JP5650855B2 - 不揮発性記憶素子の製造方法、不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置 - Google Patents

不揮発性記憶素子の製造方法、不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置 Download PDF

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Description

本発明は、不揮発性記憶素子の製造方法、不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置に関する。より詳しくは、本発明は、抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法、不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、携帯型情報機器及び情報家電などの電子機器が、より一層高機能化している。そのため、抵抗変化素子の大容量化、書き込み電力の低減、書き込み/読み出し時間の高速化、及び長寿命化の要求が高まっている。
こうした要求に対して、既存のフローティングゲート(floating gate)を用いたフラッシュメモリ(flash memory)の微細化には限界があると言われている。他方、抵抗変化層を記憶部の材料として用いる抵抗変化素子(抵抗変化型メモリ)の場合、抵抗変化素子から成る単純な構造の記憶素子で構成することができるため、さらなる微細化、高速化、及び低消費電力化が期待されている。
抵抗変化材料を記憶部として用いる場合、例えば、電気的パルスの入力などによって、その抵抗値を高抵抗から低抵抗へ、または低抵抗から高抵抗へと変化させることになる。この場合、低抵抗及び高抵抗の2値を明確に区別し、且つ低抵抗と高抵抗との間を高速に安定して変化させ、これら2値が不揮発的に保持されることが必要になる。このようなメモリ特性の安定及び記憶素子の微細化を目的として、従来から、種々の提案がなされている。
そのような提案の一つとして、2つの電極(上部電極、下部電極)と、それらの電極に挟まれた抵抗変化層とを備え、抵抗変化層を、酸素含有量の低い第1のタンタル酸化物層と、酸素含有量の高い第2のタンタル酸化物層との積層構造にて構成した不揮発性記憶素子が、特許文献1に開示されている。下部電極の上には第1のタンタル酸化物層が配置され、この第1のタンタル酸化物層と上部電極との間には第2のタンタル酸化物層が配置されている。この不揮発性記憶素子に、下部電極を基準にしたときに正の電圧を有する電気的パルスを上部電極に印加すると、酸素原子が第1のタンタル酸化物層から第2のタンタル酸化物層と上部電極との界面へ移動することで、高抵抗化が起こりやすくなる。逆に、下部電極を基準にしたときに負の電圧を有する電気的パルスを上部電極に印加すると、第2のタンタル酸化物層と上部電極との界面に存在する酸素原子が第1のタンタル酸化物層へ移動することで、低抵抗化が起こりやすくなる。
国際公開第2008/149484号
本発明は、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させた不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の不揮発性記憶素子の製造方法の一態様(aspect)は、第1電極を形成し、前記第1電極の上に抵抗変化層を形成し、前記抵抗変化層の上に第2電極を形成し、前記抵抗変化層は、第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層を形成し、前記第3金属酸化物層の上に第2金属酸化物で構成される第2金属酸化物層を形成し、前記第2金属酸化物層の上に第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層を形成する方法であって、前記抵抗変化層は、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化するものであり、前記第1金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、前記第2金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、前記第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物であり、前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度とが異なっており、前記第2金属酸化物層と前記第1金属酸化物層とが別個に堆積される。
本発明の不揮発性記憶素子の一態様(aspect)は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化する抵抗変化層と、を備え、前記抵抗変化層は、第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層と、第2金属酸化物で構成される第2金属酸化物層と、第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層とが、この順で積層された構造を備え、前記第1金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、前記第2金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、前記第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物であり、前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度とが異なっており、前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度との差が0.25g/cm以上である。
本発明の一態様によれば、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させた不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置を提供することができる、という効果を奏する。
図1は、第1実施形態にかかる不揮発性記憶素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図2は、第1比較例にかかる不揮発性記憶素子の概略構成を示す断面図である。 図3は、第1比較例にかかる不揮発性記憶素子の抵抗変化動作を示すグラフである。 図4は、第1比較例にかかる不揮発性記憶素子の抵抗変化動作における低抵抗状態の抵抗値の変動を示すグラフである。 図5は、第1実施例と比較例とでブレークダウン時間を比較したグラフである。 図6は、実施例と比較例とでブレークダウン時間とHR電流変動量とを比較したグラフである。 図7は、製造条件による金属酸化物の密度の違いを示すグラフである。 図8は、製造条件によるブレークダウン時間の違いを示すグラフである。 図9は、製造条件によるHR電流変動量の違いを示すグラフである。 図10は、製造条件によるXPSスペクトルの違いを示すグラフである。 図11は、第1実施例と第4実施例と第1比較例とでブレークダウン時間を比較したグラフである。 図12は、実施例と比較例とでブレークダウン時間とHR電流変動量とを比較したグラフである。 図13は、第1実施例と第4実施例と第1比較例と第2比較例とで初期抵抗値を比較したグラフである。 図14は、第3実施形態の不揮発性記憶装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図15は、図14のA部の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。 図16は、第3実施形態の不揮発性記憶装置におけるメモリセルの概略構成の一例を示す断面図である。 図17は、第3実施形態の不揮発性記憶装置の変形例におけるメモリセルの概略構成の一例を示す模式図である。 図18は、第4実施形態の不揮発性記憶装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図19は、第4実施形態の不揮発性記憶装置におけるメモリセルの概略構成の一例を示す断面図である。
不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置において、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させるべく、鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
抵抗変化層として酸素不足型のタンタル酸化物層などの遷移金属酸化物を用いた場合、抵抗変化層を酸素含有率の高い層(高濃度層)と酸素含有率の低い層(低濃度層)の積層構造で構成することにより、安定した動作が得られる。ここで、酸素不足型の金属酸化物とは、化学量論的組成(ストイキオメトリ:stoichiometric composition)を有する金属酸化物より酸素含有量が少ない金属酸化物を指す。上述のタンタル酸化物の場合は、その組成をTaOで表すと、化学量論的組成(ストイキオメトリ)を有するタンタル酸化物はTaO2.5(つまりTa)となるので、酸素不足型のタンタル酸化物のxの値は0<x<2.5となる。xの範囲は金属が有する価数の値により異なる。一般的に化学量論的組成(ストイキオメトリ)を有する金属酸化物は絶縁性を示し、酸素不足型の金属酸化物は半導体的な特性を示すことがある。
抵抗変化層がこのような高濃度層(高抵抗層)と低濃度層(低抵抗層)との積層構造で構成される場合、最初に電気信号を印加する時の初期の抵抗値は通常の抵抗変化時の高抵抗状態の抵抗値よりも高く、そのままでは、電気信号を与えても抵抗変化しない。抵抗変化特性を得るためには、初期の状態の抵抗変化層に電気的パルスを印加して、電気的なパスを高抵抗層内に形成する(高抵抗層をブレークダウン(break down)させる)必要がある。このような処理は初期ブレークダウンと呼ばれている。
初期ブレークダウンにおいて印加された電気的パルスのパルス幅の合計(以下、ブレークダウン時間)は、メモリとして抵抗変化層を低抵抗状態から高抵抗状態へあるいは高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるために必要な電気的パルスの印加時間に比べて長いという問題がある。抵抗変化層の高濃度層の膜厚を薄くすることで初期ブレークダウンに必要な電気的パルスの印加時間を短くすることも可能ではあるが、抵抗変化層の高濃度層の膜厚を薄くすることは信頼性の観点から望ましくない。
