JP5639131B2 - カーテンエアバッグ装置の配置構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車における側面衝突や横転時等に、ルーフサイドレールに沿ってカーテン状にエアバッグを展開させるカーテンエアバッグ装置の配置構造に関する。
近年、自動車における側面衝突や横転時に、ルーフサイドレールに沿って下方にカーテン状にエアバッグを展開させて乗員を保護するカーテンエアバッグ装置が搭載される。
この種のカーテンエアバッグ装置のエアバッグは、ルーフサイドレールに沿って折り畳まれた収納状態で配置され、ルーフトリムの端末部によって車室内側が覆われている。また、この収納状態では、ルーフトリムの端末部の端縁にセンタピラートリムやクォータピラートリム等のピラートリムの上端部が車室内側から重ねられた状態で配置される。
エアバッグを展開させるには、膨張展開するエアバッグによりルーフトリムの端末部を車室内側へ湾曲変形させつつ、この変形によって生じた端末部とサイドガラス及びピラートリムの上端部との隙間から車室内にカーテン状に展開させる。
しかしながら、ピラートリムは、乗員や荷物等の接触によって容易に変形や発傷及び破損しないように、一般に軟質のルーフトリムよりも硬質な部材、具体的には硬質の合成樹脂によって形成される。この種の合成樹脂は特に低温時に硬化して割れやすくなる性質を有しており、エアバッグの展開時に急激に膨張展開するエアバッグが接触するとピラートリムの上端部が破損してその破片が周囲に飛散するおそれがある。
この対策として、例えば、特許文献1には、エアバッグがカーテン状に展開する際に、ピラートリムの上端部を覆うように展開するエアバッグガイドを備えたカーテンエアバッグ装置が開示されている。
特許文献1のカーテンエアバッグ装置の概要を図7及び図8を参照して説明する。図7はカーテンエアバッグ装置が配置された車室側部を車室内側から見た状態を示す概略側面図であり、図8は図7のVIII−VIII線に沿った拡大断面図である。
図7に示すように、カーテンエアバッグ装置100は、フロントピラー111、センタピラー112及びクォータピラー114等の間に亘りルーフサイドレール115に沿って折り畳まれた収納状態で配置されたエアバッグ101と、図示しない側面衝突時等に作動してガスを噴出するインフレータとを主要要素として構成される。
図8に示すように、カーテンエアバッグ装置100のエアバッグ101は、車室内の天井を形成するルーフトリム117の下方に湾曲する端末部117Aによって車室内側が覆われる。また、ルーフトリム117の端末部117Aの端縁にピラートリム118の上端部118Aが車室内側から重ねられる。
センタピラー112は、ピラーインナパネル113と、サイドアウタパネル115のセンタピラー部115Aとを主要部として構成される。サイドアウタパネル115のルーフサイドレール部115Bの車室内側にルーフサイドレール116が車体前後方向に延在し、ルーフサイドレール116の車室内側にピラーインナパネル113の上端部が結合される。また、ルーフサイドレール116の上部に形成される結合フランジに、ルーフサイドレール部115Bの内側縁部及びルーフパネル119の外側縁部が結合される。
センタピラー112の車室内側に設けるピラートリム118の上端部118Aに車室外側上方へ延在する取付壁部118Bが一体形成され、取付壁部118Bの上端から車室外側下方へ向かって形成された取付部118Cがクリップによってピラーインナパネル113に固定される。
一方、取付壁部118Bの上端から上方に伸びる上壁部118Dが形成され、上壁部118Dの上端から車室外側斜め上方に延在するガイド壁部118Eに折り畳まれたエアバッグ101を設ける。また、上壁部118Dに上部120Aが車室内側方向へ変形することでピラートリム118の上端部118Aを覆うエアバッグガイド120が設けられる。
エアバッグ101は、インフレータからガスが供給されることで、折り畳まれた状態から仮想線で示すように膨張展開する。このエアバッグ101の膨張展開時に、エアバッグガイド120の上部120Aが車室内側へ変形して、仮想線で示すようにピラートリム118の上端部118Aを覆う。また、エアバッグ101が膨張展開する際には、エアバッグ101の膨張展開力による押圧力によってルーフトリム117の端末部117Aを仮想線で示すように車室内側方向に押し開く。
