JP5635879B2 - 付着材料塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、付着材料塗布装置に関し、特に、付着材料の残量を検出可能な付着材料塗布装置に関する。
従来、付着材料の残量を検出可能な付着材料塗布装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、供給口が設けられ半田ペーストを貯留するカートリッジと、カートリッジ内の半田ペーストを押し出す加圧板と、加圧板を押圧してカートリッジから半田ペーストを供給するエアシリンダとを備えた付着材料塗布装置が開示されている。この付着材料塗布装置では、加圧板の変位(半田ペーストの押し出し)に伴って移動する変位ロッドに付された指示マークを、固定的に設けられたスケール板の目盛りによってユーザが読み取ることが可能なように構成されている。これにより、上記特許文献1による付着材料塗布装置では、外部から目視で確認することができないカートリッジ内の半田ペーストの残量を検出(確認)することが可能である。
特開2001−253046号公報
しかしながら、上記特許文献1の付着材料塗布装置では、付着材料(半田ペースト)の残量を検出するために、残量検出専用の変位ロッドやスケール板を設ける必要があるので、その分、装置が構造的に制約を受けるとともに部品点数が増加するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、付着材料の残量検出に起因する構造的制約を軽減させ、かつ、部品点数の増加を抑制することが可能な付着材料塗布装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における付着材料塗布装置は、付着材料を収容する収容容器と押出部とを相対移動させて収容容器から付着材料を供給口を介して押し出すことにより付着材料を供給するように構成され、収容容器と押出部とを相対移動させるとともに、収容容器と押出部との相対位置に対応する駆動位置を検出するエンコーダを有するモータと、エンコーダにより検出されたモータの駆動位置に基づいてモータの駆動制御を行うことにより付着材料の供給量を制御するモータ制御手段と、収容容器から供給された付着材料を基板に塗布する塗布手段と、予め取得された、収容容器の内部容積に関する情報と、収容容器と押出部との相対位置とモータの駆動位置とを関係づける情報と、収容容器と押出部との現在の相対位置においてエンコーダにより検出されるモータの現在位置とに少なくとも基づいて、収容容器に収容された付着材料の体積残量情報を算出する残量演算手段とを備える。
この発明の一の局面による付着材料塗布装置では、上記のように、エンコーダを有するモータと、エンコーダにより検出されたモータの駆動位置に基づいて付着材料の供給量を制御するモータ制御手段と、収容容器と押出部との相対位置とモータの駆動位置とを関係づける情報と、エンコーダにより検出されるモータの現在位置とに少なくとも基づいて、収容容器に収容された付着材料の残量に関する情報を算出する残量演算手段とを設けることによって、モータによる付着材料の供給制御を行うためのエンコーダを利用して付着材料の残量に関する情報を算出することができる。このため、エンコーダを有するモータを用いて付着材料の供給制御と付着材料の残量検出(残量の算出)との両方を行うことができるので、付着材料の残量検出専用の部材を設ける必要がない。これにより、付着材料の残量検出に起因する構造的制約を軽減させ、かつ、部品点数の増加を抑制することができる。また、収容容器と押出部との相対位置とモータの駆動位置とを関係づける情報と、モータの現在位置とから収容容器と押出部との実際の変位量を算出すれば、算出した実際の変位量と収容容器の内部容積に関する情報とを用いて収容容器内に残存する付着材料の体積(残量)を得ることができる。
上記一の局面による付着材料塗布装置において、好ましくは、残量演算手段は、収容容器内部の容積が最大となる第1相対位置に収容容器と押出部とが位置するときにエンコーダにより検出されるモータの第1基準位置と、収容容器内部の容積が最小となる第2相対位置に収容容器と押出部とが位置するときにエンコーダにより検出されるモータの第2基準位置と、収容容器と押出部との現在の相対位置においてエンコーダにより検出されるモータの現在位置と、予め取得された収容容器の内部容積に関する寸法情報とに基づいて、収容容器に収容された付着材料の体積残量を求めるように構成されている。このように構成すれば、満量時(内部容積最大)のモータの第1基準位置と、空量時(内部容積最小)のモータの第2基準位置と、モータの現在位置とから、付着材料の残量を満量時に対する割合として算出することができる。また、この割合と収容容器の内部容積に関する寸法情報とを用いることにより、直径などの寸法が異なる収容容器を用いた場合にも付着材料の体積(残量)を容易に得ることができる。
上記一の局面による付着材料塗布装置において、好ましくは、残量演算手段により算出した収容容器内の付着材料の体積残量と、基板1枚当たりの付着材料の塗布容積とに基づき、収容容器内の付着材料の体積残量に応じた付着材料の塗布可能な基板枚数、または、収容容器内の付着材料の体積残量に応じた作業可能時間の少なくともいずれか一方を算出可能に構成されている。このように構成すれば、付着材料の残量に関する情報を塗布可能な基板枚数、または、残量に応じた作業可能時間として得ることができる。これにより、ユーザは、塗布可能な基板枚数や作業可能時間から付着材料の交換作業を行うタイミングを容易に把握することができる。
この場合において、好ましくは、基板1枚に塗布する付着材料の塗布面積を求める塗布面積演算手段と、塗布面積演算手段により演算された基板1枚当たりの塗布面積と、基板に塗布する付着材料の塗布厚さとに基づいて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積を求める塗布容積演算手段と、残量演算手段により求めた付着材料の体積残量と、塗布容積演算手段により求めた塗布容積とに基づき、収容容器内の付着材料の体積残量に応じた付着材料の塗布可能な基板枚数を求める基板枚数演算手段とをさらに備える。このように構成すれば、付着材料の残量に加えて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積も演算により算出することができるので、付着材料の塗布可能な基板枚数を容易に求めることができる。
上記付着材料の残量に応じた塗布可能な基板枚数、または、付着材料の残量に応じた作業可能時間を算出可能な構成において、好ましくは、基板1枚に塗布する付着材料の塗布面積を求める塗布面積演算手段と、塗布面積演算手段により演算された塗布面積と、基板に塗布する付着材料の塗布厚さとに基づいて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積を求める塗布容積演算手段と、基板1枚に要する付着材料の塗布作業時間に相当する作業周期時間を取得する作業周期時間取得手段と、残量演算手段により求めた付着材料の体積残量と、塗布容積演算手段により求めた塗布容積と、作業周期時間取得手段により求めた作業周期時間とに基づき、収容容器内の付着材料の体積残量に応じた作業可能時間を求める作業時間演算手段とをさらに備える。このように構成すれば、付着材料の残量に応じた作業可能時間を容易に求めることができる。
上記塗布面積演算手段および塗布容積演算手段を備える構成において、好ましくは、塗布手段は、基板に対する付着材料の塗布領域に対応する開口部が形成されたマスクを介して基板に付着材料を塗布するように構成され、塗布面積演算手段は、マスクの設計情報、付着材料が塗布された基板の塗布状態を検査するための検査情報、または、マスクを撮像して得られた画像情報のいずれかに基づいて、基板1枚に塗布する付着材料の塗布面積を求めるように構成され、塗布容積演算手段は、マスクの厚み寸法に基づいて、基板に塗布する付着材料の塗布厚さを取得し、塗布面積と取得した塗布厚さとに基づいて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積を求めるように構成されている。このように構成すれば、付着材料のスクリーン印刷を行うためのマスクについての情報(マスクの設計情報および厚み寸法)、検査情報やマスクの画像情報などの基板生産に際して通常用いられる情報に基づいて、容易に塗布容積を算出することができる。
上記一の局面による付着材料塗布装置において、好ましくは、表示部と、残量演算手段により求めた収容容器内の付着材料の残量に関する情報を表示部に表示させる残量表示制御手段とをさらに備える。このように構成すれば、ユーザは、表示部から付着材料の残量に関する情報を視覚的に取得することができるので、付着材料の交換作業を行うタイミングをより容易に把握することができる。
この場合において、好ましくは、残量に関する情報は、付着材料の体積残量、収容容器に収容された付着材料の残量の割合、付着材料を塗布可能な基板枚数、および、付着材料の体積残量に応じた作業可能時間のいずれかを含む。このように構成すれば、付着材料の残量、付着材料の残量の割合、塗布可能な基板枚数および作業可能時間のいずれかから、容易に付着材料の交換作業を行うタイミングを把握することができる。
