JP6999606B2 - 電動式直動アクチュエータ - Google Patents
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電動モータと、
その電動モータの回転が入力される回転軸と、
その回転軸を囲む筒状に形成され、螺旋凸条を内周にもつ外輪部材と、
前記回転軸の外周と前記外輪部材の内周との間に周方向に間隔をおいて設けられた複数個の遊星ローラと、
その各遊星ローラを自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤと、
そのキャリヤと前記各遊星ローラの間に組み込まれた複数のスラスト軸受とを有し、
前記各遊星ローラの外周には、前記螺旋凸条に係合する複数の円周溝が軸方向に間隔をおいて形成され、前記各遊星ローラの軸方向端面には、前記スラスト軸受で支持される軸受面が形成された電動式直動アクチュエータに用いる前記遊星ローラの製造方法において、
前記複数個の遊星ローラのうちの2個以上の遊星ローラの合計長さに相当する軸方向長さをもつローラ素材を準備するローラ素材準備工程と、
そのローラ素材準備工程で準備したローラ素材の外周に前記複数の円周溝を転造により形成する円周溝転造工程と、
その円周溝転造工程の後、前記ローラ素材を前記各遊星ローラに分割するローラ素材切断工程と、
を有することを特徴とする遊星ローラの製造方法。
前記円周溝転造工程では、前記ローラ素材の軸方向の両端面が、互いに軸方向反対向きに配置した2個の遊星ローラの軸受面となる向きで前記円周溝を転造すると好ましい。
前記小径部の軸方向長さは、前記螺旋凸条のリード角に対応して変化するように遊星ローラごとに異なる長さに設定されている構成のものを採用することができる。
前記ローラ素材準備工程では、前記3個以上の遊星ローラのうちの軸方向長さが最も長い遊星ローラと最も短い遊星ローラのローラ素材として、軸方向長さが最も長い遊星ローラと最も短い遊星ローラの合計長さに相当する軸方向長さをもつ第1のローラ素材を準備し、更に、前記3個以上の遊星ローラのうちの軸方向長さが2番目に長い遊星ローラと2番目に短い遊星ローラのローラ素材として、前記第1のローラ素材と同一長さを有する第2のローラ素材を準備するようにすると好ましい。
前記ローラ素材準備工程では、3個の遊星ローラのうちの軸方向長さが最も長い遊星ローラと最も短い遊星ローラのローラ素材として、軸方向長さが最も長い遊星ローラと最も短い遊星ローラの合計長さに相当する軸方向長さをもつ第1のローラ素材を準備し、更に、3個の遊星ローラのうちの軸方向長さが中間の遊星ローラ(軸方向長さが2番目に長く、かつ、2番目に短い遊星ローラ)の2個分のローラ素材として、前記第1のローラ素材と同一長さを有する第2のローラ素材を準備すると好ましい。
前記ローラ素材準備工程では、前記3個以上の遊星ローラのうちの、前記軸受面に最も近い円周溝と前記軸受面との間の軸方向距離が最も長い遊星ローラと最も短い遊星ローラのローラ素材として第1のローラ素材を準備し、更に、前記3個以上の遊星ローラのうちの、前記軸受面に最も近い円周溝と前記軸受面との間の軸方向距離が2番目に長い遊星ローラと2番目に短い遊星ローラのローラ素材として第2のローラ素材を準備し、
前記円周溝転造工程では、前記第1のローラ素材と前記第2のローラ素材とで同一形状の転造金型を用いると好ましい。
前記ローラ素材準備工程では、3個の遊星ローラのうちの、前記軸受面に最も近い円周溝と前記軸受面との間の軸方向距離が最も長い遊星ローラと最も短い遊星ローラのローラ素材として第1のローラ素材を準備し、更に、3個の遊星ローラのうちの、前記軸受面に最も近い円周溝と前記軸受面との間の軸方向距離が中間の遊星ローラ(前記軸方向距離が2番目に長く、かつ、2番目に短い遊星ローラ)の2個分のローラ素材として第2のローラ素材を準備し、
前記円周溝転造工程では、前記第1のローラ素材と前記第2のローラ素材とで同一形状の転造金型を用いると好ましい。
その電動モータの回転が入力される回転軸と、
その回転軸を囲む筒状に形成され、螺旋凸条を内周にもつ外輪部材と、
前記回転軸の外周と前記外輪部材の内周との間に周方向に間隔をおいて設けられた複数個の遊星ローラと、
その各遊星ローラを自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤと、
そのキャリヤと前記各遊星ローラの間に組み込まれた複数のスラスト軸受とを有し、
