JP5606734B2 - 医薬化合物 - Google Patents

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Description

発明の背景
技術分野
本発明は、(a)ROCKキナーゼの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、および/または(b)ROCKキナーゼの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療、および/または(c)プロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、および/または(d)プロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療、におけるプリン、プリノン、およびデアザプリンの使用ならびにデアザプリノン化合物に関する。本発明はまた、前記使用のための前記化合物、ならびに、プリン、プリノン、デアザプリンおよびデアザプリノン化合物を含有する種々の医薬組成物に関する。
背景技術
プロテインキナーゼ
プロテインキナーゼは、細胞内における様々なシグナル伝達過程の制御に関与する構造的に関連する酵素の大きなファミリーを形成している(ハーディー(Hardie,G.)およびハンクス(Hanks,S.)、1995年、タンパク質キナーゼファクトブックIおよびII(The Protein Kinase Facts Book、I and II)アカデミックプレス(Academic Press)、サンディエゴ、カリフォルニア)。前記キナーゼは、それらがリン酸化する基質により、各ファミリーに分類される(例えば、タンパク質−チロシン、タンパク質−セリン/スレオニン、脂質など)。これらキナーゼファミリーの各々に通常対応する配列モチーフが特定されてきた(例えば、ハンクス(Hanks,S.K.)、ハンター(Hunter,T.)、米国実験生物学協会誌(FASEB J.)、9:576−596、1995年;ナイトン(Knighton)ら、サイエンス(Science)、253:407−414、1991年;ハイルズ(Hiles)ら、セル(Cell)、70:419−429、1992年;クンツ(Kunz)ら、セル(Cell)、73:585−596、1993年;ガルシア−ブストス(Garcia−Bustos)ら、欧州分子生物学機構誌(EMBO J.)、13:2352−2361、1994年)。
プロテインキナーゼはそれらの調節メカニズムにより特徴付けられる。これらのメカニズムには、例えば自己リン酸化、他のキナーゼによるリン酸基転移、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−脂質相互作用、およびタンパク質−ポリヌクレオチド相互作用がある。個々のプロテインキナーゼは2以上のメカニズムにより調節されることもある。
キナーゼは、リン酸基を標的タンパク質へ付加することにより、増殖、分化、アポトーシス、運動、転写、翻訳、および他のシグナル伝達作用に限定されないが、それらを含めた多くの異なる細胞過程を調節している。これらのリン酸化現象は、標的タンパク質の生物学的機能を調節または調節しうる分子オン/オフスイッチとして作用する。標的タンパク質のリン酸化は、様々な細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、増殖、および分化因子など)、細胞周期現象、環境ストレス、または栄養ストレスなどに反応して生じる。適切なプロテインキナーゼは、例えば代謝酵素、調節タンパク質、受容体、細胞骨格タンパク質、イオンチャンネルまたはイオンポンプ、または転写因子を(直接的または間接的に)活性化または不活性化するために、シグナル伝達経路において機能する。タンパク質リン酸化の制御の欠陥に起因する制御されないシグナルは、例えば炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾患および症状、中枢神経系の疾患および症状、および血管新生を含む、多くの疾患に関与している。
アポトーシスすなわちプログラム細胞死は、生物にもはや必要とされない細胞を除去する重要な生理的過程である。この過程は初期胚の成長および発生において重要であり、細胞成分の制御された非壊死的な破壊、除去および回復を可能にする。アポトーシスによる細胞の除去は、増殖細胞集団の染色体およびゲノムの全体性の維持においてもまた重要である。DNA損傷およびゲノムの全体性が注意深くモニタリングされる細胞増殖サイクルには、いくつかの公知のチェックポイントがある。かかるチェックポイントでの異常の検出に対する反応は、かかる細胞の増殖を停止し、修復過程を開始することである。損傷または異常を修復できないならば、欠陥およびエラーの伝播を防止するために、損傷を受けた細胞によりアポトーシスが開始される。癌細胞は、染色体DNA中に多数の変異、エラーまたはリアレンジメントを一貫して含んでいる。大多数の腫瘍はアポトーシス過程の開始に関与する過程の1つまたは複数において欠陥を有するので、このようなことが部分的に生じると広く考えられている。通常の制御機構は癌細胞を殺すことができず、染色体エラーまたはDNAのコードするエラーが伝播され続ける。結果として、これらのプロアポトーシスシグナルを回復させるか、または無秩序な生存シグナルを抑制することが、ガンを治療する好ましい手段である。
酵素のホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)、PDK1およびPKBをとりわけ含んでいるシグナル伝達経路は、多くの細胞におけるアポトーシスに対する耐性の増加または生存のための反応を仲介することが長く知られている。この経路がアポトーシスを抑制する多くの増殖因子によって使用される重要な生存経路であることを示す多大な量のデーターがある。PI3Kファミリーの酵素は、様々な増殖因子および生存因子(例えばEGF、PDGF)によって、およびポリホスファチジルイノシトールの生成を介して活性化され、キナーゼPDK1、およびaktとしても知られるプロテインキナーゼB(PKB)の活性を含む下流のシグナル伝達事象の活性化を開始する。このことは腫瘍形成だけでなく、宿主組織(例えば、血管内皮細胞)においてもまた当てはまる。
プロテインキナーゼp70S6K
70kDaリボソームプロテインキナーゼp70S6K(SK6、p70/p85S6キナーゼ、p70/p85リボソームS6キナーゼおよびpp70S6Kとしても知られる)は、プロテインキナーゼのAGCサブファミリーのメンバーである。p70S6Kは、セリンスレオニンキナーゼであり、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)/AKT経路の構成要素である。p70S6KはPI3Kの下流にあり、多数のマイトジェン、ホルモンおよび成長因子に応答して多くの部位でリン酸化によって活性化が起こる。ラパマイシンはp70S6K活性を阻害する作用があり、タンパク質合成を阻止する(特に、リボソームタンパク質をコードするこれらのmRNAの翻訳のダウンレギュレーションの結果として)ので、この応答はmTORに制御されている可能性がある。p70S6Kはまた、PI3Kおよびその下流標的であるAKTにより調節される。ウォルトマンニンおよびラパマイシンは、PI3K経路に依存する部位でp70S6Kリン酸化の低下を引き起こす。変異p70S6Kは、ラパマイシンではなくウォルトマンニンにより阻害され、これはPI3K経路がmTOR活性の調節と無関係にp70S6Kに対して効果を呈し得ることを示唆している。
酵素p70S6Kは、S6リボソームタンパク質のリン酸化によりタンパク質合成を調節する。S6のリン酸化は、リボソームタンパク質および翻訳延長因子(その発現増加が細胞成長および増殖にとって不可欠である)を含む翻訳装置の構成要素をコードするmRNAの増加した翻訳と相関する。これらmRNAは、翻訳レベルでこれらmRNAの調節にとって不可欠なことが示されている5’転写開始(5’TOPと呼ばれる)においてオリゴピリミジン経路を含んでいる。
翻訳への関与に加え、p70S6K活性化はまた、細胞周期制御、神経細胞分化、細胞運動の調節、ならびに腫瘍転移、免疫反応および組織修復において重要である細胞応答に関与すると考えられている。p70S6Kに対する抗体は、細胞分裂誘起反応により引き起こされるラット繊維芽細胞のS期への進入を阻止し、これは、p70S6K機能が細胞周期におけるG1期からS期への進行にとって不可欠であることを示している。さらに、ラパマイシンによる細胞周期のG1期からS期での細胞周期増殖の阻害は、高リン酸化活性型p70S6Kの産生の阻害の結果として確認されている。
腫瘍抑制因子LKB1は、mTOR/p70S6K経路のTSC1/2コンプレックスをリン酸化するAMPKを活性化し、したがって、PKBに依存しない経路を通ってp70S6Kに入る。LKB1における変異は、ポイツイエーガー症候群(PJS)を引き起し、PJSの患者は、一般集団より癌になる可能性が15倍高い。加えて、肺腺癌の1/3では不活性化LKB1変異を有する。
腫瘍細胞増殖および細胞死からの細胞の保護におけるp70S6Kの役割は、腫瘍組織における成長因子受容体シグナル伝達、過剰発現および活性化へのp70S6Kの関与に基づいて認識される。例えば、ノーザンおよびウェスタン分析は、PS6K遺伝子の増幅は対応するmRNAおよびタンパク質発現の増加を伴うことをそれぞれ示した(キャンサーリサーチ(Cancer Res.)、1999、59:1408〜11、染色体領域17q23へのPS6Kの局在化および乳癌における増幅の測定(Localization of PS6K to Chromosomal Region 17q23 and Determination of Its Amplification in Breast Cancer))。
膵臓癌、膀胱癌および神経芽細胞腫などの他の癌型に加え、原発性乳房腫瘍の20%まで、BRCA2変異を含む乳房腫瘍の87%で、そしてBRCA1変異を含む腫瘍の50%で染色体17q23が増幅される(バールルンド(M Barlund)、モンニ(O Monni)、コノネン(J Kononen)、コーネリソン(R Cornelison)、トーホースト(J Torhorst)、サウター(G Sauter)、カリオニエミ(O−P Kallioniemi)およびカリオニエミ(Kallioniemi A)、キャンサーリサーチ(Cancer Res.)、2000、60:5340〜5346参照)。乳癌における17q23の増幅はPAT1、RAD51C、PS6KおよびSIGMA1B遺伝子と関連することが示されているキャンサーリサーチ(Cancer Res.)、2000、60:5371〜5375ページ)。
p70S6K遺伝子はこの領域における増幅および過剰発現の標的として認識されており、増幅と予後不良の間に統計的に有意な関連性が観察されている。
p70S6K活性化の臨床上の阻害は、上流キナーゼmTORの阻害剤であるCCI−779(ラパマイシンエステル)で治療された腎癌患者において観察された。疾患進行とp70S6K活性の阻害との間で著しい線形関連が報告された。
p70S6Kは代謝病および疾患に関与しているとみなされている。インスリン感受性を増強する一方、p70S6の欠如は加齢性および食餌性肥満に対して効果があることが報告された。肥満、糖尿病、メタボリック症候群、インシュリン抵抗性、高血糖、高アミノ酸血症および高脂血症などの代謝病および疾患におけるp70S6Kの役割は、当該知見に基づいて認識されている。
ROCKキナーゼ
ROCKキナーゼファミリーは、ROCK1およびROCK2という2つの公知のメンバーを含む。
ROCK1。同義語:Rho関連タンパク質キナーゼ1;p160ROCK;P160ROK;p160ROCK−1、Rho関連、コイルドコイル構造含有プロテインキナーゼ1;Rhoキナーゼ1;ROKベータ。
ROCK2。同義語:Rho関連プロテインキナーゼ2;p164ROCK;p164ROK;p164ROCK−2;Rho関連、コイルドコイル構造含有プロテインキナーゼ2、Rhoキナーゼ2;ROKアルファ。
転移の過程では、細胞−細胞および細胞-マトリクス接着に加え細胞骨格の再編成を伴い、これにより細胞の腫瘤からの離脱、局部組織への進入、そして最終的に体全体への広がりを可能にする。細胞形態および接着に対するこれら効果は、RhoGTPアーゼファミリーのメンバーにより調節される。
活性化されたRhoAは、ROCKキナーゼROCK1およびROCK2を含むいくつかのエフェクタータンパク質と相互作用することができる。ROCK1およびROCK2は、物理的結合を介してRho−AGTPコンプレックスにより活性化され得る。活性化されたROCKは、多くの基質をリン酸化し、極めて重要な細胞機能に大切な役割を果たす。ROCKの基質としては、ミオシン軽鎖ホスファターゼ(MBS、またMYPT1とも呼ばれる)のミオシン結合サブユニット、アデュシン、モエシン、ミオシン軽鎖(MLC)、LIMキナーゼおよび転写因子FHLが挙げられる。これら基質のリン酸化は、前記タンパク質の生物活動を調節し、外部刺激に対する細胞の反応を変更させる手段を提供する。
Rhoエフェクタータンパク質ROCK1およびROCK2に加え、RhoAおよびRhoCの高度発現も、精巣性胚細胞腫瘍の進行、転移能を有する小乳癌、膀胱癌の浸潤および転移、卵巣癌における腫瘍発達を含むヒト癌において一般的に観察される。
侵襲性および転移性の形態への腫瘍の進行は、腫瘍細胞が劇的な形態学的変化(RhoGTPアーゼにより調節される過程)を経ることが必要である。アクトミオシン収縮性は、細胞が環境に対して移動する力を及ぼすメカニズムである。低分子量GTPアーゼRho下流でのシグナル伝達は、ミオシンII軽鎖(MLC2)リン酸化のROCKが仲介する調節による収縮性を増加する。
ROCKキナーゼは、接着斑とストレスファイバーの誘発に関与し、ミオシン調節軽鎖のリン酸化の増強により平滑筋収縮のカルシウム増感を仲介すると考えられる。
生体内研究はまた、ROCK阻害がいくつかの腫瘍細胞株の侵襲性を減少することを示した。Y−27632またはWF−536などのROCK阻害剤は、これらの特性を実証するためいくつかの研究において使用されている。
ROCK阻害剤は、様々な疾患の治療での使用が示唆されている。疾患としては、高血圧、慢性および鬱血性心不全、心臓肥大、再狭窄、慢性腎不全ならびにアテローム性動脈硬化症などの心疾患が挙げられる。また、その筋肉弛緩特性により、阻害剤は、喘息、男性勃起障害、女性性機能障害および過活動膀胱I症候群に適し得る。
ROCK阻害剤は、抗炎症特性を有することが示されている。したがって、前記阻害剤は、卒中、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および炎症性疼痛などの神経炎症性疾患ならびに関節リウマチ、過敏性腸症候群および炎症性腸疾患など他の炎症性疾患の治療として使用することができる。前記阻害剤の神経突起伸長誘発効果に基づき、ROCK阻害剤は、CNS内の病変における新規の軸索成長および軸索再構成を誘発する神経再生に対して有用な薬剤と成り得る。したがって、ROCK阻害剤は、脊髄損傷、急性神経細胞損傷(卒中、外傷性脳損傷)、パーキンソン病、アルツハイマー病および他の神経変性障害などのCNS疾患の再生治療に有用であり得る。ROCK阻害剤が細胞増殖および細胞移動を減少させるので、ROCK阻害剤は癌および腫瘍転移の治療に有用であり得る。最後に、ROCK阻害剤がウイルス侵入による細胞骨格再構成を抑制すると示唆する証拠があり、したがってROCK阻害剤はまた、抗ウイルスおよび抗バクテリア用途で潜在的な治療的価値を有している。ROCK阻害剤はまた、インシュリン抵抗性および糖尿病の治療に有用である。
ROCK阻害剤Y−27632
宿主細胞層への腫瘍細胞の接着およびその後の細胞間移動は、癌浸潤および転移の極めて重要なステップである。低分子GTPアーゼRhoは、アクチン細胞骨格の再編成およびアクトミオシン収縮性の調節により細胞の接着および運動性を制御する。培養ラットMM1ヘパトーマ細胞は、生体外で中皮細胞単層を通って血清依存的およびRho仲介的に移動する。Rhoの推定上の標的分子として単離されたいくつかのタンパク質のうち、ROCKキナーゼは、培養細胞における接着斑およびストレスファイバーの誘発に関与し、ミオシン調節軽鎖のリン酸化の増強により平滑筋収縮のカルシウム増感を仲介すると考えられる。ROCKのドミナントアクティブ変異体をコードするcDNAを有するMM1細胞のトランスフェクションは、血清およびRhoとは無関係に侵入活性をもたらした。対照的に、ドミナントネガティブなキナーゼ欠損ROCK変異体の発現は実質的に侵襲性表現型を減少させた。
特異的ROCK阻害剤(Y−27632)は、アクトミオシンのRho仲介的活性化およびこれらの細胞の侵入活性の両方を阻止した。さらに、浸透圧ポンプを用いたこの阻害剤の連続的な供給により、同系ラットの腹膜腔へ移植されるMM1細胞の広まりが大幅に減少した。これらの結果は、ROCKが腫瘍細胞浸潤において主要な役割を果たし、癌浸潤と転移の予防のための治療標的としてROCKの潜在能力を実証することを示す。
VEGFは、RhoA活性化を誘発し、ヒトECの細胞膜へRhoAを動員した。RhoA活性のこの増加は、ドミナントネガティブRhoAのアデノウイルストランスフェクションにより示されるように、VEGFに誘発されるF−アクチン細胞骨格再編成に必要である。Rhoキナーゼの特異的阻害剤であるY−27632の使用により示されたように、Rhoキナーゼは、RhoAのこの効果を仲介した。Rhoキナーゼの阻害は、機械的損傷に応答した、VEGFに増強されたEC移動を防いだが、定常的なEC移動には影響を与えなかった。さらに、血管新生の生体外モデルにおいて、RhoAまたはRhoキナーゼのいずれかの阻害は、3次元フィブリンマトリックス中のVEGFが仲介するEC内部成長を減少した。結論:VEGFに誘発されるECの細胞骨格の変化はRhoAおよびRhoキナーゼを必要とし、RhoA/Rhoキナーゼシグナル伝達の活性化は、VEGFに誘発される生体外EC移動および血管新生に関与する。
Y−27632は平滑筋を弛緩し、血管血流を高めることができる。Y−27632は、細胞に進入することができる小分子であり、ラットにおける10日間30mg/kgの経口投与では毒性を示さない。この化合物の使用有効量は約30uMである。これは高血圧ラットでの血圧を下げるが、正常なラットでの血圧には影響しない。これは、高血圧治療におけるRhoシグナル伝達アンタゴニストの同定に結びついた(ソムリオ(Somlyo)、ネイチャー(Nature)、1997、389:908;ウエハタ(Uehata)ら、ネイチャー(Nature)、1997、389:990)。
ROCKの特異的阻害剤であるY−27632(ウエハタら、ネイチャー(Nature)、389、990 994、1997;デービース(Davies)ら、バイオケミカルジャーナル(Biochemical Journal)、351、95〜105、2000;そしてイシザキ(Ishizaki)ら、分子薬理学(Molecular Pharmacology)、57、976〜983、2000)の使用は、血管(ウエハタ(Uehata)ら、ネイチャー(Nature)、389、990〜994、1997)、気道(イリクカ(Ilikuka)ら、ヨーロピアンジャーナルオブファーマコロジー(European Journal of Pharmacology、406、273〜279、2000)および生殖器(チタレー(Chitaley)ら、ネイチャーメディシン(Nature Medicine)、7(1)、119〜122、2001)の平滑筋を含む多くの組織におけるCa2+に無関係な収縮の調節におけるこの酵素の役割を示した。さらに、ジャジア(Jezior)ら、ブリティッシュジャーナルオブファーマコロジー(British Journal of Pharmacology、)、134、78〜87、2001は、Y−27632が単離されたウサギ泌尿器35膀胱平滑筋においてベタネコールで誘発された収縮を減少させることを示した。
Rhoキナーゼ阻害剤Y−27632は、次の疾患用途に関して試験されている。
高血圧(ウエハタ(Uehata)ら、1997、同上;チタレー(Chitaley)ら、2001a、同上;クリスソボリス(Chrissobolis)および15ソビー(Sobey)、2001 C.サーキュレーションリサーチ(Circ.Res)88:774);
喘息(イイヅカ(Iizuka)ら、2000、ヨーロピアンジャーナルオブファーマコロジー(Eur.J.Pharmacol)406:273;ナカハラ(Nakahara)ら、ヨーロピアンジャーナルオブファーマコロジー(Eur.J.Pharmacol)389:103、2000);
肺血管収縮(タカムラ(Takamura)、2001、肝臓病学(Hepatology)33、577);
血管疾患(ミヤタ(Miyata)ら、2000、血栓および血管生物学(Thromb Vasc Biol)20、2351;ロバートソン(Robertson)ら、2000、ブリティッシュジャーナルオブファーマコロジー(Br.J.Pharmacol)、131:5);
陰茎勃起障害(チタレー(Chitaley)ら、2001b、ネイチャーメディシン(Nature Medicine)7:119;ミルズ(Mills)ら、2001、ジャーナルオブアプライドフィジオロジー(J.Appl.Physiol.)91:1269;リーズ(Rees)ら、ブリティッシュジャーナルオブファーマコロジー(Br.J.Pharmacol)、133:455、2001);
緑内障(ホンジョウ(Honjo)ら、2001、メソッズインエンザイモロジー(Methods Enzymol)42:137;ラオ(Rao)ら、2001、Invest.Opthalmol.Urs.Sci.42:1029);
細胞形質転換(サハイ(Sahai)ら、1999、カレントバイオロジー(Curr.Biol.)、9:136〜5);
前立腺癌転移(ソムリオ(Somlyo)ら、2000、BBRC、269:652);
肝細胞癌および転移(イマムラ(Imamura)ら、2000;タカムラ(Takamura)ら、2001);
肝臓線維症(タダ(Tada)ら、2001、肝臓学ジャーナル(J.Hepatol)34:529;ワン(Wang)ら、2001、アメリカンジャーナルオブレスピラトリーセルアンドモルキュラーバイオロジー(Am.J.Respir.Cell Mol Biol.)25:628);
腎臓線維症(オールシ(Ohlci)ら、ジャーナルオブハートラングトランスプランテーション(J.Heart Lung Transplant)20:956、2001);
心保護および同種移植生着(オールシ(Ohlci)ら、2001、同上);
脳血管痙攣(サトウ(Sato)、2000、サーキュレーションリサーチ(Circ.Res)87:195)。
ROCKキナーゼと心疾患
低分子グアノシン三リン酸結合タンパク質Rhoのすぐ下流の標的であるROCKが心疾患の一因である可能性があるという証拠が増えている。ROCKは、平滑筋収縮、ストレスファイバー形成ならびに細胞移動および増殖などの種々の細胞機能に中心的な役割を果たす。ROCKの過剰活性は、脳虚血、冠攣縮性狭心症、高血圧、血管炎症、動脈硬化症およびアテローム性動脈硬化症において観察される。ROCKはしたがって、心疾患において重要かつなお比較的未調査の治療標的であり得る。Y−27632およびファスジルなどのROCK阻害剤を用いる最近の実験および臨床研究は、胚発育、炎症および腫瘍形成におけるROCKの重大な役割を示した。この総説は、細胞機能におけるROCKの潜能的役割に注目し、心疾患の新たな治療法としてのROCK阻害剤の見通しについて検討することとなる。
異常な平滑筋収縮性は高血圧などの病状の主要な要因である可能性があり、このプロセスを調整する平滑筋弛緩物質は治療上有用であろう。平滑筋収縮は、細胞質のCa2+濃縮および筋フィラメントのCa2+感受性により調節され、前者はミオシン軽鎖キナーゼを活性化し、後者はミオシンホスファターゼの阻害により部分的に達成される。
血管平滑筋細胞におけるRhoシグナル伝達経路は、再狭窄傷害およびアテローム性動脈硬化症を含む様々な血管疾患に関連する症状である高血圧において高度に活性化されている。
高血圧は、増加した末梢血管抵抗および/または血管構造再構築に特徴付けられる心臓血管疾患である。最近、高血圧の動物モデルからの証拠が急速に増加しており、低分子量GTPアーゼRhoおよびその下流のエフェクターであるRhoキナーゼが高血圧の病因に重要な役割を果たすことを示唆している。Rho/Rhoキナーゼ経路の活性化は、高血圧における平滑筋収縮性にとって不可欠である。より多いRhoA発現および増強したRhoA活性が、遺伝的自然発症高血圧ラットおよびN(オメガ)−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル誘発性高血圧などの高血圧ラットの大動脈で観察されている。
ROCKキナーゼと神経疾患
Rho/ROCK経路の異常活性化は中枢神経系の様々な疾患で観察されている。成人脊椎動物の脳および脊髄の損傷はROCKを活性化し、これにより神経突起成長および発芽が阻害される。ROCKの阻害は、哺乳動物の脊髄損傷後の再生を早め、機能回復を増強し、Rho/ROCK経路の阻害はまた、卒中、炎症性および脱髄性疾患、アルツハイマー病および神経障害性疼痛の動物モデルにおいて有効であることが証明された。ROCK阻害剤はしたがって、様々な神経疾患における神経変性を防ぎ、神経再生を刺激する潜在的な能力を有する。
神経細胞の発達は、発生した場所からの移動そして突起伸長に始まる一連の工程を必要とし、最終的に、分化、および神経細胞が適切な標的と連絡することを可能にする結合部の形成をもたらす。過去数年にわたり、GTPアーゼのRhoファミリーおよび関連する分子が、神経突起伸長および分化、軸索経路探索、ならびに樹状突起棘形成および維持を含む神経発達の様々な側面で重要な役割を果たすことが明らかになった。
神経突起伸長阻害および神経突起反卒中用の両方に関する共通要素の1つとしては、成長円錐内のアクチン再構成が挙げられる。神経細胞および非神経細胞の両方におけるアクチン細胞骨格の調節の中心となるのは、低分子GTPアーゼのRhoファミリーである。Rhoファミリーのメンバーは、不活性なGDP結合形態と活性のあるGTP結合形態を繰り返す。一連のいくつかの証拠は、RhoGTPアーゼの活性状態の操作が成長円錐崩壊および神経突起伸長阻害を調整し得ることを示唆する。
より最近では、行動学的には、Rho経路の不活性化は、移動力の迅速な回復および前肢後肢調和の漸進的な回復をもたらすことができる。これらの所見は、Rhoシグナル伝達経路が脊髄損傷後に治療的介入の潜在的な標的であるという証拠を提供する。
WO93/13072号(イタルファルマコ(Italfarmaco))は、プロテインキナーゼ阻害剤としてある種のビス−スルホンアミドジアミンを開示している。
WO99/65909号(ファイザー(Pfizer))は、免疫抑制剤としての使用可能性を有する、プロテインチロシンキナーゼ活性を有するある種のピロール[2,3−d]ピリミジン化合物を開示している。
WO2004/074287号(アストラゼネカ(Astra Zeneca))は、関節炎のような自己免疫疾患の治療に用いるピペラジニル−ピリジルアミドを開示している。前記化合物中のピペラジン基はプリン基に結合してもよい。
WO02/18348号(ホフマンラロシュ(F.Hoffman La Roche))は、アルファ−1アドレナリン拮抗薬として、ある種のアミノ−キナゾリン誘導体を開示している。アミノ−キナゾリン化合物の製造法はピペリジンなどのgem−二置換環式アミンの使用を伴い、ここでgem−置換基の一つはアミノメチル基である。
WO03/088908号(ブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol Myers Squibb))は、カリウムチャンネル阻害剤として、N−ヘテロアリール−4,4−二置換ピペリジンを開示している。
WO01/07050号(シェリング(Schering))は、咳の治療に用いるノシセプチンレセプターORL−1アゴニストとして、置換ピペリジンを開示している。
米国特許第2003/0139427号(OSI)は、アデノシンレセプター結合活性を有するピロリジン−およびピペリジン−置換プリンおよびプリン類似物を開示している。
WO2004/043380号(ハーバードカレッジ(Harvard College)ら)は、二置換ピペリジン金属イオンキレート化リガンドを含有するテクネチウムおよびレニウム標識造影剤を開示している。
WO97/38665号(メルク(Merck))は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害活性を有するgem−二置換ピペリジン誘導体を開示している。
欧州特許第1568699号(エーザイ(Eisai))は、DPPIV阻害活性を有する1,3−ジヒドロイミダゾール縮合環化合物を開示している。前記化合物は、癌の治療を含む一連の使用可能性を有すると記載されている。
米国特許第2003/0073708号および米国特許第2003/045536号(両方ともカステラノ(Castelhano)ら)、WO02/057267号(OSIファーマシューティカルズ(OSI Pharmaceuticals))およびWO99/62518号(カデュスファーマシューティカルコーポレーション(Cadus Pharmaceutical Corporation))はそれぞれ、4−アミノ基がアゼチジン、ピロリジンおよびピペリジンのような環式アミンの一部を形成する、ある種の4−アミノデアザプリンを開示している。前記化合物はアデノシンレセプターアンタゴニスト活性を有すると記載されている。
米国特許第6162804号(メルク(Merck))は、チロシンキナーゼ阻害剤活性を有するある種のベンゾイミダゾールおよびアザベンゾイミダゾール化合物を開示している。
発明の概要
本発明は、その少なくとも一部は、本明細書に定義される式(I)で表される化合物の様々な新規な医療用途を見出したことに基づく。
特に、本発明者らは現在、式(I)の化合物が(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に適用されることを見出した。
従って、ある態様では、本発明は、式(I)の化合物、
Figure 0005606734
あるいはその塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドを提供し、式中
Tは、NまたはCR基であり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
は、結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく、
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、前記リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合はG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Gは、水素、NR、OHおよびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素でありGがNRである場合、Qは結合である)、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、
または存在する場合にはNRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRであり、
前記化合物は、(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に使用する。
別の実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、
Figure 0005606734
あるいはその塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素であり、GがNRである場合、Qは結合である)、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合している窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合している窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
存在する場合、NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRであり、
前記化合物は(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に使用する。
他の態様では、本発明は、式(Ib)の化合物、
Figure 0005606734
あるいはその塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素であり、GがNRである場合、Qは結合である)、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、単環式もしくは二環式アリール基および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基により場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
存在する場合、NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRであり、
前記化合物は(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に使用する。
他の態様では、本発明は、式(Ic)の化合物、
Figure 0005606734
あるいはその塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
は、結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく、
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、前記リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置せず、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合は、Qは結合ではない)、
は、アリールまたはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRであり、
前記化合物は(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に使用する。
他の態様では、本発明は、式(Id)の化合物、
Figure 0005606734
あるいはその塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置せず、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合は、Qは結合ではない)、
は、アリールまたはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子とが共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRであり、
前記化合物は(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に使用する。
本発明はまた、
(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に用いる化合物である、本明細書で定義される式(I)の化合物自体、
(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療に用いる化合物である、本明細書で定義される式(I)の化合物、
(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される疾患または症状の治療または予防用、ならびに/あるいは(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの調節(例えば、阻害)が示される被験者または患者集団の治療用薬剤の製造のための本明細書で定義される式(I)の化合物の使用、
予防または治療を必要とする被験者に本明細書で定義される式(I)の化合物を投与することを含む、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kが仲介する病態または症状の予防または治療方法、
ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6K活性の阻害に有効な量の本明細書で定義される式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞増殖または異常な細胞停止による細胞死を含むまたはそれに起因する疾患または症状の治療方法、
ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kに本明細書で定義される式(I)のキナーゼ阻害化合物を接触させることを含む、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの阻害方法、
本明細書で定義される式(I)の化合物を使用して、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kの活性を阻害することによる、細胞過程(例えば、細胞分裂)の調節方法、
ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kが仲介する病態または症状の予防または治療で用いる本明細書で定義される式(I)の化合物、
ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kが仲介する病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための本明細書で定義される式(I)の化合物の使用、
ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kが仲介する異常な細胞増殖または異常な細胞停止による細胞死に起因する病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための本明細書で定義される式(I)の化合物の使用、
異常な細胞増殖の阻害に有効な量の本明細書で定義される式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含む、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kが仲介する哺乳動物における異常な細胞増殖または異常な細胞停止による細胞死を含むまたはそれに起因する疾患または症状の罹患率の減少または低減方法、
本明細書で開示されるいずれの病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための本明細書で定義される式(I)の化合物の使用、
患者(例えば、予防または治療を必要とする患者)に本明細書で定義される式(I)の化合物を(例えば、治療上有効な量で)投与することを含む、本明細書で開示されるいずれの病態または症状の治療または予防方法、
患者(例えば、予防または治療を必要とする患者)に本明細書で定義される式(I)の化合物を(例えば、治療上有効な量で)投与することを含む、本明細書で開示される病態または症状の罹患率の減少または低減方法、
(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状がROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6K対して活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状がそのような感受性を有することが示された場合に、その後、患者に本明細書で定義される式(I)の化合物を投与することを含む、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼP70S6Kが仲介する病態または症状の診断および治療方法、
スクリーニングされ、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kに対して活性を有する化合物による治療に感受性のある疾患または症状に罹患している、または罹患するリスクがあると判定された患者における病態または症状の治療または予防用薬剤の製造のための本明細書で定義される式(I)の化合物の使用、
を提供する。
本発明はまた、下記請求項に開示される、組み合わせ、使用、方法、化合物、および工程をさらに提供する。
一般的な好ましい選択肢および定義
以下の任意の条件のうちのいずれか1つまたは複数は、本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)のいずれか1つならびにサブグループおよび実施形態のいずれにも任意の組合せで適用され得る。
(i)J−Jが(R)C=C(R)であり、Rがアリールまたはヘテロアリール基である場合、前記アリールまたはヘテロアリール基は、本明細書で定義される1つまたは複数の置換基(すなわち水素以外の部分)を有する。
(ii)Qが結合であり、Eがピペラジン基である場合、Rは、ピペラジン基の窒素原子に結合した置換ピリジル基以外のものであり、ここで置換ピリジル基はアミド部分により置換されている。
(iii)Qが窒素原子を含み、部分QGがヘテロ環基を含む場合、Rは置換アミノキノキサリン基以外のものである。
本明細書では、「ROCKキナーゼ」および「ROCK」なる語は、ROCKキナーゼファミリーの全メンバーを包含する同意語的な総称であり、したがって属内の種としてROCK1およびROCK2の両方を含む。とりわけ、ROCKキナーゼ阻害剤、ROCKキナーゼ調節およびROCKキナーゼ活性への言及はしたがって適宜解釈されるべきである。
「Rhoタンパク質」なる語は、RhoAとRhoCを含む、アクチン構築の調節に関与するGTP結合タンパク質の大きなファミリーの定義に使用される技術用語である。
本明細書では、「Rhoシグナル伝達経路」なる語は、Rhoタンパク質の1つ以上のメンバーが関与するあらゆる細胞シグナル経路を定義する。本発明に特に関連するのは、ROCKキナーゼ(例えば、ROCK1および/またはROCK2)が1つ以上のRhoタンパク質に対して近接のエフェクター(例えば、結合パートナー)であるRhoシグナル経路であり、そのようなRhoシグナル経路は、とりわけRhoシグナル経路を引用して定義された本発明の実施形態において好ましい。
本明細書では、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kに対して使用される「調節」なる語は、キナーゼの生物学的活性レベルの変化を明確にすることを目的とする。したがって、調節は、関連するプロテインキナーゼ活性の上昇または減少をもたらす生理的変化を包含する。後者の場合、調節は「阻害」とも表現される。前記調節は、直接あるいは間接的に発生し、どのようなメカニズムおよび、例えば遺伝子発現(例えば、転写、翻訳および/または翻訳後修飾を含む)の段階やキナーゼ活性レベルに直接あるいは間接的に作用する調節要素をコードする遺伝子の発現の段階や酵素(例えば、ROCKまたはp70S6K)活性(例えば、アロステリック機構、競争阻害、活性部位不活性化、フィードバック抑制経路の摂動など)の段階を含むどのような生理的段階で起こってもよい。したがって、調節はキナーゼの上昇/抑制された発現もしくは過剰なまたは不十分な発現を意味してもよく、それには転写効果による遺伝子増幅(すなわち、多重遺伝子コピー)および/または上昇したもしくは減少した発現や、((非)活性化を含む)変異によるプロテインキナーゼの過剰な(もしくは低下した)活性および(非)活性化が含まれる。従って、「調節された」、「調節している」および「調節する」なる語は適宜解釈されるべきである。
本明細書では、本明細書に記載されているキナーゼ(すなわち,
ROCKおよびプロテインキナーゼp70S6K)に関して(そして、例えば、様々な生理的な過程、疾患、状態、症状、処置、治療あるいは診療に対して)使用される「仲介される」なる語は、制限的に作用することを意味し、それによりその用語が使用される様々な過程、疾患、状態、症状、治療および診療で、前記キナーゼが生物学的役割を果たすものである。その用語が疾患、状態あるいは症状に対して使用される場合、キナーゼが仲介する生物学的役割は直接的あるいは間接的であってもよく、また、その疾患、状態あるいは症状(あるいはその病因または進行)の発現に必要および/または十分な程度であってもよい。したがって、キナーゼ活性(特に、異常なキナーゼ活性レベル、例えばキナーゼ過剰発現)は、必ずしも疾患、状態あるいは症状の近因である必要はなく、むしろ、ROCKまたはプロテインキナーゼp70S6Kが仲介する疾患、状態または症状は、多要因的な病因や複雑な進展を有するものを含み、その中で問題となっているキナーゼは部分的にのみ関係している、と理解される。その用語が治療、予防あるいは診療に対して使用される場合(例えば、本発明の「ROCKが仲介する治療」、「ROCKが仲介する予防」、「プロテインキナーゼp70S6Kが仲介する治療」および「p70S6Kが仲介する予防」において)、キナーゼが奏する役割は直接的あるいは間接的であってもよく、また、治療、予防の作用あるいは診療の成果に必要および/または十分な程度であってもよい。本発明のROCKが仲介する多くの生理的プロセス、疾患、状態、症状、治癒、治療または診療には、(本明細書に定義される)Rhoシグナル経路が関与しており、したがって、拡大解釈すれば「Rhoが仲介する」生理的プロセス、疾患、状態、症状、治癒、治療または診療と呼ばれ得る。
「示された」なる語は、疾患、症状、被験者または患者集団に関して本明細書中で使用される技術用語であり、その疾患、症状、被験者または患者集団に関して特定の診療の臨床的な望ましさまたは必要性を意味する。したがって、本明細書での「ROCKキナーゼの調節(例えば、阻害)が示される」疾患、症状、被験者または患者集団に対する言及は、ROCKキナーゼの調節が臨床的に望ましいかまたは必要である疾患などを明確にすることを意図している。これは、例えば、ROCKキナーゼの調節が、緩和的、予防的、または(少なくとも部分的に)治療的であることを意味し得る。
「診療」なる語は、任意のレベルで生理学的変化をもたらす任意の作用を定義するために本明細書において使用される技術用語である。したがって診療は、任意の生理的な過程、事象、生化学的経路または細胞の事象/生化学的事象の誘導または抑制を含んでもよい。本発明の診療は、典型的には、疾患または症状の療法、治療または予防をもたらす(またはそれらに寄与する)。
次の一般的な好ましい選択肢および定義が、特に断りのない限り、T、E、G、Q、Q、J、J、T、およびR〜R部分の各々、ならびにそれらの種々の部分定義、サブグループ、または実施形態に当てはまる。
本明細書において、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、式(I)の化合物への言及は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および式(I)の化合物の種々のサブグループおよびその実施形態にも言及していると解釈される。
本明細書において、「二環式基」への言及は、基Eが結合する場所に関して用いられた場合、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、下記の基に関すると解釈される。
Figure 0005606734
本明細書において「炭素環式」基および「ヘテロ環式」基とは、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、芳香族環系と非芳香族環系の両方を含む。一般に、このような基は単環式または二環式であってよく、例えば、3〜12環員、より一般的には5〜10環員を含み得る。単環式基の例としては、3、4、5、6、7および8環員、より一般的には3〜7、好ましくは5または6環員を含む基がある。二環式基の例としては、8、9、10、11および12環員、より一般的には9または10環員を含むものがある。
炭素環式基またはヘテロ環式基は5〜12環員、より一般的には5〜10環員を有するアリールまたはヘテロアリール基であり得る。本明細書において「アリール」とは、芳香族性を有する炭素環式基を意味し、本明細書において「ヘテロアリール」とは、芳香族性を有するヘテロ環式基を表す。「アリール」および「ヘテロアリール」とは1以上の環が非芳香族であるが、少なくとも1つの環が芳香族である、多環式(例えば、二環式)環系を包含する。このような多環式系では、基は芳香環によって結合されてもよいし、または非芳香環によって結合されてもよい。アリール基またはヘテロアリール基は、単環式基または二環式基であってよく、非置換型であっても、1以上の置換基、例えば、本明細書で定義される1個以上の基R10で置換されていてもよい。
「非芳香族基」とは、芳香性を持たない不飽和環系、部分飽和および完全飽和炭素環式環系およびヘテロ環式環系を包含する。「不飽和」および「部分飽和」とは、環構造が1を超える価数の結合を共有する原子を含む環を意味し、すなわち、その環は少なくとも1つの多重結合、例えば、C=C、C≡CまたはN=C結合を含む。「完全飽和」とは、環原子間に多重結合がない環を意味する。飽和炭素環式基としては、以下で定義するようなシクロアルキル基が挙げられる。部分飽和炭素環式基としては、以下で定義するようなシクロアルケニル基、例えば、シクロペンテニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが挙げられる。
ヘテロアリール基の例としては、5〜12環員、より一般的には5〜10環員を含む単環式基および二環式基が挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、5員または6員単環式環であるか、または縮合5員環および6員環または2つの縮合6員環から形成された二環式構造であり得る。各環は、典型的には窒素、硫黄および酸素から選ばれる約4個までの異種原子を含んでいてもよい。典型的には、ヘテロアリール環は3個までのヘテロ原子、より典型的には2個までのヘテロ原子、例えば、1個のヘテロ原子を含む。一実施形態によれば、ヘテロアリール環は、少なくとも1個の環窒素原子を含む。ヘテロアリール環の窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性であってもよいし、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性であってもよい。一般に、環のアミノ基置換基を含むヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子数は5個未満である。
5員ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾールおよびテトラゾール基が挙げられる。
6員ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンおよびトリアジンが挙げられる。
二環式ヘテロアリール基としては、例えば、次のものから選ばれる基であり得る。
a)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したベンゼン環、
b)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピリジン環、
c)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピリミジン環、
d)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピロール環、
e)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピラゾール環、
f)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピラジン環、
g)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したイミダゾール環、
h)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したオキサゾール環、
i)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したイソキサゾール環、
j)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したチアゾール環、
k)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したイソチアゾール環、
l)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したチオフェン環、
m)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したフラン環、
n)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したシクロヘキシル環、および
o)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したシクロペンチル環。
5員環と縮合した6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例としては、限定されるものではないが、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ベンゾジオキソール、およびピラゾロピリジン基が挙げられる。
2つの縮合6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例としては、限定されるものではないが、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン、イソクロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンズオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジンおよびプテリジン基が挙げられる。
芳香環と非芳香環を含む多環式アリール基およびヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンズチエン、ジヒドロベンズフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン、インドリンおよびインダン基が挙げられる。
炭素環式アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチル基が挙げられる。
非芳香族ヘテロ環式基の例としては、3〜12環員、典型的には4〜12環員、より一般的には5〜10環員を有する非置換または置換(1個以上の基R10による)ヘテロ環式基が挙げられる。このような基は、例えば単環式または二環式であり、典型的には窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1〜5個のヘテロ原子環員(より一般的には1、2、3、または4個のヘテロ原子環員)を典型的に有している。
硫黄が存在する場合、隣接する原子および基の性質が許せば、−S−、−S(O)−、または−S(O)−として存在する。
これらのヘテロ環式基は例えば、環状エーテル部分(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサンの場合)、環状チオエーテル部分(例えば、テトラヒドロチオフェンおよびジチアンの場合)、環状アミン部分(例えば、ピロリジンの場合)、環状アミド部分(例えば、ピロリドンの場合)、環状尿素部分(例えば、イミダゾリジン−2−オンの場合)、環状チオ尿素、環状チオアミド、環状チオエステル、環状エステル部分(例えば、ブチロラクトンの場合)、環状スルホン(例えば、スルホランおよびスルホレン)、環状スルホキシド、環状スルホンアミドおよびその組合せ(例えば、モルホリンおよびチオモルホリンならびにそのS−オキシドおよびS,S−ジオキシド)を含み得る。
単環式非芳香族ヘテロ環式基の例としては、5、6、および7員単環ヘテロ環式基が挙げられる。具体例としては、モルホリン、チオモルホリンおよびそのS−オキシドとS,S−ジオキシド(特に、チオモルホリン)、ピペリジン(例えば、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、および4−ピペリジニル)、N−アルキルピペリジン、例えば、N−メチルピペリジン、ピペリドン、ピロリジン(例えば、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、および3−ピロリジニル)、ピロリドン、アゼチジン、ピラン(2H−ピランまたは4H−ピラン)、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジオキサン、テトラヒドロピラン(例えば、4−テトラヒドロピラニル)、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラゾン、ピペラジン、およびN−アルキルピペラジン、例えば、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、およびN−イソプロピルピペラジンが挙げられる。一般に、好ましい非芳香族ヘテロ環式基としては、ピペリジン、ピロリジン、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、およびN−アルキルピペラジンが挙げられる。
非芳香族炭素環式基の例としては、シクロアルカン基、例えば、シクロヘキシルおよびシクロペンチル、シクロアルケニル基、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニル、ならびにシクロヘキサジエニル、シクロオクタテトラエン、テトラヒドロナフテニル、およびデカリニルが挙げられる。
好ましい非芳香族炭素環式基は、単環式環、最も好ましくは飽和単環式環である。
典型例としては、3、4、5、および6員飽和炭素環式環、例えば、場合により置換されているシクロペンチルおよびシクロヘキシル環がある。
非芳香族炭素環式基の1サブセットとしては、非置換または置換(1個以上の基R10による)単環式基、特に飽和単環式基、例えば、シクロアルキル基が挙げられる。このようなシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル、より典型的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル、特にシクロヘキシルが挙げられる。
非芳香族環式基の別の例としては、架橋環系、例えば、ビシクロアルカンおよびアザビシクロアルカンがあるが、このような架橋環系は一般的にさほど好ましくない。「架橋環系」とは、2個の環が3個以上の原子を共有している環系を意味する、例えば、機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、ワイリーインターサイエンス(Wiley Interscience)131〜133ページ、1992年を参照。架橋環系の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、およびアザビシクロ[3.2.1]オクタンがある。
本明細書において、炭素環式およびヘテロ環式基に言及する場合、炭素環式またはヘテロ環式基は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、非置換であるか、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基R10により置換されており、前記Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、Rは、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、XはO、SまたはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである。
置換基R10が炭素環式基またはヘテロ環式基を含んでなるか、または含む場合、前記炭素環式基またはヘテロ環式基は非置換型であってもよいし、またはそれ自体、1個以上の別の置換基R10で置換されていてもよい。式(I)の化合物の1つのサブグループでは、このような別の置換基R10は炭素環式基またはヘテロ環式基を含んでよく、これらは典型的にはそれ自体さらに置換されていない。本明細書で定義される式(I)の化合物のもう1つのサブグループでは、前記別の置換基は炭素環式基またはヘテロ環式基を含まないが、R10の定義において上記で挙げた基から選ばれる。
置換基R10は、20個以下の非水素原子、例えば、15個以下の非水素原子、例えば、12個、または10個、または9個、または8個、または7個、または6個、または5個以下の非水素原子を含むように選ぶことができる。
置換基R10の1つのサブグループは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる置換基からなるR10aにより表され、前記Rは結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、OC(O)O、NRC(O)O、OC(O)NR、NRC(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、OC(O)O、NRC(O)O、OC(O)NR、またはNRC(O)NRにより場合により置き換えられていてもよく、Rは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
置換基R10の他のサブグループは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、シクロプロピルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる置換基からなるR10bにより表され、前記Rは、結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、またはNRにより場合により置き換えられていてもよく(但しRが水素である場合Rは結合ではない)、Rは水素およびC1−4アルキルから選ばれる。
置換基R10の別のサブグループは、下記から選ばれる置換基からなるR10cにより表される:
ハロゲン、
ヒドロキシ、
トリフルオロメチル、
シアノ、
アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、
シクロプロピルアミノ、
環員のうち0、1、または2個は、O、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基はハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている)、および
基R−R
は結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、
は、水素ならびに、環員のうち0、1、または2個はO、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよい)から選ばれ、
またRはさらにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、ならびに環員のうち0、1、または2個はO、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよい)から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1または2個の炭素原子は、O、S、またはNRにより置き換えられていてもよく(但しRが水素である場合Rは結合ではない)、
は水素およびC1−4アルキルから選ばれる。
これらの炭素環式基およびヘテロ環式基が隣接する環原子上に1対の置換基を有する場合、その2個の置換基は環式基を形成するように結合していてもよい。例えば、環の隣接する炭素原子上の隣接する1対の置換基は1個以上のヘテロ原子および置換されていてもよいアルキレン基を介して結合し、縮合オキサ−、ジオキサ−、アザ−、ジアザ−またはオキサ−アザ−シクロアルキル基を形成していてもよい。このような結合置換基の例としては、
Figure 0005606734
が挙げられる。
ハロゲン置換基の例としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。フッ素および塩素が特に好ましい。
上記式(I)で表され、また、以下で使用される化合物の定義において、「ヒドロカルビル」なる語は、特に断りのない限り、総てが炭素の骨格を有し、炭素水素原子からなる、脂肪族基、脂環式基および芳香族基を含む包括的な用語である。
本明細書で定義されるような特定の場合では、炭素骨格を形成している1個以上の炭素原子は特定の原子または原子群で置き換えられていてもよい。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、炭素環式アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、ならびに炭素環式アラルキル、アラルケニルおよびアラルキニル基が挙げられる。このような基は、非置換型であっても、または記載のように、本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。以下で示す例および好ましい選択肢は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書で定義される式(I)の化合物および本明細書で定義されるそのサブグループについての種々の置換基の定義において言及される、ヒドロカルビル置換基またはヒドロカルビル含有置換基の各々に当てはまる。
一般に、例えば、ヒドロカルビル基は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、8個までの炭素原子を有することができる。1〜8個の炭素原子を有するヒドロカルビル基のサブセット内で、具体例としては、C1−4ヒドロカルビル基(例えば、C1−3ヒドロカルビル基またはC1−2ヒドロカルビル基)のようなC1−6ヒドロカルビル基があり、具体例は、C、C、C、C、C、C、CおよびCヒドロカルビル基から選ばれるいずれかの個々の値または値の組合せである。
「飽和ヒドロカルビル」なる語は、単独または「オキシ」のような接尾語と一緒に用いられていても(例えば、「ヒドロカルビルオキシ」のように)、C=CおよびC≡Cなどの多重結合を有しない非芳香族炭化水素基を意味する。
特定のヒドロカルビル基としては、本明細書で定義されるアルキルおよびシクロアルキル基などの飽和ヒドロカルビル基である。
「アルキル」なる語は、直鎖および分岐鎖の両方のアルキル基を含む。アルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチルおよびn−ヘキシルおよびその異性体が挙げられる。1〜8個の炭素原子を有するアルキル基のサブセット内で、具体例としては、C1−4アルキル基(例えば、C1−3アルキル基またはC1−2アルキル基)などのC1−6アルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびシクロヘプタンから得られるものがある。シクロアルキル基のサブセット内で、シクロアルキル基は、3〜8個までの炭素原子を有し、具体例としては、C3−6シクロアルキル基が挙げられる。
アルケニル基の例としては、限定されるものではないが、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、ブテニル、ブタ−1,4−ジエニル、ペンテニルおよびヘキセニルが挙げられる。アルケニル基のサブセット内で、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有し、具体例としては、C2−4アルケニル基などのC2−6アルケニル基が挙げられる。
シクロアルケニル基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。シクロアルケニル基のサブセット内で、シクロアルケニル基は、3〜8個の炭素原子を有し、具体例としては、C3−6シクロアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基の例としては、限定されるものではないが、エチニルおよび2−プロピニル(プロパルギル)基が挙げられる。アルキニル基のサブセット内で、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を有し、具体例としては、C2−4アルキニル基のようなC2−6アルキニル基が挙げられる。
炭素環式アリール基の例としては、置換および非置換フェニル、ナフチル、インダン、およびインデン基が挙げられる。
シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、炭素環式アラルキル、アラルケニルおよびアラルキニル基の例としては、フェネチル、ベンジル、スチリル、フェニルエチニル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルメチルおよびシクロペンテニルメチル基が挙げられる。
ヒドロカルビル基は、存在し、記載されている場合には、ヒドロキシ、オキソ、アルコキシ、カルボキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノならびに3〜12(典型的には3〜10、より一般には5〜10)環員を有する単環もしくは二環炭素環式基およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよい。好ましい置換基としては、フッ素などのハロゲンが挙げられる。従って、例えば、置換ヒドロカルビル基は、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルなどの部分フッ素化または過フッ素化基であり得る。一実施形態では、好ましい置換基としては、3〜7環員を有する単環炭素環式基およびヘテロ環式基が挙げられる。
記載されている場合、ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子が、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)XまたはXC(X)X(またはそのサブグループ)で置き換えられていてもよく、前記XおよびXは、上記で定義した通りである(但しヒドロカルビル基の少なくとも1個の炭素原子は残っている)。例えば、ヒドロカルビル基の1、2、3または4個の炭素原子は、列挙した原子または基のうちの1つで置き換えられていてもよく、置き換わる原子または基は、同一であっても、異なっていてもよい。一般に、置き換えられる直鎖または骨格の炭素原子の数は、それらに置き換わる基の直鎖または骨格原子の数に相当する。ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子が上記で定義した置換原子または基で置き換えられている基の例としては、エーテルおよびチオエーテル(OまたはSで置き換えられたC)、アミド、エステル、チオアミドおよびチオエステル(XC(X)またはC(X)Xで置き換えられたC−C)、スルホンおよびスルホキシド(SOまたはSOで置き換えられたC)、およびアミン(NRで置き換えられたC)が挙げられる。別の例としては、尿素、カーボネート、およびカルバメート(XC(X)Xで置き換えられたC−C−C)が挙げられる。
アミノ基が2個のヒドロカルビル置換基を有する場合、これらは、これらが結合している窒素原子と一緒に、かつ、場合によって窒素、硫黄または酸素などの別のヘテロ原子と一緒に、結合して4〜7環員の環構造を形成してもよい。
本明細書で使用される「アザ−シクロアルキル」なる語は、炭素環員の一つが窒素原子により置換されたシクロアルキル基を意味する。したがって、アザ−シクロアルキル基の例としては、ピペリジンおよびピロリジンが挙げられる。本明細書で使用される「オキサ−シクロアルキル」なる語は、炭素環員の一つが酸素原子により置換されたシクロアルキル基を意味する。したがって、オキサ−シクロアルキル基の例としてはテトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランが挙げられる。同様に、「ジアザ−シクロアルキル」、「ジオキサ−シクロアルキル」、および「アザ−オキサ−シクロアルキル」なる語は、二つの炭素環員が二つの窒素原子、二つの酸素原子、または一つの窒素原子と一つの酸素原子とによりそれぞれ置換されたシクロアルキル基を意味する。
本明細書で使用される定義「R−R」には、炭素環部分またはヘテロ環部分に存在する置換基に関してか、または本明細書で定義される式(I)の化合物上の他の位置に存在する他の置換基に関して、とりわけ、Rが、結合、O、CO、OC(O)、SC(O)、NRC(O)、OC(S)、SC(S)、NRC(S)、OC(NR)、SC(NR)、NRC(NR)、C(O)O、C(O)S、C(O)NR、C(S)O、C(S)S、C(S)NR、C(NR)O、C(NR)S、C(NR)NR、OC(O)O、SC(O)O、NRC(O)O、OC(S)O、SC(S)O、NRC(S)O、OC(NR)O、SC(NR)O、NRC(NR)O、OC(O)S、SC(O)S、NRC(O)S、OC(S)S、SC(S)S、NRC(S)S、OC(NR)S、SC(NR)S、NRC(NR)S、OC(O)NR、SC(O)NR、NRC(O)NR、OC(S)NR、SC(S)NR、NRC(S)NR、OC(NR)NR、SC(NR)NR、NRC(NRNR、S、SO、SO、NR、SONR、およびNRSO、ここでRは上記で定義した通りである、から選ばれる化合物が含まれる。
部分Rは、水素であってもよいし、あるいは3〜12(典型的には3〜10、より一般的には5〜10)環員を有する炭素環式基およびヘテロ環式基、ならびに上記で定義されたように、置換されていてもよいC1−8ヒドロカルビル基から選ばれる基であってもよい。ヒドロカルビル、炭素環式およびヘテロ環式基の例は上記で示した通りである。
がOであり、RがC1−8ヒドロカルビル基である場合、RおよびRは一緒になってヒドロカルビルオキシ基を形成する。好ましいヒドロカルビルオキシ基としては、アルコキシ(例えば、C1−6アルコキシ、より一般的にはエトキシおよびメトキシ、特にメトキシなどのC1−4アルコキシ)、シクロアルコキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどのC3−6シクロアルコキシ)およびシクロアルキルアルコキシ(例えば、シクロプロピルメトキシなどのC3−6シクロアルキル−C1−2アルコキシ)などの飽和ヒドロカルビルオキシが挙げられる。
これらのヒドロカルビルオキシ基は、本明細書で定義した種々の置換基で置換されていてもよい。例えば、アルコキシ基は、ハロゲン(例えば、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシの場合)、ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシエトキシの場合)、C1−2アルコキシ(例えば、メトキシエトキシの場合)、ヒドロキシ−C1−2アルキル(ヒドロキシエトキシエトキシの場合)または環式基(例えば、上記で定義したシクロアルキル基または非芳香族ヘテロ環式基)で置換されていてもよい。置換基として非芳香族ヘテロ環式基を有するアルコキシ基の例は、そのヘテロ環式基がモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、C1−4アルキル−ピペラジン、C3−7−シクロアルキル−ピペラジン、テトラヒドロピランまたはテトラヒドロフランなどの飽和環状アミンであり、そのアルコキシ基がC1−4アルコキシ基、より典型的にはメトキシ、エトキシまたはn−プロポキシなどのC1−3アルコキシ基であるものがある。
アルコキシ基は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンなどの単環式基ならびにN−ベンジル、N−C1−4アシル、およびN−C1−4アルコキシカルボニルなどのそれらのN−置換誘導体により置換されていてもよい。具体例としては、ピロリジノエトキシ、ピペリジノエトキシ、およびピペラジノエトキシが挙げられる。
が結合であり、RがC1−8ヒドロカルビル基である場合、ヒドロカルビル基R−Rの例は上記で定義した通りである。ヒドロカルビル基はシクロアルキルおよびアルキルなどの飽和基であってもよく、このような基の具体例としては、メチル、エチルおよびシクロプロピルが挙げられる。ヒドロカルビル(例えば、アルキル)基は上記で定義した種々の基および原子で置換されていてもよい。置換アルキル基の例としては、フッ素および塩素などの1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基(具体例としては、ブロモエチル、クロロエチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、およびトリフルオロメチルなどのパーフルオロアルキル基が挙げられる)、またはヒドロキシで置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル)、C1−8アシルオキシで置換されたアルキル基(例えば、アセトキシメチルおよびベンジルオキシメチル)、アミノおよびモノ−およびジアルキルアミノで置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチルおよびt−ブチルアミノメチル)、アルコキシで置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチルの場合のメトキシなどのC1−2アルコキシ)、ならびに上記で定義したシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基および非芳香族ヘテロ環式基などの環式基で置換されたアルキル基が挙げられる。
環式基で置換されたアルキル基の具体例としては、その環式基が、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、C1−4−アルキル−ピペラジン、C3−7−シクロアルキル−ピペラジン、テトラヒドロピランまたはテトラヒドロフランなどの飽和環状アミンであり、そのアルキル基がC1−4アルキル基、より典型的にはメチル、エチルまたはn−プロピルなどのC1−3アルキル基であるものがある。環式基で置換されたアルキル基の具体例としては、ピロリジノメチル、ピロリジノプロピル、モルホリノメチル、モルホリノエチル、モルホリノプロピル、ピペリジニルメチル、ピペラジノメチルおよび上記で定義したそのN−置換形態が挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基で置換されたアルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、およびピリジルメチル基が挙げられる。
がSONRであるとき、Rは例えば水素または置換されていてもよいC1−8ヒドロカルビル基、または炭素環式基もしくはヘテロ環式基であってよい。RがSONRである場合のR−Rの例としては、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニルおよびジ−C1−4アルキルアミノスルホニル基、およびピペリジン、モルホリン、ピロリジン、またはN−置換されていてもよいピペラジン(N−メチルピペラジンなど)といった環状アミノ基から形成されたスルホンアミドが挙げられる。
−R基の例としては、RがSOである場合、アルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニルおよびアリールスルホニル基、特に単環式アリールおよびヘテロアリールスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、フェニルスルホニルおよびトルエンスルホニルが挙げられる。
がNRである場合、Rは例えば、水素または置換されていてもよいC1−8ヒドロカルビル基、または炭素環式基またはヘテロ環式基であってよい。RがNRである場合のR−R基の例としては、アミノ、C1−4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ)、ジ−C1−4アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノおよびジエチルアミノ)ならびにシクロアルキルアミノ(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノ)が挙げられる。
E、T、G、Q、Q、J、J、およびR〜R10の具体的実施形態および選択肢

