JP5624622B2 - スピンドル駆動装置のためのスピンドルの作製方法、このようなスピンドルを備えるローラねじ駆動装置およびローラねじ駆動装置の使用方法 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１または請求項７の上位概念部に記載の特徴を有するスピンドル駆動装置のためのスピンドルの作製方法、請求項９の上位概念部に記載の特徴を有するこのようスピンドルを備えるローラねじ駆動装置ならびに請求項１３および請求項１４の上位概念部に記載の特徴を有する電気機械式ブレーキブースタおよび電気機械式サーボステアリングにおけるローラねじ駆動装置の使用法に関する。

スピンドル駆動装置は既知である。スピンドル駆動装置はウォームギアに属し、回転駆動運動を並進被駆動運動に変換し、場合によってはその逆に変換し、後者の場合、スピンドル駆動装置はセルフロック式に構成されている必要はない。スピンドルナットを回転駆動し、スピンドルを軸線方向に変位させることができるか、またはその逆である。この場合、スピンドルナットはその機能に基づき、スピンドルと共に回転運動を並進運動に変換するか、またはその逆に変換するかを規定することができる。スピンドルナットの外見は、必ずしもナットを想起させるものでなくてもよい。滑りねじ駆動装置とローラねじ駆動装置とは区別されるが、後者には、とりわけ、スピンドルナット内でボールを多様に循環させる、すなわち、ボールを戻すボールねじ駆動装置が挙げられる。本発明により作製されたスピンドルは、特にローラねじ駆動装置のために設けられているが、これは強制的ではなく、滑りねじ駆動装置で使用することもできる。

スピンドルの作製は、通常は旋回、ねじ切りまたは研磨による切削加工または圧延による成形によって行われる。耐摩耗性を高めるために、続いてねじ山を硬化し、かつ／または精度を高めるために研磨することができる。

請求項１に記載の特徴を有する本発明による方法では、管および１つ以上の螺旋からスピンドル駆動装置のためのスピンドルを作製する。螺旋は、後にスピンドルのねじピッチを形成し、ねじピッチ横断面を有する。螺旋は管に取り付けられるか、もしくは管が螺旋に挿入され、管は内部から加圧され、これにより、管は塑性変形され、螺旋の脚部に当て付けられるか、もしくは圧着成形される。加圧は、特に油圧式に行われ、この方法は「内部高圧成形（英語：ハイドロフォーミング）」と呼ぶことができる。螺旋の脚部、すなわち、螺旋から管への移行部で、管は螺旋の巻線の両面で、幾分外方に巻線に圧着成形されるか、または螺旋は幾分管に入り込むように成形することができ、これにより、螺旋と管との間に、螺旋を軸線方向に管に保持する形状接続が生じる。螺旋は、形状接続および／または摩擦接続によって管に保持されている。冷間溶接による材料接続を行ってもよい。

本発明による方法によって肉薄の中空スピンドルを作製することができ、本発明による方法は、少ない材料を使用した軽量のスピンドルを可能にする。本発明の別の利点は、螺旋が長方形横断面を有している場合には、スピンドル駆動装置においてスピンドルのねじピッチを形成する螺旋が直行方向に負荷されることである。さらに一定の傾斜の他に、本発明はスピンドルの長さにわたって変化する傾斜も可能とする。

従属請求項は、請求項１に記載した本発明の有利な構成および改良形態を対象としている。

請求項２によれば、管および螺旋は工具に挿入され、工具は閉じられ、次いで管が内部から加圧され、これにより内側から螺旋の脚部に圧着成形される。管が螺旋内に到達し、螺旋が工具に到達し、管が工具に到達する順序には重要ではない。管がねじピッチのように管を取り囲む螺旋と共に工具内に位置することが重要である。工具は、射出成形工具または押出成形工具を想起させる。工具のキャビティは、作製したいスピンドルのネガティブ形状を有し、工具は螺旋を管に位置決めするか、または螺旋を管に位置決めされた状態で保持し、内側からの管の加圧に対して、螺旋および／または管を外側から支持する。工具の閉鎖後、管は内側から加圧され、これにより、塑性変形し、螺旋の脚部に当て付けられるか、もしくは圧着成形される。螺旋の脚部、すなわち、螺旋から管への移行部に、キャビティは管を入りこませ変形する面取り部または丸みを備え、これにより、螺旋を軸線方向に管で保持する、螺旋のように環状の隆起部が螺旋の脚部で管に形成される。螺旋は、形状接続および／または摩擦接続によって管に保持される。冷間溶接による材料接続が生じる場合もある。

