JP5624324B2 - ポリアルキレンオキシドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はポリアルキレンオキシドの製造方法に関する。
イニシエーターにアルキレンオキシドなどのモノエポキシドを開環反応させて得られるポリアルキレンオキシドは、室温で液状であり、かつ硬化物が比較的低温でも柔軟性を保持していることから、シーリング材、接着剤等の原料として広く用いられている。シーリング材、接着剤等への利用例としては、末端に加水分解性珪素基を有する湿分硬化性の化合物が挙げられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
ポリアルキレンオキシドは、アルカリ金属触媒、金属ポルフィリン触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、P=N結合を有する化合物触媒などの触媒存在下で重合された水酸基などの活性水素基を末端に有するイニシエーターから合成される。なかでも、複合金属シアン化物錯体触媒は、これを触媒として用いてポリアルキレンオキシドを製造すると、特にプロピレンオキシドをアルキレンオキシドとするポリアルキレンオキシドの製造に用いると、重合中に副生する不飽和モノオールが少ないためにアルカリ金属触媒を用いては得ることが出来ない高分子量で分子量分布が狭いポリアルキレンオキシドが得られることから、好んで用いられる。
複合金属シアン化物錯体触媒を用いたポリアルキレンオキシドの製造においては、複合金属シアン化物錯体触媒存在下、イニシエーターと一定量のアルキレンオキシドを共存、加熱することによって複合金属シアン化物錯体触媒の重合活性を発現させる必要がある。なお、本発明の説明においては、一定量のアルキレンオキシドを共存、加熱させる工程をバッチ反応と表現し、連続的にアルキレンオキシドを供給する工程である追加反応と区別する。また以降の本発明の説明では、複合金属シアン化物錯体触媒の重合活性を発現させる工程を、バッチ反応による触媒の活性化と記述する。
バッチ反応により触媒の重合活性が発現するため、バッチ反応を行わずにアルキレンオキシドを連続供給すると、アルキレンオキシドが重合で消費されないために大量の未反応アルキレンオキシドが反応系内に蓄積する。一方、アルキレンオキシド濃度は触媒の重合活性発現に大きな影響を及ぼすことが知られており、反応系内にアルキレンオキシドが蓄積して高濃度となった条件では急激な反応が起こるリスクが高く、大量のアルキレンオキシドが一度に重合する危険性がある。大量のアルキレンオキシドが一度に重合すると急激な重合熱が発生し、その重合熱による内温上昇や温度上昇に伴うアルキレンオキシドの蒸気圧上昇により急激な反応機内圧上昇を招き、反応機の破壊などの災害を招く恐れがある。
複合金属シアン化物錯体触媒は、触媒活性を発現させると、その後に連続供給されるアルキレンオキシドは円滑に重合で消費されるため、安全を脅かすようなアルキレンオキシドの過度な蓄積を回避することが可能となる。従って、複合金属シアン化物錯体触媒を用いたポリアルキレンオキシドの製造においては、バッチ反応による触媒の活性化を実施し、触媒活性を発現させた後、アルキレンオキシドを連続供給することが安全上重要となる。しかしながら、低分子量のイニシエーターを用いた場合、バッチ反応が起こらない、あるいは反応速度が極めて遅く、バッチ反応による触媒の活性化に長時間要するなどの問題がある。そこで、相対的に高分子量である第二のイニシエーターと相対的に低分子量である第一のイニシエーターを混合したイニシエーターを使用することで低分子量のイニシエーターを反応させうることが提案されている(特許文献3参照。)。また、相対的に高分子量である第一のイニシエーターを事前にアルキレンオキシドと反応させて活性化イニシエーターを製造し、これに相対的に低分子量である第二のイニシエーターを混合したイニシエーターを使用することで低分子量のイニシエーターを反応させうることを開示している(特許文献4参照。)。また、上記のようなポリアルキレンオキシドの製造においては、反応をテトラヒドロフランなどの有機溶媒中で行うことができることも開示されている(例えば、特許文献3、4、5など参照。)。しかしながら、ポリアルキレンオキシドの製造で低分子量のイニシエーターのみを使用する反応においては、バッチ反応による触媒の活性化に対する有機溶媒量の効果に関しては十分な検討がなされていなかった。
特開平3−72527号公報 特開平3−47825号公報 特開平4−59825号公報 特開2004−51996号公報 特開平2−265903号公報
本発明は、上記現状を鑑み、ポリアルキレンオキシドの製造方法において、低分子量イニシエーターのみで複合金属シアン化物錯体触媒の活性化を行い、高分子量で単分散なポリアルキレンオキシドを製造することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決するため鋭意検討した結果、以下のことを見出して本発明を完成させた。
・反応時に有機溶媒を用いることによって、高分子量のイニシエーターを用いることなく、複合金属シアン化物錯体触媒の活性化が行えること。
