JP2009536620A - 医薬組み合わせ物 - Google Patents

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Abstract

本発明はプロテインキナーゼB阻害剤としての使用のための組合せを提供し、前記組合せは、補助化合物および(I)式の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシド(式中、R、Q、Q、E、G、T、R、JおよびJは請求項中に定義したものと同義である)、または(II)式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシド(式中、R、R、R、R、E、A、T、JおよびJは、請求項中に定義したものと同義である)を含む(または本質的にそれらからなる)。

Description

発明の背景
技術分野
本発明は、1つまたは複数の補助化合物と、プロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の活性を阻害または調節する、プリン、プリノン、デアザプリンおよびデアザプリノン化合物との組合せ;PKBおよび/またはPKAが仲介する病態または症状の治療または予防における前記組合せの使用;および、PKBおよび/またはPKA阻害または調節活性を有する化合物を含む(または、本質的にはそれらからなる)組合せに関する。また、前記組合せを含む医薬組成物を提供する。
背景技術
プロテインキナーゼ
プロテインキナーゼは、細胞内における様々なシグナル伝達過程の制御に関与する構造的に関連する酵素の大きなファミリーを形成している(ハーディー(Hardie,G.)およびハンクス(Hanks,S.)、1995年、タンパク質キナーゼファクトブックIおよびII(The Protein Kinase Facts Book、I and II)アカデミックプレス(Academic Press)、サンディエゴ、カリフォルニア)。前記キナーゼは、それらがリン酸化する基質により、各ファミリーに分類される(例えば、タンパク質−チロシン、タンパク質−セリン/スレオニン、脂質など)。これらキナーゼファミリーの各々に通常対応する配列モチーフが特定されてきた(例えば、ハンクス(Hanks,S.K.)、ハンター(Hunter,T.)、米国実験生物学協会誌(FASEB J.)、9:576−596、1995年;ナイトン(Knighton)ら、サイエンス(Science)、253:407−414、1991年;ハイルズ(Hiles)ら、セル(Cell)、70:419−429、1992年;クンツ(Kunz)ら、セル(Cell)、73:585−596、1993年;ガルシア−ブストス(Garcia−Bustos)ら、欧州分子生物学機構誌(EMBO J.)、13:2352−2361、1994年)。
プロテインキナーゼはそれらの調節メカニズムにより特徴付けられる。これらのメカニズムには、例えば自己リン酸化、他のキナーゼによるリン酸基転移、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−脂質相互作用、およびタンパク質−ポリヌクレオチド相互作用がある。個々のプロテインキナーゼは2つ以上のメカニズムにより調節されることもある。
キナーゼは、リン酸基を標的タンパク質へ付加することにより、増殖、分化、アポトーシス、運動、転写、翻訳、および他のシグナル伝達作用に限定されないが、それらを含めた多くの異なる細胞過程を調節している。これらのリン酸化現象は、標的タンパク質の生物学的機能を調節または調節しうる分子オン/オフスイッチとして作用する。標的タンパク質のリン酸化は、様々な細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、増殖、および分化因子など)、細胞周期現象、環境ストレス、または栄養ストレスなどに反応して生じる。適切なプロテインキナーゼは、例えば代謝酵素、調節タンパク質、受容体、細胞骨格タンパク質、イオンチャンネルまたはイオンポンプ、または転写因子を(直接的または間接的に)活性化または不活性化するために、シグナル伝達経路において機能する。タンパク質リン酸化の制御の欠陥に起因する制御されないシグナルは、例えば炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾患および症状、中枢神経系の疾患および症状、および血管新生を含む、多くの疾患に関与している。
アポトーシスすなわちプログラム細胞死は、生物にもはや必要とされない細胞を除去する重要な生理的過程である。この過程は初期胚の成長および発生において重要であり、細胞成分の制御された非壊死的な破壊、除去および回復を可能にする。アポトーシスによる細胞の除去は、増殖細胞集団の染色体およびゲノムの全体性の維持においてもまた重要である。DNA損傷およびゲノムの全体性が注意深くモニタリングされる細胞増殖サイクルには、いくつかの公知のチェックポイントがある。かかるチェックポイントでの異常の検出に対する反応は、かかる細胞の増殖を停止し、修復過程を開始することである。損傷または異常を修復できないならば、欠陥およびエラーの伝播を防止するために、損傷を受けた細胞によりアポトーシスが開始される。癌細胞は、染色体DNA中に多数の変異、エラーまたはリアレンジメントを一貫して含んでいる。大多数の腫瘍はアポトーシス過程の開始に関与する過程の1つまたは複数において欠陥を有するので、このようなことが部分的に生じると広く考えられている。通常の制御機構は癌細胞を殺すことができず、染色体エラーまたはDNAのコードするエラーが伝播され続ける。結果として、これらのプロアポトーシスシグナルを回復させるか、または無秩序な生存シグナルを抑制することが、ガンを治療する好ましい手段である。
酵素のホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)、PDK1およびPKBをとりわけ含んでいるシグナル伝達経路は、多くの細胞におけるアポトーシスに対する耐性の増加または生存のための反応を仲介することが長く知られている。この経路がアポトーシスを抑制する多くの増殖因子によって使用される重要な生存経路であることを示す多大な量のデーターがある。PI3Kファミリーの酵素は、増殖因子および生存因子の範囲(例えばEGF、PDGF)によって、およびポリホスファチジルイノシトールの生成を介して活性化され、キナーゼPDK1、およびaktとしてもまた公知であるプロテインキナーゼB(PKB)の活性を含む下流のシグナル伝達事象の活性化を開始する。このことは腫瘍形成だけでなく、宿主組織(例えば、血管内皮細胞)においてもまた当てはまる。PKBは、N末端のPHドメインおよびC末端の調節ドメインと共にキナーゼドメインからなる、ser/thrプロテインキナーゼである。酵素PKBアルファ(akt1)自体は、PDK1によってThr308上で、およびPDK2と呼ばれるキナーゼによってSer473上でリン酸化されるが、PKBベータ(akt2)は、Thr309およびSer474上でリン酸化され、PKBガンマ(akt3)はThr305およびSer472上でリン酸化される。
マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ活性化プロテインキナーゼ−2(MK2)、インテグリン結合キナーゼ(ILK)、p38 MAPキナーゼ、プロテインキナーゼCアルファ(PKCアルファ)、PKCベータ、NIMA関連キナーゼ−6(NEK6)、哺乳類のラパマイシン標的タンパク質(mTOR)、二本鎖DNA依存性プロテインキナーゼ(DNK−PK)および血管拡張性失調症変異(ATM)遺伝子産物を含む、少なくとも10個のキナーゼが、Ser473キナーゼとして機能することが示唆されている。入手可能なデーターは、PKBの活性化を調節するために細胞における複数のシステムが使用されている可能性があることを示唆している。PIP3とPHドメインとの間での結合が、基質への最適な接近を提供する脂質膜の細胞質表面への酵素のアンカリングのために必要とされるが、PKBの完全活性化には両方の部位でのリン酸化が必要とされる。
活性化されたPKBは、今度は、全般的な生存のための反応に寄与する様々な基質をリン酸化する。PKB依存性の生存のための反応の仲介に関与する要因がすべて理解されているとは確信できないが、いくつかの重要な作用は、プロアポトーシス因子のBADおよびカスパーゼ9のリン酸化および不活性化、フォークヘッド転写因子(例えば、FKHR)の核からの排除をもたらすそれらの転写因子のリン酸化、およびカスケードの上流のキナーゼのリン酸化によるNfカッパB経路の活性化であると考えられる。
PKB経路の抗アポトーシス作用および生存支持作用に加えて、前記酵素は細胞増殖の促進においてもまた重要な役割を果たす。この作用は、重ねていくつかの作用によって仲介されるようであり、それらのいくつかは、p21Cip1/WAF1のサイクリン依存性キナーゼ阻害剤のリン酸化および不活性化、ならびにmTOR(細胞サイズ、増殖およびタンパク質翻訳のいくつかの態様を制御するキナーゼ)のリン酸化および活性化であると考えられる。
ポリホスファチジルイノシトールを脱リン酸化し不活性化するホスファターゼPTENは、PI3K/PKB生存経路を調節するように通常は作用する重要な腫瘍抑制タンパク質である。腫瘍形成におけるPI3K/PKB経路の重要性は、PTENがヒト腫瘍における変異の最も一般的な標的の1つであるという観測から判断することができ、このホスファターゼにおける変異は、メラノーマ(グルベル(Guldberg)ら、1997、キャンサーリサーチ(Cancer Research)57、3660〜3663)および進行性前立腺癌(ケアンズ(Cairns)ら、1997、キャンサーリサーチ(Cancer Research)57、4997)の〜50%またはそれ以上において見出されている。これらの観測およびなどから、広範囲の腫瘍タイプが増殖および生存のために増強されたPKB活性に依存しており、PKBの適切な阻害剤に治療上反応するだろうことが示唆される。
アルファ、ベータおよびガンマと呼ばれるPKBの3つの密接に関連したアイソフォームがあり、遺伝学的研究から、それらは異なるがオーバーラップする機能を有することが示唆されている。それらがすべてガンにおいて独立して役割を果すことができることを示唆する証拠がある。例えば、PKBベータは、卵巣および膵臓癌の10〜40%において、過剰発現または活性化されていることが見出され(ベラコサ(Bellacosa)ら、1995、インターナショナルジャーナルオブキャンサー(Int.J.Cancer)64、280〜285;チェン(Cheng)ら、1996、米国科学アカデミー紀要(PNAS)93、3636〜3641;ユアン(Yuan)ら、2000、オンコジーン(Oncogene)19、2324〜2330)、PKBアルファは、ヒト胃癌、前立腺癌および乳癌において増幅され(スタール(Staal)、1987、米国科学アカデミー紀要(PNAS)84、5034〜5037;ソン(Sun)ら、2001、米国病理学会誌(Am.J.Pathol.)、159、431〜437)、PKBガンマ活性の増加が、ステロイド非依存性乳腺細胞株および前立腺細胞株において観察された(ナカタニ(Nakatani)ら、1999、生化学ジャーナル(J.Biol.Chem.)274、21528〜21532)。
PKB経路は、正常組織の増殖および生存においてもまた機能し、細胞および組織の機能を制御するために通常の生理機能の間に調節される可能性がある。したがって、正常な細胞および組織の不適当な増殖および生存に関連した疾患もまた、PKB阻害剤による治療から治療上の利益を得る可能性がある。そのような疾患の例は、持続的またはアップレギュレートされた免疫反応をもたらす細胞集団の持続的増加および生存に関連した免疫細胞の疾患である。例えば、同種抗原またはインターフェロンガンマのような増殖因子に対するTリンパ球およびBリンパ球の反応は、PI3K/PKB経路を活性化し、免疫反応の間の抗原特異的リンパ球クローンの生存の維持に関与する。リンパ球および他の免疫細胞が不適当な自己抗原または異種抗原に対して反応している条件の下で、または他の異常が持続的活性化をもたらす条件の下で、活性化された細胞集団のアポトーシスによって免疫反応が終結される正常なメカニズムを妨害する重要な生存シグナルに、PKB経路は寄与する。多発性硬化症および関節炎のような自己免疫の疾患の自己抗原に対して反応するリンパ球集団の増加を実証する、かなりの量の証拠がある。異種抗原に対して不適切に反応するリンパ球集団の増加は、アレルギー反応および喘息のような他のセットの症状の特徴である。要約すると、PKBの阻害により、免疫疾患に有用な治療を提供することができる可能性がある。
PKBが役割を果たすであろう正常細胞の不適当な増加、成長、増殖、増生および生存の他の例は、アテローム性動脈硬化、心筋症および糸球体腎炎を含むが、これらに限定されない。
細胞の増殖および生存における役割に加えて、PKB経路はインスリンによるグルコース代謝の制御において機能する。PKBアルファアイソフォームおよびPKBベータアイソフォームを欠損するマウスからの入手可能な証拠は、この作用は主としてベータアイソフォームによって仲介されることを示唆する。結果として、PKB活性のモジュレーターはまた、糖尿病、代謝疾患および肥満のような、グルコース代謝およびエネルギー貯蔵に機能疾患のある疾患において有用である可能性がある。
サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)は、広範囲の基質をリン酸化し、細胞増殖、細胞分化、イオンチャネル伝導度、遺伝子転写および神経伝達物質のシナプス放出を含む、多くの細胞過程の調節に関与するセリン/トレオニンプロテインキナーゼである。PKAホロ酵素は、不活性型においては、2つの調節サブユニットおよび2つの触媒サブユニットを含む四量体である。
PKAは、Gタンパク質に仲介されるシグナル伝達事象、およびそれらが調節する細胞過程との間でリンクとして働く。グルカゴンのようなホルモンリガンドの膜貫通受容体への結合は、受容体共役Gタンパク質(GTPを結合し加水分解するタンパク質)を活性化する。活性化に際して、Gタンパク質のアルファサブユニットは解離し、アデニル酸シクラーゼに結合しそれを活性化し、それは次にATPをサイクリックAMP(cAMP)に変換する。このように産生されたcAMPは次にPKAの調節サブユニットに結合し、結合された触媒サブユニットの解離をもたらす。PKAの触媒サブユニット(調節サブユニットを結合させた場合には不活性である)は、解離に際して活性化され、他の調節タンパク質のリン酸化に参加する。
例えば、PKAの触媒サブユニットは、フォスフォリラーゼ(グルコースを放出するためのグリコーゲンの破壊に関与する酵素)のリン酸化に関わるキナーゼであるフォスフォリラーゼキナーゼをリン酸化する。PKAはまた、グリコーゲン合成酵素のリン酸化および非活性化による血糖値の調節にも関わる。したがって、PKA活性(そのモジュレーターはPKA活性を増加または減少させ得る)のモジュレーターは、糖尿病、代謝疾患および肥満のような、グルコース代謝およびエネルギー貯蔵に関する機能疾患が存在する疾患の治療または管理に有用である可能性がある。
PKAは、T細胞活性化の急性阻害剤としてもまた確立されている。アンダール(Anndahl)らは、HIV感染患者からのT細胞ではcAMPのレベルが増加しており、正常なT細胞よりもcAMPアナログによる阻害に対してより敏感であるということに基づいて、HIV誘導性T細胞機能疾患におけるPKAタイプIの奏し得る役割を調べた。彼らの研究から、PKAタイプIの活性化の増加がHIV感染における進行性T細胞機能疾患の一因となり、したがってPKAタイプIが免疫賦活療法に関して可能性のある標的になり得ることが結論づけられた。アンダール(Aandahl,E.M.)、アウクルスト(Aukrust,P.)、スカルへグ(Skalhegg,B.S.)、ミュラー(Muller,F.)、フロランド(Froland,S.S.)、ハンション(Hansson,V.)、タスケン(Tasken,K.)、プロテインキナーゼAタイプIアンタゴニストは、HIV感染患者からのT細胞の免疫反応を回復させる(Protein kinase A type I antagonist restores immune responses of T cells from HIV−infected patients)、米国実験生物学協会誌(FASEB J.)12、855〜862(1998))。
PKAの調節サブユニットにおける変異が、内分泌組織における過活性化をもたらし得ることもまた認識されている。
細胞調節におけるメッセンジャーとしてのPKAの多様性および重要性のために、cAMPの異常反応は、正常ではない細胞成長および増殖のような、これに由来する様々なヒト疾患をもたらし得る(ストラタキス(Stratakis,C.A.)、チョ−チョン(Cho−Chung,Y.S.);プロテインキナーゼAおよびヒト疾患(Protein Kinase A and human diseases)、Trends Endrocri.Metab.、2002、13、50〜52)。PKAの過剰発現は、卵巣癌、乳癌および結腸癌患者からの細胞を含む様々なヒト癌細胞において観察されている。したがって、PKAの阻害は癌治療に対するアプローチとなるだろう(リ(Li,Q.)、ジュ(Zhu,G−D.);Current Topics in Medicinal Chemistry、2002、2、939〜971)。
ヒト疾患におけるPKAの役割の総説については、例えば、プロテインキナーゼAおよびヒト疾患(Protein Kinase A and Human Disease)、コンスタンチンストラタキス(Constantine A.Stratakis)編、Annals of the New York Academy of Sciences、第968巻、2002、ISBN 1−57331−412−9を参照。
補助化合物
詳細に以下に記載されるように、様々な補助化合物が、本発明の組合せにおいて適用される。補助化合物は抗癌剤であってもよい。
本発明は、1つまたは複数の補助化合物と、プロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の阻害活性または調節活性を有する化合物とを含んでなる(または本質的にそれらからなる)治療上の組合せ(組合せのうちの個々の構成要素によって示されるそれぞれの効果と比較して、有利で有効な効果を有する)を提供することを目的とする。
発明の概要
本発明は、プロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の阻害活性または調節活性を有しており、PKBおよび/またはPKAに仲介される病態または症状の予防または治療において有用であろう化合物と、1つまたは複数の補助化合物との組合せを提供する。
したがって、例えば、本発明の組合せは、癌の罹患率の緩和または減少において有用である。
明瞭性および簡潔性のために、本発明の組合せにおける使用のための、プロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の阻害活性または調節活性を有する化合物は、2つの別個のクラスであるクラスAおよびクラスBとして本明細書において示される。クラスAおよびクラスBの1つまたは他のものに具体的に関する、以下に述べられる記述の様々な部分は、内的に一貫した部分として独立して解釈されるように意図され、そのため各部分において使用される用語および式はそれに応じて解釈されるべきである。さもなくば(文脈上他の意味に解すべき場合、または異なる指示がなされる場合を除き)、本明細書において述べられる教示は、クラスAおよびクラスBの両方の化合物に広く適用される。
PKBおよび/またはPKAの阻害活性または調節活性を有する、クラスAの化合物
クラスAの化合物はWO2006/046024中に記載されており、その内容は参照により本明細書に援用される。
1つの態様において、本発明はプロテインキナーゼB阻害剤および/またはプロテインキナーゼA阻害剤としての使用のための組合せを提供し、該組合せは、補助化合物および式(I)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含み(または本質的にはそれらからなり)、式中
Tは、NまたはCR基であり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
は、結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく、
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、前記リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合はG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Gは、水素、NR、OHおよびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素でありGがNRである場合、Qは結合である)、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、
または存在する場合にはNRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである。
さらなる態様において、本発明は、補助化合物および式(Ia)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)プロテインキナーゼB阻害剤としての使用のための組合せを提供し、式中、
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素であり、GがNRである場合、Qは結合である)、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合している窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合している窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
存在する場合、NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよい、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである。
他の態様において、本発明は、補助化合物および式(Ib)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)プロテインキナーゼB阻害剤としての使用のための組合せを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素であり、GがNRである場合、Qは結合である)、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、単環式もしくは二環式アリール基および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基により場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
存在する場合、NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである。
他の態様において、本発明は、補助化合物および式(Ic)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
は、結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく、
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、前記リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置せず、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合は、Qは結合ではない)、
は、アリールまたはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである。
他の態様において、本発明は、補助化合物および式(Id)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物または互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを提供し、式中
Tは、Nまたは基CRであり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置せず、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合は、Qは結合ではない)、
は、アリールまたはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子とが共に、シアノ基を形成し、
、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NRc、SO NR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである。
以下の任意の条件のうちのいずれか1つまたは複数は、クラスAの化合物に関して、上記および本明細書における他の部分で定義される式(I)のいずれか1つに対して任意の組合せで適用されてもよい。
(i)J−Jが(R)C=C(R)であり、Rがアリールまたはヘテロアリール基である場合、前記アリールまたはヘテロアリール基は、本明細書で定義される1つまたは複数の置換基(すなわち水素以外の部分)を有する。
(ii)Qが結合であり、Eがピペラジン基である場合、Rは、ピペラジン基の窒素原子に結合した置換ピリジル基以外のものであり、ここで置換ピリジル基はアミド部分により置換されている。
(iii)Qが窒素原子を含み、Q−G部分がヘテロ環基を含む場合、Rは置換アミノキノキサリン基以外のものである。
PKBおよび/またはPKAの阻害活性または調節活性を有する、クラスBの化合物
クラスBの化合物はWO2006/046023中に記載されており、その内容は参照により本明細書に援用される。
別の態様において、本発明は、プロテインキナーゼBおよび/またはプロテインキナーゼAによって仲介される病態または症状の予防または治療における使用ための、補助化合物および式(I)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを提供し、式中
Tは、NまたはCR基であり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はオキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)、
Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、ここで炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられており、
は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または、
、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである。
別の態様において、本発明は、プロテインキナーゼBおよび/またはプロテインキナーゼAによって仲介される病態または症状の予防または治療における使用ための、補助化合物および式(Ia)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを提供し、式中
Tは、NまたはCR基であり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はオキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)、
Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、ここで炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられており、
は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれるか、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または
、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである。
さらなる態様において、本発明は、補助化合物および式(Ib)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを提供し、式中
Tは、NまたはCR基であり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はオキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)、
Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、ここで炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられており、
は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または、
、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRであり、
但し、
(a−i)J−Jが、(R)C=C(R)であり、Eが、Tを含有する環へ窒素原子を介して結合した単環式または二環式基である場合、Aはオキソ置換基を含有せず、
(a−ii)Eは、非置換または置換インドール基以外であり、
(a−iii)J−JがN=CHである場合、E−A(R)−NRは基−S−(CH−CONHまたは−S−(CH−CN以外であり、
(a−iv)J−JがCH=Nである場合、E−A(R)−NRは基−NH−(CH−N(CHCH(nは2または3)以外であり、そして
(a−v)J−JがN=CHである場合、E−A(R)−NRは基−NH−(CH−NHまたは−NH−(CH−N(CH以外である。
別の態様において、本発明は、補助化合物および式(Ic)の化合物:
Figure 2009536620
またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを提供し、式中
Tは、NまたはCR基であり、
−Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有しており(但しヒドロキシ基は存在する場合NR基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基であり、
は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基から選ばれる環式基を形成し、または、
およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または、
、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである。
まだ適用されていない場合には、以下の任意の条件のうちのいずれか1つまたは複数は、本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、もしくはそのいずれのサブグループまたは実施形態の1つもしくは複数に対して、ならびにクラスBの化合物に関して上記および本明細書における他の部分で述べられる本発明の態様のいずれか1つもしくは複数について、任意の組合せで適用されてもよい。
(a−i)J−Jが(R)C=C(R)であり、Eが、窒素原子を介して、Tを含む環に結合する単環式基または二環式基である場合、そのときAは、オキソ置換基を含まない。
(a−ii)Eは非置換インドール基または置換インドール基以外のものである。
(a−iii)J−JがN=CHである場合、そのときE−A(R)−NRは、−S−(CH−CONH基または−S−(CH−CN基以外のものである。
(a−iv)J−JがCH=Nである場合、そのときE−A(R)−NRは、−NH−(CH−N(CHCH基以外のものである(nは2または3)。
(a−v)J−JがN=CHである場合、そのときE−A(R)−NRは、−NH−(CH−NH基または−NH−(CH−N(CH基以外のものである。
(b−i)Eは、非置換または置換インドール基以外のものであってもよく、ここでAはインドール基のベンゼン環に結合されている。
(b−ii)Eが、窒素原子を介して、Tを含む環に結合する単環基または二環式基であり、RおよびRの1つが、それらが結合されている窒素原子およびAからの1つまたは複数の原子と一緒になって、第2のヘテロ原子環員を場合によって含む飽和単環式複素環基を形成する場合、そのときJ−Jは(R)C=C(R)以外のものであってもよい。
(b−iii)E−A(R)−NR部分は、アミノアルキルアミノまたはアルキルアミノアルキルアミノ基以外のものであってもよい。
(b−iv)Rが水素である場合、Eは非環状基X−G以外のものであってもよい。
(b−v)Eがピペリジンまたはピロリジンである場合、A(R)−NR部分は、ピロリジニルエチルまたはピロリジニルメチル以外のものであってもよい。
一般に、そしてすべての実施形態および態様に関して(上で定義されるクラスAおよびクラスBの化合物を含む)、本発明はまた、以下のものも提供する。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの使用。
プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療方法であって、その必要のある被験体に、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを投与することを含む方法。
哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを、プロテインキナーゼB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
プロテインキナーゼBを阻害する方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)のキナーゼ阻害化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せと前記キナーゼとを接触させることを含む方法。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを使用して、プロテインキナーゼBの活性を阻害することにより、細胞過程(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの使用。
プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療方法であって、その必要のある被験体に、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを投与することを含む方法。
哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを、プロテインキナーゼA活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類へ投与することを含む方法。
プロテインキナーゼAを阻害する方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)のキナーゼ阻害化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せと前記キナーゼとを接触させることを含む方法。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを使用して、プロテインキナーゼAの活性を阻害することにより、細胞過程(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止から生じる病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの使用。
哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止の阻害に有効な量で、前記哺乳類へ投与することを含む方法。
哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状の罹患率を緩和または減少させる方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを、異常な細胞増殖の阻害に有効な量で、前記哺乳類へ投与することを含む方法。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
医療に用いるための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
本明細書において開示される病態または症状のいずれか1つの予防または治療用薬剤の製造のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの使用。
本明細書において開示される病態または症状のいずれか1つの治療または予防方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物(例えば、治療上有効な量)を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを、患者(例えば、その必要のある患者)へ投与することを含む方法。
本明細書において開示される病態または症状の罹患率を緩和または減少させる方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物(例えば、治療上有効な量)を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを、患者(例えば、その必要のある患者)へ投与することを含む方法。
プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の診断および治療方法であって、(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状が、プロテインキナーゼBに対する活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状がそのような感受性を有することが示された場合、その後、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを患者に投与することを含む方法。
スクリーニングされ、プロテインキナーゼBに対する活性を有する化合物による治療に感受性のある疾患または症状に罹患している、または罹患するリスクがあるとして判定された患者における、病態または症状の治療または予防用薬剤の製造のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの使用。
プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の診断および治療のための方法であって、(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状が、プロテインキナーゼAに対する活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状がそのような感受性を有することが示された場合、その後、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せを患者に投与することを含む方法。
スクリーニングされ、プロテインキナーゼAに対する活性を有する化合物による治療に感受性のある疾患または症状に罹患している、または罹患するリスクがあるとして判定された患者における、病態または症状の治療または予防用薬剤の製造のための、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの使用。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物が物理的に結合されていることを特徴とする、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物が非物理的に結合されることを特徴とする、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
薬学的パック、キットまたは患者パックの形態である、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ。
補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、本明細書で定義される式(I)の化合物。
補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、本明細書で定義される式(I)の化合物の使用。
プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を、その必要のある被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)に投与することを含む方法。
哺乳類被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)において異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の治療方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を、異常な細胞増殖を阻害するのに有効な量で投与することを含む方法。
哺乳類被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)において異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の治療方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を、PKB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
哺乳類被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)において免疫不全を治療する方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を、PKB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、本明細書で定義される式(I)の化合物。
補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、本明細書で定義される式(I)の化合物の使用。
補助化合物による治療を受けている被験体において異常な細胞増殖から生じる病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、本明細書で定義される式(I)の化合物の使用。
補助化合物による治療を受けている被験体において、増殖、アポトーシスまたは分化の障害が存在する疾患の予防または治療用薬剤の製造のための、本明細書で定義される式(I)の化合物の使用。
補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療のための方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を前記被験体に投与することを含む方法。
補助化合物による治療を受けている哺乳類被験体において異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の治療方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を、PKAを阻害するのに有効な量で、前記被験体に投与することを含む方法。
補助化合物による治療を受けている被験体におけるプロテインキナーゼAの阻害方法であって、本明細書で定義される式(I)のキナーゼ阻害化合物と前記キナーゼとを接触させることを含む方法。
本明細書で定義される式(I)の化合物を使用して、プロテインキナーゼAの活性を阻害することにより、補助化合物による治療を受けている被験体における細胞過程を調節する方法。
補助化合物による治療を受けている哺乳類被験体における免疫不全を治療する方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物を、PKA活性を阻害するのに有効な量で前記哺乳類に投与することを含む方法。
補助化合物による治療を受けている被験体中の癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法であって、本明細書で定義される式(I)の化合物と前記癌細胞を接触させることを含む方法。
本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せ療法における使用のための、補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)。
補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための、本明細書で定義される式(I)の化合物。
本明細書で定義される式(I)の化合物による治療を受けている患者の治療または予防で使用される薬剤の製造のための、補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)の使用。
補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)による治療を受けている患者の治療または予防で使用される薬剤の製造のための、本明細書で定義される式(I)の化合物の使用。
ヒトなどの温血動物における癌の治療方法であって、有効な量の本明細書で定義される式(I)の化合物と共に、有効な量の補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)を、連続して(例えば、前後に)または同時に前記動物に投与することを含む方法。
治療上有効な量の補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)、および治療上有効な量の本明細書で定義される式(I)の化合物を投与することを含む、哺乳類における癌の組合せ療法。
哺乳類における異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の罹患率を緩和または減少させるための、補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための本明細書で定義される式(I)の化合物。
哺乳類における腫瘍増殖を阻害するための、補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための本明細書で定義される式(I)の化合物。
その必要のある患者における癌を予防、治療または管理するための、補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための本明細書で定義される式(I)の化合物。
患者が補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)による治療を受けている場合に、癌に罹患する患者における反応率の促進または増加のための使用のための本明細書で定義される式(I)の化合物。
患者が補助化合物(例えば、本明細書において開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)による治療を受けている場合に、癌に罹患する患者における反応率を促進するまたは増加する方法であって、補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せで患者に投与することを含む方法。
補助化合物および本明細書で定義される式(I)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せの製造方法であって、補助化合物と式Iの化合物を組合せることを含む方法。
本発明は、請求項において以下に述べられるような、さらなる組合せ、使用、方法、化合物およびプロセスもまた提供する。
定義
本明細書では、「調節」なる語は、PKB活性および/またはPKA活性に対して適用されるとき、PKB酵素および/またはPKA酵素の生物学的活性のレベルの変化を明確にすることを意図している。したがって、調節は、PKA活性および/またはPKB活性の増加または減少をもたらす生理学的変化を包含する。後者の場合では、調節は「阻害」として記載されてもよい。調節は、直接的または間接的に生じてもよく、任意のメカニズムにより、ならびに例えば遺伝子発現のレベル(例えば、転写、翻訳および/または翻訳後修飾を含む)、PKA活性および/またはPKB活性のレベルに直接的または間接的に作用する調節エレメントをコードする遺伝子発現のレベル、または酵素(例えば、PKBおよび/またはPKA)活性のレベル(例えば、アロステリック機構、拮抗的阻害、活性部位ぼ不活性化、フィードバックの抑制性経路の摂動などにより)を含む、任意の生理的なレベルで仲介されてもよい。したがって、調節は、変異による((脱)活性化を含む)PKAおよび/またはPKBの遺伝子増幅(すなわち複数の遺伝子コピー)および/または転写効果による増加した発現または減少した発現に加えて、過剰活性(または低活性)および(脱)活性化を含む、PKAおよび/またはPKBの増加した発現/抑制された発現または過剰発現もしくは低発現を意味してもよい。「調節された」、「調節している」および「調節する」なる語は適宜解釈されるべきである。
本明細書では、例えば、本明細書において記載される(および例えば、様々な生理的な過程、疾患、状態、症状、処置、治療あるいは診療に対して適用される)ような、PKBおよび/またはPKAと共に使用される、「仲介される」なる語は、この用語が適用される様々な過程、疾患、状態、症状、治療および診療はPKAおよび/またはPKBが生物学的役割を果たすものであるように、制限的に働くことを意図するものである。この用語が、疾患、状態または症状に対して適用される場合において、PKAおよび/またはPKBにより果たされる生物学的役割は、直接的または間接的であってもよく、疾患、状態または症状の病徴の発現(またはその病因または進行)のために、必要および/または十分であってもよい。したがって、PKA活性および/またはPKB活性(特に異常なレベルのPKA活性および/またはPKB活性(例えば、PKAおよび/またはPKB過剰発現))は、必ずしも疾患、状態または症状の近因である必要がなく、むしろPKAに仲介されるおよび/またはPKBに仲介される疾患、状態または症状は、PKAおよび/またはPKBが部分的にのみ関わる、多元的な病因および複雑な進行を有するものを含んでいると理解される。この用語が、治療、予防または診療に対して適用される場合において(例えば、本発明の「PKBに仲介される治療」および「PKBに仲介される予防」において)、PKAおよび/またはPKBにより果たされる役割は直接的または間接的であってもよく、または、治療、予防または診療の転帰の操作のために必要および/または十分であってもよい。
「診療」なる語は、任意のレベルで生理学的変化をもたらす任意の作用を明確にするために本明細書で使用される技術用語である。したがって診療は、任意の生理的な過程、事象、生化学的経路または細胞の事象/生化学的事象の誘導または抑制を含んでもよい。本発明の診療は、典型的には、疾患または症状の療法、治療または予防をもたらす(またはそれらに寄与する)。
本発明の組合せは、個別に投与された場合の個々の化合物の治療上の効果と比較して、治療上有効な効果を生じる可能性がある。
「有効な」なる語は、付加性、相乗作用、副作用の減少、毒性の減少、疾患進行に要する時間の増加、生存時間の増加、別の薬剤に対する1つの薬剤の感作もしくは再感作、または反応率改良のような有利な効果を含んでいる。有利には、有効な効果により、同一の治療上の効果が生成および/または維持される一方で、患者に対して投与されるべき各々またはどちらかの構成要素の用量の減少が可能になり、その結果として化学療法の毒性が減少する。
本文脈における「相乗的な」効果は、組合せの構成要素が個別に提供された場合の治療上の効果の合計よりも大きい、組合せにより生み出される治療上の効果を指す。
本文脈における「付加的な」効果は、組合せの構成要素のいずれかが個別に提供された場合の治療上の効果よりも大きい、組合せにより生み出される治療上の効果を指す。
本明細書で使用されるような「反応率」なる語は、固形腫瘍の場合では、所定の時点(例えば、12週)での腫瘍のサイズの減少の程度を指す。したがって、例えば、50%の反応率は、50%の腫瘍サイズの減少を意味する。本明細書における「臨床反応」への言及は、50%以上の反応率を指す。「部分反応」は、50%よりも少ない反応率として本明細書において定義される。
本明細書では、「組合せ」なる語は、2つ以上の化合物および/または薬剤(本明細書において構成要素とも呼ばれる)に対して適用されたとき、物質の中で前記2つ以上の化合物/薬剤が結合されていることを明確にすることを意図している。この文脈における「組合せた」および「組合せ」なる語は適宜解釈される。
組合せ中の2つ以上の化合物/薬剤の結合は物理的または非物理的であってもよい。物理的に結合させた組合せ化合物/薬剤の例としては以下のものが挙げられる。
混合剤(例えば、同一の単位用量内に)中に2つ以上の化合物/薬剤を含む組成物(例えば、一体型の製剤)、
2つ以上の化合物/薬剤が、化学的に/物理化学的に結合される(例えば、架橋、分子的な凝集または共通する賦形剤部分への結合による)物質を含む組成物、
2つ以上の化合物/薬剤が、化学的に/物理化学的に共にパックされる(例えば、脂質小胞、粒子(例えば、ミクロ粒子またはナノ粒子)またはエマルジョン滴上に、またはそれらの内部に配置された)物質を含む組成物、
2つ以上の化合物/薬剤が共にパックされるか、または共に提供される(例えば、一連の単位用量の一部として)、薬学的キット、薬学的パックまたは患者パック。
非物理的に結合させた組合せ化合物/薬剤の例としては以下のものが挙げられる。
2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも一方と、前記2つ以上の化合物/薬剤の物理的結合を形成するための、前記少なくとも一方の化合物の即時結合のための説明書とを含む物質(例えば、非一体型の製剤)、
2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも一方と、前記2つ以上の化合物/薬剤による組合せ療法のための説明書とを含む物質(例えば、非一体型の製剤)、
2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも一方と、前記2つ以上の化合物/薬剤の他方が投与された(または投与されている)患者集団への投与のための説明書とを含む物質、
2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも一方を、前記2つ以上の化合物/薬剤の他方と組合せて使用するために特に適した量または形態で含む物質。
本明細書では、「組合せ療法」なる語は、2つ以上の化合物/薬剤(上で定義されたような)の組合せの使用を含む療法を明確にすることを意図している。したがって、本願における「組合せ療法」、「組合せ」への言及、および「組合せの」化合物/薬剤の使用は、同一の全般的な治療計画の一部として投与される化合物/薬剤を指してもよい。それゆえ、2つ以上の化合物/薬剤の各々の薬量は異なってもよく、各々は同時にまたは異なる時間で投与されてもよい。したがって、当然のことであるが、同一の医薬製剤(すなわち一緒に)、または異なる医薬製剤(すなわち個別に)のどちらかにおいて、組合せの化合物/薬剤が連続して(例えば、前後して)または同時に投与されてもよい。同一の製剤での同時投与は一体型の製剤であるが、異なる医薬製剤での同時投与は非一体型である。組合せ療法の2つ以上の化合物/薬剤の各々の薬量はまた、投与経路に関連して異なってよい。
本明細書では、「薬学的キット」なる語は、場合によりすべて共通の外装内に含まれる、投薬手段(例えば、計測装置)および/または送達手段(例えば、吸入器またはシリンジ)と共になっている、医薬組成物の一連の1つまたは複数の単位用量を明確にする。2つ以上の化合物/薬剤の組合せを含む薬学的キットにおいて、個々の化合物/薬剤は一体型の製剤または非一体型の製剤であってもよい。単位用量はブリスターパック内に含まれてもよい。薬学的キットは、使用説明書を場合によりさらに含んでもよい。
本明細書では、用語「薬学的パック」は、場合により一般的な外装内に含まれる、医薬組成物の一連の1つまたは複数の単位用量を定義する。2つ以上の化合物/薬剤の組合せを含む薬学的パックにおいて、個々の化合物/薬剤は、一体型の製剤または非一体型の製剤であってもよい。単位用量はブリスターパック内に含まれていてもよい。薬学的パックは、場合により使用説明書をさらに含んでもよい。
本明細書では、「患者パック」なる語は、治療コース全体に対する医薬組成物を含む、患者に対して処方されたパッケージを定義する。患者パックは、通常1つまたは複数のブリスターパックを含んでいる。患者パックは、薬剤師がバルク供給から患者の処方分の医薬品を分ける伝統的処方と比較して、伝統的処方では通常は同封されていない、患者パック中に含まれる添付文書を患者が常に利用できるという点において優れている。添付文書の含有は、医師の指示に対する患者のコンプライアンスを改善することが示された。
本発明の組合せは、個別に投与される場合の個々の化合物/薬剤の治療上の効果と比較して、治療上有効な効果をもたらす可能性がある。
本明細書では、「補助化合物」なる語は、上で記載されるようなクラスAおよびクラスBの化合物を含むプロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の阻害活性または調節活性を有する本発明の化合物と組合せた場合、有効な組合せ(本明細書で定義されるように)をもたらす化合物を明確にし得る。したがって、以下のものと組合せた場合、補助化合物は、有効な組合せ(本明細書において定義されたように)をもたらすものを含んでいる。
(a)本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)またはそのいずれのサブグループもしくは実施形態のクラスAの化合物。したがって、補助化合物は、本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)またはそのいずれのサブグループもしくは実施形態の化合物に対する補助として作用するか、他の場合には組合せの有効性に寄与する可能性がある(例えば、本明細書で定義されるように、相乗効果もしくは付加効果をもたらすか、または反応率を改善することによる)、あるいは
(b)本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)またはそのいずれのサブグループもしくは実施形態のクラスBの化合物。したがって、補助化合物は、本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)またはそのいずれのサブグループもしくは実施形態の化合物に対する補助として作用するか、または他の場合には組合せの有効性に寄与する可能性がある(例えば、本明細書で定義されるように、相乗効果もしくは付加効果をもたらすか、または反応率を改善することによる)。
一般的な選択肢および定義
本明細書において、「二環式基」への言及は、基Eが結合する場所に関して用いられた場合、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、下記の基に関すると解釈される。
Figure 2009536620
本明細書において「炭素環式」基および「ヘテロ環式」基とは、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、芳香族環系と非芳香族環系の両方を含む。一般に、このような基は単環式または二環式であってよく、例えば、3〜12環員、より一般的には5〜10環員を含み得る。単環式基の例としては、3、4、5、6、7および8環員、より一般的には3〜7、好ましくは5または6環員を含む基がある。二環式基の例としては、8、9、10、11および12環員、より一般的には9または10環員を含むものがある。
炭素環式基またはヘテロ環式基は5〜12環員、より一般的には5〜10環員を有するアリールまたはヘテロアリール基であり得る。本明細書において「アリール」とは、芳香族性を有する炭素環式基を意味し、本明細書において「ヘテロアリール」とは、芳香族性を有するヘテロ環式基を表す。「アリール」および「ヘテロアリール」とは1以上の環が非芳香族であるが、少なくとも1つの環が芳香族である、多環式(例えば、二環式)環系を包含する。このような多環式系では、基は芳香環によって結合されてもよいし、または非芳香環によって結合されてもよい。アリール基またはヘテロアリール基は、単環式基または二環式基であってよく、非置換型であっても、1以上の置換基、例えば、本明細書で定義される1個以上の基R10で置換されていてもよい。
