JP5645490B2 - 半透過性反射シート及びこれを用いたバックライトユニット - Google Patents

半透過性反射シート及びこれを用いたバックライトユニット Download PDF

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本発明は、両面に液晶パネルを備える液晶表示装置のバックライトユニットに用いる光半透過性を有する半透過性反射シート、及びこの半透過性反射シートを用いたバックライトユニットに関するものである。
液晶表示装置は、液晶パネルを背面から照らし発光させるバックライト方式が普及し、液晶パネルの下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニット20は、一般的には図4に示されるように、光源としての棒状のランプ21と、このランプ21に端部が沿うように配置される方形板状の導光板23と、この導光板23の表面側に積層された複数枚の光学シート22と、導光板23の裏面側に積層された反射シート26とを装備している。この光学シート22は、それぞれ屈折、光拡散等の特定の光学的性質を有するものであり、具体的には、導光板23の表面側に配設される光拡散シート24、光拡散シート24の表面側に配設されるプリズムシート25などが該当する。
このバックライトユニット20の機能を説明すると、まず、ランプ21より導光板23に入射した光線は、導光板23裏面の反射ドット(図示していない)で反射され、導光板23表面から出射される。光線の一部は導光板23裏面から出射されるが、この裏面から出射した光線は、反射シート26によって反射され、再度導光板23に入射される。導光板23表面から出射した光線は光拡散シート24に入射し、拡散され、光拡散シート24表面より出射される。その後、光拡散シート24から出射された光線は、プリズムシート25に入射し、プリズムシート25の表面に形成されたプリズム部によって、略法線方向にピークを示す分布の光線として出射される。このように、ランプ21から出射された光線が、光拡散シート24によって拡散され、またプリズムシート25によって略法線方向にピークを示すように屈折され、さらに上方の液晶パネル(図示していない)全面を照明するものである。
このような液晶表示装置を備えるものの中には、例えば折り畳み式の携帯電話機のように、機器の両面に液晶パネルを有しているものがある。このような折り畳み式携帯電話機は、開いた状態でメインの液晶パネルが現れ、閉じた状態でもユーザに情報を提供できるように、メインの液晶パネルの背面側にサブの液晶パネルを設けた構造を有している。このような折り畳み式携帯電話には、メイン、サブそれぞれの各液晶パネル毎にバックライトユニットが設けられているために薄型化に限界がある。このような課題を解決するために、導光板の断面形状を直角三角形とし、2枚の導光板を逆向きに重ね合わせた際、その重ねた断面形状が四角形となるようにすることにより厚みを薄くしたものもある(例えば特開2002−244133号公報等参照)。
しかしながら、このような液晶表示装置においても、メイン、サブ両面の液晶パネルを照射するのに、2組のバックライトユニットを使用しているので、部品点数が多くなり、また組立工数も多くかかるため液晶表示装置の製造コストが高くなってしまう。また、重量が嵩むうえに、薄型化にも限界がある。更には、メイン、サブの各液晶パネル毎にバックライトを設けているため消費電力が大きいという不都合が存在する。
特開2002−244133号公報
本発明は、これらの不都合に鑑みてされたものであり、ランプから発せられる光線を一つの導光板から表面及び裏面側に分散させて出射させることができる、両面に配設された2つの液晶パネルを照射するのに好適なバックライトユニット用の半透過性反射シート、及びこの半透過性反射シートを用いたバックライトユニットの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
両面に一対の液晶パネルを有する液晶表示装置のバックライトユニットに用いる半透過性反射シートであって、
ポリカーボネート系樹脂製の基材層と、基材層中に含有する酸化チタン粒子とを備え、
上記基材層の表面又は両面全面に形成される微細凹凸形状を有し、
上記基材層の平均厚さが、30μm以上200μm以下であることを特徴とする半透過性反射シートである。
当該半透過性反射シートは、導光板裏面から出射し半透過性反射シート表面に入射したバックライトからの光線の一部を透過させることができるので、バックライトからの光線を導光板の表裏両面に分散させて出射させることができる。また、基材層中に酸化チタン粒子を含有していることから、反射光及び透過光を拡散させることができる。さらには、基材層表面又は両面に形成された微細凹凸形状を有していることから、その表面又は両面において光線を拡散させることができるとともに、導光板やプリズムシートとの密着を防止することができる。
上記基材層の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.8μm以上3μm以下、最大高さ(Ry)が8μm以上30μm以下、十点平均粗さ(Rz)が3μm以上20μm以下、二乗平均平方根粗さ(Rq)が1μm以上3μm以下であるとよい。当該半透過性反射シートによれば、表面が上記範囲の性状を有することで、密着防止性がさらに高まり、加えて積層される光学シートの傷付きの発生を防止することができる。
