JP5570254B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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Description

本発明は、眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具に関する。
従来、白内障の手術方法の一つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりとして折り曲げ可能な軟性の光学部と,眼内にて光学部を固定保持させるためのループと呼ばれる支持部とで構成される眼内レンズを挿入する手法が一般的に用いられている。
折り曲げ可能な眼内レンズの挿入には、インジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具が用いられる。インジェクターは眼内レンズの挿入部の先端が先細となっており、プランジャーと呼ばれる押出棒の先端部にて内部に設置された眼内レンズが挿入部の先端に向けて押し出され、その内壁形状に合わせて眼内レンズが折り曲げられて小さくされる。また、インジェクターの挿入部の先端をプランジャーと眼内レンズとが通過できる程度に可能な限り小さく形成することで、患者眼に設ける切開創を小径にすることができ、患者の負担を低減すると共に術後乱視等の後遺症の発生を抑えることができるようになる(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−333924号公報
しかし、前述したように従来技術の眼内レンズ挿入器具においては、患者眼に設ける切開創をできるだけ小さくさせるために、インジェクターの挿入部先端を小さくするため、眼内レンズの後ろ側に位置する支持部がプランジャーと挿入部開口との間に挟まれ易い。このため、先に眼内に光学部が押し出された状態で、後側の支持部が挿入部内に残されていると、プランジャーの先端部と挿入部との間に挟まれた後側の支持部42bを支軸として光学部が開放されることがある。このように後側の支持部を支軸として光学部が開放すると、光学部が眼内で傾いた(屹立した)状態となるため、術者は光学部が正しい位置となるように修正しなければならず手間が掛かる。一方、患者にとっても手術時間が長くなることは負担となる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、眼内レンズ挿入器具を用いて眼内レンズを眼内に送出し開放させる場合に、手間をかけることなく眼内レンズを好適に位置させることができる眼内レンズ挿入器具を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 光学部と該光学部を眼内で支持するための一対のループ状の支持部とを有する変形可能な眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具において、眼球に設けられた切開創に挿入される挿入筒部であって,前記眼内レンズを折り畳むために先端に向かうに従って眼内レンズが通過する空間が狭くなる通路を有する挿入筒部と、該挿入筒部の基端に前記眼内レンズを載置するレンズ保持部と、該挿入筒部から前記眼内レンズを押し出すために挿入器具本体の筒内で軸方向に進退移動可能に設けられたプランジャーと、前記眼内レンズの押し出しを行うために、前記軸方向から見て前記挿入筒部の先端開口の内径と略等しくなる程度の外径で形成された前記プランジャーの先端部と、を備え、さらに前記眼内レンズが前記挿入筒部先端から送出される際に前記眼内レンズの後方の支持部が前記プランジャーの上側又は下側に位置した状態において、前記挿入筒部先端から送出される前記眼内レンズの開放動作に基づいて挙動する前記後方の支持部を,予め定めた前記プランジャー先端部の一方の側面に向けてのみ逃がすことができるように、前記プランジャーの先端部の形状を前記プランジャーの押出軸に対して左右非対称な形状とすることで,前記挿入筒部の先端開口との間に前記後方の支持部が前記一方の側面に向けてのみ前記先端部周囲に沿って通過可能な空隙が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、眼内レンズ挿入器具を用いて眼内レンズを眼内に送出し開放させる場合に、手間をかけることなく眼内レンズを好適に位置させることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に示しながら説明する。図1は眼内レンズ40の構成を示した図であり、図1(a)は眼内レンズ40の正面図、図1(b)は眼内レンズ40の側面図である。ここでは、光学部41と先端が自由端とされ細いループ形状(C字状、J字状)からなる支持部42(押出方向に対して前側の支持部42a、後側の支持部42bとする)とを別々に作成しておき、その後、一体化させることで得られる3ピース型の眼内レンズを例に挙げて説明する。