請求項３では、複数の螺旋が管に配置される。本発明のこの構成により、螺旋を取り付けられた管が、工具から取り出された後に複数のスピンドルに分離されることにより複数のスピンドルを作製することが可能となる。軸線方向に相互に係合して管に取り付けられた複数の螺旋により、複数のピッチを有するねじを備えるスピンドルを作製することが可能となる。

耐摩耗性を高めるために、請求項５では硬化された鋼からなる螺旋を設けている。形状精度を高めるために、スピンドルの作製後に螺旋を研磨することができ、ねじ側面を形成する螺旋表面の研磨を行えば十分である。

請求項７に記載の本発明による方法の変化態様によって、雌ねじ山を有するスピンドルを作製することが可能である。このために、螺旋が高圧成形時に内側から支持されるコアに配置され、管が螺旋の外側に配置されるが、この順序は逆であってもよい。これにより、管は外側から加圧され、上述のように外側から螺旋に圧着成形され、螺旋は回動不能および軸線方向に不動に管内に保持される。

請求項９は、上記方法にしたがって作製されたスピンドルを有するローラねじ駆動装置を対象としている。螺旋が長方形横断面を有し、その結果、スピンドルが長方形のねじ山横断面を有する場合、駆動ローラは特に円筒状であり、スピンドルに対して半径方向の軸を有している。螺旋横断面が錐台状であり、その結果、ねじピッチが錐台状である場合、円錐ローラの形の駆動ローラおよび／またはその軸は、スピンドルに対する半径方向に対して角度をなして配置されていてもよい。スピンドルのねじピッチを形成する螺旋で転動する駆動ローラは、いわばスピンドルナットを形成しているか、またはスピンドルナットの一部である。スピンドルの旋回により、駆動ローラはスピンドルに対して軸平行な方向に変位させられる。有利には、２つ、３つ、またはそれよりも多い駆動ローラがスピンドルの周囲に分配して配置されており、駆動ローラは、同時にスピンドルのねじ山の傾斜でもある螺旋の傾斜に対応して相互にずらして配置されているか、または螺旋は複数のピッチを有している。駆動ローラは、スピンドルを包囲するリングまたはスリーブ内で回動可能に支承されていてもよい。２つ以上の駆動ローラは支承能力を高め、相互に向かい合って配置された２つの駆動ローラまたは３つ以上の駆動ローラは、傾動トルクを防止し、３つの駆動ローラは静的に特定の支持を可能にする。駆動ローラは、周囲にわたって均等または不均等に分配して配置してもよい。

請求項１１では、並進駆動のために働く上記駆動ローラに加えて、少なくとも３つのセンタリングローラを設け、これらのセンタリングローラは、周囲にわたって均等または不均等に分配して配置されており、管または螺旋の外周で転動する。センタリングローラは、スピンドルナットをスピンドルで同軸的にガイドするか、もしくはスピンドルをスピンドルナット内で同軸的にガイドする。

本発明の一構成では、ローラねじ駆動装置の軸線方向ばねおよび回転防止装置としての役割を果たす金属ベローズを設けている。軸線方向の弾性により、金属ベローズは軸線方向ばね、特に引っ張りばねおよび／または圧縮ばねとして適している。さらに金属ベローズは、回転防止装置としての役割を果たすために十分にねじれ剛性を有する。金属ベローズの一端は定置および回動不動に保持され、金属ベローズの他端は軸線方向に不動および回動不能にスピンドル駆動装置の異なる部分、すなわち、スピンドルまたはスピンドルナットに取り付けられている。

