JP5602437B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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Description

本発明は、眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具に関する。
従来、白内障の手術方法の一つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりとして折り曲げ可能な軟性の光学部と,眼内にて光学部を固定保持させるためのループと呼ばれる支持部とから構成される眼内レンズを挿入する手法が一般的に用いられている。
折り曲げ可能な眼内レンズの挿入には、インジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具が用いられる。インジェクターはその先端が先細となっており、プランジャーと呼ばれる押出棒にて内部に設置された眼内レンズをインジェクターの先端に向けて押し出すと、その内壁形状に合わせて眼内レンズが小さく折り曲げられる。そして、眼内レンズが折り畳まれて径が小さくされた状態で眼内に注入されるので、患者に設ける切開創をできるだけ小径にすることができ、患者の負担を低減すると共に術後乱視等の後遺症の発生が抑えられる(例えば、特許文献1参照)。このような眼内レンズ挿入器具を用いて眼内レンズを眼内に送出させる場合、折り畳まれた眼内レンズを光学部、支持部ともに挿入器具の先端から眼内に完全に送出させる必要がある。
特開平8−24282号公報
しかしながら、挿入器具内で光学部が折り畳まれる際に後方側の支持部が捻れた状態で挿入器具内で置かれることがある。このように捻れた状態で後側の支持部が挿入器具内に残されていると、光学部が眼内に送出され徐々に開く間に支持部の捻れによって光学部が意図しない挙動を示すことがある。このような光学部の意図しない挙動を避けるためには、光学部の送出後、捩れた状態にある後側支持部を迅速に挿入器具先端から送出させることが必要であるが、挿入器具先端から送出され眼内に解放された光学部をさらにプランジャーを用いて押し進める場合には、プランジャー先端が光学部から外れてしまわないように注意しつつ押し出さなくてはならず、眼内レンズ全体を迅速に押し出すことが難しい。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、支持部を含めた眼内レンズ全体の眼内への注入、解放を早く安定して行うことのできる眼内レンズ挿入器具を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 光学部と該光学部を眼内で支持するための支持部とを有する眼内レンズを折り畳んで眼内に送出するための眼内レンズ挿入器具において、前記眼内レンズを内部に載置し眼球に設けられた切開創から眼内レンズを挿入するための挿入部と、該挿入部を先端に設けた筒構造の挿入器具本体と、前記挿入部から前記眼内レンズを押し出すために前記挿入器具本体の筒内で軸方向に進退移動可能に設けられたプランジャーと、を備え、前記プランジャーには、その先端から基端側に向けて所定距離だけ離れた軸上に前記眼内レンズの支持部と当接するための当接面が形成され、前記プランジャーにおける前記当接面の形成位置は,軸方向に進行した前記プランジャーが前記光学部に接した時点では前記後方側の支持部と当接せず、前記光学部に接した前記プランジャーを軸方向に進行させることで基端側に伸びる前記後方側の支持部と当接する位置である、ことを特徴とする。
本発明によれば、支持部を含めた眼内レンズ全体の眼内への注入、解放を早く安定して行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に示しながら説明する。図1は本実施の形態で使用する眼内レンズ挿入器具1の外観を示した概略外観図である。図1(a)は眼内レンズ挿入器具1を上方から、図1(b)は側方から見た状態を示している。
眼内レンズ挿入器具1は、眼球に挿入する側から順に、眼球に形成される切開創から眼内レンズを挿入する挿入部を備え、眼内レンズ40(図2参照)を設置するための載置部が設けられた眼内レンズを内部に保持するレンズ保持部10(以下、カートリッジという)と、先端にカートリッジ10を装着する(先端に置く)挿入器具本体である筒部(挿入器具本体、ハンドピース)20と、カートリッジ10及び筒部20の内部を挿通し、筒部20に装着されたカートリッジ10先端から眼内レンズ40を外部に押し出すための押出手段(プランジャー)30、とを有する。
