JP2012179839A - 熱転写成形ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】真空条件の下で熱転写成形を行う成形装置の時間当たりの生産性を向上し、被加工材の新たな搬送方法を実現するための熱転写成形ユニットを提供する。
【解決手段】上側スタンパ、被加工材及び下側スタンパを収容して減圧状態を維持しながら加熱成形部、冷却部の順に搬送して熱転写成形を行う熱転写成形ユニット10であって、上側スタンパと密着する上側台板部103と上側台枠部110を備えた上側収容部材101と、下側スタンパと密着する下側台板部と下側台枠部140を備えた下側収容部材102と、上側収容部材と下側収容部材との合着により形成され、被加工材を収容する収容空間内を減圧する収容空間脱気部150と、収容空間内の気密を保持するガスケット部と、上側台板部と下側台板部との距離を可変させる可変調整部130とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱転写成形ユニットに関し、特に被加工材自体を移動させるのではなく、被加工材自体を収容してユニット化して、このユニット自体を移動することにより成形を行う熱転写成形ユニットに関する。
熱可塑性樹脂等からなる被加工材に対し型面を転写する熱転写成形の装置では、熱板を有する固定側部材上に被加工材が載置され、固定側部材に対して可動熱板を有する可動側部材が前進され、双方からの押圧により被加工材の加熱加圧が行われる。このような熱転写成形の装置としては、例えば、可動側部材の前進時に真空チャンバを形成し、減圧状態で被加工材を加熱加圧(熱転写プレス)する装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。前記の各特許文献等の熱転写プレスの装置においては、成形時真空状態とするため、被加工材に対するスタンパの密着が良好となり、特に精密かつ微細な表面形状の成形に好都合である。
特許文献1の装置の場合、ひとつの真空チャンバ内に加熱プレス部と冷却プレス部を備え、被加工材がチャンバ内で加熱プレス部、冷却プレス部と移動して成形が完成する。従って、常に加工時の真空状態が維持される。しかし、特許文献1の装置では、被加工材が真空チャンバ内を行き来するため、その間に新たな被加工材を供給することができない。従って、当該装置1台当たりの単位時間当たりの生産量が制限される。
特許文献2、3の装置の場合、成形時を減圧状態とすることから、被加工材に対する加熱加圧及び冷却加圧は、ともに一対のプレス装置内にて行われている。当該装置において、加熱加圧時に被加工材に型面を転写するスタンパの背後のプレス盤側に形成された流路内に水蒸気等が送通される。また、冷却加圧時に同じ流路内に冷水等が送通される。成形のためいったん装置内を減圧状態とした後、被加工材は装置外に取り出されることなく、圧着状態が維持されたまま、プレス盤の側で温度上昇と降下が繰り返される。このため、特許文献2、3の装置では、被加工材に応じた所定の設定温度条件において加熱加圧並びに冷却加圧を行う必要上、各処理同士の間にプレス盤の温度調整のための準備時間が否応なく生じてしまう。
一連の説明から明らかなように、従来構成の熱転写成形装置による作業の連続化による単位時間当たりの処理能力の向上を勘案すると、その生産性向上の要望に必ずしも応えきれていない。そこで、発明者は、真空(減圧)条件の下で熱転写成形を行う成形装置において、装置に要する設備経費を圧縮し、かつ、時間当たりの生産性の向上も実現する必要性を痛感してきた。この問題への対応として、発明者は被加工部材の搬送の仕方について鋭意検討を重ねてきた。
特開2005−238495号公報 特開2006−167788号公報 特開2008−155521号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、真空(減圧)条件の下で熱転写成形を行う成形装置の時間当たりの生産性の向上に貢献するべく、被加工材の新たな搬送方法を実現するための熱転写成形ユニットを提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、被加工材と該被加工材の上下表面から密着して型面を転写する上側スタンパ及び下側スタンパを収容し、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパを収容して減圧状態を維持しながら加熱成形部、冷却部の順に搬送して前記被加工材の熱転写成形を行うために用いる熱転写成形ユニットであって、前記上側スタンパと密着するとともに前記加熱成形部に設けられた加熱盤部及び前記冷却部に設けられた冷却盤部と当接する上側台板部と、前記上側台板部の周囲に周設された上側台枠部を備えた上側収容部材と、前記下側スタンパと密着するとともに前記加熱成形部に設けられた加熱盤部及び前記冷却部に設けられた冷却盤部と当接する下側台板部と、前記下側台板部の周囲に周設され前記上側台枠部と合着する下側台枠部を備えた下側収容部材と、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着により形成され、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパを収容する収容空間内を減圧する収容空間脱気部と、前記上側台枠部と前記下側台枠部との間に介装され前記収容空間内の気密を保持するガスケット部と、前記上側台枠部または前記下側台枠部のいずれかもしくは両方に備えられ前記上側台板部と前記下側台板部との距離を可変させる可変調整部とを有することを特徴とする熱転写成形ユニットに係る。
請求項2の発明は、前記収容空間脱気部が、前記上側台枠部または前記下側台枠部のいずれかに備えられる請求項1に記載の熱転写成形ユニットに係る。
