JP4959967B2 - 電子部品装着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、装着ヘッドに設けられた吸着ノズルが下降して吸着保持した電子部品をプリント基板に装着する電子部品装着装置に関する。
この種の電子部品装着装置は、特許文献1などのように広く知られている。そして、位置決めされたプリント基板上に吸着ノズルに吸着保持された電子部品を装着する場合には、プリント基板自体に反りがあるので、装着に際しては吸着ノズルの下降量をプリント基板の高さレベルに合わせて調整することが望まれる。即ち、下降量が必要以上に多いと電子部品を破損させる事態が、逆に必要以上に少ないと電子部品が浮いた状態となる事態が発生するので、装着に際しては吸着ノズルの下降量をプリント基板の高さレベルに合わせて調整することが望まれる。
特開2003−69287号公報
そこで本発明は、プリント基板の高さを検出することにより、電子部品の装着に際して吸着ノズルの下降量をプリント基板の高さレベルに合わせて調整し、装着の際の不具合を解消することを目的とする。
このため第1の発明は、装着ヘッドに設けられた吸着ノズルが下降して吸着保持した電子部品をプリント基板に装着する電子部品装着装置において、前記プリント基板の高さレベルを検出する高さ検出装置と、プリント基板上の高さを補正する矩形状の範囲を対角点として記憶する範囲指定装置と、この範囲指定装置により記憶されたプリント基板上の範囲に対応して前記プリント基板のどこの高さを検出するかの測定点データを格納する記憶装置と、前記電子部品を装着する装着点の位置が前記範囲指定装置に記憶された範囲内にある場合には前記記憶装置に格納された測定点データに基づいて前記高さ検出装置により検出された3つの測定点の高さ位置を結んで形成される平面における当該装着点の高さレベルを算出する算出装置と、前記プリント基板に電子部品を装着する際には前記算出装置による算出結果に基づいて前記吸着ノズルを昇降させる駆動源を制御する制御装置とを設けたことを特徴とする。
従来、位置決めされたプリント基板上に吸着ノズルに吸着保持された電子部品を装着する場合には、プリント基板自体に反りがあるので、装着に際して吸着ノズルの下降量が必要以上に多いと電子部品を破損させる事態が、逆に必要以上に少ないと電子部品が浮いた状態となる事態が発生していたが、本発明によれば、
プリント基板上の高さを補正する矩形状の範囲を対角点として記憶する範囲指定装置に記憶された範囲内に電子部品を装着する装着点の位置がある場合には、記憶装置に格納された測定点データに基づいて高さ検出装置により検出された3つの測定点の高さ位置を結んで形成される平面における当該装着点の高さレベルを算出する算出装置と、前記プリント基板に電子部品を装着する際には前記算出装置による算出結果に基づいて前記吸着ノズルを昇降させる駆動源を制御する制御装置とを設けたので、範囲指定装置で指定された範囲内にある電子部品の装着に際して吸着ノズルの下降量をプリント基板の高さレベルに合わせて調整し、前述した装着の際の不具合を解消することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る電子部品装着装置1について説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図であり、この電子部品装着装置1は、装置本体2を挟んで相互に平行に、電子部品を供給する供給系3と、電子部品をプリント基板Pに装着する装着系4とを配して構成されている。前記装置本体2には、駆動系の主体を為すインデックスユニットと、これに連結された回転テーブル12と、回転テーブル12の外周部に搭載した複数個(例えば12個)の装着ヘッド10とが設けられており、前記回転テーブル12は前記インデックスユニットにより、装着ヘッド10の個数に対応する間欠ピッチで間欠回転される。
そして、回転テーブル12が間欠回転すると、各装着ヘッド10に搭載した吸着ノズル11が供給系3および装着系4に適宜臨み、供給系3から供給された電子部品を吸着した後、装着系4に回転搬送して装着系4に導入したプリント基板Pにこれを装着する。