図2は眼内レンズ40の構成を示した図である。ここでは、光学部41と先端が自由端とされ細いループ形状(C字状、J字状)からなる支持部42(押出方向に対して前側の支持部42a、後側の支持部42bとする)とを別々に作成しておき、その後、一体化させることで得られる3ピース型の眼内レンズを例に挙げて説明する。
光学部41は、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)等の単体や、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの複合材料等、従来、折り曲げ可能な軟性の眼内レンズに用いられている材料から形成されている。また、支持部42は、、従来、眼内レンズの支持部として用いられている材料から形成されていればよく、例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)等である。
図3、図4はカートリッジ10の構成を示した図である。カートリッジ10は、先端に向かうに従いその径が徐々に小さく(細く)なるテーパ形状を有する挿入部(挿入筒)11と、眼内レンズ40を設置する載置部12とが一体的に形成されている。カートリッジ10は、その全体が合成樹脂にて形成されており、一度の使用で廃棄する使い捨てタイプとなっている。挿入部11は中空の筒形状となっており、折り畳まれた眼内レンズ40がこの中空部分を通して略楕円の開口に形成された挿入部先端11aから外部に送り出されるようになっている。
載置部12は、2つの半割部材12a,12bから形成されており、図3(a)に示すように半割部材12a及び12bの下縁同士がヒンジ部13によって連結され、開閉可能となっている。眼内レンズ40を載せる載置台14a及び14bは、半割部材12a,12bに各々設けられている。眼内レンズ40を載せる載置面の形状(壁面形状)は、眼内レンズ40を折り曲げる方向に沿った曲面を有している。
半割部材12a及び12bを閉じ合わせると、載置台14a、14bの壁面形状(載置面形状)が変形し、挿入部11の基端側の開口形状(半円形状)と略一致される(図4参照)。また、半割部材12a,12bが閉じ合ったときの載置部12の外形は、後述する筒部20の内壁形状と略一致するようになっている。また、図3(b)に示すように、載置台14a(14b)は眼内レンズ40の光学部41(点線で示す)を載置したとき、後方側の支持部42b(挿入部11側ではない方)が載置台14a(14b)から後方に若干飛び出るような大きさで形成されている。
カバー15a及び15bは半割部材12a,12bの各々の上部に設けられており、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合ったときに、載置台14a及び載置台14bの上方を覆うように形成されている。使用者がカートリッジ10を持つ際に把持する平板状の把持部18は半割部材12aの側面に設けられる。
また、カバー15bの端部には、載置台14a、14bの上方から載置台14a、14bに向かって延びるように形成され、軸方向に沿って所定の長さだけ延びる凸状の部材である凸部16が設けられる。凸部16はカートリッジ10にセットされた眼内レンズ40を折り曲げる際に、その折り曲げ(折り畳み)方向を常に載置台14a、14bの内壁面(載置面)に沿うようにガイドする役目を果たしている。傾斜部17a及び17bは、カートリッジ10の基端側から載置台14a及び載置台14b上に眼内レンズ40を差し入れやすくするために設けられている。
このような構成を備えるカートリッジ10は、載置部12が開いた状態(2つの半割部材が離れている状態)で、眼内レンズ40を載置台14a及び載置台14b上にセットし、その後、カートリッジ10を筒部20に装着することで、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合い、眼内レンズ40を折り畳むことができる。
図5は筒部20の外観構成を模式的に示した斜視図であり、図6は、筒部20の内部構成の説明図である。ここでは、図6(a)には、カートリッジ10と筒部20を組合せて構成した眼内レンズ挿入器具1の内部構成を側方から見た状態が示されており、装着部21にカートリッジ10が装着されることにより眼内レンズ40が折り曲げられた状態とされている。図6(b)には、挿入部11を挿入部先端11a側から見たときの、先端部34との関係についての説明図を示す。
筒部20の先端には、カートリッジ10を着脱するための装着部21が設けられている。装着部21は筒部20の先端を略半割した形状であり、その先端には凸部22が、基端には凹部23が筒部20の中心を挿通する押出手段30に対して左右対称に各々形成されている。また、凸部22は筒部20の中心軸よりも若干上方に位置しており、左右に設けられた凸部22間の距離は、筒部20の内径よりも若干狭く(短く)なっている。このような凸部22の形状は、カートリッジ10を装着部21に装着する際に開かれている半割部材12a,12bを閉じ合わせる方向に規制し、その幅を制限するガイドの役目を果たすとともに、装着されたカートリッジ10を係止し、容易に筒部20から外れないようにするスナップイン構造を有している。なお、装着部21の左右の縁部もまた凸部22と同様に半割部材を閉じ合わせる方向に規制するガイドの役目を果たしている。