このようにエアバッグ101の展開時にピラートリム118の上端部118Aをエアバッグガイド120によって覆うことで、急激に膨張展開するエアバッグ101がピラートリム118の上端部118Aに直接的に接触することがなく、ピラートリム118の上端部118Aの破損が未然に防止でき、その破片が周囲に飛散することが防止できる。
特開2008−230474号公報
しかし、上記特許文献1によると、エアバッグ101の展開時にその膨張展開による押圧力によってルーフトリム117の端末部117Aを車室内方に押し広げる。一方、センタピラー112の部分においては車室内方向の押圧力によりエアバッグガイド120の上部120Aを押圧して湾曲変形し、連続してエアバッグガイド120の上部120A及びルーフトリム117の端末部117Aを共に押し広げることから、該部におけるルーフトリム117の端末部117Aを押し広げる押圧力が減少すると共にルーフトリム117の端末部117Aの押し広げの開始が遅れ、エアバッグ101の膨張展開が局部的に阻害されてエアバッグ101の膨張展開に時間的なバラツキが発生してエアバッグ101の円滑な膨張展開が妨げられる。また、エアバッグ101の展開完了時間が遅くなる等展開に影響を及ぼすことが懸念される。
従って、本発明の目的は、エアバッグを円滑に展開することができるカーテンエアバッグ装置の配置構造を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置の配置構造の発明は、ルーフサイドレールに沿って折り畳んだ収納状態のエアバッグが配置されると共に、天井を形成して端末部によって前記収納状態のエアバッグを覆うルーフトリムと、ピラーの車室内側を覆うピラートリムを備え、エアバッグ膨張展開時に前記ルーフトリムの端末部を車室内側に押圧変形せしめて該端末部と前記ピラートリムの上端部との間より車室内にカーテン状に膨張展開するカーテンエアバッグ装置の配置構造において、前記収納状態のエアバッグの下面に上面が対向して先端が車室内方側となる板状のエアバッグガイドと、該エアバッグガイドを該エアバッグガイドの先端がピラートリムの上端部より上方においてルーフトリムの端末部と隙間を有して対向して上面が収納状態のエアバッグの下面に対向する通常位置に保持すると共に、展開時のエアバッグによるエアバッグガイドの上面への下方向の押圧付与に伴って該エアバッグガイドが膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導する作用位置に移動せしめるエアバッグガイド支持部とを備えたことを特徴とする。
これによると、エアバッグの膨張展開時に、展開するエアバッグがルーフトリムの端末部を車室内方へ押圧する一方、エアバッグガイドの上面を下方方向に押圧付与することで通常位置のエアバッグガイドが、膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導する作用位置に移動することで、急激に膨張展開するエアバッグがピラートリムの上端部に当接することがなく、ピラートリムの上端部の破損等が防止できる。
また、エアバッグの膨張展開時にルーフトリムの端末部を車室内方に押し広げる押圧力が、エアバッグガイドを下方へ押圧付与する押圧力に影響されることなくルーフトリムの端末部に沿って直接作用して押し広げることから、エアバッグの膨張展開がエアバッグの全長に亘り阻害されることがなく円滑で均一な膨張展開が得られ、迅速な膨張展開が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1のカーテンエアバッグ装置の配置構造において、前記作用位置におけるエアバッグガイドは、ピラートリムの上端部を先端で上方から覆うことを特徴とする。これはエアバッグガイドの具体的な作用位置であって、エアバッグガイドでピラートリムの上端部を上方から覆うことで、展開時にエアバッグがピラートリムの上端部に接触することが確実に防止できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1のカーテンエアバッグ装置の配置構造において、前記作用位置におけるエアバッグガイドは、先端がピラートリム上端部より車室外方で上面がピラートリムの上端部の上端と同じ高さ或いは上方であることを特徴とする。
