JP5644683B2 - プレス機構及び接合装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、板状または箔状の貼り合せ用基材に所定の圧力を作用させるプレス機構、及び複数の板状または箔状の貼り合せ用基材同士を熱圧着により接合させて複合基板を製造する接合装置に関する。
従来のプレス装置は、荷重を伝えるフリーシャンク部(台座)とプレス板(熱盤)との間に支柱及び断熱材を介して締結部(例えば、ネジ等)で固定した構造となっている(下記特許文献1の段落(0028)及び図2など参照)。
また、従来の真空装置は、各チャンバ毎に個別に真空引きする構造となっている(下記特許文献2の段落(0015)及び図1など参照)。
特開2006−136916号公報 特開平9−57779号公報
ところで、特許文献1のプレス装置では、昇温と冷却の繰り返しで、締結部が緩むため、フリーシャンク部によりばらつきの少ない安定した荷重をかけることはできない。安定した荷重をかけ続けるためには、定期点検でネジの緩みを確認し、増し締めを行う必要がある。また、フリーシャンク部とプレス板との間に断熱材が介在しているため、それぞれの熱膨張率の差により高温になるほど水平方向への伸び量が異なり、その結果、プレス板の下面が反ってしまう。このため、やはり、フリーシャンク部によりばらつきの少ない安定した荷重をかけることはできない。
特許文献2の真空装置では、各チャンバ毎に真空引きすることで各チャンバ毎の真空度にばらつきが発生する。これにより、各チャンバ毎に脱気状態が異なり、接合後の複合基板の品質がばらつく原因となる。また、各チャンバ毎に個別に真空引きすることにより、真空装置の構造及び真空制御方法が複雑になる問題が生じる。
そこで、本発明は、第1に、簡易な構成により、安定した荷重を作用させることができるプレス機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、第2に、簡易な構成及び制御方法により、複合基板の品質のばらつきを防止できる接合装置を提供することを目的とする。
本発明は、加圧手段により所定の荷重が付与される下側台座部および上側台座部と、加熱手段を備えた熱盤部と、前記下側台座部に固定して設けられ、かつ、前記下側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する下側支持部と、前記上側台座部に固定して設けられ、かつ、前記上側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する上側支持部と、を有するプレス機構であって、プレス時に、前記熱盤部に当接する部材は前記下側支持部および前記上側支持部のみであり、前記下側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記下側支持部の先端部が全て自由端となり、前記上側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記上側支持部の先端部が全て自由端となる。
本発明は、加圧手段により所定の荷重が付与される下側台座部および上側台座部と、加熱手段を備えた熱盤部と、前記下側台座部に固定して設けられ、かつ、前記下側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する下側支持部と、前記上側台座部に固定して設けられ、かつ、前記上側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する上側支持部と、を有し、プレス時に、前記熱盤部に当接する部材は前記下側支持部および前記上側支持部のみであり、前記下側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記下側支持部の先端部が全て自由端となり、前記上側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記上側支持部の先端部が全て自由端となるプレス機構を備えた接合装置であって、前記熱盤部は、前記加圧力の作用面の少なくとも一方に筒状空間を有しかつ、前記加圧力の作用方向に複数配置され、前記加圧力の作用方向に隣接する前記熱盤部同士が相互に積み重なることにより当該熱盤部間に真空チャンバが形成され、前記真空チャンバ内で複数の貼り合せ用基材を熱圧着させて接合する。
この場合、前記下側支持部及び前記上側支持部は複数の支柱から構成されており、前記支柱は支柱長さがそれぞれ調整可能であり、あるいは支柱そのものをそれぞれ交換可能であり、熱圧着時において前記貼り合せ用基材に均等な加圧がかかるように支柱長さがそれぞれ設定されていることが好ましい。
この場合、前記真空チャンバは、隣接する前記熱盤部間にそれぞれ形成され、前記真空チャンバ同士を連通する連通路が前記熱盤部に形成されていることが好ましい。
この場合、前記熱盤部の非重ね合わせ状態において複数の前記熱盤部をそれぞれ保持する熱盤保持部を有し、前記熱盤保持部のそれぞれを平面視した場合に、前記熱盤保持部のそれぞれが千鳥配置でかつ左右非対称に配置されており、前記熱盤部の重ね合わせ状態で前記熱盤部を平面視した場合に、前記熱盤保持部がそれぞれ干渉しない位置に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、加圧手段により所定の荷重が下側台座部又は上側台座部に付与されると、下側台座部又は上側台座部に付与された荷重が下側支持部又は上側支持部により加圧力として熱盤部に伝達される。これにより、加圧手段の荷重を熱盤部に伝達することができる。
ここで、下側支持部及び上側支持部の先端部と熱盤部とが固定されておらず、下側支持部及び上側支持部の先端部が自由端となっている。このため、熱盤部の熱膨張により熱盤部に熱応力が作用した場合に、下側支持部及び上側支持部の先端部と熱盤部が固定されていないため、熱応力が外力となって下側支持部及び上側支持部に伝達されない(熱応力を逃がすことができる)。