中空状の筒部20の内部には、押出手段30が筒部20からカートリッジ10(挿入部11)の先端まで繋がる通路で軸方向に進退可能に挿通されている。押出手段30は、眼内レンズ40の押出操作の際に、光学部41に当接される先端部34と、術者使用者により押圧される押圧部33と、押圧部33が接続された軸基部32と、先端部34と軸基部32とを繋ぐ押出棒31とから構成される。なお、押出棒31の先端は、先端部34が光学部41に当接した状態で後側の支持部42bの先端付近を当接させることのできる当接面35が形成されている。
先端部34は、眼内レンズ40を挿入部11から外部へ送出す役目を果たすため、その挿入部11及びカートリッジ10の内部通路を挿通できる大きさ(径)で、先端部34と後側の支持部42bとが共に挿入部11を挿通可能なように、その押出方向に垂直な断面が略半円形状に形成されている(図6(b)参照)。なお、先端部34の形状は略半円形状に限るものではなく、眼内レンズの押し出し動作時に先端部34と挿入部11の内壁との間で支持部が挟み込まれることのない形状であればよい。例えば、先端部34はその断面が長方形状など、支持部42bが先端部34と挿入部11の内壁wとの間にて挟み込まれないための逃げ場としての空間sが形成される形状及びサイズであれば良い。
当接面35は、ここでは、光学部41に先端部34が当接された状態で支持部42bの先端が当接されるように先端から基端に向けて所定距離だけ離れた軸上(軸周囲)に形成されている。さらに具体的には、当接面35は眼内レンズ40を押し出す間、後方の支持部42bを同時に押すことができるように、押出軸に対して略垂直な平面に形成されている。また、押出手段30の軸上における当接面35の形成位置は、先端部34が光学部41に当接した状態で後側の支持部42bに不変的な変形が生じてしまう応力がかけられていない状態にあるときに眼内レンズ40の支持部42を含めた最大径に位置する軸上から押し出し動作によって支持部42bが伸ばされた状態にあるときの支持部先端に位置する軸上までの間に形成されていればよい。ここで、不変的な変形とは支持部42bの一部が逆方向に折れ曲がり破損する等、眼内レンズ40が元の形状に戻らなくなる状態を示す。
なお、本実施形態では、先端部34と押出棒31とを繋ぐ軸を先端部34の径(横幅)に対して細くするとともに押出棒31の径を挿入部先端11aの開口と略等しい大きさとすることにより、押出棒31の先端面を支持部42bが当接することのできる当接面35とするものとしている。
なお、当接面35の径dは、ここでは、図6(b)に示すように、挿入部先端11aの開口と略等しい大きさで形成されているが、これ以外にも、挿入部11の中空部分を挿通可能であると共に、支持部42bの先端が当接される位置を含む大きさであれば良い。また、本実施形態では、当接面35は押出軸に対して全周(360度)に形成されているが、これ以外にも、当接面35は、眼内レンズ40の押し出し時に支持部42bの先端部分が接触しうる位置に形成されていれば良い。
次に、以上のような構成を備える眼内レンズ挿入器具1を用いた眼内レンズ40の注入の動作を説明する。術者(使用者)は、カートリッジ10の把持部18を一方の手で掴んでカートリッジ10を持ち、もう一方の手で鑷子を用いて眼内レンズ40を摘み上げる。摘み上げた眼内レンズ40をカートリッジ10の基端側から中に差し入れ、載置台14a,14b上に置く。カートリッジ10に応力が加えられていない状態のときは、図4(a)に示すように半割部材12a,12bは開かれた状態にあり、載置台14a,14b上に置かれた眼内レンズ40も折り曲げられていない状態(応力が掛けられていない状態)にある。
次に、カートリッジ10を筒部20に装着するため、押出棒31を筒部20の基端側へ引き出しておき、装着部21に設けられた凹部23にカートリッジ10の把持部18(基端側)を嵌合させつつ、載置部12(半割部材12a,12b)の底面を凸部22(または装着部21の左右の縁部)に押し付ける。載置部12の底面(下部)が凸部22(または装着部21の左右の縁部)に押し付けられることで、凸部22が半割部材12aと半割部材12bとを閉じ合わせるようにガイドされる。さらに載置部12を装着部21内に押し込むと、図4(b)に示すように、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合った状態で装着部21に装着される。
