JP6208953B2 - ライトガイドフィルム、超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータ - Google Patents

ライトガイドフィルム、超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータ Download PDF

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Description

本発明は、ライトガイドフィルム、超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータに関する。
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型バックライトユニット110は、一般的には図6に示すように、液晶表示部の最裏面に位置する天板116、この天板116の表面に配設される反射シート115、この反射シート115の表面に配設されるライトガイドプレート111、このライトガイドプレート111の表面に配設される光学シート112及びこのライトガイドプレート111の端面に向けて光を照射する光源117を備えている(特開2010―177130号公報参照)。この図6のエッジライト型バックライトユニット110にあっては、光源117が照射しライトガイドプレート111に入射した光は、ライトガイドプレート111内を伝搬する。この伝搬する光の一部は、ライトガイドプレート111の裏面から出射し反射シート115で反射され、再度ライトガイドプレート111に入射される。
このような液晶表示部を備える携帯型コンピュータは、その携帯性、利便性を高めるために薄型化及び軽量化が求められ、これに伴い液晶表示部も薄型化が求められている。特に、ウルトラブック(登録商標)と呼ばれる筐体の最厚部が21mm以下である超薄型のラップトップコンピュータにあっては、液晶表示部の厚みは4mmから5mmほどであることが望まれ、液晶表示部に組み込まれるエッジライト型バックライトユニットにはより一層の薄型化が求められている。
このような超薄型の携帯型コンピュータのエッジライト型バックライトユニット210にあっては、図6に示すようなライトガイドプレート111の裏面に配設される反射シート115を有するものの他、図7に示すように、図6のような反射シート115を用いないことによって薄型化を図ったものも提案されている。この図7に示すエッジライト型バックライトユニット210は、金属製の天板216と、この天板216の表面に積層されるライトガイドプレート211と、このライトガイドプレート211の表面に積層される光学シート212と、このライトガイドプレート211の端面に向けて光を照射する光源217とを備え、天板216の表面は研磨されて反射面216aとしての機能を有している。そして、光源217が出射しライトガイドプレート211に入射した光は、ライトガイドプレート211内で伝搬し、この伝搬する光の一部は、ライトガイドプレート211の裏面から出射し天板216の表面の反射面216aで反射され、再度ライトガイドプレート211に入射される。このように図7に示すエッジライト型バックライトユニット210は、天板216の表面が反射面216aであるので、この反射面216aが図6の反射シート115の代わりとなる。それゆえ、エッジライト型バックライトユニット210は、反射シート115が不要となり、液晶表示部の薄型化が図られている。
また、このような超薄型の携帯型コンピュータにあっては、液晶表示部の厚みが上記程度とされていることから、ライトガイドフィルムの平均厚みについては600μm程度以下であることが求められている。そして、このようなライトガイドフィルムの形成材料としては、導光性に優れ、かつ一定の強度を有するポリカーボネート系樹脂等が用いられている。
特開2010−177130号公報
本発明者は、このような超薄型の携帯型コンピュータを使用すると液晶表示面の輝度が不均一となる不具合(輝度ムラ)が生じることを見出した。この不具合の原因を本発明者が鋭意検討した結果、(a)ライトガイドフィルムの表面がこのライトガイドフィルムの表面側に配設される他の光学シートの裏面と擦れて傷付き、この傷に入射した光が拡散されてしまうこと、及び(b)ライトガイドフィルムの裏面が反射シート又は天板と擦れ、ライトガイドフィルムの裏面に傷が付き、この傷に入射した光が拡散されてしまうこと、によって輝度ムラが生じていることが判明した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、超薄型の携帯型コンピュータの超薄型液晶バックライトユニットに用いた場合において液晶表示面の輝度ムラが抑制されるとともに薄型化が図られるライトガイドフィルムを提供することにある。また、本発明の別の目的は、輝度ムラが抑制され、かつ薄型化が図られる超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータを提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るライトガイドフィルムは、
端面から入射する光線を表面から略均一に出射する平均厚み600μm以下の超薄型液晶バックライトユニット用ライトガイドフィルムであって、
ポリカーボネート系樹脂を主成分とする導光層と、
上記導光層の表面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする表面側保護層と、
上記導光層の裏面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする裏面側保護層と
を備えることを特徴とする。
当該ライトガイドフィルムは、導光層の表面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする表面側保護層によって表面側の耐擦傷性が向上されている。それゆえ、当該ライトガイドフィルムは、光拡散シート等の他の光学シートが表面側に配設され、この光学シートの裏面と当該ライトガイドフィルムの表面とが擦れた場合でも、表面側の傷付きを防止することができる。また、当該ライトガイドフィルムは、導光層の裏面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする裏面側保護層によって裏面側の耐擦傷性が向上されている。それゆえ、当該ライトガイドフィルムは、例えば金属製の天板の表面に積層した場合において当該ライトガイドフィルムがその積層面と擦れたとしても、裏面側の傷付きを防止することができる。従って、当該ライトガイドフィルムは、平均厚みを600μm以下に薄く形成しつつ、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする導光層によって十分な導光性を得ると共に、表面側及び裏面側の傷付きに起因して輝度ムラが生じるのを防止することができる。さらに、当該ライトガイドフィルムは、導光層の主成分がポリカーボネート系樹脂とされているので、導光層の主成分としてアクリル系樹脂を用いた場合のような断裁時の割れが生じない。
当該ライトガイドフィルムは、上記導光層と裏面側保護層との界面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上10μm以下であるとよい。これにより、導光層内を伝搬する光線を裏面側保護層に透過させたうえ、表面側に反射させ、当該ライトガイドフィルムの表面側から好適に出射させることができる。また、当該ライトガイドフィルムは、裏面側保護層に拡散パターンが形成されている場合、裏面側保護層に透過された光線をこの拡散パターンで拡散させたうえ、さらに好適に表面側から出射させることができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記表面側保護層表面の算術平均粗さ(Ra)が0.04μm以上0.3μm以下であるとよい。これにより、光の散乱や反射に起因した光の損失を抑制すると共に、輝度ムラが生じるのを防止することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記導光層の屈折率(n)と上記表面側保護層の屈折率(n)との差(n−n)が0以上0.15以下であるとよい。これにより、光線を表面側から好適に出射させることができる。また、当該ライトガイドフィルムは、導光層の屈折率(n)が表面側保護層の屈折率(n)よりも大きい場合、一定の角度以上で導光層から表面側保護層に入射する光線は、導光層と表面側保護層との界面で全反射されて導光層内を伝搬する。それゆえ、当該ライトガイドフィルムは、ライトガイドフィルム内を伝搬する光線のうち、表面側保護層内まで達する光線の量を低減することができる。従って、当該ライトガイドフィルムは、光線を表面側から好適に出射させることができると共に、仮に表面側保護層の表面に傷が入り又ゴミ等が付着した場合であっても、この傷やゴミ等によって光が乱反射されるのを抑制することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記表面側保護層及び裏面側保護層の平均厚みが10μm以上80μm以下であるとよい。これにより、表面側及び裏面側の傷付きを的確に防止しつつ、当該ライトガイドフィルムの薄型化を図ることができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記表面側保護層及び裏面側保護層の主成分がメタクリル酸メチル系樹脂であるとよい。これにより、表面側及び裏面側の耐擦傷性を効果的に向上することができる。