換言すれば、下側支持部及び上側支持部の先端部と熱盤部が固定されていると、熱盤部の熱膨張により熱盤部の熱応力が外力として下側支持部及び上側支持部に作用し、熱盤部の姿勢が崩れて、熱盤部から作用する加圧力にばらつきが生じる。
しかしながら、本発明は、下側支持部及び上側支持部の先端部と熱盤部とが固定されておらず、下側支持部及び上側支持部の先端部が自由端となっているため、熱盤部の熱応力が外力として下側支持部及び上側支持部に作用しない。これにより、熱盤部の姿勢が安定して、熱盤部から作用する加圧力にばらつきが生じることを防止できる。この結果、簡易な構成のプレス機構により、常に安定した荷重を貼り合せ用基材に作用させることができる。
また、熱盤部は加圧力の作用方向に複数配置され、加圧力の作用方向に隣接する熱盤部同士が相互に圧接することにより当該熱盤部間に真空チャンバが形成され、この真空チャンバで貼り合せ用基材同士を熱圧着させて接合される。
ここで、加圧手段により所定の荷重が下側台座部又は上側台座部に付与されると、下側台座部又は上側台座部に付与された荷重が下側支持部又は上側支持部により加圧力として熱盤部に伝達される。これにより、加圧手段の荷重を熱盤部に伝達することができる。下側支持部又は上側支持部の先端部と熱盤部とが固定されておらず、下側支持部又は上側支持部の先端部が自由端となっている。このため、熱盤部の熱膨張により熱盤部に熱応力が作用した場合に、下側支持部又は上側支持部の先端部と熱盤部が固定されていないため、熱応力が外力となって下側支持部又は上側支持部に伝達されない(熱応力を逃がすことができる)。これにより、熱盤部の姿勢が安定して、熱盤部から作用する加圧力にばらつきが生じることを防止できる。この結果、常に安定した荷重を貼り合せ用基材に作用させることができるため、貼り合せ用基材同士の熱圧着による接合精度を高め、複合基板の品質を安定させることができる。
また、加圧力の作用方向に隣接する熱盤部同士が相互に圧接することにより熱盤部間に複数の真空チャンバが形成され、真空チャンバ同士を連通する連通路が形成されている。これにより、複数の真空チャンバを同時に真空にすることができる。この結果、複数の真空チャンバの真空度が均一となり、脱気状態が安定し、複合基板の品質のばらつきを防止できる。
また、加圧力の作用方向に隣接する複数の熱盤部を保持する熱盤保持部が設けられ、加圧力の作用方向に隣接する複数の熱盤部の熱盤保持部同士が熱盤部の平面視において相互に位置ずれしているため、加圧力の作用方向に隣接する熱盤部同士で真空チャンバを形成したときに、各熱盤部を保持する各熱盤保持部同士が相互に干渉しない。この結果、熱盤部のいわゆる多段構造が可能になる。なお、「平面視」とは、接合装置が設置された状態で、接合装置を上方からみたときを意味する。
本発明の第1実施形態に係るプレス機構の概念図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の各熱盤部が初期状態(非重ね合わせ状態)となるときの構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の各熱盤部が重ね合わされたときの構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の上下方向に隣接する熱盤部の概念図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置に適用されるプレス機構の支持部の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置に適用される熱盤部の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の上下方向に隣接する熱盤部(非重ね合わせ状態)に配置された治具内部の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の上下方向に隣接する熱盤部(重ね合わせ状態)に配置された治具内部の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の上下方向に隣接する熱盤部(重ね合わせ状態)で区画形成された真空チャンバ同士を連通する連通路の部分的な構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の熱盤部の上方向からみた(平面視における)部分的な構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置に適用される熱盤部の上方から見た平面図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置に適用される複数の熱盤部を保持する熱盤保持部の形成位置を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置に適用される熱盤部の側方から見た側面図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の上下方向に隣接する熱盤部に配置される治具の内部を示した概念図である。 本発明の第1実施形態に係る接合装置の熱盤部の変形例(熱盤保持部の変形例)を示す斜視図である。 熱盤部が多段に配置された状態を示した斜視図である。 変形例の熱盤部が相互に重なって筒状空間が形成された状態の説明図である。
本発明の第1実施形態に係るブレス機構及び接合装置について、図面を参照して説明する。
先ず、プレス機構について説明する。
図1に示すように、プレス機構10は、フリーシャンク構造の台座部12を備えている。ここで、フリーシャンク構造とは、従来から知られている機械構造であり、シャンクホルダとシャンクヘッドを有し、シャンクホルダの溝にシャンクヘッドの上部を引っ掛けるようにして取り付けた構造である。なお、図1中の矢印は、プレス機構10の各構成部材の熱膨張方向を示す。