本明細書で定義される式(I)において、Tは窒素または基CRであり、J−JはN=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し得る。したがって、二環式基は、例えば以下の形態をとり得る:
プリン(TはNであり、J−Jは、N=C(R)である)、
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(TはCRであり、J−JはN=C(R)である)、
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(TはNであり、J−Jは(R)C=C(R)である)、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(TはCRであり、J−Jは(R)C=C(R)である)、
5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(TはNであり、J−Jは(RC−C(O)である)、
3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(TはNであり、J−JはN=Nである)、
3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン(TはCRであり、J−JはN=Nである)、
7,9−ジヒドロプリン−8−オン(TはNであり、J−Jは(R)N−C(O)である)、
1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(TはNであり、J−Jは(R)C=Nである)、または
ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(TはCRであり、J−Jは(R)C=Nである)。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくはRは水素である。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。好ましくはRは、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくはRは水素である。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは、Rは水素である。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。好ましくは、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくは、Rは水素である。

は、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル(例えば、アルキル)、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれる。一実施形態において、窒素原子に結合する場合、Rは、水素およびC1−5飽和ヒドロカルビル(例えば、アルキル)から選ばれ、より典型的には水素、メチル、およびエチルから選ばれ、好ましくは水素である。他の実施形態においては、炭素原子に結合する場合、Rは、水素、塩素、フッ素、メチル、およびエチルから選ばれ、好ましくは水素である。

は、本明細書で定義されているように、それぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルである。具体的な基Rは、非置換であるか、あるいはアミノ、置換アミノ、カルボン酸、またはスルホン酸基を有するアルキルまたはアルコキシ基のような溶解基により置換された、フェニルおよびベンジル基である。溶解基の具体例としては、アミノ−C1−4アルキル、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、アミノ−C1−4アルコキシ、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ピペリジニル−C1−4アルキル、ピペラジニル−C1−4アルキル、モルホリニル−C1−4アルキル、ピペリジニル−C1−4アルコキシ、ピペラジニル−C1−4アルコキシ、およびモルホリニル−C1−4アルコキシが挙げられる。
およびQ
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい。
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい(但しヒドロキシ基は存在する場合はG基に対してα位の炭素原子には位置しない)。
一実施形態において、QおよびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよい(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)。
本発明の使用のための化合物の1グループにおいて、QおよびQのうち少なくとも一つは結合を表わす。化合物のこの群において、一つのサブグループはQおよびQの両方が結合を表わす化合物からなる。他のサブグループにおいて、QおよびQの一方は結合を表し、他方は1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基を表し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよい。
および/またはQが飽和炭化水素基である場合、炭化水素基は典型的には(CH(nは1、2、または3である)などのアルキレン基であり、一つの具体例はCHである。アルキレン基Qにおける炭素原子の一つは、例えば、酸素原子により場合により置き換えられていてもよく、このような基の例はCH−O−CHである。
前記リンカー基QおよびQの炭素原子は、オキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい(但しヒドロキシ基は存在する場合はNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)。典型的には、ヒドロキシ基が存在する場合、Gが水素でない場合は、ヒドロキシ基はGに対してβ位に位置する。一般的に、1個以下のヒドロキシ基が存在する。フッ素原子が存在する場合は、例えば、フッ素原子はジフルオロメチレンまたはトリフルオロメチル基に存在する。
化合物の1サブグループにおいて、Qは、1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である。一つの好ましい実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、RはC1−4アルキルまたはシクロプロピル、好ましくはメチルである。別の実施形態において、RはRとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である。
CONRまたはNRCOを含有するリンカー基Qの例は、カルボニル基がEに結合した、基CHNHCOまたはCHN(Me)COである。
CONRまたはNRCOを含有するリンカー基Qの例は、RがQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である場合、下記式で表わされる基である。
Figure 0005606734
式中、は部分Eとの結合地点を表し、q″は0、1、または2であり、Rとの結合地点は文字「c」により示されている。
CONRまたはNRCOを含有するリンカー基Qの例は、RがRと結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である場合、下記式で表わされる基である。
Figure 0005606734
式中、qは前記と同義であり、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。この種の部分R−Qの具体例としては、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イルカルボニルが挙げられる。
当然のことながら、オキソ基がNR基に隣接する炭素原子に存在している場合、式(I)の化合物はアミドとなる。
本発明の一実施形態において、フッ素原子はリンカー基Qおよび/またはQに存在しない。
本発明の他の実施形態において、ヒドロキシ基はリンカー基Qおよび/またはQに存在しない。
別の実施形態において、オキソ基はリンカー基Qおよび/またはQに存在しない。
式(I)の化合物の1グループにおいて、ヒドロキシ基もフッ素原子もリンカー基Qおよび/またはQに存在しない、例えば、リンカー基Qおよび/またはQは非置換である。
本発明の使用のための化合物の他のグループにおいて、リンカー基Qが存在する場合、NR基に結合する炭素原子において分岐構造を有し得る。例えば、NR基に結合する炭素原子は一対のgem−ジメチル基と結合し得る。
およびQは基Eの同一原子に、または異なる原子に結合してもよい。一実施形態において、QおよびQは基Eの同一原子(例えば、炭素原子)に結合する。