そこで更に検討を行った結果、高抵抗層を密度の異なる複数の層で構成することで、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立できることが判明した。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の望ましい一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、あくまで一例であり、本発明を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より望ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。また、製造方法においては、必要に応じて、各工程の順序等を変更でき、かつ、他の公知の工程を追加できる。
(第1実施形態)
第1実施形態の不揮発性記憶素子の製造方法は、第1電極を形成し、第1電極の上に抵抗変化層を形成し、抵抗変化層の上に第2電極を形成し、前記抵抗変化層は、第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層を形成し、前記第3金属酸化物層の上に第2金属酸化物で構成される第2金属酸化物層を形成し、前記第2金属酸化物層の上に第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層を形成する方法であって、抵抗変化層は、第1電極と第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化するものであり、第1金属酸化物の酸素不足度は第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、第2金属酸化物の酸素不足度は第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物であり、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度とが異なっており、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層とが別個に堆積される。
かかる構成では、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させた不揮発性記憶素子を提供することができる。
上記不揮発性記憶素子の製造方法において、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、圧力が0.1Pa以上1Pa以下の条件で行われるスパッタリングにより堆積してもよい。
上記不揮発性記憶素子の製造方法において、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、ALDにより堆積してもよい。
第1実施形態の不揮発性記憶素子は、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在し、第1電極と第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化する抵抗変化層と、を備え、抵抗変化層は、第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層と、第2金属酸化物で構成される第2金属酸化物層と、第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層とが、この順で積層された構造を備え、第1金属酸化物の酸素不足度は第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、第2金属酸化物の酸素不足度は第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物であり、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度とが異なっており、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が0.25g/cm以上である。
かかる構成では、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させた不揮発性記憶素子を提供することができる。
上記不揮発性記憶素子において、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの低い方が7.7g/cm以下であってもよい。
上記不揮発性記憶素子において、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの高い方の3%以上であってもよい。
上記不揮発性記憶素子において、第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び第3金属酸化物がいずれも金属Mの酸化物であり、第3金属酸化物は金属Mの酸化物の化学量論的組成よりも酸素含有率が少なく、第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び第3金属酸化物をそれぞれMO、MO、MOと表記したとき、x<y、かつ、x<zを満足してもよい。
上記不揮発性記憶素子において、第2金属酸化物層は、第1金属酸化物層よりも密度が大きくてもよい。
上記不揮発性記憶素子において、第2金属酸化物層は、第1金属酸化物層よりも厚くてもよい。
上記不揮発性記憶素子において、第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び第3金属酸化物がいずれもタンタル酸化物であり、第1金属酸化物をTaO、第2金属酸化物をTaO、第3金属酸化物をTaOと表したときに、1.9<y、かつ、1.9<z、かつ、0<x≦1.9を満足してもよい。
[素子構成]
図1は、第1実施形態にかかる不揮発性記憶素子の概略構成の一例を示す断面図である。
図1に示す例において、不揮発性記憶素子100は、第1電極103と、第2電極105と、抵抗変化層104とを備えている。
抵抗変化層104は、第1電極103と第2電極105との間に介在し、第1電極103と第2電極105との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化する。より具体的には、例えば、抵抗変化層104は、第1電極103と第2電極105との間に与えられる電圧の極性に応じて、高抵抗状態と、高抵抗状態よりも抵抗値の低い低抵抗状態と、の間を可逆的に遷移する。例えば、所定の閾値電圧よりも大きなパルス電圧が印加された場合、抵抗変化層104の抵抗値が増加または減少してもよい。一方で、上記閾値電圧よりも小さなパルス電圧が印加された場合、抵抗変化層104の抵抗値は変化しなくてもよい。
抵抗変化層104は、第3金属酸化物層106と、第2金属酸化物層107と、第1金属酸化物層108とがこの順で積層された構造を備えている。すなわち、第2金属酸化物層107は、第3金属酸化物層106と第1金属酸化物層108との間に設けられる。
第3金属酸化物層106は、第3金属酸化物で構成される。第2金属酸化物層107は、第2金属酸化物で構成される。第1金属酸化物層108は、第1金属酸化物で構成される。
第1金属酸化物の酸素不足度は第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さい。第2金属酸化物の酸素不足度は第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さい。第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物である。
「酸素不足度」とは、金属酸化物において、その化学量論的組成(複数の化学量論的組成が存在する場合は、そのなかで最も抵抗値が高い化学量論的組成)の酸化物を構成する酸素の量に対し、不足している酸素の割合をいう。化学量論的組成の金属酸化物は、他の組成の金属酸化物と比べて、より安定でありかつより高い抵抗値を有している。
例えば、金属がタンタル(Ta)の場合、上述の定義による化学量論的組成の酸化物はTaであるので、TaO2.5と表現できる。TaO2.5の酸素不足度は0%であり、TaO1.5の酸素不足度は、酸素不足度=(2.5−1.5)/2.5=40%となる。また、酸素過剰の金属酸化物は、酸素不足度が負の値となる。なお、本明細書中では、特に断りのない限り、酸素不足度は正の値、0、負の値も含むものとして説明する。
酸素不足度の小さい酸化物は化学量論的組成の酸化物により近いため抵抗値が高く、酸素不足度の大きい酸化物は酸化物を構成する金属により近いため抵抗値が低い。
第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度とは異なっている。第2金属酸化物層は、第1金属酸化物層よりも密度が大きくてもよい。第2金属酸化物層は、第1金属酸化物層よりも厚くてもよい。
本実施形態において、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が0.25g/cm以上であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が0.30g/cm以上であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が0.35g/cm以上であってもよい。
本実施形態において、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの低い方が7.7g/cm以下であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの低い方が7.65g/cm以下であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの低い方が7.6g/cm以下であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの低い方が7.55g/cm以下であってもよい。
