JP5608966B2 - 液体吐出装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ターゲットに液体を吐出する液体吐出装置およびその制御方法に関する。
従来、この種の液体吐出装置としては、インク滴を吐出する複数のノズルのクリーニングを実行するための条件としての閾値を印刷モード(「ドラフトモード」や「はやいモード」、「きれいモード」)毎に設定しておき、ノズルからインク滴が正常に吐出されるか否かを検査するノズルチェックを行ったときに不良ノズルの数が閾値以上のときにはノズルをクリーニングし、不良ノズルの数が閾値未満のときにはノズルをクリーニングしないものが提案されている(特許文献1参照)。この装置では、印刷モードによってクリーニングを実行するための条件を変更することにより、クリーニングの実行回数を減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制している。
特開2007−7960号公報
このように、ノズルのクリーニングにより無駄にインクが消費されるとその分だけ印刷に使用されるインクが減るから、無駄なクリーニングは行わないことが好ましい。ここで、ノズルの吐出不良はインクの粘度の増加やインク中の気泡の発生などのインク状態の悪化により引き起こされ、また、複数のノズルは全て同様な環境におかれている。このため、ノズルの吐出不良が判定されているときには、不良と判定されなかった他のノズルについても吐出不良が一つも判定されない通常時に比してインク状態が悪化している可能性が高い。これにより、不良ノズルの数が閾値未満のときにクリーニングを行わずに印刷を続けていると、通常時に比して不良ノズルの数が閾値を超えるおそれが高くなり、インク滴が吐出されないことにより生じるドット抜けが多発するなど印刷品質が許容されるレベルを超えて悪化することがある。
本発明の液体吐出装置およびその制御方法は、クリーニングの実行回数をできる限り減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制すると共に印刷品質が許容されるレベルを超えて悪化するのを防止することを主目的とする。
本発明の液体吐出装置およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の液体吐出装置は、
ターゲットに液体を吐出する液体吐出装置であって、
液体を吐出する複数のノズルを有する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドに供給する液体を貯留する液体貯留手段と、
前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検出する吐出検出手段と、
前記貯留されている液体の消費を伴って前記ノズルをクリーニングするクリーニング手段と、
検査実行条件が成立したときに、前記吐出ヘッドを駆動制御すると共に前記吐出検出手段からの検出信号に基づいて前記ノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行うノズル検査制御手段と、
前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定され、該吐出不良の状態が許容範囲を超えているときには前記ノズルがクリーニングされるよう前記クリーニング手段を制御するクリーニング制御手段と、
前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定されないときには第1の頻度で前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前回の前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定されたときには前記ノズルがクリーニングされるまで前記第1の頻度よりも高い第2の頻度で前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定する検査実行条件設定手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の液体吐出装置では、検査実行条件が成立したときに吐出ヘッドを駆動制御すると共に吐出検出手段からの検出信号に基づいてノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行い、ノズル検査により吐出不良と判定され、吐出不良の状態が許容範囲を超えているときにはノズルがクリーニングされるようクリーニング手段を制御し、ノズル検査によりノズルの吐出不良が判定されないときには第1の頻度でノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定し、前回のノズル検査によりノズルの吐出不良が判定されたときにはノズルがクリーニングされるまで第1の頻度よりも高い第2の頻度でノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定する。これにより、ノズルの吐出不良の状態が許容範囲を超えるまではクリーニングしないので、無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。このとき、吐出不良とされなかった他のノズルについても吐出不良とされたノズルと同様にインクの粘度が増加したりインク中に気泡が発生するなどインク状態が悪化している可能性が高くなっている。このため、ノズルの吐出不良の状態が許容範囲を超えるおそれが高くなるが、吐出不良が判定されないときに比してノズル検査の頻度を高くしてノズルの監視を強化するので、吐出不良の状態が許容範囲を超えたことをより早く把握して適切に対処することができる。したがって、クリーニングの実行回数をできる限り減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制すると共に液体吐出により形成される画像の品質が許容されるレベルを超えて悪化するのを防止することができる。
こうした本発明の液体吐出装置において、前記検査実行条件設定手段は、前記第1の頻度として前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブが入力され且つ前回のノズル検査から第1の所定時間が経過しているときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前記第2の頻度として前記ジョブが入力され且つ前回のノズル検査から前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間が経過しているときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定する手段であるものとすることもできるし、前記検査実行条件設定手段は、前記第1の頻度として前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブが入力され且つ前回のノズル検査から実行されたジョブの数が第1の所定数を超えているときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前記第2の頻度として前記ジョブが入力され且つ前回のノズル検査から実行されたジョブの数が前記第1の所定数よりも少ない第2の所定数を超えているときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定する手段であるものとすることもできる。あるいは、本発明の液体吐出装置において、前記検査実行条件設定手段は、前記第1の頻度として前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブが入力され且つ前回のノズル検査から所定時間が経過しているときまたは前回のノズル検査から実行されたジョブの数が所定数を超えているときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前記第2の頻度として前記ジョブが入力される毎に前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、吐出不良が判定されないときに比してノズル検査の頻度を確実に高くすることができる。
本発明の液体吐出装置は、
ターゲットに液体を吐出する液体吐出装置であって、
液体を吐出する複数のノズルを有する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドに供給する液体を貯留する液体貯留手段と、
時間または前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関連する数量をカウントするカウンタと、
前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検出する吐出検出手段と、
