JP5606917B2 - 短繊維を含む複合糸が一体化された釣糸 - Google Patents

短繊維を含む複合糸が一体化された釣糸 Download PDF

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Description

本発明は、釣糸に関するものであり、さらに詳しくは、短繊維を含む複合糸が一体化された釣糸に関するものである。
近年、釣糸の進化はめざましく、様々な釣りの態様に応じた特性の釣糸が開発されている。なかでも超高分子量ポリエチレン繊維や、アラミド繊維、PBO繊維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維などの高強力繊維を用い複数の繊維を複合した芯鞘構造の製紐糸やカバーリング糸は、その高強力な特性や耐久性、低伸度で魚信を捉え易いといった特徴があり注目されている。
複数の繊維を複合した芯鞘構造の釣糸としては、芯糸に合成樹脂マルチフィラメント糸条を配し、その周りに鞘糸として合成樹脂マルチフィラメントの撚り糸を巻回したカバーリング糸であって、芯糸と鞘糸のなす角度と撚り糸の撚り角度との差を25度以下にすることにより、優れた破断強度と結節強度を持ち、かつ低伸度で耐磨耗性に優れた釣糸(特許文献1参照)、フッ素繊維のマルチフィラメント繊維を芯糸とし、外周に超高分子量ポリエチレン繊維を配置して組上げることにより、水面下に沈み、風などの影響を受け難く、しかも耐磨耗性などに強い釣糸(特許文献2参照)、ガラス繊維からなる芯糸と、複数本のガラス繊維以外の繊維からなる鞘糸で製紐され、かつ芯糸と鞘糸および鞘糸同士がバインダー樹脂により一体化された伸度5%以下の糸条(特許文献3参照)が既に知られている。
しかし、これらの従来の芯鞘構造の釣糸は、芯部と鞘部の絡合性、拘束性に欠け、芯部と鞘部が分離し、芯糸が抜ける状態のいわゆるヌードヤーンの発生、また釣竿のガイドなどとの摩擦により鞘部が分離し浮遊することでコブ(いわゆるネップ)が発生する問題があった。
また、芯部と鞘部が熱融着やバインダーにより一体化された釣糸は、糸条そのものが硬くなってしまい、巻癖がつきやすく、操作性が悪いといった問題があった。
また、超高分子量ポリエチレンフィラメントなどの超強力繊維からなる釣糸は、比重が比較的小さいために風や潮の影響を受けやすく、また潮流の早い場所や水深の深い場所では魚のいる棚に釣り糸を迅速かつ的確に投入できないという問題があった。近年悪天候時や潮流が激しく変化する海域では、それぞれの状況に応じて最適の比重を有する釣糸を使用したいとの市場からの要求があり、比重が1.0以上の、しかも好ましくは比重が1.0以上の範囲で比重調整可能な糸条の開発が要望されてきた。
一方、複数の糸に樹脂をコーティングして一体化させた釣糸が知られている。例えば、複数本のフィラメント糸をホットメルト接着剤で一体化することにより、モノフィラメントからなる釣糸と製紐糸からなる釣糸の利点を併せ有する釣糸(特許文献4参照)、複数本のポリオレフィン繊維からなる糸の表面を金属粉体を分散させた樹脂でコーティングし、比重を大きくした釣糸(特許文献5参照)などが知られている。
特開平09−31786号公報 特開平08−140538号公報 特開2004−308047号公報 特開2003−116431号公報 特開平04−335849号公報
本発明は、上記従来の芯鞘構造の釣糸が有する問題点を解決し、芯鞘構造が堅固でヌードヤーンやネップの発生がなく、操作性に優れ、比重調整可能であり、さらに、引っ張り強度に優れ、高い耐候性および耐水性を有し、含水率が低く、伸度が低く、切断部における構成繊維のばらけがない釣糸を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の発明を包含する。
(1)芯鞘構造の複合糸からなる釣糸であって、前記複合糸は、短繊維を含有する芯糸で構成される芯部と、長繊維を含有する鞘糸で構成される鞘部とからなり、芯糸および鞘糸が接着性樹脂で一体化されていることを特徴とする釣糸。
(2)芯糸が、短繊維の単糸が重なり、交絡され、または交撚されていることを特徴とする前記(1)に記載の釣糸。
(3)芯糸の短繊維の繊維長が5〜500mmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の釣糸。
(4)芯糸の短繊維の比重が1.0以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の釣糸。
(5)芯糸の短繊維の使用が釣糸の比重調整目的であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の釣糸。
(6)芯糸の短繊維が、合成繊維、再生繊維、金属繊維、セラミック繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる1種類以上の繊維からなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の釣糸。
(7)芯糸の短繊維が、ポリエステル繊維、ガラス繊維またはフッ素樹脂からなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の釣糸。
(8)鞘糸の長繊維が超強力繊維からなることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の釣糸。
(9)鞘糸の超強力繊維からなる長繊維が複合糸全体の12重量%以上であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の釣糸。
(10)超強力繊維が分子量30万以上の超高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする前記(8)または(9)に記載の釣糸。
(11)鞘部が、芯糸の周りに鞘糸を製紐することにより構成されていることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の釣糸。
(12)鞘部が、芯糸の周りに鞘糸を捲回していることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の釣糸。
(13)鞘部の長繊維と芯部の短繊維が交絡していることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の釣糸。
(14)複合糸の製造過程において加熱下または非加熱下に延伸された経歴を有する前記(1)〜(13)のいずれかに記載の釣糸。
(15)長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維からなり、短繊維がフッ素樹脂繊維からなることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の釣糸。
(16)接着性樹脂が、ホットメルト接着剤であることを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の釣糸。
(17)接着性樹脂が、ポリオレフィン共重合体、ポリエステル共重合体またはポリアミド共重合体であることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の釣糸。
(18)ホットメルト接着剤が、反応型ホットメルト接着剤であることを特徴とする(16)または(17)に記載の釣糸。
(19)接着性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂と、ガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂とを含むことを特徴とする前記(1)〜(18)のいずれかに記載の釣糸。
(20)ポリオレフィン系樹脂が、(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物と、(A2)エチレン系炭化水素と、(A3)アクリル酸エステル、マイレン酸エステル、ビニルエステルおよびアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする前記(19)に記載の釣糸。
(21)接着性樹脂が、金属粒子を含有していることを特徴とする前記(1)〜(20)のいずれかに記載の釣糸。
(22)複数の芯糸、または、複数の鞘糸が、引き揃えられ、撚り合わされ、または製紐されていることを特徴とする(1)〜(21)のいずれかに記載の釣糸。