台座部12には、複数の支持部14が固定されている。支持部14は、ピンのような支柱で構成されており、加圧手段(図1では図示省略)から台座部12に付与された荷重を加圧力として後述の熱盤部16に伝達する機能を有している。なお、加圧手段としては、モータ、油圧又は空気圧を駆動源として所定の荷重を付与する荷重付与手段(例えば、伸縮可能なピストンロッドなど)を意味する。
プレス機構10は、台座部12に取り付けられた支持部14から加圧力が伝達される熱盤部16を備えている。ここで、支持部14と熱盤部16は、固定(締結)されていない。すなわち、熱盤部16に当接する支持部14の先端部は、熱盤部16に機械的に接続されておらず、自由端となっている。そして、支持部14は、熱盤部16と接触して熱盤部16を加圧する。熱盤部16は、加熱・冷却構造を備えている。熱盤部16の内部には、加熱するヒータと、冷却水(又は冷却エア)が流れる流路と、が形成されている。
上記のように、プレス機構10は、台座部12と、支持部14と、熱盤部16と、で構成されている。本明細書では、これをプレス機構10の基本ユニットと称する。
また、図1では、2つのプレス機構10が組み合わされて構成されている。2つのプレス機構10の熱盤部16同士が相互に向き合い、向き合った熱盤部16の間には複数の貼り合せ用基材(図1では図示省略)が配置される。複数の貼り合せ用基材は熱盤部16からの加圧力を受けて熱圧着される。
本実施形態のプレス機構10によれば、熱盤部16が加熱された場合、支持部14の軸方向に対して直交する方向(水平方向)に熱膨張しようとする。このとき、支持部14の先端部と熱盤部16とが固定(締結)されていないため、熱盤部16の熱膨張は支持部14により制限されない一方、支持部14には熱盤部16の熱膨張に伴う外力が作用しない。このような力学状態により、熱盤部16は自由に熱膨張(熱変形)し、支持部14の先端部は熱盤部16に対して水平方向に相対的に横滑りする。これにより、熱盤部16は、支持部14から反作用力を受けることがないため、反りが発生しない。この結果、加圧手段から台座部12に付与された荷重を支持部14及び熱盤部16を介して被対象物(貼り合せ用基材など)にそのまま作用させることができる。換言すれば、加圧手段からの荷重を安定して被対象物に伝達することが可能になる。このため、加圧手段から大きな荷重が作用した場合や被対象物が大型化した場合、あるいは、熱盤部16の熱膨張が大きい場合でも、支持部14を介して均等な加圧の伝達が可能になる。また、支持部14の軸方向の長さを長くすることにより、台座部12と熱盤部16との離間距離が大きくなる。これにより、台座部12と熱盤部16との間で厚めの空気断熱層が得られ、台座部12への伝熱を低減することができる。
次に、接合装置について説明する。本実施形態の接合装置は、貼り合せ用基材同士を熱圧着により接合させる装置であり、本発明のプレス機構が用いられている。
なお、貼り合せ用基材は、貼り合せ前の基板であり、ウエハや集合基板の他に、個片化された子基板も含まれる。本実施形態の接合装置にて複数の貼り合せ用基材を貼り合せ、複合基板を作製する。複合基板を作製するための貼り合せ用基材は、異種でも同種でもよい。作製された複合基板は電子機器の部品として用いられる。
図2乃至図4に示すように、接合装置20は、筐体22を備えている。筐体22の内部には、上下方向に沿って5つの熱盤部40が並んで配置されている。筐体22の底部には、加圧手段24が配置されている。加圧手段24は、一例として、上下方向に伸縮可能な油圧式のピストンロッド24Aが適用される。なお、加圧手段24は、図示しない制御部により駆動制御される。
加圧手段24には、下側台座部26が接続されている。下側台座部26の上面には、複数の支持部28が設けられている。このため、加圧手段24であるピストンロッド24Aが上下方向に伸縮すると、下側台座部26及び複数の支持部28が上下方向に移動する。
ここで、下側台座部26に設けられている複数の支持部28の先端部と第1段目の熱盤部40Aとは機械的に固定(締結)されていない。換言すれば、複数の支持部28の先端部は、第1段目の熱盤部40Aに連結されておらず、自由端となっている。
また、筐体22の上部には、上側台座部30が固定されている。上側台座部30の下面には、複数の支持部32が設けられている。
ここで、上側台座部30に設けられている複数の支持部32の先端部と第5段目の熱盤部40Eとは機械的に固定(締結)されていない。換言すれば、複数の支持部32の先端部は、第5段目の熱盤部40Eに連結されておらず、自由端となっている。
なお、下側台座部26の支持部28と上側台座部30の支持部32との間で、上下方向に積まれた複数の熱盤部40A、40B、40C、40D、40Eが所定の加圧力で挟持される構造になっている。以下、熱盤部40A、40B、40C、40D、40Eを総称して熱盤部40という。
図5に示すように、支持部28が支持部取付板29により下側台座部26へ取付けられている。支持部28は、ピン28Aと、ピン28Aの先端部に載せられたキャップ28Bと、を有している、また、ピン28Aとキャップ28Bとの間には、支持部28全体の高さ(軸方向の長さ)を調整するための板状部材28Cが配置されている。板状部材28Cの厚みを調整することにより、支持部28の高さを調整することができる。この結果、各支持部28から接合対象となる貼り合せ用基材などに付与する荷重(加圧力)を均等となるように調整することができる。特に、貼り合せ用基材の形状や後述の治具56(図7及び図14参照)の形状にあわせて高温時に面内の荷重分布を均一にできる。また、複数の支持部28には、キャップ抜け止め板34が取り付けられている。これにより、キャップ28Bがピン28Aから外れることを防止している。なお、上側台座部30の支持部32は、下側台座部26の支持部28と同様に構成されている。
