JP2010201879A - 流体吐出装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体クリーニング時における流体消費量を精度よく推定する。
【解決手段】初期充填処理ルーチンでは、クリーニングを実行したあとノズル検査を実行し(S110,S130)、そのノズル検査の結果、不吐出ノズルが存在し且つその総数が所定数mを超えたならば(S140,S150で共に肯定)、クリーニング時に不吐出ノズルから強制吐出されるはずだったインク量を不吐出ノズルがない場合のインク消費量(所定量C)から差し引いた値を変更後のインク消費量として取り扱う(ステップS160)。こうすることにより、クリーニング後にノズル検査で不吐出ノズルが存在した場合の該クリーニング時のインク消費量を精度よく推定することができ、ひいてはインク残量も精度よく推定することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体吐出装置及びその制御方法に関する。
従来、インクジェットプリンターとしては、ヘッドと検査領域とを対向させた状態で、ヘッドの各ノズルから検査領域に向かって流体が吐出されるようヘッドを駆動したときに実際に流体が吐出したか否かを判定するノズル検査を実行するものが知られている(例えば特許文献1参照)。こうしたインクジェットプリンターでは、ノズル検査を実行した結果インクを吐出しないノズルが存在した場合には、クリーニングによりノズルの詰まりを解消してノズルの正常化を図る。
特開2007−38566号公報
ところで、クリーニングを実施した場合、それにより消費したインク量を考慮してカートリッジに残存しているインク量(インク残量)を推定することが考えられる。この場合、1回のクリーニングで消費するインク量を予め所定量に設定しておくことが多い。
しかしながら、クリーニング後にノズル検査を実行した結果、インクを吐出しないノズルが存在した場合には、クリーニングの段階でもそのノズルからインクが吐出していなかった可能性があるため、ノズル検査前のクリーニングで消費したインク量は予め設定された所定量よりも少ないことがある。にもかかわらず、クリーニングで消費したインク量を所定量のままとしてインク残量を推定すると、推定したインク残量は実際のインク残量よりも少なくなり、例えば実際にはインク切れになっていないのにインク切れを警告するなどの不都合を生じる。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、流体クリーニング時における流体消費量を精度よく推定することを主目的とする。
本発明の流体吐出装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の流体吐出装置は、
内部に流体が収容された収容容器と、
複数のノズルを有し、該ノズルからターゲットに向けて前記収容容器から供給される流体を吐出可能なヘッドと、
前記ヘッドと対向可能な位置に設けられ、前記ヘッドのノズルから吐出された流体を受けることが可能な検査領域と、
前記複数のノズルから予め定められた所定量の流体を強制吐出させるクリーニングを実行した後、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させた状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに実際に流体が吐出したか否かを判定するノズル検査を実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち流体を吐出しなかった不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱う制御手段と、
を備えたものである。
この流体吐出装置では、複数のノズルから予め定められた所定量の流体を強制吐出させるクリーニングを実行した後、ヘッドと検査領域とを対向させた状態で各ノズルから検査領域に向かって流体が吐出されるようヘッドを駆動したときに実際に流体が吐出したか否かを判定するノズル検査を実行する。そして、そのノズル検査の結果、複数のノズルのうち流体を吐出しなかった不吐出ノズルが存在したならば、クリーニング時に不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を所定量から差し引いた分をクリーニング時の流体消費量として取り扱う。こうすることにより、クリーニング後にノズル検査で不吐出ノズルが存在した場合の該クリーニング時の流体消費量を精度よく推定することができる。
本発明の流体吐出装置において、前記クリーニングは、前記収容容器から前記ヘッドへ初期充填を行うための初期充填クリーニングであってもよい。初期充填クリーニングを行う前にはノズル内に空気が残っている可能性があるため、初期充填クリーニングの実行後に不吐出ノズルが多く存在することがある。したがって、本発明を適用する意義が高い。
本発明の流体吐出装置において、前記制御手段は、前記クリーニングを実行する前に前記ノズル検査を実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニングを実行し、該クリーニングを実行した後、前記ノズル検査を再度実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち依然として同じ不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱ってもよい。再度実行したノズル検査の結果、依然として同じ不吐出ノズルが存在していた場合には、その不吐出ノズルはクリーニング中もずっと流体を吐出していなかった可能性がきわめて高く、クリーニングの途中で不吐出ノズルになった可能性はきわめて低い。このため、クリーニング時の流体消費量をより精度よく求めることができる。
本発明の流体吐出装置において、前記制御手段は、前記ノズル検査の結果、不吐出ノズルが存在したならば該不吐出ノズルが予め定められた所定数又は所定割合を超えたか否かを判定し、前記所定数又は所定割合を超えたならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱ってもよい。不吐出ノズルが所定数又は所定割合を超えた場合には、実際の流体消費量が所定量から大きくずれるため、本発明を適用する意義が高い。ここで、「所定数又は所定割合」とは、特に限定されるものではないが、たとえば全体のノズル数のx割(5≦x≦10)の数又はその割合としてもよい。
