JP5265229B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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本発明は、眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具に関する。
従来、白内障の手術方法の一つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりとして折り曲げ可能な軟性の眼内レンズを挿入する手法が一般的に用いられている。折り曲げ可能な眼内レンズを挿入するには、眼内レンズを押出すためのノズル(挿入筒)を有したインジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具を使用する。インジェクターを用い、眼内レンズを折り曲げた状態で患者眼に設けた切開創にノズルの先端を挿入し、ノズルから折り曲げた状態の眼内レンズを眼内に挿入させることによって、患者眼に設ける切開創をできるだけ小径となるようにしている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−47091号公報
このようなインジェクターでは、患者眼に設けた切開創を小さくするために、ノズルの径を小さくすることが考えられる。しかしながら、単純にノズルの径を小さくしてしまうと、眼内レンズをより小さく折り曲げる必要があり、押出し動作において眼内レンズに負担が掛ってしまったり、ノズルから送出され難くなってしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、眼内レンズへの負担を低減しつつ、切開創を小さくできる眼内レンズ挿入器具を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 所定の屈折力を持つ光学部と該光学部を眼内で支える支持部とを有した眼内レンズを保持するとともに眼球に設けられた切開創から前記眼内レンズを挿入するための挿入筒を有する挿入部と、該挿入部が先端に設けられた筒構造の挿入器具本体と、前記挿入部から前記眼内レンズを押し出すために前記挿入器具本体の筒内で軸方向に進退移動可能に設けられた押出手段と、を備える眼内レンズ挿入器具において、前記挿入筒は、前記挿入筒の先端から基端側に向かって軸方向に延びるスリットであって,切開創から眼内に挿入される前記挿入筒先端の長さ以上の長さを持つスリットを有し、前記スリットにより形成される挿入筒壁の切断面は、該挿入筒壁の肉厚方向に対して傾斜するように形成され、前記挿入筒先端が前記切開創に押し当てられることにより前記スリットによる切断面の合わせ目部分がずれて一方の切断面端部が他方の切断面端部の内側に絞り込まれることにより前記挿入筒先端の径が小さくなることを特徴とする。
(2) (1)の眼内レンズ挿入器具において、前記挿入筒の径の広がりを抑制するために,前記挿入筒の外壁側又は内壁側に互いに係合する凸部と凹部が形成されることを特徴とする。
(3) (1)の眼内レンズ挿入器具において、前記支持部は一対のループ形状の支持部であり、前記他方の切断面端部の内側に絞り込まれた前記一方の切断面端部が、前記眼内レンズの押出し動作において、前記支持部の回転を抑制するガイド手段となることを特徴とする。
本発明によれば、眼内レンズへの負担を低減しつつ、切開創を小さくすることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に示しながら説明する。図1は本実施形態で使用する眼内レンズ挿入器具1の外観を示した概略外観図である。図1(a)は眼内レンズ挿入器具1を上方から、図1(b)は側方から見た図である。
眼内レンズ挿入器具1は、眼球に挿入する側から順に、眼球に形成される切開創に挿入される挿入筒(ノズル)11を備え、眼内レンズ40(図2参照)を設置するための載置部が設けられたレンズ保持部(挿入部)10(以下、カートリッジという)と、先端にカートリッジ10を装着する筒部20と、カートリッジ10及び筒部20の内部を挿通し、筒部20に装着されたカートリッジ10の先端から眼内レンズ40を外部に押し出すための押出機構部(押出手段、プランジャー)30、とを有する。なお、詳細は後述するが、挿入筒11にはスリット50が形成される。
