JP5631884B2 - 発光ダイオード用ホスト材料 - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本出願は、2008年10月16日出願の米国仮特許出願第61/105838号および2008年11月27日出願の欧州特許出願公開第08170151.8号に関する優先権を請求し、これらの両方は参照により本明細書中に援用される。
本発明は、発光ダイオード用ホスト材料、そのようなホスト材料の使用法、および電気エネルギーを光に変換することができる発光素子に関する。
最近、様々なディスプレイ装置および照明装置、特に有機材料からのエレクトロルミネッセンス(EL)に基づくものが活発に検討され、また開発されている。
多くの有機材料が、一重項励起子由来の蛍光(すなわち対称許容過程由来のルミネッセンス)を示す。この過程は等しい対称状態間で起こるので、非常に効果的な場合がある。これに反して、励起子の対称性がその基底状態の対称性と異なる場合、励起子の放射緩和を許さず、ルミネッセンスは遅くかつ非効率であることになる。基底状態は通常、反対称であるため、三重項由来の減衰がその対称性を破る。したがってこの過程は許されず、そのELの効率はきわめて低い。したがって三重項状態に含まれるエネルギーは大部分無駄になる。
対称禁制過程は燐光として知られる。特質上、燐光は遷移の確率が低いせいで、急速な減衰を示す蛍光とは対照的に、励起の数秒後まで消えずに残ることができる。燐光材料の使用は、それらが一重項および三重項励起子の両方を同時に捕集することを可能にするためにエレクトロルミネッセンス効率を高める点で大きな躍進であった。燐光ドーパント用の適切なホスト材料を選択することは、依然として燐光系OLEDにおける重要な問題の一つのままである。ホスト材料からドーパント燐光団(phosphorophore)への発熱を伴うエネルギー伝達の効率はそのホストの三重項状態エネルギーがドーパントのそれよりも大きいかどうかで決まるためにホスト材料は重要である。
ゲスト−ホスト系のよく知られているホスト材料には、正孔輸送4,4−’N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)および電子輸送8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(AlQ)が挙げられ、これらは両方ともOLEDに使用されている。しかしながら既知のホスト材料はすべての燐光性ゲストには適していない。例えば、燐光発光体用のホスト化合物は、ホストの三重項エネルギーが燐光発光体のそれよりも高いという重要な条件を満たさなければならない。燐光発光体から効率よく燐光を得るためには、そのホストの最低励起三重項状態が燐光発光体の最低発光状態よりも高くなければならない。燐光発光体からの発光が望ましいので、最低励起状態は、ホスト化合物ではなく燐光発光体からのものでなければならない。したがって光スペクトル中に、例えばスペクトルの青色領域中に短い発光波長を有する好適なゲスト用ホスト材料が当業界において必要であり続ける。
より優れた燐光発光用の幾つかのホスト材料が報告されている。それらの電荷伝導能力、光物理的および酸化還元特性、十分に大きな三重項エネルギー、およびキャリア輸送特性のせいでカルバゾール系化合物が盛んに研究されている。
例えば、Canon KKに譲渡された(特許文献1)は、有機発光素子用として適したゲスト−ホスト発光系を開示している。そのホスト材料は、窒素と結合した電子供与種と、1個または複数個の炭素原子と結合した芳香族アミン基またはカルバゾール基と、大きなバンドギャップ電位と、高エネルギー三重項励起状態とを有するカルバゾールコアを有する化合物を含む。このような材料は、関連するゲスト材料によって短波長燐光発光を可能にし、前記材料と白金錯体などの燐光発光有機金属化合物との組合せは有機発光素子の製造に有用である。
(非特許文献1)は、有機電子燐光素子における自己消光の問題の防止または低減のために燐光ドーパント中で立体障害スペーサーを使用することを開示している。tert−ブチル置換、すなわち9,9−ビス[4−(3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾール−9−イル)フェニル]フルオレン(TBCPF)および9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(CPTBF)による新規なフルオレン/カルバゾールハイブリッドが、高い三重項エネルギー(>2.8eV)のみならず、高いガラス転移温度(Tg)(>160℃)および熱安定性を示すことを報告している。
さらに、(非特許文献2)は、燐光性青色ドーパント用ホスト材料として、3,5−ジ(N−カルバゾイル)テトラフェニルシラン(SimCP)およびN,N’−ジカルバゾイル−3,5−ベンゼン(mCP)を開示しており、一方、(非特許文献3)は、イリジウム蛍光体系ゲスト−ホスト有機発光ダイオードにおけるホスト材料として一連のカルバゾール系化合物および半経験的計算結果を開示している。
米国特許出願公開第2003/205696号明細書
しかしながら、上記の開示された材料はいずれも、OLED用途に必要なすべての必要条件、例えばエネルギー準位、電荷輸送能力、溶液から均一なフィルムを形成する加工可能性、アモルファス相の形成能、良好なドーパント分散能、形態安定性(高Tg)、素子の動作条件下での熱的および電気化学的安定性を満たさない。したがって上記に示した必要条件をすべて満足させることができる新しいホスト材料の開発の必要性が存在している。
本発明の一態様は、下記で述べるカルバゾール系化合物を含むホスト材料に関する。
本発明の別の態様は、発光層用にそのホスト材料を使用すること、およびこのホスト材料を含む有機発光素子に関する。
本発明の有機発光素子を含有するディスプレイ装置の断面図である。 式VI、VII、およびVIIIによって表される化合物のUV〜可視吸収スペクトルを示す図である。 式VI、VII、およびVIIIによって表される化合物の蛍光スペクトルを示す図である。 式VI、VII、およびVIIIによって表される化合物の発光スペクトルを示す図である。 式IVおよびIXによって表される化合物のサイクリックボルタメトリー曲線を示す図である。 式VIおよびVIIによって表される化合物のサイクリックボルタメトリー曲線を示す図である。 式VIIIおよびVによって表される化合物のサイクリックボルタメトリー曲線を示す図である。 ホスト分子試験用OLED素子の作製に使用した一般構造を示す図である。 式VIIIおよびVによって表される化合物を含有する3種類のOLED素子対基準材料PVK(ポリビニルカルバゾール)の強度−電圧−輝度(IVL)曲線を示す図である。 式VIIIおよびVによって表される化合物を含有する3種類のOLED素子対基準材料PVK(ポリビニルカルバゾール)の輝度効率曲線を示す図である。
本発明は、式I
の化合物を含むホスト材料を提供する。
式中、
Aは、有機二価ラジカルであり、
、R、R、およびRは非共役置換基であり、各出現ごとに同一または異なり、
トリチル、
ハロゲン、
ニトロ、
シアノ、
−COOR