本発明の流体吐出装置は、前記ヘッドと対向可能な位置に設けられ、前記ヘッドを密閉して前記複数のノズルから前記収容容器内の流体を吸引可能なキャップを備え、前記制御手段は、前記クリーニングを実行する際、前記ヘッドと前記キャップとを対向させた状態で前記ヘッドを前記キャップで密閉したあと吸引することにより、前記複数のノズルから前記所定量の流体を強制吐出させてもよい。このようにヘッドをキャップで密閉したあと吸引してクリーニングを行う場合には、クリーニング時の流体消費量が多いため、精度よく推定することが求められる。したがって、本発明を適用する意義が高い。なお、前記検査領域は、前記キャップの内部に設けられていてもよい。こうすれば、検査領域とキャップとを別々に設ける必要がない。
本発明の流体吐出装置において、前記制御手段は、前記ノズル検査を行うにあたり、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させ且つ前記ヘッドと前記検査領域との間に所定の電圧を印加した状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに、実際に流体が吐出したか否かを前記ヘッドと前記検査領域との間の電気的変化に基づいて判定してもよい。あるいは、前記検査領域は、発光素子と該発光素子から発せられた光を受ける受光素子とを備え、前記制御手段は、前記ノズル検査を行うにあたり、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させ且つ前記発光素子から発せられた光と前記ノズルから吐出される流体とが交差する位置に前記ヘッドを配置した状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに、実際に流体が吐出したか否かを前記受光素子の出力信号に基づいて判定してもよい。いずれにしても、不吐出ノズルが存在するか否かのノズル検査を精度よく行うことができる。
本発明の流体吐出装置の制御方法は、
内部に流体が収容された収容容器と、複数のノズルを有し該ノズルからターゲットに向けて前記収容容器から供給される流体を吐出可能なヘッドと、前記ヘッドと対向可能な位置に設けられ前記ヘッドのノズルから吐出された流体を受けることが可能な検査領域と、を備えた流体吐出装置を制御する方法であって、
前記複数のノズルから予め定められた所定量の流体を強制吐出させるクリーニングを実行した後、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させた状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに実際に流体が吐出したか否かを判定するノズル検査を実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち流体を吐出しなかった不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱うものである。
この流体吐出装置の制御方法によれば、クリーニング後にノズル検査で不吐出ノズルが存在した場合の該クリーニング時の流体消費量を精度よく推定することができる。なお、この制御方法に、上述した本発明の流体吐出装置の機能を実現するステップを加えてもよい。
本実施形態であるプリンター20の構成の概略の一例を示す構成図。 キャリッジ22の左側面図(破断面図であり円内は部分拡大断面図)。 印刷ヘッド24の電気的接続を示すブロック図。 ノズル検査装置50の構成の概略を示すブロック図。 初期充填処理ルーチンのフローチャート。 ノズル検査ルーチンのフローチャート。 ノズル処理ルーチンのフローチャート。 別のノズル検査の説明図である。 別の電極部材の配置例を示す説明図。
次に本発明を具現化した一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態であるプリンター20の構成の概略の一例を示す構成図、図2は、キャリッジ22の左側面図(破断面図であり円内は部分拡大断面図)、図3は、印刷ヘッド24の電気的接続を示すブロック図、図4は、ノズル検査装置50の構成の概略を示すブロック図である。
本実施形態のプリンター20は、図1に示すように、流体としてのインクをターゲットとしての記録紙Pに吐出する印刷ヘッド24を備えた印刷機構21と、キャリッジ22に搭載されたヘッド駆動用基板62と、記録紙Pを搬送する紙送り機構30と、印刷ヘッド24の封止及びクリーニングを実行するキャッピング装置40と、ノズル23から実際にインクが吐出するか否かのノズル検査を実行するノズル検査装置50と、プリンター20全体をコントロールするコントローラー70とを備えている。
印刷機構21は、キャリッジベルト32によりキャリッジ軸28に沿って左右(主走査方向)に往復動するキャリッジ22と、各色のインクを収容するインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26から供給される各色のインクに圧力をかけノズル23から流体としてのインク滴を吐出する印刷ヘッド24とを備えている。
キャリッジ22は、メカフレーム39の右側に取り付けられたキャリッジモーター34aとメカフレーム39の左側に取り付けられた従動ローラー34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモーター34aによって駆動されるのに伴って移動する。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダー25が配設されており、このリニア式エンコーダー25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。また、キャリッジ22は、印刷ヘッド24を駆動するヘッド駆動用基板62を搭載している。
インクカートリッジ26は、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)などの印刷用に用いる印刷記録液としてのインクを各々収容する容器として構成されており、キャリッジ22に着脱可能に装着されている。このインクカートリッジ26は、図2に示すように各インクごとにインク供給口26aを有し、キャリッジ22に設けられたインク供給針22aがインク供給口26aに差し込まれることによりインク供給路69を介してキャリッジ22の下面に形成された印刷ヘッド24へインクを供給可能となる。
