JP5600174B2 - 浸透圧ポンプ型放出制御錠及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は浸透圧ポンプ型放出制御錠及びその製造方法に関し、薬物製剤の分野に属する。
浸透圧ポンプ型放出制御製剤は、徐放・放出制御製剤の典型的な代表として、浸透圧を薬物放出の動力とし、零次放出動力学を特徴とする製剤技術であり、現在、国内外において研究や開発が盛んに行われている。そのうち、浸透圧ポンプ型放出制御錠は、経口投与の浸透圧ポンプ型放出制御製剤の中の最も一般的な剤型である。
経口投与の浸透圧ポンプ製剤は、構造上の特徴に基づいて、モノコンパートメント(単室)浸透圧ポンプとマルチコンパートメント(多室)浸透圧ポンプとの2種類に分類される。モノコンパートメント浸透圧ポンプは一般的に水に溶けやすい薬物に用いられ、タブレットコアとコーティング膜とからなるものである。タブレットコアは薬物と浸透性の高い物質で構成され、コーティング膜は酢酸セルロース又はエチルセルロースなどの高分子材料からなる剛性の半透膜であることが多い。通常、薬物放出の通路として、半透膜に、レーザー又は他の方式(例えば、機械的力)により薬物放出の穴を一つ又は二つ以上開ける。使用の際には、タブレットコア中の浸透性の高い物質が溶けて高い浸透圧を生じ、半透膜の外部と静圧の差を形成し、その圧力差で薬物の懸濁液又は溶液が錠剤から外へ流れ出し、外部の水分が錠剤の内に流れ込み、且つ水分の入る速度と薬物の懸濁液又は溶液の流れ出す速度とが等しい。モノコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠は主に水溶性に優れた薬物に適用され、水溶性の良くない薬物に対して効果が良くなく、特に難溶性の薬物には適用されない。また、モノコンパートメント浸透圧ポンプは、その構造に制限され、薬物放出の後期で浸透圧の低下により放出速度が一定ではなくなり、普通の徐放製剤と同じになり、放出速度が低下しつづけ、ひいては残留を起こす恐れがある。モノコンパートメント浸透圧ポンプは上記の問題があるので、後にマルチコンパートメント浸透圧ポンプが開発されてきた。
マルチコンパートメント浸透圧ポンプは、少なくとも薬物含有層と押し出し層とからなり、それぞれ薬物コンパートメントと動力コンパートメントとを構成し、ダブルコンパートメント浸透圧ポンプが最も広く使用されている。薬物含有層は薬物、浸透促進剤及び懸濁化剤で構成され、押し出し層は1種又は2種以上の膨張可能な高分子材料及び浸透促進剤で構成される。使用の際には、水分は半透膜からタブレットコアに入り、薬物含有層が吸水することにより軟化する。一方、押し出し層の高分子材料が吸水することにより膨張して薬物コンパートメントに対する押圧を生じ、薬物を薬物放出の穴から放出させる。浸透圧を一定に維持すれば、水分のタブレットコアへの流入速度を一定に保持することができ、さらに高分子材料の吸水膨張の速率を一定に保持し、長く一定の浸透圧を維持し、薬物放出速度の割合を一定にすることができる。また、薬物は溶液の形態で存在するか懸濁液の形態で存在するかにかかわらず、膨張した押し出し層によって半透膜から押出される。モノコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠が難溶性の薬物を送達する際に、浸透促進剤と薬物の分離による薬物がタブレットコアに残る現象が起こるようなことはない。そこで、マルチコンパートメント浸透圧ポンプは様々な薬物に適用され、モノコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠に比べて、難溶性の薬物の送達に明らかに優れている。現在、成功裏に上場されている浸透圧ポンプ製剤はほぼダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠である。成功の実例には、ドイツのバイエル社が開発したニフェジピンのダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠(Adalat(登録商標))及び米国のAlza社のこの浸透圧ポンプ系を基礎として設計して開発されたベラパミル塩酸塩の放出制御錠が含まれる。ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ製剤の技術は現在、難溶性の薬物を浸透圧ポンプ型製剤とする最も成熟し最も工業化生産に適した方法である。ダブルコンパートメントよりも多くの浸透圧ポンプ放出制御錠、例えばトリプルコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠は、製造プロセスが非常に煩雑で、性能上もダブルコンパートメント浸透圧ポンプに比べて著しい優位性を有しないので、適用が少ない。国外で市販されている浸透圧ポンプ放出制御錠の重要製品を下記の表1に示す。
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半透膜は経口投与の浸透圧ポンプ製剤において薬物放出の制御に関して非常に重要である。それは、十分な湿潤強度(wet strength);選択的に水を透過し得るが、溶質を透過しないこと;生体適合性(biocompatible)を有するという条件を具備する必要がある。理想的な半透膜は以下の特徴を有すべきである。即ち、
1.選択的透過性を有すること:水をタブレットコアの内部に効率よく進入させつつ、タブレットコアの内部にある浸透活性物質及び薬物の半透膜からの拡散放出を効率よく防ぐことができること;
2.強度が高く、剛性が高いこと:一定の強度を有し、内部の静圧の差又はタブレットコアの膨張で膜を破断させることにより放出動作の突然の変化を防ぐ。半透膜が一定の引張強度を具備すれば、ある程度で押し出し層の膨張による押出力をなくすことにより、放出動作を突然に変化させることはない;
3.老化しないこと:半透膜が放置の過程で老化し(即ち、半透膜中の各成分の結合がますます緊密になり)、それと伴に透過性を変化させ、サンプルの放置安定性を悪くさせることがないこと;
4.レーザー孔あけの時に薬物含有層(薬物コンパートメント)と押し出し層(動力コンパートメント)を識別しやすいように、半透膜は透明又は半透明である必要がある。
最も一般的に使用されるものは酢酸セルロース(CA)である。そのほか、例えば、エチルセルロース(EC)等が浸透圧ポンプのフィルムコーティングに適用できることが文献には報告されているが、単一のエチルセルロースは水に対する浸透性が低いので、効果が悪く、従来から浸透圧ポンプ放出制御錠の生産には適用されていない(S. Rose and J.F. Nelson, Aust. J. Exp. Biol. Med. Sei.,1995, 33,415)。表1から分かるように、現在、国外で上場されている多くの浸透圧ポンプ型放出制御錠の重要製品はいずれもCAを半透膜の材料としている。
コーティング材料が異なる半透膜は水に対する浸透性が異なる。これは、膜の浸透係数kに関係しており、現在で使用されている半浸透膜の材料は酢酸セルロース(CA)であることが多く、通常、そこに可塑化剤を添加してその浸透速度を調整する。親水性の可塑化剤であるポリエチレングリコール(PEG)は薬物の放出速度を増加することができ、一方、疎水性の可塑化剤であるグリセロールトリアセテートは反対の作用を有する。
例えば、市販のProcardia XL (Adalat(登録商標)、ニフェジピン放出制御錠)の半透膜を示差走査熱量計(DSC)で測定し、単一の酢酸セルロース膜及び単一のPEGと比較すると、溶融吸熱ピークより、Adalat(登録商標)に使用されている半透膜はCAとPEG6000との組合せによって薬物の放出を制御しており、ここで、 PEGは可塑化剤及び孔形成剤の二重の作用を奏していることが見出される。
我々は次のことを見出した。即ち、現在の常用の半透膜材料(例えば酢酸セルロース /ポリエチレングリコール)で製造した浸透圧ポンプ型放出制御錠は、製造直後の一定の期間はその放出性能が良いが、一定時間保存した後はその放出性能が低下し始め、保存期間が長いほど放出性能の低下が著しく、往々にして薬品の規定の有効期間(一般的に二年ぐらい)の後期に放出性能が著しく低下し、ひいては工場出荷後の二年以降は完全に薬物を放出できない恐れがある。原因を分析すると、それは、PEGが可塑化剤と孔形成剤の二種の反対の作用を兼ねることにより、浸透圧ポンプ錠の放置安定性に隠されたトラブルが存在するためである。PEGは可塑化作用を有し、放置の過程において酢酸セルロースと結合しつづけることにより、放出の過程の中の溶解割合を低減し、そして孔あけ作用を低下させる。これにより、膜の透過性が低下し、放出が遅くなり、通俗的に言えば、つまり老化(Physical Aging)する。分子量の低いPEGは融点が低いので、熱安定性はさらに悪い。フタル酸ジエチルの可塑化剤としての使用についても同じ問題がある。老化による放出の低下を避けるために、往々にして過剰に仕込む(即ち、製造時に標識量で計算した添加量より多くの有効成分を添加する)必要があり、それによって初めて有効期間内の一定レベル以上の放出を保証することができる。
例えば、我々は研究したところ、次のことを見出した。即ち、市販のグリピジド放出制御錠をそれぞれ40℃、60℃、RH75%、RH92.5%の条件で放置して影響要因に対する考察を行った。その結果、放出度がいずれも著しく低下することを示した。膜の重量減少の実験において、前記条件で促進試験を行わなかったサンプルと比べて、それぞれの放置条件で、膜は0日目に対する重量減少がいずれも著しく低下することを見出し、膜の透過性が低下することが説明された。即ち、前記の放置条件下で、半透膜にはいずれも程度の異なる老化が見られた。
エチルセルロースは疎水性の高分子材料であり、徐放性マイクロペレットの分野で非常に広く利用されている。よく知られている徐放性マイクロペレットの粒子径は一般的に0.5-2mmである。このような小さな粒子径では一定質量の製剤製品は必ず非常に大きい薬物放出の表面積を有することになるので、水溶性薬物について、徐放製剤を作成しようとする場合には、透過性が比較的小さい膜を利用しなければならない。エチルセルロースは、その透過性が小さく、製膜性がよく、放出を調整しやすいという特徴があるので、徐放性マイクロペレットの分野で特に優勢であり、コーティングの重量増加が小さい条件で有効に薬物の放出を制御することができる。徐放性マイクロペレットにおける薬物は主に溶解拡散の形態で放出され、水溶性に優れた薬物に適しており、一般的に薬物の濃度の低下に従い放出速率が低下する。放出過程全体は一次または偽一次の速率を表現する。しかし、水溶性の比較的悪い薬物に対しては、薬物が溶解拡散の形態で放出されにくいので、エチルセルロースを膜材料として選択する場合には複雑な可溶化技術を使用しなければならず、それはプロセスの難度を高め、再現性が低下し、徐放性マイクロペレットは比較的多くの薬物放出の残留又は薬物放出の乱れを発生する。
