JP2004053998A - ポリカーボネート樹脂製光拡散フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散フィルムに用いた際、輝度が良好で、光透過性が高くかつ光拡散性能に優れたポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムを提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂より形成された厚さ30〜200μmのフィルムであって、その少なくとも一面に凹凸形状の模様を有し、且つ複屈折(リターデーションの絶対値)が30nm以下、全光線透過率が90%以上およびヘーズ(曇り度)が50%以上であるポリカーボネート樹脂製光拡散フィルム。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置のバックライトユニットとして好適に用いられる光拡散フィルムに関するものである。更に詳しくはポリカーボネート樹脂から形成された光拡散フィルムであり、液晶ディスプレイの輝度向上等に適した光拡散フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。かかるバックライトユニットは、一般的には図1に示すように、光源としての棒状のランプBと、このランプに端部が沿うように配置される方形板状の導光板Cとこの導光板の表面側に積層された複数枚の光学シートDとを装備している。この光学シートはそれぞれ屈折、拡散等の特定の光学的性質を有するものであり、具体的には、導光板Cの表面に配設される光拡散シートE、光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートFなどが該当する。
【0003】
このバックライトユニットAの機能を説明すると、まず、ランプより導光板に入射した光線は導光板裏面の反射ドットまたは反射シート及び各側面で反射され、導光板表面から出射される。導光板から出射した光線は光拡散シートに入射し、拡散され、光拡散シート表面より出射される。その後、光拡散シートから出射された光線は、プリズムシートに入射し、プリズムシートの表面に形成されたプリズム部によって、略真上方向にピークを示す分布に光線として出射される。このように、ランプから出射された光線が光拡散シートによって拡散され、またプリズムシートによって略真上方向にピークを示すように屈折され、さらに上方の図示していない液晶層全面を照明するものである。また、図示していないが、上述のプリズムシートの集光特性を考慮し、プリズムシートの表面側にさらに光拡散シートやプリズムシートを配設するバックライトもある。
【0004】
上述の構造を有するバックライトユニットの光拡散シートEとしては、従来、透明基材層に炭酸カルシウム、二酸化珪素等の微粒子を分散させた光拡散層とが積層されたものが一般的に採用されている。
【0005】
かかる光拡散シートは通常ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の透明シートに炭酸カルシウム、二酸化珪素等の微粒子を分散させた艶消し透明塗料を塗工して製造されているが、拡散能の発現にバインダー中の微粒子による屈折や反射を利用しているため、多重散乱現象が生じてしまい、出光量のロスが避けられない上に、塗膜中にバインダーと微粒子のように屈折率の異なる物質を分散させるためおよび微粒子自体の光吸収もあるために光線透過率が低く、液晶表示面の明るさが十分に得られない。このため、光源の光度を上げることも考えられるが、消費電力や発熱量が増加するので好ましくない。また、塗料の分散不良、塗工・乾燥時の塗料の対流等による艶ムラ、さらに塗工条件の変動によって艶の変動も発生しやすく作業が煩雑で生産コストが高くなるという欠点を有している。さらに、光拡散シートの構成を簡素化すること、軽量化や経済的な面から光拡散シートの薄型化(フィルム化)が要望されている。
【0006】
一方、熱可塑性樹脂シートに光拡散性能を持たせる方法として、拡散剤を添加する方法も一般的に採用されている。例えばフッ素化ポリオレフィンを0.01〜5重量部添加させた半透明なポリカーボネート樹脂(特開昭55−94952号公報)、さらに無機微粉末を含有せしめる提案では、ポリカーボネート100重量部当り炭酸カルシウム0.1〜5重量部と酸化チタン0.01〜0.3重量部を含有せしめる乳白色で半透明なポリカーボネート樹脂(特開昭50−146646号公報)、炭酸カルシウム1.0〜2.5重量部を添加した照明器具パネル(特開昭60−175303号公報)、さらに有機微粉末を含有せしめる提案ではポリカーボネートに架橋アクリル微粒子を0.05〜20重量部添加する方法(特開平3−143950号公報)等の提案がなされているが、これらのものは概ね全光線透過率が40〜80%と低く、液晶表示装置のバックライトユニットに用いる光拡散フィルムとして採用するには不十分であり、輝度向上フィルムやレンズフィルムを併用することが必要であった。
【0007】
また、熱可塑性樹脂シートに模様を賦形して光拡散性能を持たせる方法も一般的に採用されている。例えば、溶融状態のポリカーボネート樹脂を幅方向にレンズ形状と逆型を彫刻した型付ロールにて圧下賦型させる畝状模様付のシートの連続押出方法(特開平9−11328号公報)等の提案がなされている。ところが、使用している溶融押出装置の冷却ロール、即ち畝状型付ロール及び鏡面ロールが金属製であるため、この方法でシートの厚みを薄くしてフィルムを作成すると、溶融状態の樹脂にロール模様を賦型する際、畝状型付ロールと冷却ロールの間隔は小さいためにロール同士が接触して設備損傷が発生する可能性が高く、工業的に有利な方法とは言えない。また、かかる方法で得られたシートが持つ複屈折も大きいため、液晶表示装置のバックライトユニットに用いる光拡散シートとして採用するには光の透過損失の面から不十分であった。