前記各遊星ローラの外周には、前記螺旋凸条に係合する複数の円周溝が軸方向に間隔をおいて形成され、前記各遊星ローラの軸方向端面には、前記スラスト軸受で支持される軸受面が形成された電動式直動アクチュエータに用いる遊星ローラにおいて、
前記各遊星ローラの外周の円周溝は、円周溝に沿って湾曲した形状の連続した金属組織をもつ転造溝であり、
前記各遊星ローラの外周の円周溝のうち前記軸受面から最も遠い位置にある円周溝は、円周溝の溝底が遊星ローラの前記軸受面とは反対側の端面と交差するように形成され、
または、前記各遊星ローラの外周の円周溝のうち前記軸受面から最も遠い位置にある円周溝は、円周溝の溝底から軸方向へと延びる小径部が遊星ローラの前記軸受面とは反対側の端面と交差するように形成され、
かつ、転造による金属組織の流動の開始点が円周溝の溝底の位置にある、
ことを特徴とする遊星ローラ。
そのローラ素材準備工程で準備したローラ素材の外周に複数の円周溝を転造により形成する円周溝転造工程と、
その円周溝転造工程の後、前記ローラ素材を前記各遊星ローラに分割するローラ素材切断工程とを有する製造方法で遊星ローラを製造した場合、
その製造方法で得られる遊星ローラの外周の各円周溝は、円周溝に沿って湾曲した形状の連続した金属組織をもつ転造溝となる。
さらに、前記円周溝転造工程では、前記ローラ素材の軸方向の両端面が、互いに軸方向反対向きに配置した2個の遊星ローラの軸受面となる向きで前記円周溝を転造し、
前記ローラ素材切断工程では、ローラ素材の外周に形成された円周溝の溝底の位置で前記ローラ素材を切断するようにした場合、
その製造方法で得られる遊星ローラの外周の円周溝のうち前記軸受面から最も遠い位置にある円周溝は、円周溝の溝底が遊星ローラの前記軸受面とは反対側の端面と交差するように形成され、
または、その製造方法で得られる遊星ローラの外周の円周溝のうち前記軸受面から最も遠い位置にある円周溝は、円周溝の溝底から軸方向へと延びる小径部が遊星ローラの前記軸受面とは反対側の端面と交差するように形成され、
かつ、転造による金属組織の流動の開始点が円周溝の溝底の位置にあるものとなる。
前記小径部の軸方向長さは、前記螺旋凸条のリード角に対応して変化するように遊星ローラごとに異なる長さに設定されている構成のものを採用することができる。
前記第2の小径部の軸方向長さは、前記螺旋凸条のリード角に対応して変化するように遊星ローラごとに異なる長さに設定されている構成のものを採用することができる。
図6に示すように、第1のローラ素材51と第2のローラ素材52とを準備する。第1のローラ素材51は、図5に示す4個の遊星ローラ51~54のうち2個の遊星ローラ51,54を製造するためのローラ素材である。第1のローラ素材51は、4個の遊星ローラ51~54のうち軸方向長さが最も長い遊星ローラ51と最も短い遊星ローラ54の合計長さに相当する軸方向長さS1を有する。
図7に示すように、転造によって、第1のローラ素材51の外周に、遊星ローラ51と遊星ローラ54の各円周溝21を形成する。具体的には、第1のローラ素材51を回転させながら、その第1のローラ素材51の外周に転造金型571を転がり接触させ、第1のローラ素材51と転造金型571の間に作用する接触圧力により第1のローラ素材51の表面を塑性変形させる。転造金型571には、遊星ローラ51と遊星ローラ54の各円周溝21に対応する複数の突起58が設けられており、その複数の突起58が第1のローラ素材51の大径円筒面54(図6参照)に食い込むことで、遊星ローラ51と遊星ローラ54の各円周溝21を同時に形成する。このように形成された各円周溝21は、図9に示すように、その円周溝21に沿って湾曲した形状の連続した金属組織をもつ転造溝となる。この円周溝転造工程において、第1のローラ素材51の外周に形成される各円周溝21の位置は、2個の遊星ローラ51,54を互いに軸方向反対向きに配置したときの各円周溝21の位置に対応している。
外周に各円周溝21が形成された第1のローラ素材51を、図7に示す切断線C1の位置に沿って切断し、遊星ローラ51と遊星ローラ54に分割する。このとき、第1のローラ素材51は、円周溝21bの溝底の位置で切断される。また、外周に各円周溝21が形成された第2のローラ素材52を、図7に示す切断線C2の位置に沿って切断し、遊星ローラ52と遊星ローラ53に分割する。このとき、第2のローラ素材52は、円周溝21bの溝底の位置で切断される。