印刷ヘッド24は、図2の円内に示すように、ノズル23が形成されたステンレス製のノズルプレート27と、このノズルプレート27と共にノズル23に連通するインク室65aを形成するキャビティプレート65と、インク室65aの上壁をなすセラミック製(例えばジルコニアセラミック製)の振動板67と、この振動板67の上面に貼り付けられた圧電素子66(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛など)とを備えている。この印刷ヘッド24は、圧電素子66に電圧を印加して圧電素子66でインク室65aの上壁を押し下げることによりインクを加圧してインク滴を吐出する。また、印刷ヘッド24は、グランドに接続されている(図4参照)。ノズルプレート27には、図3に示すように、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)のノズル23C,23M,23Y,23Kが各色毎に複数個(本実施形態では、180個)ずつ1列に配置された4列のノズル列68C,68M,68Y,68Kが形成されている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23、すべてのノズル列をノズル列68と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列68C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列68M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列68Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列68Kと称する。
ヘッド駆動用基板62は、図3に示すように、圧電素子66へ電圧を印加するマスク回路64を搭載している。このヘッド駆動用基板62は、図示しないコネクター部を介してフラットケーブル63(図1参照)に接続されており、このフラットケーブル63を介してコントローラー70と信号のやり取りを行う。マスク回路64は、各ノズル23Kをそれぞれ駆動する圧電素子66に対応して設けられている。このマスク回路64には、図示しない制御基板上のヘッド駆動波形生成回路60で生成された原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力される。原信号ODRVは、1画素分の区間内(キャリッジ22が1画素の間隔を横切る時間内)に含まれる、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とからなっている。この3つのパルスP1〜P3を繰り返し単位とする原信号ODRVを、本実施形態では1画素区間と称する。印刷信号PRTnは、記録紙Pに形成されるドットの有無やその大きさに基づいて生成される信号である。なお、印刷信号PRTnの末尾のnはノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、本実施形態ではノズル列は180個のノズルからなるため、nは1から180のいずれかの整数値となる。マスク回路64は、原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力されると、これらの信号に基づいて第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とのうち必要なパルスを駆動信号DRVn(nの意味するところは印刷信号PRTnのnと同じ)としてノズル23Kの圧電素子66に向けて出力する。具体的には、マスク回路64から圧電素子66に第1パルスP1のみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Pには小さいサイズのドット(小ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子66に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Pには中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子66に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Pには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、プリンター20では、1画素区間において吐出されるインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列68C,68M,68Yについても上記ノズル23Kやノズル列68Kと同様である。
紙送り機構30は、図1に示すように、駆動モーター33により駆動されプラテン29上を図中奥から手前へと記録紙Pを搬送する紙送りローラー35や、図示しないトレイに載置された記録紙Pをプラテン29へ給紙する給紙ローラー、プラテン29でインクを吐出された記録紙Pを図示しない排紙トレイへ搬送する排紙ローラーなどを備えている。
キャッピング装置40は、図1に示すように、キャリッジ22の初期位置(ホームポジション)に配設され、図4に示すように、略直方体で上部が開口した絶縁性の部材で形成されたキャップ42と、このキャップ42を上下動可能に支持する昇降装置47とを備えている。キャップ42の開口縁にはシリコンゴムなどの絶縁体からなるシーリング部材41が設けられている。また、キャップ42は、吸引ポンプ42bと大気開放弁42cとを備えている。吸引ポンプ42bは、昇降装置47によりキャップ42を上昇させて印刷ヘッド24に密着させた状態でキャップ42の内部を負圧にしてインクカートリッジ26内のインクをノズル23から強制的に吸い出すとき(つまりクリーニング時)に用いられる。また、大気開放弁42cは、クリーニング終了後にキャップ42の内部を大気圧に戻すために用いられる。つまり、クリーニングが終了するまでは大気開放弁42cは閉鎖され、クリーニングが終了すると大気開放弁42cは開放される。このキャップ42は、ノズル詰まりの有無を検査する際にも使用されるほか、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときにも利用される。
ノズル検査装置50は、図4に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から吐出されたインク滴を受けることが可能なインク受け領域52と、インク受け領域52を所定電位とすることにより印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に所定の電位差を発生させる電圧印加回路53と、インク受け領域52での電圧変化を検出する電圧検出回路54とを備えている。