当該ライトガイドフィルムは、共押出成形法によって成形されるとよい。これにより、平均厚みが上記範囲である当該ライトガイドフィルムを容易かつ確実に形成することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記導光層の主成分が芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、上記導光層が上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上0.1質量部以下の割合で含有される酸化防止剤を含み、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量が2.0×10以上5.0×10以下であり、ゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.0以上2.5以下であるとよい。当該ライトガイドフィルムは、平均厚みが600μm以下とされていることから、従来の射出成形法によって製造するのは困難である。それゆえ、当該ライトガイドフィルムは、導光層、表面側保護層及び裏面側保護層を共押出成形法によって成形することで好適に製造される。この点、当該ライトガイドフィルムは、芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量、及びゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した、芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記範囲とされていることによって、導光層の押出成形性を向上させつつ、成形後の光線透過率及び機械的強度を共に高めることができる。さらに、当該ライトガイドフィルムは、導光層に酸化防止剤が上記割合で含有されることによって、導光層成形時の黄変を防ぎ、輝度の低下を防止することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のメルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)が15cm/10min以上80cm/10min以下であるとよい。これにより、導光層の押出成形性を向上させることができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が0.5mol%以上1.5mol%以下であるとよい。これにより、溶融張力の低下を防止して導光層の押出成形性を向上させることができると共に、成形後の透明性を高め、光線透過率を向上させることができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記導光層が、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上3質量部以下の割合で含有される重量平均分子量1000以上10000以下のポリスチレン系樹脂を含むとよい。これにより、導光層の光線透過率を向上することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記導光層の波長300nmにおける分光光線透過率が65%以上であるとよい。これにより、導光層の導光性を高め、輝度を向上することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記導光層が、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下の割合で含有される熱可塑性ポリアクリル系樹脂を含むとよい。これにより、導光層の分光光線透過率を向上させることができる。
当該ライトガイドフィルムは、表面側及び裏面側の鉛筆硬度がHB以上であるとよい。これにより、表面側及び裏面側の耐擦傷性を向上させ、液晶表示面の輝度ムラを好適に抑制することができる。
当該ライトガイドフィルムは、上記表面側保護層及び/又は裏面側保護層に形成される拡散パターンを有し、上記拡散パターンが、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部からなるとよい。これにより、所望の拡散パターンを容易かつ確実に形成することができる。また、このような方法によって拡散パターンを形成する場合、当該ライトガイドフィルムの表面及び/又は裏面に凸部等を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。
また、上記課題を解決するためになされた本発明に係る超薄型液晶バックライトユニットは、表面が反射面に形成され液晶表示部の最裏面に位置する天板、この天板の表面に積層される上記構成からなる当該ライトガイドフィルム、上記ライトガイドフィルムの表面に積層される光学シート、及び上記ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源を備える。
当該超薄型液晶バックライトユニットは、当該ライトガイドフィルムが天板の表面に積層されているので、当該ライトガイドフィルムの裏面側保護層の裏面側から出射した光は、天板表面の反射面で反射され再度当該ライトガイドフィルムに入射する。よって、当該超薄型液晶バックライトユニットは、従来のような反射シートを用いていないため、薄型化が図られる。また、当該超薄型液晶バックライトユニットにあっては、天板表面に当該ライトガイドフィルムが積層されるので、天板表面に当該ライトガイドフィルムの裏面側保護層が当接することとなる。従って、当該超薄型液晶バックライトユニットは、裏面側保護層によって当該ライトガイドフィルムの裏面側の耐擦傷性が向上されているので、裏面側の傷付きに起因した輝度ムラを的確に防止することができる。さらに、当該超薄型液晶バックライトユニットは、表面側保護層によって当該ライトガイドフィルムの表面側の耐擦傷性が向上されているので、光拡散シート等の他の光学シートが表面側に配設され、この光学シートの裏面と当該ライトガイドフィルムの表面とが擦れた場合でも、表面側の傷付きに起因した輝度ムラを的確に防止することができる。
当該超薄型液晶バックライトユニットは、上記天板が金属製であり、上記反射面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以下であるとよい。当該超薄型液晶バックライトユニットは、天板が金属製であるので表面を研磨することで容易且つ確実に反射面を形成することができる。さらに、反射面の算術平均粗さが0.2μm以下であれば、当該ライトガイドフィルムの裏面から出射された光が反射面で正反射し易く、光の利用効率が高く、また反射面の表面が平坦となり反射面と接する当該ライトガイドフィルムの裏面を傷付け難い。
また、本発明に係る超薄型液晶バックライトユニットは、液晶表示部の最裏面に位置する天板、この天板の表面に積層される反射シート、この反射シートの表面に積層される上記構成からなる当該ライトガイドフィルム、上記ライトガイドフィルムの表面に積層される光学シート、及び上記ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源を備えていてもよい。当該超薄型液晶バックライトユニットは、かかる構成によっても、薄型化を図ると共に輝度ムラを防止することができる。
さらに、本発明に係る携帯型コンピュータは、上記構成からなる当該超薄型液晶バックライトユニットを液晶表示部に備える。
当該携帯型コンピュータは、上記構成を有する当該超薄型液晶バックライトユニットを備えているので、上述のような利点を有する。当該携帯型コンピュータは、天板表面が反射面として機能する場合は、従来のような反射シートが不要でありさらに薄型化が図られる。また、天板表面に当該ライトガイドフィルムの裏面側保護層が当接するので、当該ライトガイドフィルムが傷付き難く、このため輝度ムラを的確に防止することができる。
なお、「表面側」とは、液晶表示部の表示面側を意味する。「裏面側」とは、天板側を意味し、液晶表示部の表示面の反対側を意味する。「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B0601−1994に準じ、カットオフλc2.5mm、評価長さ12.5mmの値である。「屈折率」と用いる場合には絶対屈折率を意味する用語として使用する。この屈折率は、波長589.3nmの光(ナトリウムのD線)によって測定される。「平均厚み」とは、JIS−K−7130に規定される5.1.2のA−2法により測定した値の平均値である。「鉛筆硬度」とは、JIS K5400に規定する試験方法の8.4に記載の鉛筆引っかき値に基づく値をいう。「重量平均分子量」(Mw)とは、テトラヒドロフラン(THF)を用いたゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値をいう。「メルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)」は、ISO1133に準拠した値である。また「導光層の波長300nmにおける分光光線透過率」は、厚み400μmで測定した可視−UV分光スペクトルにおけるものである。
以上説明したように、本発明のライトガイドフィルムは、超薄型の携帯型コンピュータの超薄型液晶バックライトユニットに用いた場合において液晶表示面の輝度ムラが抑制されるとともに薄型化が図られる。また、本発明の超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータは、輝度ムラが抑制されかつ薄型化が図られる。
本発明の一実施形態に係るラップトップコンピュータの概略的斜視図であり、(A)は液晶表示部を開いた状態、(B)は液晶表示部を閉じた状態を示す。 図1のラップトップコンピュータの超薄型液晶バックライトユニットを示す模式的断面図である。 図2の超薄型液晶バックライトユニットのライトガイドフィルムの製造装置を示す模式的部分拡大図である。 図2の超薄型液晶バックライトユニットとは異なる形態に係る超薄型液晶バックライトユニットを示す模式的断面図である。 図2及び図4の超薄型液晶バックライトユニットのライトガイドフィルムとは異なる形態に係るライトガイドフィルムを示す模式的断面図である。 従来のエッジライト型バックライトユニットを示す模式的断面図である。 図6とは別の形態に係る従来のエッジライト型バックライトユニットを示す模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
〈ラップトップコンピュータ1〉
図1のラップトップコンピュータ1は、操作部2と、この操作部2に回動可能(開閉可能)に連結された液晶表示部3とを有している。当該ラップトップコンピュータ1は、筐体(ラップトップコンピュータ1の構成部分を全体的に収容するケーシング)の厚み(最厚部(液晶表示部3の閉塞時))が21mm以下であり、いわゆるウルトラブック(登録商標)と呼ばれるものである(以下「超薄型コンピュータ1」ということがある)。
当該超薄型コンピュータ1の液晶表示部3は、液晶パネル4と、この液晶パネル4に向けて裏面側から光を照射するエッジライト型の超薄型液晶バックライトユニット11(以下「バックライトユニット11」ということがある)とを有している。この液晶パネル4は、筐体の液晶表示部用ケーシング6によって、裏面、側面、及び表面の周囲が保持されている。ここで、液晶表示部用ケーシング6は、液晶パネル4の裏面(及び背面)に配設される天板16と、液晶パネル4の表面の周囲の表面側に配設される表面支持部材7とを有している。なお、この液晶表示部用ケーシング6の一部材である天板16は、後述するように表面が反射面16aとして形成されバックライトユニット11の一部材として機能するよう設けられている。なお、当該超薄型コンピュータ1の筐体は、液晶表示部用ケーシング6、及びこの液晶表示部用ケーシング6にヒンジ部8を介して回動可能に設けられ、中央演算処理装置(超低電圧CPU)等が内蔵される操作部用ケーシング9を有している。