前記貯留されている液体の消費を伴って前記ノズルをクリーニングするクリーニング手段と、
検査実行条件が成立したときに、前記吐出ヘッドを駆動制御すると共に前記吐出検出手段からの検出信号に基づいて前記ノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行うノズル検査制御手段と、
前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関する情報に基づいて前記ノズルの吐出不良を第1の所定数まで許容する第1のモードと該第1の所定数よりも多い第2の所定数まで許容する第2のモードのいずれかに設定するモード設定手段と、
前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定されたとき、前記モード設定手段により前記第1のモードが設定されているときには該吐出不良とされるノズルの数が前記第1の所定数を超える場合に該ノズルがクリーニングされるよう前記クリーニング手段を制御し、前記モード設定手段により前記第2のモードが設定されているときには該吐出不良とされるノズルの数が前記第2の所定数を超える場合に該ノズルがクリーニングされるよう前記クリーニング手段を制御するクリーニング制御手段と、
前記モード設定手段により前記第1のモードが設定されているときには、前記カウンタのカウンタ値が所定の閾値を超えたときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前記モード設定手段により前記第2のモードが設定されているときには、前記カウンタ値が前記所定の閾値を超えたか否かに拘わらず前記第1のモードよりも高い検査頻度で前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定する検査実行条件設定手段と、
前記モード設定手段により前記第1のモードが設定されているときには、前記ノズル検査が実行されたときに前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記モード設定手段により前記第2のモードが設定されているときには、前記ノズル検査が実行され且つ前記クリーニングが実行されたときに前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記ノズル検査が実行されても前記クリーニングが実行されないときには前記カウンタをリセットせずにそのまま継続させるカウンタ制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の液体吐出装置では、ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関する情報に基づいてノズルの吐出不良を第1の所定数まで許容する第1のモードと第1の所定数よりも多い第2の所定数まで許容する第2のモードのいずれかに設定し、ノズル検査によりノズルの吐出不良が判定されたとき、第1のモードが設定されているときには吐出不良とされるノズルの数が第1の所定数を超える場合にノズルがクリーニングされるようクリーニング手段を制御し、第2のモードが設定されているときには吐出不良とされるノズルの数が第2の所定数を超える場合にノズルがクリーニングされるようクリーニング手段を制御し、第1のモードが設定されているときには、カウンタのカウンタ値が所定の閾値を超えたときにノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定し、第2のモードが設定されているときには、カウンタ値が所定の閾値を超えたか否かに拘わらず第1のモードよりも高い検査頻度でノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定し、第1のモードが設定されているときには、ノズル検査が実行されたときにカウンタをリセットして再度スタートさせ、前記第2のモードが設定されているときには、ノズル検査が実行され且つクリーニングが実行されたときにカウンタをリセットして再度スタートさせ、ノズル検査が実行されてもクリーニングが実行されないときにはカウンタをリセットせずにそのまま継続させる。これにより、第1のモードにおいては、カウンタのカウンタ値が所定の閾値を超える毎にノズル検査を実行することができ、ノズル検査を実行しても吐出不良のノズル数が第1の所定数を超えるまではクリーニングをしないので無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。一方、第2のモードにおいては、カウンタのカウンタ値に拘わらず第1のモードよりも高い検査頻度でノズル検査を実行するのでノズルの監視を強化することができ、且つ吐出不良とされるノズルの数自体は第1のモードよりも多い第2の所定数まで許容するので第1のモード以上に無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。また、第2のモードにおいて、ノズル検査を実行しても吐出不良のノズル数が第2の所定数を超えていないときにはクリーニングを実行しないが、このときはタイマをリセットしないので第2のモードから第1のモードに切り替わったときにも第1のモードにおける検査頻度が低下するなどの悪影響を与えることはない。したがって、クリーニングの実行回数をできる限り減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制すると共に液体吐出により形成される画像の品質が許容されるレベルを超えて悪化するのを防止することができる。ここで、ジョブに関連する数量としては、ジョブの数やターゲットの使用枚数、吐出ヘッドの駆動回数、ノズルからの吐出数などが挙げられる。また、第2のモードにおいては、ジョブが入力される毎に検査実行条件を設定したり、第1のモードにおける所定の閾値よりも低い閾値を設定しておきカウンタのカウンタ値がその閾値を超えたときに検査実行条件を設定したりすることにより、第1のモードよりも高い検査頻度とすることができる。
本発明の液体吐出装置の制御方法は、
液体を吐出する複数のノズルを有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに供給する液体を貯留する液体貯留手段と、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検出する吐出検出手段と、前記貯留されている液体の消費を伴って前記ノズルをクリーニングするクリーニング手段とを備え、前記吐出ヘッドのノズルからターゲットに液体を吐出する液体吐出装置の制御方法であって、
(a)検査実行条件が成立したときに、前記吐出ヘッドを駆動制御すると共に前記吐出検出手段からの検出信号に基づいて前記ノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行うステップと、
(b)前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定され、該吐出不良の状態が許容範囲を超えているときには前記ノズルがクリーニングされるよう前記クリーニング手段を制御するステップと、
(c)前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定されないときには第1の頻度で前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前回の前記ノズル検査により前記ノズルの吐出不良が判定されたときには前記ノズルがクリーニングされるまで前記第1の頻度よりも高い第2の頻度で前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定するステップと
含むことを要旨とする。
この本発明の液体吐出装置の制御方法によれば、検査実行条件が成立したときに吐出ヘッドを駆動制御すると共に吐出検出手段からの検出信号に基づいてノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行い、ノズル検査により吐出不良と判定され、吐出不良の状態が許容範囲を超えているときにはノズルがクリーニングされるようクリーニング手段を制御し、ノズル検査によりノズルの吐出不良が判定されないときには第1の頻度でノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定し、前回のノズル検査によりノズルの吐出不良が判定されたときにはノズルがクリーニングされるまで第1の頻度よりも高い第2の頻度でノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定する。これにより、ノズルの吐出不良の状態が許容範囲を超えるまではクリーニングしないので、無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。このとき、吐出不良とされなかった他のノズルについても吐出不良とされたノズルと同様にインクの粘度が増加したりインク中に気泡が発生している可能性が高くなっている可能性があり、ノズルの吐出不良の状態が許容範囲を超えやすくなるおそれがあるが、吐出不良が判定されないときに比してノズル検査の頻度を高くしてノズルの監視を強化するので、吐出不良の状態が許容範囲を超えたときにより迅速に対処することができる。したがって、クリーニングの実行回数をできる限り減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制すると共に液体吐出により形成される画像の品質が許容されるレベルを超えて悪化するのを防止することができる。