前記供給系3はプリント基板Pに装着する電子部品の種類に応じた数の部品供給ユニット5を有し、部品供給ユニット5は一対のガイドレール6にスライド自在に案内された供給台7に、横並びに着脱自在に取り付けられている。前記供給台7には、そのスライド方向にボールねじ8が螺合しており、供給台7はボールねじ8の一方の端に連結した送りモータ9の正逆回転により進退され、装着ヘッド10の取出ステーションに所望の部品供給ユニット5を選択的に臨ませる。各部品供給ユニット5には所定のピッチで電子部品が装填されたキャリアテープがテープリールに巻き出された状態で搭載されており、テープリールから巻き出されてカバーテープが剥離されたキャリアテープから取出位置に供給された電子部品は随時、吸着ノズル11により吸着されてゆく。
前記装着系4は、載置したプリント基板PをX軸駆動モータ15X及びY軸駆動モータ15YによりXY方向に移動させるXYテーブル15と、XYテーブル15の前後に配設した搬入コンベア16および搬出コンベア17と、搬入コンベア16上のプリント基板PをXYテーブル15に、同時にXYテーブル15上のプリント基板Pを搬出コンベア17に移送する基板移送装置18とで構成されている。
そして、搬入コンベア16の下流端まで送られてきたプリント基板Pは、基板移送装置18によりXYテーブル15上に移送され、同時に電子部品の装着が完了したXYテーブル15上のプリント基板Pは、この基板移送装置18により搬出コンベア17に移送される。前記XYテーブル15上に導入されたプリント基板Pは、XYテーブル15により適宜平面方向に移動され、各装着ヘッド10により次々と送られてくる電子部品に対応して、その部品装着部位を装着位置に臨ませ、各吸着ノズル11から電子部品の装着を受ける。
前記装置本体2は、支持台上に前記インデックスユニットを有しており、インデックスユニットは回転テーブル12を間欠回転させると共に、回転テーブル12の間欠周期に同期(連動)させ、装置本体2の各種の装置を作動させる。
前記回転テーブル12は、インデックスユニットにより回転する軸筒(図示せず)に固定され、平面視時計廻りに間欠回転する。そして、回転テーブル12の外周部には、各リニアブロック20に沿って周方向に等間隔に設けられた12個の各装着ヘッド10が上下移動体であるリニアレール21を介して上下動自在に取り付けられている。そして、前記軸筒の上部を囲うように中空円筒状の回転テーブル案内用の円筒カム部材の下端周縁部に略全周に亘って形成されたカムの上面及び下面に押し付けられながらリニアレール21上部の両カムフォロア22が回転し、前記カムの形状通りに、各装着ヘッド10は前述の如く各リニアブロック20に沿って上下しながら回転テーブル12と共に回転する。
この場合、ロータリテーブル12の間欠回転は、装着ヘッド13の数に合わせて1回転に対して12間欠周期となっており、この間欠回転により公転する各装着ヘッド10は12箇所の停止位置にそれぞれ停止する。そして、12箇所の停止位置には、部品供給ユニット5から供給された電子部品を吸着して取出す吸着位置及びプリント基板Pに装着する装着位置の他、吸着した電子部品の撮像および位置補正を行う位置や、装着ヘッド10におけるノズル切替(交換)を行う位置等が含まれている。そして、前記吸着位置や装着位置においては、前記円筒カム部材のカムは切欠かれており、その切欠部で装着ヘッド10は大きく上下動して電子部品の吸着取出しや装着に供される。
次に、図2乃至図9に基づき、装着ヘッド10について詳述する。各装着ヘッド10は、周方向に等間隔に配設した例えば5本の吸着ノズル11をそれぞれ出没可能に支持すると共に吸着ノズル11の上下出没移動を案内する5つのノズル上下溝31Aが開設されたノズルホルダ31と、前記リニアレール21に固定されノズルホルダ31をローターベアリング32を介して回転自在に支持するホルダ支持部材33と、このホルダ支持部材33の上部に固定され前記ノズルホルダ31の上部の中心上に立設する軸筒部31Bとカップリング34を介してその出力軸が連結された正逆回転可能なホルダ回転モータ38とを備えている。
なお、ノズルホルダ31の軸筒部31B上部には下面が開口した蓋体部31Cが設けられ、このノズルホルダ31の側面部に前記ノズル上下溝31Aが10個等間隔に開設されている。
従って、このホルダ回転モータ38の駆動により、ホルダ支持部材33に対しベアリングホルダ37に支持されたローターベアリング32を介してノズルホルダ31が回転する。即ち、ホルダ支持部材33内でノズルホルダ31が回転することにより、複数本の吸着ノズル11がノズルホルダ31の軸線廻りに公転する。
また、ノズルホルダ31の上部とホルダ支持部材33との間には、円筒カムベアリング40を介して回転可能な円筒カム部材41が設けられる。そして、この円筒カム部材41の上面は全周に亘って円筒カム42が形成される。