この液晶表示部3の厚みは、筐体の厚みが所望範囲であれば特に限定されるものではないが、液晶表示部3の厚みの上限は、7mmであることが好ましく、6mmであることがより好ましく、5mmであることがさらに好ましい。一方、液晶表示部3の厚みの下限は、2mmであることが好ましく、3mmであることがより好ましく、4mmであることがさらに好ましい。液晶表示部3の厚みが上記上限を超えると、超薄型コンピュータ1の薄型化の要請に沿うことが困難となるおそれがある。また、液晶表示部3の厚みが上記下限未満であると、液晶表示部3の強度の低下や輝度低下等を招くおそれがある。
〈バックライトユニット11〉
バックライトユニット11は、図2に示すように、ライトガイドフィルム12と、ライトガイドフィルム12が直接積層される上記天板16と、ライトガイドフィルム12に光を照射する光源17と、ライトガイドフィルム12の表面に積層される光学シート19とを有している。つまり、当該バックライトユニット11は、従来のような天板16とライトガイドフィルム12との間に配設される反射シートを有していない。
(ライトガイドフィルム12)
ライトガイドフィルム12は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。ライトガイドフィルム12は、導光層13と、表面側保護層14と、裏面側保護層15との三層構造体として形成されている。ライトガイドフィルム12は、平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。ライトガイドフィルム12の平均厚みは、600μm以下である。ライトガイドフィルム12の平均厚みの上限は、550μmがより好ましく、500μmがさらに好ましい。一方、ライトガイドフィルム12の平均厚みの下限は、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。上記平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型コンピュータ1において望まれるバックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。また、上記平均厚みが上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム12の強度が不十分となるおそれがあり、また、光源17の光をライトガイドフィルム12に十分に入射させることができないおそれがある。
(導光層13)
導光層13は、ポリカーボネート系樹脂を主成分として形成される。ポリカーボネート系樹脂は透明度が高いので導光層13における光の損耗を少なくすることができる。また、ポリカーボネート系樹脂は耐熱性を有するので、光源17の発熱によって劣化等が生じ難い。さらに、ポリカーボネート系樹脂は、アクリル系樹脂に比べて吸水性が少ないため、寸法安定性が高い。導光層13は、光線を透過させる必要があるため、透明、特に無色透明に形成される。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、直鎖ポリカーボネート系樹脂又は分岐ポリカーボネート系樹脂のいずれかのみであってもよく、直鎖ポリカーボネート系樹脂と分岐ポリカーボネート系樹脂との双方を含むポリカーボネート系樹脂であってもよい。上記ポリカーボネート系樹脂としては、透明性、耐衝撃性、難燃性、寸法安定性等に優れる芳香族ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されるものではなく、1種のみを用いてもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂は、一般式−(−O−X−O−C(=O)−)−(式中、Xは、一般的には炭化水素であるが、所望の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたものであってもよい)で示される炭酸エステル結合を有する基本構造の重合体である。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂とは、炭酸エステル結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素であるポリカーボネート樹脂をいう。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなる熱可塑性樹脂の芳香族ポリカーボネート重合体が挙げられる。また、上記ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させてもよい。さらに、カーボネート前駆体として二酸化炭素を用い、環状エーテルと反応させる方法を採用してもよい。なお、上記芳香族ポリカーボネート重合体は、1種の繰り返し単位のみからなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。かかる共重合体としては、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態から選択される。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の原料として使用される上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4' −ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4' −ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類等が挙げられる。
なかでも、上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましい。また、上記ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類のなかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。なお、上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の原料として使用される上記カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カーボネートエステル等が挙げられる。
上記カルボニルハライドとしては、例えばホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
上記カーボネートエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
なお、上記カーボネート前駆体は、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等の公知の方法が挙げられる。
また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造については、必要に応じて分岐剤が用いられてもよい。かかる分岐剤としては、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;α,α’,α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;フロログリシン,トリメリト酸,イサチンビス(o−クレゾール)等が挙げられる。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率としては、特に限定されないが、0.5mol%以上1.5mol%以下が好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率の上限は、1.3mol%がより好ましく、1.2mol%がさらに好ましい。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率の下限は、0.7mol%がより好ましく、0.8mol%がさらに好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が上記上限を超える場合、耐衝撃性や透明性が低下すると共に、成形性が低下するおそれがある。逆に、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が上記下限未満の場合、溶融張力が低下して難燃性が低下するおそれがある。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、特に限定されないが、2.0×10以上5.0×10以下が好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限は、4.8×10がより好ましく、4.6×10がさらに好ましい。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、2.2×10がより好ましく、2.4×10がさらに好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記上限を超える場合、成形性が低下するおそれがある。逆に、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記下限未満の場合、機械的強度が低下するおそれがある。
ゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)としては、特に限定されないが、1.0以上2.5以下が好ましい。上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の上限は、2.3がより好ましく、2.1がさらに好ましい。また、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の下限は、1.3がより好ましく、1.5がさらに好ましい。上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。逆に、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記下限未満の場合、成形性が低下するおそれがある。なお、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、カラムとしてPolymer Laboratories社製の「PLGel 5μ MIXED−C」を使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定することができる。また、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の調整は、重合の際に分子量調整剤の使用料、添加時期等を調整したり、反応時間や反応温度等の重合条件を調整したりすることによって可能である。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のメルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)としては、特に限定されないが、15cm/10min以上80cm/10min以下が好ましい。上記メルトボリュームフローレートの上限は、75cm/10minがより好ましく、70cm/10minがさらに好ましい。また、上記メルトボリュームフローレートの下限は、17cm/10minがより好ましく、20cm/10minがさらに好ましい。上記メルトボリュームフローレートが上記上限を超える場合、溶融温度が低くなり、溶融押出成形される場合の吐出量が不安定化して成形性が低下するおそれがある。逆に、上記メルトボリュームフローレートが上記下限未満の場合、溶融温度が高くなり、溶融押出成形される場合に、押出機とダイの間に設置されるフィルターが目詰まりしやすくなる。