図2は眼内レンズ40の構成を示した図である。眼内レンズ40は所定の屈折力を有する光学部41と光学部41を眼内で支持するループ状の一対の支持部42からなる。本実施形態で用いる眼内レンズ40の光学部41は、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)等の単体や、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの複合材料等の、従来、折り曲げ可能な軟性の眼内レンズに用いられている材料から形成されている。また、支持部42もPMMA(ポリメチルメタクリレート)等の従来、眼内レンズの支持部として用いられている材料から形成されている。本実施形態で用いる眼内レンズ40は、上述した眼内レンズ材料を使用して光学部41と細いループ形状からなる支持部41とを別々に作成しておき、その後、一体化させて得られる3ピース型の眼内レンズを用いるものとしている。なお、用いる眼内レンズ40は3ピース型に限るものではなく、光学部と支持部とを予め一体的に作成する1ピース型の眼内レンズであってもよい。
図3、図4はカートリッジ10の構成を示した図である。図示するように、カートリッジ10は先端に向かうにしたがって径が徐々に小さく(細く)なるテーパ形状を有する挿入筒11と、眼内レンズ40を設置する載置部12とが一体的に形成されている。なお、カートリッジ10は、その全体が合成樹脂にて形成されており、一度の使用で廃棄する使い捨てタイプとなっている。このため、カートリッジ部10は、樹脂等による成型にて作製されることが好ましい。
挿入筒11は中空の筒形状となっており、折り曲げられた眼内レンズ40がこの中空部分を通して外部に送り出されるようになっている。また、挿入筒11は内部形状も先端に向かってテーパ形状とされるため、挿入筒11を通る眼内レンズ40はより小さい径とされる。また、載置部12は、2つの半割部材12a,12bから形成されており、図3(a)に示すように半割部材12a及び12bの下縁同士がヒンジ部13によって連結され、開閉可能となっている。眼内レンズ40を載せる載置台14a及び14bは、半割部材12a,12bに各々設けられている。眼内レンズ40を載せる載置面の形状(壁面形状)は、眼内レンズ40を折り曲げる方向に沿った曲面を有している。
また、半割部材12a及び12bを閉じ合わせると、載置台14a、14bの壁面形状(載置面形状)が変形し、挿入筒11の基端側開口形状(半円形状)と略一致するようになっている(図4参照)。また、半割部材12a,12bが閉じ合ったときの載置部12の外形は、後述する筒部20の内壁形状と略一致するようになっている。
なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具1では、カートリッジ10に眼内レンズ40を載置する際に、眼内レンズ40の前方に位置する支持部42が眼内レンズ40の進行方向に向って右側に位置するように載置するものとしている。
カバー15a及び15bは半割部材12a,12bの各々の上部に設けられており、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合ったときに、載置台14a及び載置台14bの上方を覆うように形成されている。また、カバー15bの端部には、載置台14a、14bの上方から載置台14a、14bに向かって延びるように形成された凸部16が設けてある。なお、凸部16はカートリッジ10にセットされた眼内レンズ40を折り曲げる際に、その折り曲げを常に載置台14a、14bの内壁面(載置面)に沿って行うように規制する役目を果たしている。また、使用者がカートリッジ10を持つ際に把持する平板状の把持部18は半割部材12aの側面に設けられる。
このような構成を備えるカートリッジ10は、図4(a)に示すように、載置部12が開いた状態(2つの半割部材が離れている状態)のときに、眼内レンズ40を載置台14a及び載置台14b上にセットし、その後、カートリッジ10を筒部20に装着することによって、図4(b)に示すように判割部材12aと半割部材12bとが閉じ合うことにより、載置された眼内レンズ40に応力を掛け、折り曲げる(折り畳む)ことができる。
ここで、挿入筒11の上方(載置台12a、12b側と規定する)には、スリット50が形成される。また、本実施形態では、上方に光学部41の前面側が向く構成とされる。なお、スリット50は、カートリッジ10内で折り曲げられる光学部41が、押出し動作において、スリット50から出ないように挿入筒11に形成される。このため、スリット50は挿入筒11の上方(光学部41の前面側)又は下方(光学部41の後面側)に設けられることが好ましい。スリット50は、挿入筒11の先端から基端側(載置台12a、12b)に向かって直線状に形成され、挿入筒11の中心軸L(図5参照、押出棒31の進退移動方向(軸方向)と一致する)に沿って延びるように形成される。また、スリット50の長さは、患者眼に設けられた切開創に挿入される挿入筒11の先端の長さ以上とされ、切開創から挿入筒11が眼内に挿入された状態において、スリット50は眼内から切開創を越えて眼外まで延びる長さとされる。具体的に、スリット50の長さは挿入筒11の先端から6mm程度の長さとされる。このとき、挿入筒11は、切開創から4mm程度眼内に挿入される。また、スリット50は、カートリッジ10の成型後にレーザ、カッター等により形成されるかカートリッジ10の成型時に形成される。
