JP2011238696A - 抵抗変化素子及びその製造方法、並びに半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

抵抗変化素子及びその製造方法、並びに半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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浩一郎 岡本
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宗弘 多田
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Abstract

【課題】低動作電圧を実現すると共に、スイッチング電圧のばらつきを低減した抵抗変化素子及びその製造方法、並びに半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】抵抗変化素子は、第1電極と、第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、抵抗変化層に接する第2電極と、を備える。抵抗変化層は、高密度層と、高密度層より低密度の低密度層を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば不揮発性記憶装置等に使用される抵抗変化素子及びその製造方法に関する。また、本発明は、該抵抗変化素子を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、ゲートアレイとスタンダードセルの中間的な位置づけとしてフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field Programmable Gate Array)と呼ばれるデバイスが開発されている。FPGAは、配線接続部に抵抗変化素子を有する。これにより、顧客自身による任意の回路設計を可能にしている。抵抗変化素子としては、例えば、抵抗変化型不揮発素子(以下抵抗変化素子と略)としては、金属酸化物を用いた抵抗メモリ(ReRAM;Resistance Random Access Memory)、イオン伝導体を用いたナノブリッジ(Nanobridge)等が知られている。
特許文献1には、遷移金属酸化物を主成分として含む抵抗変化材料を有する抵抗変化素子が開示されている。また、非特許文献1及び非特許文献2には、ニッケル酸化物(NiO)を用いた抵抗可変素子が報告されている。
図18に、背景技術に係る抵抗変化素子の概略断面図を示す。背景技術に係る抵抗変化素子30は、第1電極31と、第2電極33と、第1電極31と第2電極33との間に配され、第1電極31と第2電極33によって電圧を印加されることによって抵抗が変化する抵抗変化層32と、を備える。
抵抗変化素子30の動作について説明する。図19に、抵抗変化素子の電気的特性図を示す。オフ状態において、第1電極31に正電圧を印加すると、抵抗変化層32中にフィラメントと呼ばれる電流経路が形成され、その電流経路により第1電極31と第2電極33が電気的に接続され、これによりスイッチが低抵抗のオン状態に変化する(破線)。オン状態において第1電極31に正電圧を印加すると、フィラメントが破断し、これにより第1電極31と第2電極33が電気的に絶縁されることで、スイッチが高抵抗のオフ状態に変化する(実線)。抵抗変化素子30はこのオン状態とオフ状態の間を不揮発で、かつ繰り返し切り替える動作が可能であり、この特性を利用することで不揮発性メモリあるいは不揮発性スイッチへの応用が可能になる。
国際公開WO2009/096363号
J. F. Gibbonsら、"Switching Properties of Thin NiO films"、Solid-State Electronics、1964年、7巻、785頁 D. C. Kimら、"Electrical Observations of Filamentary Conductions for the Resistive Memory Switching in NiO Films"、Applied Physics Letters、2006年、88巻、202102頁
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
スイッチ素子においては、CMOS上への混載化の要求に応じるため、動作電圧をCMOS互換可能な電圧まで低減しつつ、高信頼性を維持できるスイッチ素子の実現が望まれていた。例えば、ReRAMにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、抵抗変化膜として、NiO、TiO、TaO等の酸化物が使用される。これらの抵抗変化酸化物の形成方法としては、反応性スパッタ法、RFスパッタ法、CVD法等が存在する。しかしながら、いずれの方法も好適な酸化量を維持しつつ、平坦な膜を得ることが困難である。特に、非特許文献1及び非特許文献2に記載されているようなNiOを形成する場合においては、過剰酸化雰囲気ではNi欠損が生じやすく、一方、雰囲気中の酸素が不足すると容易に還元してしまうので、膜の平坦性と、酸素量の両立が極めて困難であった。このため、抵抗変化膜の表面粗度に起因して、スイッチング電圧(特に初回セット電圧)がばらつくことが問題であった。
また、膜内の酸素濃度を制御する手法として、金属膜を酸化させることで酸化物を形成する手法も存在する。しかしながら、金属膜の酸化は反応による体積変化が大きいため、表面粗度を増大させてしまうという問題を有していた。
本発明の目的は、低動作電圧を実現すると共に、スイッチング電圧のばらつきを低減した抵抗変化素子及びその製造方法、並びに半導体装置及びその製造方法を提供することである。
本発明の第1視点によれば、第1電極と、第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、抵抗変化層に接する第2電極と、を備える抵抗変化素子が提供される。抵抗変化層は、高密度層と、高密度層より低密度の低密度層を有する。
本発明の第2視点によれば、第1電極と、第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、抵抗変化層に接する第2電極と、を備える抵抗変化素子が提供される。第2電極と接する抵抗変化層の表層は酸化プラズマ処理されている。
