JP3621877B2

JP3621877B2 - 魚釣り仕掛

Info

Publication number: JP3621877B2
Application number: JP2000286573A
Authority: JP
Inventors: 富久加藤
Original assignee: Asahi Intecc Co Ltd
Current assignee: Asahi Intecc Co Ltd
Priority date: 2000-09-21
Filing date: 2000-09-21
Publication date: 2005-02-16
Anticipated expiration: 2020-09-21
Also published as: JP2002095396A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太刀魚・鰈等の夜釣りに使用する魚釣り仕掛に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
太刀魚・鰈等を夜釣りする場合は、釣り上げようとする魚の食欲をそそったり関心を持たせて釣り仕掛け周辺へ寄せ集める必要があるので、実開平６−７９２７１号公報に示されるように、暗い水中で仄な光を放散する発光ボール（または発光パイプ）を鉤素（はりす）に装着した釣り仕掛がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
以上の発光ボール装着の釣り仕掛は、発光手段を有しない釣り仕掛より集魚性能に優れるものの、その仄光部位が鉤素の点ポイントに過ぎないので「発光に基づく集魚性能」に改良すべき課題がある。
【０００４】
一方、夜釣り用仕掛は懐中電燈等の明りの基で仕掛を整備したりセットする作業になるので、その作業がやりづらく、その上、水中へ遠投投入した鉤素部分が「浮き・浮遊物」に引っ掛っつた不良投入の場合でも、暗中におけるその不良投入の発見が極めて困難等の不具合がある。
【０００５】
本発明は、以上の従来技術の難点を解消する「さらなる高品質の魚釣り仕掛」を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
以上の技術課題を解決する魚釣り仕掛は「芯糸の外周を包み込む蓄光発光剤入りの蓄光発光層を備えた自発光糸によって鉤素を構成した構造からなる魚釣り仕掛」が基本構造である。なお、この基本構造は請求項記載の本発明の魚釣り仕掛けの上位概念構造である。
【０００７】
即ち、以上の基本構造の魚釣り仕掛は、鉤素を構成する前記の自発光糸の蓄光発光層に自然光・照明光によって蓄光させて水中で自発光させ、その自発光による糸状光によって釣り上げようとする魚の習性を刺激して、釣り仕掛周辺への集魚の一段の活発化を図る思想から成るものである。そして、蓄光発光層と芯糸の外周間に「可視光線の光反射層」を介層して蓄光発光作用の一段の向上を図る態様を採択する。
【０００８】
【作用】
以上の構成の前記基本構造の釣り仕掛は、水中投入前に自然光・照明光によって蓄光発光層の蓄光発光剤に充分に蓄光させ、しかるのち、水中投入すると暗水中において鉤素が糸状に自発光して相当時間持続するので、動く物に関心を示す太刀魚・鰈等の魚が極めて有効に集魚できる。そして、その蓄光発光層の下層部として可視光線反射率の高い光反射層が存在する前記態様のものは、蓄光発光剤からの発光のうち芯糸方向へ向う発光が糸周方向に反射されて本来の外周方向発光と合光して放散するので、可視度の高い発光が持続して前記の集魚作用を有効に支援する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の請求項１の魚釣り仕掛の一実施例を図１を参照して説明する。即ち、この実施例の釣り仕掛１Ａは太刀魚を夜釣りする太刀魚用釣り仕掛にして、道糸２の下端に「下端に釣針４を連結すると共に、上端にスナップ付きサルカン９を有する若干長の鉤素３」を着脱自在に連結し、その釣針４に餌魚５を掛け止めする通常形態の太刀魚釣り仕掛１Ａにおいて、この実施例のものの鉤素３は下記に詳述する自発光糸が用いられ、暗水中の鉤素３が糸長に沿って自発光する仕掛構造に成っている。
【００１０】
詳しくは、この実施例の鉤素３は（図１（Ｂ）参照）可撓性金属糸の芯糸７の外周に「芯糸７を包み込む可視光線高反射性の光反射層７」が設けられ、さらに、その光反射層７の外周を包み込む「蓄光発光剤１０を混入した樹脂層の蓄光発光層８」を設けた３層構造から成る自発光糸にして、地上の自然明り・照明によって蓄光発光層８に蓄光し、しかるのち、水中投入すると蓄光発光層８内の蓄光発光剤１０の蓄光が自然発光すると共に、下層の光反射層７によって反射増幅された発光が放散光Ｌとなって鉤素３の外周から放散され、その放散光Ｌが応分の時間可視状態で持続する構造に構成されている。
【００１１】