これはエアバッグガイドの具体的な作用位置であって、エアバッグガイドの先端がピラートリム上端部より車室外方で上面がピラートリムの上端部の上端と同じ高さ或いは上方に設定することで、展開時にエアバッグがピラートリムの上端部に接触することが確実に防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1のカーテンエアバッグ装置の配置構造において、前記作用位置におけるエアバッグガイドは、先端がピラートリム上端部より車室外方で膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導するピラートリムの上端部の上端より下方であることを特徴とする。
これはエアバッグガイドの具体的な作用位置であって、エアバッグガイドの先端がピラートリム上端部より車室外方で上面がピラートリムの上端部の上端より下方に位置し、詳細には膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導するピラートリムの上端部の上端より下方位置に設定することで、展開時にエアバッグがピラートリムの上端部に接触することが防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項のカーテンエアバッグ装置の配置構造において、前記エアバッグガイド支持部は、前記ピラートリムより車室外方に突出する支持部及び、該支持部の先端にヒンジを介在して車室内方側上方向けて延在すると共に先端がヒンジを介在して前記エアバッグガイドの先端に結合する先端誘導部を備えたエアバッグガイド先端誘導部と、前記ピラーに基端が結合されて先端に前記エアバッグガイドの下面が摺接可能な当接部を備えたエアバックガイド下面誘導部とを備えたことを特徴とする。
これによると、ピラートリムより車室外方に突出する支持部及び、該支持部の先端にヒンジを介在して車室内方側上方に向けて延在すると共に先端がヒンジを介在してエアバッグガイドの先端に結合する先端誘導部を備えたエアバッグガイド先端誘導部と、前記ピラーに基端が結合されて先端に前記エアバッグガイドの下面が摺接可能な当接部を備えたエアバッグガイド下面誘導部による簡単な構成でエアバッグガイド支持部が構成できる。
請求項6の発明は、請求項5のカーテンエアバッグ装置の配置構造において、前記エアバッグガイド先端誘導部及びエアバッグガイドは、前記ピラートリムと一体形成されたことを特徴とする。これによると、エアバッグガイド先端誘導部及びエアバッグガイドをピラートリムと一体形成することで、構成部品点数の削減が得られ、作業及び管理の簡素化が得られる。
本発明によると、エアバッグの展開時に、展開するエアバッグがエアバッグガイドを下方に向けて押圧付与することで通常位置のエアバッグガイドが、膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導する作用位置に移動することで、急激に膨張展開するエアバッグがピラートリムの上端部に当接することがなくなり、ピラートリムの上端部の破損等が防止できる。
また、エアバッグの膨張展開時にルーフトリムの端末部を車室内方に押圧する押圧力が、エアバッグガイドを下方に押圧付与する押圧力に影響されることなく端末部に沿って直接作用して押し広げることから、エアバッグの膨張展開がエアバッグの全長に亘り阻害されることなく円滑で均一な膨張展開が得られ、迅速な膨張展開が得られる。
本発明の第1実施の形態に係るカーテンエアバッグ装置の配置構造の概要を示す車室側部を車室内側から見た概略側面図である。 図1のII−II線に沿った拡大断面図である。 図2のIII部拡大図である。 図3の要部分解斜視図である エアバッグ展開状態を示す断面図である。 第2実施の形態の概要を示す概略断面図である。 従来のカーテンエアバッグ装置を備えた車体構造を示す車室側部を車室内側から見た状態を示す概略側面図である。 図7のVIII−VIll線に沿った拡大側面図である。
(第1実施の形態)
以下、本発明の第1実施の形態を図に基づいて説明する。図1はカーテンエアバッグ装置の配置構造の概要を示す車室側部を車室内側から見た概略側面図、図2は図1のII−II線に沿った拡大断面図、図3は図2のIII部拡大図、図4は要部分解斜視図である。なお、図中矢印Fは車両前方方向を示し、矢印INは車幅方向内側を示す。
図1に示すように、車室側部に前方から順にフロントピラー(Aピラー)11、センタピラー(Bピラー)12、クォータピラー(Cピラー)15、図示しないリヤピラー(Dピラー)が配置され、フロントピラー11、センタピラー12、クォータピラー15及びリヤピラーの上部は車体前後方向に延在するルーフサイドレール16に結合される。