上記基材層の裏面の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上2μm以下、最大高さ(Ry)が10μm以上35μm以下、十点平均粗さ(Rz)が6μm以上28μm以下、二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.8μm以上2.5μm以下であるとよい。当該半透過性反射シートによれば、裏面が上記範囲の性状を有することで、裏面側に積層される光学シートの表面形状の傷付けを防止し、加えてこの光学シートとの密着を防止することができる。
当該半透過性反射シートの基材層表面側から光線を入射した際の、光透過率は1%以上30%以下であり、光反射率は70%以上99%以下であることが好ましい。当該半透過性反射シートによれば、このような光透過率及び光反射率を有することにより、メイン、サブの各液晶表示面に最適な光量の光線を照射させることができる。
当該半透過性反射シートは、上記微細凹凸形状の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップに、酸化チタン粒子を含有させた溶融状態のポリカーボネート系樹脂を通し、上記微細凹凸形状を転写することによって形成されているとよい。当該半透過性反射シートによれば、ロール型によって表面の微細凹凸形状が形成されていることから、加工が容易であるとともに略均一な微細凹凸形状が形成されるため、光拡散性及び密着防止性が特に優れている。
従って、両面に液晶表示面を有する液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、ランプから発せられる光線を一つの導光板から表面及び裏面側に分散させて出射させることができる当該半透過性反射シートを備えていることにより、バックライトユニットの製造コストの低減化、薄型化及び消費電力の低減を行うことができる。
なお、本発明において「ポリカーボネート系樹脂製」とは、主成分がポリカーボネート系樹脂であることをいい、副成分として他の成分が含有されるものも含む概念である。「ポリカーボネート系樹脂」とは、カーボネート結合(−O−R−O−CO−)を主鎖にもつ重合体(ポリマー)をいう。「基材層の表面」とは、当該半透過性反射シートをバックライトユニットに備えた際に光線が出射する側の一面のみを指し、両面を指すものではない。また、「算術平均粗さ(Ra)」、「最大高さ(Ry)」及び「十点平均粗さ(Rz)」は、JIS B0601−1994に準じ、「二乗平均平方根粗さ(Rq)」はJIS B0601−2001に準じて測定した、カットオフλc2.5mm、評価長さ12.5mmの値である。
以上説明したように、本発明の半透過性反射シート及びこれを用いたバックライトユニットによれば、ランプから発せられる光線を一つの導光板から表面及び裏面側に分散させて出射させることにより、両面に配設された2つの液晶表示面を照射させることができ、バックライトユニットの薄型化及び消費電力の低減を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る半透過性反射シートを示す模式的部分断面図 図1の半透過性反射シートを有するエッジライト型バックライトユニット及びその両面に液晶表示面を備える液晶表示装置の模式的断面図 図1の半透過性反射シートとは異なる実施形態に係る半透過性反射シートを示す模式的部分断面図 従来の一般的なエッジライト型バックライトユニットを示す模式的断面図
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
図1の半透過性反射シート1は、基材層2及びこの基材層2に含有される酸化チタン粒子3とを備えている。
基材層2はシート状であり、表面全面に形成された微細凹凸形状4を有している。
基材層2は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂であるポリカーボネート系樹脂から形成されている。当該半透過性反射シート1によれば、基材層2がポリカーボネート系樹脂から形成されているため透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性に優れ、光学的ロスを低減できるとともに、長期使用が可能となる。
基材層2を形成するポリカーボネート系樹脂組成物は、直鎖ポリカーボネート系樹脂と分岐ポリカーボネート系樹脂とからなるポリカーボネート系樹脂とするとよい。本発明で使用される直鎖ポリカーボネート系樹脂および分岐ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されるものでなく通常使用されているものが使用できる。なお、直鎖ポリカーボネート系樹脂のみ、又は分岐ポリカーボネート系樹脂のみから基材層2を形成することもできる。