なお、各吸着ノズル11の上部には、ノズルホルダ31の外方に向けて、吸着ノズル11の高さを拘束する第1カムフォロア50及び吸着ノズル11の回転を防止する第2カムフォロア51を回転可能に支持する支持部材52が設けられている。即ち、この支持部材52の細径部に第1カムフォロア50及び第2カムフォロア51が回転可能に設けられ、この第1カムフォロア50は円筒カム部材41の円筒カム42上面上に載置して回転し、また第2カムフォロア51はノズルホルダ31のノズル上下溝31A内に挿入して上下移動可能である。この第1カムフォロア50及び第2カムフォロア51はベアリングで構成される。
なお、図5乃至図7に示すように、前記円筒カム部材41の円筒カム42の一部には吸着ノズル11を下降させて突出させる第1及び第2の突出カム面42A及び42Bが形成されている。そして、吸着ノズル11内には圧縮バネ55が下端部が支持された状態で挿入され、ノズルホルダ31の蓋体部31Cの下面に固定された6本の押下ピン57及びボール58を介して圧縮バネ55を押圧しているので、吸着ノズル11を下方へ付勢し、この第1カムフォロア50は円筒カム部材41の円筒カム42上面上に圧接しながら回転することとなる。
そして、使用する吸着ノズル11が選択されて、第1カムフォロア50が突出カム面42A上にあるときには当該吸着ノズル11の下端レベルが低レベル位置となり、突出カム面42B上にあるときには高レベル位置となり、XYテーブル15上のプリント基板P上に電子部品を装着する際の装着する電子部品の厚さに応じて吸着ノズル11の高さレベル位置を調整することが可能となるものである。
なお、装着ヘッド10には、ノズルホルダ31の回転角度位置を検出するノズル位置検出用エンコーダ(位置検出手段)59及び円筒カム部材41の回転角度位置を検出するカム位置検出用エンコーダ(位置検出手段)60が設けられている。両エンコーダ59、60はマイクロコンピュータのCPU(制御手段)に接続され、CPUにはモータドライバ(制御手段)を介して上記ホルダ回転モータ38が接続され、このホルダ回転モータ38は制御される。
なお、吸着ノズル11に吸着保持された電子部品を部品認識カメラ86が撮像する際に、前記電子部品に拡散光を当てるための拡散板62が取り付けられた取付部材63が、前記ノズルホルダ31下部に固定されている。
65は切替え装置で、前記ホルダ支持部材33に設けられた電磁石66と、この電磁石66に対応する位置の前記円筒カム部材41に開設された開口41A内に移動可能に例えばスチールである磁性体67が設けられると共にこの開口41A縁部近傍に固定部68の端部が固定された切替え体69と、上下案内溝31Aに対応して前記ノズルホルダ31に前記所定間隔毎に10個設けられる永久磁石64とから構成される。前記開口41Aより大きな面積を有する前記固定部68の両側に前記磁性体67が設けられるが、この固定部68は板バネで構成され、可撓性を有しており、変形可能である。
従って、前記電磁石66が消磁しているときには、前記切替え体69の磁性体67が前記永久磁石64に吸着して前記ホルダ回転モータ38の駆動により該ノズルホルダ31及び円筒カム部材41を共に回転可能となる。また、前記電磁石66が励磁したときには、電磁石66には永久磁石64が磁性体67を吸着する吸着力よりも大きい、例えば数倍の吸着力が発生し、この結果、前記磁性体67と前記永久磁石64との吸着が解かれると共にこの電磁石66に前記磁性体67が吸着されて前記ホルダ回転モータ38の駆動により前記ノズルホルダ31のみが回転可能となる。
次に、図10の制御ブロック図について説明すると、前記各電子部品装着装置1には、本装着装置1を統括制御する制御部としてのCPU(セントラル・プロッセンシング・ユニット)80と、該CPU80にバスラインを介して接続されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)81及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)82が備えられている。そして、CPU80は前記RAM81に記憶されたデータに基づき、前記ROM82に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置の電子部品の取出し及び装着に係る動作についてインターフェース83及び駆動回路84を介して各駆動源を統括制御する。