本実施の形態のカーテンエアバッグ装置51は、フロントピラー11からセンタピラー12及びクォータピラー15との間に亘りルーフサイドレール16に沿って折り畳まれた収納状態で配置されたエアバッグ52と、エアバッグ52の長手方向後端に接続して側面衝突時及び横転時等に作動してガスを噴出する略円柱形状のインフレータ55とを主要部として構成される。
エアバッグ52の上縁部は所定間隔で取付片53が形成されており、これら取付片53がルーフサイドレール16に締結される。エアバッグ52を膨張展開させるインフレータ55はブラケット等によってルーフサイドレール16に締結固定される。また、エアバッグ52の後端部52aにインフレータ55のガス噴出部55aが接続される。インフレータ55は、図示しないエアバッグECUに接続されており、側面衝突検知センサ或いは横転検知センサによって側面衝突或いは横転状態が検知された際に作動してガスを発生する。
図2及び図3に示すように、カーテンエアバッグ装置51のエアバッグ52は、センタピラートリム25及び車室内の天井を形成するルーフトリム21の端末部21Aによって車室内側から覆われる。換言すると、ルーフトリム21の端末部21Aの内側に長尺状態に折り畳まれた収納状態のエアバッグ52が格納される。
また、この収納状態ではルーフトリム21の端末部21Aの端縁に、センタピラー12に配置されるセンタピラートリム25の上端部25A及びクォータピラー15に配置されるクォータピラートリム45の上端部45Aが車室内側から重ねられた状態で配置される。
センタピラー12は、車室内側に配置される断面略ハット状で上下方向に延在するピラーインナパネル13と、車室外側に配置されて上下方向に延在するサイドアウタパネル10のセンタピラー部10Aによって上下方向に延在する閉断面形状に形成される。このピラーインナパネル13とセンタピラー部10Aとの間にセンタピラー部10Aに沿って上下方向に延在するピラーリンホース14が配置される。
ルーフサイドレール16は、車室内側に配置される断面ハット状のサイドレールインナパネル17と、車室外側に配置されるサイドレールアウタパネル18とで閉断面構造を形成し、サイドレールインナパネル17にピラーインナパネル13の上端部13Aが固定される。また、サイドレールアウタパネル18にピラーリンホース14の上端が固定される。
ルーフサイドレール16の上部に形成される結合フランジ16Aにサイドアウタパネル10のサイドレールアウタ部10Bの車幅方向内側縁部及びルーフパネル19の車幅方向外側縁部が結合される。また、ルーフパネル19の下面に沿って車幅方向に延在するブレース20の車幅方向端部がサイドレールインナパネル17の車室内側面に結合される。
センタピラートリム25は、図2及び図3に断面を示し、かつ図4に斜視図を示すようにセンタピラー12の車室内側に対向する内側面26A、センタピラー12の前面側及び後面側に対向する前側面26B及び後側面26Cを有する断面略コ字状の基部26を有し、内側面26Aの上端にルーフトリム21の下端部21Aに車室内側から重なる上端部25Aが形成される。また、前側面26Bの下端にセンタピラー12のピラーインナパネル13にクリップ等で固定する取付部27Aが形成され、後側面26Cの上端にサイドレールインナパネル17にクリップ等で固定する取付部27Bが形成される。
センタピラートリム25の内側面26Aにベルト挿通孔28が開口し、図示しないシートベルト装置のリトラクタから繰り出されてセンタピラー12に設けられたスルーリング29で反転したシートベルト56がベルト挿通孔28から車室内側に誘導される。なお、シートベルト装置は本発明とは直接的な関係がないので説明は省略する。
センタピラートリム25の上端部25Aの近傍にエアバッグガイド32と、エアバッグガイド32の移動を制御するエアバッグガイド先端誘導部34及びエアバッグガイド下面誘導部39からなるエアバッグガイド支持部33によって構成されるエアバッグガイド部31が配置される。
エアバッグガイド32は、センタピラートリム25の上端部25Aとセンタピラーインナパネル13との間に略水平方向に延在可能であって、折り畳まれた収納状態のエアバッグ52の下面に対向する上面32a及び下面32bを有する矩形板状で、ルーフトリム21の端末部21Aと対向する先端32cが薄肉部によって形成された可撓性を有する樹脂ヒンジ、いわゆるセルフヒンジ38を介在して後述するエアバッグガイド先端誘導部34の先端誘導部37に一体的に連結する。
