JP2018174227A - 銅配線層内への抵抗変化素子の製造方法 - Google Patents

銅配線層内への抵抗変化素子の製造方法 Download PDF

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Koichiro Okamoto
浩一郎 岡本
宗弘 多田
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宗弘 多田
直樹 伴野
Naoki Tomono
直樹 伴野
井口 憲幸
Noriyuki Iguchi
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Abstract

【課題】活性電極として使用する、銅表面の平坦性を保持しつつ、パーティクル状異物の除去をすることが可能な銅配線層内への抵抗変化素子の製造方法を提供する。【解決手段】抵抗変化素子の活性電極を兼ねる銅配線上に絶縁性バリア膜を備え、前記絶縁性バリア膜を開口し、前記銅配線の一部を活性電極として露出させる抵抗変化素子の製造方法において、前記活性電極表面を露出させる工程の後、第1のステップにおいて、開口部を含む前記絶縁性バリア膜表面のパーティクル状の異物を除去する工程と、第2のステップにおいて、前記銅表面の酸化膜の除去を行う工程と、第3のステップにおいて、抵抗変化膜を形成する工程とを含み、前記第2のステップと前記第3のステップは大気暴露することなく連続して大気圧より低い圧力下にて行う。【選択図】図1

Description

本発明は、銅配線層内への抵抗変化素子の製造方法に関する。
半導体デバイス(特にシリコンデバイス)は、微細化(スケーリング則:Mooreの法則)によってデバイスの集積化・低電力化が進められ、3年4倍のペースで開発が進められてきた。近年、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート長は20nm以下となり、リソグラフィプロセスの高騰(装置価格およびマスクセット価格)、およびデバイス寸法の物理的限界(動作限界・ばらつき限界)により、これまでのスケーリング則とは異なるアプローチでのデバイス性能の改善が求められている。
半導体装置上の銅多層配線構造の内部に形成される機能素子としては、例えば抵抗変化型不揮発素子(以下では、「抵抗変化素子」と称する)やキャパシタ(容量素子)等がある。
ロジックLSI(Large Scale Integration)上に混載するキャパシタとしては、エンベデッドDRAM(Dynamic Random Access Memory)や、デカップリングキャパシタなどがある。これらのキャパシタを銅配線上に搭載することで、キャパシタの大容量化や小面積化を実現可能になる。
ゲートアレイとスタンダードセルの中間的な位置づけとしてFPGA(Field Programmable Gate Array)と呼ばれるデバイスが開発されている。これは顧客自身がチップの製造後に任意の回路構成を行うことを可能とするものである。プログラマブル素子として、抵抗変化素子等を配線接続部に介在させ、顧客自身が任意に配線の電気的接続をできるようにしたものである。このような半導体装置を用いることで、回路の自由度を向上させることができる。

抵抗変化素子とは、抵抗状態の変化によって情報を記憶する素子の総称であり、下部電極と上部電極によって抵抗変化層を挟んだ3層構造を有しており、両電極間に電圧を印加することで抵抗変化層の抵抗変化が生じる現象を利用している。例えば、金属架橋形成を利用する、抵抗変化素子としては、抵抗変化層として、金属酸化物層を用いる、ReRAM(Resistive RAM)や、固体電解質を用いる、固体電解質スイッチ素子などがある。
固体電解質スイッチ素子の研究については、1990年代後半からいくつか報告されており、さまざまな固体電解質材料による抵抗変化現象が確認されている。例えば、非特許文献1および非特許文献2には、固体電解質として、カルコゲナイド化合物を用いた抵抗変化現象が報告されている。
以下に、抵抗変化素子の一例である、固体電解質スイッチ素子の構造およびスイッチング動作について簡単に説明する。
固体電解質スイッチ素子は、固体電解質層を2つの電極(下部電極および上部電極)で挟んだ構造を有している。ここで、2つの電極のうち一方には、化学的に活性であり、電圧印加により容易に酸化および還元が可能な金属が用いられ、他方の電極には、化学的に不活性な金属材料が用いられる。
次に、固体電解質スイッチ素子の動作について説明する。以下に、例として、化学的に活性な電極を下部電極とする構造を採用し、説明する。
例えば、オフ状態(高抵抗状態)にある固体電解質スイッチ素子において、下部電極(化学的に活性な電極)を接地し、上部電極(化学的に不活性な電極)に負電圧を印加すると、下部電極を構成する金属原子がイオン化して固体電解質層中に溶出する。そして、金属イオンは、上部電極(化学的に不活性な電極)側に引き寄せられ、さらに、電子を受け取り金属原子となり、この金属原子によって、導電性を有する金属架橋が形成される。この固体電解質中に形成された金属架橋により両電極が電気的に接続されることで、スイッチがオン状態(低抵抗状態)に変化する。この負電圧印加によって、「オフ状態」から「オン状態」へ変化させる動作を「セット」と呼ぶ。
一方で上記オン状態において、下部電極を再び接地し、上部電極に正電圧を印加すると、上記金属架橋を構成する金属原子がイオン化して、固体電解質層中に溶解する。そして、金属イオンは、下部電極側に引き戻され、電子を受け取り金属原子となる。その結果、金属架橋による接続が消失し、両電極が電気的に絶縁されることで、スイッチが高抵抗のオフ状態に変化する。この正電圧印加によって、「オン状態」から「オフ状態」へ変化させる動作を「リセット」と呼ぶ。「セット」動作と「リセット」動作を合わせて、「プログラミング」動作と呼ぶ。
このように固体電解質スイッチ素子は、電圧印加がなされていない間、この「オン状態」と「オフ状態」を不揮発的に保持でき、かつ、繰り返し「プログラミング」動作が可能である。この固体電解質スイッチ素子の特性を利用することで、不揮発性メモリあるいは不揮発性スイッチへの応用が可能になる。
固体電解質を利用した記憶素子の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された記憶素子は、下部電極と上部電極との間に、抵抗変化層およびイオン源層が積層された記憶層が設けられた構成である。この記憶素子の構成を上記の固体電解質スイッチ素子の構成と対比すると、抵抗変化層は固体電解質層に相当し、イオン源層は金属イオンを供給する電極に相当する。特許文献1に開示された記憶素子は、上記の固体電解質スイッチ素子が採用している、化学的に活性な電極を下部電極とする構造と、上下の構造が逆になった構成である。
固体電解質スイッチ素子の不揮発性メモリおよび不揮発性スイッチへの応用においては、「オフ状態」は、より低いリーク電流、すなわち、より高抵抗であることが好ましい。したがって、「オフ状態」の高抵抗化を図るためには、一般的に、「リセット」動作時により高い正電圧を印加することが行われる。しかしながら、「リセット」動作時に、ある電圧以上の高い正電圧を印加すると、固体電解質層内にて絶縁破壊を生じる。一旦、絶縁破壊が生じると、正常なオン状態よりも低抵抗の状態に遷移したままとなり、それ以降、抵抗変化を示さなくなる。この正電圧印加時、絶縁破壊に至る電圧を、絶縁破壊電圧と呼ぶ。したがって、絶縁破壊電圧が高くなるように素子を設計し、製造することで、高いリセット電圧を印加でき、より高抵抗のオフ状態が得られる。
金属架橋形成を利用する、抵抗変化素子、特には、これらの固体電解質スイッチ素子を、半導体装置上の銅多層配線内部に形成する手法について知られている。例えば、特許文献2および特許文献3には、CMOS基板上の銅多層配線構造の内部に設けられた2端子型固体電解質スイッチ素子と、その製造方法が開示されている。特許文献2および特許文献3には、CMOS基板上の銅多層配線構造の内部において、絶縁層の一部を開口加工して露出した銅配線そのものを、金属イオンを固体電解質中へ供給する活性電極として用いて、2端子型固体電解質スイッチ素子を作製する形態が開示されている。
固体電解質スイッチ素子を製造するにあたり、下部電極として銅電極を用いる場合、銅電極表面が酸化すると、負電圧印加時の「オフ状態」におけるリーク電流、オフリーク電流のばらつきが増大する。さらに、正電圧印加による、「リセット」動作時の絶縁破壊電圧の低下を生じる。この課題を解決する方法が、非特許文献3に開示されている。非特許文献3では、固体電解質スイッチ素子の積層構造の形成過程において、下部電極である銅と固体電解質層の間に、銅表面の酸化を防止するため、銅よりも酸化の自由エネルギーが負に大きい金属をバルブメタルとして堆積し、バルブメタルが酸化することで銅の酸化を抑制する「バッファ構造」を設けることを提案している。
特開2011−187925号公報 特開2011−091317号公報 国際公開第2010/079816号 特許第4963815号公報 特開2013−197451号公報
M . N. Kozicki, et al., "Information storage using nanoscale electrodeposition of metal in solid electrolytes", Superlattices and Microstructures, Vol.34, p.459-465, 2003 R. Waser, et al., "Nanoionics-based resistive switching memories", Nature Materials, Vol.6, p.833-840, 2007 M. Tada, et al., "Improved ON-State Reliability of Atom Switch Using Alloy Electrodes", IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, Vol.60, No.10, p.3534-3540, 2013