インク受け領域52は、印刷ヘッド24を封止するキャップ42の内部に設けられている。このインク受け領域52は、インク吸収部材43と、このインク吸収部材43の上面に配置された電極部材44とを備えている。インク吸収部材43は、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いスポンジや不織布などで形成されている。電極部材44は、網目状でステンレス(SUS)製の薄板であり、インク吸収部材43がインクを吸収して上方に膨れあがるのを阻止する役割を果たすと共に、ノズル検査を行う際に印刷ヘッド24と対向する対向電極としての役割も果たす。この電極部材44は、網目状に形成されているため、印刷ヘッド24から吐出されたインクをインク吸収部材43へ移行するのを許容している。この電極部材44は、インク吸収部材43の上面に配置する際に網目のクロスポイントに設けられた丸穴へキャップ42の底面に一体成形された3本の支持棒42aの頭部を挿入し、その頭部を加熱・加圧することによりかしめられている。また、電極部材44は、キャップ42の底面に気密且つ液密な状態で貫通された電極ピン45と電気的に接続されている。
電圧印加回路53は、図4に示すように、インク受け領域52の電極部材44に電極ピン45を介して接続されており、プリンター20の内部で引き回される数ボルトの電気配線の電圧を図示しない昇圧回路を介して数十〜数百ボルトに昇圧し、この昇圧後の直流電圧Ve(例えば400V)を抵抗素子R1(例えば1MΩ)及びスイッチSWを介してインク受け領域52の電極部材44に印加する回路である。
電圧検出回路54は、インク受け領域52の電極部材44に電極ピン45を介して接続され、インクの吐出に伴い生じる電極部材44での電圧変化を検出するものであり、電極部材44の出力電圧波形を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を入力して反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号を入力してA/D変換してコントローラー70へ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔による電圧変化が微弱なことから、同一のノズル23から吐出される複数のインク滴の飛翔による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路54aから出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してコントローラー70に出力するものである。なお、電圧印加回路53及び電圧検出回路54はキャップ42とは別体の回路ケース51内の基板上に搭載されている。
コントローラー70は、メカフレーム39に取り付けられた図示しない制御基板に搭載され、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムを記憶しデータを書き換え可能なフラッシュROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、ユーザーパソコン(PC)110などの外部機器とデータのやりとりを行うインターフェース(I/F)75とを備えている。フラッシュROM73には、初期充填処理ルーチンやノズル検査ルーチン、ノズル処理ルーチンなどの各処理プログラムが記憶されている。RAM74には、印刷バッファー領域が設けられており、この領域にユーザーPC110などの外部機器からI/F75を介して送られてきた印刷ジョブなどが格納される。このコントローラー70には、ノズル検査装置50の電圧検出回路54から出力された検出信号などが図示しない入力ポートを介して入力されているほか、外部機器(ユーザーPC110など)から出力された印刷ジョブなどがI/F75を介して入力される。また、コントローラー70からは、印刷ヘッド24に搭載されたマスク回路64への制御信号、ノズル検査装置50の吸引ポンプ42bや大気開放弁42c、昇降装置47への駆動信号、駆動モーター33やキャリッジモーター34aへの駆動信号などが図示しない出力ポートを介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のプリンター20の動作について説明する。ここでは、初期充填処理ルーチンについて図5に基づいて説明する。図5は、初期充填処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、プリンター20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとにCPU72により実行される。
初期充填処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、新たなインクカートリッジ26が装着されたか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、新しいインクカートリッジ26を装着したあとにユーザーがプリンター20の図示しないインク装着ボタンを押したときに、新たなインクカートリッジ26が装着されたと判定する。そして、新たなインクカートリッジ26が装着されていなければそのまま本ルーチンを終了する。一方、新たなインクカートリッジ26が装着されたならば、そのインクカートリッジ26から印刷ヘッド24のインク供給路69やノズル23へ初期充填を行うためのクリーニングを実行する(ステップS110)。具体的には、キャリッジ22をホームポジションに移動して印刷ヘッド24とキャップ42のインク受け領域52とを対向させた後、昇降装置47によりキャップ42を上昇させて印刷ヘッド24の下面にキャップ42を密着させる。この状態で吸引ポンプ42bを駆動してキャップ42の内部を負圧にすることにより、各ノズル23からインクカートリッジ26内のインクを吸引して強制的に吐出させ、クリーニングを行う。本実施形態では、クリーニング時に排出されるインク量が所定量C(例えば1gとか3g)になるように吸引時間が設定されている。クリーニングの終了後、インク残量を更新する(ステップS120)。フラッシュROM73には、インクカートリッジ26のインク初期充填量からインク消費量を減算した値であるインク残量が記憶されている。このため、CPU72は、フラッシュROM73からインク残量を読み出し、そのインク残量からクリーニング時の所定量Cを減算した値を新たなインク残量としてフラッシュROM73に記憶する。なお、インク初期充填量とは、新品のインクカートリッジ26に充填されているインク量である。また、インク消費量には、クリーニング時に消費される所定量のほか、印刷時のドット数に1ドットあたりのインク吐出量を乗算した値、後述のノズル検査時に消費されるインク量なども含まれる。続いて、ノズル検査ルーチンを実行する(ステップS130)。
