JP5596183B2 - 電極の製造方法及び電池の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、電極の製造方法及び電池の製造方法に関する。
電池は、従来の小型電子機器用途に加え、近年ではハイブリッド電気自動車の電源用途に用いられている。それに伴い、高容量、長サイクル寿命、急速充電性等を兼ね備えたバッテリが求められている。制限ある電池内に出来るだけ多くの活物質を充填するため、電極もより高密度に圧縮されるようになった。
電極の製造では、例えば金属箔からなる集電体に活物質含有スラリーを塗布し、乾燥した後、ロールプレス装置などで塗布部を圧縮する。圧縮された塗布部の下地集電体も塑性変形によって伸びるが、活物質含有スラリーが塗布されない未塗布部は集電体にプレス圧力が掛からないため、下地集電体程は伸びない。その結果、この集電体の伸びの差によって塗布部と未塗布部との境界に残留応力が働き、電極に歪みや反りが生じる。
このような電極をセパレータに積層し、これらを捲回する場合、歪みや反りが原因で捲きズレを起こしたり、あるいは捲きズレを補正する際に電極に皺や亀裂が生じたり、ひいては電極破断を起こす等が生じる。また、電極の歪みや反りは、品質・歩留の低下、および生産ライン高速稼動の阻害要因にもなっている。電極の歪みや反りの原因は、圧縮後のスラリー塗布部と未塗布部との下地集電体の伸びの差である。解決策として、例えば、プレスロールに溝を形成して未塗布部集電体も塗布部と同時に圧縮して延ばす方法や、さらに引張応力によって集電体を塑性変形させて延ばす方法などが提案されている。
しかしながら、プレスロールに溝を形成する方法は、集電体をプレスすることによって削れてしまうロール表面を、比較的高い頻度で再研磨する必要があることが推察されるため、プレスロールの溝形状を管理するのは技術的にも経済的にも効率的でない。更に、例えば電極の蛇行などにより未塗布部集電体が形成した溝から外れたような場合には、電極の圧縮密度ムラや電極破断が生じるという問題がある。
一方、引張応力によって集電体を塑性変形させて延ばす方法としては、鉄鋼材の圧延や加工などで一般的に用いられるテンションアニール処理の応用などがある。被加工材に加熱しながら引張応力を与えることにより、弾性変形させるのに必要な応力を軽減させる効果がある。例えば集電体にアルミニウム箔を用いる場合、その厚みやアルミニウム純度にもよるが、塑性変形させるのに必要な応力の目安は100N/mm2以上になる。集電体を加熱することにより塑性変形に必要な応力を大幅に軽減させることが可能になる。ところが、電極の活物質含有層に高温で変質し電池性能を低下させる恐れのある材料・成分が含まれる場合等には加熱温度を制限せざるを得ない。結果的に、加熱温度の適用範囲内では引張応力の大幅な軽減は出来ず、本来電極を巻き取るのに必要な引張応力に比べて数倍の応力が必要となり、電極の破断や巻取り精度低下などが懸念される。
本発明が解決しようとする課題は、歪み量の少ない電極の製造方法と、この方法を用いた電池の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態によれば、圧縮成形を施す工程と、張力を加える工程と、乾燥工程とを含む電極の製造方法を提供することができる。電極は、帯状集電体と、帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、帯状集電体の集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む。圧縮成形を施す工程では、帯状集電体と、集電体露出部と、活物質含有層とを含む帯状極板の活物質含有層に、圧縮成形を施す。圧縮成形を施す工程の後に、張力を加える工程を行う。張力を加える工程では、円周面から突出した段部と、段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、集電体露出部が段部に位置し、かつ活物質含有層が凹部に位置するように配置し、帯状集電体の長辺方向に張力を加える。張力を加える工程の後に、乾燥工程を行う。乾燥工程では、帯状極板を乾燥させる。乾燥工程の後、張力を加える工程を再度行う。
もう1つの実施形態によれば、圧縮成形を施す工程と、張力を加える工程とを含む電極の製造方法を提供することができる。電極は、帯状集電体と、帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、帯状集電体の集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む。圧縮成形を施す工程では、帯状集電体と、集電体露出部と、活物質含有層とを含む帯状極板の活物質含有層に、圧縮成形を施す。圧縮成形を施す工程の後に、張力を加える工程を行う。張力を加える工程では、円周面から突出した段部と、段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、集電体露出部が段部に位置し、かつ活物質含有層が凹部に位置するように配置し、帯状集電体の長辺方向に張力を加える。張力を加える工程と、圧縮成形を施す工程とを交互に行う。
もう1つの実施形態によれば、圧縮成形を施す工程と、張力を加える工程とを含む電極の製造方法を提供することができる。電極は、帯状集電体と、帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、帯状集電体の集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む。圧縮成形を施す工程では、帯状集電体と、集電体露出部と、活物質含有層とを含む帯状極板の活物質含有層に、圧縮成形を施す。圧縮成形を施す工程の後に、張力を加える工程を行う。張力を加える工程では、円周面から突出した段部と、段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、集電体露出部が段部に位置し、かつ活物質含有層が凹部に位置するように配置し、帯状集電体の長辺方向に張力を加える。張力を加える工程と、圧縮成形を施す工程とを交互に行う。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、電極の製造に用いるプレス装置、ガイドローラ装置、及び、巻取り装置を示す模式図である。図2は、湾曲矯正工程におけるガイドローラと帯状極板との位置関係を示す模式図である。図2の(a)は、ガイドローラ上を走行している帯状極板をガイドローラ側から見た平面図であり、図2の(b)はガイドローラを回転軸に平行に裁断することにより得られる断面図である。図3の(a)は、段部のコーナーにテーパーが形成されたガイドローラを回転軸に平行に切断した際に得られる断面図で、図3の(b)は、図3の(a)に示すガイドローラに帯状極板を配置した状態を示す断面図である。図4の(a)は、ガイドローラ上を走行している帯状極板をガイドローラ側から見た平面図であり、図4の(b)はガイドローラを回転軸に平行に裁断することにより得られる断面図である。
図1は、電極の製造に用いるプレス装置、ガイドローラ装置、及び、巻取り装置を示す模式図である。図2は、湾曲矯正工程におけるガイドローラと帯状極板との位置関係を示す模式図である。図2の(a)は、ガイドローラ上を走行している帯状極板をガイドローラ側から見た平面図であり、図2の(b)はガイドローラを回転軸に平行に裁断することにより得られる断面図である。図3の(a)は、段部のコーナーにテーパーが形成されたガイドローラを回転軸に平行に切断した際に得られる断面図で、図3の(b)は、図3の(a)に示すガイドローラに帯状極板を配置した状態を示す断面図である。図4の(a)は、ガイドローラ上を走行している帯状極板をガイドローラ側から見た平面図であり、図4の(b)はガイドローラを回転軸に平行に裁断することにより得られる断面図である。
図1に示すように、製造工程の前段側から後段に向かってプレス装置21、ガイドローラ装置22、巻取り装置23が配置されている。プレス装置21は、1対のプレスロール21a,21bを有する。プレスロール21a,21bは、駆動部(図示しない)によって図1に示す矢印の方向に回転することにより、プレスロール21a,21間に挿入された帯状極板25を圧縮成形する。巻取り装置23は、駆動部(図示しない)によって回転軸23aが図1に示す矢印の方向に回転することで、帯状極板25がフープ状に巻き取られるようになっている。ガイドローラ装置22は、プレス装置21から巻取り装置23に帯状極板25を搬送するためのもので、複数の金属製ガイドローラ241〜245(従動ローラ)を有する。プレスロール21a,21bから巻取り装置23に搬送される帯状極板25には、長手方向に張力(巻取り張力)が加わる。ガイドローラ241〜245は、帯状極板25に加わる張力が巻取りに適した所望の範囲となるように、帯状極板25の上下面に交互に配置されている。ガイドローラ243は、湾曲矯正装置を兼ねている。ガイドローラ243は、図2の(b)に示すように、回転軸方向の一方の端部に円周面から突出した段部26を有する。ガイドローラ243では、段部26に隣接する残りの部分が凹部27となっている。
以下、図1に示す装置を用いた電極の製造方法を説明する。まず、帯状極板25を作製する。帯状極板25は、図2の(a)及び図3の(b)に示すように、帯状集電体と、帯状集電体の一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部25aと、帯状集電体の集電体露出部25a以外の箇所に両面とも形成された活物質含有層25bとを含む。活物質含有層25bは、帯状集電体の長辺方向に連続的に形成されている。短辺方向の幅は、活物質含有層25bの方が集電体露出部25aよりも広くなっている。帯状極板25は、例えば、活物質含有スラリーを帯状集電体に一方の長辺を除いて両面に塗布し、乾燥することにより得られる。あるいは、活物質含有スラリーを集電体の両面に部分的に塗布し、乾燥した後、集電体露出部となる未塗布部が長辺に位置するように裁断することにより帯状極板25を得る。
活物質含有スラリーは、例えば、活物質に、必要に応じて導電剤及び結着剤を添加し、これらを溶媒の存在下で混練することにより調製される。活物質には、正極用、負極用のいずれを用いても良い。
正極の活物質は、特に限定されるものではなく、種々の酸化物、例えば、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO2)、二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn2O4、LiMnO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2O2)、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタンや二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。
負極の活物質は、特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛質材料もしくは炭素質材料(例えば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体など)、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブなど)、軽金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金など)、リチウムチタン酸化物(例えば、スピネル型のチタン酸リチウム)等を挙げることができる。
導電剤は、特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛、炭素質物、アセチレンブラック、カーボンブラック等を挙げることができる。また、結着剤は、特に限定されるものではなく、例えば、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを用いることができる。
帯状集電体には、金属箔を使用することができる。金属箔は、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔等を挙げることができる。帯状集電体の厚さは50μm以下にすることができる。
次いで、得られた帯状極板25を、図1に示す矢印方向に回転しているプレスロール21a,21b間に挿入し、圧縮成形を施す。帯状極板25の挿入方向が帯状極板25の長手方向に平行であるため、プレス圧力は、活物質含有層25bに主に加わり、活物質含有層25bが圧縮成形され、密度が高められる。集電体露出部25aには、プレス圧力がほとんど加わらないため、活物質含有層25bの下地集電体に比して伸びが小さくなる。その結果、帯状極板25に歪みや反りが生じる。