部分Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれる(但しEがアリールまたはヘテロアリールであり、Qが結合である場合、Gは水素である)。したがって、本明細書で定義される式(I)の化合物において、アミノ基NRあるいはSHまたはOH基は、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合、Eへは直接結合されない。
一実施形態において、Gは水素である。
好ましくは、RおよびGの少なくとも一つは水素以外である。
他の実施形態において、GはNR、OH、およびSHから選ばれる。この実施形態では、化合物の一つの特定のサブグループは、GがNRであるグループである。
GがNRである化合物のサブグループにおいて、RおよびRは独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1以上の置換基によって場合により置換されている。
化合物の1グループにおいて、RおよびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている。
化合物のこのグループにおいて、RおよびRが独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれる化合物があり、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はそれぞれ単環式もしくは二環式アリールまたはヘテロアリール基により場合により置換されている。
また化合物のこのグループにおいて、RおよびRが独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれる、本発明による使用のための化合物のサブグループもある。
化合物の前記グループおよびサブグループのそれぞれにおいて、NRの一部を形成しているヒドロカルビル基は典型的にはアルキル基、より一般的にはC、C、またはCアルキル基、例えば、メチル基である。
化合物の特定のサブグループにおいて、RおよびRは独立して水素およびメチルから選ばれ、したがって、NRは、アミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基になり得る。
一実施形態において、NRはアミノ基である。他の特定の実施形態において、NRはメチルアミノ基である。
化合物の他のグループにおいて、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する。
化合物の他のグループにおいて、NRとそれが結合するリンカー基Qの炭素原子は、シアノ基を形成する。
化合物の別のグループにおいて、NRは上記で定義したものと同義であるが、NRとそれが結合するリンカー基Qの炭素原子は、シアノ基を形成しなくてもよい。
飽和単環式環はアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、またはアゼパン環などのアザシクロアルキル基でもよく、このような環は典型的には非置換である。また、飽和単環式環はOおよびNから選ばれる追加のヘテロ原子を含有してもよく、このような基の例としてはモルホリンおよびピペラジンが挙げられる。追加のN原子が環に存在している場合、これはNH基あるいはN−メチル、N−エチル、N−プロピル、またはN−イソプロピル基などのN−C1−4アルキル基の一部を形成し得る。
化合物の別のグループにおいて、RおよびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する。

基Rは、水素またはヘテロアリール基であり、前記アリールまたはヘテロアリール基は一般的な選択肢および定義と題された部分で開示したこのような基のリストから選択され得る。
化合物の1つのサブグループにおいて、Rは水素である。
化合物の他のサブグループにおいて、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。
がアリールまたはヘテロアリールである場合、それは単環式でも二環式でもよく、一つの特定の実施形態では単環式である。単環式アリールおよび単環式ヘテロアリール基の具体例としては、2個までの窒素環員を含有する6員アリールおよびヘテロアリール基と、O、S、およびNから選ばれる3個までのヘテロ原子環員を含有する5員ヘテロアリール基である。
このような基の例としてフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジンがあり、フェニルが現在のところ好ましい。
アリールまたはヘテロアリール基Rは非置換であるか、または5個までの置換基により置換され、置換基の例としては、前記基R10、R10a、R10b、およびR10cのいずれかに記載されたものである。
一実施形態において、アリールまたはヘテロアリール基Rは非置換である。
他の実施形態において、アリールまたはヘテロアリール基Rは前記基R10、R10a、R10b、およびR10cのいずれかに記載されたものから選ばれる1個以上の置換基により置換される。
前記アリールまたはヘテロアリール基Rに関する置換基の一つの特定のグループは、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれが1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、または場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されているフェニル;場合により置換されているピリジル;および場合により置換されているフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基である)からなる。
前記アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール基Rに関する置換基の他の特定の基としては、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);フェニル;ピリジル;およびフェノキシ(前記フェニル、ピリジルおよびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によってそれぞれが場合により置換されている)からなる。
5個までの置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4の置換基、好ましくは0、1、2、または3、より好ましくは0、1、または2個存在している。
一実施形態において、Rは非置換である(例えば、非置換フェニル基である)か、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;ベンジルオキシ;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている(例えば、置換フェニル基である)。
他の実施形態において、基Rは非置換である(例えば、非置換フェニル基である)か、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている(例えば、置換フェニル基である)。
他の実施形態において、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有し得る。
別の実施形態において、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、t−ブチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有しうる。
例えば、Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有し得る。
がフェニル基である場合、置換基の組合せの具体例としては、モノクロロフェニルおよびジクロロフェニルである。別の例としては、ベンジルオキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、t−ブチルフェニル、メトキシフェニル、フルオロクロロフェニル、ジフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフェニルがあげられる。
化合物の1サブグループにおいて、基Rはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に有するフェニル基である。
化合物の他のサブグループにおいて、基Rはt−ブチル置換基をパラ位に有するフェニル基である。
化合物の他のサブグループにおいて、基Rはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる置換基をオルト位に有するフェニル基であり、場合によりメタ位またはパラ位において基Rから選ばれる第2の置換基はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に有するフェニル基である。
が6員アリールまたはヘテロアリール基である場合、置換基は有利には6員環においてパラ位に存在しうる。置換基がパラ位に存在する場合、それは好ましくはフッ素原子より大きさが大きい。
基Rの具体例が下記表1において示され、Q(またはQが結合である場合はE)との結合地点が星印により示されている。
Figure 0005606734
Figure 0005606734
好ましい基Rの一組としては、表1の基A2、A4、およびA5が挙げられる。
好ましい基の他の組としては、基A2、A4、A5、A10、A11、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、およびA19が挙げられる。