熱盤部40の面方向の中央は熱がこもるため、熱膨張により中央が外周より大きく変形する場合もある。加熱前の常温時には均等な荷重であっても、昇温加圧した時の荷重が不均衡になるので、板状部材28Cの厚みを各場所で予め変えて、支持部28の長さを適切に調整する。具体的には、外周にある板状部材28Cの厚みを中央にある板状部材28Cの厚みより大きくし、熱膨張による荷重の不均衡が起きないようにする。これにより熱圧着時の荷重分布をより均一にすることができる。なお、ここでは板状部材28Cの厚み自体を変える例を示したが、挿入する板状部材28Cの枚数を変えることにより厚みを変えてもよい。また、長さの異なる支柱部28を準備しておき、支柱部28そのものを交換することにより支柱長さを変更してもよい。
本実施形態の接合装置10は、5つの熱盤部40が筐体22の内部に設けられており、多段積層貼合装置として機能する。図2は、接合装置の各熱盤部が初期状態(非重ね合わせ状態)であり、図3は、接合装置の各熱盤部が重ね合わされたときの状態である。
ここで、熱盤部40の構成について説明する。なお、5つの熱盤部40のうち最下部に位置する第1段目の熱盤部40Aの構成を説明する。なお、他の4つの熱盤部40B、40C、40D、40Eの構成は、基本的に第1段目の熱盤部40Aの構成と同様であるため、説明を省略する。
図6、図7及び図8に示すように、第1段目の熱盤部40Aは熱盤部本体44Aを備えており、支持部28と接する面は平坦面となっている。熱盤部本体44Aの左右の側面には、ホルダー46L、46Rが取り付けられている。ホルダー46L、46Rには、熱盤受け部48Aが形成されている。熱盤受け部48Aには、筐体22の内部に設けられた筐体突起部50A(図2及び図3参照)が挿入する係合穴52Aが形成されている。接合装置の各熱盤部が初期状態(非重ね合わせ状態)のとき、筐体突起部50Aが熱盤受け部48Aの係合穴52Aに挿入することにより、熱盤部40Aが筐体22の内部で保持される構造になっている。なお、本明細書では、第1段目の熱盤部40Aの「熱盤受け部48A」と「筐体突起部50A」とをあわせて「熱盤保持部49A」と定義する。その他の熱盤部40B、40C、40D、40Eの熱盤保持部49B、49C、49D、49Eの定義についても同様である。また、熱盤受け部48A、48B、48C、48D、48Eを総称して熱盤受け部48という。熱盤保持部49A、49B、49C、49D、49Eを総称して熱盤保持部49という。
熱盤受け部48に形成された係合穴52を、熱盤受け部48の下部の開口面積が上部の開口面積よりも大きくなるように形成してもよい。また、図15のように上下方向に連通したテーパ状の穴70となるように形成し、筐体22の内部に設けられた筐体突起部50が上下方向に延びる平行ピン(図示省略)であり、熱盤部40が相互に加圧されるときに、平行ピンがテーパ状の穴70に挿入されていく構成でもよい。
ここで、図10及び図12に示すように、5段の熱盤部40の熱盤保持部49は、各熱盤部40を上方からみた平面視(図12参照)にて所謂千鳥配置となるように形成されている。詳細は、以下の通りである。
図11は、熱盤部40を平面視したときに、熱盤受け部48の位置を模式的に示した図である。各熱盤受け部48に対し紙面上から1、2、3・・と番号をふっており、それぞれの番号に対応した位置を第1形成位置、第2形成位置、第3形成位置・・と呼ぶことにする。
図10乃至図13に示すように、最下部の第1段目の熱盤部40Aの左側のホルダー46Lに形成された熱盤受け部48Aは、第1形成位置および第5形成位置に形成されており、右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48Aは第3形成位置および第7形成位置に形成されている。また、筐体22側に設けられた筐体突起部50Aは、係合対象となる熱盤受け部48Aと対応した部位に設けられている。このように、第1段目の熱盤受け部48Aと筐体突起部50Aで構成される熱盤保持部49Aは、図12の平面視にて千鳥配置でかつ左右非対称となっている。
次に、第1段目の熱盤部40Aの上方に隣接する第2段目の熱盤部40Bに設けられた熱盤保持部49Bについて説明する。第2段目の熱盤部40Bの左側のホルダー46Lに形成された熱盤受け部48Bは、第2形成位置および第6形成位置に形成されており、右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48Bは第4形成位置および第8形成位置に形成されている。また、筐体22側に設けられた筐体突起部50Bは、係合対象となる熱盤受け部48Bと対応した部位に設けられている。このように、第2段目の熱盤受け部48Bと筐体突起部50Bで構成される熱盤保持部49Bは、平面視にて千鳥配置でかつ左右非対称となっている。
次に、第2段目の熱盤部40Bの上方に隣接する第3段目の熱盤部40Cに設けられた熱盤保持部49Cについて説明する。第3段目の熱盤部40Cの左側のホルダー46Lに形成された熱盤受け部48Cは、第3形成位置および第7形成位置に形成されており、右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48Cは第1形成位置および第5形成位置に形成されている。また、筐体22側に設けられた筐体突起部50Cは、係合対象となる熱盤受け部48Cと対応した部位に設けられている。このように、第3段目の熱盤受け部48Cと筐体突起部50Cで構成される熱盤保持部49Cは、平面視にて千鳥配置で、かつ左右非対称となっている。
次に、第3段目の熱盤部40Cの上方に隣接する第4段目の熱盤部40Dに設けられた熱盤保持部49Dについて説明する。第4段目の熱盤部40Dの左側のホルダー46Lに形成された熱盤受け部48Dは、第4形成位置および第8形成位置に形成されており、右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48Dは第2形成位置および第6形成位置に形成されている。また、筐体22側に設けられた筐体突起部50Dは、係合対象となる熱盤受け部48Dと対応した部位に設けられている。このように、第4段目の熱盤受け部48Dと筐体突起部50Dで構成される熱盤保持部49Dは、図12の平面視にて千鳥配置でかつ左右非対称となっている。