(23)最外層が樹脂によってコーティングされていることを特徴とする前記(1)〜(22)のいずれかに記載の釣糸。
本発明によれば、芯鞘構造が堅固で、芯部と鞘部との乖離または剥離が実質的に起こらないためヌードヤーンやネップの発生がなく、キンクや捩れ、リールの巻き癖、スプ−ルへの食い込みが発生しにくい操作性に優れた釣糸を提供することができる。また、優れた引っ張り強度を有し、高い耐候性および耐水性を有する釣糸を提供することができる。さらに、屈曲性、柔軟性を有し、比重1.0以上の範囲で比重調整可能な付加価値および汎用性の高い釣糸を提供することができる。
本発明の釣糸は、芯鞘構造の複合糸からなる釣糸であり、当該釣糸を構成する複合糸は、短繊維を含有する芯糸で構成される芯部と、長繊維を含有する鞘糸で構成される鞘部とからなり、芯糸および鞘糸が接着性樹脂で一体化されている複合糸である。最初に、本発明の釣糸を構成する複合糸について説明する。
複合糸の鞘部を構成する鞘糸としては、モノフィラメント、マルチフィラメントまたはモノマルチフィラメントのいずれか少なくとも1種以上のフィラメント複数本からなるフィラメント糸が好適である。
複合糸の鞘部を構成する鞘糸に使用される合成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリルニトリル系などの合成樹脂からなる繊維が挙げられる。これらの合成繊維は、JIS L 1013「化学フィラメント糸試験方法」に従って、引張試験機(例えば、東洋精機製作所株式会社製 ストログラフR引張試験機)で測定した引張強度が通常8.8cN/dtexを越え、好ましくは17.6cN/dtex以上、より好ましくは22.0cN/dtex以上、最も好ましくは26.5cN/dtex以上である。合成繊維からなる鞘糸は、モノフィラメントであれば繊度が11dtex〜3300dtex程度のものが好ましく、モノマルチフィラメントであれば、モノフィラメントを複数本、好ましくは3〜50本程度合糸したものが好ましい。また、マルチフィラメントであれば、モノフィラメント複数本、好ましくは10〜600本程度を合糸したものが好ましい。合成繊維からなる鞘糸は、単一の繊維からなっていてもよいし、2種以上の繊維からなっていてもよい。
合成繊維としては、超強力繊維が好ましく、超高強力繊維が特に好ましい。超高強力繊維としては、分子量30万以上、好ましくは50万以上の超高分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、芳香族ポリアミド系(アラミド)繊維、ヘテロ環高性能繊維、全芳香族ポリエステル系繊維等が挙げられ、中でも、分子量50万以上の超高分子量ポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維が好ましい。超高分子量ポリエチレンについてさらに付言すれば、より好ましくは分子量100万以上を有し、ホモポリマーの他、炭素原子数3〜10程度の低級α−オレフィン類例えばプロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン等との共重合体も含むものである。エチレンとα−オレフィンとの共重合体の場合、後者の割合は炭素数1000個当たり平均0.1〜20個程度、好ましくは平均0.5〜10個程度である。このような割合とすることにより、共重合体は高強度などの優れた機械的性質を示す。超高分子量ポリエチレンの製造方法は、たとえば特開昭55−5228号公報、特開昭55−107506号公報などに開示されている。
また、合成繊維は超高強力繊維と超高強力繊維以外の合成繊維から構成されていてもよい。超高強力繊維以外の合成繊維の含有率は、超高強力繊維に対し、重量比で1/2以下、好ましくは1/3以下、より好ましくは1/4以下である。
複合糸で用いる超高強力繊維としては、上記アラミド繊維の弾性率を高めるために、アラミド繊維のアミド結合の部分に改良を加えたヘテロ環高性能繊維を用いてもよい。ヘテロ環高性能繊維としては、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)等からなる繊維が挙げられる。ヘテロ環高性能繊維は、PBZT樹脂またはPBO樹脂を化学合成し、これを適当な溶剤に溶解し、乾式紡糸により紡糸し、延伸して繊維とすることができる。溶剤としては、メチルスルホン酸などの異方性溶液、ジメチルアセトアミド−LiClなどが挙げられる。
複合糸の鞘部を構成する鞘糸は、マルチフィラメント、モノフィラメントまたはモノマルチフィラメントの複数本フィラメントを引き揃えまたは撚合わせた形態で使用される。撚糸である場合、撚係数Kは0.2〜1.5、好ましくは0.3〜1.2、更に好ましくは0.4〜0.8である。
複合糸の鞘部は、通常、芯部の周りを、複数本の鞘糸を引き揃えまたはより合わせた糸条で製紐している構造、または捲回している構造となっている。製紐の場合、組角が5°〜90°、好ましくは5°〜50°、更に好ましくは20°〜30°である。
複合糸の芯部を構成する芯糸に含有される短繊維は、繊維長が5〜500mm、好ましくは10〜300mmの短繊維、より好ましくは15〜200mmの短繊維(ステープル)である。
複合糸の芯部を構成する芯糸に含有される短繊維は、比重が1.0以上であることが好ましい。複合糸の鞘部を構成する鞘糸に含有される長繊維は、比重が0.98である分子量50万以上の超高分子量ポリエチレンが好適に利用される。鞘部に比重が1.0未満である繊維を用いる場合は、芯部に比重が1.0以上の短繊維を用いることにより、鞘部を構成する素材に固有の比重に限定されることなく、複合糸の比重を任意に調整することができる。複合糸の比重を任意に調整可能にすることにより、天候や潮流の変化に応じて、釣糸の比重を微妙に変えることができるので好ましい。
短繊維は、例えば長繊維を所定長さに切断またはけん切りすることによって製造される。また短繊維は、フィラメントを所定長さに切断またはけん切りすることによって製造されたステープル、ステープルを撚り合わせて得られたスパン糸(紡績糸)が延伸されることによって不規則に破断された繊維、あるいはマルチフィラメント、モノマルチフィラメントなどのフィラメント糸が延伸操作によって不規則に破断された繊維など種々の方法で製造されうる。
より好ましくは、芯部を構成する芯糸は、複数本の単糸からなり、複合糸の鞘部内で複数本の単糸がステープル状に配置され芯部を形成しているか、複数本の単糸が複合糸の長手方向に連続して芯部を構成するように配置されているか、または交絡、交撚しているのが好ましい。なかでも、短繊維の単糸が鞘部内で綿状物を形成している釣糸が好ましい。これでもって、複合糸は柔軟性に優れる。もっとも、短繊維は鞘部内で途切れることがないのが好ましい。
複合糸の芯部を構成する芯糸に含有される短繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系高分子、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系高分子、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系高分子、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂系高分子、ポリアクリルニトリル系、ポリビニルアルコール系高分子などの合成樹脂からなる繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、鉄、銅、亜鉛、錫、ニッケル、タングステンなどの金属繊維、セラミック繊維、ガラス繊維などの少なくとも1の繊維からなる。ガラス繊維としては、電気的、機械的性質に優れたいわゆるEガラス、耐薬品性にすぐれたCガラス、Cガラスのアルカリ含量を下げるとともにチタンと亜鉛系融剤を用いたECRガラス、さらにはAガラス、Lガラス、Sガラス、YM31−Aガラス等が挙げられる。なかでも、本発明の釣糸を構成する複合糸で使用するのが好ましいガラス繊維は、酸化ボロンおよびフッ素を含まず、SiO−TiO−Al−RO(RはCa、Mg等の2価金属)またはSiO−Al−RO(Rは前記と同義)で示される組成を有するガラスである。