請求項１３の対象は、上述の形式のローラねじ駆動装置を有する電気機械式ブレーキブースタであり、請求項１４の対象は、上述の形式のスピンドル駆動装置を有する電気機械式パワーステアリングのためのステアリングギアである。ステアリングギアでは、例えばラック伝動装置を介した回転防止装置が設けられており、軸線方向ばねは邪魔にならないにしても、不可欠ではないので、本発明のこの用途では、金属ベローズは、基本的には除外されていないにしても、設けられていない。電気機械式ブレーキブースタは、ローラねじ駆動装置を駆動するための電動モータを備えている。ここでは、回転防止装置が必要であり、したがって、金属ベローズは軸線方向ばねおよび回転防止装置として有利である。金属ベローズは、付加的に、車両ブレーキ装置の解除時にエネルギーを吸収し（金属ベローズは締め付けられる）、このエネルギーをブレーキ操作時に放出するエネルギー蓄積器として機能する。

本発明により作製されたスピンドルの半製品を示す軸線方向断面図である。 本発明によりスピンドルを作製するための２部分からなる工具の半部を示す図である。 本発明によりスピンドルを作製するための図２Ａに対して変更した２部分からなる工具の半部を示す図である。 本発明により作製したスピンドルを示す図である。 本発明による電気機械式ブレーキブースタのギアにおける図３に示したスピンドルの使用法を示す図である。 本発明による電気機械式パワーステアリングのステアリングギアにおける図３に示したスピンドルの使用法を示す図である。

次に、図面に示した実施例に基づき本発明を詳細に説明する。

図面は、本発明を理解し、説明するための簡略化した概略図である。本発明の他の特徴は、請求項、上記説明および図面に関連した以下の本発明の実施形態の説明から明らかである。個々の特徴は、それ自体または複数の特徴を任意に組み合わせて本発明の実施形態で実施してもよい。

本発明によりスピンドル１を作製するためには、丸いワイヤ横断面を有するばねワイヤが長方形のワイヤ横断面を有する平角ワイヤに圧延され、ワイヤ横断面の長い方の側面が半径方向に延在するように螺旋２の形に湾曲される。ばねワイヤは圧延により補強されており、硬化することができる。図２Ａに示すように、複数のこのような螺旋が工具４の半部３の内部に同軸的に連続して挿入される。工具４は、射出成形または押出成形工具を想起させる。工具４は、螺旋２を収容するための螺旋状の溝６を有する円筒状のキャビティ５を備える。キャビティ５の円筒部分の直径は螺旋２の内径に相当する。工具４は、軸線方向平面で分割されている。工具４は図示のように２部分または（３部分よりも多い）複数部分からなっていてもよい。キャビティ５は両端が開いている。

外径が螺旋２の内径に相当し、ひいてはキャビティ５の円筒部分の直径に相当する管８は、軸線方向にキャビティ５、および工具４に挿入された螺旋２に押し込まれる。工具４は、工具４の図示されている半部３の溝に接続する、図示されていない第２の工具半部によって閉じられる。工具４から突出していない管８は、両端で閉鎖部材７によって耐圧性に、気密に閉じられ、内側から加圧油により負荷される。加圧は、油圧ポンプ９および圧力計１０によって記号で示されている。管８は、内側から加圧可能となるように耐圧性に閉じておく必要がある。管８を外側から加圧し、管８の変形を防止するか、または少なくとも抑制する工具４の内部に圧力が形成されてはならない。内側からの加圧により、管８は塑性変形され、内側から螺旋２に当て付けられ、螺旋２は外側から工具４によって支持される。キャビティ５の円筒部分に設けられた溝６の移行部の面取り部に工具４は丸みを付けられた横断面を有する凹部１１を備え、凹部１１は溝６に対してもキャビティ５の円筒部分に対しても開かれている。管８は内側からの加圧により工具４の凹部１１の内部に向けて変形され、螺旋２の両側の脚部に、すなわち、図３に示すように螺旋２から管８への移行部に隆起部１２が形成される。螺旋２は管８に固定され、隆起部１２による軸線方向の形状接続に加えて、摩擦接続のために螺旋２と管８とを加圧により冷間溶接してもよい。管８は螺旋２とともにスピンドル１を形成し、スピンドル１のねじピッチ１３は螺旋２を形成する。管８の変形および内側からの螺旋２への圧着成形は、内部高圧成形またはハイドロフォーミングと呼ぶこともできる。圧力の高さは、とりわけ管８の材料および肉厚ならびに成形度合に関係している。管８は螺旋２の間で分離され、多数のスピンドル１が生じる。管８は肉薄であり、同様に（中空）スピンドル１も肉薄である。