プレスロール21a,21b間を通過した帯状極板25は、ガイドローラ241〜245を経由して巻取り装置23まで搬送される。湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243では、図2及び図3に示すように、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界が位置し、集電体露出部25aのみが段部26上に配置される。活物質含有層25bは、凹部27に配置される。これにより、帯状極板25の搬送方向(長手方向)に加わる巻取り張力を、集電体露出部25aに集中させることができる。その結果、集電体露出部25aを巻取り張力によって十分に伸ばすことができるため、帯状極板25に生じた歪み及び反りを矯正することができる。ガイドローラ243を通過した帯状極板25は、ガイドローラ244,245を経由して巻取り装置23に巻き取られる。次いで、フープ状の帯状極板25を必要に応じて所望のサイズに裁断することにより、電極が得られる。なお、帯状極板25をそのまま電極として用いることもできる。
圧縮成形前の帯状極板25では、帯状集電体全体が伸びていないため、圧縮成形前の帯状極板25をガイドローラ243と接触させると、段部26上の集電体露出部25aのみならず、活物質含有層25bにも巻取り張力(応力)が分散する。圧縮成形後は、活物質含有層25bの下地集電体が伸びて弛むため、巻取り張力(応力)が活物質含有層25bの下地集電体にほとんど加わらず、伸ばされていない集電体露出部25aに巻取り張力を集中させることができる。この時、電極の歪み量は、圧縮後の歪み量に対し、電極を圧縮時の巻き取り張力と同じ張力で巻取り装置23に巻き換えた後では約10%軽減させることができる。
但し、ガイドローラ243の段部26上に活物質含有層25bが配置されると、巻取り張力が活物質含有層25bにも分散するため、集電体露出部25aへの巻取り張力の集中は不十分になり、且つ、既に伸びている活物質含有層25bの下地集電体をさらに延ばしてしまう恐れがあり、電極の歪みと反りが矯正されない。
ガイドローラ243に設ける段部26の段差H(%)は、活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際に下記(1)式を満たすことが望ましい。ここで、活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さは、製造後の電極における活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さである。
150≦H≦600 (1)
段差Hを150%以上にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。また、段差Hを600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えることができる。これらの皺や亀裂は、後工程において電極破断や溶接不良の原因になる恐れがある。従って、段差Hを150%以上600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えつつ、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。皺や亀裂を防止する効果を高めるには、200≦H≦400の範囲がより好ましい。
段差Hを150%以上にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。また、段差Hを600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えることができる。これらの皺や亀裂は、後工程において電極破断や溶接不良の原因になる恐れがある。従って、段差Hを150%以上600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えつつ、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。皺や亀裂を防止する効果を高めるには、200≦H≦400の範囲がより好ましい。
ガイドローラ243に設ける段部26のコーナーは、図2の(b)に例示されるように直角あるいは略直角でも良いが、テーパーを設けても良い。テーパーは、図3の(a),(b)に示すように、段部26と凹部27との境界Xと、段部26の上面とが交わる部分に形成することが望ましい。テーパーR(mm)は、R≦15であることが好ましい。テーパーRを15mm以下にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。テーパーRが小さいほど、集電体露出部を伸ばす効果が大きくなるものの、電極が蛇行した場合に電極破断が生じる等の恐れがあるため、0.5≦R≦7の範囲がより好ましい。
テーパーRは、段部26のR部のR面の数点を三次元測定器にて座標プロットすることにより、算出される。三次元測定器には、例えば、カールツァイス(ZEISS)株式会社製の三次元測定機(型式:WMM550)を使用することができる。
少なくとも湾曲矯正工程では、帯状極板25の短辺方向に平行な断面での引張応力F(N/mm2)を、20≦F≦100の範囲にすることが好ましい。引張応力Fを20(N/mm2)以上にすることによって、電極を精度よく巻き取るために必要な応力を満たしつつ、集電体露出部を十分に伸ばすことができる。引張応力Fを100(N/mm2)以下にすることによって、電極の破断及び巻取り精度低下の問題を生じさせることなく、集電体露出部を十分に伸ばすことができる。よって、引張応力F(N/mm2)を20≦F≦100の範囲にすることによって、電極を破断させることなく、かつ電極を精度よく巻き取りつつ、集電体露出部を十分に伸ばすことができる。前述した段差HやテーパーRの条件にも依るが、電極の破断及び巻取り精度低下を防止する効果を高めるためには20≦F≦40の範囲がより好ましい。
帯状極板には、60℃以上150℃以下の温度で加熱処理を施しつつ、湾曲矯正を行うことが望ましい。加熱処理温度Tを60℃以上にすることによって、塑性変形に必要となる応力を低減させる効果を高めることができる。また、帯状極板に掛ける応力が同じ場合には、加熱することによって電極の歪みや反りを矯正する効果を高めることができる。これらの効果は、加熱処理温度Tが高い方が得られやすいが、活物質含有層の熱による変質を避けるため、加熱処理温度Tは60℃以上150℃以下の範囲にすることが望ましい。
図1では、プレス装置21としてプレスロールを用いたが、活物質含有層を高密度化できるものであればプレスロールの代わりに使用することができる。例えば、プレスロールの代わりに平板プレスを用いることができる。また、プレス工程は、プレス圧力を多段階に変化させて行っても良い。
図1では、複数のガイドローラのうち一つのガイドローラを湾曲矯正装置として使用したが、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの数は一つに限らず、全部または全部のうちの複数個にすることができる。また、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの位置も前段側から3つ目のガイドローラ243に限られるものではなく、任意の位置のガイドローラを用いることができる。
図2では、ガイドローラ243の回転軸方向の一方の端部に円周面から突出した段部26を設けたが、段部の形成方法はこれに限定されず、集電体露出部を伸ばす効果が得られるものであれば良い。例えば図4に例示されるように、回転軸方向の中央付近に円周面から突出した環状の段部26を設け、段部26に隣接する両側の円周面を凹部27とすることができる。
図2〜図4では、帯状極板の片側の長辺にのみ集電体露出部を設けたが、帯状極板の両方の長辺に集電体露出部を設けても良い。帯状極板の両方の長辺に集電体露出部を設けると、電極の反りと歪を防止する効果をより高めることができる。一方、図2のように、帯状極板の片側の長辺にのみ集電体露出部を設けると、高い電池容量とエネルギー密度を得ることができる。
図2〜図4では、帯状極板の両面に活物質含有層を設けたが、帯状極板の片面のみに活物質含有層を設けることもできる。
図2〜図4では、帯状集電体の長辺方向に連続的に活物質含有層を形成したが、帯状集電体の長辺方向に間欠的に活物質含有層を形成し、活物質含有層の間に活物質含有層未形成部を設けても良い。
以上説明した第1の実施形態によれば、圧縮成形が施された帯状極板を、集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状極板の長辺方向に張力を加えるため、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。これにより、圧縮成形で電極に生じた歪みや反りを矯正することができる。また、電極群を作製する際の電極の破断を防止することができる。その結果、品質の優れた電極を高い生産効率で製造することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法が提供される。正極及び負極のうち少なくとも一方の電極は、第1の実施形態に係る方法で製造される。図5は、第2の実施形態に係る方法で製造される非水電解質電池の展開斜視図である。図6は、図5示す電池で用いられる電極群の部分展開斜視図である。
第2の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法が提供される。正極及び負極のうち少なくとも一方の電極は、第1の実施形態に係る方法で製造される。図5は、第2の実施形態に係る方法で製造される非水電解質電池の展開斜視図である。図6は、図5示す電池で用いられる電極群の部分展開斜視図である。
図5に示す電池は、密閉型の角型非水電解質二次電池である。非水電解質二次電池は、外装缶1と、蓋2と、正極出力端子3と、負極出力端子4と、電極群5とを備える。図5に示すように、外装缶1は、有底角筒形状をなし、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。
図6に示すように、偏平型の電極群5は、正極6と負極7がその間にセパレータ8を介して偏平形状に捲回されたものである。正極6は、例えば金属箔からなる帯状の正極集電体と、正極集電体の集電体露出部からなる正極集電タブ6aと、少なくとも正極集電タブ6aの部分を除いて正極集電体に形成された正極活物質層6bとを含む。一方、負極7は、例えば金属箔からなる帯状の負極集電体と、負極集電体の集電体露出部からなる負極集電タブ7aと、少なくとも負極集電タブ7aの部分を除いて負極集電体に形成された負極活物質層7bとを含む。
このような正極6、セパレータ8及び負極7は、正極集電タブ6aが電極群の捲回軸方向にセパレータ8から突出し、かつ負極集電タブ7aがこれとは反対方向にセパレータ8から突出するよう、正極6及び負極7の位置をずらして捲回されている。このような捲回により、電極群5は、図6に示すように、一方の端面から渦巻状に捲回された正極集電タブ6aが突出し、かつ他方の端面から渦巻状に捲回された負極集電タブ7aが突出している。
電解液(図示しない)は、電極群5に含浸されている。矩形板状の蓋2は、外装缶1の開口部に例えばレーザでシーム溶接される。蓋2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。蓋2と外装缶1は、同じ種類の金属から形成されることが望ましい。
図5に示すように、蓋2の外面の中央付近に安全弁9が設けられている。安全弁9は、蓋2の外面に設けられた矩形状の凹部9aと、凹部9a内に設けられたX字状の溝部9bとを有する。溝部9bは、例えば、蓋2を板厚方向にプレス成型することにより形成される。注液口10は、蓋2に開口され、電解液の注液後に封止される。
蓋2の外面には、安全弁9を間に挟んだ両側に正負極出力端子3,4が絶縁ガスケット(図示しない)を介してかしめ固定されている。負極活物質に炭素系材料を使用するリチウムイオン二次電池の場合、正極出力端子3には、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用され、負極出力端子4には、例えば、銅、ニッケル、ニッケルメッキされた鉄などの金属が使用される。また、負極活物質にチタン酸リチウムを使用する場合は、上記に加え、負極出力端子4にアルミニウムあるいはアルミニウム合金を使用してもかまわない。
正極リード11は、一端が、正極出力端子3にかしめ固定あるいは溶接によって電気的に接続され、かつ他端が正極集電タブ6aに電気的に接続されている。負極リード12は、一端が、負極出力端子4にかしめ固定あるいは溶接によって電気的に接続され、かつ他端が負極集電タブ7aに電気的に接続されている。正負極リード11,12を正負極集電タブ6a,7aに電気的に接続する方法は、特に限定されるものではないが、例えば超音波溶接やレーザ溶接等の溶接が挙げられる。
このように、正極出力端子3と正極集電タブ6aとが正極リード11を介して電気的に接続され、負極出力端子4と負極集電タブ7aとが負極リード12を介して電気的に接続されることにより、正負極出力端子3,4から電流を取り出せるようになる。
正負極リード11,12の材質は、特に指定しないが、正負極出力端子3,4と同じ材質にすることが望ましい。例えば、出力端子の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合は、リードの材質をアルミニウム、アルミニウム合金にすることが好ましい。また、出力端子が銅の場合は、リードの材質を銅などにすることが望ましい。