また、上記したフッ素樹脂系高分子とは、通常分子中フッ素原子を含む樹脂から繊維化されたものを示し、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレンおよびパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、エチレンおよびテトラフルオロエチレンの共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、3フッ化クロロエチレン(PCTFE)、ポリビニルデンフルオライド(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。
短繊維の強度は4.4cN/dtex以下であるのが好ましい。短繊維の単糸繊度が11dtex以下であるのが好ましい。
本発明の釣糸を構成する複合糸において、芯部を構成する芯糸に含有される短繊維どうしは独立していてもよいし、緩やかに結合して交絡または交撚されていてもよい。短繊維は、長繊維または紡績糸が破断されたものであるのが好ましい。
本発明の釣糸を構成する複合糸は、短繊維を含有する芯糸で構成される芯部と好ましくは合成繊維製の長繊維を含有する鞘糸で構成される鞘部とからなる複合糸であり、芯部を構成する芯糸に含有される短繊維の毛羽部分が鞘部を構成する鞘糸に含有される長繊維間に侵入、あるいは長繊維に絡み芯鞘層間の摩擦係数が増大した構造をしているのが好ましい。また、当該複合糸は、芯部を構成する芯糸に含有される短繊維と鞘部を構成する鞘糸に含有される長繊維とが、短繊維の毛羽部を介して、交絡または包絡しているのが好ましい。芯部の短繊維は目的を阻害しない範囲で、収束剤で処理されて収束されているものであってもよい。この処理によって短繊維の毛羽の度合いを調整し、表面の滑らかな複合糸を得ることができる。収束剤は公知のものが便宜に使用できる。
本発明の釣糸は、上記に説明した芯糸と鞘糸とが接着性樹脂で一体化されてなる釣糸である。芯糸および鞘糸が接着性樹脂で一体化されることにより、糸条の伸度を低く保つとともに、耐磨耗性のみならず、耐水性または耐候性なども向上させることができる。
本発明の釣糸に用いられる接着性樹脂は、芯糸および鞘糸を一体化させることができるものであれば特に限定されず、公知の接着性樹脂を使用することができる。公知の接着性樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
本発明の釣糸に用いられる接着性樹脂としては、ポリオレフィン共重合体、ポリエステル共重合体またはポリアミド共重合体が好適に用いられる。なかでも、ポリエチレンやポリプロピレン等を主体とするポリオレフィン共重合体からなるポリオレフィン系樹脂であって、約50℃程度の温度による約10秒程度の加熱でも軟化し得る軟質の樹脂が好ましい。また、融点が100℃前後で、溶融時には低粘度であるポリオレフィン系樹脂などの加熱接着性樹脂が好ましい。このようなポリオレフィン系樹脂は、短時間の加熱であっても容易に流動性を示し、速やかに複合糸の表面のみならず中心まで拡散浸透していくことができるので、優れた接着機能を果たすことができる。
また、本発明の釣糸に用いられる接着性樹脂としては、ホットメルト接着剤が好適に用いられる。ホットメルト接着剤とは、熱可塑性高分子を主体とする固形分100%の接着剤であって、熱溶融させて粘度を低くして塗布された後、冷却とともに固化し、接着力を発揮する接着剤をいう。本発明の釣糸に用いられるホットメルト接着剤は、前述のようなものであれば特に限定されず、公知のホットメルト接着剤を使用することができる。好ましくは、硬化後に約100℃程度以下では溶融しないホットメルト接着剤が用いられる。釣糸の運搬時または保存時にホットメルト接着剤が溶け出し、例えばスプールに巻かれた状態で固化するのを防止するためである。また、ホットメルト接着剤の融点は、複合糸を構成する繊維の融点よりも低いほうが好ましい。
本発明の釣糸に用いられるホットメルト接着剤としては、ベースポリマーの種類により、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤、ポリエチレン系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、熱可塑性ゴム系接着剤、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)系接着剤、ポリ酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリカーボネート(PC)系接着剤等が挙げられる。なかでもポリエチレン系接着剤またはポリオレフィン系接着剤が好ましい。
本発明の釣糸に用いられるホットメルト接着剤としては、反応型ホットメルト接着剤が好ましい。反応型ホットメルト接着剤では接着後に架橋反応が起こり、耐熱性が向上する。具体的には、反応型ホットメルト接着剤を比較的低温で溶融させ、複数の複合糸に塗布または含浸させ一旦硬化すると、当該接着剤は、低温、具体的には約100℃以下の温度では溶融しなくなる。そのため、反応型ホットメルト接着剤を用いれば、釣糸の運搬時または保存時にホットメルト接着剤が溶け出す可能性を極力低くすることができる。
反応型ホットメルト接着剤は特に限定されず、公知のものを用いることができる。なかでも、接着剤塗布時に、比較的低温、具体的には約60〜130℃程度で溶融するものが好ましく、約70〜100℃程度の温度で溶融するものがより好ましい。
上記反応型ホットメルト接着剤としては、具体的には、架橋反応の種類により以下のような接着剤が挙げられる。例えば、(a)ポリマー中のカルボキシル基と多価金属イオンにより架橋反応を行わせるイオン架橋型ホットメルト接着剤;(b)接着後加熱硬化させる加熱架橋型ホットメルト接着剤;(c)二重結合を有するブロックコポリマーやポリエステルを利用し、電子線や紫外線などの高エネルギー線を照射することにより架橋反応を行わせるホットメルト接着剤;(d)溶融塗布後の空気中もしくは被着材中に存在する水分(湿気)と反応させることにより架橋を行わせる湿気硬化型ホットメルト接着剤;(e)種々の官能基を有するポリマーとそのポリマー中に存在する官能基と反応する添加剤またはポリマーを各々溶融し、塗布直前に混合塗布することにより2液を反応させ架橋構造を形成させるホットメルト接着剤等が挙げられる。
本発明の釣糸に用いられる反応型ホットメルト接着剤としては、加熱架橋型ホットメルト接着剤または湿気硬化型ホットメルト接着剤がより好ましく、さらに湿気硬化型ホットメルト接着剤が特に好ましい。
加熱架橋型ホットメルト接着剤として、具体的には、(a)ポリエステルもしくはコポリアミドの末端カルボキシル基もしくはアミノ基、または(b)分子末端もしくは側鎖に導入したイソシアネート基を、カプロラクタムまたはフェノール等のブロック剤でブロックしたブロックイソシアネートを含有するホットメルト接着剤が挙げられる。
湿気硬化型ホットメルト接着剤として、具体的には、アルコキシ基をポリマー中に導入したホットメルト接着剤、イソシアネート基やポリマー中に導入したホットメルト接着剤などが挙げられる。
また、さらに複数の芯糸または複数の鞘糸の一部として接着性樹脂フィラメントを使用してもよい。
また、本発明の釣糸に用いられる接着性樹脂として、鞘部に超高分子量ポリエチレンを用いた場合は、ポリオレフィン系樹脂と、ガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂とを含む樹脂が好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂と、ガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂とを含む樹脂は、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂(B)の質量比が97/3〜10/90の範囲が良好であり、耐ブロッキング性、超高分子量ポリエチレンフィラメントに対する接着性・収束性などの性能の点から95/5〜20/80が好ましく、90/10〜30/70がより好ましく、90/10〜40/60がさらに好ましく、85/15〜50/50が特に好ましい。(A)が97質量%を超えるときは、耐ブロッキング性の改善効果が小さく、(A)が10質量%未満のときは超高分子量ポリエチレンフィラメントに対する接着性・収束性が著しく低下してしまう。
[ポリオレフィン系樹脂(A)]