前記RAM81には、部品装着に係るプリント基板Pの種類毎に装着データ(図11参照)が記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX方向(Xで示す)、Y方向(Yで示す)及び角度(Zで示す)情報や、各部品供給ユニット18の配置番号情報(Fで示す)及びコントロールコード等が格納されている。ここで、コントロールコードの「L」は高さ測定の指示コードで、この高さ測定においてはプリント基板P上の外乱要因(銅箔のプリントパターン・半田ペースト等)を避けて行う必要があり、ステップ番号002及び003にて示す高さ測定点の座標はユーザーが任意に指定し、予めRAM81に格納しておく。
また前記RAM81には、各プリント基板Pの種類毎に前記各部品供給ユニット5の部品供給ユニット配置番号(レーン番号)に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報、即ち部品配置情報が格納されており、更にはこの部品ID毎に電子部品のサイズ等に関する部品ライブラリデータが格納されている。
85はインターフェース83を介して前記CPU80に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ86により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置85にて行われ、CPU80に処理結果が送出される。即ち、CPU80は、部品認識カメラ86に撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置85に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置85から受取るものである。
即ち、前記認識処理装置85の認識処理により位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU80に送られ、CPU80は前XYテーブル15のY軸駆動モータ15Y及びX軸駆動モータ15Xの駆動によりXY方向にプリント基板Pを移動させることにより、またホルダ回転モータ38により使用している吸着ノズル11をθ回転させ、X,Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正がなされるものである。
尚、前記部品認識カメラ86により撮像された画像を認識処理装置85が取り込むが、その取り込まれた画像をモニタ87が表示する。そして、前記モニタ87にはデータ設定のための入力手段としての種々のタッチパネルスイッチ88が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチ88を操作することにより、種々の設定を行うことができるが、データ設定のための入力手段としてキーボードを用いてもよい。
89は装置本体2に固定されたプリント基板高さレベル検出センサで、XYテーブル15上に位置決め固定されたプリント基板Pに発せられてこのプリント基板Pにより反射されたビームを受光部が受光して、プリント基板Pの高さレベルの測定を行なう。
ここで、任意の1の吸着ノズル11の突出動作(使用する吸着ノズル11の選択動作)を、順を追って説明する。先ず、図4及び図8に示すような電磁石66が消磁している場合には、電磁石66と外側の磁性体67との間には隙間Sが形成されて、前記切替え体69の磁性体67が前記永久磁石64に吸着している状態である。ここで、電磁石66が励磁すると、図9に示すように、内側の磁性体67と前記永久磁石64との吸着が解かれると共にこの電磁石66に外側の磁性体67が吸着されて、円筒カム部材41は回転不能となり、且つ、内側の磁性体67と永久磁石64との間には隙間Sが形成され、前記ホルダ回転モータ38が駆動すると、前記ノズルホルダ31のみが回転する。
このとき、ノズル位置検出用エンコーダ59の検出結果に基づいたCPUの制御により、正逆の回転方向およびステップ数が決定され、ホルダ回転モータ38を駆動させる。これにより、使用する吸着ノズル11の下端レベルを低レベル位置とするには、図7に示すように、当該吸着ノズル11の第1カムフォロア50が突出カム面42A上に来るように、ノズルホルダ31を回転させて使用する吸着ノズル11が突出カム面42Aの位置、即ち使用する吸着ノズル11が他の吸着ノズル11よりも下降する突出位置に移動させる。即ち、使用する吸着ノズル11が突出カム面42Aの位置に移動すると、突出カム面42Aのカム作用で吸着ノズル11が下降し、その先端部がノズルホルダ31の下端面から突出する。これにより、使用する吸着ノズル11が選択されたこととなる。