上記一の局面による付着材料塗布装置において、好ましくは、表示部と、残量演算手段により求めた付着材料の残量に関する情報が予め設定した所定の閾値に達した場合に警告を表示部に表示させる警告表示制御手段とをさらに備える。このように構成すれば、たとえば付着材料の交換のために準備作業が必要な場合などに、準備作業に要する時間を逆算して所定の閾値として設定しておくことにより、警告後に準備作業を開始して付着材料が空になったタイミングに合わせて準備作業を完了させることができる。これにより、付着材料の交換作業時に無駄な待機時間が発生するのを抑制することができる。
上記一の局面による付着材料塗布装置において、好ましくは、付着材料は、半田ペーストであり、収容容器は、上部開口と底部とを有し半田ペーストを収容する筒状の半田容器であり、押出部は、筒状の半田容器の上部開口の内周部に摺動可能に嵌合するとともに供給口を有するピストンであり、モータは、モータの回転位置を検出するエンコーダを有するサーボモータであり、半田容器とピストンとを相対移動させるためのボールネジ軸をさらに備え、サーボモータは、ボールネジ軸を回転駆動してピストンを半田容器に対して相対移動させることにより、半田容器から半田ペーストを供給口を介して押し出し供給するように構成されている。このように構成すれば、エンコーダを有するサーボモータを用いて半田ペーストを供給する構成を容易に得ることができる。
本発明の一実施形態による印刷装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による印刷装置の全体構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態による印刷装置に用いるマスクを説明するための図である。 本発明の一実施形態による印刷装置の半田供給部を示す模式図である。 本発明の一実施形態による印刷装置の制御部を示すブロック図である。 図4の半田供給部の第1基準位置を説明するための図である。 図4の半田供給部の第2基準位置を説明するための図である。 本発明の一実施形態による印刷装置の半田残量監視処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態による印刷装置の消費半田量の取得処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態による印刷装置の変形例における半田残量の表示態様を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態による印刷装置100の構造について説明する。なお、本実施形態では、本発明の「付着材料塗布装置」をプリント基板に対して半田の印刷を行う印刷装置に適用した例について説明する。
本実施形態による印刷装置100は、図1および図2に示すように、基台1と、基台1上に設けられ、プリント基板200を搬送する基板搬送部2と、基板搬送部2の上方に設けられ、プリント基板200に対して半田の印刷を行う印刷部3とを備えている。なお、プリント基板200は、本発明の「基板」の一例である。基板搬送部2は、印刷前のプリント基板200の搬入を行うコンベア4aおよび印刷後のプリント基板200の搬出を行うコンベア4bと、コンベア4aおよび4bの間に設けられ、プリント基板200を保持した状態の後述するコンベア55を昇降し、プリント基板200を後述するマスク300の下面に当接する印刷位置P(図2参照)に配置するための基板位置決め昇降装置5とを含んでいる。コンベア4aおよび4bは、基板搬送方向(X方向)に延びるように設けられている。また、印刷部3は、印刷に用いられるマスク300を支持するマスク支持部6(図1参照)と、マスク300を介してプリント基板200に半田を印刷する印刷ユニット7と、印刷時に印刷ユニット7を印刷方向(Y方向)に駆動する駆動部8とを含んでいる。また、基板位置決め昇降装置5上には、マスク認識カメラ91が設けられている。
図3に示すように、マスク300は屈曲性を有する厚さtの板状の部材からなる。マスク300は、プリント基板200に塗布される半田の塗布領域に対応した所定のパターンで多数の開口部310が形成された開口領域301を有する。マスク300は、その周囲が剛性の高い部材からなるフレーム302に固定される。マスク300は、マスク300に形成されるそれぞれの開口部310の位置情報や開口サイズ情報を含むガーバーデータ(マスクの設計情報)に基づいて作製される。
図1および図2に示すように、基板位置決め昇降装置5は、Y軸テーブル51と、X軸テーブル52と、R軸テーブル53と、Z軸テーブル54とを含み、X方向、Y方向、Z方向およびR方向(水平面内における回転方向)にプリント基板200を移動することが可能に構成されている。
また、図2に示すように、基台1上にはY方向に延びるようにレール51aが設けられており、Y軸テーブル51はレール51aにスライド可能に取り付けられている。また、図示しないサーボモータおよびボールネジ機構によってY軸テーブル51がY方向に駆動されるように構成されている。Y軸テーブル51上には、X方向に延びるようにレール52aが設けられており、X軸テーブル52はレール52aにスライド可能に取り付けられているとともに、図示しないサーボモータおよびボールネジ機構によってX軸テーブル52がY軸テーブル51に対してX方向に駆動されるように構成されている。X軸テーブル52上には支持機構53aが設けられており、R軸テーブル53は支持機構53aにより水平面内で回転可能に支持されている。また、図示しないサーボモータおよびボールネジ機構によってR軸テーブル53が回転駆動されるように構成されている。R軸テーブル53にはZ軸テーブル54に固定されたZ方向に延びるガイド軸54aが挿入されているとともに、図示しないサーボモータおよびボールネジ機構54bによってZ軸テーブル54がR軸テーブル53に対してZ方向に駆動されるように構成されている。
また、Z軸テーブル54にはX方向に延びる一対のコンベア55が配置されている。コンベア55は、図1に示すように、Z軸テーブル54が下降した状態でコンベア4aおよび4bと接続されるように配置されている。これにより、印刷前のプリント基板200をコンベア4aからコンベア55に乗り継がせて搬入し、印刷後のプリント基板200をコンベア55からコンベア4bに乗り継がせて搬出することが可能である。
また、Z軸テーブル54には、一対のコンベア55の間の領域において上下方向(Z方向)に昇降可能な昇降テーブル56(図2参照)が設けられている。この昇降テーブル56の上面にはプリント基板200を下方から支える複数のピン(図示せず)が配置されているとともに、昇降テーブル56は、上下方向に延びるスライド軸56aを介してZ軸テーブル54に対して上下方向にスライド可能に取り付けられている。昇降テーブル56は、図示しないサーボモータおよびラック・ピニオン機構によってZ方向に駆動されるように構成されている。この昇降テーブル56が昇降されることにより、コンベア55上のプリント基板200が上昇されてクランプ片57aおよび57bと同一の高さ位置に位置されるとともに、クランプ片57aおよび57bにより保持されるプリント基板200の下面が図示しないピンで支持される。また、印刷後、クランプ片57aおよび57bによるプリント基板200の保持が開放された後に昇降テーブル56が下降されることにより、プリント基板200をコンベア55上に載置することが可能である。
Z軸テーブル54には、コンベア55上のプリント基板200をクランプするクランプ片57aおよび57bが設けられている。クランプ片57aはZ軸テーブル54に対して固定的に設けられている一方、クランプ片57bはY方向に移動可能に設けられている。これにより、クランプ片57aおよびクランプ片57bにより、プリント基板200をクランプすることが可能である。
マスク支持部6は、基板位置決め昇降装置5の上方において基台1のフレーム部材1aおよび1bを介して固定的に設置され、マスク300の外縁近傍を下方から支持する一対の支持板6a(図1参照)と、支持板6aに載置されたマスク300のフレーム302の上面を上方から押圧するクランプ片6bとによってマスク300を支持するように構成されている。
印刷ユニット7は、マスク300の上面を半田を押圧しながら摺動することにより半田をマスク300の開口を介してプリント基板200上に押し出すスキージユニット71と、マスク300上に半田を供給する半田供給部72と、半田供給部72およびスキージユニット71を支持するとともに印刷方向(Y方向)に往復移動可能な支持部材73とを含んでいる。
図2に示すように、スキージユニット71は、支持部材73の矢印Y1方向側の側面に設けられており、印刷時に昇降テーブル56により支持されたプリント基板200がマスク300の下面に接した状態でマスク300の上面を摺動するスキージ711と、スキージ711を上下方向に移動させるとともに、印刷時に下方への印圧荷重をスキージ711に付加する昇降機構部712(図1参照)と、X方向に延びる回動軸713bを中心にスキージ711を回動させる回動機構部713とを含んでいる。印刷時には、昇降機構部712によりスキージ711を下降させてマスク300に当接させるとともに、印刷方向を転換する場合には、昇降機構部712によりスキージ711を上昇させた状態でスキージ711が回動機構部713により回動される。回動機構部713は、印刷時には半田押圧面711aが矢印Y1方向または矢印Y2方向を向くように所定の傾き角度にスキージ711を回動するように構成されている。これにより、1つのスキージ711により矢印Y1方向の印刷と矢印Y2方向の印刷とを行うことが可能である。なお、スキージ711は、本発明の「塗布手段」の一例である。