エチルセルロースは、その浸透性が低いことから浸透圧ポンプ半透膜関係への適用が制限されるので、各種文献はいずれもエチルセルロースが浸透圧ポンプが半透膜材料として使用できることに言及するにもかかわらず、市販の浸透圧ポンプ製剤に使用されることがないだけではなく、文献においても浸透圧ポンプ製剤に使用して良好な効果を得た成功実例は見られない。
本発明者は研究したところ、上述の半透膜の老化という原因以外に、特にダブルコンパートメント又はマルチコンパートメント浸透圧ポンプ錠について、従来の浸透圧ポンプ錠の構造も常に薬物残留を招来する一つの重要な原因であることを見出した。ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠を例とすれば、一般的に従来技術におけるダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠はいずれも小さい曲率の対称形のダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠に属する。即ち、錠剤の両面は対称又はほぼ対称であり、薬物含有層及び押し出し層の外曲面(即ち、図1における上表面又は下表面)と側面とからなる挟み角θ1及びθ2は同じ又はほぼ同じであり、且つ何れも小さく(一般的に、120°未満であり)、タブレットコアの半径(図1のように、rで表す)に対するタブレットコアの薬物含有層の外曲面(或いは上表面と呼ばれる)の中央の頂点から前記上表面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離(図1でL1で表したように)の比率(L1/r)も小さい(一般的に0.27未満)(図1を参照 )。このような構造により押し出し層のプッシュ死角が招来される。即ち、薬物含有層の外曲面と側面との挟み角が小さいため、タブレットコアの周縁の薬物含有層が押し出し層に押出されにくく、順調に薬物放出孔へ向かって移行することができず、それにより、押し出し層の膨張がタブレットコアの中央へ向かって発展しやすく、錠剤の薬物含有層における中央の薬物放出孔から離れた周縁位置にある薬物が押出されにくい。その上、タブレットコアの半径に対する前記上表面の中心頂点から前記上表面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離の比率(L1/r)も小さいので、押し出し層が往々にして薬物含有層を突破して薬物放出孔から押出され、半透膜に残留された薬物含有層を放出し続けることができず、それにより多くの薬物残留が引き起こされる。
なお、薬物含有層の外曲面が一定の球面の一部に属する浸透圧ポンプ錠剤の場合には、前記の二つの要因である(1)薬物含有層の外曲面(即ち、図1における上表面)と側面とからなる挟み角θ1、及び(2)タブレットコアの半径(図1のように、rで表す)に対する薬物含有層の外曲面(即ち、図 1における上表面)の中央の頂点から前記上表面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離(図1でL1で表したように)の比率(L1/r)の変化が一致しており、即ち、挟み角θ1と比率L1/rが同様に増加又は減少する。一方、薬物含有層の外曲面が一定の球面ではなく、近似球面又は楕円面の一部に属する場合には、前記要因(1)及び(2)の影響は一致及び同等程度ではない可能性がある。言い換えると、要因(1)の挟み角θ1の値は中央薬物放出孔から離れた周縁位置にある薬物の放出に主に影響を与え、素因(2)の比率L1/rは押し出し層が薬物含有層を突破して薬物放出孔から押出されるか否かに主に影響を与える。
S. Rose and J.F. Nelson, Aust. J. Exp. Biol. Med. Sei.,1995, 33,415
出願人の前記知見によれば、浸透圧ポンプ型放出制御錠の従来技術には主に三つの欠陥がある。即ち、(1)半透膜が成分同士の結合により老化することにより、膜の透過性の低下を招来すること;及び/又は(2)薬物含有層の外曲面と側面とからなる挟み角θ1が小さ過ぎること;並びに(3)タブレットコアの半径に対する薬物含有層の外曲面の中央の頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離の比率(L1/r)が小さ過ぎることである。本発明は、従来技術における前記の一種または二種以上の欠陥を解消するためになされたものである。
第1の側面では、本発明は保存時間に制限されず常に安定な放出性能を保持することができる浸透圧ポンプ型放出制御錠を提供する。我々は半透膜材料に対して鋭意研究及び選択したところ、半透膜に、半透膜の製膜材料としてエチルセルロースとポビドンの組合を使用することにより、老化現象を解消することができ、半透膜材料としてこれらの2種の成分を使用する浸透圧ポンプ型放出制御錠は、その有効期間内で放出性能の安定を保持できることを意外にも見出した。比較研究したところ、エチルセルロースとポビドンを組合せた半透膜は、前記の理想的な半透膜のあらゆる特徴をほぼ具備することを意外にも見出した。
比較試験が示すように、同様のタブレットコアの場合には、常用の別の半透膜材料でコーティングした浸透圧ポンプ放出制御錠、例えば酢酸セルロースとポリエチレングリコールやエチルセルロースとポリエチレングリコールを半透膜コーティングとして使用したものは、いずれも程度の異なる老化現象があった。それに対し、本発明のようにエチルセルロースとポビドンとの組合を半透膜の製膜材料として使用した浸透圧ポンプ放出制御錠は、老化現像が解消され、薬物製剤の有効期間内において安定した放出性能を提供することができる。
エチルセルロースとポビドンとの併用は、一般的に徐放性マイクロペレットの製膜材料とし、いままで浸透圧ポンプ型放出制御錠の半透膜に用いられる報告はない。これは、二つの剤型の放出機構が異なり、解決しようとする技術的課題も異なるためである。徐放性マイクロペレットの薬物放出の機構は拡散原理によるものであり、徐放性マイクロペレットの粒子径がとても小さく、一つの製剤単位に数多くのマイクロペレットが存在するので、表面積が非常に大きい。また膜の放出制御は適合な薬物放出の表面積を提供することにより薬物を緩慢に放出させることを目的とする。その放出特性はHiguchi式に適合している。ここで最も重要な点は、この時の膜は半透膜ではなく、水だけではなく、薬物もそこを通って放出され得ることにある。それに対して、本発明の浸透圧ポンプ型放出制御錠は浸透圧の機構によるものであり、その目的は、如何にしてふさわしい半透膜を採用して膜内への水分の進入を制御するかである。しかし、薬物は半透膜を透過して放出されずに予め開けられた薬物放出孔から放出されなければならない。その放出動作は零次放出動力学に適合する。そのため、両者の機構は異なり、放出特性は異なり、問題を解決方法も異なる。その上、エチルセルロース自体の浸透性が低いことを考慮すると、エチルセルロースとポビドンとの組合せを浸透圧ポンプ型放出制御錠の半透膜の製膜材料として使用することで効果的に半透膜の老化現象を解消することができるという結論は、非常に予想外である。
本発明によれば、エチルセルロースとポビドンを半透膜の製膜材料として使用する場合には、半透膜の製膜材料に占めるポビドンの割合が大きいほど、膜の透過性が大きく放出が速いが、コーティングの重量増加が大きいほど、膜の拡散抵抗が大きく放出が遅い。ここで、エチルセルロースとポビドンの組合せでは、ポビドンの割合が大きくなり過ぎれば、膜の透過性が高くなり過ぎて放出が速くなりすぎる。逆に、ポビドンの割合が小さくなり過ぎれば、膜の透過性が低くなり過ぎて放出が遅くなり過ぎ、また半透膜の透過性がコーティングの重量増加の変化に従い敏感になり過ぎるためプロセスを制御しにくい。エチルセルロースとポビドンとの重量比は通常1:1〜4:1であり、両者の重量比は1.5:1〜3:1であることが好ましい。この時の膜の透過性はほとんどの薬物にとって適当である。半透膜のコーティングの重量増加では、重量増加が小さくなり過ぎれば、膜が薄くなり過ぎるので、放出の過程において膜の破断のような危険を起こしやすい。逆に、重量増加が大きくなり過ぎると、膜が厚くなりすぎるためプロセスが長く経済性に劣る。コーティングの重量増加は通常5%〜25%であり、8%〜15%であることが好ましい。エチルセルロースとポビドンとの重量比、及び半透膜のコーティングの重量増加の両者を合わせて考慮すればよい。放出が速ければ、適宜ポビドンの割合を低減しまたはコーティングの重量増加を増加してもよい。逆に、放出が遅ければ、適宜ポビドンの割合を増加しまたはコーティングの重量増加を低減してもよい。そのため、具体的な薬物について、当業者は前記教示に従い、薬物の溶解性を結合し、簡単な試験を経て、エチルセルロース/ポビドンの重量比及びコーティングの重量増加の適宜の数値を具体的に確定すればよい。
また、本発明は、タブレットコアの外にエチルセルロースとポビドンとを製膜材料とする半透膜を被覆することを含む前記のような浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造方法も提供する。ここで、前記半透膜におけるエチルセルロースとポビドンとの重量比は1:1〜4:1であり、1.5:1〜3:1であることが好ましい。
前記半透膜には、製膜材料としてのエチルセルロースとポビドンの他、必要であれば半透膜によく使用される別の補助材、例えば孔あけ剤がさらに含まれる。
また、本発明は浸透圧ポンプ型放出制御錠における半透膜を製造するためのエチルセルロースとポビドンとを含む組成物の使用も提供する。前記組成物は、エチルセルロースとポビドンの他、任意の溶媒を含有しても良い。前記溶媒は、例えばエタノール、アセトン、ジクロロメタンなどの有機溶媒または一定割合の有機溶媒−水溶液を含み、エタノール及びエタノール−水溶液が好ましい。必要であれば、性能を改善するために、半透膜によく使用される別の補助材、例えば孔形成剤を含む。前記組成物は浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造過程において通常コーティング液に調製され、コーティングの過程を経てタブレットコアの外側に被覆され、熱処理で溶媒を除去することで、半透膜の形態で浸透圧ポンプ型放出制御錠の内側に存在させる。
当業者は、浸透圧ポンプ型放出制御錠の公知の技術により本発明にかかる浸透圧ポンプ型放出制御錠における別の補助材を選択し、且つ浸透圧ポンプ型放出制御錠の公知の技術により具体的な操作、例えば混合、造粒、打錠、コーティングなどを行うことができる。
本発明に係るエチルセルロースとポビドンとを半透膜の製膜材料とすることは、モノコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠だけでなく、特にダブルコンパートメント又はマルチコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠にも適用される。モノコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠では、任意の面に薬物放出孔を一つ或いは二つ以上開けてもよい。ダブルコンパートメント又はマルチコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠では、一般的に薬物含有層が存在する面に薬物放出孔を一つ或いは二つ以上開けるが、通常薬物放出孔を一つ開ける。