光学部41は所定の屈折力を有し、後述する眼内レンズ挿入器具1から押し出される際に押出手段30が当接される側面(以下、コバと記す)41aと、眼内で角膜側に位置される前面41bと、網膜側に位置される後面41cとを供える。光学部41は、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)等の単体や、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの複合材料等、従来、折り曲げ可能な軟性の眼内レンズに用いられている材料から形成されている。また、支持部42は、従来、眼内レンズの支持部として用いられている材料から形成されていればよく、例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)等である。
図2は本実施の形態で使用する眼内レンズ挿入器具1の外観を示した概略外観図である。図2(a)は眼内レンズ挿入器具1を上方から、図2(b)は側方から見た状態を示している。眼内レンズ挿入器具1は、眼球に挿入する側から順に、眼球に形成される切開創から眼内レンズを挿入する挿入部を備え、眼内レンズ40を設置するための載置部が設けられた眼内レンズを内部に保持するレンズ保持部10(以下、カートリッジという)と、先端にカートリッジ10を装着する(先端に置く)挿入器具本体である筒部(挿入器具本体、ハンドピース)20と、カートリッジ10及び筒部20の内部を挿通し、筒部20に装着されたカートリッジ10先端から眼内レンズ40を外部に押し出すための押出手段(プランジャー)30、とを有する。
ここで、図3にカートリッジ10を除いた筒部20の外観構成の模式的視図、図4にカートリッジ10が装着された状態での筒部20の内部構成の説明図を示す。筒部20の先端には、カートリッジ10を着脱するための装着部21が設けられている。装着部21は筒部20の先端を略半割した形状であり、その先端には凸部22が、基端には凹部23が筒部20の中心を挿通する押出手段30に対して左右対称に各々形成されている。また、凸部22は筒部20の中心軸よりも若干上方に位置しており、左右に設けられた凸部22間の距離は、筒部20の内径よりも若干狭く(短く)なっている。このような凸部22の形状は、装着されたカートリッジ10を係止し、容易に筒部20から外れないようにするスナップイン構造を有している。
カートリッジ10は、先端に向かうに従いその内径が徐々に小さく(細く)なる領域を有したテーパ形状を有する挿入部(挿入筒)11と、眼内レンズ40を設置する載置部12とが一体的に形成されている。カートリッジ10は、その全体が合成樹脂にて形成されており、一度の使用で廃棄する使い捨てタイプとなっている。挿入部11は中空の筒形状となっており、折り曲げられた眼内レンズ40がこの中空部分を通して略楕円の開口に形成された挿入部先端11aから外部に送出されるようになっている。なお、本実施形態では、光学部41の前面41bが挿入部11内で谷折りにされる谷折タイプのカートリッジ10が用いられることとする。また、挿入部11の先端11aは小切開での眼内レンズの押し出しを行うため、押出方向から見たときに、先端11aの内径が後述する先端部34の外径と略等しくなる程度に小さく形成されているとする。
中空状の筒部20の内部には、押出手段30が筒部20からカートリッジ10(挿入部11)の先端まで繋がる通路で軸方向に進退可能に挿通されている。押出手段30は、側面34bと,光学部41(コバ41a)に当接される当接面34aとを備える先端部34と、使用者により押圧される押圧部33と、押圧部33が接続された軸基部32と、先端部34と軸基部32とを繋ぐ押出棒31とから構成される。
ここで、先端部34の形状について詳しく説明する。図5は先端部34が挿入部11の先端11a付近に位置された状態での、押出方向に対して垂直な断面で前方から見たときの位置関係の説明図である。図5(a)には光学部41が挿入部11内で折り畳まれているときの支持部42bの位置関係、図5(b)には光学部41が眼内で開放された状態での支持部42bの位置関係が示されている。図6は、先端部34を側面から見たときの拡大図である。
先端部34は、眼内レンズ40を挿入部11から外部へ送出す役目を果たすため、挿入部11及びカートリッジ10の内部通路を挿通できる大きさ(径)で、当接面34aが光学部41のコバ41aに十分に当接される大きさで形成される。また、先端部34は、その外周形状(側面34b)の所定領域(下面)が内壁面wに沿うような形状に形成されていると共に、押出方向の長さが内壁面wとが擦れ合いながら前進することができる長さで形成されている。これにより、先端部34(下面)が内壁面wに対して隙間無く移動されるので、先端部34が光学部41に食い込む又は先端部34が光学部41上に乗り上げる等で光学部41を傷つけてしまうことが抑制される。なお、押出手段30の押出軸を僅かに下方に傾くように形成して、先端部34の下面が内壁面wの底面に押し付けられるような構成にする事で、より先端部34の光学部41上への乗り上げを抑制するようにしても良い。