本発明の液体吐出装置の制御方法は、
液体を吐出する複数のノズルを有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに供給する液体を貯留する液体貯留手段と、時間または前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関連する数量をカウントするカウンタと、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検出する吐出検出手段と、前記貯留されている液体の消費を伴って前記ノズルをクリーニングするクリーニング手段とを備え、前記吐出ヘッドのノズルからターゲットに液体を吐出する液体吐出装置の制御方法であって、
(a)検査実行条件が成立したときに、前記吐出ヘッドを駆動制御すると共に前記吐出検出手段からの検出信号に基づいて前記ノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行うステップと、
(b)前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関する情報に基づいて前記ノズルの吐出不良を第1の所定数まで許容する第1のモードと該第1の所定数よりも多い第2の所定数まで許容する第2のモードのいずれかに設定するステップと、
(c)前記ステップ(a)により前記ノズルの吐出不良が判定されたとき、前記ステップ(b)により前記第1のモードが設定されているときには該吐出不良とされるノズルの数が前記第1の所定数を超える場合に該ノズルがクリーニングされるよう前記クリーニング手段を制御し、前記ステップ(b)により前記第2のモードが設定されているときには該吐出不良とされるノズルの数が前記第2の所定数を超える場合に該ノズルがクリーニングされるよう前記クリーニング手段を制御するステップと、
(d)前記ステップ(b)により前記第1のモードが設定されているときには、前記カウンタのカウンタ値が所定の閾値を超えたときに前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定し、前記ステップ(b)により前記第2のモードが設定されているときには、前記カウンタ値が前記所定の閾値を超えたか否かに拘わらず前記第1のモードよりも高い検査頻度で前記ノズル検査が実行されるよう前記検査実行条件を設定するステップと、
(e)前記ステップ(b)により前記第1のモードが設定されているときには、前記ノズル検査が実行されたときに前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記ステップ(b)により前記第2のモードが設定されているときには、前記ノズル検査が実行され且つ前記クリーニングが実行されたときに前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記ノズル検査が実行されても前記クリーニングが実行されないときには前記カウンタをリセットせずにそのまま継続させるステップと
を含むことを要旨とする。
この本発明の液体吐出装置の制御方法によれば、ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関する情報に基づいてノズルの吐出不良を第1の所定数まで許容する第1のモードと第1の所定数よりも多い第2の所定数まで許容する第2のモードのいずれかに設定し、ノズル検査によりノズルの吐出不良が判定されたとき、第1のモードが設定されているときには吐出不良とされるノズルの数が第1の所定数を超える場合にノズルがクリーニングされるようクリーニング手段を制御し、第2のモードが設定されているときには吐出不良とされるノズルの数が第2の所定数を超える場合にノズルがクリーニングされるようクリーニング手段を制御し、第1のモードが設定されているときには、カウンタのカウンタ値が所定の閾値を超えたときにノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定し、第2のモードが設定されているときには、カウンタ値が所定の閾値を超えたか否かに拘わらず第1のモードよりも高い検査頻度でノズル検査が実行されるよう検査実行条件を設定し、第1のモードが設定されているときには、ノズル検査が実行されたときにカウンタをリセットして再度スタートさせ、前記第2のモードが設定されているときには、ノズル検査が実行され且つクリーニングが実行されたときにカウンタをリセットして再度スタートさせ、ノズル検査が実行されてもクリーニングが実行されないときにはカウンタをリセットせずにそのまま継続させる。これにより、第1のモードにおいては、カウンタのカウンタ値が所定の閾値を超える毎にノズル検査を実行することができ、ノズル検査を実行しても吐出不良のノズル数が第1の所定数を超えるまではクリーニングをしないので無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。一方、第2のモードにおいては、カウンタ値の値に拘わらず第1のモードよりも高い検査頻度でノズル検査を実行するのでノズルの監視を強化することができ、且つ吐出不良とされるノズルの数自体は第1のモードよりも多い第2の所定数まで許容するので第1のモード以上に無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。また、第2のモードにおいて、ノズル検査を実行しても吐出不良のノズル数が第2の所定数を超えていないときにはクリーニングを実行しないが、このときはタイマをリセットしないので第2のモードから第1のモードに切り替わったときにも第1のモードにおける検査頻度が低下するなどの悪影響を与えることはない。したがって、クリーニングの実行回数をできる限り減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制すると共に液体吐出により形成される画像の品質が許容されるレベルを超えて悪化するのを防止することができる。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は本実施形態であるインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図、図2は印刷ヘッド24の電気的接続を表す説明図、図3はノズル検査装置50の構成の概略を示す構成図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、駆動モータ33による紙送りローラ35の駆動により記録紙Pを図中奥から手前に搬送する紙送り機構31と、紙送り機構31によりプラテン38上に搬送された記録紙Pに印刷ヘッド24からインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、プラテン38の図中右端に形成され印刷ヘッド24を封止すると共に必要に応じて印刷ヘッド24内のインクを吸引してクリーニングを行うキャッピング装置40と、キャッピング装置40をインク受けとして用いて印刷ヘッド24からインク滴を吐出してインク滴が正常に吐出されたか否かを判定するノズル検査を行うノズル検査装置50(図3参照)と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備える。
プリンタ機構21は、メカフレーム80の右側に配置されたキャリッジモータ34aと、メカフレーム80の左側に配置された従動ローラ34bと、キャリッジモータ34aと従動ローラ34bとに架設されたキャリッジベルト32と、キャリッジモータ34aの駆動に伴ってキャリッジベルト32によりガイド28に沿って左右に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載され溶媒としての水に着色剤としての染料または顔料を含有したイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26からインクの供給を受けてインク滴を吐出する印刷ヘッド24とを備える。なお、キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ36が配置されており、このリニア式エンコーダ36によりキャリッジ22のポジションが管理されている。