導光層13は、重量平均分子量1000以上10000以下のポリスチレン系樹脂を含むとよい。上記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量としては、1500以上8000以下がより好ましく、2000以上5000以下がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。
また、上記ポリスチレン系樹脂の含有量としては、特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上3質量部以下が好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の上限は、2質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。また、上記ポリスチレン系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の下限は、0.2質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。逆に、上記ポリスチレン系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、光線透過率の向上効果が得られないおそれがある。
導光層13は、熱可塑性ポリアクリル系樹脂を含むとよい。かかる熱可塑性ポリアクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル、アクリル酸−n−ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリル酸−2−クロロエチル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)が特に好ましい。
上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量としては、特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上1質量部以下が好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の上限は、0.7質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の下限は、0.03質量部がより好ましく、0.05質量部がさらに好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、透明性の向上効果があまり得られず、分光光線透過率が向上しないおそれがある。逆に、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、透明性が低下するおそれがある。
また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量としては、特に限定されないが、5000以上10万以下が好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量の上限は、8万がより好ましく、6万がさらに好ましい。また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量の下限は、1万がより好ましく、2万がさらに好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量が上記範囲であることによって、成形時の相分離が抑えられ、好適に透明性が向上される。
導光層13は、酸化防止剤を含有するのが好ましい。上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール系化合物やチオエーテル系化合物が挙げられる。なかでも、上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましい。
上記酸化防止剤の含有量としては、特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上0.1質量部以下が好ましい。上記酸化防止剤の含有量の上限は、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.08質量部がより好ましく、0.07質量部がさらに好ましい。また、上記酸化防止剤の含有量の下限は、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.03質量部がより好ましく、0.04質量部がさらに好ましい。上記酸化防止剤の含有量が上記上限を超える場合、酸化防止剤を含有させる効果が向上されないおそれがある。逆に、上記酸化防止剤の含有量が上記下限未満の場合、酸化防止剤を含有させることによる効果が十分得られないおそれがある。
なお、導光層13は、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび等の任意成分を含んでもよい。
導光層13の平均厚みとしては、特に限定されないが、560μm以下が好ましい。導光層13の平均厚みの上限は、490μmがより好ましく、440μmがさらに好ましい。また、導光層13の平均厚みの下限は、80μmが好ましく、130μmがより好ましく、180μmがさらに好ましい。導光層13の平均厚みが上記上限を超える場合、ライトガイドフィルム12が厚くなってしまい、超薄型コンピュータ1において望まれるバックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。一方、導光層13の平均厚みが上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム12が薄くなってしまい、強度が十分でないおそれがあり、また、光源17の光を導光層13に十分に入射させることができないおそれがある。
導光層13の波長300nmにおける分光光線透過率としては、特に限定されないが、65%以上が好ましく、70%がより好ましく、73%がさらに好ましい。上記分光光線透過率が上記範囲であることによって、導光層13の導光性を高め、輝度を向上することができる。なお、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13の端面から可視光領域の波長の光線を入射して導光層13内を伝搬させるものである。この点、波長300nmにおける分光光線透過率は、可視光域の分光光線透過率を直接的に表すものではないものの、可視光領域の分光光線透過率を反映する傾向にある。
(表面側保護層14)
表面側保護層14は、導光層13の表面に積層されている。表面側保護層14は、アクリル系樹脂を主成分としている。ここで、表面側保護層14は、アクリル系樹脂のみから構成することも可能であるが、副成分として例えば芳香族ポリカーボネート系樹脂等のその他の樹脂を含むことも可能である。このように副成分を含む場合、表面側保護層14は、アクリル系樹脂と芳香族ポリカーボネート系樹脂との共重合体又はポリマーアロイであるとよい。この芳香族ポリカーボネート系樹脂はアクリル系樹脂100重量%に対し10質量部以上50質量部以下の割合で含有されるとよい。
上記アクリル系樹脂としては、特に限定されないが、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体)などが挙げられる。これらのアクリル系樹脂のなかでも、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル系樹脂がより好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、表面側保護層14の主成分としてメタクリル酸メチル系樹脂を用いることによって表面側の耐擦傷性を効果的に向上することができる。
表面側保護層14の鉛筆硬度としては、特に限定されないが、HB以上4H以下が好ましく、H以上3H以下がさらに好ましい。表面側保護層14の鉛筆硬度が上記上限を超える場合、導光層13と表面側保護層14との硬度差に起因してカールが発生するおそれがある。逆に、表面側保護層14の鉛筆硬度が上記下限未満である場合、当該ライトガイドフィルム12の表面側の硬度を好適に向上させることができないおそれがある。
また、ライトガイドフィルム12の表面側の鉛筆硬度としては、HB以上が好ましい。ライトガイドフィルム12の表面側の鉛筆硬度の下限は、Hがより好ましく、2Hがさらに好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、表面側の鉛筆硬度が上記下限未満の場合、表面側の耐擦傷性を好適に向上できず、液晶表示面の輝度ムラの発生を好適に抑制できないおそれがある。
表面側保護層14の平均厚みとしては、特に限定されないが、10μm以上80μm以下が好ましい。表面側保護層14の平均厚みの上限は、70μmがより好ましく、60μmがさらに好ましい。また、表面側保護層14の平均厚みの下限は、20μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。表面側保護層14の平均厚みが上記上限を超える場合、当該ライトガイドフィルム12の薄型化の要請に沿えないおそれがある。逆に、表面側保護層14の平均厚みが上記下限未満の場合、当該ライトガイドフィルム12の表面側の硬度を好適に向上できないおそれがある。