本発明の第3視点によれば、第1電極を形成する工程と、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層を第1電極に接するように形成する工程と、抵抗変化層の一部を低密度化する工程と、抵抗変化層の低密度化した領域に接するように第2電極を形成する工程と、を含む抵抗変化素子の製造方法が提供される。
本発明の第4視点によれば、上記第1視点又は第2視点に係る抵抗変化素子を備える半導体装置が提供される。
本発明の第5視点によれば、上記第3視点に係る抵抗変化素子の製造工程を含む半導体装置の製造方法が提供される。
本発明は、以下の効果のうち少なくとも1つを有する。
本発明においては、金属欠損が多く存在する領域(層)を抵抗変化層に形成している。これにより、電流経路の形成が容易になり、本発明の抵抗変化素子はより低電圧で駆動させることができる。
本発明においては、抵抗変化層の表層を酸化プラズマ処理している。これにより、抵抗変化層の表面粗度が低くなり、抵抗変化素子のスイッチング電圧のばらつきを低減することができる。
本発明の抵抗変化素子を半導体装置に組み込むことにより、動作電圧を低下させることができる。これにより、半導体装置の小型化及び高密度化を実現することができる。
本発明の抵抗変化素子を半導体装置に組み込むことにより、動作電圧のばらつきを抑えることができる。これにより、半導体装置の信頼性を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子の概略断面図。 本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の概略断面図。 本発明の第3実施形態に係る半導体装置の概略断面図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図。 酸化プラズマ処理条件に対するNiO膜の低密度層の特性を示すグラフ。 酸化プラズマ処理条件に対するNiO膜の低密度層の特性を示すグラフ。 酸化プラズマ処理条件に対するNiO膜の低密度層の特性を示すグラフ。 酸化プラズマ処理条件に対するNiO膜の低密度層と高密度層の差を示すグラフ。 本発明の抵抗変化素子における電流電圧特性を示すグラフ。 本発明の抵抗変化素子における電流電圧特性を示すグラフ。 背景技術に係る抵抗変化素子の概略断面図。 抵抗変化素子の電気的特性図。
本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子について説明する。図1に、本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子の概略断面図を示す。
本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子10は、第1電極11、第1電極11に接して形成された抵抗変化層15、及び抵抗変化層15に接して形成された第2電極14を備える。抵抗変化層15は、第1電極11及び第2電極14により電圧が印加されると抵抗が変化する。抵抗変化層15は、高密度層12、及び高密度層12より密度が低い低密度層13を有する。第1電極11は高密度層12と接している。第2電極12は低密度層13と接している。
抵抗変化層15は、例えば、金属酸化物で形成することができる。例えば、抵抗変化層15は、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)から選ばれる金属の少なくとも1種類の金属の酸化物を用いることができる。特に、Niの酸化物(NiO)を用いると好ましい。
抵抗変化層15の層厚は、抵抗変化層15のリーク電流を低減させるために、5nm以上であると好ましい。また、抵抗変化層15の層厚は、スイッチング電圧を低減させるために、20nm以下であると好ましい。
低密度層13は、その内部に金属欠損又は酸素欠損を有する。このとき、第1電極11及び第2電極14から抵抗変化層15に電圧を印加すると、当該金属欠損ないし酸素欠損によって高密度層12の金属及び酸素が容易に拡散することができる。これにより、フィラメントの形成がされやすくなり、スイッチング動作を低電圧化することができる。
抵抗変化層15において、低密度層13の層厚は0.5nm以上であると好ましい。0.5nm未満であると、低密度化による金属欠損ないし酸素欠損の増大効果が不十分となる。また、低密度層13の層厚は10nm以下であると好ましい。10nmより厚くなると、素子の動作信頼性が低下してしまう。
本実施形態においては、低密度層13は、抵抗変化層15において第2電極14側に形成されているが、第1電極11側に形成されてもよいし、高密度層に挟まれるような形態であってもよい。また、低密度層13は、1層に限定されること無く、複数層あってもよい。
次に、抵抗変化層15をニッケル酸化物で形成する例について説明する。
NiOは、一般的にそのNi:Oの組成比が化学量論的に1:1のNiOを形成するが、Ni欠損を生じやすく、Oの組成比が高くなる。抵抗変化層15に電圧を印加すると電流経路(フィラメント)が形成されるが、この場合のフィラメントは、Ni欠損が析出したものであり、ホール伝導による電流経路となる。低密度層13を形成すると、Ni欠損が局所的に増加することになる。これにより、リーク電流を抑制しながらスイッチング電圧を低減することができる。
ニッケル酸化膜は、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれであってもよい。成膜の容易性から多結晶又は非晶質であると好ましい。また、膜の均一化の観点から非晶質であるとより好ましい。
ニッケル酸化膜における低密度層13の密度は、4g/cm以上であると好ましい。4g/cm未満であると酸素成分が過剰となり、第2電極14との密着性を確保することができなくなる。また、ニッケル酸化膜における低密度層13に密度は、5g/cm未満であると好ましい。5g/cm以上になるとNi原子が還元しやすくなり、リーク電流が増大してしまう。
ニッケル酸化膜における高密度層12の密度は、第1電極11との密着性を確保するために5g/cm以上に設定することと好ましい。また、ニッケル酸化膜における高密度層12に密度は、リーク電流を抑制するために7g/cm以下に設定することと好ましい。
低密度層13と高密度層12の密度の差は、0.5g/cm以上あると好ましい。