・低分子量のイニシエーターは触媒を失活させる作用があるため、反応開始時のバッチ反応で用いるイニシエーターは低濃度である方が、触媒の活性化に適していること。
・反応開始時に用いるイニシエーター量は少なくし、触媒を活性化させてから残りの低分子のイニシエーターを2回目以降のバッチ反応として加える方法が、触媒の活性化法として優れていること。
・反応開始時に用いるアルキレンオキシド100重量部に対して500〜1,500重量部の有機溶媒を用いると、反応開始時の重合熱を効率的に除去でき安全に反応を行うことができること。
・反応開始時の触媒濃度は2000ppm以上である方が触媒の活性化に適していること。
・反応開始時のバッチ反応後に、アルキレンオキシドをイニシエーターに対して100モル当量以上添加し反応させ(1回目の追加反応)、系の容量を増やし除熱効率を高めることが、2回目以降のバッチ反応を安全に行うために必要であること。
すなわち、本発明は、
(I). 有機溶媒及び複合金属シアン化物錯体触媒存在下、少なくとも1個の水酸基を有し水酸基あたりの分子量が300以下のイニシエーターに、アルキレンオキシドを開環付加反応させるポリアルキレンオキシドの製造方法であり、反応開始時に仕込むアルキレンオキシド100重量部に対して、500〜1,500重量部である有機溶媒を使用してバッチ反応を行うことを特徴とするポリアルキレンオキシドの製造方法、
(II). 前記有機溶媒として、活性水素を有さない極性化合物を用いる前記(I)に記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(III). 前記有機溶媒として、複素環式化合物および鎖状エーテルから選択される化合物を用いる前記(I)または(II)に記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(IV). イニシエーターを2回以上に分けて分割添加し、イニシエーターを添加する毎にバッチ反応を行う前記(I)〜(III)のいずれかに記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(V). イニシエーターを分割添加する場合に、反応開始時のイニシエーター添加量が、全イニシエーター使用量に対して20重量%以下である前記(IV)記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(VI). 2,000ppm以上の触媒濃度で、反応開始時のバッチ反応を行う前記(I)〜(V)のいずれかに記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(VII). 反応開始時のバッチ反応に用いるイニシエーター100重量部に対して、1,000重量部以上の有機溶媒を用いることを特徴とする(I)〜(VI)のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(VIII). 反応開始時のバッチ反応に用いたイニシエーターに対し、アルキレンオキシドを100モル当量以上添加してポリアルキレンオキシドを重合した後、二回目のイニシエーターを添加する前記(IV)〜(VII)のいずれかに記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(IX). バッチ反応後に、アルキレンオキシドを追加し反応させる追加反応を行う前記(I)〜(VIII)のいずれかに記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(X). 全イニシエーターをバッチ処理で添加し終わった後、残りのアルキレンオキシドを全部追加して追加反応を行う前記(IX)記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(XI). 水酸基あたりの分子量が150以下のイニシエーターを用いる前記(I)〜(X)のいずれかに記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
(XII). 得られるポリアルキレンオキシドの数平均分子量が10,000以上である前記(I)〜(XI)のいずれかに記載のポリアルキレンオキシドの製造方法、
に関する。
本願の製造方法は、高分子量のイニシエーターを用いずに安価な低分子量のイニシエーターのみで製造を行うため、ポリアルキレンオキシドの原料コストを低減することができ経済的である。また、温和な製造条件で安全にポリアルキレンオキシドを製造することができるため、大量合成に適しプロセスコストを低減することができる。また本発明の製造方法で得られるポリアルキレンオキシドは分子量分布が狭く、種々の工業製品の原料として好適に使用することができる。
本発明は、有機溶媒及び複合金属シアン化物錯体触媒存在下、少なくとも1個の水酸基を有し水酸基あたりの分子量が300以下のイニシエーターに、アルキレンオキシドを開環付加反応させるポリアルキレンオキシドの製造方法である。以下、本発明方法に使用する原料及び反応条件について、説明する。
<複合金属シアン化物錯体触媒>