1から20個の炭素原子を有するアルコキシまたはジアルキルアミノ基(ただし、1個または複数個の非隣接―CH基を−O−、−S−、−NR−、−CONR−、または−COO−で置き換えることができ、また少なくとも1個の水素原子をハロゲンで置き換えることができる)、および
−SiR10
からなる群から選択される。
上式で、R、R、R、R、R、およびR10は各出現ごとに同一または異なり、独立して−H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、直鎖または分岐C1〜20アルキル、C3〜20環状アルキル、直鎖または分岐C1〜20アルコキシ、C1〜20ジアルキルアミノ、C4〜14アリール、C4〜14アリールオキシ、およびC4〜14ヘテロアリール(これらは1個または複数個の非芳香族ラジカルで置換することができる)からなる群から選択され、さらにR、R、R、R、R、R、およびR10のうちの複数が、一緒になって単環または多環、任意選択で芳香族を形成することができる。また
l、m、p、およびqは、各出現ごとに同一または異なり、0から4の整数(ただしl+m+p+q>0)を表す。
本発明の幾つかの実施形態では、Aは五員または六員のアリールまたはヘテロアリール環と縮合環とからなる群から選択される少なくとも1種類の構造単位を含む二価ラジカルである。具体的にはAは、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ベンズアミダゾリル、カルバゾリル、フルオレニル、ピリダンジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンゾチオフェニル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、およびフェナントリジニルからなる群から選択される二価ラジカルである。
意外なことに、トリアルキルシリル基などの適切な置換基を本発明の化合物のカルバゾール構造に導入した場合、その溶解度および加工性を、その他の特性、例えば色、効率などに対するいかなる悪影響もなしに向上することができることが分かった。
本発明の別の実施形態ではAは、式II
の二価ラジカルである。
本発明の別の実施形態ではAは、式III
(ただし、R11は、tert−アルキル、フッ素化アルキル、トリチル、アルコキシ、またはハロゲン基である)の二価ラジカルである。
本発明の幾つかの実施形態ではR、R、R、およびRのそれぞれが−SiR10(ただしR、R、およびR10は、各出現ごとに同一または異なり、独立してアルキル基およびアリール基からなる群から選択される)である。
本発明の別の実施形態ではR、R、およびR10のそれぞれがイソプロピル基であり、かつl、m、p、およびqのそれぞれが1である。
具体的には本発明の幾つかの実施形態には、式(IV)から(XI)、すなわち
によって表される化合物が含まれる。
一般に、本発明の実施形態によれば式Iの化合物は、次の反応スキーム
により、すなわちその対応するカルバゾール誘導体と二ハロゲン化有機化合物のウルマンC−Nカップリング反応により調製することができる。幾つかの実施形態では触媒として銅/18−クラウン−6、塩基として炭酸カリウムを使用する。
カルバゾール環に置換基RからRを導入するには当業界で知られている任意の方法を使用することができる。本発明の幾つかの実施形態では、最初に二臭素化カルバゾールの遊離イミド窒素をハロゲン化ベンジルで保護し、さらにn−ブチルリチウムの存在下でトリアルキルシリルトリフラートと反応させ、続いて脱保護してトリアルキルシリル置換カルバゾール誘導体を得る。
本発明はまた、発光層におけるホスト材料としての上記化合物の使用法を対象とする。これら化合物は、有機発光素子において発光層中で発光性材料と共に機能する。
好適なゲスト発光性(ドーパント)材料は、これらに限定されないがスペクトルの青色領域で燐光発光を示すビス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体を含めて当業界で知られているものおよび今後に開発されるものから選択することができる。特定の実施形態ではそのゲストは、スペクトルの純青色領域において燐光発光を示す。
本発明の化合物を含むホスト層中でこの発光性材料をドーパントとして使用する場合、一般にはそれは、ホストおよびドーパントの合計重量を基準にして少なくとも1重量%、具体的には少なくとも3重量%、より具体的には少なくとも5重量%の量で使用される。さらに、一般にはそれは、25重量%まで、具体的には20重量%まで、より具体的には15重量%までの量で使用される。
本発明はまた、上記ホスト材料を含む発光層を備えた有機発光素子(OLED)を対象とする。このOLEDはまた、その素子の両端間に電圧が印加された場合にルミネセンスを示すように適応させた発光性材料(その発光材料はドーパントとして存在する)を含むことができる。
OLEDは一般に、
ガラス基板、
酸化インジウムスズ(ITO)陽極などの一般には透明な陽極、
正孔輸送層(HTL)、
発光層(EML)、
電子輸送層(ETL)、および
Al層などの一般には金属製の陰極
を備える。
正孔伝導発光層の場合、励起子阻止層、特に正孔阻止層(HBL)が、発光層と電子輸送層の間に存在してもよい。電子伝導発光層の場合、励起子阻止層、特に電子阻止層(EBL)が、発光層と正孔輸送層の間に存在してもよい。
発光層は本発明の化合物を含むホスト材料でできており、そこでは発光材料がゲストとして存在する。発光層はさらに、金属キノキソラート(metal quinoxolate)(例えばキノリン酸アルミニウム(Alq)、キノリン酸リチウム(Liq))、オキサジアゾール、およびトリアゾールからなる群から選択される電子輸送材料を含む。ホスト材料の好適な例は、式
によって表すことができる4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(「CBP」)であるがこれに限定されない。
任意選択で発光層はまた、そのホスト材料中にドーパントとして存在し、双極子モーメントを有する分極分子を含有することもできる。一般にそれは、ドーパントとして使用される発光材料がルミネセンスを示す場合、その放射される光の波長に影響を与える。
この電子輸送材料から作られる層は、発光材料および任意選択のホスト材料を含む発光層中に電子を運ぶために使用される。電子輸送材料は、金属キノキソラート(例えばAlqおよびLiq)、オキサジアゾール、およびトリアゾールからなる群から選択される電子輸送性母材であってもよい。電子輸送材料の好適な例は、これに限定されないが、式(「Alq」)、すなわち
のトリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムである。
この正孔輸送材料から作られる層は、発光材料および任意選択のホスト材料を含む発光層中に正孔を運ぶために使用される。正孔輸送材料の好適な例は、これに限定されないが、式
の4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(「α−NPD」)である。
ルミネセンス層(「ルミネセンスゾーン」)内に励起子を閉じ込めるために励起子阻止層(「バリア層」)を使用するのが有利である。正孔輸送ホストの場合、阻止層を発光層と電子輸送層の間に配置することができる。バリア層のための材料の好適な例は、これに限定されないが、式