第1電極11及び第2電極14は、例えば、Ru、Ni、TiN、Ta,TaN、Pt等の材料で形成すると好ましい。これらの電極材料はドライエッチングやCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術による加工が容易であり、LSI製造プロセスとの整合性がよい。第1電極11及び第2電極14は同じ材料で形成してもよいし、互いに異なる材料で形成してもよい。
次に、本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子の製造方法について説明する。図2に、本発明の第1実施形態に係る抵抗変化素子の製造方法を説明するための概略工程図を示す。
まず、第1電極11上に、抵抗変化層15の高密度層12を形成する(図2(a))。このとき、高密度層12の厚さは、抵抗変化層15の厚さ、すなわち高密度層12の厚さと低密度層13の厚さを合わせたものとする。
次に、高密度層12の表面を低密度化して低密度層13を形成する(図2(b))。例えば、高密度層12の表面を酸化プラズマ処理によって低密度化することができる。
低密度層13の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いることができる。例えば、金属酸化物層からなる高密度層12をプラズマCVD装置の反応室にシャワーヘッドと対向して配置する。被処理体を所定の温度に加熱し、酸化ガスを含む混合ガスの流量及び圧力をマスフローコントローラにより調整し、シャワーヘッドを介して高密度層12の表面に供給する。このとき、高周波電力をシャワーヘッドに印加することで、シャワーヘッドと高密度層12との間に酸化プラズマが発生し、この酸化プラズマによって高密度層12の表層に低密度層13を形成することができる。酸化プラズマは酸化ガス及び不活性ガスを含む。酸化ガスと不活性ガスとを混合することで、プラズマの電子密度が上がり、より強い酸化力を得ることができる。
酸化ガスとしては、酸素(O)、一酸化二窒素(NO)等の酸化ガスを用いることができ、十分な酸化力を得るためにはプラズマ中でのイオン化率の高いNOを用いると好ましい。また、不活性ガスとしては、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)等の希ガスを用いることができ、イオンボンバードメントの小さいHeを用いると高密度層12のリーク電流を低く抑えることができる。
酸化ガスとしてNO、不活性ガスとしてHeを用いる場合、十分かつ安定したNOのイオン化率及び電子密度を得るために、反応室中のNO流量は、10sccm〜300sccmの範囲で設定されると好ましく、He流量は300sccm〜3000sccmの範囲で設定されると好ましい。このとき、反応室中の不活性ガスを含めた混合ガスの全圧は、1Torr〜4Torr程度の範囲で維持されることが好ましい。なお、1Torr=約133Paである。以下では、圧力の単位として、部分的にTorrを用いるものとする。
基板温度は、酸化反応を促進し、形成される低密度層13の膜厚を0.5nm以上確保するため、かつ、高密度層12表面における原子のマイグレーションを促進し、表面平坦性を向上させるため、200℃以上とすることが好ましい。また、結晶性を維持しつつ平坦性を向上させるため、400℃以下に設定することが好ましい。
抵抗変化層15をニッケル酸化膜で形成する方法の一例について説明する。ニッケル酸化膜(高密度層12)は、例えば、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成することができる。Niターゲットを用いたスパッタリング法によってニッケル酸化膜を形成する場合、基板温度は結晶化を抑制するために400℃以下、スパッタリングにおけるO流量は10sccm〜35sccm、Ar流量は10sccm〜50sccm、スパッタパワーは0.2kW〜1kWにそれぞれ設定すると好ましい。この条件によってニッケル酸化膜を形成すると、結晶化が抑制され、かつスイッチング動作が可能なニッケル酸化膜を得ることができる。
次に、低密度層13上に、第2電極14を形成する(図2(c))。これにより、抵抗変化素子10を製造することができる。
なお、ニッケル酸化膜以外にも、上記に例示した抵抗変化層15の金属酸化物についても酸化プラズマを用いて表層を低密度化することができる。
低密度層13の密度、膜厚及び表面粗度は、例えばX線反射率(XRR;X-ray reflectivity)測定によって確認することができる。また、高密度層12及び低密度層の組成は、例えばX線光電子分光(XPS;X-ray photoelectron spectroscopy)又はエネルギー分散型X線分光(EDX;Energy Dispersive X-ray spectroscopy)によって確認することができる。
抵抗変化層15を酸化プラズマ処理することにより、表面粗度を低くすることができる。これにより、スイッチング電圧のばらつきを抑制することができる。
本発明の第2実施形態に係る半導体装置について説明する。図3に、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示す。
半導体装置100は、本発明の抵抗変化素子を備える。抵抗変化素子は、下部電極131、抵抗変化層132、及び上部電極133を有する。ここでは、上部電極133が第1実施形態における第1電極に相当し、下部電極131が第1実施形態における第2電極に相当する。抵抗変化層は、第1実施形態で説明したように、高密度層111及び低密度層112を有する。下部電極131は、第1下部電極109及び第2下部電極110を有する。上部電極133は、第1上部電極113及び第2上部電極114を有する。第1下部電極109、第2下部電極110、高密度層111、低密度層112、第1上部電極113及び第2上部電極114は順に積層され、第2上部電極114上にはさらに第2ハードマスク膜115及び第3ハードマスク膜16が積層されている。抵抗変化素子を含むこの積層体は、保護絶縁膜117で覆われている。
半導体装置100においては、半導体基板101、第1層間絶縁膜102、第2層間絶縁膜104、第3層間絶縁膜118、及び第4層間絶縁膜120が積層されている。ここで言う半導体基板101は、半導体基板そのものであってもよく、基板表面に半導体素子(不図示)が形成されている基板であってもよい。
抵抗変化素子は、第3層間絶縁膜118に形成されている。下部電極131は、第2層間絶縁膜104に形成された第1配線106と電気的に接続されている。上部電極133は、プラグ123及び第2バリアメタル122を介して、第4層間絶縁膜120に形成された第2配線124と電気的に接続されている。