請求項3の発明は、前記収容空間脱気部が逆止弁である請求項1または2に記載の熱転写成形ユニットに係る。
請求項4の発明は、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着位置を規定する合着位置決め部材が備えられる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱転写成形ユニットに係る。
請求項5の発明は、前記上側台板部と前記上側スタンパとの間隙を脱気する上側間隙脱気部が前記上側収容部材に備えられる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱転写成形ユニットに係る。
請求項6の発明は、前記下側台板部と前記下側スタンパとの間隙を脱気する下側間隙脱気部が前記下側収容部材に備えられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱転写成形ユニットに係る。
請求項1の発明に係る熱転写成形ユニットによると、被加工材と該被加工材の上下表面から密着して型面を転写する上側スタンパ及び下側スタンパを収容し、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパを収容して減圧状態を維持しながら加熱成形部、冷却部の順に搬送して前記被加工材の熱転写成形を行うために用いる熱転写成形ユニットであって、前記上側スタンパと密着するとともに前記加熱成形部に設けられた加熱盤部及び前記冷却部に設けられた冷却盤部と当接する上側台板部と、前記上側台板部の周囲に周設された上側台枠部を備えた上側収容部材と、前記下側スタンパと密着するとともに前記加熱成形部に設けられた加熱盤部及び前記冷却部に設けられた冷却盤部と当接する下側台板部と、前記下側台板部の周囲に周設され前記上側台枠部と合着する下側台枠部を備えた下側収容部材と、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着により形成され、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパを収容する収容空間内を減圧する収容空間脱気部と、前記上側台枠部と前記下側台枠部との間に介装され前記収容空間内の気密を保持するガスケット部と、前記上側台枠部または前記下側台枠部のいずれかもしくは両方に備えられ前記上側台板部と前記下側台板部との距離を可変させる可変調整部とを有するため、真空条件の下で熱転写成形を行う成形装置における単位時間当たりの生産性の向上に貢献するべく、被加工材の新たな搬送方法を実現するための搬送に好適な容器を完成するに至った。
請求項2の発明に係る熱転写成形ユニットによると、請求項1の発明において、前記収容空間脱気部が、前記上側台枠部または前記下側台枠部のいずれかに備えられるため、一方の収容部材側のみ構造が複雑化することを避けることができる。
請求項3の発明に係る熱転写成形ユニットによると、請求項1または2の発明において、前記収容空間脱気部が逆止弁であるため、部品数を減らした簡単な構造により、収容空間脱気部の開口部の閉塞とその解除が可能となる。
請求項4の発明に係る熱転写成形ユニットによると、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着位置を規定する合着位置決め部材が備えられるため、上側収容部材と下側収容部材との合着時の位置合わせは容易になる。
請求項5の発明に係る熱転写成形ユニットによると、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記上側台板部と前記上側スタンパとの間隙を脱気する上側間隙脱気部が前記上側収容部材に備えられるため、最短距離により間隙内の空気を直接吸引することができる。
請求項6の発明に係る熱転写成形ユニットによると、請求項1ないし5にいずれかの発明において、前記下側台板部と前記下側スタンパとの間隙を脱気する下側間隙脱気部が前記下側収容部材に備えられるため、最短距離により間隙内の空気を直接吸引することができる。
本発明の熱転写成形ユニットを用いる熱転写成形装置の概要斜視図である。 図1の熱転写成形装置を構成する各部の概略側面図である。 熱転写成形ユニットの全体斜視図である。 下側収容部材の全体斜視図である。 熱転写成形ユニットの全体側面図である。 熱転写成形ユニットの全体上面図である。 熱転写成形ユニットの分離状態の部分断面図である。 熱転写成形ユニットの合着状態の部分断面図である。 熱転写成形ユニットの減圧状態時の部分断面図である。 合着位置決め部材付近の部分断面図である。 収容空間脱気部の作動時の拡大部分断面図である。 上側間隙脱気部及び下側間隙脱気部の作動時の拡大部分断面図である。
本発明の熱転写成形ユニット10(図3等参照)とは、例えばPMMA、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる被加工材W(図7参照)の表層に対し加熱加圧を行い、被加工材Wの表面にスタンパのパターン形成をする装置に用いられる搬送のための部材である。例えば、図1、2に開示する熱転写成形装置1において使用される。本発明の熱転写成形ユニット10を用い熱転写成形装置1において実施される熱転写成形方法では、被加工材Wが単独で順次搬送されて加熱成形、冷却が行われるのではない。まず、被加工材Wは熱転写成形ユニット10内に収容される。そして、当該熱転写成形ユニット10内の減圧状態(真空状態)が維持されながら、熱転写成形ユニット10自体が順次装置内を搬送される。このことによって、当該熱転写成形ユニット10の内部に収容された被加工材Wに対する加熱加圧等の成形加工が行われる。