なお、この図１実施例の自発光糸の鉤素３は「芯糸６が、ステンレス極細線の７本単撚り（または７×７複撚り）の直径Ｄ３＝０．１８粍」のロープ形態にして、光反射層７は、「１２ナイロンに酸化チタン等の白色顔料を１０重量%混入した可視光線高反射性の樹脂層にして、層厚さ０．０３粍・外直径Ｄ２＝０．２４粍である。
【００１２】
そして、蓄光発光層８は蓄光発光剤１０を２０重量%混入した１２ナイロン層にして、その蓄光発光剤１０は公知の「アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶となし、ユウロピウム（ＥＵ）を賦活剤、ジスプロシウム（Ｄｙ）またはネオジム（Ｎｄ）を賦活助剤とした蛍光体（例えば根本特殊化学株式会社製の登録商標ルミノーバ）」の粒状物（概ね２０〜５０ミクロンサイズ）が用いてあり、この蓄光発光層８の外周が成す糸径Ｄ１は概ね０．５粍に設定されており、放散光Ｌは夜光虫の発光に擬制したブルー色になっている。
【００１３】
以上の図１実施例の太刀魚用釣り仕掛１Ａは、地上等において照明・自然光を鉤素３の全体に照射して「蓄光発光層８を充分な蓄光状態」に成し、しかるのち、従来の仕掛と同様に釣針４に餌魚５を掛止して暗水中に投入し、適宜鉤素３を上下動させて「ユラユラ」させて使用する。
【００１４】
以上の釣り仕掛１Ａは、前記の自発光作用を奏し、水中の鉤素３は概ね６０分間視認可能（輝度＝３ｍｃｄ以上）の高輝度発光を全長周面から自発光する。従って、動く物や夜光虫等の光に強い関心を示す習性の太刀魚は、そのユラユラ発光の鉤素３に引き寄せられて集まるので集魚性が良く、好ましい釣果を得ることができる。そして、この実施例の鉤素３は「蓄光発光剤１０入り蓄光発光層８」の外周構造を有するので、下記に述べる副次作用がある。
【００１５】
即ち、鉤素３の外周が蓄光発光層８であることから、サルカン９・釣針４等の金属製付属物を「かしめ固定」したとき、蓄光発光層８内の粒状物の蓄光発光剤１０が圧着接合部位のアンカーとして機能するので、その「かしめ固定」強度が従来のものより一段と向上して仕掛１Ａの形成がし易くなると共に、魚釣り上げによって大なる張力荷重を担持する仕掛強度が向上安定する。
【００１６】
そして、鉤素３が自発光するので、暗い雰囲気で行う地上・船上の餌づけ作業や仕掛１Ａの設定・手直し等の一連の作業がし易くなると共に、水中投入のために遠投したとき浮き等の水上浮遊物に鉤素３の部分が引っ掛かった不良投入が、その自発光によって発見が容易にして不良仕掛けが未然防止できると共に、使用後の仕掛１Ａが放棄されていてもライトを少し当るのみで自発光するので、その不良放棄物の発見回収が極めてし易くなる。
【００１７】
続いて、図２を参照して本発明の請求項２の釣り仕掛の実施例を説明する。即ち、この図２実施例のものは鰈釣り用にして、サンカル９を介して道糸２に連結した鰈釣り仕掛１Ｂにおいて、サンカル９から釣針４に至る鉤素３が、Ｎｉ（ニッケル）−Ｔｉ（チタン）合金材単糸（０．３粍直径）の芯糸６の外周に、「白色顔料の酸化チタンを１０重量％混入した１２ナイロン材からなる白色コート層の光反射層７」を設け、さらに、その光反射層７を包み込む「蓄光発光剤１０入りの１２ナイロン樹脂層の蓄光発光層８」を押し出し成形した蓄光発光層８を備えた３層構造の自発光糸に構成されている。なお、この光反射層７は層厚さ＝０．０４粍にして、糸径Ｄ１＝０．６粍直径である。
【００１８】
この図２に示す鰈釣り用釣り仕掛１Ｂも「夜光虫等や動くものに関心を示す鰈」の習性を利用して暗水中で仄かに糸状発光する鉤素３によって一段の集魚効果を得ることができる。そして、図１実施例の前記副次作用と同様な作用がある。なお、図中の１２は鰈釣り仕掛に装着する公知の天秤である。
【００１９】
なお、本発明の釣り仕掛は、前記実施例の形態のみではなく、前記各実施例の自発光糸・自発光線の外周に透明性の薄肉樹脂コートを被膜して外周平滑性を向上して水切り性を良好にする形態にすることがある。
【００２０】
さらに、光反射層７を「公知のイミダゾール誘導体等の蛍光増白剤を白色樹脂に若干量添加した」態様にすると、放散光Ｌが夜光虫の近似光（ブルー色）を呈するので集魚効果が一段と向上する。
【００２１】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明の魚釣り仕掛は集魚性能が良好にして釣果の一段の向上が促進できると共に、仕掛のセット・手直しや不良投入操作の未然防止等の使用者の便宜向上を図り、さらに、従来の発光ボール等の不属物が不要にして釣り仕掛が簡素構造になる。以上の実用的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明一実施例の太刀魚用釣り仕掛を示し、（Ａ）はその全体正面図、（Ｂ）はその鉤素の拡大正面図、（Ｃ）は（Ｂ）の断面図
【図２】本発明の他の実施例の鰈用釣り仕掛を示し、（Ａ）はその全体正面図、（Ｂ）はその鉤素の拡大正面図、（Ｃ）は（Ｂ）の断面図
【符号の説明】
１Ａ・１Ｂ釣り仕掛
２道糸
３鉤素
６芯糸
７光反射層
８蓄光発光層
Ｌ放散光