第1下部電極109及び第2上部電極114は、第1配線106及び第2配線124を構成する金属が、抵抗変化素子へ拡散することを防止するバリアメタルとして機能する。第1下部電極109及び第2上部電極114は、バリア性を有する導電性膜で形成すると好ましい。例えば、第1配線106及び第2配線124がCuを主成分として構成される場合、第1下部電極109は、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭窒化タングステン(WCN)のような高融点金属やその窒化物等、又はそれらの積層膜で形成されると好ましい。
第1配線106、プラグ123及び第2配線124は、第1バリアメタル105及び第2バリアメタル122を介して層間絶縁膜104,118,120に埋め込まれている。第2配線124は、プラグ123と一体になっている。プラグ123は、第3ハードマスク膜116及び第2ハードマスク膜115に形成された第3開口部125に第2バリアメタル122を介して埋め込まれている。第2配線124及びプラグ123には、例えば、Cuが用いられる。第1バリアメタル105及び第2バリアメタル122は、第1配線106、プラグ123及び第2配線124に含まれる金属が層間絶縁膜104,118,120や他の層へ拡散しないように、第1配線106、プラグ123及び第2配線124の側面及び底面を被覆している。第1バリアメタル105及び第2バリアメタル122は、例えば、第1配線106、プラグ123及び第2配線124がCuを主成分とする金属からなる場合には、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭窒化タングステン(WCN)のような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜で形成されると好ましい。第2バリアメタル122は、第2上部電極114と同一材料であることが好ましい。例えば、第2バリアメタル122がTaN(下層)/Ta(上層)の積層構造である場合には、下層材料であるTaNを第2上部電極114に用いると好ましい。あるいは、第2バリアメタル122がTi(下層)/Ru(上層)である場合は、下層材料であるTiを第2上部電極114に用いると好ましい。
第3ハードマスク膜116は、第2ハードマスク膜115をエッチングする際のハードマスクとなる膜である。第3ハードマスク膜116は、第2ハードマスク膜115と異なる種類の膜であることが好ましく、例えば、第2ハードマスク膜115がSiN膜であれば、第3ハードマスク膜116にSiO膜を用いることが可能である。
保護絶縁膜117は、抵抗変化素子へのダメージを防止する機能及び抵抗変化層132からの酸素の脱離を防ぐ機能を有する。保護絶縁膜117には、例えば、SiN膜、SiCN膜等を用いることが可能である。保護絶縁膜117は、第2ハードマスク膜115及び絶縁性バリア膜107と同一材料であることが好ましい。同一材料である場合には、保護絶縁膜117と絶縁性バリア膜107及び第2ハードマスク膜115が一体化して、界面の密着性を向上させることができる。
本発明の第3実施形態に係る半導体装置について説明する。図4に、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示す。図4において、第2実施形態と同じ要素には同じ符号を付してある。第3実施形態に係る半導体装置200においては、半導体基板101にCMOSトランジスタが形成されている。抵抗変化素子は、CMOSトランジスタと電気的に接続されている。
抵抗可変素子は、コンタクト205、第1バリアメタル105及び第1配線106を介して第1不純物拡散領域201と電気的に接続されている。第2不純物拡散領域202は、第3配線に電気的に接続されている。
本発明の抵抗変化素子を半導体装置に組み込むことにより動作電圧を低下させることができる。これにより、サイズが大きい制御用高耐圧トランジスタが不要となり、周辺回路を簡素化することができる。したがって、本発明によれば、半導体装置の小型化及び高密度化を図ることができる。
本発明の抵抗変化素子及び半導体装置の製造方法について説明する。ここでは、一例として、第2実施形態に係る半導体装置100の製造方法について説明する。図5〜図11に、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための概略工程図を示す。
まず、半導体基板101上に第1層間絶縁膜102、第1絶縁性バリア膜103及び第2層間絶縁膜104を順に形成する。例えば、第1層間絶縁膜102を膜厚300nmのシリコン酸化膜とし、第1絶縁性バリア膜103を膜厚50nmのシリコン窒化膜をとし、第2層間絶縁膜104を膜厚300nmのシリコン酸化膜とすることができる。
次に、リソグラフィ法を用いて、第2層間絶縁膜104、第1絶縁性バリア膜103、及び第1層間絶縁膜102に、第1配線106用の第1配線溝を形成する。このリソグラフィ法では、第2層間絶縁膜104の上に所定のパターンのレジストを形成するフォトレジスト形成処理、積層された膜に対してレジストをマスクにして異方性エッチングを行うドライエッチング処理、及び、エッチングにより第1配線溝を形成した後にレジストを除去する処理を含む。第1配線溝は、第2層間絶縁膜104及び第1絶縁性バリア膜103を貫通し、第1層間絶縁膜102の上面を例えば20nm程度エッチングするように形成すると好ましい。このようにして、予め第1絶縁性バリア膜103をエッチングしておくことにより第1配線溝の抜け性を向上させることができる。
次に、第1配線溝に第1バリアメタル105を介して金属を埋め込んで第1配線106を形成する(図5(a))。第1バリアメタル105の積層構造は、例えば、TaN(膜厚5nm)/Ta(膜厚5nm)とすることができる。第1配線106の材料としては、例えば、銅を用いることができる。
次に、第1配線106及び第2層間絶縁膜104上に第2絶縁性バリア膜107を形成する。第2絶縁性バリア膜107は、例えば、膜厚50nmのシリコン窒化膜とすることができる。次に、第2絶縁性バリア膜107上に第1ハードマスク膜108を形成する(図5(b))。第1ハードマスク膜108は、例えば、シリコン酸化膜で形成することができる。
次に、所定の開口部パターンを有するフォトレジスト(不図示)を第1ハードマスク膜108上に形成し、フォトレジストをマスクにしてドライエッチング行って第1ハードマスク膜108に第1開口部108aを形成する。その後、酸素プラズマアッシング等によってフォトレジストを剥離する(図5(c))。