式(I)において、Eは5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有している。
炭素環式またはヘテロ環式基Eは芳香族でもまたは非芳香族でもよい。
一実施形態において、炭素環式またはヘテロ環式基Eは非芳香族である。
他の実施形態において、炭素環式またはヘテロ環式基Eは芳香族である。
Eが芳香族基、すなわちアリールまたはヘテロアリール基である場合、前記基は前記の一般的な選択肢および定義の部分で示されたこのような基の例から選ばれる。
具体的な芳香環式基Eは、6員芳香またはヘテロ芳香環、例えばフェニル、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、またはピリミジン環、より具体的にはフェニル、ピリジン、ピラジン、またはピリミジン環、より好ましくはピリジンまたはフェニル環を含有するアリールおよびヘテロアリール基である。
非芳香族単環式の例は、前記の一般的な選択肢および定義の項において示されている通りである。
基の具体例には、シクロヘキサンおよびシクロペンタンなどのシクロアルカンならびに、ピペリジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、およびピペラゾンなどの含窒素環がある。
一つの具体的な非芳香族単環式基はピペリジン基、より具体的にはピペリジン環の窒素原子が二環式基へ結合したピペリジン基である。
部分QおよびQは、基Eにおいて同一炭素原子に結合するか、またはそれらは別々の原子に結合する。基Eが芳香族である場合、QおよびQは基Eで同一炭素原子に結合できないが、例えば、隣接する炭素原子へは結合してよいことは明らかである。
一実施形態において、Eは非芳香族であり、QおよびQが基Eにおいて同一炭素原子に結合する。
他の実施形態において、QおよびQが基Eにおいて異なる原子に結合する。
基Qおよび二環式基は、メタまたはパラ相対配向で基Eに結合することが好ましい、すなわちQと二環式基とは、基Eの隣接環員に結合されない。このような基Eの例としては、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,5−ピリジレン、2,4−ピリジレン、1,4−ピペリジニル、1,4−ピペリンドニル、1,4−ピペラジニル、および1,4−ピペラゾニルが挙げられる。
基Eは非置換であるか、前記のような基R10から選ばれる4個までの置換基R11を有している。しかし、より典型的には、置換基R11はヒドロキシ、オキソ(Eが非芳香族である場合)、ハロゲン(例えば、塩素および臭素)、トリフルオロメチル、シアノ、C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ、およびC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
典型的には、0〜3個の置換基、より一般的には0〜2個の置換基、例えば、0または1個の置換基が存在する。一実施形態において、基Eは非置換である。
本発明の使用のための化合物の一つの具体的なグループにおいて、Eは下記基である。
Figure 0005606734
式中、Gは、C、CH、CH、N、およびNHから選ばれ、Gは、NおよびCHから選ばれる。
基Eの具体例が、基QおよびQ)ならびに二環式基()への結合点とあわせて、下記表2に示される。
Figure 0005606734
一つの好ましい基Eは、基B9である。
式(I)の具体的および好ましいサブグループ
式(I)の化合物の一つのサブグループは下記式(II)で表される。
Figure 0005606734
式中、R、R、Q、Q、T、J、J、およびGは、式(I)とそのサブグループ、例、および選択肢に関して、本明細書で定義されている通りである。式(II)において、具体的な化合物は、Qが結合またはC1−2アルキレン基であり、Qが結合またはメチレン基である。好ましくは、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。
式(II)において、化合物の一つのサブグループは、下記式(IIa)の化合物あるいは、その塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドである。
Figure 0005606734
式中、Rは、アリールまたはヘテロアリール基であり、
Gは、NR、OH、およびSHから選ばれ、
、Q、Q、T、J、およびJは、上記で定義したものと同義である。
式(II)および(IIa)において、好ましくは、GはNRであり、より好ましくは、GはNHまたはNHMeである。
式(II)および(IIa)とその実施形態において、基Rは好ましくは場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基、典型的には5または6環員の単環式アリールまたはヘテロアリール基である。具体的なアリールおよびヘテロアリール基は、それぞれ場合により置換された、フェニル、ピリジル、フラニル、およびチエニル基である。場合により置換されたフェニル基が特に好ましい。
一方、基Rは、例えば、場合により置換されたナフチル基、例えば、場合により置換された1−ナフチル基である。このような基の一具体例は、非置換1−ナフチルである。
前記アリールまたはヘテロアリール基R(例えば、フェニル、ピリジル、フラニル、またはチエニル基)は非置換であるか、または5個までの置換基により置換されていてもよく、置換基の例としては基R10、R10a、R10b、およびR10cに関して前記されたものである。
前記式(II)または(IIa)の化合物の具体的なサブグループは、Rが非置換フェニルであるか、より好ましくは、1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルであり、該置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基(前記C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基は1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、または場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合によりそれぞれ置換されている);C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されたフェニル;場合により置換されたピリジル;および場合により置換されたフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、C1−2ヒドロカルビルオキシ、およびC1−2ヒドロカルビル基、前記C1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビル基は、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されている、から選ばれる1、2、または3個の置換基である)である、からなる。
式(II)または(IIa)で表される化合物のより具体的なサブグループは、Rが非置換フェニルであるか、あるいはより好ましくは、1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルであり、前記置換基が、ヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキル基(C1−4アルコキシおよびC1−4アルキル基は1個以上のフッ素原子によってまたはC1−2アルコキシ、ヒドロキシまたは場合により置換されたフェニルによって場合によりそれぞれ置換されている)、C1−4アシルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、ピペラジノカルボニル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたピリジル、および場合により置換されたフェノキシ(場合により置換された前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によって場合によりそれぞれ置換されている)からなる。
5個までの置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4個の置換基、好ましくは0、1、2、または3個、より好ましくは0、1、または2個が存在している。
式(II)および(IIa)のそれぞれの一実施形態において、Rは非置換フェニル基であるか、ヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、シアノ、それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから独立して選ばれる1または2個の置換基により置換されたフェニル基である。
より好ましくは、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、およびベンジルオキシから独立して選ばれる1または2個の置換基を有する置換フェニル基である。
式(II)および(IIa)のそれぞれに表される化合物の1サブグループにおいて、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチルおよびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に、そして場合によりフッ素、塩素、またはメチルから選ばれる第2の置換基をオルト位またはメタ位に有するフェニル基である。このサブグループにおいて、フェニル基は一置換であってもよい。あるいは、フェニル基は二置換であってもよい。
式(II)および(IIa)のそれぞれの化合物の具体的なサブグループにおいて、基Rはパラ位にt−ブチル置換基を有する一置換フェニル基である。
式(II)および(IIa)のそれぞれの化合物の他の具体的なサブグループにおいて、基Rはパラ位に塩素置換基を有する一置換フェニル基である。
式(II)および(IIa)のそれぞれの化合物の別のサブグループにおいて、Rはジクロロフェニル基であり、その具体例はとしては、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、および2,3−ジクロロフェニルである。
式(II)および(IIa)とその前記実施形態、サブグループ、および例のそれぞれにおいて:
Tは、好ましくはNであり、かつ/または
は、水素であり、かつ/または
−Jは、N=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、(Et)NC(O)、およびHC=CHから選ばれる基を表し、かつ/または
は、結合またはC1−2アルキレン基であり、Qは、結合またはメチレン基であり、かつ/または
Gは、NRであり、より好ましくは、GはNHまたはNHMeである。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(III)で表される。
Figure 0005606734
式中、R、R、R、T、J、およびJは、式(I)とそのサブグループ、例、および選択肢に関して、本明細書で定義されている通りである。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(IV)で表される。
Figure 0005606734
式中、mは0、1、または2であり、m′は0または1であり(但しmおよびm′の合計は0〜2の範囲内である)、nは0または1であり、pは0、1、2、または3であり、RおよびRは同一または異なって、それぞれ水素、メチル、およびフッ素から選ばれ、R12はCNまたはNRであり、各R13は独立してR10、R10a、R10b、およびR10cから選ばれ、ここでJ、J、T、R、R、R、R10、R10a、R10b、およびR10cは上記で定義したものと同義である。
式(IV)において、mは好ましくは0または1である。m′が0である場合、より好ましくはmは1である。m′が1である場合、好ましくはmは0である。
化合物の1グループにおいては、nは0である。化合物の他のグループにおいては、nは1である。
好ましくはpは0、1、または2であり、R13はヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、シアノ、それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
より好ましくは、R13はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、およびベンジルオキシから選ばれる。
例えば、フェニル基は、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチル、およびメトキシから選ばれる置換基R13をパラ位に、および場合によりフッ素、塩素、またはメチルから選択される第2の置換基をオルト位またはメタ位に有してもよい。このサブグループでは、フェニル基は一置換であり得る。一方、フェニル基は二置換であってもよい。
化合物の他のサブグループにおいて、pは1であり、置換基R13はパラ位のt−ブチル置換基である。
化合物の他のサブグループにおいて、pは1であり、置換基R13はパラ位の塩素置換基である。
化合物の他のサブグループにおいて、pは2であり、フェニル基はジクロロフェニル基であり、その具体例としては2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、および2,3−ジクロロフェニルである。
式(IV)の化合物の他のサブグループにおいて、R12はNRであり、より好ましくはR12は、NH、NHMe、およびNMeから選ばれ、NHが特に好ましい。
式(IV)の化合物の一つの具体的なサブグループは下記式(V)によって表わされる。
Figure 0005606734
式中、J、J、R、R、R、p、およびR10cは上記と同義であり、Rは水素またはメチルである。一実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rはメチルである。好ましくは、pは0、1、または2であり、各置換基R10c(pが1または2である場合)は、R13ならびにその実施形態、サブグループ、および例に関して前記された置換基から選ばれる。
式(IV)および(V)において、RおよびRは両方とも水素でもよい。
一方、RおよびRは両方ともメチルでもよく、または両方ともフッ素でもよく、またはRおよびRのうち一方が水素で、他方がメチルまたはフッ素でもよい。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(VI)により表わされる。
Figure 0005606734
式中、Rは水素またはメチルであり、R10c、R、R、J、およびJは前記において定義したものと同義である。
好ましくは、pは0、1、または2であり、各置換基R10c(pが1または2である場合)は、R13ならびにその実施形態、サブグループ、および例に関して前記された置換基から選ばれる。
化合物の1グループにおいて、Rは水素である。化合物の他のグループにおいて、Rはメチルである。
一実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rはメチルである。
式(V)および(VI)の化合物は、PKAよりもPKBの阻害剤として選択性を示す。式(V)および(VI)の具体的な化合物は、Rが水素のものである。
式(V)および(VI)において、部分J−Jは、好ましくはN=CH、CH=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、および(Et)NC(O)、より好ましくはN=CHおよびCH=CHから選ばれる。
式(V)および(VI)の化合物の一つの特に好ましいグループにおいて、部分J−JはCH=CHである。
式(V)および(VI)のそれぞれにおいて、好ましい置換基R10cの1グループは塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、t−ブチル、シアノ、およびベンジルオキシからなる。
式(V)および(VI)のそれぞれにおいて、好ましい置換基R10cの別のグループは塩素、フッ素、メチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびベンジルオキシからなる。
式(V)および(VI)において、pは好ましくは1または2である。
一実施形態において、pは1である。
他の実施形態において、pは2である。
pが1である場合、フェニル環は2−置換、3−置換、または4−置換であってもよい。
pが1であるグループの具体例としては、前記表1におけるグループA2、A3、A5、A6、A8、A9、A10、A11、A12、A15、A18、およびA19である。より好ましいグループは、表1におけるグループA2、A5、A10、A11、A15、A18、およびA19である。
pが2である場合、フェニル環は、例えば、2,3−二置換、2,4−二置換、または2,5−二置換であってもよい。
pが2であるグループの具体例としては、表1におけるグループA4、A7、A13、A14、A16、A17、およびA20である。
本発明の使用のための化合物の他のサブグループは下記式(VII)で表わされる。
Figure 0005606734
式中、Arは、O、N、およびSから選ばれる2個までのヘテロ原子環員を有し、フッ素、塩素、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基によって場合により置換された、5または6員単環式アリールまたはヘテロアリール基であり、R10dはフッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、およびメトキシから選ばれる置換基であり、rは0、1、または2(より典型的には0または1)であり、T、Q、Q、NR、R、およびJ−Jは上記で定義したものと同義である。
式(VII)において、具体的な5または6員単環式アリールまたはヘテロアリール基Arは、フェニル、ピリジル、フリル、およびチエニルから選ばれ、それぞれ場合により本明細書で定義されているように置換される。一つの具体的な単環式アリール基は、場合により置換されたフェニルであり、非置換フェニルが具体的な例である。
式(VII)において、好ましい化合物は、NRが、NH、NHMe、およびNMeから選ばれ(NHが特に好ましい)、かつ/またはRが水素またはメチル(より好ましくは水素)であり、かつ/またはTがCHまたはNであり、かつ/またはQがCHおよびCHNHCO(前記カルボニル基は、ピペリジン環に結合)から選ばれ、かつ/またはQがCHおよび結合から選ばれ(より好ましくは結合)、かつ/またはJ−Jが、CH=NおよびCH=CHから選ばれる化合物である。
誤解を避けるため記述すると、R基の一般的なおよび特定の好ましい選択肢、実施形態および例のそれぞれは、基Rおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはR10および/またはR11ならびにJ−Jおよび/またはTおよび/またはQおよび/またはQの一般的なおよび特定の好ましい選択肢、実施形態および例と組み合わされてもよく、このような組み合わせはすべて本明細書に包含されると理解すべきである。
式(I)の化合物を構成する様々な官能基および置換基は、典型的には式(I)の化合物の分子量が1000を超えないように選択される。より通常は、化合物の分子量は750未満、例えば700未満、650未満、600未満、または550未満である。より好ましくは、分子量は525未満、例えば、500以下である。
本発明による使用のための具体的な化合物は、下記実施例において示されている通りであり、以下のものが含まれる。
メチル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン、
ベンジル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン、
1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(ピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
(3S)−6−(3−ベンジルオキシメチルピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−フェネチルアミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−(2−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−(3−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−ベンジル−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−ベンジル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−エチル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル、
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
1−(5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]メチル−アミン、
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]イソプロピルアミン、
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3−トリフルオロメトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,6−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(2−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,5−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,3−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメチルベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−フルオロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメトキシベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−クロロベンジル)メチルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−t−ブチルベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2,4−ジクロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3,4−ジクロロベンジルアミド、および
4−(4−クロロベンジルオキシメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)メタノン、
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(2−フェニルピロリジン−1−イル)メタノン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
N−[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]−4−クロロベンズアミド、
4−ビフェニル−4−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−ビフェニル−2−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−ナフタレン−1−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロ−2−フルオロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(ビフェニル−3−イルメチル)アミド、
4−ビフェニル−3−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、および
4−(6−クロロビフェニル−3−イルメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、ならびに
それらの塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド。
塩、溶媒和物、互変異性体、異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、および同位元素
特に断りのない限り、具体的な化合物への言及は、例えば、以下に検討されるそのイオン、塩、溶媒和物、および保護された形態も含む。
式(I)の多くの化合物は、塩の形態で、例えば、酸付加塩、または特定の場合にはカルボン酸塩、スルホン酸塩、およびリン酸塩のような有機および無機塩基の塩により存在しうる。全てのこのような塩が本発明の範囲内であり、式(I)の化合物への言及には前記化合物の塩の形態を含む。本出願の既出の部分のように、式(I)への全ての言及は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VI)とそれらのサブグループにも言及していると解釈するべきである。
塩の形態は、「医薬用塩:特性、選択および使用(Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use)」、ハインリヒスタール(P.Heinrich Stahl)(編者)、カミールワーマス(Camille G.Wermuth)(編者)、ISBN:3−90639−026−8、ハードカバー、p.388、2002年8月、に記載の方法に従い、選択および製造される。
酸付加塩は、無機および有機両方の様々な酸と形成される。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、(+)−(1S)−ショウノウ−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)−L−乳酸および(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、ナフタレン−2−スルホン酸)、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)、ウンデシレン酸および吉草酸と、アシル化アミノ酸およびカチオン交換樹脂とからなる群より選ばれる酸と形成される塩が挙げられる。
例えば、化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性となりうる官能基(例えば、−COOHは−COOとなりうる)を有していれば、塩は適切なカチオンと形成される。適切な無機カチオンの例としては、限定されるものではないが、NaおよびKなどのアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+などのアルカリ土類カチオンと、Al3+などの他のカチオンが挙げられる。適切な有機カチオンの例としては、限定されるものではないが、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換アンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられる。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、またリジンおよびアルギニンなどのアミノ酸から誘導されるものである。一般的な四級アンモニウムイオンの例はとしてはN(CH である。
式(I)の化合物がアミン官能基を含有している場合、例えば、当業者に周知の方法に従いアルキル化剤との反応により、四級アンモニウム塩を形成しうる。このような四級アンモニウム化合物も式(I)の範囲内である。
本発明の使用のための化合物の塩の形態は、典型的には薬学上許容される塩であり、薬学上許容される塩の例は、ベルジュ(Berge)ら、1977、「薬学的許容塩(Pharmaceutically Acceptable Salts)」薬学ジャーナル(J.Pharm.Sci.)、第66巻、1〜19ページで検討されている。しかしながら、薬学上許容されない塩も中間体として製造してから、薬学上許容される塩へ変換してよい。このような薬学上許容されない塩の形態も、例えば、化合物の精製または分離に際して有用なことがあり、本発明に適用される。
アミン官能基を含有した式(I)の化合物はN−オキシドを形成し得る。アミン官能基を含有した式(I)の化合物への本明細書での言及には、N−オキシドも含まれる。
化合物がいくつかのアミン官能基を含有している場合、1または2個以上の窒素原子が酸化されてN−オキシドを形成することもある。N−オキシドの具体例としては、三級アミンの、または含窒素ヘテロ環の窒素原子のN−オキシドである。
N−オキシドは、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)のような酸化剤で対応のアミンを処理することにより形成できる(例えば、機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、ワイリーインターサイエンス(Wiley Interscience)、ページ、参照)。より具体的には、N−オキシドは、デディー(L.W.Deady)(シンセティックコミュニケーションズ(Syn.Comm.)、1977年、7、509〜514)の方法により製造することができ、この方法では、アミン化合物を、例えば、ジクロロメタンのような不活性溶媒中、m−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させる。
式(I)の化合物は、いくつかの異なる幾何異性体および互変異性体で存在することがあり、式(I)の化合物への言及は全てのこのような形態を含む。誤解を避けるため、化合物がいくつかの幾何異性体または互変異性体のうち一つで存在し、一つのみが特に記載または示されていたとしても、他の全てが本明細書で定義される式(I)に含まれる。
例えば、J−JがN=CRである場合、二環式基に関して、互変異性体AおよびBが可能である。
Figure 0005606734
−JがN=Nである場合、二環式基に関して、互変異性体CおよびDが可能である。
Figure 0005606734
−JがHN−COである場合、二環式基に関して、互変異性体E、F、およびGが可能である。
Figure 0005606734
全てのこのような互変異性体が本明細書で定義される式(I)に含まれる。
互変異性体の他の例としては、例えば、下記の互変異性体のペア:ケト/エノール(下記)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、およびニトロ/アシニトロのような、ケト−、エノール−、およびエノラート形態がある。
Figure 0005606734
式(I)の化合物が1つ以上のキラル中心を含有し、2つ以上の光学異性体の形態で存在しうる場合、式(I)の化合物への言及は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、個別の光学異性体または2種以上の光学異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)として、その全ての光学異性体(例えば、エナンチオマー、エピマー、およびジアステレオマー)を含む。
光学異性体はそれらの光学活性により(すなわち、+および−異性体、またはdおよびl異性体として)特徴付けおよび同定されるか、あるいはそれらはCahn,IngoldおよびPrelogにより開発された「RおよびS」命名法を用いて絶対立体化学に基づき特徴付けられる、機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、ジョンワイリー&サンズ、ニューヨーク、1992年、109〜114ページ参照、およびさらにカーン、インゴールド&プレログ(Cahn、Ingold&Prelog)、アンゲヴァンテケミーインターナショナルエディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、Engl.、1966、5、385〜415参照。
光学異性体はキラルクロマトグラフィー(キラル担体でのクロマトグラフィー)を含めたいくつかの技術により分離され、このような技術は当業者において周知である。
式(I)の化合物が2種以上の光学異性体として存在する場合、一対のエナンチオマーのうち一方のエナンチオマーは、例えば、生物活性に関して、他方のエナンチオマーより有益であることがある。したがって、特定の状況下では、一対のエナンチオマーのうち一方のみ、または複数のジアステレオマーのうち1種のみを治療剤として用いることが望ましい。よって、本発明は、式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)が単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在している、1つ以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含有した組成物を提供する。一つの一般的な実施形態において、式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的に全て)が、単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在していてもよい。
本発明の使用のための化合物には1以上の同位元素置換を有する化合物を含み、具体的な元素への言及はその範囲内に前記元素の全同位体を含む。例えば、水素への言及はその範囲内にH、H(D)、およびH(T)を含む。同様に、炭素および酸素への言及は、それらの範囲内に12C、13C、および14Cならびに16Oおよび18Oをそれぞれ含む。
同位元素は、放射性でも非放射性でもよい。本発明の一実施形態において、化合物は放射性同位元素を含有していない。このような化合物は治療用に好ましい。しかしながら、他の実施形態では、化合物が1種以上の放射性同位元素を含有してもよい。このような放射性同位元素を含有した化合物も診断の場面において有用であり得る。
カルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のカルボン酸エステルおよびアシルオキシエステルなどのエステルも、本明細書で定義される式(I)に含まれる。本発明の一実施形態において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物を含む。本発明の他の実施形態において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物を含まない。エステルの例としては、基−C(=O)ORを含有する化合物であり、Rはエステル置換基、例えば、C1−7アルキル基、C3−20ヘテロシクリル基、またはC5−20アリール基、好ましくはC1−7アルキル基である。エステル基の具体例としては、限定されるものではないが、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−C(=O)OC(CH、および−C(=O)OPhが挙げられる。アシルオキシ(逆エステル)基の例は−OC(=O)Rで表わされ、Rはアシルオキシ置換基、例えば、C1−7アルキル基、C3−20ヘテロシクリル基、またはC5−20アリール基、好ましくはC1−7アルキル基である。アシルオキシ基の具体例としては、限定されるものではないが、−OC(=O)CH(アセトキシ)、−OC(=O)CHCH、−OC(=O)C(CH、−OC(=O)Ph、および−OC(=O)CHPhが挙げられる。
式(I)には、化合物の多形体、化合物の溶媒和物(例えば、水和物)、複合体(例えば、シクロデキストリンのどの化合物との包接複合体または包接化合物、または金属との錯体)、および化合物のプロドラッグも含まれる。「プロドラッグ」とは、例えば、生体内で式(I)の生物活性化合物へ変換される化合物を意味する。
例えば、いくつかのプロドラッグは活性化合物のエステル(例えば、生理学上許容される易代謝性エステル)である。代謝に際して、エステル基(−C(=O)OR)は開裂されて活性薬を生じる。このようなエステルは、例えば、親化合物においてカルボン酸基(−C(=O)OH)のエステル化により形成されるが、適宜に、親化合物に存在する他の反応基を予め保護しておき、次いで必要であれば脱保護する。
このような易代謝性エステルの例としては、式−C(=O)ORのものが挙げられ、Rは:
1−7アルキル(例えば、−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−sBu、−iBu、−tBu)、
1−7アミノアルキル(例えば、アミノエチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、2−(4−モルホリノ)エチル)、および
アシルオキシ−C1−7アルキル(例えば、アシルオキシメチル、
アシルオキシエチル、
ピバロイルオキシメチル、
アセトキシメチル、
1−アセトキシエチル、
1−(1−メトキシ−1−メチル)エチル−カルボニルオキシエチル、
1−(ベンゾイルオキシ)エチル、イソプロポキシ−カルボニルオキシメチル、
1−イソプロポキシ−カルボニルオキシエチル、シクロヘキシル−カルボニルオキシメチル、
1−シクロヘキシル−カルボニルオキシエチル、
シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシメチル、
1−シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシエチル、
(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル、
1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル、
(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル、および
1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である。
また、一部のプロドラッグは酵素的に活性化されて活性化合物を生じ、またある化合物はさらなる化学反応により活性化合物を生じる(例えば、抗体指向性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、ポリマー指向性酵素プロドラッグ療法(PDEPT)、リガンド指向性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)などの場合)。例えば、プロドラッグは糖誘導体または他のグリコシド複合体でもよく、またはアミノ酸エステル誘導体でもよい。
式(I)の化合物の製造方法
この項において、式(I)の化合物への言及は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書で定義される式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)ならびにそれぞれのサブグループおよび実施形態を含む。
別の態様において、本明細書で定義される式(I)の化合物の製造方法を提供する。
Eが、アリールまたはヘテロアリール基である式(I)の化合物は、式(X)の化合物と式(XI)の化合物との反応により製造され、ここで(X)および(XI)は適切に保護されてもよく、T、J、J、Q、Q、G、E、およびR〜Rは上記と同義であり、基XおよびYのうち一方は、塩素、臭素、ヨウ素、またはトリフルオロメタンスルホネート(トリフラート)基であり、基XおよびYのうち他方はボロネート残基、例えば、ボロネートエステルまたはボロン酸残基である。
Figure 0005606734
反応は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのようなパラジウム触媒および塩基(例えば、炭酸カリウムのようなカーボネート)の存在下で、典型的スズキカップリング条件で行うことができる。前記反応は、極性溶媒、例えば、水性エタノールのような水性溶媒またはジメトキシエタンのようなエーテル中において行われてもよく、反応混合物は典型的には加熱、例えば、80℃以上の温度、例えば100℃を超える温度に供される。
スズキカップリング工程を伴う例示の合成経路がスキーム1に示されている。スキーム1において、Eがアリールまたはヘテロアリール基であるブロモ化合物(XII)は、ブチルリチウムのようなアルキルリチウムおよびボレートエステル(iPrO)Bとの反応により、ボロン酸(XIII)へ変換される。反応は典型的には低温(例えば、−78℃)でテトラヒドロフランなどの無水極性溶媒中で行なわれる。
次いで、得られたボロン酸(XIII)を前記条件下でビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在中でN−保護クロロ化合物(XIV)と反応させる。次いで、保護基PG(例えば、テトラヒドロピラニル(THP)基である)は塩酸のような酸との処理により除去され、式(I’)の化合物を生じる。
スキーム1において、Gが水素以外である場合、典型的には下記に例示される適切な保護基で保護される。アミノ基を保護する上でスズキカップリングに際して用いられる一つの具体的な保護基は、t−ブトキシカルボニル基であり、これはトリエチルアミンのような塩基の存在下においてアミノ基をジ−t−ブチルカーボネートと反応させることにより導入される。前記保護基の除去は、典型的には二環式基における保護基PGの除去と同時に行われる。
スキーム1
Figure 0005606734
上記の製造操作において、二環式基へのアリールまたはヘテロアリール基Eのカップリングは、パラジウム触媒および塩基の存在下でハロ−プリン(またはそのデアザアナログ)またはハロ−アリールもしくはヘテロアリール化合物をボロネートエステルまたはボロン酸と反応させることにより行われる。本発明の化合物を製造する上で使用に適した多くのボロネートが、例えばオーストラリア、ノーブルパークのボロンモルキュラーリミテッド(Boron Molecular Limited)社から、またはアメリカ、サンディエゴのコンビ−ブロック(Combi−Blocks)社から市販されている。ボロネートが市販されていない場合、当該技術分野で公知、例えば、ミヤウラ(N.Miyaura)およびスズキ(A.Suzuki)、ケミカルリビューズ(Chem.Rev.)、1995、95、2457による総論に記載されているような方法により調製することができる。このように、対応するブロモ化合物をブチルリチウムのようなアルキルリチウムと反応させ、次いでボレートエステルと反応させることにより、ボロネートは製造される。得られたボロネートエステル誘導体は所望であれば加水分解されて、対応するボロン酸を生じる。
Eが非芳香族環式基であり、窒素原子により二環式基へ結合されている式(I)の化合物は、TがNである式(XVI)の化合物と、式(XVII)の化合物またはその保護誘導体との反応により製造でき、R、Q、Q、およびGは上記と同義であり、環Eは環員として求核性NH基を含有する環式基Eを表わす。
Figure 0005606734
反応は典型的には、高温、例えば、90℃〜160℃範囲の温度において、アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、またはn−ブタノール)などの極性溶媒中により場合によりトリエチルアミンのような非障害性アミンの存在下で、行われる。反応は、特に、所望の反応温度が溶媒の沸点を超える場合密封チューブ中で行なってもよい。TがNである場合、反応は典型的には約100℃〜130℃範囲の温度において行われるが、TがCHである場合、例えば、約160℃までの高い温度が要求され、そのためジメチルホルムアミドのような高沸点溶媒が用いられる。一般的に、過剰の求核性アミンが用いられることになるか、および/またはトリエチルアミンのような追加の非反応性塩基が反応混合物中に含有されることになる。反応混合物の加熱は常套手段またはマイクロ波ヒーターの使用により達成されてもよい。
TがCHである式(I)の化合物を製造するため、CH基の水素原子を、アミン(XVII)による塩素原子の求核置換を促進するために活性基と置換してもよい。活性基は典型的には求核置換反応に続いて除去することができるものである。そのような活性基の1つとしては、加水分解および脱カルボキシル反応により除去することができるエトキシカルボニルまたはメトキシカルボニルなどのエステル基である。カルボン酸に対するエトキシカルボニルまたはメトキシカルボニル基の加水分解は典型的には、水酸化ナトリウムなどの水性アルカリを使用して行なわれ、脱カルボキシル反応工程は典型的には、高温(例えば、150度〜190℃)に加熱することにより行なわれる。
式(XVI)の化合物は市販されており、また、当業者に周知の方法により調製することができる。例えば、TがNであり、J−JがCH=Nである式(XVI)の化合物は、POClのような塩素化剤との反応により、対応するヒドロキシ化合物から製造される。J−JがHN−C(O)である式(XVI)の化合物は、トリエチルアミンなどの非干渉性塩基の存在下で、式(XVIII)のオルト−ジアミノ化合物とカルボニルジ−イミダゾールとを反応させることにより調製することができる。
Figure 0005606734
TがCRであり、J−Jが(R)H=CH(R)である、式(XVI)の化合物は、高温、例えば、POClの還流温度でオキシ塩化リンと反応させることにより対応する式(XIX)のN−オキシドから調製することができる。
Figure 0005606734
Eがピペリジン基であり、Qが飽和炭化水素連結基であり、QおよびQが両方ピペリジン基第4位結合している式(XVII)の中間化合物は、スキーム2で示される一連の反応により調製することができる。
スキーム2
Figure 0005606734
スキーム2では、4−メトキシカルボニル-ピペリジンをまず標準的な方法で、例えば、非干渉塩基の存在下でジ−t−ブチルカーボネートとの反応によるt−ブチルオキシカルボニル(boc)基により保護し、保護化合物(XX)が生じる。保護ピペリジンカルボキシメチルエステル(XX)を次に、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)などの強塩基およびHalがハロゲン、好ましくは臭素、およびQが飽和炭化水素基である式R−Halの化合物との反応によりエステルのカルボニル基に対してα位でアルキル化する。エステル(XXI)を次に、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を使用して、対応するカルボン酸(XXII)に加水分解する。カルボン酸(XXII)は、様々な異なるアミン中間体を調製に使用することができ、それらはまた式(II)の化合物に変換することができる。例えば、スキーム2で示されるように、カルボン酸は酸クロリドに変換することができ(例えば、塩化オキサリルおよび任意に触媒量のDMFで処理、または塩化オキサリルで酸の塩を処理することにより)、次に、アジ化ナトリウムと反応させて酸アジドを形成する(図示せず)。酸アジドを次に加熱してクルチウス反応における転位を起こし(機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、ジョンワイリー&サンズ、1992年、1091〜1092ページ、参照)アミノ基がピペリジン環へ直接結合している化合物(XXIII)が生じる。アミン(XXIII)を次に、標準的な方法(例えば、Boc保護基の場合、塩酸を使用して)によって脱保護し、式(XIV)の化合物と反応させ、本明細書に定義されるような式(I)の化合物が生じる。
別の一連の反応では、エステル(XXI)は対応するアルコールに還元することができ、これはピペリジン環の窒素原子の脱保護に続いて、式(XXI)の化合物と反応させ、QがCHでありGがOHである式(I)の化合物を生じることができる。あるいは、アルコールをデス−マーティンペルヨージナン(Dess,D.B.;Martin,J.C.、J.Org.Soc.、1983年、48、4155および有機合成(Organic Syntheses)、第77巻、141参照)または過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)を使用して、アルデヒドに酸化することができる。得られるアルデヒドを、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよびアミンHNRを使用する還元的アミノ化などの様々な合成相互転換に使用して、QがCHでGがHNRである式(XVII)の化合物を得ることができる。
カルボン酸(XXII)もまた、アミド結合を形成するのに適当な条件下でアミンHNRとの反応によりアミドに変換することができる。酸(XXII)とアミンHNRとのカップリング反応は、好ましくはペプチド結合の形成で一般的に使用されるタイプの試薬の存在下で行なわれる。このような試薬の例としては、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(シーハン(Sheehan)ら、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)、1955、77、1067)、1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(ここではEDCまたはEDACと呼ばれる)(シーハン(Sheehan)ら、有機化学ジャーナル(J.Org.Chem.)、1961、26、2525)、ウロニウム系カップリング剤、例えば、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N´,N´−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、およびホスホニウム系カップリング剤、例えば、1−ベンゾ−トリアゾリルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(カストロ(Castro)ら、テトラへドロンレターズ(Tetrahedron Letters)、1990、31、205)が挙げられる。カルボジイミド系カップリング剤は、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(カルピノ(L.A.Carpino)、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)、1993、115、4397)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(ケーニッヒ(Konig)ら、ケミシェベリヒテ(Chem.Ber.)、103、708、2024〜2034)と併用するのが有利である。好ましいカップリング試薬としては、EDC(EDAC)およびDCCとHOAtまたはHOBtとの組合せが挙げられる。
カップリング反応は、典型的にはアセトニトリル、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリジンなどの非水性非プロトン性溶媒中、または1以上の混和性補助溶媒を伴ってもよい水性溶媒中で行われる。反応は、室温、または反応物の反応性が小さい場合には適当な高温で行うことができる(例えば、スルホンアミド基のような電子求引基を有する電子不足のアニリンの場合)。反応は、非干渉塩基、例えば、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミン、の存在下で行ってもよい。
アミンHNRがアンモニアである場合、アミドカップリング反応は、アンモニアの添加前にカルボン酸を活性化するため、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)を使用して行なうことができる。
別法として、カルボン酸の反応性誘導体、例えば無水物または酸塩化物を用いてもよい。無水物などの反応性誘導体との反応は典型的には、ピリジンなどの塩基の存在下、室温でそのアミンと無水物を撹拌することによって達成される。
得られるアミド(図示せず)は、対応するアミンを得るため、塩化アルミニウムの存在下で、水素化アルミニウムリチウムなどのヒドリド還元剤を使用して還元することができる。
Eがピペリジン基、Qが結合、Rがアリールまたはヘテロアリール基である式(XVII)の化合物 は、スキーム3で示される一連の工程を用いて製造することができる。
スキーム3
Figure 0005606734
スキーム3で示されるように、Rがアリールまたはヘテロアリール基であるニトリル(XXV)を、塩基およびN−保護(PG=保護基)ビス(2−クロロエチル)アミンと反応させ、ピペリジンニトリル(XXVI)を生じ、これを次にラネーニッケルを使用して還元でき、アミン(XXVII)を生じ、次に、脱保護(例えば、保護基が酸に不安定である場合、HClを使用)して、アミン(XXVIII)が生じる。あるいは、ニトリル(XXVI)を式(XVI)の化合物と反応させて、QとGとが一緒にニトリル基を形成する式(I)の化合物を生じることができる。
Eがピペリジン環、Qが結合そしてGがアミノ基であるである式(I)の化合物はまた、スキーム4で示される一連の反応により製造することができる。
スキーム4
Figure 0005606734
スキーム4で示されるように、PGがBocなどの保護基である保護4−ピペリドン(XXIX)を、チタンテトラエトキシドの存在下でTHFなど無水極性溶媒中でt−ブチルスルフィンイミドと反応させると、スルフィンイミン(XXX)を生じる。反応は典型的には加熱して、例えば、溶媒の還流温度で行なわれる。スルフィンイミン(XXX)を次に、部分R−Qを導入するのに適当な有機金属反応剤、例えば、アラルキルまたはアリールマグネシウムブロミドなどのグリニャール試薬と反応させると、スルフィンアミド(XXXI)を生じる。t−ブチルスルフィニル基を次に、塩酸/ジオキサン/メタノール混合物中で加水分解により除去して、アミン(XXIV)を生じることができる。アミン(XXIV)を次に、上記の条件下でクロロへテロ環(XVI)と反応させて、生成物(XXXI)すなわちEがピペリジン、Qが結合およびGがアミノ基である式(I)の化合物を生じることができる。
が結合でGがアルキルアミノ(例えば、メチルアミノ)基である対応する化合物は、中間体(XXXI)と例えば水素化ナトリウムなどの金属水素化物などの強塩基との反応、続いてヨウ化メチルなどハロゲン化アルキルの添加により、t−ブチルスルフィニル中間化合物(XXXI)から調製することができる。反応は典型的には、低温(例えば、0〜5℃)でジメチルホルムアミドなど極性非プロトン性溶媒中で行なわれる。
がアミド結合を含有する式(I)の化合物は、上記の方法と条件を使用して、スズキカップリング操作(XLが臭素である場合)を用いて上記中間体(XI)との反応により、または中間体(XVI)との反応により(XLが水素、基Eが求核性窒素原子を含む場合)、式(XXXII)および式(XXXIII)の中間体から製造することができる。
Figure 0005606734
式(XXXII)および(XXXIII)において、Q1aおよびQ1bはそれぞれ結合または基Qの残基であり、XLは水素または臭素などのハロゲンである。例えば、Q1aが結合で、Q1bがCH基であってもよく、その逆でもよい。
式(XXXII)および(XXXIII)の化合物は、上記のアミド成形条件を使用して、適切なカルボン酸またはその活性化誘導体(例えば、酸クロリド)ならびに適切なアミンを一緒に反応させて調製することができる。
部分Qがアミド基を含む式(I)の化合物の形成は、スキーム5で示される一連の反応により表される。
スキーム5
Figure 0005606734
スキーム5では、上記のアミド形成条件を使用して、boc−保護ピペリジンアミノ酸(XXXIV)をアリールアミンまたはヘテロアリールアミンR−NHと反応させる。したがって、例えば、アミド生成反応は、N−エチルジイソプロピルアミンなどの塩基の存在下でDMFなどの極性溶媒中でHATU(上記参照)を使用して行なうことができる。アミド(XXXV)を次に脱保護する、この場合、酸での処理によりboc基を除去する、そして次に高温(例えば、約100℃)で二環式クロロ化合物(XVI)と反応させ、生成物(XXXVII)を得ること。クロロ化合物との反応は典型的には、トリエチルアミンなど非干渉性塩基の存在下で、高沸点アルコール(例えば、n−ブタノール)などの極性溶媒中で行なわれる。
がエーテル結合を含む式(I)の化合物は、Qがアミド結合を含む化合物に関して上記した方法と類似の方法で調製することができる。エーテル結合を含む化合物の製造はスキーム6で示される一連の反応により表される。
スキーム6
Figure 0005606734
スキーム6では、水素化アルミニウムリチウムなど還元剤を使用し、テトラヒドロフランなどの極性非プロトン性溶媒中で、典型的にはほぼ室温で、N−保護ピペリジンアミノ酸(XXXIV)は、対応するアルコール(XXXVIII)に還元される。アルコール(XXXVIII)を次に強塩基、例えば、水素化ナトリウムなど金属水素化物で処理し、アルコラートを形成し、これを次にアリールメチル−もしくは臭化へテロアリールメチルR−CH−Brと反応させ、エーテル(XXXIX)を形成する。エーテル生成反応は典型的には、DMFなどの非プロトン性極性溶媒を使用して、低温(例えば、ほぼ0℃)で行なわれる。エーテルを次に標準的な方法により脱保護し、脱保護されたエーテル(XL)を上記の条件下でクロロ化合物(XVI)と反応させると、生成物(XLI)が生じる。
TがCH、Eがピペリジン基であり、J−JがCH=NまたはCH=CHである、式(I)の化合物は、スキーム7に示される工程により製造することができる。
スキーム7
Figure 0005606734
スキーム7で示される一連の反応において、出発物質は、塩素化カルボキシエステル化合物(XLIII)であり、これはジャーナルオブヘテロサイクリックケミストリ(J.Heterocycl.Chem.)、1972、235およびバイオオーガニック&メディシナルケミストリーレターズ(Bioorg.Med.Chem.Lett.)、2003、2405に記載の方法と一般的に類似の方法により調製することができ、続いて、必要に応じて不要な保護基を除去する。式(XLIII)では、AlkOは、アルコキシ基、例えば、メトキシまたはエトキシ(特にエトキシ)などのC1−3アルコキシ基である。
必要に応じて適切に保護された置換ピペリジン化合物(XLII)を塩素化カルボキシエステル化合物(XLIII)と反応させ、式(XLIV)のエステル中間体を生じる。反応は、トリエチルアミンなど不干渉性塩基の存在下で、高温(例えば、130℃〜90℃、典型的には100℃〜120℃)で、高沸点アルコール(例えばn−ブタノール)などの極性溶媒中で行なわれてもよい。加熱はマイクロ波ヒーターによって行うことができる。
塩素化カルボキシエステル化合物(XLIII)中のカルボキシエステル基は活性基として機能し塩素原子の求核置換に対する感受性を高くする。一旦求核置換反応が起こると、カルボキシエステル基はその目的を果たし、除去され得る。従って、カルボン酸(XLV)へのエステル中間体(XLIV)の加水分解は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの水性アルカリ金属水酸化物を使用し、必要に応じて加熱して行なわれる。カルボン酸(XLV)は次に、100℃を超える、例えば、約120℃〜約180℃の範囲の温度で高温に加熱することにより脱カルボキシル化されう、生成物(XLVI)を生じる。
一旦形成すると、式(I)の多くの化合物を標準的な官能基相互変換法を用いて、式(I)の他の化合物に変換することができる。
例えば、J−JがCH=Nである式(I)の化合物またはその保護形態は、N−ブロモスクシンイミド(NBS)などの臭素化剤でJ−J中の炭素原子の臭素化、続いて塩酸など鉱酸との加水分解により、J−JがN−C(CO)である対応する化合物に変換することができる。