一般に、当該技術分野においては、銅多層配線の形成方法において、ビアホールを開口後、ホール底に露出した銅表面の洗浄のため、アミン系の洗浄液を用いた洗浄方法を用いることで、エッチング時に発生した異物の除去と銅表面の酸化物を同時に除去できることが知られている(特許文献4)。例えば、有機アミン系溶液といった一般的な銅洗浄液を用いた場合、銅酸化物除去と表面パーティクル状異物の除去を同時に行うことができる。しかしながら、有機アミン系溶液を用いる洗浄による、銅電極表面の銅酸化物除去の際、還元された銅が洗浄液中に溶解する。そのため、銅電極を、抵抗変化素子の化学的に活性な電極(下部電極)に適用する場合には、銅電極表面の平坦性が悪化し、抵抗変化素子のプログラミング電圧のばらつきが大きくなる問題を有していた。
一方、銅電極表面の銅酸化物除去に伴う、上記銅表面の平坦性悪化に因る、素子特性ばらつきの課題を抑制するため、不活性ガスプラズマを用いたドライクリーニングを用いることで、銅電極表面の銅酸化物除去を行う手法が知られている(特許文献5)。しかしながら、発明者らは、鋭意検討を行った結果、不活性ガスを用いたドライクリーニングでは、表面に付着したパーティクル状異物を除去することができないため、抵抗変化素子の製造歩留りが低下する課題があることを見出した。
したがって、銅表面の優れた平坦性を保持しつつ、パーティクル状異物を除去できる、抵抗変化素子の製造方法が求められていた。
本発明は上述したような技術が有する課題を解決するためになされたものである。本発明は、銅表面の平坦性を保持しつつ、パーティクル状異物の除去をすることが可能な銅配線層内への抵抗変化素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の抵抗変化素子の製造方法は、
抵抗変化素子の活性電極を兼ねる銅配線上に絶縁性バリア膜を備え、
前記絶縁性バリア膜を開口し、前記銅配線の一部を活性電極として露出させる抵抗変化素子の製造方法において、
前記絶縁性バリア膜を開口し、前記活性電極表面を露出させる工程の後、
第1のステップにおいて、開口部内に露出している前記活性電極表面を含む前記絶縁性バリア膜表面のパーティクル状の異物を除去する工程と、
第2のステップにおいて、前記開口部内に露出している前記活性電極の銅表面の酸化膜の除去を行う工程と、
第3のステップにおいて、抵抗変化膜を形成する工程とを含み、
前記第1のステップにおいて、パーティクル状の異物の除去に洗浄液を利用し、
前記第2のステップと前記第3のステップは大気暴露することなく連続して大気圧より低い圧力下にて行うことを特徴とする。
また、本発明の抵抗変化素子の製造方法の一態様は、
前記第1のステップにおいて、
パーティクル状の異物の除去を、分子内にOH基を有する極性溶媒を主成分とする洗浄液を利用して行うことを特徴とする。
また、本発明の抵抗変化素子の製造方法の一態様は、
前記開口部内に露出した銅表面の面積が、開口部面積の半分以下であることを特徴とする。
また、本発明の抵抗変化素子の製造方法の一態様は、
前記開口部は、ホール形状であり、
前記ホール形状のアスペクト比(ホール形状の深さ/ホール形状の実効直径)は、1以下であることを特徴とする。
本発明によれば、銅電極表面の平坦性を保持しつつ、パーティクル状異物の除去を行うことが可能となり、銅電極を化学的に活性な電極(下部電極)に採用する、抵抗変化素子の製造歩留りを向上する効果が得られる。
第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。 第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第1の実施形態の抵抗変化素子において採用されている、第1金属酸化膜層と第2金属酸化膜層で構成されるバッファ層を具える構造を模式的に示す図である。 第2の実施形態の抵抗変化素子において採用されている、第1金属酸化膜層、第2金属酸化膜層ならびに第3金属酸化膜層、で構成されるバッファ層を具える構造を模式的に示す図である。 第3の実施形態の抵抗変化素子が半導体基板上の多層配線構造の内部に設けられた構成を模式的に示した部分断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態における、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 第3の実施形態の抵抗変化素子およびその製造方法をベースとして、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に、銅配線を活性電極とした3端子型抵抗変化素子を製造する方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図である。 本実施態様1の抵抗変化素子と、比較例となる抵抗変化素子について、負電圧を1V印加時のオフリーク電流を測定した結果を示す表である。 本実施態様1の抵抗変化素子と、比較例となる抵抗変化素子について、リセット時の絶縁破壊電圧を測定した結果を示す表である。
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、明細書中で用いる用語の意味を説明する。
半導体基板は、MOSトランジスタおよび抵抗素子を含む半導体素子、ならびにこれらの半導体素子が組み合わされた半導体装置が構成された基板を含む。また、半導体基板は、単結晶基板、SOI(Silicon on Insulator)基板やTFT(Thin Film Transistor)基板、液晶製造用基板などの基板も含む。
プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法とは、例えば、気体原料、または液体原料を気化させたもの(気体分子)を減圧下の反応室に連続的に供給し、プラズマエネルギーによって、分子を励起状態にし、気相反応、または基板表面反応などによって基板上に連続膜を形成する手法である。
CMP(Chemical Mechanical Polishing)法とは、多層配線形成プロセス中に生じるウェハ表面の凹凸を、研磨液をウェハ表面に流しながら回転させた研磨パッドに接触させて研磨することによって平坦化する方法である。CMP法は、層間絶縁膜を研磨して平坦化する場合の他、ダマシン配線と呼ばれる埋め込み配線の形成にも用いられる。配線材料に銅(Cu)を用いる場合で、ダマシン配線の形成方法を簡単に説明する。予め溝が形成された絶縁膜上にCuを形成する。その後、CMP法によって、溝に埋め込まれたCuを残し、絶縁膜上の余剰のCuを研磨して除去する。このようにして、溝にCuが埋め込まれたダマシン配線が形成される。
バリアメタルとは、配線を構成する金属元素が層間絶縁膜や下層へ拡散することを防止するために、配線の側面および底面を被覆する、バリア性を有する導電性膜を示す。例えば、配線を構成する材料がCuを主成分とする金属である場合、例えば銅(Cu)の拡散を防止するため、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭窒化タングステン(WCN)のような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜がバリアメタルとして使用される。これらの膜は、ドライエッチングによる加工が容易であり、配線材料としてCuが使用される前のLSI製造プロセスとの整合性がよい。
バリア絶縁膜とはCu配線の上面に形成され、Cuの酸化や絶縁膜中へのCuの拡散を防ぐ機能、および加工時にエッチングストッパ層としての役割を有する。例えば、SiC膜、SiCN膜、SiN膜またはこれらの積層膜などがバリア絶縁膜として用いられる。


以下に、本発明の好適な実施形態の抵抗変化素子およびその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、各実施形態においては、本発明を実施するために技術的に好ましい形態で説明するが、発明の範囲は以下で説明される実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の抵抗変化素子の製造方法について説明する。
図1は、第1の実施形態の絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。一構成例を示す部分断面図である。また、図2−1〜図2−5は、絶縁性バリア膜開口部における抵抗変化素子の製造方法を説明するための抵抗変化素子部分構造の断面図であり、図2−1〜図2−5の順に図1のプロセスフローに従って変化する素子部分構造を示している。
本第1の実施形態の抵抗変化素子の製造方法は、
抵抗変化素子の活性電極を兼ねる銅配線上に絶縁性バリア膜を備え、
前記絶縁性バリア膜を開口し、前記銅配線の一部を活性電極として露出させる抵抗変化素子の製造方法において、
前記絶縁性バリア膜を開口し、前記活性電極表面を露出させる工程(ステップ51)の後、
第1のステップ(ステップ52)において、開口部内に露出している前記活性電極表面を含む前記絶縁性バリア膜表面のパーティクル状の異物を除去する工程と、
第2のステップ(ステップ53)において、前記開口部内に露出している前記活性電極の銅表面の酸化膜の除去を行う工程と、
第3のステップ(ステップ54)において、抵抗変化膜を形成する工程とを含み、
前記第1のステップ(ステップ52)において、パーティクル状の異物の除去に洗浄液を利用し、
前記第2のステップと前記第3のステップは大気暴露することなく連続して大気圧より低い圧力下にて行うことを特徴とする、抵抗変化素子の製造方法である。
ステップ51は、図2−1から図2−2に至る工程に相当し、絶縁性バリア膜107の一部を開口し、開口部109より、層間絶縁膜103内に形成された、銅配線106の一部の表面を露出させる工程である。銅配線106は、絶縁性バリア膜の下層に隣接して配置されており、開口部109に形成される抵抗変化素子の活性電極を兼ねる。ここで、絶縁性バリア膜107は、化学的に比較的安定な絶縁体からなる膜であり、例えば、Cuといった、化学的に活性な隣接する材料からの原子の拡散を防止する機能を有する。また、絶縁性バリア膜107は、化学的に活性な材料の表面に配置することで、例えば、大気中の酸素や水などとの反応を低減することも可能である。