【0008】
さらに、模様を賦型したフィルム、例えばエンボス(マット)フィルムでは、光拡散シートの薄型化(フィルム化)が進むにつれてフィルムのヘーズが下がり、拡散性が低下する傾向となり、その改善が求められていた。
【0009】
一方、押出機のTダイから溶融したポリカーボネート樹脂をフィルム状に押出し、複数個の冷却ロールで冷却した後、複数個の移送ロールにより移送して引取る溶融押出法において、最後の冷却ロールから剥離する点のフィルム表面温度を二次転移点以上の温度に保持し、最初の移送ロールに接するフィルムの表面温度を二次転移点以下の温度にし、かつ最終冷却ロールと最初の移送ロールの区間でフィルムにたるみを持たせ、複屈折が40nm以下で且つ実質的に反りの無い平面性に優れた光学用ポリカーボネート樹脂シートの製造方法(特開平7−276471号公報)も提案されている。この方法ではシートの複屈折が低減されているが、より厚みが薄いポリカーボネート樹脂フィルムの場合、複屈折の値が30nm以下の低複屈折のフィルムを連続的に安定して得ることは困難である。また、この方法で得られるシートは表面が鏡面(フラット)であるため、ヘーズ及び拡散性が低く、バックライトに用いる光拡散シートとして採用するには、他の光学フィルムと密着(光学密着)が生じて輝度上昇効果が生かされないため、拡散フィルムとして採用することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散フィルムに用いた際、輝度が良好で、光透過性が高くかつ光拡散性能に優れたポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムを提供することにある。
【0011】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、通常のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法は、生産性の面でロールの引き取り速度を早める傾向にあり、このため得られるポリカーボネート樹脂フィルムはフィルム内部に光学的な歪みが残って複屈折が高くなっており、このことが光拡散フィルムに用いた際輝度の低下に大きな影響を与えていたことに着目し、フィルムの複屈折を小さくすることによって、光拡散フィルムとして使用した場合に優れた輝度を有し、且つ良好な光透過性及び光拡散性を示すことを見出し、本発明に到達したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリカーボネート樹脂より形成された厚さ30〜200μmのフィルムであって、その少なくとも一面に凹凸形状の模様を有し、且つ複屈折(リターデーションの絶対値であり、以下リターデーションと称することがある)が30nm以下、全光線透過率が90%以上およびヘーズ(曇り度)が50%以上であるポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムに係るものである。
【0013】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、一例として二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0014】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0015】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。更に、ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて添加剤例えば多価アルコールと脂肪酸のエステルまたは部分エステル等の離型剤、亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル等の紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、増白剤、難燃剤等を配合しても良い。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0016】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜100,000が好ましく、15,000〜35,000がより好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
【0017】
本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムは、厚さが30〜200μmであり、その少なくとも片面に凹凸形状の模様を有し、リターデーションが30nm以下、全光線透過率90%以上、且つヘーズ(曇り度)50%以上を満足するものである。
【0018】