また、本実施形態では、先端部34の形状は、押出方向に垂直な断面で見たときに、折り曲げられた光学部41が開放される際に後方の支持部42bが移動される外周の範囲が所定の曲面形状(曲面)Rに形成されている。なお、曲面Rは、押出手段30の軸Oから曲面Rまでの距離d1と,軸Oから挿入部11の内壁面wまでの距離d2との差Δdが、支持部42bの直径Δd2よりも十分大きくなるように形成され(d1<d2)、先端部34の外周と挿入部11の先端11a(開口付近)との間に支持部42bが先端部34の外周(側面)に沿って通過可能な空隙pを形成する。このような構成により、図5(a)に示すように先端11a付近において先端部34の上方に位置された後側の支持部42bが、その後の光学部41の挙動(開放)に伴って空隙pを通過し、図5(b)に示すように先端部34の側面側に移動することができるようになる。
ところで、挿入部11内で折り曲げられた光学部41は、先細の挿入部11の先端側へと移動されるにつれて、より小さい径から押し出されるために、押出手段30で強く押されることになる。しかし、光学部41の折り曲げが不十分の時に強く押されると、軟質の光学部41が変形すると共に先端部34が光学部41に乗り上げてしまうことで、光学部41の一部が先端部34の側面34b(下面)と挿入部11の内壁面wとの間に生じた僅かな隙間に潜り込むことがある。光学部41が隙間に潜り込んだ状態で更に押出手段30で押されていくことによって、更に光学部41が隙間に滑り込んでしまう。このような状態でさらに押し出しを行おうとすると、光学部41が破損してしまう可能性がある。また、先端部34が光学部41に乗り上げてしまうと、先端部34がコバ41aに適切に当接されなくなることで、光学部41を押し出すことが出来なくなる可能性もある。
そこで、本実施形態では、先端部34の側面34b(下面)において、光学部41が潜り込む可能性がある範囲を粗面RFに形成する(図5、図6参照)。このようにすると、押し出し作業において先端部34が光学部41に対して乗り上げようとしても、粗面RFによる摩擦力によってその進行が防がれ光学部41の潜り込みが抑制される。なお、ここでは、粗面RFの表面粗さの最大高さRy(JIS B 0601 1994)はRy=6.3μmよりも大きく、より好ましくはRy=12.5μm〜100μmであるとする。なお、粗面Ryの値がRy=6.3μm以下であると、十分な摩擦力を得ることが得ることができず、光学部11の潜り込みを抑える事が難しい。一方、Ryが100μmよりも大きすぎると先端11aの径が大きくなってしまう。なお、表面粗さの最大高さRyとは、表面状態の凹凸を測定することにより得られる粗さ曲線からその平均線の基準長さだけ抽出して、この抽出箇所の最大値(山)と最小値(谷)との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定し、この値をマイクロメートルで表したものである。
ここで、粗面RFの形成方法を説明する。始めに所定の形状に形成されたバルク材量を先端が鋭利な刃によって研削することにより表面状態が粗い押出手段30の形状を作る。次に、先端部34に粗面RFを形成する範囲以外を、周知の研磨によって滑らかな表面状態に形成する。又は、一旦、押出手段30の表面全体を研磨により滑らかな表面状態にした後で、刃又は鑢などによって粗面RFを形成する範囲を削り出すようにしても良い。
なお、ここでは、側面34bの下面に粗面RFが形成されているが、これに限られるものではない。粗面RFは、カートリッジ10の内部形状又は先端部34の形状等に応じて、光学部41が先端部34と内壁面wとの間の隙間に潜り込む可能性の高い範囲に形成されていれば良い。つまり、粗面RFは、側面34bの上部、上部と下部、全周に形成される他、当接部34aを除く押出手段30全体に形成されていても良い。また、ここでは、側面34bの下面全体が粗面RFに形成されているが、粗面RFは、少なくとも側面34bの下面の先端側(当接面34a側)に形成されていれば良い。これにより、光学部41の一部が隙間に進行していくことが妨げられる。
次に、以上のような構成を備える眼内レンズ挿入器具1を用いた眼内レンズ40の注入の動作を説明する。術者(使用者)は、鑷子等を用いて眼内レンズ40をカートリッジ10に置く。次に、眼内レンズ40が置かれたカートリッジ10を筒部20に装着するため、押出棒31を筒部20の基端側へ引き出しておき、装着部21に設けられた凹部23にカートリッジ10を嵌合させ、水晶体が取り除かれた患者眼に挿入部11の先端11aを差し入れる。この状態から押圧部33を押して、押出手段30全体(先端34等)を前方に移動させていく。