ステップ51において、絶縁性バリア膜107の一部を開口すると、開口部109より露出した銅配線106表面には、銅酸化膜132が形成される(図2−2)。また、絶縁性バリア膜107の一部を開口する工程おいては、一般的な半導体プロセスであるドライエッチングが用いられる。そのため、開口部109を含む絶縁性バリア膜107の表面には、ドライエッチング工程中に生成したパーティクル状異物131が付着しうる。
ここで、開口部内に露出している銅配線106表面は、開口部109底部の全面であってもよいが、開口部109底部のうち一部であってもよい。さらに、図2−2〜図2−5に示すように、開口部109内に露出している銅配線106表面の面積は、開口部109の面積の半分以下であることがより好ましい。このように、開口部109内に露出している、銅配線106表面の露出面積を限定することにより、活性電極を兼ねる銅配線106表面の平坦性が素子間特性のばらつきに与える影響をより軽減することができる。
また、開口部109の形状は、ホール形状であり、そのホール形状のアスペクト比(ホール形状の深さ/ホール形状の実効直径)は、1以下であることが好ましい。このような開口部形状とすることで、次のステップ52(第1のステップ)において、洗浄液を用いて、開口部109内に露出している銅配線106表面に形成されている、銅酸化膜132の表面に付着したパーティクル状異物131を効率的に流出除去することができる。
ステップ52(第1のステップ)は、図2−2から図2−3に至る工程に相当し、洗浄液135を使用して、開口部109内に露出している銅酸化膜132の表面を含む絶縁性バリア膜107の表面に付着するパーティクル状異物131を洗浄除去する工程である。ここで、洗浄液135は、分子内にOH基を有する極性溶媒を主成分とすることが好ましい。分子内にOH基を有する極性溶媒は、OH基による極性を有することで、付着したパーティクル状異物131の表面において電気的に親和し、極性溶媒により溶媒和された、パーティクル状異物131を洗浄除去することができる。洗浄液135の主成分である、分子内にOH基を有する極性溶媒は、アミン系溶剤や酸溶液などの従来の洗浄液中に含まれるアミン化合物や酸とは異なり、露出した銅配線106表面に形成された銅酸化膜132に対する化学的作用が小さい。そのため、分子内にOH基を有する極性溶媒を主成分とする洗浄液を使用することで、銅酸化膜132および下層の銅配線106の溶出を防止し、露出した銅配線106表面の平坦性低下を防止することができる。
また、洗浄液135の主成分は、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールのうち少なくとも1つであることがより好ましい。これらの溶媒分子は、いずれもOH基を有する極性溶媒として作用し、前述の洗浄効果を有する。また、前記溶媒分子は、銅酸化膜132を構成する銅酸化物に対する化学的安定性が高いため、露出した銅配線106表面の平坦性低下を防止することができる。
あるいは、洗浄液135の主成分は水であって、二酸化炭素、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、のうち少なくとも1つを含むことがより好ましい。このような洗浄液の構成とすることで、開口部109内に露出している銅酸化膜132の表面に付着する、パーティクル状異物131の除去特性を向上することができる。
ステップ53(第2のステップ)は、図2−3から図2−4に至る工程に相当し、ステップ52(第1のステップ)における洗浄工程後、開口部109内に露出している銅配線106表面に形成されている、銅酸化膜132を除去する工程である。ステップ53において、銅酸化膜132を除去し、清浄な銅配線106表面を得る方法の好ましい一例として、不活性ガスプラズマによるエッチングの応用を例示できる。不活性ガスプラズマによるエッチングを使用することより、銅配線106表面に形成されている、銅酸化膜132を、効果的に除去しつつ、銅配線106表面の平坦性を保持することができる。
ステップ54(第3のステップ)は、図2−4から図2−5に至る工程に相当し、ステップ53(第2のステップ)における銅酸化膜132の除去工程後、清浄かつ平坦性を保持した銅配線106表面、露出した層間絶縁膜103表面、および絶縁性バリア膜107上に、抵抗変化膜123を形成する工程である。ここで、銅酸化膜132が除去された清浄な銅配線106の表面に、抵抗変化膜123を形成する前に、大気暴露により新たに銅酸化膜が形成されることを防止するため、ステップ54(第3のステップ)は、ステップ53(第2のステップ)の工程後、大気暴露することなく連続して大気圧より低い圧力下にて行われる。
また、銅配線106を活性電極として用いる場合、抵抗変化膜123には、銅イオンを可逆的に溶出・回収できる固体電解質層が用いられる。抵抗変化膜123には、例えば、Ta、Ni、Ti、Zr、Hf、Si、Al、Fe、V、Mn、Co、Wのうち少なくとも1つを含む金属酸化物膜、SiOCH膜、もしくはカルコゲナイド膜、またはそれらの積層膜などを用いることが可能である。抵抗変化膜123を構成する固体電解質層として、例えば、膜厚6nmのSiOCH膜が用いられる。

例えば、本発明の第1の実施形態の抵抗変化素子においては、抵抗変化膜123を、第1金属酸化物層6と第2金属酸化物層7とから形成されるバッファ層と、例えばSiOCH膜から形成される、固体電解質層5で、構成することができる。図2−1に、抵抗変化膜123を、第1金属酸化物層6と第2金属酸化物層7とから形成されるバッファ層と、例えばSiOCH膜から形成される、固体電解質層5で構成する構造を、模式的に示す。
第1金属酸化物層6を形成する金属酸化物には、Ti、Zr、Hfのうち少なくとも1つを含む金属酸化物を選択することができる。また、第2金属酸化物層7を形成する金属酸化物には、Al、Nb、Taのうち少なくとも1つを含む金属酸化物を選択することができる。

以上で説明した、本発明の第1の実施形態によれば、抵抗変化素子の活性電極となる銅配線表面の平坦性を保持しつつ、パーティクル状異物の除去を行うことが可能であり、ひいては、本発明の第1の実施形態にかかる製造方法を採用することにより、抵抗変化素子の製造歩留りを向上することができる。

(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した第2金属酸化物層7と固体電解質層5との間に、第3金属酸化物層8を設けた構成である。
第2の実施形態の抵抗変化素子の構成を説明する。図2−2は、第2の実施形態の抵抗変化素子の一構成例を示す部分断面図である。
図2−2に示すように、本第2の実施形態の抵抗変化素子は、図2−1に示した、第1の実施形態の抵抗変化素子に対して、第2金属酸化物層7と固体電解質層5の間に第3金属酸化物層8が設けられている。例えば、第3金属酸化物層8を形成する金属酸化物には、第1金属酸化物層6を形成する金属酸化物と同一の金属元素を含む金属酸化物を採用することができる。
また、第3金属酸化物層8を形成する金属酸化物は、第1金属酸化物層6を形成する金属酸化物と同一の金属元素を含む金属酸化物を採用する構成に限らず、第1金属酸化物層6を形成する金属酸化物と同様に、Ti、Zr、Hfのうち少なくとも1つを含む金属酸化物であってもよい。第3金属酸化物層8を形成する金属酸化物は、主成分がTiの酸化物である場合、その化学組成を、酸素組成y1を用いてTiOy1で表わすと、y1は、1.5≦y1≦2.0を満たす、チタンの酸化物であってもよい。第3金属酸化物層8を形成する金属酸化物は、主成分がZrの酸化物である場合、その化学組成を、酸素組成y2を用いてZrOy2で表すと、y2は、1.5≦y2≦2.0を満たすジルコニウムの酸化物であってもよい。さらに、第3金属酸化物層8を形成する金属酸化物は、主成分がHfの酸化物である場合、その化学組成を、酸素組成y3を用いてHfOy3で表わすと、y3は1.5≦y3≦2.0を満たす、ハフニウムの酸化物であってもよい。
本第2の実施形態の抵抗変化素子で採用する、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7、第3金属酸化物層8からなる、バッファ層の構成により、不動態層となる第2金属酸化物層7の酸素拡散に対するバリア性を、第3金属酸化物層8により、より容易に制御することができる。
上記の第1の実施形態の抵抗変化素子と同様に、本第2の実施形態の抵抗変化素子における、バッファ層を構成する、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7、第3金属酸化物層8の膜厚およびその金属酸化物材料に関して、各種の測定器で調べることができる。例えば、活性電極(銅配線)表面には、第1金属酸化物層6を形成する金属酸化物に含まれる金属とCuとを含む合金化層が形成される。この活性電極(銅配線)表面に形成される合金化層の膜厚と、その合金組成を、第1金属酸化物層6の膜厚とその金属酸化物組成、第2金属酸化物層7の膜厚とその金属酸化物組成と同様に、種々の測定器で調べられる。また、第2金属酸化物層7と固体電解質層5との間に設けられている、第3金属酸化物層8を形成する金属酸化物組成、ならびに、その膜厚も、種々の測定器で調べられる。
例えば、透過型電子線顕微鏡(TEM)観察、エネルギー分散型X線分光法、および電子エネルギー損失分光法により、その構成元素および化学組成を調べることで、第1金属酸化物層6の膜厚とその金属酸化物組成、第2金属酸化物層7の膜厚とその金属酸化物組成、第3金属酸化物層8の膜厚とその金属酸化物組成は、それぞれ、上述した構成であることを確認できる。

(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、第1の実施形態で説明した抵抗変化素子を、半導体基板上に形成された多層配線構造の内部に設けた構成である。後述するが、本第3の実施形態の抵抗変化素子では、第1電極がCu配線の役目を兼ねたCu電極である。