直鎖ポリカーボネート系樹脂としては、公知のホスゲン法または溶融法によって製造された直鎖の芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、カーボネート成分とジフェノール成分とからなる。カーボネート成分を導入するための前駆物質としては、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。又、ジフェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−チオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル等が挙げられる。これらは、単独または2種以上を組合わせて使用することができる。このような直鎖ポリカーボネート系樹脂は、例えば、米国特許第3989672号に記載されている方法等で製造され、その屈折率は1.57〜1.59のものが好ましい。
分岐ポリカーボネート系樹脂としては、分岐剤を用いて製造したポリカーボネート系樹脂であり、分岐剤としては、例えば、フロログルシン、トリメリット酸、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
このような分岐ポリカーボネート系樹脂は、例えば、特願平1−321552号公報に記載されているように、芳香族ジフェノール類、上記分岐剤およびホスゲンから誘導されるポリカーボネートオリゴマー、芳香族ジフェノール類および末端停止剤を、これらを含む反応混合液が乱流となるように撹拌しながら反応させ、反応混合液の粘度が上昇した時点で、アルカリ水溶液を加えると共に反応混合液を層流として反応させる方法により製造することができる。本発明の樹脂組成物の分岐ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂中に5〜80重量%の範囲で含有され、好ましくは10〜60重量%の範囲である。これは、分岐ポリカーボネート系樹脂が10重量%未満では、伸長粘度が低下し押出成形での成形が困難となるためであり、80重量%を超えると樹脂の剪断粘度が高くなり成形加工性が低下するためである。
基材層2の厚み(平均厚み)としては、30μm以上200μm以下、好ましくは40μm以上100μm以下がよい。基材層2の厚みが上記範囲以上であると、シート特有の柔軟性が不足してくるため、使用箇所、使用方法に大幅な制約を受けることとなり、又バックライトユニットの薄型化を妨げることとなる。基材層2の厚みが上記範囲以下であると、半透過性反射シート1の耐久性及び耐熱性が不十分となる。
基材層2を形成するためのポリマー組成物は、ポリカーボネート系樹脂の他に例えば硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、光安定化剤、潤滑剤、蛍光材等が適宜配合されてもよい。
基材層2を形成するポリカーボネート系樹脂中に微小無機充填剤を含有してもよい。このように基材層2中に微小無機充填剤を含有することで、基材層2、ひいては半透過性反射シート1の耐熱性が向上する。この微小無機充填剤を構成する無機物としては、特に限定されるものではないが、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。無機酸化物を構成する金属元素としては、例えば、元素周期律表第2族〜第6族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表第3族〜第5族から選ばれる元素がさらに好ましい。特に、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが、耐熱性向上効果及び均一分散性の面で微小無機充填剤として最も好ましい。また、微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
微小無機充填剤の平均粒子径の下限としては、5nmが好ましく、10nmが特に好ましい。一方、微小無機充填剤の平均粒子径の上限としては50nmが好ましく、25nmが特に好ましい。これは、微小無機充填剤の平均粒子径が上記範囲未満では、微小無機充填剤の表面エネルギーが高くなり、凝集等が起こりやすくなるためであり、逆に、平均粒子径が上記範囲を超えると、短波長の影響で白濁し、基材層2の透明性が低下し、透過率に影響を与えるからである。
微小無機充填剤の質量比(基材層2のポリカーボネート系樹脂100部に対する無機物成分のみの質量比)の下限としては、固形分換算で5部が好ましく、50部が特に好ましい。一方、微小無機充填剤の上記質量比の上限としては、500部が好ましく、200部がより好ましく、100部が特に好ましい。これは、微小無機充填剤の質量比が上記範囲未満であると、半透過性反射シート1の耐熱性を十分に発現することができなくなってしまうおそれがあり、逆に、質量比が上記範囲を越えると、基材層2中への配合が困難になり、半透過性反射シート1の光透過率が低下するおそれがあることからである。
上記微小無機充填剤としては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定微小無機充填剤を用いることで、基材層2中での分散性やポリカーボネート系樹脂との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
上記有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、基材層2のポリカーボネート系樹脂と相溶性を有する樹脂が好ましく、従ってポリカーボネート系樹脂も好ましい。