次に、第1ハードマスク膜108をマスクとして、第1ハードマスク膜108の第1開口部108aに露出している第2絶縁性バリア膜107を例えば反応性ドライエッチングによってエッチバックすることにより、第1配線106の上面にまで達する第2開口部107aを第2絶縁性バリア膜107に形成する。その後、アミン系の剥離液等で有機剥離処理を行うことで、第1配線106の露出面に形成された酸化銅を除去するとともに、エッチバック時に発生したエッチング副生成物などを除去する(図5(d))。反応性ドライエッチングは、例えば、CF4/Arのガス流量=25/50sccm、圧力0.53Pa、ソースパワー400W、基板バイアスパワー90Wの条件で行うことができる。ソースパワーを低下、または基板バイアスを大きくすることで、エッチング時のイオン性を向上させ、テーパ形状の角度を小さくすることができる。このとき、第2絶縁性バリア膜107の開口部107aの底における第2絶縁性バリア膜107の残膜約30nmに対して、55nm相当(約80%のオーバーエッチングに相当)のエッチングを行うことができる。また、減圧した雰囲気下で基板を350℃に加熱してもよく、この加熱は、エッチバックをスパッタリング装置で行えば、スパッタリング装置内に搭載されているヒートチャンバにて行うことができる。非反応性ガスを用いたRFエッチングでエッチバックを行う場合、非反応性ガスを用いたRFエッチングは、RFエッチングチャンバにてArガスを用いて、Arガス流量=30sccm、圧力1.3Pa、ソースパワー290W、基板バイアスパワー130Wの条件で行うことができる。RFエッチング時間は、プラズマCVD法により形成したSiO膜のエッチング量で定量化することができ、SiO2膜換算で3nmとすることができる。
次に、第1配線106及び第2絶縁性バリア膜107上に第1下部電極109を例えばDCスパッタリング法により堆積する。第1配線106の材料が、例えば、銅である場合、第1下部電極109には、例えば、膜厚5nmの窒化タンタル(TaN)膜を用いることができる。続いて、第1下部電極109上に第2下部電極110を例えばDCスパッタリング法により堆積する。第2下部電極110は、例えば膜厚5nmのルテニウム(Ru)膜とすることができる(図6(e))。
次に、第2下部電極110上に、抵抗変化層132の高密度層111を例えばスパッタリング法により堆積する(図6(f))。抵抗変化層132の高密度層111としては、例えば、膜厚12nmのNiO膜を用いることができる。NiO膜の高密度層111をスパッタリング法により形成する場合、例えば、原料にはNiターゲットを用い、基板温度は400℃以下とし、O流量は10sccm〜35sccm、Ar流量は10sccm〜50sccm、スパッタパワーは0.2kW〜1kWと設定することができる。具体的には、基板温度300℃、O流量25sccm、Ar流量20sccm、スパッタパワー500Wの条件でNiO膜の高密度層111を堆積することができる。
次に、高密度層111の表面を例えば酸化プラズマ処理により低密度化することで低密度層112を形成する(図6(g))。酸化プラズマ処理においては、例えば、酸化プラズマに含まれる酸化ガスには一酸化二窒素(NO)を用いることができ、混合する不活性ガスにはヘリウム(He)を用いることができる。具体的には、プラズマCVDリアクタにおいて、NO流量60sccm、He流量600sccm、圧力2.7Torr、プラズマパワー300W、処理時間60秒の条件で低密度層112を形成することができる。この条件でNiO膜の高密度層111をプラズマ処理すると、高密度層111表面に膜厚1.4nmの低密度層112が形成される。この場合、高密度層の密度が5.6g/cmであるとき、低密度層112の密度は4.4g/cmとなることを確認した。
次に、低密度層112上に例えばスパッタリング法により第1上部電極113及び第2上部電極114をこの順に形成する(図7(h))。第1上部電極113は、例えば、DCスパッタリングによりRuをターゲットとしてスパッタパワー0.2kW、Ar流量20sccm、圧力0.27Paの条件で堆積することができる。また、第2上部電極114は、例えば、同じくDCスパッタリングによりTaをターゲットとして同条件で堆積することができる。上部電極113、114を減圧下で堆積する場合、抵抗変化層132の高密度層111及び低密度層112からの酸素の脱離を抑制するため、室温で堆積させると好ましい。
次に、第2上部電極114上に第2ハードマスク膜115、及び第3ハードマスク膜116をこの順に積層する(図7(i))。第2ハードマスク膜115は、例えば、膜厚30nmのシリコン窒化膜とすることができる。第3ハードマスク膜116は、例えば、膜厚200nmのシリコン酸化膜とすることができる。第2ハードマスク膜115及び第3ハードマスク膜116は、例えば、プラズマCVD法を用いて成膜することができる。成長温度は200℃〜400℃の範囲を選択することが可能である。
次に、第3ハードマスク膜116上に、抵抗変化素子132等をパターニングするためのフォトレジスト(不図示)を形成する。その後、当該フォトレジストをマスクとして、第2ハードマスク膜115が露出するまで第3ハードマスク膜116を例えばドライエッチングする。その後、例えば酸素プラズマアッシングと有機剥離を用いてフォトレジストを除去する(図7(j))。第3ハードマスク膜116のドライエッチングは、第2ハードマスク膜115の上面または内部で停止していることが好ましい。この場合、低密度層112は第2ハードマスク膜115よってカバーされているため、酸素プラズマ中に暴露されることはない。また、第1上部電極113のRuも酸素プラズマに暴露されることがないため、第1上部電極113に対するサイドエッチの発生を抑制することができる。なお、第3ハードマスク膜116のドライエッチングは、一般的な平行平板型のドライエッチング装置を用いることができる。