昇降機構部712は、支持部材73の側面に固定された固定部712aと、固定部712aのX方向の側方に設けられたサーボモータ712b(図1参照)と、ボールネジ軸712cと、サーボモータ712bのモータ軸の回転をボールネジ軸712cに伝達するベルト712dとを含んでいる。サーボモータ712bによりベルト712dを介してボールネジ軸712cを回転させることによって、ボールネジ軸712cと螺合する可動部712eを上下方向に移動させることが可能である。なお、可動部712eは、固定部712aに図示しない圧縮コイルばねを介して取り付けられており、サーボモータ712bの駆動力は、ベルト712d、ボールネジ軸712cおよび圧縮コイルばねを介して可動部712eに伝えられるとともに、昇降テーブル56により下面が支持されてマスク300の下面に当接した状態のプリント基板200をスキージ711がマスク300を介して押圧する印圧荷重となる。
回動機構部713は、可動部712e内に設けられたサーボモータ713aと、スキージ711が固定される回動軸713bとを含んでいる。サーボモータ713aのモータ軸の回転は、図示しない複数のギアにより回動軸713bに伝達されるように構成されている。
図4に示すように、半田供給部72は、半田が収容された半田容器110を支持する半田容器支持部721と、半田容器110内の半田ペースト111を押し出すためのピストン112を支持するピストン支持部722と、半田容器110とピストン112とを相対移動させるサーボモータ723およびボールネジ軸724とを備えている。図1に示すように、半田供給部72は、スキージユニット71の前面側(矢印Y1方向側)に設けられた支持部725によりX方向に移動可能に支持されている。具体的には、支持部725は、X方向に延びるボールネジ軸725aおよびボールネジ軸725aを回転駆動するサーボモータ725bを有している。半田供給部72は、ボールネジ軸725aに螺合するナット(図示せず)を介して支持部725に支持されている。サーボモータ725bによりボールネジ軸725aを回転駆動することによって、半田供給部72をX方向に移動させることが可能である。なお、半田容器110、半田ペースト111およびピストン112は、それぞれ、本発明の「収容容器」、「付着材料」および「押出部」の一例である。また、サーボモータ723は、本発明の「モータ」の一例である。
図4に示すように、半田容器支持部721は、半田粉末とフラックスとを混合した半田ペースト111を収容する半田容器110を、半田容器110の上部開口110aを下向きにした状態で保持するように構成された板状の支持部材である。半田容器支持部721の端部には、ボールネジ軸724が螺合している。半田容器支持部721は、ボールネジ軸724の回転により、ボールネジ軸724に沿って上下に移動可能に構成されている。ここで、本実施形態では、半田容器110には、半田ペースト111が収容された状態で流通される市販の容器を用いることが可能である。このような市販の半田容器110は、一端が閉塞された底部からなり、他端が開放された上部開口110aからなる円筒形状を有する。このような半田容器110に半田ペースト111が収容され、上部開口110aを蓋部材(図示せず)によって密閉した状態で販売される。本実施形態では、蓋部材の代わりに上部開口110aにピストン112を嵌め込み、半田容器110を半田容器支持部721にセットするだけで、半田ペースト111を他の収容部に入れ替える等の作業を要することなくそのまま半田供給に用いることが可能である。
ピストン支持部722は、半田供給部72において固定的に設けられている。ピストン支持部722は、ボールネジ軸724を回転可能に支持するとともに、ボールネジ軸724の端部に連結されたサーボモータ723と、ピストン112とを固定的に支持している。このため、サーボモータ723によりボールネジ軸724を回転駆動することにより、半田容器支持部721(半田容器110)をピストン支持部722(ピストン112)に対して相対的に上下移動させることが可能である。
ピストン112は、ピストン支持部722を上下に貫通するように取り付けられており、上端に設けられた押圧部112aと、上下に延びる軸部112bとを含んでいる。また、ピストン112の内部には、押圧部112aの上端から軸部112bの下端までを上下に貫通するように半田供給経路112cが形成され、ピストン112(軸部112b)の下端の供給口113と連通している。押圧部112aは、半田容器110の上部開口110aに摺動可能に嵌まり込むように、半田容器110の内径daに対応した形状に形成されている。したがって、半田容器110と押圧部112aとによって、半田ペースト111の収容空間が形成されている。半田供給経路112cは、半田容器110と押圧部112aとによる半田ペースト111の収容空間と、供給口113とを連通させるように構成されている。サーボモータ723の駆動により半田容器支持部721がピストン支持部722に向けて下降すると、半田容器110が下降することによりピストン112の押圧部112aが半田容器110内部に進入する。この結果、半田容器110内部に収容された半田ペースト111が半田供給経路112cを通り供給口113から押し出されるようにして供給されるように構成されている。供給口113から押し出された半田ペースト111は、下方に配置されたマスク300上に供給される。
本実施形態では、サーボモータ723は、サーボモータ723の回転位置(座標)を検出するエンコーダ723aを有する。サーボモータ723は、エンコーダ723aの検出値(回転位置)に基づいて、後述する制御部10により駆動制御(半田ペースト111の供給量制御)されるように構成されている。また、後述するように、このエンコーダ723aの検出値(回転位置)に基づいて、半田容器110内部に残存する半田ペースト111の残量算出が行われるように構成されている。このため、本実施形態では、半田ペースト111の残量検出のための専用のセンサや検出用部材が不要である。なお、エンコーダ723aは、本発明の「位置検出手段」の一例である。
図1に示すように、駆動部8は、支持部材73をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール81と、Y方向に延びるボールネジ軸82と、ボールネジ軸82を回転させるサーボモータ83とを含んでいる。また、支持部材73にはボールネジ軸82が螺合されるボールナット73a(図2参照)が設けられている。支持部材73は、サーボモータ83によりボールネジ軸82が回転されることによってY方向に移動するように構成されている。本実施形態では、スキージユニット71と半田供給部72とを支持部材73に支持させるとともに、支持部材73を駆動部8により駆動することによって、スキージユニット71のスキージ711と半田供給部72とが1つの駆動部8によってY方向に一体的に駆動されるように構成されている。
マスク認識カメラ91は、基板位置決め昇降装置5のZ軸テーブル54上に撮像方向を上方に向けて設けられている。したがって、マスク認識カメラ91は、基板位置決め昇降装置5により水平方向(XY方向)に移動可能に構成されている。マスク認識カメラ91は、マスク300を下面側から撮像し、マスク300に形成された開口部310(図3参照)や位置決めマーク(図示せず)等の画像認識用の撮像データを取得する機能を有する。なお、印刷装置100には、図5に示すように、基板認識カメラ92および検査カメラ93が設けられているが、図1および図2では、図示を省略している。基板認識カメラ92は、プリント基板200の上面(半田印刷面)を撮像して、プリント基板200に形成された位置決めマークや識別マーク等の画像認識用の撮像データを取得する機能を有する。検査カメラ93は、半田印刷後のプリント基板200を撮像して、半田の印刷具合を検査するための撮像データを取得する機能を有する。
図5に示すように、印刷装置100の各部の制御は、制御部10により行われる。制御部10は、演算処理部11と、記憶部12と、モータ制御部13と、外部入出力部14と、画像処理部15と、サーバ通信部16とを含んでいる。また、印刷装置100の外部には表示部101が設けられており、制御部10により表示部101の表示制御が行われるように構成されている。なお、表示部101はタッチパネル式であり、ユーザによる入力操作を受け付けることが可能である。
演算処理部11は、主としてCPU(中央演算処理装置)により構成され、記憶部12から各種のプログラムおよびデータを読み出し、制御部10全体の制御を行うように構成されている。なお、演算処理部11は、本発明の「モータ制御手段」、「残量演算手段」、「塗布面積演算手段」、「塗布容積演算手段」、「基板枚数演算手段」、「作業周期時間取得手段」、「作業時間演算手段」、「残量表示制御手段」および「警告表示制御手段」の一例である。
