JP3555042B2 - 変形可能な眼内レンズの挿入器具 - Google Patents

変形可能な眼内レンズの挿入器具 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、眼内に変形可能な眼内レンズを挿入するための挿入器具に係り、とくに挿入筒の先端部を改良した、変形可能な眼内レンズの挿入器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、白内障手術の際に摘出した水晶体の代わりに人工の眼内レンズを挿入することは広く行われている。1949年にリドレイ(Ridley)が最初に人の眼にポリメチルメタクリレート(PMMA)眼内レンズを挿入して以来、白内障手術後の眼内レンズ移植に伴う合併症について多くの眼科医が関心を示し、この問題について取組んで来たが、現状では、その合併症を大別すると、(a)術後炎症、(b)後嚢混濁、(c)眼内レンズの偏位、(d)術後乱視の4つになると考えられている。
【0003】
これらの合併症に対して、(a)術後炎症については薬品の使用、眼内レンズの表面処理、生体適合性の改善によって、(b)後嚢混濁についてはYAGレーザーによる治療によって、(c)眼内レンズの偏位については眼内レンズの支持部デザインによる支持性能の向上などによって、それぞれ対応が可能である。しかし、(d)術後乱視については、手術の切開創の大きさおよび手術後の切開創の縫合によって生じるものであり、術後に眼鏡なしでよりよい視力を得るという目的に対して著しい障害となる。そして、術後乱視は、術中のケラトメーターの使用、切開法や縫合法の工夫がされているものの充分に解決できず、これは切開創の大きさに比例するとされ、小さな切開創であるほど術後乱視の発生が小さいと考えられる。
【0004】
小さな切開創による手術に関しては、超音波水晶体乳化吸引装置を用い、白濁した水晶体の除去を、超音波チップにより、水晶体を破砕し、乳化、吸引して行う、超音波水晶体乳化吸引術(PEA)手術によって、約3〜4mmの切開創で水晶体の摘出を可能とし、従来の白内障嚢外摘出術(ECCE)による水晶体摘出時の切開創が約10mmであるのに比べ、小さな切開創での手術が可能になっている。
【0005】
しかし、従来の眼内レンズは、ガラスあるいは樹脂の硬い材料でつくられた光学部を有し、それらの眼内レンズを眼内に挿入するには、光学部の直径より大きな切開寸法が必要であるため、切開創が約 6.5mm以上となり、超音波水晶体乳化吸引術によって小さな切開創から水晶体を摘出しても、硬い光学部を有する眼内レンズを挿入するには切開創の寸法を大きくする必要があった。
【0006】
そこで、例えば特開昭58−146346号公報に示されているように、前述した小さな切開創から挿入可能な眼内レンズが開発され、これらの眼内レンズは、光学部と支持部とから構成し、少なくとも光学部が所定の記憶特性を有する変形可能な弾性体によって構成されている。
【0007】
また、特開昭58−146346号、特開平4−212350号、特開平5−103803号、特開平5−103808号、特開平4−368229号の各公報に示されているように、変形可能な眼内レンズの光学部を巻いたり、折曲げたり、伸ばしたり、折畳んだりして変形させることで、変形前の大きな形状から小さな形状にして、眼球に作成した小さな切開創から眼内レンズを眼内に挿入できる挿入器具が開発され、これらの挿入器具を用いることで、眼内レンズおよび眼内レンズの挿入方法の両方から約4mmの小さな切開創による手術の可能性を見出している。
【0008】
すなわち、図6に示すように、特願平5−175330号(平成5年7月15日出願)によってこの発明の出願人が提案した変形可能な眼内レンズ1があり、この眼内レンズ1は、所定の記憶特性を有する変形可能な弾性材料で形成した円形の光学部2の外周部に、光学部2と異種の可撓性材料で形成した1対の支持部3の基部3aを埋込み固着し、支持部3の線状の突出部3bを湾曲させ、2つの支持部3を対称形に配置し、光学部2の外周に基部3aの埋込み部分を補強する突起2aをそれぞれ設けたものや、図7に示すように、前記突起2aをなくした以外、図6とほぼ同様な構成にした従来公知のものがあった。また、図8に示すように、図6と同様な所定の記憶特性を有する弾性材料からなり、円形の光学部2の外周から一体に、光学部2を支える厚さが薄い板状の前,後2つの支持部4を相対向させて突出させた従来公知のものもあった。