なお、微小無機充填剤は、微粒子内に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、微小無機充填剤のコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
上記有機ポリマーにはアルコキシ基を含有するものを用いるとよく、その含有量としては有機ポリマーを固定した微小無機充填剤1g当たり0.01mmol以上50mmol以下が好ましい。かかるアルコキシ基により、基材層2を構成するポリカーボネート系樹脂との親和性や、基材層2中での分散性を向上させることができる。
上記アルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。微小無機充填剤を構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるのが好ましく、微小無機充填剤がコロイダルシリカである場合には、シリコンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
有機ポリマーを固定した微小無機充填剤中の有機ポリマーの含有率については、特に制限されるものではないが、微小無機充填剤を基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
微小無機充填剤に固定する上記有機ポリマーとして水酸基を有するものを用い、基材層2を構成するポリカーボネート系樹脂中に水酸基と反応するような官能基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選ばれる少なくとも1種のものを含有するとよい。これにより、微小無機充填剤と基材層2のポリカーボネート系樹脂とが架橋構造で結合され、保存安定性、耐汚染性、可撓性、耐候性、保存安定性等が良好になり、さらに得られる被膜が光沢を有するものとなる。
さらに、基材層2中に帯電防止剤を含有するとよい。このように帯電防止剤が混練されたポリカーボネート系樹脂から基材層2を形成することで、当該半透過性反射シート1に帯電防止効果が発現され、ゴミを吸い寄せたり、光学シート等との重ね合わせが困難になる等の静電気の帯電により発生する不都合を防止することができる。また、帯電防止剤を表面にコーティングすると表面のベタツキや汚濁が生じてしまうが、このように基材層2中に耐電防止剤を混練することでかかる弊害は低減される。この帯電防止剤としては特に限定されるものではなく、例えばアルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、第四アンモニウム塩、イミダゾリン化合物等のカチオン系帯電防止剤、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、エタノールアミド類等のノニオン系帯電防止剤、ポリアクリル酸等の高分子系帯電防止剤などが用いられる。中でも、帯電防止効果が比較的大きいカチオン系帯電防止剤が好ましく、少量の添加で帯電防止効果が奏される。
また、基材層2中に紫外線吸収剤を含有するとよい。このように紫外線吸収剤を含有する基材層2を形成することで、当該半透過性反射シート1に紫外線カット機能が付与されバックライトユニットのランプから発せられる微量の紫外線をカットし、紫外線による液晶層の破壊を防止することができる。
かかる紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収し、効率よく熱エネルギーに変換できるもので、かつ、光に対して安定な化合物であれば特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。中でも、紫外線吸収機能が高く、上記基材層2を構成するポリカーボネート系樹脂との相溶性が良好で、ポリカーボネート系樹脂中に安定して存在するサリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いるとよい。また、紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマー(例えば、(株)日本触媒の「ユーダブルUV」シリーズなど)も好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、基材層2を構成するポリカーボネート系樹脂との相溶性が高く、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。
基材層2のポリカーボネート系樹脂に対する上記紫外線吸収剤の含有量の下限としては0.1質量%、特に1質量%、さらに3質量%が好ましく、紫外線吸収剤の上記含有量の上限としては10質量%、特に8質量%、さらに5質量%が好ましい。これは、ポリカーボネート系樹脂に対して紫外線吸収剤の質量比が上記下限より小さいと、半透過性反射シート1の紫外線吸収機能を効果的に奏することができないためであり、逆に、紫外線吸収剤の質量比が上記上限を超えると、ポリカーボネート系樹脂に悪影響を及ぼし、基材層2の強度、耐久性等の低下をもたらすことからである。
上記紫外線吸収剤に代え又は紫外線吸収剤と共に、紫外線安定剤(分子鎖に紫外線安定基が結合した基材ポリマーを含む)を使用することも可能である。この紫外線安定剤により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤が好適に用いられる。なお、紫外線吸収剤と紫外線安定剤を併用することで、紫外線による劣化防止及び耐候性が格段に向上する。