半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合った状態では、載置台14aと載置台14bとの幅(間隔)が狭くなっており、載置台14a、14bの壁面にて眼内レンズ40が左右方向から押される。眼内レンズ40に応力が掛けられた状態となることで、眼内レンズ40は載置台14a,14bの壁面(載置面)に沿って折り曲げられる。このとき前方に位置する支持部42aの先端は載置台14a,14bが閉じあうことにより内壁面に接触し応力を受け、その先端が前方を向く状態とされる。装着部21にカートリッジ10が装着されたら、水晶体が取り除かれた患者眼に挿入部11の先端を差し入れる。そしてこの状態で押圧部33を押して、押出手段30全体(先端34、当接面35等)を前方に移動させていく。
ここで、眼内レンズ40の押出操作を説明する。図7は眼内レンズ40の押出操作の説明図である。なお、図7ではカートリッジ10の内部を上方から見たときの断面の模式図が示されている。載置部12に眼内レンズ40が装着された状態から、押圧部33を押し込んでいくと、図7(a)に示すように光学部41に先端部34が当接される。このとき後方の支持部42bは押出棒の軸上に載せられた状態となっている。そして、更に押圧部33が押し込まれると、図7(b)に示すように、眼内レンズ40が載置台12から押し出されて挿入部11内に入る。このとき、挿入部11の開口径が狭くなっていることで、光学部41は挿入部11の内壁面wに沿って折り曲げられていく(丸め込まれていく)。
後側の支持部42bの先端は光学部41の折り曲げに伴い内壁面wに接触される。この状態から、更に押圧部33が押し込まれると、支持部42bは内壁面wとの接点を基点として次第に伸ばされると共に、光学部41が折り畳まれる動作によって内壁面wとの接点を基点として捻れるようになる。このように押し出し動作によって後方の支持部42bが伸ばされることにより、支持部の先端は当接面35に接触されることとなる。なお、挿入部11の中空部分は細くなっているため、挿入部11内では一旦伸ばされた支持部42bは元の状態には戻らず、捻れを伴った状態で挿入部先端11a側へと移動されるようになる。
このように先端部34が光学部41に当接し、支持部42bの先端が当接面35に当接した状態で更に押圧部33により光学部41が押され、挿入部先端11aから光学部41が送出されると、光学部41が次第に開放し始める(図7(c)参照)。なお、光学部41が挿入部先端11aから送出され、挿入部11から解放された後も、支持部42bの先端は押出棒31の当接面35に接触されている。このため、光学部41の解放後、さらに先端部34(押出棒31)を押し進めていくことにより、光学部41に先端部34が当接しているか否かによらず支持部42bを迅速に送出させることができる(図7(d)参照)。その結果、支持部42bの捻れによる応力が光学部41に加えられる前に、支持部42bを迅速にカートリッジ10内から押し出すことができ、先に眼内に位置された光学部41の意図しない挙動を防ぐことができる。
また、当接面35が挿入部先端11aから押し出されると、支持部42bはその復元力によって先端が当接面35から離れる。そして、眼内から加えられる応力によって嚢に沿って配置されるようになる。これにより、支持部42(42a、42b)によって光学部41が眼内で好適に保持されるようになる。
以上のように、押出手段30に後方に位置する支持部に当接して、押し出すための当接面35を設けることで、支持部42の捻れによる応力が光学部41に加えられる前に、眼内レンズ40全体が嚢内に位置され、嚢内で光学部41が適切に配置されるようになる。また、先端部34とその後側に配置される当接面35の両方で眼内レンズ40を押し出すことができるので、術者は眼内レンズ40の押出操作を簡単に行うことができるようになり、早く(1度で)眼内レンズ40を眼内に位置させることができるようになる。
なお、上記では、眼内レンズ挿入器具1を用いて3ピースタイプの眼内レンズを眼内に注入させる場合を説明したが、上記の構成の眼内レンズ挿入器具1は光学部と支持部とが一体成形された1ピースタイプの眼内レンズにも使用できる(1ピースタイプの眼内レンズについては(図8参照)。この場合、当接面35の軸方向の形成位置は、光学部に先端部34が当接された状態で少なくとも後側の支持部が当接されると共に、支持部の根元部分の撓みが生じにくい(硬い)範囲を避けた位置となる。1ピースタイプの支持部120は柔軟な素材によって形成されているので、3ピースタイプの場合と比べて、当接面135をより先端部131に近い位置に形成することができる。その為、より早く支持部120bを押出すことができるようになる。