【0009】
そして、図6,図7,図8に示すものなど、光学部2と支持部3または支持部4とからなり少なくとも光学部が所定の記憶特性を有する変形可能な眼内レンズ1を大きな形状から小さな形状に2つ折り状にするなど折畳んで変形させ、円筒状などに形成した挿入筒に通して眼球に作成した切開創から眼内レンズを眼内に入れるには、例えば特開平5−103808号公報に示された挿入器具などを用いている。
【0010】
前記特開平5−103808号公報に示された挿入器具を用いて、変形可能な眼内レンズを小さな切開創から挿入するには、挿入器具の包持部材に設けたレンズ設置部を開き、この設置部に前記眼内レンズを設置し、設置部を閉じることによって眼内レンズを変形前の大きな形状から2つ折り状に折畳んで小さな形状とし、設置部内に眼内レンズを設置する。その後、挿入器具の押出し機構の手動操作によって、押出し軸を前進させ、押出し軸の先端部によって設置部内の眼内レンズを押出し、設置部の先端側に連なる挿入筒内を通して、切開創に挿入した前記挿入筒の先端から眼内に眼内レンズを挿入させている。
【0011】
この挿入器具は、挿入筒にテーパーを設けて先細先端部を形成し、この先細先端部の下部に基部側を大きく切欠いた切欠部を形成し、あるいは先細先端部の周方向の複数箇所に長手方向に沿う切込みを形成している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した特開平5−103808号公報に示された変形可能な眼内レンズの挿入器具のうち、先細先端部に切込み部を形成したものは、押出し軸を前進させ、この軸の先端部によって眼内レンズの光学部を押し、眼内レンズが挿入筒の先細先端部を通過する際に、折畳まれて小さく変形された眼内レンズに加えられた応力が、前記先細先端部に設けられた切込み部が開くことによる拡径によって、急激に開放することなく、徐々に開放されるため、眼内レンズをゆっくりと押出せるが、所望の開放を得るためには切込み部の長さを長くする必要がある。このため、切込み部が切開創を跨いでしまい、応力の開放に伴う切込みの開きによって切開創が押拡げられて損傷する危険性があった。
【0013】
そして、切込み部は変形可能な眼内レンズに加えられた応力が100%の状態から0%の状態に連続的に開放されるため、挿入筒の先細先端部で眼内レンズが留ることなく開放されてしまい、このレンズを挿入する速度を制御することができないという問題点があった。
【0014】
また、特開平5−103808号公報に示された変形可能な眼内レンズのうち、挿入筒の先細先端部の下部に切欠部を形成したもの、および、それ以外、例えば挿入筒の先細先端部にV字状の切込み部を設けたものも、前述した切込み部を挿入筒の先細先端部に設けたものと同様な問題点があった。
【0015】
この発明は、前述した問題点を解決して、変形可能な眼内レンズを眼球に設けた切開創を損傷させずに眼内に挿入でき、また眼内レンズの眼内への挿入速度を制御して、眼内の所望の部位に小さな切開創から操作性よく挿入できる変形可能な眼内レンズの挿入器具を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、弾性材料からなる光学部および一対の支持部を一体化し少なくとも光学部が所定の記憶特性を有する変形可能な眼内レンズを2つ折り状など適宜の横断面形状に折畳むことによって変形させ小さな形状にして包持する包持部材と、この包持部材の先端側に連なる挿入筒の先端から包持部材に包持した前記眼内レンズを押出す押出し軸と、この押出し軸を前進させる押出し機構とを器具本体に設け、前記押出し軸の回動を拘束させた、変形可能な眼内レンズの挿入器具において、前記挿入筒の先細先端部に、挿入筒の最先端から基端側に軸方向に沿って延び、押出された眼内レンズの光学部を把持する前記光学部の厚さ寸法より若干短い寸法に形成した幅と、前記先細先端部が切開創内に挿入される長さ未満の長さを有するスリットを形成したものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、挿入筒の先細先端部の一側部のみに変形可能な眼内レンズの光学部の厚さ寸法より若干短い幅でスリットを形成したものである。