本実施形態において、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの高い方の3%以上であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの高い方の3.5%以上であってもよい。また、第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との差が、第1金属酸化物層の密度および第2金属酸化物層の密度のうちの高い方の4%以上であってもよい。
「密度」とは、単位体積あたりの質量をいう。第1金属酸化物層の密度と第2金属酸化物層の密度との違いは、例えば、XRR(X線反射率法:X−Ray Reflectometry)により測定することができる。
かかる構成では、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させた不揮発性記憶素子を提供することができる。
「ブレークダウン」とは、製造後、抵抗値が高い初期状態にある不揮発性記憶素子に電気的ストレスを印加して、抵抗変化が生じる状態へと不揮発性記憶素子を変化させることをいう。
第1電極103は、酸素不足度がより大きい第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層106に接続されていてもよい。第2電極105は、酸素不足度がより小さい第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層108に接続されていてもよい。
第1電極103は、例えば、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)など、第1金属酸化物を構成する金属と比べて標準電極電位がより低い材料で構成してもよい。
第2電極105は、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)など、第1金属酸化物を構成する金属及び第1電極103を構成する材料と比べて標準電極電位がより高い材料で構成してもよい。
すなわち、第2電極105を構成する材料の標準電極電位をV2、第1金属酸化物を構成する金属の標準電極電位をVr2、第3金属酸化物を構成する金属の標準電極電位をVr1、第1電極103の標準電極電位をV1とするとき、Vr2<V2、かつV1<V2なる関係を満足してもよい。さらには、V2>Vr2で、Vr1≧V1なる関係を満足してもよい。
上記の構成とすることにより、第2電極と第2金属酸化物の界面近傍の第2金属酸化物中において、選択的に酸化還元反応が発生し、安定した抵抗変化現象が得られる。
第1電極103と、第3金属酸化物層106と、第2金属酸化物層107と、第1金属酸化物層108と、第2電極105とが、この順に積層されていてもよい。
第3金属酸化物層106は、低抵抗層としてもよい。第2金属酸化物層107は、第3金属酸化物層106よりも抵抗値の大きい第2高抵抗層としてもよい。第1金属酸化物層108は、第3金属酸化物層106よりも抵抗値の大きい第1高抵抗層としてもよい。
第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び第3金属酸化物がいずれも金属Mの酸化物であってもよい。このとき、第3金属酸化物は金属Mの酸化物の化学量論的組成よりも酸素含有率が少なく、第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び第3金属酸化物をそれぞれMO、MO、MOと表記したとき、x<y、かつ、x<zを満足してもよい。
「酸素含有率」とは、総原子数に占める酸素原子の比率である。例えば、Taの酸素含有率は、総原子数に占める酸素原子の比率(O/(Ta+O))であり、71.4atm%となる。したがって、酸素不足型のタンタル酸化物は、酸素含有率は0より大きく、71.4atm%より小さいことになる。例えば、第1金属酸化物層を構成する金属と、第2金属酸化物層を構成する金属とが同種である場合、酸素含有率は酸素不足度と対応関係にある。この場合、第2金属酸化物の酸素含有率が第1金属酸化物の酸素含有率よりも大きければ、第2金属酸化物の酸素不足度は第1金属酸化物の酸素不足度より小さくなる。
第3金属酸化物層106は、単一の金属酸化物層であってもよいし、酸素不足度の異なる複数層で構成された積層構造であってもよい。また、第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び、第3金属酸化物を構成する金属元素は、同一の金属元素でもよいし、互いに異なる金属元素であってもよい。
第3金属酸化物層106は第1電極103と物理的に接触していてもよい。第2金属酸化物層107は、第3金属酸化物層106と物理的に接触していてもよい。第1金属酸化物層108は、第2金属酸化物層107と物理的に接触していてもよい。第2電極105は、第1金属酸化物層108と物理的に接触していてもよい。
第1金属酸化物、第2金属酸化物、及び、第3金属酸化物は、タンタル酸化物であってもよい。このとき、第3金属酸化物、第2金属酸化物、及び、第1金属酸化物を、TaO、TaO、及び、TaOzと表した場合に、0<x<2.5、かつ、x<y、かつ、x<zを満足してもよい。0<x≦1.9、かつ、1.9<y、かつ1.9<zを満足してもよい。後者の場合には、抵抗変化素子として特に安定した動作を実現できる。第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107の厚さの合計は、3nm以上8nm以下としてもよい。層の厚さは、例えば、分光エリプソメトリー法により測定されうる。
抵抗変化層を構成する金属は、タンタル以外の金属を用いてもよい。抵抗変化層を構成する金属としては、遷移金属、またはアルミニウム(Al)を用いることができる。遷移金属としては、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)等を用いることができる。遷移金属は複数の酸化状態をとることができるため、異なる抵抗状態を酸化還元反応により実現することが可能である。
抵抗変化層を構成する金属としてハフニウムを採用する場合は、第3金属酸化物、第2金属酸化物、及び、第1金属酸化物を、HfO、HfO、及び、HfOと表した場合に、0<x<2.0、かつ、x<y、かつx<zとしてもよい。第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107の厚さの合計は、3nm以上4nm以下としてもよい。
抵抗変化層を構成する金属としてジルコニウムを採用する場合は、第3金属酸化物、第2金属酸化物、及び、第1金属酸化物を、ZrO、ZrO、及び、ZrOと表した場合に、0<x<2.0、かつ、x<y、かつx<zとしてもよい。第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107の厚さの合計は、1nm以上、5nm以下としてもよい。
上述の説明においては、抵抗変化層を構成する金属として、タンタル、ハフニウム、及び、ジルコニウムを用いる場合について詳細に説明した。この場合においても、第1電極と第2電極間に挟まれる金属酸化物層としては、抵抗変化を発現する主たる抵抗変化材料として、タンタル、ハフニウム、ジルコニウム等の酸化物が含まれていればよく、これ以外に例えば微量の他元素が含まれていても構わない。抵抗値の微調整等で、他元素を少量、意図的に含めることも可能であり、このような場合も本実施形態の範囲に含まれるものである。例えば、抵抗変化層に窒素を添加すれば、抵抗変化層の抵抗値が上がり、抵抗変化の反応性を改善できる。
スパッタリング等にて抵抗変化層を形成した際に、残留ガスや真空容器壁からのガス放出などにより、意図しない微量の元素が抵抗変化層に混入することがある。このような微量の元素が抵抗膜に混入した場合も本実施形態の範囲に含まれることは当然である。
第1金属酸化物を構成する金属元素と第2金属酸化物を構成する金属元素とを同じとし、該金属元素と第3金属酸化物を構成する金属元素とを異ならせてもよい。この場合、第1金属酸化物及び第2金属酸化物は、第3金属酸化物よりも酸素不足度が小さくてもよい。このような構成とすることにより、抵抗変化時に第1電極103と第2電極105との間に電圧が印加されると、第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107により多くの電圧が分配される。よって、第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107の内部で発生する酸化還元反応をより起こし易くすることができる。
また、第1金属酸化物を構成する金属元素と第2金属酸化物を構成する金属元素とを同じとし、該金属元素と第3金属酸化物を構成する金属元素とを異ならせる場合、第1金属酸化物及び第2金属酸化物を構成する金属元素の標準電極電位は、第3金属酸化物を構成する金属元素の標準電極電位より小さくてもよい。
抵抗変化現象は、以下のようなメカニズムで発生すると考えられる。すなわち、第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107は、抵抗が高く、その内部には微小な局所領域が形成される。該微小領域中で酸化還元反応が起こると、フィラメント(導電パス)が変化し、抵抗値(酸素不足度)が変化する。
つまり、第1金属酸化物層108に接続する第2電極105に、第1電極103を基準として正の電圧を印加したとき、抵抗変化層104中の酸素イオンが第1金属酸化物層108側に引き寄せられる。これによって、第1金属酸化物層107及び第1金属酸化物層108の内部に形成された微小な局所領域中で酸化反応が発生し、酸素不足度が減少する。その結果、局所領域中のフィラメントが繋がりにくくなり、抵抗値が増大すると考えられる。
逆に、第1金属酸化物層108に接続する第2電極105に、第1電極103を基準として負の電圧を印加したとき、抵抗変化層104中の酸素イオンが第3金属酸化物層106側に押しやられる。これによって、第1金属酸化物層107及び第1金属酸化物層108の内部に形成された微小な局所領域中で還元反応が発生し、酸素不足度が増加する。その結果、局所領域中のフィラメントが繋がりやすくなり、抵抗値が減少すると考えられる。
標準電極電位は、その値が大きいほど酸化しにくい特性を表す。第1金属酸化物及び第2金属酸化物を構成する金属元素の標準電極電位を、第3金属酸化物を構成する金属元素の標準電極電位よりも小さくすることにより、第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107の内部でより酸化還元反応が発生しやすくなる。
例えば、第3金属酸化物層106に、酸素不足型のタンタル酸化物を用い、第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107にチタン酸化物(TiO)を用いることにより、安定した抵抗変化動作が得られる。チタン(標準電極電位=−1.63eV)はタンタル(標準電極電位=−0.6eV)より標準電極電位が低い材料である。