図6は、ノズル検査ルーチンの一例を示すフローチャートである。ノズル検査ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、検査可能な配置になっているか否かを判定する(ステップS300)。具体的には、印刷ヘッド24とインク受け領域52とが対向し且つ両者の間隔が所定間隔(例えば2mmとか4mm)になっているか否かを判定する。そして、ステップS300で否定判定されたならば、検査可能な配置になるように調整する(ステップS310)。具体的には、キャリッジモーター34aを駆動して印刷ヘッド24とインク受け領域52とを対向させたり昇降装置47を駆動して両者の間隔が所定間隔になるように調整したりする。ステップS300で肯定判定されるかステップS310のあと、検査対象ノズルを設定する(ステップS320)。検査対象ノズル列の設定順序は、イエロー(Y)のノズル列68Yの1番目のノズル23Yから180番目のノズル23Y、マゼンタ(M)のノズル列68Mの1番目のノズル23Mから180番目のノズル23M、シアン(C)のノズル列68Cの1番目のノズル23Cから180番目のノズル23C、ブラック(K)のノズル列68Kの1番目のノズル23Kから180番目のノズル23Kとする。次に、電圧印加回路53のスイッチSWをオンにする(ステップS330)。これにより、互いに離れている印刷ヘッド24とインク受け領域52の電極部材44との間には、電圧(400V)が印加された状態となる。続いて、検査対象ノズルから流体を吐出するよう印刷ヘッド24のマスク回路64及び圧電素子66を制御し(ステップS340)、そのときの印刷ヘッド24と電極部材44との間の出力信号波形のレベルVL(振幅)が閾値Vthrを超えているか否かを判定する(ステップS350)。
ここで、ノズル検査の原理について説明する。印刷ヘッド24を接地してグランド電位とし、印刷ヘッド24とインク受け領域52の電極部材44との間に電位差を生じさせた状態でインク滴をノズル23から吐出させる実験を実際に行ったところ、電極部材44での出力信号波形がサインカーブとして表れた。このような出力信号波形が得られる原理は、帯電したインク滴をインク受け領域52に吐出するのに伴って静電誘導により誘導電流が流れたことに起因すると考えられる。ここで、インク滴が所定の大きさであっても1ショット分のインク滴による出力信号波形の振幅が微弱なことから、多数のインク滴(大ドットを吐出する操作を8回行うなど)を吐出するようにすると共に、反転増幅回路54bにより信号を増幅することとした。このため、出力信号を多数のインク滴の積分値とすることができ、電圧検出回路54から十分大きな出力信号波形が得られるようにした。なお、インク吐出数は、検査精度を確保可能な吐出数となるよう任意に設定することができる。また、閾値Vthrは、インク滴の吐出が判定できるよう経験的に設定することができる。
さて、ステップS350でレベルVLが閾値Vthr未満だったときには、今回の検査対象ノズルは詰まりなどの異常が生じて不吐出ノズルになっているとみなし、そのノズルを特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)と不吐出ノズルであることとを対応づけてRAM74の所定領域に記憶する(ステップS360)。このステップS360のあと又はステップS350でレベルVLが閾値Vthr以上のとき(つまり今回の検査対象ノズルが正常だったとき)、CPU72はすべてのノズル23につき検査を実施したか否かを判定し(ステップS370)、いまだ検査を行っていないノズルがあるときには、検査対象ノズルを未検査のものに更新し(ステップS380)、その後再びステップS330以降の処理を行う。一方、ステップS370で全てのノズル23の検査を実施したならば、電圧印加回路53のスイッチSWをオフにし(ステップS390)、このノズル検査ルーチンを終了する。
さて、図5の初期充填処理ルーチンに戻り、ステップS130でノズル検査ルーチンを実行した後、RAM74に不吐出ノズルが記憶されているか否かを判定し(ステップS140)、不吐出ノズルが記憶されていたならばその不吐出ノズルの総数が所定数mを超えているか否かを判定する(ステップS150)。ここで、所定数mは、全ノズル数720個の5割に相当する360個とする。そして、ステップS140,S150のいずれかでで否定判定されたならば、そのまま本ルーチンを終了する。この場合、インク残量は、ステップS120で更新した値のままとなる。一方、ステップS140,S150の両方で肯定判定されたならば、インク消費量を変更する(ステップS160)。すなわち、ステップS120はインク消費量を所定量Cとして取り扱ったが、ステップS160では不吐出ノズル数が存在しその総数が所定数mを超えていることから、実際のインク消費量はそれらの不吐出ノズルの分だけ少なかったと考えられる。したがって、インク消費量を所定量Cではなく、それよりも少量に変更する。ここでは、インク消費量を所定量Cの半分に変更するものとする。上述したように、所定数mは全ノズル数の半数であるため、実際のインク消費量は所定量Cの半分以下になっている可能性もあるが、安全をみて所定量Cの半分としている。安全をみてとは、実際にインク切れになっているのにインク切れになっていないと推定するのは印刷ヘッド24にとって好ましくないため、インク消費量の推定値が実際のインク消費量を下回らないようにすることを意味する。このようにしてインク消費量を変更したあと、インク残量を再更新する(ステップS170)。具体的には、ステップS120で更新されたインク残量に所定量Cを加えて本ルーチンを開始する前のインク残量に戻し、そこから変更後のインク消費量を減算した値を新たなインク残量としてRAM74に記憶する。
続いて、本ルーチンで実行したクリーニングの回数が所定回数n(nは自然数、例えば3回とか4回)未満か否かを判定し(ステップS180)、所定回数n未満ならば、再びステップS110以降の処理を実行する。すなわち、不吐出ノズルがなくなるかその数が所定数m未満となるようクリーニングを再度実行するのである。一方、ステップS180でクリーニングの回数が所定回数nに達していたならば、クリーニングでは不吐出ノズルをなくしたりその数を所定数m未満にすることはできないとみなし、図示しない表示パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS190)、本ルーチンを終了する。こうすることにより、クリーニング後にノズル検査で不吐出ノズルが存在しその数が所定数mを超える場合のクリーニング時のインク消費量を精度よく推定することができる。なお、所定数mを全ノズル数の5割としたのは、これより少ない個数だとインク残量の推定に大きな影響を与えないからである。また、実際にインク切れになっているのにインク切れでないと推定されるのは印刷ヘッド24などに悪影響が出るおそれがあるため、全ノズル数の5割未満であれば所定量Cのインクが消費されたものとして取り扱うのが好ましいからである。