また、スリット50は、図5(a)にて示される挿入筒11の中心軸Lに直交する断面図(基端側(術者側)から見た)に図示されるように、挿入筒11の壁(外壁と内壁)を切断するように形成される。なお、図5(a)は、切開創付近(挿入筒11の先端から4mm程度)での挿入筒11の断面図である。また、スリット50の切断面は、挿入筒11の肉厚方向に対して傾斜するように形成される。言い換えると、スリット50の切断面から延びる延長線Eが中心軸Lと交わらないように、スリット50は挿入筒11の外壁と内壁を直線的に切断するように形成される。
ここで、スリット50には、互いに係合し、挿入筒11の径の広がり(拡大)を抑制するための部材が設けられる。図5(b)は、図5(a)のスリット50部分を拡大した模式的断面図である。説明の簡便のためスリット50の間に空間を設けた。図5において、スリット50により分割された挿入筒11の右側(紙面右側)の切断面を第1先端部(第1切断面端部)11aとし、左側(紙面左側)の切断面を第2先端部(第2切断面端部)11bとする。
第1先端部11aと第2先端部11bの合わせ目には、挿入筒11の径の広がりを抑制するための部材が形成されている。具体的には、第1先端部11aの外壁の周縁部に凸部50aが形成され、第2先端部11bの外壁の周縁部には凸部50aと係合する形状を有する凹部50bが形成される。また、凸部50a、凹部50bは、挿入筒11の先端から基端側(載置面)に向かい軸方向に形成される。ここで、凸部はスリットにより分割された一方の切断面端部の鋭角部分に形成され、凹部はその凸部に係合するように他方のだ切断面端部の鈍角部分に形成される。
挿入筒11に外力(例えば、外壁から内壁へと向かう力)が加えられると、第1先端部11aと第2先端部11bとで図5(b)の矢印で示されるように対向する力が働くこととなり、合わせ目部分で第1先端部11aと第2先端部11bとが上下方向(図において)にスライド移動する(ずれる)。このとき、スリット50部分が傾斜するように挿入部11に形成されているため、合わせ目はスライド移動し易くなる。ここで、凸部50aと凹部50bとが係合することにより、第1先端部11aと第2先端部11bのスライド移動の方向を一方向にガイドすることとなる。ここでは、外力により第1先端部11aは外側(図では上方向)にスライド移動され、第2先端部11bは内側(図では下方向)にスライド移動される。そして、第1先端部11aの内側(図では下方)に第2先端部11bが潜り込み、第2先端部11bの外壁が第1先端部11aの内壁に当接するように移動させられる。これにより、挿入筒11が絞り込まれる(第1先端部11aが第2先端部11bの内側に絞り込まれる)こととなり、挿入筒11の外周が小さくなり、挿入筒11の径が小さくなる(縮小される)。
このとき、凸部50aと凹部50bが互いに係合することにより、挿入筒11に側方向から外力が加わっても、第1先端部11a及び第2先端部11bは、前述した方向とは逆のスライド移動を抑制されることとなり、挿入筒11の径が広がることが抑制される。
なお、挿入筒11は、外力によって前述のように径が小さくなる方向に形状が変化される程度の可塑性(又は柔軟性)を持ちつつ、挿入筒11の筒構造は維持できる程度の弾性を持つ素材にて形成される。前述のように、挿入筒11を含むカートリッジ10は、可塑性及び弾性を有する素材にて成型される。
図6は、筒部20の外観構成を模式的に示した斜視図である。なお、筒部20の内部構成は、図6にて詳細を説明する。図示するように、筒部20の先端には、カートリッジ10を着脱するための装着部21が設けられている。装着部21は筒部20の先端を略半割した形状であり、その先端には凸部22が、基端には凹部23が筒部20の中心を挿通する押出棒31に対して左右対称に各々形成されている。また、凸部22は筒部20の中心軸よりも若干上方に位置しており、左右に設けられた凸部22間の距離は、筒部20の内径よりも若干狭く(短く)なっている。このような凸部22の形状は、カートリッジ10を装着部21に装着する際に開かれている半割部材12a,12bを閉じ合わせる方向に規制し、その幅を制限するガイドの役目を果たすとともに、装着されたカートリッジ10を係止し、容易に筒部20から外れないようにするスナップイン構造を有している。なお、装着部21の左右の縁部もまた凸部22と同様に半割部材を閉じ合わせる方向に規制するガイドの役目を果たしている。また、押出棒31の先端には、眼内レンズ40の光学部41に当接する(把持する)ヘッド部(符号を略す)が形成される。