本発明の熱転写成形ユニット10が用いられる装置の例として、はじめに図1の概要斜視図を用い熱転写成形装置1を説明する。例示の熱転写成形装置1では、熱転写成形ユニット10が前進する順に従って搬出部50、加熱成形部20、冷却部30、そして搬入部80が直線状に配置される。熱転写成形ユニット10の前進方向への搬送は搬送装置40により適宜行われる。図1中、符号21は加熱盤部、31は冷却盤部、41はチャック部、45は熱転写成形ユニットの返送装置である。また、搬出部50において、符号51は第1搬出ステージ、52は第2搬出ステージ、53は第1搬出区、54は第1搬入区、55は第2搬出区、56は第2搬入区である。搬入部80において、符号81は第1搬入ステージ、82は第2搬入ステージ、83は第1搬入区、84は第1搬出区、85は第2搬入区、86は第2搬出区である。特に、図1の熱転写成形装置1は、上下に2段のステージを備える。このことから同時に複数ずつ(図示では上下2個ずつ)の熱転写成形ユニット10が搬送可能となり、熱転写成形装置1は量産性に優れている。
図1に加え図2を用い熱転写成形装置1に備えられる加熱成形部20及び冷却部30の構造を説明する。加熱成形部20には、固定盤22に対して油圧ピストン部24により進退駆動する可動盤23,26と、平行を保つシャフト部25等が備えられる。加熱盤部21は垂直方向に積層して備えられる。搬入された熱転写成形ユニット10は加熱盤部21,21同士の間に挟持される。そして、熱転写成形ユニット10は加熱盤部21,21から加熱と押圧(熱転写プレス)を受けることにより、前述の上側及び下側スタンパ11,12(図7等参照)の型面が被加工材Wに転写される。被加工材Wの表面を鏡面状に仕上げる場合には、平坦状のスタンパが用いられる。
実施例の加熱成形部20の構造では、加熱盤部21は4段備えられる。上方から可動盤23に接続された加熱盤部21、可動盤26の上下それぞれに接続された加熱盤部21、固定盤22に接続された加熱盤部21である。実施例の加熱盤部21の配置構成のため、上下に2個の熱転写成形ユニット10が加熱成形部20において一度に処理可能である。従って、複数(2個)の熱転写成形ユニット10,10内にそれぞれ収容されている被加工材W,Wは、同時に加熱成形される。
加熱成形部20には、図示しないものの、作動油の供給調整のポンプ、作動油のタンク、作動油の圧力制御用のセンサ、加熱盤部の位置検知調整用のセンサ、加熱盤部の温度センサ、加熱盤部への加熱油または水蒸気等の供給装置等が適式に備えられる。
冷却部30には、固定盤32に対して油圧ピストン部34により進退駆動する可動盤33,36と、平行を保つシャフト部35等が備えられる。冷却盤部31は垂直方向に積層して備えられる。搬入された熱転写成形ユニット10は冷却盤部31,31同士の間に挟持される。そして、熱転写成形ユニット10は冷却盤部31,31から冷却と押圧を受けることにより、その内部の上側及び下側スタンパ11,12を介して被加工材Wは冷却される。実施例の冷却部30の構造では、冷却盤部31は前出の加熱盤部21と同様に4段備えられる。上方から可動盤33に接続された冷却盤部31、可動盤36の上下それぞれに接続された冷却盤部31、固定盤32に接続された冷却盤部31である。実施例の冷却盤部31の配置構成のため、上下に2個の熱転写成形ユニット10が冷却部30において一度に処理可能である。従って、複数(2個)の熱転写成形ユニット10,10内にそれぞれ収容されている被加工材W,Wは、同時に冷却される。
冷却部30にも、図示しないものの、作動油の供給調整のポンプ、作動油のタンク、作動油の圧力制御用のセンサ、冷却盤部の位置検知調整用のセンサ、冷却盤部の温度センサ、冷却盤部への冷水供給装置等が適式に備えられる。
熱転写成形ユニット10を加熱成形部20、冷却部30の順に搬送するための装置は、安定して搬送できる限り特段限定されない。実施例にあっては、図1、図2に開示されるように、熱転写成形ユニット10を掴持するチャック部41,41を備えた搬送装置40が用いられる。熱転写成形ユニット10は加熱成形部20、冷却部30の前進方向の配置順に搬送されるとともに、各加熱盤部21,21同士の間、あるいは各冷却盤31,31同士の間の所定位置に載置される。図中、符号61,63はローラーコンベアであり、熱転写成形ユニット10の移動を補助する。
冷却部30において冷却を終えた熱転写成形ユニット10は、図1参照のとおり、冷却部30の後側に配置される搬入部80に受け入れられる。熱転写成形装置1は搬出部50と搬入部80を備えているため、搬出部50では搬出のための準備や待機が可能となり、また搬入部80では搬入後の加工済み被加工材Wの取り出しや返送のための準備も可能となる。従って、加熱成形部20への搬入効率並びに冷却部30からの搬出効率が高められる。
また、熱転写成形装置1は返送装置45を備え、搬入部80から搬出部50へ、熱転写成形ユニット10を構成する上側収容部材101、下側収容部材102等の資材を返送可能としている。このため、熱転写成形装置1において、被加工材Wを封入した熱転写成形ユニット10を加熱成形部20と冷却部30との間で逐一進退させる必要はない。熱転写成形ユニット10は常に一方通行の搬送となり、成形加工の生産性が飛躍的に向上する。
前述の熱転写成形に当たり、スタンパと被加工材との隙間に空気が残留する場合がある。すると、空気が加熱成形時に熱膨張して被加工材に変形や成形漏れを生じさせてしまい、製品の歩留まりを押し下げてしまう。熱転写成形では微細な加工、成形が要求されるため、わずかな空気の残留も致命的である。このような不具合を改善する目的から、減圧条件下(真空条件下)で加熱成形することが主流になりつつある(背景技術の各特許文献参照)。減圧により真空度が増し、スタンパと被加工材との隙間に残留している空気の除去効率も高まる。そのため、スタンパと被加工材との密着が良好となり、成形精度を高めることができる。