第3の実施形態の抵抗変化素子の構成を説明する。
図3−3は、第3の実施形態の抵抗変化素子が半導体基板上の多層配線構造の内部に設けられた構成を模式的に示した部分断面図である。
図3−3に示すように、半導体基板101の上に第1層間絶縁膜102を介して抵抗変化素子126が設けられている。本第3の実施形態の抵抗変化素子126は、下部配線106と、第1金属酸化物層121と、第2金属酸化物層122と、固体電解質層123と、第1上部電極124と、第2上部電極125とを有する。
下部配線106、第1金属酸化物層121、第2金属酸化物層122、固体電解質層123および第1上部電極124には、一例として、第1の実施形態で説明した構成を適用することが可能である。下部配線106は、図3−1に示した第1電極1に相当する。第1金属酸化物層121は第1金属酸化物層6に相当し、第2金属酸化物層122は第2金属酸化物層7に相当する。固体電解質層123は固体電解質層5に相当し、第1上部電極124は第2電極2に相当する。これらの構成については第1の実施形態で説明した構成と同様なため、本第3の実施形態では、その詳細な説明を省略する。
本第3の実施形態においても、第1金属酸化物層121を設けることで、より効果的に、リーク電流の低減することができるとともに、素子間特性ばらつきを低減することができる。本第3の実施形態の抵抗変化素子では、第1金属酸化物層121は、例えば、酸素組成y1が1.5≦y1≦2.0を満たす、膜厚0.5nmのTiOy1で形成されている。
また、第2金属酸化物層127が不動態層として機能し、下層のCuを含む、下部配線106の酸化を抑制することができる。本第3の実施形態の抵抗変化素子では、第2金属酸化物層122は、例えば、酸素組成x1が1.3≦x1≦1.5を満たす、膜厚0.3nmのAlOx1で形成されている。
固体電解質層123は、例えば、膜厚6nmのSiOCH膜で形成されている。第1上部電極124は、例えば、膜厚10nmのRu0.5Ti0.5で形成されている。
第2上部電極125は、バリア性を有する導電性膜であり、下部で接する第1上部電極124に含まれる金属がビアプラグ144などに拡散することを防止するために形成される。例えば、第2上部電極125は、膜厚25nmのTaで形成される。
図3−1に示すように、抵抗変化素子126における、第1上部電極124および第2上部電極125の積層体の上に、第2ハードマスク膜128および第3ハードマスク膜129が形成されている。第1金属酸化物層121、第2金属酸化物層122、固体電解質層123、第1上部電極124、第2上部電極125、第2ハードマスク膜128および第3ハードマスク膜129の側面と、第1バリア絶縁膜107の上面は、保護絶縁膜130で覆われている。
下部配線106は、第2層間絶縁膜103および第1キャップ絶縁膜104に形成された配線溝に第1バリアメタル105を介して埋め込まれた配線である。下部配線106を、Cuを主成分とする金属材料で構成することで、図3−1に示した第1の実施形態における第1電極1に相当する、下部電極として用いられる。この構成により、下部配線106に、下部配線106内のCu原子をイオン化して、第1金属酸化物層121と、第2金属酸化物層122を介して、固体電解質層123中へ溶出させる機能を持たせることができる。さらに、下部配線106を、Cu材料で構成とすることで、未酸化のまま第1金属酸化物層121を構成しなかった金属成分を、Cuと合金化して下部配線106内へ拡散させることができる。例えば、下部配線106にCuを用い、第1金属酸化物層121を構成する主成分がTiからなる酸化物である場合、下部配線106と第1金属酸化物層121の界面には、CuおよびTiを主成分とする合金化層が形成される。
固体電解質層123と下部配線106とは、第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122を介して、第1バリア絶縁膜107の開口部にて接続されている。このとき、固体電解質層123と、第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122を介して接続される、下部配線106の幅は、バリア絶縁膜107の開口部の直径(実効直径)よりも大きいことが好ましい。
第1バリアメタル105は、第2上部電極125と同様のバリア性を有する導電性膜である。第1バリアメタル105は、下部配線106に含まれる金属が第1層間絶縁膜102、第2層間絶縁膜103および第1キャップ絶縁膜104などへ拡散することを防止するために、下部配線106の側面および底面を被覆している。第1バリアメタル105には、例えば、下部配線106がCuを主成分とする金属元素からなる場合、Ta、TaN、TiN、WCNのような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜が用いられる。
上部配線145は、第3層間絶縁膜141および第2キャップ絶縁膜142に形成された配線溝に第2バリアメタル143を介して埋め込まれた配線である。上部配線145は、ビアプラグ144と一体になっている。ビアプラグ144は、保護絶縁膜130、第3ハードマスク膜129および第2ハードマスク膜128に形成された下穴に第2バリアメタル143を介して埋め込まれている。ビアプラグ144は、第2バリアメタル143を介して、抵抗変化素子126と電気的に接続されている。上部配線145およびビアプラグ144には、例えば、Cuが用いられる。
第2バリアメタル143は、第1バリアメタル105と同様のバリア性を有する導電性膜である。第2バリアメタル143は、上部配線145およびビアプラグ144に含まれる金属が第1ビア層間絶縁膜140、第3層間絶縁膜141および第2キャップ絶縁膜142へ拡散することを防止するために、上部配線145およびビアプラグ144の側面および底面を被覆している。第2バリアメタル143には、例えば、上部配線145およびビアプラグ144がCuを主成分とする金属元素からなる場合には、第1バリアメタル105と同様に、Ta、TaN、TiN、WCNのような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜が用いられる。
第2バリアメタル143は、接触抵抗を低減する観点から、抵抗変化素子126の構成の一部である第2上部電極125と同一材料であることが好ましい。例えば、第2上部電極125がTaである場合、その上部に接触する第2バリアメタル143にはTaを用いることが好ましい。
第3ハードマスク膜129は、第2ハードマスク膜128をエッチングする際のハードマスクとなる膜である。第2ハードマスク膜128は、第3ハードマスク膜129と異なる種類の膜であることが好ましく、例えば、第2ハードマスク膜128がSiCN膜であれば、第3ハードマスク膜129にSiO膜を用いることが可能である。
保護絶縁膜130は、側面が露出した抵抗変化素子126にダメージを与えることなく、さらに抵抗変化素子126から第1ビア層間絶縁膜140への構成原子の拡散を防ぐ機能を有する絶縁膜である。保護絶縁膜130には、例えば、SiN膜、SiCN膜等を用いることが可能である。第1バリア絶縁膜107および第2バリア絶縁膜146は金属の拡散を防ぐ機能を有する絶縁膜である。
本第3の実施形態の抵抗変化素子では、図3−3に示すように、第1バリア絶縁膜107に設けられた開口部を介して、第1電極1に相当する下部配線106と、第1金属酸化物層121とが接する構成となる。この構成により、第1電極1として、Cu配線を兼ねるCu電極を用いることができ、CMOS基板上多層配線構造内にCu電極を用いた抵抗変化素子が形成可能になる。抵抗変化素子の下部電極がCu配線の機能を兼ねることで、製造工程を簡略化することが可能となる。
次に、本第3の実施形態の抵抗変化素子の製造方法を、図3−3に示した構成の場合で説明する。
図4−1〜図4−11は、図3−3に示した構成の第3の実施形態の抵抗変化素子について、半導体基板上の多層配線構造の内部に設けるための製造方法を説明するための部分断面図である。
まず、半導体基板101上に第1層間絶縁膜102、第2層間絶縁膜103および第1キャップ絶縁膜104を順に形成する。ここでいう半導体基板101は、半導体基板そのものであってもよく、基板表面に半導体素子(不図示)が形成されている基板であってもよい。例えば、第1層間絶縁膜102は、膜厚300nmのSiO膜で、第2層間絶縁膜103は、膜厚150nmのSiOCH膜で、第1キャップ絶縁膜104は、膜厚100nmのSiO膜で形成することができる。
続いて、リソグラフィ法を用いて、第1キャップ絶縁膜104、第2層間絶縁膜103および第1層間絶縁膜102の積層膜に配線溝を形成する。このリソグラフィ法は、第1キャップ絶縁膜104の上に所定のパターンのレジストを形成するフォトレジスト形成処理、積層膜に対してレジストをマスクにして異方性エッチングを行うドライエッチング処理、および、エッチングにより配線溝を形成した後にレジストを除去する処理を含む。
その後、配線溝中に、第1バリアメタル105を介して金属を埋め込んで下部配線106を形成する。下部配線106の材料が、例えば、Cuである場合、第1バリアメタル105として、例えば、TaN(膜厚5nm)/Ta(膜厚5nm)の積層構造を使用する。
続いて、下部配線106を含む第1キャップ絶縁膜104上に第1バリア絶縁膜107を形成する。第1バリア絶縁膜107は、例えば、膜厚30nmのSiCN膜で形成することができる。次に、図4−1に示すように、第1バリア絶縁膜107上に第1ハードマスク膜108を形成する。第1ハードマスク膜108は、ドライエッチング加工におけるエッチング選択比を大きく保つ観点から、第1バリア絶縁膜107とは異なる材料であることが好ましい。ここでは、第1バリア絶縁膜107をSiCN膜で形成する場合、第1ハードマスク膜108の形成には、例えば、SiO膜を用いる。第1ハードマスク膜108を、例えば、膜厚40nmのSiO膜で形成する。