表面側保護層14の平均厚み(H)と導光層13の平均厚み(H)との厚み比(H/H)としては、特に限定されないが1/9以上1/7以下が好ましく、2/17以上2/15以下がさらに好ましい。表面側保護層14の平均厚み(H)と導光層13の平均厚み(H)との厚み比(H/H)が上記範囲であることによって、良好な導光性を得ると共に表面側の傷付きに起因して輝度ムラが生じるのを好適に防止することができる。
表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、0.04μm以上0.3μm以下が好ましい。表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)の上限は、0.25μmがより好ましく、0.2μmがさらに好ましい。また、表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)の下限は、0.06μmがより好ましく、0.1μmがさらに好ましい。表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超える場合、光の散乱や反射に起因した光の損失が多くなるおそれがある。逆に、表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)が上記下限未満の場合、光を好適に表面側から出射できないおそれがある。
導光層13と表面側保護層14との界面は、波状の微細変調構造20を有している。また、波状の微細変調構造20における稜線方向と光線が入射する端面とが略平行に位置している。これにより、当該ライトガイドフィルム12内を伝播する光線の進行方向に対し微細変調構造20の稜線方向が略垂直に位置するため、上記波状の微細変調構造20により表面への光線の入射角が変動することに起因し、当該ライトガイドフィルム12の表面からの出光性が向上する。
微細変調構造20における稜線間隔pとしては、特に限定されないが、1mm以上500mm以下が好ましい。稜線間隔pの上限は、100mmがより好ましく、60mmがさらに好ましい。一方、稜線間隔pの下限は、10mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。稜線間隔が上記下限未満の場合、当該ライトガイドフィルム12の表面から光線が出射しすぎるおそがある。一方、稜線間隔が上記上限を超える場合、当該ライトガイドフィルム12の出光性の向上効果が低い可能性がある。なお、微細変調構造20における全ての稜線間隔が上記範囲内にあることが好ましいが、微細変調構造20における複数の稜線間隔pのうち一部が上記範囲外であってもよく、この場合には、複数の稜線間隔のうち50%以上、好ましくは70%の稜線間隔が上記範囲内にあるとよい。
また、微細変調構造20における複数の谷線が通る近似仮想面を基準とする稜線の平均高さhとしては、特に限定されるものではないが、5μm以上40μm以下が好ましい。上記平均高さhの上限は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、上記平均高さhの下限は7μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。上記平均高さhが上記下限未満の場合、当該ライトガイドフィルム12の出光性の向上効果が低い可能性がある。一方、上記平均高さhが上記上限を超える場合、当該ライトガイドフィルム12の表面から光線が出射しすぎるおそれがある。
表面側保護層14と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)としては、表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)よりも大きいことが好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、表面側保護層14と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)が表面側保護層14表面の算術平均粗さ(Ra)よりも大きいことによって、輝度ムラの発生をより的確に防止することができる。なお、「界面の算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B0601−1994に準じ、SEMを用いて断面を観察することによって測定した値をいう。
導光層13の屈折率(n)と表面側保護層14の屈折率(n)との差(n−n)としては、0以上0.15以下が好ましい。上記屈折率の差(n−n)の上限は、0.13がより好ましく、0.1がさらに好ましい。上記屈折率の差(n−n)が上記上限を超える場合、導光層13内を伝搬する光線を表面側保護層14内に好適に入射できないおそれがある。また、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13の屈折率(n)が表面側保護層14の屈折率(n)よりも大きい場合、一定の角度以上で導光層13から表面側保護層14に入射する光線は、導光層13と表面側保護層14との界面で全反射されて導光層13内を伝搬する。それゆえ、当該ライトガイドフィルム12は、ライトガイドフィルム12内を伝搬する光線のうち、表面側保護層14内まで達する光線の量を低減することができる。従って、当該ライトガイドフィルム12は、光線を表面側から好適に出射させることができると共に、仮に表面側保護層14の表面に傷が入り又ゴミ等が付着した場合であっても、この傷やゴミ等によって光が乱反射されるのを抑制することができる。
(裏面側保護層15)
裏面側保護層15は、導光層13の裏面に積層されている。裏面側保護層15の裏面には拡散パターン18が形成されている。裏面側保護層15は、アクリル系樹脂を主成分としている。上記アクリル系樹脂としては、表面側保護層14と同様である。裏面側保護層15の主成分のアクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル系樹脂がより好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、裏面側保護層15の主成分としてメタクリル酸メチル系樹脂を用いることによって、裏面側の耐傷性を効果的に向上することができる。
裏面側保護層15の鉛筆硬度としては、特に限定されないが、HB以上4H以下が好ましく、H以上3H以下がさらに好ましい。裏面側保護層15の鉛筆硬度が上記上限を超える場合、導光層13と裏面側保護層15との硬度差に起因してカールが発生するおそれがある。逆に、裏面側保護層15の鉛筆硬度が上記下限未満である場合、当該ライトガイドフィルム12の裏面側の硬度を好適に向上させることができないおそれがある。
また、ライトガイドフィルム12の裏面側の鉛筆硬度としては、HB以上が好ましい。ライトガイドフィルム12の裏面側の鉛筆硬度の下限は、Hがより好ましく、2Hがさらに好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、裏面側の鉛筆硬度が上記下限未満の場合、裏面側の耐擦傷性を好適に向上できず、液晶表示面の輝度ムラの発生を好適に抑制できないおそれがある。
裏面側保護層15の平均厚みとしては、特に限定されないが、10μm以上80μm以下が好ましい。裏面側保護層15の平均厚みの上限は、70μmがより好ましく、60μmがさらに好ましい。また、裏面側保護層15の平均厚みの下限は、20μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。裏面側保護層15の平均厚みが上記上限を超える場合、当該ライトガイドフィルム12の薄型化の要請に沿えないおそれがある。逆に、裏面側保護層15の平均厚みが上記下限未満の場合、当該ライトガイドフィルム12の裏面側の硬度を好適に向上できないおそれがある。
裏面側保護層15の平均厚み(H)と導光層13の平均厚み(H)との厚み比(H/H)としては、特に限定されないが1/9以上1/7以下が好ましく、2/17以上2/15以下がさらに好ましい。裏面側保護層15の平均厚み(H)と導光層13の平均厚み(H)との厚み比(H/H)が上記範囲であることによって、良好な導光性を得ると共に裏面側の傷付きに起因して輝度ムラが生じるのを好適に防止することができる。
裏面側保護層15と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、0.1μm以上10μm以下が好ましい。裏面側保護層15と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)の上限は、8μmがより好ましく、6μmがさらに好ましい。また、裏面側保護層15と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)の下限は、1μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。裏面側保護層15と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超える場合、光の散乱が大きくなるおそれがある。逆に、裏面側保護層15と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)が上記下限未満の場合、導光層13内を伝搬する光線を裏面側保護層15内に好適に入射させられないおそれがある。一方、当該ライトガイドフィルム12は、裏面側保護層15と導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)が上記範囲内である場合、導光層13内を伝搬する光線を裏面側保護層15に透過させたうえ、表面側に反射させ、当該ライトガイドフィルム12の表面側から好適に出射させることができる。また、当該ライトガイドフィルム12は、裏面側保護層15に拡散パターン18が形成されているので、裏面側保護層15に透過された光線をこの拡散パターン18で拡散させたうえ、さらに好適に表面側から出射させることができる。
拡散パターン18は、複数の凹部から形成されている。複数の凹部は、裏面側保護層15の裏面に散点状に形成されている。複数の凹部は、当該ライトガイドフィルム12から均一な光を表面側に出射できるように配設されている。具体的には、複数の凹部は、光源17に近接する位置での存在割合が少なく、光源17から遠くなるにつれて存在割合が多くなるように形成されている。複数の凹部の存在割合の調整は、各凹部の大きさを同一としつつ配設位置を調整したり、各凹部の大きさを変更することによって可能である。ただし、当該ライトガイドフィルム12の薄型化を促進しつつ導光性を向上させる点からは、各凹部の大きさを同一としつつ配設位置を調整する方が好ましい。