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂(A)は、(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物と、(A2)エチレン系炭化水素と、(A3)アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ビニルエステルおよびアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とから構成される変性ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。より好ましくは、下記式(1)、(2)を満たすものである。
(1) 0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5
(2) (A2)/(A3)=55/45〜99/1
(A1)成分は、ポリオレフィン系樹脂(A)中に0.01質量%以上5質量%未満含有していることが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上5質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以上5質量%未満であり、1〜4質量%が最も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、ポリウレタン樹脂(B)との混合性が不良になる。一方、(A1)成分の含有量が5質量%を超える場合には、ポリオレフィン系樹脂(A)の極性が高くなり、超高分子量ポリエチレンフィラメントに対する接着性・収束性が低下しやすい。このような(A1)成分としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸は、塩、酸無水物、ハーフエステル、ハーフアミドなどの誘導体になっていてもよい。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、この成分の共重合形態は特に限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等のいずれでもよい。
また、(A2)成分と(A3)成分との質量比(A2)/(A3)は、この2成分の合計量を100質量%とした場合55/45〜99/1の範囲であることが好ましく、超高分子量ポリエチレンフィラメントに対する良好な接着性・収束性を持たせるために、この範囲は60/40〜97/3であることがより好ましく、65/35〜95/5であることがさらに好ましく、70/30〜92/8であることが特に好ましく、75/25〜90/10であることが最も好ましい。(A3)成分の比率が1質量%未満では、ポリウレタン樹脂(B)との混合性が不良となる可能性がある。一方、化合物(A3)の含有量が45質量%を超えるとオレフィン由来の樹脂の性質が失われ、超高分子量ポリエチレンフィラメントに対する接着性・収束性が低下する。
(A2)成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン類が挙げられ、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
(A3)成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類などが挙げられ、これらの混合物を用いてもよい。この中で、(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが最も好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜、または、メタクリル酸〜」を意味する。
上記のような構成を有するポリオレフィン系樹脂(A)の具体例としては、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸三元共重合体、または、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体が最も好ましい。三元共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
アクリル酸エステル単位は、樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、その様な場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。
なお、本発明で用いる無水マレイン酸単位を含有するポリオレフィン系樹脂(A)中のマレイン酸単位は、乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸構造を取りやすく、一方、後述する塩基性化合物を含有する水性媒体中ではその一部、または全部が開環してマレイン酸、あるいはその塩の構造を取りやすくなる。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂(A)は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜500g/10分、好ましくは1〜400g/10分、より好ましくは2〜300g/10分、最も好ましくは2〜250g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン系樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、ポリウレタン樹脂(B)との混合性が不良になる可能性がある。一方、ポリオレフィン系樹脂(A)のメルトフローレートが500g/10分を超えると、硬くてもろくなり、超高分子量ポリエチレンフィラメントに対する接着性・収束性が低下する。
ポリオレフィン系樹脂(A)の合成法は特に限定されず、一般的には、ポリオレフィン系樹脂(A)を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。また、不飽和カルボン酸、あるいはその無水物はグラフト共重合(グラフト変性)されていてもよい。
[ポリウレタン樹脂(B)]
本発明で用いるポリウレタン樹脂(B)とは、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子であり、例えばポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られるものである。本発明においては、ポリウレタン樹脂(B)の構造は特に限定されないが、耐ブロッキング性の点から、ガラス転移温度が30℃以上である必要があり、さらに耐ブロッキング性や原糸の解除性の向上の点から、50℃以上が好ましく、60℃以上が特に好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂(B)は、ポリオレフィン系樹脂(A)との混合性の点から陰イオン性基を有していることが好ましい。陰イオン性基とは水性媒体中で陰イオンとなる官能基のことであり、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基などである。この中でもカルボキシル基を有していることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)を構成するポリオール成分としては、特に限定されず、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール類、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド単位を有するポリオール化合物、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオール類、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、ダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等が挙げられる。
また、ポリイソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族および脂環族の公知ジイソシアネート類の1種または2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例としては、トリレンジジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート、およびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。また、ジイソシアネート類にはトリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類を用いてもよい。