次に、記憶装置(図示せず)に格納された装着位置や装着すべき角度等に係る装着データに基づいて、プリント基板Pに装着する際の装着角度となるように、ノズルホルダ31及び円筒カム部材41を共に回転させる。即ち、図4及び図8に示すように、前記前記電磁石66が消磁すると、電磁石66と外側の磁性体67との吸着が解かれ円筒カム部材41は回転不能になると共に、内側の磁性体67が永久磁石64に吸着し、この状態で前記ホルダ回転モータ38が駆動すると、該ノズルホルダ31及び円筒カム部材41を共に回転する。
このとき、カム位置検出用エンコーダ60の検出結果に基づいたCPUの制御により、正逆の回転方向およびステップ数が決定され、ホルダ回転モータ38を駆動させて、ノズルホルダ31及び円筒カム部材41を共に回転させることにより、結果として使用する吸着ノズル11のθ回転がなされることとなり、所望の装着角度でプリント基板P上に電子部品を装着することができる。
なお、円筒カム部材41の円筒カム42を利用して、例えば電子部品を部品供給ユニット5より電子部品を取出すために吸着又はプリント基板P上に当該電子部品を装着する際に、電子部品をわずかな距離だけ昇降させることができる。突出カム面42A上にあるときには当該吸着ノズル11の下端レベルが低レベル位置となり(図7参照)、突出カム面42B上にあるときには高レベル位置となり(図6参照)、電子部品を部品供給ユニット5より電子部品を取出すために電子部品の上面レベルに合わせて、またXYテーブル15上のプリント基板P上に電子部品を装着する際の装着する電子部品の厚さに応じて吸着ノズル11の高さレベル位置を調整することが可能となるものである。
以上説明したような構成により、プリント基板Pの高さレベルの測定及び電子部品の装着動作について、図12のフローチャートに基づき説明する。先ず、前述したように、プリント基板Pの機種切り替えがなされると、管理者は前記モニタ87に表示されたタッチパネルスイッチ88を操作することにより、補正方法を選択する。即ち、モニタ87には図13に示すような画面が表示され、ここでは、タッチパネルスイッチ88を押圧操作することにより「指定範囲補正」を選択するものとする。なお、「指定測定点補正」は電子部品の装着点毎に基準となる測定点を持ち、基板高さレベルの推定を前記基準となる測定点における高さに従って吸着ノズル11の昇降制御を行なう補正方法であり、「指定範囲補正」は指定した範囲内の電子部品の装着について基板高さレベルの推定を基準となる測定点における高さに従って吸着ノズル11の昇降制御を行なう補正方法である。
すると、モニタ87には図14に示すような画面が表示され、「指定範囲補正」の「範囲指定」、「補正基準点」及び「補正方法」について設定することができる。即ち、「範囲指定」については指定する範囲を対角点又は中心点を用いて形成するかを設定できるが中心点で行なうことを、「補正基準点」については任意の数を設定できるが2点を、「補正方法」については3点平面補正か測定結果の平均値による補正かを設定できるが平均値を設定すると、CPU80はこれらの設定内容をRAM81に格納させる。
そして、以上のように設定されると、CPU80は対応するプリント基板Pに係る装着データ(図11参照)から基板高さ測定リスト(図15参照)を作成し、モニタ87に表示させる。即ち、図11に示す装着データに加え、ステップ番号毎に高さ補正範囲(X方向)、高さ補正範囲(Y方向)、測定点1のステップ番号、測定点2のステップ番号及び測定点3のステップ番号が書き込み可能となると共に元のステップ番号001のデータはステップ番号004に繰り下がった基板高さ測定リストが作成されて表示されるので、管理者はこれらについて、タッチパネルスイッチ88を用いて書き込むことができ、完成されるとRAM81に格納される。
従って、完成された基板高さ測定リストは図15に示すように、管理者はタッチパネルスイッチ88を押圧操作して、範囲を指定する中心点Cについてステップ番号001のX座標としてM1X、Y座標としてM1Yを、コントロールコードとして中心点Cを中心として範囲指定を行なうことを意味する「M」を、高さ補正範囲(X方向)としてXL1、高さ補正範囲(Y方向)としてYL1を、測定点1のステップ番号として002を、測定点2のステップ番号として003を書き込む。
また、管理者はタッチパネルスイッチ88を押圧操作して、ステップ番号002に測定点1のX座標としてL1x、Y座標としてL1yを、コントロールコードとして高さ測定の指示コードである「L」を書き込む。
更に、管理者はタッチパネルスイッチ88を押圧操作して、ステップ番号003に測定点2のX座標としてL2x、Y座標としてL2yを、コントロールコードとして高さ測定の指示コードである「L」を書き込む。
