JP5553568B2 - 漁具 - Google Patents

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本発明は漁具に関し、特に糸条体にて構成された釣糸などの漁具に関する。
近年、軽量で扱いやすいことや、高強力であることなどにより、漁業に関わる分野で高分子量ポリエチレンにて構成された魚網などが使用されつつある。また高分子量ポリエチレンにて構成された釣糸も多用されており、このような釣糸は、伸度が小さく、所謂あたりがわかりやすい、またナイロンなどの汎用繊維と比較して高強力であるためラインを細くすることが可能である。
しかし、高分子量ポリエチレンフィラメントは、溶融紡糸法ではなく、溶剤を使用したゲル紡糸法にて一般に製造されている。このため、単糸フィラメントの繊度を大きくしにくいという欠点があり、その結果、単糸フィラメントでは、耐摩耗性などの耐久性が要求される魚網や釣糸には不利である。そのため繊維を集束させることが考えられており、その目的で樹脂加工が施されている。また釣糸の場合には、ロッドからの距離を確認するために一般に所定の長さ間隔に異なった色相が設けられる。このために、顔料を含有させることを目的とした樹脂加工が施されているものもある。
これらの各種加工を施したものとして、例えば、超高分子量ポリエチレンフィラメントにポリアミド樹脂を被覆したもの(特許文献1)や、ポリエチレン製の釣糸を顔料と(メタ)アクリル酸系重合体とエチレンイミン誘導体との混合物にて着色したもの(特許文献2)や、ポリエチレン製糸条体の表面に塩化ビニリデン樹脂と顔料とを含有する着色組成物の被服層を形成したもの(特許文献3)や、エチレン系樹脂組成物を50モル%以上含む水分散性樹脂にて複数のフィラメントを集束したもの(特許文献4)や、釣糸を着色するために顔料又は染料を分散又は溶解した被覆樹脂として、フッ素系樹脂、軟質塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、変性ポリプロピレンすなわち具体的には塩素化ポリプロピレンを採用したもの(特許文献5)などが提案されている。
特開平7−118978号公報 特開平6−200207号公報 特開平7−229031号公報 特開2006−129867号公報 特開2006−129863号公報
しかしながら、超高分子量ポリエチレン繊維は、オレフィンであるため同系のオレフィン樹脂以外になじみが無く、上記のような樹脂を用いた従来の釣糸では、釣糸を構成する糸条体と着色用の被覆樹脂との接着性が不良であり、魚網や釣糸などの漁具に要求される耐摩耗性が不良であるという問題点を有する。
本発明は、この様な現状に鑑みて行われたもので、ポリエチレンフィラメントを用いた釣糸や漁網などの漁具であって、釣糸や漁網を構成する糸条体との接着性が良好でかつ漁具に要求される耐摩耗性を有した樹脂によって、接着、集束、顔料付与などの加工を施された漁具を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも一部にポリエチレンフィラメントを含む糸条体に、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物を適用することにより、接着性、収束性、色相の付与性の良好な漁具が得られるという事実を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記の構成を要旨とするものである。
(1)少なくとも一部にポリエチレンフィラメントを含む糸条体にて構成されており、前記糸条体は、複数の繊維によって構成されており、前記ポリエチレンフィラメントは、20万以上の高分子量ポリエチレンからなり、前記糸条体は、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含むオレフィン−ウレタン系樹脂組成物を含有し、前記糸条体への前記オレフィン−ウレタン系樹脂組成物の付着量は、0.5〜10%omfであることを特徴とする漁具。
(2)ポリオレフィン系樹脂(A)が、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)と、エチレン系炭化水素(A2)と、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ビニルエステル、アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物(A3)とを含む変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする(1)の漁具。
(3)複数の繊維は、集束された状態でオレフィン−ウレタン系樹脂組成物にて接着一体化されていることを特徴とする(1)または(2)の漁具。
(4)糸条体の少なくとも一部が、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物により形成された塗膜によって被覆されていることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかの漁具。
(5)糸条体は、ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維として、芳香族系ポリエステル系繊維、脂肪族ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、フッ素樹脂系繊維、金属繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維から選ばれる1種以上の繊維を含むことを特徴とする(1)から(4)までのいずれかの漁具。
(6)ポリエチレンフィラメントは、中空構造を有するものであることを特徴とする(1)から(5)までのいずれかの漁具。
(7)ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維は、中空構造を有するものであることを特徴とする(5)の漁具。
)ポリエチレンフィラメントと、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物との少なくともいずれかが色づけられたものであり、この色づけが、ポリエチレンフィラメントの原着および、または染色によるものと、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物が顔料および、または染料を含むことによるものとの少なくともいずれかであることを特徴とする(1)から()までのいずれかの漁具。
(9)ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維が色づけられたものであり、この色づけが、ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維の原着および、または染色によるものであることを特徴とする(5)の漁具。
10)ポリエチレンフィラメントと、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物との少なくともいずれかが金属粒子を含有することを特徴とする(1)から()までのいずれかの漁具。
(11)ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維が金属粒子を含有することを特徴とする(5)の漁具。
12)糸条体は、伸度が1〜5%であり、比重が1.0〜3.0であることを特徴とする(1)から(11)までのいずれかの漁具。
13)糸条体は、撚係数0.2〜1.5の撚りが施された撚糸であることを特徴とする(1)から(12)までのいずれかの漁具。
14)糸条体は、芯糸と、芯糸のまわりの鞘部分とを有した芯鞘構造を有することを特徴とする(1)から(13)までのいずれかの漁具。
15)鞘部分がポリエチレンフィラメントにて構成されていることを特徴とする(14)の漁具。
16)芯糸と鞘部分との間の少なくとも一部に、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物
による塗膜が形成されていることを特徴とする(15)の漁具。
17)釣糸であることを特徴とする(1)から(16)までのいずれかの漁具。
18)糸条体を構成する繊維の数が減少されることで、釣糸が、長さ方向に沿って径が小さくなるテーパー状に形成されていることを特徴とする(17)の漁具。
19釣糸であり、釣糸におけるポリエチレンフィラメント以外の他の繊維がテーパー状に形成されていることを特徴とする()の漁具。
20)上記(1)から(19)までのいずれかの漁具を製造するための方法であって、糸条体を形成するための外周処理工程において、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む水性分散体を用いて、複数の繊維を集束させた状態で接着処理を行うことを特徴とする漁具の製造方法。