酸化チタン粒子3は、光線を屈折及び反射させることができる。このように基材層2中の含有粒子として酸化チタンを用いることにより、少ない充填量で半透過性反射シート1に高い反射性能を付与することができ、また、薄肉でも高い反射機能の半透過性反射シート1を得ることができる。
酸化チタン粒子3としては、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いることが特に好ましい。本発明において高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタンであり、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないものをいう。酸化チタン粒子3に含まれるバナジウムの含有量としては、10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることが特に好ましい。高純度酸化チタンは、光吸収能を小さくするという観点からは、酸化チタンに含まれる鉄、ニオブ、マンガン、銅等の着色元素も少なくすることが好ましい。
バナジウムの含有量が5ppm以下の酸化チタンとしては、例えば塩素法プロセスにより製造されるものが挙げられる。塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1,000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、まず、四塩化チタンを生成させる。次いで、この四塩化チタンを酸素で燃焼することにより、高純度酸化チタンを得ることができる。
酸化チタン粒子3に用いられる酸化チタンとしては、例えば、アナタース型酸化チタン及びルチル型酸化チタンのような結晶形の酸化チタンが挙げられる。基材層2を構成するポリカーボネート系樹脂との屈折率差を大きくするという観点からは、屈折率が2.7以上の酸化チタンであることが好ましく、例えば、ルチル型酸化チタンの結晶形のものを用いることが好ましい。
酸化チタン粒子3は、酸化チタン粒子3の基材層2中への分散性を向上させるために、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用できる。
酸化チタン粒子3の表面処理としてシリカ、アルミナ、およびジルコニアの中から選ばれた少なくとも1種類の不活性無機酸化物で被覆処理されていることが好ましい。シートの耐光性を高めるために、酸化チタンの光触媒活性を抑制する目的で、当該酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理する。この不活性無機酸化物として、シリカ、アルミナ、およびジルコニアの中から選ばれた少なくとも1種類を用いると、酸化チタンの高い光反射性を損なうことがないので好ましい。さらには2種類を併用したものがより好ましく、中でもシリカを必須とする複数の不活性無機酸化物の組み合わせが特に好ましい。
また、酸化チタン粒子3の基材層2への分散性を向上させるため、酸化チタンの表面をシロキサン化合物、シランカップリング剤等から選ばれた少なくとも1種類の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種類の有機化合物で表面処理することも好ましい。さらに、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
酸化チタン粒子3の粒径としては、0.05μm以上1μm以下が好ましく、0.2μm以上0.4μm以下が更に好ましい。酸化チタン粒子3の粒径が0.1μm以上であれば、基材層2への分散性が良好であり、均質なシートを得ることができる。また、酸化チタン粒子3の粒径が1μm以下であれば、ポリカーボネート系樹脂と酸化チタン粒子3との界面が緻密に形成されるので、半透過性反射シート1に高い光反射性を付与することができる。また、微細粒子の屈折率はその粒径と大きな関係があり、波長λの1/2前後で光散乱が最大となる。つまり、微細粒子はその粒径の2倍の波長域の光線を最も高い割合で反射する。従って380nm〜780nmの可視光全域で高い反射率を保つには、当該酸化チタン粒子3が、その波長の1/2となる190nm〜390nmの粒径を有することが特に好ましい。
酸化チタン粒子3の含有量としては、半透過性反射シートの光反射性、光透過性、機械的物性、生産性等を考慮すると、基材層2の形成組成物中、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上、30質量%以下であることが特に好ましい。酸化チタン粒子3の含有量が5質量%以上であれば、ポリカーボネート系樹脂と酸化チタン粒子3との界面の面積を充分に確保することができて、シートに一定の光反射性及び光透過性を付与することが可能となる。また、酸化チタン粒子3の含有量が60質量%以下であれば、シートに必要な機械的性質を確保することができる。