以上のように書き込まれて完成された基板高さ測定リストはRAM81に格納される。なお、以上のように設定された各装着点P1、P2、P3、中心点C、指定範囲(点線で示す。)、測定点L1、L2の相互の関係は、図16に示すとおりである。即ち、指定範囲である長方形は、中心点Cを中心とした横がXL1、縦がYL1の長さで指定された長方形である。但し、長方形に限らず、中心点Cを中心とした円、その他の形状で特定される範囲でもよい。
そして、プリント基板Pの生産運転が開始されて、プリント基板Pは取り込まれ、搬入コンベア16の下流端まで送られてきたプリント基板Pは基板移送装置18によりXYテーブル15上に移送される。前記XYテーブル15上に導入されたプリント基板Pは、XYテーブル15により適宜平面方向に移動され、完成された基板高さ測定リストに従い、電子部品装着に係る動作が進められる。
即ち、ステップ番号001では、CPU80はコントロールコードが「M」であるので中心点Cを中心として範囲指定を行なうことを、その中心点CのX座標はM1x、Y座標はM1y、高さ補正範囲のX方向の長さがXL1、Y方向の長さがYL1、測定点1のステップ番号は002、測定点2のステップ番号は003であることを理解する。
次に、ステップ番号002及び003ではコントロールコードが「L」であるので、CPU80はプリント基板高さレベル検出センサ89の下方位置にステップ番号002、003の測定点L1、L2が順次来るように制御する共にプリント基板Pの高さレベルを測定し、RAM81に格納する。即ち、測定点L1、L2の測定高さL1Z、L2Zは図17に示すようなものとなり、この高さレベルデータはRAM81に格納される。
次いで、装着データのステップ番号004から、順次電子部品Dの実装が開始されるが、「指定範囲補正」による補正方法に従って、電子部品Dのプリント基板Pへの装着前に高さがCPU80により計算されて、測定結果の平均値に基づいて吸着ノズル11の下降距離が算出されて、前記ホルダ回転モータ38が制御されてプリント基板Pへの電子部品Dの装着が開始されることとなる。
即ち、図16に示すように、ステップ番号004の装着点P1のX座標はX1で、Y座標はY1であって指定範囲内にあり、部品装着前に2点の測定点L1、L2の測定されてRAM81に格納されている高さレベルの平均値をCPU80が算出し、この算出結果に基づいて吸着ノズル11の下降距離が算出され、その距離を下降させるように前記ホルダ回転モータ38を制御してプリント基板Pへステップ番号004の装着点P1に電子部品Dが装着されることとなる。
以下、ステップ番号005の装着点P2のX座標はX2で、Y座標はY2であって、ステップ番号006の装着点P3のX座標はX3で、Y座標はY3であって、指定範囲内にあり、前述したステップ番号004と同様に電子部品Dがプリント基板Pに装着される。
以上のような装着データの全てのステップ番号に対する部品装着が完了すると、XYテーブル15上のこの装着を終えたプリント基板Pを搬出コンベア17に、また搬入コンベア16上のプリント基板PをXYテーブル15に、基板移送装置18が移送し、次のプリント基板Pへの電子部品の装着に備えることとなる。
なお、以上のように、ステップ番号004乃至006に対応する電子部品の装着に際しては、測定点2点の高さレベルの平均値に基づいて、前記ホルダ回転モータ38を制御したが、これに限らず、以下のように「3点平面補正」による補正方法によってもよい。
即ち、前述したように、管理者がモニタ87に表示されたタッチパネルスイッチ88を操作することにより、「指定範囲補正」による補正方法を選択する。すると、表示された画面に従い、「範囲指定」については指定する範囲を対角点を用いて形成することを、「補正基準点」については3点を、「補正方法」については3点平面補正を設定すると、CPU80はこれらの設定内容をRAM81に格納させる(図18参照)。
そして、以上のように設定されると、CPU80は対応するプリント基板Pに係る装着データ(図19参照)から基板高さ測定リスト(図20参照)を作成し、モニタ87に表示させる。即ち、図19に示す装着データに加え、ステップ番号毎に測定点1のステップ番号、測定点2のステップ番号及び測定点3のステップ番号が書き込み可能となると共に元のステップ番号001のデータはステップ番号009に繰り下がった基板高さ測定リストが作成されて表示されるので、管理者はこれらについて、タッチパネルスイッチ88を用いて書き込むことができ、完成されるとRAM81に格納される。