本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムは、その厚みが30〜200μmであり、好ましくは30〜180μmであり、特に好ましくは30〜150μmである。厚みが30μm未満であると該フィルムが薄いためにカールが発生しやすく好ましくなく、厚みが200μmを超えるとバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に対しては不十分であり好ましくない。
【0019】
本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムは、少なくとも一面の表面に凹凸形状の模様を有する。その表面形状は光拡散性の優れたエンボス模様、V溝模様、畝状模様などが好ましく、特にエンボス模様が好ましい。フィルム表面に凹凸形状の模様を有することにより光線透過率およびヘーズが上昇し光拡散性能に優れることとなる。また、他の光学フィルムと密着(光学密着)せずに輝度上昇の効果が十分に発揮される。
【0020】
その模様賦型方法としては、ロール表面にエンボス模様或いは微細なV溝模様の逆型を施した型付冷却ロールとシリコンゴムロールで挟持する方法が好ましく採用され、さらに、その後の冷却ロールにおいても鏡面ロールとシリコンゴムロールで模様付フィルムを挟持することが好ましい。かかる方法では製造設備に損傷を与えること無く、工業的に安定して模様付フィルムを生産できる。
【0021】
本発明において、ポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムのリターデーションは30nm以下であり、20nm以下が好ましい。リターデーションが30nmを超えると、可視光線(特に波長400nm〜700nm)領域での光の透過損失が大きくなり、液晶表示装置に組み込んだ際、光伝送効率が落ち、液晶表示面発光装置の発光輝度(明るさ)が十分に得られなくなり好ましくない。
【0022】
本発明のリターデーションが30nm以下を有するポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法としては、上記方法でフィルム表面に凹凸形状の模様を賦型したフィルムを、最終冷却ロール以後ポリカーボネート樹脂フィルムを冷却して引取るに際し、最終冷却ロールのフィルム剥離点から押出方向への距離xが下記式[1]
0≦x≦100cm     ……[1]
の区間において、最終冷却ロール以後押出したフィルムの幅方向でのフィルムの表面温度を±5℃の範囲に制御して引き取り、また、該ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度をTg、その位置での該フィルム表面温度をyとしたとき下記式[2]を満足するように徐冷し、
−0.000004x+0.0042x−0.981x+Tg−16≦y≦−0.000004x+0.0033x−0.8391x+Tg+6   ……[2]
さらに、最終の冷却ロールと最初の移送ロールの区間におけるたるみが、最終の冷却ロールのフィルム剥離点から最初の移送ロールのフィルムの接点までの直線距離をL(cm)、たるみの距離をh(cm)としたとき、下記式[3]
0.01L≦h≦0.5L     ……[3]
を満たす方法が好ましく採用される。
【0023】
一般的にフィルムの輝度の向上には、拡散剤を添加することにより光拡散性を高める方法も考えられる。ところが、本発明において光拡散剤の添加は、拡散剤自体の持つ歪みにより輝度向上の効果は小さく、リターデーションの低減による輝度向上の効果がより高いことが見出された。
【0024】
しかし、本発明では、フィルムの物理的性質の改善、拡散性向上の目的のために拡散剤を少量配合することができる。かかる拡散剤としては、無機粒子や有機粒子でポリカーボネート樹脂に悪影響を与えないものであれば任意に使用できる。無機粒子としては、例えばカオリンに代表されるシリカアルミナ系粘土鉱物(含水ケイ酸アルミニウム類)、タルクに代表されるシリカマグネシウム系粘土鉱物(含水ケイ酸マグネシウム類)、珪酸カルシウム、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム及びシリコン樹脂微粒子等があげられる。特にタルク、カオリン、炭酸カルシウム及びシリコン樹脂微粒子がポリカーボネートへの分散が優れ好ましいものである。また、有機粒子としては架橋構造を有する架橋ポリアクリレ−ト、架橋ポリスチレン等があげられる。特に架橋ポリアクリレ−トが好ましい。
【0025】
上記拡散剤は、その平均粒径が1〜25μm、好ましくは2〜20μmのものである。平均粒径が25μm以下であると光拡散性能のバラツキが小さく好ましい。また、最大粒径は50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。拡散剤の添加量は、ポリカ−ボネ−ト樹脂100重量部当たり1〜20重量部が好ましく、特に1〜10重量部が好ましい。
【0026】
本発明の光拡散フィルムの全光線透過率は90%以上である。90%未満では出光量のロスが生じてしまい、液晶表示面の明るさが十分に得られない。また、ヘーズ(曇り度)は50%以上であり、60%以上が好ましい。ヘーズ(曇り度)が50%未満では明るさが均一ではなく拡散性が十分ではないために好ましくない。
【0027】
本発明において、ポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムには必要に応じて例えば紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、熱安定剤、凝集防止剤等を添加してもよい。
【0028】