このような酸化チタン粒子3の含有量を有する当該半透過性反射シート1によれば、半透過性反射シート1表面から入射した光線の一部を反射させ、残りを透過させることができる。すなわち、半透過性反射シート1の表面から入射した光線は、基材層2中の酸化チタン粒子3に入射し、反射あるいは屈折される。1又は複数の酸化チタン粒子3に反射された光線のうちの大部分は半透過性反射シート1表面から出射し、残りの光線は半透過性反射シート1裏面から出射することとなる。
光線の半透過性反射シート1表面側への反射率と、裏面側への透過率は、含有する酸化チタン粒子3の含有量及び基材層2の厚さによって調整することができる。当該半透過性反射シート1の表面から光線を入射した際の光透過率としては1%以上30%以下、好ましくは10%以上25%以下であり、光反射率としては70%以上99%以下、好ましくは75%以上90%以下である。当該半透過性反射シート1がこのような光透過率及び光反射率を有することによって、両面に液晶表示面を有する液晶表示装置において、メイン及びサブの各液晶表示面に最適な光量の光線を照射させることができる。なお、サブの液晶表示面は、メインの液晶表示面に比べ表示する情報量も少なく、光量を大きくする必要はない。
基材層2表面の算術平均粗さ(Ra)としては、0.8μm以上3μm以下が好ましく、1μm以上2.4μm以下がさらに好ましい。基材層2表面の最大高さ(Ry)としては、8μm以上30μm以下が好ましく、9μm以上25μm以下がさらに好ましい。基材層2表面の十点平均粗さ(Rz)としては、3μm以上20μm以下が好ましく、4μm以上15μm以下がさらに好ましい。また、基材層2表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)としては、1μm以上3μm以下が好ましく、1.3μm以上2.8μm以下がさらに好ましい。
上記微細凹凸形状4を表面に有し、好ましくは上記範囲の性状を有する当該半透過性反射シート1によれば、バックライトユニットに組み込んだ際、半透過性反射シート表面に積層される導光板との密着を防止することができる。シート表面が平滑である場合、平滑な面を有する導光板が積層された際に、スティッキングと呼ばれる光学的密着を起こし、干渉模様や、光入射の不均一を招くおそれがあるが、当該半透過性反射シート1の表面に設けられた微細凹凸形状4によってこの現象を防ぐことができる。また、当該半透過性反射シート1によれば、表面に形成された微細凹凸形状4によって入射する光線を拡散することができ、より均一な光線を照射することができる。
基材層2表面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)及び二乗平均平方根粗さ(Rq)が上記上限を超えると、表面に積層された導光板などを傷付けるおそれがある。逆に、基材層2表面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)及び二乗平均平方根粗さ(Rq)が上記下限より小さいと、密着性が高まり、スティッキングが生じやすくなる。
当該半透過性反射シート1の製造方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、種々の方法が採用される。当該半透過性反射シート1の製造方法としては酸化チタン粒子3を含有したポリカーボネート系樹脂から基材層2を作成した後に表面に微細凹凸形状4を形成する方法と、基材層2と微細凹凸形状4とを一体成形する方法とが可能であり、具体的には、
(a)基材層2表面の微細凹凸形状4の反転形状を有するシート型にポリカーボネート系樹脂を積層し、そのシート型を剥がすこと当該半透過性反射シート1を形成する方法、
(b)基材層2表面の微細凹凸形状4の反転形状を有する金型に溶融ポリカーボネート系樹脂を注入する射出成型法、
(c)シート化されたポリカーボネート系樹脂を再加熱して上記と同様の金型と金属板との間にはさんでプレスして形状を転写する方法、
(d)基材層2表面の微細凹凸形状4の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップに溶融状態のポリカーボネート系樹脂を通し、上記形状を転写する押出しシート成形法
などがある。なお、裏面に一定の微細凹凸形状を形成する場合には、裏面に対しても上記の方法を用いることができる。
特に(d)の押出シート成型法によれば、シート形成と微細凹凸形状4の形成を一体に行うことができるため、加工が容易であるとともに、略均一な微細凹凸形状4を表面に容易に形成することができるため、特に密着防止性に優れた半透過性反射シート1を形成することができる。また、ビーズコーティングにより表面に微細凹凸形状を形成すると、ビーズが剥がれることにより他部材への傷付けが発生するおそれがあるが、このように微細凹凸形状4を基材層2と一体に形成することにより、この他部材の傷つけを防止することができる。
図2に示す液晶表示装置は、エッジライト型バックライトユニット10と、エッジライト型バックライトユニット10の表面に配設されるメインの液晶パネル11と、エッジライト型バックライトユニット10の裏面に配設されるサブの液晶パネル12及び遮光シート13とを備えている。