本発明に係るエチルセルロースとポビドンとの組合せを利用して作成した半透膜を浸透圧ポンプ型放出制御錠に用いると、浸透圧ポンプ放出制御錠の零次薬物放出という典型的な特徴を具備させるとともに、貯蔵安定性では半透膜の老化が回避される。長期保存しても放出速度は依然としてほぼ一定に維持され、極端な条件下でも(温度が40℃や60℃、湿度がRH75%や92.5%)その放出特性が依然として安定して保持される。薬品の有効期間内で放出度がほぼ安定しているので、製剤の製造時に過剰に仕込む必要はない。
第2の側面では、本発明は新規の二層または多層の浸透圧ポンプ放出制御錠を提供する。本発明者は従来の浸透圧ポンプ錠の構造が薬物残留を起こす欠陥についての前記の知見に基づいて、本発明者は以下の改善を行った。
まず、流体力学の原理に基づき、タブレットコアにおける薬物含有層の外曲面の曲率を増大することができる。具体的に、薬物含有層及び押し出し層の両側の外曲面の曲率(対称型二層錠について)を増大しても良く、又は薬物含有層の側の外曲面の曲率(非対称型二層錠について)のみを増大しても良い。薬物含有層の外曲面の曲率を増大させ、即ち薬物含有層の外表面(即ち図1における上表面)と側面との挟み角θ1(図1を参照)を顕著に増大させることで、「漏斗効果」を形成して、タブレットコアの周縁の薬物含有層は押し出し層からの押圧を受けやすくさせ、薬物含有層の面の半透膜の突出に沿って漏斗の前方(薬物放出孔)へ移動させるとともに、薬物含有層の側が曲率の大きい突起が薬物含有層の中心部を厚くさせ、押し出し層が薬物含有層を突破して直接薬物放出孔から押出されるのを防止することの助けとなる(例えば図2)。我々は研究したところ、以下のことを見出した。即ち、同じ放出条件下では、挟み角θ1が110°である錠剤の薬物放出速率は、挟み角θ1が150°である錠剤より顕著に小さく、且つ前者の最後の累積薬物放出量も顕著に少なく(<90%)、比較的多くの残留(10%より大きい)が起こる。挟み角θ1の増大に従い、薬物放出の残留量が低下し続け、120°から残留が10%未満になり始め、130°から最終的な累積薬物放出量が95%超え、挟み角θ1を約150°に増大させた場合には残留が3.1%であり、挟み角を180°に増大させればその放出速率の変化はかなり小さく、薬物放出が既に完全に近くなり、残留量が一定に近くなる。挟み角が大き過ぎると作成したタブレットコアの離型が困難になる恐れがあることを考慮すると、θ1が130°〜170°であることが好ましく、約150°であることが最も好ましい。
図1のように、タブレットコアの水平横断面は通常円形であるが、楕円形又は他の形状、例えば正多角形であってもよく、円形又は楕円形が好ましい。水平横断面が円形である場合には、本発明に言う挟み角θ1はタブレットコアの薬物含有層の外曲面の側面とのある交点における接線と側面とからなる挟み角である。水平横断面が楕円形である場合には、挟み角θ1とは薬物含有層の外曲面の楕円長軸が存在する縦断面での接線と側面とからなる挟み角である。水平横断面が正多角形である場合には、挟み角θ1とは薬物含有層の外曲面の正多角形頂点での接線と側面とからなる挟み角である。水平横断面が他の形状である場合には、挟み角θ1とは薬物含有層の外曲面の、タブレットコアの重心及びこの重心から最も遠い頂点を通る縦断面での接線と側面とからなる挟み角である。なお、前記のθ1に対する定義は勿論θ2(即ち、押し出し層の外曲面と側面とからなる挟み角、図1を参照)に対する定義にも適用される。
また、我々はタブレットコア半径(r)に対する薬物含有層の外曲面の中心頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離(L1)の比率(以下、比率L1/rと称する)も薬物放出の残留量に対して大きく影響を与えることを見出した。この比率の増大に従い、薬物含有層の中心厚さが増加し、効果よく押し出し層の衝撃を食い止め、距離が増加するとともに押し出し層の膨張の空間が増大し、半透膜に作用する押し出し層からの膨張力を低減させ、半透膜の膨張による破裂の可能性を低下させ、よって薬物のバースト放出や放出むらが回避される。また、この比率の増大に従い、一般的に薬物含有層の外曲面と側面との挟み角θ1をそのまま増大させ、「漏斗効果」を形成するためにより有利であり、その利点は上記のとおりである。本発明に記載の比率L1/rは0.27〜1.0であり、好ましくは0.36〜0.84であり、より好ましくは約0.58である。前記のタブレットコアの半径rについて、薬物含有層の水平横断面が円形である場合には、rとは円形の半径である;薬物含有層の水平横断面が楕円形である場合には、rとは楕円の長い半軸の長さである;薬物含有層の水平横断面が正多角形である場合には、rとは正多角形の頂点から対称中心までの距離である;薬物含有層の水平横断面がその他の形状、例えば多角形である場合には、rとは前記多角形の重心とこの重心から最も遠い頂点との距離である。
また、我々は薬物含有層の外曲面(図1のように、即ち上表面)及び押し出し層の外曲面(図1のように、即ち下表面)が異なる曲率(即ち、非対称型方案)を取れば、生産過程に最大の利便を付与できることを見出した。研究の結果、前記非対称案は、上表面の曲率と下表面の曲率が同じである対称型方案に比べて、薬物含有層の外曲面と側面との挟み角θ1が同じである場合に、薬物の放出抵抗が比較的接近し、その薬物放出速率にほぼ相当する。対称型の場合には、従来技術の中の対称型二層浸透圧ポンプ錠剤と同様に、製造工程において薬物含有層と押し出し層とを異なる色で区別し、且つ図像の識別可能なレーザー孔あけ機を配置して識別を行い、薬物含有層に正確に孔あけする必要がある。薬物含有層及び押し出し層の両側で孔あけすれば、押し出し層が膨張した後に押し出し層の側の孔から押出されるので、押し出し層の推力及び薬物放出速率に影響を与え、レーザー孔あけの段階のコストは従来の対称型ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠と同じように高い。両側の曲率の大きい対称型浸透圧ポンプについて、その外形を球形に近づけると極めて転がりやすく、孔あけ機のコンベヤーベルトの上で輸送される際に揺れやすいので、孔あけの難しさが増加される。一方、非対称型ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ錠は、両側の曲率の差が大きいことにより、外形で薬物含有層と押し出し層とを区別でき、振動過程において薬物含有層が自動的に上に向き、図像識別系を必要としないので、レーザー孔あけのプロセスのコストを大きく低下させるとともに、放出の効果も対称型の大きい曲率の二層錠と一致し、且つコンベヤーベルトで輸送される際に安定して放置できるので、レーザー孔あけの時に孔を中央に開けやすく、薬品の穏やかな放出により有利である。そのため、そのような非対称曲率の案は特に利点がある。
また、本発明に係る曲率の大きい薬物含有層を有する浸透圧ポンプ錠は、従来の曲率の小さい浸透圧ポンプ錠と比べてより容易に放出薬物を推進し、押し出し層の推進力及び薬物含有層の変形性に対する要求が大きく低下する。従来の浸透圧ポンプ錠はいずれも膨張性が高い高分子量のポリオキシエチレン(分子量が通常に500万より大きい)を推進材料として使用し、薬物含有層に低分子量のポリオキシエチレン(分子量が20万)を使用することにより、薬物含有層の変形性を増加させ、薬物放出孔から押出されやすい。ポリオキシエチレンは、値段が高く、安定性が悪く、貯蔵条件が厳しく、例えば貯蔵温度が-18℃であってもその有効期が1.5年を超えないことがよく知られている。このような厳しい貯蔵条件は製剤化した後に室温条件で保存する際の安定性が問題になる。室温条件では高分子量のポリオキシエチレンの分子鎖が破断しつづけ、低分子量のポリオキシエチレンになり、それにつれて膨張能力が低下し、推進能力も低下し、さらに薬物がより多量に残留してしまう。これは、浸透圧ポンプ放出制御錠がまだ広く使用されていない一つの原因である。また、ポリオキシエチレンを実際に使用する過程において、その優れた変形性により、粒子をタブレットコアにプレスする時に往々にして除去されにくい縦辺が生じることが多い。これは、パンチヘッドとパンチダイとの間に微小間隙が存在することにより、その優れた変形性に起因してポリオキシエチレンがプレスする過程で間隙に入って縦辺を形成するためである。ポリオキシエチレンの靱性が強いので、通常のスクリーニングマシンではそれを除去することができない。そこで後続のコーティング過程において半透膜が連続せず、強度が低下するという現象が起こり、基準を満たすサンプルを製造できない。そのため、ポリオキシエチレンを使用して浸透圧ポンプ放出制御錠を製造すると、打錠機の精度についての要求が非常に高く、生産コストが増加してしまう。一方、本発明の前記の曲率特徴を有する浸透圧ポンプ放出制御錠を使用すれば、ポリオキシエチレンを使用して推進力及び変形性を増加する必要がないので、前記のような縦辺の形成や半透膜の不連続や強度の低下などの問題が回避されるだけではなく、生産コストも大きく低下させることができる。
以上のように、前記の曲率特徴を有する浸透圧ポンプ放出制御錠は、従来技術における浸透圧ポンプ放出制御錠と比べて、下記のような顕著な優勢を具備する。即ち、薬物の残留が少ないこと;押し出し層の推進力及び薬物含有層の変形性についての要求が大幅に低下することにより、安定性がより良く値段がより安い補助材を使用できること;打錠機の精度についての要求が低いことなどである。
以下の図面を参照すれば、より容易に本発明を理解できる。当業者は、以下の図面が例示として説明するだけの目的であることを理解すべきである。これらの図面は如何なる方式においても本発明の範囲を制限する趣旨ではない。
本発明に係る二層浸透圧ポンプ錠の透視構造模式図である。ここで、薬物含有層の外曲面(即ち上表面)と側面との挟み角はθ1 であり、押し出し層の外曲面(即ち下表面)と側面との挟み角はθ2であり、薬物含有層の外曲面の中心頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成する平面までの垂直距離はL1であり、押し出し層の外曲面の中心頂点から前記押し出し層の外曲面と側面との交差線で形成する平面までの垂直距離はL2である。図の中で、θ1=θ2の場合に、対称型二層錠であり、θ1>θ2の場合に、非対称型二層錠であり、従来技術において通常θ1<120°である。 本発明に係る非対称型二層浸透圧ポンプ錠の縦破断構造の模式図である。ここで、θ1、θ2、L及びRの定義は上記のとおりである。