次に、カートリッジ10と筒部20を組合せて構成した眼内レンズ挿入器具1における内部構成ついて説明する。図7は、眼内レンズ挿入器具1の軸方向での模式的断面図である。図では、装着部21にカートリッジ10が装着されることにより眼内レンズ40が折り曲げられた状態とされる。
図7に示すように、筒部20の内部は中空状となっており、ここに押出機構部30が筒部20の軸方向に進退可能に挿通されている。押出機構部30は押出棒31、押出棒31と一体的に形成され押出棒31を支える軸基部32、術者による眼内レンズ40の押出し動作の際に押圧される押圧部33から構成されている。なお、筒部20及び押出機構部30は、カートリッジ10と同様に一度の使用で廃棄する使い捨てタイプとなっている。このため、樹脂等による成型にて各々が、一体的に作製される。なお、支持部42は図示を略した。
押出棒31は、軸基部32の径より細い軸棒からなり、軸基部32の先端に取り付けられている。軸基部32が前方に移動されることによって、筒部20の先端に装着されたカートリッジ10(挿入筒11)から眼内レンズ40が前方に押される。従って、押出棒31(押出機構部30)は、眼内レンズ40を挿入筒11の先端から外部へ送り出す役目を持つこととなる。このため、押出棒31の径は、挿入筒11及びカートリッジ10内を通過できる程度の大きさとされ、軸基部32よりも小さく形成される。
次に、眼内レンズ40の押出し動作に伴う挿入筒11の径の変化について説明する。図8は、図5と同様に基端側(術者側)から見た切開創付近での挿入筒11の断面図である。図8(a)は、挿入筒11の径が小さくなった状態を示す図であり、図8(b)は、図8(a)の状態で折り曲げられた眼内レンズ40が挿入筒11を通る様子を示した断面図である。なお、図中の点線は、図5(a)における挿入筒11の断面形状を示すものであり、挿入筒11がスリット50部分でスライド移動が起こっていない状態(スリット50が合わさっている初期状態)を示すものである。
挿入筒11が患者眼の眼球に設けられた切開創(例えば、2〜3mm程度)に挿入されると、図8(a)の状態とされる。挿入筒11が切開創の閉じる方向に働く力を受けるため、スリット50部分での第1及び第2先端部11a、11bのスライド移動が起こり、第1先端部11aの内側に第2先端部11bが潜りこみ、第1先端部11aの内壁と第2先端部11bの外壁とが当接する。これにより、挿入筒11が絞り込まれて外周が小さくされ、挿入筒11の径が小さくされる。
ここで、挿入筒11が図中の矢印方向(軸Lを中心に術者から見て時計回り又は反時計回り)に回転されると、挿入筒11が切開創に押し当てられた状態とされているために、挿入筒11は切開創から前述と同様の力を受ける。このとき、挿入筒11全体が揃って回転するわけではないため、挿入筒11の一部に力が加わり第1及び第2先端部11a、11bの移動が起こる。このため、第1先端部11aの内側に第2先端部11bがさら潜り込むこととなる。これにより、挿入筒11がさらに絞り込まれて外周が小さくなり、挿入筒11の径がさらに小さくされる。このとき、挿入筒11の径は、初期形状に対して0.1〜0.4mm程度小さくされる。このようにして、切開創に接触する挿入筒11の外壁の面積が小さくなる(挿入筒11の径が小さくなる)ことで、切開創への負担(切開創に挿入筒11が挿入されることにより切開創が開く方向に受ける力)が低減される。
この状態で、カートリッジ10で折り曲げられた眼内レンズ40が押出棒31に押され、挿入筒11に到ると、図8(b)に示す状態となる。このとき、光学部41は挿入筒11の内壁のほぼ全面に渡って接触する。また、前方の支持部42は第2先端部11bの側面(切断面)に接触される。従って、眼内レンズ40の押出し動作において、第2先端部11bにより支持部42の回転等が抑制され、支持部42が挿入筒11の先端から眼内に挿入されるまで支持部42の位置がガイドされ、眼内レンズ40の向きがガイドることとなる。なお、光学部41の前面が合さるように折り曲げられる場合では、スリット50が挿入筒11の上方に形成されることで、支持部42のガイドが構成されることとなる。