同様に、第3金属酸化物層106に、酸素不足型のタンタル酸化物を用い、第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107にアルミニウム酸化物を用いてもよい。
第1電極103は、基板上に絶縁層として形成された酸化物層の上に形成されていてもよい。基板としては、シリコン単結晶基板または半導体基板を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。また、酸化物層も絶縁層として機能する限り特に限定されないが、例えばシリコン酸化物層(SiO)等が挙げられる。抵抗変化層104(第3金属酸化物層106)は比較的低い基板温度で形成することが可能であるため、樹脂材料などの上に形成することができる。
なお、積層の順序を逆にして、第1金属酸化物層108が最も下側に設けられ、第1金属酸化物層108の上に第2金属酸化物層107が設けられ、第2金属酸化物層107の上に第3金属酸化物層106が設けられてもよい。
[製造方法]
本実施形態では、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層とが別個に堆積される。「別個に堆積される」とは、両方の層が独立して形成されることを意味する。すなわち、一方の層をプラズマ酸化およびプラズマ改質等により処理することで他方の層が形成されるような態様を含まないということを意味する。
すなわち、第2金属酸化物層の上に第1金属酸化物層が配置される場合には、第2金属酸化物層が堆積された後、第1金属酸化物層が別個の層として新たに堆積される。別の言い方をすれば、本実施形態では、第2金属酸化物層の上に第1金属酸化物層が配置される場合において、第2金属酸化物層の上層部分をプラズマ酸化およびプラズマ改質等により処理することで第1金属酸化物層が形成される態様は含まれない。
本実施形態において、第1金属酸化物層の上に第2金属酸化物層が配置される場合には、第1金属酸化物層が堆積された後、第2金属酸化物層が別個の層として新たに堆積される。別の言い方をすれば、本実施形態では、第1金属酸化物層の上に第2金属酸化物層が配置される場合において、第1金属酸化物層の上層部分をプラズマ酸化およびプラズマ改質等により処理することで第2金属酸化物層が形成される態様は含まれない。
本実施形態では、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、圧力が0.1Pa以上の条件で行われるスパッタリングにより堆積してもよい。また、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、圧力が0.1Pa以上の1Pa以下の条件で行われるスパッタリングにより堆積してもよい。また、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、圧力が0.2Pa以上1Pa以下の条件で行われるスパッタリングにより堆積してもよい。また、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、圧力が0.3Pa以上1Pa以下の条件で行われるスパッタリングにより堆積してもよい。スパッタリング時のチャンバ内部における圧力を高くすることで、低密度の金属酸化物層が形成できる。
本実施形態では、第2金属酸化物層と第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、ALD(Atomic Layer Deposition)により堆積してもよい。
ALDでは、例えば、炭素および窒素等の不純物を金属酸化物層に含有させるように金属酸化物層を堆積させることで、金属酸化物層の密度を低くすることができる。ALDにより低密度の金属酸化物層を堆積する方法については、例えばWO2013/125172に開示されているように公知の事実であるので、詳細な説明を省略する。なお、WO2013/125172に対応する国際出願PCT/JP2013/000753は、その全体を参照することにより本件出願の一部となすものとして引用する。
次に、本実施形態の不揮発性記憶素子100の製造方法の一例について説明する。
まず、基板上に、例えば厚さ200nmの酸化物層(SiOからなる絶縁層)を熱酸化法またはCVD法により形成する。得られた酸化物層の上に、第1電極層103として、例えば、厚さ100nmの窒化タンタル層(TaN層)を形成する。窒化タンタル層の形成には、例えば、DCスパッタ法を用いることができる。
次に、第1電極層103の上に、第3金属酸化物層106としてタンタル酸化物層を形成する。第3金属酸化物層106の厚さは、例えば、20〜100nm程度とすることができる。タンタル酸化物層の形成には、例えば、金属タンタルのターゲットを用いた反応性RFスパッタ法を用いることができる。このとき、タンタル酸化物中の酸素含有率を酸素流量比によって制御することにより酸素不足型のタンタル酸化物層を形成することができる。なお、抵抗変化層の形成において、タンタル酸化物をターゲットとし、O等の反応性ガスを使用しない、スパッタ法を用いてタンタル酸化物層を形成してもよい。
次に、第3金属酸化物層106の表面に、酸素含有率が第3金属酸化物層106よりも高くなるように、第2金属酸化物層107を構成するタンタル酸化物層を形成する。第2金属酸化物層107の形成方法は、例えば、第3金属酸化物層106と同様に、反応性RFスパッタ法を用いてもよいし、スパッタ法を用いてもよいし、ALD法を用いてもよい。酸素含有率を制御する方法としては、上記に加え、上記方法で形成された金属酸化物層をプラズマ酸化する方法が挙げられる。
次に、第2金属酸化物層107の表面に、酸素含有率が第3金属酸化物層106よりも高く、かつ、第2金属酸化物層107と密度が異なるように(例えば、第2金属酸化物層107よりも密度が小さくなるように)、第1金属酸化物層108を構成するタンタル酸化物層を形成する。第1金属酸化物層108の形成方法は、例えば、第3金属酸化物層106と同様に、反応性RFスパッタ法を用いてもよいし、スパッタ法を用いてもよいし、ALD法を用いてもよい。酸素含有率を制御する方法としては、上記に加え、上記方法で形成された金属酸化物層をプラズマ酸化する方法が挙げられる。
第1金属酸化物層108の密度を、第2金属酸化物層107の密度と異ならせる方法は、特に限定されない。具体的には例えば、第1金属酸化物層108と第2金属酸化物層107とを反応性RFスパッタ法で堆積させることとした上で、第1金属酸化物層108と第2金属酸化物層107とで堆積時のチャンバ内の圧力を異ならせることとしうる。この場合、例えば第1金属酸化物層108を堆積させる際の圧力(全圧)を相対的に高くすることで、第1金属酸化物層108の密度を第2金属酸化物層107の密度よりも小さくすることができる。
あるいは例えば、第1金属酸化物層108と第2金属酸化物層107とで、形成方法を異ならせてもよい。この場合、例えば第2金属酸化物層107をALD法で形成し、第1金属酸化物層108を反応性RFスパッタ法及やスパッタ法等で形成することで、第1金属酸化物層108の密度を第2金属酸化物層107の密度よりも小さくすることができる。
第1金属酸化物層108及び第2金属酸化物層107の厚さの合計は、3〜8nm程度とすることができる。最後に、第1金属酸化物層108の上に、第2電極層105として、例えば、厚さ50nmのイリジウム層(Ir層)を形成する。イリジウム層の形成には、例えば、DCスパッタ法を用いることができる。
上記のような方法で不揮発性記憶素子100を製造することができる。
抵抗変化層を構成する金属としてハフニウムを採用する場合は、例えば、以下のような方法で金属酸化物層を形成することができる。Hfターゲットを用い、アルゴンガス及び酸素ガス中でスパッタリングする所謂反応性スパッタリング法によって、第1電極(下部電極)の上に第3金属酸化物層(第3ハフニウム酸化物層)を形成する。第3金属酸化物層を形成後に、第3ハフニウム酸化物層の形成方法と同様のスパッタ法により、第3金属酸化物層の表面に第3ハフニウム酸化物層よりも酸素含有率が高い第2金属酸化物層(第2ハフニウム酸化物層)を形成する。次に、第2金属酸化物層の表面に、第3ハフニウム酸化物層の形成方法と同様のスパッタ法により、第2ハフニウム酸化物層と密度が異なる第1金属酸化物層(第1ハフニウム酸化物層)を形成する。
抵抗変化層を構成する金属としてジルコニウムを採用する場合は、例えば、以下のような方法で金属酸化物層を形成することができる。Zrターゲットを用い、アルゴンガス及び酸素ガス中でスパッタリングする所謂反応性スパッタリング法によって、第1電極(下部電極)の上に第3金属酸化物層(第3ジルコニウム酸化物層)を形成する。第3金属酸化物層を形成後に、第3ジルコニウム酸化物層の形成方法と同様のスパッタ法により、第3金属酸化物層の表面に第3ジルコニウム酸化物層よりも酸素含有率が高い第2金属酸化物層(第2ジルコニウム酸化物層)を形成する。次に、第2金属酸化物層の表面に、第3ジルコニウム酸化物層の形成方法と同様のスパッタ法により、第2ジルコニウム酸化物層と密度が異なる第1金属酸化物層(第1ジルコニウム酸化物層)を形成する。
[第1比較例]
図2は、第1比較例にかかる不揮発性記憶素子の概略構成を示す断面図である。
図に示すように、比較例にかかる不揮発性記憶素子800は、第1電極803と、第2電極805と、抵抗変化層804とを備えている。抵抗変化層804は、第2金属酸化物層806(低抵抗層)と、第1金属酸化物層807(高抵抗層)とがこの順で積層された構造を備えている。比較例の不揮発性記憶素子800は、低抵抗層と高抵抗層とを備えている点では第1実施形態の不揮発性記憶素子100と同様であるが、高抵抗層が単一の層のみからなる点で不揮発性記憶素子100と異なっている。
第1電極803は、DCスパッタ法で形成され、厚さが100nmである、窒化タンタル層(TaN層)とした。
第2金属酸化物層806は、DCスパッタ法で形成され、厚さが44nmであり、酸素含有率が64.1atm%である、タンタル酸化物層とした。
第1金属酸化物層807は、厚さが6nmであり、酸素含有率が71.4atm%である、タンタル酸化物層とした。形成方法は、チャンバ内圧力を0.05Paとした反応性スパッタ法とし、Taターゲットを用いた酸素ガス雰囲気中でAr/0流量を20sccm/5〜30sccmに設定した(条件B:高密度)。層の厚さは、分光エリプソメトリ法により測定された(以下、全ての比較例及び実施例について同様)。