次に、第4段目の熱盤部40Dの上方に隣接する第5段目の熱盤部40Eに設けられた熱盤保持部49Eについて説明する。第5段目の熱盤部40Eの左側のホルダー46Lに形成された熱盤受け部48Eは、熱盤部40Aとほぼ同じ位置となる第1形成位置および第5形成位置に形成されており、右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48Eは熱盤部40Aとほぼ同じ位置となる第3形成位置および第7形成位置に形成されている。また、筐体22側に設けられた筐体突起部50Eは、係合対象となる熱盤受け部48Eと対応した部位に設けられている。このように、第5段目の熱盤受け部48Eと筐体突起部50Eで構成される熱盤保持部49Eは、図12の平面視にて千鳥配置でかつ左右非対称となっている。なお、第1段目の熱盤部40Aが上昇するときに第5段目の筐体突起部50Eの高さ位置を超えることはないので、熱盤受け部48と熱盤受け部40Eの形成位置が同じでも干渉の問題は起こらない。
また、図10に示すように、第5段目の熱盤部40Eの右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48EをE、第4段目の熱盤部40Dの右側のホルダー46Lに形成された熱盤受け部48DをB、第3段目の熱盤部40Cの右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48CをC、第2段目の熱盤部40Bの右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48BをDとし、さらに第1段目の熱盤部40Aの右側のホルダー46Rに形成された熱盤受け部48AをAとすると、5段の熱盤部40が重ね合わされたときに、それぞれの熱盤受け部48は干渉しないように熱盤部40の奥行き方向の異なる箇所に設けられている。なお、第1段目の熱盤部40Aの熱盤受け部48Aについては、第5段目の熱盤部40Eの熱盤受け部48Eに隠れて視認することができないため、図10に図示されていない。
また、図6に示すように、第1段目の熱盤部40Aの熱盤部本体44Aの上面には、所定の領域を囲むようにOリング54(ゴム部材)が設けられている。また、第1段目の熱盤部40Aの熱盤部本体44Aの上面であってOリング54に囲まれた内側領域には、治具56が配置されている。図7及び図14に示すように、治具56は、鉄製の下側治具56Xと、鉄製の上側治具56Yと、で構成されており、下側治具56Xにある位置決めピン(図示していない)により上側治具56Yが位置決めされている。下側治具56Xと上側治具56Yとの間には、どちらかの面に接着層をもつ上側貼り合せ用基材60Yと下側貼り合せ用基材60X(以下、複合基板60と記す)が収容されている。複合基板60は下側治具56Xにある位置決めピン(図示していない)により位置決めされており必要な層数だけ積み重ねられ、最上段に上側治具56Yがくる構成となる。このような構成で下側治具56Xと上側治具56Yとの間に重ねられた貼り合せ基材同士が所定の加圧力で圧接される。なお、貼り合せ用基材の種類は2種類に限らず、何種類でも構わない。また、既に熱圧着された複合基板に貼り合せ用基材を熱圧着する場合も、上記の手順で行えばよい。
また、第2段目から第4段目の熱盤部40B、40C、40Dの熱盤部本体44B、44C、44Dの上面にも同様にして、所定の領域を囲むようにOリング54が設けられている。また、第2段目から第4段目の熱盤部40B、40C、40Dの熱盤部本体44B、44C、44Dの上面であってOリング54に囲まれた内側領域にも、同様にして、治具56が配置されている。治具56の構成は、第1段目の熱盤部40Aに配置されている治具56と同じである。
図9に示すように熱盤部本体44Eの下面には筒状空間63が形成されており、筒状空間63の深さは、必要な層数の複合基板60と上側治具56Yと下側治具56Xとの合計厚みより小さい。これにより、各熱盤部40が重なり合って加圧されたとき、熱盤部本体44Eの筒状空間63と熱盤部本体44の上面との間に入れられた貼り合せ基材同士を圧接することができる。この筒状空間63は、後述する真空チャンバの一部を構成する。熱盤部本体44Eの側面には、熱盤部本体44Eの筒状空間63を囲むように枠体42Eが摺動可能に配設されている。枠体42Eと熱盤部本体44Eの間には圧縮バネ41が配置されている。枠体42Eは、この圧縮バネ41により下側に付勢され、下の熱盤部40DにあるOリング54を押圧し、熱盤部本体44Eの側面にあるOリング54とともに密閉状態を形成する。なお、枠体42Eが下に抜け落ちないように、枠体42Eと熱盤本体44Eとの間にストッパ(図示せず)が設けられている。なお、Oリング54は必ずしも熱盤部に設ける必要はなく、相対する位置の枠体42に埋め込まれていても良い。
図3および図9に示すように、上下方向に沿って隣接する熱盤部40同士が所定の加圧力で圧接することにより、上の熱盤部にあるOリング54および枠体42および熱盤部本体の筒状空間63と、下の熱盤部にあるOリング54および熱盤部の上面とに囲まれた領域に、真空チャンバ62A、62B、62C、62Dが形成される。このように、5段の熱盤部40を備えた接合装置20では、5段の熱盤部40が全て圧接した状態になることにより、4つの真空チャンバ62A、62B、62C、62Dが形成され、各真空チャンバ62A、62B、62C、62Dにおいて複合基板60の接合処理が実行される。以下、真空チャンバ62A、62B、62C、62Dを総称して真空チャンバ62という。また、図13に示す枠体42A、42B、42C、42D、42Eは、本実施形態において、適宜、枠体42と総称する。なお、熱盤部にあるOリング54や下の熱盤部にあるOリング54は、相対する位置の枠体42に埋め込まれていても良い。