一般的にポリアルキレンオキシドは、アルカリ金属触媒、金属ポルフィリン触媒(特開昭61−197631,特開昭61−197631等の公報参照)、複合金属シアン化物錯体触媒(米国特許第3278457号明細書、米国特許第3278458号明細書、米国特許第3278459号明細書、米国特許第3427256号明細書、米国特許第4721818号明細書、Macromol.Syn.,5,9(1974)等の各公報及び文献参照。)、P=N結合を有する化合物触媒(特開平11−106500号公報、特開平10−36499号公報、特開平11−302371号公報等の各公報参照。)などの触媒存在下、少なくとも1個の水酸基を有するヒドロキシ化合物などのイニシエーターにアルキレンオキシドを重合させて製造することができる。これら触媒の中でも高分子量で着色のないポリアルキレンオキシドが得られる複合金属シアン化物錯体触媒やP=N結合を有する化合物触媒を用いることが好ましく、特に、複合金属シアン化物錯体触媒が好ましいことが知られている。
本発明における複合金属シアン化物錯体触媒は、前記公知例に示されているように下記一般式(1)の構造を有すると考えられる。
[ M (CN)(HO) ・・・式(1)
[ただし、式(1)中、Mは、Zn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、Al(III)、Sr(II)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(IV)、W(VI)などの金属イオンであり、Mは、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、V(V)などの金属イオンであり、Rは有機配位子である。また、a、b、x及びyは金属の原子価と配位数により変わる正の整数であり、c及びdは金属の配位数により変わる正の数である。]
前記一般式(1)で表される複合金属シアン化物錯体触媒において、Mは、Zn(II)が好ましく、Mは、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)などが、触媒活性が高いため好ましい。特に好ましいものは、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体である。また、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体と他の複合金属シアン化物錯体とを組み合わせた触媒も使用できる。組み合わせは、金属成分の組み合わせであっても、2種以上の触媒の混合物であってもよい。
有機配位子Rとしては、例えばケトン、エーテル、アルデヒド、エステル、アルコール、アミド、ニトリル、スルフィドなどが挙げられる。有機配位子としては、アルコール及びエーテルが好ましい。tert−ブチルアルコール、下記一般式(2)で表される化合物、エタノール、sec−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール及びイソプロピルアルコールなどのアルコール、並びに、エチレングリコールジメチルエーテル(以下、グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(以下、トリグライム)、ジオキサン、及び分子量が150〜5,000のポリエーテルなどのエーテルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。なかでもtert−ブチルアルコール、下記式(2)で表される化合物、及びグライムから選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
−C(CH(OROH・・・式(2)
[但し、式(2)中、Rはメチル基又はエチル基、Rはエチレン基又は該エチレン基の水素原子がメチル基又はエチル基で置換された基、nは1、2又は3である。]
式(2)で表される化合物としては、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ペンチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ペンチルエーテルが挙げられる。
前記一般式(1)で表される複合金属シアン化物錯体触媒は、金属塩M(但し、Mは、上述と同様。YはMと塩を形成するアニオン。gは金属の原子価により変わる正の整数)とポリシアノメタレート(塩)Z[M (CN)(但し、M、x、yは上述と同様。Zは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属など。また、e、fは、Z、Mの原子価と配位数により決まる正の整数である。)の各々の水溶液又は水と有機溶剤の混合溶媒の溶液を混合し、得られた複合金属シアン化物に有機配位子Rを接触させ、有機配位子中で撹拌し熟成させ、ついで公知の方法により、濾別、洗浄、乾燥させることで製造できる。
ポリシアノメタレート(塩)Z[M (CN)は、Zには水素やアルカリ金属をはじめとする種々の金属を使用しうるが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が好ましい。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、すなわちナトリウム塩とカリウム塩である。ポリシアノメタレート(塩)のシアノメタレートを構成する金属としては、Co(III)又はFe(III)が好ましく、Co(III)が特に好ましい。なかでもアルカリ金属シアノメタレートとしては、カリウムヘキサシアノコバルテートが好ましい。