続いて、第1ハードマスク膜108上に、所定の開口部パターンを有するフォトレジストを形成し、ドライエッチングを行って第1ハードマスク膜108に開口部を形成する。Oプラズマアッシング等によってフォトレジストを剥離する。そして、第1ハードマスク膜108の開口部底部に露出している第1バリア絶縁膜107を、エッチバックすることにより、下部配線106上面の一部を露出させる開口部を第1バリア絶縁膜107に形成する。膜厚40nmのSiO膜で形成されている、第1ハードマスク膜108は、このエッチバック中にエッチング除去される。このエッチバック後、図4−2から図4−4に示すように、開口部底部に露出した下部配線106の表面を、洗浄液を用いた洗浄除去(図4−2)、引き続き、Hまたは不活性ガスを含むガスを用いたプラズマ照射(図4−2)を行うことによって清浄化する。その結果、開口部109内に露出している銅酸化膜132の表面に付着する、パーティクル状異物131の除去、ならびに、銅酸化膜132自体の除去もなされる(図4−4)。
図4−1から図4−4の順に示した構造を形成するまでをステップA1とする。
ステップA1において、第1バリア絶縁膜107の開口部を形成する際のエッチバックは、第1バリア絶縁膜107がSiN膜あるいはSiCN膜である場合、CFを含むプラズマを用いることで行うが可能である。その条件は、例えば、CF/Arのガス流量=25/50sccm、圧力0.53Pa、ソースパワー400W、基板バイアスパワー90Wの条件である。ソースパワーを低下、または基板バイアスを大きくすることで、エッチング時のイオン性を向上させ、第1バリア絶縁膜107側壁を傾斜したテーパー形状にすることができる。また、このエッチバックによって、膜厚40nmのSiO膜で形成されている、第1ハードマスク膜108をエッチング除去することができる。
次に、下部配線106が露出した開口部を含む第1バリア絶縁膜107上に、第1金属酸化物層121を形成するための第1の金属層、および第2金属酸化物層122を形成するための第2の金属層をこの順に堆積する。第1の金属層は、Ti、Zr、Hfのうち少なくとも1つを含む。第2の金属層は、Al、Nb、Taのうち少なくとも1つを含む。例えば、第1の金属層は、膜厚0.5nmのTi層とし、第2の金属層は、膜厚0.2nmのAl層とする。
第1の金属層および第2の金属層を堆積後、減圧下にて、大気に暴露することなく、Oを含むガス照射により、第1の金属層および第2の金属層の酸化処理を行う。酸化処理が施された、第1の金属層および第2の金属層を、それぞれ、金属酸化物層に変換される。続いて、減圧下にて、第1の金属層および第2の金属層の成膜温度よりも高い温度で、加熱処理を行う。加熱処理を行うことで、酸化処理において未反応で残留した第1の金属層内の金属成分を、Cuからなる下部電極106表面において、合金化させる。その結果、第1金属酸化物層121に接する、Cuからなる下部電極106表面に、合金化層が形成される。
図4−4から、第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122からなるバッファ層構造を形成するまでをステップA2とする。
ステップA2において、第1の金属層および第2の金属層は、金属原料の抵抗加熱、電子線照射、レーザー照射などによる蒸着法、DCスパッタリング法などにより堆積できる。一例として、第1の金属層がTiである場合、DCスパッタリング法により、Tiをターゲットとして、スパッタパワー100W、基板温度は室温にて、Ar流量20sccm、圧力0.5Paの条件を用いることで、第1の金属層を堆積することができる。また、第2の金属層がAlである場合、DCスパッタリング法を用い、Alをターゲットとして、スパッタパワー150W、基板温度は室温にて、Ar流量20sccm、圧力0.5Paの条件を用いることで、第2の金属層を堆積することができる。
また、ステップA2において、大気暴露することなくOを含むガス照射による酸化処理を行うことで、第1の金属層の酸化により形成される第1金属酸化物層121、および第2の金属層の酸化により形成される第2金属酸化物層122の酸化度を精度よく制御することができる。一例として、第1の金属層が膜厚0.5nmのTiであり、第2の金属層が膜厚0.2nmのAlである場合、基板温度は室温にて、O流量10sccm、圧力0.5Pa、照射時間60秒のOガス照射により、Tiの酸化物からなる第1金属酸化物層121、およびAlの酸化物からなる第2金属酸化物層122を形成することができる。
さらに、ステップA2において、前述の酸化処理後の加熱処理は、一例として、第1の金属層が膜厚0.5nmのTiであり、第2の金属層が膜厚0.2nmのAlである場合、400℃以下の基板温度にて、NおよびO各流量10/10sccm、圧力900Pa、処理時間30秒の条件で行うことが好ましい。この加熱処理によって、前述の酸化処理において未反応で残留した第1の金属層内の金属成分を、Cuからなる下部電極106表面における合金化拡散により、除去することができる。従って、加熱処理後、第1金属酸化物層121と接する、Cuからなる下部電極106表面には、第1の金属層に使用するTiと、Cuからなる、合金化層が形成される。
また、真空は、チャンバー内の気圧を極力低くした状態を意味し、少なくとも上述の酸化処理よりも低圧である。酸化処理、その後加熱処理を行うことで形成される、第1金属酸化物層121の膜厚は1.0nm以下であることが好ましく、第2金属酸化物層122の膜厚は0.8nm以下であることが好ましい。
次に、形成した第2金属酸化物層122上に、固体電解質層123を堆積する。固体電解質層123には、例えば、膜厚6nmのSiOCH膜が用いられる。この場合、固体電解質層123をプラズマCVD法によって堆積し、続いて不活性ガスプラズマ処理を行う。
続いて、固体電解質層123上にDCスパッタリング法により第1上部電極124および第2上部電極125をこの順に形成する。下部配線106、第1金属酸化物層121、第2金属酸化物層122、固体電解質層123、第1上部電極124および第2上部電極125は、抵抗変化素子126となる積層体を構成する。第1上部電極124は、例えば、膜厚10nmのRu0.5Ti0.5である。第2上部電極125は、例えば、膜厚25nmのTaである。なお、第1上部電極124がRuあるいはRu合金である場合、第1上部電極124の表面酸化を防止するため、第1上部電極124の堆積後、大気暴露することなく、連続して第2上部電極125を堆積することが好ましい。
続いて、図4−5に示すように、第2上部電極125上に、第2ハードマスク膜128、および第3ハードマスク膜129をこの順に積層する。第2ハードマスク膜128は、密着性の観点から第1バリア絶縁膜107と同一材料を用いることが好ましい。例えば、膜厚30nmのSiCN膜を、第2ハードマスク膜128に用いることができる。その際、例えば、膜厚100nmのSiO膜を、第3のハードマスク膜129に用いることができる。
第1金属酸化物層121と第2金属酸化物層122の形成後、図4−5に示した構造を形成するまでの工程をステップA3とする。
ステップA3において、固体電解質層123にSiOCH膜を用いる場合、プラズマCVD法で次のような条件で固体電解質層123を形成する。原料には液体SiOCHモノマー分子を用い、基板温度は400℃以下とし、He流量500〜2000sccm、原料流量0.1〜0.8g/min、プラズマCVDチャンバー圧力360〜700Pa、RFパワー20〜100Wにそれぞれ設定することで、SiOCH膜を堆積することができる。具体的には、基板温度350℃、He流量1500sccm、原料流量0.75g/min、プラズマCVDチャンバー圧力470Pa、RFパワー50Wの条件で、SiOCH膜を堆積することができる。また、SiOCH膜堆積後の不活性プラズマ処理は、不活性ガスとしてHeを用い、基板温度は400℃以下とし、He流量500〜1500sccm、プラズマチャンバー圧力2.7〜3.5Torr、RFパワー20〜200Wにそれぞれ設定することで行うことができる。具体的には、基板温度350℃、He流量1000sccm、プラズマチャンバー圧力360Pa、RFパワー50W、処理時間30秒の条件で行うことができる。この不活性プラズマ処理によって、次に、固体電解質層123上に堆積する第1上部電極124との密着性を改善することができる。
また、ステップA3において、第1上部電極124は、例えば、Ru0.5Ti0.5を用いる場合、RuおよびTiをターゲットとした同時DCスパッタリングにより、Ruのスパッタパワー120W、Tiのスパッタパワー150W、基板温度は室温にて、Ar流量20sccm、圧力0.5Paの条件を用いることで、Ru0.5Ti0.5膜を堆積することができる。また、第2上部電極125が膜厚25nmのTaである場合、DCスパッタリングにより、Taをターゲットとして、スパッタパワー300W、基板温度は室温にて、Ar流量25sccm、圧力0.5Paの条件を用いることで、Ta膜を堆積することができる。
また、ステップA3において、第2ハードマスク膜128および第3ハードマスク膜129は、いずれも半導体製造の技術分野における一般的なプラズマCVD法を用いて形成することができる。成膜温度は200℃〜400℃の範囲を選択することが可能である。例えば、成膜温度を350℃に選択し、第2ハードマスク膜128に用いるSiCN膜と、第3のハードマスク膜129に用いるSiO膜を堆積することはできる。
次に、第3ハードマスク膜129上に、抵抗変化素子126の加工パターンを有するフォトレジストを形成後、第2ハードマスク膜128が表れるまで第3ハードマスク膜129をドライエッチングする。続いて、Oプラズマアッシング処理によりフォトレジストを除去した後、第3ハードマスク膜129をマスクとして、第2ハードマスク膜128、第2上部電極125、第1上部電極124、固体電解質層123、第2金属酸化物層122、および第1金属酸化物層121を連続的にドライエッチングする。図4−6は、そのエッチング後の状態を示す。
図4−5に示した構造から図4−6に示した構造を形成するまでの工程をステップA4とする。