「非芳香族基」とは、芳香性を持たない不飽和環系、部分飽和および完全飽和炭素環式環系およびヘテロ環式環系を包含する。「不飽和」および「部分飽和」とは、環構造が1を超える価数の結合を共有する原子を含む環を意味し、すなわち、その環は少なくとも1つの多重結合、例えば、C=C、C≡CまたはN=C結合を含む。「完全飽和」とは、環原子間に多重結合がない環を意味する。飽和炭素環式基としては、以下で定義するようなシクロアルキル基が挙げられる。部分飽和炭素環式基としては、以下で定義するようなシクロアルケニル基、例えば、シクロペンテニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが挙げられる。
ヘテロアリール基の例としては、5〜12環員、より一般的には5〜10環員を含む単環式基および二環式基が挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、5員または6員単環式環であるか、または縮合5員環および6員環または2つの縮合6員環から形成された二環式構造であり得る。各環は、典型的には窒素、硫黄および酸素から選ばれる約4個までの異種原子を含んでいてもよい。典型的には、ヘテロアリール環は3個までのヘテロ原子、より典型的には2個までのヘテロ原子、例えば、1個のヘテロ原子を含む。一実施形態によれば、ヘテロアリール環は、少なくとも1個の環窒素原子を含む。ヘテロアリール環の窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性であってもよいし、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性であってもよい。一般に、環のアミノ基置換基を含むヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子数は5個未満である。
5員ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾールおよびテトラゾール基が挙げられる。
6員ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンおよびトリアジンが挙げられる。
二環式ヘテロアリール基としては、例えば、次のものから選ばれる基であり得る。
a)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したベンゼン環、
b)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピリジン環、
c)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピリミジン環、
d)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピロール環、
e)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピラゾール環、
f)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したピラジン環、
g)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したイミダゾール環、
h)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したオキサゾール環、
i)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したイソキサゾール環、
j)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したチアゾール環、
k)1または2環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したイソチアゾール環、
l)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したチオフェン環、
m)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したフラン環、
n)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したシクロヘキシル環、および
o)1、2または3環ヘテロ原子を含む5員または6員環と縮合したシクロペンチル環。
5員環と縮合した6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例としては、限定されるものではないが、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ベンゾジオキソール、およびピラゾロピリジン基が挙げられる。
2つの縮合6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例としては、限定されるものではないが、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン、イソクロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンズオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジンおよびプテリジン基が挙げられる。
芳香環と非芳香環を含む多環式アリール基およびヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンズチエン、ジヒドロベンズフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン、インドリンおよびインダン基が挙げられる。
炭素環式アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチル基が挙げられる。
非芳香族ヘテロ環式基の例としては、3〜12環員、典型的には4〜12環員、より一般的には5〜10環員を有する非置換または置換(1個以上の基R10による)ヘテロ環式基が挙げられる。このような基は、例えば単環式または二環式であり、典型的には窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1〜5個のヘテロ原子環員(より一般的には1、2、3、または4個のヘテロ原子環員)を典型的に有している。
硫黄が存在する場合、隣接する原子および基の性質が許せば、−S−、−S(O)−、または−S(O)−として存在する。
これらのヘテロ環式基は例えば、環状エーテル部分(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサンの場合)、環状チオエーテル部分(例えば、テトラヒドロチオフェンおよびジチアンの場合)、環状アミン部分(例えば、ピロリジンの場合)、環状アミド部分(例えば、ピロリドンの場合)、環状尿素部分(例えば、イミダゾリジン−2−オンの場合)、環状チオ尿素部分、環状チオアミド、環状チオエステル、環状エステル部分(例えば、ブチロラクトンの場合)、環状スルホン(例えば、スルホランおよびスルホレン)、環状スルホキシド、環状スルホンアミドおよびその組合せ(例えば、モルホリンおよびチオモルホリンならびにそのS−オキシドおよびS,S−ジオキシド)を含み得る。
単環式非芳香族ヘテロ環式基の例としては、5、6、および7員単環ヘテロ環式基が挙げられる。具体例としては、モルホリン、チオモルホリンおよびそのS−オキシドとS,S−ジオキシド(特に、チオモルホリン)、ピペリジン(例えば、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、および4−ピペリジニル)、N−アルキルピペリジン、例えば、N−メチルピペリジン、ピペリドン、ピロリジン(例えば、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、および3−ピロリジニル)、ピロリドン、アゼチジン、ピラン(2H−ピランまたは4H−ピラン)、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジオキサン、テトラヒドロピラン(例えば、4−テトラヒドロピラニル)、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラゾン、ピペラジン、およびN−アルキルピペラジン、例えば、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、およびN−イソプロピルピペラジンが挙げられる。一般に、好ましい非芳香族ヘテロ環式基としては、ピペリジン、ピロリジン、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、およびN−アルキルピペラジンが挙げられる。
非芳香族炭素環式基の例としては、シクロアルカン基、例えば、シクロヘキシルおよびシクロペンチル、シクロアルケニル基、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニル、ならびにシクロヘキサジエニル、シクロオクタテトラエン、テトラヒドロナフテニル、およびデカリニルが挙げられる。
好ましい非芳香族炭素環式基は、単環式環、最も好ましくは飽和単環式環である。
典型例としては、3、4、5、および6員飽和炭素環式環、例えば、場合により置換されているシクロペンチルおよびシクロヘキシル環がある。
非芳香族炭素環式基の1サブセットとしては、非置換または置換(1個以上の基R10による)単環式基、特に飽和単環式基、例えば、シクロアルキル基が挙げられる。このようなシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル、より典型的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル、特にシクロヘキシルが挙げられる。
非芳香族環式基の別の例としては、架橋環系、例えば、ビシクロアルカンおよびアザビシクロアルカンがあるが、このような架橋環系は一般的に好ましさが劣る。「架橋環系」とは、2個の環が3個以上の原子を共有している環系を意味する、例えば、Advanced Organic Chemistry、by Jerry March、4th Edition、Wiley Interscience、pages131〜133、1992を参照。架橋環系の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、およびアザビシクロ[3.2.1]オクタンがある。
本明細書において、炭素環式およびヘテロ環式基に言及する場合、炭素環式またはヘテロ環式基は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、非置換であるか、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基R10により置換されており、前記Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、Rは、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、XはO、SまたはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである。
置換基R10が炭素環式基またはヘテロ環式基を含んでなるか、または含む場合、前記炭素環式基またはヘテロ環式基は非置換型であってもよいし、またはそれ自体、さらに1個以上のさらなる置換基R10で置換されていてもよい。式(I)の化合物の1つのサブグループでは、このようなさらなる置換基R10は炭素環式基またはヘテロ環式基を含んでよく、これらは典型的にはそれ自体さらに置換されていない。本明細書で定義する式(I)の化合物のもう1つのサブグループでは、前記さらなる置換基は炭素環式基またはヘテロ環式基を含まないが、R10の定義において上記で挙げた基から選ばれる。
置換基R10は、20個以下の非水素原子、例えば、15個以下の非水素原子、例えば、12個、または10個、または9個、または8個、または7個、または6個、または5個以下の非水素原子を含むように選ぶことができる。
置換基R10の1つのサブグループは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる置換基からなるR10aにより表され、前記Rは結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、OC(O)O、NRC(O)O、OC(O)NR、NRC(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、OC(O)O、NRC(O)O、OC(O)NR、またはNRC(O)NRにより場合により置き換えられていてもよく、Rは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
置換基R10の他のサブグループは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、シクロプロピルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる置換基からなるR10bにより表され、前記Rは、結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、またはNRにより場合により置き換えられていてもよく(但しRが水素である場合Rは結合ではない)、Rは水素およびC1−4アルキルから選ばれる。
置換基R10の別のサブグループは、下記から選ばれる置換基からなるR10cにより表される:
ハロゲン、
ヒドロキシ、
トリフルオロメチル、
シアノ、
アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、
シクロプロピルアミノ、
環員のうち0、1、または2個は、O、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基はハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている)、および
基R−R
は結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、
は、水素ならびに、環員のうち0、1、または2個はO、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよい)から選ばれ、
またRはさらにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、ならびに環員のうち0、1、または2個はO、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよい)から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1または2個の炭素原子は、O、S、またはNRにより置き換えられていてもよく(但しRが水素である場合Rは結合ではない)、
は水素およびC1−4アルキルから選ばれる。
これらの炭素環式基およびヘテロ環式基が隣接する環原子上に1対の置換基を有する場合、その2個の置換基は環式基を形成するように結合していてもよい。例えば、環の隣接する炭素原子上の隣接する1対の置換基は1個以上のヘテロ原子および置換されていてもよいアルキレン基を介して結合し、縮合オキサ−、ジオキサ−、アザ−、ジアザ−またはオキサ−アザ−シクロアルキル基を形成していてもよい。このような結合置換基の例としては、
Figure 2009536620
が挙げられる。
ハロゲン置換基の例としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。フッ素および塩素が特に好ましい。
上記式(I)で表され、また、以下で使用される化合物の定義において、「ヒドロカルビル」なる語は、特に断りのない限り、総てが炭素の骨格を有し、炭素水素原子からなる、脂肪族基、脂環式基および芳香族基を含む包括的な用語である。
本明細書で定義されるような特定の場合では、炭素骨格を形成している1個以上の炭素原子は特定の原子または原子群で置き換えられていてもよい。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、炭素環式アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、ならびに炭素環式アラルキル、アラルケニルおよびアラルキニル基が挙げられる。このような基は、非置換型であっても、または記載のように、本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。以下で示す例および好ましい選択肢は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書で定義される式(I)の化合物およびそのサブグループについての種々の置換基の定義において言及される、ヒドロカルビル置換基またはヒドロカルビル含有置換基の各々に当てはまる。
一般に、例えば、ヒドロカルビル基は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、8個までの炭素原子を有することができる。1〜8個の炭素原子を有するヒドロカルビル基のサブセット内で、具体例としては、C1−4ヒドロカルビル基(例えば、C1−3ヒドロカルビル基またはC1−2ヒドロカルビル基)のようなC1−6ヒドロカルビル基があり、具体例は、C、C、C、C、C、C、CおよびCヒドロカルビル基から選ばれるいずれかの個々の値または値の組合せである。
「飽和ヒドロカルビル」なる語は、単独または「オキシ」のような接尾語と一緒に用いられていても(例えば、「ヒドロカルビルオキシ」のように)、C=CおよびC≡Cなどの多重結合を有しない非芳香族炭化水素基を意味する。
特定のヒドロカルビル基としては、本明細書で定義されるアルキルおよびシクロアルキル基などの飽和ヒドロカルビル基である。
「アルキル」なる語は、直鎖および分岐鎖の両方のアルキル基を含む。アルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチルおよびn−ヘキシルおよびその異性体が挙げられる。1〜8個の炭素原子を有するアルキル基のサブセット内で、具体例としては、C1−4アルキル基(例えば、C1−3アルキル基またはC1−2アルキル基)などのC1−6アルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびシクロヘプタンから得られるものがある。シクロアルキル基のサブセット内で、シクロアルキル基は、3〜8個までの炭素原子を有し、具体例としては、C3−6シクロアルキル基が挙げられる。
アルケニル基の例としては、限定されるものではないが、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、ブテニル、ブタ−1,4−ジエニル、ペンテニルおよびヘキセニルが挙げられる。アルケニル基のサブセット内で、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有し、具体例としては、C2−4アルケニル基などのC2−6アルケニル基が挙げられる。
シクロアルケニル基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。シクロアルケニル基のサブセット内で、シクロアルケニル基は、3〜8個の炭素原子を有し、具体例としては、C3−6シクロアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基の例としては、限定されるものではないが、エチニルおよび2−プロピニル(プロパルギル)基が挙げられる。アルキニル基のサブセット内で、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を有し、具体例としては、C2−4アルキニル基のようなC2−6アルキニル基が挙げられる。
炭素環式アリール基の例としては、置換および非置換フェニル、ナフチル、インダン、およびインデン基が挙げられる。
シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、炭素環式アラルキル、アラルケニルおよびアラルキニル基の例としては、フェネチル、ベンジル、スチリル、フェニルエチニル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルメチルおよびシクロペンテニルメチル基が挙げられる。
ヒドロカルビル基は、存在し、記載されている場合には、ヒドロキシ、オキソ、アルコキシ、カルボキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノならびに3〜12(典型的には3〜10、より一般には5〜10)環員を有する単環もしくは二環炭素環式基およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよい。好ましい置換基としては、フッ素などのハロゲンが挙げられる。従って、例えば、置換ヒドロカルビル基は、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルなどの部分フッ素化または過フッ素化基であり得る。一実施形態では、好ましい置換基としては、3〜7環員を有する単環炭素環式基およびヘテロ環式基が挙げられる。
記載されている場合、ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子が、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)XまたはXC(X)X(またはそのサブグループ)で置き換えられていてもよく、前記XおよびXは、上記で定義した通りである(但しヒドロカルビル基の少なくとも1個の炭素原子は残っている)。例えば、ヒドロカルビル基の1、2、3または4個の炭素原子は、列挙した原子または基のうちの1つで置き換えられていてもよく、置き換わる原子または基は、同一であっても、異なっていてもよい。一般に、置換される直鎖または骨格の炭素原子の数は、それらを置換する基の直鎖または骨格原子の数に相当する。ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子が上記で定義した置換原子または基で置き換えられている基の例としては、エーテルおよびチオエーテル(OまたはSで置換されたC)、アミド、エステル、チオアミドおよびチオエステル(XC(X)またはC(X)Xで置換されたC−C)、スルホンおよびスルホキシド(SOまたはSOで置換されたC)、およびアミン(NRで置換されたC)が挙げられる。別の例としては、尿素、カーボネート、およびカルバメート(XC(X)Xで置換されたC−C−C)が挙げられる。
アミノ基が2個のヒドロカルビル置換基を有する場合、これらは、これらが結合している窒素原子と一緒に、かつ、場合によって窒素、硫黄または酸素などの別のヘテロ原子と一緒に、結合して4〜7環員の環構造を形成してもよい。
本明細書で使用される「アザ−シクロアルキル」なる語は、炭素環員の一つが窒素原子により置換されたシクロアルキル基を意味する。したがって、アザ−シクロアルキル基の例としては、ピペリジンおよびピロリジンが挙げられる。本明細書で使用される「オキサ−シクロアルキル」なる語は、炭素環員の一つが酸素原子により置換されたシクロアルキル基を意味する。したがって、オキサ−シクロアルキル基の例としてはテトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランが挙げられる。同様に、「ジアザ−シクロアルキル」、「ジオキサ−シクロアルキル」、および「アザ−オキサ−シクロアルキル」なる語は、二つの炭素環員が二つの窒素原子、二つの酸素原子、または一つの窒素原子と一つの酸素原子とによりそれぞれ置換されたシクロアルキル基を意味する。
本明細書で使用される定義「R−R」には、炭素環部分またはヘテロ環部分に存在する置換基に関してか、または本明細書で定義される式(I)の化合物上の他の位置に存在する他の置換基に関して、とりわけ、Rが、結合、O、CO、OC(O)、SC(O)、NRC(O)、OC(S)、SC(S)、NRC(S)、OC(NR)、SC(NR)、NRC(NR)、C(O)O、C(O)S、C(O)NR、C(S)O、C(S)S、C(S)NR、C(NR)O、C(NR)S、C(NR)NR、OC(O)O、SC(O)O、NRC(O)O、OC(S)O、SC(S)O、NRC(S)O、OC(NR)O、SC(NR)O、NRC(NR)O、OC(O)S、SC(O)S、NRC(O)S、OC(S)S、SC(S)S、NRC(S)S、OC(NR)S、SC(NR)S、NRC(NR)S、OC(O)NR、SC(O)NR、NRC(O)NR、OC(S)NR、SC(S)NR、NRC(S)NR、OC(NR)NR、SC(NR)NR、NRC(NRNR、S、SO、SO、NR、SONR、およびNRSO、ここでRは上記で定義した通りである、から選ばれる化合物が含まれる。
部分Rは、水素であってもよいし、あるいは3〜12(典型的には3〜10、より一般的には5〜10)環員を有する炭素環式基およびヘテロ環式基、ならびに上記で定義されたように、置換されていてもよいC1−8ヒドロカルビル基から選ばれる基であってもよい。ヒドロカルビル、炭素環式およびヘテロ環式基の例は上記で示した通りである。
がOであり、RがC1−8ヒドロカルビル基である場合、RおよびRは一緒になってヒドロカルビルオキシ基を形成する。好ましいヒドロカルビルオキシ基としては、アルコキシ(例えば、C1−6アルコキシ、より一般的にはエトキシおよびメトキシ、特にメトキシなどのC1−4アルコキシ)、シクロアルコキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどのC3−6シクロアルコキシ)およびシクロアルキルアルコキシ(例えば、シクロプロピルメトキシなどのC3−6シクロアルキル−C1−2アルコキシ)などの飽和ヒドロカルビルオキシが挙げられる。
これらのヒドロカルビルオキシ基は、本明細書で定義した種々の置換基で置換されていてもよい。例えば、アルコキシ基は、ハロゲン(例えば、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシの場合)、ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシエトキシの場合)、C1−2アルコキシ(例えば、メトキシエトキシの場合)、ヒドロキシ−C1−2アルキル(ヒドロキシエトキシエトキシの場合)または環式基(例えば、上記で定義したシクロアルキル基または非芳香族ヘテロ環式基)で置換されていてもよい。置換基として非芳香族ヘテロ環式基を有するアルコキシ基の例は、そのヘテロ環式基がモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、C1−4アルキル−ピペラジン、C3−7−シクロアルキル−ピペラジン、テトラヒドロピランまたはテトラヒドロフランなどの飽和環状アミンであり、そのアルコキシ基がC1−4アルコキシ基、より典型的にはメトキシ、エトキシまたはn−プロポキシなどのC1−3アルコキシ基であるものがある。
アルコキシ基は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンなどの単環式基ならびにN−ベンジル、N−C1−4アシル、およびN−C1−4アルコキシカルボニルなどのそれらのN−置換誘導体により置換されていてもよい。具体例としては、ピロリジノエトキシ、ピペリジノエトキシ、およびピペラジノエトキシが挙げられる。
が結合であり、RがC1−8ヒドロカルビル基である場合、ヒドロカルビル基R−Rの例は上記で定義した通りである。ヒドロカルビル基はシクロアルキルおよびアルキルなどの飽和基であってもよく、このような基の具体例としては、メチル、エチルおよびシクロプロピルが挙げられる。ヒドロカルビル(例えば、アルキル)基は上記で定義した種々の基および原子で置換されていてもよい。置換アルキル基の例としては、フッ素および塩素などの1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基(具体例としては、ブロモエチル、クロロエチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、およびトリフルオロメチルなどのパーフルオロアルキル基が挙げられる)、またはヒドロキシで置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル)、C1−8アシルオキシで置換されたアルキル基(例えば、アセトキシメチルおよびベンジルオキシメチル)、アミノおよびモノ−およびジアルキルアミノで置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチルおよびt−ブチルアミノメチル)、アルコキシで置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチルの場合のメトキシなどのC1−2アルコキシ)、ならびに上記で定義したシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基および非芳香族ヘテロ環式基などの環式基で置換されたアルキル基が挙げられる。
環式基で置換されたアルキル基の具体例としては、その環式基が、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、C1−4−アルキル−ピペラジン、C3−7−シクロアルキル−ピペラジン、テトラヒドロピランまたはテトラヒドロフランなどの飽和環状アミンであり、そのアルキル基がC1−4アルキル基、より典型的にはメチル、エチルまたはn−プロピルなどのC1−3アルキル基であるものがある。環式基で置換されたアルキル基の具体例としては、ピロリジノメチル、ピロリジノプロピル、モルホリノメチル、モルホリノエチル、モルホリノプロピル、ピペリジニルメチル、ピペラジノメチルおよび上記で定義したそのN−置換形態が挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基で置換されたアルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、およびピリジルメチル基が挙げられる。
がSONRであるとき、Rは例えば水素または置換されていてもよいC1−8ヒドロカルビル基、または炭素環式基もしくはヘテロ環式基であってよい。RがSONRである場合のR−Rの例としては、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニルおよびジ−C1−4アルキルアミノスルホニル基、およびピペリジン、モルホリン、ピロリジン、またはN−置換されていてもよいピペラジン(N−メチルピペラジンなど)といった環状アミノ基から形成されたスルホンアミドが挙げられる。
−R基の例としては、RがSOである場合、アルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニルおよびアリールスルホニル基、特に単環式アリールおよびヘテロアリールスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、フェニルスルホニルおよびトルエンスルホニルが挙げられる。
がNRである場合、Rは例えば、水素または置換されていてもよいC1−8ヒドロカルビル基、または炭素環式基またはヘテロ環式基であってよい。RがNRである場合のR−R基の例としては、アミノ、C1−4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ)、ジ−C1−4アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノおよびジエチルアミノ)ならびにシクロアルキルアミノ(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノ)が挙げられる。
上記の一般的な選択肢および定義は、クラスAおよびクラスBの化合物に対して以下のように適用される。
クラスAの化合物に関する適用
クラスAの化合物に関して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、上に記載の一般的な選択肢および定義は、部分T、E、G、Q、Q、J、J、TおよびR〜Rならびにそのいずれの部分定義、サブグループまたは実施形態についても適用される。この点で、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、式(I)に対するいかなる言及もまた、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および式(I)の化合物のいかなる他のサブグループ、またはその実施形態に言及するものと解釈される。
クラスA:E、T、G、Q、Q、J、J、およびR〜R10の具体的実施形態および選択肢

本明細書で定義される式(I)において、Tは窒素または基CRであり、J−JはN=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し得る。したがって、二環式基は、例えば以下の形態をとり得る:
プリン(TはNであり、J−Jは、N=C(R)である)、
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(TはCRであり、J−JはN=C(R)である)、
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(TはNであり、J−Jは(R)C=C(R)である)、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(TはCRであり、J−Jは(R)C=C(R)である)、
5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(TはNであり、J−Jは(RC−C(O)である)、
3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(TはNであり、J−JはN=Nである)、
3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン(TはCRであり、J−JはN=Nである)、
7,9−ジヒドロプリン−8−オン(TはNであり、J−Jは(R)N−C(O)である)、
1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(TはNであり、J−Jは(R)C=Nである)、または
ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(TはCRであり、J−Jは(R)C=Nである)

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくはRは水素である。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。好ましくはRは、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくはRは水素である。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは、Rは水素である。

は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。好ましくは、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくは、Rは水素である。

は、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル(例えば、アルキル)、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれる。一実施形態において、窒素原子に結合する場合、Rは、水素およびC1−5飽和ヒドロカルビル(例えば、アルキル)から選ばれ、より典型的には水素、メチル、およびエチルから選ばれ、好ましくは水素である。他の実施形態においては、炭素原子に結合する場合、Rは、水素、塩素、フッ素、メチル、およびエチルから選ばれ、好ましくは水素である。

は、本明細書で定義されているように、それぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルである。具体的な基Rは、非置換であるか、あるいはアミノ、置換アミノ、カルボン酸、またはスルホン酸基を有するアルキルまたはアルコキシ基のような溶解基により置換された、フェニルおよびベンジル基である。溶解基の具体例としては、アミノ−C1−4アルキル、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、アミノ−C1−4アルコキシ、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ピペリジニル−C1−4アルキル、ピペラジニル−C1−4アルキル、モルホリニル−C1−4アルキル、ピペリジニル−C1−4アルコキシ、ピペラジニル−C1−4アルコキシ、およびモルホリニル−C1−4アルコキシが挙げられる。
およびQ
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい。
は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい(但しヒドロキシ基は存在する場合はG基に対してα位の炭素原子には位置しない)。
一実施形態において、QおよびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよい(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)。
本発明の化合物の1グループにおいて、QおよびQのうち少なくとも一つは結合を表わす。化合物のこの群において、一つのサブグループはQおよびQの両方が結合を表わす化合物からなる。他のサブグループにおいて、QおよびQの一方は結合を表し、他方は1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基を表し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよい。
および/またはQが飽和炭化水素基である場合、炭化水素基は典型的には(CH(nは1、2、または3である)などのアルキレン基であり、一つの具体例はCHである。アルキレン基Qにおける炭素原子の一つは、例えば、酸素原子により場合により置き換えられていてもよく、このような基の例はCH−O−CHである。
前記リンカー基QおよびQの炭素原子は、オキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい(但しヒドロキシ基は存在する場合はNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)。典型的には、ヒドロキシ基が存在する場合、Gが水素でない場合は、ヒドロキシ基はGに対してβ位に位置する。一般的に、1個以下のヒドロキシ基が存在する。フッ素原子が存在する場合は、例えば、フッ素原子はジフルオロメチレンまたはトリフルオロメチル基に存在する。
化合物の1サブグループにおいて、Qは、1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である。一つの好ましい実施形態では、Rは水素である。他の実施形態において、RはC1−4アルキルまたはシクロプロピル、好ましくはメチルである。別の実施形態では、RはRとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である。
CONRまたはNRCOを含有するリンカー基Qの例は、カルボニル基がEに結合した、基CHNHCOまたはCHN(Me)COである。
CONRまたはNRCOを含有するリンカー基Qの例は、RがQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である場合、下記式で表わされる基である。
Figure 2009536620
式中、は部分Eとの結合地点を表し、q″は0、1、または2であり、Rとの結合地点は文字「c」により示されている。
CONRまたはNRCOを含有するリンカー基Qの例は、RがRと結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖である場合、下記式で表わされる基である。
Figure 2009536620
式中、qは前記と同義であり、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。この種の部分R−Qの具体例としては、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イルカルボニルが挙げられる。
当然のことながら、オキソ基がNR基に隣接する炭素原子に存在している場合、式(I)の化合物はアミドとなる。
本発明の一実施形態において、フッ素原子はリンカー基Qおよび/またはQに存在しない。
本発明の他の実施形態において、ヒドロキシ基はリンカー基Qおよび/またはQに存在しない。
別の実施形態では、オキソ基はリンカー基Qおよび/またはQに存在しない。
本明細書で定義される式(I)の化合物の1グループにおいて、ヒドロキシ基もフッ素原子もリンカー基Qおよび/またはQに存在しない、例えば、リンカー基Qおよび/またはQは非置換である。
本発明の化合物の他のグループにおいて、リンカー基Qが存在する場合、NR基に結合する炭素原子において分岐構造を有し得る。例えば、NR基に結合する炭素原子は一対のgem−ジメチル基と結合し得る。
およびQは基Eの同一原子に、または異なる原子に結合してもよい。一実施形態において、QおよびQは基Eの同一原子(例えば、炭素原子)に結合する。

部分Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれる(但しEがアリールまたはヘテロアリールであり、Qが結合である場合、Gは水素である)。したがって、本明細書で定義される式(I)の化合物において、アミノ基NRあるいはSHまたはOH基は、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合、Eへは直接結合されない。
一実施形態において、Gは水素である。
好ましくは、RおよびGの少なくとも一つは水素以外である。
他の実施形態において、GはNR、OH、およびSHから選ばれる。この実施形態では、化合物の一つの特定のサブグループは、GがNRであるグループである。
GがNRである化合物のサブグループにおいて、RおよびRは独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1以上の置換基によって場合により置換されている。
化合物の1グループにおいて、RおよびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている。
化合物のこのグループにおいて、RおよびRが独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれる化合物があり、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、それぞれ単環式もしくは二環式アリール基または単環式もしくは二環式ヘテロアリール基により場合により置換されている。
また化合物のこのグループにおいて、RおよびRが独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれる、本発明の化合物のサブグループもある。
化合物の前記グループおよびサブグループのそれぞれにおいて、NRの一部を形成しているヒドロカルビル基は典型的にはアルキル基、より一般的にはC、C、またはCアルキル基、例えば、メチル基である。
化合物の特定のサブグループにおいて、RおよびRは独立して水素およびメチルから選ばれ、したがって、NRは、アミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基になり得る。
一実施形態において、NRはアミノ基である。他の特定の実施形態において、NRはメチルアミノ基である。
化合物の他のグループにおいて、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する。
化合物の他のグループにおいて、NRとそれが結合するリンカー基Qの炭素原子は、シアノ基を形成する。
化合物の別のグループにおいて、NRは上記で定義したものと同義であるが、NRとそれが結合するリンカー基Qの炭素原子は、シアノ基を形成しなくてもよい。
飽和単環式環はアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、またはアゼパン環などのアザシクロアルキル基でもよく、このような環は典型的には非置換である。また、飽和単環式環はOおよびNから選ばれる追加のヘテロ原子を含有してもよく、このような基の例としてはモルホリンおよびピペラジンが挙げられる。追加のN原子が環に存在している場合、これはNH基あるいはN−メチル、N−エチル、N−プロピル、またはN−イソプロピル基などのN−C1−4アルキル基の一部を形成し得る。
化合物の別のグループにおいて、RおよびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する。

基Rは、水素またはヘテロアリール基であり、前記アリールまたはヘテロアリール基は一般的な選択肢および定義と題された部分で開示したこのような基のリストから選択され得る。
化合物の1つのサブグループにおいて、Rは水素である。
化合物の他のサブグループにおいて、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。
がアリールまたはヘテロアリールである場合、それは単環式でも二環式でもよく、一つの特定の実施形態では単環式である。単環式アリールおよび単環式ヘテロアリール基の具体例としては、2個までの窒素環員を含有する6員アリールおよびヘテロアリール基と、O、S、およびNから選ばれる3個までのヘテロ原子環員を含有する5員ヘテロアリール基である。
このような基の例としてフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジンがあり、フェニルが現在のところ好ましい。
アリールまたはヘテロアリール基Rは非置換であるか、または5個までの置換基により置換され、置換基の例としては、前記基R10、R10a、R10b、およびR10cのいずれかに記載されたものである。
一実施形態において、アリールまたはヘテロアリール基Rは非置換である。
他の実施形態において、アリールまたはヘテロアリール基Rは前記基R10、R10a、R10b、およびR10cのいずれかに記載されたものから選ばれる1個以上の置換基により置換される。
前記アリールまたはヘテロアリール基Rに関する置換基の一つの特定のグループは、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれが1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、または場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されているフェニル;場合により置換されているピリジル;および場合により置換されているフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基である)からなる。
前記アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール基Rに関する置換基の他の特定の基としては、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);フェニル;ピリジル;およびフェノキシ(前記フェニル、ピリジルおよびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によってそれぞれが場合により置換されている)からなる。
5個までの置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4の置換基、好ましくは0、1、2、または3、より好ましくは0、1、または2個存在している。
一実施形態において、Rは非置換である(例えば、非置換フェニル基である)か、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;ベンジルオキシ;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている(例えば、置換フェニル基である)。
他の実施形態において、基Rは非置換である(例えば、非置換フェニル基である)か、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている(例えば、置換フェニル基である)。
他の実施形態において、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有し得る。
別の実施形態では、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、t−ブチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有しうる。
例えば、Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有し得る。
がフェニル基である場合、置換基の組合せの具体例としては、モノクロロフェニルおよびジクロロフェニルである。別の例としては、ベンジルオキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、t−ブチルフェニル、メトキシフェニル、フルオロクロロフェニル、ジフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフェニルがあげられる。
化合物の1サブグループにおいて、基Rはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に有するフェニル基である。
化合物の他のサブグループにおいて、基Rはt−ブチル置換基をパラ位に有するフェニル基である。
化合物の他のサブグループにおいて、基Rはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる置換基をオルト位に有するフェニル基であり、場合によりメタ位またはパラ位において基Rから選ばれる第2の置換基はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に有するフェニル基である。
が6員アリールまたはヘテロアリール基である場合、置換基は有利には6員環においてパラ位に存在しうる。置換基がパラ位に存在する場合、それは好ましくはフッ素原子より大きさが大きい。
基Rの具体例が下記表1において示され、Q(またはQが結合である場合はE)との結合地点が星印により示されている。
Figure 2009536620
Figure 2009536620
好ましい基Rの一組としては、表1の基A2、A4、およびA5が挙げられる。
好ましい基の他の組としては、基A2、A4、A5、A10、A11、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、およびA19が挙げられる。

式(I)において、Eは5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有している。
炭素環式またはヘテロ環式基Eは芳香族でもまたは非芳香族でもよい。
一実施形態において、炭素環式またはヘテロ環式基Eは非芳香族である。
他の実施形態において、炭素環式またはヘテロ環式基Eは芳香族である。
Eが芳香族基、すなわちアリールまたはヘテロアリール基である場合、前記基は前記の一般的な選択肢および定義の部分で示されたこのような基の例から選ばれる。
具体的な芳香環式基Eは、6員芳香またはヘテロ芳香環、例えばフェニル、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、またはピリミジン環、より具体的にはフェニル、ピリジン、ピラジン、またはピリミジン環、より好ましくはピリジンまたはフェニル環を含有するアリールおよびヘテロアリール基である。
非芳香族単環式の例は、前記の一般的な選択肢および定義の項において示されている通りである。
基の具体例には、シクロヘキサンおよびシクロペンタンなどのシクロアルカンならびに、ピペリジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、およびピペラゾンなどの含窒素環がある。
一つの具体的な非芳香族単環式基はピペリジン基、より具体的にはピペリジン環の窒素原子が二環式基へ結合したピペリジン基である。
部分QおよびQは、基Eにおいて同一炭素原子に結合するか、またはそれらは別々の原子に結合する。基Eが芳香族である場合、QおよびQは基Eで同一炭素原子に結合できないが、例えば、隣接する炭素原子へは結合してよいことは明らかである。
一実施形態において、Eは非芳香族であり、QおよびQが基Eにおいて同一炭素原子に結合する。
他の実施形態において、QおよびQが基Eにおいて異なる原子に結合する。
基Qおよび二環式基は、メタまたはパラ相対配向で基Eに結合することが好ましい、すなわちQと二環式基とは、基Eの隣接環員に結合されない。このような基Eの例としては、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,5−ピリジレン、2,4−ピリジレン、1,4−ピペリジニル、1,4−ピペリンドニル、1,4−ピペラジニル、および1,4−ピペラゾニルが挙げられる。
基Eは非置換であるか、前記のような基R10から選ばれる4個までの置換基R11を有している。しかし、より典型的には、置換基R11はヒドロキシ、オキソ(Eが非芳香族である場合)、ハロゲン(例えば、塩素および臭素)、トリフルオロメチル、シアノ、C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ、およびC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
典型的には、0〜3個の置換基、より一般的には0〜2個の置換基、例えば、0または1個の置換基が存在する。一実施形態において、基Eは非置換である。
本発明の使用のための化合物の一つの具体的なグループにおいて、Eは下記基である。
Figure 2009536620
式中、Gは、C、CH、CH、N、およびNHから選ばれ、Gは、NおよびCHから選ばれる。
基Eの具体例が、基QおよびQ)ならびに二環式基()への結合点とあわせて、下記表2に示される。
Figure 2009536620
一つの好ましい基Eは、基B9である。
クラスA:式(I)の具体的および好ましいサブグループ
式(I)の化合物の一つのサブグループは下記式(II)で表される。
Figure 2009536620
式中、R、R、Q、Q、T、J、J、およびGは、式(I)とそのサブグループ、例、および選択肢に関して、本明細書で定義されている通りである。式(II)において、具体的な化合物は、Qが結合またはC1−2アルキレン基であり、Qが結合またはメチレン基である。好ましくは、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。
式(II)において、化合物の一つのサブグループは、下記式(IIa)の化合物あるいは、その塩、溶媒和物、互変異性体またはN−オキシドである。
Figure 2009536620
式中、Rは、アリールまたはヘテロアリール基であり、
Gは、NR、OH、およびSHから選ばれ、
、Q、Q、T、J、およびJは、上記で定義したものと同義である。
式(II)および(IIa)において、好ましくは、GはNRであり、より好ましくは、GはNHまたはNHMeである。
式(II)および(IIa)とその実施形態において、基Rは好ましくは場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基、典型的には5または6環員の単環式アリールまたはヘテロアリール基である。具体的なアリールおよびヘテロアリール基は、それぞれ場合により置換された、フェニル、ピリジル、フラニル、およびチエニル基である。場合により置換されたフェニル基が特に好ましい。
一方、基Rは、例えば、場合により置換されたナフチル基、例えば、場合により置換された1−ナフチル基である。このような基の一具体例は、非置換1−ナフチルである。
前記アリールまたはヘテロアリール基R(例えば、フェニル、ピリジル、フラニル、またはチエニル基)は非置換であるか、または5個までの置換基により置換されていてもよく、置換基の例としては基R10、R10a、R10b、およびR10cに関して前記されたものである。
前記式(II)または(IIa)の化合物の具体的なサブグループは、Rが非置換フェニルであるか、より好ましくは、1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルであり、該置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基(前記C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基は1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、または場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合によりそれぞれ置換されている);C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されたフェニル;場合により置換されたピリジル;および場合により置換されたフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、C1−2ヒドロカルビルオキシ、およびC1−2ヒドロカルビル基、前記C1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビル基は、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されている、から選ばれる1、2、または3個の置換基である)である、からなる。
式(II)または(IIa)で表される化合物のより具体的なサブグループは、Rが非置換フェニルであるか、あるいはより好ましくは、1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルであり、前記置換基が、ヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキル基(C1−4アルコキシおよびC1−4アルキル基は1個以上のフッ素原子によってまたはC1−2アルコキシ、ヒドロキシまたは場合により置換されたフェニルによって場合によりそれぞれ置換されている)、C1−4アシルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、ピペラジノカルボニル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたピリジル、および場合により置換されたフェノキシ(場合により置換された前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によって場合によりそれぞれ置換されている)からなる。
5個までの置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4個の置換基、好ましくは0、1、2、または3個、より好ましくは0、1、または2個が存在している。
式(II)および(IIa)のそれぞれの一実施形態において、Rは非置換フェニル基であるか、ヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、シアノ、それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから独立して選ばれる1または2個の置換基により置換されたフェニル基である。
より好ましくは、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、およびベンジルオキシから独立して選ばれる1または2個の置換基を有する置換フェニル基である。
式(II)および(IIa)のそれぞれに表される化合物の1サブグループにおいて、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチルおよびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に、そして場合によりフッ素、塩素、またはメチルから選ばれる第2の置換基をオルト位またはメタ位に有するフェニル基である。このサブグループにおいて、フェニル基は一置換であってもよい。あるいは、フェニル基は二置換であってもよい。
式(II)および(IIa)のそれぞれの化合物の具体的なサブグループにおいて、基Rはパラ位にt−ブチル置換基を有する一置換フェニル基である。
式(II)および(IIa)のそれぞれの化合物の他の具体的なサブグループにおいて、基Rはパラ位に塩素置換基を有する一置換フェニル基である。
式(II)および(IIa)のそれぞれの化合物の別のサブグループにおいて、Rはジクロロフェニル基であり、その具体例はとしては、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、および2,3−ジクロロフェニルである。