次に、ノズル処理ルーチンについて図7に基づいて説明する。図7は、ノズル処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、プリンター20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとにCPU72により実行される。
ノズル処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、ノズル検査タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS500)。ノズル検査タイミングは、例えば電源オン直後や印刷ジョブに基づく印刷処理を開始するごと、所定枚数の印刷が終了するごと、所定パス数のキャリッジ22の移動が終了するごとなどに設定されている。ステップS500で未だノズル検査タイミングが到来していなければ、そのまま本ルーチンを終了する。一方、ステップS500でノズル検査タイミングが到来したならば、図6に示す既述のノズル検査ルーチンを実行し(ステップS510)、その後、RAM74に不吐出ノズルが記憶されているか否かを判定し(ステップS520)、不吐出ノズルが記憶されていたならばその不吐出ノズルの総数が所定数mを超えているか否かを判定する(ステップS530)。このステップS520,S530は既述のステップS140,S150と同じである。そして、ステップS520,S530のいずれかで否定判定されたならば、クリーニングフラグFをゼロにリセットし(ステップS620)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS520,S530の両方で肯定判定されたならば、クリーニングフラグFが値1か否かを判定する(ステップS540)。ここで、クリーニングフラグFは、電源オン時に初期値ゼロにリセットされ、クリーニングを実行したときに値1にセットされ、クリーニングを実行していないときやクリーニングの実行後にインク消費量の推定値が確定したときにゼロにリセットされるフラグである。
いま、ノズル検査の実行後に初めてステップS540の判定を行う場合を考えると、クリーニングフラグFはゼロのためステップS540で否定判定され、ステップS570へ進んでクリーニングフラグFをゼロにリセットし(ステップS570)、本ルーチンで実行したクリーニング回数が所定回数n未満か否かを判定する(ステップS580)。この判定では肯定判定されるため、既述のクリーニングを実行する(ステップS590)。そして、クリーニングの実行後、クリーニングフラグFに値1をセットし(ステップS600)、RAM74のインク残量を更新し(ステップS610)、ステップS510に戻る。ステップS610では、RAM74から読み出したインク残量から所定量Cを減算した値を新たなインク消費量としてRAM74に記憶する。ステップS510に戻ったあと、ノズル検査ルーチンを実行し(ステップS510)、ステップS520,S530で不吐出ノズルが存在ししかもその総数が所定数mを超えていたならば、ステップS540へ進んでクリーニングフラグFが値1か否かを判定する。
いま、クリーニングフラグFが値1であるため、ステップS540で肯定判定される。そして、不吐出ノズルは前回のノズル検査結果と同じか否かを判定する(ステップS545)。不吐出ノズルが前回のノズル検査結果と同じでなければ、今回の不吐出ノズルはクリーニング中やクリーニング直後に詰まりが発生して不吐出になった可能性があるため、インク消費量の変更やインク残量の再更新を行うことなく、ステップS570に進む。この場合、インク消費量の推定値は所定量Cに確定され、インク残量の推定値はステップS610で求めた値に確定される。一方、ステップS545で不吐出ノズルが前回のノズル検査結果と同じであれば、クリーニング中もその不吐出ノズルからインクは吐出されていないため、クリーニング時のインク消費量は所定量Cよりも少なくなる。このため、インク消費量の変更(ステップS550)、インク残量の再更新(ステップS560)を行い、クリーニングフラグFをゼロにリセットする(ステップS570)。なお、ステップS550,S560は、既述のステップS160,S170と同じである。つまり、ステップS550では、インク消費量を所定量Cの半分に変更し、ステップS560では、前回のステップS610で更新されたインク残量に所定量Cを加えて本ルーチンを開始する前のインク残量に戻し、そこから変更後のインク消費量を減算した値を新たなインク残量としてRAM74に記憶する。その後、クリーニング回数が所定回数n未満か否かを判定し(ステップS570)、所定回数n未満ならば再びステップS580〜S600の処理を実行したあとステップS500へ戻る。一方、クリーニング回数が所定回数nに達したならば、エラーメッセージを表示し(ステップS630)、本ルーチンを終了する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のプリンター20が本発明の流体吐出装置に相当し、インクカートリッジ26が収容容器に相当し、印刷ヘッド24がヘッドに相当し、インク受け領域52が検査領域に相当し、CPU72が制御手段に相当する。なお、本実施形態では、プリンター20の動作を説明することにより、本発明の流体吐出装置の制御方法の一例も明らかにしている。
以上説明した本実施形態によれば、クリーニングを実行したあとノズル検査を実行し、そのノズル検査の結果、不吐出ノズルが存在し且つその総数が所定数mを超えたならば、クリーニング時に不吐出ノズルから強制吐出されるはずだったインク量を所定量Cの半分とみなし、それを所定量Cから差し引いた分をクリーニング時のインク消費量(変更後のインク消費量)として取り扱う。こうすることにより、クリーニング後にノズル検査で不吐出ノズルが存在した場合の該クリーニング時のインク消費量を精度よく推定することができ、ひいてはインク残量も精度よく推定することができる。また、不吐出ノズルの総数が所定数mを超えた場合には、実際のインク消費量が所定量Cから大きくずれるため、本発明を適用する意義が高い。
また、初期充填時のように新たなインクカートリッジ26を装着したときには、印刷ヘッド24のインク供給路69に空気が残っていることが多く、クリーニング後に不吐出ノズルが多く存在することがあるため、本発明を適用する意義が高い。
更に、ノズル処理ルーチンでは、再度実行したノズル検査の結果、依然として同じ不吐出ノズルが存在した場合には、その不吐出ノズルはクリーニング中もずっとインクを吐出していなかった可能性がきわめて高いため、本発明を適用する意義が高い。