エッジライト型バックライトユニット10は、導光板14と、この導光板14の一辺に配設される線状ランプ15と、導光板14の表面側に重ねて配設される複数枚の光学シート16と、導光板14の裏面側に重ねて配設される半透過性反射シート1と、半透過性反射シート1の裏面側に重ねて配設されるプリズムシート17とを備えている。本実施例においては、光学シート16として、光拡散シート18が導光板14の表面側に配設され、プリズムシート19が光拡散シート18の表面側に配設される。なお、光学シート16として、3枚以上のシートを配設してもよいし、半透過性反射シート1の裏面にプリズムシート17に加え、更なる光学シート16を配設してもよい。また、エッジライト型バックライトユニットは、2本以上のランプ15が装備されることもある。
ランプ15から発せられる光線は、導光板14に入射する。導光板14に入射した光線の大部分は、導光板14裏面の反射ドット(図示しない)又は半透過性反射シート1で反射され、導光板14表面から出射される。当該バックライトユニット10によれば、導光板14裏面から出射した光線の一部を、半透過性反射シート1を透過させることにより、半透過性反射シート1の裏面側に出射させることができる。導光板14表面から出射した光線は、光学シート16を透過し、拡散及び法線方向へ屈折され、上方のメインの液晶パネル11全面を照射する。一方、半透過性反射シート1裏面から出射した光線は、プリズムシート17を透過し、拡散及び法線方向へ屈折され、下方のサブの液晶パネル12全面を照射する。従って、当該バックライトユニット10によれば、ランプ15からの光線を導光板14両面に出射させ、両面の液晶パネルを照射することができ、バックライトユニットの部品点数の減少による製造コストの低減化、薄型化及び消費電力の低減を行うことができる。
図3の半透過性反射シート5は、基材層6及びこの基材層6に含有される酸化チタン粒子3とを備えている。基材層6はシート状であり、表面全面に形成された微細凹凸形状4及び裏面全面に形成された微細凹凸形状7を有している。
酸化チタン粒子3は図1の半透過性反射シート1のものと同様であるので同一番号を付して説明を省略する。また、半透過性反射シート5の基材層6は裏面の微細凹凸形状7(裏面の表面性状)以外は、図1の半透過性反射シート1の基材層2と同様である。
基材層6裏面の算術平均粗さ(Ra)としては、0.5μm以上2μm以下が好ましく、0.7μm以上1.9μm以下がさらに好ましい。基材層6裏面の最大高さ(Ry)としては、10μm以上35μm以下が好ましく、14μm以上31μm以下がさらに好ましい。基材層6裏面の十点平均粗さ(Rz)としては、6μm以上28μm以下が好ましく、8μm以上25μm以下がさらに好ましい。また、基材層6裏面の二乗平均平方根粗さ(Rq)としては、0.8μm以上2.5μm以下が好ましく、1μm以上2.2μm以下がさらに好ましい。
上記微細凹凸形状7を裏面に有し、好ましくは上記範囲の性状を有する当該半透過性反射シート5によれば、半透過性反射シート5の裏面側に配設される光学シート表面の傷付けを防止することができる。特に、当該半透過性反射シート5によれば、半透過性反射シート5の裏面側にプリズムシートが設けられ、半透過性反射シート5の裏面とプリズムシートのプリズム面が接する場合に、プリズム面を保護することができるため、プリズム機能が十分に発揮され光線を法線方向に立ち上げることができる。また、上記範囲での一定の微細凹凸形状を設けることにより、表面側と同様に、積層されるプリズムシート等とのスティッキングを防止することができる。
基材層6裏面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)及び二乗平均平方根粗さ(Rq)が上記上限を超えると、裏面に積層されたプリズムシートのプリズム面を傷付けやすくなる。逆に、基材層6裏面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)及び二乗平均平方根粗さ(Rq)が上記下限より小さいと、密着性が高まりスティッキングが生じやすくなる。
当該半透過性反射シート5の製造方法としては、半透過性反射シート1と同様の方法を挙げることができ、例えば、
基材層6表面の微細凹凸形状4の反転形状を周面に有する一のロール型と、裏面の微細凹凸形状7の反転形状を周面に有する他のロール型とのニップに溶融状態の酸化チタン粒子含有ポリカーボネート系樹脂を通し、上記形状を転写する押出しシート成形法がある。この一のロール型としては、所定表面性状を備えるエンボスロールを用いることができ、他のロール型としては、所定表面性状を備えるゴムロールを用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例1]
溶融させたポリカーボネート系樹脂80部と、平均粒径0.3μmの酸化チタン粒子20部とを混合し、シート形成用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を溶融させ、2本のロール型のニップに通す押出シート成形法により、平均厚み80μmの実施例1の半透過性反射シートを得た。この2本のロール型としては、表面の微細凹凸形状を形成するためのエンボスロールと、裏面の微細凹凸形状を形成するためのゴムロールとを用いた。
[実施例2〜4、比較例1]
2本のロール型を、それぞれ異なるエンボスロール及びゴムロールに変えたこと以外は実施例1と同様にして、両面の表面性状が異なる実施例2〜4及び比較例1の半透過性反射シートを得た。
[特性の評価]