式(II)および(IIa)とその前記実施形態、サブグループ、および例のそれぞれにおいて:
Tは、好ましくはNであり、かつ/または
は、水素であり、かつ/または
−Jは、N=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、(Et)NC(O)、およびHC=CHから選ばれる基を表し、かつ/または
は、結合またはC1−2アルキレン基であり、Qは、結合またはメチレン基であり、かつ/または
Gは、NRであり、より好ましくは、GはNHまたはNHMeである。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(III)で表される。
Figure 2009536620
式中、R、R、R、T、J、およびJは、式(I)とそのサブグループ、例、および選択肢に関して、本明細書で定義されている通りである。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(IV)で表される。
Figure 2009536620
式中、mは0、1、または2であり、m′は0または1であり(但しmおよびm′の合計は0〜2の範囲内である)、nは0または1であり、pは0、1、2、または3であり、RおよびRは同一または異なって、それぞれ水素、メチル、およびフッ素から選ばれ、R12はCNまたはNRであり、各R13は独立してR10、R10a、R10b、およびR10cから選ばれ、ここでJ、J、T、R、R、R、R10、R10a、R10b、およびR10cは上記で定義したものと同義である。
式(IV)において、mは好ましくは0または1である。m′が0である場合、より好ましくはmは1である。m′が1である場合、好ましくはmは0である。
化合物の1グループにおいては、nは0である。化合物の他のグループにおいては、nは1である。
好ましくはpは0、1、または2であり、R13はヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、シアノ、それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
より好ましくは、R13はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、およびベンジルオキシから選ばれる。
例えば、フェニル基は、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチル、およびメトキシから選ばれる置換基R13をパラ位に、および場合によりフッ素、塩素、またはメチルから選択される第2の置換基をオルト位またはメタ位に有してもよい。このサブグループでは、フェニル基は一置換であり得る。一方、フェニル基は二置換であってもよい。
化合物の他のサブグループにおいて、pは1であり、置換基R13はパラ位のt−ブチル置換基である。
化合物の他のサブグループにおいて、pは1であり、置換基R13はパラ位の塩素置換基である。
化合物の他のサブグループにおいて、pは2であり、フェニル基はジクロロフェニル基であり、その具体例としては2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、および2,3−ジクロロフェニルである。
式(IV)の化合物の他のサブグループにおいて、R12はNRであり、より好ましくはR12は、NH、NHMe、およびNMeから選ばれ、NHが特に好ましい。
式(IV)の化合物の一つの具体的なサブグループは下記式(V)によって表わされる。
Figure 2009536620
式中、J、J、R、R、R、p、およびR10cは上記と同義であり、Rは水素またはメチルである。一実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rはメチルである。好ましくは、pは0、1、または2であり、各置換基R10c(pが1または2である場合)は、R13ならびにその実施形態、サブグループ、および例に関して前記された置換基から選ばれる。
式(IV)および(V)において、RおよびRは両方とも水素でもよい。
一方、RおよびRは両方ともメチルでもよく、または両方ともフッ素でもよく、またはRおよびRのうち一方が水素で、他方がメチルまたはフッ素でもよい。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(VI)により表わされる。
Figure 2009536620
式中、Rは水素またはメチルであり、R10c、R、R、J、およびJは前記において定義したものと同義である。
好ましくは、pは0、1、または2であり、各置換基R10c(pが1または2である場合)は、R13ならびにその実施形態、サブグループ、および例に関して前記された置換基から選ばれる。
化合物の1グループにおいて、Rは水素である。化合物の他のグループにおいて、Rはメチルである。
一実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rはメチルである。
式(V)および(VI)の化合物は、PKAよりもPKBの阻害剤として選択性を示す。式(V)および(VI)の具体的な化合物は、Rが水素のものである。
式(V)および(VI)において、部分J−Jは、好ましくはN=CH、CH=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、および(Et)NC(O)、より好ましくはN=CHおよびCH=CHから選ばれる。
式(V)および(VI)の化合物の一つの特に好ましいグループにおいて、部分J−JはCH=CHである。
式(V)および(VI)のそれぞれにおいて、好ましい置換基R10cの1グループは塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、t−ブチル、シアノ、およびベンジルオキシからなる。
式(V)および(VI)のそれぞれにおいて、好ましい置換基R10cの別のグループは塩素、フッ素、メチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびベンジルオキシからなる。
式(V)および(VI)において、pは好ましくは1または2である。
一実施形態において、pは1である。
他の実施形態において、pは2である。
pが1である場合、フェニル環は2−置換、3−置換、または4−置換であってもよい。
pが1であるグループの具体例としては、前記表1におけるグループA2、A3、A5、A6、A8、A9、A10、A11、A12、A15、A18、およびA19である。より好ましいグループは、表1におけるグループA2、A5、A10、A11、A15、A18、およびA19である。
pが2である場合、フェニル環は、例えば、2,3−二置換、2,4−二置換、または2,5−二置換であってもよい。
pが2であるグループの具体例としては、表1におけるグループA4、A7、A13、A14、A16、A17、およびA20である。
本発明の化合物の他のサブグループは下記式(VII)で表わされる。
Figure 2009536620
式中、Arは、O、N、およびSから選ばれる2個までのヘテロ原子環員を有し、フッ素、塩素、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基によって場合により置換された、5または6員単環式アリールまたはヘテロアリール基であり、R10dはフッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、およびメトキシから選ばれる置換基であり、rは0、1、または2(より典型的には0または1)であり、T、Q、Q、NR、R、およびJ−Jは上記で定義したものと同義である。
式(VII)において、具体的な5または6員単環式アリールまたはヘテロアリール基Arは、フェニル、ピリジル、フリル、およびチエニルから選ばれ、それぞれ場合により本明細書で定義されているように置換される。一つの具体的な単環式アリール基は、場合により置換されたフェニルであり、非置換フェニルが具体的な例である。
式(VII)において、好ましい化合物は、NRが、NH、NHMe、およびNMeから選ばれ(NHが特に好ましい)、かつ/またはRが水素またはメチル(より好ましくは水素)であり、かつ/またはTがCHまたはNであり、かつ/またはQがCHおよびCHNHCO(前記カルボニル基は、ピペリジン環に結合)から選ばれ、かつ/またはQがCHおよび結合から選ばれ(より好ましくは結合)、かつ/またはJ−Jが、CH=NおよびCH=CHから選ばれる化合物である。
誤解を避けるため記述すると、R基の一般的なおよび特定の好ましい選択肢、実施形態および例のそれぞれは、基Rおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはR10および/またはR11ならびにJ−Jおよび/またはTおよび/またはQおよび/またはQの一般的なおよび特定の好ましい選択肢、実施形態および例と組み合わされてもよく、このような組合せはすべて本明細書に包含されると理解すべきである。
本明細書で定義される式(I)の化合物を構成する様々な官能基および置換基は、典型的には本明細書で定義される式(I)の化合物の分子量が1000を超えないように選択される。より通常は、化合物の分子量は750未満、例えば700未満、650未満、600未満、または550未満である。より好ましくは、分子量は525未満、例えば、500以下である。
本発明の具体的な化合物は、下記実施例において示されている通りであり、以下のものが含まれる。
メチル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン、
ベンジル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン、
1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(ピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
(3S)−6−(3−ベンジルオキシメチルピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−フェネチルアミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−(2−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−(3−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−ベンジル−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−ベンジル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−エチル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル、
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
1−(5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]メチル−アミン、
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]イソプロピルアミン、
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3−トリフルオロメトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,6−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(2−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,5−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,3−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメチルベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−フルオロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメトキシベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−クロロベンジル)メチルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−t−ブチルベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2,4−ジクロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3,4−ジクロロベンジルアミド、および
4−(4−クロロベンジルオキシメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)メタノン、
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(2−フェニルピロリジン−1−イル)メタノン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
N−[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]−4−クロロベンズアミド、
4−ビフェニル−4−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−ビフェニル−2−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−ナフタレン−1−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロ−2−フルオロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(ビフェニル−3−イルメチル)アミド、
4−ビフェニル−3−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、および
4−(6−クロロビフェニル−3−イルメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、ならびに
それらの塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド。
クラスBの化合物に関する適用
クラスBの化合物に関して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、次の一般的な選択肢および定義が、部分A、E、J、J、TおよびR〜Rならびにそのいずれの部分定義、サブグループまたは実施形態についても適用されることになる。この点で、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、式(I)に対するいかなる言及もまた、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)および式(I)の化合物のいかなる他のサブグループ、またはその実施形態に言及するものと解釈される。
クラスB:A、E、T、J、J、およびR〜R10の具体的実施形態および選択肢
本明細書で定義される式(I)において、Tは窒素または基CRであり、J−JはN=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し得る。したがって、二環式基は、例えば以下の形態をとり得る:
プリン(TはNであり、J−Jは、N=C(R)である)、
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(TはCRであり、J−JはN=C(R)である)、
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(TはNであり、J−Jは(R)C=C(R)である)、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(TはCRであり、J−Jは(R)C=C(R)である)、
5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(TはNであり、J−Jは(RC−C(O)である)、
3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(TはNであり、J−JはN=Nである)、
3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン(TはCRであり、J−JはN=Nである)、
7,9−ジヒドロプリン−8−オン(TはNであり、J−Jは(R)N−C(O)である)、
1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(TはNであり、J−Jは(R)C=Nである)、または
ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(TはCRであり、J−Jは(R)C=Nである)。
は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。典型的には、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。より典型的には、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくはRは水素である。
は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。典型的には、Rは、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。好ましくはRは、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくはRは水素である。
は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。典型的には、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。より典型的には、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは、Rは水素である。
は、水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシにより場合により置換されているC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれる。より典型的には、Rは、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。好ましくは、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくは、Rは水素である。
は、水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれる。典型的には、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。より典型的には、Rは水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは、Rは水素である。
は、本明細書で定義されているように、それぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルである。具体的な基Rは、非置換であるか、あるいはアミノ、置換アミノ、カルボン酸、またはスルホン酸基を有するアルキルまたはアルコキシ基のような溶解基により置換された、フェニルおよびベンジル基である。溶解基の具体例としては、アミノ−C1−4アルキル、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、アミノ−C1−4アルコキシ、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ピペリジニル−C1−4アルキル、ピペラジニル−C1−4アルキル、モルホリニル−C1−4アルキル、ピペリジニル−C1−4アルコキシ、ピペラジニル−C1−4アルコキシ、およびモルホリニル−C1−4アルコキシが挙げられる。
Aは、1〜7個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有する。これらの制約内において、部分EおよびRはそれぞれ基A上のいかなる位置と結合してもよい。
本明細書で用いられる「最大鎖長」という用語は、問題の2部分間に直接的に存在する原子の数に関し、鎖中の分岐または存在しうる水素原子は考慮しない。例えば、下記構造A:
Figure 2009536620
において、RとNRとの鎖長は3原子であり、一方EとNRとの鎖長は2原子である。
一般的に、リンカー基はRとNRとの間に延びる3原子(より好ましくは1または2原子、最も好ましくは2原子)の最大鎖長を有していることが、現在好ましい。
リンカー基は、EとNRとの間に延びる4原子、より典型的には3原子の最大鎖長を有することが好ましい。
化合物の一つの特に好ましいグループにおいて、リンカー基はRとNRとの間に延びる1、2、または3原子の鎖長、およびEとNRとの間に延びる1、2、または3原子の鎖長を有する。
リンカー基の炭素原子の一つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよい。存在する場合、酸素原子または窒素原子は好ましくは基Eへ直接結合する。
窒素原子または酸素原子が存在する場合、窒素原子または酸素原子とNR基とは、少なくとも二つの炭素原子を解して離れていることが好ましい。
本明細書で定義される式(I)に属する化合物の一つの具体的なグループにおいて、基Eへ直接結合するリンカー原子は炭素原子であり、リンカー基Aは全炭素骨格を有する。
リンカー基Aの炭素原子は、オキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよい、但しヒドロキシ基はNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基はNR基に対してα位の炭素原子に位置する。典型的には、ヒドロキシ基が存在する場合、ヒドロキシ基はNR基に対してβ位に位置する。一般的に、1個以下のヒドロキシ基が存在する。フッ素原子が存在する場合は、例えば、フッ素原子はジフルオロメチレンまたはトリフルオロメチル基に存在する。
当然のことながら、オキソ基がNR基に隣接する炭素原子に存在している場合、式(I)の化合物はアミドとなる。
本発明の一実施形態において、フッ素原子はリンカー基Aに存在しない。
本発明の他の実施形態において、ヒドロキシ基はリンカー基Aに存在しない。
別の実施形態では、オキソ基はリンカー基Aに存在しない。
式(I)の化合物の1グループにおいて、ヒドロキシ基もフッ素原子もリンカー基Aに存在しない、例えば、リンカー基Aは非置換である。
好ましくは、リンカー基Aの炭素原子が窒素原子で置き換えられている場合、基Aは1個を超えるヒドロキシ置換基を有さず、より好ましくはヒドロキシ置換基を有しない。
本発明の化合物の他のグループにおいて、リンカー基AはNR基に結合する炭素原子において分岐構造を有し得る。例えば、NR基に結合する炭素原子は一対のgem−ジメチル基と結合し得る。
本明細書で定義される式(I)の化合物の一つの具体的なグループにおいて、化合物の部分R−A−NRは式R−(G)−(CH−X−(CH−(CR−NRで表わされ、ここでGはNH、NMe、またはOであり、Xは基Eに結合し、(CH−CH、(CH−N、O−CHおよび(NH)−CHから選ばれ、jは0または1、kは0または1、mは0または1、nは0、1、2、または3、およびpは0または1であり、j、k、m、n、およびpの合計は4を超えない、RおよびRは同一または異なってメチルおよびエチルから選ばれるか、あるいはCRはシクロプロピル基を形成する。
一つの具体的な基CRはC(CHである。
好ましくは、Xは(CH−CHである。
具体的な構造は、
kが0、mが0または1、nが0、1、2、または3、およびpが0であり、
kが0、mが0または1、nが0、1、または2、およびpが1であり、
Xが(CH−CH、kが1、mが0、nが0、1、2、または3、およびpが0であり、また
Xが(CH−CH、kが1、mが0、nが0、1、または2、およびpが1である。
他の実施形態において、化合物の部分R−A−NRは式R−(CH−X′−(CH−NRにより表わされ、ここでxは0、1、または2、yは0、1、または2であり(但しxおよびyの合計は4を超えない)、X′は基Eに結合し、X′は基C(R)であり、ここで(i)Rは水素であるか、(ii)RはRと一緒になって、部分X′−(CH−NRが4〜7員飽和へテロ環式基を形成するように、3個までの炭素原子の長さのアルキレン結合鎖を構成する。
化合物の1グループにおいて、RおよびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている。
化合物のこのグループにおいて、RおよびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれる。典型的には、ヒドロカルビル基はアルキル基、より一般的にはC、C、またはCアルキル基、例えば、メチル基である。化合物の具体的サブグループにおいて、RおよびRは、独立して水素およびメチルから選ばれ、したがってNRはアミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基であり得る。一実施形態では、NRはアミノ基である。他の具体的実施形態では、NRはメチルアミノ基である。
化合物の他のグループにおいて、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選択される環式基を形成する。
化合物のこのグループには、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成しているサブグループがある。
NRが飽和単環式基を形成している場合、これは本明細書で定義される基R10から選ばれる1個以上の独立する置換基により置換されていてもよい。より具体的には、単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基により置換されてもよい。また、単環ヘテロ環式基は非置換でもよい。
飽和単環式環はアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、またはアゼパン環などのアザシクロアルキル基でもよく、このような環は典型的には非置換である。
また、飽和単環式環はOおよびNから選ばれる追加のヘテロ原子を含有してもよく、このような基の例としてはモルホリンおよびピペラジンが挙げられる。追加のN原子が環に存在している場合、これはNH基あるいはN−メチル、N−エチル、N−プロピル、またはN−イソプロピル基などのN−C1−4アルキル基の一部を形成し得る。
化合物の別のグループにおいて、RおよびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する。
このような化合物の例としては、NRおよびAが下記式で表される単位を形成する化合物が挙げられる:
Figure 2009536620
式中、tおよびuはそれぞれ0、1、2、または3である(但しtおよびuの合計は2〜4の範囲内である)。
このような化合物の別の例としては、NRおよびAが下記式で表される基を形成する化合物が挙げられる:
Figure 2009536620
式中、vおよびwはそれぞれ0、1、2、または3である(但しvおよびwの合計は2〜5の範囲内である)。このような化合物の具体例としては、vおよびwが両方とも2であるものである。
リンカー基Aの具体例を、基R、E、およびNRへの結合地点と共に、下記表1に示す。
表1
Figure 2009536620
現在好ましい基としては、A1、A2、A3、A10、およびA11が挙げられる。特に好ましい基としては、A1およびA11が挙げられる。
式(I)において、Eは単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、前記XはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、その炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられている。
Eが単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基である場合、それは前記の一般的な選択肢および定義の部分で示された基から選ばれる。
具体的な環式基Eは単環式、二環式アリール、およびヘテロアリール基、特に6員芳香またはヘテロ芳香環、例えば、フェニル、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、またはピリミジン環、より具体的にはフェニル、ピリジン、ピラジン、またはピリミジン環、より好ましくはピリジンまたはフェニル環、を含有した基である。
二環式基の例としては、基Aとピラゾール環とが、ベンゾ−またはピリド−部分に結合したベンゾ縮合およびピリド縮合基が挙げられる。
一実施形態では、Eは単環式基である。
単環式基の具体例としては、フェニル、チオフェン、フラン、ピリミジン、ピラジン、およびピリジンなどの単環式アリールおよびヘテロアリール基が挙げられ、フェニルが現在好ましい。
非芳香族単環式基の例としては、シクロヘキサンおよびシクロペンタンなどのシクロアルカンならびに、ピペリジン、ピペラジン、およびピペラゾンなどの含窒素環が挙げられる。
一つの具体的な非芳香族単環式基はピペリジン基であり、より具体的にはピペリジン環の窒素原子が二環式基へ結合したピペリジン基である。
化合物の一つの具体的なサブグループにおいて、Eはフェニルおよびピペリジン基から選ばれる。
基Aと二環式基とは、メタまたはパラ相対配向で基Eに結合することが好ましい、すなわち、Aと二環式基とは基Eの隣接環員に結合されない。このような基Eの例としては、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,5−ピリジレン、2,4−ピリジレン、1,4−ピペリジニル、1,4−ピペリンドニル、1,4−ピペラジニル、および1,4−ピペラゾニルが挙げられる。
基Eは非置換であるか、上記に定義したような基R10から選ばれ得る4個までの置換基R11を有してもよい。しかしながら、より典型的には、置換基R11はヒドロキシ;CHCN、オキソ(Eが非芳香族である場合);ハロゲン(例えば、塩素および臭素);トリフルオロメチル;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ;およびC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルから選ばれる。
典型的には、0〜3個の置換基、より一般的には0〜2個の置換基、例えば0個または1個の置換基が存在している。一実施形態では、基Eは非置換である。
基Eは、5または6員を有し、O、N、およびSから選ばれる3個以下のヘテロ原子を含有するアリールまたはヘテロアリール基であってもよく、基Eは下記式で表わされる:
Figure 2009536620
式中、は二環式基との結合地点を表し、「a」は基Aとの結合を表し、
rは、0、1、または2であり、
Uは、NおよびCR12aから選ばれ、
Vは、NおよびCR12bから選ばれ、R12aおよびR12bは同一または異なって、それぞれが水素、またはC、N、O、F、Cl、およびSから選ばれる10個以下の原子を含有する置換基である(但しR12aおよびR12bに存在する非水素原子の総数はR12aおよびR12bを合わせて10を超えない)、または、
12aおよびR12bは、それらが結合する炭素原子と共に、OおよびNから選ばれる2個までのヘテロ原子を含有する非置換5または6員飽和または不飽和環を形成し、および
10は、上記で定義したものと同義である。
化合物の一つの具体的なグループにおいて、Eは下記基である:
Figure 2009536620
式中、はピラゾール基との結合地点を表し、「a」は基Aとの結合を表し、
P、Q、およびMは同一または異なって、N、CH、およびNCR10から選ばれる(但し基Aは炭素原子に結合し、U、V、およびR10は上記で定義したものと同義である)。
12aおよびR12bの例としては、水素と、10個以下の非水素原子を有する上記で定義したような置換基R10が挙げられる。R12aおよびR12bの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、フッ素、塩素、メトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエチル、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、CONH、COEt、COH、アセトアミド、アゼチジニル、ピロリジノ、ピペリジン、ピペラジノ、モルホリノ、メチルスルホニル、アミノスルホニル、メシルアミノ、およびトリフルオロアセトアミドが挙げられる。
UがCR12aかつ/またはVがCR12bである場合、炭素原子環員Cに直接結合するR12aおよびR12bにおける原子または基は、好ましくはH、O(例えば、メトキシの場合)、NH(例えば、アミノおよびメチルアミノの場合)、およびCH(例えば、メチルおよびエチルの場合)から選ばれる。
本発明の使用のための化合物の他の具体的なグループにおいて、Eは下記基である:
Figure 2009536620
式中、XはNまたはCHである。
基Eは非環式基X−Gであってもよく、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、その炭素原子の一つO、S、またはNHによって場合により置き換えられている。
非環式基X−Gの例としては、NHCHCH、NHCHCHCH、NHCHCHCHCH、OCHCH、OCHCHCH、OCHCHCHCH、SCHCH、SCHCHCH、およびSCHCHCHCHが挙げられる。具体的な非環式基X−Gは、NHCHCHおよびNHCHCHCHである。
リンカー基Eの具体例を、基A()と二環式基()への結合地点と共に、下記表2に示す。
Figure 2009536620
表中、置換基R13はメチル、塩素、フッ素、およびトリフルオロメチルから選ばれる。
基Rは、水素あるいはアリールまたはヘテロアリール基であり、前記アリールまたはヘテロアリール基は一般的な選択肢および定義と題された部分で開示したこのような基のリストから選択され得る。
化合物の1つのサブグループにおいて、Rは水素である。
化合物の他のサブグループにおいて、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。
がアリールまたはヘテロアリールである場合、それは単環式でも二環式でもよく、一つの特定の実施形態では単環式である。単環式アリールおよび単環式ヘテロアリール基の具体例としては、2個までの窒素環員を含有する6員アリールおよびヘテロアリール基と、O、S、およびNから選ばれる3個までのヘテロ原子環員を含有する5員ヘテロアリール基である。
このような基の例としてフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジンがあり、フェニルが現在のところ好ましい。
アリールまたはヘテロアリール基Rは非置換であるか、または5個までの置換基により置換され、置換基の例としては、前記基R10(またはR10a、R10b、またはR10c)において記載されたものである。好ましい置換基の例としては、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);フェニル;ピリジル;およびフェノキシ(前記フェニル、ピリジルおよびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によってそれぞれが場合により置換されている)が挙げられる。
5個までの置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4の置換基、好ましくは0、1、2、または3、より好ましくは0、1、または2個存在している。
一実施形態では、基Rは非置換であるか、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている。
他の実施形態において、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有し得る。Rがフェニル基である場合、置換基の組合せの具体例としては、モノクロロフェニルおよびジクロロフェニルが挙げられる。
が6員アリールまたはヘテロアリール基である場合、置換基は有利には6員環においてパラ位に存在しうる。置換基がパラ位に存在する場合、それは好ましくはフッ素原子より大きさが大きい。
一実施形態では、Rは4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、およびフェニルから選ばれる。
式(I)において、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。Rで好ましいものとしては、水素およびメチルが挙げられる。
式(I)において、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、ここでRは場合により置換されたフェニルまたはベンジルである。
より好ましくは、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、ここでRは場合により置換されたフェニルまたはベンジルである。
基Rは、典型的には非置換フェニルまたはベンジル、あるいはハロゲン;ヒドロキシ;トリフルオロメチル;シアノ;カルボキシ;C1−4アルコキシカルボニル;C1−4アシルオキシ;アミノ;モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−4アルキル;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−4アルコキシ;フェニル;O、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基;およびO、S、およびNから選ばれる2個以下のヘテロ原子を含有する飽和炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されたフェニルまたはベンジルである。
部分Rの具体例としては、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、シアノ、CF、NH、NHCOR9a、およびNHCONHR9aが挙げられ、ここでR9aはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ(例えば、アルコキシ)およびC1−4ヒドロカルビル(例えば、アルキル)によって場合により置換されたフェニルまたはベンジルである。
クラスB:式(I)の具体的および好ましいサブグループ
本明細書で定義される式(I)の一実施形態において、化合物は式(II)で表すことができる:
Figure 2009536620
式中、基Aはベンゼン環のメタ位またはパラ位に結合し、qは0〜4であり、T、J−J、A、R、R、R、およびRは、式(I)とそのサブグループ、例および選択肢に関して、本明細書で定義された通りであり、R11は上記で定義された置換基である。
式(II)において、qは好ましくは0、1、または2、より好ましくは0または1、最も好ましくは0である。
式(II)において、化合物の部分R−A−NRは式R−(CH−X′−(CH−NRにより表すことができ、ここでxは0、1、または2、yは0、1、または2であり(但しxおよびyの合計は4を超えない)、X′は基Eへ結合し、X′は基C(R)であり、ここで(i)Rは水素であるか、(ii)RとRとが一緒になって、部分X′−(CH−NRが4〜7員飽和へテロ環式基を形成するように、3個までの炭素原子の長さのアルキレン結合鎖を構成する。
例えば、式(II)の化合物の一つのサブグループは下記式(IIa)で表すことができる:
Figure 2009536620
式(IIa)において、xは好ましくは0または1であり、yは0、1、または2である。一実施形態では、xおよびyは両方とも1である。他の実施形態では、xは0でyは1である。
式(II)の化合物の他のサブグループは下記式(IIb)で表すことができる:
Figure 2009536620
式中R、J−J、T、x、およびyは上記で定義したものと同義であり、zは0、1、または2である(但しyおよびzの合計は4を超えない)。一つの具体的な実施形態では、yは2でzは1である。
式(II)、(IIa)、および(IIb)のそれぞれおよびそれらの実施形態において、基Rは好ましくは場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基、典型的には5または6環員の単環式アリールまたはヘテロアリール基である。具体的なアリールおよびヘテロアリール基としては、それぞれ場合により本明細書で定義のように置換された、フェニル、ピリジル、フラニル、およびチエニル基である。場合により置換されたフェニル基が特に好ましい。
式(II)、(IIa)、および(IIb)のそれぞれの化合物の具体的なサブグループは、Rが非置換フェニルであるか、あるいはより好ましくは、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基(前記C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基は1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシまたは場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合によりそれぞれ置換されている);C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されたフェニル;場合により置換されたピリジル;および場合により置換されたフェノキシ(前記フェニル、ピリジルおよびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビル基から選ばれる1、2、または3個の置換基である)から選ばれる1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルである化合物からなる。
式(II)、(IIa)、および(IIb)のそれぞれの化合物のより具体的なサブグループは、Rが非置換フェニルであるか、あるいはより好ましくは、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−4アルコキシまたはC1−4アルキル基(前記C1−4アルコキシおよびC1−4アルキル基は1個以上のフッ素原子によって、またはC1−2アルコキシ、ヒドロキシまたは場合により置換されたフェニルによって場合によりそれぞれ置換されている);C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;場合により置換されたフェニル;場合により置換されたピリジル;および場合により置換されたフェノキシ(前記フェニル、ピリジルおよびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基である)から独立して選ばれる1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルである化合物からなる。
5個までの置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4個の置換基、好ましくは0、1、2、または3個、より好ましくは0、1、または2個が存在している。
式(II)、(IIa)および(IIb)のそれぞれの一実施形態において、Rは非置換フェニル基であるか、ヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、シアノ、それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから独立して選ばれる1または2個の置換基により置換されたフェニル基である。
より好ましくは、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、およびベンジルオキシから独立して選ばれる1または2個の置換基を有する置換フェニル基である。
式(II)、(IIa)、および(IIb)のそれぞれの化合物の1サブグループにおいて、基Rは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチル、およびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に、および場合によりフッ素、塩素、またはメチルから選ばれる第2の置換基をオルト位またはメタ位に有するフェニル基である。このサブグループにおいて、フェニル基は一置換であってもよい。あるいは、フェニル基は二置換であってもよい。
式(II)、(IIa)、および(IIb)のそれぞれの一実施形態では、Rは4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、およびフェニルから選ばれる。
式(II)、(IIa)、および(IIb)のそれぞれの化合物の具体的なサブグループにおいて、基Rはパラ位に塩素置換基を有する一置換フェニル基である。
式(II)、(IIa)、および(IIb)とそれらの前記実施形態、サブグループおよび例のそれぞれにおいて、
Tは、好ましくはNであり、かつ/または
は、水素であり、かつ/または
−Jは、N=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、(Et)NC(O)、およびHC=CHから選ばれる基を表わす。
式(I)の化合物の他のサブグループは下記式(III)で表される:
Figure 2009536620
式中、基Aはピペリジン環の3位または4位に結合し、qは0〜4であり、T、J−J、A、R、R、R、およびRは、式(I)とそのサブグループ、例および選択肢に関して、本明細書で定義した通りであり、R11は上記で定義した置換基である。式(III)において、qは好ましくは0、1、または2であり、より好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。
基Rは水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、ここでアリールまたはヘテロアリール基は一般的な選択肢および定義と題された項目で示されているこのような基のリストから選択され得る。
化合物の1つのサブグループにおいて、Rは水素である。
化合物の他のサブグループにおいて、Rはアリールまたはヘテロアリール基である。
がアリールまたはヘテロアリールである場合、それは単環式でも二環式でもよく、一つの特定の実施形態では単環式である。単環式アリールおよび単環式ヘテロアリール基の具体例としては、2個までの窒素環員を含有する6員アリールおよびヘテロアリール基と、O、S、およびNから選ばれる3個までのヘテロ原子環員を含有する5員ヘテロアリール基である。
このような基の例としてフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジンがあり、フェニルが現在のところ好ましい。
前記アリールまたはヘテロアリール基Rは非置換であるか、または5個以下の置換基により置換され、置換基の例は前記基R10(またはR10a、R10b、もしくはR10c)において記載されたものである。好ましい置換基としては、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);フェニル;ピリジル;およびフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によって場合によりそれぞれ置換されている)がある。
5個以下の置換基が存在しうるが、より典型的には0、1、2、3、または4個の置換基、好ましくは0、1、2、または3個、より好ましくは0、1、または2個が存在する。
一実施形態では、基Rは非置換であるか、あるいはヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個以下の置換基により置換される。
他の実施形態では、基Rはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有しうる。Rがフェニル基である場合、置換基組合せの具体例としては、モノクロロフェニルおよびジクロロフェニルがある。
が6員アリールまたはヘテロアリール基である場合、置換基は有利には6員環においてパラ位に存在しうる。置換基がパラ位に存在する場合、それは好ましくはフッ素原子より大きさが大きい。
式(I)において、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれる。Rにおいて好ましいものとして水素およびメチルがある。
式(I)において、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、ここでRは場合により置換されたフェニルまたはベンジルである。
より好ましくは、Rは水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、ここでRは場合により置換されたフェニルまたはベンジルである。
基Rは、典型的には非置換フェニルまたはベンジル、あるいはハロゲン;ヒドロキシ;トリフルオロメチル;シアノ;カルボキシ;C1−4アルコキシカルボニル;C1−4アシルオキシ;アミノ;モノまたはジC1−4アルキルアミノ;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−4アルキル;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−4アルコキシ;フェニル;O、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基;ならびにO、S、およびNから選ばれる2個までのヘテロ原子を含有する飽和炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されたフェニルまたはベンジルである。
部分Rの具体例としては、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、シアノ、CF、NH、NHCOR9a、およびNHCONHR9aが挙げられ、ここでR9aはヒドロキシ、C1−4アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ(例えば、アルコキシ)およびC1−4ヒドロカルビル(例えば、アルキル)によって場合により置換されたフェニルまたはベンジルである。
本発明の化合物の他のサブグループにおいて、Aは1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、ここでリンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられているか、リンカー基Aの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有しており(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置しない)、Rは水素、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれる。
誤解を避けるため記述すると、R基の一般的なおよび特定の好ましい選択肢、実施形態および例のそれぞれは、基Rおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRの一般的なおよび特定の好ましい選択肢、実施形態および例ならびに本明細書で定義されるそれらのサブグループと組み合わされてもよく、このような組合せはすべて本明細書に包含されると理解すべきである。
式(I)の化合物を構成する様々な官能基および置換基は、典型的には式(I)の化合物の分子量が1000を超えないように選択される。より通常は、化合物の分子量は750未満、例えば700未満、650未満、600未満、または550未満である。より好ましくは、分子量は525未満、例えば、500以下である。
本発明の具体的な化合物は、下記実施例において示されている通りであり、以下のものが含まれる:
N−メチル−N′−(9H−プリン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
6−(3−メチルアミノ−プロピルアミノ)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(4−フルオロフェニル)−N−(9H−プリン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
6−[3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(4−クロロフェニル)−N−(9H−プリン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
メチル[4−(9H−プリン−6−イル)ベンジル]アミン、
メチル[3−(9H−プリン−6−イル)ベンジル]アミン、
[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]アセトニトリル、
2−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]エチルアミン、
2−[3−(9H−プリン−6−イル)フェニル]エチルアミン、
1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−カルボン酸アミド、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−(アミノフェニルメチル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−{4−[アミノ(4−クロロフェニル)メチル]ピペリジン−1−イル}−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−アミノメチルピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
3−[3−(9H−プリン−6−イル)フェノキシ]プロピルアミン、
C−[1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−フェニル−C−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]メチルアミン、
2−フェニル−1−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]エチルアミン、
6−[4−(1−アミノ−2−フェニルエチル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−{4−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]フェニル}−9H−プリン、
4−{4−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
C−フェニル−C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−4−クロロフェニル−C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−(4−クロロフェニル)−C−[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−{4−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
C−(4−クロロフェニル)−C−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]メチルアミン、
C−(4−クロロフェニル)−C−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
{2−(4−クロロフェニル)−2−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェニル]エチル}メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル]メチルアミン、および
C−(4−クロロフェニル)−C−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、ならびに
それらの塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド。
塩、溶媒和物、互変異性体、異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、および同位元素
この項において、本明細書の他の項と同様に、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、クラスAおよびBにおける式(I)の化合物への言及は、本明細書で定義されるクラスAにおける式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)あるいはそのサブグループ、選択肢、例または実施形態を、ならびに本明細書で定義されるクラスBにおける式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)あるいはそのサブグループ、選択肢、例または実施形態を含む。
特に断りのない限り、具体的な化合物(とりわけ本明細書で定義される式(I)の化合物または本明細書に記載される補助化合物のいずれかを含む)への言及は、例えば、以下に検討されるそのイオン、塩、溶媒和物、および保護された形態も含む。
多くの化合物(本明細書で定義される式(I)のものおよび本明細書に記載される補助化合物の多くを含む)は、塩の形態で、例えば、酸付加塩、または特定の場合にはカルボン酸塩、スルホン酸塩、およびリン酸塩のような有機および無機塩基の塩により存在しうる。全てのこのような塩が本発明の範囲内であり、化合物への(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物および補助化合物に対する)言及には前記化合物の塩の形態を含む。本出願の既出の部分のように、式(I)への全ての言及は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、上述のようなクラスAおよびBの具体的な式およびそのサブグループにも言及していると解釈するべきである。
塩の形態は、「医薬用塩:特性、選択および使用(Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use)」、ハインリヒスタール(P.Heinrich Stahl)(編者)、カミールワーマス(Camille G.Wermuth)(編者)、ISBN:3−90639−026−8、ハードカバー、p.388、2002年8月、に記載の方法に従い、選択および製造される。
酸付加塩は、無機および有機両方の様々な酸と形成される。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、(+)−(1S)−ショウノウ−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)−L−乳酸および(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、ナフタレン−2−スルホン酸)、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)、ウンデシレン酸および吉草酸と、アシル化アミノ酸およびカチオン交換樹脂とからなる群より選ばれる酸と形成される塩が挙げられる。
例えば、化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性となりうる官能基(例えば、−COOHは−COOとなりうる)を有していれば、塩は適切なカチオンと形成される。適切な無機カチオンの例としては、限定されるものではないが、NaおよびKなどのアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+などのアルカリ土類カチオンと、Al3+などの他のカチオンが挙げられる。適切な有機カチオンの例としては、限定されるものではないが、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換アンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられる。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、またリジンおよびアルギニンなどのアミノ酸から誘導されるものである。一般的な四級アンモニウムイオンの例はとしてはN(CH である。