以下、いくつかの具体的な実施形態及び実施例により本発明を詳しく説明する。これらの実施例及び実施形態は本発明の保護範囲を制限するものではないことを理解すべきである。当業者が前記の本発明に関する教示に基づき、本分野の公知の技術や常用手段を結合して本発明を実施する如何なる改善及び調整も、いずれも本発明の保護範囲に属する。
本発明は、まず、薬物放出の安定性に優れ、放出残留量が小さく、生産コストが低いという利点を一種又は二種以上有する新型の浸透圧ポンプ放出制御製剤を提供する。
本発明の一の実施形態では、半透膜の製膜材料としてエチルセルロースとポビドンを使用する浸透圧ポンプ型放出制御錠を提供する。別の実施形態では、前記の製膜材料としてのエチルセルロースとポビドンとの重量比は1 :1〜4:1であり、好ましくは1.5:1〜3:1である。
本発明に係る新型の浸透圧ポンプ放出制御錠はタブレットコアとタブレットコアの外を被覆する半透膜とを含む。タブレットコアは薬物活性成分、および任意の浸透促進剤、充填剤、推進剤、可溶化剤、滑剤、粘着剤等から構成されている。半透膜は、エチルセルロース及びポビドンの他、他の高分子材料、可塑剤及び孔あけ剤等を含有しても良い。半透膜に薬物放出小孔が形成されており、薬物は小孔から放出される。
前記浸透促進剤は、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、グルコース、乳糖、フルクトース、塩化ナトリウム、 塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム又は硫酸ナトリウムからなる群より選ばれる一種または二種以上である。前記充填剤は、マンニトール、 乳糖、微結晶セルロース、ショ糖、塩化ナトリウム、澱粉、セルロース、デキストリン、プレゲル化澱粉、リン酸水素カルシウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、メチルセルロース、又はエチルセルロースからなる群より選ばれる一種または二種以上である。前記推進剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、カルボマー、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム等の医薬的に許容される膨張材料からなる群より選ばれる一種または二種以上である。前記可溶化剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ポビドン、ポリエチレングリコールステアリン酸エステル(ヒドロキシ基価:15)、ツイーン80、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油又はレシチンの中の一種または二種以上を含む。前記滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、グリセリンモノステアリン酸エステル、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ショ糖モノラウリル酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ドデシル硫酸マグネシウム又はタルク粉末からなる群より選ばれる一種または二種以上である。前記粘着剤として、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、メチルセルロース、エチルセルロース又はポビドンからなる群より選ばれる一種または二種以上である。前記湿潤剤としては、水、無水エタノール、各濃度のエタノール−水溶液が挙げられる。前記可塑剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸エステル類またはポリエチレングリコールからなる群より選ばれる一種または二種以上である。前記孔あけ剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ショ糖、マンニトール、乳糖又は塩化ナトリウムからなる群より選ばれる一種または二種以上である。
本発明の製剤で使用できる薬物活性成分は制限されない。例えば心血管系薬物として、ニフェジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニモジピン、プラゾシン塩酸塩、メシル酸ドキサゾシン、ジルチアゼム塩酸塩、ロバスタチン、メトプロロール等が挙げられ、糖尿病治療薬物として、グリピジド等が挙げられ、抗アレルギー系薬物として、プソイドエフェドリン塩酸塩等が挙げられ、抗喘息系薬物として、サルブタモール等が挙げられ、ならびに他の臨床で徐放・放出制御製剤の製造に好適な薬物が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、前記半透膜はコーティングプロセスにより形成され、コーティング後のタブレットコアはコーティング前に対して5%〜25%の重量が増加し、コーティングの重量増加は8%〜15%であることが好ましい。
本発明の別の実施形態では、前記タブレットコアは薬物含有層及び押し出し層を含み、ここで、
(1)前記薬物含有層の外曲面と側面とからなる挟み角θ1は120°〜180°であり、及び/又は
(2)タブレットコアの半径rに対する前記薬物含有層の外曲面の中心の頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離L1の比率L1/rは0.27〜1.0である。
本発明の別の実施形態では、前記薬物含有層の外曲面と側面とからなる挟み角θ1は130°〜170°であり、及び/又は前記比率L1/rは 0.36〜0.84である。
本発明のより好ましい一つの実施形態では、前記薬物含有層の外曲面と側面とからなる挟み角θ1は150°であり、及び/又はタブレットコアの半径rに対する前記薬物含有層の外曲面の中心の頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離L1の比率L1/rは0.58である。
本発明の別の実施形態では、前記薬物含有層の外曲面と側面とからなる挟み角θ1は120°〜180°であり、及び/又はタブレットコアの半径rに対する前記薬物含有層の外曲面の中心の頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離L1の比率L1/rが0.27〜1.0であるとともに、前記押し出し層の外曲面と側面とからなる挟み角θ2が95°〜120°であり、及び/又はタブレットコアの半径rに対する前記押し出し層の外曲面の中心の頂点から前記押し出し層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離L2の比率L2/rが0.04〜0.27である。即ち、この場合に非対称型二層浸透圧ポンプ放出制御錠が形成される。
本発明の別の具体的な実施形態では、前記薬物含有層の外曲面と側面とからなる挟み角θ1は約150°であり、タブレットコアの半径rに対する前記薬物含有層の外曲面の中心の頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離L1の比率L1/rは約0.58であり、且つ、前記押し出し層の外曲面と側面とからなる挟み角θ2が90°〜120°であり、タブレットコアの半径rに対する前記押し出し層の外曲面の中心の頂点から前記押し出し層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離L2の比率L2/rは0.04〜0.27である。
本発明の二層浸透圧ポンプ型放出制御錠について、タブレットコアは薬物含有層と押し出し層とからなり、前記押し出し層は推進剤、充填剤及び任意の他の補助材を含有する。
それに応じて、また、本発明は本発明に記載の浸透圧ポンプ型放出制御製剤の製造方法を提供する。前記方法は前記放出制御錠のタブレットコアの外にエチルセルロースとポビドンとを製膜材料とする半透膜を被覆することを含む。その中の一の実施形態では、前記エチルセルロースとポビドンとの重量比は1:1〜4:1である。別の実施形態では、前記エチルセルロースとポビドンとの重量比は1.5:1〜3:1である。他の実施形態では、前記半透膜はコーティングプロセスにより形成される。コーティングしたタブレットコアの重量増加は5%〜25%であり、コーティングの重量増加が 8%〜15%であることが好ましい。
前記製造方法の別の実施形態は、前記製造方法は薬物含有層をプレスする際に大きい曲率の表面を有するパンチヘッドを使用することを含む。前記製造方法の他の実施形態は、薬物含有層をプレスする際に相対的に曲率の大きい表面を有するパンチヘッドを使用し、押し出し層をプレスする際に相対的に曲率の小さい表面を有するパンチヘッドを使用することを含む。
本願における前記の「曲率の大きい表面」及び「曲率の小さい表面」は相対的なものであり、当業者はその意味を理解すべきである。その上、実際の情況に応じて選択及び判断を行うことができる。例えば、本発明の場合には、前記「曲率の大きい表面」とは、薬物含有層(又は押し出し層)の外曲面と側面とからなる挟み角θ1(又はθ2)が120°以上であり、例えば130°〜170°又は150°であることを意味する。同様に、前記「曲率の小さい表面」とは、押し出し層(又は薬物含有層)の外曲面と側面とからなる挟み角θ2(又はθ1)が120°以下であり、例えば95°〜120°であることを意味する。
本発明の製造方法において、半透膜のコーティングのステップの後、コーティングした錠剤をオーブンに置いて12時間以上加熱乾燥処理し、次にコーティングした錠剤にレーザーにて薬物含有層の側に径が0.1〜1.5mm(好ましくは0.3mm〜0.8mm)の薬物放出小孔を一つ或いは二つ以上形成することにより得られる。
本発明の非対称型ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ製剤を製造する一つの具体的な実施形態において、二層打錠機の中の上部パンチを大きい曲率のパンチヘッドに変更し、下部パンチを小さい曲率のパンチヘッドに変更する。これにより、パンチダイの中からタブレットコアを押出す角度が減少され、タブレットコアが押出されやすいという利点を有する。
また、本発明の他の実施形態では、本発明は浸透圧ポンプ型放出制御錠の半透膜を製造するためのエチルセルロース及びポビドンを含有する組成物の使用を提供する。
以下の実施例において、実施例1〜3は薬物放出に対する半透膜の膜成分の作用についての研究である。実施例4〜5は薬物放出に対する本発明のθ角及びL/r値の作用についての研究である。