エアバッグガイド先端誘導部34は、センタピラートリム25の上端部25Aより下方において内側面26Aから車室外方向に向けて斜め上方に突出する略矩形板状の支持部35を有し、支持部35の下面と内側面26Aと連結する補強リブ35Aが設けられる。支持部35の先端に車両前後方向に延在する薄肉部によって形成された可撓性を有するセルフヒンジ36を介在して車室内方向上方に向けて延在する矩形板状の先端誘導部37が連接され、先端誘導部37の先端に車両前後方向に延在する薄肉部によって形成された可撓性のセルフヒンジ38を介しエアバッグガイド32の先端32cが一体に連結される。
エアバッグガイド下面誘導部39は、略クランク状に折曲する板状であって、ピラーインナパネル13に結合される基部39a及び基部39aから車室内方に屈曲してピラーインナパネル13から離反し、かつ上方に屈曲してエアバッグガイド先端誘導部34の支持部35の先端に近接して対向する本体部39bを有し、本体部39bの上端に折り畳まれた状態のエアバッグ52の下面と間隙を有して対向して車両前後方向に延在する断面円弧状の当接部40を有する。
図3に示すように、エアバッグガイド32の上面32aが収納状態のエアバッグ52の下面に対向する通常状態では、エアバッグガイド32の先端32cがセンタピラートリム25の上端部25Aより上方においてルーフトリム21の端末部21Aと間隙を有して対向し、エアバッグガイド32の下面32bがエアバッグガイド下面誘導部39に形成された当接部40と間隙を有して対向している。
一方、エアバッグガイド32の上面32aにエアバッグ52の膨張展開により押圧力付与、即ち下方に向かう押圧力P2が作用すると、その押圧力P2によってエアバッグガイド32が押し下げられて仮想線で示すように、エアバッグガイド32の下面32bがエアバッグガイド下面誘導部39の当接部40に当接して受け止められ、かつ先端32cがセルフヒンジ38を軸として下方に回動する先端誘導部37によってセンタピラートリム25の上端部25Aの上端25aに向かって車室内側及び下方に誘導されて、センタピラートリム25の上端部25Aを上方から覆うと共に上端部25に当接する作用位置、即ち、エアバッグガイド32が膨張展開するエアバッグ52をピラートリム25の上端部25Aから離反する非接触状態に誘導する作用位置に受け止められる。
なお、クォータピラー15に配置されるクォータピラートリム45においても、説明を省略するがエアバッグガイド部31と同様の構成及び作用のエアバッグガイド部を備える。
次に、この実施の形態の作用を図3及びエアバッグ展開状態を示す図5を参照して説明する。
車両の図示しない側面衝突センサ或いは横転検知センサによって側面衝突或いは横転が検知されると、側面衝突センサ或いは横転検知センサからインフレータ55に信号が送られ、インフレータ55が作動してガスをエアバッグ52に噴射する。エアバッグ52内に噴射されたガスは、エアバッグ52を膨張することで、その車室内方向の押圧力P1によりルーフトリム21の端末部21Aをフロントピラー11側からクォータピラー15より後方の略全長に亘り車室内側方向に押し開く。
一方、エアバッグ52の膨張展開力は、ルーフトリム21の端末部21Aを車室内方へ押圧する押圧力P1と異なる方向である下方方向に向かう押圧力P2によりセンタピラートリム25に配置されたエアバッグガイド部31のエアバッグガイド32を押し下げる。押し下げられたエアバッグガイド32は、図3に仮想線で示し、かつ図5に示すように下面32bがエアバックガイド下面誘導部39の当接部40に当接して受け止められ、かつ先端32cがセルフヒンジ38を軸として下方に回動する先端誘導部37によってセンタピラートリム25の上端部25Aの上端25aに向かって車室内側及び下方に誘導されて、図5に示すようにセンタピラートリム25の上端部25Aを上方から覆うと共に上端部25Aに当接して作用位置に受け止められる。同様にクォータピラートリム45に配置されたエアバッグガイド32も作用位置に移動してクォータピラートリム45の上端部45Aを覆う。