図1及び図2の熱転写成形装置1では、被加工材が熱転写成形ユニットに収容されて熱転写成形装置内を順に搬送される。熱転写成形ユニットを用いることにより、まず、被加工材の成形加工の効率化が図られる。次に、熱転写成形ユニットにおいて適切な減圧状態(真空状態)を維持することができれば、搬送の利便性に伴う作業効率及び生産性の向上と、減圧状態の維持による品質向上の両立を図ることができる。これらの要望に応える搬送に好適な容器として本発明に規定する熱転写成形ユニットを完成するに至った。
熱転写成形ユニット10の構造について、図3及び図4の全体斜視図を用い説明する。熱転写成形ユニット10は上側収容部材101と下側収容部材102を組み合わせて形成される。上側収容部材101は、上側スタンパ11と密着するとともに加熱成形部20に設けられた加熱盤部21、冷却部30に設けられた冷却盤部31と当設する上側台板部103と、この上側台板部103の周囲に周設された上側台枠部110を備える。同様に、下側収容部材102は、下側スタンパ12と密着するとともに加熱成形部20に設けられた加熱盤部21、冷却部30に設けられた冷却盤部31と当設する下側台板部104と、この下側台板部104の周囲に周設された下側台枠部140を備える。
図7以降に詳述する可変調整部130は、上側収容部材101と下側収容部材102の合着後に上側台板部103と下側台板部104の距離を変化させて双方の密着性能を高める構造体である。図示の熱転写成形ユニット10の可変調整部130は上側収容部材101の側に備えられる。熱転写成形ユニット10における可変調整部130は、図示のとおり上側収容部材101の側に限られることなく、下側収容部材102の側、あるいは上下両方としてもよい。
図4より把握されるように、上側台枠部110と下側台枠部140との間に介装され、上側収容部材101と下側収容部材102との合着により生じる収容空間105内(図8等参照)の気密状態を維持するガスケット部106が備えられる。この熱転写成形ユニット10の場合、下側収容部材102の下側台枠部140の全周にわたり形成される下側密着面部147に弾性変形可能に装着されている。むろん、上側収容部材101の側にガスケット部106を備えることもできる。
図示では、上側収容部材101と下側収容部材102との合着位置を規定する合着位置決め部材120が下側台枠部140に設けられる。そこで、棒状の合着位置決め部材120を受け入れる挿入穴121(図10参照)が当該合着位置決め部材120と対応する位置の上側台枠部110に設けられる。
図3及び図4において、符号150(151,152)は収容空間脱気部であり、収容空間105内の減圧(脱気)に用いられ減圧(真空)状態を維持するための逆止弁構造を備えた部位である。また、160(161,162)は上側間隙脱気部、170(171,172)は下側間隙脱気部である。図示の熱転写成形ユニット10では、収容空間脱気部150と下側間隙脱気部170は下側台枠部140に備えられ、上側間隙脱気部160は上側台枠部110に備えられる。詳細は図6、11、12等にて説明する。また、図中、符号111は上枠ブロック、112はサポート枠部、113は上枠固定ボルト、119はストッパボルト、132は連結ピン、141は下枠ブロック、143は保持ボルトである。
図5の側面図は、熱転写成形ユニット10が熱転写成形装置1の加熱成形部20もしくは冷却部30に搬入された状態である。その後、熱転写成形ユニット10の上側台板部103及び下側台板部104は各部20,30における加熱盤部21,21もしくは冷却盤部31,31と当接し、上下の盤部から押圧される(図示省略)。
この熱転写成形装置1にあっては、加熱成形部20及び冷却部30の双方に、前記の収容空間脱気部150、上側間隙脱気部160、下側間隙脱気部170と結合し内部空気を吸気する脱気コネクタ部200が備えられる。すなわち、加熱盤部21,21もしくは冷却盤部31,31のプレス(押圧動作)に合わせて、前記の各脱気コネクタ部200はそれぞれの脱気部に装着(結合)可能とするためである。むろん、各コネクタ部の配置は図5の盤部の配置例に限られることなく、装置構成、作業性等を勘案して熱転写成形装置の最適な場所に設置される。
図6は熱転写成形ユニット10の上面図を示す。熱転写成形ユニット10内に収容されるPMMA、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる被加工材Wは、主に液晶テレビジョン、液晶ディスプレイ等の各種表示装置に装着されるバックライト用の導光板へ加工される。そこで、表示装置の画面サイズ、縦・横の比率に対応するため、実施例の熱転写成形ユニット10は上面視長方形形状を採用している。熱転写成形ユニットの形状は、内部に被加工材を収容できる範囲であれば長方形形状以外とすることができる。
熱転写成形ユニット10内の空気を脱気する各脱気部150,160,170は、それぞれ熱転写成形ユニット10の長手方向の左右に1個ずつ備えられる。つまり、第1収容空間脱気部151及び第2収容空間脱気部152、第1上側間隙脱気部161及び第2上側間隙脱気部162、第1下側間隙脱気部171及び第2下側間隙脱気部172である。むろん、脱気部を備える場所、個数は熱転写成形ユニットにおいて適宜ではあるもののユニット内部の脱気し易さやユニット自体の重心バランス等が加味される。
上側間隙脱気部160(161,162)は上側台板部103と上側スタンパ11との間隙を脱気するためであるから上側収容部材101の側に備えられる。逆に下側間隙脱気部170(171,172)は下側台板部104と下側スタンパ12との間隙を脱気するためであるから下側収容部材102の側に備えられる。収容空間脱気部150(151,152)は上側収容部材101もしくは下側収容部材102のいずれでもよい。ただし、下側収容部材102の上に上側収容部材101が重ねられてひとつのユニットが形成される。下側が上側よりも大きな部材として構成されるため、収容空間脱気部を配置する部分を確保しやすくなる。そのため、実施例のとおり、収容空間脱気部150(151,152)は下側収容部材102に備えられる。