なお、1ピースタイプの眼内レンズを注入する場合には、上記の眼内レンズ挿入器具1以外にも、以下の変容例に示す構成の眼内レンズ挿入器具を使用することができる。図8に1ピースタイプの眼内レンズの外観略図を示す。眼内レンズ100は所定の屈折力を有する光学部110と、光学部110を眼内で支持するための一対の支持部120からなる(押出方向に対して前側の支持部120a、後側の支持部120bとする)。支持部120は、一端が自由端のループ形状とされる。
また、本実施形態の光学部110及び支持部120は、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)等の単体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの複合材料等、折り曲げ可能であると共に、嚢内で眼内レンズ100が固定されるために必要となる反発力を有する軟性眼内レンズ用の材料から形成されている。眼内レンズ100は、前述した眼内レンズ材料を使用し、光学部110と支持部120を切削加工、モールディング加工等で一体的に形成される。支持部120は、一端が自由端とされ、他端(基端)が光学部110に繋げられている。また、支持部120は、光学部110の中心(光軸L)を介して向き合うように置かれ、所定の長さだけ放射状に延びるように形成されている。
ここで、1ピースタイプの眼内レンズ100を押し出すための眼内レンズ挿入器具の変用例1を説明する。なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具は、レンズ保持部10、筒部20は前述の眼内レンズ挿入器具1と同じ構成であり、詳細な説明は省略する。図9は変用例1の眼内レンズ挿入器具の押出手段130を用いた押出操作の説明図である。図9(a)は挿入部11内部に眼内レンズ100が位置されている状態、図9(b)は挿入部11から眼内レンズ100全体が押し出された状態をそれぞれ示している。なお、図9の説明において、眼内レンズ挿入器具1と同一の構成は同じ図番号を用いて説明する。
図9において、押出手段130には、光学部110に当接される先端部131と、眼内レンズ100の押出時に、後側の支持部120bが嵌合される溝からなる保持部132と、支持部120bをカートリッジ10から押し出すための当接面135とが形成されている。なお、この場合の当接面135の形成位置は、先端部131が光学部110に当接された状態で、挿入部11内で折り曲げられた支持部120bを当接させることのできる位置に形成されていればよい。なお、図9(a)に示すように、このようなワンピースタイプの眼内レンズを用いる場合には、カートリッジ10内壁wと先端部131から当接面135に繋がる壁面との間に形成される所定の空間に、後ろ側支持部120bの根元付近を咥え込ませることができるように、当接面135を形成することがより好ましい。このようにカートリッジ10内壁wと先端部131から当接面135に繋がる壁面との間に形成される所定の空間に支持部120bが咥えこまれた状態で押し出しを行うことにより、光学部110が先端から送出された後、光学部110の開放は咥えこまれた支持部120bを軸として行われるため、その開放の挙動が安定される。なお、当接面135の径方向の大きさは挿入部先端11aから挿通されるサイズであると共に、押出手段130と内壁面wとで形成される空間に対応する位置に形成されていれば良い。
以上のような構成の押出手段130を備える眼内レンズ挿入器具において、眼内レンズ100を装着させた状態のカートリッジ10を装着部21に取り付け、押出手段130を前方(挿入部11側)に移動させていく。このとき、支持部120bの先端側(光学部110に接続されていない側)の一部が保持部132に嵌合されるようにする。これにより、残りの支持部120bは折り曲げられて保持部132の形成位置よりも後側に位置されるようになる。この後側に位置された支持部120bが挿入部11内に長く残されると、その捩れによる応力によって光学部110が傾いてしまう場合がある。そこで、変用例1では当接部135によって支持部120bを挿入部11内から早く押出すようにしている。
光学部110が先端部131によって眼内へと押し出されると、光学部110は挿入部11内で保持された支持部120bを基点として一方向に開放される。また、支持部120bは、当接部135で押出されることによって、捩れが元に戻る挙動が開始される前に眼内に位置される。また、支持部120bが挿入部11から押出されると、内壁面wによる支持部120bの押さえつけが解除されて、保持部132から外れることで、眼内の嚢に沿って配置されるようになる。
以上のような、1ピースタイプの眼内レンズ挿入器具を用いることで、支持部120bの捻れによる応力で光学部110が傾いてしまうことが抑えられ、眼内レンズ100をより早く眼内へと移動させることができるようになる。また、挿入部11内に位置された支持部120bを基点として光学部110の開放の方向が一方向に安定的に定められるようになる。