印刷ヘッド24は、図2に示すように、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)のノズル23C,23M,23Y,23Kが各色毎に複数個(本実施形態では、180個)ずつ1列に配置された4列のノズル列43C,43M,43Y,43Kが形成されたステンレス製のノズルプレート27と、このノズルプレート27と共にノズル23に連通するインク室29を形成するキャビティプレート25と、インク室29の上壁をなすセラミック製(例えばジルコニアセラミック製)の振動板49と、この振動板49の上面に貼り付けられた圧電素子48(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛など)と、ヘッド駆動用基板30上に形成され圧電素子48に駆動信号を出力する駆動回路としてのマスク回路47とを備え、マスク回路47から圧電素子48に電圧を印加して圧電素子48でインク室29の上壁を押し下げることによりインクを加圧してインク滴を吐出する。ここで、ノズル23C,23M,23Y,23Kのすべてをノズル23と総称し、ノズル列43C,43M,43Y,43Kのすべてをノズル列43と総称する。以下、印刷ヘッド24の駆動についてブラック(K)用のノズル23Kを用いて説明する。
印刷ヘッド24の駆動回路としてのマスク回路47は、ヘッド駆動波形生成回路60により生成された原信号ODRVと印刷信号PRTnとを入力すると共に入力した原信号ODRVと印刷信号PRTnとに基づいて駆動信号DRVnを生成して圧電素子48に出力する。なお、印刷信号PRTnの末尾のnや駆動信号DRVnの末尾のnは、ノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、本実施形態では、ノズル列は180個のノズルにより構成したから、nは1から180のいずれかの整数値となる。ヘッド駆動波形生成回路60は、原信号ODRVとして1画素分の区間内(キャリッジ22が1画素の区間を横切る時間内)において第1のパルスP1と第2のパルスP2と第3のパルスP3の3つのパルスを繰り返し単位とした信号をマスク回路47に出力し、原信号ODRVを入力したマスク回路47は、別途入力した印刷信号PRTnに基づいて原信号ODRVに含まれる3つのパルスのうち不要なパルスをマスクすることにより必要なパルスのみを駆動信号DRVnとしてノズル23Kの圧電素子48に出力する。このとき、駆動信号DRVnとして第1パルスP1のみが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出されて記録紙Pには小さいサイズのドット(小ドット)が形成され、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出されて記録紙Pには中サイズのドット(中ドット)が形成され、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出されて記録紙Pには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、インクジェットプリンタ20では、一画素区間において吐出されるインクのショット数を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することができる。なお、ブラック(K)以外の他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列43C,43M,43Yについても上記ノズル23Kやノズル列43Kと同様である。
キャッピング装置40は、図3に示すように、上部が開口された略直方体のキャップ41と、キャップ41の底部に接続された伸縮性のチューブ45aに取り付けられた吸引ポンプ45と、同じくキャップ41の底部にチューブ45aと並列に接続された伸縮性のチューブ46aに取り付けられた大気開放バルブ46と、キャップ41の上面と印刷ヘッド24(ノズルプレート27面)との当接とその解除とを行うためにキャップ41を昇降する昇降機構90とを備える。このキャッピング装置40は、ノズル23内のインクの増粘(乾燥)を抑制するために、印刷休止中に印刷ヘッド24をキャッピング装置40に対向する位置(以下、この位置をホームポジションという)に移動させた状態でノズルプレート27を封止したり、所定のタイミングでノズルプレート27を封止した状態で大気開放バルブ46を閉成すると共に吸引ポンプ45を駆動することにより印刷ヘッド24とキャップ41とにより形成される内部空間を負圧にしてノズル23内のインクを強制的に吸引するクリーニングを行なったりするのに用いられる。
ノズル検査装置50は、図3に示すように、キャップ41内に電極52を配置してノズルプレート27のノズル23から帯電したインク滴をキャップ41内に吐出することによってインク滴がキャップ41に着弾する際に電極52に生じる電圧変化を検出することによりノズル23からインク滴が正常に吐出されたか否かを判定するための装置として構成されており、キャッピング装置40の電極52に接続された電圧印加回路54と、同じく電極52に接続された電圧検出回路56とを備える。印刷ヘッド24のノズルプレート27は、メカフレーム80と共にグランドに接地されており、このノズルプレート27と電圧印加回路54からの電圧が印加されるキャッピング装置40の電極52との間には電位差が生じる。
電圧印加回路54は、インクジェットプリンタ20の内部で引き回される数ボルトの電気配線の電圧を昇圧回路を介して数百ボルトや千数百ボルトの電圧に昇圧した高圧電源Veが抵抗R1とスイッチSWとを順に介して電極52に接続されており、スイッチSWのオンオフにより電極52と高圧電源Veとを接続したり電極52から高圧電源Veを切り離してグランドに接地したりすることができる。
電圧検出回路56は、電極52に接続されて電極52で発生した電圧信号を検出するための回路として構成されており、入力した出力信号を積算すると共に積算して得られた信号をA/D変換してコントローラ70に出力する。
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)76と、計時する際に利用するタイマ77と、図示しない入出力ポートとを備える。RAM74には、印刷バッファ領域や印刷履歴記憶領域が設けられており、印刷バッファ領域にはユーザPC10からI/F76を介して送られてきた印刷ジョブが記憶され、印刷履歴記憶領域には印刷が実行された印刷ジョブに関する印刷枚数や印刷終了時刻などの情報が印刷ジョブ毎に記憶される。コントローラ70には、電圧検出回路56からの出力信号Vout,リニア式エンコーダ36からのキャリッジ22のポジション信号などが図示しない入力ポートを介して入力され、ユーザPC10から出力された印刷ジョブなどがI/F76を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24(マスク回路47や圧電素子48を含む)への制御信号やスイッチSWへの切替信号、ヘッド駆動波形生成回路60への制御信号、駆動モータ33への駆動信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号,昇降機構90への駆動信号などが図示しない出力ポートを介して出力され、ユーザPC10への印刷ステータス情報などがI/F76を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20について説明する。図4は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、インクジェットプリンタ20の電源がオンされた後の所定時間毎に(例えば、数msecや数十msec毎に)繰り返し実行される。
メインルーチンが実行されると、コントローラ70のCPU72は、まず、RAM74に設けられた印刷バッファ領域に印刷待ちの印刷ジョブがあるか否かを判定し(ステップS100)、印刷ジョブがないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する。印刷ジョブがあると判定したときには、検査要求フラグFの値を調べ(ステップS110)、検査要求フラグFが値1のときにはノズル検査処理を実行し(ステップS120)、検査要求フラグFが値0のときには印刷処理を実行して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。なお、検査要求フラグFの詳細については後述する。ノズル検査処理は、図5のノズル検査処理を実行することにより行なわれる。ここで、メインルーチンの説明を中断して、図5のノズル検査処理について説明する。