ここで、セパレータ及び非水電解質について説明する。
セパレータは、特に限定されるものではなく、例えば、微多孔性の膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物などを用いることができる。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー、セルロースなどをあげることができる。
非水電解質には、非水溶媒に電解質(例えば、リチウム塩)を溶解させた非水電解液を用いることができる。非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフランなどを挙げることができる。非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。電解質は、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)などのリチウム塩を挙げることができる。電解質は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/L〜3mol/Lとすることが望ましい。電解質の濃度が低すぎると十分なイオン導電性を得ることができない場合がある。一方、高すぎると電解液に完全に溶解できない場合がある。
以上説明した第2の実施形態によれば、圧縮成形が施された帯状極板を、集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状極板の長辺方向に張力を加えるため、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。これにより、圧縮成形で電極に生じた歪みや反りを矯正することができる。また、捲回型電極群を作製する工程において生じていた電極の破断、巻きズレや皺・亀裂などの問題を解消することができるため、品質、生産効率に優れた電極の製造を実現することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態によれば、帯状極板の作製、圧縮成形、第1の湾曲矯正、乾燥、及び第2の湾曲矯正を含む電極の製造方法を提供することができる。
第3の実施形態によれば、帯状極板の作製、圧縮成形、第1の湾曲矯正、乾燥、及び第2の湾曲矯正を含む電極の製造方法を提供することができる。
図8は、電極の製造に用いるプレス装置、ガイドローラ装置、及び、第1の巻取り装置を示す模式図である。図9は、湾曲矯正工程におけるガイドローラと帯状極板との位置関係を示す模式図である。図9の(a)は、ガイドローラ上を走行している帯状極板をガイドローラ側から見た平面図であり、図9の(b)はガイドローラを回転軸に平行に裁断することにより得られる断面図である。図10の(a)は、段部のコーナーにテーパーが形成されたガイドローラを回転軸に平行に切断した際に得られる断面図で、図10の(b)は、図10の(a)に示すガイドローラに帯状極板を配置した状態を示す断面図である。図11の(a)は、ガイドローラ上を走行している帯状極板をガイドローラ側から見た平面図であり、図11の(b)はガイドローラを回転軸に平行に裁断することにより得られる断面図である。図12は、電極の製造に用いる繰出し装置、及び、第2の巻取り装置を示す模式図である。
まず、帯状極板の作製、圧縮成形、第1の湾曲矯正について説明する。
図8に示すように、製造工程の前段側から後段に向かってプレス装置21、ガイドローラ装置22、第1の巻取り装置231が配置されている。プレス装置21は、1対のプレスロール21a,21bを有する。プレスロール21a,21bは、駆動部(図示しない)によって図8に示す矢印の方向に回転することにより、プレスロール21a,21間に挿入された帯状極板25を圧縮成形する。第1の巻取り装置231は、駆動部(図示しない)によって回転軸23aが図8に示す矢印の方向に回転することで、帯状極板25がリール状に巻き取られるようになっている。ガイドローラ装置22は、プレス装置21から第1の巻取り装置231に帯状極板25を搬送するためのもので、複数の金属製ガイドローラ241〜245(従動ローラ)を有する。プレスロール21a,21bから第1の巻取り装置231に搬送される帯状極板25には、長手方向に張力(巻取り張力)が加わる。ガイドローラ241〜245は、帯状極板25に加わる張力が巻取りに適した所望の範囲となるように、帯状極板25の上下面に交互に配置されている。ガイドローラ243は、湾曲矯正装置を兼ねている。ガイドローラ243は、図9の(b)に示すように、回転軸方向の一方の端部に円周面から突出した段部26を有する。ガイドローラ243では、段部26に隣接する残りの部分が凹部27となっている。
(帯状極板の作製)
まず、帯状極板25を作製する。帯状極板25は、図9の(a)及び図10の(b)に示すように、帯状集電体と、帯状集電体の一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部25aと、帯状集電体の集電体露出部25a以外の箇所に両面とも形成された活物質含有層25bとを含む。活物質含有層25bは、帯状集電体の長辺方向に連続的に形成されている。短辺方向の幅は、活物質含有層25bの方が集電体露出部25aよりも広くなっている。帯状極板25は、例えば、活物質含有スラリーを帯状集電体に一方の長辺を除いて両面に塗布し、乾燥することにより得られる。あるいは、活物質含有スラリーを集電体の両面に部分的に塗布し、乾燥した後、集電体露出部となる未塗布部が長辺に位置するように裁断することにより帯状極板25を得る。
まず、帯状極板25を作製する。帯状極板25は、図9の(a)及び図10の(b)に示すように、帯状集電体と、帯状集電体の一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部25aと、帯状集電体の集電体露出部25a以外の箇所に両面とも形成された活物質含有層25bとを含む。活物質含有層25bは、帯状集電体の長辺方向に連続的に形成されている。短辺方向の幅は、活物質含有層25bの方が集電体露出部25aよりも広くなっている。帯状極板25は、例えば、活物質含有スラリーを帯状集電体に一方の長辺を除いて両面に塗布し、乾燥することにより得られる。あるいは、活物質含有スラリーを集電体の両面に部分的に塗布し、乾燥した後、集電体露出部となる未塗布部が長辺に位置するように裁断することにより帯状極板25を得る。
活物質含有スラリーは、例えば、活物質に、必要に応じて導電剤及び結着剤を添加し、これらを溶媒の存在下で混練することにより調製される。活物質には、正極用、負極用のいずれを用いても良い。
正極の活物質は、特に限定されるものではなく、種々の酸化物、例えば、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO2)、二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn2O4、LiMnO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2O2)、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタンや二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。
負極の活物質は、特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛質材料もしくは炭素質材料(例えば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体など)、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブなど)、軽金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金など)、リチウムチタン酸化物(例えば、スピネル型のチタン酸リチウム)等を挙げることができる。
導電剤は、特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛、炭素質物、アセチレンブラック、カーボンブラック等を挙げることができる。また、結着剤は、特に限定されるものではなく、例えば、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを用いることができる。
帯状集電体には、金属箔を使用することができる。金属箔は、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔等を挙げることができる。帯状集電体の厚さは50μm以下にすることができる。
(圧縮成形)
次いで、得られた帯状極板25を、図8に示す矢印方向に回転しているプレスロール21a,21b間に挿入し、圧縮成形を施す。帯状極板25の挿入方向が帯状極板25の長手方向に平行であるため、プレス圧力は、活物質含有層25bに主に加わり、活物質含有層25bが圧縮成形され、密度が高められる。集電体露出部25aには、プレス圧力がほとんど加わらないため、活物質含有層25bの下地集電体に比して伸びが小さくなる。その結果、帯状極板25に歪みや反りが生じる。
次いで、得られた帯状極板25を、図8に示す矢印方向に回転しているプレスロール21a,21b間に挿入し、圧縮成形を施す。帯状極板25の挿入方向が帯状極板25の長手方向に平行であるため、プレス圧力は、活物質含有層25bに主に加わり、活物質含有層25bが圧縮成形され、密度が高められる。集電体露出部25aには、プレス圧力がほとんど加わらないため、活物質含有層25bの下地集電体に比して伸びが小さくなる。その結果、帯状極板25に歪みや反りが生じる。
(第1の湾曲矯正)
プレスロール21a,21b間を通過した帯状極板25は、ガイドローラ241〜245を経由して第1の巻取り装置231まで搬送される。湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243では、図9及び図10に示すように、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界が位置し、集電体露出部25aのみが段部26上に配置される。活物質含有層25bは、凹部27に配置される。これにより、帯状極板25の搬送方向(長手方向)に加わる巻取り張力を、集電体露出部25aに集中させることができる。その結果、集電体露出部25aを巻取り張力によって十分に伸ばすことができるため、帯状極板25に生じた歪み及び反りを矯正することができる。ガイドローラ243を通過した帯状極板25は、ガイドローラ244,245を経由して第1の巻取り装置231に巻き取られる。
プレスロール21a,21b間を通過した帯状極板25は、ガイドローラ241〜245を経由して第1の巻取り装置231まで搬送される。湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243では、図9及び図10に示すように、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界が位置し、集電体露出部25aのみが段部26上に配置される。活物質含有層25bは、凹部27に配置される。これにより、帯状極板25の搬送方向(長手方向)に加わる巻取り張力を、集電体露出部25aに集中させることができる。その結果、集電体露出部25aを巻取り張力によって十分に伸ばすことができるため、帯状極板25に生じた歪み及び反りを矯正することができる。ガイドローラ243を通過した帯状極板25は、ガイドローラ244,245を経由して第1の巻取り装置231に巻き取られる。
圧縮成形前の帯状極板25では、帯状集電体全体が伸びていないため、圧縮成形前の帯状極板25をガイドローラ243と接触させると、段部26上の集電体露出部25aのみならず、活物質含有層25bにも巻取り張力(応力)が分散する。圧縮成形後は、活物質含有層25bの下地集電体が伸びて弛むため、巻取り張力(応力)が活物質含有層25bの下地集電体にほとんど加わらず、伸ばされていない集電体露出部25aに巻取り張力を集中させることができる。この時、電極の歪み量は、圧縮後の歪み量に対し、電極を圧縮時の巻き取り張力と同じ張力で第1の巻取り装置231に巻き換えた後では約10%軽減させることができる。
但し、ガイドローラ243の段部26上に活物質含有層25bが配置されると、巻取り張力が活物質含有層25bにも分散するため、集電体露出部25aへの巻取り張力の集中は不十分になり、且つ、既に伸びている活物質含有層25bの下地集電体をさらに延ばしてしまう恐れがあり、電極の歪みと反りが矯正されない。
ガイドローラ243に設ける段部26の段差H(%)は、活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際に下記(1)式を満たすことが望ましい。ここで、活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さは、製造後の電極における活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さである。
150≦H≦600 (1)