【0018】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、スリットの最先端部の幅を基端部より狭くしたものである。
【0019】
【作用】
請求項1の発明による眼内レンズの挿入器具は、変形可能な眼内レンズを、2つ折り状、W字状、M字状などの適宜の横断面形状、好ましくは2つ折り状に折畳み、小さな形状にして包持部材に包持させ、この状態で押出し機構を手動操作して押出し軸を前進させ、押出し軸の先端部によって前記眼内レンズを挿入筒に通して眼内に挿入する際に、折畳まれて小さく変形された変形可能な眼内レンズに加えられた応力を、先細先端部の周方向の1〜数箇所に形成したスリットの開きによって、徐々に開放されつつ保持し、前記スリットが従来の切込み部に比べて幅が広いことで、切込み部より開きやすくなる。
【0020】
そして、眼内に挿入される挿入器具の先細先端部に設けたスリットの長さを、先細先端部が眼球に形成した切開創に挿入される長さ未満にしたので、眼球に設けた切開創に跨がらないようにすることができ、応力の開放に伴うスリットの開きによって切開創に損傷を与えることを防止できる。
【0021】
また、挿入筒の先細先端部に設けたスリットは、変形可能な眼内レンズの光学部を挟込むようにして保持することで、眼内レンズが先細先端部から眼内へ急激に飛出すのを防止できると共に、眼内レンズの光学部などに加えられた応力のみを開放し、眼内レンズがスリットで把持されることで、先細先端部に留められ、その後、眼内レンズの挿入速度と押出し軸の送り速度すなわち前進速度が1:1であるため、眼内レンズの挿入速度を押出し軸の送り速度によって制御することができ、眼内レンズを眼内の所望の部位に挿入するのが操作性よくできる。
【0022】
請求項2の発明による眼内レンズの挿入器具は、挿入筒の先細先端部の一側部のみにスリットを形成したので、図4に例示されているように、応力が開放された変形可能な眼内レンズが挿入筒の先細先端部の一側前方に規制されてこの先端部から押出されることで、操作性よく眼内レンズを眼内の所望の部位に挿入できる。
【0023】
また、請求項2の発明による眼内レンズの挿入器具は、スリットの幅を眼内レンズの光学部の厚さ寸法より若干狭い寸法にしたので、前記スリットの幅が折畳まれた眼内レンズの応力によって拡がった際に、光学部を確実に把持でき、押出し軸の送り速度による眼内レンズの挿入速度の制御が容易にできる。
【0024】
請求項3の発明による眼内レンズの挿入器具は、図5に例示されているものなど、スリットの最先端部の幅を狭くしたので、挿入筒の最先端から変形可能な眼内レンズが突出するのを抑止し、挿入筒の先細先端部の一側方に、より適確に方向を規制して光学部が押出されることにより、眼内レンズを操作性よく、眼内の所望の部位に適確に挿入できる。
【0025】
【実施例】
以下、この発明の実施例につき図を参照して説明する。
図1ないし図4の各図は第1実施例による眼内レンズの挿入器具を示す。第1実施例の挿入器具は、図1に示すように、ほぼ筒状の器具本体11と、器具本体11に嵌めた押出し軸12と、器具本体11の内周面に形成しためねじ(図示省略)にねじ嵌合させたおねじ筒13がある押出し機構14と、ヒンジ部15があるレンズ設置部16の先端側に挿入筒17を突出させた包持部材18とを備え、器具本体11の先端部上面には狭幅部が先端側にある取付溝11aを器具本体11の軸方向に沿って形成してあり、押出し軸12はおねじ筒13に軸方向に拘束して回動可能に連結し、器具本体11に対し回動を拘束してある。
【0026】