ノズル検査処理では、まず、キャリッジモータ34aを駆動してキャリッジ22をホームポジションに移動させる(ステップS200)。これにより、印刷ヘッド24のノズルプレート27とキャッピング装置40とが互いに向かい合う状態となる。そして、電圧印加回路54のスイッチSWをONしてキャッピング装置40の電極52に電圧を印加して電極52とノズルプレート27との間に電位差が生じている状態とし(ステップS210)、検査対象のノズル23を設定するために、ノズル列mを値1に初期化(本実施形態では、ブラック(K)のノズル列43Kを1列目に、シアン(C)のノズル列43Cを2列目に、マゼンタ(M)のノズル列43Mを3列目に、イエロー(Y)のノズル列43Yを4列目に定めた)すると共に(ステップS220)、ノズル番号nを値1に初期化する(ステップS230)。続いて、ノズル列mの第n番目のノズル23から所定ショット数のインク滴が吐出されるよう印刷ヘッド24を駆動制御し(ステップS240)、その後に電圧検出回路56からの出力信号Voutを入力し(ステップS250)、入力した出力信号Voutと閾値Vrefとを比較することによりノズル23に吐出不良が生じているか否かを判定する(ステップS260)。ここで、所定ショット数としては、帯電した1つのインク滴がキャップ41に着弾する際に電極52に生じる電圧変化は極めて微弱なことから、電圧検出回路56で検出可能な電圧になるまで信号レベルを引き上げるために必要なショット数として設定されており、本実施形態では、マスク回路47から圧電素子48に第1〜第3パルスP1〜P3のすべてを出力する操作を8回繰り返して行うことにより、合計24ショット分のインク滴を吐出するものとした。電極52に生じる電圧変化は、ノズル23からインク滴が吐出されなかったり通常よりも小さかったりしたときには正常にインク滴が吐出されたときに比して小さくなるから、これを区別するための閾値Vrefを設定して出力信号Voutと閾値Vrefとを比較することにより、ノズル23に目詰まりが生じているか否かを判定することができる。こうしてノズル検査を行うと、ノズル番号nが最終番号Nref(本実施形態では、1つのノズル列43は180個のノズル23により構成しているから値180)以上か否かを判定し(ステップS270)、ノズル番号nが最終番号Nref未満のときにはノズル番号nを値1だけインクリメントし(ステップS280)、ステップS240に戻ってノズル列mの次の番号nのノズル23を検査対象としてステップS240〜S260のノズル検査を繰り返し、ノズル番号nが最終番号Nref以上のときには1列分の全ノズル23の検査が完了したと判断して、ノズル列mが最終列Mref(本実施形態では、印刷ヘッド24は4列のノズル列43により構成しているから値4)以上か否かを判定し(ステップS290)、ノズル列mが最終列Mref未満のときにはノズル列mを値1だけインクリメントし(ステップS300)、ステップS230に戻ってノズル番号nを値1に初期化して次のノズル列mの第n番目のノズル列23を検査対象としてステップS240〜S300のノズル検査を繰り返す。ステップS290でノズル列mが最終番号Mref以上と判定されたときには、全ノズル列43の全ノズル23に対してノズル検査が完了したと判断して、電圧印加回路54のスイッチSWをOFFすると共に(ステップS310)、ステップS460で吐出不良と判定されたノズル23の数(異常ノズル数Na)を各ノズル列毎に異常ノズル数Na(C),Na(M),Na(Y),Na(K)として集計して(ステップS320)、本処理を終了する。以上、ノズル検査処理について説明した。
図4のメインルーチンに戻って、こうしてノズル検査処理が実行されると、異常ノズルが発見されたか否かを判定する(ステップS130)。異常ノズルが発見されなかったときには、検査要求フラグFを値0にリセットし(ステップS140)、タイマ77による計時(以下、タイマTとする)を一旦リセットしてからスタートする(ステップS150)。即ち、本実施例において、タイマTは、前回のノズル検査処理からの経過時間を計測するものである。タイマTをスタートすると、ステップS180で印刷処理を実行して、本ルーチンを終了する。
一方、異常ノズルが発見されたときには、印刷待ちの印刷ジョブのドット抜けに対するモードが数箇所であればドット抜けを許容する許容モードであるか一箇所であってもドット抜けを許容しない非許容モードであるかを判定する(ステップS160)。本実施形態では、印刷ジョブに含まれる印刷条件を読み出して、高品質の印刷が要求されていないときには許容モードであると判定し、高品質の印刷が要求されているときには非許容モードであると判定するものとした。例えば、用紙種が「普通紙」で印刷モードが「はやい」モードや「標準」モードであるときにはドット抜けによる多少の印刷のかすれなどは許容されるものであり高品質の印刷が要求されていないとして許容モードと判定し、用紙種が「普通紙」であっても印刷モードが「きれい」モードであるときや用紙種が「写真紙」であればいずれの印刷モードであってもドット抜けによる印刷のかすれは許容されないものであり高品質の印刷が要求されているとして非許容モードと判定する。なお、印刷条件は、ユーザPC10の図示しないプリンタドライバやインクジェットプリンタ20の図示しない操作パネルによって設定されるものとする。
ステップS160で許容モードであると判定したときには、異常ノズル数Naが閾値Naref以下であるか否かを判定する(ステップS170)。ここで、閾値Narefは、許容モードにおいて異常ノズルが発見されているときにクリーニングを行うか否かを判断するための閾値として用いられるものであり、本実施形態では、一列あたり180個あるノズルのうち略1%に相当する2個を超えてノズルの吐出不良があるときにクリーニングを行うよう閾値Narefには値2が設定されるものとした。このため、各ノズル列毎の異常ノズル数Na(C),Na(M),Na(Y),Na(K)がそれぞれ値2以下であるか否かを判定し、一つでも値2を超えるものがあるときには異常ノズル数Naが閾値Narefを超えると判定し、全てが値2以下のときには異常ノズル数Naが閾値Naref以下と判定するものとした。ステップS170で、異常ノズル数Naが閾値Naref以下と判定したときには、ステップS180で印刷処理を実行して、本ルーチンを終了する。これにより、異常ノズルが発見されていても異常ノズル数Naが閾値Naref以下のときには、クリーニングをすることなく印刷処理を実行するので、クリーニングによるインクの無駄な消費を抑えることができる。なお、このとき、検査要求フラグFの値は、リセットされることなく値1が保持される。
ステップS160で印刷モードが非許容モードであると判定されたとき、あるいはステップS160で印刷モードが許容モードであると判定され且つステップS170で異常ノズル数Naが閾値Narefを超えると判定されたときには、ノズル23のクリーニングを実行する(ステップS190)。ここで、クリーニングは、具体的には、キャッピング装置40で印刷ヘッド24を封止すると共に大気開放バルブ46を閉弁して吸引ポンプ45を駆動することにより行われる。これにより、キャッピング装置40の内部を負圧の状態とすることができ、ノズル23内に詰まったインクを吸引除去することができる。こうしてノズル23のクリーニングが行われると、ステップS120に戻って再度ノズル検査処理を実行し、ステップS130で異常ノズルが発見されなかったときにはクリーニングは成功と判断し、ステップS140で検査要求フラグFを値0にリセットし、ステップS150でタイマTを一旦リセットしてからスタートし、ステップS180で印刷処理を実行して、本ルーチンを終了する。このように、印刷モードが非許容モードであるときや許容モードであって且つ異常ノズル数Naが閾値Narefを超えるときには、クリーニングを行ってから印刷処理を実行するので、許容されるレベルを超えてドット抜けなどが発生することがない。即ち、許容されるレベルを超えて印刷品質が悪化するのを防止することができる。なお、クリーニング後のノズル23の再検査によりステップS130で異常ノズルが発見されてクリーニングが失敗したときには、再度クリーニングが行われることになるが、2〜3回クリーニングを繰り返してもノズル23の目詰まりが解消されないときには、その旨のエラーメッセージをユーザPC10の図示しないモニタに表示出力して、本ルーチンを終了する。