前記化合物(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物)がアミン官能基を含有している場合、例えば、当業者に周知の方法に従いアルキル化剤との反応により、四級アンモニウム塩を形成しうる。このような四級アンモニウム化合物も式(I)の範囲内である。
前記化合物の塩の形態は、典型的には薬学上許容される塩であり、薬学上許容される塩の例は、ベルジュ(Berge)ら、1977、「薬学的許容塩(Pharmaceutically Acceptable Salts)」薬学ジャーナル(J.Pharm.Sci.)、第66巻、1〜19ページで検討されている。しかしながら、薬学上許容されない塩も中間体として製造してから、薬学上許容される塩へ変換してよい。このような薬学上許容されない塩の形態も、例えば、化合物の精製または分離に際して有用なことがあり、本発明に適用される。
アミン官能基を含有した化合物(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物)はN−オキシドを形成し得る。アミン官能基を含有した式(I)の化合物への本明細書での言及には、N−オキシドも含まれる。
化合物がいくつかのアミン官能基を含有している場合、1または2個以上の窒素原子が酸化されてN−オキシドを形成することもある。N−オキシドの具体例としては、三級アミンの、または含窒素ヘテロ環の窒素原子のN−オキシドである。
N−オキシドは、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)のような酸化剤で対応のアミンを処理することにより形成できる(例えば、機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、ワイリーインターサイエンス(Wiley Interscience)、ページ、参照)。より具体的には、N−オキシドは、デディー(L.W.Deady)(シンセティックコミュニケーションズ(Syn.Comm.)、1977年、7、509〜514)の方法により製造することができ、この方法では、アミン化合物を、例えば、ジクロロメタンのような不活性溶媒中、m−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させる。
本発明の組合せ中に含有される化合物(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物)は、いくつかの異なる幾何異性体および互変異性体で存在することがあり、式(I)の化合物への言及は全てのこのような形態を含む。誤解を避けるため、化合物がいくつかの幾何異性体または互変異性体のうち一つで存在し、一つのみが特に記載または示されていたとしても、他の全てが本明細書で定義される式(I)に含まれる。
例えば、J−JがN=CRである場合、二環式基に関して、互変異性体AおよびBが可能である。
Figure 2009536620
−JがN=Nである場合、二環式基に関して、互変異性体CおよびDが可能である。
Figure 2009536620
−JがHN−COである場合、二環式基に関して、互変異性体E、F、およびGが可能である。
Figure 2009536620
全てのこのような互変異性体が本明細書で定義される式(I)に含まれる。
互変異性体の他の例としては、例えば、下記の互変異性体のペア:ケト/エノール(下記)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、およびニトロ/アシニトロのような、ケト−、エノール−、およびエノラート形態がある。
Figure 2009536620
本発明の組合せのいずれかの化合物(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物)が1つ以上のキラル中心を含有し、2つ以上の光学異性体の形態で存在しうる場合、式(I)の化合物への言及は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、個別の光学異性体または2種以上の光学異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)として、その全ての光学異性体(例えば、エナンチオマー、エピマー、およびジアステレオマー)を含む。
光学異性体はそれらの光学活性により(すなわち、+および−異性体、またはdおよびl異性体として)特徴付けおよび同定されるか、あるいはそれらはCahn,IngoldおよびPrelogにより開発された「RおよびS」命名法を用いて絶対立体化学に基づき特徴付けられる、機能化学特論(Advanced Organic Chemistry)、ジェリーマーチ(Jerry March)、第4版、ジョンワイリー&サンズ、ニューヨーク、1992年、109〜114ページ参照、およびさらにカーン、インゴールド&プレログ(Cahn、Ingold&Prelog)、アンゲヴァンテケミーインターナショナルエディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、Engl.、1966、5、385〜415参照。
光学異性体はキラルクロマトグラフィー(キラル担体でのクロマトグラフィー)を含めたいくつかの技術により分離され、このような技術は当業者において周知である。
本明細書で定義する式(I)の化合物が2種以上の光学異性体として存在する場合、一対のエナンチオマーのうち一方のエナンチオマーは、例えば、生物活性に関して、他方のエナンチオマーより有益であることがある。したがって、特定の状況下では、一対のエナンチオマーのうち一方のみ、または複数のジアステレオマーのうち1種のみを治療剤として用いることが望ましい。よって、本発明は、本明細書で定義する式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)が単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在している、1つ以上のキラル中心を有する本明細書で定義する式(I)の化合物を含有した組成物を提供する。一つの一般的な実施形態において、本明細書で定義する式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的に全て)が、単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在していてもよい。
本発明の化合物には1以上の同位元素置換を有する化合物を含み、具体的な元素への言及はその範囲内に前記元素の全同位体を含む。例えば、水素への言及はその範囲内にH、H(D)、およびH(T)を含む。同様に、炭素および酸素への言及は、それらの範囲内に12C、13C、および14Cならびに16Oおよび18Oをそれぞれ含む。
同位元素は、放射性でも非放射性でもよい。本発明の一実施形態において、化合物は放射性同位元素を含有していない。このような化合物は治療用に好ましい。しかしながら、他の実施形態では、化合物が1種以上の放射性同位元素を含有してもよい。このような放射性同位元素を含有した化合物も診断の場面において有用であり得る。
カルボン酸基またはヒドロキシル基を有する化合物(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物)のカルボン酸エステルおよびアシルオキシエステルなどのエステルも、本明細書で定義される式(I)に含まれる。本発明の一実施形態において、本明細書で定義する式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する本明細書で定義する式(I)の化合物を含む。本発明の他の実施形態において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する本明細書で定義する式(I)の化合物を含まない。エステルの例としては、基−C(=O)ORを含有する化合物であり、Rはエステル置換基、例えば、C1−7アルキル基、C3−20ヘテロシクリル基、またはC5−20アリール基、好ましくはC1−7アルキル基である。エステル基の具体例としては、限定されるものではないが、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−C(=O)OC(CH、および−C(=O)OPhが挙げられる。アシルオキシ(逆エステル)基の例は−OC(=O)Rで表わされ、Rはアシルオキシ置換基、例えば、C1−7アルキル基、C3−20ヘテロシクリル基、またはC5−20アリール基、好ましくはC1−7アルキル基である。アシルオキシ基の具体例としては、限定されるものではないが、−OC(=O)CH(アセトキシ)、−OC(=O)CHCH、−OC(=O)C(CH、−OC(=O)Ph、および−OC(=O)CHPhが挙げられる。
本明細書で定義する式(I)には、化合物の多形体、化合物の溶媒和物(例えば、水和物)、複合体(例えば、シクロデキストリンのどの化合物との包接複合体または包接化合物、または金属との錯体)、および化合物(例えば、本明細書で定義する式(I)の化合物)のプロドラッグも含まれる。「プロドラッグ」とは、例えば、生体内で生物活性化合物へ(例えば、補助化合物へ、または本明細書で定義する式(I)の化合物へ)変換される化合物を意味する。
例えば、いくつかのプロドラッグは活性化合物のエステル(例えば、生理学上許容される易代謝性エステル)である。代謝に際して、エステル基(−C(=O)OR)は開裂されて活性薬を生じる。このようなエステルは、例えば、親化合物においてカルボン酸基(−C(=O)OH)のエステル化により形成されるが、適宜に、親化合物に存在する他の反応基を予め保護しておき、次いで必要であれば脱保護する。
このような易代謝性エステルの例としては、式−C(=O)ORのものが挙げられ、Rは:
1−7アルキル(例えば、−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−sBu、−iBu、−tBu)、
1−7アミノアルキル(例えば、アミノエチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、2−(4−モルホリノ)エチル)、および
アシルオキシ−C1−7アルキル(例えば、アシルオキシメチル、
アシルオキシエチル、
ピバロイルオキシメチル、
アセトキシメチル、
1−アセトキシエチル、
1−(1−メトキシ−1−メチル)エチル−カルボニルオキシエチル、
1−(ベンゾイルオキシ)エチル、イソプロポキシ−カルボニルオキシメチル、
1−イソプロポキシ−カルボニルオキシエチル、シクロヘキシル−カルボニルオキシメチル、
1−シクロヘキシル−カルボニルオキシエチル、
シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシメチル、
1−シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシエチル、
(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル、
1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル、
(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル、および
1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である。
また、一部のプロドラッグは酵素的に活性化されて活性化合物を生じ、またある化合物はさらなる化学反応により活性化合物を生じる(例えば、抗体指向性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、ポリマー指向性酵素プロドラッグ療法(PDEPT)、リガンド指向性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)などの場合)。例えば、プロドラッグは糖誘導体または他のグリコシド複合体でもよく、またはアミノ酸エステル誘導体でもよい。
クラスAの式(I)の化合物の調製方法
クラスAの式(I)の化合物は、WO2006/046024号中に記載されているように調製されてもよく、その内容は参照により本明細書に援用される。特に、74〜91ページにおける式(I)の化合物の合成に関するWO2006/046024号の内容は、参照により本明細書に援用される。
クラスBの式(I)の化合物の調製のための方法
クラスBの式(I)の化合物は、WO2006/046023号中に記載されているように調製されてもよく、その内容は参照により本明細書に援用される。特に、67〜86ページにおける式(I)の化合物の合成に関するWO2006/046023号の内容は、参照により本明細書に援用される。
式(I)の化合物の単離および精製
本発明(クラスAおよびBの両方の)の組合せで使用される化合物は、当業者に周知の標準技術に従って単離および精製することができ、WO2006/046024号(91ページで)およびWO2006/046023号(86ページで)中に記載される。この開示は、参照により本明細書に援用される。
クラスAおよび/またはクラスBの化合物との、本発明による使用のための補助化合物
任意の幅広い種類の補助化合物を、本発明の組合せにおいて使用することができる。補助化合物は抗癌剤であってもよい。
好ましくは、本発明のプロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の抑制活性または調節活性を有する化合物との組合せで使用される補助化合物は、以下のクラスから選択される:
1.ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニストおよびホルモン調節剤(抗アンドロゲン、抗エストロゲンおよびGNRAを含む)、
2.サイトカインおよびサイトカイン活性化剤、
3.レチノイド、
4.モノクローナル抗体(例えば細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体)、
5.カンプトテシン化合物および他のトポイソメラーゼI阻害剤、
6.代謝拮抗剤、
7.ビンカアルカロイドおよび他のチューブリン標的化剤、
8.タキサン、
9.白金化合物、
10.DNA結合剤およびトポイソメラーゼII阻害剤(アントラサイクリン誘導体を含む)、
11.アルキル化剤(アジリジン、ナイトロジェンマスタードおよびニトロソウレアアルキル化剤を含む)、
12.シグナル伝達阻害剤(PKA/PKB阻害剤、PKB経路の阻害剤および補助PKB阻害剤を含む)、
13.CDK阻害剤、
14.COX−2阻害剤、
15.HDAC阻害剤、
16.DNAメチル化酵素阻害剤、
17.プロテアソーム阻害剤、
18.前述のクラス(1)〜(3)の2つまたはそれ以上の組合せ、
19.前述のクラス(6)、(8)および/または(12)の2つまたはそれ以上の組合せ、
20.前述のクラス(5)〜(10)および/または(12)の2つまたはそれ以上の組合せ、
21.前述のクラス(11)および/または(13)〜(17)の2つまたはそれ以上の組合せ、
22.前述のクラス(1)〜(17)の2つまたはそれ以上の組合せ、
23.前述のクラス(1)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)および(17)の2つまたはそれ以上の組合せ、
24.前述のクラス(1)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)および(11)の2つまたはそれ以上の組合せ、
25.前述のクラス(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)および(11)の2つまたはそれ以上の組合せ、
26.前述のクラス(6)、(8)および(9)の2つまたはそれ以上の組合せ。
本発明の組合せが2つ以上の補助化合物を含む実施形態において、そのとき、2つ以上の補助化合物は、好ましくは上述のクラス1〜22から独立して選択される。
本明細書における特定の補助化合物に対する言及は、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または、異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含むように意図される。
1.ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニストおよびホルモン調節剤
定義:本明細書で使用される「抗アンドロゲン」、「抗エストロゲン」、「抗アンドロゲン剤」および「抗エストロゲン剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、そしてより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、本明細書において記載されるものおよびそのアナログを指す。
生物学的活性:本明細書において記載される1つまたは複数の薬理作用によって作用する、ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニストおよびホルモン調節剤(抗アンドロゲン剤および抗エストロゲン剤を含む)は、適切な抗癌剤として同定されている。
技術的背景:乳房および前立腺のようなホルモンによる増殖制御に感受性のある組織において腫瘍が形成される特定のタイプの癌の治療において、ホルモン療法は重要な役割を果たす。したがって、例えば、エストロゲンは、特定の乳癌の増殖を促進し、テストステロンは、いくつかの前立腺癌の増殖を促進する。そのような腫瘍の増殖は特異的なホルモンに依存するので、身体の中の特定のホルモンのレベルを増加または減少させることで腫瘍増殖に影響することが可能かどうかを調べるために、多くの研究が行なわれている。ホルモン療法は、ホルモン活性の操作によってこれらのホルモン感受性組織における腫瘍増殖を制御することを試みるものである。
乳癌に関して、腫瘍増殖はエストロゲンにより刺激され、したがって抗エストロゲン剤はこのタイプの癌の治療について提案され、広く使用されている。そのような薬剤の最も広く使用されるものの1つは、エストロゲン受容体(ER)に結合するエストラジオールの拮抗型阻害剤であるタモキシフェンである。タモキシフェンは、ERに結合された場合、受容体の立体的な形状の変化を誘導し、DNA上のエストロゲン応答エレメントに対する結合を阻害する。正常な生理学的条件下では、エストロゲン刺激は、形質転換増殖細胞b(TGF−b)(腫瘍細胞増殖のオートクライン阻害剤)の腫瘍細胞の産生を増加させる。タモキシフェン治療の正味の効果は、これらの経路の遮断により、乳癌増殖のオートクライン刺激を減少させることである。加えて、タモキシフェンは、周囲の組織によるインスリン様成長因子(IGF−1)の局所的産生を減少させる:IGF−Iは乳癌細胞に対するパラクライン増殖因子である(ジョーダン(Jordan)およびマーフィー(Murphy)、エンドクリンリビューズ(Endocr.Rev.)、1990、1 1;578〜610)。タモキシフェンは、転移性乳癌に罹患するか、またはその疾患の再発リスクが高い、閉経後の女性に対して選択される内分泌療法である。タモキシフェンはER陽性腫瘍に罹患した更年期前の女性においても使用される。長期的なタモキシフェン治療については、様々な潜在的な副作用(例えば、子宮内膜癌の可能性および血栓塞栓症の発生)がある。
他のエストロゲン受容体アンタゴニストまたは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)としては、フルベストラント、トレミフェンおよびラロキシフェンが挙げられる。化学名7−α−[9−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルスルフィニル)−ノニル]エストラ−1,3,5−(10)−トリエン−3,17−β−ジオールであるフルベストラントは、進行性乳癌の二次治療として使用されるが、副作用は火照りおよび子宮内膜の刺激を含む。トレミフェンは、化学名が2−(4−[(Z)−4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル]−フェノキシ)−N,N−ジメチルエチルアミンであり、転移性乳癌の治療のために使用される、非ステロイド性のSERMであり、副作用は火照り、悪心およびめまいを含む。ラロキシフェンは、化学名が[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル]−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]−フェニル]−メタノン塩酸塩であり、乳癌の治療を目的として研究されているベンゾチオフェンSERMであり、副作用は火照りおよび下肢痙攣を含む。
前立腺癌に関しては、そのような癌細胞はアンドロゲン受容体を高レベルで発現しており、したがって疾患を治療するために抗アンドロゲンが使用されてきた。抗アンドロゲンは、アンドロゲン受容体に結合し、ジヒドロテストステロンの結合を妨げる、アンドロゲン受容体アンタゴニストである。ジヒドロテストステロンは、癌性前立腺細胞を含む前立腺細胞の新たな増殖を刺激する。抗アンドロゲンの一例としては、化学名(R,S)−N−(4−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)プロパンアミドと呼ばれるビカルタミドが挙げられ、進行性前立腺癌の治療のために黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アナログとの組合せにおける使用について承認されており、副作用は火照り、骨痛、血尿症および胃腸病徴を含む。
ホルモンによる癌治療のさらなる型は、プロゲスチンアナログの使用を含む。プロゲスチンはプロゲステロンの合成型である。プロゲステロンは、卵巣および子宮内膜の裏打ちによって分泌されるホルモンである。プロゲステロンは、エストロゲンと共に作用して、乳房の発達および月経周期の間の子宮内膜細胞の増殖を促進する。プロゲスチンは、副腎(特に閉経後の女性の代替供給源)のエストロゲンの産生の抑制により、エストロゲン受容体レベルを低下させるか、または腫瘍ホルモン代謝を変化させて、作用するだろうと考えられている。
プロゲスチンアナログは、一般に進行性子宮癌の管理において使用される。多数の抗エストロゲン治療の選択肢が利用可能であるために、この使用はそれほど一般的ではないが、それらは進行性乳癌の治療のためにもまた使用することができる。プロゲスチンアナログは、ホルモン療法として前立腺癌のために時々使用される。プロゲスチンアナログの一例としては、酢酸メゲストロール(別名酢酸メゲストレル(megestrel))であり、化学名が17α−アセチルオキシ−6−メチルプレグナ−4,6−ジエン−3,20−ジオンであり、下垂体ゴナドトロピン産生の推定上の阻害剤であり、結果としてエストロゲン分泌を減少させる。当該薬物は、進行性乳癌または進行性子宮内膜癌(すなわち再発性疾患、手術不能疾患または転移性疾患)の待期的療法のために使用され、副作用は浮腫および血栓塞栓症発作を含む。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:本発明による使用のための特に好ましい抗エストロゲン剤は、タモキシフェンである。タモキシフェンは、例えば商品名ノルバデックス(Nolvadex)としてアストラゼネカ(AstraZeneca)株式会社から市販されており、例えば英国特許明細書第1064629号および第1354939号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。
他の好ましい抗エストロゲン剤は、フルベストラント、ラロキシフェンおよびトレミフェンを含む。さらに他の好ましい抗エストロゲン剤は、ドロロキシフェンである。フルベストラントは、例えば商品名ファスロデックス(Faslodex)としてアストラゼネカ株式会社から市販されており、例えば欧州特許明細書第138504号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ラロキシフェンは、例えば商品名エビスタ(Evista)としてイーライ・リリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company)から市販されており、例えば米国特許明細書第4418068号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。トレミフェンは、例えば商品名フェアストン(Fareston)の下でシェーリング(Schering)株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第4696949号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。抗エストロゲン剤ドロロキシフェンは、例えば米国特許明細書5047431番中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得、本発明に従って使用することもまた可能である。
本発明よる使用のために好ましい抗アンドロゲンはビカルタミドであり、例えば商品名カソデックス(Casodex)としてアストラゼネカ株式会社から市販されており、例えば欧州特許明細書第100172号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製されてもよい。本発明による使用のための他の好ましい抗アンドロゲンとしては、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェン、トレミフェン、ドロロキシフェン、レトラゾール(letrazole)、アナストラゾール、エキセメスタン、ビカルタミド、ルプロリド(luprolide)、酢酸メゲストロール/酢酸メゲストレル、アミノグルテチミドおよびベキサロテンが挙げられる。
好ましいプロゲスチンアナログは酢酸メゲストロール/酢酸メゲストレルであり、例えば商品名メゲース(Megace)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol−Myers Squibb)株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第2891079号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。
したがって、本発明の組合せにおける使用のための、これらの抗癌剤の具体的な実施形態としては、以下のものが挙げられる:タモキシフェン;トレミフェン;ラロキシフェン;メドロキシプロゲステロン;メゲストロール/メゲストレル;アミノグルテチミド;レトロゾール;アナストロゾール;エキセメスタン;ゴセレリン;ルプロリド;アバレリクス;フルオキシメストロン(fluoxymestrone);ジエチルスチルベストロール;ケタカナゾール(ketacanazole);フルベストラント;フルタミド;ビカルチミド(bicalutimide);ニルタミド;シプロテロンおよびブセレリン。
したがって、抗アンドロゲンおよび抗エストロゲンが、本発明の組合せにおける使用のために検討される。
他の実施形態において、ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニストまたはホルモン調節剤は、フルベストラント、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、トレミフェン、メゲストロール/メゲストレルおよびベキサロテンである。
薬量:抗アンドロゲンまたは抗エストロゲン剤は、特定の薬剤および治療されている症状に応じて、有利には約1〜100mgの一日投与量で投与される。タモキシフェンは、有利には、5〜50mg、好ましくは1日2回10〜20mgの用量で経口的に投与され、治療上の効果を達成および維持するのに十分な時間で療法が継続される。
他の好ましい抗エストロゲン剤に関しては、フルベストラントは、有利には毎月250mg注入の形式で投与され;トレミフェンは、有利には、1日に1一回約60mgの用量で経口的に投与され、治療上の効果を達成および維持するのに十分な時間で療法が継続され;ドロロキシフェンは、有利には、1日に1回約20〜100mgの用量で経口的に投与され;ラロキシフェンは、有利には、1日に1回約60mgの用量で経口的に投与される。
好ましい抗アンドロゲンのビカルタミドに関して、これは一般的に50mgの一日経口投与量で投与される。
好ましいプロゲスチンアナログの酢酸メゲストロール/酢酸メゲストレルに関して、これは一般的に40mgの経口投薬で1日に4回投与される。
上記の用量は、一般的に例えば治療の1過程あたり、1回、2回またはそれ以上投与されてもよく、例えばそれは7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
アロマターゼ阻害剤
本発明の組合せにおける使用のためのホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニストおよびホルモン調節剤のうちで、好ましいものはアロマターゼ阻害剤である。
閉経後の女性における循環エストロゲンの主要な供給源は、副腎および卵巣のアンドロゲン(アンドロステンジオンおよびテストステロン)からのエストロゲン(エストロンおよびエストラジオール)への末梢組織中のアロマターゼ酵素による変換である。アロマターゼの阻害または不活性化を介するエストロゲン枯渇は、閉経後のいくらかの患者のための、ホルモン依存性乳癌の効果的および選択的な治療である。そのようなホルモン調節剤の例としては、エキセメスタン、アナストロゾール、レトロゾールおよびアミノグルテチミドのような、アロマターゼの阻害剤または不活性化因子が挙げられる。
エキセメスタン(化学名6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン)は、タモキシフェン療法後に疾患が進行した閉経後の女性における進行性乳癌の治療のために使用され、副作用は火照りおよび悪心を含む。アナストロゾール(化学名α,α,α’,α’−テトラメチル−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ベンゼンジアセトニトリル)は、ホルモン受容体陽性早期乳癌に罹患した閉経後の女性の補助治療のために、およびホルモン受容体陽性またはホルモン受容体不明の局所的進行性乳癌または転移性乳癌に罹患した閉経後の女性の一次治療のためにも、および閉経後の女性におけるタモキシフェン療法後の疾患進行をともなう進行性乳癌の治療のために使用される。アナストゾール(anastozole)の投与は、通常胃腸障害、発疹および頭痛を含む副作用をもたらす。レトロゾール(化学名4,4’−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチレン)−ジベンゾニトリル)は、ホルモン受容体陽性またはホルモン受容体不明の局所的進行性乳癌または転移性乳癌に罹患した閉経後の女性の一次治療のために、および閉経後の女性における抗エストロゲン療法後の疾患進行をともなう進行性乳癌の治療のために使用され、可能性のある副作用は時折の一時的な血小板減少および肝臓トランスアミナーゼ上昇を含む。アミノグルテチミド(化学名3−(4−アミノフェニル)−3−エチル−2,6−ピペリジンジオン)は、乳癌の治療のためにもまた使用されるが、副作用は皮疹ならびに血小板減少および白血球減少症(それほど一般的ではない)が生ずる。
好ましいアロマターゼ阻害剤としては、レトロゾール、アナストロゾール、エキセメスタンおよびアミノグルテチミドが挙げられる。レトロゾールは、例えば商品名フェマーラ(Femara)としてノバルティス(Novartis)株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第4978672号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。アナストロゾールは、例えば商品名アリミデックス(Arimidex)としてアストラゼネカ株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第4935437号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。エキセメスタンは、例えば商品名アロマシン(Aromasin)としてファルマシア株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第4978672号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。アミノグルテチミドは、例えば商品名シタドレン(Cytadren)としてノバルティス株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書2848455番中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。アロマターゼ阻害剤のボロゾールは、例えば欧州特許明細書第293978号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得、本発明に従って使用することもできる。
好ましいアロマターゼ阻害薬に関して、これらは一般的に1〜1000mgの範囲の1日経口投与量で投与され、例えば、1日に1回約2.5mgの用量のレトロゾール;1日に1回約1mgの用量のアナストロゾール;1日に1回約25mgの用量のエキセメスタン;および毎日2〜4回250mgの用量のアミノグルテチミドである。
特に好ましいのは、本明細書において記載される薬剤、例えば、レトロゾール、アナストロゾール、エキセメスタンおよびアミノグルテチミドから選択される、アロマターゼ阻害剤である。
GNRA
本発明の組合せにおける使用のためのホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニストおよびホルモン調節剤のうちで、好ましいものはGNRAクラスの薬剤である。
定義:本明細書で使用されるように、GNRAなる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または、異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは、溶媒和物)と共に、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニストおよびGnRHアンタゴニスト(以下に記載されるものを含む)を定義するように意図される。
技術的な背景:生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニストは、脳の視床下部から放出された場合、ゴナドトロピンを生ずるように脳下垂体を刺激する。ゴナドトロピンは、精巣のアンドロゲン合成および卵巣のエストロゲン合成を刺激するホルモンである。GnRHアゴニストが最初に投与される場合、それらはゴナドトロピン放出の増加を引き起こし得るが、継続的な投与により、GnRHはゴナドトロピン放出を遮断し、したがってアンドロゲンおよびエストロゲンの合成を減少させることになる。GnRHアナログは転移性前立腺癌を治療するために使用される。それらは更年期前の女性の転移性乳癌の治療のためにも承認されている。GnRHアナログの例としては、酢酸ゴセレリンおよび酢酸ロイプロリドが挙げられる。これとは対照的に、アベレリクス(aberelix)のようなGnRHアンタゴニストは、アゴニスト効果を持たないので、初期のGnRH急上昇を引き起こさない。しかしながら、GnRHアンタゴニストは治療指数の幅が狭いために、それらの使用は現在のところGnRHアゴニストおよび抗アンドロゲンのような他のホルモン療法に抵抗性のある進行性前立腺癌に限定される。
酢酸ゴセレリンはLHRHまたはGnRHの合成デカペプチドアナログであり、化学構造はピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2アセテートであり、乳癌および前立腺癌ならびに子宮内膜症の治療のために使用され、副作用は火照り、気管支炎、不整脈、高血圧症、不安および頭痛を含む。酢酸ロイプロリドはGnRHまたはLHRHの合成ノナペプチドアナログであり、化学名は5−オキソ−L−プロリル−L−ヒスチジル−L−トリプトフィル−L−セリル−L−チロシル−D−ロイシル−L−ロイシル−L−アルギニル−N−エチル−L−プロリンアミドアセテートである。酢酸ロイプロリドは、前立腺癌、子宮内膜症およびさらに乳癌の治療のために使用され、副作用は酢酸ゴセレリンの副作用に類似する。
アバレリクスは、合成デカペプチドAla−Phe−Ala−Ser−Tyr−Asn−Leu−Lys−Pro−Alaであり、化学名はN−アセチル−3−(2−ナフタレニル)−D−アラニル−4−クロロ−D−フェニルアラニル−3−(3−ピリジニル)−D−アラニル−L−セリル−N−メチル−L−チロシル−D−アスパラギニル−L−ロイシル−N6(1−メチルエチル)−L−リシル−L−プロリル−D−アラニンアミドである。アバレリクスはロエスキ(R.W.Roeske)、WO9640757に従って調製することができる(1996年、インディアナ大学基金(Indiana Univ.Found.))。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:本発明による使用のために好ましいGnRHアゴニストおよびアンタゴニストとしては、特にゴセレリン、ロイプロリド/ロイポレリン(leuporelin)、トリプトレリン、ブセレリン、アバレリクス、酢酸ゴセレリンおよび酢酸ロイプロリドを含む、本明細書において記載されるGNRAのいずれもが挙げられる。特に、ゴセレリンおよびロイプロリドが好ましい。酢酸ゴセレリンは、例えば商品名ゾラデックス(Zoladex)としてアストラゼネカ株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第5510460号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。酢酸ロイプロリドは、例えば商品名リュプロン(Lupron)としてタップ・ファーマシュティカルズ(TAP Pharmaceuticals)社から市販されており、例えば米国特許明細書第3914412号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ゴセレリンは商品名ゾラデックスとしてアストラゼネカ社から市販されており、例えばICI特許公報US4100274もしくはヘキスト(Hoechst)社特許公報EP475184中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。ロイプロリドは、アメリカにおいては商品名リュプロンとしてタップ・ファーマシュティカルズ社から、およびヨーロッパにおいては商品名プロスタップ(Prostap)としてワイス(Wyeth)社から市販されており、例えばアボット(Abbott)社特許公報US4005063中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。トリプトレリンは商品名トレルスター(Trelstar)としてワトソン・ファルマ(Watson Pharma)社から市販されており、例えばチュレーン(Tulane)社特許公報US5003011中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。ブセレリンは商品名スプレファクト(Suprefact)として市販されており、例えばヘキスト社特許公報US4024248中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。アバレリクスは商品名プレナキシス(Plenaxis)としてプラエシス・ファーマシューティカルズ(Praecis Pharmaceuticals)社から市販されており、例えばジャン(Jiang)ら、ジャーナルオブメディカルケミストリー(J.Med.Chem.)(2001)、44(3)、453〜467もしくはポリペプチド・ラボラトリーズ(Polypeptide Laboratories)社特許公報WO2003055900記載されるように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。
本発明よる使用のための、他のGnRHアゴニストおよびGnRHアンタゴニストとしては、オーソ・ファーマシューティカル(Ortho Pharmaceutical)社からのヒストレリン、ロシュ(Roche)社からの酢酸ナファレリン、およびシレ・ファーマシューティカルズ(Shire Pharmaceuticals)社からのデスロレリンが挙げられるが、これらに限定されない。
薬量:GnRHアゴニストおよびGnRHアンタゴニストは、有利には1.8mg〜100mgの用量で(例えば、ゴセレリンについては毎月3.6mgもしくは3か月ごとに10.8mg、またはロイプロリドについては毎月7.5mg、3か月ごとに22.5mgもしくは4か月ごとに30mg)投与される。
好ましいGnRHアナログに関しては、これらは一般的には以下の用量で、すなわち、酢酸ゴセレリンは4週ごとに3.6mg皮下のインプラントとして、およびロイプロリドは毎月の7.5mg筋肉内デポーとして投与される。
2.サイトカインおよびサイトカイン活性化剤
定義:「サイトカイン」なる用語は技術用語であり、本明細書におけるサイトカインに対する言及は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)に加えて、サイトカインそれ自体を包含するように意図される。「サイトカイン活性化剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)に加えて、内因性サイトカインの産生またはインビボにおけるその活性を(直接または間接的に)誘導、強化、刺激、活性化または促進する任意の薬剤を包含するように意図される。
技術的な背景:サイトカインは、第2の細胞の機能を制御する能力を有する、免疫系の細胞によって主に産生されるタンパク質またはポリペプチドのクラスである。抗癌療法に関しては、サイトカインは増殖を制御するかまたは癌細胞を直接的に殺し、腫瘍の増殖を制御するために免疫系をより効果的に調節するために使用される。
インターフェロン(IFN)−アルファおよびIL−6のようなサイトカインは、腫瘍細胞と直接相互作用し、増殖停止またはアポトーシス細胞死の誘導することが示されてきた。IFN−アルファは、悪性メラノーマ、慢性骨髄性白血病(CML)、毛様細胞性白血病およびカポジ肉腫の治療に使用される。
サイトカインは、様々な異なる経路を介する腫瘍と戦うために、免疫細胞を刺激することによる抗腫瘍作用もまた有している。例えばT細胞増殖因子であるIL−2は、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞の増殖を促進する。鍵となる免疫のエフェクターB細胞およびエフェクターT細胞の活性化を促進するために、インターフェロンおよび顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のような他のサイトカインは、抗原提示細胞に作用する。
IL−2は、単独で、またはIFN−αとの組合せのどちらかで、転移性メラノーマおよび腎細胞癌の両方において使用される。特に後期腎臓癌では、IL−2は最適な治療である。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:特にインターフェロン(インターフェロン−γおよびインターフェロンαのような)およびインターロイキン(例えばインターロイキン2)を含む、本明細書において記載されるいずれのサイトカインおよびサイトカイン調節剤も、本発明に適用される可能性がある。インターフェロンα−2b(組換え)は、イントロン(INTRON)(登録商標)Aの商品名でシェリング・プラウ(Schering Plough)社から市販されている。
他の好ましいインターフェロンとしては、プロフェロン(ROFERON)の商品名でロシュ社から入手可能なインターフェロンα−2aが挙げられる。
特に好ましいインターロイキンは、カイロン(Chiron)社から入手可能なプロロイキン(PROLEUKIN)(登録商標)IL−2(アルデスロイキン)である。
薬量:インターフェロンは特定の兆候に応じたスケジュールでの注射によって投与される。悪性メラノーマのイントロンA治療のためには、1週あたり連続して5日間2000万IU/mの用量での静脈内(IV)点滴として誘導療法を4週間、続いて1週あたり3回の1000万IU/mの用量での皮下(SC)注射として維持療法を48週間で含むスケジュールが好ましい。非ホジキンリンパ腫のイントロンA治療のためには、アントラサイクリン含有化学療法レジメンと併用して、最大18か月間までの1週あたり3回の500万IUの皮下注射のスケジュールが好ましい。
CMLのためにロフェロンAの推奨される初回用量は、皮下注射または筋肉注射として毎日9MIUの投与である。臨床経験に基づいて、短期の耐性は、投与の第一週の間における毎日3日間の3MIU〜毎日3日間の6MIUから、治療期間の間に毎日9MIUの標的用量まで、徐々にロフェロンAの用量を増加させることによる改善され得る。毛様細胞白血病のためのロフェロンAの導入用量は、16〜24週間、毎日3MIUを皮下注射または筋肉注射として投与されるものである。皮下投与は、血小板減少の患者(血小板数<50,000)、または出血のリスクがある患者のために特に提案されるが、これらに限定されない。推奨される維持用量は、3MIUを1週あたり3回(tiw)である。
プロロイキンについては、以下のスケジュールが、転移性腎細胞癌(転移性RCC)または転移性メラノーマに罹患する成人患者を治療するために使用さている(各治療過程は、休止期間によって分割される2つの5日の治療サイクルからなる):600,000IU/kg(0.037mg/kg)用量を、最大で14用量で15分間の静脈内点滴によって8時間ごとに投与する。9日間の休止に続いて、もう1回14用量(耐えられる限り、1つの過程あたり最大で28用量)で、スケジュールを繰り返す。
サイトカイン活性化剤:好ましいサイトカイン活性化剤としては以下のものが挙げられる:(a)中外製薬(Chugai Pharmaceuticals)社からのピシバニール(癌治療のためのIFN−ガンマ誘導分子);(b)第一製薬(Daiichi)社からのロムルチド(コロニー刺激因子放出の刺激によってサイトカインネットワークを活性化する);(c)科研製薬(Kaken Pharmaceutical)社からのシゾフィラン(マイトーゲン刺激された末梢血単核細胞によるIFN−ガンマおよびIL−2の産生を刺激し、子宮頚部腫瘍および肺腫瘍治療において有用である、スエヒロタケから単離されたベータ1−3、ベータ1−6D−グルカン);(d)ローラス・セラピューティクス(Lorus Therapeutics)社からのビルリジン(肉腫、メラノーマ、膵臓腫瘍、乳房腫瘍、肺腫瘍およびカポジ肉腫フェーズIII膵臓の治療のための、IL−17合成およびIL−12放出を刺激する、NKアゴニストおよびサイトカイン放出モジュレーター);および(e)チモシンアルファ1、(主としてTh1サイトカインの増産のための免疫反応促進へ向けられる複数の生物学的活性を有する28合成アミノ酸ペプチドであり、非小細胞肺癌、肝細胞癌、メラノーマ、癌腫、肺腫瘍、脳腫瘍および腎腫瘍の治療において有用)。
3.レチノイド
定義:「レチノイド」なる用語は、本明細書において開示された具体的なレチノイドだけでなく、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)もまた含む、広い意味で本明細書で使用される技術用語である。
技術的な背景:トレチノインは、レチノールの内在性代謝物質である。トレチノインは、ヒト骨髄細胞株を含むいくつかの造血系前駆細胞株において最終分化を誘導する。急性前骨髄球性白血病(APL)は、第15染色体と第17染色体との間の特異的な転座と関連しており;レチノイン酸受容体−αは第17染色体に位置する。転座は分化を阻害し、発癌をもたらすようであり;トレチノインが高用量で使用された場合、これを克服する可能性がある。トレチノインは、通常、治療の8〜119日の間の寛解までの時間で、APL患者の64〜100%に寛解を誘導する。治療の間の獲得抵抗性は特に持続的投薬(4〜6か月)で一般的である。アリトレチノインは、レチノイド受容体のRXRサブファミリーに選択的と考えられる9−cis−レチノイン酸誘導体である。この選択性は、胎児暴露での先天性欠損、皮膚表面および粘膜表面のかぶれまたは骨格異常を含むレチノイド治療の著しい副作用を低減する一方で、治療上の抗腫瘍効果を維持し得る。局所用のアリトレチノインはカポジ肉腫の治療のために米国では承認されている。ベキサロテン(ターグレチン;LGD−1069)(レチノイドX受容体(RXR)に選択的な抗腫瘍レチノイド)の経口製剤およびゲル(局所用)製剤は、悪性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のために利用可能である。
US6,127,382、WO01/70668、WO00/68191、WO97/48672、WO97/19052およびWO97/19062(すべてアラガン社の)は各々、癌を含む様々な過剰増殖性の疾患の治療における使用のためのレチノイド様活性のある化合物を記載している。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:本発明による使用のために好ましいレチノイドとしては、特にトレチノイン(オールトランス型レチノイン酸)、アリトレチノインおよびベキサロテンを含む、本明細書において開示されるレチノイドのいずれもが挙げられる。トレチノイン(レタクニル(Retacnyl)、アクノテン(Aknoten)、トレチン(Tretin)M)は、商品名ベサノイド(Vesanoid)としてロシュ社から市販されており、例えばヴァンドープ(D.A.van Dorp)、アレンス(J.R.Arens)、Rec.Trav.Chim.65、338(1946);ローブソン(C.D.Robeson)ら、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)77、4111(1955);マーベット(R.Marbet)、DE2061507;US3746730(1971年、1973年、両方ともホフマン・ラ・ロシュ(Hoffmann−La Roche)社)中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。アリトレチノイン(9−cis−トレチノイン、パンレキシン(Panrexin))は、商品名パンレチン(Panretin)としてリガンド・ファーマシューティカルズ(Ligand Pharmaceuticals)社から市販されており、例えばローブソン(C.D.Robeson)ら、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)77、4111(1955);マツイ(M.Matsui)ら、ビタミン学ジャーナル(J.Vitaminol.)4、178(1958);べーム(M.F.Boehm)ら、ジャーナルオブメディシナルケミストリー(J.Med.Chem.)37、408(1994)中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。ベキサロテン(ターグレキシン(Targrexin)、ターグレット(Targret))は、商品名ターグレチンとしてリガンド・ファーマシューティカルズ社から市販されており、例えばべーム(M.F.Boehm)ら、WO9321146(1993年、リガンド・ファーマシューティカルズ社);ドーソン(M.L.Dawson)ら、US5466861(1995年、SRI Int;ラ・ホーヤ癌研究所基金(La Jolla Cancer Res.Found.))中に記載されているように、またはそれに類似した類似した方法によって調製され得る。
薬量:トレチノインは、有利には、完全寛解後の30日間、または最大90日まで、2つの分割された用量で経口で25mg/m/日〜45mg/m/日の用量で投与される。アリトレチノインゲル0.1%は、有利には、皮膚のカポジ肉腫障害へ1日当たり2回の適用によって初期投与される。
ベキサロテンは、有利には、300mg/m/日で毎日、単一の経口用量として初期投与される。用量は200mg/m/日に、次に100mg/m/日に調整されてもよく、または毒性のために必要であれば、一時的に中断される。8週間の治療後に腫瘍反応がないならば、および300mg/m/日の初回用量が良好な耐容性を示すならば、注意深くモニターしながら用量を400mg/m/日まで高めてもよい。ベキサロテンゲルは、有利には、第一週の間には最初に一日おきに1回適用される。適用頻度は、個々の障害耐性に従って、毎日1回、次に毎日2回、次に毎日3回、および最終的に毎日4回まで一週間間隔で増加されてもよい。
4.モノクローナル抗体。
どのようなモノクローナル抗体(例えば1つまたは複数の細胞表面抗原に対する)も、本発明の組合せで使用されてもよい。抗体特異性は、当業者に周知の様々な技術のいずれかを使用して、分析または決定されてもよい。
定義:本明細書で使用される「モノクローナル抗体」なる用語は、任意のソースからの抗体を指し、そのため完全ヒト型抗体、およびさらに他の種に由来する構造または特異性を決定する要素を含む抗体を含んでいる(およびそれらは、例えばキメラ抗体またはヒト化抗体と呼ぶことができる)。
技術的な背景:モノクローナル抗体は高特異性であり、したがって疾患特異的標的に結合して作用することができ、それによって正常細胞を救い、従来の化学療法よりも少ない副作用をもたらすので、モノクローナル抗体の使用は、現在、抗癌性化学療法において広く認められている。
様々な癌の治療のための抗体化学療法の標的として調査された細胞の1群は、腫瘍細胞において過剰発現または異常発現されるクラスター分類(CD)分子、例えば腫瘍細胞表面上で(最も顕著には、造血系起源の腫瘍において)過剰発現されるCD20、CD22、CD33およびCD52を含む、細胞表面抗原を有する細胞である。これらのCD標的に対する抗体(抗CD抗体)としては、モノクローナル抗体のリツキシマブ(別名リツキサマブ)、トシツモマブおよびゲムツズマブ・オゾガミシンが挙げられる。
リツキシマブ/リツキサマブは、再発、治療抵抗性、低悪性度または濾胞性リンパ腫を含む、B細胞非ホジキンリンパ腫の治療のために広範囲に使用される、マウス/ヒトキメラ抗CD20モノクローナル抗体である。この製品は慢性リンパ性白血病を含む様々な他の徴候のためにも開発されている。リツキシマブ/リツキサマブの副作用は低酸素症、肺浸潤または急性呼吸窮迫症候群、心筋梗塞、心室細動または心原性ショックを含む可能性がある。トシツモマブは、非ホジキンリンパ腫およびリンパ性白血病の治療のために、ヨウ素−131で標識された細胞特異的な抗CD20抗体である。トシツモマブで起こりうる副作用は、血小板減少および好中球減少を含む。ゲムツズマブ・オゾガミシンは、CD33に対して特異的なヒトモノクローナル抗体に結合された細胞毒性薬(カリケアマイシン)である。カリケアマイシンは、アドリアマイシンよりも1,000倍以上強力である、非常に強力な抗腫瘍剤である。いったん細胞の内部に放出されたならば、カリケアマイシンはDNAのマイナーグルーブへ配列特異的方式で結合し、リアレンジメントを受け、フリーラジカルを露出し、二本鎖DNAの切断を引き起こし、細胞アポトーシス(プログラム細胞死)をもたらす。ゲムツズマブ・オゾガミシンは急性骨髄性白血病の二次治療として使用され、起こりうる副作用は、アナフィラキシーのような重症の過敏性反応、および肝毒性もまた含む。
アレムツズマブ(ミレニアム・ファーマシューティカルズ(Millennium Pharmaceuticals)社、キャンパス(Campath)としても知られる)は、TNF−アルファ、IFN−ガンマおよびIL−6の分泌を誘導する、慢性リンパ性白血病および非ホジキンリンパ腫の治療のために有用な、CD52に対するヒト化モノクローナル抗体である。
好ましい選択肢:本発明による使用のために好ましいモノクローナル抗体としては、アレムツズマブ、CD20、CD22およびCD33を含む抗CDの抗体が挙げられる。特に好ましいのは、上記のような抗CD抗体(例えばCD20、CD22、CD33)を含む、細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体である。
具体的な実施形態:一実施形態において、モノクローナル抗体は、クラスター分類のCD分子(例えばCD20、CD22、CD33、CD52)に対する抗体である。別の実施形態では、細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体は、リツキシマブ/リツキサマブ、トシツモマブおよびゲムツズマブ・オゾガミシンから選択される。本発明に従って使用されてもよい他のモノクローナル抗体としては、ベバシズマブが挙げられる。
例示的な製剤:本明細書において記載されるように、本発明による使用のための細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体としては、CD52抗体(例えばアレムツズマブ)および他の抗CD抗体(例えばCD20、CD22およびCD33)が挙げられる。組合せのうちの個々の構成要素により示されるそれぞれの効果と比較して、例えば腫瘍細胞増殖に対して有利で有効な効果を示す細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体(例えば抗CD抗体(例えばCD20、CD22およびCD33))を含む、治療上の組合せが好ましい。
細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体(抗CD抗体)の好ましい例としては、リツキシマブ/リツキサマブ、トシツモマブおよびゲムツズマブ・オゾガミシンが挙げられる。リツキシマブ/リツキサマブは、商品名マブセラ(Mabthera)としてFホフマン・ラ・ロシュ株式会社から市販されており、またPCT特許明細書WO94/11026号中に記載されているように得てもよい。トシツモマブは商品名ベキサール(Bexxar)としてグラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)株式会社から市販されており、また米国特許明細書第5595721中に記載されるように得てもよい。ゲムツズマブ・オゾガミシンは商品名マイロターグ(Mylotarg)としてワイス・リサーチ(Wyeth Research)社から市販されており、また米国特許明細書第5,877,296号中に記載されているように得てもよい。
生物学的活性:モノクローナル抗体(例えば1つまたは複数の細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体)は、適切な抗癌剤として同定されている。抗体は様々なメカニズムを介して効果を奏する。抗体は重要な細胞の増殖因子または受容体を遮断するか、直接アポトーシスを誘導するか、標的細胞に対して結合するか、放射性同位元素および毒素のような細胞毒性負荷を送達することができる。
薬量:抗CD抗体は、例えば体表面の1平方メートルあたり5〜400mg(mg/m)の用量で投与されてもよく;特に、ゲムツズマブ・オゾガミシンは、例えば約9mg/体表面mの用量で投与されてもよく;リツキシマブ/リツキサマブは、例えば4用量で静脈内点滴として約375mg/mの用量で週に一度投与されてもよく;トシツモマブの用量は、患者の年齢、体重、性別および症状のような通常の臨床的指標に従って、各患者について個別に量を定めなくてはならない。
これらの用量は、例えば治療の1過程あたり1回、2回またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば、7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
5.カンプトテシン化合物
定義:本明細書で使用される「カンプトテシン化合物」なる用語は、カンプトテシンそれ自体、または上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または、異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、本明細書において記載されるカンプトテシンのアナログを指す。
技術的な背景:カンプトテシン化合物は、中国の樹木カンプトテシン・アクミナタ(Camptothecin acuminata)、およびインドの樹木クサミズキ(Nothapodytes foetida)に由来する非水溶性アルカロイドである親化合物カンプトテシンに関連または由来する化合物である。カンプトテシンは、DNA合成に対する強力な阻害活性を有しており、様々な実験系において腫瘍細胞増殖に対する高い活性が示されてきた。しかしながら抗癌治療におけるカンプトテシンの臨床用途は、高い毒性により著しく限定され、カンプトテシンの抗腫瘍の効果の有効性を保持しながらその毒性を減少させようと様々なアナログが開発されている。そのようなアナログの例としては、イリノテカンおよびトポテカンが挙げられる。
これらの化合物は、DNAトポイソメラーゼIの特異的阻害剤であることが見出されている。トポイソメラーゼは、真核生物細胞のDNAトポロジーを変化させることができる酵素である。トポイソメラーゼは重要な細胞機能および細胞増殖について重大である。真核生物細胞には、2つのクラスのトポイソメラーゼ(すなわちタイプI、タイプII)がある。トポイソメラーゼIはおよそ100,000の分子量を有する単量体酵素である。当該酵素はDNAに結合して一時的な一本鎖切断を導入し、二重らせんをほどき(またはそれをほどくことを可能にし)、続いてDNA鎖から分離する前に切断をふさぐ。