ステップA4において、第2ハードマスク膜128が表れるまで第3ハードマスク膜129をドライエッチングする際、第3ハードマスク膜129のドライエッチングは、第2ハードマスク膜128の上面または、内部で停止していることが好ましい。この場合、抵抗変化素子126の第2上部電極125は、第2ハードマスク膜128よって被覆されているため、Oプラズマ中に暴露されることはない。また、第2上部電極125と同様に、その下層に位置する、Ruを含む第1上部電極124についても、Oプラズマに暴露されることがない。そのため、第1上部電極124に対するサイドエッチの発生を抑制することができる。なお、第3ハードマスク膜129のドライエッチングは、一般的な平行平板型のドライエッチング装置を用いることができる。
また、ステップA4において、第2ハードマスク膜128、第2上部電極125、第1上部電極124、固体電解質層123、第2金属酸化物層122、および第1金属酸化物層121の各エッチングについても、平行平板型のドライエッチャーを用いて一括して行うことができる。
第2ハードマスク膜128(例えば、SiCN膜)のエッチングは、CF/Arのガス流量=25/50sccm、圧力0.53Pa、ソースパワー400W、基板バイアスパワー90Wの条件で行うことができる。
また、ステップA4において、第2上部電極125(例えば、Ta膜)のエッチングは、基板温度90℃、Clガス流量=50sccmにて、圧力0.53Pa、ソースパワー400W、基板バイアスパワー60Wの条件で行うことができる。
また、第1上部電極124(例えば、Ru0.5Ti0.5膜)のエッチングは、基板温度は室温、O/Clガス流量=160/30sccmにて、圧力0.53Pa、ソースパワー300〜600W、基板バイアスパワー100〜300Wの条件で行うことができる。
また、固体電解質層123(例えば、SiOCH膜)のエッチングは、第1上部電極124にRu0.5Ti0.5を用いる場合、第1上部電極124のエッチングと同条件で行うことができる。したがって、第1上部電極124と一括してエッチングを行うこともできる。
また、第2金属酸化物層122(例えば、膜厚0.3nmの酸素組成x1が1.3≦x1≦1.5を満たすAlOx1膜)、および第1金属酸化物層121(例えば、膜厚0.5nmの酸素組成y1が1.5≦y1≦2.0を満たすTiOy1膜)のエッチングについても、第1上部電極124にRu0.5Ti0.5を用いる場合、固体電解質層123(例えば、SiOCH膜)と同様に、第1上部電極124のエッチングと同条件で行うことができる。したがって、第1上部電極124および固体電解質層123と一括してエッチングを行うこともできる。
また、ステップA4において、上述の条件にて、第2ハードマスク膜128、第2上部電極125、第1上部電極124、固体電解質層123、第2金属酸化物層122、および第1金属酸化物層121の各エッチングを行った後、膜厚100nmのSiO膜を用いた、第3ハードマスク膜129の残り膜厚は50nmとすることができる。
次に、第3ハードマスク膜129、第2ハードマスク膜128、第2上部電極125、第1上部電極124、固体電解質層123、第2金属酸化物層122、および第1金属酸化物層121ならびに第1バリア絶縁膜107からなる積層構造の上部および側壁部に、保護絶縁膜130を堆積する。保護絶縁膜130は、第1バリア絶縁膜107および第2ハードマスク膜128と同一材料を用いることが好ましく、例えば、膜厚30nmのSiCN膜を、保護絶縁膜130に用いることができる。
続いて、図4−7に示すように、保護絶縁膜130上に、プラズマCVD法を用いて第1ビア層間絶縁膜140を堆積する。第1ビア層間絶縁膜140は、例えば、膜厚210nmのSiO膜で形成することができる。次に、CMP法を用いて、第1ビア層間絶縁膜140を平坦化する。平坦化後、図4−8に示すように、第1ビア層間絶縁膜140上に、第3層間絶縁膜141、および第2キャップ絶縁膜142をこの順に堆積する。第3層間絶縁膜141は、エッチング加工時に下部で接する第1ビア層間絶縁膜140をエッチングストッパ層とするために、第1ビア層間絶縁膜140とは異なる絶縁材料が用いられる。第3層間絶縁膜141は、例えば、膜厚150nmのSiOCH膜で形成することができる。
図4−7に示した構造から図4−8に示した構造を形成するまでの工程をステップA5とする。
ステップA5において、保護絶縁膜130を、例えば、SiCN膜で形成する場合、テトラメチルシランとアンモニアを原料ガスとし、基板温度200℃にて、プラズマCVD法を用いて形成することができる。SiCN膜で保護絶縁膜130を形成することにより、第1バリア絶縁膜107、保護絶縁膜130、および第2ハードマスク膜128は、いずれも、SiCN膜となる。同一材料を用いて、抵抗変化素子126の周囲を一体化し保護することで、界面の密着性が向上し、吸湿性や耐水性、酸素脱離耐性を向上できる。その結果、抵抗変化素子126の製造歩留まりと、製造される抵抗変化素子126の信頼性を向上することができる。
また、ステップA5において、第1ビア層間絶縁膜140の平坦化では、第1ビア層間絶縁膜140の頂面から約100nmを削り取り、残膜を約110nmとすることができる。このとき、第1ビア層間絶縁膜140に対するCMP(chemical-mechanical polishing)では、一般的な、コロイダルシリカ、あるいはセリア(酸化セリウム(IV))系のスラリーを用いて研磨することができる。
また、ステップA5において、第3層間絶縁膜141および第2キャップ絶縁膜142は、一般的なプラズマCVD法を用いて堆積することができる。
次に、デュアルダマシン法のビアファースト法を用いて、図3−3に示した上部配線145、およびビアプラグ144を形成する。
ビアファースト法においては、まず、第2キャップ絶縁膜142上に、図3−3に示したビアプラグ144用のビアホール147のパターンを有するフォトレジストを形成する。続いて、ドライエッチングにより、第2キャップ絶縁膜142、第3層間絶縁膜141、第1ビア層間膜140、保護絶縁膜130、および第3ハードマスク膜129を貫通した、図3−3に示したビアプラグ144用のビアホール147を形成する。その後、図4−9に示すように、Hガスを含むプラズマアッシングと有機剥離を行うことで、フォトレジストを除去する。
続いて、第2キャップ絶縁膜142上に、図3−3に示した上部配線145用の配線溝148のパターンを有するフォトレジストを形成後、ドライエッチングにより、第2キャップ絶縁膜142および第3層間絶縁膜141に、図3−3に示した上部配線145用の配線溝148を形成する。その後、図4−10に示すように、Hガスを含むプラズマアッシングと有機剥離を行うことで、フォトレジストを除去する。
図4−8に示した構造から図4−10に示した構造を形成するまでの工程をステップA6とする。
ステップA6において、ビアホール147を形成後、ビアホール上にARC(Anti−Reflection Coating;反射防止膜)などを埋め込んでおくことで、ドライエッチングによる配線溝148の形成時に、上部ビアホール147底部の突き抜けを防止することができる。
次に、ビアホール147底部の第2ハードマスク膜128をエッチングすることで、ビアホール147から第2上部電極125を露出させる。その後、配線溝148およびビアホール147内に第2バリアメタル143(例えば、膜厚10nmのTa膜)を介して、上部配線145(例えば、Cu)およびビアプラグ144(例えば、Cu)を同時に形成する。その後、上部配線145を含む第2キャップ絶縁膜142上に第2バリア絶縁膜146(例えば、膜厚50nmのSiCN膜)を堆積することで、図4−11に示した構造が形成される。
図4−10に示した構造から図4−11に示した構造を形成するまでの工程をステップA7とする。
ステップA7において、上部配線145の形成は、下層の下部配線106形成と同様のプロセスを用いることができる。このとき、ビアプラグ144の底径は、第1バリア絶縁膜107の開口部径よりも小さくしておくことが好ましい。本第3の実施形態では、例えば、ビアプラグ144の底部の直径は、60nm、第1バリア絶縁膜107の開口部の直径は、100nmに、それぞれ選択することができる。
また、ステップA7において、第2バリアメタル143と第2上部電極125を同一材料とすることで、ビアプラグ144と第2上部電極125の間の接触抵抗を低減し、オン状態にある抵抗変化素子126の抵抗を低減できる。その結果、製造される抵抗変化素子126のオン状態における素子性能(例えば、オン状態のコンダクタンス)を向上させることができる。

次に、上述した抵抗変化素子の実施態様について説明する。
(実施態様1)
本実施態様1では、第3の実施形態の抵抗変化素子126について、第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122の組み合わせの異なる素子を作製し、作製された抵抗変化素子の特性を評価した。
本実施態様1では、第3の実施形態の抵抗変化素子126を基本構造として、バッファ層を構成する、第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122の組み合わせの異なる、合計9種類の抵抗変化素子を作製した。具体的には、Cuを主成分とする下部配線106上に形成した第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122の組み合わせは、下記の9種類である。
TiOy1/AlOx1、TiOy1/NbOx2、TiOy1/TaOx3
ZrOy2/AlOx1、ZrOy2/NbOx2、ZrOy2/TaOx3
HfOy3/AlOx1、HfOy3/NbOx2、HfOy3/TaOx3
第1金属酸化物層121を形成するための第1の金属層の膜厚は、0.5nmに、第2金属酸化物層122を形成するための第2の金属層の膜厚は、0.2nmに選択されている。膜厚0.5nmの第1の金属層ならびに膜厚0.2nmの第2の金属層を形成後、大気に露呈することなく、圧力0.5Pa、室温にて、O流量10sccmでOを照射して、酸化処理を行っている。酸化処理により、第1の金属層は、膜厚0.5nmの第1金属酸化物層121に、第2の金属層は、膜厚0.2nmの第2金属酸化物層122となる。固体電解質層は、膜厚6nmのSiOCH膜を用いて形成している。