次に、検査要求フラグFの設定処理について図6に示す検査要求フラグ設定処理に基づいて説明する。検査要求フラグ設定処理では、まず、検査要求フラグFの値を調べる(ステップS400)。検査要求フラグFにノズル検査が要求されていることを示す値1が既に設定されているときには、そのまま本ルーチンを終了する。検査要求フラグFが値0のときには、印刷待ちの印刷ジョブがインクジェットプリンタ20の電源がオンされた後の初回の印刷ジョブであるか否かを判定する(ステップS410)。この判定は、例えば、RAM74の印刷履歴記憶領域に印刷が実行された印刷ジョブに関する情報が記憶されているか否かにより行うものとした。印刷ジョブが初回のものであるときには、検査要求フラグFにノズル検査が要求されることを示す値1を設定して(ステップS450)、本処理を終了する。ここで、電源がオンされて初回の印刷ジョブを印刷するときには、電源がオフされている間に印刷ヘッド24内のインクが乾燥していることが多く印刷前にノズル検査を実行しておくことが望ましいため、検査要求フラグFに値1を設定するものとした。ステップS410で初回の印刷ジョブではないと判定されると、印刷待ちの印刷ジョブのノズルの吐出不良に対するモードを判定する(ステップS420)。この処理は、前述した図4のメインルーチンにおけるステップS160の処理と同様に行うものとした。ステップS420で、非許容モードであると判定されたときには、前回判定したモードと一致するか否かを判定し(ステップS430)、前回のモードと一致しないとき、即ち許容モードから非許容モードに切り替わったときには、ステップS450で検査要求フラグFに値1をセットして、本処理を終了する。このようにするのは、非許容モードに切り替わったときには、より高品質の印刷品質が要求されることになるため、吐出不良のノズル23がないことを確認した上で印刷を開始するのが望ましいためである。一方、ステップS420で許容モードと判定されたとき、あるいはステップS420で非許容モードと判定され且つステップS430で前回のモードと一致しないと判定されたときには、タイマTが所定時間Trefを超えているか否かを判定する(ステップS440)。ここで、タイマTは、前述した図4のメインルーチンにおけるステップS150でスタートされるものであるため、この処理は、前回のノズル検査処理からの経過時間が所定時間Trefを超えるか否かを判定する処理となる。また、所定時間Trefは、ノズル23からインクが吐出しにくくなる可能性がある時間として経験的あるいは実験的に例えば数時間程度に定められ、本実施形態では12時間に定めるものとした。ステップS440でタイマTが所定時間Trefを超えていると判定されたときには、ステップS450で検査要求フラグFに値1をセットして本ルーチンを終了し、所定時間Trefを超えていないと判定されたときには、そのまま本処理を終了する。この場合、ステップS400で検査要求フラグFは値0と判定されているので、値0が保持されることになる。
ここで、許容モードにおいて、異常ノズルが発見されなかった通常時と異常ノズルが発見されたものの異常ノズル数Naが閾値Naref以下であるためにクリーニングが行われないノズル不良時とにおけるノズル検査の頻度の違いについて説明する。まず、ノズル検査は、図4のメインルーチンのステップS100〜S120の処理において印刷ジョブが入力され且つ検査要求フラグFが値1であるときに実行されるものである。ここで、検査要求フラグFは、図6の検査要求フラグ設定処理のステップS440〜S450の処理において、タイマTが所定時間Trefを超えたときに値1が設定される。また、検査要求フラグFは、通常時には図4のメインルーチンのステップS140の処理においてノズル検査後にリセットされるが、ノズル不良時には検査要求フラグFはリセットされることはない。即ち、検査要求フラグFは、前回のノズル検査から所定時間Trefを経過するまでの間は、通常時には値0が保持されるのに対しノズル不良時には値1が保持されることになる。このため、通常時には、印刷ジョブが入力され且つ前回のノズル検査から所定時間Trefを超えているときにノズル検査を実行するのに対し、ノズル不良時には、経過時間に拘わらず印刷ジョブが入力される度にノズル検査を実行することになる。このように、ノズル不良時には通常時よりも高い検査頻度でノズル検査を実行する理由について説明する。まず、ノズル23の吐出不良は、インクの粘度の増加やインク中の気泡の発生などにより引き起こされるものであり、また、複数のノズル23は全て同様な環境におかれている。このため、異常ノズルが発見されているときには、異常とされなかった他のノズル23についても異常とされたノズル23と同様にインクの粘度が増加したり気泡が発生している可能性がある。そのため、異常ノズルが発見されたときにクリーニングを行わずに印刷を続けると、通常時に比して不良ノズルの数が閾値を超えるおそれが高くなり、これに伴って印刷品質が許容されるレベルを超えて悪化するおそれも高くなる。このような印刷品質の悪化を防止するため、即ちノズルの吐出不良が閾値Narefを超えたことをより早く把握して適切に対処できるようにするために、ノズル不良時には通常時に比してノズル検査の頻度を高くしておくのである。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の印刷ヘッド24が「吐出ヘッド」に相当し、インクカートリッジ26が「液体貯留手段」に相当し、ノズル検査装置50が「吐出検出手段」に相当し、キャッピング装置40が「クリーニング手段」に相当し、図4のメインルーチンのステップS110,120の処理と図5のノズル検査処理を実行するコントローラ70が「ノズル検査制御手段」に相当し、図4のメインルーチンのステップS190の処理を実行するコントローラ70が「クリーニング制御手段」に相当し、図6の検査要求フラグ設定処理を実行するコントローラ70が「検査実行条件設定手段」に相当する。
以上詳述したインクジェットプリンタ20によれば、高品質の印刷が要求されている非許容モードにおいては、ノズル23の吐出不良が判定されたときにクリーニングを行い、高品質の印刷が要求されていない許容モードにおいては、ノズル23の異常ノズル数Naが所定の閾値Narefを超えたときにはノズル23のクリーニングを行ってから印刷を実行し、異常ノズル数Naが所定の閾値Narefを超えないときにはノズル23のクリーニングを行わずに印刷を実行し次回の印刷ジョブが入力される度にノズル検査を行うようにするから、クリーニングの実行回数をできる限り減らしてインクが無駄に消費されるのを抑制すると共にノズル23の監視を強化して印刷品質が許容されるレベルを超えて悪化するのを防止することができる。
本実施形態では、図6の検査要求設定処理のステップS440の処理でタイマTが所定時間Trefを超えたか否かを判定するものとしたが、時間に限られず、前回のノズル検査から印刷を実行した印刷ジョブ数が所定のジョブ数を超えたか否かを判定するものとしてもよいし印刷を実行した印刷ジョブの印刷枚数が所定の印刷枚数を超えたか否かを判定するものとしてもよい。なお、前回のノズル検査からの印刷を実行した印刷ジョブの数や印刷枚数の判定は、RAM74の印刷履歴記憶領域に記憶される実行済みの印刷ジョブに関する情報を参照するものとすればよい。また、印刷ヘッド24が往復した回数としての印刷パス数やノズル23からのインクの吐出回数としての印刷ドット数などカウントしておき、カウントした印刷パス数や印刷ドット数が所定の数を超えたか否かを判定するものとしてもよい。
本実施形態では、許容モードにおいては、異常ノズルが発見される前はタイマTが所定時間Trefを超えたときに検査要求フラグFに値1を設定し異常ノズルが発見されその異常ノズル数Naが閾値Naref以下のときには検査要求フラグFの値1をそのまま保持しておき印刷ジョブが入力される度にノズル検査を実行するものとしたが、これに限られず、異常ノズルが発見される前はタイマTが第1の所定時間Tref1を超えたときに検査要求フラグFに値1を設定し異常ノズルが発見されその異常ノズル数Naが閾値Naref以下のときにはノズル検査の度に検査要求フラグFやタイマTをリセットしタイマTが第1の所定時間Tref1よりも短い第2の所定時間Tref2を超えたときに検査要求フラグFに値1を設定するものとしてもよい。この変形例におけるメインルーチンを図7に示し、検査要求フラグ設定処理を図8に示す。図7,図8の処理では、それぞれ図4,図6と同じ処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。図7に示すメインルーチンでは、ステップS170で異常ノズル数Naが閾値Narefを超えないと判定したときには、検査要求フラグFを値0にリセットし(ステップS172)、異常ノズルが存在することを示す異常ノズル存在フラグFiに値1をセットして(ステップS174)、タイマTをリセットしてからスタートする(ステップS176)。これにより、ステップS176でタイマTがスタートされたときには、異常ノズルが発見されたノズル検査からの経過時間を計測することになる。なお、ステップS150でタイマTがスタートされたときには、異常ノズルが発見されないノズル検査からの経過時間を計測することになる。また、異常ノズル存在フラグFiは、ステップS130で異常ノズルが発見されないときに、値0にリセットされるものである(ステップS145)。図8に示す検査要求フラグ設定処理では、異常ノズル存在フラグFiの値を調べ(ステップS442)、異常ノズル存在フラグFiが値0のときにはタイマTが第1の所定時間Tref1を超えているか否かを判定し(ステップS444)、超えているときにはステップS450で検査要求フラグFに値1をセットし、超えていないときにはステップS452で検査要求フラグFに値0をセットする。一方、異常ノズル存在フラグFiが値1のときにはタイマTが第1の所定時間Tref1よりも短い時間である第2の所定時間Tref2を超えているか否かを判定し(ステップS446)、超えているときには検査要求フラグFに値1をセットし(ステップS448)、超えていないときにはステップS452で検査要求フラグFに値0をセットする。これにより、異常ノズル存在フラグFiが値1、即ち、異常ノズルが発見されているときには、異常ノズルが発見されないときに比して短時間で検査要求フラグに値1がセットされるので検査の頻度を高くすることができる。ここで、第1の所定時間Tref1としては例えば12時間や10時間などとし第2の所定時間Tref2としては例えば3時間や1時間などとすることができる。なお、この変形例においても検査要求フラグFの設定に時間を用いるものに限られず、ジョブ数やページ数に基づいて設定するものとしてもよい。その場合、第1の所定時間Tref1の替わりに第1のジョブ数Jref1を用い第2の所定時間Tref2の替わりに第1のジョブ数Jref1よりも少ない第2のジョブ数Jref2を用いるなどとすればよい。