イリノテカン(すなわち7−エチル−10−(4−(1−ピペリジノ)−1−ピペリジノ)カルボニルオキシ−(20S)−カンプトテシン)、およびその塩酸塩(CPT11としてもまた知られる)には、良好な有効性、少ない毒性および優れた水溶性が見出されている。イリノテカンは、様々な癌(特に結腸直腸癌)の治療において臨床的有効度を有することが見出されてきた。別の重要なカンプトテシン化合物は、臨床試験においていくつかの固形腫瘍(特に卵巣癌および非小細胞肺癌)に対する有効性を示す、トポテカン(すなわち(S)−9−ジメチルアミノメチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)である。
例示的な製剤:注射投与用非経口医薬製剤でカンプトテシン化合物を含むものは、0.9%滅菌生理食塩水の10ml中に、カンプトテシン化合物の水溶性塩(例えばEP0321122、特にその中の実施例中に記載されている化合物)100mgを溶解し、次に溶液を滅菌し、溶液を適切な容器に入れることによって調製することができる。
生物学的活性:上記のように本発明の組合せのカンプトテシン化合物は、DNAトポイソメラーゼIの特異的阻害剤であり、様々な癌に対する活性を有している。
先行技術文献:WO01/64194(ヤンセン(Janssen)社)は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤およびカンプトテシン化合物の組合せを開示している。EP137145(ローヌ・プーラン・ローラー(Rhone Poulenc Rorer)社)は、イリノテカンを含むカンプトテシン化合物を開示している。EP321122(スミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham)社)は、トポテカンを含むカンプトテシン化合物を開示している。
問題:カンプトテシン化合物はヒトにおいて化学療法剤として広く使用されているが、それらはすべての患者において、またはすべての型の腫瘍に対して治療上効果的なわけではない。したがって腫瘍増殖に対するカンプトテシン化合物の抑制的有効性を増加させ、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるためにカンプトテシン化合物のより低用量の使用のための手段もまた提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のための好ましいカンプトテシン化合物としては、上記のイリノテカンおよびトポテカンが挙げられる。イリノテカンは、例えば商品名「カンプト(Campto)」としてローヌ・プーラン・ローラー社から市販されており、例えば欧州特許明細書第137145号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。トポテカンは、例えば商品名「ハイカムチン(Hycamtin)」としてスミスクライン・ビーチャム社から市販で入手可能であり、例えば欧州特許番号第321122号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。他のカンプトテシン化合物は、例えばイリノテカンおよびトポテカンについて上記のものと類似した方法によって、通常の方法で調製されてもよい。
具体的な実施形態:一実施形態において、カンプトテシン化合物はイリノテカンである。別の実施形態では、カンプトテシン化合物は、イリノテカン以外のカンプトテシン化合物、例えばトポテカンのようなカンプトテシン化合物である。
薬量学:カンプトテシン化合物は、有利には体表面積1平方メートルあたり、治療の1過程あたり、0.1〜400mg(mg/m)、例えば1〜300mg/mの用量で、特にイリノテカンについては約100〜350mg/mの用量で、およびトポテカンについては約1〜2mg/mの用量で投与される。これらの用量は治療の1過程あたり例えば1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
6.代謝拮抗剤
定義:「抗代謝化合物」および「代謝拮抗剤」なる用語は同義語として使用され、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または、異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、抗代謝化合物または本明細書で記載されるような抗代謝化合物のアナログを定義する。したがって、本明細書において言及される抗代謝化合物(他には代謝拮抗剤として知られる)は、癌細胞の生理現象および増殖に不可欠な代謝プロセスを妨害する抗癌剤の大きなグループを構成する。そのような化合物は、DNA合成を阻害するヌクレオシド誘導体(ピリミジンヌクレオシドアナログまたはプリンヌクレオシドアナログのいずれか)、およびチミジル酸シンターゼおよび/またはジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤を含む。
技術的な背景:代謝拮抗剤(または抗代謝化合物)は、癌細胞の生理現象および増殖に不可欠な代謝プロセスを妨害する抗癌剤の大きなグループを構成する。そのような化合物は、DNA合成を阻害するヌクレオシド誘導体(ピリミジンヌクレオシドアナログまたはプリンヌクレオシドアナログのいずれか)、およびチミジル酸シンターゼおよび/またはジヒドロ葉酸還元酵素酵素の阻害剤を含む。抗腫瘍のヌクレオシド誘導体は長年様々な癌の治療のために使用されてきた。これらの誘導体の最も古くそして最も広く使用されるものの中に5−フルオロウラシル(5−FU)があり、これは大腸腫瘍、乳房腫瘍、肝腫瘍および頭頸部腫瘍のような多数の癌を治療するために使用されている。
5−FUの細胞傷害効果を促進するために、チミジル酸シンターゼ(悪性細胞の5−FUの効果に対する感受性を保証するのに重要である)のレベルを調節するために、ロイコボリンがこの薬物と共に使用されてきた。しかしながら、様々な要因(例えば腫瘍抵抗性、胃腸への影響および血液学的影響を含む毒性、静脈内投与の必要性)から、5−FUの使用は限定される。これらの短所を克服するため様々なアプローチが採用されてきた。当該アプローチには、全身毒性の減少による、または腫瘍に到達する活性薬物量を増加させることによってのいずれかで5−FUの低生体利用率を克服し、さらに5−FUの治療指数を改善させる提案が含まれる。
5−FUを超える良好な治療上の長所を提供するような化合物の1つは、化学名が[1−(5−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−5−フルオロ−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−ピリミジニル]−カルバミン酸ペンチルエステルである、カペシタビンである。カペシタビンは経口服用後に十分に吸収され、活性薬物に対するわずかな全身暴露で、腫瘍に対する薬理学的活性のある濃度の5−FUを送達する、5−FUのプロドラッグである。カペシタビンは、5−FUに対して潜在的に優れた活性を提供することに加えて、長期投与による経口治療のためにもまた使用することができる。別の抗腫瘍のヌクレオシド誘導体は、化学名が2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−シチジンであり、非小細胞肺癌および膵臓癌を含む様々な癌の治療において使用されるゲムシタビンである。さらなる抗腫瘍ヌクレオシドとしては、シタラビンおよびフルダラビンが挙げられる。化学名が1−β−Dアラビノフラノシルシトシンであるシタラビン(アラ−Cとしてもまた知られる)は、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病(急性転化期)、急性リンパ性白血病および赤白血病の治療において有用であることが見出されている。フルダラビンは、DNA合成阻害剤であり、化学名が9−β−D−アラビノフラノシル−2−フルオロ−アデニンであり、治療抵抗性のB細胞慢性リンパ性白血病の治療のために使用される。抗癌性化学療法において使用される他の代謝拮抗剤としては、酵素阻害剤のラルチトレキセド、ペメトレキセドおよびメトトレキサートが挙げられる。ラルチトレキセドは、葉酸系チミジル酸シンターゼ阻害剤(化学名N−[5−[N−[(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソ−6−キナゾリニル)−メチル−N−メチルアミノ]−2−テノイル]−L−グルタミン酸を有する)であり、進行性結腸直腸癌の治療において使用される。ペメトレキセドは、チミジル酸シンターゼおよびトランスフェラーゼの阻害剤(化学名N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸、二ナトリウム塩)であり、以前に治療された患者における中皮腫および局所的進行性または転移性非小細胞肺癌(SCLC)の治療のために使用される。メトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害を介してDNA複製を阻害することによって細胞分裂を妨げ、結果として細胞死をもたらす代謝拮抗剤であり、化学名がN−[4−[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]−エチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸であり、急性リンパ性白血病の治療のために、ならびにさらに乳癌、頭頸部の類表皮癌、肺癌(特に肺扁平上皮癌および小細胞肺癌)および進行期の非ホジキンリンパ腫の治療において使用される。
生物学的活性:本発明の組合せの抗代謝化合物は、上記のような癌細胞の生理現象および増殖に不可欠な代謝プロセスを妨害し、様々な癌に対する活性を有する。
問題:これらの抗癌剤は多数の副作用(特に骨髄抑制、およびいくつかの症例において悪心および下痢)がある。したがって、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、より低用量での使用のための手段を提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のために好ましい抗代謝化合物としては、本明細書において言及される、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、カペシタビン、シタラビンおよびフルダラビンのような抗腫瘍のヌクレオシド、ならびにラリトレキセド(ralitrexed)、ペメトレキセドおよびメトトレキサートのような酵素阻害剤が挙げられる。したがって本発明による使用のために好ましい抗代謝化合物としては、本明細書において言及される、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、カペシタビン、シタラビンおよびフルダラビンを含む抗腫瘍のヌクレオシド誘導体が挙げられる。本発明による使用のために好ましい他の抗代謝化合物としては、ラリトレキセド、ペメトレキセドおよびメトトレキサートを含む酵素阻害剤が挙げられる。
5−フルオロウラシルは広く市販されているか、または例えば米国特許明細書第2802005号において記載されているように調製され得る。ゲムシタビンは、例えば商品名ジェムザール(Gemzar)としてイーライ・リリー・アンド・カンパニー社から市販されており、例えば欧州特許明細書第122707号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。カペシタビンは、例えば商品名ゼローダ(Xeloda)としてホフマン・ラ・ロシュ社から市販されており、例えば欧州特許明細書第698611号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。シタラビンは、例えば商品名サイトサール(Cytosar)として、ファルマシア・アンド・アップジョン(Pharmacia and Upjohn)社から市販されており、例えば米国特許明細書3116282番中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。フルダラビンは、例えば商品名フルダラ(Fludara)としてシェーリング社から市販されており、例えば米国特許明細書第4357324号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ラリトレキセドは、例えば商品名トミュデックス(Tomudex)としてアストラゼネカ株式会社から市販されており、例えば欧州特許明細書第239632号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ペメトレキセドは、例えば商品名アリムタ(Alimta)としてイーライ・リリー・アンド・カンパニーから市販されており、例えば欧州特許明細書第432677号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。メトトレキサートは、例えば商品名メトトレキサート−レダリー(Methotrexate−Lederle)としてレダリー・ラボラトリーズ(Lederle Laboraories)社から市販されており、例えば米国特許明細書第2512572号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。本発明の組合せで使用される他の代謝拮抗剤としては、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、クラドリビン、2’−デオキシコフォルマイシンおよびヒドロキシウレアが挙げられる。
具体的な実施形態:一実施形態では、抗代謝化合物はゲムシタビンである。別の実施形態では、抗代謝化合物は、5−フルオロウラシルまたはフルダラビン以外の抗代謝化合物、例えば、ゲムシタビン、カペシタビン、シタラビン、ラリトレキセド、ペメトレキセドまたはメトトレキサートのような抗代謝化合物である。
薬量:代謝拮抗剤化合物は、上述の要因に応じた用量で投与されることになる。特定の好ましい代謝拮抗剤の用量の例を具体例として以下に示す。抗腫瘍ヌクレオシドに関して、有利には、体表面積1平方メートルあたり10〜2500mg(mg/m)、例えば700〜1500mg/m、特に5−FUについては200〜500mg/m、ゲムシタビンについては800〜1200mg/m、カペシタビンについては1000〜1200mg/m、シタラビンについては100〜200mg/m、およびフルダラビンについては10〜50mg/mの一日投与量で投与される。
以下の酵素阻害剤に関して、可能性な用量の例を示す。ラルチトレキセドは約3mg/mの用量で、ペメトレキセドは500mg/mの用量で、およびメトトレキサートは30〜40mg/mの用量で投与することができる。
上述の用量は、一般的に治療の1過程あたり例えば1回、2回、それ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
7.ビンカアルカロイド
定義:本明細書で使用される「ビンカアルカロイド」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、ビンカアルカロイド化合物または本明細書において記載されるビンカアルカロイド化合物のアナログを指す。
技術的な背景:本発明の組合せで使用されるビンカアルカロイドは、ツルニチニチソウ(ビンカ・ロセア(Vinca rosea))の抽出物に関連しているか、またはそれらに由来する抗腫瘍のビンカアルカロイドである。これらの化合物の中で、ビンブラスチンおよびビンクリスチンは、白血病、リンパ腫および精巣癌の治療のために重要な臨床的薬剤であり、ビノレルビンは肺癌および乳癌に対する活性を有する。
生物学的活性:本発明の組合せのうちのビンカアルカロイド化合物は、チューブリン標的化剤であり、様々な癌に対する活性を有する。
問題:ビンカアルカロイドには毒物学的影響がある。例えばビンブラスチンは、薬剤投与後、7〜10日で最下点(ナディア)に達する白血球減少症を引き起こし、その後に7日以内に回復が続いて起こるが、一方ビンクリスチンではいくつかの神経学的な毒性(例えば、肢のしびれおよび震え、深部腱反射の喪失、ならびに遠位四肢筋肉組織の衰弱)を示す。ビノレルビンはある程度の毒性を果粒球減少の形態で有するが、緩やかな血小板減少および他のビンカアルカロイドよりも少ない神経毒性のみがある。したがって、腫瘍増殖に対する抗腫瘍ビンカアルカロイドの抑制的有効性を増加させ、および患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、抗腫瘍ビンカアルカロイドのより低用量の使用のための手段もまた提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のための好ましい抗腫瘍ビンカアルカロイドとしては、ビンデシン、ビンベシル(vinvesir)、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビンが挙げられる。本発明による使用のための特に好ましい抗腫瘍ビンカアルカロイドは、上述のビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビンを含んでいる。ビンブラスチンは、商品名ベルバン(Velban)としてイーライ・リリー社から、例えば注射用硫酸塩として市販されており、例えばドイツ特許明細書第2124023号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。ビンクリスチンは、商品名オンコビン(Oncovin)としてイーライ・リリー社から例えば注射用硫酸塩として市販されており、例えば上記のドイツ特許明細書第2124023号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。ビンクリスチンは名称オンコ(Onco)−TCS(商標)としてリポソーム製剤としてもまた入手可能である。ビノレルビンは、例えば商品名ナベルビン(Navelbine)としてグラクソ・ウエルカム(Glaxo Wellcome)から注射用酒石酸塩として市販されており、例えば米国特許明細書第4307100号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。他の抗腫瘍のビンカアルカロイドは通常の方法で、例えばビノブラスチン(vinoblastine)、ビンクリスチンおよびビノレルビンについて上記のものと類似した方法、によって調製され得る。
別の好ましいビンカアルカロイドはビンデシンである。ビンデシンはカサランサス(catharanthus)属由来の二量体アルカロイドのビンブラスチンの合成誘導体であり、商品名エルディシン(Eldisine)としてリリー(Lilly)社、および商品名フィルデシン(Fildesin)として塩野義製薬(Shionogi)から入手可能である。ビンデシンの合成の詳細は、リリー社特許DE2415980(1974)中に、およびバーネット(C.J.Burnett)ら、ジャーナルオブメディシナルケミストリー(J.Med.Chem.)21、88(1978)によって記載されている。
具体的な実施形態:一実施形態において、ビンカアルカロイド化合物はビノブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビンから選択される。別の実施形態では、ビンカアルカロイド化合物はビノブラスチンである。
薬量:抗腫瘍のビンカアルカロイドは、有利には、治療の1過程あたり、体表面積1平方メートルあたり2〜30mg(mg/m)の用量で、特にビンブラスチンについては約3〜12mg/mの用量で、ビンクリスチンについては約1〜2mg/mの用量で、およびビノレルビンについては約10〜30mg/mの用量で投与される。これらの用量は、治療の1過程あたり例えば1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば1、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
8.タキサン
定義:本明細書で使用される「タキサン化合物」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくは塩または互変異性体またはそのN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、タキサン化合物または本明細書において記載されるタキサン化合物のアナログを指す。
技術的な背景:タキサンはタキサン環系を有する化合物のクラスであり、イチイ(イチイ属(Taxus))樹木の特定の種からの抽出物に関するか、またはそれらに由来する。これらの化合物は、腫瘍細胞増殖に対する活性を有することが見出され、このクラスの特定の化合物は病院において様々な癌の治療のために使用されてきた。したがって例えば、パクリタキセルは、セイヨウイチイ(タクサス・ブレビホリア(Taxus brevifolia))の樹皮から単離されたジテルペンであり、10−アセチルバクシン(acetylbacctin)(イチイ針葉および小枝から得られた前駆物質)からの部分合成、または全合成によって産生することができる、ホールトン(Holton)ら、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)116;1597〜1601(1994)およびニコラウ(Nicholau)ら、ネイチャー(Nature)367:630(1994)を参照。パクリタキセルは抗新生物活性を示し、より最近では、その抗腫瘍の活性は微小管重合の促進に起因することが証明されている(クマール(Kumar N.J.)、バイオロジカルケミストリ−(Biol.Chem.)256:1035〜1041(1981);ロウィンスキー(Rowinsky)ら、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(J.Natl.Cancer Inst.)82:1247〜1259(1990);およびシフ(Schiff)ら、ネイチャー(Nature)277:655〜667(1979))。パクリタキセルは、臨床試験でいくつかのヒト腫瘍における有効性が現在実証されている(マクガイア(McGuire)ら、アメリカ内科学会誌(Ann.Int.Med.)、111:273〜279(1989);ホームズ(Holmes)ら、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(J.Natl.Cancer Inst.)83:1797〜1805(1991);コーン(Kohn)ら、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(J.Natl.Cancer Inst.)86:18〜24(1994);およびコーン(Kohn)ら、米国臨床腫瘍学会(American Society for Clinical Oncology、12(1993))。パクリタキセルは、例えば卵巣癌およびさらに乳癌の治療のために使用されてきた。
病院で使用される別のタキサン化合物は、進行性乳癌の治療において特定の有効性を有することが示されてきたドセタキセルである。ドセタキセルは、パクリタキセルよりも賦形剤系中でより高い溶解度を示し、したがってそれが医薬組成物中での扱いおよび使用の容易さを増加させる。
生物学的活性:本発明の組合せのタキサン化合物はチューブリン標的化剤であり、様々な癌に対する活性を有する。
問題:タキサンの臨床的な使用は、その使用に関連した副作用を許容できない多くの患者が存在することから、治療指数の幅が狭いことを実証した。したがって、腫瘍増殖に対するタキサン化合物の抑制的有効性を増加させ、および患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、タキサン化合物のより低用量の使用のための手段もまた提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のための好ましいタキサン化合物は、本明細書において言及されるパクリタキセルまたはドセタキセルを含んでいる。パクリタキセルは、例えばブリストル・マイヤーズ・スクイブ社から商品名タキソール(Taxol)として市販されており、ドセタキセルは、ローヌ・プーラン・ローラー社から商品名タキソテール(Taxotere)として市販されている。双方の化合物および他のタキサン化合物は通常の方法、例えばEP253738、EP253739およびWO92/09589中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。
具体的な実施形態:一実施形態において、タキサン化合物はパクリタキセルである。別の実施形態では、タキサン化合物はドセタキセルである。
薬量:タキサン化合物は、有利には、治療の1過程あたり、体表面積1平方メートルあたり50〜400mg(mg/m)、例えば75〜250mg/mの用量で、特にパクリタキセルについては約175〜250mg/mの用量で、およびドセタキセルについては約75〜150mg/mの用量で投与される。これらの用量は、治療の1過程あたり例えば1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
9.白金化合物
定義:本明細書で使用される「白金化合物」なる用語は、白金配位化合物を含む、腫瘍細胞増殖を阻害するどのような白金化合物をも指し、化合物は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または、異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、イオン形態の白金および本明細書で記載されるような白金化合物のアナログを提供する。
技術的な背景:癌の化学療法の治療において、シスプラチン(cis−ジアミノジクロロ白金(diaminodichloroplatinum)(II))は、様々なヒト固形悪性の腫瘍(例えば、精巣癌、卵巣癌、頭頸部癌、膀胱癌、食道癌、肺癌)の治療において長年結果よく使用されてきた。
より最近では、他のジアミノ−白金錯体(例えばカルボプラチン(ジアミノ(1,1−シクロブタン−ジカルボキシラト)白金(II))もまた、様々なヒト固形悪性の腫瘍の治療において化学療法剤としての有効性が示されており、カルボプラチンは卵巣癌の治療について承認されている。さらなる抗腫瘍白金化合物は、化学名が(1,2−ジアミノシクロヘキサン)オキサラト−白金(II)である、オキサリプラチン(L−OHP)(第3世代のジアミノ−シクロヘキサン白金系の細胞毒性薬)である。オキサリプラチンは、シスプラチンと比較して、癌の前臨床モデルにおける腎毒性の欠如およびより高い有効性に基づいて、例えば転移性結腸直腸癌の治療のために使用される。
生物学的活性:本発明の組合せの白金化合物は様々な癌に対する活性を有する。
問題:シスプラチンおよび他の白金化合物はヒトにおける化学療法剤として広く使用されているが、それらはすべての患者において、またはすべての型の腫瘍に対して治療上効果的なわけではない。さらに、腎臓障害のような毒性の問題を引き起こす比較的高い投与量レベルで、そのような化合物を投与する必要がある。さらに、そして特にシスプラチンでは、当該化合物は、白血球減少、貧血および血小板減少に加えて、様々な程度の悪心および嘔吐を患者にもたらす。したがって有効性を増加させ、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、より低用量の使用のための手段もまた提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のための好ましい白金化合物としては、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチンが挙げられる。他の白金化合物としては、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−cis−(ピルバト)白金(II);オンナプラチン(onnaplatin);およびテトラプラチンが挙げられる。シスプラチンは、水、滅菌生理食塩水または他の適切な賦形剤による構成用粉末として、例えばブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から商品名プラチノール(Platinol)として市販されている。シスプラチンは、例えば、カウフマン(G.B.Kauffman)およびコーワン(D.O.Cowan)、無機合成(Inorg.Synth.)、7、239(1963)によって記載されるように、またはそれに類似した方法によってもまた調製され得る。カルボプラチンは、例えば商品名パラプラチン(Paraplatin)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第4140707号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。オキサリプラチンは、例えば商品名エロキサチン(Eloxatin)としてサノフィ・サンテラボ(Sanofi−Synthelabo)社から市販されており、例えば米国特許明細書第4169846号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。他の白金化合物およびそれらの医薬組成物は、市販されており、かつ/または通常の技術によって調製することができる。
具体的な実施形態:一実施形態において、白金化合物は、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−cis−(ピルバト)白金(II);オンナプラチン;テトラプラチン、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチンから選択される。別の実施形態では、白金化合物はシスプラチン以外の白金化合物、例えば、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−cis−(ピルバト)白金(II);オンナプラチン;テトラプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチンのような白金化合物であり、好ましくはカルボプラチンおよびオキサリプラチンから選択される。
薬量:白金配位化合物は、有利には体表面積1平方メートルあたり1〜500mg(mg/m)、例えば50〜400mg/mの用量で、特にシスプラチンについては約75mg/mの用量で、カルボプラチンについては約300mg/mの用量でおよびオキサリプラチンについては約50〜100mg/mの用量で投与される。これらの用量は、治療の1過程あたり例えば1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、例えばそれは7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
10.トポイソメラーゼ2阻害剤
定義:本明細書で使用される「トポイソメラーゼ2阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、トポイソメラーゼ2阻害剤または上記のようなトポイソメラーゼ2阻害剤のアナログを指す。
技術的な背景:抗癌剤は重要なクラスは、DNA転写および翻訳の間に蓄積する緊張を解放するために二本鎖切断を誘導する酵素トポイソメラーゼ2の阻害剤からなる。したがってこの酵素の機能を阻害する化合物は、細胞毒性であり、抗癌剤として有用である。
開発されており癌化学療法で使用されるトポイソメラーゼ2阻害剤の中には、ポドフィロトキシンがある。当該薬剤は、DNAトポイソメラーゼ2との相互作用によるDNA鎖切断の誘導またはフリーラジカルの形成を含む作用機序によって作用する。ポドフィロトキシン(マンドレーク植物から抽出される)は、小児白血病、小細胞肺癌、精巣腫瘍、ホジキン病および大細胞型リンパ腫を含むいくつかのヒト新生物において有意な治療上の活性を示す、2つの配糖体が開発されている親化合物である。これらの誘導体は、化学名が4’−デメチルエピポドフィロトキシン9−[4,6−O−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシド]であるエトポシド(VP−16)、および化学名が4’−デメチルエピポドフィロトキシン9−[4,6−O−(R)−2−テニリデン−β−D−グルコピラノシド]であるテニポシド(VM−26)である。
しかしながらエトポシドおよびテニポシドの両方には、特定の毒性の副作用、特に骨髄抑制がある。別の重要なクラスのトポイソメラーゼ2阻害剤は、重要な抗腫瘍剤であり、グリコシド結合によって結合される希な糖(ダウノサミン)を持ったテトラサイクリン環構造を有することによって特徴づけられる、真菌のストレプトミセスピューティクス変種カエシウス(Streptomyces peuticus var. caesius)から得られる抗生物質およびそれらの誘導体を含むアントラサイクリン誘導体である。これらの化合物の中で、最も広く使用されるものとしては、化学名が7−(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−L−lyxo−へキソシルオキシ(hexosyloxy))−9−アセチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,9,11−トリヒドロキシ−4−メトキシ−5,12−ナフタセンキノンであるダウノルビシン、化学名が10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−lyxo−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシルアセチル)−1−メトキシ−5,12−ナフタセンジオンであるドキソルビシン、および化学名が9−アセチル−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−lyxo−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,9,11−トリヒドロキシ−5,12−ナフタセンジオンであるイダルビシンが挙げられる。
ダウノルビシンおよびイダルビシンは主として急性白血病の治療のために使用されてきたが、ドキソルビシンは様々な固形腫瘍(特に乳癌)を含むヒト新生物に対してより広範囲の活性を示す。癌化学療法において有用である別のアントラサイクリン誘導体はエピルビシンである。エピルビシン(化学名(8S−シス)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−アラビノ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセチル)−1−メトキシ−5,12−ナフタセンジオン)は、肝臓中のウリジン二リン酸−グルクロノシルトランスフェラーゼによるグルクロン酸化に関与する異化代謝経路を有するドキソルビシンアナログであり(ドキソルビシンとは異なり)、これはより短い半減期および減少した心毒性の原因であると考えられる。この化合物は、子宮頸癌、子宮内膜癌、進行性乳癌および膀胱癌を含む様々な癌の治療のために使用されるが、骨髄抑制および心毒性の副作用がある。後者の副作用は、一般的により高用量で深刻な心筋症を示すアントラサイクリン誘導体に典型的であり、これらの化合物の投与できる用量を限定する。さらなるタイプのトポイソメラーゼ2阻害剤は、ミトキサントロン(化学名1,4−ジヒドロキシ−5,8−ビス[[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]アミノ]−9,10−アントラセンジオンを有する)によって代表され、多発性硬化症、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、乳房腫瘍、前立腺腫瘍および肝腫瘍の治療のために使用される。他のものとしては、ロソキサントロンおよびアクチノマイシンDが挙げられる。
ミトキサントロンの投与からの副作用は、骨髄抑制、悪心、嘔吐、口内炎、脱毛を含んでいるが、心毒性はアントラサイクリンよりも少ない。
生物学的活性:本発明の組合せのトポイソメラーゼ2阻害剤は上記のような様々な癌に対して活性を有する。
問題:上述のように、このクラスの細胞毒性化合物は副作用に関連している。したがって、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、より低用量の使用のための手段を提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のための好ましいトポイソメラーゼ2阻害剤化合物としては、本明細書で定義されるような、アントラサイクリン誘導体、ミトキサントロンおよびポドフィロトキシン誘導体を含んでいる。
本発明による使用のための好ましい抗腫瘍アントラサイクリン誘導体としては、上述の、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシンおよびエピルビシンが挙げられる。ダウノルビシンは、例えば商品名セルビジン(Cerubidine)としてベッドフォード・ラボラトリーズ(Bedford Laboratories)社からの塩酸塩として市販で入手可能であり、例えば米国特許明細書第4020270号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ドキソルビシンは、例えば商品名アドリアマイシン(Adriamycin)として、ファルマシア・アンド・アップジョン社から市販で入手可能であり、例えば米国特許明細書第3803124号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ドキソルビシン誘導体は、PEG付加された塩酸ドキソルビシンおよびリポソーム封入ドキソルビシンクエン酸塩を含んでいる。PEG付加された塩酸ドキソルビシンは、商品名カエリクス(Caeylx)としてシェーリング・プラウ・ファーマシューティカルズ(Schering−Plough Pharmaceuticals)社から市販されており;リポソーム封入ドキソルビシンクエン酸塩は、例えば商品名ミオセット(Myocet)としてエラン(Elan)株式会社から市販されている。イダルビシンは、例えば商品名イダマイシン(Idamycin)として、ファルマシア・アンド・アップジョン社から塩酸塩として市販されており、例えば米国特許明細書第4046878号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。エピルビシンは、例えば商品名ファルモルビシン(Pharmorubicin)として、ファルマシア・アンド・アップジョン社から市販されており、例えば米国特許明細書第4058519号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ミトキサントロンは、例えば商品名ノバントロン(Novantrone)として、OSI・ファーマシューティカルズ(OSI Pharmaceuticals)社から市販されており、例えば米国特許明細書第4197249号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。
他の抗腫瘍アントラサイクリン誘導体は、通常の方法で、例えば、具体的なアントラサイクリン誘導体について上記したものと類似した方法で調製されてもよい。
本発明による使用のための好ましい抗腫瘍抗腫瘍ポドフィロトキシン誘導体としては、上述の、エトポシドおよびテニポシドが挙げられる。エトポシドは、例えば商品名ベプシド(VePesid)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ社から市販されており、例えばヨーロッパ特許明細書第111058号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。テニポシドは、例えば商品名ブモン(Vumon)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ社から商業上入手可能であるか、または例えばPCT特許明細書WO93/02094号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。他の抗腫瘍のポドフィロトキシン誘導体は、、通常の方法で、例えば、エトポシドおよびテニポシドについて上記載したものと類似した方法によって調製され得る。
具体的な実施形態:一実施形態では、トポイソメラーゼ2阻害剤は、アントラサイクリン誘導体、ミトキサントロンまたはポドフィロトキシン誘導体である。別の実施形態では、トポイソメラーゼ2阻害剤は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシンおよびエピルビシンから選択される。さらなる実施形態では、トポイソメラーゼ2阻害剤はエトポシドおよびテニポシドから選択される。したがって、好ましい実施形態では、トポイソメラーゼ2阻害剤はエトポシドである。別の実施形態では、トポイソメラーゼ2阻害剤はドキソルビシン以外のアントラサイクリン誘導体、例えばダウノルビシン、イダルビシンおよびエピルビシンのようなトポイソメラーゼ2阻害剤である。
薬量:抗腫瘍のアントラサイクリン誘導体は、有利には、体表面積1平方メートルあたり10〜150mg(mg/m)、例えば15〜60mg/mの用量で、特にドキソルビシンについては約40〜75mg/mの用量で、ダウノルビシンについては約25〜45mg/mの用量で、イダルビシンについては約10〜15mg/mの用量でおよびエピルビシンについては約100〜120mg/mの用量で投与される。
ミトキサントロンは、有利には、短期の静脈内点滴として約12〜14mg/mの用量で約21日ごとに投与される。
抗腫瘍ポドフィロトキシン誘導体は、有利には、30〜300mg/m体表面積、例えば50〜250mg/mの用量で、特にエトポシドについては約35〜100mg/mの用量で、およびテニポシドについては約50〜250mg/mの用量で投与される。
上述の用量は、一般的に治療の1過程あたり例えば1回、2回、それ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
11.アルキル化剤
定義:本明細書で使用される「アルキル化剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、アルキル化剤または本明細書で記載されるようなアルキル化剤のアナログを指す。
技術的な背景:癌化学療法で使用されるアルキル化剤は、DNAのような生物学的に重要な高分子に対して生理学的条件下でアルキル基を提供する能力を持つ、一般的な特徴を有する化学物質の多様な群を包含する。ナイトロジェンマスタードおよびニトロソウレアのような、大部分のより重要な薬剤では、活性のあるアルキル化部分は、複雑な分解反応(それらのいくつかは酵素的である)後にインビボで生成される。アルキル化剤の最も重要な薬理作用は、細胞増殖(特にDNA合成および細胞分裂)に関係する基本的機構を妨害するものである。急速に増殖する組織におけるDNAの機能および全体性を妨害するアルキル化剤の能力は、治療上の適用および多くの有毒性についての基礎を提供する。したがってクラスとしてのアルキル化剤は、抗腫瘍の活性について調査されており、当該化合物の特定のものは広く抗癌治療で使用されてきたが、それらは一般的に骨髄成分に対して用量規定毒性をもたらし、腸粘膜対して、より少ない程度であるが用量規定毒性をもたらす傾向がある。
アルキル化剤の中で、ナイトロジェンマスタードは、ビス−(2−クロロエチル)系列の存在によって特徴づけられ、シクロホスファミド(化学名2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキサザホスホリンオキサイド)およびクロラムブシル(化学名4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−ベンゼンブトイック(benzenebutoic)酸)を含む、抗腫瘍の化合物の重要なグループを代表する。シクロホスファミドは、広範囲の臨床活性を有しており、多くの効果的な薬物組合せのうちの構成要素として、悪性リンパ腫、ホジキン病、バーキットリンパ腫に対して、および乳癌の治療のための補助療法において使用される。
イホスファミド(Ifosfamide)(別名イホスファミド(ifosphamide))は、シクロホスファミドの構造的アナログであり、その作用機序は同一であると推測される。それは化学名が3−(2−クロロエチル)−2−[(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキサザホスホリン−2−オキサイドであり、子宮頸癌、肉腫および精巣癌の治療に対して使用されるが、重度の尿毒性効果がある可能性がある。クロラムブシルは、リンパ肉腫を含む慢性白血球の白血病および悪性リンパ腫の治療について使用さている。
別の重要なクラスのアルキル化剤は、2−クロロエチルカルボニウムイオンの形成により自発的な非酵素的分解を行う能力によって特徴づけられるニトロソウレアである。そのようなニトロソウレア化合物の具体例は、化学名が1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素であるカルマスティン(BCNU)、および化学名が1−(2−クロロエチル)シクロヘキシル−1−ニトロソ尿素であるロムスチン(CCNU)を含んでいる。カルマスティンおよびロムスチンはそれぞれ脳腫瘍および消化管新生物の治療における重要な治療上の役割を有するが、それらの治癒的価値を限定する深刻で累積的な骨髄抑制を引き起こす。
別のクラスのアルキル化剤は、ビス−アルカンスルホネート基を有する二官能性アルキル化剤によって代表され、化学名が1,4−ブタンジオールジメタンスルフォナートであり、慢性の骨髄由来性(骨髄性、骨髄球性または顆粒球性)白血病の治療のために使用される化合物のブスルファンによって代表される。しかしながらそれは、重症の骨髄機能不全を誘導し、重篤な汎血球減少症を結果として生じ得る。
別のクラスのアルキル化剤は、DNAに結合することにより架橋ならびにDNAの合成および機能の阻害を引き起こす抗腫瘍薬剤として作用する、含窒素3員環を含むアジリジン化合物である。そのような薬剤の一例は、ストレプトマイセス・カエスピトーサス(Streptomyces caespitosus)から単離され、化学名が7−アミノ−9α−メトキシマイトサンである抗生物質である、マイトマイシンである。
マイトマイシンは、胃腺癌、膵臓腺癌、結腸腺癌および乳腺腺癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、ならびに放射線との組合せで頭頸部癌を治療するために使用され、副作用は骨髄抑制、腎毒性、間質性肺臓炎、悪心および嘔吐を含む。
生物学的活性:本発明の組合せにおけるアルキル化剤の最も重要な薬理作用の1つは、上記に本明細書で定義されるように、細胞増殖に関する基本的機構を妨害する能力である。急速に増殖する組織におけるDNAの機能および全体性を妨害するこの能力は、様々な癌に対する治療上の適用のための基礎を提供する。
問題:上述のように、このクラスの細胞毒性化合物は副作用と関連している。したがって、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、より低用量の使用のための手段を提供する必要がある。
好ましい選択肢:本発明による使用のために好ましいアルキル化剤としては、上述のナイトロジェンマスタード化合物であるシクロホスファミド、イホスファミド(ifosfamide)/イホスファミド(ifosphamide)およびクロラムブシル、ならびにニトロソウレア化合物であるカルマスティンおよびロムスチンが挙げられる。本発明による使用のための好ましいナイトロジェンマスタード化合物としては、上述のシクロホスファミド、イホスファミド(ifosfamide)/イホスファミド(ifosphamide)およびクロラムブシルが挙げられる。シクロホスファミドは、例えば商品名サイトキサン(Cytoxan)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から市販されており、例えば英国特許明細書第1235022号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。クロラムブシルは、例えば商品名リューケラン(Leukeran)としてグラクソ・スミスクライン社から市販されており、例えば米国特許明細書第3046301号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。イホスファミド(ifosfamide)/イホスファミド(ifosphamide)は、例えば商品名ミトキサナ(Mitoxana)としてバクスター・オンコロジー(Baxter Oncology)社から市販されており、例えば、米国特許明細書第3732340号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。本発明による使用のために好ましいニトロソウレア化合物としては、上述のカルマスティンおよびロムスチンが挙げられる。カルマスティンは、例えば商品名ビックヌー(BiCNU)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から市販されており、例えばヨーロッパの特許明細書第902015号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ロムスチンは、例えば商品名シーヌー(CeeNU)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から市販されており、例えば米国特許明細書第4377687号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。ブスルファンは、例えば商品名ミレラン(Myleran)としてグラクソ・スミスクライン社から市販されており、例えば米国特許明細書第2917432号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。マイトマイシンは、例えば商品名ムタマイシン(Mutamycin)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から市販されている。他のものとしては、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、ビスクロロエチルニトロスウレア(bischloroethylnitrosurea)、シクロヘキシルクロロエチルニトロスウレア(cyclohexylchloroethylnitrosurea)、メチルシクロヘキシルクロロエチルニトロスウレア(methylcyclohexylchloroethylnitrosurea)、ニムスチン、プロカルバジン、ダカルバジン、テモゾリマイド(temozolimide)およびチオテパが挙げられる。
具体的な実施形態:一実施形態では、アルキル化剤は、シクロホスファミド、イホスファミド(ifosfamide)/イホスファミド(ifosphamide)およびクロラムブシルから選択されるナイトロジェンマスタード化合物である。別の実施形態では、アルキル化剤はカルマスティンおよびロムスチンから選択されるニトロスウレア(nitrosurea)である。さらなるアルキル化剤としてはブスルファンが挙げられる。一実施形態では、アルキル化剤は、上記で本明細書で定義されるように、マイトマイシンCまたはシクロホスファミド以外のものである。
薬量:ナイトロジェンマスタードまたはニトロソウレアのアルキル化剤は、有利には、体表面積1平方メートルあたり100〜2500mg(mg/m)、例えば120〜500mg/mの用量で、特にシクロホスファミドについては約100〜500mg/mの用量で、イホスファミド(ifosfamide)/イホスファミド(ifosphamide)については500〜2500mg/mの用量で、クロラムブシルについては約0.1〜0.2mg/kgの用量で、カルマスティンについては約150〜200mg/mの用量でおよびロムスチンについては約100〜150mg/mの用量で投与される。ブスルファンのようなビス−アルカンスルホネート化合物については、典型的な用量は1〜2mg/m(例えば約1.8mg/m)であってもよい。
マイトマイシンのようなアジリジンアルキル化剤は、例えば15〜25mg/m、好ましくは約20mg/mの用量で投与することができる。
上述の用量は、治療の1過程あたり例えば1回、2回、それ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
12.シグナル伝達阻害剤
定義:本明細書で使用される「シグナル伝達阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、シグナル伝達阻害剤または本明細書で記載されるようなシグナル伝達阻害剤のアナログを指す。
技術的な背景:悪性腫瘍は、制御されない細胞増殖の結果である。細胞増殖は、増殖促進因子と増殖抑制因子との間での微妙なバランスによって制御される。正常組織において、これらの因子の産生および活性は、器官の正常な全体性および機能を維持するような、制御および調節された形で増殖する分化細胞をもたらす。悪性細胞はこの制御を回避し;自然なバランスは妨害され(様々なメカニズムによって)、無秩序で異常な細胞増殖が生じる。
増殖を促す1つの原動力は表皮増殖因子(EGF)であり、EGFの受容体(EGFR)は、肺癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、頭頸部癌を含む、多くのヒト固形腫瘍の発生および進行に関連付けられている。EGFRは4つの受容体、すなわちEGFR(HERlおよびErbl)、ErbB2(HER2/neu)、ErbB3(HER3)ならびにErbB4(HER4)、からなるファミリーのメンバーである。これらの受容体は細胞膜に存在する巨大タンパク質であり、それぞれ特異的な外部リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、およびチロシンキナーゼ酵素活性がある内部ドメインを有する。EGFがEGFRに結合すると、チロシンキナーゼを活性化し、細胞を増殖させ分裂させる反応を引き起こす。EGFRは多くのタイプの癌細胞の表面で異常に高いレベルで見られ、前記癌細胞はEGFの存在下で過度に分裂する可能性がある。EGFR活性の阻害はしたがって癌の治療における化学療法研究の標的となっている。そのような阻害は、例えば、抗体の使用、またはその後のチロシンキナーゼ活性の阻害、によって細胞表面上の標的EGFRに対する直接的な干渉によって果たすことができる。
EGRFを標的とする抗体の例としては、モノクローナル抗体のトラスツズマブおよびセテュキマブが挙げられる。原発性乳腺癌におけるヒト表皮増殖因子受容体2タンパク質(HER2)の増幅は、特定の患者についての臨床予後の悪さと相関することが示されてきた。トラスツズマブは、HER2受容体の細胞外ドメインに高親和性および高特異性で結合し、高度に精製された、組換DNAに由来するヒト化IgG1κモノクローナル抗体である。インビトロおよびインビボの前臨床試験から、トラスツズマブ単独の投与またはパクリタキセルもしくはカルボプラチンとの組合せにおける投与は、HER2遺伝子産物を過剰発現する乳房腫瘍に由来する細胞株の増殖を著しく阻害することが示されてきた。臨床試験では、トラスツズマブは乳癌の治療において臨床活性を有することが示されてきた。トラスツズマブの最も一般的な副作用は、発熱および悪寒、疼痛、衰弱、悪心、嘔吐、下痢、頭痛、呼吸困難、鼻炎および不眠症である。トラスツズマブは、1つまたは複数の化学療法レジームを受けた患者におけるHER2タンパク質の過剰発現に関与する転移性乳癌の治療に関して承認されている。
セテュキマブは、イロテカン(irotecan)治療抵抗性の結腸直腸癌の治療のために使用されてきた。セテュキマブは、様々な他の癌(例えば頭頸部癌、転移性膵臓癌および非小細胞肺癌)の治療における使用のための単一の薬剤および他の薬剤との組合せの両方としてもまた評価されている。セテュキマブの投与は、呼吸困難および低血圧を含む深刻な副作用を引き起こし得る。
EGRFチロシンキナーゼ活性を標的とする薬剤の例としては、チロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブおよびエルロチニブが挙げられる。ゲフィチニブ(化学名4−(3−クロロ−4−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン)は、非小細胞肺癌の治療のために使用され、EGF受容体を過剰発現する乳癌および結腸直腸癌のような他の固形腫瘍のために開発中である。ゲフィチニブを投与された患者が、肺内に炎症を引き起こす間質性肺疾患を発症することが見出されている。ゲフィチニブが投与された患者において、目の炎症もまた観察されている。エルロチニブ(化学名N−(3−エチニル−フェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンを有する)は、非小細胞肺癌の治療のためにもまた使用され、膵臓癌のような様々な他の固形腫瘍の治療のために開発されており、最も一般的な副作用は、発疹、食欲不振および疲労であり;報告されているさらに深刻な副作用は間質性肺疾患である。
抗癌性研究の標的として注目される別の増殖因子は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)である。VEGFは、創傷治癒、網膜症、乾癬、炎症性障害、腫瘍の増殖および転移を含む血管新生の過程の間の血管形成の鍵となる調節因子である。VEGFの過剰発現がヒト悪性疾患における浸潤および転移に強く関連していることが、研究から示されてきた。
細胞の表面上のVEGF抗原を標的とする抗体の一例は、VEGFに結合して阻害する組換えヒト化モノクローナルIgG1抗体であるモノクローナル抗体ベバシズマブである。ベバシズマブは、例えば5−フルオロウラシルとの組合せで結腸直腸癌の治療のために使用されてきた。ベバシズマブは、転移性乳癌、転移性非小細胞肺癌および腎細胞癌のような他の固形腫瘍に対して見込みのある治療として開発されている。ベバシズマブに関連する最も重篤な有害事象としては、胃腸穿孔、高血圧性クリーゼ、ネフローゼ症候群およびうっ血性心不全が挙げられる。
腫瘍発生に重要な他の増殖因子は、細胞表面チロシンキナーゼ受容体(PDGFR)によってシグナル伝達し、成長、増殖および分化を含む様々な細胞機能を刺激するペプチド増殖因子のファミリーを含む血小板由来増殖因子(PDGF)である。PDGF発現はグリア芽腫および前立腺癌を含む多くの異なった固形腫瘍で実証されている。4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−イルピリジニル]アミノ]−フェニル]ベンズアミドメタンスルフォネートという化学名を有するチロシンキナーゼ阻害剤イマチニブメシレートは、Bcr−Abl癌タンパク質および細胞表面チロシンキナーゼ受容体c−Kitの活性を遮断し、それ自身、慢性骨髄性白血病と胃腸間質性腫瘍の治療のために承認されている。イマチニブメシレートはまたPDGFRキナーゼの強力な阻害剤で、慢性骨髄単球性白血病と多形性グリア芽腫においてPDGFR中での活性化変異の証拠に基づいて、慢性骨髄単球性白血病と多形性グリア芽腫の治療のために現在評価されている。最も頻繁に報告される当該薬物に関連する有害事象は、浮腫、悪心、嘔吐、痙攣および筋腱系疼痛である。
癌化学療法のためのさらなる増殖因子の標的は、細胞増殖を引き起こす生体の連鎖的な化学反応において鍵となる酵素であるRafの阻害である。この経路の異常な活性化は、メラノーマの2/3を含む大部分の癌の進行における共通因子である。Rafキナーゼの作用の遮断によって、これらの腫瘍の進行を覆すことは可能かもしれない。そのような阻害剤の1つは、化学名が4−(4−(3−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N2−メチルピリジン−2−カルボキサミドである、ソラフェニブ(BAY 43−9006)である。ソラフェニブは、細胞増殖を阻害するためにRafシグナル伝達経路、および腫瘍血管新生を阻害するためにVEGFR/PDGFRシグナル伝達カスケードの両方を標的とする。RafキナーゼはRas経路の特異的酵素である。ras遺伝子中の変異は、膵臓癌の90%、結腸癌の50%および非小細胞肺癌の30%を含む、すべてのヒト癌のおよそ20%において生じる。ソラフェニブは、肝臓癌および腎臓癌を含む多数の癌の治療に関して調査されている。ソラフェニブの最も一般的な副作用は、疼痛、腫れおよび手および/または足の発赤ならびにさらに発疹、疲労および下痢である。
生物学的活性:本発明の組合せのシグナル伝達阻害剤は、上記のような細胞シグナル伝達タンパク質の特異的な阻害剤であり、様々な癌に対して活性を有する。シグナル伝達阻害剤と式Iの化合物の組合せは、多くの型の癌の治療および診断に有用であり得る。シグナル伝達阻害剤(例えばイレッサ(Iressa)、アバスチン(Avastin)またはハーセプチン(herceptin)またはグリーベック(Gleevec)(商標))のような分子的に標的化された薬剤との組合せは、EGF受容体、VEGF受容体、ErbB2、BCRabl、c−kit、PDGFのような関連する分子標的が発現または活性化された癌に関して特に適用されるかもしれない。当業者に公知の技術、およびRT−PCRならびにFISHのような本明細書において記載される技術を使用して、そのような腫瘍の診断を行なうことができる。
問題:腫瘍増殖に対するシグナル伝達阻害剤の抑制性の有効性を増加させ、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、シグナル伝達阻害剤のより低用量の使用のための手段もまた提供する必要がある。