熱転写成形ユニット10は上側収容部材101と下側収容部材102の上下に分離する。このため、収容空間脱気部150、上側間隙脱気部160、下側間隙脱気部170を上側収容部材と下側収容部材のいずれかに備える構造とすることにより、一方の収容部材側のみの構造が複雑化することを避けることができる。
熱転写成形ユニット10における分離状態、合着状態、及び減圧後の状態のそれぞれについて、図7、図8、及び図9の部分断面図を用い上側収容部材101と下側収容部材102の構造を交えて説明する。図7、図8、及び図9の部分断面図は、前出図6のX−X線における断面に相当する。
図7の熱転写成形ユニット10の状態は、上側収容部材101と下側収容部材102が分離している状態である。搬出部50における被加工材Wの組み込み時(装着時)もしくは搬入部80における被加工材Wの取り出し後に相当する。
上側収容部材101において、上側台板部103は上板固定ボルト114により上側収容部材の外枠となる上枠ブロック111側に接続、固定される。上側台板部103と上枠ブロック111との気密確保のため、上板ガスケット部115が周状に介装される。上側スタンパ11は、上スタンパ固定部118に挟まれて上側台板部103側に固定される。上スタンパ固定部118は上固定ボルト116により上枠ブロック111に接続される。図示実施例の場合、上枠ブロック111の上側であり、当該上枠ブロック111から外側に張り出すようにサポート枠部112が設けられる。サポート枠部112は連結ボルト113により上枠ブロック111に固定される。
サポート枠部112の直下であるとともに上枠ブロック111の外側に、当該上枠ブロック111を周状に囲む枠形状の可変シール枠部131が備えられる。可変シール枠部131と上枠ブロック111との間には隙間を埋めるためのパッキン134(Oリング等)、さらには摺動部材135が備えられ、双方の部材間の気密と円滑な摺動が確保される。可変シール枠部131の随所にばね穴部136が穿設され、このばね穴部136に調節ばね133が挿入される。従って、上枠ブロック111の周囲において可変シール枠部131は上下動可能に保持される。このことから、可変調整部130とは、可変シール枠部131、調節ばね133、サポート枠部112等の部材を含んだ構成である。
ばね穴部136の直上のサポート枠部112に可変調整ピン132が備えられる。可変調整ピン132には適宜ねじが組み込まれその下部に調節ばね133を押圧する押圧部132pが備えられる。そのため、可変調整ピン132により調節ばね133のばね弾性を調節することができる。例えば、被加工材やスタンパの板厚等により上側台板部103と下側台板部104の間隔を調整する場合に都合良い。実施例では、ストッパボルト119がサポート枠部112と可変シール枠部131をつなぎ合わせているため、可変シール枠部131はサポート枠部112から外れることはない(図12参照)。
下側収容部材102において、下側台板部104は下板固定ボルト144により下側収容部材の外枠となる下枠ブロック141側に接続、固定される。下側台板部104と下枠ブロック141との気密確保のため、下板ガスケット部145が周状に介装される。下側スタンパ12は、下スタンパ固定部148に挟まれて下側台板部104側に固定される。下スタンパ固定部148は下固定ボルト143により下枠ブロック141に接続される。被加工材Wと上側及び下側スタンパ11,12との位置合わせのため、必要によりスペーサー146も備えられる。
実施例では、下枠ブロック141の外周側の上部に下側当接面部147が形成される。下側当接面部147と対向する位置に、可変シール枠部131下部の上側当接面部137が形成される。下枠ブロック141の全周囲の下側当接面部147内に溝部147cが形成され、この溝部147c内にガスケット部106が部分的に露出するように埋設される。また、この断面図においては、収容空間脱気部150と接続する収容空間脱気流路210が形成される。下枠ブロック141の外側に収容空間脱気部150の第2収容空間脱気部152が備えられる。第2収容空間脱気部152内の符号153は気密ばね、154は胴部、155は開口部、156はピストン部、157はピストンシール部、158は蓋部、159は摺動筒部である。各部の作用等は図11にて詳述する。
図8の熱転写成形ユニット10の状態は、上側収容部材101と下側収容部材102が合着した状態である。搬出部50において被加工材Wが組み込まれたときもしくは搬入部80において被加工材Wの取り出す直前に相当する。図8は、下側収容部材102の上に上側収容部材101が位置合わせされて載置、合着された状態となる。
上側収容部材101と下側収容部材102との合着の際、上側当接面部137は、上下に対向する位置にある下側当接面部147と当接する。そして、下側当接面部147のガスケット部106は圧迫変形を伴い上側当接面部137へ圧着する。この結果、熱転写成形ユニット10において、上側収容部材101の上側台板部103、上枠ブロック111、可変シール枠部131と、下側収容部材102の下側台板部104、下枠ブロック141により囲まれ、気密維持可能な収容空間105が形成される。
上側収容部材101と下側収容部材102との合着時の位置合わせの際、合着位置決め部材120(図4参照)が用いられる。ここで、図10の断面図を用い合着位置決め部材120とその付近の部材を説明する。図示実施例の合着位置決め部材120は棒状の部材からなり下枠ブロック141に形成された穿設孔122内に挿入される。こうして合着位置決め部材120は下側収容部材102側に固定される。