金属塩Mとしては金属ハロゲン化物が好ましく、金属としてはZn(II)又はFe(II)が好ましく、Zn(II)が特に好ましい。金属ハロゲン化物としては特に塩化亜鉛が好ましい。
上記のような複合金属シアン化物錯体触媒の使用量は、反応開始時の触媒濃度が、2,000ppm以上であることが望ましく、2,400ppm以上であることがさらに好ましく、2,800ppm以上であることがバッチ反応による触媒の活性化時間の短縮や得られるポリアルキレンオキシドの品質を安定化する上で特に好ましい。また、触媒は一度に一括して添加しても良く、複数に分割して添加しても良い。
<有機溶媒>
本発明でポリアルキレンオキシドを製造する際に用いる有機溶媒としては、活性水素を有さず重合に不活性な有機溶媒であれば特に限定されない。例えば、ベンゼン、モノクロロベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、o−,m−,p−キシレンなどの芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン、フラン、ピランなどの複素環式化合物やブチルエチルエーテルなどの鎖状エーテルからなる極性化合物が挙げられる。中でも複素環式化合物や鎖状エーテルなどの極性化合物が、バッチ反応時の複合金属シアン化物錯体触媒の重合活性を向上させる点、及びポリアルキレンオキシドの分子量分布を単分散化させる点で好ましく、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルエチルエーテルが好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。また、重合活性の低い低分子量のイニシエーターを用いた場合、バッチ反応による触媒の活性化が円滑に進行するなど、有機溶媒の使用効果が顕著であり特に好ましい。また、前記有機溶媒は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
有機溶媒の使用量は、反応開始時のバッチ反応に用いるアルキレンオキシド100重量部に対して、500重量部以上1,500重量部以下であり、750重量部以上1,250重量部以下使用することが、反応開始時のバッチ反応の昇温、昇圧を抑制し、安全にバッチ反応を行う点で特に好ましい。有機溶媒が500重量部未満であると、重合熱を効率的に除去することができず安全上好ましくない。また、有機溶媒が500重量未満であってもアルキレンオキシドを多量に用いることによって反応を開始することができるが、反応機の内温が急激に上昇するため好ましくない。また、有機溶媒が1,500重量部を超えると溶媒量が多すぎ経済的ではない。有機溶媒は本発明のポリアルキレンオキシド製造後、留去しても構わないが、留去せずにそのまま次の反応の溶媒として用いることもできる。
また、有機溶媒の使用量は、反応開始時のバッチ反応に用いるイニシエーター100重量部に対して、1,000重量部以上が好ましく、3,000重量部以上がより好ましい。1,000重量部未満であると、イニシエーターの濃度が高く触媒の活性化が起こりにくいため好ましくない。
<イニシエーター>
本発明で用いるイニシエーターとしては、少なくとも1個の水酸基を有し、1個の水酸基あたりの分子量が300以下の活性水素含有化合物であれば特に限定されない。イニシエーターとしては次の化合物が挙げられる。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールなどの一価の1級、2級、3級アルコール。アリルアルコール、メタリルアルコール、プロペニルアルコールなどの1価の不飽和基含有アルコール類。ジオール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなど)のモノアリルエーテル化体、前記ジオール類のモノビニルエーテル化体などの1価の不飽和基含有アルコール類、及び前記ジオール類のモノアルキルエーテル化体などの1価の飽和アルコール類。エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビトール、シュクロース、メチルグリコシドなどの多価アルコール類。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類。ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、ハイドロキノンなどのフェノール化合物。または前記したようなイニシエーターとして使用される化合物にアルキレンオキシドを反応させて得られ、水酸基あたりの分子量が300以下のアルキレンオキシドが付加した多価アルコール。イニシエーターの分子量は、水酸基あたりの分子量が300以下であり、水酸基あたりの分子量が150以下であることが好ましい。水酸基1個あたりの分子量が300を超えるイニシエーターは高価であり、また、同一分子量のポリアルキレンオキシドを得ようとした場合、低分子量のイニシエーターよりも使用量が多くなるため経済的ではない。