段差Hを150%以上にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。また、段差Hを600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えることができる。これらの皺や亀裂は、後工程において電極破断や溶接不良の原因になる恐れがある。従って、段差Hを150%以上600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えつつ、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。皺や亀裂を防止する効果を高めるには、200≦H≦400の範囲がより好ましい。
段差Hを150%以上にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。また、段差Hを600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えることができる。これらの皺や亀裂は、後工程において電極破断や溶接不良の原因になる恐れがある。従って、段差Hを150%以上600%以下にすることによって、活物質含有層25bと集電体露出部25aとの境界付近に皺及び亀裂が生じるのを抑えつつ、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。皺や亀裂を防止する効果を高めるには、200≦H≦400の範囲がより好ましい。
ガイドローラ243に設ける段部26のコーナーは、図9の(b)に例示されるように直角あるいは略直角でも良いが、テーパーを設けても良い。テーパーは、図10の(a),(b)に示すように、段部26と凹部27との境界Xと、段部26の上面とが交わる部分に形成することが望ましい。テーパーR(mm)は、R≦15であることが好ましい。テーパーRを15mm以下にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができる。テーパーRが小さいほど、集電体露出部を伸ばす効果が大きくなるものの、電極が蛇行した場合に電極破断が生じる等の恐れがあるため、0.5≦R≦7の範囲がより好ましい。
テーパーRは、段部26のR部のR面の数点を三次元測定器にて座標プロットすることにより、算出される。三次元測定器には、例えば、カールツァイス(ZEISS)株式会社製の三次元測定機(型式:WMM550)を使用することができる。
少なくとも湾曲矯正工程では、帯状極板25の短辺方向に平行な断面での引張応力F(N/mm2)を、20≦F≦100の範囲にすることが好ましい。引張応力Fを20(N/mm2)以上にすることによって、電極を精度よく巻き取るために必要な応力を満たしつつ、集電体露出部を十分に伸ばすことができる。引張応力Fを100(N/mm2)以下にすることによって、電極の破断及び巻取り精度低下の問題を生じさせることなく、集電体露出部を十分に伸ばすことができる。よって、引張応力F(N/mm2)を20≦F≦100の範囲にすることによって、電極を破断させることなく、かつ電極を精度よく巻き取りつつ、集電体露出部を十分に伸ばすことができる。前述した段差HやテーパーRの条件にも依るが、電極の破断及び巻取り精度低下を防止する効果を高めるためには20≦F≦40の範囲がより好ましい。
帯状極板には、60℃以上150℃以下の温度で加熱処理を施しつつ、湾曲矯正を行うことが望ましい。加熱処理温度Tを60℃以上にすることによって、塑性変形に必要となる応力を低減させる効果を高めることができる。また、帯状極板に掛ける応力が同じ場合には、加熱することによって電極の歪みや反りを矯正する効果を高めることができる。これらの効果は、加熱処理温度Tが高い方が得られやすいが、活物質含有層の熱による変質を避けるため、加熱処理温度Tは60℃以上150℃以下の範囲にすることが望ましい。
(乾燥)
第1の巻取り装置231によりリール状に巻き取られた帯状極板25に乾燥処理が施される。乾燥処理は、100℃以上180℃以下の真空、減圧もしくは大気圧雰囲気で行うことが望ましい。雰囲気の温度を100℃以上にすることにより、帯状極板25からの水分除去を促進することができる。また、180℃以下とすることによって、活物質含有層に含まれる材料の熱劣化を防止することができる。よって、雰囲気の温度を100℃以上180℃以下の範囲にすることによって、活物質含有層に含まれる材料の熱劣化を防止しつつ、帯状極板25からの水分除去を促進することができる。
第1の巻取り装置231によりリール状に巻き取られた帯状極板25に乾燥処理が施される。乾燥処理は、100℃以上180℃以下の真空、減圧もしくは大気圧雰囲気で行うことが望ましい。雰囲気の温度を100℃以上にすることにより、帯状極板25からの水分除去を促進することができる。また、180℃以下とすることによって、活物質含有層に含まれる材料の熱劣化を防止することができる。よって、雰囲気の温度を100℃以上180℃以下の範囲にすることによって、活物質含有層に含まれる材料の熱劣化を防止しつつ、帯状極板25からの水分除去を促進することができる。
乾燥時間は、10時間以上にすることが望ましい。
帯状極板25は、リール状に巻かれているため、捲回による張力が加わっている。活物質含有層25bの下地集電体は、活物質含有層25bが捲回で湾曲するのに追従して変形するため、集電体露出部25aよりも張力の影響を受けやすい。このような張力が加わった状態で乾燥処理を施すと、塑性変形が熱により促進されるため、活物質含有層25bの下地集電体が集電体露出部25aよりも大きく伸び、その結果、帯状極板25に反りや歪みが再度生じる。
(第2の湾曲矯正)
第2の湾曲矯正は、図12に示す装置を用いて行われる。図12に示すように、製造工程の前段側から後段に向かって繰出し装置28、複数の金属製ガイドローラ241〜244、第2の巻取り装置29が配置されている。繰出し装置28は、駆動部(図示しない)によって回転軸28aが図12に示す矢印の方向に回転することで、リール状に巻かれた帯状極板25が搬送方向に繰り出されるようになっている。第2の巻取り装置29は、駆動部(図示しない)によって回転軸29aが図12に示す矢印の方向に回転することで、帯状極板25がリール状に巻き取られるようになっている。複数のガイドローラ241〜244は、帯状極板25に巻き取りに必要な張力が掛かるように、帯状極板25の上下面に交互に配置されている。ガイドローラ241〜244には、第1の湾曲矯正で説明したのと同様なものが用いられ、ガイドローラ243が湾曲矯正装置を兼ねている。
第2の湾曲矯正は、図12に示す装置を用いて行われる。図12に示すように、製造工程の前段側から後段に向かって繰出し装置28、複数の金属製ガイドローラ241〜244、第2の巻取り装置29が配置されている。繰出し装置28は、駆動部(図示しない)によって回転軸28aが図12に示す矢印の方向に回転することで、リール状に巻かれた帯状極板25が搬送方向に繰り出されるようになっている。第2の巻取り装置29は、駆動部(図示しない)によって回転軸29aが図12に示す矢印の方向に回転することで、帯状極板25がリール状に巻き取られるようになっている。複数のガイドローラ241〜244は、帯状極板25に巻き取りに必要な張力が掛かるように、帯状極板25の上下面に交互に配置されている。ガイドローラ241〜244には、第1の湾曲矯正で説明したのと同様なものが用いられ、ガイドローラ243が湾曲矯正装置を兼ねている。
繰出し装置28から繰り出された帯状極板25は、ガイドローラ241〜242を通過した後、ガイドローラ243に搬送される。ガイドローラ243では、図9及び図10に示すように、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界が位置し、集電体露出部25aのみが段部26上に配置される。活物質含有層25bは、凹部27に配置される。これにより、帯状極板25の搬送方向(長手方向)に加わる巻取り張力を、集電体露出部25aに集中させることができる。その結果、集電体露出部25aを巻取り張力によって十分に伸ばすことができるため、帯状極板25に生じた歪み及び反りを再度矯正することができる。ガイドローラ243を通過した帯状極板25は、ガイドローラ244を経由して第2の巻取り装置29に巻き取られる。
第2の巻取り装置29でリール状に巻かれた帯状極板25を必要に応じて所望のサイズに裁断することにより、電極が得られる。なお、帯状極板25をそのまま電極として用いることもできる。
図8では、プレス装置21としてプレスロールを用いたが、活物質含有層を高密度化できるものであればプレスロールの代わりに使用することができる。例えば、プレスロールの代わりに平板プレスを用いることができる。
図8,図12では、複数のガイドローラのうち一つのガイドローラを湾曲矯正装置として使用したが、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの数は一つに限らず、全部または全部のうちの複数個にすることができる。また、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの位置も前段側から3つ目のガイドローラ243に限られるものではなく、任意の位置のガイドローラを用いることができる。
図9では、ガイドローラ243の回転軸方向の一方の端部に円周面から突出した段部26を設けたが、段部の形成方法はこれに限定されず、集電体露出部を伸ばす効果が得られるものであれば良い。例えば図11に例示されるように、回転軸方向の中央付近に円周面から突出した環状の段部26を設け、段部26に隣接する両側の円周面を凹部27とすることができる。
図9〜図11では、帯状極板の片側の長辺にのみ集電体露出部を設けたが、帯状極板の両方の長辺に集電体露出部を設けても良い。帯状極板の両方の長辺に集電体露出部を設けると、電極の反りと歪を防止する効果をより高めることができる。一方、図9のように、帯状極板の片側の長辺にのみ集電体露出部を設けると、高い電池容量とエネルギー密度を得ることができる。
図9〜図11では、帯状極板の両面に活物質含有層を設けたが、帯状極板の片面のみに活物質含有層を設けることもできる。
図9〜図11では、帯状集電体の長辺方向に連続的に活物質含有層を形成したが、帯状集電体の長辺方向に間欠的に活物質含有層を形成し、活物質含有層の間に活物質含有層未形成部を設けても良い。
以上説明した第3の実施形態によれば、圧縮成形、乾燥それぞれの工程の後に湾曲矯正が行われる。湾曲矯正では、帯状極板を、集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状極板の長辺方向に張力を加えるため、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。これにより、圧縮成形と乾燥工程で電極に生じた歪みや反りを矯正することができる。その結果、品質の優れた電極を高い生産効率で製造することが可能となる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態によれば、帯状極板の圧縮成形と、湾曲矯正とを含む電極の製造方法を提供することができる。
第4の実施形態によれば、帯状極板の圧縮成形と、湾曲矯正とを含む電極の製造方法を提供することができる。
圧縮成形は、第3の実施形態のように一度で行っても良いが、多段階に分けて行うこともできる。圧縮成形を多段階に分けて行うと、それぞれの段階で必要な荷重(圧力)が減るため、各段階で電極に生じる反りや歪みが小さくなる。このため、一度で目的の厚み(もしくは密度)まで圧縮した場合に生じる電極の歪みと、複数回に分けて目的の厚み(もしくは密度)まで圧縮した場合に生じる電極の歪み(複数回に分けて生じた電極の歪みの和)とを比べた場合、後者の歪みの方がより小さくなる。よって、複数回に分けて圧縮成形を行った後、湾曲矯正を行うことにより、反りや歪みがなく、かつ高密度な電極を効率良く製造することができる。
複数回に分けて圧縮成形を行う場合、全ての回が終了した後に湾曲矯正を施すことで電極の反りや歪みを少なくすることができるが、圧縮成形の各回毎に湾曲矯正を行うことにより、電極の反りや歪みをさらに少なくすることが可能である。
以下、圧縮成形を二段階に分け、各段階毎に湾曲矯正を行う例を図13を参照して説明する。図13は、電極の製造に用いるプレス装置及びガイドローラを示す模式図である。図13に示すように、製造工程の前段側から後段に向かって第1のプレス装置211、複数の金属製ガイドローラ241〜244、第2のプレス装置212が配置されている。第1,第2のプレス装置211,212は、それぞれ、1対のプレスロール21a,21bを有する。プレスロール21a,21bは、駆動部(図示しない)によって図13に示す矢印の方向に回転することにより、プレスロール21a,21間に挿入された帯状極板25を圧縮成形する。複数のガイドローラ241〜244は、帯状極板25に搬送に必要な張力が掛かるように、帯状極板25の上下面に交互に配置されている。ガイドローラ241〜244には、第1の湾曲矯正で説明したのと同様なものが用いられ、ガイドローラ243が湾曲矯正装置を兼ねている。第2のプレス装置212を通過した帯状極板は、ガイドロール装置を経由して巻取り装置によりリール状に巻き取られる。ガイドロール装置及び巻取り装置には、図8に示すものを使用することができる。