従って、完成された基板高さ測定リストは図20に示すように、管理者はタッチパネルスイッチ88を押圧操作して、一方の範囲を指定する一方の対角点T1についてステップ番号001のX座標としてM1X、Y座標としてM1Yを、コントロールコードとして一方の対角点を意味する「M」を、測定点1のステップ番号として005を、測定点2のステップ番号として006、測定点3のステップ番号として007を書き込む。
また、同じく一方の範囲を指定する他方の対角点T2についてステップ番号002のX座標としてN1X、Y座標としてN1Yを、コントロールコードとして他方の対角点を意味する「N」を書き込む。
同様に、他方の範囲を指定する一方の対角点T3についてステップ番号003のX座標としてM2X、Y座標としてM2Yを、コントロールコードとして一方の対角点を意味する「M」を、測定点1のステップ番号として006を、測定点2のステップ番号として007、測定点3のステップ番号として008を書き込む。
同様に、同じく他方の範囲を指定する他方の対角点T4についてステップ番号004のX座標としてN2X、Y座標としてN2Yを、コントロールコードとして他方の対角点を意味する「N」を書き込む。
更に、管理者はタッチパネルスイッチ88を押圧操作して、ステップ番号005乃至0008に測定点1乃至測定点4のX座標及びY座標を、またコントロールコードとして高さ測定の指示コードである「L」を書き込む。
以上のように書き込まれて完成された基板高さ測定リストはRAM81に格納される。なお、以上のように設定された各装着点P1、P2、P3、P4、対角点T1、T2、T3、T4、測定点L1、L2、L3、L4の相互の関係は、図21に示すとおりである。即ち、対角点T1、T2で指定された長方形の範囲内の装着点P1、P2における電子部品の装着は、測定点L1、L2、L3における基板高さの測定データに基づき、また対角点T3、T4で指定された長方形の範囲内の装着点P3、P4における電子部品の装着は、測定点L2、L3、L4における基板高さの測定データに基づいて制御されることとなる。但し、対角点T1、T2で形成された長方形に限らず、平行四辺形その他の形状で特定される範囲でもよい。
そして、プリント基板Pの生産運転が開始されて、プリント基板Pは取り込まれ、搬入コンベア16の下流端まで送られてきたプリント基板Pは基板移送装置18によりXYテーブル15上に移送される。前記XYテーブル15上に導入されたプリント基板Pは、XYテーブル15により適宜平面方向に移動され、完成された基板高さ測定リストに従い、電子部品装着に係る動作が進められる。
即ち、ステップ番号001では、CPU80はコントロールコードが「M」であるので一方の範囲を指定する一方の対角点T1を指示するものと、また対角点T1のX座標はM1x、Y座標はM1y、測定点1のステップ番号は005、測定点2のステップ番号は006、測定点3のステップ番号は007であることを理解する。ステップ番号002では、CPU80はコントロールコードが「N」であるので一方の範囲を指定する他方の対角点T2を指示するものと、また対角点T2のX座標はN1x、Y座標はN1yであることを理解する。
次のステップ番号003では、CPU80はコントロールコードが「M」であるので他方の範囲を指定する一方の対角点T3を指示するものと、また対角点T3のX座標はM2x、Y座標はM2y、測定点1のステップ番号は006、測定点2のステップ番号は007、測定点3のステップ番号は008であることを理解する。ステップ番号004では、CPU80はコントロールコードが「N」であるので他方の範囲を指定する他方の対角点T4を指示するものと、また対角点T4のX座標はN2x、Y座標はN2yであることを理解する。
次に、ステップ番号005乃至008ではコントロールコードが「L」であるので、CPU80はプリント基板高さレベル検出センサ89の下方位置にステップ番号005乃至008の測定点L1、L2、L3、L4が順次来るように制御する共にプリント基板Pの高さレベルを測定し、RAM81に格納する。即ち、測定点L1、L2、L3の測定高さは図22に示すようなものとなり、この高さレベルデータ(L4のレベルデータは省略)はRAM81に格納される。