前記イニシエーターは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるイニシエーターの使用量は特に限定されないが、製造するポリアルキレンオキシドの分子量から逆算することによって求めることができる。使用するイニシエーターの添加方法は特に限定されないが、一度に一括して添加せずに分割して添加することがバッチ反応による触媒の活性化を円滑に進行させる点で好ましい。分割回数は複数回であればよく、その回数は2〜10回が好ましく、2〜5回がさらに好ましく、2〜3回が特に好ましく、2分割が添加効率の点で最も好ましい。反応開始時のイニシエーター添加量は全使用量の20重量%以下の分割比率であることが好ましく、15重量%以下であることがさらに好ましく、10重量%以下であることがバッチ反応による触媒の活性化を円滑に進行させる点で特に好ましい。反応開始時の添加量が全使用量の20重量%を超えると、系中のイニシエーター濃度が高く、触媒の活性化が起こりにくいため好ましくない。また、分割してイニシエーターを添加する場合、イニシエーターを添加するたびにバッチ反応を実施することが安全上重要となる。その2回目のイニシエーターの添加時期は、反応開始時に添加したイニシエーターに対してアルキレンオキシドを100モル当量以上添加した後に添加することが好ましく、150モル当量以上添加することがさらに好ましく、200モル当量以上添加することが特に好ましい。これは2回目のイニシエーターを添加することによって触媒の重合活性が再び低下するため、再度バッチ反応による触媒の活性化を行うが、2回目のバッチ反応で発生する重合熱を、反応開始時のイニシエーターを重合させて得られたポリアルキレンオキシドの熱容量で吸収し、極度な昇温を抑制する点で好ましい条件となる。
<アルキレンオキシド>
アルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシレングリシジルエーテル、トリフルオロプロピレンオキシドなどが挙げられる。これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよい。これらのうちプロピレンオキシドが重合活性上、特に好ましい。
前述したように、複合金属シアン化物錯体触媒を用いたポリアルキレンオキシドの製造においては、その安全上の問題からアルキレンオキシドの連続供給を行う前に一定量のアルキレンオキシドを共存加熱することでバッチ反応による触媒の活性化を行う必要がある。このバッチ反応による触媒の活性化を行う際のアルキレンオキシド量が少なすぎると、バッチ反応による触媒の活性化時間が長時間にわたり生産性の面で問題になる。一方、アルキレンオキシド量が多すぎると、急激な重合反応のために異常な内温、内圧上昇を招き安全上問題となる。従って、生産性及び安全上問題とならないアルキレンオキシド量でバッチ反応による触媒の活性化を行うことが複合金属シアン化物錯体触媒を用いたポリアルキレンオキシドの製造において重要となる。
<本発明の反応条件>
本発明の反応条件を、イニシエーターを2回以上に分割添加する場合を例に挙げて説明する。しかしながら、本発明ではイニシエーターを必ずしも分割添加する必要はない。
<反応開始時のバッチ反応条件>
反応開始時のバッチ反応の温度条件は特に限定されないが、70℃以上110℃以下で実施することが好ましく、80℃以上100℃以下で実施することが、触媒の活性化を安全に実施する上で特に好ましい。バッチ反応の反応時間は特に限定されないが、反応機内温の上昇、内圧の低下により重合の開始を判断することができ、内圧の安定によってアルキレンオキシドの消費状況を確認することが出来る。反応開始時のバッチ反応時間は、30分以上90分以下が安全性および生産性の点から好ましい。また、反応は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気で行うことが、ポリアルキレンオキシドの酸化劣化を抑える上で好ましい。
<1回目の追加反応条件>
反応開始時のバッチ反応後にアルキレンオキシドを追加し反応させることが、本発明において好ましく、ここでは1回目の追加反応と表現する。この反応は特に行わなくても構わないが、行うことによって系の容量が増え、2回目のバッチ反応で発生する重合熱を効率的に除熱できるようになる。追加するアルキレンオキシドは、反応開始時に添加したイニシエーターに対して100モル当量以上が好ましく、150モル当量以上がさらに好ましく、200モル当量以上が特に好ましい。反応温度は特に限定されないが、100℃以上150℃以下で実施することが好ましく、110℃以上140℃以下で実施することが、重合体の分子量分布を狭める点で特に好ましい。アルキレンオキシドの追加時間は特に限定されないが、1時間以上4時間以下が好ましい。4時間を超える追加時間では反応に長時間かかるため好ましくない。また1時間未満で追加すると、反応機の内温が急激に上昇するため好ましくない。
<2回目以降のバッチ反応条件>