上記凹部の平均径は、特に限定されないが、50μm以下が好ましい。上記凹部の平均径の上限としては、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。一方、上記凹部の平均径の下限としては、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。上記凹部の平均径が上記上限を超える場合、輝度ムラを生じるおそれがあると共に、上記凹部の高さが大きくなり、ライトガイドフィルム12の薄型化の促進が困難になるおそれがある。逆に、上記凹部の平均径が上記下限未満の場合、光散乱効果が十分に得られないおそれがある。なお、「径」とは、外形の最大幅と、その最大幅方向に直交方向の外形の幅との中間値を意味する。さらに、「平均径」とは、複数の凹部の径の平均値をいう。
上記凹部の形状としては、特に限定されないが、半球状、円錐状、円筒状、多角錐状、多角柱状、蹄状等とすることが可能である。なかでも、上記凹部は、半球状の凹状部として形成されることが好ましい。上記凹部を半球状の凹状部とすることによって、成形性が向上され、エッジが出るのを防止することができると共に、薄型化が促進される。
(天板16)
天板16は、金属製又は合成樹脂製の板材から形成されている。この金属製の天板16としては、例えばアルミニウム製の板材を用いることができる。ここで、この板材の厚みは、500μm以上1200μm以下であることが好ましく、700μm以上900μm以下であることがより好ましい。また、この天板16は、上記板材の周囲が表面側に湾曲して形成され、この湾曲した部位がリブとして機能して天板16としての十分な強度を有している。なお、このリブの湾曲部位以外の部分(中央部分)は、平坦面とされているが、幾何学模様等のパターンをエンボス加工することも可能である。
天板16の表面(液晶パネル4側の面)には、光を反射する反射面16aが形成されている。このため、ライトガイドフィルム12の裏面から出射した光は、反射面16aによって表面側に反射される。
反射面16aは、例えば天板16(の素材の板材)の表面が研磨されることで形成されているが、この形成方法は特に限定されるものではなく、研磨以外の方法を用いることも可能である。
反射面16a(天板16の素材の板材の表面)の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下がさらに好ましい。反射面16aの算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超える場合、反射面16aに入射した光が正反射し難くなり、光の利用効率が低くなるおそれがあると共に、ライトガイドフィルム12の裏面を傷つけやすくなるおそれがある。なお、反射面16aの算術平均粗さ(Ra)は、天板16の表面を研磨することで容易かつ確実に調整することができる。
(光源17)
光源17は、液晶表示部用ケーシング6に内蔵されており、照射面が上記ライトガイドフィルム12の導光層13の端面に対向(又は当接)するよう配設されている。光源17としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることが可能である。具体的には、この光源17として、複数の発光ダイオードが導光層13の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
当該バックライトユニット11においては、ライトガイドフィルム12の一つの側縁のみの側方に光源17を配設する片側エッジライト方式や、ライトガイドフィルム12の対向する側縁の側方に光源17をそれぞれ配設する両側エッジライト方式や、ライトガイドフィルム12の各側縁の側方に光源17を配設する全周囲エッジライト方式等を採用することが可能である。
(光学シート19)
光学シート19は、裏面側から入射した光線に対する拡散、屈折等の光学的機能を有している。光学シート19としては、主に光拡散機能を有する光拡散シートや、法線方向側への屈折機能を有するプリズムシート等が挙げられる。
〈ライトガイドフィルム12の製造方法〉
次に、ライトガイドフィルム12の製造方法について説明する。
ライトガイドフィルム12の製造方法としては、表面側保護層14、導光層13及び裏面側保護層15からなるシート状の積層体を生成する工程(STEP1)と、裏面側保護層15の裏面に拡散パターン18を形成する工程(STEP2)とを有している。当該ライトガイドフィルム12は、図3の共押出機21を用いた共押出成形法によって成形される。当該ライトガイドフィルム12の製造方法では、共押出機21を用いてSTEP1とSTEP2とが同時に行われる。
共押出機21は、押出機22、23、24と、分配ブロック25と、マルチマニホールドダイ(Tダイ)26と、押圧ロール27、28とを有している。押圧ロール27及び押圧ロール28は、隣接して平行に配設されている。押圧ロール28は、拡散パターン18が表面に転写された反転型として形成されている。
STEP1では、まず、表面側保護層14の形成材料が押出機22に投入され、導光層13の形成材料が押出機23に投入され、裏面側保護層15の形成材料が押出機24に投入される。次に、表面側保護層14の形成材料、導光層13の形成材料及び裏面側保護層15の形成材料は、分配ブロック25に供給され、所望の厚みになるように分配される。そして、表面側保護層14の形成材料、導光層13の形成材料及び裏面側保護層15の形成材料は、所望の厚みに分配された後、マルチマニホールドダイ26内で積層され、マルチマニホールドダイ26の先端からフィルム状に押出しされる。なお、押出機22、23、24及びマルチマニホールドダイ26の温度設定は、使用される樹脂の融点等を考慮して適宜選択される。また、当該ライトガイドフィルム12の製造については、必ずしも分配ブロック25及びマルチマニホールドダイ26を用いたマルチマニホールド方法を用いる必要はなく、フィードブロック積層方式やダイ外積層方式であるデュアルスロットダイ等を用いてもよい。なお、STEP1において、例えばマルチマニホールドダイ26の断面形状を微細変調構造20の反転形状とすることで、表面が波状の微細変調構造20を形成することができる。
STEP2は、マルチマニホールドダイ26の先端からフィルム状で押出されたフィルム体を、裏面側保護層15側が押圧ロール28に接触するように、押圧ロール27及び押圧ロール28間に挟み込む。STEP2では、押圧ロール28の表面に転写された拡散パターン18を裏面側保護層15の形成材料が硬化する前に転写する。これによって、裏面側保護層15の裏面に拡散パターン18が形成される。STEP2で転写される凹部の平均径は、押圧ロール28の表面に転写される光散乱ドットの平均径を調整することによって調整される。
なお、STEP1及びSTEP2は、上述のようにインラインで行うことも可能であるが、オフラインで行ってもよい。
〈利点〉
当該ライトガイドフィルム12は、導光層13の表面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする表面側保護層14によって表面側の耐擦傷性が向上されている。それゆえ、当該ライトガイドフィルム12は、光拡散シート等の他の光学シートが表面側に配設され、この光学シートの裏面と当該ライトガイドフィルム12の表面とが擦れた場合でも、表面側の傷付きを防止することができる。また、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13の裏面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする裏面側保護層15によって裏面側の耐擦傷性が向上されている。それゆえ、当該ライトガイドフィルム12は、例えば金属製の天板16の表面に積層した場合において当該ライトガイドフィルム12がその積層面と擦れたとしても、裏面側の傷付きを防止することができる。従って、当該ライトガイドフィルム12は、平均厚みを600μm以下に薄く形成しつつ、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする導光層13によって十分な導光性を得ると共に、表面側及び裏面側の傷付きに起因して輝度ムラが生じるのを防止することができる。さらに、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13の主成分がポリカーボネート系樹脂とされているので、導光層13の主成分としてアクリル系樹脂を用いた場合のような断裁時の割れが生じない。
当該ライトガイドフィルム12は、共押出成形法によって成形されることによって、平均厚みが上記範囲に容易かつ確実に形成される。
当該ライトガイドフィルム12は、平均厚みが上記範囲とされていることから、従来の射出成形法によって製造するのは困難である。それゆえ、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13、表面側保護層14及び裏面側保護層15を共押出成形法によって成形することで好適に製造される。この点、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13の主成分が芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、この芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量、及びゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した、芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記範囲とされていることによって、導光層13の押出成形性を向上させつつ、成形後の光線透過率及び機械的強度を共に高めることができる。さらに、当該ライトガイドフィルム12は、導光層13に酸化防止剤が上記割合で含有されることによって、導光層13成形時の黄変を防ぎ、輝度の低下を防止することができる。
当該バックライトユニット11は、当該ライトガイドフィルム12が天板16の表面に積層されているので、当該ライトガイドフィルム12の裏面側保護層15の裏面側から出射した光は、天板16表面の反射面16aで反射され再度当該ライトガイドフィルム12に入射する。よって、当該バックライトユニット11は、従来のような反射シートを用いていないため、薄型化が図られる。また、当該バックライトユニット11にあっては、天板16表面に当該ライトガイドフィルム12が積層されるので、天板16表面に当該ライトガイドフィルム12の裏面側保護層15が当接することとなる。従って、当該バックライトユニット11は、裏面側保護層15によって当該ライトガイドフィルム12の裏面側の耐擦傷性が向上されているので、裏面側の傷付きに起因した輝度ムラを的確に防止することができる。さらに、当該バックライトユニット11は、表面側保護層14によって当該ライトガイドフィルム12の表面側の耐擦傷性が向上されているので、光拡散シート等の他の光学シートが表面側に配設され、この光学シートの裏面と当該ライトガイドフィルム12の表面とが擦れた場合でも、表面側の傷付きに起因した輝度ムラを的確に防止することができる。