上側収容部材101の上枠ブロック111において、棒状の合着位置決め部材120の直上位置に当該合着位置決め部材120を受け入れる挿入穴121が形成される。図示では、上スタンパ固定部118にも合着位置決め部材120のための貫通穴が形成され、合着位置決め部材120が貫通可能である。挿入穴121の下部に位置決めブッシュ123が配される。このように、合着位置決め部材120を配置することにより、上側収容部材101と下側収容部材102との合着時の位置合わせは容易になる。図4から把握されるように、合着位置決め部材120は少なくとも2個以上備えられる。なお、合着位置決め部材120の配置は図示のとおり下側収容部材102に限られず、上側収容部材101側とすることもできる。また、合着位置決め部材の本数も適宜である。
図9の熱転写成形ユニット10の状態は、図8の合着状態により形成された収容空間105から空気が脱気された減圧状態(真空状態)である。搬出部50において搬出の準備が完了したとき、当該熱転写成形ユニットの搬送中、あるいは加熱成形部20における熱転写プレス前、または冷却部30における冷却プレス前に相当する。図示から把握されるように、当該収容空間105は前掲図8よりも上側収容部材101の上側台板部103と下側収容部材102の下側台板部104との間隔がより狭まる。このため、上側台板部103、上側スタンパ11、被加工材W、下側スタンパ12、及び下側台板部104は隙間なく密着される。
実施例の熱転写成形ユニット10では、上側収容部材101に可変調整部130が備えられている。まず、熱転写成形ユニット10における収容空間105は、下側収容部材102の下枠ブロック141(下側当接面部147、ガスケット部106)と可変シール枠部131(上側当接面部137)との密着により確保される。次に、可変シール枠部131が上枠ブロック111の外側全周にわたり上下動可能であるため、上枠ブロック111の上側台板部103は、可変シール枠部131と下枠ブロック141との当接位置よりも押下方向に進んで降下することができる。また、可変シール枠部131と上枠ブロック111との間のパッキン134、摺動部材135により気密性と摺動も確保される。
上側収容部材101が可変調整部130を備えていることにより、減圧時(真空時)の上側台板部103の位置調節は容易となる。例えば、被加工材W、上側スタンパ11や下側スタンパ12の厚さが変更されたとしても、柔軟に対応して、被加工材とスタンパとの密着力を高めることができ、成形精度の向上に貢献することができる。
実施例の熱転写成形ユニット10における各脱気部150,160,170と脱気コネクタ部200との接続態様について、図11及び図12を用い説明する。図11は、前出図6のX−X線における断面に相当し、加熱成形部20もしくは冷却部30に備えられた脱気コネクタ部200が、収容空間脱気部150の第2収容空間脱気部152に装着した状態である。
脱気コネクタ部200に当接棒状部202が突出して形成される。当接棒状部のまわりに空気漏れを防ぐための弾性ある保護部材201も備えられる。当接棒状部202には、空気が流出、流入するための流通路203が形成される。
収容空間脱気部150の第2収容空間脱気部152は、前掲図4、図6から理解されるように、直方体形状の胴部154に蓋部158が組み合わされる。第2収容空間脱気部152(胴部154)の内部には、内腔部152oが形成され、内腔部152o内に摺動筒部159が収められる。摺動筒部159の内側にピストン部156は上下動自在にはめ込まれる。ピストン部156と第2収容空間脱気部152(蓋部158)との間に気密ばね153が介在され、ピストン部156は常時下方に付勢される。
第2収容空間脱気部152の下端に開口部155が形成され、脱気コネクタ部200の当接棒状部202が受け入れられる。ピストン部156の下端には適宜の弾性材料からなるピストンシール部157が設けられる。通常、気密ばね153の付勢力によりピストン部156が押下されることにより、ピストンシール部157は第2収容空間脱気部152の下端側に押圧され、開口部155は塞がれる。当接棒状部202がピストンシール部157(ピストン部156)を押圧しない限り、開口部155の閉塞は維持され、空気の流出入は抑制される。従って、第2収容空間脱気部152は逆止弁となる。逆止弁を採用するため、部品数を減らした簡単な構造により、開口部の閉塞とその解除が可能となる(後記する上側間隙脱気部並びに下側間隙脱気部も同様である。)。なお、第1収容空間脱気部151についても同様の構造であるため、説明を省略する。
図11のとおり、脱気コネクタ部200の当接棒状部202がピストンシール部157と接触し、気密ばね153の付勢力に抗してピストン部156を押圧するとき、ピストンシール部157と開口部155との密着は解除される。このとき、収容空間105は、収容空間脱気流路210及び開口部155を通じて、熱転写成形ユニット10の外部とつながる。流通路203は公知の真空ポンプ(図示せず)と接続されており、脱気コネクタ部200の流通路203を通じて空気が吸引される(図中、太矢印参照)。そこで、収容空間105内の減圧が進み、真空状態を得ることができる。
熱転写成形装置1の搬入部80において被加工材Wの成形を終えて上側収容部材101と下側収容部材102との合着を解除しようとする場合、前述とは逆に、脱気コネクタ部200の流通路203を通じて圧縮空気が開口部155から送り込まれる(図中、太矢印参照)。このときの流通路203は公知のコンプレッサ(図示せず)に接続されている。圧縮空気は収容空間脱気流路210を通じて収容空間105内に侵入して内部は陽圧になり、収容空間105を広げようと作用する。結果、上側収容部材101と下側収容部材102の剥離は容易となる。