低分子量のイニシエーターを分割添加する際に行うバッチ反応で、反応開始時のバッチ反応以降に再度行うバッチ反応を、2回目以降のバッチ反応と表現する。この反応は特に行わなくても構わないが、行うことが好ましく、1回目の追加反応実施後に行うことがより好ましい。この反応では、反応開始時のバッチ反応で使用しなかった低分子量のイニシエーターを反応機に加え、アルキレオキシドと反応させる。反応開始時のバッチ反応で触媒が活性化されているため、反応開始時のバッチ反応に比較して、イニシエーターとアルキレンオキシドを穏やかな条件で反応させることができる。反応の温度条件は特に限定されないが、70℃以上110℃以下で実施することが好ましく、80℃以上100℃以下で実施することが、特に好ましい。反応の時間は、30分以上3時間以下が安全性および生産性の点から好ましい。また、バッチ反応を3回以上行う場合には、各バッチ反応の間にアルキレンオキシドを追加する追加反応を行っても構わない。
<最後の追加反応条件>
本発明の最後の追加反応とは特に限定されないが、全イニシエーターをバッチ反応で添加し終わった後に行う、残りのアルキレンオキシドを全て追加する反応のことを言う。この反応では、反応開始時のバッチ反応、1回目の追加反応、および2回目以降のバッチ反応で使用しなかった、残りのアルキレンオキシドを加え、ポリアルキレンオキシドの分子量を増大させる。アルキレンオキシドの追加時間は特に限定されないが、5時間以上10時間以下が好ましい。10時間を超える追加時間は反応に長時間かかるため好ましくない。また5時間未満で追加すると、反応機の内温が急激に上昇するため好ましくない。反応温度は特に限定されないが、100℃以上150℃以下で実施することが好ましく、110℃以上140℃以下で実施することが、重合体の分子量分布を狭める点で特に好ましい。製造するポリアルキレンオキシドの分子量が高い場合には、多量のアルキレンオキシドを用いる必要があるため、容量の大きな反応機で反応を行うことが好ましい。また、重合途中で反応溶液を大きな反応機に移し、大きな反応機で最後の追加反応を行っても構わない。
製造するポリアルキレンオキシドの数平均分子量(Mn)は活性水素基当りで3,000以上とするのが良く、3,000より低い場合はシーリング材や接着剤の原料として適さないため好ましくない。数平均分子量は4,000以上がより好ましく、6,000以上が特に好ましい。また、伸びを求められる用途では7,000以上であるのが好ましく、8,000以上であるのがより好ましく、10,000以上であることが特に好ましい。なお、ここで言う数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いてテトラヒドロフランを溶媒として40℃の条件で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明の製造法では、有機溶媒を用いることによって触媒活性を向上させ、副反応を抑制しているため、重合における分子量制御に優れており、分子量分布が狭いポリアルキレンオキシドを得ることができる。重合体の分子量分布(Mw/Mn:重量平均分子量/数平均分子量)は、特に限定されないが、1.50以下が好ましく、1.35以下がより好ましい。分子量分布の狭いポリアルキレンオキシドは、シーリング材や接着剤の原料として好適に使用することができる。
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。以下においてMn、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いてテトラヒドロフランを溶媒として40℃の条件で測定したポリスチレン換算の数平均分子量、分子量分布である。また、以下の実施例、比較例で使用したヘキサシアノコバルト亜鉛錯体は、Macromolecular Syntheses,Vol.5,p9(1974)に記載の方法に準拠して合成した。すなわち、ヘキサシアノコバルト酸カリウムの水溶液をカチオン交換樹脂に通液した後、塩化亜鉛水溶液と攪拌混合し、さらに、有機配位子としてグライムを添加し、濾別、洗浄、乾燥によりヘキサシアノコバルト亜鉛錯体を合成した。
(実施例1)
10Lステンレス製オートクレーブにジプロピレングリコール(分子量:134)24.9g、テトラヒドロフラン765g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体2.6gを前記テトラヒドロフランの一部に分散させて仕込み、さらにプロピレンオキシド74.6gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行った。昇温後50分ほどで重合に伴う昇温、降圧によりバッチ反応の開始を確認した後、1,928gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、110℃で2.5時間追加反応を行った。50℃以下まで冷却した後、ジプロピレングリコール282.1gを添加し、次いでプロピレンオキシド345.2gを添加して加熱し、90℃で2時間2回目のバッチ反応を行った。重合に伴う昇温、降圧によりバッチ反応の開始を確認した後、1,577gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、135℃で1時間追加反応を行った。内温を90℃として、重合物の一部(3,776g)を抜き出した後、5,184gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、135℃で6時間追加反応を行った結果、Mn=13,900、Mw/Mn=1.17のポリアルキレンオキシドを得た。