このように、眼内レンズ40は、挿入筒11の径が小さくなった状態で挿入筒11内を眼内へと移動されることなる。このとき、眼内レンズ40は挿入筒11の内壁から内側方向への力を受ける(眼内レンズ40の広がりが制限される)こととなる。しかし、挿入筒11は図8(b)に示すような径で固定されているわけではなく、その径が広がる(図5(a)の状態への復元を指す)方向への余裕を有している。このため、挿入筒11の径が固定されている場合と比べ、眼内レンズ40が図8(b)の挿入筒11の径で、挿入筒11内を移動されるとは限らない。挿入筒11が図8(b)の径から多少広がり、眼内レンズ40が多少広がって移動される場合がある。これにより、眼内レンズ40が挿入筒11の内壁から受ける力が低減される。これにより、押出し動作における眼内レンズ40への負担が低減される。このとき、切開創は挿入筒11(眼内レンズ40)から、切開創が開く方向に力を受けることとなるが、眼内レンズ40が挿入筒11内を通過する時間(例えば、数秒)だけ力を受けることとなり、初期状態から変化しない径を持つ挿入筒の場合と比べて切開創へ加わる負担は少なくできる。
なお、眼内レンズ40の光学部41は弾性を有する素材で形成されるため、押出し動作において、挿入筒11を図8(b)の状態から図5(a)に示す状態(初期状態)へと挿入筒11の径を押し広げる場合がある。しかし、スリット50には互いに係合する凸部50a、凹部50bが形成されているため、挿入筒11の径の広がりが抑制(制限)される。従って、上述した場合においても、眼内レンズ40への負担が低減されると共に、挿入筒11が初期状態よりも径が大きくなることによる切開創への負担が低減される。
なお、以上説明した本実施形態では、スリット50の切断面に互いに係合する凸部、凹部を設け、挿入筒11の径が広がることを抑制する構成としたが、これに限るものではない。スリット50部分に凸部、凹部などを設けない構成としてもよい。この場合、挿入都11の弾性により、スリット50部分が開かない(第1先端部と第2先端部との間が離れない)程度に挿入筒11を形成する。この場合、スリット50形成の作業が簡単になる。
また、スリット50が挿入筒11の上方(光学部41の開く方向以外の位置)に設けられたことにより、スリット50が切開創と交差して(跨って)、眼内レンズ40が挿入筒11内を通過する際に光学部41が多少開くことによって支持部42が挿入筒11の外壁(側壁)に突出することが抑制される。なお、挿入筒11は切開創に接触しているため、光学部41が開く力によって、第1先端部11a、第2先端部11bとの間が離れてしまう(挿入筒11が開く)ことは少ない。
以上のような構成を備える眼内レンズ挿入器具1において、その動作を説明する。使用者は、カートリッジ10の把持部18を一方の手で掴んでカートリッジ10を持ち、もう一方の手で鑷子を用いて眼内レンズ40を摘み上げる。摘み上げた眼内レンズ40をカートリッジ10の基端側から中に差し入れ、載置台14a,14b上に置く。カートリッジ10に応力が何も掛かっていない状態のときは、図4(a)に示すように半割部材12a,12bは開かれた状態にあり、載置台14a,14b上に置かれた眼内レンズ40も折り曲げられていない状態(応力が掛けられていない状態)で保持される。
カートリッジ10を筒部20に装着する場合には、押出棒31を筒部20の基端側へ引き出しておき、装着部21に設けられた凹部23にカートリッジ10の把持部18(基端側)を嵌合させつつ、載置部12(半割部材12a,12b)の底面を凸部22(または装着部21の左右の縁部)に押し付けるようにする。載置部12の底面(下部)を凸部22(または装着部21の左右の縁部)に押し付けることにより、凸部22が半割部材12aと半割部材12bとを閉じ合わせるようにガイドすることとなる。さらに載置部12を装着部21内に押し込んでいくと、図4(b)に示すように、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合った状態で装着部21に装着されることとなる。
このように半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合った状態では、載置台14aと載置台14bとの幅(間隔)が狭くなっているため、載置台14a、14bの壁面にて眼内レンズ40を左右方向から押すこととなる。その結果、眼内レンズ40に応力が掛けられた状態となり、眼内レンズ40は載置台14a,14bの壁面(載置面)に沿って折り曲げられることとなる。