21)上記(1)から(19)までのいずれかの漁具を製造するための方法であって、糸条体を形成するための工程の途中において、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む水性分散体を用いて、複数の繊維を集束させた状態で接着処理を行うことを特徴とする漁具の製造方法。
本発明によれば、漁具が、少なくとも一部にポリエチレンフィラメントを含む糸条体にて構成されており、前記糸条体が、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含むオレフィン−ウレタン系樹脂を含有することにより、前記漁具を、接着性、収束性、色相の付与性の良好なものとすることができる。
以下、本発明の漁具について詳細に説明する。
[ポリエチレンフィラメント]
まず、本発明の漁具に用いられるポリエチレンフィラメントについて詳細に述べる。
このポリエチレンフィラメントを構成するポリエチレンとしては、分子量が20万以上、好ましくは60万以上の、高分子量あるいは一般的に超高分子量と称されているものを好適に用いることができる。かかるポリエチレンは、ホモポリマーであってもよいし、炭素数3〜10程度の低級α−オレフィン類、例えばプロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン等との共重合体であってもよい。このエチレンとα−オレフィンとの共重合体としては、後者の割合が、前者の炭素数1000個当たり平均0.1〜20個程度、好ましくは平均0.5〜10個程度である共重合体を好ましく用いることができる。
このような高分子量のポリエチレンフィラメントの製造方法は、例えば特開昭55−107506号公報などに開示されており、本発明においてもこのような公知の方法を用いることができる。また、高分子量のポリエチレンフィラメントとして、ダイニーマ(登録商標 東洋紡績社製)や、スペクトラ(登録商標 ハネウエル社製)等の市販品を用いてもよい。なお、一般に入手できる超高分子量ポリエチレンフィラメントの単糸繊度は、大きくとも2デシテックス以下程度であることから、この超高分子量ポリエチレンフィラメントを用いる場合は、多数本の繊維からなるマルチフィラメントや製紐糸の形態のものを用いるとよい。
本発明の漁具を構成する糸条体は、後述のように、ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維を含んでいてもよい。
[樹脂組成物]
本発明の漁具は、ポリオレフィン系樹脂(A)と特定のウレタン樹脂(B)とを含むオレフィン−ウレタン系樹脂組成物を含んでいる。本発明で用いるこの特定の樹脂組成物は、漁具の糸条体を構成するポリエチレンフィラメントとの接着性が非常に良好である。したがって、ポリエチレンフィラメントを含む糸条体にこの特定の樹脂組成物を付与した場合、ポリエチレンフィラメント表面に樹脂組成物の塗膜が密着して形成されるため、この塗膜はフィラメント表面から簡単に脱落することがない。また、密着性が良好であるため、ポリエチレンフィラメント間の奥まで侵入してフィラメント同士を強固に接着一体化する接着剤としての役割も担うこともでき、このため糸条体の収束性が向上する。また、糸条体の外周にこの樹脂組成物を付与した場合、この樹脂組成物による塗膜が糸条体の外周表面に密着するため、樹脂組成物による塗膜は外力による摩擦によっては脱落しにくいものとすることができる。したがって、本発明に用いる特定の樹脂組成物によれば、ポリエチレンフィラメントを含む糸条体に適用することにより、接着性、収束性、耐摩耗性などの性能をより向上させた糸条体を得ることができる。ポリエチレンフィラメントを含む糸条体がこの樹脂組成物を含む態様としては、糸条体を構成する複数の繊維が集束された状態でこの樹脂組成物にて接着一体化されたものや、糸条体がこの樹脂組成物により形成された塗膜にて被覆されたものなどを例示することができる。
樹脂組成物におけるポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)との組成比は、質量比で、ポリオレフィン系樹脂(A)/ポリウレタン樹脂(B)が97/3〜10/90の範囲であることが良好である。ポリオレフィン系樹脂(A)が97質量%を超えるときは、耐ブロッキング性の改善効果が小さく、ポリオレフィン系樹脂(A)が10質量%未満のときは、ポリエチレンフィラメントに対する接着性が著しく低下してしまう。上記の組成比は、耐ブロッキング性、ポリエチレンフィラメントに対する接着性などの性能の点から、95/5〜20/80であることがより好ましく、90/10〜30/70であることがさらに好ましく、90/10〜40/60であることがよりいっそう好ましく、85/15〜50/50であることが特に好ましい。
[ポリオレフィン系樹脂(A)]
本発明の漁具に使用するポリオレフィン系樹脂(A)は、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)と;エチレン系炭化水素(A2)と;アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ビニルエステル、アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物(A3)とを含有する変性ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
このうち、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)は、ポリオレフィン系樹脂(A)中に0.01質量%以上、5質量%未満含有していることが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上、5質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以上、5質量%未満であり、最も好ましくは1質量%以上、4質量%未満である。不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)の含有量が0.01質量%未満の場合は、ポリウレタン樹脂(B)との混合性が不良になりやすくなる。一方、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)の含有量が5質量以上である場合には、ポリオレフィン系樹脂(A)の極性が高くなって、ポリエチレンフィラメントに対する接着性が低下しやすくなる。不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸は、塩、酸無水物、ハーフエステル、ハーフアミドなどの誘導体になっていても良い。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。この成分(A1)の共重合形態は特に限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等のいずれでもよい。
エチレン系炭化水素(A2)と化合物(A3)との質量比(A2)/(A3)は、これら2成分(A2)(A3)の合計量を100質量%とした場合に、55/45〜99/1の範囲であることが好ましい。そして、ポリエチレンフィラメントに対する良好な接着性を持たせるために、この範囲は60/40〜97/3であることがより好ましく、65/35〜95/5であることがさらに好ましく、70/30〜92/8であることが特に好ましく、75/25〜90/10であることが最も好ましい。化合物(A3)の比率が1質量%未満では、ポリウレタン樹脂(B)との混合性が不良となる可能性がある。一方、化合物(A3)の含有量が45質量%を超えると、オレフィン由来の樹脂の性質が失われて、ポリエチレンフィラメントに対する接着性が低下する。
エチレン系炭化水素(A2)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン類が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
化合物(A3)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類などが挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが最も好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
上記のような構成を有するポリオレフィン系樹脂(A)の具体例のうち、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体、または、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体が最も好ましい。三元共重合体の形態は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