(実施例2)
3Lステンレス製オートクレーブにジプロピレングリコール(Mn=134)0.9g、テトラヒドロフラン31.9g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体0.25gを前記テトラヒドロフランの一部に分散させて仕込み、さらにプロピレンオキシド3.3gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行った。昇温後50分ほどで重合に伴う昇温、降圧を確認することができ、その後、80.7gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、110℃で60分間追加反応を行った。50℃以下まで冷却した後、ジプロピレングリコール21.5gを添加し、次いでプロピレンオキシド28.0gを添加して加熱し、90℃で60分間2回目のバッチ反応を行った。重合に伴う昇温、降圧によりバッチ反応の開始を確認した後、1,988gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、135℃で5時間追加反応を行った結果、Mn=15,700、Mw/Mn=1.21のポリアルキレンオキシドを得た。
(実施例3)
10Lステンレス製オートクレーブにポリプロピレントリオール(水酸基価から計算した分子量:306)24.6g、テトラヒドロフラン746g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体3.1gを前記テトラヒドロフランの一部に分散させて仕込み、さらにプロピレンオキシド74.6gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行った。昇温後50分ほどで重合に伴う昇温、降圧によりバッチ反応の開始を確認した後、2,062gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、110℃で3時間追加反応を行った。50℃以下まで冷却した後、前記ポリプロピレントリオール258.4gを添加し、次いでプロピレンオキシド258.1gを添加して加熱し、90℃で1.5時間2回目のバッチ反応を行った。重合に伴う昇温、降圧によりバッチ反応の開始を確認した後、内温を90℃として、重合物の一部(2,799g)を抜き出した後、4,426gのプロピレンオキシドを連続的に追加し、135℃で6時間追加反応を行った結果、Mn=26,600、Mw/Mn=1.3のポリアルキレンオキシドを得た。
(実施例4)
3Lステンレス製オートクレーブにジプロピレングリコール(Mn=134)11.2g、テトラヒドロフラン200g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体0.64gを前記テトラヒドロフランの一部に分散させて仕込み、さらにプロピレンオキシド14.0gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行った。重合に伴う昇温、降圧を確認するのに、昇温後1時間30分ほど要し、また圧力の降下が安定するのに60分ほど要した。その後、50℃まで冷却した後、ジプロピレングリコール11.2gを添加し、次いでプロピレンオキシド14.0gを添加して加熱し、90℃で2回目のバッチ反応を行った。重合に伴う昇温、降圧により重合の開始を確認した後、2,072gのプロピレンオキシドを連続的に追加したが、発熱が激しいために反応機ジャケットのフル冷却をしなければ135℃への制御が困難であった。その重合の結果、Mn=15,200、Mw/Mn=1.14のポリアルキレンオキシドを得た。
(比較例1)
テトラヒドロフランの仕込み量を変えた以外は実施例2と同様にしてバッチ反応を行った。すなわち、3Lステンレス製オートクレーブにジプロピレングリコール(Mn=134)0.9g、テトラヒドロフラン11g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体0.25gを前記テトラヒドロフランの一部に分散させて仕込み、さらにプロピレンオキシド3.3gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行った。しかし、重合に伴う明確な昇温、降圧を確認することができず、減圧脱揮により有機溶媒のテトラヒドロフランと未反応のプロピレンオキシドが回収された。
(比較例2)
3Lステンレス製オートクレーブにジプロピレングリコール(Mn=134)22.4g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体0.64g、プロピレンオキシド4.5gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行ったが、重合に伴う明確な昇温、降圧を確認することができず、減圧脱揮により未反応のプロピレンオキシドが回収された。
(比較例3)
