、プレスを行わず平板の状態で塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を施し、72時間後の耐白錆面積で評価した。判定方法は、次のとおりである。
◎:白錆面積率5%未満
○:白錆面積率5%以上 10%未満
〇−:白錆面積率10%以上 25%未満
△:白錆面積率25%以上 50%未満
×:白錆面積率50%以上
(2)プレス成形(連続高速プレス)後外観
各サンプルについて、前記皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板に潤滑油を塗油した状態で、下記プレス条件の多段絞り成形を行い、金型に付着する汚れを拭き取ることなく10回連続して成形した後、10個目の成形材表面に付着した剥離カスの程度と、成形材表面の黒ずみ(黒化)の程度で評価した。
・プレス条件
亜鉛系めっき鋼板の板厚:0.8mm、成形速度:450mm/秒、ブランク径:90mm
(1段目)ポンチ径:φ49mm、 ポンチとダイスのクリアランス:1.4mm
(2段目)ポンチ径:φ39mm、 ポンチとダイスのクリアランス:0.8mm
(3段目)ポンチ径:φ32mm、 ポンチとダイスのクリアランス:0.8mm
(4段目)ポンチ径:φ27.5mm、ポンチとダイスのクリアランス:0.8mm
(5段目)ポンチ径:φ24.4mm、ポンチとダイスのクリアランス:0.8mm
判定方法は、次のとおりである。
◎:目視で潤滑油に蓄積された剥離カスが成形材表面にほとんど付着せず、成形材表面の黒ずみは確認されない。
〇:目視で潤滑油に蓄積された剥離カスが成形材表面にわずかに付着し、成形材表面の黒ずみは軽微。
△:目視で潤滑油に蓄積された剥離カスが成形材表面に少量付着し、成形材表面の黒ずみがやや多い。
×:目視で潤滑油に蓄積された剥離カスが成形材表面に多量に付着し、成形材表面の黒ずみが顕著
(3)プレス成形(連続高速プレス)後耐食性
プレス成形後外観評価と同様の多段絞り成形を行った後、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を施し、16時間後の耐白錆面積で評価した。判定方法は、次のとおりである。
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上 10%未満
〇−:白錆面積率10%以上 25%未満
△ :白錆面積率25%以上 50%未満
× :白錆面積率50%以上
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表6に示したとおり、発明例はいずれも、耐食性、連続高速プレス後の外観および耐食性すべてに優れており、特に皮膜中のP/Si比を所定の範囲に制限した場合には、さらに耐食性、連続高速プレス後の外観および耐食性が向上している。
これに対し、比較例は、耐食性、連続高速プレス後の外観および耐食性のうち少なくともいずれか一つは発明例に比べると劣っている。

Claims (3)

  1. 亜鉛系めっき鋼板の表面に、リン化合物と、微粒子シリカおよび/またはシランカップリング剤からなるけい素化合物と、アミン系窒素化合物とからなるクロメートフリー表面処理皮膜のみを有し、該表面処理皮膜中のリン化合物の付着量がP換算で20〜100mg/m2、けい素化合物の付着量がSi換算で20〜100mg/m2、けい素化合物中のSi量に対するアミン系窒素化合物のN量の質量比N/Siが0.05〜3で、かつ表面処理皮膜の皮膜厚が0.005〜0.4μmであり、しかも該リン化合物およびけい素化合物が非晶質であることを特徴とする耐食性および連続高速プレス成型後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板。
  2. 前記表面処理皮膜中のけい素化合物中のSi量に対するリン化合物中のP量の質量比P/Siが、0.2〜3であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性および連続高速プレス成型後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、
    リン化合物、微粒子シリカおよび/またはシランカップリング剤からなるけい素化合物およびアミン系窒素化合物を、けい素化合物中のSi量に対するリン化合物中のP量の質量比P/Siが0.01〜100、またけい素化合物中のSi量に対するアミン系窒素化合物のN量の質量比N/Siが0.05〜3を満たす範囲で溶解または懸濁させた処理液を、亜鉛系めっき鋼板の表面に、乾燥・固化後の皮膜中のリン化合物の付着量がP換算で20〜100 mg/m2、けい素化合物の付着量がSi換算で20〜100mg/m2となる範囲で塗布し、乾燥・固化させ、皮膜厚が0.005〜0.4μmでかつ非晶質の表面処理皮膜を形成することを特徴とする耐食性および連続高速プレス成型後の表面外観に優れる表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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