を有する2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バトクロプロインまたは「BCP」とも呼ばれる)である。
図1に示すように、幾つかの実施形態では本発明によるOLEDは多層構造を有し、1がガラス基板であり、2がITO層であり、3がα−NPDを含むHTL層であり、4がホスト材料と、ホストにドーパントを加えた合計重量を基準にして約8重量%の量のドーパントとしての発光材料とを含むEMLであり、5がBCPを含むHBLであり、6がAlqを含むETLであり、7がAl層の陰極である。
以下で本発明を、実施例および比較例に関して詳細に説明することにする。しかしながらこれらの実施例を、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。さらに、単位は別段の記述がない限り重量で表される。
すべての原料は、Aldrich(U.S.A.)、AlfaAesar(U.S.A.)、またはTCI(日本)から購入した。本明細書中ではドラム溶剤(例えば、EtOAc、ヘキサン、THF、アセトニトリル、DMF、ジクロロメタン)を使用し、Mallinckrodt(U.S.A.)およびTediaから購入した。メタル化反応用の溶媒としては新たに蒸留(LiAlH上で)したテトラヒドロフランを使用した。すべての試薬は、グローブ・ボックス中で窒素下で計量し、混合した。
すべてのH、13C、および19F NMRスペクトルは、それぞれ400MHz、100MHz、および376MHzでCDClまたはDMSO−dに溶かした溶液についてBruker Avance III 400 NMR分光計上に記録した。すべてのインプロセスHPLC分析は、Hitachi Elite LaChrome装置を用いて行った。使用した基準波長は、245nmおよび220nmであった。LC/MSデータは、Varian 1200L LC/MS上に記録し、一方、GC/MSデータは、Agilent 6890 GCシステム上に記録した。中間体および最終化合物の単離および精製にはCombiFlash Companionを使用した。薄層クロマトグラフィーは、2.5×7.5cm Merck 60 F−254プレートを用いて行い、また溶離溶媒はヘキサン、EtOAc/ヘキサン混合物、およびヘキサン/ジクロロメタン混合物であった。TLCプレートを、UV、ヨウ素、およびリンモリブデン酸の20%エタノール溶液によって視覚化し、続いて熱板上で加熱した。すべての実験は、窒素またはアルゴン雰囲気下で行った。
実施例1 − 9’−(4−メトキシ−フェニル)−3,6,3’’,6’’−テトラキス−トリイソプロピルシラニル−9’H−[9,3′,−6’,9’’]ターカルバゾール(化合物VI)の合成
2L乾燥丸底フラスコにカルバゾール(1)(90.7g、0.543mol)および1Lの乾燥アセトニトリルを充填し、窒素下において室温で1時間撹拌し、そこでカルバゾールの大部分が溶解した。この懸濁液にN−ブロモコハク酸イミド(193.1g、1.084mol)を生のままで少しずつ加えた。この反応は発熱を伴った。添加後、この混合物を直ちに氷−水浴中で冷却した。この混合物を室温で一晩撹拌した。得られた白色の沈殿を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して3,6−ジブロモカルバゾール(2)112.0g(63%)を得た。
3,6−ジブロモカルバゾール(2)(112.0g、0.344mol)、臭化ベンジル(41mL、0.344mol)、およびnBuNHSOをアセトン200mL中で混合し、窒素下で室温において溶解するまで撹拌した。次いで、上記透明な溶液にKOH(19.3g、0.344mol)を加え、得られる混合物を4時間還流させ、そこで白色の沈殿が観察された。この高温混合物を濃縮して大部分のアセトンを除去した。冷却すると更に白色の沈殿が出現した。沈殿を濾過し、メチル−t−ブチルエーテルに溶解し、水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して主要量の純粋なN−ベンジル−3,6−ジブロモカルバゾール(3)を得た。また濾液を水で洗浄し、メチル−t−ブチルエーテルで抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮し、120gのSiO上でヘキサンおよびヘキサン:酢酸エチル(95:5)溶離液により精製して少量の純粋なN−ベンジル−3,6−ジブロモカルバゾール(3)を得た。結晶化およびクロマトグラフィーからの併せた収量は、49g(35%)のN−ベンジル−3,6−ジブロモカルバゾール(3)であった。
2L乾燥丸底フラスコにN−ベンジル−3,6−ジブロモカルバゾール(3)(49g、0.118mol)を充填し、1Lの乾燥THFを加えた。この混合物を、N−ベンジル−3,6−ジブロモカルバゾール(3)が溶解するまで撹拌した。次いで、その混合物を−78℃まで冷却し、ヘキサンに溶かした2.5M n−BuLi(104mL、0.26mol)を一滴ずつ加えた。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、スルホン酸トリイソプロピルシリル−トリフルオロメチル(66mL、0.26mol)を加えた。この混合物を一晩放置して室温まで暖めた。次いで混合物を飽和NHClで急冷し、メチル−t−ブチルエーテルで抽出し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、300gのSiOカラム上で精製して9−ベンジル−3,6−ビス−トリイソプロピルシラニル−9H−カルバゾール(4)23.0g(35%)を透明な油として得た。
500mL乾燥丸底フラスコに9−ベンジル−3,6−ビス−トリイソプロピルシラニル−9H−カルバゾール(4)(23.0g、0.04mol)を充填し、その油を100mLのDMSO中に懸濁させた。この懸濁液を氷水浴(約15℃)中で冷却し、THFに溶かした1M KOBu−t(240mL、0.24mol)を窒素下でシリンジにより加えた。混合物中で酸素が泡立ち始め、窒素ラインを止めた。酸素の泡立ちが起きている間、混合物を約20℃まで暖まるに任せ、水のみで冷却し続けた。酸素の泡立ちは、出発原料(TLC)が消滅するまで、すなわち約30分後まで続いた。その混合物に水を加え、混合物を5×200mLの酢酸エチルで抽出した。安息香酸有機層を除去するためにその混合物を飽和NaHCOで洗浄し、続いてブラインで洗浄した。次いで有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、330gのSiOカラム上でヘキサンおよびヘキサン:酢酸エチル(95:5)溶離液により精製した。適切な画分を集めて3,6−ビス−トリイソプロピルシラニル−カルバゾール(5)の白色の固体10.0g(54%)を得た。