上記実施例1〜4及び比較例1の半透過性反射シートを用い、表面及び裏面の「算術平均粗さ(Ra)」、「最大高さ(Ry)」、「十点平均粗さ(Rz)」及び「二乗平均平方根粗さ(Rq)」を測定した。また、これらの半透過性反射シートが他の光学シートへ与える影響(密着性及び傷付きの発生)を評価した。その結果を下記表1に示す。
「算術平均粗さ(Ra)」、「最大高さ(Ry)」及び「十点平均粗さ(Rz)」は、JIS B0601−1994に準じ、「二乗平均平方根粗さ(Rq)」はJIS B0601−2001に準じて、株式会社キーエンス社製のレーザー顕微鏡「VK−8500」を用いて測定した、カットオフλc2.5mm、評価長さ12.5mmの値である。
密着性は、(1)表面の密着性評価用として、半透過性反射シートの表面に導光板を積層させたもの、及び(2)裏面の密着性評価用として、プリズムシートの表面に半透過性反射シートを積層させたものを、それぞれ気温40℃、湿度90%の状態で48時間放置し、その後の密着性を以下の観点で評価した。
◎:全く密着していない
○:密着している部分もある
△:一定程度密着している
×:強く密着している
傷付きの発生は、(1)表面の傷付き評価用として、半透過性反射シートの表面に導光板を積層させたもの、及び(2)裏面の傷付き評価用として、プリズムシートの表面に半透過性反射シートを積層させたものを、それぞれ100回こすり合わせた後、導光板の裏面及びプリズム部の傷付きの状態を顕微鏡にて観察し、以下の観点で評価した。
◎:全く傷付きが観測されない
○:わずかな傷付きが観測される
△:傷付きが観測される
×:はっきりと傷付きが観測される
Figure 0005645490
上記表1に示すように、実施例1〜4の半透過性反射シートは、表面側に積層される導光板及び裏面側に積層されるプリズムシートとの密着及び傷付き発生を抑制することができた。
また、両面に液晶表示面を有する液晶表示装置用のバックライトユニットに、実施例1〜4の半透過性反射シートを組み込んで、表面及び裏面への出射光の輝度を測定した。表面側と裏面側との輝度の比は、いずれの半透過性反射シートを用いた場合も8:2であった。なお、この表面側の輝度が、表面側から光線を入射した際の光反射率に比例し、裏面側の輝度が、表面側から光線を入射した際の光透過率に比例する。すなわち、実施例1〜4の半透過性反射シートは、両面に液晶表示面を有する液晶表示装置用のバックライトユニットに好適に用いられることが示された。
以上のように、本発明の半透過性反射シート及びこれを用いたバックライトユニットによれば、ランプから発せられる光線を一つの導光板から表面及び裏面側に分散させて出射させることにより、両面に配設された2つの液晶パネルを照射させることができ、バックライトユニットの薄型化及び消費電力の低減を行うことができ、両面に液晶パネルを有する携帯電話等に好適に利用される。
1、5 半透過性反射シート
2、6 基材層
3 酸化チタン粒子
4、7 微細凹凸形状
10 バックライトユニット
11、12 液晶パネル
13 遮光シート
14 導光板
15 ランプ
16 光学シート
17、19 プリズムシート
18 光拡散シート

Claims (4)

  1. 両面に一対の液晶パネルを有する液晶表示装置のバックライトユニットに用いられ、このバックライトユニットの導光板の裏面側に配設される半透過性反射シートであって、
    ポリカーボネート系樹脂製の基材層と、基材層中に含有する酸化チタン粒子とを備え、
    上記基材層の両面全面に形成されるスティッキング防止用の微細凹凸形状を有し、
    上記微細凹凸形状を有する基材層表面の算術平均粗さ(Ra)が0.8μm以上2.4μm以下、最大高さ(Ry)が8μm以上25μm以下、十点平均粗さ(Rz)が3μm以上15μm以下、二乗平均平方根粗さ(Rq)が1μm以上2.8μm以下であり、
    上記微細凹凸形状を有する基材層裏面の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上2μm以下、最大高さ(Ry)が10μm以上35μm以下、十点平均粗さ(Rz)が6μm以上28μm以下、二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.8μm以上2.5μm以下であり、
    上記基材層の平均厚さが、30μm以上200μm以下であることを特徴とする半透過性反射シート。
  2. 基材層表面側から光線を入射した際の光透過率が1%以上30%以下、光反射率が70%以上99%以下である請求項1に記載の半透過性反射シート。
  3. 上記微細凹凸形状の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップに、
    酸化チタン粒子を含有させた溶融状態のポリカーボネート樹脂を通し、
    上記微細凹凸形状を転写することによって形成されている請求項1又は請求項2に記載の半透過性反射シート。
  4. 両面に液晶表示面を有する液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の半透過性反射シートを備えていることを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
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