アクリル酸エステル単位は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、その様な場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。
化合物(A3)として無水マレイン酸単位を含有する場合は、ポリオレフィン系樹脂(A)中のマレイン酸単位は、乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸構造を取りやすくなり、一方、後述する塩基性化合物を含有する水性媒体中ではその一部、または全部が開環してマレイン酸、あるいはその塩の構造を取りやすくなる。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂(A)としては、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜500g/10分、好ましくは1〜400g/10分、より好ましくは2〜300g/10分、最も好ましくは2〜250g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン系樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、ポリウレタン樹脂(B)との混合性が不良になる可能性がある。一方、ポリオレフィン系樹脂(A)のメルトフローレートが500g/10分を超えると、硬くてもろくなり、ポリエチレンフィラメントに対する接着性が低下しやすくなる。
ポリオレフィン系樹脂(A)の合成法は、特に限定されず、一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーを、ラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合することで、得ることができる。また、不飽和カルボン酸あるいはその無水物は、グラフト共重合(グラフト変性)されていてもよい。
[ポリウレタン樹脂(B)]
次にポリウレタン樹脂(B)について説明する。
本発明の漁具に用いられるポリウレタン樹脂(B)とは、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子であり、例えばポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られるものである。本発明においては、ポリウレタン樹脂(B)の構造は特に限定されないが、耐ブロッキング性の点から、ガラス転移温度が30℃以上であることが必要である。ガラス転移温度は、耐ブロッキング性や原糸の解除性の向上の点から50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることが特に好ましい。
本発明の漁具において、ポリウレタン樹脂(B)は、オレフィン系樹脂(A)との混合性の点から、陰イオン性基を有していることが好ましい。陰イオン性基とは、水性媒体中で陰イオンとなる官能基のことであり、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基などである。この中でもカルボキシル基を有していることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)を構成するポリオール成分は、特に限定されず、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコール類;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール類;エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド単位を有するポリオール化合物;ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオール類;ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類;ダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等が挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、公知の芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート類の1種、または2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例としては、トリレンジジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート、およびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。また、ジイソシアネート類としては、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂(B)に上述の陰イオン性基を導入するには、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基などを有するポリオール成分を用いればよい。例えばカルボキシル基を有するポリオール化合物としては、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシル−プロピオンアミド等が挙げられる。
鎖長延長剤を用いて、ポリウレタン樹脂(B)の分子量を適宜調整することもできる。この鎖長延長剤として機能する化合物としては、イソシアネート基と反応することができるアミノ基や水酸基などの活性水素を2個以上有する化合物が挙げられる。例えば、ジアミン化合物、ジヒドラジド化合物、グリコール類を用いることができる。
ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジアミンなどが挙げられる。その他として、N−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、および、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等も挙げられる。さらに、グルタミン酸、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジアミン型アミノ酸類も挙げられる。
ジヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシンジヒドラジドなどの、2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどの不飽和ジヒドラジド;炭酸ジヒドラジド;カルボジヒドラジド;チオカルボジヒドラジドなどが挙げられる。
グリコール類は、前述のポリオール類から適宜選択して用いることができる。
[水性分散体]
本発明の漁具において、上記のポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含有するオレフィン−ウレタン系樹脂組成物をポリエチレンフィラメントを含む糸条体に付与する際の形態は、特に限定されない。例えば、これらの樹脂の溶融温度以上に加熱した溶融状態の樹脂組成物を用い、これを付与する方法や、これらの樹脂を溶剤に溶解した溶液を用い、これを付与する方法や、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とがそれぞれ多数の樹脂微粒子となって水性媒体中に分散混合してなる水性分散体を用い、これを付与する方法などが挙げられる。最も好ましい方法は、付与量の調整が容易であることや環境面の点から、水性分散体をコーティングやディッピングにより付与する方法である。ポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とが分散混合してなる水性分散体を糸条体に付与した後、加熱処理を施すことにより、媒体である水が除去されて、ポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有する樹脂組成物による塗膜が、糸条体に密着した状態で形成される。
水性分散体は、塗膜特性(特に耐水性)や衛生面の理由から、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことが好ましい。不揮発性水性化助剤は、塗膜形成後にも塗膜中に残存し、塗膜を可塑化して性能を悪化させたり、塗膜から溶出したりするからである。