本実施形態では、許容モードと非許容モードとにおけるタイマTの所定時間Trefや異常ノズルの閾値Narefに同じ値を用いるものとしたが、これに限られず、別々の値を用いるものとしてもよい。この変形例におけるメインルーチンを図9に示し、検査要求フラグ設定処理を図10に示す。図9,図10の処理では、上述した図7,図8と同じ処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。図9に示すメインルーチンでは、ステップS160でモードが許容モードであるか非許容モードであるかを判定し、非許容モードと判定したときには異常ノズル数Naが第1の閾値Naref1を超えるか否かを判定し(ステップS165)、超えるときにはステップS190でクリーニングを実行し、超えないときにはステップS140以降の処理を実行する。一方、許容モードと判定したときには異常ノズル数Naが第1の閾値Naref1より大きい第2の閾値Naref2を超えるか否かを判定し(ステップS170a)、超えるときにはステップS190でクリーニングを実行し、超えないときにはステップS172以降の処理を実行する。なお、このとき、タイマTはリセットしない。図10に示す検査要求フラグ設定処理では、ステップS420で非許容モードと判定されたときには、タイマTが第3の所定時間Tref3を超えているか否かを判定し(ステップS446a)、超えているときにはステップS450で検査要求フラグFに値1をセットし、超えていないときにはステップS452で検査要求フラグFに値0をセットする。一方、ステップS420で許容モードと判定されたときには、ステップS442で異常ノズル存在フラグFiが値0のときにタイマTが第3の所定時間Tref3より短い第4の所定時間Tref4を超えているか否かを判定し(ステップS444a)、超えているときにはステップS450で検査要求フラグFに値1をセットし、超えていないときにはステップS452で検査要求フラグFに値0をセットする。なお、ステップS442で異常ノズル存在フラグFiが値1のときには、ステップS450で検査要求フラグFに値1をセットする。ここで、第3の所定時間Tref1としては例えば12時間や10時間などとし第4の所定時間Tref2としては例えば3時間や1時間などとすることができる。なお、この変形例においても検査要求フラグFの設定に時間を用いるものに限られず、ジョブ数やページ数,印刷パス数,印刷ドット数などに基づいて設定するものとしてもよい。これにより、非許容モードにおいては、タイマTが第3の所定時間Tref3を超える毎にノズル検査を実行することができ、ノズル検査を実行しても異常ノズル数Naが第1の閾値Naref1を超えるまではクリーニングをしないので無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。一方、許容モードにおいては、タイマTが第3の所定時間Tref3よりも短い第4の所定時間Tref4を超えるときにノズル検査を実行するので非許容モードよりも検査の頻度を高くしてノズルの監視を強化することができ、且つ異常ノズル数Naの数自体は非許容モードよりも多い数まで許容するので非許容モード以上に無駄なクリーニングを防止してインクの無駄な消費を抑制することができる。また、許容モードにおいて、ノズル検査を実行しても異常ノズル数Naが第2の閾値Naref2を超えていないときにはクリーニングを実行しないが、このときはタイマTをリセットしないので許容モードから非許容モードに切り替わったときにも非許容モードにおける検査頻度が低下するなどの悪影響を与えることはない。したがって、本実施例と同様の効果が得られる。ここで、許容モードは、非許容モードに比べて印刷品質が求められないモードであればよく、例えば、非許容モードとしては、高解像度モードやカラーモード,写真用印刷モードなどが挙げられ、許容モードとしては、低解像度モードやモノクロモード,普通紙印刷モード,FAX受信モードなどが挙げられる。ただし、許容モードは、非許容モードよりも検査頻度が高いことから、非許容モードよりもノズル吐出不良は許容するものの、第2の閾値Naref2を超えないことがより確実に求められるモードに適しており、例えばFAX機能を備えた装置におけるFAX受信モードが特に適している。また、第1の閾値Naref1は、たとえ1つのノズル吐出不良でさえも許容しないよう値0が設定されるものとしてもよいし、1以上の値が設定されるものとしてもよい。第2の閾値Naref2は、第1の閾値Naref1よりも大きい値が設定されるものであればよい。なお、非許容モードが請求項5に係る本発明の第1のモードに相当し、許容モードが第2のモードに相当する。
本実施形態では、閾値Narefの値として一列あたり180個あるノズル23のうち略1%に相当する2個までの吐出不良を許容するよう値2が設定されるものとしたが、これに限られず、許容されるドット抜けのレベルに応じて適宜設定するものとすればよく、ユーザが印刷条件の一つとして設定するものとしてもよい。また、各ノズル列毎の異常ノズル数Na(C),Na(M),Na(Y),Na(K)がそれぞれ閾値Naref以下であるか否かを判定するものとしたが、これに限られず、全てのノズル列のトータルの異常ノズル数Naに基づいて判定するものとしてもよい。さらに、単に異常ノズル数Naのみに基づくものに限られず、ドット抜けに与える影響が大きくなる隣接するノズル23が共に吐出不良と判定される箇所の数に基づいて判定するものとしてもよいし、異常ノズル数Naの個数とノズル23が隣接して吐出不良と判定された箇所の数とを組み合わせて判定するものとしてもよい。
本実施形態では、閾値Narefを一つだけ設定するものとしたが、これに限られず、許容されるドット抜けの数が比較的多いモードやあまり多くないモードなどに応じて複数の閾値を設定するものとしてもよい。例えば、用紙種が「普通紙」の場合であって、印刷モードが「はやい」モードのときには閾値に値6を設定し、印刷モードが「標準」モードのときには閾値に値3を設定し、印刷モードが「きれい」モードのときには閾値に値1を設定するなどとしてもよく、さらに多くの閾値を設定するものとしてもよい。
本実施形態では、印刷ジョブに付される印刷条件における用紙種と印刷モードとに基づいて許容モードか非許容モードかを判定するものとしたが、用紙種や印刷モードのいずれか一方に基づいて判定するものとしてもよいし、他の印刷条件を加味して判定するものとしてもよい。また、ユーザが印刷条件の一つとして許容モードか非許容モードかを予め設定しておき、それに基づいて判定するものとしてよい。
本実施形態では、インクジェットプリンタ20の電源がオンされた後の初回の印刷ジョブにおいてノズル検査を要求するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたときには必ずノズル検査を実行するものとしておき、初回の印刷ジョブのときのノズル検査を要求しないものとしてもよい。この場合、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたときの初回のノズル検査を実行した後にタイマTをスタートするものとすればよい。
本実施形態では、ノズル番号nが1番から順にすべてのノズル23に対して吐出状態の検査を行うものとしたが、検査する順番はこれに限定されるものではなく、如何なる順序で行うものとしてもよい。また、すべてのノズル23を検査するものに限られず、一部のノズル23のみを検査するものとしても構わない。
本実施形態では、電圧印加回路54をキャッピング装置40(電極52)に接続すると共に印刷ヘッド24(ノズルプレート27)をグランドに接地するものとしたが、電圧印加回路54を印刷ヘッド24に接続すると共にキャッピング装置40をグランドに接地するものとしてもよい。また、本実施形態では、電圧検出回路56をキャッピング装置40U電極52)に接続するものとしたが、電圧検出回路56を印刷ヘッド24(ノズルプレート27)に接続するものとしてもよい。