本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムは、その特性を生かして液晶表示装置のバックライトユニットに用いられる光拡散フィルムとして好適である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお実施例中の部は重量部を意味する。特性の評価は下記の通りである。
【0030】
(1)全光線透過率(Tt)、拡散透過率(Td)及びヘーズ(曇り度)(H)
JIS K−6735に準拠して日本電色工業(株)製、積分球式全光線透過率測定機NDH−2000(C光源)により測定した値であり%で表示した。なお、ヘーズ(H)は下記式で求められる。
H=Td/Tt×100(%)
【0031】
(2)リターデーション
オーク製作所(株)製の自動複屈折測定装置(ADR−200B)により光源にHe−Neレーザーを用い、波長632.8nmに対応するリターデーションをフィルムの端部から10、25、50、75、90cmの位置で測定した。
【0032】
(3)輝度
10.4型直下型バックライトユニットに縦170mm、横220mm、厚さ2mmのポリカーボネート樹脂製バックライト用光拡散板(導光板)を組み込み、トプコン(株)製の輝度計BM−7で測定した輝度が5900cd/mの時、該導光板上に実施例で得られた試験片(光拡散フィルム)を積層した時の輝度を測定した。
【0033】
(4)平均粒径
(株)セイシン企業製ミクロフォトサイザーによって求めた。分散媒として水を使用して測定した。この装置による粒径は液体中の粒子の沈降速度に関するStokesの法則に基いて求め、平均粒径は粒子の懸濁液を通過する光量と粒子の濃度に関するLambert−Beerの法則を利用して得られる粒子の重量累積分布における50重量%平均値として求められる。
【0034】
[実施例1〜3]
図2で示す装置を設けた押出機によりフィルムを製造した。Tダイは幅1200mm、第1、第2及び第3冷却ロールは、それぞれゴムロール、表面賦形用ロール及び金属ロールを使用し、第3冷却ロールのフィルム剥離点から第1移送ロールのフィルムの接点までの直線距離L(図4)を50cmにした。ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法により製造された粘度平均分子量23900(ガラス転移温度(Tg)145℃)のポリカーボネート樹脂パウダーを282℃に設定したT型ダイより吐出量70kg/時で押出し、第1、第2及び第3冷却ロール及び移送ロールを経て、幅1000mmで厚さ50μmのフィルムを得た。第1、第2及び第3冷却ロールの表面速度を14.1m/分に第1冷却ロール及び第2冷却ロールの温度をそれぞれ90℃及び135℃、第3冷却ロールの温度を145℃に設定し、第3冷却ロール以降図2記載の位置にセラミックヒーターを配置し、引取ロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のシートのたるみ量{図4のh(cm)}を表1記載のたるみ量に保持した。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。また、実施例1、実施例2および実施例3で得られたフィルムの表面形状をそれぞれ図5、図6およびに図7に示した。さらに、実施例1〜3で得られたフィルムをそれぞれ液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散フィルム(図1のDで示される部分)として使用した。光拡散フィルムから出射された光は全面にわたり均一で十分な明るさとなった。
【0035】
[実施例4]
第1、第2及び第3冷却ロールの表面速度を11.9m/分に第1冷却ロール及び第2冷却ロールの温度をそれぞれ90℃及び125℃、第3冷却ロールの温度を145℃に設定し、引取りロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のフィルムたるみ量を表1記載の量に保持する以外は実施例1と同様の方法により厚さ125μmのフィルムを得た。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。さらに、得られたフィルムをそれぞれ液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散フィルム(図1のDで示される部分)として使用した。光拡散フィルムから出射された光は全面にわたり均一で十分な明るさとなった。
【0036】
[実施例5]
第1、第2及び第3冷却ロールの表面速度を8.1m/分に第1冷却ロール及び第2冷却ロールの温度をそれぞれ25℃及び110℃、第3冷却ロールの温度を148℃に設定し、引取りロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のフィルムたるみ量を表1記載の量に保持する以外は実施例3と同様の方法により厚さ180μmのフィルムを得た。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。さらに、得られたフィルムをそれぞれ液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散フィルム(図1のDで示される部分)として使用した。光拡散フィルムから出射された光は全面にわたり均一で十分な明るさとなった。
【0037】
[実施例6]
ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法により製造された粘度平均分子量23900のポリカーボネート樹脂パウダー100部に表2記載の粒子を表2記載の量添加し、タンブラーで混合した後、この樹脂を、引取りロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のフィルムたるみ量を表1記載の量に保持する以外は実施例1と同様の方法により厚さ50μmのフィルムを得た。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。さらに、得られたフィルムをそれぞれ液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散フィルム(図1のDで示される部分)として使用した。光拡散フィルムから出射された光は全面にわたり均一で十分な明るさとなった。
【0038】
[比較例1]
第1冷却ロール及び第2冷却ロールの温度をそれぞれ25℃及び130℃、第3冷却ロールの温度を145℃に設定し、引取ロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のシートのたるみ量を表1記載のたるみ量に保持し、また、セラミックヒーターを使用しない以外は実施例4と同様の方法により厚さ125μmのフィルムを得た。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。実施例と比較して、輝度の大きな向上が見られなかった。
【0039】
[比較例2]
第1冷却ロールとして金属鏡面ロールを使用し、第1(鏡面)冷却ロール及び第3(鏡面)冷却ロールの温度をそれぞれ105℃及び110℃、第2冷却(V型溝)ロールの温度は120℃に設定し、引取ロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のシートのたるみ量を表1記載のたるみ量に保持し、また、セラミックヒーターを使用しない以外は実施例2と同様の方法により厚さ500μmのフィルムを得た。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。実施例と比較して、シートが持つ歪みが大きく、輝度の大きな向上が見られなかった。
【0040】
[比較例3]
第1冷却ロールおよび第2冷却ロールとして金属鏡面ロールを使用し、第1冷却ロール及び第2冷却ロールの温度をそれぞれ140℃及び152℃、第3冷却ロールの温度を表1記載の温度に設定し、引取ロールの速度を調整して第3冷却ロールと第1移送ロール間のシートのたるみ量を表1記載のたるみ量に保持し、また、セラミックヒーターを使用しない以外は実施例1と同様の方法により厚さ400μmのフィルムを得た。第3冷却ロールから剥離する際のフィルムの表面温度、第3冷却ロールから100cm引き取られた位置のフィルムの表面温度及び得られたフィルムの特性値を表1および表2に示した。実施例と比較して、得られたフィルムの表面がフラットなため、他の光学フィルムと密着(光学密着)が生じて輝度の大きな向上が見られなかった。
【0041】
【表1】
Figure 2004053998
【0042】
【表2】
Figure 2004053998
【0043】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムは、リターデーションが小さくて散乱による光線のロスがなく、光線透過率が高く、さらに輝度が大きく向上し、拡散性能のばらつきが小さいため、所望する光透過性および拡散特性をもつ光拡散フィルムが提供され、その奏する工業的効果は格別なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なバックライトユニットを示す模式的斜視図である。
【図2】本発明を実施するのに適したフィルムの成形方法の一例を示す概略図である。
【図3】本発明を実施するのに適したフィルムの成形装置を上側から見た概略図である。
【図4】フィルムのたるみの状態を示す概略図である。
【図5】ポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムの表面形状(緻密エンボス形状)を表したものである。
【図6】ポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムの表面形状(畝状形状)を表したものである。
【図7】ポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムの表面形状(エンボス形状)を表したものである。
【符号の説明】
A.バックライトユニット
B.ランプ
C.導光板
D.光学シート
E.光拡散シート
F.プリズムシート
1.Tダイ
2.第1冷却ロール
3.第2冷却ロール
4.第3冷却ロール
5.第1移送ロール
6.引取ロール
7.セラミックヒーター
8.ポリカーボネート樹脂フィルム

Claims (2)

  1. ポリカーボネート樹脂より形成された厚さ30〜200μmのフィルムであって、その少なくとも一面に凹凸形状の模様を有し、且つ複屈折(リターデーションの絶対値)が30nm以下、全光線透過率が90%以上およびヘーズ(曇り度)が50%以上であるポリカーボネート樹脂製光拡散フィルム。
  2. 請求項1記載のポリカーボネート樹脂製光拡散フィルムより形成されたバックライト用光拡散フィルム。
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