図２Ｂは変更を加えた工具４を示す。この工具４は、溝６からキャビティ５の円筒部分への移行部に凹部１１を有しておらず、溝６は螺旋２の螺旋横断面の半径方向の幅よりも低い。すなわち、工具４の溝６に挿入された螺旋２の巻線はキャビティ５の円筒部分内に突出している。螺旋２の巻線がキャビティ５の円筒部分内に突出していることを示すために、図２Ｂの右側に螺旋２が工具４の溝６に挿入された状態が示されている。螺旋２は軸線方向に断面して示されており、螺旋２の巻線における内方に突出した横断面が斜線を施した横断面として見ることができる。工具４の内部で螺旋２の巻線が内方に突出していることにより、内部からの加圧によって管８を変形した場合に、管８は内側から螺旋２に圧着成形されるだけでなく、螺旋２を側方でわずかに環状係合する。これにより、図２Ａの工具４による場合のように、軸線方向に管８における螺旋２の形状接続が得られる。

精度および／または表面品質を高めるために、ねじピッチ１３を形成する螺旋２の平坦面は、例えば研磨によって加工してもよい。ねじピッチ１３の１つの平坦面のみが加圧される場合、この１つの平坦面を加工するだけで十分である。

図示の実施形態とは異なり、螺旋２は長さにわたって変化する傾斜を備えていてもよい。これにより、変化するねじ山傾斜を有するスピンドル１が作製可能である。２つのピッチを有するねじ山付スピンドルを作製するためには、それぞれ２つの螺旋２が軸線方向に、有利には半分の傾斜だけ相互にずらして配置される。対応して、スピンドル１に３つ以上のねじピッチを形成してもよい。螺旋２に凹部、すなわち、波を形成することも可能であり、これにより、さらに説明するスピンドルナットの安定した位置が得られる。

図４は、図１〜図３に基づき上述した方法にしたがって作製したスピンドル１を、その他の点では図示しない電気機械式ブレーキブースタのローラねじ駆動装置１４で使用する使用法を示している。短縮したスピンドル１の管８は一端が半径方向内方に突出するように変形されており、ペダルロッド１５を貫通させるための中央孔が残されている。内方に変形された管８の端部は、ペダルロッド１５の円筒状の加圧ディスク１６に接触している。ペダルロッド１５は、図示しないフットブレーキペダルを、油圧式車両ブレーキ装置の同様に図示しないマスタブレーキシリンダのプライマリピストンに枢着的に結合する。スピンドルナット１７はスピンドル１に同軸的に環状係合する。スピンドルナット１７は円筒状であり、スピンドル１よりも短い。スピンドルナット１７は内方に突出した螺旋状に周回するウェブ１８を備え、ウェブ１８は、スピンドル１のねじピッチ１３を形成する螺旋２と同じ傾斜を有する。ウェブ１８は約３６０°にわたって延在し、ねじピッチ１３の巻線の間に係合する。