「水性化助剤」とは、水性分散体の製造において、水性化の促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、または常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。また、「不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、不揮発性水性化助剤を積極的には添加しないことにより、得られる水性分散体が結果的にこれを含有しないことを意味する。不揮発性水性化助剤は含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で樹脂成分に対して0.1質量%未満含有していても差し支えない。
不揮発性水性化助剤としては、例えば、乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
このうち、乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物や、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられる。両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子に相当するものとしては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
水性分散体において、ポリオレフィン系樹脂(A)のカルボキシル基(酸無水物を含む)およびポリウレタン樹脂(B)の陰イオン性基は、一部がアニオン化されていることが好ましい。アニオンの静電気的反発力によって樹脂微粒子間の凝集を防ぎ、水性分散体を安定させることができるためである。
[水性分散体の製造法]
上述の水性分散体を得るには、ポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)との樹脂混合物を同時に1つの容器で水性化(水性媒体に分散すること)してもよいし、それぞれの樹脂の水性分散体を所望の組成になるように混合してもよい。ただし、後者の方法が好ましい。以下、この好ましい方法について詳述する。
[ポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体]
ポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体を得るための方法は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(A)と水性媒体とを密閉可能な容器中で加熱、撹拌する方法を採用することができる。このとき、水性化に用いられる樹脂の形状は、特に限定されないが、水性化速度を速めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。
容器は、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができる。0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌のための部材の回転速度は、特に限定されない。
このような装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは40℃以下の温度で撹拌混合しておく。次いで、槽内の温度を50〜200℃、好ましくは60〜200℃に保ちつつ、好ましくは5〜120分間、本格的な撹拌を続けることにより、樹脂を十分に水性化させ、その後、好ましくは撹拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。本格的な撹拌の際における槽内の温度が50℃未満の場合は、樹脂の水性化が困難になる。反対に槽内の温度が200℃を超える場合には、ポリオレフィン樹脂の分子量が低下する恐れがある。
この際に、前述の水性分散体の安定化の理由から、ポリオレフィン樹脂のカルボキシル基または酸無水物基をアニオン化するために、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基(酸無水物基1モルはカルボキシル基2モルとみなす)に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.0〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水分散液が着色したりする場合がある。
ここで添加される塩基性化合物としては、LiOH、KOH、NaOH等の金属水酸化物のほか、塗膜の耐水性の面からは塗膜形成時に揮発する化合物が好ましく、アンモニアまたは各種の有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の沸点は250℃以下であることが好ましい。250℃を超えると、樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
また、ポリオレフィン系樹脂(A)の水性化の際には、有機溶剤を添加することが好ましい。有機溶剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂(A)の水性分散体100質量部に対して1〜40質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましく、3〜20質量部であることが特に好ましい。なお、有機溶剤は、常圧または減圧下で水性分散体を撹拌しながら加熱することで、その一部を系外へ除去(ストリッピング)することができ、最終的には、ポリオレフィン樹脂の水性分散体100質量部に対して1質量部以下とすることもできる。使用される有機溶剤の具体例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられ、低温乾燥性の点からイソプロパノールが特に好ましい。
[ポリウレタン樹脂(B)の水性分散体]
ポリウレタン樹脂(B)の水性分散体を得るための方法は、特に限定されない。既述のポリオレフィン系樹脂(A)の水性化方法に準じて、ポリウレタン樹脂(B)を水性媒体に分散させることができる。
ポリウレタン樹脂(B)の水性分散体は市販されており、例えば、三井武田社製のタケラックW−615、W−6010、W−6020、W−6061、W−511、W−405、W−7004、W−605、WS−7000、WS−5000、WS−5100、WS−4000(以上、アニオン性タイプ)、W−512A6、W−635(以上、ノニオン性タイプ)等を挙げることができる。
[水性分散体の特性など]
上記したポリオレフィン系樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(B)それぞれの水性分散体を混合することで、所望の樹脂比率の水性分散体を得ることができる。
水性分散体中の樹脂粒子の数平均粒子径は、水性分散体の保存安定性が向上するという観点から、0.3μm以下であることが好ましく、低温造膜性の観点から0.2μm以下であることがより好ましく、0.1μm未満であることが最も好ましい。さらに、重量平均粒子径は、0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。粒子径を小さくすることで、低温(例えば100℃以下、さらにはポリオレフィン系樹脂(A)の融点以下)での造膜性が向上し、透明な塗膜を形成することができる。粒子の分散度(重量平均粒子径/数平均粒子径)は、水性分散体の保存安定性及び低温造膜性の観点から、1〜3であることが好ましく、1〜2.5であることがより好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
水性分散体の樹脂含有率は、成膜条件、目的とする樹脂塗膜の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではない。しかし、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
水性分散体には、耐水性、耐溶剤性などの各種の塗膜性能をさらに向上させるために、架橋剤を、水性分散体中のポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)との合計100質量部に対して、0.01〜60質量部、好ましくは0.1〜30質量部添加することができる。架橋剤の添加量が0.01質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さくなってしまい、60質量部を超える場合は、加工性等の性能が低下してしまう。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等を用いることができる。例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用しても良い。