前記包持部材18のレンズ設置部16は、図2に示すように、挿入筒17の末端に固定半割り筒19を一体に設けると共に、固定半割り筒19と対向する可動半割り筒20を挿入筒17の末端に近接させて開閉可能に設け、固定半割り筒19と可動半割り筒20との下縁部をヒンジ部15によって連結し、固定,可動半割り筒19,20上には固定,可動押え板21,22をそれぞれ突出させてある。
【0027】
また、可動半割り筒20、ヒンジ部15および可動押え板22によって開閉機構を構成し、開閉機構を閉じると、可動押え板22が固定押え板21に当接して、挿入筒17と同軸の筒状になるようにしてある。挿入筒17は、基端側の内径が固定,可動半割り筒が当接した筒状部の内径と等径であり、先細先端部17aを有している。
なお、前述した構成は特開平5−103808号公報に記載されたものとほぼ同構成であって、前記挿入筒17は可撓性合成樹脂材料の成形品からなっている。
【0028】
第1実施例の挿入器具は、図3,図4に示すように、挿入筒17に基端側部17cの先端に連なるテーパー状の先細先端部17aを形成し、この先細先端部17aの一側部のみに挿入筒17の内外を連通するスリット17bを形成し、スリット17bは先細先端部17aの軸方向に沿い、その最先端から基端に向かって、先細先端部17aが眼球に形成した切開創内に挿入される長さ未満の長さに余裕をもたせて形成してある。また、スリット17bの幅寸法は、図7に示す眼内レンズ1の光学部2の厚さ寸法が1mmの場合に 0.9mmにするなど、光学部2の厚さ寸法より若干小さい一定幅に形成してある。
【0029】
また、押出し軸12は小径部24を介して先端部23を横断面小判型の扁平な形状に形成し、両側円弧状部が挿入筒17の先細先端部17a以外の内周面と摺接するようにしてある。
【0030】
第1実施例の挿入器具は、図7に示した眼内レンズ1に用い、これを眼内に挿入するには、包持部材18の可動押え板22および可動半割り筒20を開き、眼内レンズの1対の支持部3を前方の一側と後方の他側にそれぞれ位置させて光学部2をヒンジ部15上方に適宜の隙間を設けて設置し、可動押え板22および可動半割り筒20を閉じて固定押え板21および固定半割り筒19に合わせ、半割り筒19,20内に光学部2を2つ折り状に折畳んで小さな形状にし、包持部材18に位置決めして保持する。
【0031】
この保持状態で、器具本体11の取付溝11aの基端側から半割り筒19,20および挿入筒17を器具本体11内に嵌め、器具本体11外に突出している押え板21,22を閉じたまま手に持って、包持部材18を器具本体11の先端側に前進させ、押え板21,22を取付溝11aの幅が狭い先端部に係合支持させて、器具本体11に装着すると共に、挿入筒17を器具本体11の先端から突出させる。
【0032】
次に、押出し機構14のおねじ筒13を回転させることで、おねじ筒13と器具本体11の内周面に形成しためねじとのねじ嵌合によって後退位置にあったおねじ筒13と共に、押出し軸12を軸回りに回動することなく前進させ、押出し軸12の先端部23によって、変形可能な眼内レンズ1の光学部2を切開創内に挿入した挿入筒17の先細先端部17aに通して眼内レンズ1を眼内に挿入する。
【0033】
この際に、挿入筒17の先細先端部17aに形成したスリット17bが徐々に開くことで、挿入筒17の基端側部17cで2つ折り状に折畳まれた光学部2の応力を先細先端部17aで徐々に開放しながら眼内レンズ1を眼内に挿入する。 そして、スリット17bの長さは4mm未満でスリット17bが徐々に開く範囲にすることが好ましく、これによって、スリット17bは切開創を跨ぐことがない。このため、眼内レンズ1に加えられた応力の開放に伴いスリット17bの開きによって切開創を押し拡げてこの切開創を損傷させることを確実に防止して、眼内レンズ1を眼内に挿入できる。
【0034】