また、ポリウレタン樹脂(B)に陰イオン性基を導入するには、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基などを有するポリオール成分を用いればよく、カルボキシル基を有するポリオール化合物としては、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシル−プロピオンアミド等が挙げられる。
また、鎖長延長剤を用いて適宜ポリウレタン樹脂(B)の分子量を調整することもできる。こうした化合物としては、イソシアネート基と反応することができるアミノ基や水酸基などの活性水素を2個以上有する化合物が挙げられ、例えば、ジアミン化合物、ジヒドラジド化合物、グリコール類を用いることができる。
ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。その他、N−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等も挙げられる。更に、グルタミン酸、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジアミン型アミノ酸類も挙げられる。
ジヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシンジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどの不飽和ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジドなどが挙げられる。
グリコール類としては、前述のポリオール類から適宜選択して用いることができる。
本発明では上記のポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)からなる樹脂を塗布する方法については特に限定しない。溶融温度以上に加熱し、直接付与する方法、溶剤に溶解して付与する方法や水性分散体として付与する方法などが挙げられる。最も好ましい方法としては塗布量の調整や環境面の点から水性分散体を塗布する方法を挙げることができる。
水性分散体は、塗膜特性(特に耐水性)や衛生面の理由から、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことが好ましい。こうした化合物は塗膜形成後にも塗膜中に残存し、塗膜を可塑化して性能を悪化させたり、塗膜から溶出したりするからである。
「水性化助剤」とは、水性分散体の製造において、水性化の促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、または常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。また、「不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、不揮発性水性化助剤を積極的には添加しないことにより、得られる水性分散体が結果的にこれを含有しないことを意味する。不揮発性水性化助剤は添加量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で樹脂成分に対して0.1質量%未満添加しても差し支えない。
不揮発性水性化助剤としては、例えば、後述する乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子に相当するものとしては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
水性分散体において、ポリオレフィン系樹脂(A)のカルボキシル基(酸無水物を含む)およびポリウレタン樹脂(B)の陰イオン性基は、一部がアニオン化されていることが好ましい。アニオンの静電気的反発力によって樹脂微粒子間の凝集を防ぎ、水性分散体を安定させることができる。
[水性分散体の製造法]
本発明の水性分散体を得るには、ポリオレフィン系樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)の樹脂混合物を同時に1つの容器で水性化(水性媒体に分散すること)してもよいし、それぞれの樹脂の水性分散体を所望の組成になるように混合してもよく、後者の方法が好ましい。以下、この好ましい方法について詳述する。
[ポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体]
ポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体を得るための方法は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(A)と水性媒体とを密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。このとき、水性化に用いられる樹脂の形状は特に限定されないが、水性化速度を速めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。
容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。
この装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を50〜200℃、好ましくは60〜200℃の温度に保ちつつ、好ましくは5〜120分間攪拌を続けることにより樹脂を十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が50℃未満の場合は、樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える場合には、ポリオレフィン系樹脂(A)の分子量が低下する恐れがある。
この際に、前述の理由から、ポリオレフィン系樹脂(A)のカルボキシル基または酸無水物基をアニオン化するために、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂(A)中のカルボキシル基(酸無水物基1モルはカルボキシル基2モルとみなす)に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.0〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水分散液が着色する場合がある。
ここで添加される塩基性化合物としては、LiOH、KOH、NaOH等の金属水酸化物のほか、塗膜の耐水性の面からは塗膜形成時に揮発する化合物が好ましく、アンモニアまたは各種の有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の沸点は250℃以下であることが好ましい。250℃を超えると樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
また、ポリオレフィン系樹脂(A)の水性化の際には、有機溶剤を添加することが好ましい。有機溶剤の添加量はポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体100質量部に対して1〜40質量部であることが好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜20質量部が特に好ましい。なお、有機溶剤は、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱することで、その一部を系外へ除去(ストリッピング)することができ、最終的には、ポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体100質量部に対して1質量部以下とすることもできる。使用される有機溶剤の具体例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられ、低温乾燥性の点からイソプロパノールが特に好ましい。
[ポリウレタン樹脂(B)の水性分散体]