本実施形態では、演算処理部11は、記憶部12から読み出したプログラムを実行することにより、半田容器110内の半田ペースト111の残量に関する情報を算出する各種の演算手段として機能するとともに、算出した半田残量に関する情報がユーザにより予め設定された所定の閾値に達したか否かを判定する残量監視を行うように構成されている。本実施形態では、半田残量に関する情報としては、4種類用意されている。具体的には、演算処理部11は、半田容器110内の半田ペースト111の満量時に対する残量の割合(パーセンテージ)と、半田容器110内の半田ペースト111の残量(体積)と、現在の半田残量に応じた塗布可能なプリント基板200の枚数と、半田残量に応じた継続可能な作業可能時間とを算出することが可能である。演算処理部11は、これらの4種類の情報のうち、予め設定されたいずれかの情報を用いて半田ペースト111の残量監視(所定の閾値に達したか否かの判定)を行い、所定の閾値に達した場合に、ユーザに対する警告を表示するように構成されている。
ここで、半田ペースト111が空になった場合にはユーザにより半田容器110の交換作業が実施されるが、交換には、予め所定の準備作業が必要となる。すなわち、半田容器110は冷蔵保管されているため、半田ペースト111を使用可能な状態にするまでには、半田容器110を常温に戻し、フラックスと半田とを均一に撹拌する必要があり、一定の時間を要する。半田ペースト111の残量監視(所定の閾値に達したか否かの判定)を行い、所定の閾値に達した場合に警告を表示することによって、ユーザは、半田ペースト111が空になるタイミングに合わせて交換用の半田ペーストの準備作業を開始することが可能である。
なお、本実施形態では、演算処理部11は、算出した4種類の情報のうち1または複数を表示部101に表示して、リアルタイムに更新することが可能なように構成されている。さらに、演算処理部11は、残量監視による警告表示に際し、警告メッセージの表示、表示部101の表示パターン(表示色や文字)の変更、パイロットランプ(図示せず)の点灯などによりユーザに対する警告を行うように構成されている。
記憶部12は、HDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリなどにより構成され、プリント基板200の生産に関わる各種のプログラムやデータを記憶している。本実施形態では、マスク300のガーバーデータ、半田が塗布されたプリント基板200の塗布状態を検査するための検査情報、各カメラによる撮像データ、半田容器110の寸法情報や演算処理部11により算出された半田ペースト111の残量に関する情報などが記憶部12に記憶されている。なお、マスク300のガーバーデータとは、マスク300に形成されるそれぞれの開口部310(図3参照)の位置情報や開口サイズ情報を含むマスクの設計情報である。
モータ制御部13は、演算処理部11の制御指示に基づいて上述の各サーボモータ(サーボモータ83、サーボモータ712b、サーボモータ713a、サーボモータ723、サーボモータ725bなど)を駆動する機能を有するとともに、各サーボモータのエンコーダ(エンコーダ723aなど)からの検出値(回転位置情報)を取得して演算処理部11に出力する機能を有する。本実施形態では、演算処理部11およびモータ制御部13は、半田ペースト111の供給量を制御するモータ制御手段として機能する。
外部入出力部14は、印刷装置100に設けられた各種のバルブ類、センサ類、ストッパ機構などの制御に伴う信号の送受信を行う機能を有する。たとえば、外部入出力部14は、図示しない光学式の半田センサからマスク300上に供給された半田ペースト111の検出信号を取得して演算処理部11に出力するように構成されている。この光学式の半田センサは、Y方向(スキージ移動方向)に走査可能に構成され、マスク300上の半田ペースト111のY方向の幅を取得することができる。この半田ペースト111のY方向の幅に基づいて、演算処理部11は、マスク300上の半田量を算出することが可能である。半田塗布(印刷)作業時には、算出されたマスク300上の半田量に基づいて、半田ペースト111の供給制御(すなわち、サーボモータ723の駆動制御)が行われるように構成されている。
画像処理部15は、演算処理部11の制御指示に基づいて基板認識カメラ92、マスク認識カメラ91、検査カメラ93の撮像制御を行い、画像データの読み出しを行う機能を有する。また、サーバ通信部16は、外部のサーバ(図示せず)と有線または無線により通信を行う機能を有する。
次に、演算処理部11による半田容器110内の半田ペースト111の残量に関する情報の算出方法を具体的に説明する。
半田残量の割合(パーセンテージ)を算出する場合には、ユーザにより予め、半田ペースト111満量時におけるサーボモータ723の回転位置座標(第1基準位置)と、半田ペースト111空量時におけるサーボモータ723の回転位置座標(第2基準位置)とが設定される。第1基準位置は、図6に示すように、半田容器110内部(収容空間)の容積が最大となる相対位置(半田容器110とピストン112との相対位置)におけるエンコーダ723aの検出値が示す回転位置座標である。第2基準位置は、図7に示すように、半田容器110内部(収容空間)の容積が最小となる相対位置(半田容器110とピストン112との相対位置)におけるエンコーダ723aの検出値が示す回転位置座標である。この第1基準位置(残量100%)および第2基準位置(残量0%)と、現在のエンコーダ723aの検出値(回転位置座標)とに基づき、現在の半田残量の割合(パーセンテージ)が算出される。つまり、半田容器110とピストン112との相対位置とサーボモータ723の回転位置座標とを関係付ける情報として、第1基準位置および第2基準位置の回転位置座標を設定することによって、現在のエンコーダ723aの検出値(回転位置座標)から半田残量の割合が取得される。
図4に示すように、半田容器110内の半田残量(体積)を算出する場合には、演算処理部11は、記憶部12に予め設定されたボールネジ軸724のリードからサーボモータ723の1パルス当たりの移動量を取得し、第2基準位置(空量時)の回転位置座標と現在のエンコーダ723aの検出値(回転位置座標)との差分から、半田容器110内の残りの深さDを算出する。そして、記憶部12に予め設定された半田容器110の直径(内径)daから、容器内断面積を算出し、残りの深さDと容器内断面積との積を演算することにより、半田残量(体積)が算出される。つまり、半田容器110とピストン112との相対位置とサーボモータ723の回転位置座標とを関係付ける情報としてボールネジ軸724のリードおよび第2基準位置の回転位置座標を設定し、さらに半田容器110の内部容積に関する情報として半田容器110の直径(内径)daを設定することによって、半田残量(体積)が算出される。
半田残量に応じた塗布可能なプリント基板200の枚数を算出する場合には、上記の半田残量(体積)を、プリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積で除することにより算出される。このプリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積は、図3に示すように、プリント基板200の1枚当たりの半田の塗布領域の総面積(総塗布面積)と、マスク300の厚さtとの積から算出される。
半田の総塗布面積の算出は、プリント基板200に対する半田の塗布状態を検査するための検査情報を用いる方法と、マスク300のガーバーデータ(設計情報)を用いる方法と、マスク認識カメラ91(図1参照)により撮像した画像情報を用いる方法(マスクスキャン)との3つの方法のいずれかにより行われる。検査情報は、印刷完了後のプリント基板200に対する塗布状態を検査するための情報である。プリント基板200に塗布される半田の印刷パターンはマスク300の開口領域301(開口部310)を反映したものとなるため、プリント基板200の検査対象(マスク300の個々の開口部310に対応するプリント基板200上の個々の半田塗布領域)のサイズ情報(XY方向の寸法または直径)に基づいて、その検査対象の半田の塗布面積を算出することができる。そして、全ての検査対象の塗布面積を加算することにより、プリント基板200上の全ての検査対象についての総面積(総塗布面積)が得られる。
マスク300のガーバーデータを用いる場合には、ガーバーデータ全体の内から、マスク300の1つ1つの開口部310のサイズ情報(XY方向の寸法または直径)を抽出し、このサイズ情報から各開口部310の開口面積を算出することができる。全ての開口部310の開口面積を加算することにより、マスク300の全ての開口部310についての総面積(総塗布面積)が得られる。また、マスクスキャンによる方法を用いる場合には、マスク認識カメラ91を用いてマスク300を撮像し、撮像した画像データに対して画像認識処理を行い、画像データに含まれる開口部310の開口面積を取得する。これを開口領域301の全体にわたって繰り返し、取得された開口面積を加算することによりマスク300の全ての開口部310についての総面積(総塗布面積)が得られる。以上のいずれかにより得られたプリント基板200の1枚当たりの半田の塗布領域の総面積(総塗布面積)と、マスク300の厚さtとの積からプリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積が算出される。
半田残量に応じた作業可能時間を算出する場合には、1枚のプリント基板200の印刷作業に要するサイクルタイム(プリント基板200を印刷装置100から搬出してから、次のプリント基板200が搬出されるまでの時間間隔)が計測される。このサイクルタイムと、上記の半田残量に応じた塗布可能枚数との積を演算することにより、半田残量に応じた作業可能時間が算出される。