3,6−ビス−トリイソプロピルシラニル−カルバゾール(5)(5.0g、0.011mol)と、3,6−ジヨード−9−(4−メトキシ−フェニル)−9H−カルバゾール(6)(2.6g、0.005mol)と、KCO(2.9g、0.021mol)と、Cuナノ粉末(0.6g、0.011mol)と、18−クラウン−6(2.7g、0.011mol)との1,2−ジクロロベンゼン50mL中の混合物を、撹拌しながらアルゴンで脱ガスした。次いでこの反応混合物をアルゴン下で178℃において12時間還流させた。この粗混合物を濾過し、その残渣をCHClで洗浄した。一緒にした濾液を濃縮し、その残渣を流量20mL/分のシクロヘキサン溶離液によるクロマトグラフィーにより120gのSiOカラム上で1回、160gのAlカラム上で5回精製した。適切な純粋画分を集めて9’−(4−メトキシ−フェニル)−3,6,3’’,6’’−テトラキス−トリイソプロピルシラニル−9’H−[9,3’,−6’,9’’]ターカルバゾール(7)の白色の粉末1.8g(30%)を得た。
実施例2 − 9’−(4−フルオロ−フェニル)−3,6,3’’,6’’−テトラキス−トリイソプロピルシラニル−9’H−[9,3’,−6’,9’’]ターカルバゾール(化合物V)の合成
3,6−ビス−トリイソプロピルシラニル−カルバゾール(5)(10.0g、0.021mol)と、3,6−ジヨード−9−(4−フルオロ−フェニル)−9H−カルバゾール(8)(4.7g、0.01mol)と、KCO(5.8g、0.042mol)と、Cuナノ粉末(1.3g、0.021mol)と、18−クラウン−6(5.5g、0.021mol)との1,2−ジクロロベンゼン中の混合物を、撹拌しながらアルゴンで脱ガスした。次いでこの反応混合物をアルゴン下で178℃において12時間還流させた。この粗混合物を濾過し、その残渣をCHClで洗浄した。一緒にした濾液を濃縮し、その残渣を120gのSiOカラム上でのクロマトグラフィーによりシクロヘキサン溶離液で5回精製した。適切な純粋画分を集めて9’−(4−フルオロ−フェニル)−3,6,3’’,6’’−テトラキス−トリイソプロピルシラニル−9’H−[9,3’,−6’,9’’]ターカルバゾール(9)の白色の粉末3.0g(25%)を得た。
実施例3 − 9,9−ビス−(4−フェニル−3,6,3’’,6’’−テトラキス−トリイソプロピルシラニル−9’H−カルバゾール)−9H−フルオレン(化合物IV)の合成
3,6−ビス−トリイソプロピルシラニル−カルバゾール(5)(5.0g、0.011mol)と、9,9−ビス−(4−ヨード−フェニル)−9H−フルオレン(10)(2.8g、0.005mol)と、KCO(5.8g、0.021mol)と、Cuナノ粉末(0.65g、0.021mol)と、18−クラウン−6(2.7g、0.011mol)との1,2−ジクロロベンゼン50mL中の混合物を、撹拌しながらアルゴンで脱ガスした。次いでこの反応混合物をアルゴン下で178℃において12時間還流させた。この粗混合物を濾過し、その残渣をCHClで洗浄した。一緒にした濾液を濃縮し、その残渣を120gのSiOカラム上でのクロマトグラフィーにより流量20mL/分のシクロヘキサン溶離液で5回精製して、9,9−ビス−(4−フェニル−3,6,3’’,6’’−テトラキス−トリイソプロピルシラニル−9’H−カルバゾール)−9H−フルオレン(11)の白色の粉末1.9g(30%)を得た。
実施例4 − 9,9−ビス[4−(3−トリイソプロピルシリルカルバゾール)−フェニル]−フルオレン(化合物IX)の合成
3−ブロモカルバゾールの合成
0℃で100mLのHPLC等級アセトニトリルに溶かした9.153g(54.7mmol)のカルバゾールの懸濁液に、激しく撹拌しながら10.433g(58.6mmol)のN−ブロモコハク酸イミド(NBS)をゆっくり加えた。NBSを加えた後、フラスコの内容物をゆっくり室温に至らせ、一晩撹拌した。バルキーな白色沈殿物を濾過し、冷アセトニトリル(2×30mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄し、一定重量になるまで真空下で乾燥して3−ブロモカルバゾール(4)7.95g(収率59%)を綿毛状白色固体として得た。濾液から追加の生成物を単離することができる(EtOAc/ヘキサン=85:15の場合のカルバゾールに対するR=0.26、また3−ブロモカルバゾール(4)に対するR=0.16)。
9−N−ベンジル−3−ブロモカルバゾールの合成
350mLの無水DMFに溶かした34.6g(0.141mol)の3−ブロモカルバゾール(4)の溶液に、34.4g(0.248mol、1.77当量)の粉末状無水炭酸カリウム(KCO)を加え、続いて2.05g(7.75mmol、約5.5mol%)の18−クラウン−6および18.96g(0.149mol)の塩化ベンジルを室温で加えた。混合物の温度を100℃に保ち、その混合物を23時間撹拌した。混合物をその高温から取り出し、周囲温度まで冷却し、次いでその混合物からロータリーエバポレーターにより高真空下で溶媒を除去した。その残渣に約1Lの冷水を加え、生成物をジクロロメタン(2×0.5L)で抽出した。有機抽出物を1Lの水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮して、白色の固体50gを得た。若干の未反応3−ブロモカルバゾール(4)を含有するこの粗生成物(CHCl/ヘキサン=2:8の場合の(5)に対するR=0.44、また(4)に対するR=0.16)をCombiFlashで精製(2回、330gカラム、ヘキサン/ジクロロメタン)して純粋な9−N−ベンジル−3−ブロモカルバゾール(5)39.4g(収率83%)を白色の固体として得た。
9−N−ベンジル−3−トリイソプロピルシリル−カルバゾールの合成
70mLの無水THFに溶かした3.854g(11.46mmol)の9−N−ベンジル−3−ブロモカルバゾール(5)の溶液を−78℃まで冷却し、5.0mLのn−BuLi(2.5Mヘキサン、12.5mmol、1.1当量)を、−74℃未満の温度を保つのに適切な速度でシリンジを用いてゆっくり加えた。得られた黄色の溶液を−78℃で40分間撹拌し、次いでこの反応混合物に生のままのトリイソプロピルシリルトリフラート(TIPS−トリフラート)をシリンジを用いて一滴ずつ加えた。この反応混合物を30分間撹拌し、次いで放置して室温まで2時間ゆっくり暖めた。この反応混合物を氷水で急冷し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機相をNaSOで乾燥した。ロータリーエバポレーターで濃縮した後、無色の油をCombiFlash(120gカラム、ヘキサン)上で精製して2.55gの透明な油を得た。この材料はTLC上に1スポットを生ずる(EtOAc/ヘキサン=1:9の場合のR=0.67)が、還元された材料(7)に関係する第2スポットをヘキサン((6)に対するR=0.27、また(7)に対するR=0.19)において見ることができる。HPLCの結果は、この油が生成物9−N−ベンジル−3−トリイソプロピルシリル−カルバゾール(6)を約60%含有することを示した。この材料を次の脱保護のステップのために使用した。微量(0.115g)の純粋な9−N−ベンジル−3−トリイソプロピルシリル−カルバゾール(6)のみを単離してこの生成物の構造を確かめた。
3−トリイソプロピルシリル−カルバゾールの合成
A.純粋な9−N−ベンジル−3−トリイソプロピルシリル−カルバゾール(6)の脱保護