次に、第3ハードマスク膜116をマスクとして、第2ハードマスク膜115、第2上部電極114、第1上部電極113、抵抗変化層132の低密度層112及び高密度層111、第2下部電極110、及び第1下部電極109を連続的に例えばドライエッチングする(図8(k))。このエッチングは、平行平板型のドライエッチャーを用いることができる。第2ハードマスク膜115(例えば、SiN膜)のエッチングは、CF/Arガス流量25/50sccm、圧力0.53Pa、ソースパワー400W、基板バイアスパワー90Wの条件で行うことができる。第2上部電極114(例えば、Ta)のエッチングは、基板温度90℃、Clガス流量50sccmにて圧力0.53Pa、ソースパワー400W、基板バイアスパワー60Wの条件で行うことができる。第1上部電極113(例えば、Ru)のエッチングは、基板温度室温、CHOHガス流量50sccm、圧力0.53Pa、ソースパワー1200W、基板バイアスパワー300Wの条件で行うことができる。抵抗変化層132の高密度層111(例えば、NiO)及び低密度層112(例えば、酸化プラズマ処理を施したNiO)のエッチングは、第1上部電極113にRuを用いた場合、第1上部電極のエッチングと同条件で行うことができる。したがって、第1上部電極113と一括してエッチングを行うこともできる。第2下部電極110(例えば、Ru)のエッチングは、Cl/Oのガス流量80sccm、圧力0.53Pa、ソースパワー900W、基板バイアスパワー100Wの条件で行うことができる。第1下部電極109(例えば、TaN)のエッチングは、Cl/Ar/CFガス流量45/15/15sccm、圧力1.3Pa、ソースパワー800W、基板バイアスパワー60Wの条件で行うことができる。特に、塩素ガスを用いると、下層のSiNとの選択比を高く維持したまま、サブトレンチなどの発生を抑制して、低密度層112、の高密度層111、第2下部電極110、及び第1下部電極109を加工することができる。このとき、第1配線106上の第2絶縁性バリア膜107の残膜厚は20nm〜40nmとなるよう調節することができる。
次に、第3ハードマスク膜116、第2ハードマスク膜115、第2上部電極114、第1上部電極113、低密度層112、抵抗変化層132の高密度層111、第2下部電極110、第1下部電極109、及び第2絶縁性バリア膜107上に保護絶縁膜117を堆積する(図8(l))。保護絶縁膜117は、例えば、膜厚30nmのシリコン窒化膜とすることができる。保護絶縁膜117は、SiHとNを原料ガスとし、基板温度200℃、高密度プラズマを用いて形成することができる。この保護絶縁膜117の形成により、第1配線106上の第2絶縁性バリア膜107、保護絶縁膜117、及び第2ハードマスク膜115はSiN膜で同一材料として抵抗変化素子の周囲を一体化し保護することで、界面の密着性が向上し、吸湿性や耐水性、酸素脱離耐性を向上でき、素子の歩留まりと信頼性を向上することができる。
次に、保護絶縁膜117上に、例えばプラズマCVD法を用いて第3層間絶縁膜118を堆積する(図9(m))。第3層間絶縁膜118は、例えば、膜厚500nmのシリコン酸化膜とすることができる。
次に、CMPを用いて、第3層間絶縁膜118を平坦化する(図9(n))。第3層間絶縁膜118の平坦化では、第3層間絶縁膜118の頂面から約350nmを削り取り、残膜を約150nmとすることができる。このとき、第3層間絶縁膜118のCMPでは、一般的な、コロイダルシリカ、あるいはセリア系のスラリーを用いて研磨することができる。
次に、第3層間絶縁膜118上に、エッチングストッパ膜119(例えば、SiN膜、膜厚50nm)、第4層間絶縁膜120(例えば、SiO膜、膜厚300nm)をこの順に堆積する(図10(o))。エッチングストッパ膜119は、例えば、膜厚50nmのSiN膜とすることができる。第4層間絶縁膜120は、例えば、膜厚300nmのSiO2膜とすることができる。である。エッチングストッパ膜119及び第4層間絶縁膜120は、プラズマCVD法を用いて堆積することができる。
次に、デュアルダマシン法のビアファースト法を用いて、第2配線124、及びプラグ123を形成する。まず、第4層間絶縁膜120上に、図7に示したプラグ123用の第3開口部125を形成するためのフォトレジスト(不図示)を形成する。その後、当該フォトレジストをマスクとして例えばドライエッチングすることにより、第4層間絶縁膜120、エッチングストッパ膜119、第3層間絶縁膜118、保護絶縁膜117、及び第3ハードマスク膜116に、第3開口部125を形成する。その後、酸素プラズマアッシングと有機剥離を行うことにより、フォトレジストを除去する(図10(p))。ドライエッチングにおいては、エッチング条件と時間を調節することで、第3開口部125の底を第2ハードマスク膜115上またはその内部とすることができる。次に、第4層間絶縁膜120上に、第2配線124用の第2配線溝126を形成するためのフォトレジスト(不図示)を形成する。その後、当該フォトレジストをマスクとして例えばドライエッチングすることにより、第4層間絶縁膜120及びエッチングストッパ膜119に、第2配線124用の配線溝126を形成する。その後、酸素プラズマアッシングと有機剥離を行うことにより、フォトレジストを除去する。第3開口部125の底には反射防止膜(ARC;Anti-Reflection Coating)等を埋め込んでおくことにより、第3開口部125の底の突き抜けを防止することができる。第3開口部125の底は第2ハードマスク膜115によって保護されているため、酸素プラズマアッシングによる酸化ダメージを受けることがない。次に、第3開口部125の底の第2ハードマスク膜115をエッチングすることで、第3開口部125から第2上部電極110を露出させる(図11(q))。
次に、配線溝126及び第3開口部125内に第2バリアメタル122(例えば、Ta、膜厚5nm)を介して第2配線124(例えば、Cu)及びプラグ123(例えば、Cu)を同時に形成する。次に、第2配線124及び第4層間絶縁膜120上に絶縁性バリア膜121(例えば、SiN膜)を堆積する(図11(r))。第2配線124の形成は、下層配線形成と同様のプロセスを用いることができる。このとき、プラグ123の底径は、第2絶縁性バリア膜107の第1開口部107aの径よりも小さくしておくことが好ましい。例えば、プラグ123の底部の直径は240nm、第2絶縁性バリア膜107の開口部の直径は400nmとすることができる。また、第1下部電極109と接続する第1配線106の幅は、第2絶縁性バリア膜107の第1開口部107aの直径よりも大きいことが好ましい。さらに、第2バリアメタル122と第2上部電極110を同一材料とすることでプラグ123と第2上部電極110の間の接触抵抗を低減し、素子性能を向上させる(ON時の抵抗変化層132の抵抗を低減させる)ことができるようになる。
[低密度層の形成及び特性測定]