次いで、装着データのステップ番号009から順次電子部品Dの実装が開始されるが、「指定範囲補正」による補正方法に従って、ステップ番号009及び010の電子部品Dのプリント基板Pへの装着前に高さがCPU80により計算されて、測定点L1、L2、L3の3点の高さ位置を結んで面MNを形成し(図22参照)、この面MNにおける装着点P1及びP2の高さレベルをCPU80が算出して、この算出結果に基づいて吸着ノズル11の下降距離が算出されて、前記ホルダ回転モータ38が制御されてプリント基板Pへの電子部品Dの装着が開始されることとなる。なお、装着点が測定点L1、L2、L3の3点を結んだ範囲内に無い場合には、高さレベルを算出できないが、測定点L1、L2、L3の3点の高さ位置を結んで面MNを形成した場合にこの面MNを拡張させた拡張面上の位置の高さレベルを算出して制御する。
次いで、ステップ番号011及び012の電子部品Dのプリント基板Pへの装着前に高さがCPU80により計算されて、測定点L2、L3、L4の3点の高さ位置を結んで面を形成し、この面における装着点P3及びP4の高さレベルをCPU80が算出して、この算出結果に基づいて吸着ノズル11の下降距離が算出されて、前記ホルダ回転モータ38が制御されてプリント基板Pへの電子部品Dの装着が開始されることとなる。
なお、ステップ番号009以降の実装にあたっては、各ステップの装着点がステップ番号001、002で指定されたか、003、004で指定されたいずれの指定範囲に属するかが先ず判断され、その属する指定範囲について上述する下降距離の算出がなされる。また、いずれの指定範囲にも当該装着位置が属さなければ下降距離は補正されず、標準高さに基づき算出されたものとなる。
また、本実施形態では、吸着ノズル11の下降量は、ホルダ回転モータ38を制御して行ったが、リニアスケール21、即ち装着ヘッド10の下降量自体を可変制御してもよい。
以上のように、本発明はプリント基板Pの表面高さを検出することにより、電子部品の装着に際して、吸着ノズル11の下降量をプリント基板Pの高さレベルに合わせて調整し、プリント基板Pが反っていて、下降量が必要以上に多いと電子部品を破損させ、また必要以上に少ないと電子部品を浮いた状態とするという装着の際の不具合を解消することができる。
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
電子部品装着装置の平面図である。 装着ヘッドの縦断面図である。 装着ヘッドの一部拡大縦断面図である。 図3のA−A断面図である。 円筒カム部材(円筒カム)及びノズルホルダを示す側面図である。 説明の便宜上、円筒カム及びノズルホルダを展開した状態にした吸着ノズルの下端レベルが高レベル位置の説明図である。 説明の便宜上、円筒カム及びノズルホルダを展開した状態にした吸着ノズルの下端レベルが低レベル位置の説明図である。 装着ヘッドの要部拡大図である。 装着ヘッドの要部拡大図である。 制御ブロック図である。 装着データを示す図である。 フローチャートを示す図である。 補正方法を選択するための画面を示す図である。 指定範囲補正による補正方法の各種指定画面を示す図である。 完成された測定リストを示す図である。 プリント基板の一部を示す図である。 プリント基板の測定点の高さレベルを模式的に示した図である。 指定範囲補正による補正方法の各種指定画面を示す図である。 装着データを示す図である。 完成された測定リストを示す図である。 プリント基板を示す図である。 プリント基板の測定点の高さレベルを模式的に示した図である。
符号の説明
10 装着ヘッド
11 吸着ノズル
38 ホルダ回転モータ
80 CPU
81 RAM
L1、2、3、4 測定点
P1、2、3、4 装着点

Claims (1)

  1. 装着ヘッドに設けられた吸着ノズルが下降して吸着保持した電子部品をプリント基板に装着する電子部品装着装置において、前記プリント基板の高さレベルを検出する高さ検出装置と、プリント基板上の高さを補正する矩形状の範囲を対角点として記憶する範囲指定装置と、この範囲指定装置により記憶されたプリント基板上の範囲に対応して前記プリント基板のどこの高さを検出するかの測定点データを格納する記憶装置と、前記電子部品を装着する装着点の位置が前記範囲指定装置に記憶された範囲内にある場合には前記記憶装置に格納された測定点データに基づいて前記高さ検出装置により検出された3つの測定点の高さ位置を結んで形成される平面における当該装着点の高さレベルを算出する算出装置と、前記プリント基板に電子部品を装着する際には前記算出装置による算出結果に基づいて前記吸着ノズルを昇降させる駆動源を制御する制御装置とを設けたことを特徴とする電子部品装着装置。
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