4mLのDMSOに溶かした0.1135g(0.274mmol)の純粋な9−N−ベンジル−3−トリイソプロピルシリル−カルバゾール(6)の懸濁液に室温でKOBu−tの1M THF溶液2mL(2mmol)を加えた結果、透明な溶液が形成された。反応混合物中で約18℃で酸素を5分間泡立たせた後、酸素の流れを停止した。反応を氷水(50mL)で急冷し、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出し、有機層を分離し、NaSOで乾燥した。抽出物をロータリーエバポレーターで濃縮して0.12gの黄色の固体を得た。これをCombiFlashで精製(4gカラム、ヘキサン)して純粋な3−トリイソプロピルシリル−カルバゾール(8)0.08g(収率95%)を白色の固体として得た。
B.(6)および(7)の混合物の脱保護
上記(6)の合成反応からの合計1.19gの粗(6)(HPLCによる含有量約60%、純粋な(6)0.7g、1.72mmol)を、2mLのDMSO中に懸濁させた。KOBu−tの1M THF溶液を合計で30mL(30mmol)加え、その溶液中に酸素を周囲温度で出発原料が消滅するまで泡立たせた。この消滅はTLCにより示される(この段階で反応の色は通常オレンジ色に変わる)。前述のように粗(6)は、TLC上に単に1スポットのみを生ずる(EtOAc/ヘキサン=1:9の場合のR=0.67)。脱保護の後、TLCは、生成物(8)に対応する主要化合物を含む4種類の化合物の存在、および下記R値、すなわちR=0.67を有する微量の未反応の(6)と、R=0.37を有する生成物(8)の主スポットと、カルバゾールおよび未確認不純物にそれぞれ対応するR=0.26および0.18を有する2つの二次スポットとを示す。反応を氷水(150mL)で急冷し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を水(100mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。ロータリーエバポレーターで濃縮した後、合計で2.9gの黄色の油を得た。この粗生成物をCombiFlashで精製(80gカラム、溶離液としてヘキサン/ジクロロメタン)しての純粋な脱保護化合物(8)0.634g((6)を基準にして収率89%)を白色の固体として得た。
9,9−ビス−(4−ヨードフェニル)−フルオレンの合成
TCI(日本)から入手した合計25.5g(73.18mmol)の9,9−ビス−(4−アミノフェニル)−フルオレンを、250mLの水と45mL(0.456mol、6当量)の濃HClの混合物中に溶解した。この混合物を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、滴下漏斗、および冷却用氷/メタノール浴を備えた1Lの三つ口丸底フラスコに入れた。フラスコの内容物を0℃に冷却し、激しく撹拌しながらこの溶液に、40mLの水に溶かしたNaNO(10.6g、153.6mmol、2当量)の冷溶液を一滴ずつ加えた。得られた黄色の溶液を0℃で30分間さらに撹拌した。この溶液を、その調製されたジアゾニウム塩を温度0℃に保つために、氷で満たしたジャケットを有するジャケット付き滴下漏斗に移した。この塩の溶液を、250mLの水に溶かしたKI(48.3g、0.291mol、4当量)の溶液に約10℃で激しく撹拌しながらゆっくり加えた。添加の完了後、得られた黒ずんだ混合物を温度60℃に保ち、6時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、その有機材料をジクロロメタン(3×0.5L)で抽出し、水(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮して45gの黒色の泡状物質を得た。この粗材料をCombiFlashで精製(330gカラム、ヘキサン)して9,9−ビス−(4−ヨードフェニル)−フルオレン(10)24.7g(収率59%)を、R=0.33(ヘキサンの場合)を有する白色の固体として得た。
9,9−ビス−[4−(3−トリイソプロピルシリルカルバゾール)−フェニル)]−フルオレンの合成
アルゴンブランケットの中で、1.7585g(3.08mmol)の(10)と、2.1678g(6.699mmol、2.17当量)の(8)と、2.9422g(21.28mmol、(8)を基準にして3.18当量)の無水KCOと、0.3220g(1.21mmol、(8)を基準にして18mol%)の18−クラウン−6と、0.9715g(15.2mmol、(8)を基準にして2.26当量)のナノ粉末銅との、110mLの無水o−ジクロロベンゼン中の混合物を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、加熱用マントル、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコ中に充填した。この混合物を温度177℃に保ち、40時間撹拌した。反応をTLCおよびHPLCにより監視した。反応が完了する約2日後に、混合物を室温に冷却し、水(0.5L)で急冷した。有機生成物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。高真空下で残渣からo−ジクロロベンゼンを除去して粘性のある褐色の油5.2gを得た。この材料をCombiFlashで精製(120g、ヘキサン/ジクロロメタン)し、9,9−ビス−[4−(3−トリイソプロピルシリルカルバゾール)−フェニル)]−フルオレン(1)1.72g(収率47%)を白色の泡状物質として単離した。混合画分を濃縮した結果、(8)の混入した1.12gの不純生成物が得られた。純粋な材料(1.72g)を最少量の加温ジクロロメタン(約15mL)中に溶解し、加温ヘキサン(約80mL)で希釈し、ロータリーエバポレーターで、その反応混合物の体積が元の体積の約3分の1になるまで室温においてゆっくり濃縮した。残渣を氷浴中で冷却すると、生成物(1)がゆっくり結晶化した。この沈殿物を濾過し、冷ヘキサン(2×20mL)で素早く洗浄し、一定重量になるまで真空下で乾燥して、1.35gの(1)を白色の固体として得た(ロットA352−79−1)。C6772Si・ヘキサン0.5molについての計算値:C 83.69、H 7.93、N 2.79。実測値:C 83.94、H 7.97、N 2.81。HPLC純度99.7%。
実施例5 − 9−N−(4−メトキシ−フェニル)−3,6−ビス−[(3−トリイソプロピルシリルカルバゾリル)]カルバゾール(2)(化合物VII)および9−N−(4−フルオロ−フェニル)−3,6−ビス−[(3−トリイソプロピルシリルカルバゾリル)]カルバゾール(3)(化合物VIII)の合成
上記スキーム2に示すように、化合物VIIおよびVIIIを化合物IXと同様に合成した。
カルバゾールと市販の4−フルオロ−ヨードベンゼン(13)および4−メトキシ−ヨードベンゼン(14)とのカップリングは、(10)から化合物IX(1)を合成するためのスキーム1で述べた条件下においてナノ銅の存在下で円滑に行われた。酸性条件下でのN−ヨードコハク酸イミド(NIS)を用いた(15)および(16)のヨウ素化(Maruyamaら“Synthesis of novel carbazolylacetylene−derived macrocycles”,Synthesis,12:1794〜1799(2001))の結果、3,6−ジヨード置換カルバゾール(17)および(18)が良好な収率で形成された。これら二ヨウ化物(17)および(18)とトリイソプロピルシリル(TIPS)−カルバゾール(8)との銅が仲介するカップリングにより、容易に目標化合物(2)および(3)(化合物VIIIおよびVII)が得られる。