さらに、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を、水性分散体に添加することもできる。
[樹脂の付着量など]
本発明の漁具に用いることができる、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂は、例えば特開2004−51661号公報などに開示されており、このような公知の樹脂を用いてよい。ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂として、アローベース(登録商標 ユニチカ社製)等の市販品を用いてもよい。
本発明の漁具を構成する糸条体への上述の樹脂の付着量は、0.5〜10%omfが好ましい。ここで、「omf」は、「on the mass of fiber」を略称したものであり、繊維に対する付着量を示す。この付着量は、より好ましくは1.0〜5%omfであり、最も好ましくは1.0〜3.0%omfである。0.5%omf未満であると被着の効果つまり接着効果や集束効果が十分に発揮しにくい。反対に10%omfより多く付着すると、樹脂のごわつき感が発生する可能性があるだけでなく、糸条体全体の重量に対する強力が減ずることから漁具に要求される機械的特性を満たさなくなる可能性がある。
[糸条体]
本発明の漁具を構成する糸条体は、伸度が1〜5%、比重が1.0〜3.0であることが好ましい。伸度は、より好ましくは約4.0%程度以下、さらに好ましくは約3.0%程度以下、いっそう好ましくは約2.7%程度以下である。例えば、漁具が釣糸である場合は、魚信を的確に捉えやすくなるなどの理由から、前記範囲の伸度が特に好ましい。伸度が1%未満であると、撚り工程、製紐工程だけでなく、樹脂加工工程においても余裕が無くなり、工程通過性が不良となりやすい。
糸条体は、長繊維、紡績糸のいずれでも良いが、漁具としての耐摩耗性や強力の面から、長繊維が好ましい。強力面においては5cN/dtex以上であることが好ましい。5cN/dtex未満であると、魚網の場合であれば底編等に掛かる荷重に耐えることができず破損する可能性が大きくなり、釣糸用であればロッドから仕掛けを投射する時や獲物がかかった時の荷重に耐え切れないことが想定される。
漁具を構成する糸条体の比重について詳細に説明する。シューティングラインやフライ用ラインなどの釣糸では、軽量であることが好まれ、魚網などの場合は海で早く沈降する事が望まれるので高比重であることが望まれる。糸条体は少なくとも一部に高分子量のポリエチレンフィラメントを含むが、このポリエチレンフィラメントの比重は0.97である。これに対し、糸条体の径にもよるが、ポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂を1〜3%omf付与することで、その比重を1.0にすることができる。また、糸条体にポリエチレンフィラメントとは異なる他のフィラメントを含ませ、ここにいう他のフィラメントとして比重の大きな繊維を用いることによって、あるいはポリエチレンフィラメントや上記樹脂や上記他のフィラメントに硫酸バリウムなどの金属粒子を含有させることによって、糸条体の比重を任意に設定でき、好ましくは上述の1.0〜3.0とすることができる。
繰り返して説明するが、金属粒子を含有させることにより、樹脂固有の比重に関係なく、任意の比重を有する漁具、特に比重の大きい漁具を得ることができる。ここで用いられる金属粒子としては、例えば、鉄、銅、亜鉛、錫、ニッケル、タングステン等を単独でまたは混合もしくは合金としたものが挙げられる。中でも漁具に重さを与えやすく、従って、強度の低下を極力抑えて、少量の添加により比重を高くする効果が現れる、タングステンを用いるのが好ましい。これら金属粒子は粉末状であると粒状であるとを問わず適用することができる。その平均粒径は20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。金属粒子の粒径が大きすぎると、混合後の全体的な均一性が乏しくなりやすい。その添加量は、樹脂100質量部に対して1〜90質量部が好ましく、5〜70質量部がより好ましい。このような金属を含有する樹脂は、単軸混練機または二軸混練機を用いて、樹脂と金属粒子とを溶融混練する方法により、作ることができる。
糸条体は、長繊維である場合は、モノフィラメントであっても、複数の繊維からなるマルチフィラメントを用いてもよい。また、長繊維と短繊維とを併用してもよく、マルチフィラメントとモノフィラメントとを混合して用いてもよい。漁具としての耐摩耗性や強力の面から、長繊維を用いることが好ましい。強力は、5cN/dtex以上であることが好ましい。5cN/dtex未満であると、魚網の場合であれば底編等に掛かる荷重に耐えることができず破損する可能性が大きくなり、釣糸用であればロッドから仕掛けを投射する時や獲物がかかった時の荷重に耐え切れないことが想定される。
繰り返して説明するが、本発明において、漁具を構成する糸条体の形態は、例えば、モノフィラメントのみによって構成されるものであってもよいし、複数本の構成フィラメントを引き揃えただけの引き揃え糸であってもよいし、この引き揃え糸に撚りを加えた撚糸であってもよいし、複数本の構成フィラメントを組んだ製紐糸であってもよい。また、芯糸と鞘部分とによって構成される芯鞘構造のものであってもよい。
なお、本発明における樹脂組成物を、糸条体を構成する複数の繊維同士の収束性を向上させるため等の接着剤として機能させる場合は、複数の繊維からなる糸条に樹脂組成物を付与して、繊維同士を強固に接着一体化するとよい。後述するように、マーキング等の目的で、糸条体の表面の一部を樹脂組成物による塗膜で被覆する場合は、糸条体表面の特定の位置に樹脂組成物を付与して塗膜を形成させるとよい。
糸条体が撚糸である場合は、撚係数Kが0.2〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2であり、いっそう好ましくは0.4〜0.8である。すなわち、耐摩耗性を維持するためには撚係数Kが0.2以上であることが好ましく、糸条の伸度を低くするためには撚係数Kが1.5以下であることが好ましい。なお、撚係数Kは、後述のように、次式:
K=t×D1/2(但し、t:撚り数(回/m)、D:繊度(tex))
より算出される。前記式における繊度Dは、JIS L 1013(1999)に従って測定することができる。
糸条体が製紐糸である場合は、組角が5〜90度であることが好ましく、より好ましくは5〜50度、さらに好ましくは20〜30度である。組角が5度以上であることにより耐磨耗性を維持することができ、また組角が90度以下であることにより糸条体の伸度を低くすることができる。
糸条体は、上述のように、ポリエチレンフィラメントとは異なる他の繊維を含むことができる。ここにいう他の繊維は、特に制限されるものではない。具体的はポリアミド系、芳香族系ポリエステル系、脂肪族系ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、フッ素樹脂系の合成繊維、またはこれら合成繊維の再生品などを挙げることができる。金属繊維やガラス繊維を用いることもできる。耐摩耗性を鑑みるとポリアミド系を、寸法安定性を考慮しなければならない時はポリエステル系を、生分解性を鑑みなければならない場合は脂肪族系ポリエステル系を、伸縮性が必要な場合はポリウレタン系樹脂や各種合成繊維に仮撚加工などの加工を施した繊維を、それぞれ用いることができる。軽量化を図らなければならない場合は、比重の軽いポリオレフィン系が特に好ましい。また必要に応じてこれら合成繊維を任意に組み合わせて使用することができる。
他の繊維として金属繊維を用いる場合において、その金属繊維は、特に限定されず、公知の金属線などを用いてよい。具体的には、例えば、銅線、ステンレス線、鉛線または各種合金の軟線などが挙げられる。中でも、比重が大きく、延伸しやすいことから、鉛線を用いるのが好ましい。金属繊維の断面は、円形であっても偏平状(楕円形)であってもよい。
他の繊維として用いることができるガラス繊維は、強度が高く、伸度が非常に小さいため、魚信を的確に捉えやすい。このため、糸条体で釣糸を構成する場合は、より好ましく用いることができる。
ポリエチレンフィラメントおよび他の繊維は、中空構造が付与されていてもよい。この中空構造は、ポリエチレンフィラメントや他の繊維の溶融紡糸の際に付与することができる。ポリエチレンフィラメントや他の繊維を中空構造にすることで、糸条体の比重を1未満として水中で浮力を与えることができるという利点がある。また、中空の大きさ等を調整することにより、または上述したようにさらに金属粒子を含有させることにより、糸条体を淡水や海水などの水中で使用する際の糸の重量と浮力のバランスを任意に設定できる。中空が一つの場合は製造時にフィラメントの断面が部分的に偏平となり、フィラメントの強度が落ちる場合があるので、中空は二つ以上であることが好ましい。二つ以上の中空を有する構造とすることによって、糸条の強度の低下を防止できるという利点もある。中空の数は、特に制限されず、例えば、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つと適宜に設定することができる。中空率は、上記の目的のため、5〜30%程度が好ましい。