まず、第3の実施形態で説明したのと同様にして得られた帯状極板25を、第1のプレス装置211のプレスロール21a,21b間に挿入し、圧縮成形を施す。帯状極板25の挿入方向が帯状極板25の長手方向に平行であるため、プレス圧力は、活物質含有層25bに主に加わり、活物質含有層25bが圧縮成形され、密度が高められる。集電体露出部25aには、プレス圧力がほとんど加わらないため、活物質含有層25bの下地集電体に比して伸びが小さくなる。その結果、帯状極板25に歪みや反りが生じる。
第1のプレス装置211のプレスロール21a,21b間を通過した帯状極板25は、ガイドローラ241〜242を経由してガイドローラ243まで搬送される。ガイドローラ243では、図9及び図10に示すように、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界が位置し、集電体露出部25aのみが段部26上に配置される。活物質含有層25bは、凹部27に配置される。これにより、帯状極板25の搬送方向(長手方向)に加わる巻取り張力を、集電体露出部25aに集中させることができる。その結果、集電体露出部25aを巻取り張力によって十分に伸ばすことができるため、帯状極板25に生じた歪み及び反りを矯正することができる。ガイドローラ243を通過した帯状極板25は、ガイドローラ244を経由して第2のプレス装置212に搬送される。
帯状極板25を、第2のプレス装置212のプレスロール21a,21b間に挿入し、圧縮成形を施す。帯状極板25の挿入方向が帯状極板25の長手方向に平行であるため、プレス圧力は、活物質含有層25bに主に加わり、活物質含有層25bが圧縮成形され、密度が高められる。集電体露出部25aには、プレス圧力がほとんど加わらないため、活物質含有層25bの下地集電体に比して伸びが小さくなる。その結果、帯状極板25に歪みや反りが生じる。
第2のプレス装置212を通過した帯状極板25は、複数のガイドローラを経由して巻取り装置まで搬送される。複数のガイドローラのうちの一つが湾曲矯正装置を兼ねているため、帯状極板25に生じた歪み及び反りを矯正することができる。巻取り装置でリール状に巻かれた帯状極板を必要に応じて所望のサイズに裁断することにより、電極が得られる。なお、帯状極板をそのまま電極として用いることもできる。
図13では、圧縮成形を二段階に分けて行ったが、これに限定されるものではなく、三段階以上に分けて行うことができる。三段階以上の場合、圧縮成形を一段階行うたびに湾曲矯正を行い、その後、必要に応じて所望のサイズに裁断することにより、電極が得られる。
図13では、プレス装置21としてプレスロールを用いたが、活物質含有層を高密度化できるものであればプレスロールの代わりに使用することができる。例えば、プレスロールの代わりに平板プレスを用いることができる。
図13では、複数のガイドローラのうち一つのガイドローラを湾曲矯正装置として使用したが、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの数は一つに限らず、全部または全部のうちの複数個にすることができる。また、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの位置も前段側から3つ目のガイドローラ243に限られるものではなく、任意の位置のガイドローラを用いることができる。さらに、湾曲矯正装置として使用するガイドローラの位置及び数は、全ての工程で同じに揃えても、各工程毎に異ならせても良い。
以上説明した第4の実施形態によれば、多段階圧縮成形と、湾曲矯正とを含む電極の製造方法が提供される。多段階圧縮成形によると、一回の工程で圧縮成形を行う場合に比して電極に生じる歪みや反りを小さくすることができる。また、湾曲矯正では、帯状極板を、集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状極板の長辺方向に張力を加えるため、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。従って、多段階圧縮成形と湾曲矯正とを組み合わせることにより、電極に生じた歪みや反りを十分に矯正することができる。その結果、品質の優れた電極を高い生産効率で製造することが可能となる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法が提供される。正極及び負極のうち少なくとも一方の電極は、第3〜第4の実施形態に係るいずれかの方法で製造される。図14は、第3の実施形態に係る方法で製造される非水電解質電池の展開斜視図である。図15は、図14に示す電池で用いられる電極群の部分展開斜視図である。
第5の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法が提供される。正極及び負極のうち少なくとも一方の電極は、第3〜第4の実施形態に係るいずれかの方法で製造される。図14は、第3の実施形態に係る方法で製造される非水電解質電池の展開斜視図である。図15は、図14に示す電池で用いられる電極群の部分展開斜視図である。
図14に示す電池は、密閉型の角型非水電解質二次電池である。非水電解質二次電池は、外装缶1と、蓋2と、正極出力端子3と、負極出力端子4と、電極群5とを備える。図14に示すように、外装缶1は、有底角筒形状をなし、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。
図15に示すように、偏平型の電極群5は、正極6と負極7がその間にセパレータ8を介して偏平形状に捲回されたものである。正極6は、例えば金属箔からなる帯状の正極集電体と、正極集電体の集電体露出部からなる正極集電タブ6aと、少なくとも正極集電タブ6aの部分を除いて正極集電体に形成された正極活物質層6bとを含む。一方、負極7は、例えば金属箔からなる帯状の負極集電体と、負極集電体の集電体露出部からなる負極集電タブ7aと、少なくとも負極集電タブ7aの部分を除いて負極集電体に形成された負極活物質層7bとを含む。
このような正極6、セパレータ8及び負極7は、正極集電タブ6aが電極群の捲回軸方向にセパレータ8から突出し、かつ負極集電タブ7aがこれとは反対方向にセパレータ8から突出するよう、正極6及び負極7の位置をずらして捲回されている。このような捲回により、電極群5は、図15に示すように、一方の端面から渦巻状に捲回された正極集電タブ6aが突出し、かつ他方の端面から渦巻状に捲回された負極集電タブ7aが突出している。
電解液(図示しない)は、電極群5に含浸されている。矩形板状の蓋2は、外装缶1の開口部に例えばレーザでシーム溶接される。蓋2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。蓋2と外装缶1は、同じ種類の金属から形成されることが望ましい。
図14に示すように、蓋2の外面の中央付近に安全弁9が設けられている。安全弁9は、蓋2の外面に設けられた矩形状の凹部9aと、凹部9a内に設けられたX字状の溝部9bとを有する。溝部9bは、例えば、蓋2を板厚方向にプレス成型することにより形成される。注液口10は、蓋2に開口され、電解液の注液後に封止される。
蓋2の外面には、安全弁9を間に挟んだ両側に正負極出力端子3,4が絶縁ガスケット(図示しない)を介してかしめ固定されている。負極活物質に炭素系材料を使用するリチウムイオン二次電池の場合、正極出力端子3には、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用され、負極出力端子4には、例えば、銅、ニッケル、ニッケルメッキされた鉄などの金属が使用される。また、負極活物質にチタン酸リチウムを使用する場合は、上記に加え、負極出力端子4にアルミニウムあるいはアルミニウム合金を使用してもかまわない。
正極リード11は、一端が、正極出力端子3にかしめ固定あるいは溶接によって電気的に接続され、かつ他端が正極集電タブ6aに電気的に接続されている。負極リード12は、一端が、負極出力端子4にかしめ固定あるいは溶接によって電気的に接続され、かつ他端が負極集電タブ7aに電気的に接続されている。正負極リード11,12を正負極集電タブ6a,7aに電気的に接続する方法は、特に限定されるものではないが、例えば超音波溶接やレーザ溶接等の溶接が挙げられる。
このように、正極出力端子3と正極集電タブ6aとが正極リード11を介して電気的に接続され、負極出力端子4と負極集電タブ7aとが負極リード12を介して電気的に接続されることにより、正負極出力端子3,4から電流を取り出せるようになる。
正負極リード11,12の材質は、特に指定しないが、正負極出力端子3,4と同じ材質にすることが望ましい。例えば、出力端子の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合は、リードの材質をアルミニウム、アルミニウム合金にすることが好ましい。また、出力端子が銅の場合は、リードの材質を銅などにすることが望ましい。
ここで、セパレータ及び非水電解質について説明する。
セパレータは、特に限定されるものではなく、例えば、微多孔性の膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物などを用いることができる。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー、セルロースなどをあげることができる。
非水電解質には、非水溶媒に電解質(例えば、リチウム塩)を溶解させた非水電解液を用いることができる。非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフランなどを挙げることができる。非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。電解質は、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)などのリチウム塩を挙げることができる。電解質は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/L〜3mol/Lとすることが望ましい。電解質の濃度が低すぎると十分なイオン導電性を得ることができない場合がある。一方、高すぎると電解液に完全に溶解できない場合がある。
以上説明した第5の実施形態によれば、帯状極板を集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状極板の長辺方向に張力を加えるため、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。これにより、圧縮成形や乾燥工程等の製造工程で電極に生じた歪みや反りを矯正することができる。また、捲回型電極群を作製する工程において生じていた電極の破断、巻きズレや皺・亀裂などの問題を解消することができるため、品質、生産効率に優れた電極の製造を実現することができる。
なお、湾曲矯正が施されるのは、圧縮成形もしくは乾燥が施された帯状極板に限らず、活物質含有層の下地集電体と集電体露出部との伸びの差に起因して反りや歪みを生じた場合に有効である。
第3の実施形態における第1,第2の湾曲矯正、第4の実施形態における湾曲矯正は、第1の実施形態に係る湾曲矯正と同様な方法で行うことが可能である。
以下に実施例を説明するが、実施形態の主旨を超えない限り、実施形態は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
以下に、リチウムイオン二次電池用の正極および負極の実施例を示す。
以下に、リチウムイオン二次電池用の正極および負極の実施例を示す。
正極活物質としてLiCoO2と、導電剤として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、これらを有機溶媒に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを集電体としての帯状アルミニウム箔に長辺一辺の両面を除いて塗布した後、乾燥することにより、帯状の正極板を作製した。
負極活物質としてLi4Ti5O12と、導電剤として炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、これらを有機溶媒に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを集電体としての帯状アルミニウム箔に長辺一辺の両面を除いて塗布した後、乾燥することにより、帯状の負極板を作製した。
帯状の正極板、帯状の負極板それぞれについて、図1に示すプレス装置21で活物質含有層を圧縮した後、ガイドローラ装置22を経由して巻取り装置23によりフープ状に巻き取った。湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243では、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界を位置させ、集電体露出部25aを段部26上に配置し、活物質含有層25bを凹部27に配置した。表1に、段部26の段差H、テーパーRを示す。また、プレス装置21による圧縮成形工程から巻取り装置23によりフープ状に巻き取られるまで、帯状の正極板、帯状の負極板それぞれの長手方向に引張張力(巻取り張力)が加わった。帯状の正極板、帯状の負極板それぞれの短辺方向に平行な断面での引張応力Fを下記表1に示す。帯状の正極板、帯状の負極板それぞれについて、湾曲矯正工程では加熱処理を行わず、室温(RT)雰囲気で湾曲矯正を行った。