選択:本発明による使用のための好ましいシグナル伝達阻害剤としては、本明細書において言及される、モノクローナル抗体であるトラスツズマブおよびセテュキマブのようなEGFR標的化抗体、ゲフィチニブおよびエルロチニブのようなEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、VEGF標的化抗体であるベバシズマブ、メシル酸イマチニブのようなPDGFR阻害剤、およびソラフェニブのようなRaf阻害剤が挙げられる。
好ましいEGFR標的化抗体としては、モノクローナル抗体であるトラスツズマブおよびセツキシマブが挙げられる。トラスツズマブは、商品名ハーセプチンとしてジェネンテック(Genentech)社から市販されており、また米国特許明細書第5821337号に記載されているように得てもよい。セツキシマブは、商品名エルビタックス(Erbitux)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社から市販されており、またPCT特許明細書WO96/40210号に記載されているように得てもよい。
好ましいEGFRチロシンキナーゼ阻害剤としては、ゲフィチニブおよびエルロチニブが挙げられる。ゲフィチニブは、商品名イレッサとしてアストラゼネカ株式会社から市販されており、またPCT特許明細書WO96/33980号に記載されているように得てもよい。エルロチニブは、商品名タルセバ(Tarceva)としてファイザー(Pfizer)社から市販されており、またPCT特許明細書WO96/30347号に記載されているように得てもよい。
好ましいVEGF標的化抗体はベバシズマブであり、商品名アバスチンとしてジェネンテック社から市販されており、またPCT特許明細書WO94/10202号に記載されているように得てもよい。
好ましいPDGFR阻害剤はメシル酸イマチニブであり、商品名グリーベック(商標)(別名グリベック(Glivec)(登録商標))としてノバルティスから市販されており、またヨーロッパ特許明細書第564409号に記載されているように得てもよい。
好ましいRaf阻害剤はソラフェニブであり、バイエル(Bayer AG)社から市販されており、またPCT特許明細書WO00/42012号に記載されているように得られてもよい。
具体的な実施形態:一実施形態では、シグナル伝達阻害剤はゲフィチニブ(イレッサ)である。他の実施形態では、シグナル伝達阻害剤は、トラスツズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ベバシズマブ、メシル酸イマチニブおよびソラフェニブから選択される。
薬量:EGFR抗体に関して、当該抗体は一般的に体表面積1平方メートルあたり1〜500mg(mg/m)の用量で投与され、トラスツズマブは有利には1〜5mg/m、特に2〜4mg/m体表面積の用量で投与され;セツキスマブ(cetuxumab)は有利には約200〜400mg/m、好ましくは約250mg/mの用量で投与される。
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤に関して、当該阻害剤は一般的に100〜500mgの一日経口投与量で投与され、例えばゲフィチニブは約250mgの用量でおよびエルロチニブは約150mgの用量で投与される。
VEGFモノクローナル抗体ベバシズマブに関して、これは一般的に約1〜10mg/kg、例えば約5mg/kgの用量で投与される。
PDGF阻害剤であるイマチニブに関して、これは一般的に1日あたり約400〜800mg、好ましくは1日あたり約400mgの用量で投与される。
Raf阻害剤であるソルフェニブ(sorfenib)に関して、これはまだ評価中であるが、可能な用量としては1日約800mgである。
これらの用量は、治療の1過程あたり、例えば1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
PKA/PKB阻害剤、PKB経路の阻害剤、および補助的PKB阻害剤
本発明の組合せで使用される別の好ましいクラスのシグナル伝達阻害剤は、PKA/PKB阻害剤、PKB経路の阻害剤および補助的PKB阻害剤である。
PKB経路の阻害剤は、PKBの活性化(キナーゼ自体の活性)を阻害するか、または下流の標的を調節し、経路の増殖効果および細胞生存効果を遮断するものである。経路における標的酵素としては、フォスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)、PKBそれ自体、哺乳類のラパマイシン標的タンパク質(MTOR)、PDK−1およびp70 S6キナーゼならびにフォークヘッドの転座を含んでいる。PI3−キナーゼ/PKB/PTEN経路のうちのいくつかの構成要素は腫瘍形成に関係する。増殖因子受容体チロシンキナーゼに加えて、インテグリン依存性細胞接着およびGタンパク質共役受容体は、アダプター分子を介してPI3−キナーゼを直接的および間接的に活性化する。PTEN(p53に次いで癌において最も一般的には変異する腫瘍抑制遺伝子)の機能喪失、PI3−キナーゼにおける腫瘍形成性変異、PI3−キナーゼの増幅、およびPKBの過剰発現は、多くの悪性腫瘍で実証されている。さらに、インスリン様増殖因子受容体の刺激によるPI3−キナーゼ/PKB経路を介する持続的なシグナリングは、表皮増殖因子受容体阻害剤に対する耐性メカニズムである。
広範囲にわたるヒト腫瘍においてp110αをコードする遺伝子中のランダムでない体細胞変異が見出されたことから、変異したPI3−キナーゼ酵素に関する腫瘍形成性の役割が示唆される(サミュエルス(Samuels)ら、サイエンス(Science)、304 554、2004年4月)。それ以来、p110αにおける変異は次のヒト腫瘍で検出されている:結腸癌(32%)、肝細胞癌(36%)、ならびに子宮内膜(endometroid)癌および明細胞癌(20%)。p110αは現在乳房腫瘍(25〜40%)において最も一般的に変異している遺伝子である。フォークヘッドファミリーの転座が、しばしば急性白血病で生じる。
そのような薬剤が増殖を阻害し、癌細胞における細胞毒性剤に対する耐性を克服するので、PI3−キナーゼ/PKB/PTEN経路はこのように抗癌剤の開発のための好ましい標的である。PKB経路の阻害剤の例としては、セマフォア(Semaphore)のようなPI3K阻害剤、SF1126、およびラパマイシンアナログのようなMTOR阻害剤が挙げられる。ノバルティスからのRAD 001(エベロリムス)は、化合物ラパマイシンの経口投与可能な誘導体である。この化合物は、免疫抑制剤および抗癌剤としての適用がある抗増殖性の薬物として開発されている、新しいマクロリドである。RAD001は、細胞内受容体タンパク質(FKBP−12)に対する高親和性を介して、増殖因子依存性細胞増殖に対する活性を発揮する。結果として生じるFKBP−12/RAD001複合体は、次にmTORと結合して、下流のシグナル伝達事象を阻害する。この化合物は、現在様々な腫瘍学的徴候に対して臨床開発の最中である。ワイス・ファーマシューティカルズ(Wyeth Pharmaceuticals)社からのCCI 779(テムシロレムス(temsirolemus))、およびアリアド・ファーマシューティカルズ(Ariad Pharmaceuticals)社からのAP23573もまた、ラパマイシンアナログである。アリアド・ファーマシューティカルからのAP23841およびAP23573はまたmTORを標的とする。ハーバード(Harvard)社からのカルモデュリン阻害剤は、フォークヘッド転座阻害剤である(Nature Reviews drug discovery、制癌剤探索のためのPI3K/AKT経路の利用(Exploiting the PI3K/AKT Pathway for Cancer Drug Discovery)、へネシー(Bryan T. Hennessy),スミス(Debra L.Smith)、ラム(Prahlad T.Ram)、ルー(Yiling Lu)およびミルズ(Gordon B.Mills)、2005年12月、第4巻、988〜1004ページ)。
本発明の組合せにおける補助薬剤として使用される好ましいPKA/PKB阻害剤は、本明細書で定義される式(I)の化合物である。本発明の組合せにおける使用のためのPKB経路の阻害剤としては、より詳細には以下で記載される補助PKB阻害剤と、プロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の抑制活性または調節活性(本明細書において記載される)を有する本明細書で定義される式(I)の化合物とが挙げられる。したがって、本発明の組合せは、本明細書で定義される式(I)の2つ以上の化合物を含んでも(または本質的にはそれらからなっても)よい。好ましい補助PKB阻害剤は以下により詳細に検討される。
定義:「PKA/PKB阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、プロテインキナーゼB(PKB)および/またはプロテインキナーゼA(PKA)の抑制活性または調節活性を有する本明細書で定義される式(I)の化合物を定義するために、本明細書で使用される。
「補助PKB阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、プロテインキナーゼB(PKB)を阻害または調節し、本明細書で定義される式(I)の構造に一致しない化合物を定義するために、本明細書で使用される。
「PKB経路の阻害剤」なる用語は、PKBの活性化(キナーゼそれ自体の活性)を阻害するか、または下流の標的を調節(経路の増殖効果および細胞生存効果を遮断)する化合物を定義するために本明細書で使用される(フォスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)、PKBそれ自体、哺乳類のラパマイシン標的タンパク質(MTOR)、PDK−1およびp70 S6キナーゼならびにフォークヘッドの転座を含む、本明細書で記載されるようなこの経路中の1つまたは複数の標的酵素を含む)。
技術的な背景:KRX−0401(ペリフォシン(Perifosine)/NSC 639966)は、主として細胞膜に標的化されるシグナル伝達経路で作用する(PKBリン酸化の阻害を含む)、合成の置換ヘテロ環アルキルフォスフォコリンである。KRX−0401は、可能性のある経口抗癌剤として第1相試験において評価されている。用量規定毒性は、悪心、嘔吐および疲労を含んでいた。胃腸毒性はより高用量で増加した。治療抵抗性の肉腫における第II試験が計画されている。
API−2/TCNは、腫瘍細胞におけるPKBシグナル経路の低分子阻害剤である。API−2/TCNの第I相および第II相の臨床試験は進行性腫瘍に対して行われている。
API−2/TCNは、肝毒性、高トリグリセリド血症、血小板減少および高血糖を含むいくつかの副作用を示した。高用量で重度の副作用が起こるため、API−2/TCNは病院内に限定されてきた。
RX−0201は、固形腫瘍の治療のためのAKTプロテインキナーゼ阻害薬として開発されている。第I相試験は進行癌患者または転移癌患者において2004年7月に開始された。この試験からのデーターは、RX−0201は、Aktの過剰発現を阻害し、脳腫瘍、乳房腫瘍、子宮頸部腫瘍、肝腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍および胃腫瘍における癌増殖を抑制し、耐容性が良好であることを示した。2005年3月までに、米国オーファンドラッグステータスが、いくつかの固形腫瘍タイプについてRX−0201に与えられた。
塩酸エンザスタウリン(LY317615)は、血管新生を抑制し、抗血管新生の活性に基づいた臨床開発のために推進された。それは選択的PKC阻害剤として記載される。それは直接的な抗腫瘍効果も有し、GSK3のリン酸化を抑制する。
SR−13668は、インビトロおよびインビボの両方で乳癌細胞におけるリン酸化AKTを著しく阻害する経口活性のある、特異的なAKT阻害剤であると主張されている。マウスにおけるインビボの評価から、抗腫瘍の活性のために必要な用量よりも10倍多い用量であっても副作用がないことが示された。
PX−316は、PKBのPHドメインに結合するD−3−デオキシ−ホスファチジル−ミオ−イノシトールであり、細胞質中でPKBを捕らえ、したがってPKB活性化を阻害する。抗腫瘍活性は初期の異種移植片において見られ、耐容性は良好だった。
2,3−ジフェニルキノキサリン核または5,6−ジフェニルピラジン−2(1H)−オン核に基づいた、PKBのアロステリックな選択的阻害剤が開発されてきた(メルク(Merck)社)。
KRX−0401:ヨーロッパにおいて行なわれた、毎週投薬される第I相試験において、推奨される第II相の用量は600/mg/週であった。米国において行なわれた後続研究は、用量が分けられて4〜6時間の間隔で投与される場合、はるかに高用量でも耐容性が良好であることを示した。さらに、KRX−0401は、100時間の範囲で非常に長い半減期を有していることが示されてきた。これは、比較的非毒性の断続的な投薬スケジュールの可能性を、非常に妥当性のあるものとする。
API−2の第I相試験は、5日間の連続的な点滴スケジュールを使用して行われた。用量レベルは、10mg/mg/日×5日〜40mg/mg/日×5日にわたった。最初に、過程は3〜4週ごとに繰り返された。累積的な毒性が示されるようになると、過程間の間隔は6週ごとに変更された。第II相試験のために推奨されるスケジュールは、6週ごとに20mg/mg/日を5日間行なうものである。TCN−Pの第II相試験は、5日間の連続的な点滴スケジュールを使用して、転移性または再発性子宮頚部扁平上皮癌において行われた。開始用量は35mg/m×5日であり、過程は6週ごとに繰り返された。
さらなるPKB阻害剤としては、ケリックス・バイオファーマシューティカルズ(Keryx Biopharmaceuticals)社からのペリフォシンが挙げられる。ペリフォシンは、ヒト腫瘍細胞株に対して著しい細胞傷害効果を発揮し、現在主要なヒト癌の治療のためにいくつかの第II相試験において検査されている、経口のAkt阻害剤である。KRX−0401(ペリフォシン/NSC 639966)は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
KRX−0401は、アステ・メディカ(Aste Medica)社特許公報DE4222910、またはゼノポート(Xenoport)社特許公報US2003171303に従って調製することができる。
API−2/TCN(トリシリビン)は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
API−2/TCNは、ボドー(Bodor)社特許公報WO9200988、またはリバファーム(Ribapharm)社特許公報WO2003061385に従って調製することができる。
エンザスタウリン塩酸塩は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
エンザスタウリンは、イーライ・リリー社特許公報WO2004006928に従って調製することができる。
SR 13668は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
SR 13668は、SRIインターナショナル特許公報US2004043965に従って調製することができる。
NL−71−101は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
NL−71−101は、バイオケミストリー(Biochemistry)(2002)、41(32)、10304〜10314、またはペプトー(Peptor)社特許公報WO2001091754に従って調製することができる。
デベロジェン(DeveloGen)社(以前はペプトー社)は、見込みのある癌治療のため、NL−71−101(プロテインキナーゼB(PKB)阻害剤)を調査している[466579]、[539004]。2003年の開始時に、リード化合物の最適化が行なわれていた[495463]。2004年2月までに、この会社は、プロテインキナーゼBプログラムに対する特定の開発権をアウトライセンスしようとしていた[523638]。
NL−71−101は、PKA、PKGおよびPKC(それぞれ9、36および104μMのIC50値で)と比べ、PKB(3.7μMのIC50値で)活性を阻害することを示すデーターが2002年に出版された。NL−71−101は、PKBが50および100μMの濃度で増幅されるOVCAR−3腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導した[466579]。この化合物は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
具体的な実施形態:検討される実施形態としては、抗癌薬剤が、上記の1つまたは複数の具体的な化合物から選択されるPKB阻害剤である組合せが挙げられる。
13.CDK阻害剤
定義:本明細書で使用される「CDK阻害剤」なる用語は、上で記載されるように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害または調節する化合物を指す。
技術的な背景:CDKは、細胞周期、アポトーシス、転写、分化および中枢神経系機能の調節において役割を果たす。したがって、CDK阻害剤は、癌のような、増殖、アポトーシスまたは分化の障害が存在する疾患の治療に適用される可能性がある。特に、RB+ve腫瘍は、CDK阻害剤に対して特に感受性があり得る。RB−ve腫瘍もまたCDK阻害剤に対して感受性があり得る。
本発明による組合せにおいて使用され得るCDK阻害剤の例としては、セリシクリブ(seliciclib)、アルボシジブ(alvocidib)、7−ヒドロキシ−スタウロスポリン、JNJ−7706621、BMS−387032、PHA533533、PD332991、ZK−304709およびAZD−5438が挙げられる。
セリシクリブ(ロスコビチン(roscovitine)のR異性体であり、他にはCYC 202として知られる)は、化学名が(2R)−2−[[9−(1−メチルエチル)−6−[(フェニルメチル)−アミノ]−9H−プリン−2−yl]アミノ]−1−ブタノールである。セリシクリブは、リンパ性白血病、非小細胞肺癌、糸球体腎炎、マントル細胞リンパ腫、多発性骨髄腫および乳癌を含む様々な癌の可能な治療のために、臨床試験において評価されている。臨床試験において観察される毒性としては、悪心/嘔吐ならびに衰弱、皮疹および低カリウム血症が挙げられる。他の毒性としては、可逆的な腎機能障害およびトランスアミナーゼ上昇、ならびに嘔吐が挙げられた。
アルボシジブ(他にはフラボピリドール、HMR 1275または86−8275Lとして知られ、化学名5,7−ジヒドロキシ−8−(4−N−メチル−2−ヒドロキシピリジル)−6’−クロロフラボンである)は、食道癌、胃癌、前立腺癌、肺癌および結腸癌を含む様々な癌、ならびにさらに慢性リンパ性白血病、および多発性骨髄腫、リンパ腫の治療の可能性について臨床試験において調査されており;観察される最も一般的な毒性は、下痢、腫瘍疼痛、貧血、呼吸困難および疲労であった。
7−ヒドロキシスタウロスポリン(他にはUCN−01として知られる)は、慢性リンパ性白血病、膵臓腫瘍および腎腫瘍を含む様々な癌の治療の可能性について臨床試験において評価されており;観察される有害事象として、悪心、頭痛および高血糖が挙げられた。
JNJ−7706621(化学名N3−[4−(アミノスルホニル)−フェニル]−1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン)は、メラノーマおよび前立腺癌の治療の可能性について前臨床試験の対象である。BMS−387032(化学名N−[5−[[[5−(1,1−ジメチルエチル)−2−オキサゾリル]−メチル]チオ]−2−チアゾリル]−4−ピペリジンカルボキサミド)は、腎細胞癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌および平滑筋肉腫のような転移性固形腫瘍に罹患する患者のための可能性のある抗癌剤として、第I相試験において評価されている。この薬物は、一次毒性として示される一時的な好中球減少があり、耐容性は良好であった。他の副作用としては、一時的な肝臓アミナーゼ上昇、胃腸毒性、悪心、嘔吐、下痢および食欲不振を含んでいた。PHA533533(化学名(αS)−N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−α−メチル−4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−ベンゼン−アセトアミド)は、前立腺腫瘍、結腸腫瘍および卵巣腫瘍のような様々な癌の治療の可能性について前臨床試験の対象である。PD332991(化学名8−シクロヘキシル−2−[[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ]−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンを有する)は、様々な癌の治療の可能性について前臨床試験の対象である。前臨床データーは、インビボのモデルにおける著しい腫瘍退縮を実証し、PD332991が高度に選択的で強力なCDK4阻害剤であることを示唆する。
ZK−304709は、PCT特許明細書WO02/096888号中に記載された、経口の2重特異性CDKおよびVEGFRキナーゼの阻害剤であり、様々な癌の治療の可能性について前臨床試験の対象である。AZD−5438は、選択的サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤であり、それは固形癌の治療について前臨床開発中である。セリシクリブは、例えばPCT特許明細書WO97/20842号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。アルボシジブは、例えば米国特許明細書第4900727号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。7−ヒドロキシスタウロスポリンは、例えば米国特許明細書第4935415号中記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。JNJ−7706621は、例えばPCT特許明細書WO02/057240号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。BMS−387032は、例えばPCT特許明細書WO01/44242号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。PHA533533は、例えば米国特許明細書第6455559号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。PD332991は、例えばPCT特許明細書WO98/33798号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。ZK−304709は、例えばPCT特許明細書WO02/096888号中に記載されているように、またはそれに類似した方法によって調製され得る。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:検討される実施形態としては、抗癌薬剤が、1つまたは複数の上記の具体的な化合物から選択されるCDK阻害剤である組合せが挙げられる。したがって、本発明に従う組合せで使用される好ましいCDK阻害剤としては、セリシクリブ、アルボシジブ、7−ヒドロキシスタウロスポリン、JNJ−7706621、BMS−387032、PHA533533、PD332991、ZK−304709およびAZD−5438が挙げられる。
薬量:CDK阻害剤は、例えば1日に、例えば0.5〜2500mg/kg、より好ましくは10〜1000mg/kg、またはその代わりに0.001〜300mg/kg、より好ましくは0.01〜100mg/kgの用量で、特にセリシクリブについては10〜50mgの用量で;アルボシジブについては上述の米国特許明細書第4900727号に従う用量で;7−ヒドロキシスタウロスポリンについては0.01〜20mg/kgの用量で;JNJ−7706621については0.001〜300mg/kgの用量で;BMS−387032については0.001〜100mg/kg、より好ましくは0.01〜50mg/kg、および最も好ましくは0.01〜20mg/kgの用量で;PHA533533については10〜2500mgの用量で;PD332991については1〜100mg/kgの用量で;およびでZK−304709については0.5〜1000mg、好ましくは50〜200mgの用量で投与されてもよい。
これらの用量は、治療の1過程あたり例えば1回、2回、それ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
14.COX−2阻害剤
定義:「COX−2阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)酵素の活性を阻害または調節する化合物を定義するために本明細書で使用される。
生物学的活性:本明細書で記載されるような1つまたは複数の薬理作用を介して作用するCOX−2阻害剤は、適切な抗癌薬剤として同定されてきた。
技術的な背景:最近では、癌化学療法における研究は、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)酵素の役割に焦点を合わせてきた。疫学的調査から、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば関節炎のような症状を治療するアスピリンおよびイブプロフェン)を繰り返し服用する人は、結腸直腸ポリープ、結腸直腸癌および結腸直腸癌に起因する死が低率であることが示されている。NSAIDは、炎症過程において生体によって産生され前ガン組織によってもまた産生されるシクロオキシゲナーゼ酵素を阻害する。例えば結腸癌において、COX−2レベルの劇的な増加が観察される。腫瘍増殖のための鍵となる要因の1つは、腫瘍の増加したサイズを維持する血液の供給である。多くの腫瘍が、癌の周囲に網目状に新しい血管を生成するように生体を誘発する化学経路(血管新生と呼ばれる過程)を利用することができる。COX−2はこの過程において役割を持つと考えられる。したがって、COX−2の阻害が癌の治療のために効果的であろうことが結論付けられ、COX−2阻害剤がこの目的のために開発されている。例えばセレコキシブ(化学名4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド)は、膀胱癌および食道癌、腎細胞癌、子宮頸癌、乳癌、膵臓癌、非ホジキンリンパ腫ならびに非小細胞肺癌を含む、様々な癌の治療のために研究されている選択的なCOX−2阻害剤である。
薬量:COX−2阻害剤(例えばセレコキシブ)は、100〜200mgのような用量で投与することができる。
これらの用量は、例えば治療の1過程あたり1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
問題:最も一般的な副作用は、頭痛、腹痛、消化不良、下痢、悪心、鼓腸および不眠症である。患者に対する有害な毒性副作用についての可能性を減少させるように、COX−2阻害剤のより低用量の使用のための手段を提供する必要がある。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:一実施形態では、COX−2阻害剤はセレコキシブである。セレコキシブは、例えば商品名セレブレックス(Celebrex)としてファイザー社から市販されており、また例えばPCT特許明細書WO95/15316号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。
15.HDAC阻害剤
定義:「HDAC阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性を阻害または調節する化合物を定義するために本明細書で使用される。
生物学的活性:本明細書で記載されるような1つまたは複数の薬理作用を介して作用するHDAC阻害剤は、適切な抗癌剤として同定されている。
技術的な背景:ヒストンの可逆的アセチル化は、DNAに対する転写因子のアクセシビリティーを変化させることによって作用する、遺伝子発現の主要な調節因子である。正常細胞において、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAまたはHDAC)およびヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HDA)は共に、バランスを維持するために、ヒストンのアセチル化のレベルを制御する。HDAの阻害は過アセチル化されたヒストンの蓄積をもたらし、それは様々な細胞反応をもたらす。HDAの阻害剤(HDAI)は、癌細胞へのそれらの治療上の効果について検討されてきた。HDAI研究の分野における最近の進展は、腫瘍の治療のために適切な活性化合物(高い有効性があり安定している)を提供した。
蓄積した証拠から、他の化学療法剤との組合せで使用された場合、HDAIがさらにより有効であることが示唆される。有効性および安全性の両方について、相乗的および付加的な長所がある。HDAIとの化学療法剤の組合せの治療上の効果は、組合せにおける各構成要素のより低い安全用量域をもたらすことができる。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤の研究は、これらの酵素が実際に細胞増殖および分化において重要な役割を果たすことを示す。阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)はG1およびG2期の両方で細胞周期の停止を引き起こし、異なる細胞株の形質転換した表現型を復帰させて、フレンド白血病細胞および他のものの分化を誘導する。TSA(およびスベロイラニリド(suberoylanilide)ヒドロキサム酸(SAHA))は、細胞増殖を阻害、最終分化を誘導、そしてマウスにおける腫瘍の形成を阻害することが報告されている(フィニン(Finnin)ら、ネイチャ−(Nature)、401:188〜193、1999)。
トリコスタチンAが線維化(例えば肝臓線維化、肝硬変)の治療において有用であることもまた報告されている。(ヘールツ(Geerts)ら、1998年3月11日に公開のヨーロッパ特許出願EP0 827 742)。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:本発明による使用のための好ましいHDAC阻害剤は、TSA、SAHA、JNJ−16241199、LAQ−824、MGCD−0103およびPXD−101(上述)から選択される。
したがって、本発明における使用に適したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の合成阻害剤としては、ジョンソン・アンド・ジョンソン(Johnson and Johnson)社からのJNJ−16241199、ノバルティス社からのLAQ−824、メチルジーン(MethylGene)からのMGCD−0103、およびプロリフィックス(Prolifix)からのPXD−101が挙げられる。
JNJ−16241199は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
MGCD−0103は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
LAQ−824は以下の構造を有する。
Figure 2009536620
本発明における使用に適したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の他の阻害剤としては、アボット・ラボラトリーズ社からのペプチドのクラミドシン(chlamydocin)およびA−173もまた含むが、これらに限定されない。
A−173は以下の構造を備えたスクシンイミド大環状化合物である。
Figure 2009536620
薬量:一般的には、HDAC阻害剤については、治療上効果的な量は、0.005mg/kg体重〜100mg/kg体重、および特に0.005mg/kg体重〜10mg/kg体重と予測される。1日を通じて適切な間隔で2、3または4回以上のサブ用量として必要な用量を投与することが適切かもしれない。前記サブ用量は、例えば0.5〜500mgを含む単位用量形態、および特に単位用量形態あたり10mg〜500mgの有効成分として製剤化されてもよい。
16.DNAメチル化酵素阻害剤
定義:本明細書で使用される「DNAメチル化酵素阻害剤」または「DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤」なる用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)を含む、直接的または間接的にDNAのメチル化を混乱、破壊、遮断、調節または阻害する化合物を指す。
生物学的活性:本明細書で記載されるような1つまたは複数の薬理作用を介して作用するDNAメチル化酵素阻害剤は、適切な抗癌剤として同定されてきた。
技術的な背景:癌化学療法のための1つの標的はDNA合成であり、これは腫瘍DNAの適切なメチル化に依存する可能性がある。直接的または間接的にDNAのメチル化を、混乱、破壊、遮断、調節または阻害する化合物は、有用な抗癌剤であり得る。
DNAメチル化酵素阻害剤のテモゾロマイドは、多形性神経膠芽腫の治療のために使用され、進行した転移性悪性メラノーマに罹患する患者の初回再発および第一治療での悪性神経膠腫の治療のためにもまた研究され使用されている。この化合物は、生理的なpHで、活性化合物(グアニン残基のO位置でのDNAのメチル化に関与するモノメチルトリアゼノイミダゾールカルボキサミド(MTIC))への迅速な化学変換を受ける(それはDNAメチルトランスフェラーゼの発現抑制を引き起こし、そのため低メチル化を生ずると思われる)。
問題:テモゾロマイド治療に関連した最も一般的な副作用は、悪心、嘔吐、頭痛、疲労および便秘である。DNAメチル化酵素阻害剤の抑制性の有効性を増加させ、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、シグナル伝達阻害剤のより低用量の使用のための手段を提供する必要がある。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:一実施形態では、DNAメチル化酵素阻害剤は、テモゾロマイド(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−as−テトラジン−8−カルボキサミド)である。テモゾロマイドは、例えば商品名テモダール(Temodar)としてシェーリング株式会社から市販されており、また例えばドイツ特許明細書第3231255号中に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。
薬量:DNAメチル化剤(例えばテモゾロマイド)は、体表面積1平方メートルあたり0.5〜2.5mg(mg/m)、特に約1.3mg/mのような用量で投与することができる。これらの用量は、治療の1過程あたり例えば1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
17.プロテアソーム阻害剤
定義:本明細書で使用される「プロテアソーム阻害剤」なる用語は、細胞周期に関与する生物学的過程のような、多くの短期間の生物学的過程の半減期を直接的または間接的に混乱、破壊、遮断、調節または阻害する化合物を指す。したがってこの用語は、プロテアソーム(他の細胞タンパク質のターンオーバーに関与する大きなタンパク質複合体)の作用を遮断する化合物を包含する。この用語は、上記のように、そのイオン、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープおよび保護形態(好ましくはその塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、およびより好ましくはその塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物)もまた包含する。
生物学的活性:本明細書で記載されるような1つまたは複数の薬理作用を介して作用するプロテアソーム阻害剤は、適切な抗癌剤として同定されてきた。
技術的な背景:別のクラスの抗癌剤はプロテアソーム阻害剤である。プロテアソームは、細胞周期に関与する生物学的過程のような、多くの短期間の生物学的過程の半減期を制御する。したがって、プロテアソームの機能不全は、細胞周期の異常制御および抑制されない細胞増殖を引き起こしうる。
細胞周期は、正のシグナルおよび負のシグナルによって制御される。正常細胞において、プロテアソームは、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤のような細胞周期を阻害するタンパク質を破壊する。プロテアソーム機能の阻害は、細胞周期停止および細胞死を引き起こす。ひとつには腫瘍細胞がより急速に分裂するので、そしてひとつには腫瘍細胞の正常な制御経路の多くが破壊されるので、腫瘍細胞は正常細胞よりもプロテアソーム機能の阻害の効果に対してより感受性がある。プロテアソーム阻害に対する正常細胞と癌細胞の分化応答についてのメカニズムは、完全には理解されていない。全体として、癌細胞はプロテアソーム阻害剤に対してより感受性があり、その結果、これらの阻害剤は特定の癌の効果的な治療であってもよい。
そのようなプロテアソーム阻害剤の1つはボルテジミブ(bortezimib)であり、その化学名は[(1R)−3−メチル−1−[[(2S)−1−オキソ−3−フェニル−2−[(ピラジニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]ブチル]−ボロン酸である。ボルテジミブは、プロテアソームの触媒部位内の鍵となるアミノ酸(すなわちスレオニン)と特異的に相互作用する。ボルテジミブは、多発性骨髄腫、および他の多くの癌(白血病およびリンパ腫、ならびに前立腺癌、膵臓癌および結腸直腸癌を含む)の治療のために使用されている。
問題:ボルテジミブによる最も一般的な副作用は、悪心、疲労、下痢、便秘、血小板数減少、熱、嘔吐および食欲減退である。ボルテジミブは末梢神経障害もまた引き起こしうる。したがって、患者に対する有害な毒性の副作用の可能性を減少させるように、より低用量の使用のための手段を提供する必要がある。
好ましい選択肢および具体的な実施形態:本発明による使用のための好ましいプロテアソーム阻害剤としては、ボルテジミブが挙げられる。ボルテジミブは、例えば商品名ベルケイド(Velcade)としてミレニアム・ファーマシューティカルズ社から市販されており、また例えばPCT特許明細書WO96/13266号に記載されているように、もしくはそれに類似した方法によって調製され得る。
薬量:プロテアソーム阻害剤(ボルテジミブのような)は、100〜200mg/mのような用量で投与することができる。当該用量は、例えば治療の1過程あたり1回、2回、またはそれ以上投与されてもよく、それは例えば7、14、21または28日ごとに繰り返されてもよい。
抗生物質のブレオマイシンもまた、本発明による抗癌剤の細胞毒性薬として使用され得る。
抗癌剤の組合せ
本発明の組合せは、2つまたはそれ以上の補助化合物を含んでもよい。そのような実施形態において、補助化合物は抗癌剤であってもよい。そのような実施形態において、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、カルボプラチン、シスプラチン、タキソール、タキソテール、ゲムシタビンおよびビノレルビンから選択されてもよい。好ましくは、前記2つまたはそれ以上のさらなる抗癌剤は、カルボプラチン、タキソールおよびビノレルビン、またはカルボプラチンおよびタキソールである。
カルボプラチン、タキソールおよびビノレルビンと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せ、またはカルボプラチンおよびタキソールと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せは、非小細胞肺癌の治療のために特に適している。
一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、5−FU、ロイコボリン、オキサリプラチン、CPT 11およびベバシズマブから選択される。好ましくは、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、5−FU、ロイコボリンおよびCPT 11、または5−FU、ロイコボリンおよびオキサリプラチンである。
5−FU、ロイコボリンおよびCPT 11と本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せ、または5−FU、ロイコボリンおよびオキサリプラチンと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せは、結腸癌の治療のために特に適している。
一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、メトトレキサート、タキサン、アントラサイクリン類(例えばドキソルビシン)、ハーセプチン、5−FUおよびシクロホスファミドから選択される。一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、タキサン、アントラサイクリン(例えばドキソルビシン)、ハーセプチン、5−FUおよびシクロホスファミドから選択される。一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、5−FU、メトトレキサート、シクロホスファミド、ドキソルビシンから選択される。好ましくは、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は5−FU、メトトレキサートおよびシクロホスファミド、または5−FU、ドキソルビシンおよびシクロホスファミド、またはドキソルビシンおよびシクロホスファミドである。
5−FU、メトトレキサートおよびシクロホスファミドと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せ、または5−FU、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せ、またはドキソルビシンおよびシクロホスファミドと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せは、乳癌の治療のために特に適している。
一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、シクロホスファミド、ドキソルビシン(ヒドロキシダウノルビシン)、ビンクリスチンおよびプレドニゾンから選択される。好ましくは、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、シクロホスファミド、ドキソルビシン(ヒドロキシダウノルビシン)、ビンクリスチンおよびプレドニゾン、またはシクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾンである。
シクロホスファミド、ドキソルビシン(ヒドロキシダウノルビシン)、ビンクリスチンおよびプレドニゾンと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せは、非ホジキンリンパ腫(特に高悪性度非ホジキンリンパ腫)の治療のために特に適している。シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾンと本明細書で定義される式(I)との化合物との組合せは、非ホジキンリンパ腫(特に低悪性度非ホジキンリンパ腫)の治療のために特に適している。
一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびデキサメタゾンから選択される。好ましくは、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびデキサメタゾンである。
ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびデキサメタゾンと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せは、多発性骨髄腫の治療のために特に適している。
一実施形態では、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、フルダラビンおよびリツキサマブから選択される。好ましくは、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、フルダラビンおよびリツキサマブである。
フルダラビンおよびリツキサマブと本明細書で定義される式(I)の化合物との組合せは、慢性リンパ球性白血病の治療のために特に適している。
一実施形態では、本発明の組合せは以下から選択される2つまたはそれ以上の抗癌剤(トポイソメラーゼ阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、DNA結合剤、モノクローナル抗体、シグナル伝達阻害剤、ならびにシスプラチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5FU、タキサンおよびマイトマイシンCのような微小管阻害剤(チューブリン標的化剤))の組合せを場合によっては含まない。
一実施形態では、本発明の組合せは、抗アンドロゲン、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC)、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、DNAメチル化阻害剤およびCDK阻害剤から選択される、少なくとも1つの抗癌剤を含んでいる。
本発明の具体的な組合せ
本発明による特定の組合せは、以下の2つまたはそれ以上の抗癌剤と、本明細書で定義される式(I)の化合物およびそのサブグループとを含む。
癌(および特に急性骨髄白血病)治療に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、2つまたはそれ以上のアントラサイクリン、Ara C(別名シタラビン)、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、ゲムツズマブ・オゾガミシンおよび顆粒球コロニー刺激因子から選択される。あるいは、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、2つまたはそれ以上のアントラサイクリン、Ara C(別名シタラビン)、ダウノルビシン、イダルビシン、ゲムツズマブ・オゾガミシンおよび顆粒球コロニー刺激因子から選択されてもよい。
癌(および特に乳癌)治療に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、ベバシズマブ、タキサン、メトトレキサート、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、タモキシフェン、ドキソルビシン、ハーセプチン、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、エピルビシンおよびカペシタビン、特に5−FU、メトトレキサートおよびシクロホスファミド;5FU、ドキソルビシンおよびシクロホスファミド;またはドキソルビシンおよびシクロホスファミドから選択される。好ましくは、癌(および特に乳癌)治療に関して、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤はまた、独立して、タキサン、メトトレキサート、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、タモキシフェン、ドキソルビシン、ハーセプチン、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、エピルビシンおよびカペシタビン、特に5−FU、メトトレキサートおよびシクロホスファミド;5FU、ドキソルビシンおよびシクロホスファミド;またはドキソルビシンおよびシクロホスファミドから選択されてもよい。
典型的な投薬レジメンは以下のものを含む。
シクロホスファミドを100mg/mの経口で毎日×14日間、ドキソルビシンを30mg/mの静注で1日目および8日目、ならびにフルオロウラシルを500mg/mの静注で1日目および8日目、以上を28日ごとに最大6サイクルで繰り返す。
シクロホスファミドを600mg/mの静注で1日目、およびドキソルビシンを60mg/mの静注で1日目、以上を21日ごとに最大4サイクルで繰り返す。
癌(および特に慢性リンパ球性白血病(CLL))治療に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、アレムツズマブ、クロラムブシル、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレジニゾロン(predinisolone)、フルダラビン、ミトキサントロンおよびリツキシマブ/リツキサマブ、特にフルダラビンおよびリツキサマブから選択される。好ましくは癌(特に慢性リンパ球性白血病(CLL))治療に関して、前記2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、クロラムブシル、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレジニゾロン、フルダラビン、ミトキサントロンおよびリツキシマブ/リツキサマブ、特にフルダラビンおよびリツキサマブから選択される。
癌(および特に慢性骨髄性白血病(CML))治療に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、ヒドロキシウレア、シタラビンおよびイマチニブから選択される。
癌(および特に結腸癌治療)に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、セツキシマブ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチン、ラルチレキセド(raltirexed)、カペシタビン、ベバシズマブ、オキサリプラチン、CPT 11、特に5−フルオロウラシル、ロイコボリンおよびCPT 11、またはフルオロウラシル、ロイコボリンおよびオキサリプラチンから選択される。
あるいは癌(および特に結腸癌治療)に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチン、ラルチレキセド、カペシタビン、ベバシズマブ、オキサリプラチン、CPT 11およびアバスチン、特に5−フルオロウラシル、ロイコボリンおよびCPT 11、またはフルオロウラシル、ロイコボリンおよびオキサリプラチンから選択される。
典型的な投薬レジメンは以下のものを含む。
フルオロウラシルを400〜425mg/mの静注で1〜5日目、およびロイコボリンを20mg/mの静注で1〜5日目、以上を28日ごとに6サイクルで繰り返す。
イリノテカンを100〜125mg/mの90分にわたる静注で1、8、15および 22日目、フォリン酸を20mg/mの静注で1、8、15および22日目、ならびにフルオロウラシルを400〜500mg/mの静注で1、8、15および22日目、以上を42日ごとに疾患進行まで繰り返す。
500mLのD5W中85mg/mのオキサリプラチンを120分にわたる静注で1日目、フォリン酸を200mg/mの120分にわたる静注で1および2日目、フォリン酸の後にフルオロウラシルを400mg/mの静注ボーラス投与で、次にフルオロウラシルを600mg/mの22時間にわたる持続静注で1および2日目、以上を12日ごとに最大12サイクルで繰り返す。
癌(および特に多発性骨髄腫治療)に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メルファラン、プレドニゾン、シクロホスファミド、エトポシド、パミドロネート、ゾレドロネートおよびボルテゾミブ、特にビンクリスチン、ドキソルビシンおよびデキサメタゾンから選択される。
癌(および特に非ホジキンリンパ腫治療)に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、シクロホスファミド、ドキソルビシン/ヒドロキシダウノルビシン、ビンクリスチン/Onco−TCS(V/O)、プレドニゾロン、メトトレキサート、シタラビン、ブレオマイシン、エトポシド、リツキシマブ/リツキサマブ、フルダラビン、シスプラチンおよびイホスファミド(ifosphamide)、特に高悪性度非ホジキンリンパ腫には、シクロホスファミド、ドキソルビシン(ヒドロキシダウノルビシン)、ビンクリスチンおよびプレドニゾン、または低悪性度非ホジキンリンパ腫には、シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾンから選択される。
癌(および特に非小細胞肺癌(NSCLC))治療に関して、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、ベバシズマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、マイトマイシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビンおよびビノレルビン、特にタキソール、ビノレルビンおよびカルボプラチン、またはタキソールおよびカルボプラチンから選択されてもよい。癌(および特に非小細胞肺癌(NSCLC))治療に関して、特に好ましくは、2つまたはそれ以上の抗癌剤は、独立して、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、マイトマイシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビンおよびビノレルビン、特にタキソール、ビノレルビンおよびカルボプラチン、またはタキソールおよびカルボプラチンから選択される。
典型的な投薬レジメンは以下のものを含む。
ゲムシタビンを1000mg/mの静注で1、8および15日目、ならびにシスプラチンを75〜100mg/mの静注で1日目、以上を28日ごとに4〜6のサイクルで繰り返す。
パクリタキセルを135〜225mg/mの3時間にわたる静注で1日目、およびカルボプラチンを血中濃度曲線下面積6.0で静注にて1日目、以上を21日ごとに4〜6のサイクルで繰り返す。
ドセタキセルを75mg/mの静注で1日目、およびカルボプラチンを血中濃度曲線下面積5または6で静注にて1日目、以上を21日ごとに4〜6のサイクルで繰り返す。
ドセタキセルを75mg/mの静注で1日目、およびシスプラチンを75mg/mの静注で1日目、以上を21日ごとに4〜6サイクルで繰り返す。
癌(および特に卵巣癌)治療に関して、2つ以上の抗癌剤は、独立して、白金化合物(例えばシスプラチン、カルボプラチン)、タキソール、ドキソルビシン、リポソームのドキソルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、メルファランおよびミトキサントロンから選択される。
癌(および特に前立腺癌)治療に関して、2つ以上の抗癌剤は、独立して、ミトキサントロン、プレドニゾン、ブセレリン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド、フルタミド、酢酸シプロテロン、メゲストロール/メゲストレル、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、パクリタキセル、ゾレドロン酸およびタキソテールから選択される。
医薬製剤
本発明の組合せ中の活性化合物を単独で投与することもできるが、1種以上の薬学上許容される担体、アジュバント、賦形剤、希釈剤、フィラー、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤、または当業者に周知の他の物質と、場合により他の治療または予防剤と一緒に、少なくとも1種の本発明の活性化合物を含有する医薬組成物(例えば、製剤)として提供することが好ましい。
従って、本発明はさらに、上記のような医薬組成物ならびに、本明細書で記載されているような1種以上の薬学上許容される担体、賦形剤、緩衝剤、アジュバント、安定剤、または他の物質と一緒に、前記のような少なくとも1種の活性化合物を混合することからなる、医薬組成物の製造方法を提供する。
本明細書において「薬学上許容される」とは、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく、被験体(例えば、ヒト)の組織との接触に用いるのに好適であり、妥当な利益/リスク比で釣り合いがとれた化合物、物質、組成物および/または投与形を意味する。担体、賦形剤などの各々はまた、その製剤の他の成分と適合するという点で「許容される」ものでなければならない。
本明細書で定義される式(I)の化合物を含有する医薬組成物は公知の技術に従い処方できる、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルベニア、米国、参照。
したがって、別の態様において、本発明は本明細書で定義される式(I)の化合物およびそのサブグループを医薬組成物の形態で提供する。
前記医薬組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与、鼻腔内投与、点眼投与、点耳投与、直腸投与、膣内投与または経皮投与に好適ないずれの形態であってもよい。前記組成物が非経口投与を意図したものである場合、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与用に処方することもできるし、あるいは注射、注入または他の送達手段により標的臓器または組織に直接送達するために処方することもできる。送達はボーラス注射、短時間注入または長時間注入によるものとすることもでき、また、受動的送達であっても、または好適な注入ポンプの利用を介したものでもよい。
非経口投与に適した医薬製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、補助溶媒、有機溶媒混合物、シクロデキストリン複合体形成剤、乳化剤(エマルジョン製剤を形成および安定化するため)、リポソーム形成のためのリポソーム成分、高分子ゲルを形成するためのゲル化可能なポリマー、凍結乾燥保護剤、ならびにとりわけ有効成分を可溶形態で安定化させるための薬剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする薬剤の組合せを含み得る水性および非水性無菌注射液が挙げられる。非経口投与に適した医薬製剤はまた、懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁剤の形態であってもよい(ストリックリー(R.G.Strickly)、経口および注射製剤における賦形剤の溶解(Solubilizing Excipients in oral and injectable formulation)、薬学研究(Pharmaceutical Research)、第21巻2号、2004年、p.201−230)。
リポソームは外側の脂質二重膜と内側の水性核からなる、閉じられた球状小胞であり、全体の直径が100μm未満である。疎水性の程度によって、中程度の疎水性薬剤であれば、薬剤をリポソーム内に封入またはインターカレーションした場合に、リポソームにより可溶化させることができる。疎水性薬剤はまた、薬剤分子を脂質二重膜の一体部分とした場合にも、リポソームにより可溶化させることができ、この場合、この疎水性薬剤を脂質二重膜の脂質部分に溶解させる。
前記製剤は単回用量容器または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供することもできるし、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水を加えるだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することもできる。
前記医薬製剤は、本明細書で定義される式(I)の化合物を凍結乾燥させることにより製造することができる。凍結乾燥とは、組成物をフリーズドライする手順をさす。よって、本明細書においてフリーズドライと凍結乾燥は同義語として用いられる。
即時調合注射溶液および懸濁液は無菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
注射剤用の本発明の医薬組成物はまた、薬学的に許容される無菌の水性または非水性溶液、分散液、懸濁液および乳液、加えて使用直前に無菌注射溶液または分散液へ再構成される無菌粉末を含む。適当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒あるいは賦形剤の例としては、水、エタノール、多価アルコール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適当な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンのような被覆剤の使用、分散液の場合は必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用により維持することができる。