また、図9に示すように、各熱盤部40には、連通路64が形成されている。このため、5段の熱盤部40で区画形成される4つの真空チャンバ62が連通路64を介して連通した構成になる。なお、連通路64には、真空ポンプ(図示省略)が接続されており、真空ポンプの作動により各真空チャンバ62が真空状態となる。なお、真空ポンプは、図示しない制御部により駆動制御される。
図17は、変形例となる熱盤部44Eが相互に重なって筒状空間63が形成された構成を示している。図17に示す筒状空間63は、熱盤部44E自体が削られること無く、熱盤部44Eの平坦状の下面と枠体42Eと下方の熱盤部44Dにより閉じた空間として形成される。この場合、筒状空間63と真空チャンバは、同じ空間を構成する。
次に、本実施形態の接合装置20の動作について説明する。なお、以下の動作の説明では、図2に示すように、各熱盤部40が各熱盤保持部49により保持されている状態を初期状態とし、この初期状態を動作の開始点として説明する。
図2及び図3に示すように、各熱盤部40が各熱盤保持部49により保持されている。このため、図16に示すように、各熱盤部40は、筐体22の内部において上下方向に沿って所定の間隔をあけて配置されている。
(各熱盤部の積み重ね)
次に、制御部により加圧手段24が駆動制御されて、ピストンロッド24Aが上方向に向って伸びる。これにより、下側台座部26と下側台座部26に設けられた複数の支持部28がピストンロッド24Aに押されるようにして上方向に向って移動する。
ピストンロッド24Aが所定の距離だけ上方向に伸びていくと、下側台座部26に設けられた支持部28の先端部(キャップ28B)が第1段目の熱盤部40Aに接触し第1段目の熱盤部40Aは、複数の支持部28により上方向に押されて熱盤受け部48Aと筐体突起部50Aとの係合が解除され、さらに上方向に移動する。
第1段目の熱盤部40Aが下側台座部26及び支持部28と共に上方向に移動すると、第1段目の熱盤部40Aは、第2段目の熱盤部40Bに接近する。
そして、下側台座部26及び支持部28が上方向に移動すると、第2段目の熱盤部40Bの熱盤受け部48Bと筐体突起部50Bとの係合が解除され、第1段目の熱盤部40A及び第2段目の熱盤部40Bが一体となって上方向に移動し、やがて第2段目の熱盤部40Bは、第3段目の熱盤部40Cに接近する。
さらに、下側台座部26及び支持部28が上方向に移動すると、第3段目の熱盤部40Cの熱盤受け部48Cと筐体突起部50Cとの係合が解除され、第1段目の熱盤部40A、第2段目の熱盤部40B及び第3段目の熱盤部40Cが一体となって上方向に移動し、やがて第3段目の熱盤部40Cは、第4段目の熱盤部40Dに接近する。
さらに、下側台座部26及び支持部28が上方向に移動すると、第4段目の熱盤部40Dの熱盤受け部48Dと筐体突起部50Dとの係合が解除され、第1段目の熱盤部40A、第2段目の熱盤部40B、第3段目の熱盤部40C及び第4段目の熱盤部40Dが一体となって上方向に移動し、やがて第4段目の熱盤部40Dは、第5段目の熱盤部40Eに接近する。
さらに、下側台座部26及び支持部28が上方向に移動すると、第5段目の熱盤部40Eの熱盤受け部48Eと筐体突起部50Eとの係合が解除され、第1段目の熱盤部40A、第2段目の熱盤部40B、第3段目の熱盤部40C、第4段目の熱盤部40D及び第5段目の熱盤部40Eが一体となって上方向に移動し、やがて第5段目の熱盤部40Eは、上側台座部30に設けられた複数の支持部32の先端部(キャップ)に接近する。これにより、第5段目の熱盤部40Eから支持部32に付与された加圧力は、上側台座部30に伝達される。
以上のようにして、5段の熱盤部40が上下方向に所定の加圧力で積層され、5段の熱盤部40が上側台座部30の複数の支持部32と下側台座部26の複数の支持部28との間に挟持された構造になる。
ここで、図3に示すように、上下方向に隣接する熱盤部同士が所定の加圧力で積み重ねられると、熱盤部同士の間に真空チャンバ62が形成される。すなわち、第1段目の熱盤部40Aと第2段目の熱盤部40Bとの間には、第1の真空チャンバ62Aが形成される。また、第2段目の熱盤部40Bと第3段目の熱盤部40Cとの間には、第2の真空チャンバ62Bが形成される。第3段目の熱盤部40Cと第4段目の熱盤部40Dとの間には、第3の真空チャンバ62Cが形成される。第4段目の熱盤部40Dと第5段目の熱盤部40Eとの間には、第4の真空チャンバ62Dが形成される。
そして、図9に示すように、第1の真空チャンバ62A、第2の真空チャンバ62B、第3の真空チャンバ62C及び第4の真空チャンバ62Dは、連通路64により相互に連通された状態になる。これにより、第1の真空チャンバ62A、第2の真空チャンバ62B、第3の真空チャンバ62C及び第4の真空チャンバ62Dは、全体として一つの空間を構成することになる。
なお、各熱盤部の積み重ね完了段階では、真空チャンバ62は密閉空間となっているだけであり、真空引きされていない。このため、真空チャンバ62は、真空状態になっていない。
(真空引き)
次に、制御部により真空ポンプが駆動制御され、各真空チャンバ62が真空状態になる。これにより、全ての真空チャンバ62の真空引きが実行され、真空処理が完了する。この結果、各真空チャンバ62が真空状態となり、かつ真空チャンバ62が連通した状態となっているので、全体として一つの真空チャンバが完成する。
(加熱・加圧処理)
次に、各熱盤部40により加熱処理が実行される。各熱盤部40の各熱盤部本体44には、ヒータが内蔵されているため、制御部でヒータを駆動することにより、加熱処理が可能になる。なお、各熱盤部40の加熱処理は、略同時に実行される。