次に、図1、図2および図5〜図8を参照して、本実施形態による印刷装置100の生産(半田印刷)動作および生産動作における半田残量監視処理を説明する。以下の半田残量監視処理においては、制御部10(演算処理部11)により印刷装置100の各部が制御されることにより、実行される。
生産を開始に際して、まず、印刷を開始する準備が行われる。具体的には、ステップS1おいて、ユーザにより、半田ペースト111の満量時の第1基準位置(図6参照)の回転位置座標と、半田ペースト111の空量時の第2基準位置(図7参照)の回転位置座標とが設定される。次に、ステップS2において、制御部10の演算処理部11により、残量監視方法の選択が行われる。使用者により予め設定された残量監視方法が記憶部12から読み出されることにより、残量監視方法が選択される。なお、タッチパネル(表示部101)を介して使用者の操作入力を受け付けることにより、残量監視方法を選択してもよい。
残量監視方法として割合(パーセンテージ)が選択された場合には、ステップS3に進み、演算処理部11により、残量警告パーセンテージ(閾値)が設定される。同様に、残量監視方法として体積が選択された場合には、ステップS4に進み、演算処理部11により、残量警告体積(閾値)が設定される。そして、ステップS5において、演算処理部11により、半田ペースト111の体積算出のための半田容器110の直径(寸法情報)daが設定される。
残量監視方法としてプリント基板200の塗布可能枚数が選択された場合には、ステップS6に進み、演算処理部11により、残量警告枚数(閾値)が設定される。また、残量監視方法として作業可能時間が選択された場合には、ステップS7に進み、演算処理部11により、残量警告時間(閾値)が設定される。これらの場合(ステップS6またはステップS7に進んだ場合)には、その後ステップS8に進み、演算処理部11により、プリント基板200の1枚当たりの半田消費量(半田ペースト111の塗布容積)を取得したか否かが判断される。プリント基板200の1枚当たりの半田消費量が取得されていない場合には、ステップS9に進み、プリント基板200の1枚当たりの半田消費量(半田ペースト111の塗布容積)の算出処理が実施される。なお、プリント基板200の1枚当たりの半田消費量の算出処理については、後に詳細に説明する。プリント基板200の1枚当たりの半田消費量が取得済みか、または、ステップS9で半田消費量を算出した場合には、ステップS5に進み、演算処理部11により、半田ペースト111の体積算出のための半田容器110の直径(寸法情報)daが設定される。
なお、各残量監視方法の閾値の設定や、半田容器110の直径(寸法情報)の設定は、演算処理部11が記憶部12から予め設定された当該情報を読み出して行うほか、サーバ通信部16(図5参照)を介して図示しないサーバから当該情報を取得してもよいし、タッチパネル(表示部101、図5参照)を介した使用者の操作入力を受け付けることにより設定を行ってもよい。
以上の各ステップの終了により、印刷を開始する準備が完了する。次に、ステップS10において、生産対象(塗布対象)となるプリント基板200がコンベア4a(図1参照)から基板位置決め昇降装置5のコンベア55(図1参照)に搬入される。そして、プリント基板200が基板位置決め昇降装置5により上昇されて印刷位置P(図2参照)に移動される。
次に、ステップS11において、印刷位置Pに配置されたプリント基板200に対する半田印刷動作が実施される。初回の印刷時には、演算処理部11によりサーボモータ723およびサーボモータ725bが駆動され、所定量の半田ペースト111がマスク300上に供給される。この際、演算処理部11により、半田供給部72がX方向に所定速度で移動されながら、一定の吐出量で半田ペースト111が供給されるように制御される。これにより、マスク300上には、スキージ711の延びる方向(X方向)と平行に、均一な量の半田ペースト111を供給することができるので、半田の塗布ムラの発生を抑制することが可能である。そして、サーボモータ712bの駆動によりスキージ711が下降し、所定の印圧荷重がマスク300に付加される。この状態において、印刷ユニット7がサーボモータ83の駆動によりY方向に移動されることにより印刷が行われる。これにより、マスク300の下面に当接したプリント基板200上に、マスク300の開口のパターンに対応して半田が印刷される。印刷が終了すると、印刷ユニット7のY方向移動が停止されるとともに、サーボモータ712bの駆動によりスキージ711が上昇し、サーボモータ713aの駆動によりスキージ711が回動して傾き角度を変え、印刷ユニット7が印刷終了位置からさらにY方向に所定量移動して停止される。なお、次にプリント基板200に印刷を行う場合には、印刷ユニット7が逆方向に移動して印刷を行うように制御される。すなわち、往路印刷と復路印刷とが交互に行われる。
印刷が終了すると、印刷済みのプリント基板200の搬出とマスク300上の半田ペースト111の補充とが並行して行われ、次の印刷が準備される。具体的には、ステップS12において、印刷後のプリント基板200が基板位置決め昇降装置5により下降されるとともに、基板位置決め昇降装置5からコンベア4bを介して印刷後のプリント基板200が搬出される。また、ステップS13において、1枚のプリント基板200の印刷作業に要するサイクルタイム(印刷済みのプリント基板200を搬出してから、次の印刷済みのプリント基板200が搬出されるまでの時間間隔)が計測される。
これに並行して、ステップS14において、演算処理部11によりサーボモータ723および725bが駆動され、所定量の半田ペースト111がスキージ711の延びる方向(X方向)と平行かつ均一にマスク300上に補充される。この際、演算処理部11により、マスク300上の半田ペースト111のY方向の幅に基づいて、マスク300上の半田ペースト111の量が常に一定となるように制御される。そして、ステップS15において、サーボモータ723のエンコーダ723aからの検出値(回転位置座標)がモータ制御部13を介して読み込まれ、演算処理部11によりサーボモータ723の現在座標が取得される。
次に、ステップS16に進み、演算処理部11により、ステップS2と同様に選択された残量監視方法が判断される。
選択された残量監視方法が割合(パーセンテージ)である場合には、ステップS17に進み、第1基準位置(満量時)の回転位置座標と、第2基準位置(空量時)の回転位置座標と、ステップS15において取得したサーボモータ723の現在座標とに基づいて、半田容器110内部の半田ペースト111の残量の割合(パーセンテージ)が算出される。
選択された残量監視方法が体積である場合には、ステップS18に進み、第2基準位置(空量時)の座標とサーボモータ723の現在座標との差分から算出された半田容器110内の残りの深さDと、半田容器110の直径(内径)daから算出された容器内断面積とに基づいて、半田残量(体積)が算出される。
選択された残量監視方法がプリント基板200の塗布可能枚数である場合には、ステップS19に進み、上記方法で算出される半田残量(体積)と、ステップS9で取得されたプリント基板200の1枚当たりの半田塗布容積とに基づいて、半田残量に応じた塗布可能枚数が算出される。
選択された残量監視方法が作業可能時間である場合には、ステップS20に進み、印刷作業に要するサイクルタイムが測定できたか否かが判断される。サイクルタイムが測定できた場合には、ステップS21に進み、上記方法で算出される塗布可能枚数と、得られたサイクルタイムとに基づいて、半田残量に応じた作業可能時間が算出される。初回の印刷時など、サイクルタイムが取得できない場合には、作業可能時間の算出はスキップされる。
以上のステップS17〜S19およびS21のいずれかから監視対象の残量に関する情報が取得されると、表示部101に表示される残量情報がリアルタイムで更新されるとともに、ステップS22に進む。ステップS22では、取得された残量(パーセンテージ、体積、塗布可能枚数または作業可能時間)が、ステップS3、S4、S6およびS7のいずれかにおいて設定された指定量(閾値)に達していないかどうかが判断される。
残量が閾値に達していない場合には、ステップS23に進み、生産プログラムに基づく生産枚数分のプリント基板200の印刷が完了したか否かが判断される。生産枚数分のプリント基板200の印刷が完了していない場合には、ステップS10に戻り、次のプリント基板200の搬入および印刷が開始される。
一方、残量が閾値に達した場合には、ステップS24に進み、表示部101に半田容器110を交換するための準備を促す旨の所定の警告が表示される。すなわち、「新しい半田容器を準備して下さい」などの警告メーセージ等の表示処理が行われる。ユーザは、この警告に基づいて、交換用の半田ペーストの準備作業(冷蔵保管された半田ペーストを常温に戻し、フラックスと半田とを撹拌する作業)を開始する。
そして、ステップS25において、半田残量が空でないか否かが判断される。すなわち、サーボモータ723の現在座標が空量時における回転位置座標(第2基準位置)に達したか否かが判断される。半田残量が空でない場合には、ステップS23に進み、生産枚数分のプリント基板200の印刷が完了されるまで印刷動作が継続される。また、半田残量が空になるまでに生産枚数分のプリント基板200の印刷が完了されれば、生産終了となる。