具体的に、実施例1A-1Dはフェロジピンを例とし、本発明のエチルセルロースとポビドンとの組合から得られる半透膜の浸透圧ポンプ放出制御錠と、従来技術の浸透圧ポンプ放出制御錠とを比較して研究したものである。実施例2A-2Bは硫酸サルブタモールを例とし、本発明のエチルセルロースとポビドンとの組合せから得られる半透膜の浸透圧ポンプ放出制御錠と、従来技術の浸透圧ポンプ放出制御錠とを比較して研究したものである。実施例3A-3Cはグリピジドを例とし、従来技術の半透膜の老化現象と安定性の問題、及び本発明の膜材料の比較性能をそれぞれ研究したものである。実施例4はニフェジピンを例とし、従来技術及び本発明のダブルコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠の異なるθ1角度及びL1/rでの放出度を比較して研究したものである。実施例5は本発明における対称型及び非対称型ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠の放出状態を比較したものである。
実施例 1 フェロジピン浸透圧ポンプ放出制御錠の比較研究
実施例 1A: 市販のフェロジピン放出制御錠
製造者:合肥立方制薬有限公司
バッチ番号: 070503
規格: 5mg
該市販のフェロジピン放出制御錠の製造日は2007年5月である。
放出度の検出:フェロジピン徐放錠の米国薬局方USP30の基準に基づき放出度を測定した。現在の放出度(工場出荷後の二ヶ月)及び自然条件で6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月(何れも工場出荷日から計する)放置した後の放出度をそれぞれ測定した。結果を下記の表に示す。
Figure 0005600174
実験結果のように、市販のフェロジピン放出制御錠の放出度は初期では良好であり、6ヶ月放置した後一定の低下が認められ、時間の経過につれて膜の老化が厳しくなり、放出の低下がより顕著になり、12ヶ月後は不合格になった。
実施例1B: 酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)とを製膜材料とするフェロジピン放出制御錠
1.処方
1.1タブレットコアの処方(1000錠の量)を表3に示す
Figure 0005600174
1.2コーティング液の処方:表4に示す。
Figure 0005600174
2.製造プロセス
2.1タブレットコアの製造プロセス:
タブレットコアは二層錠であり、一つの層は薬物含有層であり、もう一つの層は押し出し層である。
製造プロセスは下記のとおりである。
薬物含有層:
(1)フェロジピンを100メッシュの篩にかけ、ドデシル硫酸ナトリウムを粉砕して100メッシュの篩にかけ、塩化ナトリウムを粉砕して80メッシュの篩にかけた。
(2)配合量のフェロジピン、塩化ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムを量り、ウエッド造粒機に置いて均一に混合した。
(3)0.2%没食子酸n−プロピル10%PVP k30の95%エタノール溶液で軟材を作成した。
(4)24メッシュの篩にかけて造粒し、40℃で乾燥し、24メッシュの篩にかけて整粒した。
(5)配合量のステアリン酸マグネシウムを加入して均一に混合した。
それにより薬物含有層の顆粒を得た。
押し出し層:
(1)塩化ナトリウムを粉砕して80メッシュの篩にかけた。
(2)配合量のカルボキシメチルセルロースK4M、微結晶セルロース、塩化ナトリウム、紅柄を量り、ウエッド造粒機に置いて均一に混合した。
(3)8%PVP k30の70%エタノール溶液で軟材を作成した。
(4)24メッシュの篩にかけて造粒し、40℃で乾燥し、24メッシュの篩にかけて整粒した。
(5)配合量のステアリン酸マグネシウムを加入して均一に混合した。
それにより押し出し層の顆粒を得た。
二つの部分の顆粒を8mmの円パンチで二層錠にプレスした。
2.2. 半透膜の製造プロセス
配合量の酢酸セルロースを量り、配合量のエタノールを加入して溶解させた。配合量のポリエチレングリコール-6000を配合量のエタノール及び水に加入して撹拌して完全に溶解させた。そして両溶液を混合して均一に撹拌することにより得た。
2.3.コーティング(半透膜):タブレットコアを多機能コーティング機に置いてコーティングした。スプレー速度は3〜5ml/minであり、コーティングの重量増加は12〜13%であった。
2.4. 熱処理:40℃、60℃で16時間、24時間、48時間熱処理した。
2.5.レーザー孔あけ:レーザー孔あけ機で錠剤を薬物含有層の側から孔あけし、孔径が0.3〜0.7mmである。
3.放出度の検出:方法は実施例1Aと同じである。
3.1異なる条件で熱処理した放出結果を下記の表5に示す。
Figure 0005600174
前記結果のように、酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)を製膜材料として使用するフェロジピン放出制御錠は、熱処理温度の上昇、熱処理の時間の増加に従い、膜が急激にの老化し、放出が低下しつづけた。
3.2 長期保存後の放出度の検出:
熱処理条件が40℃-16hのサンプルを取り、その放出度(0ヶ月)及び自然条件で6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月放置の放出度をそれぞれ測定し、その結果を下記の表6に示す。
Figure 0005600174
実験の結果のように、最も常用の酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)を製膜材料として使用したフェロジピン放出制御錠の放出度は、初期では良好であるが、6ヶ月放置した後は一定の低下が認められ、時間が経過するにつれて、膜の老化が厳して放出の低下がより顕著になり、24ヶ月では既に不合格になった。
4.膜の重量減少の実験
実験の方法:タブレットコアの半透膜をタブレットコアから剥離し、その上に残留しているタブレットコアの粉末を除去し、重さを量った。そして蒸留水500ml入りの溶出カップに入れて、中国薬局方2005版付録における溶出度測定第一法(回転バスケット法)に基づき、37℃、50rpmで、1時間及び2時間でそれぞれサンプリングし、50℃で乾燥し、室温までに静置し、重さを量った。重量減少率を計算した。
計算式:膜の重量減少率(%)=WT/W0×100 %
WT: 異なるサンプリング時間の乾燥膜重量。W0: 膜の初期重量。結果を下記表7に示す。
Figure 0005600174
膜の重量減少の実験結果のように、放置時間が増加するに従い、PEGと酢酸セルロースの結合率が増加しつづけ、溶解可能なPEG部が徐々に低下し、膜の透過性が徐々に低下、放出速率が徐々に低下した。これは、酢酸セルロース-PEGの半透膜が常に膜の老化を伴うことを示している。
実施例1C エチルセルロースとポビドンとを半透膜の製膜材料とするフェロジピン放出制御錠
1.処方
1. 1タブレットコアの処方(1000錠量):表 8に示す
Figure 0005600174
1.2コーティング液の処方の成分:表 9に示す
Figure 0005600174
2.製造プロセス
2.1タブレットコアの製造プロセス:実施例1Bと同じ。
2.2. 半透膜の製造プロセス
配合量のエチルセルロースN-100、PVP k30を量り、配合量のエタノールに添加して撹拌し、完全に溶解させることにより得た。
2.3.コーティング(半透膜):タブレットコアを多機能コーティング機に置いてコーティングし、スプレー速度3〜5ml/minで、コーティング処方1は重量増加16-17%までのコーティングし、コーティング処方2は重量増加14-15%までのコーティングし、コーティング処方3は重量増加は11-12%までコーティングした。
2.4. 熱処理:40℃、60℃で16時間、24時間、48時間熱処理した。
2.5.レーザー孔あけ:レーザー孔あけ機にて錠剤を薬物含有層の側から孔あけした。孔径は0.3-0.7mmであった。
3.放出度の検出:方法は実施例1Aと同じ。
3.1異なる条件で熱処理した後の放出結果、及び市販のフェロジピン徐放錠(アストラゼネカ社製、商品名:PLENDIL(登録商標)、バッチ番号: 0706023)と比較した結果を下記表 10に示す。
Figure 0005600174
上記表から見出されるように、異なる条件で熱処理した後のフェロジピン浸透圧ポンプ放出制御錠同士は顕著な相違がなく、且つ熱処理しない放出制御錠の放出結果に相当する。また、処方2、3の生体外の放出結果はPLENDIL(登録商標)と非常に接近している。
3.2コーティング処方3の放出度(0ヶ月)及び自然条件で6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月放置した後の放出度をそれぞれ測定した。結果を下記表11に示す。
Figure 0005600174
室温で長期保存したサンプルの比較結果からわかるように、自製のフェロジピン放出制御錠は放置過程で十分に安定しており、アストラゼネカ社製のフェロジピン徐放錠(PLENDIL(登録商標))の生体外の放出結果に相当する。本発明に記載のフェロジピンは浸透圧ポンプ放出制御製剤であり、放出制御錠がタブレットコアへの水分の進入→溶解・浸透促進→高分子材料を膨張させ推進力を発生、の相対的に長い過程を経る必要があるので、その2時間の放出が徐放錠の表面薬物放出による初期放出ほど速くはない。しかし、フェロジピンのような、半減期が10時間を超える薬物について、2時間の放出の差異が10%であることは、薬物の薬物濃度−時間曲線全体、及び薬物の効果に顕著な差異を生ずる。逆に浸透圧ポンプ放出制御製剤を使用すれば、その放出は胃腸の蠕動運動などの体内環境に影響されないとともに、生体内と生体外の相関性はより優れる。
4.膜の重量減少の実験
実験方法:タブレットコアの半透膜をタブレットコアから剥離し、その上に残留したタブレットコアの粉末を除去し、重さを量った。そして蒸留水500ml入りの溶出カップに放入し、中国薬局方2005版付録における溶出度測定第一法(回転バスケット法)に基づき、37℃、50rpmで1時間及び2時間時にサンプリングし、50℃で乾燥し、室温まで静置し、重さを量った。重量減少率を計算した。
計算式:膜の重量減少率(%)=WT/W0×100%
ここで、WT:異なるサンプリング時間での乾燥膜重量。W0:膜の初期重量。結果を下記表12に示す。
Figure 0005600174
膜の重量減少の実験が示すように、放置時間の増加に従って、エチルセルロースとポビドンとを使用して作成した半透膜の重量減少はほとんど一定に保持されていたので、膜の安定性及び透過性はほとんど一定に保持されることが説明される。
実施例1D エチルセルロースとポリエチレングリコール-4000を半透膜の製膜材料としたフェロジピン放出制御錠
1.タブレットコアの処方:下記表13に示す。
Figure 0005600174
2.コーティング液の処方の成分:下記表14に示す。
Figure 0005600174
3.処方の組合せ、操作条件及びテスト結果
本実施例の具体的な操作や検出方法は実施例1Bを参照して実施した。
4.異なる条件で熱処理した後の放出度の検出方法は実施例1Aと同じであった。結果を下記表15に示す。
Figure 0005600174