なお、Cuの原子半径は、128pm、共有結合半径は、132±4pm;
Alの原子半径は、143pm、共有結合半径は、121±4pm;
Nbの原子半径は、146pm、共有結合半径は、164±6pm;
Taの原子半径は、146pm、共有結合半径は、170±8pm;
Tiの原子半径は、147pm、共有結合半径は、160±8pm;
Zrの原子半径は、160pm、共有結合半径は、175±7pm;
Hfの原子半径は、159pm、共有結合半径は、175±10pmと報告されている。
第2の金属層の膜厚0.2nmは、Al、Nb、Taの原子半径の2倍を超えない値である。第1の金属層の膜厚0.5nmは、Ti、Zr、Hfの原子半径の4倍を超えない値である。
また、本実施態様1で作製する、第1金属酸化物層121と第2金属酸化物層122の組み合わせを選択する抵抗変化素子と特性と比較するため、下記の比較例となる抵抗変化素子を準備した。
比較例となる抵抗変化素子では、バッファ層を一種類の金属酸化物層で構成する構造を採用している。具体的には、Cuを主成分とする下部配線106上に形成した金属酸化物層を、第1金属酸化物層121に使用する金属酸化物(TiOy1、ZrOy2、およびHfOy3)および第2金属酸化物層122に使用する金属酸化物(AlOx1、NbOx2、およびTaOx3)のうち、いずれか一種類の金属酸化物のみで形成している。一種類の金属酸化物層を形成するための金属層の膜厚は、0.7nmに選択されている。膜厚0.7nmの金属層を形成後、大気に露呈することなく、圧力0.5Pa、室温にて、O流量10sccmでOを照射して、酸化処理を行っている。酸化処理により、金属層は、金属酸化物層となる。固体電解質層は、膜厚6nmのSiOCH膜を用いて形成している。
次に、本実施態様1の抵抗変化素子と、比較例となる抵抗変化素子について、セット時のオフリーク電流およびリセット時の絶縁破壊電圧を評価した。以下に、その評価結果を説明する。
図6は、本実施態様1の抵抗変化素子と、比較例となる抵抗変化素子について、セット時のオフリーク電流、具体的には、負電圧を1V印加時のオフリーク電流を測定した結果を示す表である。図6に示す数値の単位はアンペア(A)である。
図6に示すように、本実施態様1の抵抗変化素子では、第1金属酸化物層121と第2金属酸化物層122のいずれの組み合わせにおいても、それぞれ、第1金属酸化物層121と同一種類の金属酸化物のみからなるバッファ層を採用する、比較例となる抵抗変化素子に比べて、セット時のオフリーク電流の低減が認められる。
図7は、本実施態様1の抵抗変化素子と、比較例となる抵抗変化素子について、リセット時の絶縁破壊電圧を測定した結果を示す表である。図7に示す数値の単位はボルト(V)である。
図7に示すように、リセット時の絶縁破壊耐圧についても、本実施態様1の抵抗変化素子では、第1金属酸化物層121と第2金属酸化物層122のいずれの組み合わせにおいても、それぞれ、第1金属酸化物層121または第2金属酸化物層122と同一種類の金属酸化物のみからなるバッファ層を採用する、比較例となる抵抗変化素子に比べて、改善されていることがわかる。
(実施態様2)
本実施態様2は、図3−3に示した抵抗変化素子126に第2の実施形態の構成を適用し、図3−2に示される、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7および第3金属酸化物層8によりバッファ層が構成されている抵抗変化素子を作製し、作製された抵抗変化素子の特性を評価した。
本実施態様2では、第3の実施形態の抵抗変化素子126を基本構造として、図3−2に示される、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7および第3金属酸化物層8の組み合わせの異なる、合計7種類の抵抗変化素子を作製した。具体的には、Cuを主成分とする下部配線上に形成した第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7および第3金属酸化物層8の組み合わせは、は、下記の7種類である。
TiOy1/AlOx1/TiOy4、TiOy1/NbOx2/TiOy4、TiOy1/TaOx3/TiOy4
ZrOy2/AlOx1/ZrOy5、ZrOy2/NbOx2、ZrOy2/TaOx3/ZrOy5
HfOy3/AlOx1/HfOy6
y4、y5およびy6は、それぞれ、第3金属酸化物層8を構成する、Ti、ZrおよびHfの酸化物(TiOy4、ZrOy5、HfOy6)における酸素組成である。
第2金属酸化物層7を形成するための第2の金属層上に、連続して、第3金属酸化物層8を形成するための第3の金属層を堆積した。第3金属酸化物層8を形成するための第3の金属層の膜厚は、0.2nmに選択されている。本実施態様2の抵抗変化素子は、バッファ層を第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7および第3金属酸化物層8で構成している点を除いて、その基本構造は、図3−3に示した抵抗変化素子126と同一である。
次に、本実施態様2の抵抗変化素子について、セット時のオフリーク電流およびリセット時の絶縁破壊電圧を評価した。以下に、その評価結果を説明する。
本実施態様2の7種類の抵抗変化素子と、それぞれ、第1金属酸化物層121と同一種類の金属酸化物のみからなる、バッファ層を採用する、比較例となる抵抗変化素子に比べて、上記実施態様1の抵抗変化素子における評価結果と同程度のオフリークの低減および絶縁破壊電圧の向上が確認された。
具体的には、第1金属酸化物層5(TiOy1)と同一種類の金属酸化物(TiOy1)のみからなる、比較例となる抵抗変化素子の場合、図6に示されるように、負電圧を1V印加時に測定されるオフリーク電流は、7×10-7 Aであった。一方、本実施態様2の抵抗変化素子では、例えば、バッファ層を構成する、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7および第3金属酸化物層8の組み合わせが、TiOy1/AlOx1/TiOy4である場合、負電圧を1V印加時に測定されるオフリーク電流は、4×10-8 Aに低減していた。
また、第1金属酸化物層5(TiOy1)と同一種類の金属酸化物(TiOy1)のみからなる、比較例となる抵抗変化素子の場合、図7に示されるように、正電圧印加時に測定された絶縁破壊電圧は、3.5Vである。これに対して、一方、本実施態様2の抵抗変化素では、例えば、バッファ層を構成する、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7および第3金属酸化物層8の組み合わせが、TiOy1/AlOx1/TiOy4である場合、正電圧印加時に測定された絶縁破壊電圧は、4.5Vまで上昇している。これは、第1金属酸化物層6、第2金属酸化物層7に加えて、第3金属酸化物層8を挿入することより、第3金属酸化物層8の下部で接する第2金属酸化物層7の不動態形成による酸素バリア性が制御されているためであると考えられる。
(実施態様3)
本実施態様3は、第3の実施形態の抵抗変化素子およびその製造方法をベースにして、半導体基板上の多層配線構造に3端子型抵抗変化素子を設けた構成である。
本実施態様3の3端子型抵抗変化素子の構成を説明する。なお、本実施態様3では、主に、図3−3に例示する、第3の実施形態の抵抗変化素子と異なる構成について説明し、図3−3に例示する、第3の実施形態の抵抗変化素子と同様な構成についての詳細な説明を省略する。
図5は、本実施態様3の3端子型抵抗変化素子が半導体基板上の多層配線構造の内部に設けられた構成を模式的に示した部分断面図である。
図5に示すように、3端子型抵抗変化素子224においては、下部電極として第1下部配線206aおよび第2下部配線206bが設けられている。そして、第1バリア絶縁膜107に形成された1つの開口部に、第1ギャップ絶縁膜104を挟んで互いに離間した第1下部配線206aおよび第2下部配線206bのそれぞれの上面が部分的に露出している。下部配線206aおよび第2下部配線206bのそれぞれの上面の露出部分は、第1ギャップ絶縁膜104の上面とともに上記開口部を介して、上層の第1金属酸化物121に接触している。従って、前記開口部内に露出している、第1下部配線206aの銅表面の面積、ならびに、第2下部配線206bの銅表面の面積は、ともに、開口部面積の半分以下である。
また、第1下部配線206aおよび第2下部配線206bのいずれもが、例えば、Cuで構成される場合、図3−3に示した構成の下部配線106と同様な構成にすることが可能であり、図3−3に例示する、第3の実施形態の抵抗変化素子の製造プロセスで説明した方法で形成することができる。
本実施態様3の抵抗変化素子は、第1下部配線206aを第1電極とし、第2下部配線206bを第3電極とすれば、第1電極と第3電極は同一レイヤーに設けられ、第2電極は、第1電極および第3電極とは別のレイヤーに設けられた構成である。
次に、本実施態様3の3端子型抵抗変化素子の製造方法を説明する。なお、本実施態様3では、主に、図3−3に例示する、第3の実施形態の抵抗変化素子の製造プロセスと異なる処理について説明し、図3−3に例示する、第3の実施形態の抵抗変化素子の製造プロセスと同様な処理についての詳細な説明を省略する。