一方、半田残量が空の場合には、ステップS25で印刷装置100の運転が停止され、ユーザによる半田交換作業が実施される。この際、サーボモータ83およびサーボモータ725bにより、半田供給部72が所定の半田容器交換位置(作業位置)に移動された後に印刷装置100の運転が停止される。上記の通り、ユーザは、残量警告に基づいて交換用の半田ペーストの準備作業を開始することができるので、印刷装置100の運転が停止された直後に半田容器110の交換作業を開始することができる。したがって、ユーザにより交換用の半田容器110にピストン112が嵌め込まれ、半田容器支持部721に半田容器110がセットされれば、即時に印刷を再開することができる。
以上により、本実施形態による印刷装置100の印刷時における半田残量監視処理が行われる。
次に、図1、図3、図5および図9を参照して、図8の半田残量監視処理のステップS9におけるプリント基板200の1枚当たりの消費半田量(半田ペースト111の塗布容積)の算出処理(サブルーチン)について説明する。この算出処理は、制御部10の演算処理部11により実行される。
図9に示すように、まず、ステップS31において、演算処理部11により記憶部12からマスク300の厚さt(図3参照)が取得される。続いて、ステップS32において、マスク300の開口領域の総面積を取得するための取得方法が選択される。具体的には、プリント基板200に対する半田の塗布状態を検査するための検査情報を用いる方法と、マスク300のガーバーデータを用いる方法と、マスク認識カメラ91により撮像した画像情報を用いる方法(マスクスキャン)との3つの方法のうちから、ユーザにより予め設定された方法が選択される。
検査情報を用いる方法が選択された場合には、演算処理部11により記憶部12(図5参照)から検査情報が読み出される。ステップS33において、半田の印刷パターンの検査対象(マスク300の個々の開口部310に対応する個々の塗布部分)についてのサイズ情報(XY方向の寸法または直径)に基づいて、その検査対象の半田の塗布面積が算出される。ステップS34において、算出された塗布面積が加算される。ステップS35において、プリント基板200上の全ての検査対象(個々の半田の塗布部分)について演算が完了したか否かが判断され、全ての検査対象について完了するまで塗布面積の算出と加算とが繰り返される。この結果、プリント基板200上の全ての検査対象についての総面積(総塗布面積)が算出される。総塗布面積が算出されると、ステップS36に進み、総塗布面積とマスク300の厚さtとの積から、プリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積が算出される。
マスク300のガーバーデータを用いる方法が選択された場合には、ステップS37において、ガーバーデータの内からマスク300の開口部310(図3参照)のサイズ情報を抽出するための抽出条件が設定され、ステップS38において、設定された抽出条件に基づいて1つ1つの開口部310のサイズ情報が抽出される。ステップS39において、サイズ情報から1つの開口部310についての開口面積が算出されると、ステップS40において、算出された開口面積が加算される。ステップS41において、マスク300の全ての開口部310について演算が完了したか否かが判断され、全ての開口部310について完了するまで開口部面積の算出と加算とが繰り返される。この結果、マスク300上の全ての開口部310についての総面積(開口領域301全体の総開口面積)が算出される。総開口面積が算出されると、ステップS36に進み、総開口面積とマスク300の厚さtとの積から、プリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積が算出される。
画像情報を用いる方法が選択された場合には、ステップS42において、マスク認識カメラ91(図1参照)の画角(視野の大きさ)と認識対象エリア(マスク300の開口領域301全体の大きさ)とに基づいて、マスク認識カメラ91の撮像位置および撮像回数が取得される。次に、ステップS43において、取得された撮像位置においてマスク認識カメラ91によるマスク300の撮像が行われる。ステップS44において、撮像した画像データに対して画像認識処理を行い、マスク認識カメラ91の撮像された画像データ内に含まれる開口部310の開口面積が算出される。ステップS45では、算出された開口面積が加算される。そして、ステップS46において、取得された撮像回数分だけ開口面積の演算が完了したか否かが判断され、撮像回数分だけ撮像と、画像データ内の開口面積の算出と、開口面積の加算とが繰り返される。この結果、マスク300全体の画像データに含まれる開口面積(開口領域301全体の総開口面積)が算出される。総開口面積が算出されると、ステップS36に進み、総開口面積とマスク300の厚さtとの積から、プリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積が算出される。
以上により、プリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積の算出処理が行われる。算出された半田残量を1枚当たりの塗布容積で割ることにより、半田残量に応じた塗布可能枚数が算出される。
本実施形態では、上記のように、エンコーダ723aを有するサーボモータ723と、エンコーダ723aにより検出されたサーボモータ723の駆動位置(回転位置座標)に基づいて半田ペースト111の供給量を制御する制御部10(演算処理部11およびモータ制御部13)と、半田容器110とピストン112との相対位置とサーボモータ723の駆動位置とを関係づける情報(第1基準位置および第2基準位置)と、エンコーダ723aにより検出されるサーボモータ723の現在位置とに少なくとも基づいて、半田容器110に収容された半田ペースト111の残量に関する情報を算出する演算処理部11とを設けることによって、サーボモータ723による半田ペースト111の供給制御を行うためのエンコーダ723aを利用して半田ペースト111の残量に関する情報を算出することができる。このため、エンコーダ723aを有するサーボモータ723を用いて半田ペースト111の供給制御と半田ペースト111の残量検出(残量の算出)との両方を行うことができるので、半田ペースト111の残量検出専用の部材を設ける必要がない。これにより、半田ペースト111の残量検出に起因する構造的制約を軽減させ、かつ、部品点数の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、予め取得された半田容器110の直径(内径)daにも基づいて半田容器110に収容された半田ペースト111の残量に関する情報を算出するように構成されている。このように構成すれば、半田容器110とピストン112との相対位置とサーボモータ723の駆動位置とを関係づける情報(第2基準位置およびボールネジ軸724のリード)と、サーボモータ723の現在座標とから半田容器110内の残りの深さDを算出すれば、残りの深さDと、直径(内径)daから算出される容器内断面積とを用いて半田容器110内に残存する半田ペースト111の体積(残量)を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、満量時にエンコーダ723aにより検出されるサーボモータ723の第1基準位置(図6参照)と、空量時にエンコーダ723aにより検出されるサーボモータ723の第2基準位置(図7参照)と、エンコーダ723aにより検出されるサーボモータ723の現在位置と、予め取得された半田容器110の内部容積に関する寸法情報とに基づいて、半田容器110に収容された半田ペースト111の残量を求めるように構成されている。このように構成すれば、満量時(内部容積最大)の第1基準位置と、空量時(内部容積最小)の第2基準位置と、現在位置とから、半田ペースト111の残量を満量時に対する割合(パーセンテージ)として算出することができる。また、この割合(パーセンテージ)と半田容器110の内部容積に関する寸法情報とを用いることにより、直径などの寸法が異なる半田容器110を用いた場合にも半田ペースト111の体積(残量)を容易に得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、印刷装置100は、演算処理部11により算出した半田ペースト111の残量と、プリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積とに基づき、半田ペースト111の残量に応じた半田ペースト111の塗布可能な基板枚数、および、半田ペースト111の残量に応じた作業可能時間を算出可能に構成されている。このように構成すれば、半田ペースト111の残量に関する情報を、塗布可能な基板枚数および残量に応じた作業可能時間として得ることができる。これにより、ユーザは、塗布可能な基板枚数や作業可能時間から半田ペースト111の交換作業を行うタイミングを容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、プリント基板200に塗布する半田ペースト111の塗布面積を求め、1枚当たりのプリント基板200の塗布面積と、プリント基板200に塗布する半田ペースト111の塗布厚さ(マスク300の厚さt)とに基づいてプリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積を求める。