放出結果が示すように、エチルセルロースとポリエチレングリコール-4000とを半透膜の製膜材料とするフェロジピン放出制御錠は、その放出結果は放置時間の増加に従って低下している。これは、エチルセルロースとポリエチレングリコール-4000との組合せが半透膜の老化の問題を解消できていないことを説明している。
実施例2 硫酸サルブタモール浸透圧ポンプ放出制御錠の比較研究
実施例2A 酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)とを製膜材料とした硫酸サルブタモール放出制御錠
一.処方:
1.タブレットコアの処方:1000錠量、表16に示す。
Figure 0005600174
2. 放出制御コーティングの処方:表17に示す。
Figure 0005600174
3.コーティング液の処方: 表18に示す
Figure 0005600174
二.製造工程の詳細
1. タブレットコアの製造工程:
(1)硫酸サルブタモールを100メッシュの篩で篩いかけ;
(2)配合量の硫酸サルブタモール、乳糖、澱粉及びマンニトールを量り、均一に混合;
(3)6%PVP k30の80%エタノール溶液を使用して軟材を作成。;
(4)24メッシュの篩にかけて造粒、40℃で乾燥、24メッシュの篩にかけて整粒;
(5)理論的な錠重の計算;
(6)Φ =9mmの浅い凹パンチで打錠してタブレットコアを獲得。
2.半透膜のコーティング液の製造工程:
配合量の酢酸セルロース及びPEG4000を量り、アセトン/水の溶液に分散させ、撹拌して完全に溶解させることにより得た。
半透膜のコーティングの重量増加:9.0〜10.5 %
熱処理:60℃で16時間熱処理。
レーザー孔あけ:得られた錠剤の一方の側にレーザー孔あけ機で孔あけした。孔径は0.3〜0.7mmであった。
3.薄膜コーティング液の製造工程:
配合量の薄膜コーティング粉末を量り、水を加えて撹拌して溶解することにより得た。
薄膜コーティングの被覆:孔あけした錠剤を取り、の重量増加4.0〜5.0 %までコーティングした。
三.放出度の検出検査
中華人民共和国輸入薬品標準X20000429に基づいて検出した。具体的な放出検出方法は下記のとおりである。
本製品を取って放出度測定法(中国薬局方1995年版二部付録XD第一法)に基づき、溶出度の第三法の装置を使用し、水 200mlを溶媒とし、回転速度を50転/分とし、常法で操作し、3時間、6時間及び8時間後にそれぞれ3mlサンプリングしてろ過するとともに、同じ体積の水を添加した。継続的にろ液を取って含有量測定部のクロマトグラフィ条件に従ってそれぞれ測定し、一錠あたりの異なる時間での溶出量を計算した。本製品の一錠あたりの3時間、6時間及び8時間後の溶出量はそれぞれ標識量の25-50%、45-85%及び80%以上であり、基準に合致するはずである。結果を下記表19に示す。
Figure 0005600174
実験結果が示すように、最も常用の酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG )とを製膜材料とする硫酸サルブタモール放出制御錠の放出度は、初期で良好であり、6ヶ月放置した後は一定の低下が認められ、時間が経過するにつれ膜の老化が酷くなり、放出の低下がより顕著になり、12ヶ月時には既に不合格であった。
実施例2B エチルセルロースとポビドンとを半透膜の製膜材料とするサルブタモール放出制御錠
一.処方
1.タブレットコアの処方:実施例2Aと同じ。
2.放出制御コーティング膜の処方:下記表20に示す。
Figure 0005600174
3.薄膜コーティング液の処方:実施例2Aと同じ。
二.製造プロセス
実施例2Aと同じであり、半透膜のコーティング液の製造プロセスのみ異なる。具体的には以下の如くである:
配合量のエチルセルロースN-100とPVP k30を量って無水エタノール/水の溶液に分散させ、完全に溶解するまでに撹拌した。
コーティングの重量増加と熱処理の条件を下記表21に示す。
三.放出度の検出方法
実施例2Aと同じである。結果を下記表に示す。
Figure 0005600174
上記表から見出せるように、エチルセルロースとポビドンとから組成された半透膜はモノコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠においても同様に良好な熱安定性を表し、膜の透過性に対する調整が適当な範囲内であることから、コーティングする際に、コーティングの重量増加に対するの要求が低下され、生産可能性が高い。例えば、コーティング処方5では、コーティングの重量増加が9.6〜10.5%の範囲内であり、放出データの差が小さいので、製造における質量制御に有利である。長期保管の結果が示すように、異なるコーティング処方のサルブタモール浸透圧ポンプ放出制御錠はいずれも良好な安定性を有し、室温放置24ヶ月保管と0日保管のサンプルの放出には顕著な差異がない。
実施例3 グリピジド浸透圧ポンプ放出制御錠の比較研究
実施例3A市販のグリピジド徐放錠
メーカー:米国ファイザー社、商品名:Glucotrol XL(登録商標)
バッチ番号: 85807012
仕様: 5mg
放出度の検出:
中華人民共和国輸入薬品標準X19990222に従って行った。具体的には、本製品を取り、放出度測定法(中国薬局方1995年版二部付録XD、第一法)に基づき、溶出度測定法の第二法の装置を使用し、トリプシンを含有しない人工腸液を900ml溶媒とし、回転速度が50転/分とし、常法で操作し、4時間、8時間及び16時間後に溶液をそれぞれ8ml取ってろ過するとともに、操作の容器に前記溶液を8ml追加した。継続的にろ液をとって、分光光度法(中国薬局方1995年版二部付録IV A)に従って波長276nmにおける吸収度をそれぞれ測定した。別にグリピジド対照品を約50mg量り、精密に重さを量った。100mlメスフラスコに入れ、メタノールを20ml添加し、超音波処理して溶解させ、メタノールで目盛りまで希釈して均一に振り、予製液を得た。トリプシンを含有しない人工腸液を溶媒とし、下記の希釈方法により、一定量の予製液を取り、溶媒を適量添加して一定濃度のグリピジド対照品の溶液に希釈した。
対照溶液 希釈方法 グリピジドの濃度(μg/ml)
1# 予製液を1ml取って200mlまで溶媒を添加 2.5
2# 予製液を1ml取って100mlまで溶媒を添加 5.0
3# 予製液を3ml取って100mlまで溶媒を添加 15.0
4# 予製液1#を25ml取って50mlまで溶媒を添加 1.25
5# 予製液3#を25ml取って50mlまで溶媒を添加 7.5
6# 予製液4#を25ml取って50mlまで溶媒を添加 0.625
対照溶液6#、4#、1#、2#、5#をそれぞれ取り、同じ方法で吸収度を測定し、標準曲線をプロットした。標準曲線に基づき、錠ごとに異なる時間での放出量を算出した。本製品は錠ごとに4時間、8時間及び16時間での放出量がそれぞれ相応して標識量の30%以下、30-70%及び85%以上であり、基準に合うはずである。
現在の放出度(0ヶ月)及び自然条件で6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月放置した後の放出度をそれぞれ測定した。結果を下記表22に示す。
Figure 0005600174
実験結果が示すように、市販のグリピジド放出制御錠Glucotrol XL(登録商標)の放出度は、初期で良好であり、6ヶ月放置した後低下が認められ、時間が経つにつれ膜の老化が酷くなり、放出が徐々に低下し、許容限度内ではあるが薬物放出の残留が増大した。
市販品Glucotrol XL(登録商標)を使用してより厳しい条件下での安定性に対する影響素因の考察を行った。結果を下記表23に示す。
Figure 0005600174
前記安定性に対する影響素因の結果が示すように、60℃の条件では安定性が悪い。これはPEG6000を可塑剤(Physican's Desk Referenceを参照、Glucotrol XL(登録商標))としたためである。 DSCスペクトルのように、60℃はPEG6000の融点を超えており、液体状態になり、酢酸セルロースとの結合を促進することにより、過度の老化現象をもたらした。
Glucotrol XL(登録商標)は膜の老化による放出残留が存在するので、2年の有効期間内において放出が標準に適合するように、製造工程において薬物の仕込み量を増加した。即ち、標準の中で薬物含有量を105%-115%、実測値で114.3%に規定した。
実施例3B 酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)を製膜材料とするグリピジド放出制御錠
一.処方
1.タブレットコアの処方、1000錠量、下記表24に示す
Figure 0005600174
2.コーティング液の処方の成分、下記表25に示す
Figure 0005600174
二.製造工程
1. タブレットコアの処方の製造工程:
(1)グリピジドを100メッシュで篩かけ;
(2)薬物含有層の配合量で乳糖、塩化ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドンK30を量り、均一に混合;
(3)10%PVP k30の85%エタノール溶液で軟材を作成;
(4)24メッシュの篩にかけて造粒、40℃で乾燥、24メッシュの篩にかけて整粒。配合量のステアリン酸マグネシウムを加入して薬物含有層の顆粒とし、備用とする;
(5)押し出し層の配合量でヒドロキシプロピルメチルセルロースK4M、微結晶セルロース、塩化ナトリウム、PVP k30、紅柄を量り、均一に混合;
(6)10%PVP k30の85%エタノール溶液で軟材を作成;
(7)24メッシュの篩にかけて造粒、40℃で乾燥、24メッシュの篩にかけて整粒。配合量のステアリン酸マグネシウムを加入して押し出し層の顆粒とし、備用とする;
(8)理論的な錠重を計算;
(9)二層打錠機としてΦ=9mmの円パンチを使用して二層タブレットコアを得た。
2.半透膜のコーティング液の製造工程:
配合量の酢酸セルロース及びPEG4000を量り、アセトン/エタノール/水の溶液に分散させ、撹拌して完全に溶解させることにより得た。
3.半透膜のコーティングの重量増加:16.8 %、18.7%、20.2%
4.熱処理:40℃で16時間熱処理した。
5.レーザー孔あけ:得られる錠剤の一方の側でレーザー孔あけ機にて孔あけした。孔径0.5mm。
三.放出度の測定
方法は実施例3Aと同じであり、結果を下記表26-29示す。
Figure 0005600174
Figure 0005600174
Figure 0005600174
Figure 0005600174
実験結果が示すように、酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)を製膜材料とするグリピジド放出制御錠の放出度は、初期では良好であり、6ヶ月放置した後はある程度低下が認められ、時間が経過するにつれ、膜の老化が酷くなり、放出の低下がより顕著になった。コーティングの重量増加が18.7 %及び20.2 %である処方の24ヶ月での放出結果は既に不合格であった。当該結果は市販品を長期放置した結果と一致する(いずれも24ヶ月で約20%に低下した)。酢酸セルロースとポリエチレングリコールとの組合せは老化の問題が存在し、サンプルの安定性に潜在的なリスクがあることを十分に説明している。