相互変換の他の例としては、NRニトリル基の一部を形成する式(I)の化合物の、対応するアミンへの還元が挙げられる。NRがNH基である化合物は、還元的アルキル化により、あるいはN−Boc誘導体の形成および塩基の存在下でヨウ化メチルなどのアルキル化剤との反応により、対応するアルキルアミンに変換することができる。あるいは、アミンは当業者に周知の方法により環状基に変換することができる。
官能基相互変換の例ならびにこのような変換を行う試薬および条件は、例えば、機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、119、ワイリーインターサイエンス(Wiley Interscience)、ニューヨーク;フィーザーの有機合成試薬(Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis),第1〜17巻、ジョンワイリー、メアリーフィーザー編(ISBN:0−471−58283−2)および有機合成(Organic Syntheses)、第1〜8巻、ジョンワイリー、ジェレミア P.フリーマン(Jeremiah P.Freeman)編(ISBN:0−471−31192−8)に見出すことができる。
保護基
上記の反応の多くのものでは、分子の望まない位置で反応が起こらないように1以上の基を保護する必要のある場合がある。保護基の例ならびに官能基を保護および脱保護する方法は、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(グリーン(T.Green)およびワッツ(P.Wuts);第3版、ジョンワイリー&サンズ、1999年)に見出すことができる。
ヒドロキシ基は、例えば、エーテル(−OR)またはエステル(−OC(=O)R)、例えば、t−ブチルエーテル;ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)またはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルまたはt−ブチルジメチルシリルエーテル;またはアセチルエステル(−OC(=O)CH、−OAc)、として保護することができる。アルデヒドまたはケトン基は、例えば、第1級アルコールとの反応により、カルボニル基(>C=O)がジエーテル(>C(OR))に変換される、それぞれ、アセタール(R−CH(OR))またはケタール(RC(OR))、として保護することができる。アルデヒド基またはケトン基は、酸の存在下で、過剰の水を用いて加水分解により容易に再生される。アミン基は、例えば、アミド(−NRCO−R)またはウレタン(−NRCO−OR)、例えば、メチルアミド(−NHCO−CH);ベンジルオキシアミド(−NHCO−OCH、−NH−Cbz)として;t−ブトキシアミド(−NHCO−OC(CH、−NH−Boc);2−ビフェニル−2−プロポキシアミド(−NHCO−OC(CH、−NH−Bpoc)として、9−フルオレニルメトキシアミド(−NH−Fmoc)として、6−ニトロベラトリルオキシアミド(−NH−Nvoc)として、2−トリメチルシリルエチルオキシアミド(−NH−Teoc)として、2,2,2−トリクロロエチルオキシアミド(−NH−Troc)として、アリルオキシアミド(−NH−Alloc)として、または2−(フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(−NH−Psec)、として保護することができる。アミン、例えば、環状アミンおよびヘテロ環式N−H基のための他の保護基としては、トルエンスルホニル(トシル)およびメタンスルホニル(メシル)基ならびにベンジル基、例えば、パラ−メトキシベンジル(PMB)基が挙げられる。カルボン酸基は、エステル、例えば、C1−7アルキルエステル(例えば、メチルエステル;t−ブチルエステル);C1−7ハロアルキルエステル(例えば、C1−7トリハロアルキルエステル);トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキルエステル;またはC5−20アリール−C1−7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル);またはアミド、例えば、メチルアミド、として保護することができる。チオール基は、例えば、チオエーテル(−SR)、例えば、ベンジルチオエーテル;アセタミドメチルエーテル(−S−CHNHC(=O)CH)、として保護することができる。
本発明による使用のための化合物の単離および精製
本発明による使用のための化合物は、当業者に周知の標準的な手法によって単離し精製することができる。化合物の精製における特に有用な技術は、クロマトグラフィーカラムから出てくる精製された化合物を検出する手段として質量分析法を使用する、分取液体クロマトグラフィーである。
分取LC−MSは、本明細書に記載される化合物のような小有機分子の精製に用いられる、標準的で有効な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)の方法は、粗物質のよりよい分離とMSによるサンプルの検出の向上を得るために可変である。分取勾配LC法の至適化には、カラム、揮発性溶離剤および改質剤、ならびに勾配の変更を含む。分取LC−MS法を至適化し、その後それらを化合物の精製に用いるための方法は当技術分野で公知のものである。このような方法は、ローゼントレター(Rosentreter U)、フーバー(Huber U.);分取LC/MSにおける至適部分採取(Optimal fracion collecting in preparative LC/MS);ジャーナルオブコンビナトリアルケミストリー(J.Comb.Chem.);2004年;6(2)、159〜64およびリースター(Leister W)、ストラウス(Strauss K)、ビスノスキ(Wisnoski D)、ジャオ(Zhao Z)、リンズリー(Lindsley C.)、化合物ライブラリの予備精製および解析的分析のためのカスタムハイスループット分取液体クロマトグラフィー/質量分析計プラットフォームの開発(Development of a custom high−throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries);ジャーナルオブコンビナトリアルケミストリー(J.Comb.Chem.);2003年;5(3);322〜9に記載されている。
医薬製剤
本発明の使用のための化合物は単独で投与することもできるが、1種以上の薬学上許容される担体、アジュバント、賦形剤、希釈剤、フィラー、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤、または当業者に周知の他の物質と、場合により他の治療または予防剤と一緒に、本発明の使用のための少なくとも1種の活性化合物を含有する医薬組成物(例えば、製剤)として提供することが好ましい。
従って、本発明はさらに、上記のような医薬組成物ならびに、本明細書で記載されているような1種以上の薬学上許容される担体、賦形剤、緩衝剤、アジュバント、安定剤、または他の物質と一緒に、前記のような少なくとも1種の活性化合物を混合することからなる、医薬組成物の製造方法を提供する。
本明細書において「薬学上許容される」とは、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく、被験体(例えば、ヒト)の組織との接触に用いるのに好適であり、妥当な利益/リスク比で釣り合いがとれた化合物、物質、組成物および/または投与形を意味する。担体、賦形剤などの各々はまた、その製剤の他の成分と適合するという点で「許容される」ものでなければならない。
式(I)の化合物を含有する医薬組成物は公知の技術に従い処方できる、例えば、レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、マック(Mack)出版社、イーストン、ペンシルベニア、米国、参照。
したがって、別の態様において、本発明は本明細書で定義される式(I)の化合物およびそのサブグループを医薬組成物の形態で提供する。
前記医薬組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与、鼻腔内投与、点眼投与、点耳投与、直腸投与、膣内投与または経皮投与に好適ないずれの形態であってもよい。前記組成物が非経口投与を意図したものである場合、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与用に処方することもできるし、あるいは注射、注入または他の送達手段により標的臓器または組織に直接送達するために処方することもできる。送達はボーラス注射、短時間注入または長時間注入によるものとすることもでき、また、受動的送達であっても、または好適な注入ポンプの利用を介したものでもよい。
非経口投与に適した医薬製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、補助溶媒、有機溶媒混合物、シクロデキストリン複合体形成剤、乳化剤(エマルジョン製剤を形成および安定化するため)、リポソーム形成のためのリポソーム成分、高分子ゲルを形成するためのゲル化可能なポリマー、凍結乾燥保護剤、ならびにとりわけ有効成分を可溶形態で安定化させるための薬剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする薬剤の組合せを含み得る水性および非水性無菌注射液が挙げられる。非経口投与に適した医薬製剤はまた、懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁剤の形態であってもよい(ストリックリー(R.G.Strickly)、経口および注射製剤における賦形剤の溶解(Solubilizing Excipients in oral and injectable formulation)、薬学研究(Pharmaceutical Research)、第21巻2号、2004年、p.201−230)。
リポソームは外側の脂質二重膜と内側の水性核からなる、閉じられた球状小胞であり、全体の直径が100μm未満である。疎水性の程度によって、中程度の疎水性薬剤であれば、薬剤をリポソーム内に封入またはインターカレーションした場合に、リポソームにより可溶化させることができる。疎水性薬剤はまた、薬剤分子を脂質二重膜の一体部分とした場合にも、リポソームにより可溶化させることができ、この場合、この疎水性薬剤を脂質二重膜の脂質部分に溶解させる。
前記製剤は単回用量容器または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供することもできるし、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水を加えるだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することもできる。
前記医薬製剤は、本明細書で定義される式(I)の化合物またはそのサブグループを凍結乾燥させることにより製造することができる。凍結乾燥とは、組成物をフリーズドライする手順をさす。よって、本明細書においてフリーズドライと凍結乾燥は同義語として用いられる。
即時調合注射溶液および懸濁液は無菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
注射剤用の本発明の医薬組成物はまた、薬学的に許容される無菌の水性または非水性溶液、分散液、懸濁液および乳液、加えて使用直前に無菌注射溶液または分散液へ再構成される無菌粉末を含む。適当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒あるいは賦形剤の例としては、水、エタノール、多価アルコール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適当な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンのような被覆剤の使用、分散液の場合は必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用により維持することができる。
本発明の組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤のようなアジュバントを含んでいてもよい。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗黴剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など、を含有することにより確保されてもよい。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含有することも望ましい。注射可能な剤型での持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンのような吸収を遅らせる薬剤の含有によりもたらされてもよい。
本発明の好ましい一実施形態では、前記医薬組成物は、例えば注射またはインフュージョンによるIV投与に適当な形態である。静脈内投与には、前記溶液はそのまま投与でき、また投与前に(0.9%生理食塩水または5%デキストロースのような薬学的に許容される賦形剤を含む)輸液バッグに注入することもできる。
もう1つの好ましい実施形態では、前記医薬組成物は皮下(s.c.)投与に好適な形態である。
経口投与に好適な医薬投与形としては、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤および懸濁剤、舌下錠、ウエハー剤またはパッチ剤ならびに口腔パッチ剤が挙げられる。
従って、錠剤組成物は、単位用量の活性化合物を、不活性希釈剤または担体、例えば、糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトール;および/または非糖由来希釈剤、例えば、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムまたはセルロースもしくはその誘導体、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン、例えば、コーンスターチとともに含有することができる。また、錠剤は、標準的な成分、例えば、結合剤および造粒剤、例えば、ポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩)、保存剤(例えば、パラベン)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液)、および発泡剤、例えば、クエン酸塩/重炭酸塩混合物を含有してもよい。このような賦形剤は公知であり、ここでは詳細に記載する必要はない。
カプセル製剤は、硬質ゼラチン種であっても軟質ゼラチン種であってもよく、固体、半固体または液体状の有効成分を含有することができる。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチンまたはその合成もしくは植物由来の均等物から形成することができる。
固形投与形(例えば、錠剤、カプセル剤など)はコーティングを施しても施さなくともよいが、典型的には例えば、保護フィルムコーティング(例えば、ワックスまたはワニス)または放出制御コーティングを施す。前記コーティング(例えば、Eudragit(商標)型ポリマー)は、胃腸管内の所望の位置で有効成分が放出されるように設計することができる。従って、コーティングは、胃腸管内の特定のpH条件下で分解するように選択することができ、これにより選択的に胃または回腸もしくは十二指腸で化合物を放出する。
コーティングの代わりに、またはコーティングに加えて、放出制御剤、例えば、胃腸管において酸度またはアルカリ度が変化する条件下で化合物を選択的に放出するようにすることができる放出遅延剤、を含んでなる固相マトリックス中に薬剤を提供してもよい。あるいは、マトリックス材料または放出遅延コーティングは、投与形が胃腸管を通過するにつれて実質的に連続的に崩壊する崩壊性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとることができる。さらなる別法としては、活性化合物を、化合物の放出の浸透圧制御をもたらす送達系に処方することもできる。浸透圧放出性ならびに他の遅延放出性または徐放性製剤は当業者に公知の方法に従って製造することができる。
前記医薬組成物は、有効成分を約1%から約95%まで、好ましくは約20%から約90%含む。発明による医薬品組成物は、例えばアンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、タブレットまたはカプセル形態のような単位用量形態であってもよい。
経口投与用医薬組成物は、有効成分と固体担体とを組み合わせ、所望であれば得られた混合物を粒状にし、所望または必要であれば適当な賦形剤の添加後、混合物を錠剤、糖衣錠コアまたはカプセルへ加工することにより得られる。また、前記経口投与用医薬組成物を、一定量の有効成分を拡散させたり放出させたりする可塑性の担体に組み入れることも可能である。
本発明による使用のための化合物は、固形分散物としてもまた製剤化することができる。固形分散物は、2つまたはそれ以上の固形物の均質な非常に細かい分散相である。固体分散体の1つのタイプである固溶体(分子的分散系)は、製剤工学における使用のために周知であり(チヨウ(Chiou)およびリーゲルマン(Riegelman)、薬学ジャーナル(J.Pharm.Sci.)、60、1281〜1300(1971)を参照)、溶解速度の増加および低水溶性薬剤の生体利用率の増加において有用である。
本発明は、上記載の固溶体を含む固形投薬形態もまた提供する。固形投薬形態としては、タブレット、カプセルおよびチュアブルタブレットが挙げられる。公知の賦形剤は、所望される投薬形態を提供するために固溶体に混ぜ合わせることができる。例えば、カプセルは、(a)崩壊剤および潤滑剤、または(b)崩壊剤、潤滑剤および界面活性剤と混合された固溶体を含有し得る。タブレットは、少なくとも1つの崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤および流動促進剤と混合された固溶体を含有し得る。チュアブルタブレットは、充填剤、潤滑剤、および所望されるならば付加甘味剤(人工甘味剤のような)、ならびに適切な香料と混合された固溶体を含有し得る。
前記医薬製剤は単一のパッケージ、通常はブリスターパック中に全コースの治療薬を含んだ「患者パック」として患者に提供することができる。患者パックは、調剤師がバルク供給から患者分の医薬を分配する従来の処方箋調剤に優る利点があり、患者は患者パックに入っている、患者の処方箋調剤では見ることができない添付文書をいつでも見ることができる。添付文書を包含しておけば、患者が医師の指示をよりよく遵守することが示されている。
局所使用のための組成物としては、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル、液滴および挿入物(例えば、眼内挿入物)が挙げられる。このような組成物は、公知の方法に従って処方することができる。
直腸投与または膣内投与用の製剤の例としては、ペッサリーおよび坐剤が挙げられ、これらは、例えば、活性化合物を含有する付形成形材またはワックス材から形成することができる。
吸入投与用組成物は、吸入可能な粉末組成物または液状もしくは粉末スプレーの形態をとってもよく、粉末吸入装置またはエアゾールディスペンシング装置を用いた標準的な形態で投与することができる。このような装置は、公知のものである。吸入投与用の粉末製剤は、典型的には活性化合物を、ラクトースなどの不活性固体粉末希釈剤とともに含む。
式(I)の化合物は一般的には単位投与形態で提供されることになり、それ自体、所望の生物活性レベルを与えるのに十分な化合物を典型的に含むことになる。例えば、製剤は1ナノグラム〜2グラムの有効成分、例えば、1ナノグラム〜2ミリグラムの有効成分を含んでいてもよい。この範囲内での化合物の特定の部分範囲としては、0.1ミリグラム〜2グラムの有効成分(より通常は、10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜500ミリグラム)、または1マイクログラム〜20ミリグラム(例えば、1マイクログラム〜10ミリグラム、例えば、0.1ミリグラム〜2ミリグラムの有効成分)である。
経口投与に関しては、単位投与形態は1ミリグラム〜2グラム、より典型的には、10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜1グラム、例えば、100ミリグラム〜1グラムの活性化合物を含んでいてもよい。
活性化合物は、投与を必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物患者)に、所望の治療効果を達成するのに十分な量で投与されることになる。
治療上の使用
式(I)の化合物は、ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kの活性を調節(例えば、阻害)する。したがって、化合物は、(a)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば、阻害)が見られる疾患または症状の治療または予防、および/または(b)ROCKキナーゼまたはプロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば阻害)が見られる被験者または患者集団の治療、および/または(c)Rhoシグナル伝達経路の調節(例えば阻害)が見られる疾患または症状の治療または予防、および/または(d)Rhoシグナル伝達経路の調節(例えば、阻害)が見られる被験者または患者集団の治療に適用される。
ROCKキナーゼ調節に関連する適用症と症状
本発明はしたがって(a)腫瘍転移、(b)腫瘍浸潤、(c)腫瘍進展、(d)腫瘍接着(例えば、腫瘍細胞接着)、(e)アクチノマイシン収縮依存性腫瘍転移、浸潤または進展、(f)細胞形質転換、(g)ROCKが仲介する腫瘍転移、浸潤、進展または接着、(h)ROCKが仲介するアクチノマイシン収縮依存性腫瘍転移、浸潤または進展、(i)ROCKが仲介する細胞形質転換から選ばれる疾患および症状に関して適用される。
本発明はまた、特に、(a)精巣性胚細胞腫瘍、(b)転移能を有する小乳癌、(c)膀胱癌、(d)卵巣癌、(e)前立腺癌および(f)肝細胞癌から選ばれる(例えば、ROCKが仲介するの癌である)癌に関連して適用される。
他の適用症および症状としては、本明細書に定義されるいかなる癌の浸潤、転移および腫瘍進展も含まれる。
本発明はまた、心疾患または病態、特に(a)高血圧、(b)心臓機能不全(例えば、慢性および鬱血性心不全)、(c)心臓肥大、(d)再狭窄、(e)腎機能不全(例えば慢性腎不全)、(f)アテローム性動脈硬化症(動脈硬化症)、(g)心保護、(h)同種移植片生着、(i)脳虚血、(j)冠攣縮性狭心症、および(k)血管炎症から選ばれるものに関連して適用される。
他の適用症および症状としては、例えば、(a)喘息、(b)陰茎勃起障害、(c)女性性機能不全、(d)過活動膀胱I症候群、および(e)異常平滑筋(例えば、高血圧と関連する)から選ばれる筋肉(例えば、平滑筋)機能不全が挙げられる。
他の適用症および症状としては、例えば、炎症が(a)関節リウマチ、(b)過敏性腸症候群、(c)炎症性腸疾患、(d)血管炎症、および(e)神経炎症性疾患または症状を含むかその兆候を示す炎症が挙げられる。
神経炎症性疾患または症状に関連する実施形態において、これらは、(a)卒中、(b)多発性硬化症、(c)アルツハイマー病、(d)パーキンソン病、(e)筋萎縮性側索硬化症、および(f)炎症性疼痛から選択され得る。
他の適用症および症状としては、(a)脊髄損傷または傷害、(b)脳外傷または傷害、(c)急性神経細胞損傷(例えば、卒中または外傷性脳損傷)、(d)パーキンソン病、(e)アルツハイマー病、(f)神経組織変成の症状または疾患、(g)卒中(例えば、高血圧に関連する)、(h)脳血管痙攣、(i)神経突起成長および発芽の阻害、(j)軸索再生阻害、(k)傷害後の機能回復不全、(l)脱髄症または異常、(m)炎症性CNS疾患または異常、(n)神経障害性疼痛、および(o)神経変性から選ばれるものを含むCNS疾患または症状が挙げられる。
他の適用されるCNS疾患または症状としては、ダウン症候群及びβアミロイド血管症、限定されないが例えば脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能不全に関連する障害、限定されないが例えばMCI(「軽度認知機能不全」)、アルツハイマー病、記憶喪失、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病もしくは血管性と変性性起源の混合型の痴呆、初老期痴呆、老年痴呆及びパーキンソン病関連痴呆を含む痴呆のような疾患に関連する神経変性、進行性核上麻痺または皮質基底核変性、パーキンソン病、前頭側頭型痴呆パーキンソン型、グアムパーキンソン痴呆複合症、HIV痴呆、神経原線維変化病理を伴う疾患、ボクサー痴呆、筋萎縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソニズム、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷及び他の慢性神経変性疾患、双極性障害、情動障害、うつ病、不安、統合失調症、認知障害、脱毛症、避妊薬服用、前痴呆状態、加齢関連記憶障害、加齢関連認知低下、痴呆ではない認知機能不全、軽度認知低下、軽度神経認知低下、老年期健忘症、記憶障害および認知機能不全、血管性痴呆、レヴィー小体型痴呆、前頭側頭型痴呆ならびに男性型脱毛症から選ばれるものがあげられる。
さらに他の適用症および症状としては、(a)インシュリン抵抗性、(b)グラフト保護(例えば、心臓血管または炎症性グラフト保護)、(c)糖尿病、(d)喘息、(e)肺血管収縮、(f)緑内障、および(g)繊維症(例えば、肝臓線維症および腎臓線維症)が挙げられる。
他の適用症および症状としては、後生動物、原生動物、菌類、プリオン、ウイルスまたはバクテリア性の侵入、疾患あるいは感染を含む感染症または症状が挙げられる。
そのような実施形態において、感染症または症状は病原体が仲介する細胞骨格再構成を含んでもよい。
増殖性疾患(癌を含む):本発明はまた、腫瘍形成の成長を防ぐまたは腫瘍形成に細胞死を招く手段として適用をされる。したがって、本発明は、癌など増殖性疾患の治療または予防に有用であることが証明されることになる。そのような異常の例としては、限定されるものではないが、Rhoシグナル伝達経路メンバーの1つ以上の過剰発現、またはROCKキナーゼまたはRhoシグナル伝達経路の定常活性の増加をもたらす前記メンバーにおける変異(これは、例えば、表皮成長因子受容体(EGFR)、線維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、インスリン様成長因子1レセプター(IGF−1R)および血管内皮成長因子受容体(VEGFR)ファミリーから選ばれる成長因子などの成長因子受容体のアップレギュレーション、過剰発現または変異性活性化に関連する可能性がある)が挙げられる。
本発明は、例えば、ウイルス感染および神経変性疾患などの、増殖または生存における疾患に起因する他の症状の治療に有用になる。
本発明はしたがって、増殖、細胞死または分化の異常がある疾患の治療に広く適用される。
阻害される可能性のある癌の例としては、限定されるものではないが、癌腫、例えば、膀胱癌、乳癌、結腸癌(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫のような結腸直腸癌)、腎癌、表皮癌、肝癌、肺癌、例えば、腺癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、例えば、膵外分泌癌、胃癌、子宮頚癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、前立腺癌、または皮膚癌、例えば、扁平上皮癌;造血系悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、他のB細胞リンパ増殖性疾患、骨髄異形成症候群、T細胞リンパ増殖性疾患(ナチュラルキラー細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫およびホジキン病に由来したものを含む)、ボルテゾミブ感受性および抵抗性の多発性骨髄腫;前癌状態または安定状態に関わらず、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症を含む骨髄増殖性疾患のような細胞増殖異常の造血系疾患;有毛細胞リンパ腫またはバーケットリンパ腫(Burkett’s lymphoma);骨髄細胞系列の造血系腫瘍、例えば、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、前骨髄球性白血病;濾胞性甲状腺癌;間充織起源の腫瘍、例えば、繊維肉腫または横紋筋肉腫;中枢神経系または末梢神経系の腫瘍、例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫または神経鞘腫;メラノーマ;精上皮腫;奇形腫;骨肉腫;色素性乾皮症;角化棘細胞腫;濾胞性甲状腺癌;またはカポジ肉腫が挙げられる。
癌の具体的なサブセットとしては、乳癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、食道癌、扁平上皮癌、および非小細胞肺癌腫が挙げられる。癌の別のサブセットとしては、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮内膜癌、および神経膠腫がある。
免疫障害:本発明が有益となりうる免疫障害としては、限定されるものではないが、自己免疫症状および慢性炎症疾患、例えば、全身性エリテマトーデス、自己免疫性糸球体腎炎、リウマチ様関節炎、乾癬、炎症性腸疾患および自己免疫性真性糖尿病、湿疹過敏性反応、喘息、COPD、鼻炎、および上部気道疾患が挙げられる。
他の治療用途:ROCKが仲介する生理的プロセスは、アポトーシス、増殖、分化において役割を果たし、したがって本発明は癌以外に免疫機能不全に伴うもの;ウイルス感染、例えば、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン−バールウイルス、シンドビスウイルス、アデノウイルス、HIV、HPV、HCV、およびHCMVの治療;HIV感染個体でエイズ発症の予防;心血管系疾患、例えば、心肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化症;神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、エイズ関連痴呆、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、棘筋萎縮および小脳変性;糸球体腎炎;骨髄異形成症候群、虚血性損傷関連心筋梗塞、卒中および再灌流損傷、筋骨格系の変性疾患、例えば、骨粗鬆症および関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患の治療にも有用であり得る。
本発明はまた、インシュリン抵抗性および不感受性、ならびに代謝病と肥満などのグルコース、エネルギーおよび脂肪蓄積の崩壊に由来する疾患に有用であり得る。
プロテインキナーゼp70S6K調節に関連する適用症と症状
本発明はしたがって、(a)癌(例えば、p70S6Kが仲介する癌)、(b)腫瘍転移、(c)免疫機能不全、(d)組織損傷(例えば、炎症から起こる)、(e)染色体17q23増幅(またはこれから起こるかまたはこれに関連する症状)、(f)ポイツイエーガー症候群(またはこれから起こるかまたはこれに関連する症状)、(g)LKB1変異(またはこれから起こるかまたはこれに関連する症状)、(h)BRCA1変異(またはこれから起こるかまたはこれに関連する症状)、(i)BRCA2変異(またはこれから起こるかまたはこれに関連する症状)、(j)機能不全性アポトーシス性プログラム、(k)腫瘍組織における成長因子受容体のシグナル伝達、過剰発現および活性化、(l)代謝病または疾患、(m)異常細胞増殖および/または代謝に関連したもの、および(n)神経細胞疾患から選ばれる症状に関連して適用される。
そのような実施形態において、染色体17q23増幅から起こる、またはそれに関連する疾患または症状は、(a)原発性乳房腫瘍、(b)BRCA2変異を含む腫瘍(例えば、乳房腫瘍)、(c)BRCA1変異を含む腫瘍(例えば、乳房腫瘍)、(d)膵臓腫瘍、(e)膀胱腫瘍、および(f)神経芽細胞腫から選ばれてもよい。
LKB1変異から起こるまたはそれに関連する疾患または症状は、LKB1変異(例えば、不活性化LKB1変異)を含む肺腺癌であり得る。
BRCA1/2変異からから起こるまたはそれに関連する疾患または症状は、乳癌であり得る。
代謝病または疾患は、(a)肥満(例えば、加齢性肥満または食餌性肥満)、(b)糖尿病、(c)メタボリック症候群、(d)インシュリン抵抗性、(e)高血糖、(f)高アミノ酸血症、および(g)高脂血症から選ばれ得る。
増殖性疾患(癌を含む):本発明はまた、腫瘍形成の成長を防ぐまたは腫瘍形成に細胞死を招く手段として適用をされる。したがって、本発明は、癌など増殖性疾患の治療または予防に有用であることが証明されることになる。そのような異常の例としては、限定されるものではないが、p70S6Kの過剰発現(または、本明細書に記載の他の症候群)。
本発明は、例えば、ウイルス感染および神経変性疾患などの、増殖または生存における疾患に起因する他の症状の治療に有用になる。
本発明はしたがって、増殖、細胞死または分化の異常がある疾患の治療に広く適用される。
阻害される可能性のある癌の例としては、限定されるものではないが、癌腫、例えば、膀胱癌、乳癌、結腸癌(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫のような結腸直腸癌)、腎癌、表皮癌、肝癌、肺癌、例えば、腺癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、例えば、膵外分泌癌、胃癌、子宮頚癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、前立腺癌、または皮膚癌、例えば、扁平上皮癌;造血系悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、他のB細胞リンパ増殖性疾患、骨髄異形成症候群、T細胞リンパ増殖性疾患(ナチュラルキラー細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫およびホジキン病に由来したものを含む)、ボルテゾミブ感受性および抵抗性の多発性骨髄腫;前癌状態または安定状態に関わらず、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症を含む骨髄増殖性疾患のような細胞増殖異常の造血系疾患;有毛細胞リンパ腫またはバーケットリンパ腫(Burkett’s lymphoma);骨髄細胞系列の造血系腫瘍、例えば、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、前骨髄球性白血病;濾胞性甲状腺癌;間充織起源の腫瘍、例えば、繊維肉腫または横紋筋肉腫;中枢神経系または末梢神経系の腫瘍、例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫または神経鞘腫;メラノーマ;精上皮腫;奇形腫;骨肉腫;色素性乾皮症;角化棘細胞腫;濾胞性甲状腺癌;またはカポジ肉腫が挙げられる。
癌の具体的なサブセットとしては、乳癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、食道癌、扁平上皮癌、および非小細胞肺癌腫が挙げられる。癌の別のサブセットとしては、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮内膜癌、および神経膠腫がある。
免疫障害:本発明が有益となりうる免疫障害としては、限定されるものではないが、自己免疫症状および慢性炎症疾患、例えば、全身性エリテマトーデス、自己免疫性糸球体腎炎、リウマチ様関節炎、乾癬、炎症性腸疾患および自己免疫性真性糖尿病、湿疹過敏性反応、喘息、COPD、鼻炎、および上部気道疾患が挙げられる。
他の治療用途:p70S6Kが仲介する生理的プロセスは、アポトーシス、増殖、分化において役割を果たし、したがって本発明は癌以外に免疫機能不全に伴うもの;ウイルス感染、例えば、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン−バールウイルス、シンドビスウイルス、アデノウイルス、HIV、HPV、HCV、およびHCMVの治療;HIV感染個体でエイズ発症の予防;心血管系疾患、例えば、心肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化症;神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、エイズ関連痴呆、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、棘筋萎縮および小脳変性;糸球体腎炎;骨髄異形成症候群、虚血性損傷関連心筋梗塞、卒中および再灌流損傷、筋骨格系の変性疾患、例えば、骨粗鬆症および関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患の治療にも有用であり得る。
本発明はまた、インシュリン抵抗性および不感受性、ならびに代謝病と肥満などのグルコース、エネルギーおよび脂肪蓄積の崩壊に由来する疾患に有用であり得る。
ROCKキナーゼ調節に関連する適用可能な診療、治療および予防法
本発明は、ROCKが仲介するいかなる種類の診療、治療または予防も包含する。本発明はしたがって、(a)ROCKキナーゼの調節(例えば、阻害)、または(b)ROCKキナーゼの活性レベルでの診療、または(c)Rhoシグナル伝達経路レベルでの(例えば、RhoAおよび/またはRhoCレベルでの)診療を含む治療または予防に関連して適用される。
他の適用可能な方法としては、(a)筋肉(例えば、平滑筋)弛緩、(b)血管筋弛緩(例えば、血管の血流を高めるため)、(c)神経細胞調節、(d)細胞増殖の減少、(e)細胞移動の減少、(f)病原浸潤または感染時の細胞骨格再構成の抑制、(g)組織再生の加速、および(h)傷害後の機能回復の増強をもたらす診療が挙げられる。
そのような実施形態において、神経細胞調節は、(a)神経再生、(b)新規軸索成長誘導、(c)CNS内の病変にわたる軸索の再構成、(d)神経突起伸長、(e)神経突起分化、(f)軸索経路探索、(g)樹状突起棘形成、(h)樹状突起棘維持、(i)神経突起成長円錐崩壊の調節、および(j)神経突起伸長阻害の調節を含み得る。
他の適用可能な治療としては、移植療法(例えば、グラフト保護を含む)が挙げられる。
さらに他の適用可能な方法としては、病状または症状の診断および治療方法が挙げられ、該方法は、(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状がROCKキナーゼに対して活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状が感受性を有することが示された場合に、その後、患者に本発明の化合物を投与することを含む。
p70S6K調節に関連する適用可能な診療、治療および予防法
本発明は、p70S6Kが仲介するいかなる種類の診療、治療または予防も包含する。本発明はしたがって、(a)プロテインキナーゼp70S6Kの調節(例えば、阻害)、(b)プロテインキナーゼp70S6Kの活性レベルでの診療、(b)生体内での細胞周期におけるG1期からS期への進行の阻害、(c)細胞周期のG1期からS期での細胞周期増殖の阻害、(d)ラパマイシン代用薬としての式(I)の化合物の使用、(e)ウォルトマンニン代用薬としての式(I)の化合物の使用、(f)適切なアポトーシス性プログラムの再構築、(g)腫瘍組織中での成長因子受容体シグナル伝達、過剰発現および活性化の阻害、(h)神経細胞分化の調節、(i)細胞運動の調節、(j)細胞応答の調節、および(k)インスリン感受性の増強を含む治療または予防に関して適用される。
前記治療および予防はまた、病状または症状の診断および治療方法を含み、該方法は、(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状がプロテインキナーゼp70S6Kに対して活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状が感受性を有することが示された場合に、その後、患者に本発明の化合物を投与することを含む。
ROCKキナーゼ調節の標的被験者または患者集団
被験者または患者集団は、(a)ROCKキナーゼが機能不全(例えば、過活性)のもの、そして(b)ROCK機能不全(例えば、ROCK活性亢進)の診断テストの対象になったもの、(c)Rhoシグナル伝達経路が機能不全のもの、そして(d)Rhoシグナル伝達経路機能不全の診断テストの対象になったものから選ばれ得る。
p70S6K調節の標的被験者または患者集団
被験者または患者集団は、(a)プロテインキナーゼp70S6Kが機能不全(例えば、過活性)のもの、(b)p70S6K機能不全(例えば、p70S6K活性亢進)の診断テストの対象になったもの、(c)染色体17q23が増幅されているもの、そして(d)染色体17q23の増幅の診断テストの対象になったもの、(e)BRCA1変異を有するもの、(f)BRCA1変異の診断テストの対象になったもの、(g)BRCA2変異を有するもの、(h)BRCA2変異の診断テストの対象になったもの、(i)LKB1変異を有するもの、(j)LKB1変異の診断テストの対象になったもの、および(k)本明細書に定義されるようにスクリーニングされたものから選ばれ得る。
治療法および薬量
本明細書で定義される式(I)の化合物およびサブグループは、ROCKキナーゼまたはタンパク質キナーゼp70S6Kによって仲介される様々な病状または症状の予防または治療において有用である。そのような病状および症状の例は上述されている。
式(I)の化合物は、一般的にそのような投与を必要とする被験体(例えば、ヒトまたは動物の患者、好ましくはヒト)に対して投与される。
上記化合物は、治療上または予防上有用であり、一般的に毒性のない量で典型的には投与されることになる。しかしながら、特定の状況において(例えば、生命を脅かす疾患の症例において)、本発明の組合せを投与する利点は、いかなる毒性効果または副作用の短所に勝ってもよく、その場合には化合物を毒性度と関連する量で投与することは望ましいと考えられてもよい。
上記化合物は、有用な治療上の効果を維持するために長期間にわたって投与されてもよいし、または短期間のみで投与されてもよい。あるいは、それらはパルス的方式または継続的方法で投与されてもよい。
式(I)の化合物の典型的な1日量は、体重1キログラムあたり100ピコグラム〜100ミリグラム、より典型的には体重1キログラムあたり5ナノグラム〜25ミリグラム、およびより通常には1キログラムあたり10ナノグラム〜15ミリグラム(例えば、10ナノグラム〜10ミリグラム、およびより典型的には1キログラムあたり1マイクログラム〜1キログラムあたり20ミリグラム、例えば、1キログラムあたり1マイクログラム〜10ミリグラム)の範囲でありえるが、必要な場合はより高用量またはより低用量が投与されてもよい。式(I)の化合物は、例えば、毎日の方式で、または2、もしくは3、もしくは4、もしくは5、もしくは6、もしくは7、もしくは10、もしくは14、もしくは21、もしくは28日ごとの反復方式で投与することができる。
本発明による使用のための化合物は、様々な用量で経口投与されてもよい、例えば、1〜1500mg、2〜800mg、または5〜500mg、例えば、2〜200mg、10〜1000mg、特定の例としては10、20、50および80mgが挙げられる。化合物は、毎日1回または1回以上投与されてもよい。化合物は、連続的に投与する(すなわち、治療レジメンの期間の間途切れずに毎日服用する)ことができる。あるいは、化合物は間欠的に投与すること(すなわち治療レジメンの期間を通じて、1週のような規定の期間の間に連続的に服用し、次に1週のような期間の間で中止され、次に1週のような別の期間の間で連続的に服用されるなど)ができる。間欠投与を伴う治療レジメンの例としては、投与が、1週間服用、1週間中止;または2週間服用、1週間中止;または3週間服用、1週間中止;または2週間服用、2週間中止;または4週間服用、2週間中止;または1週間服用、3週間中止のサイクルで、1つまたは複数のサイクル(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上のサイクル)でのレジメンが挙げられる。
1つの特定の投薬スケジュールでは、患者は、毎日1時間最大10日間の期間(特に1週間で5日間まで)で式(I)の化合物を点滴され、治療は2〜4週間のような所望される間隔(特に3週間ごと)で繰り返される。
より詳細には、患者は、毎日1時間5日間の期間で本明細書で定義される式(I)の化合物を点滴され、治療は3週間ごとに繰り返されてもよい。
別の特定の投薬スケジュールでは、患者は30分〜1時間に亘り点滴を受け、次に、色々な時間の(例えば、1〜5時間、例えば、3時間)の維持点滴を受ける。
さらなる特定の投薬スケジュールでは、患者は、12時間〜5日間の継続的な点滴、特に24時間〜72時間の継続的な点滴を受ける。
しかしながら最終的には、投与される化合物の量および使用される組成物のタイプは、その疾患の性質または治療されている生理的な症状に相応し、医師の裁量によることになる。
本明細書で定義される化合物は、単一の治療薬として投与でき、また当該化合物は特定の病態(例えば、上記で定義されるような癌のような新生物疾患)の治療用の1つまたは複数の他の化合物との併用療法において投与できる。式(I)の化合物とともに投与されてもよい(同時にまたは異なる時間間隔であるかどうかにかかわらず)、他の治療用薬剤または治療の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:
トポイソメラーゼI阻害剤;
代謝拮抗剤;
チューブリン標的化薬剤;
DNA結合剤およびトポイソメラーゼII阻害剤;
アルキル化剤;
モノクローナル抗体;
抗ホルモン;
シグナル伝達阻害剤;
プロテアソーム阻害剤;
DNAメチルトランスフェラーゼ;
サイトカインおよびレチノイド;
クロマチン標的化療法;
放射線療法;および
他の治療薬または予防薬;例えば、化学療法と関連する副作用のいくつかを減少または緩和する薬剤。そのような薬剤の特定の例としては、制吐剤、および化学療法関連の好中球減少の期間を防止または減少させる薬剤、および赤血球レベルまたは白血球レベルの減少から生じる合併症を予防する薬剤、例えば、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、および顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)が挙げられる。また、ビスフォスフォネート剤(例えば、ゾレドネート、パミドロネート、イバンドロネート)のような骨吸収を阻害する薬剤、炎症反応を抑制する薬剤(デキサメタゾン、プレドニゾンおよびプレドニゾロンなど)、および天然ホルモンのソマトスタチンの薬理学的特性を模倣する薬理学的特性を備えた長時間作用性のオクタペプチドである酢酸オクトレオチドを含む、脳ホルモンソマトスタチンの合成型のような、先端肥大症患者において成長ホルモンおよびIGF−Iの血中濃度を減少させるために使用される薬剤が挙げられる。さらには、ロイコボリン(葉酸レベルを減少させる薬剤に対する解毒剤として使用される)またはフォリン酸それ自体のような薬剤、および浮腫および血栓塞栓症発作を含む副作用の治療のために使用することができる酢酸メゲストロールのような薬剤が挙げられる。
組合せ中に存在する化合物の各々は、個別に違う用量スケジュールで、および異なる経路を通して与えられてもよい。
式(I)の化合物は、1、2、3、4つまたはそれ以上の他の治療薬(好ましくは1または2つ、より好ましくは1つ)との併用療法で投与される場合は、当該化合物は同時にまたは連続的に投与できる。連続して投与される場合、それらは短い間隔で(例えば、5〜10分の期間にわたって)、またはより長い間隔(例えば、1、2、3、4時間またはそれ以上離れて、または必要とされる場合には、さらにより長い期間離れて)で投与することができるが、正確な投与レジメンは治療用薬剤の特性に対応する。
本発明による使用のための化合物はまた、放射線療法、光力学療法、遺伝子療法のような化学療法でない治療;手術および栄養制限食と併用して投与されてもよい。
他の化学療法剤との併用療法における使用に関して、式(I)の化合物および1、2、3、4つまたはそれ以上の治療薬は、例えば、2、3、4またはそれ以上の治療薬を含む投薬形態で、ともに製剤化することができる。また、個々の治療薬は個別に製剤化され、キットの形式で一緒に提供されてもよく、場合によりそれらの使用説明書が添付される。
当業者は、通常の知識により、用いる投与レジメンおよび組合せ療法が分かるであろう。
診断方法
本明細書で定義される式(I)の化合物の投与前に、患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状が治療に感受性がある病態または症状かどうかを判定するために患者をスクリーニングしてもよい。例えば、患者は、本明細書に記載のように、ROCK活性の機能不全(例えば、上昇したまたはアップレギュレートされたROCK発現、ROCK遺伝子における変異、またはROCK遺伝子調節要素)またはRhoシグナル伝達の機能不全に関してスクリーニングされてもよい。
アップレギュレーションなる用語は、発現上昇または遺伝子増幅(すなわち複数の遺伝子コピー)を含む過剰発現、および転写効果による発現増加、ならびに変異による活性化を含む過活性および活性化を含む。診断なる用語は、スクリーニングを含む。「マーカー」には、例えば、変異を同定するためのDNA組成物の測定を含む遺伝的マーカーが含まれる。マーカーなる用語はまた、酵素活性、酵素量、酵素状態(例えば、リン酸化されたまたはリン酸化されてない)およびmRNAレベルを含む、アップレギュレーションに特有のマーカーを含む。
上記の診断試験およびスクリーニングは、典型的には、腫瘍生検標本、血液サンプル(脱落した腫瘍細胞の単離および濃縮)、便生検、喀痰、染色体分析、胸水、腹水または尿から選択される生体サンプルに対して行なわれる。
変異を保有する個体の識別は、患者が本発明による治療に特に適していることを意味し得る。腫瘍は、治療の前にPKAおよび/またはPKBの変異の存在について優先的にスクリーニングされてもよい。スクリーニング過程は、典型的には、直接配列決定、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ分析または変異体特異的抗体を含むことになる。
変異およびタンパク質のアップレギュレーションの同定法および分析法は、当業者に公知である。スクリーニング法としては、限定されるものではないが、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)またはin situハイブリダイゼーションのような標準方法が挙げられる。
RT−PCRによるスクリーニングでは、腫瘍におけるmRNAのレベルは、そのmRNAのcDNAコピーを作成した後、そのcDNAをPCRにより増幅することにより評価する。PCR増幅の方法、プライマーの選択、および増幅条件は当業者に公知である。核酸の操作およびPCRは、例えば、オースベル(Ausubel,F.M.)ら(編者)、分子生物学における現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、2004年、ジョンワイリー&サンズ、またはイニス(Innis,M.A.)ら(編者)、PCRプロトコル:方法および応用の手引き(PCR Protocols:a guide to methods and applications)、1990年、アカデミックプレス(Academic Press)、サンディエゴ、に記載のような標準的な方法により行う。核酸技術に関する反応および操作はまた、サムブルック(Sambrook)ら、2001年、第3版、分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載されている。あるいは、RT−PCR用の市販キット(例えば、ロシュモルキュラーバイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals)、または米国特許第4,666,828号;第4,683,202号;第4,801,531号;第5,192,659号;第5,272,057号;第5,882,864号および同第6,218,529号に開示されている方法が使用でき、これらは参照によりに本書に援用される。
mRNAの発現を評価するためのin situハイブリダイゼーション技術の例として、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)がある(アンゲラー(Angerer)、1987、メソッズインエンザイモロジー(Meth.Enzymol)、152:649、参照)。
一般に、in situハイブリダイゼーションは以下の主要工程を含む:(1)分析する組織の固定;(2)標的核酸の接近性を高めるため、また、非特異的結合を軽減するためのサンプルのプレハイブリダイゼーション処理;(3)その核酸混合物と生体構造または組織中の核酸とのハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションにおいて結合しなかった核酸断片を除去するためのハイブリダイゼーション後の洗浄;および(5)ハイブリダイズした核酸断片の検出。このような用途に用いるプローブは典型的には、例えば、放射性同位元素または蛍光リポーターで標識される。好ましいプローブは、ストリンジェント条件下で標的核酸との特異的ハイブリダイゼーションを可能とするに十分な長さ、例えば、約50、100、または200ヌクレオチド〜約1000以上のヌクレオチドである。FISHを行うための標準的な方法は、オースベル(Ausubel,F.M.)ら(編者)、分子生物学における現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、2004年、ジョンワイリー&サンズ、およびバートレット(John M.S.Bartlett)による、「in situハイブリダイゼーションにおける蛍光:技術的概観(Fluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview)」『癌の分子診断、方法およびプロトコル』(Molecular Diagnosis of Cancer:Methods and Protocols)』、第2版;ISBN:1−59259−760−2;2004年3月、p.077−088;シリーズ:分子医学における方法(Series:Methods in Molecular Medicine)に記載されている。
あるいは、これらのmRNAから発現されたタンパク質産物を、腫瘍サンプルの免疫組織化学、マイクロタイタープレートを用いる固相イムノアッセイ、ウエスタンブロット、二次元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリーおよび特定のタンパク質を検出するための当技術分野で公知の他の方法により分析することができる。検出方法には、部位特異的抗体の使用が含まれる。当業者ならば、このような公知の技術はすべて本発明の場合に適用可能であることを認識するであろう。
LKB1に関して特に考慮すべきこと
DNAシークエンシングはLKB1変異に関する遺伝子検査の実験室内での診断において実施可能な方法である(例えば、ジャーナルオブメディカルジェネティクス(Am.J.Med.Genet.)36、365〜368、1999年)。この文献は、12人のポイツイエーガー症候群の患者からなるグループのLKB1における生殖系列変異に関するスクリーニングを記載し、このスクリーニングの結果を報告している。そのようなプロトコルは本発明に適用される。
適切なプロトコルのさらなる詳細は、ショーら(Shaw)(2004)キャンサーセル(Cancer Cell)6:91〜99(これはLKB1腫瘍抑制因子がどのようにmTORシグナル伝達の負の調節をするかを記載している)およびヒメネスら(Jimenez)(2003)キャンサーリサーチ(Cancer Res.)63:1382〜1388に見出すことができる。
ROCKキナーゼの増幅および検出
ROCKの検出はmRNAレベルまたはタンパク質レベルのいずれかで行なわれてもよい。
臨床サンプルにおいてRhoおよびROCKのレベルが測定された方法の具体例としては次のものを含む。
米国病理学会誌(American Journal of Pathology)、2002、160:579〜584。この文献は、ヒト乳房組織におけるRhoC発現を特徴づけるためホルマリンで固定された組織に対して行なわれた免疫組織化学的手法を記載している。
クリニカルキャンサーリサーチ(Clinical Cancer Research)第9巻、2632〜2641、2003年7月。この文献は、連続的に107人の日本人膀胱癌患者から得られたペアになった腫瘍および非腫瘍外科試料中のRhoおよびROCKタンパク質発現を定量するためのウエスタンブロットの使用を記載している。
パンクリアス(Pancreas)24(3):251〜257,2002年4月。この文献は、免疫ブロット法と免疫組織化学的手法によりヒト膵臓組織におけるROCK−1の発現を記載している。
ワールドジャーナルオブガストロエンテロロジー(World J.Gastroenterol)、2003年9月、9(9):1950〜1953。この文献は、肝細胞癌(HCC)における逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)によるRhoC遺伝子のmRNA発現レベルの検査を記載している。
前述の出版物に含まれるRhoおよび/またはROCK活性または発現レベルの定量に関する方法の開示は、参照により本書に援用される。
プロテインキナーゼp70S6Kの増幅および検出
p70S6Kの検出はmRNAレベルまたはタンパク質レベルのいずれかで行なわれてもよい。
例示となる方法は、国立癌研究所ジャーナル(J.Naltl.Cancer Inst.)、92:1252〜9ページ、2000年、に記載されている(これは、相補DNAおよび組織マイクロアレイ分析によるリボソーム蛋白質S6キナーゼの活性化の検出は比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)を使用し、cDNAおよび組織マイクロアレイ分析で増幅および過剰発現遺伝子を同定することを記載している)。
過剰発現p70S6Kの検出はインターナショナルジャーナルオブオンコロジー(Int.J.Oncol)、24(4):893〜900ページ、2004年、に記載されている。この論文は、腫瘍感受性と高いp70S6KおよびAKTの発現を比較するために免疫組織化学的手法を使用して、一般的なヒト腫瘍におけるPI3K/PTEN−Akt−mTOR経路の薬理ゲノム学的プロファイリングを記載している。
本発明を、以下の方法および実施例に記載される具体的実施形態を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記の各方法の出発物質は特に断りのない限り市販のものである。
プロトン磁気共鳴(H NMR)スペクトルは特に断らない限り、400.13MHzで、Me−d−OD中、27℃で作動するBruker AV400機器に記録され、次のように報告される:化学シフトδ/ppm(陽子数、多重度:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、br=ブロード)。残存するプロトン性溶媒MeOH(δ=3.31ppm)を内部標準として使用した。
実施例において、調製した化合物を液体クロマトグラフィーおよび質量分光法を下記のシステムと動作条件を用いて特徴づけた。塩素が存在する場合、化合物に対する質量は35Clに関するものである。用いた動作条件を下記に記載する。
プラットフォームシステム
HPLCシステム:Waters2795
質量分析検出器:Micromass Platform LC
PDA検出器:Waters2996 PDA