本実施形態では、電極52を配置したキャッピング装置40をインク受けとして用いてこのキャッピング装置40に印刷ヘッド24のノズル23からインク滴を吐出してノズル検査を行うものとしたが、フラッシングを行うためのフラッシング領域が形成されたインクジェットプリンタではこのフラッシング領域をインク受けとして用いてノズル検査を行うものとしてもよい。また、ノズル検査を行うための領域を別途形成するものとしても構わない。
本実施形態では、電圧印加回路54より印刷ヘッド24から吐出されるインク滴を帯電させると共にインク滴が着弾する際の電圧変化を電圧検出回路56で検出することによりノズル23からインク滴が正常に吐出されたか否かを検査するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、レーザーがノズル23から吐出されるインク滴の飛翔経路を横切るよう受光素子と発光素子とを配置しノズル23からインク滴が吐出されるよう印刷ヘッド24を駆動したときに発光素子から出力されたレーザーが受光素子に入力されるか否かによりノズル検査を行うものとしたり、記録紙Pに検査対象のノズル列43からインク滴を吐出して検査用のマークを印刷すると共に印刷したマークをフォトセンサで読み取ることによりノズル検査を行うなどとしてもよい。
本実施形態では、本発明の液体吐出装置の一例としてインクジェットプリンタを示したが、FAX送受信部を備えるものとしてもよい。なお、本インクジェットプリンタが備えるFAX受信部は受信データを記憶するメモリの容量に限りがあり、受信データを印刷出力した後、メモリの受信データを消去する場合がある。また、印刷装置に限定されるものではなく、本発明は液体を吐出するものであれば、例えばファクシミリ装置や複合機などのOA機器のほか、カラーフィルタ等のデバイスを製造するための製造装置などに適用してもよい。
上述した実施形態では、本発明の液体吐出装置をインクジェットプリンタ20に具体化した例を示したが、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを吐出する流体吐出装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ及びカラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を吐出する液体吐出装置、同材料を分散した液状体を吐出する液状体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置としてもよい。また、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ジェルを吐出する流状体吐出装置としてもよい。
本実施形態では、本発明を液体吐出装置の形態として説明したが、液体吐出装置の制御方法の形態とするものとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定さ
れることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることは勿論である。
本実施形態のインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図。 印刷ヘッド24の電気的接続を表す説明図。 ノズル検査装置50の構成の概略を示す構成図。 メインルーチンの一例を示すフローチャート。 ノズル検査処理の一例を示すフローチャート。 検査要求フラグ設定処理の一例を示すフローチャート。 変形例のメインルーチンを示すフローチャート。 変形例の検査要求フラグ設定処理を示すフローチャート。 変形例のメインルーチンを示すフローチャート。 変形例の検査要求フラグ設定処理を示すフローチャート。
符号の説明
10 ユーザPC、20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23,23Y,23M,23C,23K ノズル、24 印刷ヘッド、25 キャビティプレート、26 インクカートリッジ、27 ノズルプレート、28 ガイド、29 インク室、30 ヘッド駆動用基板、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、36 リニア式エンコーダ、38 プラテン、40 キャッピング装置、41 キャップ、43,43Y,43M,43C,43K ノズル列、45 吸引ポンプ、45a チューブ、46 大気開放バルブ、46a チューブ、47 マスク回路、48 圧電素子、49 振動板、50 ノズル検査装置、52 電極、54 電圧印加回路、56 電圧検出回路、60 ヘッド駆動波形生成回路、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、76 インタフェース(I/F)、77 タイマ、80 メカフレーム、90 昇降機構、SW スイッチ。

Claims (2)

  1. ターゲットに液体を吐出する液体吐出装置であって、
    液体を吐出する複数のノズルを有する吐出ヘッドと、
    時間または前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関連する数量をカウントするカウンタと、
    前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検出する吐出検出手段と、
    検査実行条件が成立したときに、前記吐出ヘッドを駆動制御すると共に前記吐出検出手段からの検出信号に基づいて前記ノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行うノズル検査制御手段と、
    前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関連する情報に基づいて前記ノズルの吐出不良を第1の所定数まで許容する第1のモードと該第1の所定数よりも多い第2の所定数まで許容する第2のモードのいずれかに設定するモード設定手段と、
    前記第1のモードの設定中は、前記カウンタのカウンタ値が第1の閾値を超えたときに前記検査実行条件を設定し、前記第2のモードの設定中は、前記カウンタ値が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値を超えたときに前記検査実行条件を設定する検査実行条件設定手段と、
    前記第1のモードの設定中に前記ノズル検査が実行されたとき、前記吐出不良とされるノズルがない場合と前記吐出不良とされるノズルの数が前記第1の所定数を超えない場合には前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記第2のモードの設定中に前記ノズル検査が実行されたとき、前記吐出不良とされるノズルがない場合には前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記吐出不良とされるノズルの数が前記第2の所定数を超えない場合には前記カウンタをリセットせずにそのまま継続させるカウンタ制御手段と
    を備える液体吐出装置。
  2. ターゲットに液体を吐出する複数のノズルを有する吐出ヘッドと、時間または前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関連する数量をカウントするカウンタと、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検出する吐出検出手段とを備える液体吐出装置の制御方法であって、
    (a)検査実行条件が成立したときに、前記吐出ヘッドを駆動制御すると共に前記吐出検出手段からの検出信号に基づいて前記ノズルの吐出不良を判定するノズル検査を行うステップと、
    (b)前記ターゲットへの液体の吐出指令であるジョブに関連する情報に基づいて前記ノズルの吐出不良を第1の所定数まで許容する第1のモードと該第1の所定数よりも多い第2の所定数まで許容する第2のモードのいずれかに設定するステップと、
    (c)前記第1のモードの設定中は、前記カウンタのカウンタ値が第1の閾値を超えたときに前記検査実行条件を設定し、前記第2のモードの設定中は、前記カウンタ値が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値を超えたときに前記検査実行条件を設定するステップと、
    (d)前記第1のモードの設定中に前記ノズル検査が実行されたとき、前記吐出不良とされるノズルがない場合と前記吐出不良とされるノズルの数が前記第1の所定数を超えない場合には前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記第2のモードの設定中に前記ノズル検査が実行されたとき、前記吐出不良とされるノズルがない場合には前記カウンタをリセットして再度スタートさせ、前記吐出不良とされるノズルの数が前記第2の所定数を超えない場合には前記カウンタをリセットせずにそのまま継続させるステップと
    を含む液体吐出装置の制御方法。
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