また同時に、上下方向に隣接する熱盤部同士が所定の加圧力を受け、上側治具56Yと下側治具56Xとが相互に圧接される。この結果、貼り合せ用基材同士が圧接されて接合される。なお、貼り合せ用基材は下側治具56Xにある位置決めピンで予め位置決めされているため、接合精度を高めることができる。また、貼り合せ用基材の接合処理は、真空チャンバ62の内部で実行されるため、ゴミや粉塵が浸入しないクリーンな環境で接合処理を実行できる。この結果、複合基板60を高品質に維持することができる。
なお、複合基板60の接合処理は、4つの真空チャンバ62で略同時に実行される。これにより、4つの真空チャンバ62において、複合基板60の接合処理が略同時に実行される。
(真空解除)
次に、真空チャンバ62の真空状態を解除するために圧縮エアを入れ、全ての真空チャンバ62が大気開放される。
(各熱盤部の下降)
次に、各熱盤部40が下降する。この下降処理では、制御部により制御された加圧手段24が下方向に移動する。これにより、第1段目の熱盤部40Aが下方向に移動するため、他の熱盤部40B、40C、40D、40Eも下方向に移動する。具体的には、先ず、第1段目から第5段目までの熱盤部40が一体として下方向に移動する。そして、第5段目の熱盤部40Eの保持位置に到達すれば、第5段目の熱盤部40Eが熱盤保持部49Eにより保持されるため、その保持位置で停止する。次に、第1段目から第4段目までの熱盤部40A、40B、40C、40Dが一体として下方向に移動する。そして、第4段目の熱盤部40Dの保持位置に到達すれば、第4段目の熱盤部40Dが熱盤保持部49Dにより保持されるため、その保持位置で停止する。次に、第1段目から第3段目までの熱盤部40A、40B、40Cが一体として下方向に移動する。そして、第3段目の熱盤部40Cの保持位置に到達すれば、第3段目の熱盤部40Cが熱盤保持部49Cにより保持されるため、その保持位置で停止する。次に、第1段目と第2段目の熱盤部40A、40Bが一体として下方向に移動する。そして、第2段目の熱盤部40Bの保持位置に到達すれば、第2段目の熱盤部40Bが熱盤保持部49Bにより保持されるため、その保持位置で停止する。最後に、次に、第1段目の熱盤部40Aが下方向に移動する。そして、第1段目の熱盤部40Aの保持位置に到達すれば、第1段目の熱盤部40Aが熱盤保持部49Aにより保持されるため、その保持位置で停止する。なお、加圧手段24のピストンロッド24Aは、初期位置に戻る。
以上のように、本実施形態の接合装置20によれば、各熱盤部40が加熱された場合、下側台座部26及び上側台座部30の支持部28、32の軸方向に対して直交する方向(水平方向)に熱膨張しようとする。このとき、下側台座部26の支持部28の先端部と第1段目の熱盤部40Aとが固定(締結)されていないため、第1段目の熱盤部40Aの熱膨張は下側台座部26の支持部28により制限されず、また下側台座部26の支持部28には第1段目の熱盤部40Aの熱膨張に伴う外力が作用しない。また、第2段目から第5段目までの熱盤部40B、40C、40D、40Eも下側台座部26の支持部28に固定(締結)されていないため、第2段目から第5段目までの熱盤部40B、40C、40D、40Eの熱膨張は下側台座部26の支持部28により制限されず、また下側台座部26の支持部28には第2段目から第5段目までの熱盤部40B、40C、40D、40Eの熱膨張に伴う外力が作用しない。このような力学状態により、第1段目から第5段目までの熱盤部40は自由に熱膨張(熱変形)し、特に下側台座部26の支持部28の先端部が接触する第1段目の熱盤部40Aに対して、下側台座部26の支持部28の先端部は水平方向に相対的に横滑りする。これにより、第1段目の熱盤部40Aは、下側台座部26の支持部28から反作用力を受けることがないため、反りが発生しない。また、同様にして、第2段目から第5段目までの熱盤部40B、40C、40D、40Eも、下側台座部26の支持部28から反作用力を受けることがないため、反りが発生しない。この結果、加圧手段24から下側台座部26に付与された荷重を支持部28及び各熱盤部40を介して複合基板60にそのまま作用させることができる。換言すれば、加圧手段24からの荷重を安定して複合基板60に伝達することが可能になる。このため、加圧手段24から大きな荷重が作用した場合や複合基板60が大型化した場合、あるいは、各熱盤部40の熱膨張が大きい場合でも、下側台座部26の支持部28を介して均等な加圧の伝達が可能になる。
また、下側台座部26の支持部28と各熱盤部40とがネジなどの固着具により締結していないため、固着具の緩みは生じない。これにより、固着具の緩みを原因として発生する、各熱盤部40から貼り合せ用基材に作用する加圧力(荷重)のばらつきを阻止できる。
また、支持部28、32を複数配置することにより、複合基板60が大型化した場合でも、安定した加圧力を作用させることができる。
また、各熱盤部40は、冷却構造を有しているため、各熱盤部40を冷却させることができる。これにより、各熱盤部40に設けられている各支持部28、32も冷却させることができる。
また、図9に示すように、各熱盤部間で形成される各真空チャンバ62は、連通路64によって連通されている。このため、各真空チャンバ62は、一つの真空チャンバとして形成される。これにより、単一の真空ポンプによって各真空チャンバ62の真空引きを同時に実行することができるため、各真空チャンバ62おける真空度が一定(均一)になる。この結果、各真空チャンバ62における脱気状態が安定するため、複合基板60の品質のばらつきを低減することができる。
また、各真空チャンバ62は、上下方向に隣接する各熱盤部40が相互に重ね合わされて形成され、かつOリング54によって区画されているため、ローカルチャンバとなる。これにより、各真空チャンバ62の熱容量が小さくなり、温度の昇降時間や真空引きの時間を短縮することができ、さらに、各真空チャンバ62の真空度を均一にできる。また、各真空チャンバ62を個別に形成することで、真空引きのタイミングを早めに設定することができる。なお、従来技術では筐体全体を真空チャンバとして、筐体内に熱盤部の移動手段を配置する場合もあるが、本実施形態では各真空チャンバ62の内部には、移動手段などが設けられていないため、真空引きの時間を短縮でき、効率の良い真空引きが可能になる。