このようにエアバッグ52の膨張展開時にセンタピラートリム25の上端部25Aがスロープ状に傾斜するエアバッグガイド32により上方から覆われ、同様にクォータピラートリム45の上端部45Aがエアバッグガイドによって上方から覆われる。これにより、急激に膨張展開するエアバッグ52がセンタピラートリム25の上端部25A及びクォータピラートリム45の上端部45Aに直接当接することがなく、図5に示すようにエアバッグ52の膨張展開力によって変形したルーフトリム21の端末部21Aとサイドガラス及びエアバッグガイド32により覆われたセンタピラートリム25の上端部25A、エアバッグガイド32によって上方から覆われたクォータピラートリム45の上端部45Aとの隙間から車室内にエアバッグ52が膨張展開する。
このように、エアバッグ52の展開時にセンタピラートリム25の上端部25Aをエアバッグガイド32によって覆い、クォータピラートリム45の上端部45Aを同様にエアバッグガイドで覆うことで、急激に展開するエアバッグ52がセンタピラートリム25の上端部25A及びクォータピラートリム45の上端部45Aに直接的に接触することなく、センタピラートリム25の上端部25A及びクォータピラートリム45の上端部45Aの破損が防止でき、その破片が周囲に飛散することが未然に防止できる。
一方、エアバッグ52の膨張展開時にエアバッグ52の膨張展開力、特にルーフトリム21の端末部21Aを車室内方向に押し広げる押圧力P1は、エアバッグガイド32を下方に押圧する押圧力2と押圧方向が異なり、エアバッグガイド32の押し下げ等に影響されることなくルーフトリム21の端末部21Aに沿って直接的に作用してルーフトリム21の端末部21Aを押し広げることから、エアバッグ52の膨張展開がエアバッグ52の全長にわたり阻害されることなく円滑で均一な膨張展開が得られ、迅速な膨張展開が確保できる。
また、エアバッグガイド先端誘導部34及びエアバッグガイド32をセンタピラートリム25と一体形成することで、構成部品点数の削減が得られ、作業及び管理の簡素化が得られる。
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態を図6を参照して説明する。なお、第1実施の形態と対応する部位には、同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略する。図6は第1実施の形態における図3に対応する断面図である。
図6に示すように、エアバッグガイド部31は、センタピラートリム25の上端部25Aの近傍に、板状のエアバッグガイド32と、エアバッグガイド32の移動を制御するエアバッグガイド先端誘導部34及びエアバッグガイド下面誘導部39を備えたエアバッグガイド支持部33とからなるエアバッグガイド部31が配置される。
エアバッグガイド32は、エアバッグ52の下面に対向すると共に当接乃至摺接可能な上面32a及び下面32bを有する矩形板状で、ルーフトリム21の端末部21Aと対向する先端32cがセルフヒンジ38を介在してエアバッグガイド先端誘導部34の先端誘導部37に一体的に連結する。
エアバッグガイド先端誘導部34は、センタピラートリム25の上端部25Aの下方において内側面26Aから車室外方に向けて上方に突出する略矩形板状の支持部35を有し、支持部35の先端にセルフヒンジ36を介在して車室内方に向けて上方に延在する矩形板状の先端誘導部37が連接され、先端誘導部37の先端にセルフヒンジ38を介してエアバッグガイド32の先端32cが一体に連結される。また、支持部35の上方でかつセンタピラートリム25の上端部25Aの上端25aより下方位置に内側面26Aから車室外方側に突出するストッパ41が突設される。
エアバッグガイド下面誘導部39は、ピラーインナパネル13に結合される基部39a及び基部39aから車室内方に屈曲してかつ上方に屈曲する本体部39bを有し、本体部39bの上端に折り畳まれた状態のエアバッグ52の下面と間隙を有して対向する当接部40を有する。
エアバッグガイド32の上面32aが折り畳まれた収納状態のエアバッグ52の下面に当接した通常状態では、エアバッグガイド32の先端32aがセンタピラートリム25の上端部25Aより上方においてルーフトリム21の端末部21Aと間隙を有して対向し、エアバッグガイド32の下面32bがエアバッグガイド下面誘導部39に形成された当接部40と間隙を有して対向する。
一方、エアバッグガイド32の上面32aにエアバッグ52の膨張展開により下方向の押圧力P2が作用すると、その押圧力P2によってエアバッグガイド32が押し下げられて、図6に仮想線で示すようにエアバッグガイド32の下面32bがエアバッグガイド下面誘導部39の当接部40に当接して受け止められ、かつ先端32cがセルフヒンジ38を軸として下方に回動する先端誘導部37によってセンタピラートリム25の上端部25Aに向かって車室内側方向に誘導されて、センタピラートリム25に形成されたストッパ41に当接して作用位置に受け止められる。