ポリウレタン樹脂(B)の水性分散体を得るための方法は特に限定されず、既述のポリオレフィン系樹脂(A)の水性化方法に準じ、ポリウレタン樹脂(B)を水性媒体に分散させることができる。このようなポリウレタン樹脂(B)の水性分散体は市販されており、三井武田社製のタケラックW−615、W−6010、W−6020、W−6061、W−511、W−405、W−7004、W−605、WS−7000、WS−5000、WS−5100、WS−4000(以上、アニオン性タイプ)、W−512A6、W−635(以上、ノニオン性タイプ)等を例示することができる。
上記した、ポリオレフィン系樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(B)それぞれの水性分散体を混合して、所望の樹脂比率の水性分散体を得ることができる。
水性分散体中の樹脂粒子の数平均粒子径(以下、mn)は、水性分散体の保存安定性が向上するという観点から、0.3μm以下が好ましく、低温造膜性の観点から0.2μm以下がより好ましく、0.1μm未満が最も好ましい。さらに、重量平均粒子径(以下、mw)に関しては、0.3μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましい。粒子径を小さくすることで、低温(例えば100℃以下、さらにはポリオレフィン系樹脂(A)の融点以下)での造膜性が向上し、透明な塗膜を形成することができる。粒子の分散度(mw/mn)は、水性分散体の保存安定性、及び低温造膜性の観点から、1〜3が好ましく、1〜2.5がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
水性分散体における、樹脂含有率は、成膜条件、目的とする樹脂塗膜の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、5〜45質量%が特に好ましい。
水性分散体には、耐水性、耐溶剤性などの各種の塗膜性能をさらに向上させるために、架橋剤を水性分散体中のポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)との合計100質量部に対して0.01〜60質量部、好ましくは0.1〜30質量部添加することができる。架橋剤の添加量が0.01質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さく、100質量部を超える場合は、加工性等の性能が低下してしまう。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
さらに、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を水性分散体に添加することもできる。
また、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)からなる樹脂は、例えば特開2004−51661などに開示されており、これら自体公知の方法を用いてよい。ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)からなる樹脂として、アローベース(登録商標 ユニチカ株式会社製)等の市販品を用いてもよい。
本発明の釣糸に用いられる接着性樹脂は、金属粒子を含有しているものであってもよい。金属粒子を含有させることにより、接着性樹脂固有の比重に関係なく、任意の比重を有する釣糸、特に比重の大きい釣糸を製造できるという利点がある。金属粒子としては、鉛、鉄、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン、モリブデン、カドミウム、銅、亜鉛、錫、銀、金、白金、パラジウム、タングステン、チタン、ジルコニウム等、またはこれらの各種合金、これらの酸化物の粒子が挙げられる。なかでも釣糸の強度低下を極力抑えて、比重を高くする効果が少量の添加により現れるタングステンを用いるのが好ましい。なお、接着性樹脂に含有される金属粒子は1種類であってものよく、2種類以上であってもよい。
これら金属粒子は、粉末状または粒状の形態で本発明に適用することができる。その平均粒径は約20μm程度以下が好ましく、約10μm以下が好適である。金属粒子の粒径が大きすぎると、混合後の全体的な均一性が乏しくなる。更にその添加量は、接着性樹脂100重量部に対して約1〜90重量部程度が好ましく、より好ましくは約5〜70重量部程度である。金属粒子を含有する接着性樹脂は、単軸または二軸混練機を用いて接着性樹脂と金属粒子とを溶融混練する方法により作ることができる。
続いて、本発明の釣糸を構成する複合糸の製造方法について説明する。当該複合糸は、鞘部に長繊維を含有する鞘糸を用い芯部に短繊維を含有する芯糸を用いて製造することができるが、たとえば以下の(I)、(II)または(III)の方法により製造することが好ましい。
(I)鞘部に長繊維を含有する鞘糸を用い、芯部の芯糸に融点が鞘糸の長繊維より高い長繊維を用いて複合糸を製造し、該複合糸を加熱下に延伸して鞘糸の長繊維を破断させずに芯糸の長繊維のみを短繊維に破断させる製造方法(この場合、芯部の強繊維の強度は鞘部の長繊維よりも低いことが好ましい)
(II)鞘部に長繊維を含有する鞘糸を用い、芯部の芯糸に強度が鞘糸の長繊維より低い長繊維を用いて複合糸を製造し、該複合糸を加熱下または非加熱下に延伸して鞘糸の長繊維を破断させずに芯糸の長繊維のみを短繊維に破断させる製造方法
(III)鞘部に長繊維を含有する鞘糸を用い、芯部の芯糸に融点が鞘糸の長繊維より高い短繊維またはステープルからなる紡績糸を用いて複合糸を製造し、該複合糸を加熱下または非加熱下に延伸して鞘部の長繊維を破断させずに芯部の紡績糸のみを破断させて短繊維とする製造方法
複合糸は、芯部を構成する芯糸の周りに長繊維を含有する鞘糸を捲回し、芯糸を鞘糸でカバーすることによって、あるいは芯部を構成する芯糸の周りに長繊維を含有する鞘糸で組み紐を作成(製紐)することによって製造される。芯糸は、上記した長繊維を含有する糸または紡績糸である。製紐の場合、組角が5°〜90°、好ましくは5°〜50°、更に好ましくは20°〜30°である。鞘糸を製紐する方法は、特に限定されないが、通常は製紐機を用いて行われる。製紐に用いる鞘糸の本数は、4本に限らず、8本、12本または16本の場合などがある。製紐は丸打ちでも角打ちでもよい。
短繊維を含有する芯部と合成繊維製フィラメント糸からなる鞘部とからなる複合糸は非加熱延伸または加熱延伸されることによって、短繊維の毛羽がフィラメント(長繊維)に絡み芯鞘層間の結合がより強化される度合いが増すとともに鞘部を構成する鞘糸の長繊維の強度が向上し一体化された糸条が得られる。好ましくは加熱延伸である。延伸温度は、鞘糸の長繊維を構成する合成樹脂の配向温度からその樹脂の融点付近の温度が採用されるが長繊維の材質の種類により異なるため、また鞘糸が2種類以上の合成樹脂からなる長繊維によって構成されている場合には、延伸温度は実験によって適宜選択されるために、延伸温度は一概には言えない。しかしながら、通常は、延伸する際の長繊維の温度は、約120℃〜300℃、より好ましくは130〜200℃、最も好ましくは130〜170℃である。延伸倍率は、複合糸の構成割合、および短繊維または長繊維の種類によって異なるが、1.05〜10倍、好ましくは1.2〜8倍、特に1.3〜5倍が好ましい。なお、延伸倍率とは、以下の式で示される延伸工程における糸の押し出し速度と引き取り速度との比率のことである。
延伸倍率=(引き取り速度)/(押し出し速度)
延伸は一段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよい。複合糸を延伸する前に複合糸に油剤を付与するが、その方法は特に限定されず公知の方法によって行われる。
更に、芯部が紡績糸からなる芯糸で構成され、鞘部が合成繊維製長繊維からなる鞘糸で構成される複合糸は、延伸操作を施すことによって鞘部を構成するフィラメントの引張強度はより大きくなるとともに芯鞘層間の絡みもより強固になり、強力で耐摩擦性に優れた糸条が得られる。芯部がステープル糸からなる複合糸の延伸操作において、延伸倍率が上記したように一定倍率を超えると、芯部を構成するステープル糸が部分的に不規則に破断されて、芯部が綿形状を呈し屈曲性、柔軟性に優れた糸条が得られる。
以下、芯糸と鞘糸とを接着性樹脂で一体化する方法について説明する。
上記の(I)、(II)および(III)に記載した本発明の釣糸を構成する複合糸の製造方法において、以下の(i)、(ii)、(iii)または(iv)の方法を採用することにより、芯糸と鞘糸が接着性樹脂で一体化された複合糸を製造することができる。