ポリエチレンフィラメントおよび他の繊維には、一般に使用されている難燃剤、着色剤、顔料、滑剤、耐候剤、酸化防止剤、耐熱剤などを適宜添加しても良い。本発明の漁具は、ポリエチレンフィラメントと、ポリオレフィン系樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂と、ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維との少なくともいずれかが、原着もしくは染色により色づけされたものであることが好ましい。
本発明の漁具として、芯糸と鞘部分とからなる芯鞘構造の糸条体は、釣糸として好ましく用いることができる。一般的にフライライン、シューティングライン等のフライフィッシング用釣糸は、芯糸と、芯糸のまわりの鞘部分とを有した芯鞘構造をとっている。このような芯鞘構造における芯糸は、釣糸に強力をもたせるためのものであり、また鞘部分は、金属と混合したり発泡させたりして比重を調整したり、糸にコシを持たせたりするためのものである。本発明の漁具を構成する糸条体も、同様な構造を有することができる。例えば、上述の芯鞘構造を呈する2層構造や、芯糸の周りが鞘部分で囲まれ、さらに鞘部分の周りが高分子量のポリエチレン繊維などの最外層で囲まれている3層構造をとっていてもよい。すなわち、糸条体の一部にポリエチレンフィラメントを含むものであれば差し支えない。
芯糸は、どのような形態のものを使用してもかまわない。例えばモノフィラメントでもマルチフィラメントでもよい。また、フィラメントを組んだり編んだりした製紐糸でもかまわないし、熱接着性樹脂等によりフィラメントを複数本融着させた複合糸でもかまわない。製紐糸や複合糸の場合、2種以上の糸条を組み合わせても良い。また芯糸の形状も限定されず、例えば長手方向において径が変化することがないレベルラインでもよいし、長手方向に径が徐々に小さくなるテーパーラインでもよい。ポリエチレンフィラメント以外の他のフィラメントをテーパー状に形成することで、容易にテーパーラインを構成することができる。また高分子量のポリエチレンフィラメントや、各種マルチフィラメントのように、テーパーラインの作製が困難な場合には、所定の長さのところで一部のフィラメントを切断するなどによりフィラメント数を減ずることで、長さ方向においてマルチフィラメントの繊度(径)を小さくしたものでも良い。さらに、芯糸を構成する材料も、特に限定されることはなく、糸に強力をもたせる材料であれば、どんな材料を用いてもかまわない。
このような芯鞘構造の糸条体に、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物を付与するときには、少なくともポリエチレンフィラメントに樹脂組成物が接するように付着させる。
糸条体が3層構造で、その最外層に高分子量のポリエチレンフィラメントが存在する時は、まず内部の2層構造のものに樹脂組成物を付与して、必要応じて加熱処理を行う。すなわち、2層構造の外周表面に樹脂組成物による塗膜を形成させる。そして、その後にポリエチレンフィラメントを撚りもしくは製紐で最外層に配置し、熱処理を施して接着処理する。すなわち、2層目の表面に形成した樹脂組成物による塗膜が接着剤の役割を担い、最外層のポリエチレンフィラメント層と2層目とを強固に接着一体化することになる。もしくは3層目まで仕上げてから最終的に樹脂組成物を付与し、少なくともポリエチレンフィラメント同士の間の内部まで十分に浸透させて、加熱乾燥により接着一体化させてもよい。
糸条体が2層構造である場合も、芯糸と鞘部分との間に樹脂組成物による塗膜を形成させるか、芯鞘構造とした後に、樹脂組成物を浸透させることにより、同様に接着一体化処理することが可能である。
ポリエチレンフィラメントを樹脂で直接被着させておいてから、糸条体を作製することも可能である。
すなわち、糸条体を形成するための最終の外周処理工程において、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂を用いて、集束状態での接着処理を行うことができる。また、糸条体を形成するための工程の途中において、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂を用いて接着処理を行うことができる。
釣糸などの漁具に色相を付与させることを主目的に置くときには、すなわち、釣糸の長さが把握できるように1m、5m、あるいは10m毎に各種の色付け(マーキング)を行う場合は、糸条体を構成した後に、この糸条体に、顔料もしくは染料もしくは必要に応じて顔料や染料の分散体を含有させたオレフィン−ウレタン系樹脂組成物によって、糸条体の適宜の箇所を適宜の色の塗膜によって被覆させるとよい。
オレフィン−ウレタン系樹脂組成物を糸条体に付与する方法は、特に限定するものではないが、上述した水性分散体を用いて、各種コーティング方法やディッピング方法を採用することが好ましい。なお、糸条体であることから、ディッピング方法が最良である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例及び比較例における各種物性は、次のようにして測定した。
(1)強伸度: JIS L 1013に準じて、引張試験機を用いて測定を行った。
(2)耐摩耗性: JIS D 4604に準じて、各試料の最大強力値の3.3%の割合で荷重を掛け、ドラムを1,000回往復運動させて摩耗を発生させ、そのときの強力保持率を耐摩耗性の指標とした。
(3)比重: 電子比重計(ミラージュ貿易社製 SD−200L)を用いて試験を行った。
(4)ガラス転移点: 樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定装置、パーキンエルマー社製 DSC7)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定し、得られた昇温曲線におけるガラス転移に由来する2つの屈曲点の温度の中間値を求め、これをガラス転移点とした。
(5)撚係数: 撚係数Kは、次式:
K=t×D1/2(但し、t:撚り数(回/m)、D:繊度(tex))
より算出した。前記式における繊度Dは、JIS L 1013(1999)に従って測定した。
(実施例1)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を8本製紐したものを、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220(ユニチカ社製 変性ポリオレフィン:ポリオレフィン系樹脂組成が、エチレン80質量%、アクリル酸エチル18質量%、無水マレイン酸2質量%であり、このポリオレフィン系樹脂と、ガラス転移点が90℃のポリウレタン樹脂との混合物である)にディッピングした。その後、乾燥(100℃×1分)し、さらに130℃で約2倍に加熱延伸を行って、樹脂付着量が3.2%omfである、509dtexの実施例1の糸条体を得た。
(実施例2)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を4本製紐したものを、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後・乾燥(100℃×1分)し、さらに130℃で約2倍に加熱延伸を行って、樹脂付着量が3.1%omfである、247dtexの実施例2の糸条体を得た。
(実施例3)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後・乾燥(100℃×1分)して、136dtexの糸条を得た。次いで、該糸条を8本製紐し、130℃で約2.3倍に加熱延伸を行って、樹脂付着量が3.97%omfである、518dtexの実施例3の糸条体を得た。
(実施例4)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後・乾燥(100℃×1分)して、136dtexの糸条を得た。次いで、該糸条を4本製紐し、130℃で約2.3倍に加熱延伸を行って、樹脂付着量が7.01%omfである、265dtexの実施例4の糸条体を得た。
(実施例5)
ガラスヤーン(ユニチカグラスファイバー社製、D450 1/2 4.4S)を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後・乾燥(100℃×1分)して、266dtexの糸条を得た。次いで、該糸条を芯糸とし、側糸として東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を8本製紐して120℃で加熱セットを行うことで、樹脂付着量が3.1%omfである1154dtexの実施例5の糸条体を得た。