9−N−(4−フルオロフェニル)−カルバゾールの合成
アルゴンブランケットの中で、10.41gの95%カルバゾール(9.89g、59.1mmol)と、15.44g(69.5mmol、1.17当量)の4−ヨードフルオロベンゼン(Aldrich)と、13.13g(95mol、1.6当量)の無水KCOと、3.11g(11.76mmol、約20mol%)の18−クラウン−6と、4.22g(66.42mmol、1.1当量)のナノ粉末銅との、120mLの無水o−ジクロロベンゼン中の混合物を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、加熱用マントル、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコ中に充填した。この混合物を温度177℃に保ち、反応が完了するまで撹拌した。反応をTLCにより監視した。反応が完了した後(すなわち、約6時間後)、混合物を室温まで冷却し、1Lの水で急冷した。有機層の分離を増進させるために、任意選択でその綿毛状黒色の銅の残渣を綿を通して濾過することにより除去した。有機生成物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、続いて高真空下でo−ジクロロベンゼンを除去した。合計で22gの褐色の固体を得た。この粗材料をCombiFlashで精製(330gカラム、ヘキサン/ジクロロメタン、2回)した結果、純粋な9−N−(4−フルオロフェニル)−カルバゾール(15)14.13g(収率87%)が白色の固体として単離された。
9−N−(4−メトキシロフェニル)−カルバゾールの合成
アルゴンブランケットの中で、8.76gの95%カルバゾール(8.32g、49.7mmol)と、12.91g(55.1mmol、1.1当量)の4−ヨードアニソール(Aldrich)と、10.54g(76.26mol、1.53当量)の無水KCOと、2.04g(7.71mmol、約15mol%)の18−クラウン−6と、6.45g(101.5mmol、2.0当量)のナノ粉末銅との、無水o−ジクロロベンゼン100mL中の混合物を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、加熱用マントル、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコ中に充填した。この混合物を温度178℃に保ち、反応が完了するまで撹拌した。反応をTLCにより監視した。TLC(EtOAC/ヘキサン=1:9の場合のカルバゾールに対するR=0.22、4−ヨードアニソールに対するR=0.49、また(16)に対するR=0.4)に基づく反応が完了した後(すなわち、約4時間後)、混合物を室温まで冷却し、1Lの水で急冷した。有機層の分離を増進させるために、任意選択でその綿毛状黒色の銅の残渣を綿を通して濾過することにより除去した。有機生成物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、続いて高真空下でo−ジクロロベンゼンを除去した。合計で23.4gの褐色の固体を得た。この粗材料をCombiFlashで精製(330gカラム、ヘキサン/ジクロロメタン)した結果、10.2gの白色の固体が単離された。この材料を約30mLのジクロロメタン中に溶解し、ヘキサン(約100mL)で希釈し、フラスコ中に元の体積の約20%が残るまでロータリーエバポレーターで室温においてゆっくり濃縮した。氷中で冷却すると残渣から白色の固体が沈殿し始めた。この沈殿物を濾過し、冷ヘキサン(2×30mL)で洗浄し、一定重量になるまで真空下で乾燥して純粋な9−N−(4−メトキシロフェニル)−カルバゾール(16)9.93g(収率70%)を白色の固体として得た。
9−N−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヨードカルバゾールの合成
130mLのジクロロメタンと45mLの氷酢酸の混合物に溶かした5.634g(21.54mmol)の(15)の溶液を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、氷浴、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコに入れた。この混合物を10℃に冷却し、その溶液に10分以内に10.861gの95%固体N−ヨードコハク酸イミド(NIS、10.317g、45.85mmol、2.1当量)を少しずつゆっくり加えた。添加が完了した後、反応物を放置して室温まで暖め、さらに6時間撹拌した。溶媒(CHClおよびAcOH)を、減圧下においてロータリーエバポレーターで除去し、次いでその残渣に300mLのジクロロメタンを加え、反応混合物を10%KOH水溶液(3×200mL)で洗浄した。生成物をジクロロメタンで抽出し、その有機層を水(300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。得られた透明な黄色の溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、その残渣を約100mLの高温ジクロロメタン中に溶解した。このジクロロメタンに溶かした生成物の溶液に素早く約300mLのヘキサンを加え、冷却すると生成物が結晶化した。その沈殿固形物を濾過し、冷ヘキサン(2×30mL)で洗浄し、一定重量になるまで乾燥して純粋な9−N−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヨードカルバゾール(17)8.84g(収率80%)を白色の固体として得た。
9−N−(4−メトキシフェニル)−3,6−ジヨードカルバゾールの合成
100mLのジクロロメタンと35mLの氷酢酸の混合物に溶かした3.95g(14.45mmol)の(16)の溶液を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、氷浴、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコに入れた。この混合物を10℃に冷却し、その溶液に10分以内に7.29gの95%固体N−ヨードコハク酸イミド(NIS、6.92g、30.78mmol、2.1当量)を少しずつゆっくり加えた。添加が完了した後、反応物を放置して室温まで暖め、さらに6時間撹拌した。溶媒(CHClおよびAcOH)を減圧下においてロータリーエバポレーターで除去し、次いでその残渣に200mLのジクロロメタンを加え、反応混合物を10%KOH水溶液(3×100mL)で洗浄した。生成物をジクロロメタンで抽出し、その有機層を水(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。この透明な黄色の溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた灰色がかった白色の残渣を約40mLの高温ジクロロメタン中に溶解した。この溶液に約800mLのヘキサンを素早く加え、冷蔵庫中で一晩冷却すると生成物がゆっくり結晶化した。その沈殿固形物を濾過し、冷ヘキサン(2×30mL)で洗浄し、一定重量になるまで乾燥して純粋な9−N−(4−メトキシフェニル)−3,6−ジヨードカルバゾール(18)6.34g(収率84%)を白色の固体として得た。