本実施態様3では、ドライエッチングによる第1ハードマスク膜107への開口部の形成において、第1下部配線206aおよび第2下部配線206bに挟まれた第1キャップ絶縁膜104は、表面がドライエッチングされることにより膜減りが生じる。そのため、開口部を形成後、第1下部配線206aおよび第2下部配線206bの表面を含む開口部上に、DCスパッタリング法により、第1金属酸化物121の形成に利用する第1の金属層161、および第2金属酸化物層122の形成に利用する第2の金属層162をこの順に連続して堆積した。本実施態様3においては、第1の金属層161として、膜厚0.5nmのZrを選択し、第2の金属層162として、膜厚0.2nmのAlを選択している。その後、大気暴露することなく基板温度は室温にて、O流量10sccm、圧力0.5Pa、照射時間60秒のOガス照射により、第1の金属層161、および第2の金属層162を酸化処理して、第1金属酸化物層121であるZrOy2および第2金属酸化物層122であるAlOx1を形成した。続いて、400℃以下の基板温度にて、NおよびO各流量10/10sccm、圧力900Pa、処理時間30秒の条件で加熱処理を行った。この加熱処理により、第1下部配線206aおよび第2下部配線206bと、第1金属酸化物層121であるZrOy2との間に未反応で残留しているZr金属成分は、Cuからなる第1下部配線206aおよび第2下部配線206b表面への合金化および拡散により除去される。
次に、固体電解質層123を第2金属酸化物層122上に堆積した。固体電解質層123堆積以降の工程については、図3−3に例示する、第3の実施形態の抵抗変化素子と同様な形成方法を用いることで、図5に示すように、多層配線構造内に3端子型抵抗変化素子224を形成することができる。
実施態様1の抵抗変化素子と同様に、上記の製造プロセスにより形成される、本実施態様3の3端子型抵抗変化素子224においても、第1金属酸化物層121と同一種類の金属酸化物のみからなる、バッファ層を採用する、比較例となる3端子型抵抗変化素子に比べて、オフリークの低減、および絶縁破壊電圧の向上が確認された。
具体的には、第1金属酸化物層121と同一種類の金属酸化物(ZrOy2)のみからなる、バッファ層を採用する、比較例となる3端子型抵抗変化素子の場合、負電圧を1V印加時に測定されるオフリーク電流は、5×10-7 Aである。一方、第1金属酸化物層121として、ZrOy2を、第2金属酸化物層122として、AlOx1を採用している、本実施態様3の3端子型抵抗変化素子224の場合、負電圧を1V印加時に測定されるオフリーク電流は、8×10-8Aであり、十分に低減していることを確認した。
また、ZrOy2のみからなる、バッファ層を採用する、比較例となる3端子型抵抗変化素子の場合、正電圧印加時に測定された絶縁破壊電圧は、3.6Vである。一方、本実施態様3の3端子型抵抗変化素子224の場合、正電圧印加時に測定された絶縁破壊電圧は、4.3Vまで上昇した。本実施態様3では、一例として、第1金属酸化物層121として、ZrOy2を、第2金属酸化物層122として、AlOx1を用いている、3端子型抵抗変化素子224について述べた。バッファ層を構成する、第1金属酸化物層121および第2金属酸化物層122の組み合わせは、この材料構成の組み合わせ(ZrOy2/AlOx1、)に限定されず、実施態様1に例示した、他の8種類の組み合わせであってもよい。
以上の結果から、本発明の抵抗変化素子およびその製造方法を、2端子型抵抗変化素子のみでなく、3端子型抵抗変化素子に適用することで、負電圧印加時のオフリーク電流が低減され、かつ、正電圧印加時(リセット時)の絶縁破壊電圧が改善されることがわかった。
本発明の抵抗変化素子およびその製造方法は、以下のような構成であってもよい。
以上、実施形態および実施態様に基づき本発明を説明した。これら実施形態および実施態様は、単に具体例を挙げて、本発明を説明するためのものであって、本発明の技術的範囲を、限定することを意味するものではない。当業者であれば、上記記載に基づき各種変形例および改良例に想等するのは当然であり、これらも本発明の技術的範囲に含まれるものと了解される。
上記の実施形態ならびに実施態様では、本発明の背景として、本発明の利用分野となるCMOS回路を有する半導体装置に関して詳しく説明し、半導体基板上の多層配線構造内に搭載した抵抗変化素子を形成する例について説明した。しかし、本発明は、例示された実施形態ならびに実施態様に限定されるものではない。
本発明は、例えば、DRAM、SRAM(Static RAM)、フラッシュメモリ、FRAM(Ferro−Electric RAM)、キャパシタ、バイポーラトランジスタ等のようなメモリ回路を有する半導体製品、マイクロプロセッサなどの論理回路を有する半導体製品、またはそれらを同時に搭載したボードやパッケージの金属配線形成工程にも適用することができる。また、本発明は、半導体装置への、電子回路装置、光回路装置、量子回路装置、マイクロマシン、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)などに接続する配線形成工程にも適用することができる。
本発明にかかる製造方法により銅配線層内に作製される、抵抗変化素子は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)の構成に使用される、プログラマブル素子として、利用される。
本発明にかかる製造方法で採用される、パーティクル状の異物の除去、ならびに、銅表面の酸化膜の除去のプロセスは、半導体装置間の接続に銅配線層を利用する回路を有する半導体製品において、その銅配線層の形成工程にも応用することができる。
1 第1電極
2 第2電極
5 固体電解質層
6 第1金属酸化物層
7 第2金属酸化物層
8 第3金属酸化物層
101 半導体基板
102 第1層間絶縁膜
103 第2層間絶縁膜
104 第1キャップ絶縁膜
105 第1バリアメタル
106 銅配線
107 第1バリア絶縁膜
108 第1ハードマスク膜
109 開口部
121 第1金属酸化物層
122 第2金属酸化物層
123 固体電解質層
124 第1上部電極
125 第2上部電極
126 抵抗変化素子
128 第2ハードマスク膜
129 第3ハードマスク膜
130 保護絶縁膜
131 パーティクル状異物
132 銅酸化膜
135 洗浄液
140 第1ビア層間絶縁膜
141 第3層間絶縁膜
142 第2キャップ絶縁膜
143 第2バリアメタル
144 ビアプラグ
145 上部配線
146 第2バリア絶縁膜
147 ビアホール
148 上部配線用の配線溝
206 下部配線
206a 第1下部配線
206b 第2下部配線
224 3端子型抵抗変化素子

Claims (10)

  1. 抵抗変化素子の活性電極を兼ねる銅配線上に絶縁性バリア膜を備え、
    前記絶縁性バリア膜を開口し、前記銅配線の一部を活性電極として露出させる抵抗変化素子の製造方法において、
    前記絶縁性バリア膜を開口し、前記活性電極表面を露出させる工程の後、
    第1のステップにおいて、開口部内に露出している前記活性電極表面を含む前記絶縁性バリア膜表面のパーティクル状の異物を除去する工程と、
    第2のステップにおいて、前記開口部内に露出している前記活性電極の銅表面の酸化膜の除去を行う工程と、
    第3のステップにおいて、抵抗変化膜を形成する工程とを含み、
    前記第1のステップにおいて、パーティクル状の異物の除去に洗浄液を利用し、
    前記第2のステップと前記第3のステップは大気暴露することなく連続して大気圧より低い圧力下にて行う
    ことを特徴とする、抵抗変化素子の製造方法。
  2. 前記第1のステップにおいて、
    パーティクル状の異物の除去を、分子内にOH基を有する極性溶媒を主成分とする洗浄液を利用して行う
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  3. 前記開口部内に露出している、前記活性電極の銅表面の面積は、開口部面積の半分以下である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  4. 前記開口部は、ホール形状であり、
    前記ホール形状のアスペクト比(ホール形状の深さ/ホール形状の実効直径)は、1以下である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  5. 前記洗浄液の主成分は、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールのうち少なくとも1つである
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  6. 前記洗浄液の主成分は水であって、
    二酸化炭素、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、のうち少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  7. 前記洗浄液は少なくとも二酸化炭素を含み、
    二酸化炭素の含有濃度が0.5mg/l以下である
    ことを特徴とする、請求項6に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  8. 前記第2のステップにおいて、
    銅表面の酸化膜の除去を、不活性ガスプラズマエッチングを利用して行う
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  9. 前記第1のステップにおいて、
    パーティクル状の異物の除去のため、前記洗浄液を供給しながら、ブラシスクラブ処理を併用する
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  10. 抵抗変化素子の活性電極を兼ねる銅配線上に絶縁性バリア膜を備え、
    前記絶縁性バリア膜を開口し、前記銅配線の一部を活性電極として露出させる抵抗変化素子の製造方法において、
    前記活性電極表面を露出させる工程の後、
    第1のステップにおいて、開口部を含む前記絶縁性バリア膜表面のパーティクル状の異物を除去する工程と、
    第2のステップにおいて、前記銅表面の酸化膜の除去を行う工程と、
    第3のステップにおいて、抵抗変化膜を形成する工程と、からなり、
    前記第2のステップと前記第3のステップは大気暴露することなく連続して大気圧より低い圧力下にて行い、
    第1のステップにおいて、分子内にOH基を有する極性溶媒を主成分とする洗浄液を用いることにより製造される、抵抗変化素子。
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