更にまた、印刷ヘッド24をキャップ42で密閉したあと吸引してクリーニングを行うため、クリーニング時のインク消費量が多く、精度よく推定することが求められる。したがって、本適用する意義が高い。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、不吐出ノズルが存在し且つその総数が所定数mを超えたときにインク消費量を所定量Cから変更したりその変更後のインク消費量に基づいてインク残量を再更新したりしたが、不吐出ノズルが存在したならばその総数によらずインク消費量を所定量Cから変更したりその変更後のインク消費量に基づいてインク残量を再更新したりしてもよい。こうすれば、よりきめ細かい推定が可能となる。このとき、ノズル1つあたりのクリーニング時の吐出量を予め経験的に定めておき、それに不吐出ノズルの数を乗算した値を所定量Cから減算し、その減算した値を変更後のインク消費量としてもよい。あるいは、不吐出ノズルの総数が少ないほど値1に近く多いほどゼロに近くなるような補正係数を設定し、不吐出ノズルの総数に応じた補正係数を所定量Cに乗算した値を変更後のインク消費量としてもよい。なお、不吐出ノズルの総数が全ノズル数と一致した場合、印刷ヘッド24とキャップ42との間に異物が挟まり負圧が発生しなかったと考えられるため、この場合には変更後のインク消費量はゼロ(補正係数ゼロ)とするのが好ましい。
上述した実施形態では、クリーニングとして印刷ヘッド24をキャップ42で密閉したあと吸引して行う方法を採用したが、クリーニングとして従来から行われているフラッシング(吸引せずにインクを何度も吐出する動作)を採用してもよい。また、ステップS110やステップS590のクリーニングは、クリーニング回数が増えるにつれインク消費量を所定量Cから増量するようにしてもよい。
上述した実施形態では、インク滴の吐出に伴う印刷ヘッド24と電極部材44との電圧変化を利用してノズル検査を行ったが、レーザー光を利用してノズル検査を行ってもよい。すなわち、キャップ42内に図8に示すように発光素子102と受光素子104とを設置し、発光素子102から発射され受光素子104に入射するレーザー光と所定のノズル23から吐出されるインクとが交差する位置に印刷ヘッド24を配置し、該ノズル23からインクが吐出されるように作動したあと受光素子104の出力信号に基づいてレーザー光がインクに遮断されたか否かを判定し、遮断されたときには実際にノズル23からインクが吐出されたものとする。その後、次のノズル23から吐出されるインクと光線とが交差する位置に印刷ヘッド24を配置し、先ほどと同様にして実際にインクが吐出されるか否かを検査する。このようにしても、インクを利用したノズルの検査を行うことができる。なお、このような検査方法の詳細については、特開2005−35309に開示されている。
上述した実施形態では、キャップ42内の電極部材44をインク吸収部材43の上面に配置したが、インク吸収部材43の中段に挟み込むように配置してもよい。この場合、インク吸収部材43は導電性を有していてもよいが、インクが水溶性であり導電性を有するためインク吸収部材43は不導体でもよい。また、図9に示すように、電極部材44の代わりに、ノズル23から吐出されたインクが通過する位置の近傍に電極部材144を設け、その電極部材144の近傍をインクが通過する際に生じる電気的変化を電圧検出回路54で検出し、その検出結果によりインクの吐出状態を検出するものとしてもよい。なお、電極部材144は、インクの通過に伴う電気的変化を検出可能なものとすれば、電極板としてもよいし、電気線としてもよい。
上述した実施形態では、印刷ヘッド24をグランドに接続し、電極部材44に電圧を印加することにより印刷ヘッド24と電極部材44との間に電位差を生じさせるものとしたが、電極部材44をグランドに接続し、印刷ヘッド24に電圧を印加することにより印刷ヘッド24と電極部材44との間に電位差を生じさせるものとしてもよい。また、グランドに接続する側の電極の電位はグランドに限らず、電圧印加回路53の電圧と異なる電位であって、この電圧印加回路53の電圧との間に所定の電位差を与える電位であればよい。なお、印刷ヘッド24において所定の電位を与える電極は、ノズルプレートやヘッド内の電極など、印刷ヘッド24内のインクと導通してインクに電位を与えることが可能な電極であればよい。
上述した実施形態では、両回路53,54を共に電極部材44に接続したが、両回路53,54を共に印刷ヘッド24に接続したり、両回路53,54の一方を電極部材44及び印刷ヘッド24の一方に接続すると共に両回路53,54の他方を電極部材44及び印刷ヘッド24の他方に接続してもよい。
上述した実施形態では、検査領域をキャップ42内に設けたが、特にこれに限定されず、印刷ヘッド24の移動可能な領域に新たに設けるものとしてもよいし、いわゆるフラッシング領域で代用してもよい。
上述した実施形態では、印刷ヘッド24は、圧電素子66に電圧を印加し、この圧電素子66を変形させてインクを加圧する方式としたが、発熱抵抗体(例えばヒーターなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。また、インクカートリッジ26は、往復動するキャリッジ22に搭載したいわゆるオンキャリッジの構成としたが、メカフレーム39に装着されチューブにより印刷ヘッド24へインク等を供給するいわゆるオフキャリッジの構成としてもよい。
上述した実施形態では、インクを記録紙Pへ吐出するプリンター20に具体化した例を示したが、印刷ヘッド24と電極部材44との間に電位差を設けてノズルからインクが吐出されたか否かを検出可能なものとすれば、特に限定されずに本発明を適用することができる。例えば、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを吐出する印刷装置としてもよいし、流体として吐出可能な固体を吐出する印刷装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ及びカラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を吐出する液体吐出装置、同材料を分散した液状体を吐出する液状体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置としてもよい。また、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、ジェルを吐出する流状体吐出装置、トナーなどの粉体を吐出する粉体吐出式記録装置としてもよい。
上述した実施形態では、プリンター20を本発明の流体吐出装置として説明したが、原稿を読み取り可能なスキャナユニットを備えたマルチファンクションプリンターや、FAX機能を有するFAX装置としてもよい。