第2電極805は、DCスパッタ法で形成され、厚さが50nmである、イリジウム層(Ir層)とした。
なお、不揮発性記憶素子800の素子サイズは0.5μm×0.5μmの大きさである。
得られたサンプルについて、第1電極803を基準として第2電極805に、電圧が+3.3Vでありパルス幅が100nsである電圧パルスを、抵抗値が大きく低下するまでパルス幅を拡張しながら繰り返し印加した(ブレークダウン)。抵抗値が大きく低下するまでに印加された累積パルス数とパルス幅との積を、ブレークダウン時間とした。不揮発性記憶素子800のブレークダウン時間の平均値は、約1msであった。ブレークダウンが完了すると、不揮発性記憶素子800は、抵抗変化動作が可能になった。
図3は、第1比較例にかかる不揮発性記憶素子の抵抗変化動作を示すグラフである。図4は、第1比較例にかかる不揮発性記憶素子の抵抗変化動作における低抵抗状態の抵抗値の変動を示すグラフである。
第1電極803を基準として第2電極805に、電圧が−1.5Vでありパルス幅が100nsである電圧パルス(負電圧パルス、低抵抗化パルス)を印加すると、不揮発性記憶素子800の抵抗値は低下して、低抵抗状態となった。低抵抗化パルスの印加中、低抵抗状態に変化した後で電極間を流れる電流(以下、低抵抗電流[LR電流]とする)は、35μA程度であった。
第1電極803を基準として第2電極805に、電圧が+2.4Vでありパルス幅が100nsである電圧パルス(正電圧パルス、高抵抗化パルス)を印加すると、不揮発性記憶素子800の抵抗値は増加して、高抵抗状態となった。高抵抗化パルスの印加中、高抵抗状態に変化した後で電極間を流れる電流(以下、高抵抗電流[HR電流]とする)は、1μA程度であった。
図4に示すように、高抵抗電流は、最小値は平均値0.9μAの約50%、最大値は平均値の約200%と大きくばらついた。かかるばらつきは、比率から見ると、低抵抗電流のばらつき(〜10%)よりも大きい。高抵抗電流がばらつくということは、高抵抗状態における抵抗値がばらついていることを意味する。
以下、ある素子について100回測定した時の、高抵抗電流の最小値と最大値との差分(μA)を、HR電流変動量と呼ぶ。図4の素子については、HR電流変動量は約1.5μAである。
[第2比較例]
第2比較例の不揮発性記憶素子は、第1金属酸化物層807の形成方法を、チャンバ内圧力を0.3Paとした反応性スパッタ法とし、Taターゲットを用いた酸素ガス雰囲気中でAr/0流量を20sccm/5〜30sccmに設定した(条件A:低密度)点以外は、第1比較例と同様とした。
[第1実施例]
第1実施例の不揮発性記憶素子は、図1に示す構成とした。具体的には、以下の構成とした。
第1電極は、DCスパッタ法で形成され、厚さが100nmである、窒化タンタル層(TaN層)とした。
第3金属酸化物層は、反応性スパッタ法で形成され、厚さが44nmであり、酸素含有率が64.1atm%である、タンタル酸化物層とした。
第2金属酸化物層は、厚さが3nmであり、酸素含有率が71.4atm%である、タンタル酸化物層とした。形成方法は、チャンバ内圧力を0.05Paとした反応性スパッタ法とし、Taターゲットを用いた酸素ガス雰囲気中でAr/0流量を20sccm/5〜30sccmに設定した(条件B:高密度)。
第1金属酸化物層は、厚さが3nmであり、酸素含有率が71.4atm%である、タンタル酸化物層とした。形成方法は、チャンバ内圧力を0.3Paとした反応性スパッタ法とし、Taターゲットを用いた酸素ガス雰囲気中でAr/0流量を20sccm/5〜30sccmに設定した(条件A:低密度)。
第2電極は、DCスパッタ法で形成され、厚さが50nmである、イリジウム層(Ir層)とした。
なお、素子サイズは0.5μm×0.5μmの大きさである。
第2金属酸化物層と同様な方法(条件B:高密度)で堆積させた層をXRR法で解析した結果、密度は7.94g/cmであった。第1金属酸化物層と同様な方法(条件A:低密度)で堆積させた層をXRR法で解析した結果、密度は7.56g/cmであった。すなわち、第1実施例において、第2金属酸化物層の密度は、第1金属酸化物層の密度より大きいことが確認された。
なお、XRR法を用いた解析では、測定装置は株式会社リガク製のATX−Gを用い、X線源にはCuKアルファ:波長=1.5418Å(8.04keV)を用いた。X線反射率測定は、具体的には、X線を評価する薄膜表面に対し0.3〜6°の角度で入射させ、反射X線の強度を検出して得られる反射率データとシミュレーションモデルを比較して行うものである。シミュレーションには株式会社リガク製「Global Fit」ソフトを使用した。
得られたサンプルについて、第1電極を基準として第2電極に、電圧が3.3Vでありパルス幅が100nsである電圧パルスを、抵抗値が大きく低下するまでパルス幅を拡張させながら繰り返し印加した(ブレークダウン)。抵抗値が大きく低下するまでに印加された累積パルス数とパルス幅との積を、ブレークダウン時間とした。第1実施例の不揮発性記憶素子のブレークダウン時間の平均値は、約120μsであった。ブレークダウンが完了すると、第1実施例の不揮発性記憶素子は、抵抗変化動作が可能になった。
低抵抗化パルス及び高抵抗化パルスの具体的なパラメータについては、比較例と同様としたので、詳細な説明を省略する。
[第2実施例]
第2実施例の不揮発性記憶素子は、第2金属酸化物層の厚さを2nmとし、第1金属酸化物層の厚さを4nmとした点以外は、第1実施例と同様とした。
[第3実施例]
第3実施例の不揮発性記憶素子は、第2金属酸化物層の厚さを4nmとし、第1金属酸化物層の厚さを2nmとした点以外は、第1実施例と同様とした。
[比較]
図5は、第1実施例と第1比較例とでブレークダウン時間を比較したグラフである。図5では、横軸をブレークダウン時間とし、縦軸を正規分布での期待値としている。第1実施例におけるサンプル数(N)はN=12、第1比較例におけるサンプル数(N)はN=10である。
図5に示すように、第1実施例のブレークダウン時間は、比較例のブレークダウン時間と比較して1桁程度短くなっている。すなわち、第1実施例のような構成を採用することにより、ブレークダウンのしやすさが向上することが確認された。
図6は、実施例と比較例とでブレークダウン時間とHR電流変動量とを比較したグラフである。各プロットは、複数のサンプルの平均値である。第1実施例のみN=12で、第2実施例と第3実施例および第1比較例と第2比較例は、サンプル数(N)=10である。図6に示すように、いずれの実施例のブレークダウン時間も、第1比較例のブレークダウン時間と比較して1桁程度短くなっている。
図6に示すように、いずれの実施例のHR電流変動量も、第1比較例のHR電流変動量と同程度であって、第2比較例のHR電流変動量よりも1μA以上小さくなっている。すなわち、実施例のような構成を採用することにより、高抵抗状態における抵抗値のばらつきを抑制できることが確認された。
以上のことから、第1実施例、第2実施例、及び第3実施の構成では、比較例の構成と比較して、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させることができることが確認された。
なお、さらに細かく検討すると、第3実施例(第2金属酸化物層の厚さを第1金属酸化物層よりも厚くしている例)は、第2実施例と比較して、ブレークダウン時間は同程度である一方で、HR電流変動量が最小となっている。第2金属酸化物層の厚さを第1金属酸化物層よりも厚くすることで、高抵抗状態における抵抗値のばらつきをさらに抑制できる。
[検討]
以下、上述した各実施例において、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させることができるメカニズムについて検討する。該検討のため、上述した2種類のタンタル酸化物層の形成条件を用いた第1比較例(条件B:高密度)と第2比較例(条件A:低密度)とで対比を行う。
図7は、製造条件による金属酸化物の密度の違いを示すグラフである。上述の通り、第2比較例(条件A:低密度)のタンタル酸化物層の密度は7.56g/cmであった一方で、第1比較例(条件B:高密度)のタンタル酸化物層の密度は7.94g/cmであった。
図8は、製造条件によるブレークダウン時間の違いを示すグラフである。図8では、横軸をブレークダウン時間とし、縦軸を正規分布での期待値としている。第1比較例におけるサンプル数(N)はN=10、第2比較例におけるサンプル数(N)はN=7である。図8に示す通り、第2比較例(条件A:低密度)は、第1比較例(条件B:高密度)よりも、ブレークダウン時間が、平均すれば1桁以上短かった。なお、上述した図7および後述する図9は、各々、この図8におけるサンプルに基づいてグラフ化したものである。
図9は、製造条件によるHR電流変動量の違いを示すグラフである。図に示す通り、第1比較例(条件B:高密度)は、第2比較例(条件A:低密度)よりもHR電流変動量が小さかった。
図10は、製造条件によるXPSスペクトルの違いを示すグラフである。
図10は、条件A及び条件Bで堆積させたタンタル酸化物について測定したXPSスペクトル(各元素の結合状態)を示している。横軸は、照射したX線を基準としたときの光電子のエネルギーであり、縦軸は観測された光電子の強度(個数)である。
XPS法(X線光電子分光法:X−ray Photoelectron Spectroscopy)による分析は、アルバック−ファイ社製のQuantum2000を用いて実施した。
図10に示すように、条件A(低密度)の方が、Ta−Ta間結合ピークを示すエネルギーにおいて、条件B(高密度)よりも多くの光電子が検出されている。このことは、第2電極と第1金属酸化物層との界面(Ir−Ta界面)において、条件A(低密度)のサンプルでは条件B(高密度)のサンプルよりも多くの酸素脱離が発生していることを示す。よって、条件A(低密度)の方が第2電極と第1金属酸化物層との界面(Ir−Ta界面)において酸素が脱離しやすい状態となり、酸化還元反応が生じやすくなっていることが、ブレークダウン時間が短くなる要因の一つになっていると考えられる。
図8及び図9から、高抵抗層の密度が低いほど、ブレークダウン時間が短くなる一方、HR電流変動量は大きくなるという、いわゆるトレードオフ関係が存在することが分かる。
高抵抗層を高密度とすることでHR電流変動量が小さくなる理由は、高抵抗層の内部にあるトラップサイト(Trap Site)が、密度が高いほど少なくなるために、抵抗値が変動する原因となる高抵抗層と母体層(第3の金属酸化物層)との間で発生するRTN(Random Telegragh Noise)が、高抵抗状態において、より発生しにくくなることにあると推察される。