9−N−(4−フルオロ−フェニル)−3,6−ビス−[(3−トリイソプロピルシリルカルバゾリル)]カルバゾール(化合物VIII)の合成
アルゴンブランケットの中で、2.2013g(4.29mmol)の(17)と、2.7620g(8.53mmol、1.99当量)の(8)(実施例4から)と、3.995g(28.9mmol、(8)を基準にして3.39当量)の無水KCOと、0.4950g(1.87mmol、(8)を基準にして22mol%)の18−クラウン−6と、1.1920g(18.75mmol、(8)を基準にして2当量)のナノ粉末銅との、無水o−ジクロロベンゼン100mL中の混合物を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、加熱用マントル、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコ中に充填した。この混合物を温度177℃に保ち、40時間撹拌した。反応をTLCおよびHPLCにより監視した。約2日後、反応が完了したとき混合物を室温まで冷却し、水(0.5L)で急冷した。有機生成物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、綿毛状の銅の残渣を除去するためにばら(loose)綿を通して濾過し、NaSOで乾燥した。反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、続いて高真空下でo−ジクロロベンゼンを除去して6.1gの褐色の油を得た。この材料をCombiFlashで精製(330gカラム、ヘキサン/ジクロロメタン)した結果、白色の固体を生じた。この材料を最少量の加温ジクロロメタン(約15mL)中に溶解し、加温ヘキサン(約150mL)で希釈し、結晶化が起こるまで室温においてロータリーエバポレーターでゆっくり濃縮した。得られた懸濁液を氷浴上で冷却し、濾過し、次いでその濾過ケーキを冷ヘキサン(2×20mL)で洗浄した。固体生成物を一定重量になるまで真空下で乾燥して、HPLC純度100%を有する2.21g(収率57%)の純粋な化合物VIIIを白色の固体(ロットA352−105−2)として得た。C6066FNSi・HO 0.2molについての計算値:C 79.37、H 7.37、N 4.63。実測値:C 79.36、H 7.54、N 4.61。
9−N−(4−メトキシ−フェニル)−3,6−ビス−[(3−トリイソプロピルシリルカルバゾリル)]カルバゾール(化合物VII)の合成
アルゴンブランケットの中で、1.6183g(3.08mmol)の(18)と、2.0492g(6.33mmol、2当量)の(8)と、2.9110g(21.06mmol、(8)を基準にして3.3当量)の無水KCOと、0.486g(1.83mmol、(8)を基準にして29mol%)の18−クラウン−6と、1.189g(18.71mmol、(8)を基準にして2.95当量)のナノ粉末銅との、無水o−ジクロロベンゼン100mL中の混合物を、マグネティックスターラー、熱電対、凝縮器、加熱用マントル、およびアルゴンを満たした気球を備えた0.5Lフラスコ中に充填した。この混合物を温度177℃に保ち、40時間撹拌した。反応をTLCおよびHPLCにより監視した。約2日後、反応が完了したとき混合物を室温まで冷却し、水(0.5L)で急冷した。有機生成物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、綿毛状の銅の残渣を除去するためにばら綿を通して濾過し、NaSOで乾燥した。反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、続いて高真空下でo−ジクロロベンゼンを除去して6.2gの黒ずんだ油を得た。この材料をCombiFlashで精製(330gカラム、ヘキサン/ジクロロメタン)した結果、3.2gの黄色の油を生じた。この材料をCombiFlashでもう一度再精製(120gカラム、ヘキサン/ジクロロメタン)してTLCにより2.3gの透明な黄色の油を得た。この油をヘキサン(約20mL)中に溶解し、冷蔵庫中に一晩放置した。沈殿した綿毛状の固体を、0.45 PTFE膜フィルターを用いて濾過し、素早く冷ヘキサン(2×15mL)で洗浄し、最初に窒素で乾燥し、次に高真空下で一定重量になるまで乾燥した。HPLC純度99%+を有する化合物VIIを、暗所で保存しなければならない感光性の白色の固体(1.61g、収率57%)として得た(ロットA352−107−2)。C6169Si・HO 0.2molについての計算値:C 79.64、H 7.60、N 4.57。実測値:C 79.70、H 7.85、N 4.58。
実施例6 − 吸光度および光ルミネッセンスの測定
UV〜可視吸収スペクトルは、SHIMADZU UV−3101 PC複光束分光光度計上に記録した。光ルミネッセンスの検討は、HORIBA JOBIN YVON Fluoromax−4P分光蛍光計で様々なホストの10−5M溶液に関して行った(λexc:300nm)。77Kにおける発光測定は、HORIBA JOBIN YVONから入手したFL−2013 Dewar液体窒素アッセンブリーを用いて行った。トルエンおよびジクロロメタン(DCM)は分光測定等級であり、また2−メチルテトラヒドロフランは≧99.0%(無水)であった。
図2〜4に示すように、本発明のカルバゾール系化合物は、燐光青色発光体(すなわち約455nm)よりも低い三重項エネルギーギャップを有する。
実施例7 − サイクリックボルタメトリーの測定
サイクリックボルタメトリー実験は、METROHM VA TRACE Analyzer 746をVA Stand 747測定装置と共に用いて行った。すべての測定は、通常の三電極配置で不活性雰囲気下において室温で行った。溶液は、使用の前にアルゴン蒸気で5〜10分間脱ガスした。作用電極はグラッシーカーボンディスクであり、一方、対電極はPtワイヤである。基準電極は、メタノールに溶かしたKCl飽和溶液を満たしたAg/AgCl基準電極または偽似電極Ptワイヤである。
すべての実験における溶媒は無水ジクロロメタンであり、補助電極は0.1Mヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウムである。ホスト濃度は0.5〜2mMである。走査速度は100または500mv/秒に固定した。フェロセンを内部基準として使用してホストの酸化電位を決定した。
上記のように、本発明のカルバゾール系化合物の最低励起三重項状態のエネルギーは、燐光発光体の最低発光状態よりも高いエネルギーであるべきである。幾つかの実施形態では本発明のカルバゾール系化合物の三重項エネルギーは、それら化合物が青色燐光発光体の主役を務めることができるように少なくとも2.725eVであることができる。それはそのホストを、燐光発光体が455nm(2.725eV)の青色光を発光する状態で使用することを可能にする。下記の表に示すように化合物IV、V、およびVIのすべてが2.725eVを超える三重項エネルギーを有し、これはそれらを青色発光用ホスト材料として有望な化合物にする。