ここで、眼内レンズ40の押出操作を説明する。図7はカートリッジ10内部を側面から見たときの断面の模式図である。押圧部33が押し込まれていくと、図7(a)に示すように光学部41に当接面34aが当接される。更に押圧部33が押し込まれると眼内レンズ40が挿入部11内に入る。このとき、挿入部11の開口径が次第に狭くなることで、光学部41が挿入部11の内壁面wに沿って、前面41bが谷折となるように折り曲げられていく(丸め込まれていく)。この時、先端部34は側面34bの下面が内壁面wに接触した状態で擦れ合いながら前進される。一方、後方側の支持部42bは光学部41の折り曲げに伴って挿入部11内で上側に位置されるようになる。
更に、光学部41が押されていくと、挿入部11の開口径が狭くなることで押出手段30を押す力が次第に強くされる。この時、光学部41の一部が先端部34の下面と挿入部11の内壁面wとの間に潜り込もうとする場合がある。しかしながら、本実施形態では先端部34の下面に形成された粗面RFによる摩擦力によって、潜り込もうとする光学部41の進行を抑制することができる。これにより、挿入部11内で押出手段30によって光学部41が強く押されても、先端部34の下方への光学部41の潜り込みを抑制する事が出来るので、光学部41が破損してしまうことが抑制される。また、先端部34が光学部41上に乗り上げてしまうことが抑制されるので、光学部41全体を好適に押し出すことができるようになる。
以上のようにして、先端部34が挿入部11の先端11a付近まで移動すると、図5(a)に示すように、光学部41の折り曲げにより後方の支持部42bは先端部34と内壁面wとで形成される上部空間に位置することとなる。そして、更に押出手段30が押されることにより、図7(c)に示すように、先に光学部41が先端11aから眼内へと送出されて、後側の支持部42bが挿入部11内に残された状態となる。この際、図5(b)に示すように、光学部41の開放動作に伴って支持部42bが空隙pを介して先端部34の上方から側方に逃げることができる。これにより、光学部41の開放時に支持部42bによる挟みこみの影響が回避され、光学部41が眼内で好適に開放されるようになる。その後、支持部42bが眼内へと押し出されると、眼内でその形状が復元されて、眼内から加えられる応力によって嚢に沿って配置されるようになる。これにより、支持部42(42a、42b)によって光学部41が眼内で好適に保持されるようになる。
以上のように、押出手段30の先端部34が挿入部11の先端11a付近に位置された状態で、後側の支持部42bが先端部34の外周に沿って先端11a内を移動可能とする空隙pが設けられていることで、簡単に眼内レンズの開放動作を安定させることができ、眼内で好適に位置させることができるようになる。
また、本発明は上記の構成に限られるものではない。例えば、空隙pを形成するための先端部34の形状は曲面以外にも、例えば、図5(c)に示すように、切り欠きにより形成される平面、又は、図5(d)に示すような、凹面により形成しても良い。これ以外にも、先端部34の形状は、先端部34が先端11a付近にある状態で、光学部41の開放動作に伴い支持部42bを移動可能に位置させるための空隙pを形成する形状であれば良い。
また、支持部42bによる挟みこみの影響を避けて眼内レンズ41を眼内でより好適に開放させるためには、先端部34の側面34b(上面)が、図6に示すような斜面SLに形成されていると都合が良い。斜面SLは、押出方向に垂直な断面で見たときに、当接面34aから押出棒31側へ向かい次第に断面積が小さくなるような傾斜に形成されている。このようにすると、先端部34が先端11a付近に位置された状態から押し出されるにつれて、支持部42aが移動可能に位置される空隙pが広く形成される。これにより、支持部42aは挿入部11から押し出される際に、より元の状態に戻り易くなる。その為、支持部42aが挿入部11内に残されていることによる光学部41への影響を更に小さくすることができるようになる。
また、上記では、先端部34の粗面RFは刃又は鑢による研磨にて表面状態を荒らすことにより形成しているが、粗面としては、図8の粗面の変容パターンに示すような様々な形状のものを用いることができる。なお、図8において、左側は先端部34を下面から見た底面図、右側は先端部34の側面図である。例えば、図8(a)に示すように、押出方向に対して直交する方向に伸びるライン状に形成された凸部又は凹部による粗面RF2が形成されても良い。この場合の粗面RF2は、切削加工またはモールド加工により形成することができる。なお、ライン状の凸部又は凹部は、少なくとも先端部34の先端付近に形成されていれば良い。また、ライン状の凸部及び凹部とが交互に繰返されることによって粗面RF2が形成されても良い。