高抵抗層を低密度とすることでブレークダウン時間が短くなる理由は、ブレークダウン前の抵抗変化層の抵抗値が低くなること(後述)と、第2電極と第1金属酸化物層との界面において、酸素が脱離しやすい状態となっているため、酸化還元反応が生じやすくなることにあると推察される。
(第2実施形態)
第2実施形態の不揮発性記憶素子は、第1実施形態の不揮発性記憶素子において、第2金属酸化物層の密度を、第1金属酸化物層の密度よりも小さくしたものである。
第2金属酸化物層107の密度を、第1金属酸化物層108の密度よりも小さくする方法は、特に限定されない。具体的には例えば、第1金属酸化物層108と第2金属酸化物層107とを反応性RFスパッタ法で堆積させることとした上で、第1金属酸化物層108と第2金属酸化物層107とで堆積時のチャンバ内の圧力を異ならせることとしうる。この場合、例えば第2金属酸化物層107を堆積させる際の圧力を相対的に高くすることで、第2金属酸化物層107の密度を第1金属酸化物層108の密度よりも小さくすることができる。
あるいは例えば、第1金属酸化物層108と第2金属酸化物層107とで、形成方法を異ならせてもよい。この場合、例えば第2金属酸化物層107を反応性RFスパッタ法やスパッタ法等で形成し、第1金属酸化物層108をALD法で形成することで、第2金属酸化物層107の密度を第1金属酸化物層108の密度よりも小さくすることができる。あるいは例えば、第2金属酸化物層107をプラズマ酸化法により形成した上で、この第2金属酸化物層107の上に第1金属酸化物層108を反応性RFスパッタ法で堆積させることで、第2金属酸化物層107の密度を第1金属酸化物層108の密度よりも小さくすることができる。
上記の点を除けば、第2実施形態の不揮発性記憶素子は、第1実施形態の不揮発性記憶素子と同様の構成とすることができる。よって、共通する構成要素については同一の符号及び名称を付して、詳細な説明を省略する。
本第2実施形態においても、第1実施形態と同様の変形が可能である。
[第4実施例]
第4実施例の不揮発性記憶素子は、第2金属酸化物層を条件A(低密度)により厚さが3nmとなるように形成し、第1金属酸化物層を条件B(高密度)により厚さが3nmとなるように形成した点以外は、第1実施例と同様とした。
[第5実施例]
第5実施例の不揮発性記憶素子は、第2金属酸化物層を条件A(低密度)により厚さが2nmとなるように形成し、第1金属酸化物層を条件B(高密度)により厚さが4nmとなるように形成した点以外は、第1実施例と同様とした。
[第6実施例]
第6実施例の不揮発性記憶素子は、第2金属酸化物層を条件A(低密度)により厚さが4nmとなるように形成し、第1金属酸化物層を条件B(高密度)により厚さが2nmとなるように形成した点以外は、第1実施例と同様とした。
[比較]
図11は、第1実施例と第4実施例と第1比較例とでブレークダウン時間を比較したグラフである。図11では、横軸をブレークダウン時間とし、縦軸を正規分布での期待値としている。第1実施例におけるサンプル数(N)はN=12、第4実施例におけるサンプル数(N)はN=10、第1比較例におけるサンプル数(N)はN=10である。
図に示すように、第4実施例のブレークダウン時間は、第1比較例のブレークダウン時間と比較して短くなり、かつ、ブレークダウン時間のばらつきが低減されている。すなわち、第4実施例のような構成を採用することによって、ブレークダウンのしやすさが向上し、かつ、ブレークダウン時間のばらつきが低減されることが確認された。
図12は、実施例と比較例とでブレークダウン時間とHR電流変動量とを比較したグラフである。各プロットは、複数のサンプルの平均値である。第1実施例のみN=12で、第2実施例乃至第6実施例および第1比較例と第2比較例は、サンプル数(N)=10である。図12に示すように、第4実施例、第5実施例、第6実施例のいずれにおいても、ブレークダウン時間が、第1比較例の半分程度に短くなっている。
また、図12に示すように、第4実施例、第5実施例、第6実施例のいずれのHR電流変動量も、第1比較例のHR電流変動量と同程度であって、第2比較例のHR電流変動量よりも1μA以上小さくなっている。すなわち、第4実施例、第5実施例、第6実施例のような構成を採用することにより、高抵抗状態における抵抗値のばらつきを抑制できることが確認された。
以上のことから、第2実施形態の構成でも、比較例の構成と比較して、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させることができることが確認された。
なお、さらに細かく検討すると、第5実施例(第2金属酸化物層の厚さを第1金属酸化物層よりも薄くしている例)は、第4実施例及び第6実施例と比較して、ブレークダウン時間はほとんど違いがないものの、HR電流変動量が大きくなっている。
[検討]
以下、高密度の高抵抗層と低密度の高抵抗層との上下関係を逆転させても、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させることができるメカニズムについて検討する。
図13は、第1実施例と第4実施例と第1比較例と第2比較例とで初期抵抗値を比較したグラフである。初期抵抗値とは、初期ブレークダウンが実行される前の不揮発性記憶素子の抵抗値である。
図13に示すように、第4実施例(第2実施形態)の初期抵抗値は、第1実施例(第1実施形態)及び第2比較例とほぼ同程度であって、第1比較例よりも小さくなっている。第2実施形態の実施例(第4実施例、第5実施例、及び第6実施例)において、第1実施形態の実施例(第1実施例、第2実施例、及び第3実施例)と同様に、ブレークダウン時間が第1比較例よりも短くなっているのは、初期抵抗値が低いためと考えられる。
第1実施形態の実施例(第1実施例、第2実施例、及び第3実施例)では、第2実施形態の実施例(第4実施例、第5実施例、及び第6実施例)よりもブレークダウン時間が短くなっている。その理由は、第1実施形態では、初期抵抗値が低いという効果と、第2電極と第1金属酸化物との界面でより多くの酸素脱離が発生して酸化還元反応が生じやすくなるという効果とが足し合わさっているためと考えられる。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の変形が可能である。
(第3実施形態)
第3実施形態の不揮発性記憶装置は、第1平面内において互いに平行に形成された複数の第1配線と、第1平面上に平行な第2平面内において互いに平行且つ複数の第1配線に立体交差するように形成された複数の第2配線と、複数の第1配線と複数の第2配線との立体交差点のそれぞれに対応して設けられた不揮発性記憶素子とを備え、不揮発性記憶素子のそれぞれは、第1実施形態、第2実施形態、及びそれらの変形例のいずれかの不揮発性記憶素子であり、第1配線には第1電極が接続され、第2配線には第2電極が接続され、抵抗変化層は、第1配線と第2配線との間で与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する。
第3実施形態の不揮発性記憶装置は、第1実施形態、第2実施形態、及びそれらの変形例のいずれかの不揮発性記憶素子の第1の適用例であって、ワード線とビット線との交点(立体交差点)に不揮発性記憶素子を介在させた、いわゆるクロスポイント型の不揮発性記憶装置である。
[装置構成]
図14は、第3実施形態の不揮発性記憶装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図15は、図14のA部の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図14に示す例において、本実施形態の不揮発性記憶装置200は、半導体基板上に、メモリ本体部201を備えており、このメモリ本体部201は、メモリアレイ202と、行選択回路/ドライバ203と、列選択回路/ドライバ204と、情報の書き込みを行うための書き込み回路205と、選択ビット線に流れる電流量を検出し、データ「1」または「0」と判定するセンスアンプ206と、端子DQを介して入出力データの入出力処理を行うデータ入出力回路207とを具備している。
さらに不揮発性記憶装置200は、外部から入力されるアドレス信号を受け取るアドレス入力回路208と、外部から入力されるコントロール信号に基づいて、メモリ本体部201の動作を制御する制御回路209とを備えている。
なお、半導体基板は必須ではない。
図14及び図15に示す例において、メモリアレイ202は、半導体基板の上に互いに平行に形成された複数のワード線(第1配線)WL0、WL1、WL2、…と、これらの複数のワード線WL0、WL1、WL2、…の上方にその半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行且つ複数のワード線WL0、WL1、WL2、…に立体交差するように形成された複数のビット線(第2配線)BL0、BL1、BL2、…とを備えている。
メモリアレイ202には、これらの複数のワード線WL0、WL1、WL2、…と複数のビット線BL0、BL1、BL2、…との立体交差点に対応してマトリクス状に設けられた複数のメモリセルM111、M112、M113、M121、M122、M123、M131、M132、M133、…(以下、「メモリセルM111、M112、…」と表す)が設けられている。
メモリセルM111、M112、…は、それぞれ第1実施形態に係る不揮発性記憶素子100と、これらに直列に接続された電流制御素子で構成され、それぞれの不揮発性記憶素子は、積層構造の酸素不足型の遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層を有している。
なお、図14におけるメモリセルM111、M112、…は、図15及び図16において符号210で示されている。
[第3実施形態における不揮発性記憶素子の構成]
図16は、第3実施形態の不揮発性記憶装置におけるメモリセルの概略構成の一例を示す断面図である。図16は、図15のB部の断面図である。
図16に示す例において、メモリセル210は、銅配線である下部配線212(図15におけるワード線WL1に相当する)及び上部配線211(図15におけるビット線BL1に相当する)の間に介在しており、下部電極217と、電流制御層216と、内部電極215と、抵抗変化層214と、上部電極213とが順に積層されて構成されている。
ここで、内部電極215、抵抗変化層214、及び上部電極213は、図1に示した第1実施形態の不揮発性記憶素子100における第1電極層103、抵抗変化層104、及び第2電極層105にそれぞれ相当する。したがって、内部電極215、抵抗変化層214、及び上部電極213からなる不揮発性記憶素子は、第1実施形態の不揮発性記憶素子100と同様の方法で形成されうる。なお、図16では、抵抗変化層が有する積層構造は、図示を省略している。