巻取り装置23によりフープ状に巻き取った正極板及び負極板をそれぞれ、1mの長さに切り出し、歪み量を計測した。歪み量は、正極6の場合、図7に示すように、正極6の長さL(1m)と平行な地点と、正極6の最も湾曲した部分との最短距離Y1である。負極7の場合、負極7の長さL(1m)と平行な地点と、負極7の最も湾曲した部分との最短距離Y2を歪み量とする。歪み量の測定結果を表1に示す。
歪み量の測定後、正極と負極の間にセパレータを配置し、集電体露出部からなる正極集電タブを電極群の捲回軸方向にセパレータから突出させ、かつ集電体露出部からなる負極集電タブをこれとは反対方向にセパレータから突出させ、扁平形状に捲回することにより、図6に示す電極群を作製した。電極群作製工程での捲回時の電極破断の有無、さらに作製した電極群を分解して電極の捲きズレ、皺や亀裂の有無を調査した。結果を表2に示す。
(実施例2〜18および比較例1)
ガイドローラに設ける段部の段差H、テーパーR、帯状の正負極板の引張応力F、さらに電極の加熱温度Tの条件を表1に示した様にすること以外は、実施例1と同様にした。結果を表1、2に示す。なお、比較例1では、ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わなかった。また、加熱温度Tが「RT」と表示されているものは、室温(RT)雰囲気で湾曲矯正を行った。加熱温度Tに140℃と記載されている実施例13では、正負極板に140℃の加熱処理を施しながら湾曲矯正を行った。
ガイドローラに設ける段部の段差H、テーパーR、帯状の正負極板の引張応力F、さらに電極の加熱温度Tの条件を表1に示した様にすること以外は、実施例1と同様にした。結果を表1、2に示す。なお、比較例1では、ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わなかった。また、加熱温度Tが「RT」と表示されているものは、室温(RT)雰囲気で湾曲矯正を行った。加熱温度Tに140℃と記載されている実施例13では、正負極板に140℃の加熱処理を施しながら湾曲矯正を行った。
(比較例2)
湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243の段部26上に集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界を位置させ、かつ段部26上に、集電体露出部25aの短辺方向の幅分全てと、集電体露出部25aの短辺方向幅と等しい幅分の活物質含有層25bとを配置すること以外は、実施例1と同様にした。結果を表1、2に示す。
湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243の段部26上に集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界を位置させ、かつ段部26上に、集電体露出部25aの短辺方向の幅分全てと、集電体露出部25aの短辺方向幅と等しい幅分の活物質含有層25bとを配置すること以外は、実施例1と同様にした。結果を表1、2に示す。
(実施例19〜21)
ガイドローラに設ける段部の段差H、テーパーR、帯状の正負極板の引張応力F、さらに電極の加熱温度Tの条件を表1に示した様にすること以外は、実施例1と同様にした。結果を表1、2に示す。
ガイドローラに設ける段部の段差H、テーパーR、帯状の正負極板の引張応力F、さらに電極の加熱温度Tの条件を表1に示した様にすること以外は、実施例1と同様にした。結果を表1、2に示す。
表1,2から明らかなように、実施例1〜18によると、正極歪み量及び負極歪み量の双方が、比較例1に比して小さくなることがわかる。また、実施例1〜18によると、電極作製時の電極破断が皆無である。一方、比較例2では、活物質含有層が段部上に配置されているため、集電体露出部だけに集中させたい応力が活物質含有層にも分散し、集電体露出部に比して厚みの大きい活物質含有層の方により応力が集中した。このため、比較例2によると、捲回時に電極破断を生じ、電極破断に至らずに作製できた電極群内では、巻きずれがあり、しかも電極群内の正負極に皺と亀裂が生じていた。
実施例1〜4と実施例14,15との比較から、段差Hが150%以上600%以下の実施例1〜4の正負極の歪みが、段差Hが150%未満の実施例14に比して大幅に矯正されていることが分かる。段差Hが600%を超えている実施例15では、正負極の歪みが小さくなるものの、電極群を作製するために正負極を捲回すると皺や亀裂が生じることがあった。しかし、実施例19〜21の結果から、段差Hが600%を超えている場合でも、段差Hを750%未満にすると、正負極の歪みが小さくなり、かつ正負極を捲回する際の皺及び亀裂の発生が皆無になることがわかった。
実施例1,5〜8,16の比較から、テーパーRが15mm以下の実施例1,5〜8の正負極の歪みが、テーパーRが15mmを超える実施例16に比して大幅に矯正されていることが分かる。テーパーRが小さい方が歪み量が小さくなるものの、テーパーRが0.5mmの実施例5では、電極群を作製するために正負極を捲回すると皺や亀裂が生じることがあった。
実施例1,9〜12,17,18の比較から、引張応力Fが20(N/mm2)以上の実施例1,9〜12,18の正負極の歪みが、引張応力Fが20(N/mm2)未満の実施例17に比して大幅に矯正されていることが分かる。引張応力Fが大きい方が歪み量が小さくなるものの、引張応力Fが100を超える実施例18では、電極群を作製するために正負極を捲回すると皺や亀裂が生じることがあった。
実施例1と実施例13を比較することにより、加熱温度が60℃以上150℃以下の実施例13の正負極の歪みが、加熱処理を施さない実施例1に比して大幅に矯正されていることが分かる。
ガイドローラに設ける段部の段差H(%)は、活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際に下記(A)式を満たすことが望ましい。
150≦H≦750 (A)
段差Hを150%以上750%以下にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができるため、電極の反り及び歪み量を少なくすることができる。従って、電極を捲回した際の電極の破断を防止することができる。また、段差Hを150%以上750%未満にすることによって、圧縮成形で電極に生じた歪み及び反りを少なくすることができると共に、電極を捲回した際に電極に皺及び亀裂が生じるのを抑えることができる。
段差Hを150%以上750%以下にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができるため、電極の反り及び歪み量を少なくすることができる。従って、電極を捲回した際の電極の破断を防止することができる。また、段差Hを150%以上750%未満にすることによって、圧縮成形で電極に生じた歪み及び反りを少なくすることができると共に、電極を捲回した際に電極に皺及び亀裂が生じるのを抑えることができる。
以上述べた少なくとも一つの実施形態及び実施例によれば、圧縮成形が施された帯状極板を、集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状極板の長辺方向に張力を加えるため、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。これにより、帯状極板に加える張力を大幅に増加させることなく、圧縮成形で電極に生じた歪みや反りを矯正することができる。また、電極群を作製する際の電極破断を防止することができる。
(実施例22)
以下に、リチウムイオン二次電池用の正極および負極の実施例を示す。
以下に、リチウムイオン二次電池用の正極および負極の実施例を示す。
(第1の工程)
正極活物質としてLiCoO2と、導電剤として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、これらを有機溶媒に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを集電体としての帯状アルミニウム箔に長辺一辺の両面を除いて塗布した後、乾燥した。ひきつづき、スリット装置で正極板をその長手方向に塗布部(活物質含有層)と未塗布部(集電体露出部)との幅の比率が9:1になるように裁断し、帯状の正極板を得た。
正極活物質としてLiCoO2と、導電剤として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、これらを有機溶媒に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを集電体としての帯状アルミニウム箔に長辺一辺の両面を除いて塗布した後、乾燥した。ひきつづき、スリット装置で正極板をその長手方向に塗布部(活物質含有層)と未塗布部(集電体露出部)との幅の比率が9:1になるように裁断し、帯状の正極板を得た。
負極活物質としてLi4Ti5O12と、導電剤として炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、これらを有機溶媒に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを集電体としての帯状アルミニウム箔に長辺一辺の両面を除いて塗布した後、乾燥した。ひきつづき、スリット装置で負極板をその長手方向に塗布部(活物質含有層)と未塗布部(集電体露出部)との幅の比率が9:1になるように裁断し、帯状の負極板を得た。
帯状の正極板、帯状の負極板それぞれについて、図8に示すプレス装置21で活物質含有層を圧縮した後、ガイドローラ装置22を経由して第1の巻取り装置231によりリール状に巻き取った。湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243では、段部26と凹部27との境界Xに、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界を位置させ、集電体露出部25aを段部26上に配置し、活物質含有層25bを凹部27に配置した。段部26の段差Hは300%で、テーパーRは6.5mmであった。また、プレス装置21による圧縮成形工程から第1の巻取り装置231によりリール状に巻き取られるまで、帯状の正極板、帯状の負極板それぞれの長手方向に引張張力(巻取り張力)が加わった。帯状の正極板、帯状の負極板それぞれの短辺方向に平行な断面での引張応力Fは40(N/mm2)であった。帯状の正極板、帯状の負極板それぞれについて、湾曲矯正工程では加熱処理を行わず、室温(RT)雰囲気で湾曲矯正を行った。
第1の巻取り装置231によりリール状に巻き取られた正極板及び負極板それぞれから、1mの長さ分を切り出し、歪み量を計測した。歪み量は、正極6の場合、図7に示すように、正極6の長さL(1m)と平行な地点と、正極6の最も湾曲した部分との最短距離Y1である。負極7の場合、負極7の長さL(1m)と平行な地点と、負極7の最も湾曲した部分との最短距離Y2を歪み量とする。
(第2の工程)
第1の工程後のリール状の正極板及び負極板に乾燥処理をそれぞれ施した。乾燥条件は、150℃の真空雰囲気で10時間とした。その後、リール状の正極板及び負極板それぞれから、1mの長さ分を切り出し、第1の工程で説明したのと同様にして歪み量を計測した。
第1の工程後のリール状の正極板及び負極板に乾燥処理をそれぞれ施した。乾燥条件は、150℃の真空雰囲気で10時間とした。その後、リール状の正極板及び負極板それぞれから、1mの長さ分を切り出し、第1の工程で説明したのと同様にして歪み量を計測した。
(第3の工程)
リール状の正極板及び負極板それぞれについて、図12に示す繰出し装置28を用いて繰り出し、ガイドローラ241〜242を経由してガイドローラ243に搬送した。ガイドローラ243では、第1の工程で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、リール状の正極板及び負極板それぞれから、1mの長さ分を切り出し、第1の工程で説明したのと同様にして歪み量を計測した。
リール状の正極板及び負極板それぞれについて、図12に示す繰出し装置28を用いて繰り出し、ガイドローラ241〜242を経由してガイドローラ243に搬送した。ガイドローラ243では、第1の工程で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、リール状の正極板及び負極板それぞれから、1mの長さ分を切り出し、第1の工程で説明したのと同様にして歪み量を計測した。
第3の工程で歪み量の測定を行った正極と負極の間にセパレータを配置し、集電体露出部からなる正極集電タブを電極群の捲回軸方向にセパレータから突出させ、かつ集電体露出部からなる負極集電タブをこれとは反対方向にセパレータから突出させ、扁平形状に捲回することにより、図15に示す電極群を作製した。電極群作製工程での捲回時の電極破断の頻度を調査した。また、電極群作製工程では、捲回時、センサで正負極の端部を検知して正負極の蛇行補正を行なった。その際の補正量を電極の蛇行量とした。