当該ラップトップコンピュータ1は、当該バックライトユニット11を備えているので、薄型化が図られると共に、輝度ムラを的確に防止することができる。
[第二実施形態]
〈バックライトユニット31〉
図4のバックライトユニット31は、図2のバックライトユニット11に換えて、筐体の厚みが21mm以下であるラップトップコンピュータの液晶表示部のエッジライト型の超薄型液晶バックライトユニットとして用いられる。
バックライトユニット31は、ライトガイドフィルム32と、ライトガイドフィルム32の裏面に配設される反射シート34と、反射シート34の裏面に配設され、液晶表示部の最裏面に位置する天板35と、ライトガイドフィルム32の端面に光を照射する光源17と、ライトガイドフィルム12の表面に配設される光学シート19とを有している。光源17及び光学シート19は、図2のバックライトユニット11と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
(ライトガイドフィルム32)
ライトガイドフィルム32は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。ライトガイドフィルム32は、導光層13と、表面側保護層14と、裏面側保護層33との三層構造体として形成されている。ライトガイドフィルム32は、平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。ライトガイドフィルム32の平均厚みは、図2のライトガイドフィルム12と同様である。また、導光層13及び表面側保護層14については、図2のライトガイドフィルム12と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
(裏面側保護層33)
裏面側保護層33は、導光層13の裏面に積層されている。裏面側保護層33の裏面には拡散パターン36が形成されている。裏面側保護層33の主成分、鉛筆硬度、平均厚み、導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)については、図2のライトガイドフィルム12と同様である。
拡散パターン36は、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部から構成されている。具体的には、拡散パターン36は、裏面側保護層33の形成材料中に発色剤を含有させておき、裏面側保護層33の成形後にレーザー照射することで上記発色剤が発色して形成されている。
裏面側保護層33の形成材料中に分散含有される発色剤は、レーザー照射によって色が変色する顔料である。この発色剤としては、レーザーマーキング剤として用いられる周知の有機物や無機物を用いることができる。具体的には、例えば、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ビスマス、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。ただし、本実施形態において拡散パターン36は光線を反射させる反射パターンとして形成されるため、光線を反射する色を有することが好ましい。従って、当該ライトガイドフィルム32では、レーザー照射によって白色に発色する発色剤を用いることが好ましく、逆にレーザー照射によって炭化し光線を吸収する黒色に変化する発色剤は不適切である。このような白色に発色する発色剤としては、例えばチタンブラック、コーディエライト、雲母等が挙げられる。
上記コーディエライトとしては、組成式MGAl(AlSi18)で表される無機化合物のほか、Mgの一部がFeに置換されたものを用いることができる。また、水分を含有したものを用いてもよい。
上記雲母としては、マスコバイト、フロゴバイト、バイオタイト、セリタイト等の天然雲母、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母等の合成雲母を用いることができる。
裏面側保護層33における発色剤の含有量としては、0.0001質量%以上2.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がより好ましい。発色剤の含有量が上記下限未満の場合、レーザー照射時に十分な発色効果が得られず、所望の反射パターンを形成できないおそれがある。逆に、発色剤の含有量が上記上限を超える場合、裏面側保護層33の透明度、機械的強度等が低下するおそれがある。
裏面側保護層33に照射するレーザーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、半導体レーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等が挙げられる。なかでも波長が9.3μmから10.6μmである炭酸ガスレーザーが精細なドットパターンを形成するのに好適である。上記炭酸ガスレーザーとしては、横方向大気圧励起(TEA)型、連続発振型、パルス発振型等を用いることができる。
光散乱部の形状としては、特に限定されないが、半球状、円錐状、円筒状、多角錐状、多角柱状、蹄状等とすることが可能である。なかでも、光散乱部の形状としては、半球状が好ましい。光散乱部を半球状とすることによって、成形性が向上されると共に、エッジが出るのを防止することができる。なお、拡散パターン36の配設パターンは、図2の拡散パターン18と同様である。また、光散乱部の平均径は、図2の凹部と同様である。
なお、当該ライトガイドフィルム32は、拡散パターン36がレーザー照射によって形成される。そのため、当該ライトガイドフィルム32は、共押出成形法によって成形される場合であっても、押圧ロールの表面に拡散パターン36が転写されている必要はない。
当該ライトガイドフィルム32は、レーザー照射によって所望の拡散パターン36を容易かつ確実に形成することができる。また、このような方法によって拡散パターン36を形成する場合、当該ライトガイドフィルム32の裏面に凸部等を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。また、当該ライトガイドフィルム32は、裏面側保護層33の主成分がアクリル系樹脂であるので、レーザーを照射した場合の変色を抑制することができる。
(反射シート34)
反射シート34は、ライトガイドフィルム32の裏面側から出射された光線を表面側に反射させる。反射シート34としては、ポリエステル系樹脂等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル系樹脂等から形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
(天板35)
天板35は、金属製又は合成樹脂製の板材から形成されている。この金属製の天板35としては、例えばアルミニウム製の板材を用いることができる。天板35の厚み及び形状は、図2の天板16と同様である。ただし、天板35は、光線を反射させる必要がないため、天板35の表面には反射面が形成されていない。
〈利点〉
当該バックライトユニット31は、当該ライトガイドフィルム32を有しているので、薄型化が図られると共に、輝度ムラを的確に防止することができる。
[第三実施形態]
(ライトガイドフィルム41)
図5のライトガイドフィルム41は、図2のライトガイドフィルム12又は図4のライトガイドフィルム32に換えて、筐体の厚みが21mm以下であるラップトップコンピュータの液晶表示部のエッジライト型の超薄型液晶バックライトユニットに用いられる。
ライトガイドフィルム41は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。ライトガイドフィルム41は、導光層13と、表面側保護層42と、裏面側保護層43との三層構造体として形成されている。ライトガイドフィルム41は、平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。ライトガイドフィルム41の導光層13と表面側保護層41との界面は、微細変調構造45を有している。微細変調構造45の形状は、図2の微細変調構造20と同様である。ライトガイドフィルム41の平均厚みは、図2のライトガイドフィルム12と同様である。また、導光層13については、図2のライトガイドフィルム12と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。さらに、裏面側保護層43は、拡散パターンが形成されていないこと以外、図2の裏面側保護層15と同様である。
(表面側保護層42)
表面側保護層42は、導光層13の表面に積層されている。表面側保護層42の表面には拡散パターン44が形成されている。表面側保護層42の主成分、鉛筆硬度、平均厚み、表面の算術平均粗さ(Ra)、導光層13との界面の算術平均粗さ(Ra)、導光層13の屈折率(n)との屈折率差(n−n)については、図2のライトガイドフィルム12と同様である。
拡散パターン44は、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部から構成されている。拡散パターン44の配設パターンは図2の光拡散パターン18と同様である。また、光散乱部の形状及び平均径は図4のライトガイドフィルム32と同様である。
〈利点〉
当該ライトガイドフィルム41は、導光層13と表面側保護層42との界面が微細変調構造45を有しているので、導光層13内を伝搬する光線を表面側保護層42に透過させたうえ、当該ライトガイドフィルム41の表面側から好適に出射させることができる。さらに、当該ライトガイドフィルム41は、表面側保護層42に拡散パターン44が形成されているので、微細変調構造45によって表面側保護層42に透過された光線を拡散パターン44で拡散させたうえ、さらに好適に表面側から出射させることができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明のライトガイドフィルム、超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、表面側保護層及び裏面側保護層の構成としては、上述の種々の構成を組み合わせることが可能である。また、拡散パターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の印刷法や平板状の反転型を用いた熱プレス法等、種々の方法で形成することができる。当該ライトガイドフィルムは、表面側保護層の表面又は裏面側保護層の裏面に、ハードコート層等、他の層が積層されていてもよい。