3Lステンレス製オートクレーブにジプロピレングリコール(Mn=134)22.4g、テトラヒドロフラン50g、ヘキサシアノコバルト亜鉛錯体0.64gを前記テトラヒドロフランの一部に分散させて仕込み、さらにプロピレンオキシド11.7gを添加して加熱し、90℃でバッチ反応を行ったが、重合に伴う明確な昇温、降圧を確認することができず、減圧脱揮により有機溶媒のテトラヒドロフランと未反応のプロピレンオキシドが回収された。
表1に実施例、比較例の各種数値を纏めた。反応開始時のイニシエーターが実施例2と同様に少なくても(分割添加)有機溶媒使用量の少ない比較例1、イニシエーターを一括で仕込み、有機溶剤を用いなかった比較例2や有機溶媒使用量の少ない比較例3では、いずれもバッチ反応が十分に進行せず、未反応のプロピレンオキシドが回収されている。これに対し、実施例1〜3では円滑に反応が進行し、温度制御にも問題はなかった。ただ、2回目のイニシエーターを添加するまでに供給したプロピレンオキシド量が少ない実施例4では、プロピレンオキシドを連続供給する際の反応機内容物量が少ないために重合熱の除去が必ずしも効率的ではなく、ジャケットをフル冷却する必要があった。従って、工業的生産時には大規模な冷却設備を導入するなど生産コストが高くなることが予見された。
Figure 0005624324
本発明方法により製造される活性水素基を有するポリアルキレンオキシドは、弾性シーラントや接着剤の原料として特に有用であり、建造物、船舶、自動車、道路などの密封剤、接着剤として使用しうる。特に表面に塗料を塗布した場合の塗料非汚染性や目地周辺の非汚染性を要求され建築用シーラントの原料に有用である。とりわけ、サイジングボード目地用シーラントや石材目地用シーラントの原料として特に有用である。接着剤として通常の接着剤の他、コンタクト接着剤用原料としても使用できる。更に、食品包装材料、注型ゴム材料、型取り用材料、塗料等の原料としても有用である。

Claims (12)

  1. 有機溶媒及び複合金属シアン化物錯体触媒存在下、少なくとも1個の水酸基を有し水酸基あたりの分子量が300以下のイニシエーターに、アルキレンオキシドを開環付加反応させるポリアルキレンオキシドの製造方法であり、反応開始時に仕込むアルキレンオキシド100重量部に対して、500〜1,500重量部である有機溶媒を使用してバッチ反応を行うことを特徴とするポリアルキレンオキシドの製造方法。
  2. 前記有機溶媒として、活性水素を有さない極性化合物を用いる請求項1に記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  3. 前記有機溶媒として、複素環式化合物および鎖状エーテルから選択される化合物を用いる請求項1または請求項2に記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  4. イニシエーターを2回以上に分けて分割添加し、イニシエーターを添加する毎にバッチ反応を行う請求項1〜3のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  5. イニシエーターを分割添加する場合に、反応開始時のイニシエーター添加量が、全イニシエーター使用量に対して20重量%以下である請求項4記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  6. 2,000ppm以上の触媒濃度で、反応開始時のバッチ反応を行う請求項1〜5のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  7. 反応開始時のバッチ反応に用いるイニシエーター100重量部に対して、1,000重量部以上の有機溶媒を用いる請求項1〜6のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  8. 反応開始時のバッチ反応に用いたイニシエーターに対し、アルキレンオキシドを100モル当量以上添加してポリアルキレンオキシドを重合した後、二回目のイニシエーターを添加する請求項4〜7のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  9. バッチ反応後に、アルキレンオキシドを追加し反応させる追加反応を行う請求項1〜8のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  10. 全イニシエーターをバッチ処理で添加し終わった後、残りのアルキレンオキシドを全部追加して追加反応を行う請求項9記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  11. 水酸基あたりの分子量が150以下のイニシエーターを用いる請求項1〜10のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
  12. 得られるポリアルキレンオキシドの数平均分子量が10,000以上である請求項1〜11のいずれか1項記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
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