また、スリット17bは眼内レンズ1の光学部2を、図4に示すように、挾込むように把持することによって、眼内への急激な飛出しを防止すると共に、眼内レンズ1に加えられた応力が100%の状態から0%の状態へ連続的に開放され、眼内レンズ1が挿入筒17の先細先端部17aに留ることなく挿入されることのないように、スリット17bが眼内レンズ1に加えられた応力のみを開放し、眼内レンズ1がスリット17bで把持されて、先細先端部17aに留められる。その後、眼内レンズ1の挿入速度と押出し軸12の前進による送り速度とは1:1であるため、眼内レンズ1の挿入速度は押出し軸12が前進する送り速度によって制御でき、眼内レンズ1を眼内の所望の部位に操作性よく挿入できる。
【0035】
さらに、第1実施例では、挿入筒17の先細先端部17aの一側部のみにスリット17bを形成したので、眼内レンズ1が先細先端部17aの一側前方に方向が規制されて、先細先端部17aから出ることで、操作性よく容易に眼内レンズ1を眼内に挿入できる。
【0036】
前記眼内レンズ1は、スリット17bの幅を光学部2の厚さ寸法より若干小さい寸法とし、その押出し時にスリット17bの幅が拡がると共に、これに光学部2を確実に把持でき、押出し軸の送り速度による眼内レンズ1の挿入速度の制御も確実になる。
【0037】
図5は第2実施例による挿入器具の要部を示す。第2実施例による挿入器具は、挿入筒17の先細先端部17aに形成したスリット17bの形状が第1実施例と異なる以外、これと構成、動作が同様である。
【0038】
図5に示すように、挿入筒17の先細先端部17aに形成したスリット17bの最先端部17dは、先細先端部17aの最先端部から半円状突起17eを対向させて突出させ、幅を狭くしてある点が第1実施例のスリットと形状が異なるだけである。
【0039】
第2実施例による挿入器具は、第1実施例の挿入器具の前述した作用に加えて、スリット17bの最先端部17dの幅を狭くしたので、挿入筒17の最先端から変形可能な眼内レンズ1の光学部2が留まることなく飛出すことを抑制し、挿入筒17の先細先端部17aの一側前方により正確に規制して光学部2が押出されることにより、眼内レンズ1を操作性よく眼内の所望の部位に適確に挿入できる。
【0040】
なお、第1,第2実施例では、図7に示した変形可能な眼内レンズを眼内に挿入する場合について述べたが、前記両実施例の挿入器具は図6,図8に示した眼内レンズにもほぼ同様に適用できる。
【0041】
また、この発明による眼内レンズの挿入器具は、特許請求の範囲を逸脱しない限り、挿入筒の先細先端部の円周方向の1〜数箇所にスリットを形成したり、スリットの形状を変形可能な眼内レンズの横断面形状に適応するように最先端部および基端部の幅を狭くし、これらの間が凸レンズの横断面と同様な凸弧状に形成したものなどに変更したり、さらに包持部材を器具本体に固定し、あるいはこれと一体に形成したりするなど、適宜変更できる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1の発明による眼内レンズの挿入器具は、包持部材に変形可能な眼内レンズを2つ折り状など適宜の横断面形状に折畳み、小さな形状にして包持部材に包持させ、この状態で押出し機構を手動操作して押出し軸を前進させ、押出し軸の先端部によって前記眼内レンズを挿入筒に通して眼内に挿入する際に、折畳まれて小さく変形された変形可能な眼内レンズに加えられた応力を、先細先端部の周方向の1〜数箇所に形成したスリットの開きによって、徐々に開放されつつ保持し、前記スリットが従来の切込み部に比べて押出された眼内レンズの光学部を把持する前記光学部の厚さ寸法より若干短い寸法に形成した幅としたので、切込み部より開きやすくなると共に、前記スリットの幅が折畳まれた眼内レンズの応力によって拡がった際に、光学部を確実に把持でき、押出し軸の送り速度による眼内レンズの挿入速度の制御が容易にできる。
そして、眼内に挿入される挿入器具の先細先端部に設けたスリットの長さを、先細先端部が眼球に形成した切開創に挿入される長さ未満にしたので、眼球に設けた切開創に跨がらないようにすることができ、応力の開放に伴うスリットの開きによって切開創に損傷を与えることを防止できる。
【0043】