本発明の組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤のようなアジュバントを含んでいてもよい。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗黴剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など、を含有することにより確保されてもよい。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含有することも望ましい。注射可能な剤型での持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンのような吸収を遅らせる薬剤の含有によりもたらされてもよい。
本発明の好ましい一実施形態では、前記医薬組成物は、例えば注射またはインフュージョンによるIV投与に適当な形態である。静脈内投与には、前記溶液はそのまま投与でき、また投与前に(0.9%生理食塩水または5%デキストロースのような薬学的に許容される賦形剤を含む)輸液バッグに注入することもできる。
もう1つの好ましい実施形態では、前記医薬組成物は皮下(s.c.)投与に好適な形態である。
経口投与に好適な医薬投与形としては、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤および懸濁剤、舌下錠、ウエハー剤またはパッチ剤ならびに口腔パッチ剤が挙げられる。
従って、錠剤組成物は、単位用量の活性化合物を、不活性希釈剤または担体、例えば、糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトール;および/または非糖由来希釈剤、例えば、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムまたはセルロースもしくはその誘導体、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン、例えば、コーンスターチとともに含有することができる。また、錠剤は、標準的な成分、例えば、結合剤および造粒剤、例えば、ポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩)、保存剤(例えば、パラベン)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液)、および発泡剤、例えば、クエン酸塩/重炭酸塩混合物を含有してもよい。このような賦形剤は公知であり、ここでは詳細に記載する必要はない。
カプセル製剤は、硬質ゼラチン種であっても軟質ゼラチン種であってもよく、固体、半固体または液体状の有効成分を含有することができる。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチンまたはその合成もしくは植物由来の均等物から形成することができる。
固形投与形(例えば、錠剤、カプセル剤など)はコーティングを施しても施さなくともよいが、典型的には例えば、保護フィルムコーティング(例えば、ワックスまたはワニス)または放出制御コーティングを施す。前記コーティング(例えば、Eudragit(商標)型ポリマー)は、胃腸管内の所望の位置で有効成分が放出されるように設計することができる。従って、コーティングは、胃腸管内の特定のpH条件下で分解するように選択することができ、これにより選択的に胃または回腸もしくは十二指腸で化合物を放出する。
コーティングの代わりに、またはコーティングに加えて、放出制御剤、例えば、胃腸管において酸度またはアルカリ度が変化する条件下で化合物を選択的に放出するようにすることができる放出遅延剤、を含んでなる固相マトリックス中に薬剤を提供してもよい。あるいは、マトリックス材料または放出遅延コーティングは、投与形が胃腸管を通過するにつれて実質的に連続的に崩壊する崩壊性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとることができる。さらなる別法としては、活性化合物を、化合物の放出の浸透圧制御をもたらす送達系に処方することもできる。浸透圧放出性ならびに他の遅延放出性または徐放性製剤は当業者に公知の方法に従って製造することができる。
前記医薬組成物は、有効成分を約1%から約95%まで、好ましくは約20%から約90%含む。発明による医薬品組成物は、例えばアンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、タブレットまたはカプセル形態のような単位用量形態であってもよい。
経口投与用医薬組成物は、有効成分と固体担体とを組み合わせ、所望であれば得られた混合物を粒状にし、所望または必要であれば適当な賦形剤の添加後、混合物を錠剤、糖衣錠コアまたはカプセルへ加工することにより得られる。また、前記経口投与用医薬組成物を、一定量の有効成分を拡散させたり放出させたりする可塑性の担体に組み入れることも可能である。
本発明の化合物は、固形分散物としてもまた製剤化することができる。固形分散物は、2つまたはそれ以上の固形物の均質な非常に細かい分散相である。固体分散体の1つのタイプである固溶体(分子的分散系)は、製剤工学における使用のために周知であり(チヨウ(Chiou)およびリーゲルマン(Riegelman)、薬学ジャーナル(J.Pharm.Sci.)、60、1281〜1300(1971)を参照)、溶解速度の増加および低水溶性薬剤の生体利用率の増加において有用である。
本発明は、上記載の固溶体を含む固形投薬形態もまた提供する。固形投薬形態としては、タブレット、カプセルおよびチュアブルタブレットが挙げられる。公知の賦形剤は、所望される投薬形態を提供するために固溶体に混ぜ合わせることができる。例えば、カプセルは、(a)崩壊剤および潤滑剤、または(b)崩壊剤、潤滑剤および界面活性剤と混合された固溶体を含有し得る。タブレットは、少なくとも1つの崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤および流動促進剤と混合された固溶体を含有し得る。チュアブルタブレットは、充填剤、潤滑剤、および所望されるならば付加甘味剤(人工甘味剤のような)、ならびに適切な香料と混合された固溶体を含有し得る。
前記医薬製剤は単一のパッケージ、通常はブリスターパック中に全コースの治療薬を含んだ「患者パック」として患者に提供することができる。患者パックは、調剤師がバルク供給から患者分の医薬を分配する従来の処方箋調剤に優る利点があり、患者は患者パックに入っている、患者の処方箋調剤では見ることができない添付文書をいつでも見ることができる。添付文書を包含しておけば、患者が医師の指示をよりよく遵守することが示されている。
局所使用のための組成物としては、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル、液滴および挿入物(例えば、眼内挿入物)が挙げられる。このような組成物は、公知の方法に従って処方することができる。
直腸投与または膣内投与用の製剤の例としては、ペッサリーおよび坐剤が挙げられ、これらは、例えば、活性化合物を含有する付形成形材またはワックス材から形成することができる。
吸入投与用組成物は、吸入可能な粉末組成物または液状もしくは粉末スプレーの形態をとってもよく、粉末吸入装置またはエアゾールディスペンシング装置を用いた標準的な形態で投与することができる。このような装置は、公知のものである。吸入投与用の粉末製剤は、典型的には活性化合物を、ラクトースなどの不活性固体粉末希釈剤とともに含む。
本明細書で定義される式(I)の化合物は一般的には単位投与形態で提供されることになり、それ自体、所望の生物活性レベルを与えるのに十分な化合物を典型的に含むことになる。例えば、製剤は1ナノグラム〜2グラムの有効成分、例えば、1ナノグラム〜2ミリグラムの有効成分を含んでいてもよい。この範囲内での化合物の特定の部分範囲としては、0.1ミリグラム〜2グラムの有効成分(より通常は、10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜500ミリグラム)、または1マイクログラム〜20ミリグラム(例えば、1マイクログラム〜10ミリグラム、例えば、0.1ミリグラム〜2ミリグラムの有効成分)である。
経口投与に関しては、単位投与形態は1ミリグラム〜2グラム、より典型的には、10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜1グラム、例えば、100ミリグラム〜1グラムの活性化合物を含んでいてもよい。
活性化合物は、投与を必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物患者)に、所望の治療効果を達成するのに十分な量で投与されることになる。
プロテインキナーゼ阻害活性
プロテインキナーゼAおよび/またはプロテインキナーゼBの阻害剤としての本発明の化合物の活性は、実施例において以下に説明されるアッセイを使用して測定することができ、任意の化合物によって示される活性のレベルはIC50値によって定義することができる。本発明の好ましい化合物は、プロテインキナーゼBに対して1μM以下、好ましくは0.1μM以下のIC50値を有する化合物である。
本明細書で定義される式(I)の化合物のいくつかは、PKAと比較した場合、PKBの選択的な阻害剤であり、すなわちPKBに対するIC50値は、PKAに対するIC50値よりも5〜10倍低く、およびより好ましくは10倍以上低い。
治療上の使用
増殖障害の予防または治療
本明細書で定義される式(I)の化合物は、プロテインキナーゼAおよび/またはプロテインキナーゼBの阻害剤である。それゆえ、それらは腫瘍の増殖阻害またはアポトーシス誘導の手段の提供において有用である。したがって本明細書で定義される式(I)の化合物を含む組合せは、癌のような増殖障害の治療または阻害において有用であることが証明されることになる。特に、PTENにおける欠失もしくは不活性化変異、またはPTEN発現の喪失、または(T細胞リンパ球)TCL−1遺伝子中のリアレンジメントをともなう腫瘍は、PKB阻害剤に対して特に感受性がある可能性がある。アップレギュレートされたPKB経路のシグナルをもたらす他の異常を有する腫瘍もまた、PKBの阻害剤に対して特に感受性がある可能性がある。そのような異常の具体例としては、限定されるものではないが、1つまたは複数のPI3Kサブユニットの過剰発現、1つまたは複数のPKBアイソフォームの過剰発現、または問題になっている酵素の基礎活性の増加をもたらすPI3K、PDK1もしくはPKBにおける変異、表皮増殖因子受容体(EGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、インスリン様増殖因子1受容体(IGF−1R)および血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)ファミリーから選択される増殖因子のような増殖因子受容体のアップレギュレーションもしくは過剰発現もしくは変異による活性化が挙げられる。
本発明の組合せは、例えばウイルス感染のような増殖または生存における障害に起因する他の症状、および神経変性疾患の治療においてもまた有用となる。PKBは、免疫反応の間の免疫細胞の生存の維持において重要な役割を果たし、したがってPKB阻害剤は自己免疫の症状を含む免疫障害において特に有用でありえる。
したがってPKB阻害剤および補助化合物の組合せは、増殖、アポトーシスまたは分化の障害が存在する疾患の治療において有用であり得る。
PKB阻害剤を含む組合せはまた、インシュリン抵抗性およびインスリン非感受性、ならびに代謝疾患および肥満のようなグルコース、エネルギーおよび脂肪の蓄積の破壊から生じる疾患において有用である可能性がある。
阻害される可能性のある癌の例としては、限定されるものではないが、癌腫、例えば、膀胱癌、乳癌、結腸癌(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫のような結腸直腸癌)、腎癌、表皮癌、肝癌、肺癌、例えば、腺癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、例えば、膵外分泌癌、胃癌、子宮頚癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、前立腺癌、または皮膚癌、例えば、扁平上皮癌;造血系悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、他のB細胞リンパ増殖性疾患、骨髄異形成症候群、T細胞リンパ増殖性疾患(ナチュラルキラー細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫およびホジキン病に由来したものを含む)、ボルテゾミブ感受性および抵抗性の多発性骨髄腫;前癌状態または安定状態に関わらず、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症を含む骨髄増殖性疾患のような細胞増殖異常の造血系疾患;有毛細胞リンパ腫またはバーケットリンパ腫(Burkett’s lymphoma);濾胞性甲状腺癌;間充織起源の腫瘍、例えば、繊維肉腫または横紋筋肉腫;中枢神経系または末梢神経系の腫瘍、例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫または神経鞘腫;メラノーマ;精上皮腫;奇形腫;骨肉腫;色素性乾皮症;角化棘細胞腫;濾胞性甲状腺癌;またはカポジ肉腫が挙げられる。
したがって異常な細胞増殖を含む疾患または症状の治療のための本発明の医薬組成物、使用または方法において、一実施形態における異常な細胞増殖を含む疾患または症状は癌である。
癌の特定のサブセットとしては、乳癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、食道癌、扁平上皮癌および非小細胞肺癌が挙げられる。
癌のさらなるサブセットとしては、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮内膜癌および神経膠腫が挙げられる。
本発明の組合せは、細胞増殖を調節する異なるメカニズムを介して作用する他の薬剤と共に、アポトーシスを誘導する阻害剤を含んでもよく、それにより癌の発達に特有の特徴の2つを治療する。そのような組合せの例は以下に述べられる。
免疫障害
PKAおよび/またはPKBの阻害剤が有用である可能性のある免疫障害としては、限定されるものではないが、自己免疫症状および慢性炎症性疾患、例えば、全身性紅斑性狼瘡、自己免疫性糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性糖尿病、湿疹過敏性反応、喘息、COPD、鼻炎、および上気道疾患が挙げられる。
他の治療上の使用
PKBはアポトーシス、増殖、分化において役割を果たし、したがってPKB阻害剤はまた、癌および免疫機能障害と関連した疾患以外の以下の疾患の治療において有用であり得る;ウイルス感染、例えば、ヘルペスウィルス、ポックスウイルス、エプスタインバーウイルス、シンドビスウィルス、アデノウイルス、HIV、HPV、HCV、およびHCMV;HIVに感染した個体におけるAIDS発症の予防;心疾患、例えば、心臓肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化;神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、エイズ関連認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄性筋萎縮症、小脳変性症;糸球体腎炎;骨髄異形成症候群、虚血性障害に関連する心筋梗塞、卒中および再潅流障害、筋骨格系の変成疾患、例えば、骨粗鬆症および関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性繊維症、多発性硬化症、腎臓病。
治療方法
本発明の組合せは、プロテインキナーゼAおよび/またはプロテインキナーゼBによって仲介される様々な病状または症状の予防または治療において有用である。そのような病状および症状の例は上述されている。
上記組合せは、一般的にそのような投与を必要とする被験体(例えば、ヒトまたは動物の患者、好ましくはヒト)に対して投与される。
上記組合せは、治療上または予防上有用であり、一般的に毒性のない量で典型的には投与されることになる。しかしながら、特定の状況において(例えば、生命を脅かす疾患の症例において)、本発明の組合せを投与する利点は、いかなる毒性効果または副作用の短所に勝ってもよく、その場合には組合せを毒性度と関連する量で投与することは望ましいと考えられてもよい。
本発明の組合せの成分化合物は、有用な治療上の効果を維持するために長期間にわたって投与されてもよいし、または短期間のみで投与されてもよい。あるいは、それらはパルス的方式または継続的方法で投与されてもよい。
本明細書で定義される式(I)の化合物の典型的な1日量は、体重1キログラムあたり100ピコグラム〜100ミリグラム、より典型的には体重1キログラムあたり5ナノグラム〜25ミリグラム、およびより通常には1キログラムあたり10ナノグラム〜15ミリグラム(例えば、10ナノグラム〜10ミリグラム、およびより典型的には1キログラムあたり1マイクログラム〜1キログラムあたり20ミリグラム、例えば、1キログラムあたり1マイクログラム〜10ミリグラム)の範囲でありえるが、必要な場合はより高用量またはより低用量が投与されてもよい。本明細書で定義される式(I)の化合物は、例えば、毎日の方式で、または2、もしくは3、もしくは4、もしくは5、もしくは6、もしくは7、もしくは10、もしくは14、もしくは21、もしくは28日ごとの反復方式で投与することができる。
本発明の組合せの成分化合物は、様々な用量で経口投与されてもよい、例えば、1〜1500mg、2〜800mg、または5〜500mg、例えば、2〜200mg、10〜1000mg、特定の例としては10、20、50および80mgが挙げられる。化合物は、毎日1回または1回以上投与されてもよい。化合物は、連続的に投与する(すなわち、治療レジメンの期間の間途切れずに毎日服用する)ことができる。あるいは、化合物は間欠的に投与すること(すなわち治療レジメンの期間を通じて、1週のような規定の期間の間に連続的に服用し、次に1週のような期間の間で中止され、次に1週のような別の期間の間で連続的に服用されるなど)ができる。間欠投与を伴う治療レジメンの例としては、投与が、1週間服用、1週間中止;または2週間服用、1週間中止;または3週間服用、1週間中止;または2週間服用、2週間中止;または4週間服用、2週間中止;または1週間服用、3週間中止のサイクルで、1つまたは複数のサイクル(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上のサイクル)でのレジメンが挙げられる。
1つの特定の投薬スケジュールでは、患者は、毎日1時間最大10日間の期間(特に1週間で5日間まで)で本明細書で定義される式(I)の化合物を点滴され、治療は2〜4週間のような所望される間隔(特に3週間ごと)で繰り返される。
より詳細には、患者は、毎日1時間5日間の期間で本明細書で定義される式(I)の化合物を点滴され、治療は3週間ごとに繰り返されてもよい。
別の特定の投薬スケジュールでは、患者は30分〜1時間に亘り点滴を受け、次に、色々な時間の(例えば、1〜5時間、例えば、3時間)の維持点滴を受ける。
さらなる特定の投薬スケジュールでは、患者は、12時間〜5日間の継続的な点滴、特に24時間〜72時間の継続的な点滴を受ける。
しかしながら最終的には、投与される化合物の量および使用される組成物のタイプは、その疾患の性質または治療されている生理的な症状に相応し、医師の裁量によることになる。
本明細書で定義される本発明の組合せは、さらに特定の病態(例えば、上記で定義されるような癌のような新生物疾患)の治療用の1つまたは複数の他の化合物と組み合わせること、および/またはそれらと共に投与することができる。本発明の組合せとともに投与されてもよい(同時にまたは異なる時間間隔であるかどうかにかかわらず)、他の治療用薬剤または治療の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
トポイソメラーゼI阻害剤;
代謝拮抗剤;
チューブリン標的化薬剤;
DNA結合剤およびトポイソメラーゼII阻害剤;
アルキル化剤;
モノクローナル抗体;
抗ホルモン;
シグナル伝達阻害剤;
プロテアソーム阻害剤;
DNAメチルトランスフェラーゼ;
サイトカインおよびレチノイド;
クロマチン標的化療法;
放射線療法;および
他の治療剤または予防薬;例えば、化学療法と関連する副作用のいくつかを減少または緩和する薬剤。そのような薬剤の特定の例としては、制吐剤、および化学療法関連の好中球減少の期間を防止または減少させる薬剤、および赤血球レベルまたは白血球レベルの減少から生じる合併症を予防する薬剤、例えば、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、および顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)が挙げられる。また、ビスフォスフォネート剤(例えば、ゾレドネート、パミドロネート、イバンドロネート)のような骨吸収を阻害する薬剤、炎症反応を抑制する薬剤(デキサメタゾン、プレドニゾンおよびプレドニゾロンなど)、および天然ホルモンのソマトスタチンの薬理学的特性を模倣する薬理学的特性を備えた長時間作用性のオクタペプチドである酢酸オクトレオチドを含む、脳ホルモンソマトスタチンの合成型のような、先端肥大症患者において成長ホルモンおよびIGF−Iの血中濃度を減少させるために使用される薬剤が挙げられる。さらには、ロイコボリン(葉酸レベルを減少させる薬剤に対する解毒剤として使用される)またはフォリン酸それ自体のような薬剤、および浮腫および血栓塞栓症発作を含む副作用の治療のために使用することができる酢酸メゲストロールのような薬剤が挙げられる。
本発明の組合せ中に存在する化合物の各々は、個別に違う用量スケジュールで、および異なる経路を通して与えられてもよい。
本明細書で定義される式(I)の化合物および補助化合物は、同時にまたは連続的であってもよい。連続して投与される場合、それらは短い間隔で(例えば、5〜10分の期間にわたって)、またはより長い間隔(例えば、1、2、3、4時間またはそれ以上離れて、または必要とされる場合には、さらにより長い期間離れて)で投与することができるが、正確な投与レジメンは治療用薬剤の特性に対応する。
本発明の組合せはまた、放射線療法、光力学療法、遺伝子療法のような化学療法でない治療;手術および栄養制限食と併用して投与されてもよい。
補助化合物との組合せ療法における使用に関して、本明細書で定義される式(I)の化合物および1、2、3、4またはそれ以上の補助化合物は、例えば、2、3、4またはそれ以上の補助化合物を含む投薬形態で、ともに製剤化することができる。また、本発明の組合せの成分化合物は個別に製剤化され、キットの形式で一緒に提供されてもよく、場合によりそれらの使用説明書が添付される。
当業者は、通常の知識により、用いる投与レジメンおよび組合せ療法が分かるであろう。
診断方法
本明細書で定義される式(I)の化合物を含む組合せの投与前に、患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状が、プロテインキナーゼAおよび/またはプロテインキナーゼBに対する活性を有する化合物による治療に対して感受性のある疾患または症状であるかどうかを決定するために、患者をスクリーニングしてもよい。
例えば、患者から採取された生体サンプルは、患者が罹患している、または罹患している可能性のある症状または疾患(癌など)が、PKAおよび/またはPKBのアップレギュレーション、または正常なPKAおよび/またはPKBの活性に対する経路の感作、またはPKBの場合では、P13K、GF受容体、PDK1およびPDK2のような、PKAおよび/またはPKBの上流のシグナル伝達構成要素のアップレギュレーションをもたらす遺伝的異常または異常タンパク質の発現によって特徴づけられる症状または疾患であるかどうかを決定するために分析されてもよい。
あるいは、患者から採取された生体サンプルは、PTENのようなPKB経路の負の調節因子またはサプレッサーの欠損について分析されてもよい。本文脈において、「欠損」なる用語は、調節因子またはサプレッサーをコードする遺伝子の欠失、遺伝子の切断(例えば、変異による)、遺伝子の転写産物の切断、または転写産物の不活性化(例えば、点変異による)もしくは別の遺伝子産物による隔離を包含する。
アップレギュレーションなる用語は、発現上昇または遺伝子増幅(すなわち複数の遺伝子コピー)を含む過剰発現、および転写効果による発現増加、ならびに変異による活性化を含む過活性および活性化を含む。したがって、PKAおよび/またはPKBのアップレギュレーションの特有のマーカーを検出するために、患者は診断試験を受けてもよい。診断なる用語は、スクリーニングを含む。「マーカー」には、例えば、PKAおよび/またはPKBの変異を同定するためのDNA組成物の測定を含む遺伝的マーカーが含まれる。マーカーなる用語はまた、前述のタンパク質の酵素活性、酵素量、酵素状態(例えば、リン酸化されたまたはリン酸化されてない)およびmRNAレベルを含む、PKAおよび/またはPKBのアップレギュレーションに特有のマーカーを含む。
上記の診断試験およびスクリーニングは、典型的には、腫瘍生検標本、血液サンプル(脱落した腫瘍細胞の単離および濃縮)、便生検、喀痰、染色体分析、胸水、腹水または尿から選択される生体サンプルに対して行なわれる。
PKAおよび/またはPKBに変異、TCL−1のリアレンジメント、あるいはPTEN発現の欠損を保有する個体の識別は、患者がPKAおよび/またはPKBの阻害剤による治療に特に適していることを意味し得る。腫瘍は、治療の前に特定の変異/対立遺伝子の存在について優先的にスクリーニングされてもよい。スクリーニング過程は、典型的には、直接配列決定、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ分析または変異体特異的抗体を含むことになる。
変異およびタンパク質のアップレギュレーションの同定法および分析法は、当業者に公知である。スクリーニング法としては、限定されるものではないが、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)またはin situハイブリダイゼーションのような標準方法が挙げられる。
RT−PCRによるスクリーニングでは、腫瘍におけるmRNAのレベルは、そのmRNAのcDNAコピーを作成した後、そのcDNAをPCRにより増幅することにより評価する。PCR増幅の方法、プライマーの選択、および増幅条件は当業者に公知である。核酸の操作およびPCRは、例えば、オースベル(Ausubel,F.M.)ら(編者)、分子生物学における現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、2004年、ジョンワイリー&サンズ、またはイニス(Innis,M.A.)ら(編者)、PCRプロトコル:方法および応用の手引き(PCR Protocols:a guide to methods and applications)、1990年、アカデミックプレス(Academic Press)、サンディエゴ、に記載のような標準的な方法により行う。核酸技術に関する反応および操作はまた、サムブルック(Sambrook)ら、2001年、第3版、分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載されている。あるいは、RT−PCR用の市販キット(例えば、ロシュモルキュラーバイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals)、または米国特許第4,666,828号;第4,683,202号;第4,801,531号;第5,192,659号;第5,272,057号;第5,882,864号および同第6,218,529号に開示されている方法が使用でき、これらは参照によりに本書に援用される。
mRNAの発現を評価するためのin situハイブリダイゼーション技術の例として、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)がある(アンゲラー(Angerer)、1987、メソッズインエンザイモロジー(Meth.Enzymol)、152:649、参照)。
一般に、in situハイブリダイゼーションは以下の主要工程を含む:(1)分析する組織の固定;(2)標的核酸の接近性を高めるため、また、非特異的結合を軽減するためのサンプルのプレハイブリダイゼーション処理;(3)その核酸混合物と生体構造または組織中の核酸とのハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションにおいて結合しなかった核酸断片を除去するためのハイブリダイゼーション後の洗浄;および(5)ハイブリダイズした核酸断片の検出。このような用途に用いるプローブは典型的には、例えば、放射性同位元素または蛍光リポーターで標識される。好ましいプローブは、ストリンジェント条件下で標的核酸との特異的ハイブリダイゼーションを可能とするに十分な長さ、例えば、約50、100、または200ヌクレオチド〜約1000以上のヌクレオチドである。FISHを行うための標準的な方法は、オースベル(Ausubel,F.M.)ら(編者)、分子生物学における現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、2004年、ジョンワイリー&サンズ、およびバートレット(John M.S.Bartlett)による、「in situハイブリダイゼーションにおける蛍光:技術的概観(Fluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview)」『癌の分子診断、方法およびプロトコル』(Molecular Diagnosis of Cancer:Methods and Protocols)』、第2版;ISBN:1−59259−760−2;2004年3月、p.077−088;シリーズ:分子医学における方法(Series:Methods in Molecular Medicine)に記載されている。
あるいは、これらのmRNAから発現されたタンパク質産物を、腫瘍サンプルの免疫組織化学、マイクロタイタープレートを用いる固相イムノアッセイ、ウエスタンブロット、二次元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリーおよび特定のタンパク質を検出するための当技術分野で公知の他の方法により分析することができる。検出方法には、部位特異的抗体の使用が含まれる。当業者ならば、PKBのアップレギュレーションの検出、またはPKB変異体の検出のためのそのような公知の技術はすべて本発明の場合に適用可能であることを認識するであろう。
したがって、PKAおよび/またはPKBの阻害剤による治療のために特に適した腫瘍を同定するために、これらの技術のすべてを使用できる可能性がある。
例えば、上述のように、PKBベータは、卵巣および膵臓癌の10〜40%においてにおいてアップレギュレートされることが見出されている(ベラコサ(Bellacosa)ら、1995、インターナショナルジャーナルオブキャンサー(Int.J.Cancer)64、280〜285;チェン(Cheng)ら、1996、米国科学アカデミー紀要(PNAS)93、3636〜3641;ユアン(Yuan)ら、2000、オンコジーン(Oncogene)19、2324〜2330)。したがって、PKB阻害剤、および特にPKBベータの阻害剤は、卵巣および膵臓癌を治療するために使用される可能性がある。
PKBアルファは、ヒト胃癌、前立腺癌および乳癌において増幅される(スタール(Staal)、1987、米国科学アカデミー紀要(PNAS)84、5034〜5037;ソン(Sun)ら、2001、米国病理学会誌(Am.J.Pathol.)、159、431〜437)。したがって、PKB阻害剤、および特にPKBアルファの阻害剤は、ヒト胃癌、前立腺癌および乳癌を治療するために使用される可能性がある。
PKBガンマ活性の増加は、ステロイド非依存性乳腺細胞株および前立腺細胞株において観察された(ナカタニ(Nakatani)ら、1999、生化学ジャーナル(J.Biol.Chem.)274、21528〜21532)。したがってPKB阻害剤、および特にPKBガンマの阻害剤は、ステロイド非依存性の乳癌および前立腺癌を治療するために使用される可能性がある。
本発明を、以下の方法および実施例に記載される具体的実施形態を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。このセクションは、上記載のクラスAおよびクラスBの各々に関して、2パートで提供され、各セクション内の実施例の番号付けは独立している。したがって、実施例番号に関する特定の化合物への参照は、それに応じて解釈されるべきである。
特に断りのない限り、下記の各方法の出発物質は市販されているか、または市販の材料から容易に調製される。
医薬製剤
(i)錠剤製剤
本明細書で定義される式(I)の化合物を含有する錠剤組成物は、化合物50mgと、希釈剤としてのラクトース(BP)197mgと、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウム3mgとを混合し、公知の方法で打錠することにより製造される。
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤は、本明細書で定義される式(I)の化合物100mgとラクトース100mgを混合し、得られた混合物を標準的な不透明硬ゼラチンカプセルに充填することにより製造される。
(iii)注射用製剤I
注射投与用の非経口組成物は、本明細書で定義される式(I)の化合物(例えば、塩形態)を、10%プロピレングリコールを含有する水に溶解し、活性化合物濃度1.5重量%とすることにより製造することができる。この溶液を次に濾過除菌し、アンプルに充填し、密閉する。
(iv)注射用製剤II
注射用の非経口組成物は、本明細書で定義される式(I)の化合物(例えば、塩形態)(2mg/ml)およびマンニトール(50mg/ml)を水に溶解し、溶液を濾過滅菌し、密封可能な1mlバイアルまたはアンプルへ充填することにより製造される。
(v)注射用製剤III
注射または注入によるiv送達用の製剤は、水に本明細書で定義される式(I)の化合物(例えば、塩形態)を20mg/mlで溶解することにより製造できる。次いで、バイアルを密封し、オートクレーブ処理により滅菌する。
(vi)注射用製剤IV
注射または注入によるiv送達用の製剤は、緩衝剤(例えば、0.2M酢酸pH4.6)を含有した水に本明細書で定義される式(I)の化合物(例えば、塩形態)を20mg/mlで溶解することにより製造できる。次いで、バイアルを密封し、オートクレーブ処理により滅菌する。
(vii)皮下注射用製剤
本明細書で定義される式(I)の化合物と医薬用コーン油とを混合し濃度を5mg/mlとすることにより皮下投与用組成物を調製する。得られた組成物を殺菌し、適切な容器に充填する。
(viii)凍結乾燥製剤
本明細書で定義される式(I)の処方化合物のアリコートを50mlバイアルへ入れ、凍結乾燥する。凍結乾燥に際しては、−45℃でワンステップ凍結プロトコールを用いて組成物を凍結する。温度をアニーリングのために−10℃に上げ、次いで低下させて−45℃で凍結し、次いで約3400分かけて+25℃で一次乾燥させ、徐々に50℃まで昇温して二次乾燥を行う。一次乾燥および二次乾燥中の圧力は80ミリトルに設定する。
生物学的活性
PKAキナーゼ阻害活性(IC50)の測定
化合物は、WO2006/046024中に記載されているようにPK阻害活性について試験することができる(その中の実施例95を参照、その内容は参照により本書に援用される)。
PKBキナーゼ阻害活性(IC50)の測定
化合物によるプロテインキナーゼB(PKB)活性の阻害は、WO2006/046024中に記載されているように決定することができる。(その中の実施例96を参照、その内容は参照により本書に援用される)。
抗増殖活性
本発明の組合せの抗増殖活性は、WO2006/046024号中に記載されているように、多数の細胞株における細胞増殖の阻害に対する化合物の能力を測定することによって決定される(その中の実施例97を参照、その内容は参照により本書に援用される)。
治療効果アッセイ
補助化合物(化合物II)との組合せにおいて、式Iの化合物(化合物I)の効果は以下技術を使用して評価された。
IC50シフト分析
ヒト細胞株(例えば、HCT116、U87MG、A549)からの細胞は、それぞれ2.5×10、6.0×10または4.0×10細胞/ウェルの濃度で96ウェル組織培養プレート上に播種した。細胞を48時間回復させ、その後以下のような化合物または賦形剤の対照(0.35%DMSO)を添加した。
Figure 2009536620
化合物を96時間同時に加えた。
合計96時間の化合物のインキュベーション後に、細胞を氷冷10%(w/v)トリクロロ酢酸により氷上で1時間固定し、次にプレート洗浄機(ラボシステムズ・ウェルウォッシュ・アセント(Labsystems Wellwash Ascent))を使用して、蒸留水により4回洗浄し、風乾した。次に細胞を室温で1%酢酸中の0.4%(w/v)スルホロダミンB(シグマ社)により20分間染色し、次に1%(v/v)酢酸により4回洗浄し、風乾させ、色素を可溶化するために10mMトリス緩衝液を添加した。色測的結果は、ワラック・ビクター(Wallac Victor)プレートリーダー(1420多重標識カウンター、パーキン・エルマー・ライフサイエンス(Perkin Elmer Life Sciences)社)で吸光度490nmでの読み取りによって定量された。様々な用量の化合物Iの存在下で、化合物IIのIC50が決定された。無効用量の化合物Iの存在下で、IC50が下へシフトする場合、相乗作用が決定された。化合物IIおよび化合物Iをともに投与したものに対する反応が、2つの化合物を個別に投与したものの合計と同等の効果をもたらした場合、付加性が決定された。拮抗作用は、IC50を上へシフトにさせるもの、すなわち2つの化合物に対する反応が、2つの化合物の個別の効果の合計よりも少なかった場合のものとして定義された。
クラスAの化合物に関連する実施例
クラスAの式(I)の様々な例示的な化合物は、WO2006/046024中に記載されているように調製されてもよく、その内容は参照により本書に援用される。特に、105〜185ページで実施例1〜94中に記載されている化合物の合成に関するWO2006/046024の内容は参照により本書に援用され、それゆえ以下の化合物の調製の例が具体的に本明細書において記載される。
メチル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン、
ベンジル[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]アミン、
1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(ピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
(3S)−6−(3−ベンジルオキシメチルピペラジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−フェネチルアミノピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−(2−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−[4−(3−クロロベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−ベンジル−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−イル]−7−エチル−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
C−[4−(4−クロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル、
4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3−クロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル〕メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−メトキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]メチル−アミン、
[4−(4−クロロフェニル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]イソプロピルアミン、
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]ジメチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(9H−プリン−6−イル)−4−(4−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(3−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(3−トリフルオロメトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,6−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
[4−(4−クロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−(2−トリフルオロメトキシベンジル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,5−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,3−ジクロロベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
C−[4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメチルベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−フルオロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2−クロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−トリフルオロメトキシベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−クロロベンジル)メチルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−t−ブチルベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2,4−ジクロロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸3,4−ジクロロベンジルアミド、および
4−(4−クロロベンジルオキシメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸2,4−ジフルオロベンジルアミド
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)メタノン、
[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]−(2−フェニルピロリジン−1−イル)メタノン、
4−(4−クロロベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(4−t−ブチルベンジル)−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
N−[4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルメチル]−4−クロロベンズアミド、
4−ビフェニル−4−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−ビフェニル−2−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−(2−メトキシベンジル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−ナフタレン−1−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸4−クロロ−2−フルオロベンジルアミド、
4−アミノ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(ビフェニル−3−イルメチル)アミド、
4−ビフェニル−3−イルメチル−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン、および
4−(6−クロロビフェニル−3−イルメチル)−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミン。
治療効果アッセイ
化合物IとしてWO2006/046024号の実施例17の化合物および化合物IIとしてのゲフィチニブ(イレッサの商品名でアストラゼネカ社から市販)を使用して、上記のアッセイを行った。結果を下記に示す、なお実施例17の化合物は「実施例X」と記載する。
Figure 2009536620
クラスBの化合物に関連する実施例
クラスBの式(I)の様々な例示的な化合物は、WO2006/046023中に記載されているように調製されてもよく、その内容は参照により本書に援用される。特に、99〜147ページで実施例1〜32中に記載されている化合物の合成に関するWO2006/046023の内容は参照により本書に援用され、それゆえ以下の化合物の調製の例が具体的に本明細書において記載される。
N−メチル−N′−(9H−プリン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
6−(3−メチルアミノ−プロピルアミノ)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(4−フルオロフェニル)−N−(9H−プリン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
6−[3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
1−(4−クロロフェニル)−N−(9H−プリン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
メチル[4−(9H−プリン−6−イル)ベンジル]アミン、
メチル[3−(9H−プリン−6−イル)ベンジル]アミン、
[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]アセトニトリル、
2−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]エチルアミン、
2−[3−(9H−プリン−6−イル)フェニル]エチルアミン、
1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−カルボン酸アミド、
C−[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
6−[4−(アミノフェニルメチル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−{4−[アミノ(4−クロロフェニル)メチル]ピペリジン−1−イル}−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−(4−アミノメチルピペリジン−1−イル)−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
3−[3−(9H−プリン−6−イル)フェノキシ]プロピルアミン、
C−[1−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−フェニル−C−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]メチルアミン、
2−フェニル−1−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]エチルアミン、
6−[4−(1−アミノ−2−フェニルエチル)ピペリジン−1−イル]−7,9−ジヒドロプリン−8−オン、
6−{4−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]フェニル}−9H−プリン、
4−{4−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
C−フェニル−C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−4−クロロフェニル−C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
C−(4−クロロフェニル)−C−[1−(9H−プリン−6−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
4−{4−[4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
C−(4−クロロフェニル)−C−[4−(9H−プリン−6−イル)フェニル]メチルアミン、
C−(4−クロロフェニル)−C−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン、
{2−(4−クロロフェニル)−2−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェニル]エチル}メチルアミン、
C−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル]メチルアミン、および
C−(4−クロロフェニル)−C−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル]メチルアミン。
均等
上記の実施例は、本発明を説明する目的で記載したものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。上記に記載し、また、実施例で示す本発明の特定の実施形態に対して、本発明の原理から逸脱することなく、多くの改変および変更をなし得ることは容易に明らかである。このような改変および変更は総て本願に含まれるものとする。

Claims (184)

  1. 補助化合物および式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、(例えば、プロテインキナーゼB阻害剤および/またはプロテインキナーゼA阻害剤としての使用のための)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、NまたはCR基であり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
    は、結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく、
    は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、前記リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合はG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
    Gは、水素、NR、OHおよびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
    は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素でありGがNRである場合、Qは結合である)、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、
    または存在する場合にはNRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
    、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、
    およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである)。
  2. 補助化合物および式(Ia)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項1に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、Nまたは基CRであり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
    およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
    Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
    は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素であり、GがNRである場合、Qは結合である)、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合している窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合している窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    存在する場合、NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
    、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、およびNHCONHRから選ばれ、
    およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよい、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである)。
  3. 補助化合物および式(Ib)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項1に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、Nまたは基CRであり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
    およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有してもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
    Gは、水素、NR、OH、およびSHから選ばれ(但しEがアリールまたはヘテロアリールでありQが結合である場合、Gは水素である)、
    は、水素またはアリールもしくはヘテロアリール基であり(但しRが水素であり、GがNRである場合、Qは結合である)、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビルおよびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は単環式もしくは二環式アリール基および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基により場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    存在する場合、NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
    、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
    およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである)。
  4. 補助化合物および式(Ic)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、Nまたは基CRであり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
    は、結合または1〜3個の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられているか、または隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられていてもよく、Rは水素、C1−4アルキルまたはシクロプロピルであり、Rは、RとまたはQの他の炭素原子と結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり、前記リンカー基Qの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく、
    は、結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、前記リンカー基の炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置せず、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合は、Qは結合ではない)、
    は、アリールまたはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、
    、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
    およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである)。
  5. 補助化合物および式(Id)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項4に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、Nまたは基CRであり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Eは、5または6環員の単環炭素環式またはヘテロ環式基であり、前記ヘテロ環式基はO、N、およびSから選ばれる3個までのヘテロ原子を含有し、
    およびQは、同一または異なって、それぞれ結合または1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられていてもよく、各リンカー基QおよびQの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはG基に対してα位の炭素原子には位置せず、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合は、Qは結合ではない)、
    は、アリールまたはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基はフッ素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と基Qからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、または、
    NRは、それが結合するリンカー基Qの炭素原子とが共に、シアノ基を形成し、
    、R、およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、CONH、CONHR、CF、NH、NHCOR、またはNHCONHRから選ばれ、
    およびRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基によりそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである)。
  6. 補助化合物および式(II)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、R、R、Q、Q、T、J、J、およびGは、請求項1〜5のいずれか一項で定義した通りである)。
  7. 補助化合物および式(IIa)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項6に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Rは、アリールまたはヘテロアリール基であり、
    Gは、NR、OH、およびSHから選ばれ、
    、Q、Q、T、J、およびJは、請求項1〜6のいずれか一項で定義した通りである)。
  8. GがNRである、請求項7に記載の組合せ。
  9. 補助化合物および式(III)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項8に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、R、R、R、T、JおよびJは、先行する請求項のいずれか一項に定義したものと同義である)。