NiO膜の表層に、一酸化二窒素を用いた酸化プラズマ処理を施すことにより、NiO膜に低密度層を形成した。NiO膜は、スパッタリング法により、基板温度300℃、O流量20sccm〜30sccm、Ar流量20sccm、スパッタパワー500Wの条件で堆積し、膜厚を12nmに設定した。次に、プラズマCVDリアクタにおいて、NiO膜に酸化プラズマ処理を施した。酸化プラズマ処理条件は、基板温度350℃、NO流量60sccm、He流量600sccm、全圧2.7Torr、プラズマパワー300Wとした。
酸化プラズマ処理を施したNiO膜と、酸化プラズマ処理を施していないNiO膜について、X線反射率(XRR)測定により、低密度層の膜厚、密度及び表面粗さを測定した。具体的には、X線をNiO膜表面に対し0.1°〜5°の角度で入射させ、反射X線の強度を検出して得られる反射率データとシミュレーションモデルを比較することで、NiO膜の膜厚、密度及び表面粗さを測定した。また、抵抗変化層における低密度層の密度及び高密度層の密度についても同様に測定した。図12〜図15に、酸化プラズマ処理条件に対するNiO膜の低密度層の特性を示すグラフを示す。
図12は、酸素流量及び酸化プラズマ処理時間に対する低密度層の層厚変化を示すグラフである。図12によれば、NOプラズマ処理により、NiO膜中に酸素原子が取り込まれ、酸素流量及び酸化プラズマ処理時間に応じて2nm〜8nmの低密度層が形成された。
図13は、酸素流量及び酸化プラズマ処理時間に対する低密度層の密度変化を示すグラフである。なお、酸化プラズマ処理無しの場合、低密度層は存在せず、NiO膜自体の密度を示している。図13によれば、NiO膜成膜時の当初密度は5.5g/cm〜6.7g/cmであったのに対し、酸化プラズマ処理後の密度は3.8g/cm〜5.0g/cmへと大きく低減していることが分かる。これは、NOプラズマ処理によりNiO層中へ酸素原子が拡散することで表面付近を酸化したためであると考えられる。
図14は、酸素流量及び酸化プラズマ処理時間に対する低密度層の表面粗さ変化を示すグラフである。なお、酸化プラズマ処理無しの場合、低密度層は存在せず、NiO膜自体の表面粗さを示している。図14によれば、NOプラズマ処理によってNiO低密度層の表面粗さが例えば0.4nmまで低減していることが分かる。これは、NOプラズマ処理によりNiO層表面が低密度化するとともに、表面原子拡散が活性化されたためであると考えられる。
図15は、酸素流量及び酸化プラズマ処理時間に対する低密度層の密度変化及び高密度層の密度変化を示すグラフである。図15によれば、O流量が30sccmのとき、低密度層と高密度層の差が小さくなっているが、このときであっても高密度層と低密度層の密度差は0.5g/cm以上あった。これにより、抵抗変化層において、酸化プラズマによって密度の異なる層が形成されていることが分かる。
[電流電圧特性の測定]
抵抗変化素子の電流電圧特性を測定した。図16及び図17に、電流電圧特性を示すグラフを示す。測定に使用した抵抗変化素子は、第1実施形態に係る抵抗変化素子であり、抵抗変化層としてNiO膜を用いている。NiO膜の形成条件は、O流量を25sccmとした以外は前記条件と同一である。酸化プラズマ処理は、処理時間を300秒とした以外は前記条件と同一である。第1電極及び第2電極としては、Ruを用いた。比較対照として、低密度層を有しない(酸化プラズマ処理を施していない)抵抗変化素子についても同様の測定を実施した。図16は、酸化プラズマ処理を行った場合(実線)及び酸化プラズマ処理を行わなかった場合(破線)の抵抗変化素子の電流電圧特性図である。図16によれば、低密度層を設けていない場合(すなわち酸化プラズマ処理を行わなかった場合)のフォーミング電圧は3Vを中心に±1Vのばらつきを示しているのに対して、低密度層を設けた場合(すなわち酸化プラズマ処理を行った場合)にはフォーミング電圧を約1.5Vまで低下させることができた。これは、NOプラズマ処理によりNi欠損密度が増加したことによるものと考えられる。また、図17は、抵抗変化素子ごとのフォーミング電圧の分布図である。図17によれば、本発明の抵抗変化素子においては、フォーミング電圧のばらつきは±0.5V以下であり、動作電圧ばらつきが改善できていることが分かる。これは、NOプラズマ処理によりNiO層の表面粗さが低減したことが反映されているためであると考えられる。
本発明の抵抗変化素子及びその製造方法、並びに半導体装置及びその製造方法は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
上記においては、CMOS回路を有する半導体製造装置技術に関して詳しく説明し、半導体基板上の配線上部に抵抗変化素子を形成する例について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、FRAM(Ferro-Electric Random Access Memory)、MRAM(Magnetic Random Access Memory)、抵抗変化型メモリ、バイポーラトランジスタ等のようなメモリ回路を有する半導体製品、マイクロプロセッサなどの論理回路を有する半導体製品、あるいはそれらを同時に掲載したボードやパッケージの配線上へも適用することができる。また、本発明は半導体装置と、電子回路装置、光回路装置、量子回路装置、マイクロマシン、MEMS等との接合にも適用することができる。また、本発明ではスイッチ機能での実施形態を中心に説明したが、不揮発性と抵抗変化特性の双方を利用したメモリ素子などに用いることもできる。
(付記1)
第1電極と、
前記第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、
前記抵抗変化層に接する第2電極と、を備え、
前記抵抗変化層は、高密度層と、前記高密度層より低密度の低密度層を有することを特徴とする抵抗変化素子。
(付記2)
前記高密度層は、前記第1電極に接し、
前記低密度層は、前記第2電極に接することを特徴とする付記1に記載の抵抗変化素子。
(付記3)
前記抵抗変化層は、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、マンガン、及びコバルトの群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物を含有することを特徴とする付記1又は2に記載の抵抗変化素子。
(付記4)
前記高密度層及び前記低密度層は、ニッケル酸化物を含有し、
前記高密度層の密度は、5g/cm以上7g/cm以下であり、