そして、演算処理部11は、半田ペースト111の残量(体積)と、1枚当たりのプリント基板200の塗布容積とに基づき、半田ペースト111の残量に応じた半田ペースト111の塗布可能なプリント基板200の枚数を求める。このように構成すれば、半田ペースト111の残量に加えてプリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積も演算により算出することができるので、半田ペースト111の塗布可能な基板枚数を容易に求めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、1枚のプリント基板200に要する半田ペースト111の塗布作業時間に相当するサイクルタイムを取得し、求めた半田ペースト111の残量(体積)と、求めた1枚のプリント基板200の塗布容積と、サイクルタイムとに基づき、半田ペースト111の残量に応じた作業可能時間を求める。このように構成すれば、半田ペースト111の残量に応じた作業可能時間を容易に求めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、マスクのガーバーデータ(設計情報)、半田ペースト111が塗布されたプリント基板200の塗布状態を検査するための検査情報、または、マスク300を撮像して得られた画像情報のいずれかに基づいて、1枚のプリント基板200に塗布する半田ペースト111の塗布面積を求める。また、演算処理部11は、マスク300の厚み寸法tに基づいて、プリント基板200に塗布する半田ペースト111の塗布厚さを取得し、塗布面積と取得した塗布厚さtとに基づいてプリント基板200の1枚当たりの半田ペースト111の塗布容積を求める。このように構成すれば、半田ペースト111のスクリーン印刷を行うためのマスク300についての情報(ガーバーデータおよび厚み寸法)、検査情報やマスク300の画像情報などのプリント基板200の生産に際して通常用いられる情報に基づいて、容易に塗布容積を算出することができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、求めた半田ペースト111の残量に関する情報を表示部101に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、表示部101から半田ペースト111の残量に関する情報を視覚的に取得することができるので、半田ペースト111の交換作業を行うタイミングをより容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、残量に関する情報は、半田ペースト111の残量(体積)、残量の割合(パーセンテージ)、塗布可能なプリント基板200の枚数、および、半田ペースト111の残量に応じた作業可能時間のいずれかを含む。このように構成すれば、半田ペースト111の残量、残量の割合(パーセンテージ)、塗布可能なプリント基板200の枚数および作業可能時間のいずれかから、容易に半田ペースト111の交換作業を行うタイミングを把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、演算処理部11は、求めた半田ペースト111の残量に関する情報(半田ペースト111の残量(体積)、パーセンテージ、塗布可能な枚数、および、作業可能時間のいずれか)が予め設定した所定の閾値に達した場合に警告を表示部101に表示させるように構成されている。このように構成すれば、半田ペースト111の交換のための準備作業に要する時間を逆算して所定の閾値として設定しておくことにより、ユーザは、警告後に準備作業を開始して半田ペースト111が空になったタイミングに合わせて準備作業を完了させることができる。これにより、半田ペースト111の交換作業時に無駄な待機時間が発生するのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の付着材料塗布装置を、プリント基板に半田を印刷する印刷装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の付着材料塗布装置を、たとえば、プリント基板に実装される電子部品を固定するための部品固定用の接着材をプリント基板に塗布する接着材塗布装置など、(半田)印刷装置以外の装置に適用してもよい。また、このように本発明の付着材料として、半田ペースト以外の接着材などを用いてもよい。
また、上記実施形態では、図8に示すように、選択された残量監視方法に応じた半田ペースト111の残量に関する情報(半田ペースト111の残量(体積)、パーセンテージ、塗布可能な枚数、および、作業可能時間のいずれか)を算出するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、選択された残量監視方法に関わらず、残量に関する複数の情報を算出するように構成してもよい。この場合には、図10に示す変形例のように、算出した残量に関する複数の情報を表示部101に表示し、リアルタイムで更新するようにしてもよい。
ここで、図10では、半田ペースト111の残量に関する情報として、残量の割合(パーセンテージ)、塗布可能なプリント基板200の枚数、および、継続可能な作業可能時間の3つの情報を表示する例を示している。ここで、図10の(a)では、半田容器の模式図とともに半田残量の割合(50%)が斜線部および数値により表示されている。また、塗布可能なプリント基板200の枚数(80枚)、および、作業可能時間(26分)が表示部101に表示されている。そして、図10の(b)では、半田残量の減少に伴い、半田残量の割合(20%)生産可能枚数(15枚)、および、作業可能時間(5分)がリアルタイムで更新されている。ここで、残量監視方法として残量の割合(パーセンテージ)が選択されている場合(閾値=20%とする)には、残量を示す斜線部の色を図10(a)の通常状態(たとえば、灰色)から警告色(たとえば、黄色)に変更してユーザへの警告通知を行うようにしてもよい。そして、図10の(c)では、半田切れとなり、半田残量の割合(0%)、塗布可能枚数(0枚)、および、作業可能時間(0分)がいずれも0となった状態を示している。なお、この変形例では、残量のパーセンテージ、塗布可能枚数、および、作業可能時間の3つの情報を表示する例を示したが、残量(体積)も含めて4つの情報を表示してもよいし、4つのうちのいずれか1つまたは2つの情報を表示するようにしてもよい。
この変形例のように構成した場合には、ユーザは、表示部101の表示から半田ペースト111の残量を視覚的に認識することができるので、半田の残量をより容易に把握することができる。また、ユーザとしては、半田残量が満量に近い場合には残量の割合(パーセンテージ)を把握すれば十分であり、半田残量が中程度の場合には、生産可能枚数が目安として有用であり、半田残量が空量に近い場合には、作業可能時間に基づいて交換用の半田容器110の準備を行うことが考えられる。このような場合に、半田ペースト111の残量に関する複数の情報を表示部101に表示することができる点で有用である。
また、上記実施形態では、半田ペースト111が収容された状態で流通される市販の半田容器110を用いることが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、専用の半田容器を用いて、半田ペーストが空になる度に半田ペーストを充填するように構成してもよい。なお、半田容器は、円筒形状を有する必要はなく、半田容器の形状は任意である。また、ピストンは、半田容器の内周部の形状に対応する形状であれば、どのような形状であってもよい。
また、上記実施形態では、半田容器支持部721(半田容器110)をピストン支持部722(ピストン112)に対して上下に移動させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ピストン支持部722を半田容器支持部721に対して移動させるように構成してもよい。また、ピストン112のみを半田容器110に対して移動させるように構成してもよい。また、半田容器支持部721(半田容器110)およびピストン支持部722(ピストン112)の両方が互いに近づく方向および互いに遠ざかる方向に移動可能に構成されてもよい。
また、上記実施形態では、ピストン112に半田供給経路112cおよび供給口113を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、半田容器110に半田供給経路および供給口を設けてもよい。
また、上記実施形態では、本発明のモータの一例として、エンコーダ723aを有するサーボモータ723を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁気スケールなどを備えた電磁式のリニアモータを用いてもよい。この場合には、ボールネジ軸724は不要であり、半田容器支持部721を直接駆動するように構成すればよい。本発明の「モータ」としては、位置検出が可能であれば、どのようなモータであってもよい。
また、上記実施形態では、本発明の塗布手段の一例として、スキージを用いたスクリーン印刷方式により半田を塗布するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば接着材などの付着材料をノズル(供給口)から所定の塗布領域に直接塗布するように構成してもよい。したがって、塗布手段は、塗布する付着材料の種類に応じて適切なものを選択すればよい。