(i)芯糸と鞘糸を組み合わせて複合糸を製造した後に、当該複合糸に接着性樹脂を塗布または含浸し、加熱下に延伸する。
(ii)鞘糸に接着性樹脂を塗布または含浸し、芯糸と組み合わせて複合糸を製造し、加熱下に延伸する。
(iii)芯糸に接着性樹脂を塗布または含浸し、鞘糸と組み合わせて複合糸を製造し、加熱下に延伸する。
(iv)鞘糸および芯糸にそれぞれ接着性樹脂を塗布または含浸し、それらを組み合わせて複合糸を製造し、加熱下に延伸する。
延伸により余剰の樹脂が絞り出されるので、延伸工程において余剰樹脂をふき取る手順を加えてもよい。
芯糸および鞘糸は合糸であってもよい。合糸は、複数の芯糸または複数の鞘糸を引き揃えるだけであってもよいし、所望によりこれに撚りをかけてもよい。また、複数の芯糸または複数の鞘糸を製紐しても良い。撚りは公知の撚糸機を用いて、また、製紐は公知の製紐機を用いて、いずれも容易に行うことができる。
芯糸、鞘糸または複合糸に接着性樹脂を塗布または含浸する方法は、特に限定されず、公知の方法が採用され得る。具体的には、例えば、いずれかの糸を溶融装置内にディッピングして所望により余剰分を搾り取ったり、スプレーなどを用いて塗布したり、または押出し被覆機を用いて押出しコーティングしたりする方法が挙げられる。また、公知のアプリケーターを使用してもよい。例えば、ノズルガンヘッドを有するアプリケーターが挙げられる。
本発明の釣糸は、上述のようにして得られる釣糸の最外層が、さらに樹脂でコーティングされていてもよい。最外層を樹脂でコーティングすることにより、釣糸の表面がより滑らかになり、また、強度や耐吸水性や耐摩擦性をより向上させることができるという利点がある。コーティングに使用する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、塩化ビニル、アクリル、ウレタン、ナイロン、ポリエステル、エポキシ、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルなどの合成樹脂が挙げられ、これらはエマルジョン型もしくは溶剤型のいずれでもよい。さらには天然ゴムやSBRなどの合成ゴム系樹脂も用いることができる。なかでも、ポリプロピレンを用いるのが好ましい。コーティング方法は公知の方法を好適に用いることができ、例えば、溶融押出しコーティングなどが挙げられる。
本発明の釣糸は、本発明に用いられる短繊維、長繊維(フィラメント)、接着性樹脂などに、所望により、本発明の目的を損なわない範囲内でさらに着色剤、安定剤、可塑剤、増粘剤もしくは滑剤など、またはこれらの2種以上が配合されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例中の引張強力は、JIS L 1013「化学フィラメント糸試験方法」に従った方法にて、東洋精機製作所株式会社製 ストログラフR引張試験機で測定した。また、破断伸度は、JIS L 1013「化学フィラメント糸試験方法」に従った方法にて、万能試験機オートグラフAG−100kNI(島津製作所製)を用いて測定した。繊度は、JIS L 1013の7.3項に従って測定した。芯糸の破断状況は、糸条を長手方向に対して垂直に切断し、糸条断面から芯糸を引き抜き、短く切断された芯糸が得られるか否かで判断した。○印は糸条を長手方向に垂直に切断し糸条断面から芯糸を引き抜くとき、短繊維が塊りではなく、短繊維が抵抗があるものの部分的に引き抜けることを意味し、×印は上記切断後に、芯糸が容易に長く連続的に鞘部から抜き取ることができ、芯鞘構造が容易に剥離することを意味する。
〔複合糸の製造例1:接着性樹脂を予め鞘糸に塗布後、製紐、加熱延伸〕
ポリエステルステープルからなる66dの紡績糸(商品名:エステルスパン糸E100FBN80/1C、ユニチカファイバー社製)を芯糸とした。
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、超高分子量ポリエチレン繊維からなる75dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK7185T−70−410 東洋紡績社製)をディッピングし、乾燥させ、鞘糸とした。
1本の芯糸に鞘糸8本で丸打ちにて製紐し、できあがった複合糸を140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍,1.8倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表1に示す。表1から明らかなように、いずれの延伸倍率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認された。
Figure 0005606917
〔複合糸の製造例2:接着性樹脂を予め芯糸に塗布後、製紐、加熱延伸〕
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、ポリエステルステープルからなる66dの紡績糸(商品名:エステルスパン糸E100FBN80/1C、ユニチカファイバー社製)をディッピングし、乾燥させ、芯糸とした。
超高分子量ポリエチレン繊維からなる75dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK7185T−70−410 東洋紡績社製)を鞘糸とした。
1本の芯糸に鞘糸8本で丸打ちにて製紐し、できあがった複合糸を140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍,1.8倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表2に示す。表2から明らかなように、いずれの延伸倍率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認された。
Figure 0005606917
〔複合糸の製造例3:接着性樹脂を予め芯糸と鞘糸に塗布後、製紐、加熱延伸〕
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、ポリエステルステープルからなる66dの紡績糸(商品名:エステルスパン糸E100FBN80/1C、ユニチカファイバー社製)をディッピングし、乾燥させ、芯糸とした。
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、超高分子量ポリエチレン繊維からなる75dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK7185T−70−410 東洋紡績社製)をディッピングし、乾燥させ、鞘糸とした。
1本の芯糸に鞘糸8本で丸打ちにて製紐し、できあがった複合糸を140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍,1.8倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表3に示す。表3から明らかなように、いずれの延伸倍率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認された。
Figure 0005606917
〔複合糸の製造例4:接着性樹脂を製紐した複合糸に塗布、加熱延伸〕
ポリエステルステープルからなる66dの紡績糸(商品名:エステルスパン糸E100FBN80/1C、ユニチカファイバー社製)1本を芯糸とし、芯糸の周囲を超高分子量ポリエチレン繊維からなる75dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK7185T−70−410 東洋紡績社製)8本で丸打ちにて複合糸を製紐した。
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、できあがった複合糸をディッピングした後、140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍,1.8倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表4に示す。表4から明らかなように、いずれの延伸倍率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認された。
Figure 0005606917
〔複合糸の製造例5:接着性樹脂を製紐した複合糸に塗布、加熱延伸〕