このストッパ41に当接して受止められた作用位置においてエアバッグガイド32の上面32aはセンタピラートリム25の先端部25Aの上端25aと同一高さ或いは上方に保持される。なお、クォータピラー15に配置されるクォータピラートリム45においても、説明を省略するがエアバッグガイド部31と同様の構成及び作用のエアバッグガイド部を備える。
次に、この実施の形態の作用を説明する。
車両の図示しない側面衝突センサ或いは横転検知センサによって側面衝突或いは横転が検知されると、インフレータ55が作動してガスをエアバッグ52に噴射する。エアバッグ52内に噴射されたガスは、エアバッグ52を膨張することで、ルーフトリム21の端末部21Aをフロントピラー11側からクォータピラー15より後方の全長に亘り車室内側方向に押し開く。
一方、エアバッグ52の膨張展開力、特にルーフトリム21の端末部21Aを車室内方向に押圧する押圧力P1と異なる方向の下方方向の押圧力P2によりセンタピラートリム25に配置されたエアバッグガイド部31のエアバッグガイド32を押し下げる。押し下げられるエアバッグ32は、図6に仮想線で示すようにエアバッグガイド32の下面32bがエアバッグガイド下面誘導部39の当接部40に当接して受け止められ、かつ先端32cがセルフヒンジ38を回転軸として下方に回動する先端誘導部37によってセンタピラートリム25の上端部25Aの上端25aに向かって車室内側及び下方に誘導されて、センタピラートリム25に形成されたストッパ41に先端32cが当接して膨張展開するエアバッグ52をピラートリム25の上端部25Aから離反する非接触状態に誘導する作用位置に受け止められる。同様にクォータピラートリム45の上端部45Aにエアバッグガイドが作用位置に受け止める。
これにより、エアバッグ52の膨張展開時にセンタピラートリム25の上端部25Aに隣接して上端部25Aの上端25aの高さと同一或いはより高いスロープ状に傾斜するエアバッグガイド32が配置され、同様にクォータピラートリム45の上端部45Aに隣接してエアバッグガイドが配置され、急激に膨張展開するエアバッグ52がセンタピラートリム25の上端部25A及びクォータピラートリム45の上端部45Aに直接当接することがなく、図6に仮想線で示したように変形したルーフトリム21の端末部21Aとサイドガラス及びセンタピラートリム25の上端部25A、クォータピラートリム45の上端部45Aとの隙間から車室内に展開させる。
これにより、急激に展開するエアバッグ52がセンタピラートリム25の上端部25A及びクォータピラートリム45の上端部45Aに直接的に接触することなく、センタピラートリム25及びクォータピラートリム45の上端部45Aの破損が防止でき、その破片が周囲に飛散することが未然に防止できる。
一方、エアバッグ52の膨張展開時にエアバッグ52の膨張展開力、特にルーフトリム21の端末部21Aを車室内方へ押し広げる車室内方向の押圧力P1は、エアバッグガイド22の押し下げ等に影響されることなくルーフトリム21の端末部21Aの略全長に亘って直接的に作用してルーフトリム21の端末部21Aを押し広げることから、エアバッグ52の円滑で均一な膨張展開が得られ、迅速な膨張展開が確保できる。
なお、上記実施の形態では、ストッパ41に当接して受止められた作用位置のエアバッグガイド32の上面32aは、センタピラートリム25の先端部25Aの上端25aと同一高さ或いはより上方に位置するように構成したが、膨張展開するエアバッグ52をピラートリム25の上端部25Aから離反する非接触状態に誘導する範囲で作用位置のエアバッグガイド32の上面32aが先端部25Aの上端25aより若干下方に保持することもできる。
また、上記実施の形態ではストッパ41をセンタピラートリム25の上端部25Aの近傍にエアバッグガイド32の先端32cを受け止めるように配置したが、例えば図6に仮想線42で示すように支持部35に先端誘導部37の下面が当接可能に設け、ストッパ42に先端誘導部37が当接することでエアバッグガイド32を作用位置に保持するように構成することもできる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記各実施の形態でセンタピラートリム及びクォータピラートリムにエアバッグガイド部を配置したが、自動車の仕様に応じてセンタピラートリムにのみ配置することもできる。また、上記各実施所形態では、エアバッグガイド先端誘導部及びエアバックガイド下面誘導部によってエアバッグガイドを通常位置から作用位置へ誘導するエアバッグガイド支持部を構成したが、他の適宜手段、例えば、エアバッグガイドを通常位置から作用位置へ誘導するガイドレール等によってエアバッグガイド支持部を構成することもできる。