(実施例6)
ポリエステルヤーン(ユニチカファイバー社製 210T24 E723)を、工業用水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後・乾燥(100℃×1分)して、259dtexの糸条を得た。次いで該糸条を芯糸とし、側糸として東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を8本製紐して、120℃で加熱セットを行い、樹脂付着量が2.6%omfである1148dtexの実施例6の糸条体を得た。
(比較例1)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(55T49、タイプSK71)を8本製紐することで、比較例1の糸条体を得た。
実施例1〜6、比較例1の糸条体についての各種特性の測定結果を表1に示す。
Figure 0005553568
上表の実施例1〜6と比較例1との測定結果の比較により、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物で接着一体化および被覆加工を施したものの方が、耐摩耗性が良好であることが確認された。また、実施例1〜6では、摩耗試験の際に剥離物の発生がほとんど見られなかった。
(比較例2)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71)を8本製紐したものに対し、ポリウレタン樹脂が混合されてなく変性ポリオレフィン系樹脂のみによる樹脂組成物からなる水性分散体を用いた。すなわち、水性分散体として、水で50質量%に希釈したアローベース(ユニチカ社製 変性ポリオレフィン:ポリオレフィン系樹脂組成が、エチレン80質量%、アクリル酸エチル18質量%、無水マレイン酸2質量%である)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして、比較例2の糸条体を得た。
得られた比較例2の糸条体を用いて摩耗試験を行ったところ、多くの剥離物が見られ、糸条体に含まれたはずの樹脂組成物の多くが剥離脱落していた。
(実施例7)
相対粘度4.0のナイロン6チップに、ヘキサメチレンアジパミド成分が15質量%、エチレンビスステアリルアミドが0.1質量%となるようにそれぞれを添加し、通常のエクストリーダー型溶融紡糸装置を使用し、中空部の数が繊維横断面における周方向に沿って6個となるような紡糸口金を用いて、275℃で溶融紡糸した。紡出したフィラメントを20℃の水浴で冷却した後、引き続いてこれを95℃の湯浴中で3.4倍に延伸(第一段延伸)し、その後225℃の湯浴中で1.7倍に延伸(第二段延伸)した。さらに、230℃で0.9倍の弛緩熱処理を行った。得られた繊維の単糸繊度は490dtexであった。
得られた延伸モノフィラメントを芯糸とし、東洋紡績社製のダイニーマ(110T96、タイプSK71)を鞘部分として、110dtex×8で製紐し、芯鞘構造の1450dtexの糸条を得た。
得られた糸条を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後、加熱セットして、繊度1488dtex、樹脂付着量2.6%omfの実施例7の糸条体を得た。
(実施例8)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(110T96、タイプSK71、111dtex)を、アローベースSAW1220を水で50質量%に希釈したうえで顔料(日本蛍光化学社製 ルミコールNKW−6047E)を5質量%となるように添加した処理液にディッピングした。その後、乾燥して、137dtexの糸条を得た。得られた糸条を8本製紐して、1181dtexの糸条を得た。さらに、加熱延伸を行って、樹脂付着量が3.82%omfである、516dtexの実施例8の糸条体を得た。
(比較例3)
東洋紡績社製の高分子量ポリエチレンの原糸ダイニーマ(55T48、タイプSK71)を56dtex×8で製紐して、480dtexの糸条を得た。得られた糸条を、顔料(日本蛍光化学社製 ルミコールNKW−6047E)が5質量%、アクリル樹脂(大日本インキ社製 ボンコート3750)が5質量%となるように水と混合した処理液にディッピングした。その後、加熱乾燥を行って、樹脂付着量が0.8%omfである、484dtexの比較例3の糸条体を得た。
実施例8の糸条体と比較例3の糸条体とによって釣糸を製造し、これらの釣糸をモニター10人による20時間の実釣に供し、色落ちを目視により評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005553568
表2に示すように、実施例8の糸条体を用いた釣糸の方が、比較例3の糸条体を用いた釣糸よりも色落ちしにくいものであった。
(実施例9)
ナイロン6/66混合樹脂(三菱化成社製 ノバミッド2030Jチップ)に、金属(タングステン、比重19.3)を含有する高比重ナイロン樹脂(カネボウ合繊社製 MCTS00005チップ、比重3)を混ぜ合わせ、以下の条件でモノフィラメントを製造した。すなわち、混ぜ合わせた樹脂を孔径40mmのエクストルーダーに供給して270℃で溶融し、紡糸口金から紡出して50℃の水浴中で冷却した。引き続いて、得られた未延伸糸を95℃の湿熱条件と220℃の乾熱条件とのもとで4.5倍に2段延伸した。さらに、225℃で0.98倍に弛緩熱処理することにより、3123dtexのモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントを芯糸とするとともに、実施例1と同様の東洋紡績社製のダイニーマ(110T96、タイプSK71)を鞘糸として111dtex×8で製紐することで、4083dtexの芯鞘構造の糸条を得た。
そして、得られた芯鞘構造の糸条を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後、加熱セットを行って、樹脂付着量が3.1%omfの4213dtexの実施例9の糸条体を得た。
(実施例10)
東洋紡績社製のダイニーマ(110T96、タイプSK71、111dtex)を撚り係数0.8で加撚した。得られた糸条を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後、加熱延伸を行って、樹脂付着量が14.8%omfの58dtexの実施例10の糸条体を得た。
(実施例11)
東洋紡績社製のダイニーマ(110T96、タイプSK71)を111dtex×8で製紐し、960dtexで10m製紐し、バット部を得た。そして、75cmごとに製紐機のS回転Z回転の糸を交互に4本カットし、3Mのテーパー部を得た。その後、111dtex×4で製紐し、480dtexの道糸部を得て、960dtexから480dtexに太さが変化するテーパー状の糸条を得た。
得られた糸条を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後、加熱延伸を行って、樹脂付着量が3.1%omfの247dtexの実施例11の糸条体を得た。
(実施例12)
ナイロン6/66混合樹脂(三菱化成社製 ノバミッド2030Jチップ)を用いて、以下の条件でモノフィラメントを製造した。すなわち、同樹脂を孔径40mmのエクストルーダーに供給して270℃で溶融し、紡糸口金から紡出した。その際に、延伸〜弛緩熱処理工程終了後のテーパー部が2100〜10744dtex、テーパー部の長さ6m、バット部の長さ7m、道糸部の長さ200mとなるように経時的に変更させた。さらに50℃の水浴中で冷却した。引き続いて、得られた未延伸糸を95℃の湿熱条件と220℃の乾熱条件とのもとで4.5倍に2段延伸した。さらに、225℃で0.98倍に弛緩熱処理することにより、480〜2440dtexのテーパー状モノフィラメントを得た。
このテーパー状モノフィラメント4本と、実施例1と同様の東洋紡績社製のダイニーマ(110T96、タイプSK71)4本とを用いて製紐することで、2553dtexの道糸部を得るとともに、2553dtexから11020dtexに太さが変化するテーパー状の糸条を得た。
そして、得られたテーパー状の糸条を、水で50質量%に希釈したアローベースSAW1220にディッピングした。その後、加熱処理を行って、樹脂付着量が2.9%omfの実施例12の糸条体を得た。
実施例7〜8、比較例3、実施例9〜12の糸条体についての各種特性の測定結果を表3に示す。
Figure 0005553568
実施例7、9の糸条体は、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物によって被覆加工されるとともに接着一体化されていたため、耐摩耗性が良好であった。