630dのガラスバルキーヤーン(商品名:TDE70、ユニチカガラスファイバー社製)1本を芯糸とし、芯糸の周囲を超高分子量ポリエチレン繊維からなる200dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK71 220T−192−410 東洋紡績社製)8本で丸打ちにて複合糸を製紐した。
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、できあがった複合糸をディッピングした後、140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.2倍、1.7倍,2.0倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表5に示す。表5から明らかなように、いずれの延伸倍率でも糸条の芯糸が破断しているのが確認された。
Figure 0005606917
〔複合糸の製造例6:接着性樹脂を製紐した複合糸に塗布、加熱延伸〕
203dのガラスフィラメント糸(商品名:ガラスヤーンD450 1/2 4.4S、ユニチカガラスファイバー社製)1本を芯糸とし、芯糸の周囲を超高分子量ポリエチレン繊維からなる200dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK71 220T−192−410 東洋紡績社製)8本で丸打ちにて複合糸を製紐した。
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、できあがった複合糸をディッピングした後、140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍、1.8倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表6に示す。表6から明らかなように、長繊維であるガラスヤーンを芯部に用い、鞘部を長繊維で製紐したのみの延伸倍率1.0の芯部は破断せず、延伸を施した倍率1.3以上の芯部は破断していることが確認された。
延伸倍率1.3倍より1.5倍の糸条の方が繊度が低くなっているにもかかわらず結節強力が高いのは、芯部のガラスヤーンがより高い倍率で延伸され良好に破断したためと考えられる。
Figure 0005606917
〔複合糸の製造例7〕
396dの弗素樹脂フィラメント(商品名:ハステックスFEP440dT/48f、東洋ポリマー(株)製)1本を芯糸とし、芯糸の周囲を超高分子量ポリエチレン繊維からなる100dのフィラメント(商品名:ダイニーマSK71 110T−96−410 東洋紡績社製)8本で丸打ちにて複合糸を製紐した。
ポリオレフィン系樹脂とガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂を含む接着性樹脂(アローベースSAW-1220、ユニチカ株式会社製)を水で質量比1:1となるように希釈した水性分散体に、できあがった複合糸をディッピングした後、140℃の延伸温度で延伸倍率1.0倍、1.3倍、1.5倍、1.8倍に夫々延伸し、余剰の樹脂を搾った。
得られた糸条の繊度、直線強力、直線破断伸度、結節強力、結節破断伸度、比重および芯糸の破断状況を表7に示す。表7から明らかなように、長繊維である弗素樹脂フィラメントを芯部に用い、鞘部を長繊維で製紐したのみの延伸倍率1.0の芯部は破断せず、延伸を施した倍率1.3以上の芯部は破断していることが確認された。
Figure 0005606917

Claims (22)

  1. 芯鞘構造の複合糸からなる釣糸であって、前記複合糸は、短繊維を含有する芯糸で構成される芯部と、長繊維を含有する鞘糸で構成される鞘部とからなり、芯糸および鞘糸が接着性樹脂で一体化されていることを特徴とする釣糸。
  2. 芯糸が、短繊維の単糸が重なり、交絡され、または交撚されていることを特徴とする請求項1に記載の釣糸。
  3. 芯糸の短繊維の繊維長が5〜500mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の釣糸。
  4. 芯糸の短繊維の比重が1.0以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の釣糸。
  5. 芯糸の短繊維の使用が釣糸の比重調整目的であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の釣糸。
  6. 芯糸の短繊維が、合成繊維、再生繊維、金属繊維、セラミック繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる1種類以上の繊維からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の釣糸。
  7. 芯糸の短繊維が、ポリエステル繊維、ガラス繊維またはフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の釣糸。
  8. 鞘糸の長繊維が分子量30万以上の超高分子量ポリエチレン繊維からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の釣糸。
  9. 鞘糸の分子量30万以上の超高分子量ポリエチレン繊維からなる長繊維が複合糸全体の12重量%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の釣糸。
  10. 鞘部が、芯糸の周りに鞘糸を製紐することにより構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の釣糸。
  11. 鞘部が、芯糸の周りに鞘糸を捲回していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の釣糸。
  12. 鞘糸の長繊維と芯糸の短繊維が交絡していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の釣糸。
  13. 複合糸の製造過程において加熱下または非加熱下に延伸された経歴を有する請求項1〜12のいずれかに記載の釣糸。
  14. 長繊維が超高分子量ポリエチレン繊維からなり、短繊維がフッ素樹脂繊維からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の釣糸。
  15. 接着性樹脂が、ポリオレフィン共重合体、ポリエステル共重合体またはポリアミド共重合体であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の釣糸。
  16. 接着性樹脂が、ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の釣糸。
  17. ホットメルト接着剤が、反応型ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項16に記載の釣糸。
  18. 接着性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂と、ガラス転移点が摂氏30度以上のポリウレタン樹脂とを含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の釣糸。
  19. ポリオレフィン系樹脂が、(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物と、(A2)エチレン系炭化水素と、(A3)アクリル酸エステル、マイレン酸エステル、ビニルエステルおよびアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項18に記載の釣糸。
  20. 接着性樹脂が、金属粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の釣糸。
  21. 複数の芯糸、または、複数の鞘糸が、引き揃えられ、撚り合わされ、または製紐されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の釣糸。
  22. 最外層が樹脂によってコーティングされていることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の釣糸。
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