実施例3C エチルセルロースとポビドンとを製膜材料とするグリピジド放出制御錠
一.処方
1.タブレットコアの処方:実施例3Bと同じ
2.コーティング液の処方:処方とコーティングの重量増加を下記表30に示す
Figure 0005600174
二.製造工程:
半透膜のコーティング液の製造工程は下記の通りである。
配合量のエチルセルロース及びPVP k30を量り、エタノール-水の溶液に分散させ、撹拌して完全に溶解させることにより得た。
熱処理条件:それぞれ40℃で14時間及び60℃で14時間である。
製造工程の中の別の部分は実施例3Bと同じである。ここで、コーティングの重量増加を表30を見ること。
三.放出度の検出結果を下記表31-34に示す
Figure 0005600174
Figure 0005600174
Figure 0005600174
Figure 0005600174
上記表から見出されるように、コーティングの重量増加が異なる各処方は、異なる熱処理条件での長期放置後のサンプルの安定性が良好である。放出度は、エチルセルロースとポビドンとの重量比を変化させることで膜の透過性を制御したり、コーティングの重量増加を変化させることにより調節することができる。膜は放置過程において老化現象が存在しないので、異なる膜の異なる重量増加でも、いずれも良好な安定性を示している。また、膜は放置する過程において老化現象が存在せず、放出の残留が極めて小さいので、過剰に仕込む必要がない。
なお、前記実施例1-3の中の錠剤の外形は、実施例3Aにおける市販のグリピジド徐放錠(Glucotrol XL(登録商標))を除き、いずれも従来技術での最も一般的な外形を使用した。即ち、薬物含有層の挟み角θ1とL1/r比率、及び押し出し層の挟み角θ2とL2/r比率をいずれも約110°と0.18とした。それに対し、市販のグリピジド徐放錠(Glucotrol XL(登録商標))の実測の角度及び比率はやや大きく、約115〜119°と0.22〜0.26であった。
実施例4 ニフェジピン浸透圧ポンプ放出制御錠の比較研究
実施例4A 市販品のニフェジピン浸透圧ポンプ型放出制御錠の放出データ
商品名:Adalat(登録商標)
製造者:Bayer Healthcare Company Limited
バッチ番号: 110300
規格: 30mg
製造日: 2006年 10月25日
外形:対称外形。薬物含有層の挟み角θ1とL1/r、および押し出し層の挟み角θ2とL2/rは、実際に測定したところ、それぞれ約115〜119° と0.22〜0.26であった。
1.影響素因の試験
試験方法:
サンプルをそれぞれ40℃、60℃、RH75%、RH92.5 %及び光照(4500lx)の条件で放置し、サンプルを放置した後の5日目と10日目にサンプリングして測定した。
放出度の検出方法及び基準:
ニフェジピン放出制御錠(Adalat)の輸入薬品標準X20010169に基づいて検出した。具体的には、暗所の操作で、本製品を取り、溶出度の測定方法(中国薬局方2000版二部付録XC頁第二法)に基づき、錠を金属製バスケットに入れ、溶媒を1%ドデシル硫酸ナトリウムのリン酸塩-クエン酸バッファ溶液(pH=6.8 )900mlとし、回転速度を100回/分として常法で操作し、4時間、12時間、24時間後にそれぞれろ液を適量採取した。また、ニフェジピンの対照品を約18mg取り、50mlの褐色メスフラスコで精密に秤量し、アセトニトリル-メタノール(50:50)の混合液を添加して溶解させて目盛まで希釈し、そしてその5mlを25mlの褐色メスフラスコに精密に秤量し、アセトニトリル-メタノール-水(25:25:50)の混合液を加入して目盛りまで希釈し、均一に振とうした。
HPLCの条件:オクタデシルシラン結合シリカゲルを充填剤とし、ガードカラムを付け、アセトニトリル-メタノール-水(20:30:50)を移動相とした。検出波長を265nmとし、理論段数はニフェジピンのピークで計算すれば5000以上である。
前記のHPLC条件で、前記の両溶液をそれぞれ10μl取り、液体クロマトグラフィに注入し、常法でピークの面積を測定し、外部標準法でテスト錠ごとの異なる時間でのニフェジピンの含有量を計算した。本製品は錠ごとに4時間、12時間及び24時間での溶出量がそれぞれ標識量の5%〜17%、43%〜80%及び85%以上でなければならない。結果を表35に示す。
Figure 0005600174
2.室温での長期保存試験:室温で放置し、工場出荷後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月での放出データをそれぞれ測定した。放出度の検出方法及び標準は上記のとおりである。結果を表 36に示す。
Figure 0005600174
実験の結果のように、市販のニフェジピン浸透圧ポンプ型放出制御錠の放出度は、初期では良好であり、室温で6ヶ月放置した後はある程度の低下が認められ、時間が経過するにつれ、膜の老化が酷く なり放出の低下がより顕著になった。
また、前記の二つの実験のデータのように、市販のニフェジピン浸透圧ポンプ型放出制御錠Adalat(登録商標)は顕著な薬物残留が存在するので、過剰に仕込む必要がある。含有量は工場出荷の際に110%以上であるが、一般的に95〜100%しか放出できない。長期保存後は低下がより顕著になる。
実施例 4B:異なる挟み角θ1とL1/r値を有するニフェジピンダブルコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠の放出度の比較研究
一.処方
1.タブレットコアの処方(1000錠量)
<タブレットコアの薬物含有層>
成分 使用量(g)
ニフェジピン 30
塩化ナトリウム 40
乳糖 30
ドデシル硫酸ナトリウム 20
カルボキシメチルセルロースナトリウム 30
ポビドンK30 10
10%ポビドンK30の70%エタノール溶液 適量
ステアリン酸マグネシウム 2
<タブレットコアの押し出し層>
成分 使用量(g)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースK4M 50
微結晶セルロース 20
塩化ナトリウム 30
紅柄 0.5
ポビドンK30 10
10%ポビドンK30の70%エタノール溶液 適量
ステアリン酸マグネシウム 0.5
2.コーティング液の処方の成分 下記表37 に示す
Figure 0005600174
二.製造工程
1. タブレットコアの処方の製造工程:
(1)ニフェジピンを100メッシュで篩かけ;
(2)薬物含有層の配合量で乳糖、塩化ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン K30を量り、均一に混合;
(3)10%PVP k30の70%エタノール溶液で軟材を作成;
(4)24メッシュの篩にかけて造粒、40℃で乾燥、24メッシュの篩にかけて整粒。配合量のステアリン酸マグネシウムを加入して薬物含有層の顆粒になり、備用とする;
(5)押し出し層の配合量でヒドロキシプロピルメチルセルロースK4M、微結晶セルロース、塩化ナトリウム、ポビドンk30、紅柄を量り、均一に混合;
(6)10%PVP k30の70%エタノール溶液で軟材を作成;
(7)24メッシュの篩にかけて造粒、40℃で乾燥、24メッシュの篩にかけて整粒。配合量のステアリン酸マグネシウムを加入して押し出し層の顆粒になり、備用とする;
(8)理論的な錠重を計算。ニフェジピンを100メッシュで篩かけ;
(9)理論的な錠重を計算;
(10)二層打錠機にて二層錠を打錠、ここで、押し出し層ではΦ= 8mmの浅く凹んだ円パンチを使用し、薬物含有層ではΦ= 8mmの異なる角度の深い凹んだ円パンチを使用することにより、薬物含有層の外曲面と側面との挟み角θ1及び比率L1/rをそれぞれ110°(0.18)、120°(0.27)、130°(0.36)、140°(0.47)、150°(0.58)、160°(0.70)、170°(0.84)、180°(1.0)(注: 角度数の値後の括弧内の数値はL1/rの比率である)であり、且つ押し出し層の外曲面と側面との挟み角θ2及び比率L2/rが110°(0.18)である非対称のタブレットコアをそれぞれ製造した。
2.半透膜のコーティング液の製造工程:
配合量の酢酸セルロース及びPEG6000を量り、アセトン/エタノール/水の溶液に分散させ、撹拌して完全に溶解させることにより得た。
3.半透膜のコーティングの重量増加:18.4〜18.6%
4.熱処理:40℃で16時間熱処理。
5.レーザー孔あけ:得られた錠剤の薬物含有層の側にレーザー孔あけ機で孔あけ。孔径約0.5mm。
三.放出度の測定
測定方法は実施例4Aと同じである。結果を表38に示す。
Figure 0005600174
結果からわかるように、同じ放出条件で、その薬物放出速率は、挟み角θ1及び比率L1/rが110° (0.18)である錠剤は、挟み角θ1及び比率L1/rが150°( 0.58)である錠剤より著しく遅く、且つ前者の24時間の累積薬物放出量も顕著に小さく(<90%)、多くの残留が存在する(10%より大きい)。挟み角θ1及び比率L1/rの増大に従って、薬物放出の残留量が徐々に減少しており、120°(0.27)からは残留が10%未満になり、130°(0.36)からは残留が5%未満になり、24時間の累積薬物放出量は95%を超えている。挟み角θ1を150°(0.58)まで増大させると、残留が3.1%になった。挟み角を180°まで増大させつづけると、その放出速率の変化が極めて小さくなり、薬物の放出が完全に近づき、残留量が一定に近づいた。挟み角が大き過ぎると作成したタブレットコアを離型させにくいことを考慮すると、θ1が130°〜170°であることが好ましく、150°であることが最も好ましい。
前記の挟み角θ1及び比率L1/rが150°(0.58)である錠剤を室温で長期放置した後、異なる保存放置時間の放出度に対して研究を行った。結果を下記表39に示す。
Figure 0005600174
実験結果が示すように、従来技術における最も常用の半透膜材料である酢酸セルロースとポリエチレングリコール(PEG)とを製膜材料とし、且つ挟み角θ1及び比率L1/rを150°(0.58)としたニフェジピン放出制御錠は、初期での放出性能は良好であり、6ヶ月放置した後は一定の低下が認められ、時間が経過するにつれ、膜の老化が酷くなり放出の低下がより顕著になった。よって、酢酸セルロースとポリエチレングリコールとの組合せが老化の問題を有することが表し、タブレットコアの挟み角θ1及び比率L1/rを変化させることにより初期放出における薬物残留が低下しても、後に半透膜が老化しつづけるので、サンプルの放出残留が増加する傾向があり、安定性には依然として潜在的なリスクがある。