Claims

釣針と道糸下端の金属物との間に鉤素を設けた魚釣り仕掛けにおいて、前記鉤素は、ステンレス細線の撚合ロープの芯糸の外周に光反射層と該光反射層を包み込む蓄光発光層を設けた３層構造にして、該光反射層は１２ナイロンに白色顔料を混入した樹脂層にして、前記蓄光発光層は１２ナイロンに、アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶となしてユウロピウム（ＥＵ）を賦活剤となし、かつジスプロシウム（Ｄｙ）またはネオジム（Ｎｄ）を賦活助剤とした概ね２０ミクロン〜５０ミクロンサイズの粒状物の蓄光発光剤を混入した樹脂層から成り、さらに、前記金属物と、金具を介してかしめ固着した前記鉤素を連結した構造を特徴とする魚釣り仕掛。
釣針と道糸下端の金属物との間に鉤素を設けた魚釣り仕掛けにおいて、前記鉤素は、超弾性特性のＮｉ（ニッケル）−Ｔｉ（チタン）合金材の芯糸の外周に光反射層と該光反射層を包み込む蓄光発光層を設けた３層構造にして、該光反射層は１２ナイロンに白色顔料を混入した樹脂層にして、前記蓄光発光層は１２ナイロンに、アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶となしてユウロピウム（ＥＵ）を賦活剤と成し、かつジスプロシウム（Ｄｙ）またはネオジム（Ｎｄ）を賦活助剤とした概ね２０ミクロン〜５０ミクロンサイズの粒状物の蓄光発光剤を混入した樹脂層から成り、さらに、前記金属物と、金具を介してかしめ固着した前記鉤素を連結した構造を特徴とする魚釣り仕掛。