図12は、前出図6のY−Y線における断面に相当し、加熱成形部20もしくは冷却部30に備えられた脱気コネクタ部200が、上側間隙脱気部160の第1上側間隙脱気部161及び下側間隙脱気部170の第1下側間隙脱気部171に装着した状態である。脱気コネクタ部200の詳細は図11の説明と同様であるため省略する。ここで、図12に示すストッパボルト119の取り付け状態からわかるように、ストッパボルト119はサポート枠部112を貫通して可変シール枠部131と螺合する。そして、サポート枠部112には、ストッパボルト119の頭部が上下動可能な受け穴部117が形成され、受け穴部117の底部にストッパボルト119の頭部が当接して移動が規制される。ストッパボルト119を通じた可変シール枠部131の上下移動量は受け穴部117の深さとなり、可変シール枠部131のサポート枠部112からの脱落は防止される。
上側収容部材101に備えられる上側間隙脱気部160の第1上側間隙脱気部161も、前掲図3、図6から理解されるように、直方体形状の胴部164とともに台部168が組み合わされる。第1上側間隙脱気部161(胴部164)の内部には、内腔部161oが形成され、内腔部161o内に摺動筒部169が収められる。摺動筒部169の内側にピストン部166は上下動自在にはめ込まれる。ピストン部166と第1上側間隙脱気部161(台部168)との間に気密ばね163が介在され、ピストン部166は常時上方に付勢される。
第1上側間隙脱気部161の上端に開口部165が形成され、脱気コネクタ部200の当接棒状部202が受け入れられる。ピストン部166の上端には適宜の弾性材料からなるピストンシール部167が設けられる。通常、気密ばね163の付勢力によりピストン部166が押し上げられ、ピストンシール部167は第1上側間隙脱気部161の上端側に押圧され、開口部165は塞がれる。当接棒状部202がピストンシール部167(ピストン部166)を押圧しない限り、開口部155の閉塞は維持され、空気の流出入は抑制される。従って、第1上側間隙脱気部161も逆止弁となる。なお、第2上側間隙脱気部162についても同様の構造であるため、説明を省略する。
図12のとおり、脱気コネクタ部200の当接棒状部202がピストンシール部167と接触し、気密ばね163の付勢力に抗してピストン部166を押圧するとき、ピストンシール部167と開口部165との密着は解除される。このとき、上側収容部材101の上側台板部103と上側スタンパ11との上側間隙G1は、上側間隙脱気流路211及び開口部165を通じて熱転写成形ユニット10の外部とつながる。脱気コネクタ部200の流通路203を通じて空気が吸引され、前記の上側間隙G1内の真空状態を得ることができる(図中、太矢印参照)。上側間隙脱気部160(161,162)を上側収容部材101側に備えることにより、最短距離で上側間隙G1内の空気を直接吸引することができる。
下側間隙脱気部170の第1下側間隙脱気部171も、前掲図4、図6から理解されるように、直方体形状の胴部174に蓋部178が組み合わされる。第1下側間隙脱気部171(蓋部178)の内部には、内腔部171oが形成され、内腔部171o内に摺動筒部179が収められる。摺動筒部179の内側にピストン部176は上下動自在にはめ込まれる。ピストン部176と第1下側間隙脱気部171(蓋部178)との間に気密ばね173が介在され、ピストン部176は常時下方に付勢される。
第1下側間隙脱気部171の下端に開口部175が形成され、脱気コネクタ部200の当接棒状部202が受け入れられる。ピストン部176の下端には適宜の弾性材料からなるピストンシール部177が設けられる。通常、気密ばね173の付勢力によりピストン部176が押下されることにより、ピストンシール部177は第1下側間隙脱気部171の下端側に押圧され、開口部175は塞がれる。当接棒状部202がピストンシール部177(ピストン部176)を押圧しない限り、開口部175の閉塞は維持され、空気の流出入は抑制される。従って、第1下側間隙脱気部171も逆止弁となる。なお、第2下側間隙脱気部172についても同様の構造であるため、説明を省略する。
同様に、図12のとおり、脱気コネクタ部200の当接棒状部202がピストンシール部177と接触し、気密ばね173の付勢力に抗してピストン部176を押圧するとき、ピストンシール部177と開口部175との密着は解除される。このとき、下側収容部材102の下側台板部104と下側スタンパ12との下側間隙G2は、下側間隙脱気流路212及び開口部175を通じて熱転写成形ユニット10の外部とつながる。脱気コネクタ部200の流通路203を通じて空気が吸引され、前記の下側間隙G2内の真空状態を得ることができる(図中、太矢印参照)。下側間隙脱気部170(171,172)を下側収容部材102側に備えることにより、最短距離で下側間隙G2内の空気を直接吸引することができる。
このように、上側スタンパ11と上側台板部103との密着力及び下側スタンパ12と下側台板部104との密着力が高められることから、スタンパと台板部側との位置ずれがいっそう抑制される。つまり、被加工材の成形精度の向上に寄与する。
実施例にて開示の熱転写成形装置1では加熱成形部20、冷却部30に公知の真空ポンプが接続される。搬送時に熱転写成形ユニット10の収容空間105内の真空度が低下しても再度加熱成形部20、冷却部30において脱気コネクタ部200を通じて各脱気部から空気の吸引(減圧)が行われるため、より低い真空度を得ることができる。それゆえ、スタンパと被加工材との密着が高まり互いの固定位置のずれが回避される。そこで、成形時の不具合が解消される。また、スタンパが密着するため被加工材を効率よく加熱及び冷却することもできる。