(比較例3)
ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わないこと以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わないこと以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
(比較例4)
第1の工程と第3の工程で行われる湾曲矯正を下記のように変更すること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
第1の工程と第3の工程で行われる湾曲矯正を下記のように変更すること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
湾曲矯正装置を兼ねたガイドローラ243の段部26上に、集電体露出部25aと活物質含有層25bとの境界を配置した。また、段部26上に、集電体露出部25aの短辺方向の幅分全てと、集電体露出部25aの短辺方向幅と等しい幅分の活物質含有層25bとを配置した。段部26の段差H、テーパーR、引張応力Fは、実施例22と同様な条件にした。また、実施例22と同様に室温(RT)雰囲気で湾曲矯正を行った。
表3から明らかなように、実施例22によると、第3の工程後の正負極双方の歪み量及び蛇行量が比較例3に比して小さく、また、実施例22と比較例4と比較した場合、第1〜第3の工程いずれでも正負極双方の歪み量が比較例4に比して小さく、また電極群作製時の蛇行量も比較例4に比して小さいことがわかる。また、捲回型電極群を作製する際の正負極の破断頻度が、実施例1では皆無であるのに対し、比較例3,4では時々生じた。
(実施例23)
第二の工程における乾燥条件を150℃の大気圧雰囲気で10時間とすること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
第二の工程における乾燥条件を150℃の大気圧雰囲気で10時間とすること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
(比較例5)
ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わないこと以外は、実施例23と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わないこと以外は、実施例23と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
(比較例6)
第1の工程と第3の工程で行われる湾曲矯正を比較例4と同様にすること以外は、実施例23と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
第1の工程と第3の工程で行われる湾曲矯正を比較例4と同様にすること以外は、実施例23と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
表4から明らかなように、実施例23によると、第3の工程後の正負極双方の歪み量及び蛇行量が比較例5に比して小さく、また、実施例23と比較例6と比較した場合、第1〜第3の工程いずれでも正負極双方の歪み量が比較例6に比して小さく、また電極群作製時の蛇行量も比較例6に比して小さいことがわかる。また、捲回型電極群を作製する際の正負極の破断頻度が、実施例23では皆無であるのに対し、比較例5,6では時々生じた。
(実施例24)
(第1の工程)
実施例22の第1の工程で説明したのと同様にして作製した帯状の正極板、帯状の負極板それぞれについて、図12に示す第1のプレス装置211で活物質含有層を圧縮前の厚さ(塗布・乾燥後を100%とする)の90%になるまで圧縮した後、ガイドローラ241〜244により搬送した。ガイドローラ243では、実施例22で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、実施例22と同様にして歪み量を測定した。
(第1の工程)
実施例22の第1の工程で説明したのと同様にして作製した帯状の正極板、帯状の負極板それぞれについて、図12に示す第1のプレス装置211で活物質含有層を圧縮前の厚さ(塗布・乾燥後を100%とする)の90%になるまで圧縮した後、ガイドローラ241〜244により搬送した。ガイドローラ243では、実施例22で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、実施例22と同様にして歪み量を測定した。
(第2の工程)
第1の工程で歪み量を測定した後、第2のプレス装置212で活物質含有層を圧縮前の厚さ(塗布・乾燥後を100%とする)の80%になるまで圧縮した。第2のプレス装置212を通過した帯状極板25に実施例22で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、実施例22と同様にして歪み量を測定した。
第1の工程で歪み量を測定した後、第2のプレス装置212で活物質含有層を圧縮前の厚さ(塗布・乾燥後を100%とする)の80%になるまで圧縮した。第2のプレス装置212を通過した帯状極板25に実施例22で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、実施例22と同様にして歪み量を測定した。
(第3の工程)
第2の工程で歪み量を測定した後、第1、第2のプレス装置と同様な構成の第3のプレス装置で活物質含有層を圧縮前の厚さ(塗布・乾燥後を100%とする)の75%になるまで圧縮した。第3のプレス装置を通過した帯状極板に実施例22で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、実施例22と同様にして歪み量を測定した。
第2の工程で歪み量を測定した後、第1、第2のプレス装置と同様な構成の第3のプレス装置で活物質含有層を圧縮前の厚さ(塗布・乾燥後を100%とする)の75%になるまで圧縮した。第3のプレス装置を通過した帯状極板に実施例22で説明したのと同様にして湾曲矯正を行った。その後、実施例22と同様にして歪み量を測定した。
第3の工程で歪み量の測定を行った正極と負極の間にセパレータを配置し、集電体露出部からなる正極集電タブを電極群の捲回軸方向にセパレータから突出させ、かつ集電体露出部からなる負極集電タブをこれとは反対方向にセパレータから突出させ、扁平形状に捲回することにより、図15に示す電極群を作製した。電極群作製工程での捲回時の電極破断の頻度と、電極板の蛇行量を調査した。
(比較例7)
ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わないこと以外は、実施例24と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
ガイドローラに段部を設けず、電極の歪み、反りの矯正を一切行わないこと以外は、実施例24と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
(比較例8)
第1〜第3の工程で行われる湾曲矯正を比較例4と同様にすること以外は、実施例24と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
第1〜第3の工程で行われる湾曲矯正を比較例4と同様にすること以外は、実施例24と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。
表5から明らかなように、実施例24によると、第3の工程後の正負極双方の歪み量及び蛇行量が比較例7に比して小さく、また、実施例24と比較例8と比較した場合、第1〜第3の工程いずれでも正負極双方の歪み量が比較例8に比して小さく、また電極群作製時の蛇行量も比較例8に比して小さいことがわかる。また、捲回型電極群を作製する際の正負極の破断頻度が、実施例24では皆無であるのに対し、比較例7,8では時々生じた。
(実施例25)
段部26の段差Hを600%にすること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。その結果を表3に併記する。
段部26の段差Hを600%にすること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。その結果を表3に併記する。
(実施例26)
段部26の段差Hを740%にすること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。その結果を表3に併記する。
段部26の段差Hを740%にすること以外は、実施例22と同様にして正負極及び電極群を製造し、歪み量、蛇行量及び破断頻度を測定した。その結果を表3に併記する。
表3から明らかなように、実施例25,26によると、第3の工程後の正負極双方の歪み量及び蛇行量が比較例3に比して小さく、また、実施例25,26と比較例4と比較した場合、第1〜第3の工程いずれでも正負極双方の歪み量が比較例4に比して小さく、また電極群作製時の蛇行量も比較例4に比して小さいことがわかる。また、捲回型電極群を作製する際の正負極の破断頻度が、実施例25,26では皆無であった。
ガイドローラに設ける段部の段差H(%)は、活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際に下記(A)式を満たすことが望ましい。
150≦H≦750 (A)
段差Hを150%以上750%以下にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができるため、電極の反り及び歪み量を少なくすることができる。従って、電極を捲回した際の電極の破断を防止することができる。また、段差Hを150%以上750%未満にすることによって、圧縮成形で電極に生じた歪み及び反りを少なくすることができると共に、電極を捲回した際に電極に破断が生じるのを抑えることができる。
段差Hを150%以上750%以下にすることによって、集電体露出部に応力を十分に集中させて伸ばすことができるため、電極の反り及び歪み量を少なくすることができる。従って、電極を捲回した際の電極の破断を防止することができる。また、段差Hを150%以上750%未満にすることによって、圧縮成形で電極に生じた歪み及び反りを少なくすることができると共に、電極を捲回した際に電極に破断が生じるのを抑えることができる。
以上に実施形態及び実施例を説明したが、説明したものに限定されるものではない。例えば、活物質含有ペーストを塗布した厚さや重量、塗布部と未塗布部との比率、電極板の圧縮密度、または第二の工程の影響などに応じて、ガイドローラに設ける段部の段差や形状、引っ張り応力などを適宜変更することで同等の効果を得ることが出来る。さらに、活物質ペーストの塗布は連続であっても間欠であっても同等の効果が得ることが出来、電極の集電基材もアルミニウム箔に限定されるものではなく、その材質や厚み、引っ張り強度や硬度に応じて、前記した段差の高さや形状、引っ張り応力などを適宜変更することで、やはり同等の効果を得ることが出来る。
以上述べた少なくとも一つの実施形態及び実施例によれば、集電体露出部がローラの段部に位置し、かつ活物質含有層がローラの凹部に位置するように配置し、帯状集電体の長辺方向に張力を加えることにより電極に生じた歪みや湾曲を矯正する。これにより、張力を集電体露出部に集中させることができ、集電体露出部を塑性変形させて十分に伸ばすことができる。その結果、帯状極板に加える張力を大幅に増加させることなく、圧縮成形で電極に生じた歪みや反りを矯正することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]帯状集電体と、前記帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、前記帯状集電体の前記集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む帯状極板の前記活物質含有層に、圧縮成形を施す工程と、円周面から突出した段部と、前記段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、前記帯状極板を、前記集電体露出部が前記段部に位置し、かつ前記活物質含有層が前記凹部に位置するように配置し、前記帯状極板の長辺方向に張力を加える工程と
を含むことを特徴とする電極の製造方法。
[2]前記段部の段差が下記(A)式を満たすことを特徴とする[1]記載の電極の製造方法。
150≦H≦750 (A)
但し、Hは、前記電極の前記活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際の前記段差の大きさ(%)である。
[3]前記段部の段差が下記(1)式を満たすことを特徴とする[1]記載の電極の製造方法。
150≦H≦600 (1)
但し、Hは、前記電極の前記活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際の前記段差の大きさ(%)である。