極性分析条件:
溶離剤A:HO(0.1%ギ酸)
溶離剤B:CHCN(0.1%ギ酸)
勾配:3分で00〜50%溶離剤B
流速:1.5ml/分
カラム:Phenomenex Synergi 4μ Hydro80A、50×4.6mm

MS条件:
キャピラリー電圧:3.5kV
コーン電圧:30V
ソース温度:120℃
走査範囲:165〜700amu
イオン化モード:エレクトロスプレーネガティブ、ポジティブまたはポジティブ&ネガティブ
フラクションリンクスシステム
システム:Waters Fraction Lynx(デュアル分析/分取)
HPLCポンプ:Waters2525
インジェクター−オートサンプラー:Waters2767
質量分析検出器:Waters−Micromass ZQ
PDA検出器:Waters2996PDA

酸性分析条件:
溶離剤A:HO(0.1%ギ酸)
溶離剤B:CHCN(0.1%ギ酸)
勾配:5分で5〜95%溶離剤B
流速:2.0ml/分
カラム:Phenomenex Synergi 4μ Max−RP80A、50×4.6mm

MS条件:
キャピラリー電圧:3.5kV
コーン電圧:25V
ソース温度:120℃
走査範囲:125〜800amu
イオン化モード:エレクトロスプレーポジティブまたはエレクトロスプレーポジティブ&ネガティブ
LCTシステム
HPLCシステム:Waters Alliance2795 Separations Module
質量分析検出器:Waters/Micromass LCT
UV検出器:Waters2487 Dual λ Absorbance Detector

極性分析条件:
溶離剤A:メタノール
溶離剤B:水中0.1%ギ酸
勾配:
時間(分) A B
0 10 90
0.5 10 90
6.5 90 10
10 90 10
10.5 10 90
15 10 90
流速:1.0ml/分
カラム:Supelco DISCOVERY C18 5cm×4.6mm i.d.5μm

MS条件:
キャピラリー電圧:3500V(+ve ESI)、3000v(−ve ESI)
コーン電圧:40V(+ve ESI)、50v(−ve ESI)
ソース温度:100℃
走査範囲:50〜1000amu
イオン化モード:+ve/−veエレクトロスプレーESI(Lockspray(商標))
LCTシステム2
HPLCシステム:Waters Alliance 2795 Separations Module
質量分析検出器:Waters/Micromass LCT
UV検出器:Waters 2487 Dual λ Absorbance Detector

分析条件:
溶離剤A:メタノール
溶離剤B:水中0.1%ギ酸
勾配:
時間(分) A B
0 10 90
0.6 10 90
1.0 20 80
7.5 90 10
9 90 10
9.5 10 90
10 10 90
流速:1ml/分
カラム:Supelco DISCOVERY C18 5cm×4.6mm i.d.5μm