前記低密度層の密度は、4g/cm以上5g/cm未満であることを特徴とする付記1〜3のいずれか一項に記載の抵抗変化素子。
(付記5)
前記高密度層の密度は、前記低密度層の密度より0.5g/cm以上高いことを特徴とする付記4に記載の抵抗変化素子。
(付記6)
第1電極と、
前記第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、
前記抵抗変化層に接する第2電極と、を備え、
前記第2電極と接する前記抵抗変化層の表層は酸化プラズマ処理されていることを特徴とする抵抗変化素子。
(付記7)
第1電極を形成する工程と、
電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層を前記第1電極に接するように形成する工程と、
前記抵抗変化層の一部を低密度化する工程と、
前記抵抗変化層の低密度化した領域に接するように第2電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
(付記8)
前記抵抗変化層の一部を低密度化する工程において、
前記抵抗変化層の表層を酸化プラズマ処理により前記抵抗変化層の一部を低密度化することを特徴とする付記7に記載の抵抗変化素子の製造方法。
(付記9)
前記酸化プラズマ処理は、酸化ガス及び不活性ガスを含むガスを使用することを特徴とする付記8に記載の抵抗変化素子の製造方法。
(付記10)
前記酸化ガスは一酸化二窒素であり、
前記不活性ガスはヘリウムであることを特徴とする付記9に記載の抵抗変化素子の製造方法。
(付記11)
前記酸化プラズマ処理において、被処理体を200℃〜400℃に加熱することを特徴とする付記8〜10のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
(付記12)
前記抵抗変化層は、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、マンガン、及びコバルトの群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物を用いて形成することを特徴とする付記7〜11のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
(付記13)
付記1〜6のいずれか一項に記載の抵抗変化素子を備えることを特徴とする半導体装置。
(付記14)
付記7〜12のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
10 抵抗変化素子
11 第1電極
12 高密度層
13 低密度層
14 第2電極
15 抵抗変化層
30 抵抗変化素子
31 第1電極
32 抵抗変化層
33 第2電極
100,200 半導体装置
101 半導体基板
102 第1層間絶縁膜
103 第1絶縁性バリア膜
104 第2層間絶縁膜
105 第1バリアメタル
106 第1配線
107 第1絶縁性バリア膜
107a 第2開口部
108 第1ハードマスク膜
108a 第1開口部
109 第1下部電極
110 第2下部電極
111 高密度層
112 低密度層
113 第1上部電極
114 第2上部電極
115 第2ハードマスク膜
116 第3ハードマスク膜
117 保護絶縁膜
118 第3層間絶縁膜
119 エッチングストッパ膜
120 第4層間絶縁膜
121 第3絶縁性バリア膜
122 第2バリアメタル
123 プラグ
124 第2配線
125 第3開口部
126 第2配線溝
131 下部電極
132 抵抗変化層
133 上部電極
201 第1不純物拡散領域
202 第2不純物拡散領域
203 ゲート絶縁膜
204 ゲート電極
205 コンタクト
206 第3配線

Claims (10)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、
    前記抵抗変化層に接する第2電極と、を備え、
    前記抵抗変化層は、高密度層と、前記高密度層より低密度の低密度層を有することを特徴とする抵抗変化素子。
  2. 前記高密度層は、前記第1電極に接し、
    前記低密度層は、前記第2電極に接することを特徴とする請求項1に記載の抵抗変化素子。
  3. 前記抵抗変化層は、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、マンガン、及びコバルトの群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の抵抗変化素子。
  4. 前記高密度層及び前記低密度層は、ニッケル酸化物を含有し、
    前記高密度層の密度は、5g/cm以上7g/cm以下であり、
    前記低密度層の密度は、4g/cm以上5g/cm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の抵抗変化素子。
  5. 第1電極と、
    前記第1電極に接し、電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層と、
    前記抵抗変化層に接する第2電極と、を備え、
    前記第2電極と接する前記抵抗変化層の表層は酸化プラズマ処理されていることを特徴とする抵抗変化素子。
  6. 第1電極を形成する工程と、
    電圧の印加により抵抗が変化する抵抗変化層を前記第1電極に接するように形成する工程と、
    前記抵抗変化層の一部を低密度化する工程と、
    前記抵抗変化層の低密度化した領域に接するように第2電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
  7. 前記抵抗変化層の一部を低密度化する工程において、
    前記抵抗変化層の表層を酸化プラズマ処理により前記抵抗変化層の一部を低密度化することを特徴とする請求項6に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  8. 前記酸化プラズマ処理は、酸化ガス及び不活性ガスを含むガスを使用することを特徴とする請求項7に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の抵抗変化素子を備えることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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