術者は、装着部21にカートリッジ10を装着後、水晶体が取り除くために設けられた切開創を介して患者眼内に挿入筒11を差し入れる。このとき、スリット50が挿入筒11の先端から形成されているため、切開創に挿入筒11を接触させることで、挿入筒11の径が小さくなる。これにより、切開創に挿入筒11の先端が入りやすくなる。そして、眼内レンズ挿入器具1を術者からみて反時計回り(又は時計回り)に回転させる。これにより、挿入筒11の径がさらに小さくされる。この状態で術者が押圧部33を押して、軸基部32、押出棒31を前方に移動させていく。押出棒31に押された眼内レンズ40が挿入筒11内に入り、挿入筒11の開口径が先端に向かって狭くなってくると、眼内レンズ40は挿入筒11内部の壁面に沿って折り曲げられていく(丸め込まれていく)。このとき、図8(b)に示すように、支持部42が回転しないようにガイドされる。さらに押圧部33が押し進められると、眼内レンズ40の弾性力(復元力)と挿入筒11の弾性力の釣り合い等により、挿入筒11の径が若干広げられ、挿入筒11の先端から眼内レンズ40が眼内に押し出される。眼内レンズ40の光学部41が挿入筒11から出ると、内側に眼内レンズ40のなくなった挿入筒11は、切開創からの力を受けて小さい径とされる。なお、以上説明した押出し動作において、眼内レンズ挿入器具1を軸Lを中心に回しながら眼内レンズ40を押出してもよい。この場合、眼内レンズ40の向きがガイドされているため、術者が眼内レンズ40の動きを把握し易くなる。
なお、以上説明した本実施形態では、カートリッジ10内で折り曲げられた眼内レンズ40を押出機構部30にて挿入筒11から押出す構成としたが、これに限るものではない。応力の掛っていない眼内レンズを軸出しされた押出機構部30にて押出しながら、カートリッジ10内の構造によって、眼内レンズ40を折り曲げつつ、挿入筒11から押出す構成としてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、凸部50a、凹部50bを挿入筒11の外壁側に設ける構成としたが、これに限るものではない。挿入筒11の径の広がり(拡大)を抑制できる構成であればよい。例えば、挿入筒11(第1及び第2先端部11a、11b)の内壁側に設けられてもよい。また、以上の説明では、凸部50a、凹部50bはスリット50に沿って形成される構成としたが、これに限るものではなく、挿入筒11の広がりを抑制できれば、スリット50の一部分に互いに係合する部材が形成されていればよい。
なお、以上説明した本実施形態では、挿入筒11にスリット50を設ける構成としたが、これに、亀裂防止のために、スリット50の基端側(挿入筒11の先端と反対側)に孔を設ける構成としてもよい。
本実施形態における眼内レンズ挿入器具qの外観を示した図である。 眼内レンズ40の構成を示した図である。 本実施形態におけるカートリッジ10の外観を示した図である。 カートリッジ10の変形による眼内レンズの折り曲げ方法を示した図である。 スリット50を説明する模式的断面図である。 筒部20の外観構成を示した図である。 眼内レンズ挿入器具1の側面断面を示した図である。 挿入筒11の径を小さくする動作を説明する模式的断面図である。
符号の説明
1 眼内レンズ挿入器具
10 カートリッジ
11 挿入筒
20 筒部
30 押出機構部
31 押出棒
40 眼内レンズ
41 光学部
42 支持部
50 スリット

Claims (3)

  1. 所定の屈折力を持つ光学部と該光学部を眼内で支える支持部とを有した眼内レンズを保持するとともに眼球に設けられた切開創から前記眼内レンズを挿入するための挿入筒を有する挿入部と、
    該挿入部が先端に設けられた筒構造の挿入器具本体と、
    前記挿入部から前記眼内レンズを押し出すために前記挿入器具本体の筒内で軸方向に進退移動可能に設けられた押出手段と、
    を備える眼内レンズ挿入器具において、
    前記挿入筒は、前記挿入筒の先端から基端側に向かって軸方向に延びるスリットであって,切開創から眼内に挿入される前記挿入筒先端の長さ以上の長さを持つスリットを有し、
    前記スリットにより形成される挿入筒壁の切断面は、該挿入筒壁の肉厚方向に対して傾斜するように形成され、
    前記挿入筒先端が前記切開創に押し当てられることにより前記スリットによる切断面の合わせ目部分がずれて一方の切断面端部が他方の切断面端部の内側に絞り込まれることにより前記挿入筒先端の径が小さくなる
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 請求項1の眼内レンズ挿入器具において、前記挿入筒の径の広がりを抑制するために,前記挿入筒の外壁側又は内壁側に互いに係合する凸部と凹部が形成されることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  3. 請求項1の眼内レンズ挿入器具において、
    前記支持部は一対のループ形状の支持部であり、
    前記他方の切断面端部の内側に絞り込まれた前記一方の切断面端部が、前記眼内レンズの押出し動作において、前記支持部の回転を抑制するガイド手段となることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
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