[4]前記段部のテーパーR(mm)を、R≦15とすることを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[5]前記張力を加える工程での前記帯状極板の引張応力F(N/mm 2 )が、20≦F≦100を満たすことを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[6]前記張力を加える工程では、前記帯状極板に60℃以上150℃以下の温度で加熱処理が施されることを特徴とする[5]記載の電極の製造方法。
[7]前記活物質含有層は、前記帯状集電体の長手方向に連続的もしくは間欠的に形成されていることを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[8]前記帯状集電体は、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔または銅箔であることを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[9]正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法であって、前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極が、[1]〜[8]いずれか記載の方法で製造されることを特徴とする電池の製造方法。
[10]帯状集電体と、前記帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、前記帯状集電体の前記集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む電極の製造方法であって、円周面から突出した段部と、前記段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、前記集電体露出部が前記段部に位置し、かつ前記活物質含有層が前記凹部に位置するように配置し、前記帯状集電体の長辺方向に張力を加える工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
[11]前記張力を加える工程は、活物質含有層を圧縮成形する工程の後に行われることを特徴とする[10]記載の電極の製造方法。
[12]前記張力を加える工程の後に乾燥工程が行われ、前記乾燥工程の後、前記張力を加える工程が再度行われることを特徴とする[11]記載の電極の製造方法。
[13]前記張力を加える工程と、前記活物質含有層を圧縮成形する工程とが交互に行われることを特徴とする[11]記載の電極の製造方法。
[14]前記活物質含有層は、前記帯状集電体の長手方向に連続的もしくは間欠的に形成されていることを特徴とする[12]または[13]いずれか記載の電極の製造方法。
[15]前記帯状集電体は、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔または銅箔であることを特徴とする[12]または[13]いずれか記載の電極の製造方法。
[16]正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法であって、前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極が、[10]〜[15]いずれか記載の方法で製造されることを特徴とする電池の製造方法。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]帯状集電体と、前記帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、前記帯状集電体の前記集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む帯状極板の前記活物質含有層に、圧縮成形を施す工程と、円周面から突出した段部と、前記段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、前記帯状極板を、前記集電体露出部が前記段部に位置し、かつ前記活物質含有層が前記凹部に位置するように配置し、前記帯状極板の長辺方向に張力を加える工程と
を含むことを特徴とする電極の製造方法。
[2]前記段部の段差が下記(A)式を満たすことを特徴とする[1]記載の電極の製造方法。
150≦H≦750 (A)
但し、Hは、前記電極の前記活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際の前記段差の大きさ(%)である。
[3]前記段部の段差が下記(1)式を満たすことを特徴とする[1]記載の電極の製造方法。
150≦H≦600 (1)
但し、Hは、前記電極の前記活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際の前記段差の大きさ(%)である。
[4]前記段部のテーパーR(mm)を、R≦15とすることを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[5]前記張力を加える工程での前記帯状極板の引張応力F(N/mm 2 )が、20≦F≦100を満たすことを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[6]前記張力を加える工程では、前記帯状極板に60℃以上150℃以下の温度で加熱処理が施されることを特徴とする[5]記載の電極の製造方法。
[7]前記活物質含有層は、前記帯状集電体の長手方向に連続的もしくは間欠的に形成されていることを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[8]前記帯状集電体は、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔または銅箔であることを特徴とする[2]または[3]いずれか記載の電極の製造方法。
[9]正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法であって、前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極が、[1]〜[8]いずれか記載の方法で製造されることを特徴とする電池の製造方法。
[10]帯状集電体と、前記帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、前記帯状集電体の前記集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む電極の製造方法であって、円周面から突出した段部と、前記段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、前記集電体露出部が前記段部に位置し、かつ前記活物質含有層が前記凹部に位置するように配置し、前記帯状集電体の長辺方向に張力を加える工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
[11]前記張力を加える工程は、活物質含有層を圧縮成形する工程の後に行われることを特徴とする[10]記載の電極の製造方法。
[12]前記張力を加える工程の後に乾燥工程が行われ、前記乾燥工程の後、前記張力を加える工程が再度行われることを特徴とする[11]記載の電極の製造方法。
[13]前記張力を加える工程と、前記活物質含有層を圧縮成形する工程とが交互に行われることを特徴とする[11]記載の電極の製造方法。
[14]前記活物質含有層は、前記帯状集電体の長手方向に連続的もしくは間欠的に形成されていることを特徴とする[12]または[13]いずれか記載の電極の製造方法。
[15]前記帯状集電体は、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔または銅箔であることを特徴とする[12]または[13]いずれか記載の電極の製造方法。
[16]正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法であって、前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極が、[10]〜[15]いずれか記載の方法で製造されることを特徴とする電池の製造方法。
1…外装缶、2…蓋、3…正極出力端子、4…負極出力端子、5…電極群、6…正極、6a…正極集電タブ、6b…正極活物質含有層、7…負極、7a…負極集電タブ、7b…負極活物質含有層、8…セパレータ、9…安全弁、9a…凹部、9b…溝部、10…注液口、11…正極リード、12…負極リード、21…プレス装置、211,212…第1,第2のプレス装置、21a,21b…プレスロール、22…ガイドローラ装置、23…巻取り装置、231…第1の巻取り装置、241〜245…ガイドローラ、25…帯状極板、25a…集電体露出部、25b…活物質含有層、26…段部、27…凹部、28…繰出し装置、29…第2の巻取り装置。
Claims (10)
- 帯状集電体と、前記帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、前記帯状集電体の前記集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む電極の製造方法であって、
前記帯状集電体と、前記集電体露出部と、前記活物質含有層とを含む帯状極板の前記活物質含有層に、圧縮成形を施す工程と、
前記圧縮成形を施す工程の後に、円周面から突出した段部と、前記段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、前記集電体露出部が前記段部に位置し、かつ前記活物質含有層が前記凹部に位置するように配置し、前記帯状集電体の長辺方向に張力を加える工程と、
前記張力を加える工程の後に、前記帯状極板を乾燥させる工程と
を含み、
前記乾燥工程の後、前記張力を加える工程が再度行われることを特徴とする電極の製造方法。 - 帯状集電体と、前記帯状集電体の少なくとも一方の長辺に形成され、両面共に活物質含有層が存在しない集電体露出部と、前記帯状集電体の前記集電体露出部以外の少なくとも一部に形成された活物質含有層とを含む電極の製造方法であって、
前記帯状集電体と、前記集電体露出部と、前記活物質含有層とを含む帯状極板の前記活物質含有層に、圧縮成形を施す工程と、
前記圧縮成形を施す工程の後に、円周面から突出した段部と、前記段部に隣接する凹部とを有するローラ上に、前記集電体露出部が前記段部に位置し、かつ前記活物質含有層が前記凹部に位置するように配置し、前記帯状集電体の長辺方向に張力を加える工程と
を含み、
前記張力を加える工程と、前記圧縮成形を施す工程とが交互に行われることを特徴とする電極の製造方法。 - 前記活物質含有層は、前記帯状集電体の長手方向に連続的もしくは間欠的に形成されていることを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の電極の製造方法。
- 前記帯状集電体は、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔または銅箔であることを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の電極の製造方法。
- 前記段部の段差が下記(A)式を満たすことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の電極の製造方法。
150≦H≦750 (A)
但し、Hは、前記電極の前記活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際の前記段差の大きさ(%)である。 - 前記段部の段差が下記(1)式を満たすことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の電極の製造方法。
150≦H≦600 (1)
但し、Hは、前記電極の前記活物質含有層の帯状集電体片面当たりの厚さを100%とした際の前記段差の大きさ(%)である。 - 前記段部のテーパーR(mm)を、R≦15とすることを特徴とする請求項5または6いずれか1項記載の電極の製造方法。
- 前記張力を加える工程での前記帯状極板の引張応力F(N/mm 2 )が、20≦F≦100を満たすことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の電極の製造方法。
- 前記張力を加える工程では、前記帯状極板に60℃以上150℃以下の温度で加熱処理が施されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の電極の製造方法。
- 正極と、負極と、非水電解質とを備える電池の製造方法であって、
前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極が、請求項1〜9いずれか1項記載の方法で製造されることを特徴とする電池の製造方法。
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