また、挿入筒の先細先端部に設けたスリットは、変形可能な眼内レンズの光学部を挟み込むようにして保持することで、眼内レンズが先細先端部から眼内へ急激に飛出すのを防止できると共に、眼内レンズの光学部などに加えられた応力のみを開放し、眼内レンズがスリットで把持されることで、先細先端部に留められ、その後、眼内レンズの挿入速度と押出し軸の送り速度すなわち前進速度が1:1であるため、眼内レンズの挿入速度を押出し軸の送り速度によって制御することができ、眼内レンズを眼内の所望の部位に挿入するのが操作性よくできる。
【0044】
請求項2の発明による眼内レンズの挿入器具は、挿入筒の先細先端部の一側部のみにスリットを形成したので、図4に例示されているように、応力が開放された変形可能な眼内レンズが挿入筒の先細先端部の一側前方に規制されてこの先端部が出ることで、操作性よく眼内レンズを眼内の所望の部位に挿入できる。
また、請求項2の発明による眼内レンズの挿入器具は、スリットの幅を眼内レンズの光学部の厚さ寸法より若干小さい寸法にしたので、前記スリットの幅が折畳まれた眼内レンズの応力によって拡がった際に、光学部を確実に把持でき、押出し軸の送り速度による眼内レンズの挿入速度の制御が容易にできる。
【0045】
請求項3の発明による眼内レンズの挿入器具は、図5に例示されているものなど、スリットの最先端部の幅を狭くしたので、挿入筒の最先端から変形可能な眼内レンズが突出するのを抑止し、挿入筒の先細先端部の一側方に、より適確に方向を規制して光学部が出ることにより、眼内レンズを操作性よく、眼内の所望の部位に適確に挿入できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る変形可能な眼内レンズの挿入器具を示した一部切欠き斜視図
【図2】図1に示した挿入器具の包持部材の拡大斜視図
【図3】図1に示した挿入器具の挿入筒先端部の拡大斜視図
【図4】図1に示した挿入器具の動作説明用の拡大斜視図
【図5】この発明の第2実施例に係る変形可能な眼内レンズの挿入器具の挿入筒先端 部を示した拡大斜視図
【図6】変形可能な眼内レンズの一例を示した拡大平面図
【図7】変形可能な眼内レンズの他例を示した拡大平面図
【図8】変形可能な眼内レンズのさらに異なった例を示した拡大平面図
【符号の説明】
1 変形可能な眼内レンズ
2 光学部
2a 突起
3 支持部
3a 基部
3b 線状の突出部
4 支持部
11 器具本体
11a 取付溝
12 押出し軸
13 おねじ筒
14 押出し機構
15 ヒンジ部
16 レンズ設置部
17 挿入筒
17a 先細先端部
17b スリット
17c 基端側部
17d スリットの最先端部
17e 半円状突起
18 包持部材
19 固定半割り筒
20 可動半割り筒
21 固定押え板
22 可動押え板
23 押出し軸の先端部
24 小径部

Claims (3)

  1. 弾性材料からなる光学部および一対の支持部を一体化し少なくとも光学部が所定の記憶特性を有する変形可能な眼内レンズを2つ折り状など適宜の横断面形状に折畳むことによって変形させ小さな形状にして包持する包持部材と、この包持部材の先端側に連なる挿入筒の先端から包持部材に包持した前記眼内レンズを押出す押出し軸と、この押出し軸を前進させる押出し機構とを器具本体に設け、前記押出し軸の回動を拘束させた、変形可能な眼内レンズの挿入器具において、前記挿入筒の先細先端部に、挿入筒の最先端から基端側に軸方向に沿って延び、押出された眼内レンズの光学部を把持する前記光学部の厚さ寸法より若干短い寸法に形成した幅と、前記先細先端部が切開創内に挿入される長さ未満の長さを有するスリットを形成したことを特徴とする変形可能な眼内レンズの挿入器具。
  2. 挿入筒の先細先端部の一側部のみに変形可能な眼内レンズの光学部の厚さ寸法より若干短い幅でスリットを形成したことを特徴とする請求項1に記載の変形可能な眼内レンズの挿入器具。
  3. スリットの最先端部の幅を基端側より狭くしたことを特徴とする請求項2に記載の変形可能な眼内レンズの挿入器具。
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