MS条件:
キャピラリー電圧:3500V(+ve ESI)、3000v(−ve ESI)
コーン電圧:40V(+ve ESI)、50v(−ve ESI)
ソース温度:100℃
走査範囲:50〜1000amu
イオン化モード:+ve/−veエレクトロスプレーESI(Lockspray(商標))
下記の実施例において、用いたLCMS条件を識別するため、次のキーが用いられている。
PS−P プラットフォームシステム−極性分析条件
FL−A Fraction Lynx システム−酸性分析条件
LCT1 LCTシステム1−極性分析条件
LCT2 LCTシステム2−極性分析条件
(実施例1)
メチル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン
1A.{1−[9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
4−(N−Boc−アミノ)ピペリジン(363.2mg、1.82mmol)、9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−6−クロロプリン(219.2mg、0.92mmol)、n−ブタノール(9ml)、およびトリエチルアミン(0.68ml、4.55mmol)の混合物を100℃で一晩加熱した。室温まで冷却後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中5%メタノールにより溶出して精製し、白色固形物としてBoc保護化合物を得た(352.7mg、0.88mmol、95%)。LC−MS(LCT)R6.74[M+H]403
1B.メチル{1−[9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
実施例1Aの{1−[9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバミン酸t−ブチルエステル(107.7mg、0.27mmol)を無水ジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、溶液を氷浴で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(13mg、油中60%懸濁物、0.33mmol)を少量ずつ添加した。懸濁液を0℃においてさらに20分間激しく攪拌し、次いでヨウ化メチル(0.020ml、0.32mmol)を滴下した。反応混合液を0℃で30分間攪拌後、これを室温に戻し、さらに一晩攪拌し続けた。水(1.2ml)、次いで酢酸エチル(5ml)を反応混合液に添加した。有機層を分離し、水、0.1M HCl、飽和NaHCO水溶液および塩水で洗浄してから、乾燥および真空濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中5%メタノールにより溶出して精製し、白色固形物として所要の化合物を得た(83mg、0.2mmol、73%)。LC−MS(LCT)R7.07[M+H]417
1C.メチル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン
Figure 0005606734
メチル{1−[9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバミン酸t−ブチルエステル(83mg、0.2mmol)、エタノール(4ml)および1M HCl水溶液(1ml)の溶液を室温で一晩攪拌した。次いで溶媒を真空下で蒸発し、粗生成物をフラッシュNHカラム(2g,15ml)によりメタノールにより溶出して精製し、所要の化合物を得た(18mg、0.08mmol、39%)。LC−MS(LCT)R1.27[M+H]233
(実施例2)
ベンジル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン
Figure 0005606734
実施例1の方法に従い、但しヨウ化メチルの代わりに臭化ベンジルを用いて、標題化合物を得た。LC−MS(LCT)R3.17[M+H]309
(実施例3)
1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン
3A.[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
n−ブタノール(3.2ml)中、6−クロロプリン(0.050g、0.323mmol)およびピペリジン−4−イルカルバミン酸t−ブチルエステル(0.129g、0.646mmol)の混合液にトリエチルアミン(0.225ml、1.617mmol)を添加した。100℃において20時間加熱した後、溶媒を除去し、得られた固形物をDCM/メタノールミックス(3ml/5ml)により粉状化した。濾過により白色固形物として所望の生成物を得た(0.080g、78%)。LC/MS:(LCT)R5.37[M+H]319
3B.1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
2M HCl(2ml)中、実施例4Aのプリン(0.052g,0.163mmol)の溶液を室温で2時間攪拌し、次いで蒸発乾固した。MeOH、次いでMeOH中1M NHで溶出するSCX−II酸性樹脂による固相抽出により、白色固形物として脱保護アミンを得た(0.034g、94%)。LC/MS(LCT):R1.00[M+H]219
H NMR(MeOD)δ1.33−1.58(2H,m)、2.01(2H,d,J=12.5Hz)、2.97−3.15(1H,m)、3.15−3.32(2H,m)、5.38(2H,d,J=13Hz)、8.01(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例4)
6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
4A.[1−(8−オキソ−8,9−ジヒドロ−7H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル〕カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
実施例4Aの方法に従い、6−クロロ−7,9−ジヒドロプリン−8−オンをピペリジン−4−イルカルバミン酸t−ブチルエステルと反応させ、標題化合物を得た。LC/MS:(LCT)R5.68[M+H]335
4B.6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
実施例4Aの生成物を実施例4Bの方法に従い脱保護して、標題化合物を得た。LC/MS(LCT):R1.27[M+H]235
H NMR(MeOD)δ1.39−1.60(2H,m)、1.92−2.07(2H,m)、2.95−3.30(3H,m)、4.30−4.45(2H,m)、8.09(1H,s)
(実施例5)
6−(4−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
5A.6−(4−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
4−ベンジル−1−メチルピペリジン−4−オールを実施例3Aに記載のものと同様の条件で6−クロロ−7,9−ジヒドロプリン−8−オンと反応させて、標題化合物を得た。LC/MS:(LCT)R5.68[M+H]326
実施例3Aの方法またはそれと類似した方法に従い、但し6−クロロプリンの代わりに6−クロロ−7,9−ジヒドロプリン−8−オンを用いて、下記化合物を製造した。
H NMR(DMSO)δ1.38−1.60(4H,m)、2.70(2H,s)、3.22−3.35(2H,m)、3.94(2H,d,J=13Hz)、4.44(1H,br s)、7.18−7.33(5H,m)、8.05(1H,s)
(実施例6)
6−(ピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
LC/MS:(LCT)R1.27[M+H]221
H NMR(d−DMSO)δ2.75(4H,br s)、3.41(4H,br s)、8.02(1H,s)
(実施例7)
(3S)−6−(3−ベンジルオキシメチルピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
LC/MS:(LCT)R3.88[M+H]341
H NMR(MeOD)δ2.59−3.08(5H,m)、3.36−3.50(2H,m)、3.94−4.11(2H,m)、4.46(2H,s)、7.13−7.34(5H,m)、8.02(1H,s)
(実施例8)
6−(4−フェネチルアミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
1,2−ジクロロエタン(2ml)およびMeOH(0.5ml)中、6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン(実施例4B、0.045g、0.20mmol)、フェニルアセトアルデヒド(0.025ml、0.20mmol)、NaBH(OAc)(0.065g、0.30mmol)および酢酸(5滴)の混合液を室温で2時間攪拌した。溶液を5gのSCX−II酸性樹脂カートリッジに吸収させ、MeOH、次いで1M NH−MeOHで溶出した。塩基性溶出液を濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(t.l.c.)により1%NH(水溶液)/9%MeOH/90%CHClにより溶出し、オフホワイトの固形物として生成物を得た(0.007g、10%)。LC/MS:(LCT)R3.62[M+H]339
H NMR(MeOD)δ1.34−1.40(2H,m)、1.92−1.97(2H,m)、2.61−3.00(7H,m)、4.20−4.25(2H,m)、7.11−7.24(5H,m)、8.01(1H,s)
(実施例9)
6−[4−(2−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
実施例8の方法に従い、但しフェニルアセトアルデヒドの代わりに2−クロロベンズアルデヒドを用いて、標題化合物を得た。LC/MS:(LCT)R3.65[M+H]359,361
H NMR(MeOD)δ1.30−1.46(2H,m)、1.95−2.00(2H,m)、2.70−2.79(1H,m)、2.92−3.01(2H,m)、3.88(2H,s)、4.18−4.23(2H,m)、7.14−7.41(4H,m)、8.00(1H,s)
(実施例10)
6−[4−(3−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
実施例8の方法に従い、但しフェニルアセトアルデヒドの代わりに3−クロロベンズアルデヒドを用いて、標題化合物を得た。LC/MS:(LCT)R3.77[M+H]359,361
H NMR(MeOD)δ1.19−1.44(2H,m)、1.81−1.96(2H,m)、2.61−2.76(1H,m)、2.29−3.00(2H,m)、4.74(2H,s)、4.17−4.23(2H,m)、7.15−7.27(3H,m)、7.33(1H,s)、8.00(1H,s)
(実施例11)
1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
11A.[1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル〕カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
エタノール(2ml)中、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(J.Amer.Chem.Soc.、1957、79、6407〜6413)(59mg、0.38mmol)の溶液にトリエチルアミン(100μl、0.72mmol)および4−(N−Boc−アミノ)ピペリジン(134mg、0.67mmol)を加えた。溶液を80℃で3時間加熱し、次いで室温まで冷却した。溶液を蒸発乾固し、残渣を再結晶化(イソプロパノール)により精製して、生成物を得た(32mg、収率26%)。
11B.1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
[1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル〕カルバミン酸t−ブチルエステル(28mg、0.088mmol)にHCl(1ml、ジオキサン中4M溶液、4mmol)を添加した。懸濁液を室温で1時間攪拌し、次いでジエチルエーテル(4ml)により希釈した。エーテル層を除去し、固形物をさらにジエチルエーテル(2ml)で洗浄した。エーテル層を再び除去し、得られた固形物を高真空下で乾燥して、所望生成物を得た(34mg)。この物質をメタノールに溶解し、酸性樹脂SCX−2カートリッジに載せ、メタノール中アンモニアによりカートリッジから溶出して、遊離塩基を取り出した。LC/MS R0.86[M+H]219
(実施例12)
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
12A.6−アミノ−5−(2,2−ジエトキシエチル)−2−メルカプトピリミジン−4−オール
Figure 0005606734
エタノール(200ml)にナトリウム(2.05g、89mmol)を少量ずつ添加した。ナトリウム金属が完全に溶解するまで溶液を攪拌した。次いで2−シアノ−4,4−ジエトキシ酪酸エチルエステル(J.Chem.Soc.、1960、131〜138)(9.292g、40.5mmol)をエタノール(50ml)中の溶液として添加し、次いでチオ尿素(3.08g、40.4mmol)を添加した。溶液を85℃において18時間加熱し、次いで室温まで冷却した。溶液を濃縮し、飽和塩化アンモニウム水溶液(150ml)を添加した。混合液を室温で18時間攪拌し、その後で固形物を濾取し、水(20ml)で洗浄して、生成物を得た(3.376g、36%)。
12B.6−アミノ−5−(2,2−ジエトキシエチル)ピリミジン−4−オール
Figure 0005606734
水(50ml)中6−アミノ−5−(2,2−ジエトキシエチル)−2−メルカプトピリミジン−4−オール(1.19g、4.6mmol)の懸濁液にラネーニッケル(Aldrich Raney2800ニッケル、4.8ml)を添加した。混合液を1時間加熱還流し、次いで熱溶液をセライトにより濾過した。ニッケル残渣をさらに水(100ml)で洗浄し、これらの洗液をセライト(登録商標)により濾過した。水性濾液を蒸発乾固して、標題生成物を得た(0.747g、71%)。
12C.7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オール
Figure 0005606734
この化合物を、J.Chem.Soc.、1960、131〜138に記載のように製造した。
12D.4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
Figure 0005606734
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オール(0.425g、3.14mmol)にオキシ塩化リン(4ml)を添加した。混合液を90分間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。溶液を砕氷上に注ぎ、クロロホルム(3×50ml)および酢酸エチル(100ml)で抽出した。次いで抽出液を乾燥および濃縮し、得られた残渣を熱酢酸エチル(200ml)により粉状化して、標題化合物を得た(0.204g、42%)。
12E.[1−(7H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
エタノール(1ml)中、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(74mg、0.48mmol)の溶液にトリエチルアミン(200μl、1.43mmol)および4−N−Boc−アミノピペリジン(106mg,0.53mmol)を添加した。溶液を80℃で4時間加熱し、次いで室温まで冷却した。沈殿物を濾取し、エタノール(2ml)により洗浄し、次いで真空下で乾燥して、生成物を得た(57mg,36%)。LC/MS(LCT)R4.57[M+H]318
12F.1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
[1−(7H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸t−ブチルエステル(57mg、0.18mmol)にHCl(1ml、ジオキサン中4M溶液、4mmol)を添加した。溶液を室温で1時間攪拌し、次いでジエチルエーテル(4ml)を添加した。エーテル層を除去し、固形物をさらにエーテル(4ml)により粉状化し、乾燥した(生成物の質量27mg)。生成物の一部をメタノールに溶解し、酸性樹脂SCX−2カートリッジに吸収し、遊離塩基をメタノール中1Mアンモニアにより溶出した。LC/MS(LCT)R0.81[M+H]218
(実施例13)
1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
13A.1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−7−オキシド
Figure 0005606734
DME(60ml)中の7−アザインドール(3.04g,25mmol)の溶液に77%m−クロロペルオキシ安息香酸(6.8g,12mmol)を添加した。得られた黄色溶液を室温で1.5時間攪拌したところ、その際に生成物が沈殿した。混合液を濾過し、固形物をジエチルエーテルで洗浄して、7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニウムm−クロロベンゾエート(3.9g、13.3mmol,53%)を得た。水(35ml)中7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニウムm−クロロベンゾエート(3.9g、13.3mmol)の懸濁液を炭酸カリウムの飽和水溶液によりpH11に塩基性化した。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−7−オキシドが沈殿し始めた。混合液を冷蔵庫に一晩入れたところ、さらに沈殿が生じた。固形物を濾過し、ヘキサンおよびジエチルエーテルで洗浄して、白色固形物として所要のオキシドを得た(1.35g、10mmol,40%)。LC/MS(LCT)R2.60[M+H]135
13B.4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
Figure 0005606734
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−7−オキシド(1.35g、10mmol)およびオキシ塩化リン(7.6ml)の混合液を6時間還流した。反応混合液を室温まで冷却後、氷(90ml)を添加し、混合液を炭酸カリウムの飽和水溶液によりpH9に塩基性化した。褐色を帯びた固形物を濾過し、水、ヘキサン、およびジエチルエーテルで洗浄した(547mg、3.6mmol、36%)。LC/MS(LCT)R5.74[M+H]153、155
13C.[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(100mg、0.64mmol)、4−N−(Boc−アミノ)ピペリジン(453mg、2.24mmol)、およびN−メチルピロリジノン(0.2ml)の混合物を160℃で1時間マイクロ波処理した。溶液をメタノールで希釈し、SCX酸性樹脂カートリッジにより最初にメタノール、次いでメタノール中3Mアンモニア溶液で溶出して精製した。粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中8%メタノールで溶出してさらに精製し、所要の化合物を得た(56mg、0.18mmol、28%)。LC/MS(LCT)R4.64[M+H]317
13D.1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
トリフルオロ酢酸(1ml)をジクロロメタン(1ml)中、[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸t−ブチルエステル(19mg、0.06mmol)の溶液に滴下し、攪拌し、氷上で冷却した。2.5時間後、溶媒を真空下で濃縮し、粗生成物を塩基性樹脂NHカートリッジ(2g、15ml)上でメタノールで溶出して精製し、所要の化合物を得た(12.5mg、0.058mmol、96%)。LC/MS(LCT)R0.95[M+H]217
(実施例14)
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
14A.4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
4−クロロフェニルアセトニトリルをDMF中、3当量の水素化ナトリウムおよび1当量のN−t−ブチルオキシカルボニル−ビス(2−クロロエチル)アミンと、まず室温で、次いで60℃で反応させ、後処理後にN−保護ピペリジンニトリル標題化合物を得た。
14B.4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
Figure 0005606734
エタノール(20ml)中、4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.355g,1.107mmol)の溶液に室温でラネーニッケル(Raney Nickel 2800、1ml)を添加し、懸濁液を1気圧の水素下で20時間攪拌した。懸濁液をセライト濾過し、濾液を濃縮して、油状物としてアミンを得た(0.258g、69%)。LC/MS:(LCT)R5.02[M−Bu−NH324
14C.C−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン塩酸塩
Figure 0005606734
メタノール(10ml)中、4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.258g、0.794mmol)の溶液に室温において2M塩酸(10ml)を添加した。18時間後に溶液を濃縮乾固し、白色発泡体としてアミン塩を得た(0.232g、98%)。H NMR(MeOD)δ2.10−2.22(2H,m)、2.60−2.66(2H,m)、2.92−3.02(2H,m)、3.24(2H,s)、3.37−3.46(2H,m)、7.51−7.59(4H,m)
14D.C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
n−ブタノール(2ml)中、C−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン塩酸塩(0.060g、0.202mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.031g、0.202mmol)およびトリエチルアミン(0.14ml、1.008mmol)の溶液を100℃で2日間加熱した。反応混合液を蒸発乾固し、MeOH、次いでMeOH中1M NHで溶出するSCX−II酸性樹脂による固相抽出により精製し、粗アミンを得た。シリカカラムクロマトグラフィー(DCM中15%〜20%メタノール)による精製により、オフホワイトの発泡体固形物を得た(0.018g、26%)。LC/MS(LCT):R3.60[M+H]341
H NMR(MeOD)δ1.87−1.98(2H,m)、2.33−2.43(2H,m)、2.82(2H,s)、3.45−3.55(2H,m)、4.43−4.46(2H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.13(1H,d,J=4Hz)、7.44−7.52(4H,m)、8.13(1H,s)
(実施例15)
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14Cの生成物を、例2の方法と法と同様の方法に従い、6−クロロプリンと反応させて、標題化合物を得た。LC/MS:(LCT)R3.91[M+H]342
H NMR(MeOD)δ1.85−1.95(2H,m)、3.31−2.46(2H,m)、2.83(2H,s)、3.57−3.70(2H,m)、4.85−5.00(2H,m)、7.45−7.57(4H,m)、8.01(1H,s)、8.20(1H,s)
(実施例16)
4−ベンジル−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン
16A.4−ベンジルピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−メチルエステル
Figure 0005606734
THF(40ml)中、イソプロピルアミンの溶液(1.34ml、9.559mmol)に0℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5M溶液3.65ml、9.125mmol)を添加した。得られたLDA溶液をTHF(40ml)およびHMPA(8ml)中、ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−メチルエステル(2.11g、8.690mmol)の溶液に−78℃においてカニューレを通して添加し、攪拌を1時間続けた。次いでTHF(5ml)中臭化ベンジル(1.19ml、9.994mmol)を添加し、溶液を2時間かけて室温まで加温した。18時間攪拌後、飽和水性塩化アンモニウム(200ml)を添加し、水相をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固した。シリカカラムクロマトグラフィー(DCM中0.5%メタノール)による精製により、油状物としてエステルを得た(1.816g、63%)。LC/MS:(LCT)R7.67[M+H]333
16B.4−ベンジルピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノ−t−ブチルエステル
Figure 0005606734
ジオキサン(24ml)、メタノール(12ml)、および水(12ml)中、4−ベンジルピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−メチルエステル(1.772g、5.315mmol)の溶液に室温で水酸化リチウム一水和物(4.460g、106.292mmol)を添加した。50℃で2日間攪拌後、2M HClを用いて溶液をpH6に酸性化し、得られた白色沈殿物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して、白色固形物として酸を得た(1.477g、87%)。LC/MS(LCT):R7.37[M+H]319
16C.4−ベンジル−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
THF(46ml)中、酸(1.467g、4.593mmol)およびトリエチルアミン(1.28ml、9.186mmol)の混合液に−15℃でイソブチルクロロホルメート(0.901ml、6.890mmol)を添加した。1時間後に水(10ml)中アジ化ナトリウム(0.597g、9.186mmol)の溶液を添加し、溶液を室温まで一晩加温した。水(100ml)を添加し、水相をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出した。有機相を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。トルエン(100ml)を添加し、全容量を約90mlに減らした。得られた溶液を90℃まで2時間加温し、次いで冷却し、10%塩酸(70ml)に添加した。二相混合液を90℃まで24時間加温した。有機相を分離し、濃縮乾固して、粗アミン塩(883mg)を得て、これをそれ以上の精製なしで使用した。
n−ブタノール(1.7ml)中、アミン塩の一部(0.044g、0.1680mmol)、6−クロロプリン(0.026g、0.1680mmol)、およびトリエチルアミン(0.117ml、0.8399mmol)を100℃に24時間加熱した。混合液を濃縮乾固し、次いでメタノール(5ml)で洗浄し、得られた固形物をメタノール中2M NHに溶解し、−NHIsoluteカラム(2g)に通した。濾液の濃縮により固形物としてアミンを得た(0.037g、アミン塩から71%)。LC/MS(LCT):R3.89[M+H]308
H NMR(DMSO)δ1.51−1.78(4H,m)、2.88(2H,s)、3.97−4.21(4H,m)、7.25−7.40(5H,m)、8.12(1H,s)、8.20(1H,s)
(実施例17)
4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
17A.4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−メチルエステル
THF(110ml)中、イソプロピルアミン(3.71ml、26.45mmol)の溶液に0℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5M溶液10.1ml、25.25mmol)を添加した。得られたLDA溶液をTHF(110ml)およびHMPA(20ml)中、ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−メチルエステル(5.85g、24.04mmol)の溶液に−78℃でカニューレを通して添加し、攪拌を1時間続けた。THF(20ml)中、4−クロロベンジルクロリド(6.4ml、50.49mmol)を添加し、溶液を2時間かけて室温まで加温した。18時間攪拌後、飽和水性塩化アンモニウム(500ml)を加え、水相をジエチルエーテル(2×200ml)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固した。シリカカラムクロマトグラフィー(DCM中0.5%メタノール)による精製により、油状物としてエステルを得た(3.03g、34%)。LC−MS(LCT1)m/z390[M+Na]、R8.02分
17B.4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノ−t−ブチルエステル
ジオキサン(20ml)、メタノール(10ml)、および水(10ml)中、4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−メチルエステル(1.515g、4.117mmol)の溶液に室温で水酸化リチウム一水和物(3.455g、82.341mmol)を添加した。50℃で2日間攪拌後、溶液を2M HClでpH6に酸性化し、得られた白色沈殿物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して、白色固形物として酸を得た(1.460g、100%)。LC−MS(LCT)m/z376[M+Na]、R7.62分
17C.4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン
THF(41ml)中、酸(1.46g、4.126mmol)およびトリエチルアミン(1.15ml、8.252mmol)の混合液に−15℃でイソブチルクロロホルメート(0.812ml、6.189mmol)を添加した。1時間後に水(10ml)中アジ化ナトリウム(0.536g、8.252mmol)の溶液を添加し、溶液を室温まで一晩加温した。水(100ml)を加え、水相をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出した。有機相を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。トルエン(100ml)を添加し、全容量を約90mlに減らした。得られた溶液を90℃まで2時間加温し、次いで冷却し、10%塩酸(70ml)に添加した。二相混合液を90℃まで24時間加温した。有機相を分離し、濃縮乾固して、粗アミン塩(1.109g)を得た。
粗アミン塩を2M NaOH(20ml)に溶解し、ジ−t−ブチルジカーボネート(1.61g、7.391mmol)を添加した。2日後、水相をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。有機相を合わせ、1M HCl(20ml)、飽和重炭酸ナトリウム(20ml)および塩水(20ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%ジエチルエーテル)による精製で二重Boc保護アミン(0.685g)を得、次いでこれをジオキサン(10ml)およびメタノール(10ml)中4M HClと室温で2日間攪拌することにより脱保護した。濃縮により二塩酸塩として所望のアミンを得た(0.492g、酸から40%)。
H NMR(MeOD)δ7.48−7.44(m,2H)、7.35−7.32(m,2H)、3.53−3.47(4H,m)、3.21(s,2H)、2.18−2.13(4H,m)
17D.4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
n−ブタノール(2.0ml)中、4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン塩酸塩(0.060g、0.2016mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.031g、0.2016mmol)、およびトリエチルアミン(0.140ml、1.0079mmol)の溶液を100℃まで24時間加熱した。濃縮と分取シリカTLCによる精製により白色固形物を得た(0.034g、49%)。LC−MS(LCT)m/z342[M+H]、R3.25分
H NMR(MeOD)δ1.53−1.94(4H,m)、2.81(2H,s)、3.75−3.90(2H,m)、4.21−4.41(2H,m)、6.64(1H,d,J=4Hz)、7.13(1H,J=4Hz)、7.27−7.36(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例18)
4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに6−クロロプリンを用いて、実施例17に記載されたように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT)m/z343[M+H]、R4.02分
H NMR(MeOD)δ1.40−1.74(4H,m)、2.68(2H,s)、3.79−3.89(2H,m)、4.59−4.77(2H,m)、7.10−7.23(4H,m)、7.89(1H,s)、8.08(1H,s)
(実施例19)
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
19A.4−(4−クロロベンジル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
THF(30ml)中、イソプロピルアミン(1.53ml、10.94mmol)の溶液に−78℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5M溶液4.38ml、10.938mmol)を添加した。10分後、THF(12ml)中4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルの溶液を添加した。さらに1時間後、THF(5ml)中4−クロロベンジルクロリド(1.84g、11.4mmol)の溶液を添加し、溶液を15時間かけて室温まで加温した。水(150ml)を添加し、水相をジエチルエーテル(150ml)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、粗固形物を得、これを2バッチでジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶化により精製して、白色固形物として生成物を得た(2.650g、83%)。LC−MS(LCT2)m/z357[M+Na]、235[M−Boc]、R8.02分
19B.C−[4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
メタノール(3ml)中、4−(4−クロロベンジル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.500g、1.493mmol)の溶液にジオキサン(10ml)中4M HClを添加した。19時間攪拌後、溶液を濃縮して、塩酸塩として脱保護アミンを得た(0.405g)。
アミン塩を室温においてTHF中、1M BH・THF(15ml、15mmol)に溶解し、2日間攪拌した。反応をメタノール(10ml)により停止し、濃縮し、メタノール(10ml)、およびジオキサン中4M HCl(20ml)に再溶解し、得られた溶液を6時間還流した。濃縮と、SCX−2Isoluteカラム(5g)で1M NH/MeOHにより溶出する精製により、所望のアミンを得、これを2MHCl水溶液(6ml)およびメタノール(6ml)に溶解して二塩酸塩に変換し、次いで濃縮して、白色固形物として生成物を得た(0.285g、61%)。H NMR(MeOD)−遊離アミン−δ7.31−7.28(m,2H)、7.20−7.17(m,2H)、2.94−2.75(m,4H)、2.70(s,2H)、2.52(s,2H)、1.45−1.41(m,4H)
19C.C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
n−ブタノール(2.0ml)中、C−[4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン塩酸塩(0.063g、0.2016mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.031g、0.2016mmol)、およびトリエチルアミン(0.140ml、1.0079mmol)の溶液を100℃まで24時間加熱した。濃縮および、1M NH/MeOHで溶出するSCX−2Isoluteカラム(2g)、次いでシリカカラムクロマトグラフィー(DCM中15%メタノール)による精製により、白色固形物を得た(0.040g、56%)。LC−MS(LCT2)m/z356[M+H]、R2.97分
H NMR(MeOD)δ1.61(4H,br s)、2.62(2H,s)、2.79(2H,s)、3.90−3.94(2H,m)、4.05−4.08(2H,m)、6.63(1H,d,J=3Hz)、7.12(J=3Hz)、7.22−7.32(4H,m)、8.13(1H,s)
(実施例20)
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに6−クロロ−8−オキソプリンを用いて、実施例14に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT)m/z359[M+H]、R4.09分
H NMR(MeOD)δ1.84−1.98(2H,m)、2.30−2.42(2H,m)、2.82(2H,s)、3.24−3.40(2H,m)、3.94−4.10(2H,m)、7.42−7.49(4H,m)、8.11(1H,s)
(実施例21)
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに4−クロロ−7−アザインドールを用い、溶媒としてNMPおよび155℃でマイクロ波加熱により、実施例14と同様に標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z341[M+H]、R2.85分
H NMR(MeOD)δ1.98−2.13(2H,m)、2.37−2.49(2H,m)、2.84(2H,s)、3.18−3.28(2H,m)、3.76−3.90(2H,m)、6.46(1H,d,J=6Hz)、6.54(1H,d,J=3.5Hz)、7.18(1H,d,J=3.5Hz)、7.42−7.51(4H,m)、7.91(1H,d,J=6Hz)
(実施例22)
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−エチル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
Figure 0005606734
22A.エチル(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)アミン
水素化ナトリウム(55%、0.17g、4.0mmol)を、無水DMF(3ml)中の(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)アミン(0.61g、3.72mmol)およびヨウ化エチル(0.30ml、3.8mmol)の溶液に一度に添加した。懸濁液を18時間攪拌し、次いで飽和水性塩化アンモニウム(5ml)および水(20ml)で希釈した。混合液をジエチルエーテル(30ml)で抽出し、抽出液を乾燥、濾過、および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーにより10%酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、エチル(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)アミンを得た(0.321g、1.67mmol、45%)。LC−MS(LCT2)m/z192、194[M+H]、R6.07分
22B.N−エチル−6−クロロピリミジン−4,5−ジアミン
エタノール(3ml)中、エチル(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)アミン(0.31g、1.61mmol)および濃縮アンモニア水溶液(10ml)の懸濁液を密封管中において100℃まで16時間加熱した。溶液を冷却し、蒸発乾固した。残渣を酢酸エチル(20ml)と希塩水(10ml)とに分離した。有機層を乾燥、濾過、および濃縮して、ロウ状固形物としてN−エチル−6−クロロピリミジン−4,5−ジアミンを得た(0.214g、1.24mmol、77%)。LC−MS(LCT2)m/z173,175[M+H]、R3.97
22C.7−エチル−6−クロロ−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
1,4−ジオキサン(5ml)中、N−エチル−6−クロロピリミジン−4,5−ジアミン(0.21g、1.22mmol)および1,1−カルボニルジイミダゾール(0.40g、2.44mmol)の溶液を脱気し、窒素洗浄し、窒素下で22時間還流した。溶液を冷却し、酢酸エチル(15ml)、1M塩酸(10ml)、および塩水(5ml)とに分離した。有機層を乾燥、濾過、および濃縮して、黄色固形物として7−エチル−6−クロロ−7,9−ジヒドロプリン−8−オンを得た(0.146g,0.735mmol,60%)。LC−MS(LCT2)m/z199、201[M+H]、R4.62分
22D.6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−エチル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン
n−ブタノール(0.5ml)中、7−ベンジル−6−クロロ−7,9−ジヒドロプリン−8−オン(0.015g、0.075mmol)、C−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン二塩酸塩(0.025g、0.085mmol)、およびトリエチルアミン(0.11ml、0.85mmol)の溶液をマイクロ波反応器中150℃で3時間加熱した。冷却した混合液を酢酸エチル(30ml)と水(5ml)とに分離し、有機層を乾燥、濾過、および濃縮した。SCX−II酸性樹脂でメタノール、次いで1Mアンモニア/メタノールで溶出して精製し、クリーム色の固形物として6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−エチル−7,9−ジヒドロプリン−8−オンを得た(0.016g、0.041mmol、56%)。LC−MS(LCT2)m/z387[M+H]、R4.18分
(実施例23)
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに6−クロロプリンを用いて、例19に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z357[〔M+H]、R4.07分
H NMR(MeOD)δ1.57−1.62(4H,m)、2.64(2H,s)、2.82(2H,s)、4.20−4.28(2H,m)、4.39−4.47(2H,m)、7.21−7.33(4H,m)、7.98(1H,s)、8.18(2H,s)
(実施例24)
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル
Figure 0005606734
24A.4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−カルボニトリル
メタノール(5ml)中、4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(1.000g、3.12mmol)の溶液に室温でジオキサン中4M HCl(15ml)を添加した。20時間攪拌後、溶液を濃縮して、塩酸塩として脱保護アミンを得た(0.785g、98%)。LC−MS(LCT2)m/z221[M+H]、R2.84分
24B.4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル
n−ブタノール(2.0ml)中、4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−カルボニトリル塩酸塩(0.055g、0.2155mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.033g、0.2155mmol)、およびトリエチルアミン(0.150ml、1.0775mmol)の溶液を100℃まで2日間加熱した。濃縮とメタノール(3ml)での粉状化とにより、白色固形物を得た(0.058g,80%)。LC−MS(LCT2)m/z338[M+H]、R6.17分
H NMR(DMSO)δ2.03−2.15(2H,m)、2.26−2.31(2H,m)、3.36−3.41(2H,m)、4.91(2H,d,J=14Hz)、6.66−6.68(1H,m)、7.23−7.25(1H,m)、7.50−7.63(4H,m)、8.21(1H,s)
(実施例25)
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
25A.4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノ−t−ブチルエステル
6M HCl(20ml)中、4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.683g、2.129mmol)の溶液を4日間還流した。溶液を冷却し、NaOHにより塩基性化し、ジ−t−ブチルジカーボネート(0.558g、2.555mmol)を添加した。24時間攪拌後、溶液をジエチルエーテル(2×75ml)で抽出した。有機相を合わせ、塩水(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)による精製により、白色発泡体として酸を得た(0.339g、47%)。LC−MS(LCT2)m/z362[〔M+Na]、R8.17分
25B.4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イルアミン
例17Cで記載された方法を用いて標題化合物を製造した。H NMR(MeOD)δ7.74−7.70(m,2H)、7.65−7.61(m,2H)、3.61−3.52(m,2H)、3.07−2.93(m,4H)、2.56−2.44(m,2H)
25C.4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
n−ブタノール(1.0ml)中、4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イルアミン塩酸塩(0.030g、0.1058mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.016g、0.1058mmol)、およびトリエチルアミン(0.074ml、0.5289mmol)の溶液を100℃まで2日間加熱した。濃縮および、1M NH/MeOHで溶出するSCX−2Isoluteカラム(2g)、次いでシリカカラムクロマトグラフィー(DCM中20%メタノール)による精製により、白色固形物を得た(0.026g、74%)。LC−MS(LCT2)m/z328[M+H]、R2.59分
H NMR(MeOD)δ1.90−1.95(2H,m)、2.18−2.34(2H,m)、3.93−4.03(2H,m)、4.20−4.29(2H,m)、6.67(1H,d,J=4Hz)、7.15(1H,d,J=4Hz)、7.16−7.58(4H,m)、8.16(1H,s)
(実施例26)
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14で記載した方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z342[M+H]、R2.55分
H NMR(MeOD)δ1.86−1.91(2H,m)、2.30(2H,d,J=14Hz)、2.78(2H,s)、3.43−3.50(2H,m)、4.29−4.33(2H,m)、6.59−6.60(1H,m)、7.10−7.11(1H,m)、7.27−7.29(1H,m)、7.36−7.41(2H,m)、7.47(1H,s)、8.13(1H,s)
(実施例27)
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z343[M+H]、R3.60分
H NMR(DMSO)δ1.81−1.90(2H,m)、2.12−2.19(2H,m)、2.70(2H,s)、3.33(2H,br s)、3.52(2H,br s)、4.69(2H,br s)、7.29−7.45(4H,m)、8.10(1H,s)、8.19(1H,s)
(実施例28)
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R3.29分
H NMR(DMSO)δ1.83−1.91(2H,m)、2.16−2.25(2H,m)、2.78(2H,s)、3.39−3.47(2H,m)、4.20−4.25(2H,m)、6.58(1H,d,J=3Hz)、7.17(1H,d,J=3Hz)、7.41−7.45(1H,m)、7.57−7.65(2H,m)、8.13(1H,s)
(実施例29)
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15において記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z377[M+H]、R4.37分
H NMR(DMSO)δ1.88−1.97(2H,m)、2.23−2.28(2H,m)、3.00(2H,s)、3.66(2H,br s)、7.73(2H,br s)、7.46−7.50(1H,m)、7.58−7.73(2H,m)、8.09(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例30)
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14において記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z392[M+H]、R3.25分
H NMR(MeOD)δ1.17−1.21(2H,m)、1.61−1.64(2H,m)、2.08(2H,s)、2.73−2.78(2H,m)、3.59−3.63(2H,m)、5.88(1H,d,J=3.5Hz)、6.38(1H,d,J=3.5Hz)、6.59−6.61(2H,m)、6.83−6.84(2H,m)、7.38(1H,s)
(実施例31)
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z393[M+H]、R4.30分
H NMR(MeOD)δ1.88−1.99(2H,m)、2.35−2.41(2H,m)、2.83(2H,s)、3.62−3.71(2H,m)、4.79−4.95(2H,m)、7.34−7.57(2H,m)、7.57−7.66(2H,m)、7.99(1H,s)、8.20(1H,s)
(実施例32)
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R3.07分
H NMR(MeOD)δ 1.93−2.04(2H,m)、2.40−2.46(2H,m)、2.87(2H,s)、3.47−3.58(2H,m)、4.36−4.43(2H,m)、6.65(1H,d,J=3.5Hz)、7.13(1H,d,J=3.5Hz)、7.68−7.77(4H,m)、8.13(1H,s)
(実施例33)
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z377[M+H]、R4.19分
H NMR(MeOD)δ1.92−2.03(2H,m)、2.41−2.46(2H,m)、2.87(2H,s)、3.62−3.71(2H,m)、4.79−4.87(2H,m)、7.69−7.78(4H,m)、8.02(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例34)
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14において記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R2.90分
H NMR(MeOD)δ1.96−2.07(2H,m)、2.40−2.45(2H,m)、2.89(2H,s)、3.49−3.59(2H,m)、4.33−4.42(2H,m)、6.66(1H,d,J=3.5Hz)、7.14(1H,d,J=3.5Hz)、7.61−7.81(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例35)
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z377[M+H]、R3.97分
H NMR(MeOD)δ1.94−2.05(2H,m)、2.39−2.44(2H,m)、2.89(2H,s)、3.65−3.73(2H,m)、4.80−5.10(2H,m)、7.51−7.81(4H,m)、8.02(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例36)
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14において記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z344[M+H]、R2.42分
H NMR(MeOD)δ1.88−1.99(2H,m)、2.32−2.37(2H,m)、2.84(2H,s)、3.45−3.57(2H,m)、4.34−4.41(2H,m)、6.64(1H,d,J=3.5Hz)、7.13(1H,d,J=3.5Hz)、7.31−7.47(3H,m)、8.14(1H,s)
(実施例37)
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z345[M+H]、R3.42分
H NMR(MeOD)δ1.87−1.98(2H,m)、2.31−2.36(2H,m)、2.82(2H,s)、3.64−3.72(2H,m)、4.79−4.95(2H,m)、7.29−7.48(3H,m)、8.02(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例38)
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z338[M+H]、R2.37分
H NMR(MeOD)δ1.82−1.93(2H,m)、2.36−2.42(2H,m)、2.81(2H,s)、3.41−3.51(2H,m)、3.83(3H,s)、4.38−4.45(2H,m)、6.63(1H,d,J=3.5Hz)、7.00−7.03(2H,m)、7.12(1H,d,J=3.5Hz)、7.39−7.42(2H,m)、8.13(1H,s)
(実施例39)
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z339[M+H]、R3.20分
H NMR(MeOD)δ1.81−1.91(2H,m)、2.37−2.42(2H,m)、2.77(2H,s)、3.53−3.63(2H,m)、3.84(3H,s)、4.80−5.10(2H,m)、7.02(2H,d,J=9Hz)、7.41(2H,d,J=9Hz)、8.01(1H,s)、8.20(1H,s)
(実施例40)
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z414[M+H]、R3.87分
H NMR(MeOD)δ1.84−1.89(2H,m)、2.36−2.38(2H,m)、2.78(2H,s)、3.44−3.49(2H,m)、4.37−4.40(2H,m)、5.11(2H,s)、6.62−6.64(1H,m)、7.07−7.13(3H,m)、7.30−7.46(7H,m)、8.12(1H,s)
(実施例41)
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例14および15で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z415[M+H]、R4.85分
H NMR(MeOD)δ 1.81−1.91(2H,m)、2.37−2.42(2H,m)、2.73(2H,s)、3.54−3.63(2H,m)、4.80−5.10(2H,m)、5.13(2H,s)、7.09(2H,d,J=9Hz)、7.32−7.48(7H,m)、8.01(1H,s)、8.20(1H,s)
(実施例42)
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]メチルアミン
Figure 0005606734
42A.ビス(2−クロロエチル)カルバミン酸t−ブチルエステル
ジクロロメタン(42ml)中、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(5g、0.028mol)の懸濁液を氷浴中で10%水酸化ナトリウム水溶液(28ml)と共に急速攪拌し、それにジクロロメタン(28ml)中ジ−t−ブチルジカーボネート(6.11g、0.028mol)を添加した。室温で18.5時間攪拌後、ジクロロメタン(30ml)を反応混合液に添加し、二相を分離した。水相をジクロロメタン(30ml)でさらに抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)、濾過、濃縮して、ビス(2−クロロエチル)カルバミン酸t−ブチルエステルを得た(6.74g、0.028mol、100%)。H NMR(250MHz、CDCl):1.48(9H,s)、3.62−3.68(8H,m)
42B.4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
無水ジメチルホルムアミド(25ml)中、ビス(2−クロロエチル)カルバミン酸t−ブチルエステル(6.74g、28mmol)および4−クロロベンジルシアニド(3.8g、25mmol)の溶液に水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物、2.9g、72.3mmol)を1時間かけて少量ずつ添加した。反応混合液を65℃で1時間加熱し、次いで室温で89時間攪拌した。この後、反応混合液を氷/水(60ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥、濾過、および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/ジクロロメタン/酢酸エチル(8:1:1)で溶出して、白色固形物として4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(5.6g、17.5mmol、70%)。LC−MS(LCT)m/z320[M]、R7.71分
42C.4−(4−クロロフェニル)−4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
無水トルエン(30ml)中、4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(2.0g、6.2mmol)の溶液を窒素下−78℃でDIBAL−H(10ml、10mmol、トルエン中1M溶液)の溶液により処理した。反応液を−78℃で3時間維持し、次いでそれを塩化アンモニウムの飽和溶液(7.3ml)をゆっくりと添加して停止させ、室温まで加温した。反応混合液を水(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層を分離し、乾燥(MgSO)、濾過および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中20%酢酸エチルで溶出して、白色固形物として4−(4−クロロフェニル)−4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(453mg、1.4mmol、22%)。LC−MS(LCT2)m/z346[M+Na]、R8.49分
42D.4−(4−クロロフェニル)−4−メチルアミノメチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
エタノール中、メチルアミン(18ml,エタノール中33%)と4−(4−クロロフェニル)−4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(206mg、0.62mmol)との混合液を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮した。粗物質をメタノール(18ml)に再溶解し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(49mg、1.29mmol)を添加した。室温で40分間攪拌後、混合液を酢酸エチル(100ml)および炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(100ml)とに分離した。二相の分離後、水相を酢酸エチル(100ml)で再抽出した。合わせた有機層を乾燥(NaSO)、濾過、および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中10%メタノールで溶出して、4−(4−クロロフェニル)−4−メチルアミノメチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(142mg、0.42mmol、68%)。GC−MS m/z239[(M−Boc)]、R5.18分.H NMR(250MHz、CDCl):1.43(9H,s)、1.80−1.88(2,m)、2.15−2.24(2,m)、2.31(3H,s)、2.81(2H,s)、2.98−3.09(2H,m)、3.72−3.78(2H,m)、7.32(2H,d,9Hz)、7.38(2H,d,9Hz)
42E.[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イルメチル]メチルアミン二塩酸塩
ジオキサン中塩酸の4M溶液(10ml)をメタノール(10ml)中4−(4−クロロフェニル)−4−メチルアミノメチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(142mg、0.42mmol)の溶液に滴下した。反応液を室温で一晩攪拌した。この後、溶媒を濃縮して、[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イルメチル]メチルアミン二塩酸塩を得た(132mg、0.42mmol、100%)。この化合物をさらなる精製なしでその後の工程で使用した。LC−MS(LCT2)m/z239[M+H]、R0.53分
42F.[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]メチルアミン
n−ブタノール(1ml)中、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(15.5mg,0.1mmol)、[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イルメチル]メチルアミン二塩酸塩(34mg、0.11mmol)、およびトリエチルアミン(150μL、0.7mmol)の溶液をマイクロ波反応器中100℃で60分間加熱した。反応液を冷却後、溶媒を濃縮した。SCX−II酸性樹脂によりメタノール、次に2Mアンモニア/メタノールで溶出して精製し、次にシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中15%メタノールで溶出してさらに精製し、[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]メチルアミン得た(12.3mg、0.034mmol、34%)。LC−MS(LCT2)m/z356[M+H]、R2.64分
H NMR(MeOD)δ1.94−2.05(2H,m),2.28(3H,s),2.36−2.41(2H,m),2.80(2H,s),3.50−3.61(2H,m),4.30−4.39(2H,m),6.65(1H,d,J=4Hz),7.14(1H,d,J=4Hz),7.42−7.52(4H,m),8.13(1H,s)
(実施例43)
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]イソプロピルアミン
Figure 0005606734
実施例42で記載された方法により、但し工程44Dにおいてメチルアミンをイソプロピルアミンに代え、標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z384[M+H]、R2.80分
H NMR(MeOD)δ 0.97(6H,d,J=8Hz)、1.96−2.07(2H,m)、2.35−2.41(2H,m)、2.61(1H,セプテット,J=8Hz)、2.83(2H,s)、3.52−3.62(2H,s)、4.31−4.37(2H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.43(2H,d,J=8Hz)、7.52(2H,d,J=8Hz)、8.13(1H,s)
(実施例44)
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン
Figure 0005606734
44A.[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン
実施例17からの4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン(20mg、0.06mmol)、ギ酸(0.16ml、96%)、およびホルムアルデヒド(4μl、0.05mmol、水中37%)の混合液を100℃で48時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却後、混合液を水酸化ナトリウムの1M水溶液の添加によりpH10に塩基性化し、次いで酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機層を(MgSO)で洗浄、濾過および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中15%メタノールで溶出して、[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン得た(3.8mg、0.01mmol、17%)。LC−MS(LCT2)m/z370[M+H]、R2.62分
H NMR(MeOD)δ1.42−1.53(2H,m)、2.02−2.18(2H,m)、2.43(6H,s)、2.81(2H,s)、3.51−3.61(2H,m)、4.30−4.35(2H,m)、6.60(1H,d,J=4Hz)、7.09(1H,d,J=4Hz)、7.17−7.28(4H,m)、8.06(1H,s)
(実施例45)
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン
Figure 0005606734
実施例19で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z390[M+H]、R3.37分
H NMR(MeOD)δ1.48−1.64(4H,m)、2.63(2H,s)、2.81(2H,s)、3.85−4.16(4H,m)、6.64(1H,d,J=3.5Hz)、7.12−7.21(2H,m)、7.44−7.47(2H,m)、8.13(1H,s)
(実施例46)
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例19および23で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z391[M+H]、R4.42分
H NMR(MeOD)δ1.40−1.53(4H,m)、2.51(2H,s)、2.69(2H,s)、4.00−4.11(2H,m)、4.30−4.40(2H,m)、7.03−7.08(1H,m)、7.30−7.35(2H,m)、7.88(1H,s)、8.08(1H,s)
(実施例47)
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例19で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z406[M+H]、R3.39分
H NMR(MeOD)δ1.61−1.65(4H,m)、2.63(2H,s)、2.86(2H,s)、3.89−4.15(4H,m)、6.64(1H,d,J=4Hz)、7.13(1H,d,J=4Hz)、7.21−7.37(4H,m)、8.13(1H,s)
(実施例48)
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
実施例19および23で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z407[M+H]、R4.42分
H NMR(MeOD)δ1.54−1.63(4H,m)、2.64(2H,s)、2.86(2H,s)、4.18−4.28(2H,m)、4.40−4.50(2H,m)、7.20−7.36(4H,m)、8.01(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例49)
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例17で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT)m/z376[M+H]、R3.30分
H NMR(MeOD)δ1.54−1.61(2H,m)、1.72−1.83(2H,m)、2.79(2H,s)、3.73−3.84(2H,m)、4.28−4.37(2H,m)、6.64(1H,d,J=3.5Hz)、7.13(1H,d,J=3.5Hz)、7.18−7.22(1H,m)、7.46−7.54(2H,m)、8.14(1H,s)
(実施例50)
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例17および18で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT)m/z377[M+H]、R4.19分
H NMR(MeOD)δ1.37−1.46(2H,m)、1.58−1.69(2H,m)、2.67(2H,s)、3.76−3.85(2H,m)、4.65−4.75(2H,m)、7.05−7.09(1H,m)、7.32−7.36(2H,m)、7.88(1H,s)、8.08(1H,s)
(実施例51)
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例17で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT)m/z392[M+H]、R3.34分
H NMR(MeOD)δ1.56−1.61(2H,m)、1.74−1.85(2H,m)、2.85(2H,s)、3.76−3.87(2H,m)、4.26−4.35(2H,m)、6.64(1H,d,J=3.5Hz)、7.13(1H,d,J=3.5Hz)、7.23−7.39(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例52)
1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例17および18で記載された方法を用いて標題化合物を製造した。LC−MS(LCT)m/z393[M+H]、R4.20分
H NMR(MeOD)δ1.55−1.60(2H,m)、1.72−1.92(2H,m)、2.85(2H,s)、3.92−4.02(2H,m)、4.76−4.88(2H,m)、7.23−7.38(4H,m)、8.01(1H,s)、8.21(1H,s)
(実施例53)
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
53A.4−(3−クロロベンジル)−4−(2−メチルプロパン−2−スルフィニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
無水THF(5ml)中、N−BOC−ピペリドン(0.205g、1.03mmol)、t−ブチルスルフィンアミド(0.13g、1.07mmol)、およびチタンテトラエトキシド(0.42ml、2.0mmol)の溶液を窒素下で5時間還流した。冷却した溶液を塩水(10ml)および酢酸エチル(10ml)で希釈した。懸濁液を振とうし、セライト濾過し、酢酸エチル(10ml)で洗浄した。二相濾液を分離し、有機層を乾燥(NaSO)、濾過および濃縮して、粗スルフィンイミン(0.293g)を得た。粗スルフィンイミン(0.293g)を無水THF(2ml)に懸濁し、窒素下室温で攪拌した。3−クロロベンジルマグネシウムブロミド(約4mmol)の溶液(新たに3−クロロベンジルブロミドおよびマグネシウム屑からジエチルエーテル中の溶液として調製)を加えて、オレンジ色の溶液を得た。3時間後、混合液を飽和水性塩化アンモニウム(20ml)で希釈、酢酸エチル(20ml)で抽出した。抽出液を水(20ml)、塩水(10ml)で洗浄、乾燥(NaSO)、濾過、および濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーにより50%酢酸エチル−ヘキサンで溶出し、麦わら色の発泡体として4−(3−クロロベンジル)−4−(2−メチルプロパン−2−スルフィニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(0.139g、0.324mmol、31%)。LC−MS(LCT)m/z451,453[M+Na]、R8.22分
53B.1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン
無水メタノール(2ml)中、4−(3−クロロベンジル)−4−(2−メチルプロパン−2−スルフィニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.134g、0.312mmol)およびジオキサン中4M HCl(2ml、8mmol)の溶液を室温で5時間攪拌した。混合液を濃縮し、次いで酸性樹脂カートリッジ(SCX−II,5g)に供し、メタノールおよび2Mアンモニア−メタノールで溶出した。アミン含有フラクションを塩基性樹脂カートリッジ(NH、2g)に供し、メタノールで溶出してさらに精製し、黄色油状物として粗アミンを得た(0.063g)。無水1−ブタノール(1ml)中粗アミン(0.063g)、トリエチルアミン(0.3ml、2mmol)、および4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.039g、0.25mmol)の溶液を窒素下で16時間還流した。溶液を濃縮し、酸性樹脂カラム(SCX,2g)に供し、次いでメタノールおよび1Mアンモニア−メタノールで溶出した。塩基性画分を合わせ、濃縮した。フラッシュシリカカラムクロマトグラフィーにより10%メタノール−ジクロロメタンで溶出し、黄色油状物として生成物を得た。ジエチルエーテルでの粉状化および洗浄によりクリーム色の固形物を得た(0.031g、0.0907mmol、29%)。LC−MS(LCT)m/z344,342[M+H]、R2.90分
H NMR(MeOD)δ1.45(2H,d,J=13Hz)、1.63−1.68(2H,m)、2.69(2H,s)、3.65−3.69(2H,m)、4.19(2H,d,J=14Hz)、6.52(1H,d,J=4Hz)、7.01(1H,d,J=4Hz)、7.08(1H,d,J=7Hz)、7.15−7.21(3H,m)、8.01(1H,s)
(実施例54)
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに4−フルオロ−1−トリイソプロピルシラニル−1H−ピロロ「2,3−b」ピリジン(Org.Lett.、2003、5、5023〜5026)を用い、溶媒としてNMPおよび160℃でのマイクロ波加熱により、実施例14および17と同様に標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z341,343[M+H]、R2.39分
H NMR(CDCl)δ 0.98−1.47(2H,m)、1.76−1.80(2H,m)、2.65(2H,s)、3.43−3.48(2H,m)、3.78−3.81(2H,m)、6.37(1H,d,J=6Hz)、6.46(1H,d,J=4Hz)、7.05−7.07(3H,m)、7.23−7.25(2H,m)、7.86(1H,d,J=6Hz)
(実施例55)
4−(2−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z342[M+H]、R2.86分
H NMR(MeOD)δ1.61−1.63(2H,m)、1.82−1.87(2H,m)、3.01(2H,s)、3.68−3.73(2H,m)、4.37−4.40(2H,m)、6.60−6.62(1H,m)、7.11−7.12(1H,m)、7.23−7.29(2H,m)、7.37−7.43(2H,m)、8.11(1H,s)
(実施例56)
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z364[M+H]、R4.24分
H NMR(MeOD)δ1.32(9H,s)、1.55−1.58(2H,m)、1.75−1.81(2H,m)、2.78(2H,s)、3.79−3.85(2H,m)、4.24−4.29(2H,m)、6.63(1H,d,J=4Hz)、7.13(1H,d,J=4Hz)、7.37(2H,d,J=8Hz)、7.37(2H,d,J=8Hz)、8.12(1H,s)
(実施例57)
4−(3−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z338[M+H]、R2.61分
H NMR(MeOD)δ1.53−1.55(2H,m)、1.72−1.77(2H,m)、2.73(2H,s)、3.75−3.79(2H,m)、3.78(3H,s)、4.23−4.26(2H,m)、6.58−6.59(1H,m)、6.80−6.82(3H,m)、7.09−7.10(1H,m)、7.20−7.21(1H,m)、8.12(1H,s)
(実施例58)
4−(3−トリフルオロメトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z392[M+H]、R3.47分
H NMR(MeOD)δ1.40−1.43(2H,m)、1.59−1.65(2H,m)、2.68(2H,s)、3.60−3.64(2H,m)、4.16−4.18(2H,m)、6.47(1H,d,J=3.5Hz)、6.98(1H,d,J=3.5Hz)、7.03−7.12(2H,m)、7.26−7.29(1H,m)、8.01(1H,s)
(実施例59)
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R3.53分
H NMR(MeOD)δ1.59−1.62(2H,m)、1.79−1.84(2H,m)、2.98(2H,s)、3.67−3.72(2H,m)、4.38−4.41(2H,m)、6.62−6.63(1H,m)、7.11−7.13(1H,m)、7.30−7.48(3H,m)、8.11(1H,s)
(実施例60)
4−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z360[M+H]、R2.98分
H NMR(MeOD)δ1.56−1.59(2H,m)、1.76−1.81(2H,m)、2.92(2H,s)、3.64−3.68(2H,m)、4.36−4.38(2H,m)、6.58−6.59(1H,m)、7.01−7.05(1H,m)、7.09−7.10(1H,m)、7.19−7.21(1H,m)、7.35−7.38(1H,m)、8.11(1H,s)
(実施例61)
4−(2,6−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R3.11分
H NMR(MeOD)δ1.70−1.73(2H,m)、1.86−1.90(2H,m)、3.24(2H,s)、3.59−3.64(2H,m)、4.41−4.44(2H,m)、6.58−6.59(1H,m)、7.08−7.09(1H,m)、7.17−7.20(1H,m)、7.38−7.40(2H,m)、8.09(1H,s)
(実施例62)
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
62A.4−(4−クロロベンジル)−4−(2−メチルプロパン−2−スルフィニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z451[M+Na]、R8.39分
62B.4−(4−クロロベンジル)−4−[メチル(2−メチルプロパン−2−スルフィニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
DMF(4.8ml)中、4−(4−クロロベンジル)−4−(2−メチルプロパン−2−スルフィニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(205mg、0.478mmol)の溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物25mg、0.621mmol)を添加した。15分間後、ヨウ化メチル(33μl、0.526mmol)を添加し、溶液を室温まで加温した。12時間後、水素化ナトリウム(120mg、鉱油中60%分散物、3.00mmol)およびヨウ化メチル(165μl、2.65mmol)を添加した。30分間後、水(20ml)を添加し、溶液を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。有機抽出液を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより66%酢酸エチル−ヘキサンで溶出して精製し、油状物として標題生成物を得た(163mg、77%)。LC−MS(LCT2)m/z465[M+Na]、R8.41分
62C.[4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
62Bの生成物をHClで処理し、例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z239[M+H]、R0.59分
62D.[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
実施例53において記載されたように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z356[M+H]、R2.72分
H NMR(MeOD)δ1.62−1.65(4H,m)、2.44(3H,s)、2.82(2H,s)、3.74−3.78(2H,m)、4.21−4.34(2H,m)、6.61−6.62(1H,m)、7.10−7.12(1H,m)、7.17−7.19(2H,m)、7.30−7.32(2H,m)、8.12(1H,s)
(実施例63)
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(2−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z392[M+H]、R3.31分
H NMR(MeOD)δ1.57−1.59(2H,m)、1.74−1.78(2H,m)、2.90(2H,s)、3.73−3.78(2H,m)、4.30−4.34(2H,m)、6.59−6.61(1H,m)、7.11−7.13(1H,m)、7.33−7.44(4H,m)、8.12(1H,s)
(実施例64)
4−(2,5−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R3.34分
H NMR(MeOD)δ1.59−1.61(2H,m)、1.79−1.84(2H,m)、3.04(2H,s)、3.64−3.69(2H,m)、4.38−4.41(2H,m)、6.59−6.60(1H,m)、7.10−7.12(1H,m)、7.21−7.25(1H,m)、7.30−7.32(1H,m)、7.41−7.43(1H,m)、8.12(1H,s)
(実施例65)
4−(2,3−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例53に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z376[M+H]、R3.16分
H NMR(MeOD)δ1.58−1.61(2H,m)、1.79−1.84(2H,m)、2.95(2H,s)、3.64−3.69(2H,m)、4.38−4.41(2H,m)、6.59−6.60(1H,m)、7.10−7.11(1H,m)、7.21−7.25(1H,m)、7.36−7.43(2H,m)、8.11(1H,s)
(実施例66)
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例54と同様に標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z363[M+H]、R3.19分
H NMR(MeOD)δ1.33(9H,s)、1.60−1.65(2H,m)、1.85−1.92(2H,m)、2.81(2H,s)、3.48−3.52(2H,m)、3.70−3.78(2H,s)、6.52−6.52(2H,m)、7.17−7.21(3H,m)、7.38−7.40(2H,m)、7.90−7.91(1H,m)
(実施例67)
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例54と同様に標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z375,377,379[M+H]、R2.80分
H NMR(MeOD)δ1.52−1.55(2H,m)、1.81−1.86(2H,m)、2.90(2H,s)、3.31−3.35(2H,m)、3.68−3.70(2H,m)、6.38−6.39(2H,m)、7.06(1H,d,J=4)、7.21(1H,dd,J=8,2Hz)、7.29(1H,d,J=8Hz)、7.38(1H,d,J=2)、7.80(1H,d,J=6Hz)
(実施例68)
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン
Figure 0005606734
68A.4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
TFA(20ml)中、4−クロロ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(ジャーナルオブヘテロサイクリックケミストリ(J.Heterocycl.Chem.)、1972、235およびバイオオーガニック&メディシナルケミストリーレターズ(Bioorg.Med.Chem.Lett.)、2003、2405で記載されたように製造)(3.48g、10mmol)の溶液に濃HSO(1.5ml)およびアニソール(3ml)を室温で添加した。得られた溶液をこの温度において3時間攪拌し、次いで氷冷NaHCO水溶液を添加してゆっくりと塩基性化した。水溶液を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣を濾過し、n−ヘキサンで洗浄して、黄色固形物を得た(1.04g、46%)。LC−MS(LCT2)m/z226[M+H]、R6.22分
68B.4−[4−(4−クロロフェニル)−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメチル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
n−ブタノール(2ml)中、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(34mg、0.15mmol)、2−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イルメチル]イソインドール−1,3−ジオン(実施例14の工程CのC−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン塩酸塩を120℃で酢酸中の無水フタル酸で処理することにより製造)(54mg、0.15mmol)およびトリエチルアミン(0.1ml)の混合液を、同時に空冷しながら、マイクロ波反応器(300W)中120℃で1時間照射した。得られた固形物を粉砕し、メタノールで洗浄し、濾過および乾燥して、クリーム色の固形物を得た(49mg、60%)。LC−MS(LCT2)m/z544[M+H]、R7.83分
68C.4−[4−(4−クロロフェニル)−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメチル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸
4−[4−(4−クロロフェニル)−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメチル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(49mg、0.09mmol)を2M NaOH(1ml)および1,4−ジオキサン(1ml)の混合液中80℃で一晩加水分解した。溶液に濃HClを滴下して酸性化した。溶媒を蒸発させ、得られた固形物を濾過し、水で洗浄し、次いで乾燥した。白色固形物(45mg)が得られ、これをさらなる精製なしで次の工程で使用した。
68D.C−〔4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン
粗4−[4−(4−クロロフェニル)−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメチル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(12.8mg、0.025mmol)および水(1ml)の混合液をマイクロ波反応器(250W)中180℃で2時間照射した。得られた懸濁液を濾過し、濾液を濃縮した。分取TLCにおいて生成物を得た(4mg、47%)。LC−MS(LCT2)m/z342[M+H]、R2.19分
H NMR(MeOD)δ2.00(2H,m)、2.42(2H,m)、2.85(2H,s)、3.40(2H,m)、4.00(2H,m)、6.45(1H,d,J=5.8Hz)、7.50(4H,m)、8.06(1H,d,J=5.8Hz)、8.2(1H,s)
(実施例69)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド
Figure 0005606734
69A.4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−クロロベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
無水DMF(1ml)を窒素下で4−t−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノt−ブチルエステル(151mg、0.44mmol)およびHATU(220mg、0.58mmol)の混合液に添加した。N−エチルジイソプロピルアミン(0.38ml、2.1mmol)をその溶液に加え、反応混合液を15分間攪拌した。4−クロロベンジルアミン(70μL、0.57mmol)を添加し、溶液を窒素下で室温で23時間攪拌した。反応混合液をジクロロメタン(10ml)と水(10ml)とに分離した。水相をジクロロメタン(20ml)でさらに抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)、濾過および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中4%メタノールで溶出して、4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−クロロベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(177mg、0.38mmol,86%)。LC−MS(LCT2)m/z490[M+H]、R8.09分
69B.4−アミノピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド二塩酸塩
ジオキサン中HClの4M溶液(7.7ml、31mmol)をメタノール(7.7ml)中4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−クロロベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(96mg、0.20mmol)の溶液に滴下し、室温で17時間攪拌した。溶媒を濃縮して4−アミノピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド二塩酸塩(71mg、0.20mmol,100%)を得、これをさらなる精製なしで次の工程で使用した。
H NMR(500MHz、CDOD):2.18(2H,m)、2.64(2H,m)、3.44(4H,m)、4.47(2H,s)、7.36(4H,m)
69C.4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド
4−アミノピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド二塩酸塩(48mg、0.13mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(21mg、0.12mmol)、トリエチルアミン(126μL、0.9mmol)、およびn−ブタノール(1.2ml)の脱気混合液を100℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発により除去し、粗混合物をまず、メタノールその後2Mアンモニア/メタノールで溶出するSCX−II酸性樹脂上で、次にジクロロメタン中10%メタノールで溶出する分取TLCにより精製して、4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド(37mg、0.096mmol、80%)。LC−MS(LCT2)m/z385[M+H]、R2.84分
H NMR(MeOD)δ1.60−1.62(2H,m)、2.19−2.25(2H,m)、3.65−3.71(2H,m)、4.38(2H,s)、4.47−4.50(2H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.27−7.33(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例70)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z385[M+H]、R2.94分
H NMR(MeOD)δ1.60−1.63(2H,m)、2.20−2.25(2H,m)、3.65−3.71(2H,m)、4.39(2H,s)、4.48−4.51(2H,m)、6.65(1H,d,J=4)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.22−7.32(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例71)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメチルベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z419[M+H]、R3.26分
H NMR(MeOD)δ1.62−1.64(2H,m)、2.20−2.26(2H,m)、3.65−3.71(2H,m)、4.48−4.51(4H,m)、6.65(1H,d,J=4)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.49(2H,d,J=8Hz)、7.63(2H,d,J=8Hz)、8.14(1H,s)
(実施例72)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−フルオロベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z369[M+H]、R2.43分
H NMR(MeOD)δ1.59−1.62(2H,m)、2.19−2.25(2H,m)、3.65−3.70(2H,m)、4.38(2H,s)、4.47−4.50(2H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.05(2H,dd,J=8.5Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.30−7.33(2H,m)、8.14(1H,s)
(実施例73)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2−クロロベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z385[M+H]、R2.77分
H NMR(MeOD)δ1.61−1.64(2H,m)、2.21−2.26(2H,m)、3.66−3.71(2H,m)、4.49−4.50(4H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.27−7.41(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例74)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメトキシベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z435[M+H]、R3.55分
H NMR(MeOD)δ1.61−1.63(2H,m)、2.20−2.25(2H,m)、3.66−3.71(2H,m)、4.42(2H,s)、4.48−4.51(2H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.24(2H,d,J=7Hz)、7.40(2H,d,J=7Hz)、8.14(1H,s)
(実施例75)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−クロロベンジル)メチルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z399[M+H]、R3.13分
H NMR(MeOD)δ1.76−1.78(2H,m)、2.33−2.37(2H,m)、3.18(3H,br s)、4.02−4.11(4H,m)、4.95(2H,s)、6.62−6.64(1H,m)、7.10−7.13(1H,m)、7.22−7.26(2H,m)、7.32−7.36(2H,m)、8.13(1H,s)
(実施例76)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−t−ブチルベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z407[M+H]、R4.28分
H NMR(MeOD)δ1.31(9H,s)、1.56−1.63(2H,m)、2.18−2.25(2H,m)、3.60−3.70(2H,m)、4.37(2H,s)、4.40−4.50(2H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.24(2H,d,J=8Hz)、7.36(2H,d,J=8Hz)、8.14(1H,s)
(実施例77)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2,4−ジクロロベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z419[M+H]、R3.69分
H NMR(MeOD)δ1.62−1.64(2H,m)、2.17−2.25(2H,m)、3.65−3.71(2H,m)、4.47−4.51(4H,m)、6.65(1H,d,J=4Hz)、7.14(1H,d,J=4Hz)、7.31−7.33(2H,m)、7.47−7.47(1H,d,J=1.5Hz)、8.14(1H,s)
(実施例78)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3,4−ジクロロベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z419[M+H]、R3.65分
H NMR(MeOD)δ1.60−1.62(2H,m)、2.18−2.24(2H,m)、3.65−3.70(2H,m)、4.37(2H,s)、4.48−4.50(2H,m)、6.64(1H,d,J=4Hz)、7.13(1H,d,J=4Hz)、7.22−7.24(1H,m)、7.46−7.48(2H,m)、8.14(1H,s)
(実施例79)
4−(4−クロロベンジルオキシメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
79A.4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
テトラヒドロフラン中、水素化アルミニウムリチウムの1M溶液(1.66ml、1.66mmol)を無水テトラヒドロフラン(5ml)中4−t−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノt−ブチルエステル(400mg、1.1mmol)の冷却(0℃)溶液に滴下した。溶液を窒素下で室温で3時間攪拌した。水(172μL)および10%水酸化ナトリウム水溶液(232μL)を添加し、混合液を2時間攪拌した。さらに水(172μL)を添加し、混合液をセライトパッドで濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。粗生成物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中10%メタノールで溶出して精製し、4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(178mg、0.54mmol、49%)。LC−MS(LCT2)m/z353[M+Na]、R6.67分
79B.4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−クロロベンジルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
水素化ナトリウム(油中60%懸濁物、4.9mg、0.11mmol)を無水DMF(0.2ml)中4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(19mg、0.057mmol)の冷却(0℃)溶液に少量ずつ添加した。懸濁液を0℃で15分間激しく攪拌し、次いで4−クロロベンジルブロミド(14mg、0.066mmol)を添加した。0℃で45分間攪拌後、反応混合液を室温まで加温した。TLCが出発物質の完全消費を示したとき、反応混合液を酢酸エチル(5ml)と水(2ml)とに分離した。水相をさらに酢酸エチル(5ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)、濾過および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中1%メタノールで溶出して、4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−クロロベンジルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(6mg、0.013mmol、22%)。LC−MS(LCT2)m/z477[M+Na]、R8.74分
79C.4−(4−クロロベンジルオキシメチル)ピペリジン−4−イルアミン二塩酸塩
ジオキサン中HClの4M溶液(0.68ml、2.7mmol)をメタノール(1ml)中4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−クロロベンジルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(12mg、0.028mmol)の溶液に滴下した。溶液を室温で17時間攪拌した。溶媒を蒸発により除去し、4−(4−クロロベンジルオキシメチル)ピペリジン−4−イルアミン二塩酸塩(9.2mg、0.028mmol、100%)を得、これをさらなる精製なしで次の工程で使用した。
H NMR(500MHz,CDOD):2.12−2.24(4H,m)、3.22−3.32(2H,m)、3.42−3.45(2H,m)、3.75(2H,s)、4.66(2H,s)、7.38−7.43(4H,m)
79D.4−(4−クロロベンジルオキシメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
4−(4−クロロベンジルオキシメチル)ピペリジン−4−イルアミン二塩酸塩(9.2mg、0.028mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5.9mg、0.035mmol)、トリエチルアミン(36μL、0.2mmol)およびn−ブタノール(0.35ml)の脱気混合液を100℃で17時間攪拌した。溶媒を蒸発により除去した。粗混合物を、メタノール次に2Mアンモニア/メタノールで溶出するSCX−II酸性樹脂、そしてジクロロメタン中10%メタノールで溶出する分取TLCにより精製して、4−(4−クロロベンジルオキシメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミンを得た(8.2mg、0.022mmol,78%)。LC−MS(LCT2)m/z372[M+H]、R3.19分
H NMR(MeOD)δ1.66−1.70(2H,m)、1.86−1.88(2H,m)、3.47(2H,s)、3.95−3.98(2H,m)、4.03−4.06(2H,m)、4.57(2H,s)、6.62(1H,d,J=4Hz)、7.13(1H,d,J=4Hz)、7.34−7.37(4H,m)、8.14(1H,s)
(実施例80)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2,4−ジフルオロベンジルアミド
Figure 0005606734
実施例69に記載のように標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z387[M+H]、R2.46分
H NMR(MeOD)δ1.59−1.61(2H,m)、2.18−2.24(2H,m)、3.66−3.71(2H,m)、4.43(2H,s)、4.46−4.49(2H,m)、6.63(1H,d,J=4Hz)、6.92−6.96(2H,m)、7.13(1H,d,J=4Hz)、7.84−7.87(1H,m)、8.14(1H,s)
(実施例81)
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)メタノン
Figure 0005606734
実施例69に記載の方法にしたがって標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z377[M+H]、R2.73分
H NMR(CDOD)δ1.70−1.80(2H,m),2.25−2.35(2H,m),2.80−2.95(2H,m),4.04−4.08(6H,m),4.90−5.00(2H,m),6.63(1H,s),7.05−7.16(5H,m),8.14(1H,s)
(実施例82)
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(2−フェニルピロリジン−1−イル)メタノン
Figure 0005606734
実施例69に記載の方法にしたがって標題化合物を製造した。LC−MS(LCT2)m/z391[M+H]、R2.68分
H NMR(CDOD)δ1.50−2.31(8H,m),3.65−4.04(5H,m),4.20−4.40(1H,m),5.10−5.20(1H,m),6.63(1H,s),7.12−7.29(6H,m),8.11(1H,s)
(実施例83)
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
83A.4−[4−アミノ−4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
n−ブタノール(1.5ml)中、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(実施例例68A)(50mg、0.22mmol)、4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン塩酸塩(65mg、0.22mmol)およびトリエチルアミン(150μ)の混合液をマイクロ波反応器(200W)中100℃で1時間照射した。冷却後、溶媒を蒸発させた。得られた固形物を酢酸エチルに溶解し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、塩水で洗浄し、次いで乾燥した(NaSO)。有機溶液の蒸発により、オフホワイト色の固形物として4−[4−アミノ−4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルを得た(80mg、87%)。LC−MS(LCT2)m/z415[M+H]、R3.99分
H NMR(d−DMSO)δ1.30(3H,t,J=7Hz),1.36(2H,m),1.68(2H,m),2.68(2H,s),3.50(2H,m),3.60(2H,m),4.25(2H,q,J=7Hz),7.25(2H,d,J=8.3Hz),7.35(2H,d,J=8.3Hz),8.20(1H,s),8.40(1H,s),13.50(1H,s)
83B.4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
4−[4−アミノ−4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(55mg、0.13mmol)を2M水酸化カリウム(1.5ml)に懸濁し、マイクロ波反応器(250W)中120℃で2時間照射した。冷却後、水(2ml)を添加し、形成した固形物を濾取した。濾液を酢酸エチル(2×4ml)で抽出し、乾燥した(NaSO)。抽出液を蒸発し、得られた黄色固形物を先の物質と合わせ、アセトン(10ml)およびn−ヘキサン(2ml)に溶解した。沈殿が生じるまで溶媒を濃縮した。固形物を濾取し、n−ヘキサンで洗浄して、淡黄色粉末として4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミンを得た(26mg、57%)。LC−MS(LCT2)m/z342[M+H]、R2.07分
H NMR(d−DMSO)δ1.38(2H,m),1.62(2H,m),2.65(2H,s),3.50(2H,m),3.85(2H,m),6.35(1H,d,J=5Hz),7.27(2H,d,J=8Hz),7.34(2H,d,J=8Hz),8.02(1H,d,J=5Hz),8.15(1H,s),13.13(1H,s)
(実施例84)
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
84A.4−[4−アミノ−4−(4−t−ブチルベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
n−ブタノール(1.5ml)中、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(実施例68A)(50mg、0.22mmol)、4−(4−t−ブチルベンジル)ピペリジン−4−イルアミン塩酸塩(70.8mg、0.22mmol)およびトリエチルアミン(150μL)の混合液をマイクロ波反応器(200W)中100℃で1時間照射した。冷却後、溶媒を蒸発し、残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc−MeOH4:1)で精製して、オフホワイト色の固形物を得た(63mg、65%)。LC−MS(LCT2)m/z436[M+H]、R5.01分
H NMR(d−DMSO)δ1.38(9H,s),1.38(3H,t,J=7Hz),1.85(4H,m),3.0(2H,s),3.62(2H,m),3.70(2H,m),4.25(2H,q,J=7Hz),7.15(2H,d,J=8.2Hz),7.30(2H,d,J=8.2Hz),8.20(1H,s),8.40(1H,s),13.45(1H,s)
84B.4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
4−[4−アミノ−4−(4−t−ブチルベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(23mg、0.053mmol)を2M水酸化カリウム(1ml)に懸濁し、マイクロ波反応器(250W)中120℃で2時間照射した。冷却後、水(2ml)を添加し、水層を酢酸エチル(2×4ml)で抽出した。有機層を乾燥(NaSO)し、濃縮して、黄色固形物を得た(9mg、47%)。LC−MS(LCT2)m/z364[M+H]、R2.80分
H NMR(CDOD)δ1.32(9H,s),1.63(2H,m),1.86(2H,m),2.80(2H,s),3.70(2H,m),3.95(2H,m),6.46(1H,d,J=5.8Hz),7.20(2H,J=8Hz),7.40(2H,J=8Hz),8.08(1H,d,J=5.8Hz),8.20(1H,s)
(実施例85)
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
実施例54に記載のように標題化合物を調製した。LC−MS(LCT2)m/z363[M+H]、R3.19分
H NMR(CDOD)δ1.33(9H,s),1.60−1.65(2H,m),1.85−1.90(2H,m),2.81(2H,s),3.48−3.52(2H,m),3.72−3.78(2H,m),6.50−6.52(2H,m),7.17−7.21(3H,m),7.39(2H,d,J=8Hz),7.92(1H,d,J=5Hz)
(実施例86)
N−[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−b]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]−4−クロロベンズアミド
Figure 0005606734
86A.4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−カルバモイルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(150mg、1.1mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(214mg、1.1mmol)をDMF(9ml)中、4−t−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノt−ブチルエステル(149mg、0.44mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合液を80分間攪拌し、水酸化アンモニウム(1.2ml、アンモニア水溶液)を添加した。室温でさらに20時間攪拌後、塩水(18ml)および水(3ml)を反応混合液に添加した。水相を酢酸エチル(2×12ml)で抽出し、合わせた有機相を乾燥(MgSO)、濾過および濃縮して、4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−カルバモイルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(147mg、0.43mmol、97%)。LC−MS(LCT2)m/z366[M+Na]、R6.63分
86B.4−アミノメチル−4−t−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
THF中ボラン錯体の1M溶液(2.25ml、2.25mmol)をTHF(4.3ml)中4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−カルバモイルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(107mg、0.3mmol)の冷却溶液(0℃)に添加した。0℃で5分間攪拌後、反応混合液を室温まで加温した。反応混合液をさらに60℃まで加温し、一晩攪拌した。反応混合液を室温まで冷却し、メタノール(5.1ml)を添加した。30分間攪拌後、溶媒を蒸発により除去した。反応混合液を塩化アンモニウムの飽和水溶液(10ml)とジクロロメタン(10ml)とに分離した。水相をジクロロメタン(20ml)によりさらに抽出後、合わせた有機相を乾燥(MgSO)、濾過、および濃縮した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中5%メタノールで溶出して、4−アミノメチル−4−t−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(5.5mg、0.017mmol、6%)。LC−MS(LCT2)m/z352[M+Na]、R7.16分
86C.4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−[(4−クロロベンゾイルアミノ)メチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
無水ジクロロメタン(4ml)中、4−アミノメチル−4−t−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(12.2mg、0.037mmol)およびトリエチルアミン(16μL、0.12mmol)の溶液に4−クロロベンゾイルクロリド(5μL、0.037mmol)を添加した。室温で18時間攪拌後、反応混合液をジクロロメタン(2mL)と10%水酸化ナトリウム(0.1ml)含有水(1mL)とに分離した。二層を分離し、水相をジクロロメタン(2ml)でさらに抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)、濾過、および濃縮した。分取TLCにより10%メタノール−ジクロロメタンで溶出して、4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−[(4−クロロベンゾイルアミノ)メチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを得た(6mg、0.013mmol、35%)。LC−MS(LCT2)m/z490[M+Na]、R8.20分
86D.N−(4−アミノピペリジン−4−イルメチル)−4−クロロベンズアミド二塩酸塩
ジオキサン中HClの4M溶液(0.3ml、1.2mmol)をメタノール(0.5ml)中4−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−[(4−クロロベンゾイルアミノ)メチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(5.8mg、0.012mmol)の溶液に滴下した。溶液を室温で17時間攪拌した。溶媒を濃縮してN−(4−アミノピペリジン−4−イルメチル)−4−クロロベンズアミド二塩酸塩(6.1mg、定量)を得、これをさらなる精製なしで次の工程で使用した。H NMR(CDOD)δ2.23−2.30(4H,m),3.46−3.61(4H,m),3.89(2H,s),7.58(2H,d,J=7Hz),8.03(2H,d,J=7Hz)
86E.N−[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル〕−4−クロロベンズアミド
粗N−(4−アミノピペリジン−4−イルメチル)−4−クロロベンズアミド二塩酸塩(6.1mg)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.6mg、0.016mmol)、トリエチルアミン(16μL、0.09mmol)、およびn−ブタノール(0.3ml)の脱気混合液を100℃で17時間攪拌した。溶媒を濃縮した。粗混合物をまず、メタノールその後2Mアンモニアメタノールで溶出するSCX−II酸性樹脂上で、そして15%メタノール-ジクロロメタンで溶出する分取TLCにより精製して、N−[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]−4−クロロベンズアミドを得た(3.3mg、0.009mmol、2工程にわたり69%)。LC−MS(LCT2)m/z385[M+H]、R2.58分
H NMR(CDOD)δ1.79−1.81(2H,m),1.95−1.97(2H,m),3.67(2H,s),4.20−4.17(4H,m),6.72(1H,d,J=5Hz),7.23(1H,d,J=5Hz),7.58(2H,d,J=7Hz),7.96(2H,d,J=7Hz),8.24(1H,s)
(実施例87〜90)
上述の方法あるいはそれに類似の方法に従って、実施例87〜90の化合物を製造した。
(実施例87)
4−ビフェニル−4−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
(実施例88)
4−ビフェニル−2−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
(実施例89)
4−(2−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
(実施例90)
4−ナフタレン−1−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
(実施例91〜94)
上述の方法あるいはそれに類似の方法に従って、実施例91〜94の化合物を製造する。
(実施例91)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロ−2−フルオロベンジルアミド
Figure 0005606734
(実施例92)
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(ビフェニル−3−イルメチル)アミド
Figure 0005606734
(実施例93)
4−ビフェニル−3−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
(実施例94)
4−(6−クロロビフェニル−3−イルメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン
Figure 0005606734
生物学的活性
(実施例95)
抗増殖活性
多くの細胞株において細胞成長を阻害しうる化合物の能力を測定することにより、本発明による使用のための化合物の抗増殖活性が測定される。細胞成長の阻害はアラマーブルー(Alamar Blue)アッセイ(ノシアリ(Nociari,M.M)、シャレフ(Shalev,A.)、ベナイアス(Benias,P.)、ルッソ(Russo,C.)、ジャーナルオブイミュノロジカルメソッズ(Journal of Immunological Methods)、1998年、213、157〜167)を用いて測定される。前記方法はレザズリンをその蛍光産物レゾルフィンへ還元する生細胞の能力に基づいている。各増殖アッセイにおいては、細胞を96ウェルプレートに入れ、16時間培養してから、さらに72時間阻害剤化合物を加える。インキュベーションの終了時に10%(v/v)アラマーブルー(Alamar Blue)を加え、さらに6時間インキュベートしてから、535nM ex/590nM emにより蛍光産物を調べる。非増殖細胞アッセイの場合には、細胞を96時間集密状態で維持してから、さらに72時間阻害剤化合物を加える。生細胞の数を前記のようにアラマーブルー(Alamar Blue)アッセイで調べる。全ての細胞株はECACC(ヨーロピアンコレクションオブセルカルチャー(European Collection of cell Cultures))またはATCCから入手される。
特に、本発明による使用のための化合物を、ヒト前立腺腺癌由来のPC3細胞株(ATCC Reference:CRL−1435)に対して試験した。このアッセイにおいて本発明による使用のための化合物は、25μM未満のIC50値を有すること、および好ましい化合物は15μM未満のIC50値を有することが分かった。
医薬製剤
(実施例96)
(i)錠剤製剤
式(I)の化合物を含有する錠剤組成物は、化合物50mgと、希釈剤としてのラクトース(BP)197mgと、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウム3mgとを混合し、公知の方法で打錠することにより製造される。
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤は、式(I)の化合物100mgとラクトース100mgを混合し、得られた混合物を標準的な不透明硬ゼラチンカプセルに充填することにより製造される。
(iii)注射用製剤I
注射投与用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例えば、塩形態)を、10%プロピレングリコールを含有する水に溶解し、活性化合物濃度1.5重量%とすることにより製造することができる。この溶液を次に濾過除菌し、アンプルに充填し、密閉する。
(iv)注射用製剤II
注射用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例えば、塩形態)(2mg/ml)およびマンニトール(50mg/ml)を水に溶解し、溶液を濾過滅菌し、密封可能な1mlバイアルまたはアンプルへ充填することにより製造される。
(v)注射用製剤III
注射または注入によるiv送達用の製剤は、水に式(I)の化合物(例えば、塩形態)を20mg/mlで溶解することにより製造できる。次いで、バイアルを密封し、オートクレーブ処理により滅菌する。
(vi)注射用製剤IV
注射または注入によるiv送達用の製剤は、緩衝剤(例えば、0.2M酢酸pH4.6)を含有した水に式(I)の化合物(例えば、塩形態)を20mg/mlで溶解することにより製造できる。次いで、バイアルを密封し、オートクレーブ処理により滅菌する。
(vii)皮下注射用製剤
式(I)の化合物と医薬用コーン油とを混合し濃度を5mg/mlとすることにより皮下投与用組成物を調製する。得られた組成物を殺菌し、適切な容器に充填する。
(viii)凍結乾燥製剤
式(I)の処方化合物のアリコートを50mlバイアルへ入れ、凍結乾燥する。凍結乾燥に際しては、−45℃でワンステップ凍結プロトコールを用いて組成物を凍結する。温度をアニーリングのために−10℃に上げ、次いで低下させて−45℃で凍結し、次いで約3400分かけて+25℃で一次乾燥させ、徐々に50℃まで昇温して二次乾燥を行う。一次乾燥および二次乾燥中の圧力は80ミリトルに設定する。
(実施例97:ROCK−II(h)アッセイプロトコール)
25μlの最終反応体積で、ROCK−II(h)(5−10mU)を、50mMトリス、pH7.5、0.1mM EGTA、30μM KEAKEKRQEQIAKRRRLSSLRASTSKSGGSQK、10mM酢酸マグネシウムおよび[γ−33P−ATP](比活性:約500cpm/pmol、必要に応じて濃縮)でインキュべートする。反応をMgATPミックスの添加により開始する。40分間の室温でのインキュベーション後、反応を5μlの3%リン酸溶液の添加により停止する。10μlの反応物でP30フィルターマット(filtermat)上に斑点を付け、75mMのリン酸中で5分間3回そしてメタノール中で1回洗浄し、乾燥およびシンチレーションカウントを行う。
(実施例98:抗ROCK−II活性)
上述の様々な実施例の化合物を、抗ROCK−II活性に関して試験した(上述のアッセイ)。
Figure 0005606734
したがって、試験化合物は、ROCK−IIに対する阻害活性を示した。
(実施例99:P70s6ラジオメトリックアッセイ)
概説
P70S6酵素をアップステート(Upstate)から購入し、アッセイ中2nMで使用する。
基質S6カクテル(AKRRRLSSLRA)を25μM(Kmは測定されていない)で使用する。ホスホリル転移反応において、ATPからの33P−γリン酸塩はセリン残基に転移する。反応混合物をフォスフォセルロースフィルタプレートに転移し、ここでペプチドが結合し未使用のATPが洗い流される。洗浄後、シンチラントを添加し、現れた活性をシンチレーションカウントにより測定する。
試薬
アップステート(Upstate)からP70S6キナーゼ(T412E)、活性、(#14−486)
アップステート(Upstate)からS6キナーゼ基質カクテル(#20−122)
アッセイ緩衝液
10mM MOPS pH7.0
0.1mg/ml BSA
0.001% Brij−35
0.5% グリセロール
0.2mM EDTA
10mM MgCl
0.01% β−メルカプトエタノール
10倍原液として作成、2mlアリコート中20℃で保存
15μM ATP
ATP(10mM原液)を濃縮原液から新たに添加する。
ATPは時間とともに分解する、できるだけ氷上に維持し、原液が新しいことを確実にするため小さなアリコートを使用する。
γ33P−ATP APバイオテック(APBiotech)(BF−1000)
12.5%のオルトリン酸
0.5%のオルトリン酸
マイクロシント(Microscint)20(パッカード(Packard))
アッセイ調製
酵素ミックス(1ml−100アッセイポイント):
743.75μl H20
250μl 10倍アッセイ緩衝液
3.75μl 10mM ATP
2.5μl酵素
基質ミックス(1ml−100アッセイポイント):
250μl S6カクテル基質
750μl H20
3.5μl 33P−ATP(APバイオテック(APBiotech)からのBF1000)
添加した33P−ATPの量を参照日とする。正確な量は経時的に調整する必要がある。
化合物−40倍の最終アッセイ濃度(最終DMSO2.5%)に対するポリプロピレン96ウェルプレート中のDMSOにおける希釈曲線を作成する。
水中で1:8に希釈する(35μlの水に5μlの化合物の添加で十分)。
アッセイの構成
ポリプロピレン96ウェルプレート中に次の順番で添加する。
5μl化合物
10μl基質ミックス
10μl酵素ミックス
最終ATP濃度は約15μMである。ATPのKMは放射測定により47uMであると計算される。コントロールは、「化合物なし」(DMSOのみ)および「酵素なし」(酵素添加前に酵素ミックスを10μl使用)。プレートシール(トップシールA、パッカード(Packard))またはプラスチック蓋でフィルタプレートからカバー(適度な放射障壁)。軽く振とうして混合。50分間室温でインキュベート。20μlの2%オルトリン酸を添加し反応を停止。
濾過工程
50μlの0.5%オルトリン酸洗浄緩衝液でミリポアMAPH NOBプレートのウェルをあらかじめ湿らせる。ミリポア真空濾過ユニットに液体を通し濾過する。停止した反応物を全てウェルに移す。濾過する。200μlの0.5%オルトリン酸洗浄緩衝液で2度洗浄する。ほぼ乾固するまで脱気する。プレート支持体を取り除き、ティッシュペーパー上でさらにフィルターを乾燥する。パッカードトップカウント用アダプターへプレートを折り入れる。20μlのマイクロシント20シンチラントを添加し、トップシールAで封をし、トップカウント上で30秒間カウントする。
(実施例100:抗P70S6K活性)
上記の様々な実施例の化合物を、抗P70S6K活性に関して試験した(上述のアッセイ)。
Figure 0005606734
したがって、試験化合物はすべてP70S6Kに対する阻害活性を示した。
均等
上記の実施例は、本発明を説明する目的で記載したものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。上記に記載し、また、実施例で示す本発明の特定の実施形態に対して、本発明の原理から逸脱することなく、多くの改変および変更をなし得ることは容易に明らかである。このような改変および変更は総て本願に含まれるものとする。