電流制御層216は、例えば、TaNで構成される内部電極215を介して、抵抗変化層214と直列接続されており、電流制御層216と抵抗変化層214とは電気的に接続されている。
下部電極217、電流制御層216、及び内部電極215で電流制御素子が構成される。該電流制御素子は、MIM(Metal−Insulator−Metal)ダイオード又はMSM(Metal−Semiconductor−Metal)ダイオードに代表される素子であり、電圧に対して非線形な電流特性を示すものである。MSMダイオードの方がより多くの電流を流すことができる。
電流制御層216としては、窒素不足型の窒化シリコン(SiNx)やアモルファスSi等を用いることができる。また、この電流制御素子は、電圧に対して双方向性の電流特性を有しており、所定の閾値電圧Vf(一方の電極を基準にして例えば+1V以上または−1V以下)で導通するように構成されている。
なお、抵抗変化層として利用しうるタンタル及びその酸化物は、半導体プロセスに一般的に用いられている材料であり、半導体プロセスと非常に親和性が高い。そのため、既存の半導体製造プロセスに容易に組み入れることが可能である。
[多層化構造を有する不揮発性記憶装置の構成例]
図17は、第3実施形態の不揮発性記憶装置の変形例におけるメモリセルの概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。本変形例では、図14及び図15に示したメモリアレイを、3次元的に複数積み重ねることによって、多層化構造を有する大容量の不揮発性記憶装置を実現することができる。
図17に示す例において、不揮発性記憶装置は、図示しない半導体基板の上に互いに平行に形成された複数の下部配線(第1配線)212と、これらの複数の下部配線212の上方にその半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行且つ複数の下部配線212に立体交差するように形成された複数の上部配線(第2配線)211と、これらの複数の下部配線212と複数の上部配線211との立体交差点に対応してマトリクス状に設けられた複数のメモリセル210とを備えるメモリアレイが複数積層されてなる、多層化メモリアレイを備えている。
なお、図14に示す例では、配線層が5層であり、その立体交差点に配される不揮発性記憶素子が4層の構成となっているが、必要に応じてこれらの層数を増減してもよいことは勿論である。
このように構成された多層化メモリアレイを設けることによって、超大容量の不揮発性記憶装置を実現することが可能となる。
なお、第1実施形態において説明したように、抵抗変化層は低温で形成することが可能である。本実施形態で示すような構成を用いて積層化を行う場合であっても、製造工程において生じる熱が下層工程で形成されたトランジスタ及びシリサイドなどの配線材料に影響を与えにくい。したがって、多層化メモリアレイを容易に実現することができる。すなわち、例えばタンタル酸化物を含む抵抗変化層を用いることによって、多層化構造の不揮発性記憶装置を容易に実現することが可能となる。
第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の変形が可能である。
(第4実施形態)
第4実施形態の不揮発性記憶装置は、第1平面内において互いに平行に形成された複数の第1配線と、第1平面上に平行な第2平面内において互いに平行且つ複数の第1配線に立体交差するように形成された複数の第2配線と、第1平面上に平行な第3平面内において互いに平行且つ複数の第1配線と平行且つ複数の第1配線と1対1に対応するように形成された複数の第3配線と、第1配線及び第2配線の立体交差点のそれぞれに対応して設けられ、それぞれソースとドレインとゲートとを備える複数のトランジスタと、トランジスタと1対1に対応するように設けられた複数の不揮発性記憶素子とを備え、不揮発性記憶素子のそれぞれは、第1実施形態、第2実施形態、及びそれらの変形例のいずれかの不揮発性記憶素子であり、第1配線及び第2配線の立体交差点のそれぞれにおいて、対応するトランジスタのゲートが第1配線に接続され、対応するトランジスタのソース及びドレインの一方が第2配線に接続され、対応するトランジスタのソース及びドレインの他方が対応する不揮発性記憶素子の第1電極及び第2電極の一方に接続され、対応する不揮発性記憶素子の第1電極及び第2電極の他方が対応する第3配線に接続されている。
第4実施形態の不揮発性記憶装置は、第1実施形態、第2実施形態、及びそれらの変形例のいずれかの不揮発性記憶素子の第2の適用例であって、単位メモリセル(不揮発性記憶素子)が1トランジスタ−と1不揮発性記憶素子(1T1R構成)とで構成される構造を有する不揮発性記憶装置である。
[装置構成]
図18は、第4実施形態の不揮発性記憶装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図19は、図18のC部の概略構成の一例を模式的に示す断面図である。
図18に示す例において、本実施形態の不揮発性記憶装置300は、半導体基板上に、メモリ本体部301を備えており、このメモリ本体部301は、メモリアレイ302と、行選択回路/ドライバ303と、列選択回路304と、情報の書き込みを行うための書き込み回路305と、選択ビット線に流れる電流量を検出し、データ「1」または「0」と判定するセンスアンプ306と、端子DQを介して入出力データの入出力処理を行うデータ入出力回路307とを具備している。
さらに不揮発性記憶装置300は、セルプレート電源(VCP電源)308と、外部から入力されるアドレス信号を受け取るアドレス入力回路309と、外部から入力されるコントロール信号に基づいて、メモリ本体部301の動作を制御する制御回路310とを備えている。
なお、半導体基板は必須ではない。
図18及び図19に示す例において、メモリアレイ302は、半導体基板の上に形成された、互いに交差するように配列された複数のワード線(第1配線)WL0、WL1、WL2、…及びビット線(第2配線)BL0、BL1、BL2、…と、これらのワード線WL0、WL1、WL2、…及びビット線BL0、BL1、BL2、…の交点に対応してそれぞれ設けられた複数のトランジスタT11、T12、T13、T21、T22、T23、T31、T32、T33、…(以下、「トランジスタT11、T12、…」と表す)と、トランジスタT11、T12、…と1対1に設けられた複数のメモリセルM211、M212、M213、M221、M222、M223、M231、M232、M233、…(以下、「メモリセルM211、M212、…」と表す)とを備えている。
メモリアレイ302は、ワード線WL0、WL1、WL2、…に平行して配列されている複数のプレート線(第3配線)PL0、PL1、PL2、…を備えている。図19に示すように、ワード線WL0、WL1の上方にビット線BL0が配され、そのワード線WL0、WL1とビット線BL0との間に、プレート線PL0、PL1が配されている。
なお、上記の構成例では、プレート線はワード線と平行に配置されているが、ビット線と平行に配置してもよい。また、プレート線はトランジスタに共通の電位を与える構成としているが、行選択回路/ドライバと同様の構成のプレート線選択回路/ドライバを有し、選択されたプレート線と非選択のプレート線とを異なる電圧(極性も含む)で駆動する構成としてもよい。
メモリセルM211、M212、…は、それぞれ第1実施形態に係る不揮発性記憶素子100に相当し、それぞれの不揮発性記憶素子は、積層構造の金属酸化物で構成される抵抗変化層を有している。より具体的には、図19における不揮発性記憶素子313が、図15におけるメモリセルM211、M212、…に相当する。不揮発性記憶素子313は、下部電極316、積層構造の金属酸化物で構成される抵抗変化層315、及び上部電極314で構成されている。上部電極314、抵抗変化層315、及び下部電極316は、それぞれ、第1実施形態の不揮発性記憶素子100における第1電極層103、抵抗変化層104、及び第2電極層105に相当する。したがって、上部電極314、抵抗変化層315、及び下部電極316からなる不揮発性記憶素子313は、第1実施形態の不揮発性記憶素子100と同様の方法で形成されうる。なお、図19では、抵抗変化層が有する積層構造は、図示を省略している。
図19における317はプラグ層を、318は金属配線層を、319はソースまたはドレイン領域をそれぞれ示している。
図18に示すように、トランジスタT11、T12、T13、…のドレインはビット線BL0に、トランジスタT21、T22、T23、…のドレインはビット線BL1に、トランジスタT31、T32、T33、…のドレインはビット線BL2に、それぞれ接続されている。
トランジスタT11、T21、T31、…のゲートはワード線WL0に、トランジスタT12、T22、T32、…のゲートはワード線WL1に、トランジスタT13、T23、T33、…のゲートはワード線WL2に、それぞれ接続されている。
トランジスタT11、T12、…のソースはそれぞれ、メモリセルM211、M212、…と接続されている。
メモリセルM211、M221、M231、…はプレート線PL0に、メモリセルM212、M222、M232、…はプレート線PL1に、メモリセルM213、M223、M233、…はプレート線PL2に、それぞれ接続されている。
アドレス入力回路309は、外部回路(図示せず)からアドレス信号を受け取り、このアドレス信号に基づいて行アドレス信号を行選択回路/ドライバ303へ出力するとともに、列アドレス信号を列選択回路304へ出力する。ここで、アドレス信号は、複数のメモリセルM211、M212、…のうちの選択される特定のメモリセルのアドレスを示す信号である。また、行アドレス信号は、アドレス信号に示されたアドレスのうちの行のアドレスを示す信号であり、列アドレス信号は、アドレス信号に示されたアドレスのうちの列のアドレスを示す信号である。
制御回路310は、情報の書き込みサイクルにおいては、データ入出力回路307に入力された入力データDinに応じて、書き込み用電圧の印加を指示する書き込み信号を書き込み回路305へ出力する。他方、情報の読み出しサイクルにおいて、制御回路310は、読み出し用電圧の印加を指示する読み出し信号を列選択回路304へ出力する。
行選択回路/ドライバ303は、アドレス入力回路309から出力された行アドレス信号を受け取り、この行アドレス信号に応じて、複数のワード線WL0、WL1、WL2、…のうちの何れかを選択し、その選択されたワード線に対して、所定の電圧を印加する。