20 プリンター、21 印刷機構、22 キャリッジ、22a インク供給針、23,23C,23M,23Y,23K ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダー、26 インクカートリッジ、26a インク供給口、27 ノズルプレート、28 キャリッジ軸、29 プラテン、30 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モーター、34a キャリッジモーター、34b 従動ローラー、35 紙送りローラー、39 メカフレーム、40 キャッピング装置、41 シーリング部材、42 キャップ、42a 支持棒、42b 吸引ポンプ、42c 大気開放弁、43 インク吸収部材、44 電極部材、45 電極ピン、47 昇降装置、50 ノズル検査装置、51 回路ケース、52 インク受け領域、53 電圧印加回路、54 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c A/D変換回路、60 ヘッド駆動波形生成回路、62 ヘッド駆動用基板、63 フラットケーブル、64 マスク回路、65 キャビティプレート、65a インク室、66 圧電素子、67 振動板、68,68C,68M,68Y,68K ノズル列、69 インク供給路、70 コントローラー、72 CPU、73 フラッシュROM、74 RAM、75 インターフェース、102 発光素子、104 受光素子、110 ユーザーパソコン、144 電極部材、P 記録紙、R1 抵抗素子、SW スイッチ。

Claims (8)

  1. 内部に流体が収容された収容容器と、
    複数のノズルを有し、該ノズルからターゲットに向けて前記収容容器から供給される流体を吐出可能なヘッドと、
    前記ヘッドと対向可能な位置に設けられ、前記ヘッドのノズルから吐出された流体を受けることが可能な検査領域と、
    前記複数のノズルから予め定められた所定量の流体を強制吐出させるクリーニングを実行した後、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させた状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに実際に流体が吐出したか否かを判定するノズル検査を実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち流体を吐出しなかった不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱う制御手段と、
    を備えた流体吐出装置。
  2. 前記クリーニングは、前記収容容器から前記ヘッドへ初期充填を行うための初期充填クリーニングである、
    請求項1に記載の流体吐出装置。
  3. 前記制御手段は、前記クリーニングを実行する前に前記ノズル検査を実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニングを実行し、該クリーニングを実行した後、前記ノズル検査を再度実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち依然として同じ不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱う、
    請求項1に記載の流体吐出装置。
  4. 前記制御手段は、前記ノズル検査の結果、不吐出ノズルが存在したならば該不吐出ノズルが予め定められた所定数又は所定割合を超えたか否かを判定し、前記所定数又は所定割合を超えたならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱う、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体吐出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体吐出装置であって、
    前記ヘッドと対向可能な位置に設けられ、前記ヘッドを密閉して前記複数のノズルから前記収容容器内の流体を吸引可能なキャップ
    を備え、
    前記制御手段は、前記クリーニングを実行する際、前記ヘッドと前記キャップとを対向させた状態で前記ヘッドを前記キャップで密閉したあと吸引することにより、前記複数のノズルから前記所定量の流体を強制吐出させる、
    流体吐出装置。
  6. 前記制御手段は、前記ノズル検査を行うにあたり、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させ且つ前記ヘッドと前記検査領域との間に所定の電圧を印加した状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに、実際に流体が吐出したか否かを前記ヘッドと前記検査領域との間の電気的変化に基づいて判定する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体吐出装置。
  7. 前記検査領域は、発光素子と該発光素子から発せられた光を受ける受光素子とを備え、
    前記制御手段は、前記ノズル検査を行うにあたり、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させ且つ前記発光素子から発せられた光と前記ノズルから吐出される流体とが交差する位置に前記ヘッドを配置した状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに、実際に流体が吐出したか否かを前記受光素子の出力信号に基づいて判定する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体吐出装置。
  8. 内部に流体が収容された収容容器と、複数のノズルを有し該ノズルからターゲットに向けて前記収容容器から供給される流体を吐出可能なヘッドと、前記ヘッドと対向可能な位置に設けられ前記ヘッドのノズルから吐出された流体を受けることが可能な検査領域と、を備えた流体吐出装置を制御する方法であって、
    前記複数のノズルから予め定められた所定量の流体を強制吐出させるクリーニングを実行した後、前記ヘッドと前記検査領域とを対向させた状態で各ノズルから前記検査領域に向かって流体が吐出されるよう前記ヘッドを駆動したときに実際に流体が吐出したか否かを判定するノズル検査を実行し、該ノズル検査の結果、前記複数のノズルのうち流体を吐出しなかった不吐出ノズルが存在したならば、前記クリーニング時に前記不吐出ノズルから強制吐出されるはずだった流体量を前記所定量から差し引いた分を前記クリーニング時の流体消費量として取り扱う、
    流体吐出装置の制御方法。
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