ウェブ１８は、駆動ローラ１９およびセンタリングローラ２０の軸２１，２２を形成しているシリンダピンに回動可能に支承された駆動ローラ１９およびセンタリングローラ２０のための切欠きを有している。３つの駆動ローラ１９は周囲にわたって等間隔で分配して配置されており、駆動ローラ１９は半径方向軸２１を備え、ねじピッチ１３を形成する螺旋２の平坦面で転動する。周囲にわたって分配して配置された３つの駆動ローラ１９によってスピンドル１におけるスピンドルナット１７の、および反対にスピンドルナット１７におけるスピンドル１の静的な所定の支持が得られる。

他の３つのセンタリングローラ２０が上述の駆動ローラ１９の間に配置されており、螺旋１に対して直行する軸２２を備える。センタリングローラ２０は、スピンドル１の管８で、ねじピッチ１３の間に設けられた中間スペースにおいて転動する。これら３つのセンタリングローラ２０はスピンドル１でスピンドルナット１７をセンタリングし、反対にスピンドルナット１７でスピンドル１をセンタリグする。

回転駆動のために、歯付きベルトディスク２３がスピンドルナット１７に押し嵌められている。スピンドルナット１７は、ラジアル軸受２４およびアキシャル軸受２５によって回動可能に支承されている。２つの軸受２４，２５は、この実施例では玉軸受である。アキシャル軸受２５はスピンドルナット１７を軸線方向に支持する。歯付ベルトディスク２３の図示しない歯付きベルトによってスピンドルナット１７を回転駆動した場合、駆動ローラ１９は、スピンドル１のねじピッチ１３を形成する螺旋２で転動する。スピンドル１は軸線方向に変位され、加圧ディスク１６を介してペダルロッド１５に軸線方向力を加える。このようにして、図示しないフットブレーキペダルによって図示しないマスタブレーキシリンダを操作するためにペダルロッド１５に加えられる人力を増幅することができる。

ペダルロッド１５を包囲する金属ベローズ２６がスピンドル１の管８の内部に同軸的に配置されている。金属ベローズ２６は一端で、ハウジング２７の内部に回動不能かつ軸線方向に不動に支持されており、他端は内方に変形された管８の端部に回動不能かつ軸線方向に不動に結合されている。金属ベローズ２６は回動防止装置を形成しており、スピンドル１を回動不能に保持する。さらに金属ベローズ２６は、スピンドル８が変位された場合に締め付けられ、エネルギーを蓄積するか、または弛緩され、エネルギーを放出する軸線方向ばねを形成している。金属ベローズ２６は、ローラねじ駆動装置１４によってスピンドル１の変位に変換されるスピンドルナット１７の回転駆動によって図示しないマスタブレーキシリンダが解除された場合に弛緩させることができ、この場合に、蓄積されたエネルギーをブレーキ操作時に再び放出することができる。この場合、両方の軸線方向にスピンドルナット１７を支持することが不可欠である。電気機械式ブレーキブースタの図示しない電動モータの最大回転トルクおよび最大出力はこれにより低減される。

ハウジング２７は、例えば薄板からの深絞りによって作製され、直径段部を有する円筒管状に形成されている。スピンドルナット１７の軸受２４，２５はハウジング２７の直径段部に収容されている。