また、図8(b)に示すように、複数のドットによる凹凸の組み合わせによって粗面RF3が形成されても良い。このような粗面RF3は、モールド加工にて形成することができる。この場合にも、粗面RF3は少なくとも先端付近において、光学部41の潜り込みが発生する可能性が高い位置に形成されていれば良い。なお、図8(a)、(b)に示す粗面RF2及び粗面RF3の表面粗さの最大高さRyはRy=6.3μmよりも大きく、好ましくは、Ry=50μm〜200μmとする。
また、上記では、眼内レンズ10が谷折りにされるタイプの眼内レンズ挿入器具を例に挙げて説明したが、眼内レンズ挿入器具の種類によっては、光学部41を山折にするタイプのものもある。この場合には、光学部41の折り曲げ位置が挿入部11内で上側に位置され、その折り曲げ位置が先端部34で押し出されるようになるため、眼内レンズ40が折り曲げられた状態で、後方の支持部42bは先端部34の下側に位置することとなる。このような場合には、先端部34の下側とそれに繋がる側面との間に支持部42bを逃がすことのできる空隙pを形成するように、先端部34の下面から側面にかけて曲面、斜面、或いは凹面を設ければよい。なお、上述したように、この場合には、少なくとも先端34の側面34bの所定領域(上面)に粗面RFを形成することで、光学部41の潜り込みを抑制することが出来、光学部41の破損及び先端部34の光学部41への乗り上げが抑えられて、好適に眼内レンズ40を押し出すことができるようになる。
更には、光学部41の折り曲げ位置が挿入部11内で側面(左側又は右側)に位置されるものもある。この場合には、光学部41の折り曲げ位置に応じて、粗面RFは少なくとも先端34の側面34bの左側又は右側に形成されれば良い。例えば、光学部41の折り曲げ位置が挿入部11内の左側で山折にされる場合には、先端部34の側面34bの左側が粗面34に形成されれば良い。つまり、粗面RFは、先端部34と眼内レンズ40との接触において、所定の摩擦力を発生させることで、先端部34と内壁面wとの間に光学部41の一部が潜り込むことを抑制する先端部34の外周形状の所定領域に形成されていれば良い。
眼内レンズの構成の説明図である。 眼内レンズ挿入器具の外観を示した概略外観図である。 カートリッジを除いた筒部の外観構成の模式的視図である。 カートリッジが装着された状態の筒部の内部構成の説明図である。 押出方向に対して垂直な断面で前方から見たときの先端部と挿入部との位置関係の説明図である。 先端部を側面から見たときの拡大図である。 カートリッジ内部を側面から見たときの断面の模式図である。 粗面の変容パターンの例である。
p 空隙
1 眼内レンズ挿入器具
10 レンズ保持部(カートリッジ)
11 挿入部
11a 挿入部先端
30 押出手段(プランジャー)
34 先端部
40 眼内レンズ
41 光学部
42 支持部

Claims (2)

  1. 光学部と該光学部を眼内で支持するための一対のループ状の支持部とを有する変形可能な眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具において、
    眼球に設けられた切開創に挿入される挿入筒部であって,前記眼内レンズを折り畳むために先端に向かうに従って眼内レンズが通過する空間が狭くなる通路を有する挿入筒部と、
    該挿入筒部の基端に前記眼内レンズを載置するレンズ保持部と、
    該挿入筒部から前記眼内レンズを押し出すために挿入器具本体の筒内で軸方向に進退移動可能に設けられたプランジャーと、
    前記眼内レンズの押し出しを行うために、前記軸方向から見て前記挿入筒部の先端開口の内径と略等しくなる程度の外径で形成された前記プランジャーの先端部と、
    を備え、
    さらに前記眼内レンズが前記挿入筒部先端から送出される際に前記眼内レンズの後方の支持部が前記プランジャーの上側又は下側に位置した状態において、前記挿入筒部先端から送出される前記眼内レンズの開放動作に基づいて挙動する前記後方の支持部を,予め定めた前記プランジャー先端部の一方の側面に向けてのみ逃がすことができるように、
    前記プランジャーの先端部の形状を前記プランジャーの押出軸に対して左右非対称な形状とすることで,前記挿入筒部の先端開口との間に前記後方の支持部が前記一方の側面に向けてのみ前記先端部周囲に沿って通過可能な空隙が形成されている
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 請求項1の眼内レンズ挿入器具において、前記プランジャーの上面から前記一方の側面,又は下面から前記一方の側面に至る先端部外周の所定範囲を曲面又は斜面、或いは凹面とすることにより前記空隙が形成されていることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
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