Claims (4)

  1. (a)腫瘍転移、(b)腫瘍浸潤、または(c)腫瘍接着から選ばれる疾患または症状の治療に使用するための医薬組成物であって、式(IIa)で表される化合物:
    Figure 0005606734
    あるいはその塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシド
    (式中、Tは、Nまたは基CHであり、
    −Jは、N=CH、HC=N、HC=CH、およびHN−C(O)から選ばれ、 QおよびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず)、
    は、非置換または1個以上の置換基R10により置換されたアリールまたはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、ここで、炭素環式基またはヘテロ環式基は、非置換または1個以上の基R10により置換され、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有し、OおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、ここで、炭素環式基またはヘテロ環式基は、非置換または1個以上の基R10により置換され、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    NRはそれが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
    は、水素であり、
    10は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれ、前記Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、但し、R10が炭素環式基またはヘテロ環式基を含んでなるか、または含む場合、前記炭素環式基またはヘテロ環式基は非置換であるか、または1個以上の別の置換基R10によりそれ自体が置換され、(i)別の置換基R10は、炭素環式基またはヘテロ環式基を含んでよく、これらの炭素環式基またはヘテロ環式基はさらに置換されず、または(ii)別の置換基R10は、炭素環式基またはヘテロ環式基を含まないが、上記R10で定義された基から選ばれ、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである)を含んでなる、医薬組成物。
  2. TがNである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. およびRが独立して水素およびメチルから選ばれ、したがって、NRがアミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基になり得る、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 式(IIa)で表される化合物が、4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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