また、上記実施形態では、ボールネジ軸724のリードと、第2基準位置(空量時)の座標と現在の座標との差分から、半田容器110内の残りの深さDを算出するとともに、半田容器110の直径(内径)daから容器内断面積を算出し、残りの深さDと容器内断面積とに基づいて、半田残量(体積)を算出するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1基準位置および第2基準位置の座標と、現在の座標とに基づき、現在の半田残量の割合(パーセント)が算出されるので、予め半田容器110の容量(満量時の半田体積)を設定しておけば、現在の半田残量の割合と半田容器110の容量とに基づいて半田残量(体積)を算出することが可能である。
このように、上記実施形態において示した半田残量(体積)、半田残量の割合(パーセント)、塗布可能なプリント基板200の枚数および半田残量に応じた作業可能時間の算出方法は一例であり、本発明はこれに限られない。本発明では、半田容器とピストンとの相対位置とサーボモータの駆動位置とを関係づける情報(第1基準位置および第2基準位置、ボールネジ軸724のリードの情報など)と、サーボモータの現在位置とに少なくとも基づいて半田残量に関する情報を算出すれば、どのような算出方法を用いてもよい。
同様に、上記実施形態では、基板1枚当たりの半田の総塗布面積の算出を、プリント基板200の検査情報を用いる方法と、マスク300のガーバーデータを用いる方法と、マスク認識カメラ91により撮像する方法との3つの方法のいずれかにより行う例を示したが、本発明はこれに限られない。上記3つの方法以外の方法で、半田の総塗布面積の算出を行ってもよい。なお、基板1枚当たりの半田の塗布容積の算出についても同様である。
また、上記実施形態では、半田残量に関する情報として、半田ペースト111の残量の割合(パーセンテージ)と、残量(体積)と、塗布可能な基板枚数と、作業可能時間との4つ(4種類)の情報を算出することが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。上記の4種類の情報以外の情報を半田残量に関する情報として算出するようにしてもよい。また、上記の4種類の情報のうちの1、2または3つのみを算出するように構成してもよい。
11 演算処理部(モータ制御手段、残量演算手段、塗布面積演算手段、塗布容積演算手段、基板枚数演算手段、作業周期時間取得手段、作業時間演算手段、残量表示制御手段、警告表示制御手段)
13 モータ制御部(モータ制御手段)
100 印刷装置(付着材料塗布装置)
101 表示部
110 半田容器(収容容器)
110a 上部開口
111 半田ペースト(付着材料)
112 ピストン(押出部)
113 供給口
200 プリント基板(基板)
300 マスク
310 開口部
711 スキージ(塗布手段)
723 サーボモータ(モータ)
723a エンコーダ(位置検出手段)
724 ボールネジ軸
t マスクの厚み寸法

Claims (10)

  1. 付着材料を収容する収容容器と押出部とを相対移動させて前記収容容器から付着材料を供給口を介して押し出すことにより付着材料を供給するように構成され、前記収容容器と前記押出部とを相対移動させるとともに、前記収容容器と前記押出部との相対位置に対応する駆動位置を検出するエンコーダを有するモータと、
    前記エンコーダにより検出された前記モータの駆動位置に基づいて前記モータの駆動制御を行うことにより付着材料の供給量を制御するモータ制御手段と、
    前記収容容器から供給された付着材料を基板に塗布する塗布手段と、
    予め取得された、収容容器の内部容積に関する情報と、前記収容容器と前記押出部との相対位置と前記モータの駆動位置とを関係づける情報と、前記収容容器と前記押出部との現在の相対位置において前記エンコーダにより検出される前記モータの現在位置とに少なくとも基づいて、前記収容容器に収容された付着材料の体積残量情報を算出する残量演算手段とを備えた、付着材料塗布装置。
  2. 前記残量演算手段は、前記収容容器内部の容積が最大となる第1相対位置に前記収容容器と前記押出部とが位置するときに前記エンコーダにより検出される前記モータの第1基準位置と、前記収容容器内部の容積が最小となる第2相対位置に前記収容容器と前記押出部とが位置するときに前記エンコーダにより検出される前記モータの第2基準位置と、前記収容容器と前記押出部との現在の相対位置において前記エンコーダにより検出される前記モータの現在位置と、予め取得された前記収容容器の内部容積に関する寸法情報とに基づいて、前記収容容器に収容された付着材料の体積残量を求めるように構成されている、請求項に記載の付着材料塗布装置。
  3. 前記残量演算手段により算出した前記収容容器内の付着材料の体積残量と、基板1枚当たりの付着材料の塗布容積とに基づき、前記収容容器内の付着材料の体積残量に応じた付着材料の塗布可能な基板枚数、または、前記収容容器内の付着材料の体積残量に応じた作業可能時間の少なくともいずれか一方を算出可能に構成されている、請求項1または2に記載の付着材料塗布装置。
  4. 基板1枚に塗布する付着材料の塗布面積を求める塗布面積演算手段と、
    前記塗布面積演算手段により演算された基板1枚当たりの前記塗布面積と、基板に塗布する付着材料の塗布厚さとに基づいて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積を求める塗布容積演算手段と、
    前記残量演算手段により求めた付着材料の体積残量と、前記塗布容積演算手段により求めた前記塗布容積とに基づき、前記収容容器内の付着材料の体積残量に応じた付着材料の塗布可能な基板枚数を求める基板枚数演算手段とをさらに備える、請求項に記載の付着材料塗布装置。
  5. 基板1枚に塗布する付着材料の塗布面積を求める塗布面積演算手段と、
    前記塗布面積演算手段により演算された前記塗布面積と、基板に塗布する付着材料の塗布厚さとに基づいて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積を求める塗布容積演算手段と、
    基板1枚に要する付着材料の塗布作業時間に相当する作業周期時間を取得する作業周期時間取得手段と、
    前記残量演算手段により求めた付着材料の体積残量と、前記塗布容積演算手段により求めた前記塗布容積と、前記作業周期時間取得手段により求めた前記作業周期時間とに基づき、前記収容容器内の付着材料の体積残量に応じた作業可能時間を求める作業時間演算手段とをさらに備える、請求項またはに記載の付着材料塗布装置。
  6. 前記塗布手段は、基板に対する付着材料の塗布領域に対応する開口部が形成されたマスクを介して基板に付着材料を塗布するように構成され、
    前記塗布面積演算手段は、前記マスクの設計情報、付着材料が塗布された基板の塗布状態を検査するための検査情報、または、前記マスクを撮像して得られた画像情報のいずれかに基づいて、基板1枚に塗布する付着材料の塗布面積を求めるように構成され、
    前記塗布容積演算手段は、前記マスクの厚み寸法に基づいて、基板に塗布する付着材料の塗布厚さを取得し、前記塗布面積と取得した前記塗布厚さとに基づいて基板1枚当たりの付着材料の塗布容積を求めるように構成されている、請求項またはに記載の付着材料塗布装置。
  7. 表示部と、
    前記残量演算手段により求めた前記収容容器内の付着材料の残量に関する情報を前記表示部に表示させる残量表示制御手段とをさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の付着材料塗布装置。
  8. 前記残量に関する情報は、付着材料の体積残量、前記収容容器に収容された付着材料の残量の割合、付着材料を塗布可能な基板枚数、および、付着材料の体積残量に応じた作業可能時間のいずれかを含む、請求項に記載の付着材料塗布装置。
  9. 表示部と、
    前記残量演算手段により求めた付着材料の残量に関する情報が予め設定した所定の閾値に達した場合に警告を前記表示部に表示させる警告表示制御手段とをさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の付着材料塗布装置。
  10. 前記付着材料は、半田ペーストであり、
    前記収容容器は、上部開口と底部とを有し前記半田ペーストを収容する筒状の半田容器であり、
    前記押出部は、前記筒状の半田容器の前記上部開口の内周部に摺動可能に嵌合するとともに前記供給口を有するピストンであり、
    記モータは、前記モータの回転位置を検出する前記エンコーダを有するサーボモータであり、
    前記半田容器と前記ピストンとを相対移動させるためのボールネジ軸をさらに備え、
    前記サーボモータは、前記ボールネジ軸を回転駆動して前記ピストンを前記半田容器に対して相対移動させることにより、前記半田容器から半田ペーストを前記供給口を介して押し出し供給するように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の付着材料塗布装置。
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