図５は、図４に基づき既に説明した本発明によるローラねじ駆動装置１４を電気機械式パワーステアリングのステアリングギアで使用する使用法を示す。図５のローラねじ駆動装置１４は、実質的に図４のローラねじ駆動装置１４と等しく構成されており、スピンドル１は図１〜図３について説明したようにして作製されるので、上述の対応した実施形態を参照されたい。スピンドル１の管８の端部にはラック２８が挿入されており、溶接されており、このラック２８には、図示しないステアリングホイールによって回転駆動可能な歯車２９が噛み合う。歯車２９の向かい側には、ラック２８を支持し、歯車２９と係合した状態に保持する押圧部材３０が配置されている。ラック２８は長手方向に中空円形押圧部材によって変位可能に案内されており、歯車２９がラック２８に係合し、ラック２８を回動不能に保持する。ラック２８はスピンドル１の管８への圧入によりスピンドル１と堅固に結合されているので、スピンドル１は固有の回動防止装置を必要とせず、したがって、図５では金属ベローズは不要である。スピンドル１に向いていない方のラック２８の端部には、ラック２８およびスピンドル１をステアリングのタイロッドに結合するボールジョイントが取り付けられている（図示しない）。図５では、図４と同様に形成され、同様に機能するスピンドルナット１７は、２つのアキシャル軸受２５によって回動可能に支承されており、両方の軸線方向に支持されている。すなわち、スピンドルナット１７は、これにより、双方向に力を伝達することができる。半径方向の軸２１を有する駆動ローラ１９は、スピンドルナット１７の回転方向およびスピンドル１の変位方向に依存して、スピンドル１のねじピッチ１３を形成する螺旋２の両方の平坦面で転動する。螺旋２の巻線の間にはいずれにせよ極めてわずかな遊びしかなく、したがって、いずれにせよスピンドルナット１８に対して極めてわずかなスピンドル１の軸線方向遊びしか設けられていない。ローラねじ駆動装置１４は、歯車２９からラック２８に加えられる操舵力を増幅する。

本発明による方法の変化態様により、雌ねじ山を有するスピンドルの作製も可能である。このために、高圧成形時に螺旋を支持するコアに螺旋が配置され、管が螺旋の外側に配置されるが、この順序は逆であってもよい。次いで、管は外側から加圧され、上述のように外側から螺旋に圧着成形され、螺旋は回動不能および軸線方向に不動に管内に保持される（図示しない）。

Claims (10)

1. 少なくとも１つの螺旋（２）を管（８）に配置し、前記管（８）および前記少なくとも１つの螺旋（２）を工具（４）に挿入し、該工具（４）を閉鎖し、前記管（８）を内側から加圧し、これにより、前記管（８）を塑性変形させ、前記少なくとも１つの螺旋（２）の脚部に当て付けて作製されたスピンドル（１）を備えるローラねじ駆動装置（１４）において、
   ローラねじ駆動装置（１４）が、前記螺旋（２）で転動する少なくとも１つの駆動ローラ（１９）を備えることを特徴とする、スピンドルを備えるローラねじ駆動装置（１４）。
2. 複数の前記螺旋（２）が管（８）に配置される、請求項１に記載のローラねじ駆動装置（１４）。
3. 前記螺旋（２）に、該螺旋の長さにわたって変化する傾斜が設けられる、請求項１に記載のローラねじ駆動装置（１４）。
4. 硬化された鋼から前記螺旋（２）が形成される、請求項１に記載のローラねじ駆動装置（１４）。
5. 前記螺旋（２）に凹部が設けられる、請求項１に記載のローラねじ駆動装置（１４）。
6. 前記ローラねじ駆動装置（１４）が、３つの前記駆動ローラ（１９）を備える、請求項１に記載のローラねじ駆動装置。
7. 少なくとも１つの前記駆動ローラ（１９）が、前記スピンドル（１）を同軸的に包囲するリング（１７）に回動可能に支承されており、該リング（１７）が少なくとも３つのセンタリングローラ（２０）を備え、該センタリングローラ（２０）が、周囲にわたって分配して配置されており、前記スピンドル（１）の周囲で転動する、請求項１に記載のローラねじ駆動装置。
8. 前記ローラねじ駆動装置（１４）が、軸線方向ばねおよび回転防止装置として金属ベローズ（２６）を備える、請求項１に記載のローラねじ駆動装置。
9. 電動モータと、該電動モータによって駆動可能であり、スピンドル（１）を備える請求項１から８の何れか一項に記載のローラねじ駆動装置（１４）とを有する電気機械式ブレーキブースタ。
10. 電気機械式パワーステアリングのためのステアリングギアであって、前記電気機械式パワーステアリングが、前記ステアリングギアを駆動するための電動モータを備え、前記ステアリングギアが、電動モータによって駆動可能な、スピンドル（１）を有する請求項１から８の何れか一項に記載のローラねじ駆動装置（１４）を備えるステアリングギア。

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