実施例4C 本発明の半透膜の製膜材料を使用して異なるθ1角度を有するニフェジピンダブルコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠の放出度の比較研究
一.処方
1.タブレットコアの処方(1000錠量)
タブレットコアの薬物含有層の処方:実施例4Βと同じ
タブレットコアの押し出し層の処方:実施例 4Βと同じ
2.コーティング液の処方
成分 使用量 (g)
エチルセルロースN-100 30g
PVP k30 16
エタノール(ml) 1000
二.製造工程
半透膜のコーティング液の製造プロセスは下記の通りである。
配合量のエチルセルロース及びPVP k30を量り、エタノールに分散させ、撹拌して完全に溶解させることにより得た。製造工程の中の他の部分は実施例4Bと同じであり、ここで、コーティングの重量増加を14.5〜14.8%とした。
三.放出度の測定:
測定方法は実施例4Aと同じである。結果を表40に示す。
Figure 0005600174
結果からわかるように、本発明の半透膜の製膜材料を使用すると、実施例4Bと同様に、挟み角θ1の増大に従って、薬物放出の残留量が徐々に低減されていく。挟み角θ1及び比率L1/rを150°(0.58)に増大すると、角度の増大に従って、薬物放出の残留量の低減が顕著ではなくなり、薬物放出が完全に近づく。総合的に考慮して150°(0.58)を最適値に確定した。同じ条件で、挟み角θ1及び比率L1/rが110°(0.18)である錠剤は、その薬物放出速率が、挟み角θ1及び比率L1/rが150°(0.58)である錠剤より著しく遅く、且つ24時間の累積薬物放出量も顕著に小さく、多くの残留が存在する。
また、前記結果を実施例4Bにおける酢酸セルロースとPEG6000とを半透膜の製膜材料とする結果と比較し、両者がいずれも製造した直後の製剤である場合には、挟み角θ1及び比率L1/rが大きい場合には、本発明の半透膜の製膜材料の放出残留と実施例4Bの残留はいずれも極めて小さく、挟み角θ1及び比率L1/rが小さい場合には、実施例4Bの方が残留量が大きい。
前記挟み角θ1及び比率L1/rを150°(0.58)とした錠剤で、室温で長期放置保存を行い、異なる保存時間の放出度の研究を行った。結果を下記表41に示す。
Figure 0005600174
実験結果が示すように、実施例4Bと比べて、本発明の半透膜の製膜材料を使用すると、長時間放置しても膜が老化せず、放出残留の増加も起こらない。
前記の実験結果を総合して見出すことができるのは、ダブルコンパートメント浸透圧ポンプ放出制御錠について、本発明の新規半透膜製膜材料、及び薬物含有層の大きい挟み角θ1と比率L1/rを同時に採用すれば、放出制御錠の放出残留を低減することができるだけではなく、長期に保存した後の放出残留も増加しないことを効果的に保証することができる。
実施例5 本発明の半透膜の製膜材料を使用したニフェジピン放出制御錠の異なる外形(対称型と非対称型)の比較研究
一.処方(1000錠量)
タブレットコアの薬物含有層の処方:実施例4Βと同じ
タブレットコアの押し出し層の処方:実施例4Βと同じ
コーティング液の処方:実施例4Cと同じ
成分 使用量
エチルセルロース N-100 30g
PVP k30 16g
エタノール 1000ml
二.製造プロセス
操作ステップは実施例4Cと同じである。そのうち、打錠の際、対称型のタブレットコアの薬物含有層の挟み角θ1とL1/r及び押し出し層のθ2とL2/rをいずれも135°(0.41)とした。コーティングの重量増加をそれぞれ14.0%、15.4%とした。非対称型の薬物含有層の挟み角θ1とL1/rは135°(0.41)とし、押し出し層のθ2とL2/rは110°(0.18)とし、コーティングの重量増加をそれぞれ14.2%、15.1%とした。
三.放出度の検出
測定方法は実施例4Aと同じである。結果を表42に示す。
Figure 0005600174
結果からわかるように、薬物含有層のθ1及びL1/rが同じである場合には、対称型浸透圧ポンプ錠と非対称型浸透圧ポンプ錠は放出結果が近似しており、押し出し層と側面との挟み角θ2及び高度比率L2/rの浸透圧ポンプ製剤の放出に対する影響が非常に小さいことを説明している。
4.コーティングの重量増加が15.1%である非対称型ニフェジピン放出制御錠を取って室温で長期保存した後の放出度の検出結果を下記表43に示す。
Figure 0005600174
室温で長期保存した結果が示すように、保存室の中では放出性能の変化は小さく、放出残留は基本的に増加していない。
本実施例の実験結果が示すように、本発明の新規半透膜製膜材料、及び薬物含有層の大きい挟み角θ1と比率L1/rを同時に採用すれば、放出制御錠の放出残留を低減することができるだけではなく、長期保存後の放出残留もほぼ増加しないことを効果的に保証することができる。さらに、基本的に老化せず、且つ放出が完全なので、過剰に仕込む必要がない。

Claims (19)

  1. 半透膜の製膜材料としてエチルセルロースとポビドンをエチルセルロースとポビドンとの重量比1:1〜4:1で使用した浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  2. エチルセルロースとポビドンとの重量比が1.5:1〜3:1である請求項1に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  3. 前記半透膜のコーティングの重量増加が5%〜25%である請求項1又は請求項2に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  4. 前記半透膜のコーティングの重量増加が8%〜15%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  5. 半透膜の製膜材料としてエチルセルロースとポビドンをエチルセルロースとポビドンとの重量比1:1〜4:1で使用することを特徴とする浸透圧ポンプ型放出制御錠の半透膜の老化を防止する方法。
  6. 前記放出制御錠のタブレットコアの外を、製膜材料としてエチルセルロースとポビドンをエチルセルロースとポビドンとの重量比1:1〜4:1で使用した半透膜で被覆することを含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造方法。
  7. 前記エチルセルロースとポビドンとの重量比が1.5:1〜3:1である請求項に記載の製造方法。
  8. 前記半透膜のコーティングの重量増加が5%〜25%である請求項6又は請求項7に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造方法。
  9. 前記半透膜のコーティングの重量増加が8%〜15%である請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造方法。
  10. 浸透圧ポンプ型放出制御錠の半透膜を製造するためのエチルセルロースとポビドンをエチルセルロースとポビドンとの重量比1:1〜4:1で含む組成物の使用。
  11. 浸透圧ポンプ型放出制御錠の老化防止半透膜を製造するためのエチルセルロースとポビドンとの組合であってエチルセルロースとポビドンとの重量比が1:1〜4:1である組合の使用。
  12. タブレットコア、半透膜及び任意のフィルムコーティング層からなる浸透圧ポンプ型放出制御錠において、前記タブレットコアは薬物含有層及び押し出し層を含み、
    (1)前記薬物含有層の外曲面と側面からなる挟み角θが120°〜180°であり、及び/又は
    (2)タブレットコアの半径rに対する前記薬物含有層の外曲面の中心の頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離Lの比率L/rが0.27〜1.0である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  13. 記挟み角θが130°〜170°であり、及び/又は前記比率L/rが0.36〜0.84である請求項12に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  14. 前記挟み角θが約150°であり、及び/又は前記比率L/rが約0.58である請求項12に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  15. 前記押し出し層の外曲面と側面からなる挟み角θが95°〜120°であり、及び/又はタブレットコアの半径rに対する前記押し出し層の外曲面の中心の頂点から前記押し出し層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離Lの比率L/rが0.04〜0.27である請求項12請求項14のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  16. 前記薬物含有層の外曲面と側面からなる挟み角θが約150°であり、及び/又はタブレットコアの半径rに対する前記薬物含有層の外曲面の中心頂点から前記薬物含有層の外曲面と側面との交差線で形成する平面までの垂直距離Lの比率L/rが約0.58であり、且つ、
    前記押し出し層の外曲面と側面からなる挟み角θが90°〜120°であり、及び/又はタブレットコアの半径rに対する前記押し出し層の外曲面の中心の頂点から前記押し出し層の外曲面と側面との交差線で形成される平面までの垂直距離Lの比率L/rが0.04〜0.27である請求項15に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  17. 前記押し出し層に使用される推進剤がメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、カルボマー、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロース又はそのナトリウム塩、或いは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群より選ばれる1種以上である請求項12請求項16のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠。
  18. 薬物含有層をプレスする際に、曲率の大きい表面を有するパンチヘッドを使用する請求項12請求項16のいずれか1項に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造方法。
  19. 薬物含有層をプレスする際に相対的に曲率の大きい表面を有するパンチヘッドを使用し、押し出し層をプレスする際に相対的に曲率の小さい表面を有するパンチヘッドを使用する請求項15又は請求項16に記載の浸透圧ポンプ型放出制御錠の製造方法。
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