熱転写成形装置1の搬入部80において被加工材Wの成形を終えて熱転写成形ユニット10の上側収容部材101と下側収容部材102との合着を解除し、上側スタンパ11、下側スタンパ12の入れ替えを行う場合、前述とは逆に、脱気コネクタ部200の流通路203を通じて圧縮空気は流入可能である。圧縮空気は開口部165から送り込まれ、上側間隙脱気流路211を通じて上側間隙G1内に達する。圧縮空気により上側台板部103と上側スタンパ11との上側間隙G1は広げられる。同様に、圧縮空気は開口部175から送り込まれ、下側間隙脱気流路212を通じて下側間隙G2内に達する。圧縮空気により下側台板部104と下側スタンパ12との下側間隙G2も広げられる。結果、圧縮空気により陽圧となることから各スタンパの剥離は容易となる。圧縮空気の流れは図中の太矢印により参照される。
これまでの説明から理解されるように、被加工材を単独ではなく、熱転写成形ユニットとして高度な減圧状態(真空状態)を維持した状態のまま搬送することができる。このため、スタンパと被加工材の密着性が高まることによって位置ずれが解消し成形精度が向上する。また、従前の装置のように加熱成形部や冷却部自体を減圧チャンバで囲む必要もなくなり、装置自体も簡素化することができる。加えて、途中の加熱成形部の加熱盤部や冷却部の冷却盤部の温度をほぼ一定化することができることから、温度の昇降調節も不要となり、時間短縮に貢献する。
また、背景技術にて開示の特許文献1(特開2005−238495号公報)等の加熱成形部及び冷却部を備え、両部間で被加工材を前後移動させる熱成形装置に対しても、軽微な改造により本発明の熱転写成形ユニットを適用して成形加工が可能となる。
1 熱転写成形装置
10 熱転写成形ユニット
11 上側スタンパ
12 下側スタンパ
20 加熱成形部
21 加熱盤部
30 冷却部
31 冷却盤部
40 搬送装置
41 チャック部
50 搬出部
80 搬入部
101 上側収容部材
102 下側収容部材
103 上側台板部
104 下側台板部
105 収容空間
106 ガスケット部
110 上側台枠部
111 上枠ブロック
112 サポート枠部
120 合着位置決め部材
121 挿入穴
122 穿設孔
130 可変調整部
131 可変シール枠部
132 可変調整ピン
133 調節ばね
137 上側当接面部
140 下側台枠部
141 下枠ブロック
147 下側当接面部
150 収容空間脱気部
151 第1収容空間脱気部
152 第2収容空間脱気部
160 上側間隙脱気部
161 第1上側間隙脱気部
162 第2上側間隙脱気部
170 下側間隙脱気部
171 第1下側間隙脱気部
172 第2下側間隙脱気部
153,163,173 気密ばね
155,165,175 開口部
156,166,176 ピストン部
157,167,177 ピストンシール部
200 脱気コネクタ部
202 当接棒状部
203 流通路
210 収容空間脱気流路
211 上側間隙脱気流路
212 上側間隙脱気流路
G1,G2 間隙
W 被加工材

Claims (6)

  1. 被加工材と該被加工材の上下表面から密着して型面を転写する上側スタンパ及び下側スタンパを収容し、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパを収容して減圧状態を維持しながら加熱成形部、冷却部の順に搬送して前記被加工材の熱転写成形を行うために用いる熱転写成形ユニットであって、
    前記上側スタンパと密着するとともに前記加熱成形部に設けられた加熱盤部及び前記冷却部に設けられた冷却盤部と当接する上側台板部と、前記上側台板部の周囲に周設された上側台枠部を備えた上側収容部材と、
    前記下側スタンパと密着するとともに前記加熱成形部に設けられた加熱盤部及び前記冷却部に設けられた冷却盤部と当接する下側台板部と、前記下側台板部の周囲に周設され前記上側台枠部と合着する下側台枠部を備えた下側収容部材と、
    前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着により形成され、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパを収容する収容空間内を減圧する収容空間脱気部と、
    前記上側台枠部と前記下側台枠部との間に介装され前記収容空間内の気密を保持するガスケット部と、
    前記上側台枠部または前記下側台枠部のいずれかもしくは両方に備えられ、前記上側台板部と前記下側台板部との距離を可変させる可変調整部と
    を有することを特徴とする熱転写成形ユニット。
  2. 前記収容空間脱気部が、前記上側台枠部または前記下側台枠部のいずれかに備えられる請求項1に記載の熱転写成形ユニット。
  3. 前記収容空間脱気部が逆止弁である請求項1または2に記載の熱転写成形ユニット。
  4. 前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着位置を規定する合着位置決め部材が備えられる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱転写成形ユニット。
  5. 前記上側台板部と前記上側スタンパとの間隙を脱気する上側間隙脱気部が前記上側収容部材に備えられる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱転写成形ユニット。
  6. 前記下側台板部と前記下側スタンパとの間隙を脱気する下側間隙脱気部が前記下側収容部材に備えられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱転写成形ユニット。
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