列選択回路304は、アドレス入力回路309から出力された列アドレス信号を受け取り、この列アドレス信号に応じて、複数のビット線BL0、BL1、BL2、…のうちの何れかを選択し、その選択されたビット線に対して、書き込み用電圧または読み出し用電圧を印加する。
書き込み回路305は、制御回路310から出力された書き込み信号を受け取った場合、列選択回路304に対して選択されたビット線に対して書き込み用電圧の印加を指示する信号を出力する。
センスアンプ306は、情報の読み出しサイクルにおいて、読み出し対象となる選択ビット線に流れる電流量を検出し、データ「1」または「0」と判定する。その結果得られた出力データDOは、データ入出力回路307を介して、外部回路へ出力される。
なお、1トランジスタ−1不揮発性記憶素子の構造を有する本実施形態の場合、第3実施形態におけるクロスポイント型の不揮発性記憶素子の構成と比べて記憶容量は小さくなる。しかしながら、ダイオードのような電流制御素子が不要であるため、CMOSプロセスに容易に組み合わせることができ、また、動作の制御も容易であるという利点がある。
また、第3実施形態と同様に、第4実施形態でも抵抗変化層は低温で形成することが可能である。本実施形態で示すような構成を用いて積層化を行う場合であっても、製造工程において生じる熱が下層工程で形成されたトランジスタ及びシリサイドなどの配線材料に影響を与えにくい。
さらに、第3実施形態と同様に、タンタル及びその酸化物は、既存の半導体製造プロセスに容易に組み入れることが可能である。よって、タンタル酸化物を抵抗変化層に利用することで、本実施形態の不揮発性記憶装置を容易に製造することができる。
第4実施形態においても、第1実施形態、第2実施形態、及び、第3実施形態と同様の変形が可能である。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の一態様は、ブレークダウンのしやすさと高抵抗状態における抵抗値のばらつきの抑制とを両立させた不揮発性記憶素子及び不揮発性記憶装置として有用である。
100 不揮発性記憶素子
103 第1電極
104 抵抗変化層
105 第2電極
106 第3金属酸化物層
107 第2金属酸化物層
108 第1金属酸化物層
200 不揮発性記憶装置
201 メモリ本体部
202 メモリアレイ
203 行選択回路/ドライバ
204 列選択回路/ドライバ
205 書き込み回路
206 センスアンプ
207 データ入出力回路
208 アドレス入力回路
209 制御回路
210 メモリセル
211 上部配線
212 下部配線
213 上部電極
214 抵抗変化層
215 内部電極
216 電流制御層
217 下部電極
300 不揮発性記憶装置
301 メモリ本体部
302 メモリアレイ
303 行選択回路/ドライバ
304 列選択回路
305 書き込み回路
306 センスアンプ
307 データ入出力回路
308 VCP電源
309 アドレス入力回路
313 不揮発性記憶素子
314 上部電極
315 抵抗変化層
316 下部電極
317 プラグ層
318 金属配線層
319 ソースまたはドレイン領域
310 制御回路
800 不揮発性記憶素子
803 第1電極
804 抵抗変化層
805 第2電極
806 第2金属酸化物層
807 第1金属酸化物層
WL0、WL1、WL2、… ワード線(第1配線)
BL0、BL1、BL2、… ビット線(第2配線)
M111、M112、… メモリセル
PL0、PL1、PL2、… プレート線(第3配線)
T11、T12、… トランジスタ

Claims (13)

  1. 第1電極を形成し、
    前記第1電極の上に抵抗変化層を形成し、
    前記抵抗変化層の上に第2電極を形成し、
    前記抵抗変化層は、第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層を形成し、前記第3金属酸化物層の上に第2金属酸化物で構成される第2金属酸化物層を形成し、前記第2金属酸化物層の上に第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層を形成する方法であって、
    前記抵抗変化層は、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化するものであり、
    前記第1金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、
    前記第2金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、
    前記第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物であり、
    前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度とが異なっており、
    前記第2金属酸化物層と前記第1金属酸化物層とが別個に堆積される、
    不揮発性記憶素子の製造方法。
  2. 前記第2金属酸化物層と前記第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、圧力が0.1Pa以上の条件で行われるスパッタリングにより堆積する、
    請求項1に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  3. 前記第2金属酸化物層と前記第1金属酸化物層のうち、密度が相対的に低い層を、ALDにより堆積する、
    請求項1に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  4. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて抵抗値が可逆的に変化する抵抗変化層と、を備え、
    前記抵抗変化層は、第3金属酸化物で構成される第3金属酸化物層と、第2金属酸化物で構成される第2金属酸化物層と、第1金属酸化物で構成される第1金属酸化物層とが、この順で積層された構造を備え、
    前記第1金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、
    前記第2金属酸化物の酸素不足度は前記第3金属酸化物の酸素不足度よりも小さく、
    前記第3金属酸化物は酸素不足型の金属酸化物であり、
    前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度とが異なっており、
    前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度との差が0.25g/cm以上である、
    不揮発性記憶素子。
  5. 前記第1金属酸化物層の密度および前記第2金属酸化物層の密度のうちの低い方が7.7g/cm以下である、請求項4に記載の不揮発性記憶素子。
  6. 前記第1金属酸化物層の密度と前記第2金属酸化物層の密度との差が、前記第1金属酸化物層の密度および前記第2金属酸化物層の密度のうちの高い方の3%以上である、請求項4に記載の不揮発性記憶素子。
  7. 前記第1金属酸化物、前記第2金属酸化物、及び前記第3金属酸化物がいずれも金属Mの酸化物であり、
    前記第3金属酸化物は金属Mの酸化物の化学量論的組成よりも酸素含有率が少なく、
    前記第1金属酸化物、前記第2金属酸化物、及び前記第3金属酸化物をそれぞれMO、MO、MOと表記したとき、x<y、かつ、x<zを満足する、
    請求項4に記載の不揮発性記憶素子。
  8. 前記第2金属酸化物層は、前記第1金属酸化物層よりも密度が大きい、請求項4に記載の不揮発性記憶素子。
  9. 前記第2金属酸化物層は、前記第1金属酸化物層よりも密度が小さい、請求項4に記載の不揮発性記憶素子。
  10. 前記第2金属酸化物層は、前記第1金属酸化物層よりも厚い、請求項8に記載の不揮発性記憶素子。
  11. 前記第1金属酸化物、前記第2金属酸化物、及び前記第3金属酸化物がいずれもタンタル酸化物であり、前記第1金属酸化物をTaO、前記第2金属酸化物をTaO、前記第3金属酸化物をTaOと表したときに、
    1.9<y
    1.9<z
    0<x≦1.9
    を満足する、請求項から10のいずれか1項に記載の不揮発性記憶素子。
  12. 第1平面内において互いに平行に形成された複数の第1配線と、
    前記第1平面上に平行な第2平面内において互いに平行且つ前記複数の第1配線に立体交差するように形成された複数の第2配線と、
    前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との立体交差点のそれぞれに対応して設けられた不揮発性記憶素子とを備え、
    前記不揮発性記憶素子のそれぞれは、請求項から11のいずれか1項に記載の不揮発性記憶素子であり、
    前記第1配線には前記第1電極が接続され、
    前記第2配線には前記第2電極が接続され、
    前記抵抗変化層は、前記第1配線と前記第2配線との間で与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する、不揮発性記憶装置。
  13. 第1平面内において互いに平行に形成された複数の第1配線と、
    前記第1平面上に平行な第2平面内において互いに平行且つ前記複数の第1配線に立体交差するように形成された複数の第2配線と、
    前記第1平面上に平行な第3平面内において互いに平行且つ前記複数の第1配線と平行且つ前記複数の第1配線と1対1に対応するように形成された複数の第3配線と、
    前記第1配線及び前記第2配線の立体交差点のそれぞれに対応して設けられ、それぞれソースとドレインとゲートとを備える複数のトランジスタと、
    前記トランジスタと1対1に対応するように設けられた複数の不揮発性記憶素子とを備え、
    前記不揮発性記憶素子のそれぞれは、請求項から11のいずれか1項に記載の不揮発性記憶素子であり、
    前記第1配線及び前記第2配線の立体交差点のそれぞれにおいて、
    対応する前記トランジスタのゲートが前記第1配線に接続され、
    対応する前記トランジスタのソース及びドレインの一方が第2配線に接続され、
    対応する前記トランジスタのソース及びドレインの他方が対応する前記不揮発性記憶素子の前記第1電極及び前記第2電極の一方に接続され、
    対応する前記不揮発性記憶素子の前記第1電極及び前記第2電極の他方が対応する前記第3配線に接続されている、
    不揮発性記憶装置。
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