実施例9の糸条体は、芯鞘構造で構成される組糸の、ポリエチレンフィラメントからなる鞘糸と、その他の合成繊維からなる芯糸との接着性が良好であり、芯糸と鞘糸との剥離がなく、また糸条体の比重を任意に設定可能であった。
実施例8の糸条体は、比較例3の糸条体と比べ、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物によって被覆加工されるとともに接着一体化されていたため、表2に示すように、比較例3の糸条体よりも色落ちが少ないことが確認された。これは、実施例8の糸条体は、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物で被覆されていたため、耐摩耗性が良好であり、したがって被覆樹脂に含有された顔料が簡単には離脱せずにポリエチレンフィラメントに強固に接着したためであると考えられる。
実施例10の糸条体は、撚糸で構成されたものであったが、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物によって被覆加工されるとともに接着一体化されていたため、耐磨耗性が良好であることが確認された。一般に撚糸で構成された漁具はフィブリル化しやすくケバ立ちやすいが、実施例10の糸条体は、優れた耐摩耗性を有し、使用に十分耐えうる性能を有するものであった。
実施例11、12の糸条体は、テーパー状に形成されたものであったが、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物によって被覆加工されるとともに接着一体化されていたため、耐摩耗性が良好であった。
このように実施例7〜12のいずれの実施例の糸条体も耐摩耗性が高いものであったが、これは、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む樹脂組成物によって、ポリエチレンフィラメントの単糸同士が密着し接着されることにより、実質的に単糸繊度が大きくなってフィブリル化を抑制できたためであると考えることができる。
本発明によれば、超高分子量ポリエチレンフィラメントからなり、さらに接着、集束および顔料付与加工を施した漁具であって、接着性が良好で、かつ所要の耐摩耗性を有した漁具を提供することができる。

Claims (21)

  1. 少なくとも一部にポリエチレンフィラメントを含む糸条体にて構成されており、
    前記糸条体は、複数の繊維によって構成されており、
    前記ポリエチレンフィラメントは、20万以上の高分子量ポリエチレンからなり、
    前記糸条体は、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含むオレフィン−ウレタン系樹脂組成物を含有し、
    前記糸条体への前記オレフィン−ウレタン系樹脂組成物の付着量は、0.5〜10%omfであることを特徴とする漁具。
  2. ポリオレフィン系樹脂(A)が、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)と、エチレン系炭化水素(A2)と、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ビニルエステル、アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物(A3)とを含む変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の漁具。
  3. 数の繊維は、集束された状態でオレフィン−ウレタン系樹脂組成物にて接着一体化されていることを特徴とする請求項1または2記載の漁具。
  4. 糸条体の少なくとも一部が、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物により形成された塗膜によって被覆されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の漁具。
  5. 糸条体は、ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維として、芳香族系ポリエステル系繊維、脂肪族ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、フッ素樹脂系繊維、金属繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維から選ばれる1種以上の繊維を含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の漁具。
  6. ポリエチレンフィラメントは、中空構造を有するものであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の漁具。
  7. ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維は、中空構造を有するものであることを特徴とする請求項5記載の漁具。
  8. ポリエチレンフィラメントと、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物との少なくともいずれかが色づけられたものであり、この色づけが、ポリエチレンフィラメントの原着および、または染色によるものと、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物が顔料および、または染料を含むことによるものとの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項記載の漁具。
  9. ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維が色づけられたものであり、この色づけが、ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維の原着および、または染色によるものであることを特徴とする請求項5記載の漁具。
  10. ポリエチレンフィラメントと、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物との少なくともいずれかが金属粒子を含有することを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項記載の漁具。
  11. ポリエチレンフィラメント以外の他の繊維が金属粒子を含有することを特徴とする請求項5記載の漁具。
  12. 糸条体は、伸度が1〜5%であり、比重が1.0〜3.0であることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項記載の漁具。
  13. 糸条体は、撚係数0.2〜1.5の撚りが施された撚糸であることを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項記載の漁具。
  14. 糸条体は、芯糸と、芯糸のまわりの鞘部分とを有した芯鞘構造を有することを特徴とする請求項1から13までのいずれか1項記載の漁具。
  15. 鞘部分がポリエチレンフィラメントにて構成されていることを特徴とする請求項14記載の漁具。
  16. 芯糸と鞘部分との間の少なくとも一部に、オレフィン−ウレタン系樹脂組成物による塗膜が形成されていることを特徴とする請求項15記載の漁具。
  17. 釣糸であることを特徴とする請求項1から16までのいずれか1項記載の漁具。
  18. 糸条体を構成する繊維の数が減少されることで、釣糸が、長さ方向に沿って径が小さくなるテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項17記載の漁具。
  19. 釣糸であり、
    釣糸におけるポリエチレンフィラメント以外の他の繊維がテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項記載の漁具。
  20. 請求項1から19までのいずれか1項に記載の漁具を製造するための方法であって、糸条体を形成するための外周処理工程において、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む水性分散体を用いて、複数の繊維を集束させた状態で接着処理を行うことを特徴とする漁具の製造方法。
  21. 請求項1から19までのいずれか1項に記載の漁具を製造するための方法であって、糸条体を形成するための工程の途中において、ポリオレフィン系樹脂(A)とガラス転移点が30℃以上のポリウレタン樹脂(B)とを含む水性分散体を用いて、複数の繊維を集束させた状態で接着処理を行うことを特徴とする漁具の製造方法。
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