次に、1ピースタイプの眼内レンズ100を押し出すための眼内レンズ挿入器具の変用例2として、押出方向に対して2組の支持部120が横方向に置かれる場合に対応した眼内レンズ挿入器具の例を説明する。
図10は変用例2の押出手段230を上方から見たときの説明図であり、図10(a)は挿入部11内に眼内レンズ100が位置されている状態、図10(b)は挿入部11から眼内レンズ100全体が押し出された状態をそれぞれ示している。なお、図10において、眼内レンズ挿入装置1と同じ構成は同じ図番号を用いて説明する。
押出手段230の先端には光学部110を押し出すための先端部231が形成されており、先端部231から所定の距離だけ後方であって、後側の支持部120bが置かれる位置には、支持部120bの一部が当接されるための当接面232が形成されている。なお、当接面232は先端部231が光学部110に当接された状態で、支持部120に接触されると共に、支持部120bの根元付近の撓みが生じない(硬い)範囲を避けた位置に配置されれば良い。
押出手段230が押されると、先端部231は光学部110に当接され、押出方向に対して根元側が後側に位置される支持部120bの一部が押出手段30と挿入部11の内壁面wとの間で保持された状態で当接面232に当接される。このような状態で、当接面232により光学部110が押されると、支持部120bは光学部110が折り畳まれる挙動によって挿入部11内で捻れるようになる。そして、当接面232により挿入部11から光学部110が押し出されると、光学部110は押出手段230と挿入部11の内壁面wとの間で保持された後側の支持部120bを基点として、一方向に開放される。そして、更に押出手段230が押されると、当接面232で押された後側の支持部120bが挿入部11から押し出されるようになる。
以上のような構成の眼内レンズ挿入器具を用いることで、後側の支持部120bの捩れによる応力によって光学部110が傾いてしまうことが防止されるだけでなく、光学部110の開放動作が一定方向に安定して行われるようになる。
さらに本実施形態では、カートリッジを用いて眼内レンズを挿入器具本体に取り付ける例を挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、カートリッジを持たず挿入器具本体に直接眼内レンズを設置するタイプの眼内レンズ挿入器具に、上記のような構成の押出手段が組み込まれるようにしても良い。
眼内レンズ挿入器具の外観を示した概略外観図である。 3ピースタイプの眼内レンズの構成の説明図である。 カートリッジの構成の説明図である。 カートリッジの構成の説明図である。 筒部の外観構成を模式的に示した斜視図である。 筒部の内部構成の説明図である。 眼内レンズ40の押出操作の説明図である。 1ピースタイプの眼内レンズの構成の説明図である。 変用例1の眼内レンズ挿入器具の押出操作の説明図である。 変用例2の眼内レンズ挿入器具の押出操作の説明図である。
1 眼内レンズ挿入器具
11 挿入部
30 プランジャー
34、131、231 先端部
35、135、232 当接面
40、100 眼内レンズ
41、110 光学部
42、120 支持部

Claims (2)

  1. 光学部と該光学部を眼内で支持するための支持部とを有する眼内レンズを折り畳んで眼内に送出するための眼内レンズ挿入器具において、
    前記眼内レンズを内部に載置し眼球に設けられた切開創から眼内レンズを挿入するための挿入部と、
    該挿入部を先端に設けた筒構造の挿入器具本体と、
    前記挿入部から前記眼内レンズを押し出すために前記挿入器具本体の筒内で軸方向に進退移動可能 に設けられたプランジャーと、
    を備え、
    前記プランジャーには、その先端から基端側に向けて所定距離だけ離れた軸上に前記眼内レンズの支持部と当接するための当接面が形成され
    前記プランジャーにおける前記当接面の形成位置は,軸方向に進行した前記プランジャーが前記光学部に接した時点では前記後方側の支持部と当接せず、前記光学部に接した前記プランジャーを軸方向に進行させることで基端側に伸びる前記後方側の支持部と当接する位置である、ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 請求項1の眼内レンズ挿入器具において、
    前記当接面は前記プランジャーの押し出し軸に対して略垂直な平面に形成されることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
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