当該ライトガイドフィルムは、必ずしも微細変調構造を有していなくてもよい。また、当該ライトガイドフィルムが微細変調構造を有する場合、この微細変調構造における稜線方向と光線が入射する端面とが略直交していてもよい。これにより、当該ライトガイドフィルム内を伝播する光線が表面において反射する際に一部の光線の進行方向が稜線側に寄るため、光線が稜線方向側に集光されやすくなる。また、これに加えて表面から出射する光線が波状の上記微細変調構造での屈折により稜線方向と垂直方向に若干拡散するため、出射光線の拡散性が向上する。
上記微細変調構造における稜線間隔としては、特に限定されないが、1mm以上500mm以下が好ましい。稜線間隔の上限は、100mmがより好ましく、60mmがさらに好ましい。一方、稜線間隔の下限は、10mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。稜線間隔が上記範囲外の場合、当該ライトガイドフィルム内を伝播する光線が稜線方向側に集光されにくい。なお、微細変調構造における全ての稜線間隔が上記範囲内にあることが好ましいが、微細変調構造における複数の稜線間隔のうち一部が上記範囲外であってもよく、この場合には、複数の稜線間隔のうち50%以上、好ましくは70%の稜線間隔が上記範囲内にあるとよい。
また、上記微細変調構造における複数の谷線が通る近似仮想面を基準とする稜線の平均高さとしては、特に限定されるものではないが、5μm以上40μm以下が好ましい。上記平均高さの上限は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、上記平均高さの下限は、7μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。上記平均高さが上記範囲外の場合、当該ライトガイドフィルム内を伝播する光線が稜線方向側に集光されにくい。
上記第一実施形態では、シート状の積層体を生成する工程(STEP1)と、拡散パターンを形成する工程(STEP2)とをインラインで行う場合について説明したが、上述のようにSTEP1及びSTEP2はオフラインで行われてもよい。このようにSTEP1及びSTEP2をオフラインで行う場合の方法としては、例えばSTEP1で生成した積層体をロール状に巻回し、その後ロール状の状態から積層体を引き出してSTEP2を行う方法が挙げられる。
当該携帯型コンピュータとしては、超薄型のラップトップコンピュータの他、スマートフォン等の携帯電話端末やタブレット端末等の携帯型情報端末等、種々のコンピュータが挙げられる。
以上のように、本発明のライトガイドフィルム及び超薄型液晶バックライトユニットは、携帯型コンピュータの液晶表示面の輝度ムラが抑制されるとともに薄型化が図られるので、例えばいわゆるウルトラブックと呼ばれる超薄型化されたコンピュータや、スマートフォン等の携帯電話端末、並びにタブレット端末等の携帯型情報端末等に好適に用いることができる。
1 ラップトップコンピュータ、超薄型コンピュータ
2 操作部
3 液晶表示部
4 液晶パネル
6 液晶表示部用ケーシング
7 表面支持部材
8 ヒンジ部
9 操作部用ケーシング
11 超薄型液晶バックライトユニット、バックライトユニット
12 ライトガイドフィルム
13 導光層
14 表面側保護層
15 裏面側保護層
16 天板
16a 反射面
17 光源
18 拡散パターン
19 光学シート
20 微細変調構造
21 共押出機
22 押出機
23 押出機
24 押出機
25 分配ブロック
26 マルチマニホールドダイ
27 押圧ロール
28 押圧ロール
31 バックライトユニット(超薄型液晶バックライトユニット)
32 ライトガイドフィルム
33 裏面側保護層
34 反射シート
35 天板
36 拡散パターン
41 ライトガイドフィルム
42 表面側保護層
43 裏面側保護層
44 拡散パターン
45 微細変調構造
110 エッジライト型バックライトユニット
111 ライトガイドプレート
112 光学シート
115 反射シート
116 天板
117 光源
210 エッジライト型バックライトユニット
211 ライトガイドプレート
212 光学シート
216 天板
216a 反射面
217 光源

Claims (19)

  1. 端面から入射する光線を表面から略均一に出射する平均厚み600μm以下の超薄型液晶バックライトユニット用ライトガイドフィルムであって、
    ポリカーボネート系樹脂を主成分とする導光層と、
    上記導光層の表面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする表面側保護層と、
    上記導光層の裏面に積層され、アクリル系樹脂を主成分とする裏面側保護層と
    を備え、
    上記導光層と表面側保護層との界面に微細変調構造を有し、
    上記微細変調構造が波状で、稜線間隔が1mm以上500mm以下、平均高さが5μm以上40μm以下であることを特徴とするライトガイドフィルム。
  2. 上記導光層と裏面側保護層との界面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上10μm以下である請求項1に記載のライトガイドフィルム。
  3. 上記表面側保護層表面の算術平均粗さ(Ra)が0.04μm以上0.3μm以下である請求項1又は請求項2に記載のライトガイドフィルム。
  4. 上記導光層の屈折率(n1)と上記表面側保護層の屈折率(n2)との差(n1−n2)が0以上0.15以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のライトガイドフィルム。
  5. 上記表面側保護層及び裏面側保護層の平均厚みが10μm以上80μm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  6. 上記表面側保護層及び裏面側保護層の主成分がメタクリル酸メチル系樹脂である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  7. 共押出成形法によって成形される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  8. 上記導光層の主成分が芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、
    上記導光層が上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上0.1質量部以下の割合で含有される酸化防止剤を含み、
    上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量が2.0×104以上5.0×104以下であり、
    ゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.0以上2.5以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  9. 上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のメルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)が15cm3/10min以上80cm3/10min以下である請求項8に記載のライトガイドフィルム。
  10. 上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が0.5mol%以上1.5mol%以下である請求項8又は請求項9に記載のライトガイドフィルム。
  11. 上記導光層が、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上3質量部以下の割合で含有される重量平均分子量1000以上10000以下のポリスチレン系樹脂を含む請求項8、請求項9又は請求項10に記載のライトガイドフィルム。
  12. 上記導光層の波長300nmにおける分光光線透過率が65%以上である請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  13. 上記導光層が、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下の割合で含有される熱可塑性ポリアクリル系樹脂を含む請求項8から請求項12のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  14. 表面側及び裏面側の鉛筆硬度がHB以上である請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  15. 上記表面側保護層及び/又は裏面側保護層に形成される拡散パターンを有し、
    上記拡散パターンが、発色した複数の光散乱部からなる請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム。
  16. 表面が反射面に形成され液晶表示部の最裏面に位置する天板、
    この天板の表面に積層される請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のライトガイドフィルム、
    上記ライトガイドフィルムの表面に積層される光学シート、及び
    上記ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源
    を備える超薄型液晶バックライトユニット。
  17. 上記天板が金属製であり、上記反射面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以下である請求項16に記載の超薄型液晶バックライトユニット。
  18. 液晶表示部の最裏面に位置する天板、
    この天板の表面に積層される反射シート、
    この反射シートの表面に積層される請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のラ
    イトガイドフィルム、
    上記ライトガイドフィルムの表面に積層される光学シート、及び
    上記ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源
    を備える超薄型液晶バックライトユニット。
  19. 請求項16、請求項17又は請求項18に記載の超薄型液晶バックライトユニットを液晶表示部に備える携帯型コンピュータ。
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