  10. TがNである、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  11. TがCRである、例えば、TがCHである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組合せ。
  12. −JがN=CH、HC=N、HC=CHおよびHN−C(O)から選ばれる、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  13. −JがN=CHおよびHC=CHから選ばれる、請求項12に記載の組合せ。
  14. −JがHC=CHである、請求項13に記載の組合せ。
  15. TがCRで、Rが水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、好ましくは水素である、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  16. が水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは水素である、請求項1〜11および15のいずれか一項に記載の組合せ。
  17. が水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、好ましくは水素である、請求項1〜11および15のいずれか一項に記載の組合せ。
  18. が水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは水素である、請求項1〜11および15のいずれか一項に記載の組合せ。
  19. 少なくともQおよびQの一方が結合である、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  20. およびQの両方が結合を表す、請求項19に記載の組合せ。
  21. およびQの一方が結合を表し、他方が1〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素リンカー基を表し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子により場合により置き換えられている、請求項19に記載の組合せ。
  22. の隣接する炭素原子対はCONRまたはNRCOで置き換えられ、Rは水素またはC1−4アルキル、好ましくは水素である、請求項1および4のいずれか1つおよびそれに従属するいずれかの請求項に記載の組合せ。
  23. およびRが独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれる、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  24. およびRが独立して水素およびメチルから選ばれ、したがって、NRがアミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基になり得る、請求項23に記載の組合せ。
  25. NRがアミノ基またはメチルアミノ基である、請求項24に記載の組合せ。
  26. が水素である、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  27. がアリールまたはヘテロアリール基、例えば、フェニルなどの単環式アリールまたはヘテロアリール基である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組合せ。
  28. 前記アリールまたはヘテロアリール基(例えば、フェニル基)が非置換である、請求項27に記載の組合せ。
  29. 前記アリールまたはヘテロアリール基(例えば、フェニル基)が、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基R10により置換されており、前記Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、Rは、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、XはO、SまたはNRであり、Xは=O、=S、または=NRである、請求項27に記載の組合せ。
  30. 前記アリールまたはヘテロアリール基(例えば、フェニル基)が、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基R10aにより置換されており、前記Rは結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、OC(O)O、NRC(O)O、OC(O)NR、NRC(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、NR、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、OC(O)O、NRC(O)O、OC(O)NR、またはNRC(O)NRにより場合により置き換えられていてもよく、Rは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる、請求項29に記載の組合せ。
  31. 前記アリールまたはヘテロアリール基(例えば、フェニル基)が、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、シクロプロピルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基R10bにより置換されており、前記Rは、結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、前記Rは水素、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、およびヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、3〜7環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子はO、S、SO、SO、またはNRにより場合により置き換えられていてもよく(但しRが水素である場合Rは結合ではない)、Rは水素およびC1−4アルキルから選ばれる、請求項30に記載の組合せ。
  32. 前記アリールまたはヘテロアリール基(例えば、フェニル基)が、ハロゲン、
    ヒドロキシ、
    トリフルオロメチル、
    シアノ、
    アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、
    シクロプロピルアミノ、
    環員のうち0、1、または2個は、O、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基(前記単環炭素環式およびヘテロ環式基はハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている)、および
    基R−R、から選ばれる1個以上の置換基R10cにより置換されており、
    ここで、Rは結合、O、CO、OC(O)、NRC(O)、OC(NR)、C(O)O、C(O)NR、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、
    は、水素ならびに、環員のうち0、1、または2個はO、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれ、前記単環炭素環式およびヘテロ環式基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている、そして、
    はさらにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノまたはジ−C1−4アルキルアミノ、ならびに環員のうち0、1、または2個はO、N、およびSから選ばれ、残りは炭素原子である3〜7環員を有する単環炭素環式およびヘテロ環式基、から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記単環炭素環式およびヘテロ環式基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、およびメトキシから選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、前記C1−8ヒドロカルビル基の1または2個の炭素原子は、O、S、またはNRにより置き換えられていてもよく(但しRが水素である場合Rは結合でない)、Rは水素およびC1−4アルキルから選ばれる、請求項31に記載の組合せ。
  33. 前記アリール(例えば、フェニル基)またはヘテロアリール基Rが、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれが1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、または場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されているフェニル;場合により置換されているピリジル;および場合により置換されているフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基である)から選ばれる1個以上の置換基により置換された、請求項32に記載の組合せ。
  34. 前記アリールまたはヘテロアリール基Rの置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);フェニル;ピリジル;およびフェノキシ(前記フェニル、ピリジルおよびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれがメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によってそれぞれが場合により置換されている)から選ばれる請求項33に記載の組合せ。
  35. 前記アリールまたはヘテロアリール基Rが、1、2または3個、好ましくは1または2個の置換基により置換されている、請求項31〜34のいずれか一項に記載の組合せ。
  36. が、非置換、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;ベンジルオキシ;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている、請求項29に記載の組合せ。
  37. が、非置換、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる5個までの置換基により置換されている、請求項36に記載の組合せ。
  38. が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有する、請求項36に記載の組合せ。
  39. が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有する、請求項36に記載の組合せ。
  40. が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基を有する、請求項36に記載の組合せ。
  41. が、非置換または置換フェニル基、好ましくは置換フェニル基である、請求項28〜39のいずれか一項に記載の組合せ。
  42. が、モノクロロフェニルおよびジクロロフェニルである、請求項41に記載の組合せ。
  43. が、明細書中の表1に示される基である、請求項41に記載の組合せ。
  44. が、表1の基A2、A4、およびA5から選ばれる、請求項41に記載の組合せ。
  45. が、表1の基A2、A4、A5、A10、A11、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、およびA19から選ばれる、請求項41に記載の組合せ。
  46. が、非置換フェニルであるか、より好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルであり、前記置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基(前記C1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル基は1個以上のC1−2アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、または場合により置換されたフェニルまたはピリジル基によって場合によりそれぞれ置換されている);C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリール基(前記ヘテロアリール基は1個以上のC1−4アルキル置換基によって場合により置換されている);場合により置換されたフェニル;場合により置換されたピリジル;および場合により置換されたフェノキシ(前記フェニル、ピリジル、およびフェノキシ基の任意の置換基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、C1−2ヒドロカルビルオキシ、およびC1−2ヒドロカルビル基(前記C1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビル基は、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されている)から選ばれる1、2、または3個の置換基である)である、請求項6または7およびそれらに従属するいずれかの請求項に記載の組合せ。
  47. が、非置換フェニルであるか、より好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個)の置換基を有するフェニルであり、前記置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;C1−4アルコキシまたはC1−4アルキル基(前記C1−4アルコキシおよびC1−4アルキル基は1個以上のフッ素原子によってまたはC1−2アルコキシ、ヒドロキシまたは場合により置換されたフェニルによって場合によりそれぞれ置換されている);C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;場合により置換されたフェニル;場合により置換されたピリジル;および場合により置換されたフェノキシ(前記場合により置換されたフェニル、ピリジル、およびフェノキシ基は、C1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、それぞれメトキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選ばれる1、2、または3個の置換基によって場合によりそれぞれ置換されている)である、請求項46に記載の組合せ。
  48. が、非置換フェニル基であるか、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;ベンジルオキシ;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されているC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから独立して選ばれる1または2個の置換基により置換されたフェニル基である、請求項46に記載の組合せ。
  49. が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、およびベンジルオキシから独立して選ばれる1または2個の置換基を有する置換フェニル基である、請求項48に記載の組合せ。
  50. が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、メチル、t−ブチルおよびメトキシから選ばれる置換基をパラ位に、ならびに場合によりフッ素、塩素、およびメチルから選ばれる第2の置換基をオルト位またはメタ位に有するフェニル基である、請求項46に記載の組合せ。
  51. が、パラ位にt−ブチル置換基を有する一置換フェニル基である、請求項50に記載の組合せ。
  52. が、パラ位に塩素置換基を有する一置換フェニル基である、請求項50に記載の組合せ。
  53. が、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、または2,3−ジクロロフェニルなどのジクロロフェニル基である、請求項50に記載の組合せ。
  54. TがNであり、かつ/または
    が水素であり、かつ/または
    −Jが、N=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、(Et)NC(O)、およびHC=CHから選ばれる基を表し、かつ/または
    が、結合またはC1−2アルキレン基であり、Qが、結合またはメチレン基であり、かつ/または
    Gが、NR、より好ましくは、GがNHまたはNHMeである、請求項46〜53のいずれか一項に記載の組合せ。
  55. Eが非芳香族である、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  56. およびQが基Eの同一原子に結合している、請求項55に記載の組合せ。
  57. Eが芳香族である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ。
  58. Eが下記基である、請求項55に記載のの組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Gは、C、CH、CH、N、およびNHから選ばれ、Gは、NおよびCHから選ばれる)。
  59. Eが、明細書中の表2に示される基から選ばれる、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  60. Eが、明細書中の表2に示される基B9である、請求項59に記載の組合せ。
  61. 補助化合物および式(IV)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項7に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、mは0、1、または2であり;m′は0または1であり(但しmとm′との合計は0〜2の範囲内である);nは0または1であり;pは0、1、2、または3であり;RおよびRは同一または異なって、それぞれ水素、メチル、およびフッ素から選ばれ;R12はCNまたはNRであり;各R13は独立してR10、R10a、R10b、およびR10cから選ばれ、ここでJ、J、T、R、R、R、R10、R10a、R10b、およびR10cは先行する請求項のいずれか一項に定義したものと同義である)。
  62. mが0または1である、請求項61に記載の組合せ。
  63. m′が0であり、mが1である、請求項62に記載の組合せ。
  64. m′が1であり、mが0である、請求項62に記載の組合せ。
  65. 12がNRであり、より好ましくはR12が、NH、NHMe、およびNMeから選ばれる、請求項61〜64のいずれか一項に記載の組合せ。
  66. 12がNHである、請求項65に記載の組合せ。
  67. 補助化合物および式(V)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項61に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、pは1、2、または3であり、Rは水素またはメチル、ならびにJ、J、R、R、R、およびR10cは先行する請求項のいずれか一項に定義したものと同義である)。
  68. が水素である、請求項67に記載の組合せ。
  69. 10cが、請求項32〜53のいずれか1つに定義された置換基である、請求項67または68に記載の組合せ。
  70. 補助化合物および式(VI)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項7に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Rは水素またはメチルであり、R10c、R、R、J、およびJは先行する請求項のいずれか一項に定義したものと同義である)。
  71. が水素である、請求項70に記載の組合せ。
  72. がメチルである、請求項70に記載の組合せ。
  73. が水素である、請求項70〜72のいずれか一項に記載の組合せ。
  74. がメチルである、請求項70〜72のいずれか一項に記載の組合せ。
  75. TがNであり、かつ/または
    が水素であり、かつ/または
    −Jが、N=CH、HN−C(O)、(Me)NC(O)、(Et)NC(O)、およびHC=CHから選ばれる基を表す、請求項67〜74のいずれか一項に記載の組合せ。
  76. 補助化合物および式(VII)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項4に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Arは、O、N、およびSから選ばれる2個までのヘテロ原子環員を有し、フッ素、塩素、メチル、およびメトキシから選ばれる1または2個の置換基によって場合により置換された、5または6員単環式アリールまたはヘテロアリール基であり、R10dはフッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、およびメトキシから選ばれる置換基であり、rは0、1、または2(より典型的には0または1)であり、T、Q、Q、NR、R、およびJ−Jは請求項4〜75のいずれか一項に定義したものと同義である)。
  77. Arが、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジル、場合により置換されているフリル、および場合により置換されているチエニルから選ばれる、請求項76に記載の組合せ。
  78. Arが非置換フェニルである、請求項77に記載の組合せ。
  79. −JがHC=CHである、請求項75〜78のいずれか一項に記載の組合せ。
  80. 塩、溶媒和物またはN−オキシドの形態である、先行する請求項のいずれか一項に定義された組合せ。
  81. 補助化合物および式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、(例えば、プロテインキナーゼBおよび/またはプロテインキナーゼAによって仲介される病態または症状の予防または治療における使用ための)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、NまたはCR基であり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はオキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)、
    Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、ここで炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられており、
    は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
    NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または、
    、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
    、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである)。
  82. 補助化合物および式(Ia)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、(例えば、プロテインキナーゼBおよび/またはプロテインキナーゼAによって仲介される病態または症状の予防または治療における使用ための)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、NまたはCR基であり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はオキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)、
    Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、ここで炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられており、
    は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれるか、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
    NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または
    、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
    、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである)。
  83. 補助化合物および式(Ib)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、NまたはCR基であり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はオキソ、フッ素、およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有していてもよく(但しヒドロキシ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR基に対してα位の炭素原子に位置する)、
    Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基または非環式基X−Gであり、ここでXはCH、O、S、およびNHから選ばれ、GはC1−4アルキレン鎖であり、ここで炭素原子の一つはO、S、またはNHによって場合により置き換えられており、
    は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾール基と、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基とから選ばれる環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
    NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または、
    、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
    、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRであり、
    但し、
    (a−i)J−Jが、(R)C=C(R)であり、Eが、Tを含有する環へ窒素原子を介して結合した単環式または二環式基である場合、Aはオキソ置換基を含有せず、
    (a−ii)Eは、非置換または置換インドール基以外であり、
    (a−iii)J−JがN=CHである場合、E−A(R)−NRは基−S−(CH−CONHまたは−S−(CH−CN以外であり、
    (a−iv)J−JがCH=Nである場合、E−A(R)−NRは基−NH−(CH−N(CHCH(nは2または3)以外であり、そして
    (a−v)J−JがN=CHである場合、E−A(R)−NRは基−NH−(CH−NHまたは−NH−(CH−N(CH以外である)。
  84. Eが単環式基である、請求項81〜83のいずれか一項に記載の組合せ。
  85. 補助化合物および式(Ic)の化合物またはその塩、溶媒和物、互変異性体もしくはN−オキシドを含んでなる(または本質的にそれらからなる)、請求項84に記載の組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、Tは、NまたはCR基であり、
    −Jは、N=C(R)、(R)C=N、(R)N−C(O)、(RC−C(O)、N=N、および(R)C=C(R)から選ばれる基を表し、
    Aは、1〜7の炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基はRとNRとの間に延びる5原子の最大鎖長、およびEとNRとの間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の一つは酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、リンカー基Aの炭素原子はフッ素およびヒドロキシから選ばれる1個以上の置換基を場合により有しており(但しヒドロキシ基は存在する場合NR基に対してα位の炭素原子には位置しない)、
    Eは、単環または二環炭素環式またはヘテロ環式基であり、
    は、水素、またはアリールもしくはヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されていてもよく、または、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基から選ばれる環式基を形成し、または、
    およびRのうち一方は、それらが結合する窒素原子と、リンカー基Aからの1個以上の原子と共に、4〜7環員を有しOおよびNから選ばれる第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成し、前記単環ヘテロ環式基は1個以上のC1−4アルキル基によって場合により置換され、または、
    NRは、それが結合するリンカー基Aの炭素原子と共に、シアノ基を形成し、または、
    、A、およびNRは、一緒になってシアノ基を形成し、
    、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−2アルコキシによって場合により置換されていてもよいC1−6ヒドロカルビル;シアノ;CONH;CONHR;CF;NH;NHCOR;およびNHCONHRから選ばれ、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、基R−Rから選ばれる1個以上の置換基でそれぞれ場合により置換されているフェニルまたはベンジルであり、Rは結合、O、CO、XC(X)、C(X)X、XC(X)X、S、SO、SO、NR、SONR、またはNRSOであり、Rは水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノまたはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されているC1−8ヒドロカルビル基から選ばれ、前記C1−8ヒドロカルビル基の1個以上の炭素原子は、O、S、SO、SO、NR、XC(X)、C(X)X、またはXC(X)Xにより場合により置き換えられていてもよく、
    は、水素およびC1−4ヒドロカルビルから選ばれ、
    はO、S、またはNRであり、Xは=O、=Sまたは=NRである)。
  86. 前記単環式基が、フェニル、チオフェン、フラン、ピリミジン、ピラジン、およびピリジンなどのアリールおよびヘテロアリール基から選ばれ、好ましくはフェニルである、請求項84または請求項85に記載の組合せ。
  87. 前記単環式基が、シクロヘキサンおよびシクロペンタンなどのシクロアルカンならびに、ピペリジン、ピペラジン、およびピペラゾンなどの含窒素環から選ばれる、請求項84または請求項85に記載の組合せ。
  88. Eがフェニルおよびピペリジン基から選ばれる、請求項84または請求項85に記載の組合せ。
  89. Eが非置換であるか、あるいはヒドロキシ;CHCN、オキソ(Eが非芳香族である場合);ハロゲン(例えば、塩素および臭素);トリフルオロメチル;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ;およびC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルから選ばれる置換基R11を4個まで有する、請求項84〜88のいずれか一項に記載の組合せ。
  90. Eが非置換である、請求項89に記載の組合せ。
  91. Eが、明細書中の表2に示される基から選ばれる、請求項81〜90のいずれか一項に記載の組合せ。
  92. が水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくは水素である、請求項81〜91のいずれか一項に記載の組合せ。
  93. TがNである、請求項81〜92のいずれか一項に記載の組合せ。
  94. TがCRである、請求項81〜92のいずれか一項に記載の組合せ。
  95. が水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、好ましくはRが、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくはRが水素である、請求項94に記載の組合せ。
  96. が水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくはRが水素である、請求項81〜95のいずれか一項に記載の組合せ。
  97. が水素、ハロゲン、C1−5飽和ヒドロカルビル、シアノ、およびCFから選ばれ、好ましくはRが、水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、より好ましくはRが水素である、請求項81〜96のいずれか一項に記載の組合せ。
  98. が水素、塩素、フッ素、およびメチルから選ばれ、好ましくはRが水素である、請求項81〜97のいずれか一項に記載の組合せ。
  99. が、非置換であるか、あるいはアミノ、置換アミノ、カルボン酸、またはスルホン酸基を有するアルキルまたはアルコキシ基などの溶解基により置換された、フェニルおよびベンジル基から選ばれ、前記溶解基が、アミノ−C1−4アルキル、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルキル、アミノ−C1−4アルコキシ、モノ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ジ−C1−2アルキルアミノ−C1−4アルコキシ、ピペリジニル−C1−4アルキル、ピペラジニル−C1−4アルキル、モルホリニル−C1−4アルキル、ピペリジニル−C1−4アルコキシ、ピペラジニル−C1−4アルコキシ、およびモルホリニル−C1−4アルコキシから選ばれる、請求項81〜98のいずれか一項に記載の組合せ。
  100. 前記リンカー基Aが、RとNRとの間に延びる3原子(より好ましくは1または2原子、最も好ましくは2原子)の最大鎖長を有する、請求項81〜99のいずれか一項に記載の組合せ。
  101. 前記リンカー基Aが、EとNRとの間に延びる4原子、より典型的には3原子の最大鎖長を有する、請求項81〜100のいずれか一項に記載の組合せ。
  102. 前記リンカー基Aが、RとNRとの間に延びる1、2、または3原子の鎖長、およびEとNRとの間に延びる1、2、または3原子の鎖長を有する、請求項81〜101のいずれか一項に記載の組合せ。
  103. 前記リンカー基Aが、全炭素骨格を有する、請求項81〜102のいずれか一項に記載の組合せ。
  104. 前記リンカー基Aが、明細書中の表1に示される基から選ばれる、請求項81〜103のいずれか一項に記載の組合せ。
  105. がアリールまたはヘテロアリール基、例えば、単環式アリールまたはヘテロアリール基である、請求項81〜104のいずれか一項に記載の組合せ。
  106. が、非置換または置換されたフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジン基から選ばれる、請求項81〜83のいずれか一項に記載の組合せ。
  107. が非置換であるか、5個以下の置換基により置換されており、前記置換基がヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;それぞれがC1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選ばれる、請求項106に記載の組合せ。
  108. およびRが、独立して水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選ばれ、前記ヒドロカルビルおよびアシル基が、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、単環式もしくは二環式アリール基、および単環式もしくは二環式ヘテロアリール基から選ばれる1個以上の置換基によって場合により置換されている、請求項81〜107のいずれか一項に記載の組合せ。
  109. およびRが、独立して水素、非置換C1−4ヒドロカルビル、および非置換C1−4アシルから選ばれる、請求項108に記載の組合せ。
  110. およびRが、独立して水素およびメチルから選ばれ、例えば、NRがアミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基になる、請求項109に記載の組合せ。
  111. NRがアミノ基またはメチルアミノ基である、請求項110に記載の組合せ。
  112. −Jが、N=CH、HC=N、HN−C(O)、およびCH=CHから選ばれる、請求項81〜111のいずれか一項に記載の組合せ。
  113. 補助化合物および式(II)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、基Aはベンゼン環のメタ位またはパラ位に結合し、qは0〜4であり、T、J−J、A、R、R、R、およびRは、先行する請求項のいずれか一項に定義されたものと同義であり、R11は前記で定義した置換基である)。
  114. 補助化合物および式(III)の化合物を含んでなる(または本質的にそれらからなる)組合せ:
    Figure 2009536620
    (式中、基Aはピペリジン環の3位または4位に結合し、qは0〜4であり、T、J−J、A、R、R、R、およびRは、先行する請求項のいずれか一項に定義したものと同義であり、R11は前記で定義した置換基である)。
  115. 塩、溶媒和物またはN−オキシドの形態である、請求項81〜114のいずれか一項に記載の組合せ。
  116. 前記補助化合物および式(I)の化合物が物理的に結合されている、先行する請求項のいずれか一項に記載の組合せ。
  117. 前記補助化合物および式(I)の化合物が(a)混合剤(例えば、同一の単位用量内に)である、(b)化学的に/物理化学的に結合された(例えば、架橋、分子的な凝集または共通する賦形剤部分への結合による)、(c)化学的に/物理化学的に共にパックされた(例えば、脂質小胞、粒子(例えば、ミクロ粒子またはナノ粒子)またはエマルジョン滴上に、またはそれらの内部に配置された)、(d)混合されていないが共にパックされたか、または共に提供された(例えば、一連の単位用量の一部として)、請求項116に記載の組合せ。
  118. 前記補助化合物および式(I)の化合物が非物理的に結合された、請求項1〜115のいずれか一項に記載の組合せ。
  119. (a)化合物の少なくとも一方と、他方の化合物との物理的結合を形成するための、前記少なくとも一方の化合物の即時結合のための説明書とを、(b)化合物の少なくとも一方と、他方の化合物との組合せ療法のための説明書とを、(c)化合物の少なくとも一方と、他方の化合物が投与された(または投与されている)患者集団への投与のための説明書とを、または(d)化合物の少なくとも一方を、他方の化合物と組合せて使用するのために特に適した量または形態で、含む請求項118に記載の組合せ。
  120. 薬学的パック、キットまたは患者パック形態である、先行する請求項のいずれか一項で定義された組合せ。
  121. プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せ。
  122. プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  123. プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療のための方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、その必要のある被験体に投与することを含む方法。
  124. 哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、異常な細胞増殖を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  125. 哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、プロテインキナーゼB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  126. プロテインキナーゼBを阻害する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義されたキナーゼ阻害性の組合せと前記キナーゼを接触させることを含む方法。
  127. 請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを使用して、プロテインキナーゼB活性を阻害することにより、細胞過程(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
  128. 哺乳類における免疫不全を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、プロテインキナーゼB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  129. 異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止から生じる病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  130. 増殖、アポトーシスまたは分化の障害が存在する病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  131. プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せ。
  132. プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  133. プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療のための方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、その必要のある被験体に投与することを含む方法。
  134. 哺乳類における、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、プロテインキナーゼA活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  135. プロテインキナーゼAを阻害する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義されたキナーゼ阻害性の組合せと前記キナーゼを接触させることを含む方法。
  136. 請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを使用して、プロテインキナーゼA活性を阻害することにより、細胞過程(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
  137. 哺乳類における免疫不全を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、プロテインキナーゼA活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  138. 癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを前記哺乳類に投与することを含む方法。
  139. 哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、異常な細胞増殖を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  140. 哺乳類において、異常な細胞増殖または細胞死の異常な停止からなる、またはそれらから生じる疾患または症状の罹患率を緩和または減少させる方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを、異常な細胞増殖の阻害に有効な量で、前記哺乳類へ投与することを含む方法。
  141. 請求項1〜120のいずれか一項で定義された新規組合せおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  142. 医療に用いるための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せ。
  143. 明細書中で開示される病態または症状のいずれか1つの予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  144. 補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  145. 補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物の使用。
  146. プロテインキナーゼBにより仲介される病態または症状の予防または治療のための方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を、その必要のある被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)に投与することを含む方法。
  147. 哺乳類被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)において異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の治療方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を、異常な細胞増殖を阻害するのに有効な量で投与することを含む方法。
  148. 哺乳類被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)において異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の治療方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された化合物を、PKB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  149. 哺乳類被験体(被験体は補助化合物による治療を受けている)において免疫不全を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を、PKB活性を阻害するのに有効な量で、前記哺乳類に投与することを含む方法。
  150. 補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療における使用のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  151. 補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物の使用。
  152. 補助化合物による治療を受けている被験体において異常な細胞増殖から生じる病態または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物の使用。
  153. 補助化合物による治療を受けている被験体において、増殖、アポトーシスまたは分化の障害が存在する疾患の予防または治療用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物の使用。
  154. 補助化合物による治療を受けている被験体においてプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の予防または治療方法であって、前記被験体に請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を投与することを含む方法。
  155. 補助化合物による治療を受けている哺乳類被験体において異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の治療方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を、PKAを阻害するのに有効な量で、前記被験体に投与することを含む方法。
  156. 補助化合物による治療を受けている被験体におけるプロテインキナーゼAの阻害方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)のキナーゼ阻害化合物と前記キナーゼとを接触させることを含む方法。
  157. 請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を使用して、プロテインキナーゼAの活性を阻害することにより、補助化合物による治療を受けている被験体における細胞過程を調節する方法。
  158. 補助化合物による治療を受けている哺乳類被験体における免疫不全を治療する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を、PKA活性を阻害するのに有効な量で前記哺乳類に投与することを含む方法。
  159. 補助化合物による治療を受けている被験体中の癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物と前記癌細胞とを接触させることを含む方法。
  160. 前記補助化合物が、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される、請求項109〜124のいずれか一項で定義された方法。
  161. 明細書中で開示される病態または症状のいずれか1つの治療または予防方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを(例えば、治療上有効な量)、患者(例えば、その必要のある患者)へ投与することを含む方法。
  162. 明細書中で開示される病態または症状の罹患率を緩和または減少させる方法であって、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを(例えば、治療上有効な量で)、患者(例えば、その必要のある患者)へ投与することを含む方法。
  163. プロテインキナーゼBおよび/またはプロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の診断および治療方法であって、(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状が、プロテインキナーゼBに対する活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状がそのような感受性を有することが示された場合、その後、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを患者に投与することを含む方法。
  164. スクリーニングされ、プロテインキナーゼBに対する活性を有する化合物による治療に感受性のある疾患または症状に罹患している、または罹患するリスクがあるとして判定された患者における、病態または症状の治療または予防用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  165. プロテインキナーゼAにより仲介される病態または症状の診断および治療方法であって、(i)患者が罹患している、または罹患している可能性のある疾患または症状が、プロテインキナーゼAに対する活性を有する化合物による治療に感受性があるものかどうかを判定すべく患者をスクリーニングすること、および(ii)患者の疾患または症状がそのような感受性を有することが示された場合、その後、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せを患者に投与することを含む、方法。
  166. スクリーニングされ、プロテインキナーゼAに対する活性を有する化合物による治療に感受性のある疾患または症状に罹患している、または罹患するリスクがあるとして判定された患者における、病態または症状の治療または予防用薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  167. 請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物との組合せ療法における使用のための、補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)。
  168. 補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  169. 前記組合せ治療が、先行する請求項のいずれか一項で定義された予防、治療または方法を含む、請求項132または請求項133に記載の化合物。
  170. 請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物による治療を受けている患者の治療または予防で使用される薬剤の製造のための、補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)の使用。
  171. 補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)による治療を受けている患者の治療または予防で使用される薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物の使用。
  172. ヒトなどの温血動物における癌の治療方法であって、有効な量の請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物と共に、有効な量の補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)を、連続して(例えば、前後に)または同時に前記動物に投与することを含む方法。
  173. 治療上有効な量の補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)、および治療上有効な量の請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物を投与することを含む、哺乳類における癌の組合せ療法。
  174. 哺乳類における異常な細胞増殖からなる、またはそれから生じる疾患または症状の罹患率を緩和または減少させるための、補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  175. 哺乳類における腫瘍増殖を阻害するための、補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  176. その必要のある患者における癌を予防、治療または管理するための、補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)との組合せ療法における使用のための請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  177. 患者が補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)による治療を受けている場合に、癌に罹患する患者における反応率の促進または増加のための使用のための請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物。
  178. 患者が補助化合物(例えば、明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される補助化合物)による治療を受けている場合に、癌に罹患する患者における反応率を促進するまたは増加する方法であって、前記補助化合物と請求項1〜120のいずれか一項で定義された式(I)の化合物とを組合せて患者に投与することを含む方法。
  179. 本明細書で定義される治療的または予防的使用のいずれかのための薬剤の製造のための、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの使用。
  180. 前記組合せが2つ以上の補助化合物を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の発明。
  181. 前記2つ以上の補助化合物の各々が独立して明細書中で開示される補助化合物のいずれかから選択される、請求項100に記載の発明。
  182. 式Iの化合物を補助化合物と組合せることを含む、請求項1〜120のいずれか一項で定義された組合せの製造方法。
  183. (i)Eがアリールまたはヘテロアリール基である場合、パラジウム触媒の存在下での式(X)の化合物と式(XI)の化合物との反応:
    Figure 2009536620
    (ここで(X)および(XI)は適切に保護されていてもよく、式中、T、J、J、Q、Q、G、E、およびR〜Rは先行する請求項のいずれか一項に定義されたものと同義であり、基XおよびYの一方は、塩素、臭素、ヨウ素、またはトリフルオロメタンスルホネート(トリフラート)基であり、基XおよびYの他方はボロネート残基、例えば、ボロネートエステルまたはボロン酸残基である)、または
    (ii)Eが非芳香族環式基であり、窒素原子により二環式基へ結合している場合、TがNである式(XVI)の化合物と、式(XVII)の化合物またはその保護誘導体との反応:
    Figure 2009536620
    (式中、R、Q、Q、およびGは先行する請求項のいずれか一項に定義されたものと同義であり、環Eは環員として求核性NH基を含有する環式基Eを表わす)を含む、請求項1〜80のいずれか一項で定義された組合せの製造方法。
  184. (a)Eがアリールまたはヘテロアリール基である場合、パラジウム触媒の存在下での式(X)の化合物と式(XI)の化合物との反応:
    Figure 2009536620
    (ここで(X)および(XI)は適切に保護されていてもよく、基XおよびYの一方は、塩素、臭素、ヨウ素、またはトリフルオロメタンスルホネート(トリフラート)基であり、基XおよびYの他方はボロネート残基、例えば、ボロネートエステルまたはボロン酸残基である)、
    (b)還元剤の存在下での式(XVI)のアルデヒド化合物の、式HNRのアミンとの還元アミノ化:
    Figure 2009536620
    (式中、PGは保護基である)、
    (c)脱水剤の存在下でのアルデヒド化合物(XVI)の、t−ブチルスルフィンアミドとの反応(これにより中間体t−ブチルスルフィニルイミン(図示せず)を得、次いでグリニャール(Grignard)試薬R−MgBrとの反応により、t−ブチルスルフィニルアミノ誘導体(XVII):
    Figure 2009536620
    を得、次いで加水分解によりS(O)Bu基を除去し、保護基PGを除去する)、
    (d)ANRがCHCHCNまたはCHCHCHNRである場合、塩基の存在下でのアルデヒド(XVI)の、マロノニトリルまたはエチルシアノアセテートとの反応(これにより中間体シアノアクリレート誘導体を得、次いで、前記シアノアクリレート誘導体をグリニャール試薬R−MgBrと反応させ、その後、加水分解および脱カルボキシル化する)、
    (e)Eが非芳香族環式基または非環式基であり、窒素原子により二環式基へ結合している場合、式(XXIX)の化合物の、アミン化合物HN−Gまたは式(XXX)の化合物もしくはその保護誘導体との反応:
    Figure 2009536620
    (ここで、Gは先行する請求項のいずれか一項に定義したものと同義であり、環Eは環員として求核NH基を含有する環式基Eを表わす)、その後場合により
    (f)式(I)のある化合物を式(I)の別の化合物に変換すること、
    を含む、請求項81〜115のいずれか一項で定義された組合せの製造方法。
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