図5に示すように、本発明のカルバゾール系化合物IVは可逆的第一酸化波を有し、また化合物IXは非可逆的第一酸化波(矢印の点)を有する。
図6および7に示すように、本発明のカルバゾール系化合物VIIおよびVIIIは可逆的第一酸化波および非可逆的第二酸化波(矢印の点)を有し、また化合物VIおよびVは2つの可逆的酸化波を有する。
サイクリックボルタメトリーにおける可逆的酸化波は電気化学的安定性改良の指標であるので、図5〜7は、本発明の置換カルバゾール化合物がトリアルキルシリル置換基を多く持てば持つほど、それらが電気化学的に安定であることを示している。
実施例8 − 青色ホストの昇華
昇華についてはCreaphysの管を用いたVacuum Sublimation Unit DSU05−vを使用した。3つの独立した加熱ゾーンを有する外部オーブンが、化合物の堆積用のものであるガラス管の内部に温度勾配を作り出す。
この昇華装置は、昇華性化合物および液相化合物の両方について、真空昇華による有機揮発性化合物の精製能力を可能にする。
収集した画分をHPLCまたはNMRで分析してそれらの純度を求めた。昇華後、化合物は空気および光から離して貯蔵された。
実施例9 − ガラス転移温度(Tg)の測定
ガラス転移温度(Tg)の決定については測定をTA 2920(TA Instruments)またはDSC 823(Mettler−Toledo)で行った。典型的な試験片の重量の範囲は10mgから20mgの間であり、試料の特徴によって決まる。その温度プログラムは、20K/分における2つの加熱ステップおよび1つの冷却ステップを含む。その上側温度の選択は、試料の特徴、主に熱安定性および結晶化度によって決まる。ガラス転移は、T、すなわち2本の外挿基線間の中線との交点によって特徴づけられる。測定は少なくとも2度繰り返され、それは利用できる材料の量に左右された。
下記の表に示すように化合物IVは、比較例CPFと比べて著しく高いTg値を有し、化合物Vは、化合物VIIIと比べて著しく高いTg値を有する。予想外なことに本発明のトリアルキルシリル置換カルバゾール化合物は、それらがより多くのトリアルキルシリル置換基を持つにつれて、ますます熱安定性が高くなる。
実施例10 − 溶解度試験
溶解度試験は、試料採取用バイアル中で適切な量の化合物の粉末を1mLの溶媒に加えることによって磁気撹拌しながら20℃で行った。
下記の表中の溶解度の測定結果に示すように、式IVからIXの化合物はクロロベンゼンおよびトルエンに対して良好な溶解度を有し、一方、対照化合物(CPF)は大部分の有機溶剤に対して溶解性を欠いている。
適切な置換基、具体的には本発明のトリイソプロピルシリル基を有するカルバゾール系化合物は、OLED素子にとってのその他の必要な特性を維持しながら、それらが溶媒加工技術、例えばスピンコーティング、(インクジェット)プリンティング法、高濃度を必要とするプリンティング法(ロールツーロール、フレキソ印刷など)などを可能にするので、大規模な発光ダイオードに有望であることが分かった。
実施例11 − OLED素子
図8に示す一般構造を使用して、本発明のカルバゾール系ホスト材料VIIIおよびVを含有する発光層(EML)を有するOLED素子を作製した。
ホストとしてPVKを基材とする参照用OLED素子を作製して、本発明のカルバゾール系化合物の性能を基準に従って評価した。OLED構造を同一の状態にして、VIIIおよびVを基材とする素子を作製し、性能をPVKと比較した。ホストに加えて、EMLは電荷平衡を達成するための電子輸送体(OXD7)と、青色燐光発光体としてのFlrpicとを含む。EMLの組成は、3種類の素子すべてにおいて同一であり、Host/OXD7/Flrpic=60:30:10(重量単位)であった。
素子の作製は次のように行った。ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホナート(HC Stackから入手したCH8000)を基材とするHILを、酸化インジウムスズ(ITO)を被覆したガラス基板上にスピンコーティングすることによって厚さ60nmまで堆積させた。得られた膜を熱板上で200℃において10分間乾燥した。発光層は、トルエンに溶かしたHost:OXD7:Firpic配合物をスピンコーティングすることによって得た。全固形分は1.5重量%であった。このような配合物をHILの上に厚さ70nmまで堆積し、続いて熱板上で80℃において10分間乾燥した。厚さ30nmのETL、すなわち2,2’,2’’−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBi、Lumtecから購入した)を、真空蒸着によってEML上に2Å/秒の速度で堆積させた。最後に、1nmのLiFを備えた陰極層および100nmのAlを備えた陰極層を、熱蒸着によってそれぞれ0.1および2Å/秒の速度で堆積させた。
電子的および分光的特徴付けを、Keithley 2400ソースメジャーユニットと連結させたHamamatsu C9920−12測定システムで行った。PEDOTスピンコート後の素子の作製および特徴付けのすべてのステップは、不活性雰囲気中で行った。
図9は、PVK参照用素子よりも高い電流密度および輝度を有する化合物VIIIおよびVを含有する2種類のOLED素子のIVLの特徴を示す。これは、PVKと比較してVIIIおよびVのより良好な正孔注入および/または輸送によるものと考えることができる。このより良好な性能は、不活性なトリアルキルシリル基のより高い含有量によるものと考えることができる。
図10および下記の表に示すように化合物VIII、V、およびPVKを伴う素子は、1000cd/mで11cd/Aの範囲において似た発光効率を有するが、一方、Vは1000cd/mで約9cd/Aの低い効率を有する。PVKと比べてVIIIの電圧が低いということは、結果として出力効率を4.8Lm/Wまで向上させる。これは、PVKと同様の性能、あるいはむしろそれを凌ぐ改良された性能を有する新しいホストを、溶液法で作製したEMLを含有するOLEDに使用する可能性をはっきりと実証している。PVKでは可能でないこれらホスト材料の昇華可能性は、OLED素子の寿命の向上を原理上可能にする。
本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正形態および変更形態を本発明に対して行うことができることは当業者には明らかなはずである。したがって本発明の開示は、それら修正形態および変更形態が別添の特許請求の範囲およびそれらの等効物の範囲内にあるという条件で、本発明のそれら修正形態および変更形態を対象を包含するものである。

Claims (7)


  1. を有する化合物。

  2. を有する化合物。

  3. を有する化合物。

  4. を有する化合物。

  5. を有する化合物。

  6. を有する化合物。

  7. を有する化合物。
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