第1のローラ素材51、第2のローラ素材52をそれぞれ切断して得た4個の遊星ローラ51~54の軸受面221~224をそれぞれ研削加工する。これにより、各遊星ローラ51~54の軸受面221~224が所定の面粗さ(例えばRa3.2μm以下)に仕上げられる。また、上記の円周溝転造工程で円周溝21を転造したときに、第1のローラ素材51または第2のローラ素材52の軸方向端面531~534(つまり、遊星ローラ51~54の軸受面221~224となる面)に金属組織の流動による膨らみ(余肉)が生じる可能性があるが、この余肉を研削加工で除去することができる。ここでは、軸受面仕上げ工程を、ローラ素材切断工程の直後に実施しているが、円周溝転造工程の直後(すなわちローラ素材切断工程の前)に実施するようにしてもよい。
これに対し、図8(a)に示すように、第1のローラ素材51の外周に形成された円周溝21bの溝底の位置で切断線C1に沿ってローラ素材を切断し、遊星ローラ51と遊星ローラ54を製造した場合、遊星ローラ51と遊星ローラ54の円周溝21bは、その他の円周溝21と同様に、転造による金属組織の流動の開始点が円周溝21bの溝底の位置にあって余肉59が生じず、また溝肩の径寸法が他の円周溝21の溝肩の径寸法と一致し、円周溝21bの溝肩の寸法精度が良い。
図12に示すように、第1のローラ素材51と第2のローラ素材52とを準備する。第1のローラ素材51は、図11に示す4個の遊星ローラ51~54のうち2個の遊星ローラ51,54を製造するためのローラ素材である。第1のローラ素材51は、遊星ローラ51と遊星ローラ54の合計長さに相当する軸方向長さS1を有する。
図13に示すように、転造によって、第1のローラ素材51の外周に、遊星ローラ51と遊星ローラ54の各円周溝21を形成する。具体的には、第1のローラ素材51を回転させながら、その第1のローラ素材51の外周に転造金型571を転がり接触させ、第1のローラ素材51と転造金型571の間に作用する接触圧力により第1のローラ素材51の表面を塑性変形させる。転造金型571には、遊星ローラ51と遊星ローラ54の各円周溝21に対応する複数の突起58が設けられており、その複数の突起58が第1のローラ素材51の大径円筒面54(図12参照)に食い込むことで、遊星ローラ51と遊星ローラ54の各円周溝21を同時に形成する。この円周溝転造工程において、第1のローラ素材51の外周に形成される各円周溝21の位置は、2個の遊星ローラ51,54を互いに軸方向反対向きに配置したときの各円周溝21の位置に対応している。
外周に各円周溝21が形成された第1のローラ素材51を、図13に示す切断線C1の位置に沿って切断し、遊星ローラ51と遊星ローラ54に分割する。また、外周に各円周溝21が形成された第2のローラ素材52を、図13に示す切断線C2の位置に沿って切断し、遊星ローラ52と遊星ローラ53に分割する。
第1のローラ素材51、第2のローラ素材52をそれぞれ切断して得た4個の遊星ローラ51~54の軸受面221~224をそれぞれ研削加工する。これにより、各遊星ローラ51~54の軸受面221~224が所定の面粗さ(例えばRa3.2μm以下)に仕上げられる。また、上記の円周溝転造工程で円周溝21を転造したときに、第1のローラ素材51または第2のローラ素材52の軸方向端面531~534(つまり、遊星ローラ51~54の軸受面221~224となる面)に金属組織の流動による膨らみ(余肉)が生じる可能性があるが、この余肉も研削加工で除去することができる。ここでは、軸受面仕上げ工程を、ローラ素材切断工程の直後に実施しているが、円周溝転造工程の直後(すなわちローラ素材切断工程の前)に実施するようにしてもよい。
図14に示すローラ素材50を準備する。ローラ素材50は、図5に示す4個の遊星ローラ51~54を製造するための素材である。ローラ素材50の軸方向の一方の端面531は、遊星ローラ51の軸受面221となる面である。ローラ素材50の軸方向の他方の端面534は、遊星ローラ54の軸受面224となる面である。ローラ素材50の外周には、遊星ローラ51~54の各円周溝21に対応する位置に形成された大径円筒面54と、遊星ローラ51~54の小径部36に対応する位置に形成された小径円筒面55とが設けられている。ローラ素材50の中心には遊星ローラ51~54の軸受孔18となる貫通孔56が形成されている。