10 サイドアウタパネル
10A センタピラー部
11 フロントピラー(Aピラー)
12 センタピラー(Bピラー)
13 ピラーインナパネル
15 クォータピラー(Cピラー)
16 ルーフサイドレール
17 サイドレールインナパネル
18 サイドレールアウタパネル
21 ルーフトリム
21A 端末部
24 フロントピラートリム(ピラートリム)
25 センタピラートリム(ピラートリム)
25A 上端部
31 エアバッグガイド部
32 エアバッグガイド
32a 上面
32b 下面
32c 先端
33 エアバッグガイド支持部
34 エアバッグガイド先端誘導部
35 支持部
36 セルフヒンジ(ヒンジ)
37 先端誘導部
38 セルフヒンジ(ヒンジ)
39 エアバッグガイド下面誘導部
40 ガイド下面当接部
45 ピラートリム
45A 上端部
51 カーテンエアバッグ装置
52 エアバッグ
55 インフレータ

Claims (6)

  1. ルーフサイドレールに沿って折り畳んだ収納状態のエアバッグが配置されると共に、天井を形成して端末部によって前記収納状態のエアバッグを覆うルーフトリムと、ピラーの車室内側を覆うピラートリムを備え、エアバッグ膨張展開時に前記ルーフトリムの端末部を車室内側に押圧変形せしめて該端末部と前記ピラートリムの上端部との間より車室内にカーテン状に膨張展開するカーテンエアバッグ装置の配置構造において、
    前記収納状態のエアバッグの下面に上面が対向して先端が車室内方側となる板状のエアバッグガイドと、
    該エアバッグガイドを該エアバッグガイドの先端がピラートリムの上端部より上方においてルーフトリムの端末部と隙間を有して対向して上面が収納状態のエアバッグの下面に対向する通常位置に保持すると共に、展開時のエアバッグによるエアバッグガイドの上面への下方向の押圧付与に伴って該エアバッグガイドが膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導する作用位置に移動せしめるエアバッグガイド支持部とを備えたことを特徴とするカーテンエアバッグ装置の配置構造。
  2. 前記作用位置におけるエアバッグガイドは、ピラートリムの上端部を先端で上方から覆うことを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置の配置構造。
  3. 前記作用位置におけるエアバッグガイドは、先端がピラートリム上端部より車室外方で上面がピラートリムの上端部の上端と同じ高さ或いは上方であることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置の配置構造。
  4. 前記作用位置におけるエアバッグガイドは、先端がピラートリム上端部より車室外方で膨張展開するエアバッグをピラートリムの上端部から離反する非接触状態に誘導するピラートリムの上端部の上端より下方であることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置の配置構造。
  5. 前記エアバッグガイド支持部は、
    前記ピラートリムより車室外方に突出する支持部及び、該支持部の先端にヒンジを介在して車室内方側上方に向けて延在すると共に先端がヒンジを介在して前記エアバッグガイドの先端に結合する先端誘導部を備えたエアバッグガイド先端誘導部と、
    前記ピラーに基端が結合されて先端に前記エアバッグガイドの下面が摺接可能な当接部を備えたエアバックガイド下面誘導部とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置の配置構造。
  6. 前記エアバックガイド先端誘導部及びエアバッグガイドは、前記ピラートリムと一体形成されたことを特徴とする請求項5に記載のカーテンエアバッグ装置の配置構造。
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