また、各熱盤部40を筐体22の内部で保持するための熱盤保持部49の熱盤受け部48の設置位置が熱盤部40の平面視(図12参照)にて左右非対称とすることにより、熱盤部40全体の重心を熱盤部40の平面視(図12参照)にて中央に設定することができる。すなわち、熱盤部40に熱盤受け部48を設けると、熱盤受け部48の質量により全体の重心の位置が変化するおそれがあるが、熱盤部40に設けられた熱盤受け部48の設置位置を左右非対称とすることにより、熱盤受け部48が設けられた熱盤部40全体の重心の位置を平面視にて中央に設定することができる。これにより、各熱盤部40の昇降動作において各熱盤部40の姿勢が安定し、複合基板60に付与する加圧力を安定させることができる。この結果、複合基板60の品質のばらつきを防止できる。
また、熱盤部40を筐体22の内部で保持するための熱盤保持部49の熱盤受け部48及び筐体突起部50A〜50Eをいわゆる千鳥配置にしたため、第1段目から第5段目までの各熱盤部40を上方向に移動させて重ね合わせていく際、あるいは第1段目から第5段目までの各熱盤部40を下方向に移動させて重ね合わせを解除していく際に、各熱盤部40の熱盤保持部49である熱盤受け部48及び筐体突起部50A〜50E同士が干渉しない。これにより、接合装置20が簡易な構成の多段式の熱盤部積層装置として機能させることができ、複合基板60を製造するときの処理効率を高めることができる。
また、第1段目から第5段目までの熱盤部40をできる限り同じ形状にすることにより、体積熱量を同一に設定することができる。この結果、複合基板60の品質のばらつきを防止できる。
10 プレス機構
12 台座部
14 支持部
16 熱盤部
20 接合装置
24 加圧手段
26 下側台座部(台座部)
28 支持部
30 上側台座部(台座部)
32 支持部
40A 第1段目の熱盤部(熱盤部)
40B 第2段目の熱盤部(熱盤部)
40C 第3段目の熱盤部(熱盤部)
40D 第4段目の熱盤部(熱盤部)
40E 第5段目の熱盤部(熱盤部)
42 枠体
49A 熱盤保持部
49B 熱盤保持部
49C 熱盤保持部
49D 熱盤保持部
49E 熱盤保持部
60 複合基板(貼り合せ用基材)
62A 真空チャンバ
62B 真空チャンバ
62C 真空チャンバ
62D 真空チャンバ
63 筒状空間
64 連通路

Claims (5)

  1. 加圧手段により所定の荷重が付与される下側台座部および上側台座部と、
    加熱手段を備えた熱盤部と、
    前記下側台座部に固定して設けられ、かつ、前記下側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する下側支持部と、
    前記上側台座部に固定して設けられ、かつ、前記上側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する上側支持部と、
    を有するプレス機構であって、
    プレス時に、前記熱盤部に当接する部材は前記下側支持部および前記上側支持部のみであり、
    前記下側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記下側支持部の先端部が全て自由端となり、
    前記上側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記上側支持部の先端部が全て自由端となるプレス機構。
  2. 加圧手段により所定の荷重が付与される下側台座部および上側台座部と、
    加熱手段を備えた熱盤部と、
    前記下側台座部に固定して設けられ、かつ、前記下側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する下側支持部と、
    前記上側台座部に固定して設けられ、かつ、前記上側台座部に付与された荷重を加圧力として前記熱盤部に伝達する上側支持部と、
    を有し、
    プレス時に、前記熱盤部に当接する部材は前記下側支持部および前記上側支持部のみであり、
    前記下側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記下側支持部の先端部が全て自由端となり、
    前記上側支持部と前記熱盤部とが固定されておらず、前記熱盤部に当接する前記上側支持部の先端部が全て自由端となるプレス機構を備えた接合装置であって、
    前記熱盤部は、前記加圧力の作用面の少なくとも一方に筒状空間を有しかつ、前記加圧力の作用方向に複数配置され、
    前記加圧力の作用方向に隣接する前記熱盤部同士が相互に積み重なることにより当該熱盤部間に真空チャンバが形成され、
    前記真空チャンバ内で複数の貼り合せ用基材を熱圧着させて接合する接合装置。
  3. 前記下側支持部及び前記上側支持部は複数の支柱から構成されており、前記支柱は支柱長さがそれぞれ調整可能であり、あるいは支柱そのものをそれぞれ交換可能であり、熱圧着時において前記貼り合せ用基材に均等な加圧がかかるように支柱長さがそれぞれ設定されている請求項2に記載の接合装置。
  4. 前記真空チャンバは、隣接する前記熱盤部間にそれぞれ形成され、
    前記真空チャンバ同士を連通する連通路が前記熱盤部に形成されている請求項2に記載の接合装置。
  5. 前記熱盤部の非重ね合わせ状態において複数の前記熱盤部をそれぞれ保持する熱盤保持部を有し、前記熱盤保持部のそれぞれを平面視した場合に、前記熱盤保持部のそれぞれが千鳥配置でかつ左右非対称に配置されており、
    前記熱盤部の重ね合わせ状態で前記熱盤部を平面視した場合に、前記熱盤保持部がそれぞれ干渉しない位置に設けられている請求項2乃至4のいずれか1項に記載の接合装置。
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