図15に示すように、転造によって、ローラ素材50の外周に、遊星ローラ51~54の各円周溝21を形成する。具体的には、ローラ素材50を回転させながら、そのローラ素材50の外周に転造金型57を転がり接触させ、ローラ素材50と転造金型57の間に作用する接触圧力によりローラ素材50の表面を塑性変形させる。転造金型57には、遊星ローラ51~54の各円周溝21に対応する複数の突起58が設けられており、その複数の突起58がローラ素材50の大径円筒面54に食い込むことで、遊星ローラ51~54の各円周溝21が同時に形成される。ここで、各円周溝21は、ローラ素材50の軸方向の両端面531,534が、互いに軸方向反対向きに配置した2個の遊星ローラ51,54の軸受面221,224となる向きで転造される。
外周に各円周溝21が形成されたローラ素材50を、図15に示す切断線Cの位置に沿って切断し、各遊星ローラ51~54に分割する。
ローラ素材50を切断して得た4個の遊星ローラ51~54の軸受面221~224をそれぞれ研削加工する。これにより、各遊星ローラ51~54の軸受面221~224が所定の面粗さ(例えばRa3.2μm以下)に仕上げられる。
2 電動モータ
3 回転軸
4 外輪部材
6 キャリヤ
7 スラスト軸受
20 螺旋凸条
21,21a,21b 円周溝
221~224 軸受面
36 小径部
37 端面
50 ローラ素材
51~54 遊星ローラ
51 第1のローラ素材
52 第2のローラ素材
531~534 端面
571、572 転造金型
d1~d4 軸方向距離
L1~L4 軸方向長さ
α1~α4 軸方向長さ
β1~β4 軸方向長さ
S1,S2 軸方向長さ
Claims (3)
- 電動モータ(2)と、
その電動モータ(2)の回転が入力される回転軸(3)と、
その回転軸(3)を囲む筒状に形成され、螺旋凸条(20)を内周にもつ外輪部材(4)と、
前記回転軸(3)の外周と前記外輪部材(4)の内周との間に周方向に間隔をおいて設けられた複数個の遊星ローラ(51~54)と、
その各遊星ローラ(51~54)を自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ(6)と、
そのキャリヤ(6)と前記各遊星ローラ(51~54)の間に組み込まれた複数のスラスト軸受(7)とを有し、
前記各遊星ローラ(51~54)の外周には、前記螺旋凸条(20)に係合する複数の円周溝(21)が軸方向に間隔をおいて形成され、前記各遊星ローラ(51~54)の軸方向端面には、前記スラスト軸受(7)で支持される軸受面(221~224)が形成された電動式直動アクチュエータ(1)において、
前記各遊星ローラ(51~54)の外周の円周溝(21)は、円周溝(21)に沿って湾曲した形状の連続した金属組織をもつ転造溝であり、
前記各遊星ローラ(5 1 ~5 4 )の軸方向長さ(L 1 ~L 4 )は、前記螺旋凸条(20)のリード角に対応して変化するように遊星ローラ(5 1 ~5 4 )ごとに異なる長さに設定され、
全ての前記遊星ローラ(5 1 ~5 4 )について、その各遊星ローラ(51~54)の外周の円周溝(21)のうち前記軸受面(221~224)から最も遠い位置にある円周溝(21b)は、円周溝(21b)の溝底が遊星ローラ(51~54)の前記軸受面(221~224)とは反対側の端面(37)と交差するように形成され、かつ、転造による金属組織の流動の開始点が、前記遊星ローラ(51~54)の前記軸受面(221~224)とは反対側の前記端面(37)の位置にある、
ことを特徴とする電動式直動アクチュエータ。 - 前記軸受面(221~224)に最も近い円周溝(21a)と前記軸受面(221~224)との間の軸方向距離(d1~d4)が遊星ローラ(51~54)ごとに異なり、前記軸方向距離(d1~d4)は前記螺旋凸条(20)のリード角に対応して変化する設定とされている請求項1に記載の電動式直動アクチュエータ。
- 前記各遊星ローラ(51~54)は、軸方向に外径が一定でかつその外径が前記円周溝(21)の溝底径以下の大きさである小径部(36)を前記スラスト軸受(7)で支持される側の端部に有し、
前記小径部(36)の軸方向長さ(α1~α4)は、前記螺旋凸条(20)のリード角に対応して変化するように遊星ローラ(51~54)ごとに異なる長さに設定されている請求項2に記載の電動式直動アクチュエータ。
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